説明

クレーンガーダー交換方法およびクレーンガーダー交換装置

【課題】工場内に広い場所を確保しなくとも、非撤去ガーダーとのガーダー連結部を切り離した後、疲労した撤去ガーダーを撤去する作業、それに続き撤去した箇所に交換するガーダーを据え付ける作業を効率的に行う。
【解決手段】撤去ガーダーWの長手方向両端部の直上に2組のガーダー吊り上げ・吊り下げ装置1を横移動可能に配設し、該ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置1の接続金具で撤去ガーダーWを接続した後、撤去ガーダーWの下側フランジと受け柱V間の締結を解除する工程、ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置1で撤去ガーダーWを所定のガーダー吊り上げ代aだけ垂直に吊り上げる工程、撤去ガーダーWを吊り上げたまま水平に横移動する工程、撤去ガーダーWを吊り下げて地上に降ろす工程と、を有し、撤去ガーダーWを地上の所定位置に定着することを行ってから、撤去した箇所にガーダー吊り上げ・吊り下げ装置1を用いて交換するガーダーを据え付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガーダー連結部をガーダー受け柱で受ける構造をもつクレーンガーダーの交換を安全にかつ効率的に行うことができる方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に工場には原料、機械類などの重量物を吊り上げ、所定の場所に搬送物を搬送するため、天井クレーンが配置されている。このような天井クレーンとしては、搬送物を吊り上げるウインチ(巻上機)を搭載しこのウインチが横行するウインチガーダーと、このウインチガーダーが跨って配置されるクレーンガーダーとを有し、クレーンガーダーを工場の両サイドの壁面の所定高さ位置に対向して配置することで、搬送物を工場の長手方向(奥行き方向)に搬送するものがある。クレーンガーダーは、所定の強度および断面係数を有する所定長のH形鋼を加工し、H形鋼同士を連結し、レールを設けてなる。この種のクレーンガーダー(以下、単にガーダーともいう)は、ガーダー連結部をガーダー受け柱で受ける構造としている。図15(a)、(b)中、Vは撤去ガーダーWと非撤去ガーダーW’とのガーダー連結部を受けるガーダー受け柱を示す。
【0003】
このような構造のクレーンガーダーを長期間使用すると、天井クレーンの走行による微小な疲労クラックなどがガーダーに発生することがある。このため、ガーダー交換が必要となるが非撤去ガーダーW’とのガーダー連結部を切り離した後、疲労した撤去ガーダーWを撤去する作業、それに続き撤去した箇所に交換するガーダーを据え付ける作業を効率的に行うことが望まれている。
【0004】
従来、このようなクレーンガーダー交換作業を、図15(a)、(b)に示すように、クレーン車20を用い行っていた。
一方、特許文献1には、天井クレーンの組み立てまたは解体の際に、クレーン車20を用いず、対向配置した足場を利用し、ガーダーを揚下ろしする方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】

【特許文献1】特開2000−219484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、クレーンガーダー交換作業をクレーン車で行う場合、クレーン車を運び込む広い場所を工場内に確保しなければならず、また、2台のクレーン車に搭載したクレーンでガーダーを吊り上げ、横持ちし、吊り下げる作業を行う必要があり、振れを防止しつつ安全にかつ効率的に行うことが難しいという問題があった。
また、特許文献1に記載のガーダー揚下ろし方法は、ガーダー長手方向の一端に巻上機と滑車を配置し、対向配置した両方の足場の上部にも滑車を配置し、各滑車を経てガーダー長手方向の他端に巻上機から出したワイヤーを接続することで、対向配置した足場の間でガーダーの揚下ろし作業ができるだけであり、ガーダーの横移動ができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、工場内に広い場所を確保しなくとも、非撤去ガーダーとのガーダー連結部を切り離した後、疲労した撤去ガーダーを撤去する作業、それに続き撤去した箇所に交換するガーダーを据え付ける作業を安全にかつ効率的に行うことができる方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、クレーンガーダー交換作業について鋭意検討した結果、所定の高さを有する、組み立て・分解が容易である水平な上段作業床用架台を構築し、この上段作業床用架台上にガーダー吊り上げ・吊り下げ装置を横移動可能に搭載すれば、上記課題を解決できることを見出し、この知見に基づいて、第1発明をなすに至った。
すなわち第1発明は、以下のとおりである。
(1)ガーダー連結部をガーダー受け柱で受ける構造をもつクレーンガーダーの交換方法であって、非撤去ガーダーで挟まれた撤去ガーダーの長手方向両端部の直上に2組のガーダー吊り上げ・吊り下げ装置を横移動可能に配置し、該ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置の接続金具で前記撤去ガーダーを接続した後、前記撤去ガーダーの下側フランジと受け柱間の締結を解除する工程、前記ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置で前記撤去ガーダーを所定のガーダー吊り上げ代だけ垂直に吊り上げる工程、前記撤去ガーダーを吊り上げたまま水平に横移動する工程、前記撤去するガーダーを吊り下げて地上に降ろす工程と、を有し、前記撤去ガーダーを地上の所定位置に定着することを行ってから、それに続き撤去した箇所に前記ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置を用いて交換するガーダーを据え付けることを特徴とするクレーンガーダー交換方法。
