説明

クロレラ抽出物含有物

【課題】一般的な保存料の安息香酸塩を使用することなく安全性及び保存安定性の優れたクロレラ抽出物含有物を提供する。
【解決手段】クロレラ抽出物を主成分とする液体に対して唐辛子抽出物を含有する日持ち向上剤を添加したクロレラ抽出物含有物。このクロレラ抽出物含有物は、クロレラ含有飲料あるいはクロレラ含有食品添加物に用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロレラ抽出物含有飲料および食品添加物を含むクロレラ抽出物含有物に関する。詳しくは、保存安定性の優れたクロレラ抽出物含有物に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開平6−153876号公報
【特許文献2】特開平7−79751号公報
【特許文献3】特開昭49−14661号公報
【特許文献4】特開平6−141812号公報
【特許文献5】特開平10−295298号公報
【特許文献6】特開平11−46738号公報
【特許文献7】特開平4−341169号公報
【0003】
クロレラ(Chlorella)属は、寒帯から熱帯まで地球上に広く分布している緑藻類であり、その直径は2〜10μmのほぼ球形の単細胞生物である。クロレラの有用性については、民間および学術的に、種々列挙されているところではあるが、代表的な効果は動物および微生物の発育促進効果、整味脱臭効果、植物ホルモン効果などである。そして、医学的に細胞の活性化作用、成長促進作用、免疫機能の向上作用、解毒作用、抗潰瘍作用などを有することが知られている。
【0004】
同様に、クロレラ藻体を水系溶媒で抽出して得られるクロレラ抽出物にも生理活性作用が認められる。また、クロレラ抽出物は、細菌、酵母、原生動物などに対する成長促進作用が認められることからクロレラグロスファクター(CGF)と呼ばれている。そして、クロレラ抽出物の成長促進作用の強度はクロレラ抽出物が260nmの吸光度に対応するという知見から、一般にクロレラグロスファクター濃度は吸光度OD260値にて表される。
このクロレラ抽出物は水系溶媒で抽出しているため、アミノ酸、ペプチド、水溶性蛋白質、糖類、水溶性ビタミン、核酸関連物質を含むが、クロレラ単体中にある葉緑素や繊維質、水不溶性の蛋白質は含まれない。
【0005】
このようなクロレラの生理活性を活用した健康食品は様々あり、クロレラ単体そのものを乾燥、粉末化して錠剤等としたクロレラ加工食品のほかに、クロレラ抽出物の溶液を原料とするクロレラ抽出物含有食品がある。
クロレラ抽出物含有飲料は、特許文献1、2に開示されており、通常、クロレラ抽出物の他に甘味料、酸味料、防腐剤およびその他の飲料用製造原料等が配合されている。
また、特許文献3〜6には、クロレラ抽出物含有食品添加物を食品の品質改良剤として用いた種々の食品が開示されている。
【0006】
前述したようにクロレラ抽出物は様々な生理活性を示すが、細菌、酵母、原生動物などに対する成長促進作用があることから非常に腐敗が速い。そのため、クロレラ抽出物を含有させた飲料あるいはクロレラ抽出物を含有させた食品添加物も腐敗しやすくその保存が困難であった。さらに、クロレラ抽出物含有飲料の場合、熱殺菌処理を施しても、開栓後に細菌やカビ等が潜入するため、その増殖を防ぐことは困難であった。
【0007】
そのため、従来、クロレラ抽出含有飲料の保存法としては、風味と安定性の問題から数多くの甘味料と有機酸を組み合わせることでドリンクのpHを約3付近に調整し、さらにソフトドリンクやフルーツジュース等の飲料で一般的に使用されている保存料である安息香酸塩を添加することを併用してきた。
【0008】
しかし、安息香酸塩は、アスコルビン酸が共存すると微量ではあるが発がん性物質として知られる有毒化合物であるベンゼンの生成の可能性が示されている。そのため、殺菌、防腐効果のある他の保存料又は日持ち向上剤を使用することが望まれている。
【0009】
