説明

クレーンゲーム機における景品捕獲機構

【課題】従来の把持機構より簡易な構成であって、バネによらず景品取得の難易度を調整でき、しかも従来のクレーンゲーム機とは異なるアームの挙動を実現することができるクレーンゲーム機における景品捕獲機構を提供する。
【解決手段】クレーンキャッチャ2は捕獲機構を内蔵する捕獲機構筐体14と軸16,17にそれぞれ長さが僅かに異なるアームA11とアームB12が取り付けられて構成されている。待機状態では軸16,17を支点にアームA11とアームB12は上方で閉じており、捕獲動作ではモータ駆動力によりそれぞれ180度回転して下方で閉じる。捕獲動作が従来にない動きであり、捕獲の調整も両アームの板材である掬い皿の重なり具合によって調整することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィールドに多数載置された景品をクレーンキャッチャで掴み取って払い出させるクレーンゲーム機における景品捕獲機構に関する。
【背景技術】
【0002】
クレーンゲーム機は景品を把持する機構部の構成および動作や景品の大きさ,形状により、ユーザが景品を獲得できるか否かが左右されやすい。
景品把持機構に多数の爪を設けて景品に対し大きくアームを開き確実に把持する力を与えるようにすれば、かなりの確率でユーザは景品を獲得することができる。
一方、景品に対しアームを大きく開くがアームの数を最小限にしたり、把持する力を適度に調整することにより景品獲得率は異なってくる。
【0003】
従来は把持する力を調整する部材としてバネを用いており、バネ力を把持する力にする機構のものが多数実施されている。バネを機構に用いているのは、クレーンゲーム機を管理する店舗側がバネの力を大きくしたり、小さくしたりして微妙に調整し景品獲得率を容易に管理できるからである。
しかしながら、バネの調整は熟練を要するため、経験の少ない者に取っては調整が困難であり、例え熟練者といえども相当の手間を掛けていた。また、把持部分の機構も複雑にならざるを得なかった。
このような背景から把持力を発生する動力源としてばねを用いず、微弱な把持力を発生させることができる物体把持装置が提案されている(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−43303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、昇降機構により昇降可能なベース部に回動可能に取り付けられた物体把持用の複数の把持アームと、複数の把持アームに回転駆動力を出力する電動モータと、電動モータの駆動を制御する駆動制御部とを含み、電動モータを複数の把持アームに対応して複数設け、駆動制御部は把持アームにアーム開動作とアーム閉動作を行わせるために、各電動モータに少なくとも開方向および閉方向のいずれか一方への回転駆動力を出力させる制御と、把持アームが物体を把持したときに把持アームに所定の把持力を発生させる回転駆動力を出力するための電流を、各電動モータ毎に供給制御を行うように構成されている。このような構成によりバネではなく、モータに流す電流の大きさによって把持する力を調整し所期の目的を達成している。
【0006】
しかしながら、特許文献1は各把持アーム毎にモータとモータ出力伝達駆動機構を備えた構成で、従前の把持機構とは構成が簡単になったというものの、各把持アーム毎にそれぞれ独立のモータとモータ駆動機構部分を有している。
また、把持する力はモータに流す電流を調整することにより行っている。
本発明の目的は、従来の把持機構より簡易な構成であって、バネによらず景品取得の難易度を調整でき、しかも従来のクレーンゲーム機とは異なるアームの挙動を実現することができるクレーンゲーム機における景品捕獲機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために本発明の請求項1は、クレーンゲーム機の景品を捕獲するクレーンキャッチャー捕獲機構において、モータ駆動部と、モータ駆動部出力軸に回動可能に取り付けられ、モータ駆動部出力軸の回転中心に対し45度傾斜した歯を有する第1歯車と、前記第1歯車に噛合する45度傾斜した歯を有する第2歯車と、前記第1歯車に噛合する45度傾斜した歯を有する第3歯車と、前記第2歯車の出力軸に取り付けられ、先端に景品を掬うための板材を有する第1アームと、前記第3歯車の出力軸に取り付けられ、先端に景品を掬うための板材を有し前記第1アームと異なる長さの第2アームとを備え、転するように伝達し前記第1アームと第2アームの先端を閉じて板材を重ね合わせることにより板材に景品を捕獲することを特徴とする。