(2)ガーダー連結部をガーダー受け柱で受ける構造をもつクレーンガーダーの交換装置であって、撤去ガーダーの長手方向一端部の直上に配置され、前記撤去ガーダーを着脱可能に接続する接続金具を有するガーダー吊り上げ・吊り下げ装置と、該ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置を着脱可能に固定した固定架台と、該固定架台が横移動可能に載せられる水平な上段作業床用架台と、該上段作業床用架台に吊り下げられた下段作業床用架台と、前記上段作業床用架台の反ガーダー側を所定の高さに支持するために、ガーダー受け柱に対して所定距離隔てて立設された支柱と、を具備するユニットが、前記撤去ガーダーの長手方向他端部にも具備され、2組のガーダー吊り上げ・吊り下げ装置が協動可能に制御手段に接続されていることを特徴とするクレーンガーダー交換装置。
(3)前記上段作業床用架台は、前記ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置の吊り具が通るだけの隙間を設けて並べた横方向張り出し梁と、横方向張り出し梁に直角をなすように固定されたガーダー長手方向延伸保持梁とからなる主梁で構成され、ガーダー長手方向延伸保持梁が、撤去ガーダーに隣接する非撤去ガーダー上にまで伸ばされ、ガーダー吊り上げ代確保用部材を介して非撤去ガーダーに載せられ、かつ横方向張り出し梁上に固定架台が横移動可能に載せられる構造をもつことを特徴とする(2)に記載のクレーンガーダー交換装置。
(4)前記ガーダー長手方向延伸保持梁の伸ばされた側は、ガーダー吊り上げ代確保用部材を介して非撤去ガーダーにアンカーボルトで締結されていることを特徴とする(2)または(3)に記載のクレーンガーダー交換装置。
(5)前記横方向張り出し梁の反ガーダー側には、高さを調整する高さ調整用ねじ式ジャッキが前記支柱との間に配置されていることを特徴とする(2)〜(4)のいずれか一項に記載のクレーンガーダー交換装置。
(6)前記固定架台の横移動は、固定架台用梁と横方向張り出し梁の間に配置した複数のころのころがりで行うように構成されていることを特徴とする(2)〜(5)のいずれか一項に記載のクレーンガーダー交換装置。
(7)前記固定架台の横移動の駆動は、ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置用足場と上段作業床用手摺りの間に着脱可能に取り付けた2台のチェーンブロックの一方のチェーンの巻き上げ力で行うことを特徴とする(6)に記載のクレーンガーダー交換装置。
【0009】
さらに本発明者は、上記した第1発明のクレーンガーダー交換装置について鋭意検討した結果、クレーンガーダー交換作業を行なう前の準備作業、特に上段作業床用架台を所定高さに設置するのに時間がかかり、また、上段作業床用架台を組み立てるために、クレーンガーダー交換作業を行なう現場に広い場所も要するということが分かった。
特に上段作業床用架台を所定高さに設置するのに手間取ると、天上クレーンの走行に支障をきたすことから、上段作業床用架台を所定高さに設置する準備作業を迅速に行ないたいという課題があった。そこで、各種架台を、クレーンガーダー交換作業を行なう以外の場所で予め構築し、上段作業床用架台に下段作業床用架台を吊り下げること、ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置を着脱可能に固定した固定架台を横倒し状態で上段作業床用架台の横方向張り出し梁に横移動可能に載せることなどを行い、各種架台の組み付けが終了した上段作業床用架台を、上下方向に複数段階で伸縮する伸縮式の支柱に横方向移動可能な状態で搭載することで、上記課題を解決できることを知見した。
【0010】
すなわち、第2発明は、以下のとおりである。
(8)ガーダー連結部をガーダー受け柱で受ける構造をもつクレーンガーダーの交換装置であって、前記上段作業床用架台は、前記固定架台を横移動可能に載せた横方向張り出し梁と、該横方向張り出し梁に対して所定間隔を隔てて並べたころ保持用横方向張り出し梁と、該横方向張り出し梁に直角をなすように固定されたガーダー長手方向延伸保持梁とからなる主梁を有し、前記支柱は、上下方向に複数段階で伸縮する伸縮式とされかつ本体架台に立設され、さらに、前記上段作業床用架台の横方向移動機構として、ガーダー長手方向に平行な梁のうち上段の支柱に固定されかつ上から第1番目の梁と第2番目の梁の間に配置された手延べ部材と、該手延べ部材を上に載せた状態で複数のころの転がり接触により、該手延べ部材を横方向に移動させる、ガーダー長手方向に平行な梁のうち上段の支柱に固定されかつ上から第2番目の梁の上に配置された第1ころ保持手段と、前記手延べ部材の上を複数のころの転がり接触により、前記上段作業床用架台を横方向に移動させる、前記上段作業床用架台の主梁のうち前記手延べ部材の上方に位置する横方向張り出し梁の横方向複数個所に配置された第2ころ保持手段と、を具備することを特徴とする(2)に記載のクレーンガーダー交換装置。
