説明

クレーン給電システムおよび方法

【課題】地上に条設した給電レールでの感電を防止する。
【解決手段】クレーン装置6に、給電レール1と電気的に接触することにより給電部2から供給された電源電力25を集電する集電子4と、当該集電点Pを含む給電レール1の一部を保護区間Sとしてその上方から覆うことにより、当該保護区間Sでの給電レール1に対する感電を保護するカバー3(感電保護部)とを設け、給電レール1を、互いに電気的に絶縁された複数の部分レール11の列から構成し、この部分レール11のレール長Lを、保護区間Sの端点Eから集電点Pまでの保護距離W以下の長さとし、給電部2により、部分レール11のうち集電子4と電気的に接触している部分レール11に対してのみ電源電力25を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーン給電技術に関し、特にクレーン装置に対して給電レールから電源供給を行うクレーン給電技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテナターミナル内でトレーラーに対するコンテナの積み降ろしを行う門型のトランスファークレーン装置などのクレーン装置に対して電源給電を行う給電システムとして、レーンに沿って架設されたトロリー線を介して電源給電を行う方法がある(例えば、特許文献1等参照)。このようなクレーン装置では、レーンにクレーン装置以外の人や車両などの移動体が立ち入る場合、トロリー線への感電を防止する必要がある。このため、レーンに沿って架線を絶縁する構造物を設置した場合、移動体がレーンを横切って自由に移動することが不可能となる。
【0003】
特に、トランスファークレーン装置の場合、コンテナターミナル内に設けられた極めて長い距離を有するレーンに沿ってトロリー線を架設し、このトロリー線を絶縁する通路などの構造物をトロリー線に沿って連続して設置する必要がある。このため、コンテナ作業員やコンテナ運搬用のトレーラーは、レーンを横切ることができず、レーンの端部まで遠回りする必要がある。
また、タイヤ式のトランスファークレーン装置の場合、直進走行精度はそれほど高くないため、トロリー線からの給電を維持するための集電構造も複雑となる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−137494号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような給電システムにおいて、トロリー線に代えて給電レールを用いる方法が考えられる。この給電レールを地上に条設すれば人が跨いで横切ることが可能となり、地面とほぼ同じ高さに条設すれば、車両や装置が走行路を横切って自由に移動することが可能となる。また、クレーン装置などのように直進走行精度が低い走行装置であっても、給電レール上を走行して集電する台車に自由度を持たせることにより、給電を容易に維持することができる。
しかしながら、給電レールを用いた場合、給電レールと台車との接触部分については絶縁することができず、給電レール上を移動体が通過した場合に感電する可能性があるという問題点があった。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、地上に条設した給電レールでの感電を防止できるクレーン給電システムおよび方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明にかかるクレーン給電システムは、外部から供給された電源電力により動作するクレーン装置と、このクレーン装置が走行するレーンに沿って条設された給電レールと、この給電レールに対して電源電力を供給する給電部とを備え、クレーン装置に、給電レールと電気的に接触することにより給電部から供給された電源電力を集電する集電子と、当該集電点を含む給電レールの一部を保護区間としてその上方から覆うことにより、当該保護区間での給電レールに対する感電を保護する感電保護部を設け、給電レールを、互いに電気的に絶縁された複数の部分レールの列から構成し、部分レールのレール長を、保護区間の端点から集電点までの保護距離以下とし、給電部で、部分レールのうち集電子と電気的に接触している部分レールに対してのみ電源電力を供給する。
【0008】
この際、給電部に、部分レールから得られた電気信号に基づいて当該部分レールと集電子との電気的接触を検出する検出器と、この検出器の検出出力に基づいて対応する部分レールに対して電源電力を切替供給する切替器とを設けてもよい。
さらに、クレーン装置で、集電子が電気的に接触している部分レールに対して電気信号を出力するようにしてもよい。
【0009】
また、給電レールのうち、レーンのうち任意の移動体が進入する区間においてのみ、部分レールの列を設けてもよい。
【0010】
また、集電子として、感電保護部に回動自在に支持されて給電レール上を転動するとともに、当該給電レールとの物理的接触点を集電点として当該給電レールから電源電力を集電する車輪を用いてもよい。
【0011】
また、集電子を保護区間の中間部に設け、感電保護部では、集電点と保護区間の端点との間に、給電レール上を転動する車輪を回動自在に支持してもよい、
【0012】
