クレーンゲーム装置
【課題】新たな景品の払出形態を有するクレーンゲーム装置を提供する。
【解決手段】[a]筐体(1)が設置される床面から60cm以上、170cm以下の高さに、筐体内で上記前面透明板(2)に近接して設けられる景品払出台(101)と、[b]上記前面透明板(2)であって、景品キャッチャー(4)により景品払出台(101)上に載置された景品を取り出し得る位置等に、景品取出用開口(201)が明けられた上記前面透明板(2)と、[c]景品が景品キャッチャーに捕捉されたことを検知する景品センサー(401〜404)と、[d]景品払出台に設けられ、上記前面透明板の景品取出用開口を開閉し得る自動扉(103a〜103d)と、[e]常時は自動扉を閉鎖状態に保持し、景品センサーから景品捕捉検知信号を受けたときはこれに応動して自動扉を開放する自動扉開閉制御装置(61)と、から成る景品払出装置(10)を備えたことを特徴とする。
【解決手段】[a]筐体(1)が設置される床面から60cm以上、170cm以下の高さに、筐体内で上記前面透明板(2)に近接して設けられる景品払出台(101)と、[b]上記前面透明板(2)であって、景品キャッチャー(4)により景品払出台(101)上に載置された景品を取り出し得る位置等に、景品取出用開口(201)が明けられた上記前面透明板(2)と、[c]景品が景品キャッチャーに捕捉されたことを検知する景品センサー(401〜404)と、[d]景品払出台に設けられ、上記前面透明板の景品取出用開口を開閉し得る自動扉(103a〜103d)と、[e]常時は自動扉を閉鎖状態に保持し、景品センサーから景品捕捉検知信号を受けたときはこれに応動して自動扉を開放する自動扉開閉制御装置(61)と、から成る景品払出装置(10)を備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンゲーム装置の改良に関し、特に、景品の新たな払出し形態を提供すると共に、それによるゲームの新たな楽しみ及びゲーム装置の筐体の斬新なデザインを可能とするクレーンゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クレーンゲーム装置は、筐体内のゲームフィールドにプレイヤーから見えるように積まれた景品を、筐体外からプレイヤーが操作できる景品キャッチャーにより掴み取り、そのようにして獲得した景品をプレイヤーに払い出すように構成されており、ゲームセンターその他の娯楽施設において従来から広く楽しまれている。
景品キャッチャーにより獲得した景品の払出し方法は、例えば下記特許文献1に記載のものの如く、景品キャッチャーで掴んだままゲームフィールドの一箇所に設けた景品投下口の上まで運び、そこで景品キャッチャーを開いて景品投下口内へ景品を投下すると、景品は当該景品投下口から筐体の前面下部の景品払出口へ通じるダクトを通じて景品払出口へ導かれ、プレイヤーに引き渡されるようになっている。
また、下記特許文献2には、大型景品を取り扱うゲーム機において、景品払出口内にいたずら防止のための機構を設けたものが開示されているが、当該ゲーム機においても、景品払出口自体は、ゲーム機筐体の下半部に設けられている。
【0003】
このように、従来のクレーンゲーム装置の景品払出口はいずれも筐体前面の下部に設けられていたため、景品を入手するためには、プレイヤーは体を曲げ、景品を拾い上げるようにする以外になく、景品の引渡し方法としては特別の面白味はなく、単純で平凡なものであった。
また、ゲーム機筐体の下部には必ず景品払出口を設けなければならないため、筐体のデザインが制約されるという問題もあった。
更にまた、景品キャッチャーから景品投下口へ景品を投下した際、景品が傷ついたり、ダクト内の埃で汚れたりすることもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−116035号公報
【特許文献2】特開2001−070629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、景品の払出形態を変えることにより、プレイヤーに景品を受け取る楽しみを与えると共に、これまでにないゲーム機筐体のデザイン設計を可能とし、景品の破損等も回避可能なクレーンゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的は、下記[a]項ないし[e]項記載の構成要素から成る景品払出装置を備えたことを特徴とするクレーンゲーム装置、即ち、
[a]筐体が設置される床面から60cm以上、170cm以下の高さに、筐体内で上記前面透明板に近接して設けられる景品払出台と、
[b]上記前面透明板であって、景品キャッチャーにより景品払出台上に載置された景品を取り出し得る位置、又は、景品払出台に近づいた景品キャッチャーから景品を直接受け取り得る位置に、景品取出用開口が明けられた上記前面透明板と、
[c]景品が景品キャッチャーに捕捉されたこと及び/又は景品払出台上に搬送されたことを検知する景品センサーと、
[d]景品払出台に設けられ、上記前面透明板の景品取出用開口を開閉し得る自動扉と、
[e]常時は自動扉を閉鎖状態に保持し、景品センサーから景品捕捉検知信号を受けたときはこれに応動して自動扉を開放する自動扉開閉制御装置と、
から成る景品払出装置を備えたことを特徴とするクレーンゲーム装置によって達成できる。
【0007】
好適な実施例においては、上記自動扉をスライド式自動扉とすることが推奨され、当該スライド式自動扉は、昇降式自動扉とすることも、左右方向への引戸式自動扉とすることも可能である。
別の好適な実施例においては、上記自動扉をロータリー式自動扉とすることも推奨され、当該ロータリー式自動扉は、単式ロータリー式自動扉とすることが可能であり、その場合、景品取出用開口に対応する開口部を備えた単式ロータリー式自動扉とすることも推奨される。
また、ロータリー式自動扉を、左右に開かれることにより開口部が形成される2枚ドアにより構成される複式ロータリー式自動扉とすることも可能である。
更に別の好適な実施例においては、上記自動扉をスイング式自動扉とすることも推奨される。
【0008】
なお、プレイヤーが景品取出用開口から手をゲームフィールドの中にまで伸ばし入れて、景品を盗んだり、いたずらをしたりするのを防止するため、払い出すべき景品が景品払出台上に置かれ、自動扉が景品取出用開口を開いているとき、景品払出台の上に、上方及び景品取出用開口に対応する前面部分が開放された景品払出室を画成する側壁部材を設けるようにすることも推奨される。
当該景品払出室を画成する側壁部材は、固定隔壁部材であっても、可動隔壁部材であってもよく、更にはまた、前記ロータリー式自動扉の開口部以外の部位によって、上記側壁部材が形成されるように構成してもよい。
【0009】
また、景品払出台に設けられる前記自動扉がスライド式の昇降式自動扉であり、景品払出室を画成する前記側壁部材が、昇降式可動隔壁部材から成り、自動扉が閉じられている間は、昇降式可動隔壁部材が下降して景品払出室が筐体内部に向かって開放され、自動扉が開かれるときは昇降式可動隔壁部材が上昇して景品払出室がその昇降式可動隔壁部材によって区画されるように構成することも望ましい。
【0010】
更にまた、景品払出台に設けられる前記自動扉が、景品取出用開口の下縁に沿って設けられた枢軸を中心として回動自在に設けられたスイング式自動扉であり、景品払出室を画成する前記側壁部材が、景品取出用開口の両側縁とそれぞれ対応するスイング式自動扉の側縁との間に設けられた扇子状の折り畳み可能な一対の側壁部材から成るように構成することも推奨される。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上記の如き構成を採用することにより、下記のような作用効果を達成することができる。
(i)プレイヤーは、払い出される景品を、体を曲げることなく立ったままの姿勢で、前面透明板に明けられた景品取出用開口から取り出すことができ、或いはまた、景品キャッチャーから直接受け取ることもできる。そのため、従来にないユニークな景品の受取り体験が可能となり、特に児童の場合、景品キャッチャーから景品を直接受け取れるようにすれば、その楽しさから、ゲームの再プレイを促す効果が高い。
(ii)ゲーム機筐体の下部に必ず景品払出口を設けなければならないという従来からのデザイン上の制約が解消され、デザインの自由度が増大する。特に、景品を積み上げるゲームフィールドの床面の高さを低くしてゲームフィールドの空間を拡張し、筐体の殆どをゲームフィールドとして利用できるので、新たな景品配置や、筐体の外観改善を図ることが可能になり、従来品との外見上の差別化を図ることができる。
(iii)景品を従来の如く景品キャッチャーから景品投下口へ投下することがないので、景品が傷ついたり、汚れたりするのを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るクレーンゲーム装置の一実施例の外観斜視図である。
【図2】図1に示したクレーンゲーム装置に設けられた景品払出装置の基本的構成とその機能を示す説明図である。
【図3】本発明に係るクレーンゲーム装置に設けられる別の形態の景品払出装置の基本的構成とその機能を示す説明図である。