(9)前記上段作業床用架台は、前記ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置の吊り具が通るだけの隙間を設けて並べた横方向張り出し梁と、前記ガーダー長手方向延伸保持梁が、撤去ガーダーに隣接する非撤去ガーダー上にまで伸ばされ、ガーダー吊り上げ代確保用部材を介して非撤去ガーダーに載せられる構造をもつことを特徴とする(8)に記載のクレーンガーダー交換装置。
(10)前記ガーダー長手方向延伸保持梁の伸ばされた側は、ガーダー吊り上げ代確保用部材を介して非撤去ガーダーにアンカーボルトで締結されていることを特徴とする(8)または(9)に記載のクレーンガーダー交換装置。
(11)前記横方向張り出し梁の反ガーダー側には、高さを調整する高さ調整用ねじ式ジャッキが前記支柱との間に配置されていることを特徴とする(8)〜(10)のいずれか一項に記載のクレーンガーダー交換装置。
(12)前記固定架台の横移動は、固定架台用梁と横方向張り出し梁の間に配置した複数のころのころがりで行うように構成されていることを特徴とする(8)〜(11)のいずれか一項に記載のクレーンガーダー交換装置。
(13)前記固定架台の横移動の駆動は、ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置用足場と上段作業床用手摺りの間に着脱可能に取り付けた2台のチェーンブロックの一方のチェーンの巻き上げ力で行うことを特徴とする(12)に記載のクレーンガーダー交換装置。
(14)前記ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置に、クライミングロッドの所定の間隔で設けた係合用凹所に上部係合部と下部係合部とを交互に係合させるアップダウン昇降式ジャッキを用いることを特徴とする(8)〜(13)のいずれか一項に記載のクレーンガーダー交換装置。
【0011】
なお、第1、第2発明では以下のようなガーダー吊り上げ・吊り下げ装置を上段作業床用架台上に搭載することが好ましい。たとえば特開昭55−68950号公報に記載のリフトアップ工法に用いられる、主シリンダと副シリンダとからなるアップダウン昇降式ジャッキ、駆動力を油圧とし、PC鋼線を巻き上げ・巻き戻すワイヤー式ジャッキ、ワイヤーを電動モータで駆動する電動式ウインチ(巻上機)。
【0012】
アップダウン昇降式ジャッキの構造は、主シリンダとこの主シリンダに内挿された主ピストンとの伸縮動作によって、クライミングロッド(節付きステップロッド1a、図2参照)に、所定の間隔で設けた係合用凹所に上部係合部と下部係合部とを交互に係合させて昇降動作するようにし、前記係合用凹所は、クライミングロッドの全周にわたって半円状に切り込み形成しかつ前記上部および下部係合部は、クライミングロッドの係合用凹所に係脱される係合用球体と、クライミングロッドに嵌装した副シリンダに内挿された副ピストンに連結されこの副ピストンの進退動作によって係合用球体を係合用凹所に係脱動作させるくさび部材と、を具備してなる。このクライミングロッドは、適宜な長さを有し、カプラーでつなぎ合わせて長くすることも、あるいはカプラーを取り外して短くすることもできる。
【発明の効果】
【0013】
第1、第2発明によれば、工場内に広い場所を確保しなくとも、非撤去ガーダーとのガーダー連結部を切り離した後、疲労した撤去ガーダーを撤去する作業、それに続き撤去した箇所に交換するガーダーを据え付ける作業を安全にかつ効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)、(b)は本発明法に用いて好適な第1発明のクレーンガーダー交換装置の一端側ユニットの側面図である。
【図2】本発明法における撤去ガーダーとの接続工程、ガーダー受け柱との締結解除工程を示す側面図である。
【図3】(a)は本発明法における撤去ガーダーの吊り上げ、および横移動工程を示す側面図、(b)はX3−X3矢視図である。
【図4】本発明法における撤去ガーダーの吊り下げ工程を示す側面図である。
【図5】(a)は本発明法に用いて好適な第1発明の上段作業床用架台の主梁を示す側面図、(b)は平面図である。
【図6】第1発明の上段作業床用架台の支持構造を示す図1(a)のX1−X1断面図である。
【図7】第1発明の上段作業床用架台の支持構造を示す図1(a)のX2−X2矢視図である。
【図8】本発明法に用いて好適な第2発明のクレーンガーダー交換装置の一端側ユニットの側面図である。
【図9】図8のX4−X4断面図である。
【図10】第2発明の上段作業床用架台の主梁とその横移動機構を示す平面図である。
【図11】(a)、(b)は図8の上下方向に複数段階で伸縮する支柱の構造を示す断面図、(c)は、(b)のA矢視図である。
【図12】第2発明の上段作業床用架台の設置途中の状態を示す側面図である。
【図13】第2発明の上段作業床用架台の設置途中の状態を示す側面図である。
【図14】第2発明の上段作業床用架台の設置途中の状態を示す側面図である。
【図15】(a)(b)は従来法を示す側面図、正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明法および本発明法に用いて好適な第1発明のクレーンガーダー交換装置について説明する。図1(a)、(b)は本発明法に用いて好適なクレーンガーダー交換装置の一端側ユニットの側面図である。図2から図4は、本発明法におけるクレーンガーダー交換作業の各工程を示す側面図である。ただし、図1(a)、(b)に示した操作盤16および油圧ユニット17を除き、撤去ガーダーWの他端側にも同様なユニットが配置されている。
【0016】
