説明

クレードル装置、携帯機器の操作方法、及び携帯機器の操作プログラム

【課題】 ユーザが直接手で操作することなく、離れた場所からでも、クレードル装置に装着された携帯電話機の操作を可能とする。
【解決手段】 クレードル装置側に設けられているマイクロホン部1で集音されたユーザの拍手や所定の指示音声、或いはカメラ部2で撮像されたユーザの所定の動作に対応する操作指示コマンドを形成し、これを携帯電話機に送信する。携帯電話機側では、クレードル装置から受信した操作指示コマンドに対応する画面情報を形成し、これをクレードル装置に送信する。そして、クレードル装置は、この携帯電話機から受信した画面情報を投影するようにプロジェクタ部3を投影制御する。これにより、ユーザが直接手で操作することなく、離れた場所からでも当該クレードル装置に装着された携帯電話機の操作を可能とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話機、PHS電話機(PHS:Personal Handyphone System)、PDA装置(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯ゲーム機、ノート型のパーソナルコンピュータ装置等の携帯機器のクレードル装置に適用して好適なクレードル装置、携帯機器の操作方法、及び携帯機器の操作プログラムに関する。
特には、上記携帯機器が載置されるクレードル装置にマイクロホン部(及び(又は)カメラ部)とプロジェクタ部を設け、マイクロホン部で集音されたユーザの所定の指示音声(或いはカメラ部で撮像されたユーザの所定の動作)で、上記載置されている携帯機器を操作可能とすると共に、プロジェクタ部を介して該機器操作に対応する画面の投影を行うことで、ユーザが直接手で操作することなく上記携帯機器の操作を可能としたクレードル装置、携帯機器の操作方法、及び携帯機器の操作プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2006−157349号の公開特許公報(特許文献1)には、電子画像を扱う電子機器が載置される補助装置にプロジェクタを設けた、使い勝手のよいプロジェクタ付き電子機器用補助装置が開示されている。
【0003】
このプロジェクタ付き電子機器用補助装置は、プロジェクタ部を備えるクレードルが投射スイッチのオン操作を検出すると、当該クレードルに載置されている電子カメラの電源をオン制御すると共に、メイン液晶表示器の表示をオフ制御する。クレードルに設けられているCPUは、電子カメラ側から送信された画像データに画像圧縮処理が施されている場合は、該画像データに対して伸長処理を施すと共に、プロジェクタ部の投射解像度に応じてリサイズ処理を施し、このリサイズ処理後の画像データをメモリカードに一旦、記憶制御する。そして、このメモリカードに記憶した画像データをメモリカードから読み出し、所定の再生処理を施してプロジェクタ部を介して投影する。これにより、電子カメラをクレードルに載置することで、該電子カメラからクレードルに送信された画像をクレードルに設けられているプロジェクタを介して投影することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】2006−157349号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この特許文献1に開示されているプロジェクタ付き電子機器用補助装置は、あくまでも画像を大きな画面で見るという目的でプロジェクタが使われており、クレードルに設けられているスイッチの操作が必要となるため(=手でスイッチを操作する必要があるため)、ユーザは常にクレードルの側に居ることが必要となる問題がある。
【0006】
また、特許文献1に開示されているプロジェクタ付き電子機器用補助装置は、このように手によるスイッチ操作が必要となるため、このプロジェクタ付き電子機器用補助装置を、携帯電話機のクレードルに適用して使用する場合、電話着信やメール着信等のように、いつ発生するか分からないイベントに対応するためには、ユーザは、常にクレードルの側に居る必要がある。或いは、ユーザは、上記イベントが発生する毎に、クレードルの側に移動して上記スイッチ操作を行う必要がある。
【0007】
また、プロジェクタは、「離れた場所からでも情報を確認できる」という利点を有しているが、特許文献1に開示されているプロジェクタ付き電子機器用補助装置の場合、上述のようにユーザは、常にクレードルの側に居て操作を行うことが強いられるため、プロジェクタの上記利点が生かされていない問題がある。
【0008】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、マイクロホン部で集音されたユーザの所定の指示音声(或いはカメラ部で撮像されたユーザの所定の動作)で、装着されている携帯機器を操作可能とすると共に、プロジェクタ部を介して該機器操作に対応する画面の投影を行うことで、ユーザが直接手で操作することなく、離れた場所からでも上記携帯機器の操作を可能としたクレードル装置、携帯機器の操作方法、携帯機器の操作プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述の課題を解決するために、
携帯機器に対して電気的接続を図るためのコネクタ部と、
投影を行うためのプロジェクタ部と、
ユーザの操作指示音声、或いはユーザの操作指示動作を検出する操作指示検出部と、
上記操作指示検出部で検出されたユーザの操作指示に対応する、上記携帯機器の操作コマンドを形成して、上記コネクタ部を介して上記携帯機器に送信する操作コマンド形成部と、
上記操作コマンド形成部が上記操作コマンドを携帯機器に送信することで、該携帯機器から送信される、上記操作コマンドに対応する画面情報を投影するように、上記プロジェクタ部を投影制御する投影制御部と
を有する。
【0010】
このような本発明は、操作コマンド形成部が、操作指示検出部で検出されたユーザの操作指示に対応する携帯機器の操作コマンドを形成し、これをコネクタ部を介して携帯機器に送信する。投影制御部は、操作コマンド形成部が上記操作コマンドを携帯機器に送信することで、該携帯機器から送信される、上記操作コマンドに対応する画面情報を投影するようにプロジェクタ部を投影制御する。これにより、ユーザが直接手で操作することなく、離れた場所からでも当該クレードル装置に装着された携帯電話機の操作を可能とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、ユーザが直接手で操作することなく、離れた場所からでも、装着されている携帯機器の操作を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を適用した実施例となるクレードル装置のブロック図、及び当該クレードル装置に装着された携帯電話機のブロック図である。
【図2】実施例となるクレードル装置に装着された携帯電話機を非接触操作制御する流れを示すフローチャートである。
【図3】実施例となるクレードル装置の上記非接触操作制御時における投影画面の一例を示す図である。
【図4】携帯電話機に対して電話着信があった場合における、実施例となるクレードル装置の非接触操作制御の流れを示すフローチャートである。
【図5】携帯電話機に対してメール着信があった場合における、実施例となるクレードル装置の非接触操作制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】携帯電話機に対してメール着信があった場合における投影画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、携帯電話機が装着されるクレードル装置に適用することができる。
【0014】
[クレードル装置の構成]
この本発明を適用した実施例となるクレードル装置は、図1に示すようにユーザの指示音声を集音するためのマイクロホン部1と、ユーザの所定の指示動作を撮像するためのカメラ部2と、静止画像或いは動画像の投影を行うためのプロジェクタ部3と、音声出力を得るためのスピーカ部4とを有している。