【図4】更に別の形態の景品払出装置の基本的構成とその機能を示す説明図である。
【図5】また更に別の形態の景品払出装置の基本的構成とその機能を示す説明図である。
【図6】また更に別の形態の景品払出装置の基本的構成とその機能を示す説明図である。
【図7】また更に別の形態の景品払出装置の基本的構成とその機能を示す説明図である。
【図8】本発明に係るクレーンゲーム装置の景品キャッチャーに設けられた景品検出手段の一例を示す説明図である。
【図9】景品キャッチャーに設けられる景品検出手段のもう一つの例を示す説明図である。
【図10】本発明に係るクレーンゲーム装置の景品払出装置内での景品等の動きを検知する手段の一例を示す説明図である。
【図11】景品払出装置内での景品等の動きを検知する手段のもう一つ例を示す説明図である。
【図12】本発明に係るクレーンゲーム装置の回路構成を示すブロック図である。
【図13】本発明に係るクレーンゲーム装置の主要な構成要素の作動を示すブロック図である。
【図14】本発明に係るクレーンゲーム装置におけるプレイ開始から景品払出までの過程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に示す実施例を参照しつつ、本発明を実施するための望ましい形態について詳細に説明する。
図1に示す如く、クレーンゲーム装置の筐体1の前面は、前面透明板2により内部のゲームフィールド3が透視可能なようになっており、そのゲームフィールド内には多数の景品Pが並べ置かれ、もしくは積み上げられている。
ゲームフィールド3の天井部には、クレーン装置5(図12参照。図1では筐体1の天板の裏側に隠れて見えない。)が設けられ、当該クレーン装置5には景品キャッチャー4が前後左右及び上下方向に移動可能なように取り付けられている。
景品キャッチャー4及びクレーン装置5の作動は、図12に示す制御装置6によって制御されるようになっている。
筐体1の前面側には、プレイヤーがプレイするためのゲーム操作部7やゲーム料金徴収装置8等が設けられている。当該ゲーム操作部7には、クレーン装置5を作動させ、景品キャッチャー4を前後、左右、上下方向へ移動させるための押しボタン等が設けられる。
【0014】
プレイヤーが、料金徴収装置8にコインを投入することによりゲームが開始され、プレイヤーはゲーム操作部7の押しボタン等を押してクレーン装置5を作動させることにより景品キャッチャー4を前後左右に移動させ、景品キャッチャー4が所望の景品Pの直上に来たところでクレーン装置5を停止し、景品キャッチャー4を降下させて、狙った景品Pを景品キャッチャー4で掴み取るようにする。
従来のクレーンゲーム装置の場合には、景品を掴み取った景品キャッチャー4は自動的に上昇し、ゲームフィールドの底面に設けた景品投下口の上まで移動し、そこで景品キャッチャー4を開いて景品Pを放すようになっており、景品投下口内へ落とされた景品はダクト内を通過して、筐体1の下部に設けた景品払出口に放出され、プレイヤーに渡されるようになっていた。
これに対して、本発明に係るクレーンゲーム装置においては、景品キャッチャー4で獲得された景品は、筐体1の内部に設けられた景品払出装置10であって、筐体1が設置されている床面から60cm以上、170cm以下の高さの位置に景品払出台101を有する景品払出装置10の内部に持ち込まれ、前面透明板2に明けた景品取出用開口201から景品払出装置10の内部へプレイヤーが手を差し入れることにより、景品を受け取ることができるようになっている。
以下、本発明に係るクレーンゲーム装置の特徴であるこの景品払出装置10の構成について説明する。
【0015】
本発明の特徴は、前記の如く、払い出される景品を、プレイヤーが従来の如く筐体下部に設けた景品払出口から取り出すのではなく、体を曲げることなく立ったままの姿勢で、前面透明板に明けられた景品取出用開口に手を入れて取り出すことができ、或いはまた、景品取出用開口に手を入れて景品キャッチャーから直接受け取ることもできるように構成したことにある。
これを実現するため、本発明に係るクレーンゲーム装置に設けられる景品払出装置10は、プレイヤーが立ったままの状態で手が届く高さに設けられる景品払出台101と、景品取出用開口201が明けられた前面透明板2と、景品獲得を検知する景品センサー(図8中の401〜403等)と、上記景品取出用開口を開閉し得る自動扉103aと、自動扉開閉制御装置(図12中の61)と、を備えている。
【0016】
先ず、図1及び図2に示した実施例から説明する。
[a]本発明に係るクレーンゲーム装置の景品払出台101は、プレイヤーが屈(かが)むことなく背を伸ばしたままの状態で景品を取り出すことが可能な高さの位置で、筐体1の内部に設けられる。
具体的には、景品払出台101は、筐体1が設置される床面から60cm以上、170cm以下の高さ(図1中、Hで示す。)に、筐体内で上記前面透明板2に近接して設けられる。
床面からの高さを60cm以上、170cm以下としたのは、60cm未満では、従来と同様、屈まなければ景品を取り出すことができず、また、170cmを超えると、児童などは手が届かなくなるからである。
図示した実施例においては、筐体内に設けられる景品払出台101と、筐体外に設けられるゲーム操作部7とが、ほぼ同じ高さに設けられているが、両者の高さは異なっていてもよい。
【0017】
[b]筐体1の前面透明板2には、景品キャッチャー4により掴み取られ、景品払出台101上に載置された景品を取り出し得る位置、又は、景品払出台に近づいた景品キャッチャー4から景品を直接受け取り得る位置に、景品取出用開口201が明けられる。
即ち、景品取出用開口201は景品払出台101に対応する位置に設けられるものであり、従って、この景品取出用開口201の高さも、その下辺の位置が、筐体1が設置される床面から60cm以上、170cm以下の高さとなるように設定されるものである。
【0018】
[c]景品キャッチャー4上、又はその他の適宜の箇所には、景品が景品キャッチャー4に捕捉されたこと及び/又は景品払出台101上に搬送されたことを検知する景品センサーが設けられる。
例えば、図8に示すように、景品キャッチャー4にY軸方向光学センサー401を設けたり、X軸方向光学センサー402,403を設け、これらの光学センサー(景品センサーに該当)の出力信号の変化と、プレイ状況や景品キャッチャーの現在位置等から、景品捕捉の有無を判断するようにする。
或いはまた、図9に示すように、景品キャッチャー4に小型デジタルカメラ404(景品センサーに該当)を取り付け、当該カメラによる景品の撮影画像からカメラと景品との距離を判定し、これにより、景品捕捉から景品払出台101上への載置又はプレイヤーへの景品の直接引渡し、等々を検知するようにしてもよい。
上記の如き景品センサー401〜404の出力に基づく景品捕捉の有無等の判定は、図12中の景品捕捉判定回路62によって行われる。
【0019】
[d]景品払出台101には、上記前面透明板の景品取出用開口201を開閉し得る自動扉103aが設けられ、当該自動扉103aを閉じることにより、通常は前面透明板の景品取出用開口201を閉じて、筐体1の内部へプレイヤーが手を入れられないようにし、景品キャッチャー4からプレイヤーに景品を引き渡すときだけ自動扉103aを開き、景品取出用開口201から手を差し入れて景品を取り出すことができるようにする。
図1、図2及び図3に示した自動扉103aは、上下方向に昇降して前面透明板2の景品取出用開口201を開閉するようにしたスライド式自動扉である。
図4、図5及び図6に示した自動扉103b、103cは、回転する円筒状のロータリー式自動扉である。
また、図7に示した自動扉103dは、下辺を中心に回動するスイング式自動扉である。
【0020】
[e]更に、本発明に係るクレーンゲーム装置の景品払出装置10には、上記の如き各種形態の自動扉を、常時は閉鎖状態に保持し、前記景品センサーから景品捕捉検知信号を受けたときはこれに応動して自動扉を開放する自動扉開閉制御装置61(図12参照)が設けられる。
即ち、非プレイ時(デモンストレーション期間中)や、クレーン装置及び景品キャッチャーを作動させて景品を捕捉するための動作期間中には、上記前面透明板2の景品取出用開口201からプレイヤーが手を入れられないように自動扉を閉じておき、景品キャッチャーにより景品が捕捉されたことが前記景品センサーの出力により検知されたときは、自動扉を開いて、プレイヤーが景品取出用開口201から手を入れて景品を受け取ることができるようにするために、自動扉を開閉する自動扉開閉制御装置61を設けるものである。
【0021】
以下、前面透明板の景品取出用開口201を開閉する前記自動扉103a、103b、103c等と、これを開いた時に、ゲームフィールド内にまで手を伸ばし入れて悪戯、盗難がなされ得ないようにするために設けられる側壁部材等について、より具体的に説明する。
図1及び図2に示した実施例のものは、昇降式のスライド式自動扉103aと、悪戯等防止用の固定隔壁部材104aと、スイング式フードパネル105aとによって、景品払出室が画成されるようになっている。
即ち、昇降式のスライド式自動扉103aが上がっているときは前面透明板の景品取出用開口201が閉じられ、このときは、スイング式フードパネル105aも手前側へ引き上げられて、閉じた景品払出室が画成される。