また、本発明にかかるクレーン給電方法は、外部から供給された電源電力により動作するクレーン装置と、このクレーン装置が走行するレーンに沿って条設された給電レールと、この給電レールに対して電源電力を供給する給電部とを備えるクレーン給電システムで用いられるクレーン給電方法であって、クレーン装置により、集電子を介して給電レールと電気的に接触することにより給電部から供給された電源電力を集電するステップと、クレーン装置により、当該集電点を含む給電レールの一部を保護区間としてその上方から覆うことにより、当該保護区間での給電レールに対する感電を保護するステップと、保護区間の端点から集電点までの保護距離以下のレール長を有し、互いに電気的に絶縁されて条設されることにより給電レールを構成する複数の部分レールのうち、集電子と電気的に接触している部分レールに対してのみ給電部から電源電力を供給するステップととを備えている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、集電子と電気的に接触している部分レールは、すべてカバーにより覆うことができる。このため、給電中の部分レールは、カバーから露出することがなくなり、給電中の部分レールに対する感電を抑止することが可能となる。
したがって、クレーン装置が走行するレーンに条設されている給電レールを、人、車両、装置などの任意の移動体が安全に横切って通過することができ、複雑な構成を用いることなる極めて安全な地上給電方式を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるクレーン給電システムについて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるクレーン給電システムの説明図である。
【0015】
このクレーン給電システムは、クレーン装置6に対して地上から電源供給を行う地上給電方式に基づく給電システムであり、主に、クレーン装置6、給電レール1、および給電部2から構成されている。
【0016】
給電部2は、地上あるいは地下などのクレーン装置6の外部に設置されて、クレーン装置6の電源電力25を供給する設備装置である。
クレーン装置6は、集電子4を介して電源電力25を集電するとともに、この電源電力25に基づきレーンを走行して任意の位置で荷役を行う車両装置である。
給電レール1は、クレーン装置6のレーンに沿って地上Gに条設され、クレーン装置6の集電子4と集電点Pで電気的に接触することにより、電源電力25をクレーン装置6へ給電するレールである。
【0017】
本実施の形態は、クレーン装置6に、集電点Pを含む給電レール1の一部を保護区間Sとしてその上方から覆うことにより、当該保護区間Sでの給電レール1に対する感電を保護(防止)するカバー3(感電保護部)を設け、給電レール1を、互いに電気的に絶縁された複数の部分レール11の列から構成し、この部分レール11のレール長Lを、保護区間Sの端点Eから集電点Pまでの保護距離W以下の長さとし、給電部2により、部分レール11のうち集電子4と電気的に接触している部分レール11に対してのみ電源電力25を供給するようにしたものである。
【0018】
[クレーン供給システム]
次に、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるクレーン給電システムについて詳細に説明する。
クレーン装置6は、コンテナターミナル内でトレーラーに対するコンテナの積み降ろしを行う門型のトランスファークレーン装置などのクレーン装置である。
【0019】
本実施の形態にかかるクレーン装置6には、例えばコンテナターミナルに設けられたレーンに沿って走行し、任意の位置で荷役を行うための電源電力25を、地上に条設された給電レール1から集電する集電子4が設けられている。
また、このクレーン装置6には、給電レール1と集電子4とが電気的に接触する集電点Pを含む給電レール1の一部を、保護区間Sとしてその上方から覆うことにより、当該保護区間Sでの給電レール1に対する感電を保護するカバー3が設けられている。
【0020】
この際、保護区間Sの端点と集電点Pとの位置関係は固定化されており、保護区間Sはクレーン装置6の走行に応じて給電レール1上を移動する。なお、本実施の形態では、保護区間Sのすべてをカバー3で形成した場合を例として説明するが、クレーン装置6のうち給電レール1を覆う車体やタイヤなどの他の部品の一部または全部を兼用して保護区間Sを形成してもよく、これら部品を複数組み合わせて保護区間Sを形成してもよい。
【0021】
給電レール1は、クレーン装置6が走行するレーンに沿って条設され、クレーン装置6の集電子4と集電点Pで電気的に接触することにより、電源電力25をクレーン装置6へ給電するレールである。
この給電レール1は、互いに電気的に絶縁された複数の部分レール11の列からなり、この部分レール11は、保護区間Sの端点Eから集電点Pまでの保護距離W以下のレール長Lを有している。
【0022】
給電部2は、地下を含む地上に設置された設備装置であり、電源装置21および切替部22から構成されている。
電源装置21は、発電設備で発電された電力を所定の電圧に変換してクレーン装置6の電源電力25を供給する機能を有している。クレーン装置6の電源電力25としては、例えば直流電源、交流電源、3相交流電源などがある。
【0023】
切替部22は、電源装置21と個々の部分レール11との間にそれぞれ接続された設けられた切替装置23から構成されている。切替装置23は、対応する部分レール11に対するクレーン装置6の集電子4の電気的接触が検出されている期間にのみ、当該部分レール11に対して電源電力25を切替供給する機能を有している。