【0015】
なお、この例では、当該クレードル装置は、マイクロホン部1及びカメラ部2の両方を有することとしたが、これは、マイクロホン部1のみ、或いはカメラ部2のみを有するようにしてもよい。
【0016】
また、このクレードル装置は、当該クレードル装置に装着される携帯電話機との間で電気的な接続を図るためのコネクタ部5と、当該クレードル装置に装着された携帯電話機の二次電池(バッテリ)に充電用の電力供給を行うための電源回路6と、各種アプリケーションプログラム等が記憶されたメモリ7と、当該クレードル装置全体の動作制御を行う制御部8とを有している。
【0017】
電源回路6は、家庭用コンセントに接続されており商用交流電源を直流電源に変換してコネクタ部5を介して携帯電話機に供給するようになっている。
【0018】
メモリ7には、マイクロホン部1で集音されたユーザの指示音声を解析して、当該クレードル装置に設けられた携帯電話機の操作コマンドを形成し、また、カメラ部2で撮像されたユーザの指示動作を解析(=画像解析)して、当該クレードル装置に設けられた携帯電話機の操作コマンドを形成するための操作プログラムが記憶されている。
【0019】
また、メモリ7には、マイクロホン部1を駆動制御するためのマイクロホン駆動制御プログラムと、カメラ部2を駆動制御するためのカメラ制御プログラムと、プロジェクタ部3を投影制御するためのプロジェクタ制御プログラムと、携帯電話機に対する充電制御を行うための充電制御プログラムと、携帯電話機との間で制御コマンドや画像データ等の送受信制御を行うための通信制御プログラム等が記憶されている。
【0020】
[携帯電話機の構成]
次に、この実施例となるクレードル装置に装着される携帯電話機は、図1に示すように無線基地局との間で音声通話、テレビ電話通話、電子メール、Webデータ(Web:World Wide Web)等の無線通信を行うアンテナ11及び通信回路12と、受話音声等を出力するためのスピーカ部13と、送話音声等を集音するためのマイクロホン部14と、操作メニュー、電子メール、画像(静止画像及び動画像)等を表示するための表示部15と、所望のメニューの選択操作や所望の文字の入力操作等を行うための操作部16とを有している。
【0021】
また、この携帯電話機は、発着信等を光でユーザに通知するための発光部17(LED:Light Emitting Diode)と、所望の被写体の静止画像や動画像を撮像するためのカメラ部18と、上記クレードル装置に当該携帯電話機が装着された際に、該クレードル装置と当該携帯電話機との電気的な接続を図るためのコネクタ部19と、バッテリ21に対して充電を行うための充電回路20と、無線基地局を介した無線通信を行うためのコミュニケーションプログラムの他、複数のアプリケーションプログラム、及び各アプリケーションプログラムで取り扱われるデータ等が記憶されたメモリ22と、当該携帯電話機全体の動作を制御する制御部23と、地上デジタルテレビジョン放送を受信するためのテレビジョンアンテナ24及びテレビジョンユニット25(TVユニット)を有している。
【0022】
メモリ22には、上記コミュニケーションプログラムの他、カメラ部18の撮像制御を行うためのカメラ制御プログラム、電子メールの作成や送受信を制御するための電子メール管理プログラム、ユーザのスケジュールが登録されたスケジュール帳の管理を行うためのスケジュール帳管理プログラム、所望のWebページの閲覧を行うためのWebブラウジングプログラム、電話帳の管理を行うための電話帳管理プログラム、音楽データの再生を行うための音楽プレーヤプログラム、地上デジタルテレビジョン放送を受信するためのテレビジョンアプリケーションプログラム等の各種アプリケーションプログラムが記憶されている。
【0023】
また、このメモリ22には、当該携帯電話機のユーザのスケジュールが登録されるスケジュール帳、ユーザの知人や友人等のユーザ名、静止画像(顔写真等)、住所、電話番号、電子メールアドレス、生年月日等が登録された電話帳、音楽プレーヤプログラムに基づいて再生される音楽データ、カメラ制御プログラムのビューワ機能に基づいて再生される静止画像データ及び動画像データ、送受信された電子メールデータ、電話及び電子メールの発着信履歴が記憶されている。
【0024】
[実施例の動作]
当該実施例のクレードル装置は、装着された携帯電話機を、該携帯電話機に触れることなく操作することが可能となっている。
【0025】
〔装着された携帯電話機の非接触操作制御〕
図2のフローチャートに、当該実施例のクレードル装置の制御部8における、装着された携帯電話機の非接触操作制御の流れを示す。一例ではあるが、クレードル装置の制御部8は、図1に示すコネクタ部5の電圧値を監視しており、この電圧値が所定の電圧値になったことを検出すると、携帯電話機が当該クレードル装置に装着されたものと認識し、メモリ7に記憶されている上記操作プログラムに基づいて、この図2のフローチャートに示す処理を開始する。
【0026】
ステップS1では、クレードル装置の制御部8が、当該クレードル装置側のコネクタ部5及び携帯電話機側のコネクタ部19を介して、該携帯電話機の制御部23と通信を行い、該携帯電話機の制御部23に対してバッテリ21の充電開始要求を行う。そして、クレードル装置の制御部8は、携帯電話機の制御部23から、この充電開始要求に対する充電許可信号が返信されると、携帯電話機に対して充電用の電力供給を開始するように、図1に示す電源回路6を制御する。これにより、クレードル装置の電源回路6からの充電用の電力が、コネクタ部5及びコネクタ部19を順に介して携帯電話機側の充電回路20に供給され、バッテリ21に対して充電が行われる。
【0027】
また、上記ステップS1において、クレードル装置の制御部8は、携帯電話機の制御部23に対して、待ち受け画像の転送供給を行う。携帯電話機の制御部23は、この転送要求がなされると、メモリ22に記憶されている静止画像データのうち、ユーザにより待ち受け画像として指定されている静止画像データを読み出す。そして、この静止画像データである待ち受け画像と共に、図示しないタイマで計時されている現在時刻を示す現在時刻情報、及びバッテリ21の現在の蓄電量を示すアイコン画像等をクレードル装置側に転送する。この待ち受け画像、現在時刻情報、及び現在の蓄電量を示すアイコン画像は、コネクタ部19及びコネクタ部5を順に介してクレードル装置側に供給される。
【0028】
クレードル装置の制御部8は、この待ち受け画像、現在時刻情報、及び現在の蓄電量を示すアイコン画像をメモリ7に一旦記憶制御すると共に、プロジェクタ部3を起動制御する。そして、メモリ7に一旦記憶制御した待ち受け画像、現在時刻情報、及び現在の蓄電量を示すアイコン画像をプロジェクタ部3に供給し、投影を行うようにプロジェクタ部3を投影制御する。これにより、図3(a)に示すようにプロジェクタ部3に対して相対向するように位置しているスクリーンや壁に対して、待ち受け画像、現在時刻情報、及び現在の蓄電量を示すアイコン画像が投影されることとなる。
【0029】
このように待ち受け画像の投影制御を行うと、クレードル装置の制御部8は、ステップS2に処理を進め、上記操作プログラムに含まれる音声解析プログラムに基づいて、マイクロホン部1で集音される音声を解析することで、ユーザから所定の動作指示音声が検出されたか否かを判別する。そして、制御部8は、ユーザからの動作指示音声を検出したタイミングで処理をステップS3に進める。
【0030】
ステップS3では、クレードル装置の制御部8が、上記ステップS2で検出した動作指示音声に対応する動作指示コマンドを形成し、これをコネクタ部5及びコネクタ部19を順に介して携帯電話機側に送信する。
【0031】