本発明の請求項2は請求項1記載の発明において前記第2歯車の出力軸の延長線上に前記第3歯車の出力軸が形成されたことを特徴とする。
本発明の請求項3は請求項2記載の発明において前記第1および第2アームは前記第2および第3歯車の出力軸を中心に上側に重なった状態で待機し、景品捕獲動作で各アームは反対方向に略180度回転して捕獲動作を行うことを特徴とする。
本発明の請求項4は請求項2または3記載の発明において前記板材は曲面の板であり、板状の前記アームの先端下端にアーム板面に略直角になるように前記曲面の板材を取り付けたことを特徴とする。
本発明の請求項5は請求項1,2,3または4記載の発明において前記第1,第2および第3歯車は傘歯車であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記構成によれば、従来の掴むという方法とは異なり、掬い取るという動作を基本とするクレーンゲーム機を実現でき、バネによらない難易度調整のため構成が簡単となり製造コストを低減できる。また、従来タイプとは異なるアームの動きを設定できるためユーザに新たな楽しみを提供できる。さらに、メンテナンスも従来に比較し容易である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明による景品捕獲機構を採用したクレーンゲーム機の外観を示す斜視図である。
【図2】クレーンキャッチャ部の機構の実施の形態を示す斜視図である。
【図3】アームの取り付け位置を調整するための機構を示す図である。
【図4】捕獲機構筐体内の傘歯車の噛合構造を説明するための図である。
【図5】モータと傘歯車の連結の実施の形態を示す図である。
【図6】景品捕獲のためクレーンキャッチャアームの動作の流れを説明するための図である。
【図7】本発明による景品捕獲機構を採用したクレーンゲーム機の回路の実施の形態を示すブロック図である。
【図8】本発明による景品捕獲機構を採用したクレーンゲーム機の操作および動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1は、本発明による景品捕獲機構を採用したクレーンゲーム機の外観を示す斜視図である。
クレーンゲーム機1筐体内に本発明による景品捕獲機構のクレーンキャッチャ2が左右前後移動および下降上昇可能に吊架されている。筐体下部に景品(図示しない)を載置する景品載置フィールド3、該景品載置フィールド3の手前位置に景品落下口6を備えている。
操作パネル面4にプレイヤがクレーンキャッチャ2を操作するための操作部7(X方向移動操作ボタン7a,Y方向移動操作ボタン7b)およびコイン投入口8が配置されている。操作パネル面4の下方に景品を払い出すための景品払い出し口5が設けられている。
【0011】
クレーンキャッチャ2はアームA11とアームB12が軸16を支点に上方に閉じた状態で待機状態となる。プレイヤが操作部7によってクレーンキャッチャ2を左右方向(X方向)および前後方向(Y方向)に移動させて停止させると、クレーンキャッチャ2は下降し、アームA11とアームB12が180°回転し景品を掬い上げる動作を行う。掬い上げ動作の後、上昇し景品落下口6の上方で移動停止し、アームA11とアームB12は上記とは反対方向に回転し、初期の閉じた状態に戻る。景品を掬い上げていれば、景品は景品落下口6に落下し、景品払い出し口5より払い出される。
【0012】
図2はクレーンキャッチャ部の機構の実施の形態を示す斜視図である。
天井にX軸方向およびY軸方向に移動可能なように取り付けられた伸縮筒15の先端に捕獲機構の歯車を収容する捕獲機構筐体14が取り付けられている。捕獲機構筐体14の前後に互いに反対方向に回転する軸16,17が延出されている。この軸16,17にアームA11とアームB12がそれぞれ固定されてクレーンキャッチャ2が構成される。
アームA11は、円弧状に曲げられた補強板11a,両端が半円状の長板形状のアーム板11bおよび円弧状に曲げられた掬い皿11cを含み、アーム板11bの半円状の縁に沿って補強板11aの一辺側が結合し、さらにアーム板11bの他方の半円状の縁に沿って掬い皿11cの一辺側が結合して構成される。掬い皿11cの円弧状の端側に板11dが立ち上がっている。
【0013】
アームA11の上部半円部の中心部分に貫通孔11eが形成されており、この貫通孔11eに軸16を挿入することによりアームA11が軸16に取り付けられる。