一方、特許文献7に記載されているように、水系溶媒によって抽出された唐辛子抽出物は、抗菌性物質を有しており、食品の保護剤として有効であることが知られている。しかし、クロレラ抽出物に対する品質の影響、保存性あるいは日持ち向上性は知られていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者は、殺菌あるいは防腐効果を有すると言われる様々な天然物由来の食品保存剤を用い研究を続けた結果、唐辛子抽出物がクロレラ抽出物に対して品質的な影響を与えることがなく、かつ、クロレラ抽出物中で増殖する菌の発育を防止することを発見した。
本発明の目的は、一般的な保存料の安息香酸塩を使用することなく安全性及び保存安定性の優れたクロレラ抽出有物含有物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のクロレラ抽出含有物は、クロレラ抽出物を主成分とする液体に対して唐辛子抽出物を添加したことを特徴としている。
【0012】
本発明のクロレラ抽出含有物であって、前記液体が飲料水であり、クロレラ抽出物含有飲料に用いるものが好ましい。飲料に用いる場合、前記唐辛子抽出物の濃度が0.012重量%以上、特に0.012〜1.0重量%であるものが好ましい。
【0013】
また本発明のクロレラ抽出物含有物は、食品添加物に用いてもよい。この食品添加物は、様々な食品に用いることができ、例えば、パン、ラーメン、うどん、クッキー等の製造時に小麦粉等の粉類に添加したり、揚げ物の衣に添加したり、味噌、醤油、和菓子、コーヒー、ウィスキーなどに添加したりすることができる。
食品添加物に用いる場合、唐辛子抽出物の濃度がクロレラ抽出物に対して0.04重量%以上、特に0.4〜1.0重量%である場合が好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明のクロレラ抽出物含有物は、クロレラ抽出物を主成分とする食品に対して唐辛子抽出物を添加しているため、安全性および保存安定性が高い。また、安息香酸塩を添加した場合と同程度の防腐効果が認められながらも、安息香酸塩が含有していないことからベンゼンが生成される心配がない。
【0015】
本発明のクロレラ抽出物含有物であって、前記液体が飲料水であり、クロレラ抽出物含有飲料として用いる場合、安全性および保存安定性が高い飲料水が得られる。特に、一度開封した後でもカビの発育を抑制することができる。
クロレラ抽出物含有飲料の前記唐辛子抽出物の濃度が0.012重量%以上である場合、約1ヶ月間もの長期にわたりカビの発育を抑制することができる。
【0016】
本発明のクロレラ抽出物含有物であって、クロレラ抽出物含有食品添加剤として用いる場合、食品の品質改良剤としてのクロレラ抽出物の効果を維持し、保存安定性が優れている。
クロレラ抽出物含有食品添加剤のクロレラ抽出物に対する唐辛子抽出物の濃度が0.04重量%以上である場合、約1ヶ月間にわたりカビの発育を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について詳細を説明する。
【0018】
本発明のクロレラ抽出物含有飲料の実施形態として、リンゴ酸及びクエン酸等の有機酸を使用しpHを3程度に調整したクロレラ抽出物含有液に唐辛子抽出物含有の日持ち向上剤を添加したものが挙げられる。
【0019】
クロレラ抽出物含有液は、クロレラ藻体を水系溶媒で抽出したクロレラ抽出物をその構成成分中に含む液体である。クロレラ抽出物は、クロレラ抽出液又はそれを凍結乾燥させて得られた粉末のいずれの形態でもよい。
【0020】
唐辛子抽出物は、水溶媒によって抽出されたものであり、唐辛子抽出液又はそれを凍結乾燥させ得られた粉末のいずれの形態でもよい。この唐辛子抽出物は抗菌性が認められ、食品保護に有効な成分が見出されていることから、日持ち向上において極めて効果的である。
クロレラ抽出物含有飲料中に唐辛子抽出物の濃度が、0.012重量%以上であれば安息香酸塩を添加した場合と同程度の殺菌・防菌効果を備える。また、唐辛子濃度が、10重量%以下であれば、味覚への影響も小さい。特に、0.012〜1.0重量%、0.012〜0.6重量%、特に0.02〜0.06重量%となるようにするのが好ましい。
【0021】
日持ち向上剤は、唐辛子抽出物と、その増量剤とからなる。日持ち向上剤中の唐辛子抽出物は3〜40重量%、さらに3〜30重量%、特に4〜20重量%が好ましく添加されている。