具体的には、この例の場合、ユーザは、拍手や声等により上記動作指示を行うようになっている。すなわち、クレードル装置のメモリ7には、例えば着信待ち受け時における1回の拍手は、携帯電話機の総合メニューの表示指示を示し、総合メニューの表示時における1回の拍手は、当該総合メニューのメニュー項目を選択するためのカーソルの移動指示を示し、総合メニューの表示時における2回の拍手は、カーソルが位置しているメニュー項目の選択決定指示を示す等のように、拍手の回数を示す情報と、その拍手の回数で指示される携帯電話機の動作を示す情報とがそれぞれ関連付けされて記憶された音声指示テーブルが設けられている。また、この音声指示テーブルには、ユーザの声の指示の音声解析結果を示す情報と、該各音声解析結果で指示される携帯電話機の動作を示す情報とがそれぞれ関連付けされて記憶されている。
【0032】
クレードル装置の制御部8は、マイクロホン部1で集音された音声を解析することで、その集音された音声が拍手の音声であるのか、或いはユーザの声の音声であるのかを判別する。
【0033】
マイクロホン部1で集音された音声が、拍手の音声であるものと判別した場合、制御部8は、例えば500msec等の所定の時間内における拍手の音声の検出回数を検出することで、ユーザによりなされた拍手の回数を検出する。
【0034】
すなわち、ユーザが1回、拍手を行うことで発生する該拍手の音声の時間的な信号長は、約100msecの信号長の音声となる。制御部8は、マイクロホン部1で集音された音声を解析することで、この約100msecの信号長の音声を検出した場合、この音声を拍手の音声として認識する。また、ユーザが2回、拍手を行う場合、この2回の拍手は例えば500msecの間に行われることが多い。このため、制御部8は、上記500msec内における拍手の音声の検出回数をカウントすることで、ユーザによりなされた拍手の回数を検出する。
【0035】
制御部8は、拍手の音声と、該拍手の検出回数を検出すると、この検出結果に基づいて、メモリ7の音声指示テーブルを参照する。そして、制御部8は、例えば現在、プロジェクタ部3を介して携帯電話機の待ち受け画像等を投影している着信待ち受け時であり、1回の拍手を検出した場合、総合メニューの表示指示コマンドを形成し、これをコネクタ部5を介して携帯電話機側に送信する。また、制御部8は、現在、総合メニューの表示時であり、1回の拍手を検出した場合、総合メニューのメニュー項目を選択するためのカーソルの移動指示コマンドを形成し、これをコネクタ部5を介して携帯電話機側に送信する。さらに、制御部8は、現在、総合メニューの表示時であり、2回の拍手を検出した場合、現在、カーソルが位置しているメニュー項目の選択決定指示コマンドを形成し、これをコネクタ部5を介して携帯電話機側に送信する。
【0036】
これに対して、マイクロホン部1で集音された音声を解析することで、その集音された音声がユーザの声の音声であるものと判別した場合、制御部8は、上記音声解析プログラムに基づいて、その声の音声を解析し、この音声解析結果に基づいてメモリ7の音声指示テーブルを参照する。例えば、上記音声解析を行うことで、「総合メニューの表示」との音声解析結果を得られた場合、制御部8は、この音声解析結果に基づいて音声指示テーブルを参照することで、総合メニューの表示指示コマンドを形成し、これをコネクタ部5を介して携帯電話機側に送信する。同様に、上記音声解析を行うことで、「カーソルを上に移動」との音声解析結果を得られた場合、制御部8は、この音声解析結果に基づいて音声指示テーブルを参照することで、カーソルを上に移動させるためのカーソルの移動指示コマンドを形成し、これをコネクタ部5を介して携帯電話機側に送信する。さらに、上記音声解析を行うことで、「決定」との音声解析結果を得られた場合、制御部8は、この音声解析結果に基づいて音声指示テーブルを参照することで、現在、カーソルが位置しているメニュー項目の選択決定指示コマンドを形成し、これをコネクタ部5を介して携帯電話機側に送信する。
【0037】
このようにユーザの拍手や声に対応する動作指示コマンドを形成して携帯電話機に送信すると、クレードル装置の制御部8は、ステップS4に処理を進める。携帯電話機の制御部23は、上記動作指示コマンドを受信すると、この動作指示コマンドに対応する、上記総合メニューの画面情報等を形成し、これをクレードル装置側に送信する。クレードル装置の制御部8は、上記ステップS4において、上記総合メニューの画面情報等の、上記動作指示コマンドに対応する画面情報を、携帯電話機から受信したか否かを判別し、該画面情報を受信したものと判別した際に、処理をステップS5に進める。
【0038】
ステップS5では、制御部8が、携帯電話機から受信した上記画面情報を投影するようにプロジェクタ部3を投影制御する。これにより、ユーザの拍手や声により、携帯電話機が操作され、この操作に対応する画面が、プロジェクタ部3を介して投影されることとなる。
【0039】
図3(a)〜図3(e)を用いて、このような拍手や声による携帯電話機の操作例を説明する。例えば、図3(a)に示すように携帯電話機の着信待ち受け画像が、クレードル装置のプロジェクタ部3を介して投影されている状態から、ユーザが地上デジタル放送のテレビジョン放送(いわゆる、ワンセグ)を視聴する場合、まず、ユーザは、1回、拍手を行う。クレードル装置の制御部8は、上記着信待ち受け画像を投影している状態で、この1回の拍手の音声を検出すると、総合メニューの表示指示コマンドを形成し、これを携帯電話機に送信する。携帯電話機の制御部23は、クレードル装置から送信された上記総合メニューの表示指示コマンドに基づいて、総合メニューの画面情報を形成し、これをクレードル装置に送信する。クレードル装置の制御部8は、この携帯電話機から受信した総合メニューの画面情報を投影するようにプロジェクタ部3を投影制御する。これにより、図3(b)に示すように、例えばエンタテインメント、メール、インターネット、アプリケーション、電話、ライフキット・・・等の総合メニューが投影されることとなる。
【0040】
次に、ユーザは、この総合メニューが投影された状態において、図3(b)に示すカーソルCRを移動操作する場合、拍手を1回行う。総合メニューが投影された状態において、1回の拍手を検出すると、クレードル装置の制御部8は、カーソルCRを次のメニュー項目に一つ移動操作するためのカーソル移動指示コマンドを形成し、これを携帯電話機に送信する。携帯電話機の制御部23は、このカーソルの移動指示コマンドを受信すると、総合メニュー上のカーソルCRを一つ次のメニュー項目に移動させた状態の画面情報を形成し、これをクレードル装置に送信する。クレードル装置の制御部8は、この画面情報を投影するようにプロジェクタ部3を投影制御する。これにより、プロジェクタ部3により投影されている総合メニュー上のカーソルCRが、ユーザが1回、拍手を行う毎に、一つずつ次のメニュー項目に移動することとなる。
【0041】
ユーザは、このようにカーソルCRを移動操作することで、この例の場合、ワンセグのメニュー項目を含むエンタテインメントのメニュー項目上にカーソルCRを位置させる。そして、このエンタテインメントのメニュー項目上にカーソルCRを位置させた状態で2回の拍手を行う。クレードル装置の制御部8は、総合メニューを投影している状態で、この2回の拍手を検出すると、現在、カーソルCRが位置しているエンタテインメントのメニュー項目の選択決定指示コマンドを形成し、これを携帯電話機に送信する。
【0042】
携帯電話機の制御部23は、このエンタテインメントのメニュー項目の選択決定指示コマンドを受信すると、例えばマイセレクト、ワンセグ、音楽プレーヤ、カレンダー、カメラ、ムービー・・・等の、上記エンタテインメントのメニューの各メニュー項目の画面情報を形成し、これをクレードル装置に送信する。クレードル装置の制御部8は、このエンタテインメントのメニューの各メニュー項目の画面情報を投影するように、プロジェクタ部3を投影制御する。これにより、図3(c)に示すように、マイセレクト、ワンセグ、音楽プレーヤ、カレンダー、カメラ、ムービー・・・等の、上記エンタテインメントのメニューの各メニュー項目の画面が投影されることとなる。
【0043】
次に、このエンタテインメントのメニューの各メニュー項目の画面が投影されると、ユーザは、上述のように1回ずつ拍手を行うことで、当該メニュー項目の画面上に表示されているカーソルCRを移動操作し、ワンセグのメニュー項目の表示位置にカーソルCRを移動させた状態で、拍手を2回行う。