したがって、給電部2からは、給電レール1のうち、クレーン装置6の集電子4と電気的に接触している部分レール11に対してのみ電源電力25が供給される。
【0024】
この際、前述したように、部分レール11のレール長Lは、保護区間Sの端点Eから集電点Pまでの保護距離W以下に制限されている。このため、部分レール11の一端が集電子4と電気的に接触して、当該部分レール11に電源電力25が給電された場合でも、当該部分レール11に対する感電する可能性がある区間は、集電点Pからレール長L分の区間となる。
一方、クレーン装置6のカバー3により、当該集電点Pから保護距離Wの保護区間S内の給電レール1については、常に感電保護されている。したがって、給電レール1のうち、切替装置23を介して電源電力25が供給されている部分レール11については、必ずカバー3により感電が保護されることになる。
【0025】
[クレーン装置]
次に、図2および図3を参照して、本発明かかるクレーン給電システムが適用されるクレーン装置6の構成例について詳細に説明する。図2は、クレーン装置の構成を示す側面図である。図3は、クレーン装置の構成を示す正面図である。
【0026】
クレーン装置6は、全体として門型の枠体からなる架台60から構成されている。この架台60は、上部の梁6A、この梁6Aの両端を支える脚部6B、および脚部6Bを支える基台6Cから構成されている。基台6Cの下部には、台車6Dを介してタイヤ6Eが設けられている。タイヤ6Eは、この台車6Dにより走行方向をレーンに沿った順方向Xあるいはレーンに直交する直角方向Yへ変更自在に支持されている。
また、脚部6Bに挟まれた基台6Cの上部には、集電子4で集電した電源電力を各部に供給する給電装置や蓄電装置、さらには集電子4とでき的に接触している部分レールに対して給電要求信号24を出力する信号出力装置などの電気機器を収納する機器ユニット6Gが設けられている。
【0027】
架台60の上部の梁6Aには、トロリー6Hが設けられており、このトロリー6Hに載置された横行電動機6Lを駆動することにより、トロリー6Hが梁6Aのレール上を直角方向Yへ走行する。また、トロリー6Hには、コンテナ9の上部を吊持するためのスプレッダー6Iがケーブル6Jを介して吊り下げられており、このトロリー6Hに載置された主巻電動機6Mを駆動してケーブル6Jの巻き上げ下げを行うことにより、スプレッダー6Iが昇降する。この他、トロリー6Hには、オペレータが搭乗する指令室6Kやコントローラなどの電気機器が設けられている。
【0028】
カバー3は、基台6Cの外側下部であって、2つの台車6Dの間に、支持部材5およびアーム5Aを介して地上Gの給電レール1と対向する位置に取り付けられて、集電点Pを含む給電レール1の一部区間をその上方から覆うことにより当該区間での感電を保護している。このカバー3に取り付けられている集電子4は、クレーン装置6の走行時であっても給電レール1上を走行あるいは摺動することにより、常に給電レール1と電気的に接触しており、この集電子4で集電された電源装置21からの電源電力がクレーン装置6へ入力される。
【0029】
[コンテナターミナル]
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかるクレーン給電システムが用いられるコンテナターミナルについて説明する。図4は、コンテナターミナルの構成例を示す平面図である。
コンテナターミナル70は、港の埠頭7Aに面して設けられており、埠頭7Aに配置されたコンテナクレーン7Cにより、船舶7Bに対するコンテナ9の積み降ろしが行われる。
【0030】
コンテナターミナル70には、コンテナ9の長手方向すなわち順方向Xに沿って伸延する長方形のエリアからなるレーン71が複数設けられており、レーン71内を順方向Xにクレーン装置6が走行することにより、レーン71内に載置されているコンテナ9が効率よく仕分けされる。
コンテナターミナル70には、道路72側にゲート73が設けられており、トレーラー91はこのゲート73を通過してコンテナ9の搬入・搬出や、コンテナターミナル70内の他の場所へのコンテナ9の運搬を行う。
【0031】
レーン71には、トレーラー91の通路が設けられており、この通路に停車したトレーラー91に対して、クレーン装置6によるコンテナ9の積み降ろしが行われる。
各レーン71には、例えばそのレーン71端部の地上または地下に、クレーン給電システムの電源装置21が配置されており、レーン71の側端部には順方向Xに沿って給電レール1が条設されている。クレーン装置6には、この給電レール1と電気的に接触する集電子4を介して、電源装置21から電源電力が供給される。
【0032】
この際、給電レール1のうち集電子と電気的に接触している部分レール11に対してのみ電源電力が供給され、他の部分レール11には給電されないため、感電の危険はない。また、各部分レール11は、そのレール長Lが、保護区間Sの端点Eから集電子4による集電点Pまでの保護距離W以下の長さとなっている。このため、給電されている部分レール11は、カバー3により完全に感電保護されて、感電の危険はない。
【0033】
[給電レール]