増量剤としては、醸造酢などが唐辛子抽出物の効果を妨げないため好ましく挙げられる。醸造酢は50〜90重量%、特に65〜85重量%が好ましく添加されている。また、酢酸、酢酸ナトリウム、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどの他の成分等を添加してもよい。
この日持ち向上剤を0.3〜5.0重量%添加することにより、クロレラ抽出物飲料は唐辛子抽出物の殺菌・防菌効果が得られ、カビの発育を抑制することができ、かつ、唐辛子抽出物が味覚や風味に影響することがない。特に、日持ち向上剤を0.5〜1.5重量%添加する場合、他の添加物に関らず安定して効果が得られる飲料が得られる。
【0022】
次に、クロレラ抽出物含有飲料の具体的な配合について説明する。原料とするクロレラ抽出物は、清浄培養したクロレラを常法である熱水抽出することにより得られるクロレラ抽出液である。このクロレラ抽出物は、クロレラ抽出物含有液全量の30〜50重量%であることが好ましい。そして、クロレラ抽出物に、植物エキス、甘味料、酸味料、香料、保存料及びその他の飲料製造用原料等、任意の成分を配合することによりクロレラ抽出物含有液が生成される。特に、配合割合としては果糖10〜25%、リンゴ酸0.5〜1.5%、レモンエッセンス0.4〜1.0%、水27〜48%とした酸性液体とすることが好ましい。そして、クロレラ抽出物飲料は、このクロレラ抽出物含有液に唐辛子抽出物を含有する上記日持ち向上剤を含有させて製造される。
【0023】
前記甘味料としては果糖の他に、砂糖、オリゴ糖、ブドウ糖、異性化液糖、蜂蜜、グリシルリチン、ステビア、還元麦芽糖、水飴等が挙げられる。また酸味料としてはリンゴ酸の他に、クエン酸等が挙げられる。さらに香料としては、レモンフレーバー、シトラスフレーバー等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
上述のような配合に調整することで腐敗防止効果のあるクロレラ抽出物含有飲料が得られる。
【0024】
次に、本発明の食品用添加物の一実施形態として、クロレラ抽出物に唐辛子抽出物を添加したものについて説明する。
【0025】
クロレラ抽出物は、清浄培養したクロレラを常法である熱水抽出することにより得られるクロレラ抽出液又はそれを凍結乾燥させ得られた粉末のいずれの形態でもよい。
【0026】
唐辛子抽出物は、水溶媒によって抽出されたものであり、唐辛子抽出液又はそれを凍結乾燥させ得られた粉末のいずれの形態でもよい。
【0027】
この食品用添加物において、唐辛子抽出物の濃度をクロレラ抽出物に対して0.04重量%以上とするのが好ましい。この添加濃度であれば、無添加品と比べ、日持ち向上の効果が顕著に見られる。また、味覚等の影響から10重量%以下、好ましくは1.0重量%以下とするのが好ましい。
【実施例】
【0028】
以下に実施例を示すが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0029】
[クロレラ抽出物の製法]
クロレラ抽出物の製造方法は次の通りである。まず、クロレラ藻体を水系溶媒に懸濁し、攪拌しながら約100℃まで加熱し、一定時間保持する。その後、藻体を分別除去する。得られた抽出物の水溶液を濃縮し、蛋白除去工程、殺菌工程を行い、所定の生理活性成分を含有する濃度に調整した。今回は、OD260が400になるように調整した。
【0030】
[クロレラ抽出物含有中の落下細菌の分離・培養]
クロレラ抽出物33.0%、果糖22.7%、リンゴ酸0.74%、レモン香料0.47%、水43.0%であり、pH3前後に保たれた表1に示すクロレラ抽出物含有液を調整した。そのクロレラ抽出物含有液をオープン状態で室内に7日間放置し、その後、回収し25℃で保管した。
一方、pH3前後に保たれているクロレラ抽出物含有液で増殖したカビ2種類(カビA及びカビB)を分離しPDA培地(ポテトデキストロース寒天培地)で培養を行った。この2種類のカビを殺菌済みで無菌状態のクロレラ抽出物含有液に添加し、1ヶ月保管した。この際、1ヶ月以内に増殖したカビはカビAのみであったことから、今後は、このカビAを用いて1ヶ月間の真菌発育試験を行う。
【0031】
【表1】