景品キャッチャー4により景品が捕捉され、これをプレイヤーに払い出すときには、前記景品センサーからの景品捕捉検知信号に応動して、スイング式フードパネル105aが後側へ開かれて、景品払出室内へ景品が景品キャッチャー4により把持されたままの状態で持ち込まれる。
このとき同時に、スライド式自動扉103aが引き下げられ、プレイヤーは前面透明板の景品取出用開口201から手を差し入れて、景品キャッチャー4から景品を直接受け取ったり、景品払出台101上に置かれた景品を取り出すことができる。
このとき、景品払出室は固定隔壁部材104aによってゲームフィールドとは遮断されているため、プレイヤーがゲームフィールド内にまで手を伸ばし入れて悪戯等はできないようになっている。
これらの動作は、図12中に示す制御装置6の制御下に実行される。
なお、上記スライド式自動扉103aは、上記の如き昇降式のもの以外に、左右方向へ引き動かすことにより開閉する引戸式自動扉(図示せず)とすることも可能である。
【0022】
図3に示した実施例のものは、景品払出台に設けられる前記自動扉が、直角に折り曲げられた形状のスライド式の昇降式自動扉103aから成り、これと、同じく直角に折り曲げられた形状の昇降式可動隔壁部材104bから成る側壁部材とによって、景品払出室が画成されるようになっている。
当該昇降式自動扉103aが引き上げられることにより、図1に示す景品取出用開口201が閉じている間は、昇降式可動隔壁部材104bが下降して景品払出室が筐体内部に向かって開放される。前記景品センサーからの景品捕捉検知信号に応動して、昇降式自動扉103aが引き下ろされて景品取出用開口201が開かれ、プレイヤーによる景品取出しが可能となるときは、悪戯等防止のため、昇降式可動隔壁部材104bが上昇してその昇降式可動隔壁部材によって景品払出室が区画されるようになっている。
景品取出時には、景品払出室は昇降式可動隔壁部材104bによってゲームフィールドとは遮断されているため、プレイヤーがゲームフィールド内にまで手を伸ばし入れて悪戯等をすることはできない。
【0023】
図4に示した実施例のものは、上記自動扉を単式のロータリー式自動扉としたものである。
即ち、図4に示した自動扉103bは、軸中心に回転可能なよう構成された円筒状の側壁部材から成り、その一部に開口部(開放部)103b−1が形成されている。
景品引渡し以外のときは、図4の左側の図に示す如く、自動扉103bの側壁部が前面透明板の前記景品取出用開口201を塞ぐ位置にある。
景品引渡し時には、自動扉103bが回転せしめられ、図4の右側の図に示す如く、その開口部103b−1が景品取出用開口201に対応する位置にもたらされ、景品取出しが可能になる。
また、当該開口部103b−1以外は、円筒状の側壁部材で外部と遮断されているため、プレイヤーがゲームフィールド内にまで手を伸ばし入れて悪戯等はできないものである。
【0024】
図5に示した実施例のものも、図4のものと同様に、自動扉を単式のロータリー式自動扉としたものである。
即ち、図5に示した自動扉103bは、軸中心に回転可能なよう構成された円筒状の側壁部材から成り、その一部に開口部(窓部)103b−2が明けられている。
景品引渡し以外のときは、図5の左側の図に示す如く、自動扉103bの側壁部が前面透明板の前記景品取出用開口201を塞ぐ位置にある。
景品キャッチャー4が景品を捕捉し、その景品をプレイヤーに引き渡す時には、前記景品センサーからの景品捕捉検知信号に応動して、自動扉103bが回転せしめられ、図5の右側の図に示す如く、その開口部103b−2が景品取出用開口201に対応する位置にもたらされ、景品取出しが可能になる。
また、景品払出室は、開口部103b−2以外は円筒状の側壁部材で外部と遮断されているため、プレイヤーがゲームフィールド内にまで手を伸ばし入れて悪戯等はできないものである。
【0025】
図6に示した実施例のものは、上記自動扉を複式のロータリー式自動扉としたものである。
即ち、図6に示した自動扉103cは、それぞれが軸中心に回転可能なよう構成された半円筒状の側壁部材(2枚ドア)103c−1及び103c−2から構成されている。
景品引渡し以外のときは、図6の左側の図に示すように、半円筒状の側壁部材103c−1及び103c−2のそれぞれの両端部が互いに合致して、前面透明板の前記景品取出用開口201を塞ぐようになっている。
景品キャッチャー4が景品を捕捉し、その景品をプレイヤーに引き渡す時には、前記景品センサーからの景品捕捉検知信号に応動して、半円筒状の側壁部材103c−1及び103c−2が左右に開かれることにより、図6の右側の図に示す如く、景品取出用開口201に対応する位置に開口部103c−3が形成され、景品取出しが可能になる。
この時、景品払出室は、開口部103c−3以外は円筒状の側壁部材で外部と遮断されているため、プレイヤーがゲームフィールド内にまで手を伸ばし入れて悪戯等はできないものである。
【0026】
図7に示した実施例のものは、上記自動扉をスイング式自動扉103dとしたものである。
スイング式自動扉103dは、前面透明板の前記景品取出用開口201の下縁に沿って設けられた枢軸を中心として回動自在なように設けられている。
景品引渡し以外のときは、図7の左側の図に示すように、スイング式自動扉103dが立ち上がって、前面透明板の前記景品取出用開口201を塞ぐようになっている。
景品キャッチャー4が景品を捕捉し、その景品をプレイヤーに引き渡す時には、前記景品センサーからの景品捕捉検知信号に応動して、図7の右側の図に示す如く、スイング式自動扉103dが後方へスイングし、前記景品取出用開口201が開いて、景品取出しが可能になる。
景品取出用開口201の両側縁とそれぞれ対応するスイング式自動扉103dの側縁との間には、扇子状の折り畳み可能な一対の側壁部材104cが設けられ、景品取出し時に、スイング式自動扉103dが後方へスイングしたときは、図7の右側の図に示す如く、上記扇子状の側壁部材104cが開き、プレイヤーがゲームフィールド内にまで手を伸ばし入れて悪戯等をするのを防止できるようになっている。
【0027】
図8には、景品キャッチャー4が景品を捕捉したときにこれを検知する手段の一例として、光学センサーを設けた例が示されている。
Y軸方向光学センサー401は、発光素子と、景品からの反射光を検知する受光素子とから構成され、当該反射光の受光の有無により、景品の捕捉の有無を検知するようになっている。
X軸方向光学センサー402及び403は、その一方が発光素子、他方が受光素子から成り、景品キャッチャー4により景品が捕捉されたとき、当該景品による遮光によって受光素子が受光しなくなることにより、景品の捕捉の有無を検知するようになっている。
また、後述の図12中に示す景品捕捉判別回路61により、これらのセンサーの出力信号と、ゲームのプレイ状況及び景品キャッチャーの位置から、総合的に景品獲得の有無を判断するようにしてもよい。
【0028】
図9には、景品キャッチャー4が景品を捕捉したときにこれを検知する手段のもう一つの例として、小型デジタルカメラ404を設けた例が示されている。
この小型デジタルカメラ404の撮影画像を、後述の図12中に示す景品捕捉判別回路61により分析し、被写体(景品)との距離を算出することにより、景品獲得の有無や、移送、落下の状況を判断するようにする。
【0029】
図10には、景品払出装置内での景品等の動きを検知する手段の一例が示されている。
前記図4に示したような円筒状の単式ロータリー式自動扉103bの内壁面に、互いに対をなす発光素子と受光素子とから成る複数組の光学センサー405a,405b、406a,406b等を設け、これらのセンサーが反応する順番から、
景品の落下状況を検知し、プレイヤーの手などの誤認識を回避するようにする。
【0030】
図11には、景品払出装置内での景品等の動きを検知する手段のもう一つ例が示されている。
ゲーム機の筐体のデザインや景品払出装置の機構によっては、景品払出装置内に光学センサー等を設けることが困難な場合もあり、その場合、例えば図11に示すように、筐体そのものの内壁面に、互いに対をなす発光素子と受光素子とから成る複数組の光学センサー407a,407b、408a,408b等を設け、自動扉の開閉状態と併せて、景品獲得の有無を検知するようにしてもよい。
【0031】
図12には、本発明に係るクレーンゲーム装置の回路構成の一実施例が示されており、同図中、4は前記景品キャッチャー、401は光学センサー、5はクレーン装置、6は制御装置、7はゲーム操作部、8は料金徴収装置、9はI/Oポート、103aは自動扉である。
また、制御装置6中、6aは演算装置(CPU)、6bはハードディスクドライブ等の記憶装置、6cはクロック回路、6dはRAM、6eはROM、6fはデータバス、61は景品捕捉判別回路、62は自動扉開閉制御装置である。
これまでの図面に示したものと同一の参照番号のものは、同一の構成要素を示している。
【0032】
制御装置6中の演算装置6aはCPU等から成り、ゲーム操作部7からの入力信号に基づき、記憶装置6bにインストールされたゲームプログラムを実行して、ゲーム進行や景品獲得時の自動扉103aの開閉のために必要な演算処理を行う。