次に、図5〜図7を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるクレーン給電システムの給電レールについて詳細に説明する。図5は、給電レールの要部を示す平面図である。図6は、給電レールの要部を示す正面図である。図7は、給電レールの要部を示す断面図である。
【0034】
給電レール1は、地上Gに形成された溝12内に並行して条設された2条の給電レール1A,1Bから構成されている。これら給電レール1A,1Bは、互いに電気的に絶縁された複数の部分レール11A,11Bの列から構成されている。これら部分レール11A,11Bは、保護区間Sの端点Eから集電点Pまでの保護距離W以下のレール長Lを有していればよく、これら部分レールのすべてが等しいレール長Lである必要はない。絶縁部13については、樹脂などの一般的な絶縁体を用いてもよく、隣接する部分レール間に設けた空間を絶縁体として用いてもよい。この2条の給電レール1A,1Bを介して、電源装置21から直流電源、あるいは交流電源が供給される。
【0035】
クレーン装置6のカバー3は、給電レール1と対向する底部が開口した箱状の本体3Aからなり、集電点Pを含む給電レール1の一部区間をその上方から覆うことにより当該区間での感電を保護する機能を有している。
本体3Aについては、作業員の感電を防止しうる部材で構成すればよく、板状部材、さらには通気孔を有する板状部材を用いればよい。あるいは、網状部材や棒状部材の組合せを用いて、カゴ体あるいは枠体で本体3Aを構成してもよい。
【0036】
集電子4A,4Bは、カバー3の内室に車軸4Xを介して回動自在に支持された車輪からなり、給電レール1A,1B上を転動することにより、給電レール1A,1Bと電気的に接触して、給電レール1A,1Bから電源電力25を集電する機能を有している。
これら集電子4A,4Bは、カバー3のうち、給電レール1A,1Bと接触する集電点Pと保護区間Sの端点Eとの保護距離Wが、給電レール1A,1Bを構成する部分レール11A,11Bのレール長Lより長い距離となる位置に支持されている。
【0037】
アーム5Aは、その一端が支持部材5の端部に回動自在に取り付けられており、他端が本体3Aの上部に回動自在に取り付けられている。油圧シリンダ5Bは、その一端が支持部材5の側部に回動自在に取り付けられており、他端がアーム5Aの中程に回動自在に取り付けられている。
【0038】
この際、クレーン装置6の通常走行時には、油圧回路(図示せず)を制御して、例えば油圧シリンダ5Bのロッド側とヘッド側の作動油をリザーバータンク(図示せず)などを介して連通させることにより、アーム5Aが支持部材5を支点として上下自在に回動する状態とする。これにより、カバー3が自重で降下して、カバー3の集電子4が地上Gの給電レール1と電気的に接触することになる。したがって、クレーン装置6の上下動がカバー3に伝わらなくなるため、地上Gの起伏やクレーン装置6の揺れが発生しても、給電レール1上を集電子4が滑らかに走行または摺動することができる。
【0039】
また、メンテナンス時には、油圧回路(図示せず)を制御して、例えば油圧シリンダ5Bのロッド側へオイルポンプ(図示せず)から作動油を供給するとともに、ヘッド側の作動油をリザーバータンクへ戻してアーム5Aを引き上げることにより、カバー3を地上Gから持ち上げればよい。
【0040】
なお、通常走行時、油圧シリンダ5Bの内圧をある程度高めることにより、アーム5Aを介してカバー3を地上Gに押圧させてもよい。この際、所定以上の押圧がカバー3に加わらないように、油圧シリンダ5Bのリリーフ弁により、油圧シリンダ5Bの内圧上限を調整すればよい。これにより、集電効率を改善することが可能となる。
【0041】
[切替装置]
次に、図8を参照して、本実施の形態にかかるクレーン給電システムの切替器について詳細に説明する。図8は、切替器の構成を示すブロック図である。
給電レール1を構成する部分レール11には、個々の部分レール11に対する電源装置21からの電源電力の供給を制御する切替装置23が設けられている。
この切替装置23には、主な機能部として、検出器23Aと切替器23Bとが設けられている。
【0042】
検出器23Aは、信号検出回路などの専用の回路部からなり、部分レール11を介してクレーン装置6から出力される給電要求信号24の有無を検出出力する機能を有している。例えば、クレーン装置6の電源部(図示せず)から集電子4を介して給電要求信号24を常時出力しておけば、集電子4と電気的に接触した部分レール11に対してのみ、自動的に給電要求信号24が出力されることになる。給電要求信号24として所定周波数の高周波信号を用いる場合、信号検出部23Aに当該周波数信号成分を選別するフィルタ回路を設けておけば、クレーン装置6から部分レール11に出力された給電要求信号24を検出できる。
【0043】
切替器23Bは、リレー回路などの専用の回路部からなり、検出器23Aからの給電要求信号24の検出有無を示す検出出力に基づいて、対応する部分レール11に対して電源装置21からの電源電力25を切替供給する機能を有している。これにより、検出器23Aで給電要求信号24が検出された期間だけ、その検出出力に基づいて電源電力25が部分レール11へ供給され、検出器23Aで給電要求信号24が検出されなくなった場合には、その検出出力に基づいて部分レール11に対する電源電力25の供給が停止する。
【0044】