【0032】
[クロレラ抽出物に適した食品保存剤の選定]
クロレラ抽出物含有液10mlに天然物由来の食品用保存剤(I〜XI)、食品用保存剤(XII〜XIV)、安息香酸ナトリウム(XV)を添加し、クロレラ抽出物含有飲料を調整した。さらに、無添加(XVI)のクロレラ抽出物含有飲料を調整した。それぞれの食品保存剤の成分およびその添加量を表2に示す。
【0033】
【表2】

【0034】
上述のカビAを培養したクロレラ抽出物含有液からカビAを分離・増殖し、PDA培地でさらに1ヶ月間培養し、同濃度が10〜10/mlとなるように菌液を調整した。この菌液を、調整し、85℃で15分間加熱殺菌したクロレラ抽出物含有食品に0.1ml接種し、25℃で保存した。それぞれについて、保存7日、14日、21日及び28日後のカビAの発育を肉眼で観察した。結果を表3に示す。なお、表中「+」はカビが発育したことを示し、「−」はカビが発育しなかったことを示す。
【0035】
【表3】

【0036】
この結果より、唐辛子抽出物(IV)およびショ糖とパルミチン酸からなる非イオン性界面活性剤(XIII)を含有したクロレラ抽出物含有飲料は、安息香酸ナトリウム(XV)を含有したクロレラ抽出物含有飲料には及ばないものの、カビの発育が21日後まで抑制された。一方、非イオン性界面活性剤(XIII)は完全には天然物とは言えないため、唐辛子抽出物(IV)の食品保存剤がクロレラ抽出物を主成分とした液体には適している。
【0037】
[唐辛子抽出物の添加量の選定]
クロレラ抽出物含有液10mlに唐辛子抽出物を含有する日持ち向上剤アジナンバー501を0.1〜5.0重量%添加した8つのクロレラ抽出物飲料を実施例として調整し、これらの溶液を85℃で15分間加熱殺菌した(表5参照)。アジナンバー501の成分は表4に示す。また、日持ち向上剤を添加しないクロレラ抽出物含有液そのものを比較例1とした。
【0038】
【表4】

【0039】
上述のカビAを培養したクロレラ抽出物含有液からカビAを分離・増殖し、PDA培地でさらに1ヶ月間培養し、同濃度が10〜10/mlとなるように調整した菌液を、実施例および比較例に0.1ml接種し、25℃で保存した。それぞれの溶液について、保存7日、14日、21日及び28日後のカビAの発育を肉眼で観察した。結果を表3に示す。なお、表中「+」はカビが発育したことを示し、「−」はカビが発育しなかったことを示す。
【0040】
【表5】