クロック回路6cは、ゲーム開始からゲームオーバーまでの時間管理や、ゲーム進行上必要なその他の時間管理等を行うために必要なクロックパルスを発振する。
RAM6dは、演算装置6aの作動に必要なデータの授受を行なう。
ROM6eには、演算装置6aの作動をバックアップするために必要な比較的小サイズの各種データやプログラムが記録されている。
景品捕捉判別回路61は、前記の如く、景品キャッチャー4等に設けた光学センサー401等の出力に基づき、景品キャッチャーによって景品が獲得されたか否かを判別する回路であり、記憶装置6bにインストールされたプログラム(ソフトウェア)を上記演算装置6a等のハードウェアにより実行することにより、当該ソフトウェアとハードウェアとが協働して構築される回路である。
自動扉開閉制御装置62は、前記の如く、景品キャッチャーによって景品が獲得されたことを示す上記景品捕捉判別回路61からの出力信号に基づき、自動扉103aを開くための制御信号を発信する回路である。この自動扉開閉制御装置62も、記憶装置6bにインストールされたプログラム(ソフトウェア)を上記演算装置6a等のハードウェアにより実行することにより、当該ソフトウェアとハードウェアとが協働して構築される回路である。
【0033】
図13には、本発明に係るクレーンゲーム装置の主要な構成要素の作動が示されている。
ゲーム操作部からの入力信号に基づき、制御装置から発信されるクレーン制御出力信号によって、クレーン装置が作動せしめられ、景品キャッチャー等に設けた景品センサーからの景品捕捉検知信号により景品払出装置の自動扉を開くようにする動作が示されている。
【0034】
図14には、本発明に係るクレーンゲーム装置におけるプレイ開始から景品払出までの過程が示されている。
【0035】
なお、本発明は上記の各種実施例に限定されるものではなく、その目的の範囲内において、上記の説明から当業者が容易に想到し得るすべての変更実施例を包摂するものである。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は上記の如く構成されるので、本発明によるときは、(i)プレイヤーは、払い出される景品を、体を曲げることなく立ったままの姿勢で、前面透明板に明けられた景品取出用開口から取り出すことができ、或いはまた、景品キャッチャーから直接受け取ることもできるため、従来にないユニークな景品の受取り体験が可能となり、特に児童の場合、景品キャッチャーから景品を直接受け取れるようにすれば、その楽しさから、ゲームの再プレイを促す効果が高い、(ii)ゲーム機筐体の下部に必ず景品払出口を設けなければならないという従来からのデザイン上の制約が解消され、デザインの自由度が増大し、特に、景品を積み上げるゲームフィールドの床面の高さを低くしてゲームフィールドの空間を拡張し、筐体の殆どをゲームフィールドとして利用できるので、新たな景品配置や、筐体の外観改善を図ることが可能になり、従来品との外見上の差別化を図ることができる、(iii)景品を従来の如く景品キャッチャーから景品投下口へ投下することがないので、景品が傷ついたり、汚れたりするのを回避できる、等々、多くの有益な効果を達成し得るクレーンゲーム装置を提供し得るものであるから、本発明は産業上多大の利用価値を有するものである。
【符号の説明】
【0037】
1 筐体
2 前面透明板
201 景品取出用開口
3 ゲームフィールド
4 景品キャッチャー
401〜403 光学センサー
404 小型デジタルカメラ
405a,405b〜408a,408b 光学センサー
5 クレーン装置
6 制御装置
6a 演算装置(CPU)
6b 記憶装置(ハードディスクドライブ)
6c クロック回路
6d RAM
6e ROM
6f データバス
61 景品捕捉判別回路
62 自動扉開閉制御装置
7 ゲーム操作部
8 料金徴収装置
9 I/Oポート
10 景品払出装置
101 景品払出台
103a スライド式自動扉
103b 単式ロータリー式自動扉
103b−1,103b−2 開口部
103c 複式ロータリー式自動扉
103c−1,103c−2 2枚ドア
103c−3 開口部
103d スイング式自動扉
104a 固定隔壁部材
104b 可動隔壁部材
104c 扇子状側壁部材
105a スイング式フードパネル
P 景品
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンゲーム装置の改良に関し、特に、景品の新たな払出し形態を提供すると共に、それによるゲームの新たな楽しみ及びゲーム装置の筐体の斬新なデザインを可能とするクレーンゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クレーンゲーム装置は、筐体内のゲームフィールドにプレイヤーから見えるように積まれた景品を、筐体外からプレイヤーが操作できる景品キャッチャーにより掴み取り、そのようにして獲得した景品をプレイヤーに払い出すように構成されており、ゲームセンターその他の娯楽施設において従来から広く楽しまれている。
景品キャッチャーにより獲得した景品の払出し方法は、例えば下記特許文献1に記載のものの如く、景品キャッチャーで掴んだままゲームフィールドの一箇所に設けた景品投下口の上まで運び、そこで景品キャッチャーを開いて景品投下口内へ景品を投下すると、景品は当該景品投下口から筐体の前面下部の景品払出口へ通じるダクトを通じて景品払出口へ導かれ、プレイヤーに引き渡されるようになっている。
また、下記特許文献2には、大型景品を取り扱うゲーム機において、景品払出口内にいたずら防止のための機構を設けたものが開示されているが、当該ゲーム機においても、景品払出口自体は、ゲーム機筐体の下半部に設けられている。
【0003】
このように、従来のクレーンゲーム装置の景品払出口はいずれも筐体前面の下部に設けられていたため、景品を入手するためには、プレイヤーは体を曲げ、景品を拾い上げるようにする以外になく、景品の引渡し方法としては特別の面白味はなく、単純で平凡なものであった。
また、ゲーム機筐体の下部には必ず景品払出口を設けなければならないため、筐体のデザインが制約されるという問題もあった。
更にまた、景品キャッチャーから景品投下口へ景品を投下した際、景品が傷ついたり、ダクト内の埃で汚れたりすることもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−116035号公報
【特許文献2】特開2001−070629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、景品の払出形態を変えることにより、プレイヤーに景品を受け取る楽しみを与えると共に、これまでにないゲーム機筐体のデザイン設計を可能とし、景品の破損等も回避可能なクレーンゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的は、下記[a]項ないし[e]項記載の構成要素から成る景品払出装置を備えたことを特徴とするクレーンゲーム装置、即ち、
[a]筐体が設置される床面から60cm以上、170cm以下の高さに、筐体内で上記前面透明板に近接して設けられる景品払出台と、
[b]上記前面透明板であって、景品キャッチャーにより景品払出台上に載置された景品を取り出し得る位置、又は、景品払出台に近づいた景品キャッチャーから景品を直接受け取り得る位置に、景品取出用開口が明けられた上記前面透明板と、
[c]景品が景品キャッチャーに捕捉されたこと及び/又は景品払出台上に搬送されたことを検知する景品センサーと、
[d]景品払出台に設けられ、上記前面透明板の景品取出用開口を開閉し得る自動扉と、
[e]常時は自動扉を閉鎖状態に保持し、景品センサーから景品捕捉検知信号を受けたときはこれに応動して自動扉を開放する自動扉開閉制御装置と、
から成る景品払出装置を備えたことを特徴とするクレーンゲーム装置によって達成できる。
【0007】
好適な実施例においては、上記自動扉をスライド式自動扉とすることが推奨され、当該スライド式自動扉は、昇降式自動扉とすることも、左右方向への引戸式自動扉とすることも可能である。
別の好適な実施例においては、上記自動扉をロータリー式自動扉とすることも推奨され、当該ロータリー式自動扉は、単式ロータリー式自動扉とすることが可能であり、その場合、景品取出用開口に対応する開口部を備えた単式ロータリー式自動扉とすることも推奨される。
また、ロータリー式自動扉を、左右に開かれることにより開口部が形成される2枚ドアにより構成される複式ロータリー式自動扉とすることも可能である。
更に別の好適な実施例においては、上記自動扉をスイング式自動扉とすることも推奨される。
【0008】
なお、プレイヤーが景品取出用開口から手をゲームフィールドの中にまで伸ばし入れて、景品を盗んだり、いたずらをしたりするのを防止するため、払い出すべき景品が景品払出台上に置かれ、自動扉が景品取出用開口を開いているとき、景品払出台の上に、上方及び景品取出用開口に対応する前面部分が開放された景品払出室を画成する側壁部材を設けるようにすることも推奨される。
当該景品払出室を画成する側壁部材は、固定隔壁部材であっても、可動隔壁部材であってもよく、更にはまた、前記ロータリー式自動扉の開口部以外の部位によって、上記側壁部材が形成されるように構成してもよい。