切替装置23については、部分レール11の近傍に配置すれば、切替装置23と部分レール11とを接続する配線ケーブルの長さを短縮できる。また、電源装置21からの配線ケーブルを給電レール1に沿って配線し、この配線ケーブルを分岐して各切替装置23へ接続し、あるいは各切替装置23でこの配線ケーブルを中継接続することにより、電源装置21から個々の切替装置23へ電源電力を供給することができる。したがって、電源装置21と各切替装置23とを接続する配線の長さを短縮できるとともに、その配線作業負担を大幅に削減することができる。
【0045】
[クレーン給電システムの動作]
次に、図9〜図11を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるクレーン給電システムの動作について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態にかかるクレーン給電システムの集電子と部分レールとの関係を示す説明図である。図10は、本発明の第1の実施の形態にかかるクレーン給電システムの給電動作例を示す説明図である。図11は、本発明の第1の実施の形態にかかるクレーン給電システムの他の給電動作を示す説明図である。
【0046】
図9には、カバー3に2つの集電子41,42を設けた例が記載されている。集電子41,42の位置、すなわち集電点Pは、保護区間Sの端点Eから保護距離Wだけ離れている。この際、部分レール11X,11Y,11Zのレール長Lは、保護距離W以下となっている。以下では、2つの集電子41,42間の距離がレール長Lより短い場合を例として説明する。
【0047】
カバー3が給電レール1上をX方向に移動して部分レール11Xへ進入してきた場合、集電子41は、時刻T1に初めて部分レール11Xと電気的に接触し、時刻T3に部分レール11Xから部分レール11Yへ移動し、時刻T5に部分レール11Yから部分レール11Zへ移動し、時刻T7に部分レール11Zから離れる。
同様に、集電子42は、時刻T2に初めて部分レール11Xと電気的に接触し、時刻T4に部分レール11Xから部分レール11Yへ移動し、時刻T6に部分レール11Yから部分レール11Zへ移動し、時刻T8に部分レール11Zから離れる。この際、集電子41,42の時刻差は、集電子41,42の移動速度と集電子41,42間の距離で決定される。
【0048】
一方、このような集電子41,42の移動に伴って、部分レール11Xには、時刻T1から時刻T4までの期間だけ給電され、部分レール11Yには、時刻T3から時刻T6までの期間だけ給電され、部分レール11Zには、時刻T5から時刻T8までの期間だけ給電される。
この際、部分レール111X,11Y,11Zにおいて、感電の可能性があるタイミングとしては、集電子41がこれら部分レールと最初に接触した時点、および集電子42がそれまで接触していた部分レールから離脱する時点があげられる。
【0049】
集電子41については、時刻T1,T3,T5に、それぞれ部分レール11X,11Y,11Zと最初に接触しているが、これら部分レールのレール長Lは集電点Pから保護区間Sの端点Eまでの保護距離W以下である。このため、時刻T1,T3,T5において、集電子41が部分レールの一端に最初に接触した時点では、その部分レールの他端はすでにカバー3の下に隠れていることになる。
同様に、集電子42については、時刻T4,T6,T8に、それぞれ部分レール11X,11Y,11Zから離脱しているが、これら部分レールのレール長Lは集電点Pから保護区間Sの端点Eまでの保護距離W以下である。このため、時刻T4,T6,T8において、集電子42が部分レールの一端から離脱した時点では、その部分レールの他端はまだカバー3の下に隠れていることになる。
【0050】
したがって、部分レール11X,11Y,11Zに対する給電開始および給電停止は、それぞれの部分レール11X,11Y,11Zがカバー3の下に隠れている状態で行われることになる。このため、給電されている部分レールは、常にカバー3の下に隠れていることになり、給電されている部分レールによるカバー3により感電は抑止される。
【0051】
図10は、2つの集電点P間の距離は、レール長Lより短い場合を示しており、2つの集電点P間に部分レールが入り込まないケースとなるが、2つの集電点P間の距離が、部分レールのレール長Lより長い場合には、これら2つの集電点P間に部分レールが入り込む状態が存在するため、図11のような給電動作となる。
この場合、例えば時刻T2から時刻T3の間に、集電子41,42間すなわち集電点P間に部分レール11Xが入り込んでおり、この期間において、部分レール11Xに対する給電が一旦停止されて再開される。しかし、これら給電停止および再開は、すべてカバー3の下に隠れた状態で行われるため、感電の可能性はない。
【0052】
なお、本実施の形態では、図9に示したように、2つの集電子41,42を用いた場合を例として説明したが、3つ以上の集電子を用いることにより、集電効率やカバー3の安定性を向上させることができる。この場合、部分レールのレール長Lは、集電子のうち保護区間Sの端点Eに最も近い集電子の集電点Pと端点Eとの保護距離W以下とすればよい。