【0044】
クレードル装置の制御部8は、エンタテインメントの各メニュー項目を投影している状態で2回の拍手を検出すると、現在、カーソルCRが位置しているワンセグのメニュー項目の選択決定指示コマンドを形成し、これを携帯電話機に送信する。
【0045】
携帯電話機の制御部23は、このワンセグのメニュー項目の選択決定指示コマンドを受信すると、例えばワンセグ視聴、予約リスト、テレビリンク、チャンネルリスト設定、ワンセグ設定・・・等の、上記ワンセグのメニューの各メニュー項目の画面情報を形成し、これをクレードル装置に送信する。クレードル装置の制御部8は、このワンセグのメニューの各メニュー項目の画面情報を投影するように、プロジェクタ部3を投影制御する。これにより、図3(d)に示すように、ワンセグ視聴、予約リスト、テレビリンク、チャンネルリスト設定、ワンセグ設定・・・等の、ワンセグの各メニュー項目の画面が投影されることとなる。
【0046】
最後に、ユーザは、上述のように拍手でカーソルCRを移動操作することで、上記ワンセグの各メニュー項目のうち、ワンセグ視聴のメニュー項目上にカーソルCRを移動操作し、拍手を2回行う。
【0047】
クレードル装置の制御部8は、ワンセグの各メニュー項目を投影している状態で2回の拍手を検出すると、現在、カーソルCRが位置しているワンセグ視聴のメニュー項目の選択決定指示コマンドを形成し、これを携帯電話機に送信する。
【0048】
携帯電話機の制御部23は、このワンセグ視聴のメニュー項目の選択決定指示コマンドを受信すると、図1に示すメモリ22に記憶されているテレビジョンアプリケーションプログラムに基づいて、TVユニット25を起動制御し、テレビジョンアンテナ24及びテレビジョンユニット25で受信されるテレビジョン放送信号をクレードル装置に送信する。
【0049】
クレードル装置の制御部8は、携帯電話機からこのテレビジョン放送信号を受信すると、該テレビジョン放送信号を映像信号と音声信号とに分離し、映像信号をプロジェクタ部3に供給し、音声信号をスピーカ部4に供給する。これにより、図3(e)に示すように携帯電話機側で受信されたテレビジョン放送の映像がプロジェクタ部3を介して投影されると共に、該テレビジョン放送の音声がスピーカ部4を介して音響出力されることとなる。
【0050】
以上の説明は、拍手で携帯電話機を操作する例であったが、ユーザの声で携帯電話機を操作する場合も同様である。すなわち、ユーザの声で携帯電話機を操作して上記ワンセグのデジタルテレビジョン放送を視聴する場合、図3(a)に示すように携帯電話機の着信待ち受け画像が、クレードル装置のプロジェクタ部3を介して投影されている状態において、ユーザは「総合メニューの表示」との発声を行う。クレードル装置の制御部8は、上記着信待ち受け画像を投影している状態で、この「総合メニューの表示」との音声を検出すると、総合メニューの表示指示コマンドを形成し、これを携帯電話機に送信する。携帯電話機の制御部23は、クレードル装置から送信された上記総合メニューの表示指示コマンドに基づいて、総合メニューの画面情報を形成し、これをクレードル装置に送信する。クレードル装置の制御部8は、この携帯電話機から受信した総合メニューの画面情報を投影するようにプロジェクタ部3を投影制御する。これにより、図3(b)に示すように、例えばエンタテインメント、メール、インターネット、アプリケーション、電話、ライフキット・・・等の総合メニューが投影されることとなる。
【0051】
次に、ユーザは、この総合メニューが投影された状態において、図3(b)に示すカーソルCRを移動操作する場合、「カーソルを上に移動」、「カーソルを下に移動」等の発声を行う。総合メニューが投影された状態において、この「カーソルを上に移動」、「カーソルを下に移動」等の音声を検出すると、クレードル装置の制御部8は、カーソルCRを上のメニュー項目に一つ移動操作するためのカーソル移動指示コマンド、或いはカーソルCRを下のメニュー項目に一つ移動操作するためのカーソル移動指示コマンドを形成し、これを携帯電話機に送信する。携帯電話機の制御部23は、このカーソルの移動指示コマンドを受信すると、総合メニュー上のカーソルCRを一つ上或いは一つ下のメニュー項目に移動させた状態の画面情報を形成し、これをクレードル装置に送信する。クレードル装置の制御部8は、この画面情報を投影するようにプロジェクタ部3を投影制御する。これにより、プロジェクタ部3により投影されている総合メニュー上のカーソルCRが、ユーザが上記カーソル移動指示の発声を行う毎に、一つずつ上或いは下のメニュー項目に移動することとなる。
【0052】
ユーザは、このようにカーソルCRを移動操作することで、この例の場合、ワンセグのメニュー項目を含むエンタテインメントのメニュー項目上にカーソルCRを位置させる。そして、このエンタテインメントのメニュー項目上にカーソルCRを位置させた状態で「決定」との発声を行う。クレードル装置の制御部8は、総合メニューを投影している状態で、この「決定」の音声を検出すると、現在、カーソルCRが位置しているエンタテインメントのメニュー項目の選択決定指示コマンドを形成し、これを携帯電話機に送信する。
【0053】
携帯電話機の制御部23は、このエンタテインメントのメニュー項目の選択決定指示コマンドを受信すると、例えばマイセレクト、ワンセグ、音楽プレーヤ、カレンダー、カメラ、ムービー・・・等の、上記エンタテインメントのメニューの各メニュー項目の画面情報を形成し、これをクレードル装置に送信する。クレードル装置の制御部8は、このエンタテインメントのメニューの各メニュー項目の画面情報を投影するように、プロジェクタ部3を投影制御する。これにより、図3(c)に示すように、マイセレクト、ワンセグ、音楽プレーヤ、カレンダー、カメラ、ムービー・・・等の、上記エンタテインメントのメニューの各メニュー項目の画面が投影されることとなる。
【0054】
次に、このエンタテインメントのメニューの各メニュー項目の画面が投影されると、ユーザは、上述のようにカーソル移動指示の発声を行うことで、当該メニュー項目の画面上に表示されているカーソルCRを移動操作し、ワンセグのメニュー項目の表示位置にカーソルCRを移動させた状態で、「決定」との発声を行う。
【0055】
クレードル装置の制御部8は、エンタテインメントの各メニュー項目を投影している状態で「決定」の音声を検出すると、現在、カーソルCRが位置しているワンセグのメニュー項目の選択決定指示コマンドを形成し、これを携帯電話機に送信する。
【0056】
携帯電話機の制御部23は、このワンセグのメニュー項目の選択決定指示コマンドを受信すると、例えばワンセグ視聴、予約リスト、テレビリンク、チャンネルリスト設定、ワンセグ設定・・・等の、上記ワンセグのメニューの各メニュー項目の画面情報を形成し、これをクレードル装置に送信する。クレードル装置の制御部8は、このワンセグのメニューの各メニュー項目の画面情報を投影するように、プロジェクタ部3を投影制御する。これにより、図3(d)に示すように、ワンセグ視聴、予約リスト、テレビリンク、チャンネルリスト設定、ワンセグ設定・・・等の、ワンセグの各メニュー項目の画面が投影されることとなる。
【0057】
最後に、ユーザは、上述のようにカーソル移動指示の発声を行うことで、上記ワンセグの各メニュー項目のうち、ワンセグ視聴のメニュー項目上にカーソルCRを移動操作し、「決定」との発声を行う。
【0058】
クレードル装置の制御部8は、ワンセグの各メニュー項目を投影している状態で「決定」の音声を検出すると、現在、カーソルCRが位置しているワンセグ視聴のメニュー項目の選択決定指示コマンドを形成し、これを携帯電話機に送信する。
【0059】
携帯電話機の制御部23は、このワンセグ視聴のメニュー項目の選択決定指示コマンドを受信すると、図1に示すメモリ22に記憶されているテレビジョンアプリケーションプログラムに基づいて、TVユニット25を起動制御し、テレビジョンアンテナ24及びテレビジョンユニット25で受信されるテレビジョン放送信号をクレードル装置に送信する。