アームB12は、アームA11と同様、円弧状に曲げられた補強板12a,両端が半円状の長板形状のアーム板12bおよび円弧状に曲げられた掬い皿12cを含み、アーム板12bの半円状の縁に沿って補強板12aの一辺側が結合し、さらにアーム板12bの他方の半円状の縁に沿って掬い皿12cの一辺側が結合して構成される。
アームB12の上部半円部の中心部分に貫通孔12dが形成されており、この貫通孔12dに軸17を挿入することによりアームB12が軸17に取り付けられる。
アームA11のアーム板11bの長さはアームB12のアーム板12bより若干短くしてあり、アームA11とアームB12が軸16,17によって回転したとき、掬い皿11cと12cの先端部が突き当たることなく僅かに上下方向にずれて重なるようにしてある。
【0014】
図3はアームの取り付け位置を調整するための機構を説明するための図である。
補強板11aで補強されたアーム板11bの貫通孔11eに軸16が貫通した状態が示されている。アーム板11bに固定された止め板22の4つの孔22a,22a,22a,22aにネジ24,24,24,24を通し、軸16にそれぞれ4個ずつ設けたネジ孔21a,21bまたは21cに螺合することによりアームA11が軸16に固定される。
このときネジ孔21a,21bまたは21cのいずれかを選択して螺合することにより、アームA11の捕獲機構筐体14に対する距離を調整することができる。
【0015】
例えば、ネジ孔21cを選択して取り付ければ、アームA11は捕獲機構筐体14に対し最も近い距離となる。同様な構造で構成されるアームB12に対しても軸方向に最も近づけた状態で取り付ければ掬い皿11cと12cの軸方向の重なり状態は最も大きくなる。一方、ネジ孔21aを選択して取り付ければ、アームA11は捕獲機構筐体14に対し最も遠い距離となり、同様な構造で構成されるアームB12に対しても軸方向に最も遠い状態で取り付ければ、軸方向の重なり状態は最も小さくなる。重なり具合が大きくなる程、景品の確実な捕獲が可能となる。
【0016】
図4は捕獲機構筐体内の傘歯車の噛合構造を説明するための図である。
モータからの出力軸は傘歯車26の軸に固定され、傘歯車26はそれぞれアームA11の軸16に固定されている傘歯車27とアームB12の軸17に固定されている傘歯車28に噛合している。傘歯車26が回転すると、その回転出力はそれぞれ90°方向に変換されるとともに傘歯車27と28はそれぞれ反対方向に回転して軸16,17に伝達される。
【0017】
図5はモータと傘歯車の連結の実施の形態を示す図である。
(a)は捕獲機構筐体14の外部にクレーンキャッチャを動作させるモータ32が設けられた例である。伸縮筒15の中間に設けられたモータ32のモータ出力軸31は伸縮筒15内を通って捕獲機構筐体内14の傘歯車26の軸に固定されている。
(b)は捕獲機構筐体14の内部にクレーンキャッチャを動作させるモータ33が設けられた例である。捕獲機構筐体14内にモータ33が設置され、モータ33のモータ出力軸35が傘歯車36の軸に固定されている。
【0018】
図6は景品捕獲のためクレーンキャッチャアームの動作の流れを説明するための図である。図6(a)はクレーンキャッチャが下降して停止した状態を示している。クレーンキャッチャが捕獲動作をする前はアームA11とアームB12は軸16,17を中心に上方向に閉じた状態であり、下方に捕獲すべき景品9が載置されている状態を示している。
捕獲動作を開始するとアームA11とアームB12はそれぞれ反対方向に回転を開始する(図6(b))。
図6(c)は景品9を捕獲直前までにアームA11とアームB12が回転した状態を示している。
図6(d)はアームA11とアームB12が下方向に閉じ、景品9が捕獲(掬い上げられた)された状態を示している。
【0019】
図7は本発明による景品捕獲機構を採用したクレーンゲーム機の回路の実施の形態を示すブロック図である。
コイン投入部8からコインが投入されるとコインが検出され、その情報はコイン関連装置44,入出力処理装置46を介してCPU41に伝達される。コイン投入の状態、すなわちコイン数・プレイ数などの設定値はバックアップメモリ45に格納される。
操作部はX方向移動操作ボタン7aとY方向移動操作ボタン7bよりなり、操作ボタンが押されると、その操作情報は入出力処理装置46を介してCPU41に送られる。CPU41はプレイヤの操作によって操作情報を受けると、モータ制御部47にモータ制御情報を送出する。モータ制御部47で駆動されるモータ駆動回路48はX方向移動モータ49またはY方向移動モータ50を作動させ、クレーンキャッチャ2をX方向またはY方向に移動させる。