本発明法を実施するには、クレーンガーダー交換作業を行うのに先立ち、所定の高さを有する、組み立て・分解が容易である水平な上段作業床用架台3を構築し、この上段作業床用架台3の主梁上にガーダー吊り上げ・吊り下げ装置1を搭載する。
このため、固定架台2、アップダウン昇降式ジャッキ用足場2a、上段作業床用架台3、上段作業床用手摺り3a、下段作業床用架台4、下段作業床用手摺り4aをそれぞれ地組する。地組した各パーツは、アップダウン昇降式ジャッキ用足場2aを固定架台2に、上段作業床用手摺り3aを上段作業床用架台3に、下段作業床用手摺り4aを下段作業床用架台4に組み付ける。
【0017】
各パーツは2組とし、一方の組は撤去ガーダーWの一端側のユニットを構成し、他方の組は撤去ガーダーWの他端側のユニットを構成する。
また、支柱5の各パーツも2組とし、撤去ガーダーWの長手方向両端部に相当する2箇所に立設する。すなわち、支柱5を立設する長手方向位置は、撤去ガーダーWと非撤去ガーダーW’とのガーダー連結部を受けるガーダー受け柱Vと対向する位置である。この支柱5には、施工者が地上から昇り降りする昇降ステップを組み付ける。
【0018】
上段作業床用架台3にはそれとアップダウン昇降式ジャッキ用足場2aの間に施工者が昇り降りするための昇降ステップを、同様にそれと下段作業床用架台4の間に昇降ステップを組み付ける。
なお、アップダウン昇降式ジャッキ用足場2aの下端には車輪を組み付け、アップダウン昇降式ジャッキ用足場2aの方を、後述する2台の手動式チェーンブロックで横移動させることで、アップダウン昇降式ジャッキ用足場2aと一緒に固定架台2を横移動させる構造を好適としている。これらの各パーツは、適宜な寸法の形鋼、鋼管などを適宜な締結手段(締結金具やボルトナットなど)で締結して、分解容易とされている。
【0019】
ここで、第1発明のクレーンガーダー交換装置は、図1および図2から図4に示したように、ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置として、アップダウン昇降式ジャッキ1を横移動可能に上段作業床用架台3に搭載した場合を好適例とする。
第1発明の好適なクレーンガーダー交換装置は、撤去ガーダーWの長手方向一端部の直上に配置され、撤去ガーダーWを着脱可能に接続する接続金具1bを有するアップダウン昇降式ジャッキ1と、アップダウン昇降式ジャッキ1を着脱可能に固定した固定架台2と、固定架台2が横移動可能に載せられる水平な上段作業床用架台3と、上段作業床用架台3に吊り下げられた下段作業床用架台4と、上段作業床用架台3の反ガーダー側を所定の高さに支持するために、ガーダー受け柱Vに対して所定距離隔てて立設された支柱5と、を具備するユニットが、撤去ガーダーWの長手方向他端部にも具備され、しかも2組のアップダウン昇降式ジャッキ1が協動可能に制御手段である操作盤16および油圧ユニット17に接続されていることが特徴である。
【0020】
したがって、操作盤16の制御によって油圧ユニット17を介し、2組のアップダウン昇降式ジャッキ1で撤去ガーダーWを吊り上げる作業およびそれを吊り下げる作業を同期させて行うことができる。また、アップダウン昇降式ジャッキ1は横移動可能に水平な上段作業床用架台3に搭載しているから、撤去ガーダーWの横移動も容易に行うことができる装置を構成できる。
【0021】
次いで、撤去ガーダーWの横移動を容易に行うことができる好適な装置構造について説明する。
図5(a)、(b)は本発明法に用いて好適な上段作業床用架台3の主梁を示す側面図、同平面図である。図6は、上段作業床用架台3の支持構造を示す図1(a)のX1−X1断面図、図7は同図1(a)のX2−X2矢視図である。
【0022】
上段作業床用架台3は、図5(a)、(b)に示したように、アップダウン昇降式ジャッキ1の節付きステップロッド1aが通るだけの隙間bを設けて並べた横方向張り出し梁6と、横方向張り出し梁6に直角をなすように固定されたガーダー長手方向延伸保持梁7とからなる主梁で構成されている。そして、ガーダー長手方向延伸保持梁7が、撤去ガーダーWに隣接する非撤去ガーダーW’上にまで伸ばされ、ガーダー吊り上げ代確保用部材11、12を介して非撤去ガーダーW’載せられ、かつ横方向張り出し梁6には固定架台2が横移動可能に載せられる構造をもつのが好適である(図6参照)。
【0023】
上段作業床用架台3の主梁には適宜な副梁を組み付け、縞鋼板などの鋼板を張り付けて作業床を形成する。この上段作業床用架台3の作業床には下段作業床用架台4へ下りるための開閉可能な窓を形成しておく。
また、ガーダー長手方向延伸保持梁7の伸ばされた側が、ガーダー吊り上げ代確保用部材11、12を介して非撤去ガーダーW’にアンカーボルト13で締結されていること(図6参照)、横方向張り出し梁6の反ガーダー側には、支柱5との間に高さを調整する高さ調整用ねじ式ジャッキ8が配置されていることが好適である(図7参照)。
【0024】
このようにすれば、クレーンガーダー交換作業を行う際、撤去ガーダーWの質量がアップダウン昇降式ジャッキ1を固定した固定架台2から、上段作業床用架台3の横方向張り出し梁6に加わるが、撤去ガーダーWの質量に抗して吊り上げ代aを所定値だけ確保することができる。吊り上げ代aは、図6、図7中、撤去ガーダーWの上面と上段作業床用架台3の下面間の間隔に相当する。なお、天井クレーンが走行するレール15は、非撤去ガーダーW’の所定範囲にまで予め切断して除去しておく。
【0025】