【0060】
クレードル装置の制御部8は、携帯電話機からこのテレビジョン放送信号を受信すると、該テレビジョン放送信号を映像信号と音声信号とに分離し、映像信号をプロジェクタ部3に供給し、音声信号をスピーカ部4に供給する。これにより、図3(e)に示すように携帯電話機側で受信されたテレビジョン放送の映像がプロジェクタ部3を介して投影されると共に、該テレビジョン放送の音声がスピーカ部4を介して音響出力されることとなる。
【0061】
なお、以上の例は、ユーザの声により、携帯電話機の総合メニューから所望の機能に対応するアプリケーションプログラムを起動する例であったが、ユーザが所望の動作を声で直接指示してもよい。例えば、ユーザがテレビジョン放送を視聴する場合、「ワンセグ視聴」との発声を行う。クレードル装置の制御部8は、この「ワンセグ視聴」の音声を検出すると、TVアプリケーションプログラムの起動コマンドを形成して携帯電話機に送信する。携帯電話機の制御部23は、この起動コマンドに基づいて、TVアプリケーションプログラムを起動制御し、TVユニット25で受信されたテレビジョン放送信号をクレードル装置に送信する。そして、クレードル装置の制御部8が、携帯電話機から送信されたテレビジョン放送信号の映像信号をプロジェクタ部3を介して投影制御し、また、テレビジョン放送信号の音声信号をスピーカ部4を介して音響出力制御する。これにより、携帯電話機に対して直接的に所望の操作を指定可能とすることができる。
【0062】
次に、図2のフローチャートに戻り、クレードル装置の制御部8は、ステップS5において、このように携帯電話機から送信された画面情報をプロジェクタ部3を介して投影制御すると、後述するステップS6を介して処理をステップS7に進め、図1に示すコネクタ部5の電圧値に基づいて、当該クレードル装置から携帯電話機が取り外されたか否かを判別する。そして、携帯電話機が当該クレードル装置に装着された状態であるものと判別した場合には、処理をステップS2に戻し、上述のように動作指示音声の検出を繰り返し行う。これに対して、当該クレードル装置から携帯電話機が取り外されたものと判別した場合には、処理をステップS8に進め、プロジェクタ部3をオフ制御して、この図2のフローチャートに示す全処理を終了する。
【0063】
〔携帯電話機に着信があった場合の動作〕
次に、当該クレードル装置に装着されている携帯電話機に対して、電話着信或いはメール着信があった場合の当該クレードル装置の動作を説明する。当該クレードル装置の制御部8は、当該クレードル装置に装着されている携帯電話機に対する電話着信或いはメール着信を、図2のフローチャートのステップS6で監視している。
【0064】
すなわち、携帯電話機の制御部23は、電話着信やメール着信があると、この電話着信情報或いはメール着信情報をクレードル装置側に転送するようになっている。クレードル装置の制御部8は、この携帯電話機から転送される電話着信情報或いはメール着信情報の有無を監視することで、携帯電話機に電話着信或いはメール着信があったか否かを判別しており、上記ステップS6において、電話着信或いはメール着信があったものと判別した場合、処理をステップS9に進める。
【0065】
このステップS9では、クレードル装置の制御部8が、携帯電話機から転送された着信情報を解析することで、該携帯電話機に対する着信は電話着信か、或いはメール着信かを判別する。そして、携帯電話機に対する着信が電話着信であると判別した場合は、処理を図4のフローチャートのステップS11に進め、携帯電話機に対する着信がメール着信であると判別した場合は、処理を図5のフローチャートのステップS21に進める。
【0066】
すなわち、図4は、携帯電話機に対して電話着信があった場合における当該クレードル装置の動作の流れを示すフローチャートとなっており、図5は、携帯電話機に対してメール着信があった場合における当該クレードル装置の動作の流れを示すフローチャートとなっている。
【0067】
(電話着信時の動作)
上記ステップS9において、携帯電話機に対する着信が電話着信であると判別することで処理を図4のフローチャートのステップS11に進めると、クレードル装置の制御部8は、携帯電話機から送信された上記電話着信情報に対応する電話着信画面を投影するようにプロジェクタ部3を投影制御して、処理をステップS12に進める。
【0068】
具体的には、携帯電話機の制御部23は、電話着信があると、この着信情報に含まれる当該電話を発信したユーザが使用している携帯電話機の電話番号情報に基づいて、メモリ22に記憶されている電話帳を参照する。そして、携帯電話機の制御部23は、上記電話番号情報に関連付けられて電話帳に登録されているユーザ名(=電話を発信したユーザのユーザ名)を検出し、このユーザ名を示す情報、及び上記電話番号情報を含む着信通知画面を形成し、これをクレードル装置に送信する。なお、この例では、電話帳からユーザ名のみを検出することとしたが、該電話帳にユーザの顔写真が登録されている場合は、上記ユーザ名と共に、この顔写真も検出してもよい。
【0069】
クレードル装置の制御部8は、携帯電話機から上記着信通知画面を受信すると、これを投影するようにプロジェクタ部3を投影制御する。これにより、プロジェクタ部3を介して、例えば図3(f)に示す着信通知画面が投影され、ユーザは、携帯電話機に対して電話着信があったことを認識することとなる。
【0070】
ユーザは、この着信した電話の相手と通話を行う場合、例えば拍手を1回行うか、「オフフック」との発声を行う。この例の場合、電話着信中における1回の拍手は、携帯電話機のオフフックを指示する動作となっている。クレードル装置の制御部8は、ステップS12において、この1回の拍手の有無か、或いは「オフフック」との音声の有無を判別することで、オフフック指示音声が検出されたか否かを判別しており、オフフック指示音声の検出がなされない場合は、処理をステップS20に進め、オフフック指示音声を検出した場合は、処理をステップS13に進める。
【0071】
オフフック指示音声を検出しないことで処理をステップS20に進めると、クレードル装置の制御部8は、携帯電話機から引き続き上記着信通知画面が供給されているか否かを判別することで、携帯電話機に電話着信が継続中であるか否かを判別する。そして、携帯電話機に電話着信が継続中であるものと判別した場合は、処理をステップS12に戻し、上記電話着信が継続中の間、上述のオフフック指示音声の有無を検出する。これに対して、携帯電話機に対する電話着信が終了したものと判別した場合は、処理を図2のフローチャートのステップS1に戻し、上述の待ち受け画像を投影するようにプロジェクタ部3を投影制御する。
【0072】
次に、上記ステップS12において、オフフック指示音声を検出することで処理をステップS13に進めると、クレードル装置の制御部8は、ハンズフリー通話の操作指示コマンドを形成し、これを携帯電話機に送信する。
【0073】
携帯電話機の制御部23は、このハンズフリー通話の操作指示コマンドを受信すると、通信回路12をオフフック制御し、スピーカ部13に対して受話音声を供給しているドライバ回路の音声出力利得を大きくするように該ドライバ回路を利得制御すると共に、ユーザの送話音声を検出するマイクロホン部14の検出感度を大きくするように該マイクロホン部14の送話感度を制御する。これにより、携帯電話機のユーザは、当該携帯電話機を手に持つことなく、当該クレードル装置に装着したままの状態で、いわゆるハンズフリー通話を行うことができる。
【0074】
また、携帯電話機の制御部23は、このようなハンズフリー通話制御を行うと共に、通話相手、及び通話時間等を示す通話中の表示画面を形成し、これをクレードル装置に送信する。クレードル装置の制御部8は、図4のフローチャートのステップS15において、この携帯電話機から送信された上記通話中の表示画面を投影するようにプロジェクタ部3を投影制御する。これにより、例えば図3(g)に示すように通話中の文字と、通話相手名(この例では○○太郎)、及び通話時間(この例では、0時間0分5秒)を示す通話中の表示画面がプロジェクタ部3を介して投影されることとなる。