【0020】
また、CPU41はY方向にクレーンキャッチャ2が移動して停止すると、モータ制御部47を制御し、モータ制御部47で駆動されるモータ駆動回路48により上下動モータ51を作動させてクレーンキャッチャ2を所定量下降させ、キャッチャモータ32の作動によりアームA11とアームB12を下方向に回転させて景品の捕獲動作を行わせる。捕獲動作終了後、クレーンキャッチャ2を上昇させ、再度X方向移動モータ49,Y方向移動モータ50を作動させて元の待機位置に移動させ、キャッチャモータ32を作動させてアームA11とアームB12を上方に回転させ景品開放の動作を行い終了となる。
【0021】
ROM42はクレーンゲーム機筐体全体を制御する制御プログラム,クレーンゲームを実行するクレーンゲームプログラムおよび該ゲーム機に必要なデータが格納されている。
RAM43はゲーム制御部41aなどで行う演算,処理の作業エリアとして用いられるとともに処理によって発生する情報を一時的に記憶する。
CPU41はROM42から制御プログラムおよびクレーンゲームプログラムを読み込むことによりゲーム制御部41aおよびクレーンゲーム実行部41bの各機能を実現する。
【0022】
ゲーム制御部41aはゲーム開始前の待ち受け状態でのコイン投入などの監視や図示しない電飾などの点灯,点滅などの制御やゲーム終了後の制御などを行う。また、クレーンゲーム実行部41bは、コイン投入の後、制御が渡されて、プレイヤの操作に応じてクレーンキャッチャ2のX軸駆動機構やY軸駆動機構を移動制御し、伸縮駆動機構を駆動してクレーンキャッチャ2の伸縮筒15(図2参照)を伸ばしたり,縮めたりする制御を行う。さらにはアーム開閉駆動機構を駆動してアームA11とアームB12の回転制御を行う。
この後、伸縮駆動機構によりクレーンキャッチャ2を上昇させ、つづいてX軸駆動機構およびY軸駆動機構により景品落下口6まで移動させてアームA11とアームB12を上方に回転させ待機するように制御する。
【0023】
図8は本発明による景品捕獲機構を採用したクレーンゲーム機の操作および動作の流れを示すフローチャートである。
CPU41は待ち受け状態においてコインが投入されたか否かを監視している(ステップ(以下「S」という)01)。コインが投入されると、ゲームが開始する(S02)。
【0024】
ゲーム開始からクレーンキャッチャ2を移動させねばならない時間は設定されており、CPU41は設定時間内か否かを判断する(S03)。設定時間を経過している場合、クレーンキャッチャ2の位置決めは終了したものとしてクレーンキャッチャ2を下降させ捕獲動作を行わせる(S09)。設定時間内であるならば、プレイヤがX方向移動操作ボタン7aを押したか否かを監視する(S04)。プレイヤがX方向移動操作ボタン7aを押すと、CPU41はその情報を受けモータ制御部47に指示を出しモータ駆動回路48がX方向移動モータ49を駆動する。これによりクレーンキャッチャ2はX方向に移動し、プレイヤはターゲットとなる景品の線上にクレーンキャッチャ2が到達すると、X方向移動操作ボタン7aを離すこととなる。CPU41はX方向移動モータ49を停止させ、プレイヤのX方向移動操作が終了する(S05)。
【0025】
CPU41はついで設定時間内か否かを判断する(S06)。設定時間内であるならば、プレイヤが設定時間を経過している場合、クレーンキャッチャ2の位置決めはその時点で終了したものとしてクレーンキャッチャ2を下降させ捕獲動作に移行させる(S09)。設定時間内であるならば、プレイヤがY方向移動操作ボタン7bを押したか否かを監視する(S07)。プレイヤがY方向移動操作ボタン7bを押すと、CPU41はその情報を受けモータ制御部47に指示を出しモータ駆動回路48がY方向移動モータ50を駆動する。これによりクレーンキャッチャ2はY方向に移動し、プレイヤはターゲットとなる景品の真上にクレーンキャッチャ2が到達すると、Y方向移動操作ボタン7bを離すこととなる。CPU41はY方向移動モータ50を停止させ、プレイヤのY方向移動操作が終了する(S08)。
【0026】
CPU41はX方向およびY方向の位置が確定したことを受けてモータ制御部47に指示を出し、モータ駆動回路48は上下動モータ51を駆動させ、クレーンキャッチャ2を下降させる。そして、所定の高さに達すると、上下動モータ51を停止し、つぎにモータ駆動回路48がキャッチャモータ32を駆動させる。クレーンキャッチャ2のアームA11とアームB12は軸16,17を中心に上方で閉じて待機しており、キャッチャモータ32の作動により、アームA11とアームB12は回転を開始し、図6に示すように180°回転して景品を掴み取る(掬い上げる)動作を行う(S09)。