【0009】
また、景品払出台に設けられる前記自動扉がスライド式の昇降式自動扉であり、景品払出室を画成する前記側壁部材が、昇降式可動隔壁部材から成り、自動扉が閉じられている間は、昇降式可動隔壁部材が下降して景品払出室が筐体内部に向かって開放され、自動扉が開かれるときは昇降式可動隔壁部材が上昇して景品払出室がその昇降式可動隔壁部材によって区画されるように構成することも望ましい。
【0010】
更にまた、景品払出台に設けられる前記自動扉が、景品取出用開口の下縁に沿って設けられた枢軸を中心として回動自在に設けられたスイング式自動扉であり、景品払出室を画成する前記側壁部材が、景品取出用開口の両側縁とそれぞれ対応するスイング式自動扉の側縁との間に設けられた扇子状の折り畳み可能な一対の側壁部材から成るように構成することも推奨される。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上記の如き構成を採用することにより、下記のような作用効果を達成することができる。
(i)プレイヤーは、払い出される景品を、体を曲げることなく立ったままの姿勢で、前面透明板に明けられた景品取出用開口から取り出すことができ、或いはまた、景品キャッチャーから直接受け取ることもできる。そのため、従来にないユニークな景品の受取り体験が可能となり、特に児童の場合、景品キャッチャーから景品を直接受け取れるようにすれば、その楽しさから、ゲームの再プレイを促す効果が高い。
(ii)ゲーム機筐体の下部に必ず景品払出口を設けなければならないという従来からのデザイン上の制約が解消され、デザインの自由度が増大する。特に、景品を積み上げるゲームフィールドの床面の高さを低くしてゲームフィールドの空間を拡張し、筐体の殆どをゲームフィールドとして利用できるので、新たな景品配置や、筐体の外観改善を図ることが可能になり、従来品との外見上の差別化を図ることができる。
(iii)景品を従来の如く景品キャッチャーから景品投下口へ投下することがないので、景品が傷ついたり、汚れたりするのを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るクレーンゲーム装置の一実施例の外観斜視図である。
【図2】図1に示したクレーンゲーム装置に設けられた景品払出装置の基本的構成とその機能を示す説明図である。
【図3】本発明に係るクレーンゲーム装置に設けられる別の形態の景品払出装置の基本的構成とその機能を示す説明図である。
【図4】更に別の形態の景品払出装置の基本的構成とその機能を示す説明図である。
【図5】また更に別の形態の景品払出装置の基本的構成とその機能を示す説明図である。
【図6】また更に別の形態の景品払出装置の基本的構成とその機能を示す説明図である。
【図7】また更に別の形態の景品払出装置の基本的構成とその機能を示す説明図である。
【図8】本発明に係るクレーンゲーム装置の景品キャッチャーに設けられた景品検出手段の一例を示す説明図である。
【図9】景品キャッチャーに設けられる景品検出手段のもう一つの例を示す説明図である。
【図10】本発明に係るクレーンゲーム装置の景品払出装置内での景品等の動きを検知する手段の一例を示す説明図である。
【図11】景品払出装置内での景品等の動きを検知する手段のもう一つ例を示す説明図である。
【図12】本発明に係るクレーンゲーム装置の回路構成を示すブロック図である。
【図13】本発明に係るクレーンゲーム装置の主要な構成要素の作動を示すブロック図である。
【図14】本発明に係るクレーンゲーム装置におけるプレイ開始から景品払出までの過程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に示す実施例を参照しつつ、本発明を実施するための望ましい形態について詳細に説明する。
図1に示す如く、クレーンゲーム装置の筐体1の前面は、前面透明板2により内部のゲームフィールド3が透視可能なようになっており、そのゲームフィールド内には多数の景品Pが並べ置かれ、もしくは積み上げられている。
ゲームフィールド3の天井部には、クレーン装置5(図12参照。図1では筐体1の天板の裏側に隠れて見えない。)が設けられ、当該クレーン装置5には景品キャッチャー4が前後左右及び上下方向に移動可能なように取り付けられている。
景品キャッチャー4及びクレーン装置5の作動は、図12に示す制御装置6によって制御されるようになっている。
筐体1の前面側には、プレイヤーがプレイするためのゲーム操作部7やゲーム料金徴収装置8等が設けられている。当該ゲーム操作部7には、クレーン装置5を作動させ、景品キャッチャー4を前後、左右、上下方向へ移動させるための押しボタン等が設けられる。
【0014】
プレイヤーが、料金徴収装置8にコインを投入することによりゲームが開始され、プレイヤーはゲーム操作部7の押しボタン等を押してクレーン装置5を作動させることにより景品キャッチャー4を前後左右に移動させ、景品キャッチャー4が所望の景品Pの直上に来たところでクレーン装置5を停止し、景品キャッチャー4を降下させて、狙った景品Pを景品キャッチャー4で掴み取るようにする。
従来のクレーンゲーム装置の場合には、景品を掴み取った景品キャッチャー4は自動的に上昇し、ゲームフィールドの底面に設けた景品投下口の上まで移動し、そこで景品キャッチャー4を開いて景品Pを放すようになっており、景品投下口内へ落とされた景品はダクト内を通過して、筐体1の下部に設けた景品払出口に放出され、プレイヤーに渡されるようになっていた。
これに対して、本発明に係るクレーンゲーム装置においては、景品キャッチャー4で獲得された景品は、筐体1の内部に設けられた景品払出装置10であって、筐体1が設置されている床面から60cm以上、170cm以下の高さの位置に景品払出台101を有する景品払出装置10の内部に持ち込まれ、前面透明板2に明けた景品取出用開口201から景品払出装置10の内部へプレイヤーが手を差し入れることにより、景品を受け取ることができるようになっている。
以下、本発明に係るクレーンゲーム装置の特徴であるこの景品払出装置10の構成について説明する。
【0015】
本発明の特徴は、前記の如く、払い出される景品を、プレイヤーが従来の如く筐体下部に設けた景品払出口から取り出すのではなく、体を曲げることなく立ったままの姿勢で、前面透明板に明けられた景品取出用開口に手を入れて取り出すことができ、或いはまた、景品取出用開口に手を入れて景品キャッチャーから直接受け取ることもできるように構成したことにある。
これを実現するため、本発明に係るクレーンゲーム装置に設けられる景品払出装置10は、プレイヤーが立ったままの状態で手が届く高さに設けられる景品払出台101と、景品取出用開口201が明けられた前面透明板2と、景品獲得を検知する景品センサー(図8中の401〜403等)と、上記景品取出用開口を開閉し得る自動扉103aと、自動扉開閉制御装置(図12中の61)と、を備えている。
【0016】
先ず、図1及び図2に示した実施例から説明する。
[a]本発明に係るクレーンゲーム装置の景品払出台101は、プレイヤーが屈(かが)むことなく背を伸ばしたままの状態で景品を取り出すことが可能な高さの位置で、筐体1の内部に設けられる。
具体的には、景品払出台101は、筐体1が設置される床面から60cm以上、170cm以下の高さ(図1中、Hで示す。)に、筐体内で上記前面透明板2に近接して設けられる。
床面からの高さを60cm以上、170cm以下としたのは、60cm未満では、従来と同様、屈まなければ景品を取り出すことができず、また、170cmを超えると、児童などは手が届かなくなるからである。
図示した実施例においては、筐体内に設けられる景品払出台101と、筐体外に設けられるゲーム操作部7とが、ほぼ同じ高さに設けられているが、両者の高さは異なっていてもよい。
【0017】
[b]筐体1の前面透明板2には、景品キャッチャー4により掴み取られ、景品払出台101上に載置された景品を取り出し得る位置、又は、景品払出台に近づいた景品キャッチャー4から景品を直接受け取り得る位置に、景品取出用開口201が明けられる。
即ち、景品取出用開口201は景品払出台101に対応する位置に設けられるものであり、従って、この景品取出用開口201の高さも、その下辺の位置が、筐体1が設置される床面から60cm以上、170cm以下の高さとなるように設定されるものである。
【0018】
[c]景品キャッチャー4上、又はその他の適宜の箇所には、景品が景品キャッチャー4に捕捉されたこと及び/又は景品払出台101上に搬送されたことを検知する景品センサーが設けられる。
例えば、図8に示すように、景品キャッチャー4にY軸方向光学センサー401を設けたり、X軸方向光学センサー402,403を設け、これらの光学センサー(景品センサーに該当)の出力信号の変化と、プレイ状況や景品キャッチャーの現在位置等から、景品捕捉の有無を判断するようにする。
或いはまた、図9に示すように、景品キャッチャー4に小型デジタルカメラ404(景品センサーに該当)を取り付け、当該カメラによる景品の撮影画像からカメラと景品との距離を判定し、これにより、景品捕捉から景品払出台101上への載置又はプレイヤーへの景品の直接引渡し、等々を検知するようにしてもよい。