ところで、上段作業床用架台3の主梁を構成する横方向張り出し梁6、ガーダー長手方向延伸保持梁7にはリブで補強したH形鋼を用いるのが、撤去ガーダーWの質量に応じて所定の強度と断面寸法をもつものが容易に選定できるので好ましい。固定架台2や、ガーダー吊り上げ代確保用部材11、12にも、リブで補強したH形鋼を用いるのが同様の理由により、好ましい。
【0026】
またさらに、固定架台2の横移動は、固定架台用梁と横方向張り出し梁6の間に配置した複数のころ14のころがりで行うように構成されていること(図6、図7参照)、固定架台2の横移動の駆動は、アップダウン昇降式ジャッキ用足場2aと上段作業床用手摺り3aの間に着脱可能に取り付けた2台の手動式チェーンブロック(図示せず)の一方のチェーンの巻き上げ力で行うことが好適である。このようにすれば、施工者の人力によって2台のチェーンブロックの一方のチェーンの巻き上げ操作と他方のチェーンの緩め操作を行うことで、撤去ガーダーWを横移動することができる。
【0027】
以上説明したクレーンガーダー交換装置によれば、図2から図4に示したように、撤去ガーダーWを撤去する作業を行うことができる。
図2は撤去ガーダーWとの接続工程、ガーダー受け柱Vとの締結解除工程を示す側面図、図3(a)、(b)は撤去ガーダーWの吊り上げ、および横移動工程を示す側面図、図4(a)は撤去ガーダーWの吊り下げ工程を示す側面図である。
【0028】
本発明法は、撤去ガーダーWの長手方向両端部の直上に2組のアップダウン昇降式ジャッキ1を横移動可能に配置し、各アップダウン昇降式ジャッキ1に節付きステップロッド1aを貫通して装着する。次いで、各アップダウン昇降式ジャッキ1の接続金具1bで撤去ガーダーWを接続する工程、撤去ガーダーWの下側フランジと受け柱V間の締結を解除しアップダウン昇降式ジャッキ1で撤去ガーダーWを所定のガーダー吊り上げ代だけ垂直に吊り上げる工程、撤去ガーダーWを吊り上げたまま水平に横移動する工程、撤去ガーダーWを吊り下げて地上に降ろす工程と、を経、撤去ガーダーWを地上の所定位置に定着する。それに続き撤去した箇所にアップダウン昇降式ジャッキ1を用いて交換するガーダーを据え付ける。
【0029】
ここで、ボルト9を締め付けて接続金具1bで撤去ガーダーWを接続する作業、ボルト・ナット10a、10bの締結を解除する作業は、施工者が下段作業床用手摺り4aで安全を確保しつつ人力によって行う(図2参照)。また、2台のチェーンブロックの一方のチェーンの巻き上げ操作と他方のチェーンの緩め操作を行い、撤去ガーダーWを横移動する作業も施工者が上段作業床用手摺り3aで安全を確保しつつ人力によって行う(図3(b)参照)。
【0030】
また、撤去ガーダーWを吊り下げる際には、地上にいる施工者が操作盤を操作してアップダウン昇降式ジャッキ1を一旦停止させてから、上段作業床用架台3にいる施工者が上段作業床用架台3に組み付けた昇降ステップを上がり、アップダウン昇降式ジャッキ用足場2aで安全を確保しつつ、節付きステップロッド1aをカプラーでつなぎ合わせる作業を人力によって行う(図4(b)参照)。このようにしてクレーンガーダー交換作業を施工者の安全を確保しつつ行う。
【0031】
次いで、本発明法に用いて好適な、第2発明のクレーンガーダー交換装置について説明する。
図8は、第2発明のクレーンガーダー交換装置の一端側ユニットの側面図、図9は、図8のX4−X4断面図である。また、図10は、第2発明の上段作業床用架台33の設置状態を示し、上段作業床用架台33の主梁6、7とその横移動機構を示す平面図でもある。
【0032】
第2発明のクレーンガーダー交換装置は、上段作業床用架台33の反ガーダー側を所定の高さに支持する支柱が、上下方向に複数段階で伸縮する伸縮式の支柱26、27で構成されかつ本体架台29に立設され、各種架台の組み付けが終了した上段作業床用架台33が伸縮式の支柱26、27に横方向移動可能な状態で搭載されている。なお、上段作業床用架台33を横方向に移動する横方向移動機構は後述する。
【0033】
上段作業床用架台33の反ガーダー側を所定の高さに支持する支柱は、隣接する上段の支柱26を下段の支柱27に対し、上昇あるいは下降させる昇降手段30と、隣接する支柱26、27の重なり部をロックする固定手段31を有する(図8参照)。この場合、図8に示したように、上下方向に2段階で伸縮し、昇降手段30は、ワイヤーロープを巻き上げ・巻き戻し可能に下段の支柱27に取り付けられた電動式ウインチ(巻上機)とされ、一端のワイヤーロープが上段の支柱25に固定され、他端のワイヤーロープが電動式ウインチのリールに巻き付けられている。隣接する支柱26、27の重なり部をロックする固定手段31は固定ピン31とされ、支柱26、27の所定の位置に固定ピン31を挿入するピン孔が加工されている。
【0034】
図8中、28は下段の支柱27に固定された下段の梁、25は上段の支柱26に固定された上段の梁をそれぞれ示した。下段の梁28を固定した下段の支柱27は、コの字状の形鋼とされ、上段の梁25を固定した上段の支柱26はH形鋼とされている。
このH形鋼とされた上段の支柱26は、下段の支柱27で案内されつつ上下動する構造となっている(図11(a)参照)。なお、図11(a)、(b)には、図8のY1−Y1断面、Y2−Y2断面を示し、図11(c)には、図11(b)のA矢視図を示した。
【0035】
また、上段作業床用架台33の主梁は、図10に示したように、ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置1の吊り具1aが通るだけの隙間bを設けて並べた横方向張り出し梁6と、該横方向張り出し梁6に対して所定間隔を隔てて並べたころ保持用横方向張り出し梁6aと、前記横方向張り出し梁6、6aに直角をなすように固定されたガーダー長手方向延伸保持梁7とからなる。