【0075】
なお、携帯電話機の制御部23は、通話中においては、このような通話中の表示画面を連続的にクレードル装置に送信する。これにより、クレードル装置のプロジェクタ部3を介して投影される通話中の表示画面の上記通話時間は、0時間0分5秒→0時間0分6秒→0時間0分7秒→0時間0分8秒・・・等のように通話時間をカウントするかたちで更新されることとなる。このため、ユーザは、この通話中の表示画面を見ることで、現在の連続通話時間を認識することができる。
【0076】
次に、ユーザは、このようなハンズフリー通話を終了する場合、例えば拍手を2回行うか、「オンフック」との発声を行う。この例の場合、通話中における2回の拍手は、携帯電話機のオンフックを指示する動作となっている。クレードル装置の制御部8は、ステップS16において、この2回の拍手の有無か、或いは「オンフック」との音声の有無を判別することで、オンフック指示音声が検出されたか否かを判別しており、オンフック指示音声の検出がなされない場合は、処理をステップS14に戻し、上述の通話中の表示画面の投影制御を継続して行い、オンフック指示音声を検出した場合は、処理をステップS17に進める。
【0077】
オンフック指示音声を検出することで処理をステップS17に進めると、クレードル装置の制御部8は、ハンズフリー通話の終了指示コマンドを形成し、これを携帯電話機に送信する。携帯電話機の制御部23は、クレードル装置側からこのハンズフリー通話の終了指示コマンドを受信すると、通信回路12をオンフック制御し、スピーカ部13のドライバ回路の音声出力利得を元の利得に戻すと共に、マイクロホン部14の検出感度も元の大きさに戻す。これにより、上述のハンズフリー通話が終了することとなる。また、携帯電話機の制御部23は、このようなハンズフリー通話の終了制御と共に、当該ハンズフリー通話の連続通話時間、及び通話相手を示す通話終了画面を形成し、これをクレードル装置の送信する。
【0078】
クレードル装置の制御部8は、図4のフローチャートのステップS18において、上記携帯電話機からの通話終了画面の受信の有無を検出しており、該通話終了画面を受信したものと判別したタイミングで処理をステップS19に進める。そして、制御部8は、ステップS19において、例えば図3(h)に示すように通話終了の文字、通話相手、及び連続通話時間を示す通話終了画面を投影するようにプロジェクタ部3を投影制御して、この図4のフローチャートに示す電話着信時における全処理を終了して、処理を図2のフローチャートのステップS7に進める。
【0079】
なお、ステップS7では、クレードル装置の制御部8が、図1に示すコネクタ部5の電圧値に基づいて、当該クレードル装置から携帯電話機が取り外されたか否かを判別する。そして、携帯電話機が当該クレードル装置に装着された状態であるものと判別した場合には、処理をステップS2に戻し、上述のように動作指示音声の検出を繰り返し行う。これに対して、当該クレードル装置から携帯電話機が取り外されたものと判別した場合には、処理をステップS8に進め、プロジェクタ部3をオフ制御して、図2のフローチャートに示す全処理を終了する。
【0080】
(メール着信時の動作)
次に、図2のフローチャートの上記ステップS9において、携帯電話機に対する着信がメール着信であると判別すると、クレードル装置の制御部8は、図5のフローチャートのステップS21に処理を進め、携帯電話機から送信されたメール着信情報に対応するメール着信画面を投影するようにプロジェクタ部3を投影制御して、処理をステップS22に進める。
【0081】
具体的には、携帯電話機の制御部23は、メール着信があると、まず、メール受信中の文字、及びメールのアイコン画像等からなるメール受信中画面を形成し、これをクレードル装置に送信する。クレードル装置の制御部8は、このメール受信中画面を受信すると、これを投影するようにプロジェクタ部3を投影制御する。これにより、例えば図6(a)に示すように、現在、携帯電話機側でメールを受信中であることを示すメール受信中画面がプロジェクタ部3を介して投影されることとなる。そして、ユーザは、この投影されたメール受信中画面を見ることで、現在、携帯電話機側で電子メールを受信中であることを認識することができる。
【0082】
また、携帯電話機の制御部23は、このようなメール受信中画面の送信を行うと共に、受信した電子メールに含まれる発信元のメールアドレス情報に基づいて、メモリ22に記憶されている電話帳を参照する。そして、携帯電話機の制御部23は、上記発信元のメールアドレス情報に関連付けられて電話帳に登録されているユーザ名(=メールを発信したユーザのユーザ名)を検出し、このユーザ名を含むメール着信通知画面をクレードル装置に送信する。なお、この例では、電話帳からユーザ名のみを検出することとしたが、該電話帳にユーザの顔写真が登録されている場合は、上記ユーザ名と共に、この顔写真も検出してもよい。
【0083】
クレードル装置の制御部8は、携帯電話機から上記メール着信通知画面を受信すると、これを投影するようにプロジェクタ部3を投影制御する。これにより、プロジェクタ部3を介して、例えば図6(b)に示すメール着信通知画面が投影され、ユーザは、携帯電話機に対してメール着信があったこと、及び当該メールの発信元となるユーザのユーザ名を認識することとなる。
【0084】
ユーザは、この着信したメールを読む場合、例えば拍手を1回行うか、「メール表示」との発声を行う。この例の場合、メール着信通知画面の投影中における1回の拍手は、当該着信したメールの表示を指示する動作となっている。クレードル装置の制御部8は、ステップS22において、この1回の拍手の有無か、或いは「メール表示」との音声の有無を判別することで、メール表示指示音声が検出されたか否かを判別しており、メール表示指示音声の検出がなされない場合は、処理をステップS29に進め、メール表示指示音声を検出した場合は、処理をステップS23に進める。
【0085】
メール表示指示音声を検出しないことで処理をステップS29に進めると、クレードル装置の制御部8は、上記メール着信通知画面の連続投影時間である、例えば20秒等の所定の時間を、図示しないタイマからの計時情報に基づいてカウントし、この所定の時間が経過したものと判別したタイミングで、図2のステップS1へ処理を戻して、上述の待ち受け画面の投影制御を行う。
【0086】
すなわち、メール着信があったにも関わらず、メール表示指示音声が検出されないということは、ユーザが、そのメールを後から読むことを希望している場合が多い。このため、クレードル装置の制御部8は、上記メール着信通知画面の投影を上記20秒等の所定時間行い、メール表示指示音声を検出することなく、この20秒が経過した後には、図2のステップS1へ処理を戻して、上述の待ち受け画面の投影制御を行う。
【0087】
次に、メール表示指示音声を検出することで処理をステップS23に進めると、クレードル装置の制御部8は、着信したメールの転送指示コマンドを携帯電話機に送信する。携帯電話機の制御部23は、この転送指示コマンドを受信すると、着信したメールの着信日時、当該メールの発信元となるユーザのユーザ名、メールの表題、及びメールの本文等を含むメール画面を形成し、これをクレードル装置に送信する。
【0088】
クレードル装置の制御部8は、図5のフローチャートのステップS24において、この携帯電話機からのメール画面の受信の有無を監視しており、該メール画面の受信を検出すると、ステップS25において、この受信したメール画面を投影するように、プロジェクタ部3を投影制御する。これにより、例えば図6(c)に示すように着信したメールの着信日時、当該メールの発信元となるユーザのユーザ名、メールの表題、及びメールの本文等を含むメール画面がプロジェクタ部3を介して投影され、ユーザは、この投影されたメール画面により、上記着信したメールを読むことができる。
【0089】