上記の如き景品センサー401〜404の出力に基づく景品捕捉の有無等の判定は、図12中の景品捕捉判定回路62によって行われる。
【0019】
[d]景品払出台101には、上記前面透明板の景品取出用開口201を開閉し得る自動扉103aが設けられ、当該自動扉103aを閉じることにより、通常は前面透明板の景品取出用開口201を閉じて、筐体1の内部へプレイヤーが手を入れられないようにし、景品キャッチャー4からプレイヤーに景品を引き渡すときだけ自動扉103aを開き、景品取出用開口201から手を差し入れて景品を取り出すことができるようにする。
図1、図2及び図3に示した自動扉103aは、上下方向に昇降して前面透明板2の景品取出用開口201を開閉するようにしたスライド式自動扉である。
図4、図5及び図6に示した自動扉103b、103cは、回転する円筒状のロータリー式自動扉である。
また、図7に示した自動扉103dは、下辺を中心に回動するスイング式自動扉である。
【0020】
[e]更に、本発明に係るクレーンゲーム装置の景品払出装置10には、上記の如き各種形態の自動扉を、常時は閉鎖状態に保持し、前記景品センサーから景品捕捉検知信号を受けたときはこれに応動して自動扉を開放する自動扉開閉制御装置61(図12参照)が設けられる。
即ち、非プレイ時(デモンストレーション期間中)や、クレーン装置及び景品キャッチャーを作動させて景品を捕捉するための動作期間中には、上記前面透明板2の景品取出用開口201からプレイヤーが手を入れられないように自動扉を閉じておき、景品キャッチャーにより景品が捕捉されたことが前記景品センサーの出力により検知されたときは、自動扉を開いて、プレイヤーが景品取出用開口201から手を入れて景品を受け取ることができるようにするために、自動扉を開閉する自動扉開閉制御装置61を設けるものである。
【0021】
以下、前面透明板の景品取出用開口201を開閉する前記自動扉103a、103b、103c等と、これを開いた時に、ゲームフィールド内にまで手を伸ばし入れて悪戯、盗難がなされ得ないようにするために設けられる側壁部材等について、より具体的に説明する。
図1及び図2に示した実施例のものは、昇降式のスライド式自動扉103aと、悪戯等防止用の固定隔壁部材104aと、スイング式フードパネル105aとによって、景品払出室が画成されるようになっている。
即ち、昇降式のスライド式自動扉103aが上がっているときは前面透明板の景品取出用開口201が閉じられ、このときは、スイング式フードパネル105aも手前側へ引き上げられて、閉じた景品払出室が画成される。
景品キャッチャー4により景品が捕捉され、これをプレイヤーに払い出すときには、前記景品センサーからの景品捕捉検知信号に応動して、スイング式フードパネル105aが後側へ開かれて、景品払出室内へ景品が景品キャッチャー4により把持されたままの状態で持ち込まれる。
このとき同時に、スライド式自動扉103aが引き下げられ、プレイヤーは前面透明板の景品取出用開口201から手を差し入れて、景品キャッチャー4から景品を直接受け取ったり、景品払出台101上に置かれた景品を取り出すことができる。
このとき、景品払出室は固定隔壁部材104aによってゲームフィールドとは遮断されているため、プレイヤーがゲームフィールド内にまで手を伸ばし入れて悪戯等はできないようになっている。
これらの動作は、図12中に示す制御装置6の制御下に実行される。
なお、上記スライド式自動扉103aは、上記の如き昇降式のもの以外に、左右方向へ引き動かすことにより開閉する引戸式自動扉(図示せず)とすることも可能である。
【0022】
図3に示した実施例のものは、景品払出台に設けられる前記自動扉が、直角に折り曲げられた形状のスライド式の昇降式自動扉103aから成り、これと、同じく直角に折り曲げられた形状の昇降式可動隔壁部材104bから成る側壁部材とによって、景品払出室が画成されるようになっている。
当該昇降式自動扉103aが引き上げられることにより、図1に示す景品取出用開口201が閉じている間は、昇降式可動隔壁部材104bが下降して景品払出室が筐体内部に向かって開放される。前記景品センサーからの景品捕捉検知信号に応動して、昇降式自動扉103aが引き下ろされて景品取出用開口201が開かれ、プレイヤーによる景品取出しが可能となるときは、悪戯等防止のため、昇降式可動隔壁部材104bが上昇してその昇降式可動隔壁部材によって景品払出室が区画されるようになっている。
景品取出時には、景品払出室は昇降式可動隔壁部材104bによってゲームフィールドとは遮断されているため、プレイヤーがゲームフィールド内にまで手を伸ばし入れて悪戯等をすることはできない。
【0023】
図4に示した実施例のものは、上記自動扉を単式のロータリー式自動扉としたものである。
即ち、図4に示した自動扉103bは、軸中心に回転可能なよう構成された円筒状の側壁部材から成り、その一部に開口部(開放部)103b−1が形成されている。
景品引渡し以外のときは、図4の左側の図に示す如く、自動扉103bの側壁部が前面透明板の前記景品取出用開口201を塞ぐ位置にある。
景品引渡し時には、自動扉103bが回転せしめられ、図4の右側の図に示す如く、その開口部103b−1が景品取出用開口201に対応する位置にもたらされ、景品取出しが可能になる。
また、当該開口部103b−1以外は、円筒状の側壁部材で外部と遮断されているため、プレイヤーがゲームフィールド内にまで手を伸ばし入れて悪戯等はできないものである。
【0024】
図5に示した実施例のものも、図4のものと同様に、自動扉を単式のロータリー式自動扉としたものである。
即ち、図5に示した自動扉103bは、軸中心に回転可能なよう構成された円筒状の側壁部材から成り、その一部に開口部(窓部)103b−2が明けられている。
景品引渡し以外のときは、図5の左側の図に示す如く、自動扉103bの側壁部が前面透明板の前記景品取出用開口201を塞ぐ位置にある。
景品キャッチャー4が景品を捕捉し、その景品をプレイヤーに引き渡す時には、前記景品センサーからの景品捕捉検知信号に応動して、自動扉103bが回転せしめられ、図5の右側の図に示す如く、その開口部103b−2が景品取出用開口201に対応する位置にもたらされ、景品取出しが可能になる。
また、景品払出室は、開口部103b−2以外は円筒状の側壁部材で外部と遮断されているため、プレイヤーがゲームフィールド内にまで手を伸ばし入れて悪戯等はできないものである。
【0025】
図6に示した実施例のものは、上記自動扉を複式のロータリー式自動扉としたものである。
即ち、図6に示した自動扉103cは、それぞれが軸中心に回転可能なよう構成された半円筒状の側壁部材(2枚ドア)103c−1及び103c−2から構成されている。
景品引渡し以外のときは、図6の左側の図に示すように、半円筒状の側壁部材103c−1及び103c−2のそれぞれの両端部が互いに合致して、前面透明板の前記景品取出用開口201を塞ぐようになっている。
景品キャッチャー4が景品を捕捉し、その景品をプレイヤーに引き渡す時には、前記景品センサーからの景品捕捉検知信号に応動して、半円筒状の側壁部材103c−1及び103c−2が左右に開かれることにより、図6の右側の図に示す如く、景品取出用開口201に対応する位置に開口部103c−3が形成され、景品取出しが可能になる。
この時、景品払出室は、開口部103c−3以外は円筒状の側壁部材で外部と遮断されているため、プレイヤーがゲームフィールド内にまで手を伸ばし入れて悪戯等はできないものである。
【0026】
図7に示した実施例のものは、上記自動扉をスイング式自動扉103dとしたものである。
スイング式自動扉103dは、前面透明板の前記景品取出用開口201の下縁に沿って設けられた枢軸を中心として回動自在なように設けられている。
景品引渡し以外のときは、図7の左側の図に示すように、スイング式自動扉103dが立ち上がって、前面透明板の前記景品取出用開口201を塞ぐようになっている。
景品キャッチャー4が景品を捕捉し、その景品をプレイヤーに引き渡す時には、前記景品センサーからの景品捕捉検知信号に応動して、図7の右側の図に示す如く、スイング式自動扉103dが後方へスイングし、前記景品取出用開口201が開いて、景品取出しが可能になる。
景品取出用開口201の両側縁とそれぞれ対応するスイング式自動扉103dの側縁との間には、扇子状の折り畳み可能な一対の側壁部材104cが設けられ、景品取出し時に、スイング式自動扉103dが後方へスイングしたときは、図7の右側の図に示す如く、上記扇子状の側壁部材104cが開き、プレイヤーがゲームフィールド内にまで手を伸ばし入れて悪戯等をするのを防止できるようになっている。
【0027】
図8には、景品キャッチャー4が景品を捕捉したときにこれを検知する手段の一例として、光学センサーを設けた例が示されている。
Y軸方向光学センサー401は、発光素子と、景品からの反射光を検知する受光素子とから構成され、当該反射光の受光の有無により、景品の捕捉の有無を検知するようになっている。
X軸方向光学センサー402及び403は、その一方が発光素子、他方が受光素子から成り、景品キャッチャー4により景品が捕捉されたとき、当該景品による遮光によって受光素子が受光しなくなることにより、景品の捕捉の有無を検知するようになっている。