【0053】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、クレーン装置に、給電レールと電気的に接触することにより給電部から供給された電源電力を集電する集電子と、当該集電点Pを含む給電レールの一部を保護区間Sとしてその上方から覆うことにより、当該保護区間Sでの給電レールに対する感電を保護するカバー(感電保護部)を設け、給電レールを、互いに電気的に絶縁された複数の部分レールの列から構成し、この部分レールのレール長Lを、保護区間Sの端点Eから集電点Pまでの保護距離W以下の長さとし、給電部により、部分レールのうち集電子と電気的に接触している部分レールに対してのみ電源電力25を供給するようにしたので、集電子と電気的に接触している部分レールは、すべてカバーにより覆うことができる。
【0054】
このため、給電中の部分レールは、カバーから露出することがなくなり、給電中の部分レールに対する感電を抑止することが可能となる。
したがって、クレーン装置が走行するレーンに条設されている給電レールを、人、車両、装置などの任意の移動体が安全に横切って通過することができ、複雑な構成を用いることなる極めて安全な地上給電方式を提供することが可能となる。
【0055】
また、本実施の形態では、給電部を、部分レールから得られた電気信号に基づいて当該部分レールと集電子との電気的接触を検出する検出器と、この検出器の検出出力に基づいて対応する部分レールに対して電源電力を切替供給する切替器とから構成したので、簡素な構成で、任意の部分レールに対して電源電力を切替供給することが可能となる。
さらに、クレーン装置から、集電子が電気的に接触している部分レールに対して電気信号を出力するようにしたので、極めて容易にかつ正確に部分レールと集電子との電気的接触を検出することができる。
【0056】
また、本実施の形態では、給電レールをその全長にわたり部分レールの列で構成する場合を例として説明したが、クレーン装置のレーンのうち任意の移動体が進入する区間においてのみ、部分レールの列から給電レールを構成してもよい。これにより、部分レールや切替器の数を抑えることができ、クレーン給電システムの設備規模および設備コストを削減することが可能となる。
【0057】
また、本実施の形態では、集電子として、クレーン装置のカバーに回動自在に支持されて給電レール上を転動するとともに、当該給電レールとの物理的接触点を集電点として当該給電レールから電源電力を集電する車輪を用いるようにしたので、給電レールからの電源電力を集電する機能と給電レール上方にカバーを支持する機能との両方を実現することが可能となり、クレーン装置、さらにはクレーン給電システムの構成を簡素化することができる。
【0058】
[第2の実施の形態]
次に、図12を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図12は、本発明の第2の実施の形態にかかるクレーン給電システムの集電子と部分レールとの関係を示す説明図である。
第1の実施の形態では、カバー3に設けた集電子4でカバー3を給電レール1上に支持する車輪を兼用した場合について説明した。本実施の形態では、集電子4と車輪とを別個に設けた場合を例として説明する。
【0059】
本実施の形態では、図12に示すように、保護区間Sの両端点Eの中央に集電子43が設けられており、この集電子43と両端点Eとの間に、それぞれクレーン装置6とは絶縁された車輪44が2つ設けられている。これら車輪44は、前述した図7の集電子4A,4Bと同様、給電レール1A,1B上を転動する車輪からなり、本体3Aの内室に車軸を介して回動自在に支持されている。車輪44の絶縁構造としては、絶縁性の車軸や軸受けを用いるなど、一般的な公知の技術を用いればよい。
【0060】
一方、集電子43は、前述した図7の集電子4A,4Bと同様に車輪を用いてもよいが、カバー3の自重は車輪44で支えられるため、集電子43でカバー3の自重を支える必要はない。このため、給電レール1と摺動するよう押圧される摺動子を用いてもよい。
集電子43の位置、すなわち集電点Pは、カバー3の両端点Eからそれぞれ保護距離Wだけ離れている。この際、部分レール11X,11Yのレール長Lは、保護距離W以下となっている。
なお、本実施の形態におけるクレーン給電システムの他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0061】
[第2の実施の形態の動作]
次に、図13を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかるクレーン給電システムの給電動作について説明する。図13は、本発明の第2の実施の形態にかかるクレーン給電システムの給電動作例を示す説明図である。
【0062】
カバー3が給電レール1上をX方向に移動して部分レール11Xへ進入してきた場合、集電子43は、時刻T1に初めて部分レール11Xと電気的に接触し、時刻T2に部分レール11Xから部分レール11Yへ移動し、時刻T3に部分レール11Yから部分レール11Zへ移動し、時刻T7に部分レールYから離れる。
このような集電子43の移動に伴って、部分レール11Xには、時刻T1から時刻T2までの期間だけ給電され、部分レール11Yには、時刻T2から時刻T3までの期間だけ給電される。
【0063】
この際、部分レール111X,11Y,11Zにおいて、感電の可能性があるタイミングとしては、集電子43がこれら部分レールと最初に接触した時点、およびそれまで接触していた部分レールから離脱する時点があげられる。