(−:カビの成長見られず、+:カビの成長が見られた、○:辛味を感じなかった、△:辛味を感じた)
【0041】
この結果より、唐辛子抽出物を含有した食品保存剤(アジナンバー501)を含有したクロレラ抽出物含有飲料は、カビの発育を抑制していることがわかる。特に、日持ち向上剤(アジナンバー501)を0.2重量%以上添加したクロレラ抽出物含有飲料は、カビを接種し、28日経過してもカビの発育は見られなかった。実施例1から8の全てにおいて唐辛子抽出有物による味覚や風味に対する影響はなかった。
【0042】
次にクロレラ抽出物食品添加物の実施例を示す。
[試験例1]
クロレラ抽出物(OD260=400)10mlに唐辛子抽出物を含有する日持ち向上剤(アジナンバー301Aおよび501)をそれぞれ0.1〜5.0%添加した16種の食品用添加物を調整した。これらを実施例9〜24とした。これらの食品用添加物を85℃まで加熱し、15分間保持し、加熱殺菌した。アジナンバー301A成分を表6に示す。また、日持ち向上剤を添加しないクロレラ抽出物を比較例1とした。
【0043】
アジナンバー301Aの成分表
【表6】

【0044】
上述したようにカビAの濃度が10〜10/mlである菌液を調整した。実施例9〜24の食品用添加物および比較例2のクロレラ抽出物食品添加物に菌液を0.1ml接種し、インキュベーター内にて25℃で保存した。それぞれの溶液について、保存7日、14日、21日および28日後のカビAの発育を肉眼で観察した。その結果を表7に示す。なお、表中「+」はカビの発育が認められたことを示し、「−」はカビの発育が認められなかったことを示す。
【0045】
【表7】

(+:カビの成長が認められた、−:カビの成長が認められず)
【0046】
この結果より、唐辛子抽出物を含有した日持ち向上剤(アジナンバー301Aおよび501)を含有したクロレラ抽出物(食品用添加物)はカビの発育を抑制していることがわかる。特に、日持ち向上剤アジナンバー301Aを0.3%以上(クロレラ抽出物に対し0.06重量%)、アジナンバー501を1.0%以上(クロレラ抽出物に対し0.04重量%)添加した食品用添加物はカビを接種し、28日間経過してもカビの発育が見られなかった。実施例9〜24全てにおいて唐辛子抽出物による味覚や風味に対する影響はなかった。
【0047】
[試験例2]クロレラ抽出物含有飲料
次にクロレラ抽出物に唐辛子抽出物を含有する日持ち向上剤(アジナンバー301Aおよび501)の最終濃度がそれぞれ0.1〜5.0%となるように添加した16種の食品用添加物を生成した。この食品用添加物を用いて表8のように構成されるクロレラ抽出物含有飲料を調整した。これらを実施例25〜40とした。一方、日持ち向上剤を添加しないクロレラ抽出物を用いたクロレラ抽出物含有飲料を調整し、これを比較例3とした。これらを85℃で15分間保持することにより加熱殺菌し、カビAを用いて上記と同様の方法で試験を行った。その結果を表9に示す。
【0048】
【表8】

【0049】
クロレラ抽出物含有飲料のカビA発育試験結果
【表9】

(+:カビの成長が認められた、−:カビの成長が認められず)
【0050】
この結果より、クロレラ抽出物に唐辛子抽出物含有の日持ち向上剤(アジナンバー301Aおよび501)を添加した食品用添加物を含有させたクロレラ抽出物含有飲料は、カビの発育が抑制されているのが分かった。
特に、食品用添加物とクロレラ抽出物含有飲料に含まれる他の成分との相乗効果により、食品用添加物単体より抗菌効果を発揮した。
【0051】
表7および表9の結果からわかるように、クロレラ抽出物に唐辛子抽出物含有の日持ち向上剤を添加した食品用添加物は、クロレラ抽出物の品質改質剤としての効果を維持し、食品の味覚に影響することなく、安全性かつ保存性を高めるものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロレラ抽出物を主成分とする液体に対して唐辛子抽出物を添加したクロレラ抽出物含有物。
【請求項2】
前記液体が飲料水であり、クロレラ抽出物含有飲料に用いられる、請求項1記載のクロレラ抽出物含有物。
【請求項3】
クロレラ抽出物含有食品添加物に用いられる、請求項1記載のクロレラ抽出物含有物。

【公開番号】特開2009−55900(P2009−55900A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98686(P2008−98686)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(592245535)株式会社メタルカラー (14)
【Fターム(参考)】