この結果、上手に景品を掬い上げることかできれば、図6(d)のように掬い皿の上に景品9が乗る。
【0027】
ついでCPU41はモータ制御部47に指示を出し、モータ駆動回路48は上下動モータ51を作動させクレーンキャッチャ2を上昇させる。上昇させた後、モータ駆動回路48はX方向移動モータ49,Y方向移動モータ50を駆動して元の待機位置、すなわち景品落下口6の上方で停止させる。そして、キャッチャモータ32を駆動し、アームA11とアームB12を180°反対方向(図6(d)→(c)→(b)→(a))に回転させて元の待機状態(図6(a))に戻る(S10)。これにより景品を掬い上げていれば、景品は景品落下口6を介して景品払い出し口5に払い出され、ゲーム終了となる(S11)。
【0028】
以上の実施の形態でアームA11とアームB12は上方に閉じた状態で待機している場合を説明したが、この待機形態は様々の形をとることができる。例えば、アームA11とアームB12が左右に水平状態位置であったり、他の角度位置で待機したりすることも可能である。
また、アームA11とアームB12の水平方向の重なり具合を、それぞれの軸にアーム板の孔を差し込んでアーム板を軸に止める位置を選択することにより調整を行っているが、アームA11とアームB12を取り付ける構造はこのような構造でなくても良い。
例えば、アームA11とアームB12に固定軸を有しており、その固定軸を捕獲機構筐体に差し込む量を増減することにより重なり具合を調整することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
イベント会場やゲームセンタに設置されるクレーンゲーム機である。
【符号の説明】
【0030】
1 クレーンゲーム機
2 クレーンキャッチャ
3 景品載置フィールド
4 操作パネル面
5 景品払い出し口
6 景品落下口
7 操作部
9 景品
11,12 アーム
11a,12a 補強板
11b,12b アーム板
11c,12c 掬い皿(板材)
16,17 軸
14 捕獲機構筐体
15 伸縮筒
26,27,28,36 傘歯車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーンゲーム機の景品を捕獲するクレーンキャッチャ捕獲機構において、
モータ駆動部と、
モータ駆動部出力軸に回動可能に取り付けられ、モータ駆動部出力軸の回転中心に対し45度傾斜した歯を有する第1歯車と、
前記第1歯車に噛合する45度傾斜した歯を有する第2歯車と、
前記第1歯車に噛合する45度傾斜した歯を有する第3歯車と、
前記第2歯車の出力軸に取り付けられ、先端に景品を掬うための板材を有する第1アームと、
前記第3歯車の出力軸に取り付けられ、先端に景品を掬うための板材を有し前記第1アームと異なる長さの第2アームと、
を備え、
前記モータ駆動部の回転出力を、前記第1アームと前記第2アームを同時に反対方向に回転するように伝達し前記第1アームと第2アームの先端を閉じて板材を重ね合わせることにより板材に景品を捕獲することを特徴とするクレーンゲーム機における景品捕獲機構。
【請求項2】
前記第2歯車の出力軸の延長線上に前記第3歯車の出力軸が形成されるように構成したことを特徴とする請求項1記載のクレーンゲーム機における景品捕獲機構。
【請求項3】
前記第1および第2アームは前記第2および第3歯車の出力軸を中心に上側に重なった状態で待機し、
景品捕獲動作で各アームは反対方向に略180度回転して捕獲動作を行うことを特徴とする請求項2記載のクレーンゲーム機における景品捕獲機構。
【請求項4】
前記板材は曲面の板であり、
板状の前記アームの先端下端にアーム板面に略直角になるように前記曲面の板材を取り付けたことを特徴とする請求項2または3記載のクレーンゲーム機における景品捕獲機構。
【請求項5】
前記第1,第2および第3歯車は傘歯車であることを特徴とする請求項1,2,3または4記載のクレーンゲーム機における景品捕獲機構。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−279561(P2010−279561A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−135449(P2009−135449)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)