【0036】
ここで、各種架台の組み付けが終了した上段作業床用架台33を横方向に移動する横方向移動機構は、手延べ部材21、第1ころ保持手段22および第2ころ保持手段23を具備する(図8、図9、図10参照)。
手延べ部材21は、ガーダー長手方向に平行な梁のうち上段の支柱に固定されかつ上から第1番目の梁と第2番目の梁の間に配置され、ガーダー側の先端部を撤去ガーダーWの上および隣接する非撤去ガーダーW’の上に掛け渡すだけの長さとされている(図8、図9参照)。第1ころ保持手段22は、手延べ部材21を上に載せた状態で複数のころの転がり接触により、手延べ部材21を横方向に移動させるもので、ガーダー長手方向に平行な梁のうち上段の支柱に固定されかつ上から第2番目の梁25の上に配置されている(図9、図10参照)。
【0037】
第2ころ保持手段23は、手延べ部材21の上を複数のころの転がり接触により、上段作業床用架台33を横方向に移動させるもので、横方向張り出し梁6のうち外側の梁およびころ保持用横方向張り出し梁6aの横方向複数個所に配置されている(図9、図10参照)。この場合、第2ころ保持手段23を配置した横方向個所は、図10に示したように、ガーダー側先端部から反ガーダー側後端部の間の3箇所であり、各第2ころ保持手段23は、吊り下げ手段24を介して横方向張り出し梁6、6aの下方に吊り下げられている。
【0038】
そして、上段作業床用架台33の使用時、上段の支柱に固定されかつ上から第2番目の梁25の上に配置された第1ころ保持手段22と、横方向張り出し梁6、6aの横方向複数個所の下方に吊り下げ手段24で吊り下げられた第2ころ保持手段23とで手延べ部材21を挟圧する構造である(図9参照)。
上記した手延べ部材21あるいは上段作業床用架台33を、複数のころの転がり接触により、横方向に移動させる第1ころ保持手段22、第2ころ保持手段23としては、市販されている公知のもの、すなわち複数のころが、自転しつつ保持器の周りを公転するものが好適である。
【0039】
ところで、撤去ガーダーWの撤去時、上段作業床用架台33は、ガーダー吊り上げ代確保用部材11、12を介してアンカーボルト13で、非撤去ガーダーW’と固定された状態となっている(図9参照)。
また、撤去ガーダーWの撤去時、図9中、右側の手延べ部材21と撤去ガーダーWとの固定ボルトなどによる連結部分は、固定ボルトを緩めることで連結を解除され、一方、図9中、左側の手延べ部材21と非撤去ガーダーW’との連結は、固定ボルトで連結したままとする。そして、ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置1の吊り具1aと撤去ガーダーWとが、接続金具1bを介して連結される(図8および図2参照)。
【0040】
各種架台の組み付けが終了した上段作業床用架台33を横移動可能な状態で伸縮式の支柱に搭載したことの作用・効果は、図12〜図14に示したとおりである。
図12には、支柱の縮小状態で本体架台29上に上段作業床用架台33を載せた時の状態を、図13には、縮小状態の支柱伸長後、手延べ部材21を横方向移動させた時の状態を、図14には、続いて上段作業床用架台33を横方向移動させた時の状態を示した。
【0041】
図12に示した支柱の縮小状態では、上段作業床用架台33に搭載したガーダー吊り上げ・吊り下げ装置1自体の高さが、ガーダー高さよりも低いため、天上クレーンを運転することができるという作用効果を有する。その後、縮小状態の支柱を伸長させ、手延べ部材21の横方向移動を行なう。手延べ部材21は、第1ころ保持手段22の上に置かれ、上段作業床用架台33を支えている第2ころ保持手段23で挟圧されている(図8、図9参照)。そこで、各種架台が組み付けられ、しかも重量のあるガーダー吊り上げ・吊り下げ装置1(アップダウン昇降式ジャッキなど)を搭載した上段作業床用架台33の重量を受ける手延べ部材21の横方向移動は、安全にかつ迅速に、チェーンブロックを用いて人力で行なうことが可能である。なお、手延べ部材21の横方向移動を行なう前に、人手で操作用チェーンを引っ張るチェーンブロックを用い、ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置1を着脱可能に固定した横倒し状態の固定架台2を竪置きにする(図13参照)。引き続き手延べ部材21の横方向移動を、チェーンブロックを用いて人力で行なった後、手延べ部材21のガーダー側先端部と、撤去ガーダーWおよび隣接する非撤去ガーダーW’とを固定ボルトなどで連結する。この固定ボルトなどによる連結部分は、ボルトを緩めることで連結を解除できるように締め付ける。手延べ部材21と、撤去ガーダーWおよび隣接する非撤去ガーダーW’と連結を固定ボルトなどで解除できるように締め付けた後、上段作業床用架台33の横方向移動を行なう(図14参照)。
【0042】
この上段作業床用架台33の横方向移動は、第2ころ保持手段23を介して、ガーダー側先端部と、撤去ガーダーWおよび隣接する非撤去ガーダーW’とを固定ボルトなどで連結した手延べ部材21の上を移動することで行なわれる。その際、上段作業床用架台33の横方向移動は、適宜な油圧シリンダを用いて行なうのが、安全にかつ迅速に行なうことができるので好適である。
【0043】
第2発明のクレーンガーダー交換装置によれば、以上説明した上段作業床用架台33の設置途中の状態を経、上段作業床用架台33を所定の高さに設置することが、天上クレーンの走行に支障をきたすことがないよう、迅速に行なうことができる。この第2発明のクレーンガーダー交換装置は、各種架台の組み付けを終了した上段作業床用架台を、上下方向に複数段階で伸縮する伸縮式の支柱に横方向移動可能な状態で搭載とした以外は、第1発明のクレーンガーダー交換装置と同様にすることが好適である。