次に、ユーザは、このようなメール画面の表示を終了する場合、例えば拍手を2回行うか、「表示終了」との発声を行う。この例の場合、メール画面の表示中における2回の拍手は、メール画面の表示終了を指示する動作となっている。クレードル装置の制御部8は、ステップS26において、この2回の拍手の有無か、或いは「表示終了」との音声の有無を判別することで、メールの表示終了指示音声が検出されたか否かを判別しており、メールの表示終了指示音声が検出なされない場合は、処理をステップS27に進め、メールの表示終了指示音声が検出された場合は、処理をステップS30に進める。
【0090】
メールの表示終了指示音声を検出することで処理をステップS30に進めると、クレードル装置の制御部8は、メール画面の投影を終了するようにプロジェクタ部3を制御して、処理を図2のフローチャートのステップS1に戻し、上述の待ち受け画面の投影制御を行う。
【0091】
一方、ユーザは、現在、投影されているメールよりも時間的に一つ前に着信したメールを読みたい場合、このメール画面の表示中において、例えば拍手を1回行うか、「前のメール」との発声を行う。この例の場合、メール画面の表示中における1回の拍手は、現在、投影されているメールよりも時間的に一つ前に着信したメールの表示を指示する動作となっている。クレードル装置の制御部8は、ステップS27において、この1回の拍手の有無か、或いは「前のメール」との音声の有無を判別することで、上記時間的に一つ前に着信したメールの表示指示音声が検出されたか否かを判別しており、時間的に一つ前に着信したメールの表示指示音声が検出なされない場合は、処理をステップS26に戻し、上述の表示終了指示音声の有無を監視し、時間的に一つ前に着信したメールの表示指示音声が検出されたものと判別した場合は、処理をステップS28に進める。
【0092】
時間的に一つ前に着信したメールの表示指示音声を検出することで処理をステップS28に進めると、クレードル装置の制御部8は、上記時間的に一つ前に着信したメールの転送指示コマンドを形成し、これを携帯電話機に送信して、処理をステップS24に戻す。
【0093】
携帯電話機の制御部23は、この転送指示コマンドを受信すると、現在、クレードル装置側に転送しているメール画面に対して、時間的に一つ前に着信したメールのメール画面を形成し、これをクレードル装置側に送信する。
【0094】
ステップS24では、クレードル装置の制御部8が、この携帯電話機から送信される上記時間的に一つ前に着信したメールのメール画面の受信の有無を監視しており、該時間的に一つ前に着信したメールのメール画面を受信した際に、ステップS25に処理を進め、この一つ前に着信したメールのメール画面を投影するようにプロジェクタ部3を投影制御する。これにより、メール画面の表示中において、1回の拍手を行う毎に、或いは「前のメール」との発声を行う毎に、時間的に一つ前に着信したメールのメール画面が順次、プロジェクタ部3を介して投影されることとなる。
【0095】
なお、この例は、現在、投影されているメールよりも時間的に一つ前に着信したメールのメール画面の投影を希望する場合には、1回の拍手を行うか、或いは「前のメール」との発声を行うこととしたが、現在、投影されているメールよりも時間的に一つ後に着信したメールのメール画面の投影を希望する場合には、ユーザは、3回の拍手を行うか、或いは「次のメール」との発声を行う。
【0096】
クレードル装置の制御部8は、この3回の拍手か、或いは「次のメール」との音声を検出すると、現在、投影されているメールよりも時間的に一つ後に着信したメールのメール画面の転送指示コマンドを形成し、これを携帯電話機に送信する。携帯電話機の制御部23は、この転送指示コマンドを受信すると、現在、投影されているメールよりも時間的に一つ後に着信したメールのメール画面を形成し、これをクレードル装置側に送信する。クレードル装置の制御部8は、この時間的に一つ後に着信したメールのメール画面を投影するようにプロジェクタ部3を投影制御する。これにより、メール画面の表示中において、3回の拍手を行う毎に、或いは「次のメール」との発声を行う毎に、時間的に一つ後に着信したメールのメール画面が順次、プロジェクタ部3を介して投影されることとなる。
【0097】
〔カメラ部の撮像画像に基づく携帯電話機の非接触操作制御〕
次に、以上の説明は、拍手の音声やユーザの発声による音声で携帯電話機側を操作するものであったが、この実施例の携帯電話機は、カメラ部で撮像された撮像画像に基づく携帯電話機の操作も可能となっている。
【0098】
この場合、クレードル装置の制御部8は、図3(a)に示したように携帯電話機の着信待ち受け画像を投影制御した際に、当該クレードル装置に設けられているカメラ部2を起動制御すると共に、このカメラ部2で撮像されている動画像の取り込みを行い、メモリ7に記憶されている画像解析プログラムに基づいて画像解析を行う。
【0099】
メモリ7には、クレードル装置の状態を示す情報と、カメラ部2で撮像されるユーザの動作を示す情報(=上記画像解析の解析結果の情報)と、携帯電話機側に送信される各操作指示コマンドとが予め関連付けされ、テーブル化されて記憶されている。
【0100】
具体的には、例えばクレードル装置側で携帯電話機の着信待ち受け画像を投影している間に検出されたユーザが右手を挙げる動作は、地上デジタル放送のテレビジョン放送(いわゆる、ワンセグ)の視聴指示を行う操作指示コマンドに関連付けされ、クレードル装置側で携帯電話機の着信待ち受け画像を投影している間に検出されたユーザが左手を挙げる動作は、総合メニューの表示指示コマンドに関連付けされ、クレードル装置側で総合メニューを投影している間に検出されたユーザが右手を振る動作は、カーソルの上方向への移動を指示する操作指示コマンドに関連付けされ、クレードル装置側で総合メニューを投影している間に検出されたユーザが左手を振る動作は、カーソルの下方向への移動を指示する操作指示コマンドに関連付けされる等のように、クレードル装置の現在の状態と、ユーザの各動作と、各操作指示コマンドが関連付けされ、上記テーブルに記憶されている。
【0101】
クレードル装置の制御部8は、携帯電話機の着信待ち受け画像を投影制御している間に、所定時間毎にカメラ部2で撮像されている動画像の解析を行うことで、ユーザが右手を挙げる動作を検出した場合、上記ワンセグ視聴の操作指示コマンドを形成し、これを携帯電話機に送信する。携帯電話機の制御部23は、このワンセグ視聴の操作指示コマンドを受信すると、TVユニット25を起動制御して上記ワンセグのテレビジョン放送を受信し、このテレビジョン画面をクレードル装置に送信する。クレードル装置の制御部8は、携帯電話機から受信したテレビジョン画面を投影するように、プロジェクタ部3を投影制御する。これにより、携帯電話機の着信待ち受け画像が投影されている場合に、ユーザは、右手を挙げるだけで、ワンセグのテレビジョン放送を視聴することができる。
【0102】
また、携帯電話機から着信情報が転送された際にユーザが右手を挙げる動作は、該着信が電話着信であった場合は、オフフックの操作指示コマンドに関連付けされ、該着信がメール着信であった場合は、該着信したメールの表示指示コマンドに関連付けされている。このため、クレードル装置の制御部8は、携帯電話機から着信情報が転送された際にユーザが右手を挙げる動作を検出した場合、その着信が電話着信であった場合は、オフフックの操作指示コマンドを形成し、これを携帯電話機に送信する。
【0103】
携帯電話機の制御部23は、このオフフックの操作指示コマンドを受信すると、上述のようにハンズフリー通話制御を行う。これにより、ユーザは、電話着信があった際に、右手を挙げる動作を行うだけで、ハンズフリー通話を行うことができる。
【0104】
また、クレードル装置の制御部8は、携帯電話機から着信情報が転送された際にユーザが右手を挙げる動作を検出した場合、その着信がメール着信であった場合は、当該メールの表示操作指示コマンドを形成し、これを携帯電話機に送信する。携帯電話機の制御部23は、このメールの表示操作指示コマンドを受信すると、図6(c)に示したような上記着信したメールのメール画面を形成し、これをクレードル装置に送信する。クレードル装置の制御部8は、このメール画面を投影するように、プロジェクタ部3を投影制御する。これにより、ユーザは、メール着信があった際に、右手を挙げる動作を行うだけで、プロジェクタ部3の投影画像を介して、着信したメールを読むことができる。