また、後述の図12中に示す景品捕捉判別回路61により、これらのセンサーの出力信号と、ゲームのプレイ状況及び景品キャッチャーの位置から、総合的に景品獲得の有無を判断するようにしてもよい。
【0028】
図9には、景品キャッチャー4が景品を捕捉したときにこれを検知する手段のもう一つの例として、小型デジタルカメラ404を設けた例が示されている。
この小型デジタルカメラ404の撮影画像を、後述の図12中に示す景品捕捉判別回路61により分析し、被写体(景品)との距離を算出することにより、景品獲得の有無や、移送、落下の状況を判断するようにする。
【0029】
図10には、景品払出装置内での景品等の動きを検知する手段の一例が示されている。
前記図4に示したような円筒状の単式ロータリー式自動扉103bの内壁面に、互いに対をなす発光素子と受光素子とから成る複数組の光学センサー405a,405b、406a,406b等を設け、これらのセンサーが反応する順番から、
景品の落下状況を検知し、プレイヤーの手などの誤認識を回避するようにする。
【0030】
図11には、景品払出装置内での景品等の動きを検知する手段のもう一つ例が示されている。
ゲーム機の筐体のデザインや景品払出装置の機構によっては、景品払出装置内に光学センサー等を設けることが困難な場合もあり、その場合、例えば図11に示すように、筐体そのものの内壁面に、互いに対をなす発光素子と受光素子とから成る複数組の光学センサー407a,407b、408a,408b等を設け、自動扉の開閉状態と併せて、景品獲得の有無を検知するようにしてもよい。
【0031】
図12には、本発明に係るクレーンゲーム装置の回路構成の一実施例が示されており、同図中、4は前記景品キャッチャー、401は光学センサー、5はクレーン装置、6は制御装置、7はゲーム操作部、8は料金徴収装置、9はI/Oポート、103aは自動扉である。
また、制御装置6中、6aは演算装置(CPU)、6bはハードディスクドライブ等の記憶装置、6cはクロック回路、6dはRAM、6eはROM、6fはデータバス、61は景品捕捉判別回路、62は自動扉開閉制御装置である。
これまでの図面に示したものと同一の参照番号のものは、同一の構成要素を示している。
【0032】
制御装置6中の演算装置6aはCPU等から成り、ゲーム操作部7からの入力信号に基づき、記憶装置6bにインストールされたゲームプログラムを実行して、ゲーム進行や景品獲得時の自動扉103aの開閉のために必要な演算処理を行う。
クロック回路6cは、ゲーム開始からゲームオーバーまでの時間管理や、ゲーム進行上必要なその他の時間管理等を行うために必要なクロックパルスを発振する。
RAM6dは、演算装置6aの作動に必要なデータの授受を行なう。
ROM6eには、演算装置6aの作動をバックアップするために必要な比較的小サイズの各種データやプログラムが記録されている。
景品捕捉判別回路61は、前記の如く、景品キャッチャー4等に設けた光学センサー401等の出力に基づき、景品キャッチャーによって景品が獲得されたか否かを判別する回路であり、記憶装置6bにインストールされたプログラム(ソフトウェア)を上記演算装置6a等のハードウェアにより実行することにより、当該ソフトウェアとハードウェアとが協働して構築される回路である。
自動扉開閉制御装置62は、前記の如く、景品キャッチャーによって景品が獲得されたことを示す上記景品捕捉判別回路61からの出力信号に基づき、自動扉103aを開くための制御信号を発信する回路である。この自動扉開閉制御装置62も、記憶装置6bにインストールされたプログラム(ソフトウェア)を上記演算装置6a等のハードウェアにより実行することにより、当該ソフトウェアとハードウェアとが協働して構築される回路である。
【0033】
図13には、本発明に係るクレーンゲーム装置の主要な構成要素の作動が示されている。
ゲーム操作部からの入力信号に基づき、制御装置から発信されるクレーン制御出力信号によって、クレーン装置が作動せしめられ、景品キャッチャー等に設けた景品センサーからの景品捕捉検知信号により景品払出装置の自動扉を開くようにする動作が示されている。
【0034】
図14には、本発明に係るクレーンゲーム装置におけるプレイ開始から景品払出までの過程が示されている。
【0035】
なお、本発明は上記の各種実施例に限定されるものではなく、その目的の範囲内において、上記の説明から当業者が容易に想到し得るすべての変更実施例を包摂するものである。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は上記の如く構成されるので、本発明によるときは、(i)プレイヤーは、払い出される景品を、体を曲げることなく立ったままの姿勢で、前面透明板に明けられた景品取出用開口から取り出すことができ、或いはまた、景品キャッチャーから直接受け取ることもできるため、従来にないユニークな景品の受取り体験が可能となり、特に児童の場合、景品キャッチャーから景品を直接受け取れるようにすれば、その楽しさから、ゲームの再プレイを促す効果が高い、(ii)ゲーム機筐体の下部に必ず景品払出口を設けなければならないという従来からのデザイン上の制約が解消され、デザインの自由度が増大し、特に、景品を積み上げるゲームフィールドの床面の高さを低くしてゲームフィールドの空間を拡張し、筐体の殆どをゲームフィールドとして利用できるので、新たな景品配置や、筐体の外観改善を図ることが可能になり、従来品との外見上の差別化を図ることができる、(iii)景品を従来の如く景品キャッチャーから景品投下口へ投下することがないので、景品が傷ついたり、汚れたりするのを回避できる、等々、多くの有益な効果を達成し得るクレーンゲーム装置を提供し得るものであるから、本発明は産業上多大の利用価値を有するものである。
【符号の説明】
【0037】
1 筐体
2 前面透明板
201 景品取出用開口
3 ゲームフィールド
4 景品キャッチャー
401〜403 光学センサー
404 小型デジタルカメラ
405a,405b〜408a,408b 光学センサー
5 クレーン装置
6 制御装置
6a 演算装置(CPU)
6b 記憶装置(ハードディスクドライブ)
6c クロック回路
6d RAM
6e ROM
6f データバス
61 景品捕捉判別回路
62 自動扉開閉制御装置
7 ゲーム操作部
8 料金徴収装置
9 I/Oポート
10 景品払出装置
101 景品払出台
103a スライド式自動扉
103b 単式ロータリー式自動扉
103b−1,103b−2 開口部
103c 複式ロータリー式自動扉
103c−1,103c−2 2枚ドア
103c−3 開口部
103d スイング式自動扉
104a 固定隔壁部材
104b 可動隔壁部材
104c 扇子状側壁部材
105a スイング式フードパネル
P 景品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面透明板(2)により内部が透視可能な筐体(1)内に設けられ、多数の景品(P)を積み上げた状態で収容し得るゲームフィールド(3)と、
ゲームフィールドの天井部に設けられ、景品キャッチャー(4)を前後左右及び上下方向に移動自在に保持するクレーン装置(5)と、
上記景品キャッチャー(4)及びクレーン装置(5)の制御装置(6)と、
を具備するクレーンゲーム装置において、下記[a]項ないし[e]項記載の構成要素から成る景品払出装置(10)を備えたことを特徴とする上記のクレーンゲーム装置。
[a]筐体(1)が設置される床面から60cm以上、170cm以下の高さに、筐体内で上記前面透明板(2)に近接して設けられる景品払出台(101)。
[b]上記前面透明板(2)であって、景品キャッチャー(4)により景品払出台(101)上に載置された景品を取り出し得る位置、又は、景品払出台に近づいた景品キャッチャー(4)から景品を直接受け取り得る位置に、景品取出用開口(201)が明けられた上記前面透明板(2)。
[c]景品が景品キャッチャーに捕捉されたこと及び/又は景品払出台上に搬送されたことを検知する景品センサー(401〜405)。
[d]景品払出台に設けられ、上記前面透明板の景品取出用開口を開閉し得る自動扉(103a〜103d)。
[e]常時は自動扉を閉鎖状態に保持し、景品センサーから景品捕捉検知信号を受けたときはこれに応動して自動扉を開放する自動扉開閉制御装置(61)。
【請求項2】
自動扉が、スライド式自動扉(103a)である、請求項1に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項3】
スライド式自動扉が昇降式自動扉(103a)である、請求項2に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項4】
スライド式自動扉が引戸式自動扉である、請求項2に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項5】
自動扉が、ロータリー式自動扉(103b,103c)である、請求項1に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項6】