集電子43は、時刻T1,T2に、それぞれ部分レール11X,11Yと最初に接触しているが、これら部分レールのレール長Lはカバー3の集電点Pから端点Eまでの保護距離W以下である。このため、時刻T1,T2において、集電子43が部分レールの一端に最初に接触した時点では、その部分レールの他端はすでにカバー3の下に隠れていることになる。
【0064】
一方、集電子43は、時刻T2,T3に、それぞれ部分レール11X,11Yから離脱しているが、これら部分レールのレール長Lはカバー3の集電点Pから端点Eまでの保護距離W以下である。このため、時刻T2,T3において、集電子43が部分レールの一端から離脱した時点では、その部分レールの他端はまだカバー3の下に隠れていることになる。
したがって、部分レール11X,11Yに対する給電開始および給電停止は、それぞれの部分レール11X,11Yがカバー3の下に隠れている状態で行われることになる。このため、給電されている部分レールは、常にカバー3の下に隠れていることになり、給電されている部分レールによるカバー3により感電は抑止される。
【0065】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、クレーン装置の集電子は、保護区間Sの中間部に集電点Pを有し、クレーン装置のカバーで、集電点Pと保護区間Sの端点Eとの間に、給電レール上を転動する車輪を回動自在に支持するようにしたので、集電点をカバーの中央付近に配置した場合でも、カバーを給電レール上方に安定して支持することができる。
このため、部分レールのレール長を保護区間Sの1/2に近づけることができ、部分レールおよび部分レールごとに設けられた切替器の数を最小限に抑えることができ、クレーン給電システムの設備規模および設備コストを削減することが可能となる。
【0066】
[実施の形態の拡張]
以上の各実施の形態では、給電レール1として2条のレールを用いる場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、電源電力として3相交流電源を用いる場合には、前述した図5や図7において、給電レールを3条並行に条設すればよい。
また、給電レール1は、地上の接地電位と電気的に絶縁されていることを前提として説明したが、いずれか1条を地上の接地電位と電気的に接続してもよい。これにより、電源装置21と部分レール11の間を接続する一部あるいはすべての区間において、配線ケーブルの本数を削減することが可能となる。
【0067】
また、各実施の形態では、図3あるいは図7に示したように、給電レール1を構成する複数のレールが、クレーン装置6の一方のタイヤ6Eの外側に並行して条設されている場合を例として説明したが、クレーン装置6に対する給電レール1の条設位置については、これに限定されるものではない。例えば、クレーン装置6のタイヤ6Eの内側に並行して給電レール1を構成する複数のレールを条設してもよく、タイヤ6Eの外側と内側に分離して複数のレールを並行して条設してもよい。さらには、クレーン装置6の架台60を支持する左右両側のタイヤ6Eの外側あるいは内側に分離して給電レール1を構成する複数のレールを条設してもよい。
【0068】
また、各実施の形態では、図3あるいは図7に示したように、給電レール1を、電源電力25の給電用レールとして用いるとともに、クレーン装置6のカバー3を走行させるための走行レールとして用いる場合を例として説明したが、これら目的に応じたレールを別個に並列して設けてもよい。
また、各実施の形態では、図3あるいは図7に示したように、地上Gに設けた溝12内に給電レール1を条設した場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、レーンに立ち入る移動体が人のみの場合、あるいは多少の突起を乗り越えて移動できる車両や装置がレーンに立ち入る場合には、地上Gの地面にそのまま給電レール1を条設してもよい。
【0069】
また、各実施の形態では、切替装置23が部分レール11ごとに配置されている場合について説明したが、複数の切替装置23の機能を1つの切替装置に集約してもよい。すなわち1つの切替装置内に、個々の部分レール11から得られた電気信号に基づいて当該部分レールと集電子との電気的接触を検出する検出器と、この検出器の検出出力に基づいて対応する部分レールに対して電源電力を切替供給する切替器とを設け、この切替装置と各部分レールとを配線ケーブルで放射状に接続すればよい。これにより、切替装置の数を削減でき、クレーン給電システムの設備規模および設備コストを削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるクレーン給電システムの説明図である。
【図2】クレーン装置の構成を示す側面図である。
【図3】クレーン装置の構成を示す正面図である。
【図4】コンテナターミナルの構成例を示す平面図である。
【図5】給電レールの要部を示す平面図である。
【図6】給電レールの要部を示す正面図である。
【図7】給電レールの要部を示す断面図である。