【実施例1】
【0044】
上段作業床用架台3を地上から高さ20mの高さに構築し、上段作業床用架台3に搭載したアップダウン昇降式ジャッキ1を用い、ガーダー高さが2m、ガーダー長さが15mで、質量が50トンもある疲労した撤去ガーダーWを撤去する作業、それに続き撤去した箇所に交換するガーダーを据え付ける作業を行った。その際、上段作業床用架台3の横方向張り出し梁(主梁)6の横方向長さを4100mm、それに直角をなすように固定したガーダー長手方向延伸保持梁(主梁)7のガーダー長手方向への延伸長さを1500mmとし、また、ガーダー吊り上げ代確保用部材11、12の高さを吊り上げ代a=350mmとして上段作業床用架台3を構成した(図1、図5、図6、図7参照)。
【0045】
この結果、従来法のように、クレーンガーダー交換作業をクレーン車で行う場合、クレーン車を運び込む広い場所を工場内に確保しなければならず、実現が困難であった工場において、疲労した撤去ガーダーWを撤去する作業、それに続き撤去した箇所に交換するガーダーを据え付ける作業を安全にかつ効率的に行うことができた(図2から図4参照)。
【実施例2】
【0046】
上段作業床用架台33を地上から約高さ12mの高さに構築し、上段作業床用架台33に搭載したアップダウン昇降式ジャッキ1を用い、ガーダー高さが2m、ガーダー長さが15mで、質量が50トンもある疲労した撤去ガーダーWを撤去する作業、それに続き撤去した箇所に交換するガーダーを据え付ける作業を行った。
その際、上段作業床用架台3の横方向長さ(横方向張り出し梁(主梁)6の長さ)を6000mm、それに直角な上段作業床用架台3の縦方向長さ(ガーダー長手方向延伸保持梁(主梁)7の長さ)を2000mmとし、縮小状態の支柱で支持されかつ本体架台29上に立設された上段作業床用架台33の横方向張り出し梁(主梁)6の上面までの高さを、8300mm、伸長状態で12500mmとした(図8〜図12参照)。
【0047】
また、ガーダー吊り上げ代確保用部材11、12の高さを吊り上げ代=350mmとして上段作業床用架台3を構成した。この結果、従来法のように、クレーンガーダー交換作業をクレーン車で行う場合、クレーン車を運び込む広い場所を工場内に確保しなければならず、実現が困難であった工場において、疲労した撤去ガーダーWを撤去する作業、それに続き撤去した箇所に交換するガーダーを据え付ける作業を安全にかつ効率的に行うことができた。
【符号の説明】
【0048】
W 撤去ガーダー
W’ 非撤去ガーダー
V ガーダー受け柱
a 吊り上げ代
b 隙間
1 ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置(アップダウン昇降式ジャッキ)
1a 節付きステップロッド(吊り具)
1b 接続金具
2 固定架台
2a アップダウン昇降式ジャッキ用足場
3 上段作業床用架台
3a 上段作業床用手摺り
4 下段作業床用架台
4a 下段作業床用手摺り
5 支柱
6 横方向張り出し梁(主梁)
7 ガーダー長手方向延伸保持梁(主梁)
8 高さ調整用ねじ式ジャッキ
9 ボルト
10a、10b ボルト・ナット
11、12 ガーダー吊り上げ代確保用部材
13 アンカーボルト
14 ころ
15 レール
16 操作盤
17 油圧ユニット
20 クレーン車
21 手延べ部材
22 第1ころ保持手段
23 第2ころ保持手段
24 吊り下げ手段
25a、25b ガーダー長手方向に平行な梁
26 上段の支柱
27 下段の支柱
28 下段の梁
29 本体架台
30 昇降手段(ウインチ等)
31 固定手段(固定ピン)
32 連結手段(ボルト・ナット)
33 上段作業床用架台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガーダー連結部をガーダー受け柱で受ける構造をもつクレーンガーダーの交換方法であって、非撤去ガーダーで挟まれた撤去ガーダーの長手方向両端部の直上に2組のガーダー吊り上げ・吊り下げ装置を横移動可能に配置し、該ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置の接続金具で前記撤去ガーダーを接続した後、前記撤去ガーダーの下側フランジと受け柱間の締結を解除する工程、前記ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置で前記撤去ガーダーを所定のガーダー吊り上げ代だけ垂直に吊り上げる工程、前記撤去ガーダーを吊り上げたまま水平に横移動する工程、前記撤去するガーダーを吊り下げて地上に降ろす工程と、を有し、前記撤去ガーダーを地上の所定位置に定着することを行ってから、それに続き撤去した箇所に前記ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置を用いて交換するガーダーを据え付けることを特徴とするクレーンガーダー交換方法。
【請求項2】