【0105】
[実施例の効果]
以上の説明から明らかなように、この実施例のクレードル装置は、当該クレードル装置側に設けられているマイクロホン部1で集音されたユーザの拍手や所定の指示音声、或いはカメラ部2で撮像されたユーザの所定の動作に対応する操作指示コマンドを形成し、これを携帯電話機に送信する。携帯電話機側では、クレードル装置から受信した操作指示コマンドに対応する画面情報を形成し、これをクレードル装置に送信する。そして、クレードル装置は、この携帯電話機から受信した画面情報を投影するようにプロジェクタ部3を投影制御する。これにより、ユーザが直接手で操作することなく、離れた場所からでも当該クレードル装置に装着された携帯電話機の操作を可能とすることができる。
【0106】
また、プロジェクタ部を携帯電話機側に設けることとすると、携帯電話機側の構成やプログラム等の変更が必要となるうえ、該携帯電話機の小型化や省電力化等の要望により、設計等も困難となるが、当該実施例の場合、クレードル装置側にプロジェクタ部3を設けるようにしているため、携帯電話機側の構成を不要とすることができ、また、プログラムの変更も最小限の変更に止めることができる。また、携帯電話機の小型化や省電力化等の要望も殆ど考慮する必要が無いため、当該クレードル装置の設計等の容易化も図ることができる。
【0107】
また、クレードル装置と携帯電話機との間の通信方式に、例えばUSB通信方式(USB:Universal Serial Bus)や、UART通信方式(UART:Universal Asynchronous Receiver Transmitter)等の現在主流となっている通信方式を用いることにより、当該クレードル装置に対応する携帯電話機以外の携帯電話機でも、当該クレードル装置を用いた操作を行うことを可能とすることができる。
【0108】
[変形例]
上述の実施例の説明では、クレードル装置は、マイクロホン部1、カメラ部2,及びスピーカ部4を有することとしたが、これらは携帯電話機側に設けられているマイクロホン部14、カメラ部18,及びスピーカ部13を用いるようにしてもよい。この場合、携帯電話機のマイクロホン部14で集音された上記拍手の音声やユーザの指示音声、及びカメラ部18で撮像されたユーザの動作を示す動画像は、一旦、クレードル装置に送信され、クレードル装置の制御部8が、この拍手の音声やユーザの指示音声、及びユーザの動作に対応する操作指示コマンドを形成して携帯電話機に送信し、該携帯電話機を操作することとなる。そして、このように携帯電話機側に設けられているマイクロホン部14、カメラ部18,及びスピーカ部13を用いることにより、クレードル装置の構成の簡略化を図ることができる。
【0109】
また、上述の実施例の説明では、本発明を携帯電話機のクレードル装置に適用することとしたが、本発明を、PHS電話機(PHS:Personal Handyphone System)、PDA装置(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯ゲーム機、デジタルカメラ装置、ノート型のパーソナルコンピュータ装置等の他の携帯機器のクレードル装置に適用してもよい。いずれの場合も上述と同様の効果を得ることができる。
【0110】
最後に、上述の実施例は、本発明の一例である。このため、本発明は上述の実施例に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論であることを付け加えておく。
【符号の説明】
【0111】
1 クレードル装置のマイクロホン部、2 クレードル装置のカメラ部、3 クレードル装置のプロジェクタ部、4 クレードル装置のスピーカ部、5 クレードル装置のコネクタ部、6 クレードル装置の電源回路、7 クレードル装置のメモリ、8 クレードル装置の制御部、11 携帯電話機のアンテナ、12 携帯電話機の通信回路、13 携帯電話機のスピーカ部、14 携帯電話機のマイクロホン部、15 携帯電話機の表示部、16 携帯電話機の操作部、17 携帯電話機の発光部(LED)、18 携帯電話機のカメラ部、19 携帯電話機のコネクタ部、20 携帯電話機の充電回路、21 携帯電話機のバッテリ、22 携帯電話機のメモリ、23 携帯電話機の制御部、24 携帯電話機に設けられているテレビジョンアンテナ、25 携帯電話機に設けられているテレビジョンユニット(TVユニット)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯機器に対して電気的接続を図るためのコネクタ部と、
投影を行うためのプロジェクタ部と、
ユーザの操作指示音声、或いはユーザの操作指示動作を検出する操作指示検出部と、
上記操作指示検出部で検出されたユーザの操作指示に対応する、上記携帯機器の操作コマンドを形成して、上記コネクタ部を介して上記携帯機器に送信する操作コマンド形成部と、
上記操作コマンド形成部が上記操作コマンドを携帯機器に送信することで、該携帯機器から送信される、上記操作コマンドに対応する画面情報を投影するように、上記プロジェクタ部を投影制御する投影制御部と
を有するクレードル装置。
【請求項2】
上記操作指示検出部はマイクロホン部であり、
上記操作コマンド形成部は、上記マイクロホン部でユーザの拍手の音声が検出された際に、該拍手の回数に対応する上記操作コマンドを形成して上記携帯機器に送信し、或いはユーザの発声した音声を音声解析し、この解析結果に対応する上記操作コマンドを形成して上記携帯機器に送信する
請求項1に記載のクレードル装置。
【請求項3】
上記操作指示検出部はカメラ部であり、
上記操作コマンド形成部は、上記カメラ部で撮像されたユーザの動作を解析し、この解析結果に対応する上記操作コマンドを形成して上記携帯機器に送信する
請求項1、又は請求項2に記載のクレードル装置。
【請求項4】
コネクタ部を介して電気的な接続を図る接続ステップと、
操作指示検出部が、ユーザの操作指示音声、或いはユーザの操作指示動作を検出する操作指示検出ステップと、
操作コマンド形成部が、上記操作指示検出ステップで検出されたユーザの操作指示に対応する携帯機器の操作コマンドを形成し、この操作コマンドを上記コネクタ部を介して上記携帯機器に送信する操作コマンド送信ステップと、
上記操作コマンド送信ステップで、上記操作コマンドを携帯機器に送信することで、該携帯機器から送信される、上記操作コマンドに対応する画面情報を投影するように、投影制御部がプロジェクタ部を投影制御する投影制御ステップと
を有する携帯機器の操作方法。
【請求項5】
ユーザの操作指示音声、或いはユーザの操作指示動作を検出するように操作指示検出部を制御する操作指示検出制御部としてコンピュータを機能させ、
コンピュータを操作指示検出制御部として機能させることで上記操作指示検出部で検出されたユーザの操作指示に対応する携帯機器の操作コマンドを形成し、この操作コマンドを、電気的な接続を図るためのコネクタ部を介して上記携帯機器に送信するように操作コマンド形成部を制御する操作コマンド形成制御部としてコンピュータを機能させ、
コンピュータを上記操作コマンド形成制御部として機能させた際に、上記操作コマンド形成部から上記操作コマンドが携帯機器に送信されることで、該携帯機器から送信される、上記操作コマンドに対応する画面情報を投影するようにプロジェクタ部を投影制御する投影制御部としてコンピュータを機能させる
携帯機器の操作プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−23790(P2011−23790A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164563(P2009−164563)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】