ロータリー式自動扉が、単式ロータリー式自動扉(103b)である、請求項5に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項7】
ロータリー式自動扉が、景品取出用開口に対応する開口部(103b−1,103b−2)を備えた単式ロータリー式自動扉(103b)である、請求項6に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項8】
ロータリー式自動扉が、左右に開かれることにより開口部(103c−3)が形成される2枚ドア(103c−1,103c−2)により構成される複式ロータリー式自動扉(103c)である、請求項5に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項9】
自動扉が、スイング式自動扉(103d)である、請求項1に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項10】
払い出すべき景品が景品払出台上に置かれ、自動扉が景品取出用開口を開いているとき、景品払出台の上に、上方及び景品取出用開口に対応する前面部分が開放された景品払出室を画成する側壁部材(104a〜104c)を有する、請求項1乃至9の何れか一に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項11】
景品払出室を画成する上記側壁部材が、固定隔壁部材(104a)である請求項10に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項12】
景品払出室を画成する上記側壁部材が、可動隔壁部材(104b)である請求項10に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項13】
景品払出室を画成する上記側壁部材が、前記ロータリー式自動扉(103b,103c)の開口部以外の部位により形成される請求項10に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項14】
景品払出台に設けられる前記自動扉がスライド式の昇降式自動扉(103a)であり、
景品払出室を画成する前記側壁部材が、昇降式可動隔壁部材(104b)から成り、
自動扉(103a)が閉じられている間は、昇降式可動隔壁部材(104b)が下降して景品払出室が筐体内部に向かって開放され、自動扉(103a)が開かれるときは昇降式可動隔壁部材(104b)が上昇して景品払出室がその昇降式可動隔壁部材によって区画される、請求項10に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項15】
景品払出台に設けられる前記自動扉が、景品取出用開口の下縁に沿って設けられた枢軸を中心として回動自在に設けられたスイング式自動扉(103d)であり、
景品払出室を画成する前記側壁部材が、景品取出用開口の両側縁とそれぞれ対応するスイング式自動扉の側縁との間に設けられた扇子状の折り畳み可能な一対の側壁部材(104c)から成る、請求項1に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項1】
前面透明板(2)により内部が透視可能な筐体(1)内に設けられ、多数の景品(P)を積み上げた状態で収容し得るゲームフィールド(3)と、
ゲームフィールドの天井部に設けられ、景品キャッチャー(4)を前後左右及び上下方向に移動自在に保持するクレーン装置(5)と、
上記景品キャッチャー(4)及びクレーン装置(5)の制御装置(6)と、
を具備するクレーンゲーム装置において、下記[a]項ないし[e]項記載の構成要素から成る景品払出装置(10)を備えたことを特徴とする上記のクレーンゲーム装置。
[a]筐体(1)が設置される床面から60cm以上、170cm以下の高さに、筐体内で上記前面透明板(2)に近接して設けられる景品払出台(101)。
[b]上記前面透明板(2)であって、景品キャッチャー(4)により景品払出台(101)上に載置された景品を取り出し得る位置、又は、景品払出台に近づいた景品キャッチャー(4)から景品を直接受け取り得る位置に、景品取出用開口(201)が明けられた上記前面透明板(2)。
[c]景品が景品キャッチャーに捕捉されたこと及び/又は景品払出台上に搬送されたことを検知する景品センサー(401〜405)。
[d]景品払出台に設けられ、上記前面透明板の景品取出用開口を開閉し得る自動扉(103a〜103d)。
[e]常時は自動扉を閉鎖状態に保持し、景品センサーから景品捕捉検知信号を受けたときはこれに応動して自動扉を開放する自動扉開閉制御装置(61)。
【請求項2】
自動扉が、スライド式自動扉(103a)である、請求項1に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項3】
スライド式自動扉が昇降式自動扉(103a)である、請求項2に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項4】
スライド式自動扉が引戸式自動扉である、請求項2に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項5】
自動扉が、ロータリー式自動扉(103b,103c)である、請求項1に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項6】
ロータリー式自動扉が、単式ロータリー式自動扉(103b)である、請求項5に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項7】
ロータリー式自動扉が、景品取出用開口に対応する開口部(103b−1,103b−2)を備えた単式ロータリー式自動扉(103b)である、請求項6に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項8】
ロータリー式自動扉が、左右に開かれることにより開口部(103c−3)が形成される2枚ドア(103c−1,103c−2)により構成される複式ロータリー式自動扉(103c)である、請求項5に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項9】
自動扉が、スイング式自動扉(103d)である、請求項1に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項10】
払い出すべき景品が景品払出台上に置かれ、自動扉が景品取出用開口を開いているとき、景品払出台の上に、上方及び景品取出用開口に対応する前面部分が開放された景品払出室を画成する側壁部材(104a〜104c)を有する、請求項1乃至9の何れか一に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項11】
景品払出室を画成する上記側壁部材が、固定隔壁部材(104a)である請求項10に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項12】
景品払出室を画成する上記側壁部材が、可動隔壁部材(104b)である請求項10に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項13】
景品払出室を画成する上記側壁部材が、前記ロータリー式自動扉(103b,103c)の開口部以外の部位により形成される請求項10に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項14】
景品払出台に設けられる前記自動扉がスライド式の昇降式自動扉(103a)であり、
景品払出室を画成する前記側壁部材が、昇降式可動隔壁部材(104b)から成り、
自動扉(103a)が閉じられている間は、昇降式可動隔壁部材(104b)が下降して景品払出室が筐体内部に向かって開放され、自動扉(103a)が開かれるときは昇降式可動隔壁部材(104b)が上昇して景品払出室がその昇降式可動隔壁部材によって区画される、請求項10に記載のクレーンゲーム装置。
【請求項15】
景品払出台に設けられる前記自動扉が、景品取出用開口の下縁に沿って設けられた枢軸を中心として回動自在に設けられたスイング式自動扉(103d)であり、
景品払出室を画成する前記側壁部材が、景品取出用開口の両側縁とそれぞれ対応するスイング式自動扉の側縁との間に設けられた扇子状の折り畳み可能な一対の側壁部材(104c)から成る、請求項1に記載のクレーンゲーム装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−5151(P2011−5151A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153532(P2009−153532)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
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