【図8】切替器の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態にかかるクレーン給電システムの集電子と部分レールとの関係を示す説明図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態にかかるクレーン給電システムの給電動作例を示す説明図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態にかかるクレーン給電システムの他の給電動作を示す説明図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態にかかるクレーン給電システムの集電子と部分レールとの関係を示す説明図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態にかかるクレーン給電システムの給電動作例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0071】
1,1A,1B…給電レール、11,11A,11B,11X,11Y,11Z…部分レール、12…溝、13…絶縁部、2…給電部、21…電源装置、22…切替部、23…切替装置、24…給電要求信号、25…電源電力、3…カバー(感電保護部)、4,4A,4B,41,42,43…集電子、44…車輪、4X…車軸、5…支持部材、5A…アーム、5B…油圧シリンダ、6…クレーン装置、60…架台、6A…梁、6B…脚部、6C…基台、6D…台車、6E…タイヤ、6G…機器ユニット、6H…トロリー、6I…スプレッダー、6J…ケーブル、6K…指令室、70…コンテナターミナル、71…レーン、72…道路、73…ゲート、7A…埠頭、7B…船舶、7C…コンテナクレーン、9…コンテナ、91…トレーラー、G…地上、P…集電点、E…端点(保護区間)、S…保護区間、L…レール長(部分レール)、W…保護距離。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から供給された電源電力により動作するクレーン装置と、
このクレーン装置が走行するレーンに沿って条設された給電レールと、
この給電レールに対して電源電力を供給する給電部と
を備え、
前記クレーン装置は、前記給電レールと電気的に接触することにより前記給電部から供給された電源電力を集電する集電子と、当該集電点を含む前記給電レールの一部を保護区間としてその上方から覆うことにより、当該保護区間での前記給電レールに対する感電を保護する感電保護部を有し、
前記給電レールは、互いに電気的に絶縁された複数の部分レールの列からなり、
前記部分レールは、前記保護区間の端点から前記集電点までの保護距離以下のレール長を有し、
前記給電部は、前記部分レールのうち前記集電子と電気的に接触している部分レールに対してのみ電源電力を供給する
ことを特徴とするクレーン給電システム。
【請求項2】
請求項1に記載のクレーン給電システムにおいて、
前記給電部は、前記部分レールから得られた電気信号に基づいて当該部分レールと前記集電子との電気的接触を検出する検出器と、この検出器の検出出力に基づいて対応する部分レールに対して電源電力を切替供給する切替器とを有する
ことを特徴とするクレーン給電システム。
【請求項3】
請求項2に記載のクレーン給電システムにおいて、
前記クレーン装置は、前記集電子が電気的に接触している部分レールに対して前記電気信号を出力する
ことを特徴とするクレーン給電システム。
【請求項4】
請求項1に記載のクレーン給電システムにおいて、
前記給電レールは、前記レーンのうち任意の移動体が進入する区間においてのみ、前記部分レールの列からなる
ことを特徴とするクレーン給電システム。
【請求項5】
請求項1に記載のクレーン給電システムにおいて、
前記集電子は、前記感電保護部に回動自在に支持されて前記給電レール上を転動するとともに、当該給電レールとの物理的接触点を集電点として当該給電レールから電源電力を集電する車輪からなる
ことを特徴とするクレーン給電システム。
【請求項6】
請求項1に記載のクレーン給電システムにおいて、
前記集電子は、前記保護区間の中間部に集電点を有し、
前記感電保護部は、前記集電点と前記保護区間の端点との間に、前記給電レール上を転動する車輪を回動自在に支持する
ことを特徴とするクレーン給電システム。
【請求項7】
外部から供給された電源電力により動作するクレーン装置と、このクレーン装置が走行するレーンに沿って条設された給電レールと、この給電レールに対して電源電力を供給する給電部とを備えるクレーン給電システムで用いられるクレーン給電方法であって、
前記クレーン装置により、集電子を介して前記給電レールと電気的に接触することにより前記給電部から供給された電源電力を集電するステップと、
前記クレーン装置により、前記集電点を含む前記給電レールの一部を保護区間としてその上方から覆うことにより、当該保護区間での前記給電レールに対する感電を保護するステップと、
前記保護区間の端点から前記集電点までの保護距離以下のレール長を有し、互いに電気的に絶縁されて条設されることにより前記給電レールを構成する複数の部分レールのうち、前記集電子と電気的に接触している部分レールに対してのみ前記給電部から電源電力を供給するステップと
を備えることを特徴とするクレーン給電方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−234723(P2009−234723A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82984(P2008−82984)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)