ガーダー連結部をガーダー受け柱で受ける構造をもつクレーンガーダーの交換装置であって、撤去ガーダーの長手方向一端部の直上に配置され、前記撤去ガーダーを着脱可能に接続する接続金具を有するガーダー吊り上げ・吊り下げ装置と、該ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置を着脱可能に固定した固定架台と、該固定架台が横移動可能に載せられる水平な上段作業床用架台と、該上段作業床用架台に吊り下げられた下段作業床用架台と、前記上段作業床用架台の反ガーダー側を所定の高さに支持するために、ガーダー受け柱に対して所定距離隔てて立設された支柱と、を具備するユニットが、前記撤去ガーダーの長手方向他端部にも具備され、2組のガーダー吊り上げ・吊り下げ装置が協動可能に制御手段に接続されていることを特徴とするクレーンガーダー交換装置。
【請求項3】
前記上段作業床用架台は、前記ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置の吊り具が通るだけの隙間を設けて並べた横方向張り出し梁と、横方向張り出し梁に直角をなすように固定されたガーダー長手方向延伸保持梁とからなる主梁で構成され、ガーダー長手方向延伸保持梁が、撤去ガーダーに隣接する非撤去ガーダー上にまで伸ばされ、ガーダー吊り上げ代確保用部材を介して非撤去ガーダーに載せられ、かつ横方向張り出し梁上に固定架台が横移動可能に載せられる構造をもつことを特徴とする請求項2に記載のクレーンガーダー交換装置
【請求項4】
前記ガーダー長手方向延伸保持梁の伸ばされた側は、ガーダー吊り上げ代確保用部材を介して非撤去ガーダーにアンカーボルトで締結されていることを特徴とする請求項2または3に記載のクレーンガーダー交換装置。
【請求項5】
前記横方向張り出し梁の反ガーダー側には、高さを調整する高さ調整用ねじ式ジャッキが前記支柱との間に配置されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のクレーンガーダー交換装置。
【請求項6】
前記固定架台の横移動は、固定架台用梁と横方向張り出し梁の間に配置した複数のころのころがりで行うように構成されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載のクレーンガーダー交換装置。
【請求項7】
前記固定架台の横移動の駆動は、ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置用足場と上段作業床用手摺りの間に着脱可能に取り付けた2台のチェーンブロックの一方のチェーンの巻き上げ力で行うことを特徴とする請求項6に記載のクレーンガーダー交換装置。
【請求項8】
前記上段作業床用架台は、前記固定架台を横移動可能に載せた横方向張り出し梁と、該横方向張り出し梁に対して所定間隔を隔てて並べたころ保持用横方向張り出し梁と、該横方向張り出し梁に直角をなすように固定されたガーダー長手方向延伸保持梁とからなる主梁を有し、前記支柱は、上下方向に複数段階で伸縮する伸縮式とされかつ本体架台に立設され、さらに、前記上段作業床用架台の横方向移動機構として、ガーダー長手方向に平行な梁のうち上段の支柱に固定されかつ上から第1番目の梁と第2番目の梁の間に配置された手延べ部材と、該手延べ部材を上に載せた状態で複数のころの転がり接触により、該手延べ部材を横方向に移動させる、ガーダー長手方向に平行な梁のうち上段の支柱に固定されかつ上から第2番目の梁の上に配置された第1ころ保持手段と、前記手延べ部材の上を複数のころの転がり接触により、前記上段作業床用架台を横方向に移動させる、前記上段作業床用架台の主梁のうち前記手延べ部材の上方に位置する横方向張り出し梁の横方向複数個所に配置された第2ころ保持手段と、を具備することを特徴とする請求項2に記載のクレーンガーダー交換装置。
【請求項9】
前記上段作業床用架台は、前記ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置の吊り具が通るだけの隙間を設けて並べた横方向張り出し梁と、前記ガーダー長手方向延伸保持梁が、撤去ガーダーに隣接する非撤去ガーダー上にまで伸ばされ、ガーダー吊り上げ代確保用部材を介して非撤去ガーダーに載せられる構造をもつことを特徴とする請求項8に記載のクレーンガーダー交換装置。
【請求項10】
前記ガーダー長手方向延伸保持梁の伸ばされた側は、ガーダー吊り上げ代確保用部材を介して非撤去ガーダーにアンカーボルトで締結されていることを特徴とする請求項8または9に記載のクレーンガーダー交換装置。
【請求項11】
前記横方向張り出し梁の反ガーダー側には、高さを調整する高さ調整用ねじ式ジャッキが前記支柱との間に配置されていることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載のクレーンガーダー交換装置。
【請求項12】
前記固定架台の横移動は、固定架台用梁と横方向張り出し梁の間に配置した複数のころのころがりで行うように構成されていることを特徴とする請求項8〜11に記載のクレーンガーダー交換装置。
【請求項13】
前記固定架台の横移動の駆動は、ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置用足場と上段作業床用手摺りの間に着脱可能に取り付けた2台のチェーンブロックの一方のチェーンの巻き上げ力で行うことを特徴とする請求項12に記載のクレーンガーダー交換装置。
【請求項14】
前記ガーダー吊り上げ・吊り下げ装置に、クライミングロッドの所定の間隔で設けた係合用凹所に上部係合部と下部係合部とを交互に係合させるアップダウン昇降式ジャッキを用いることを特徴とする請求項8〜13のいずれか一項に記載のクレーンガーダー交換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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