グラフィカルユーザーインターフェース
【課題】ユーザーの利便性を向上させることができるグラフィカルユーザーインターフェースを提供する。
【解決手段】プリントボタン33の内側にデザインプリントボタン35、およびネットプリント注文ボタン36を配置する。デザインプリントボタン35、またはネットプリント注文ボタン36が選択されたときには、プリントメニュー選択ウィンドウ40をポップアップ表示せずに、デザインプリントウィンドウ50、またはネットプリント注文ウィンドウ60をポップアップ表示する。また、プリントボタン72の内側に自動補正ボタン73を配置する。自動補正ボタン73が選択されたときには、自動補正処理を施してからプリント設定ウィンドウ80をポップアップ表示する。
【解決手段】プリントボタン33の内側にデザインプリントボタン35、およびネットプリント注文ボタン36を配置する。デザインプリントボタン35、またはネットプリント注文ボタン36が選択されたときには、プリントメニュー選択ウィンドウ40をポップアップ表示せずに、デザインプリントウィンドウ50、またはネットプリント注文ウィンドウ60をポップアップ表示する。また、プリントボタン72の内側に自動補正ボタン73を配置する。自動補正ボタン73が選択されたときには、自動補正処理を施してからプリント設定ウィンドウ80をポップアップ表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーの選択に応じて、処理をコンピュータに実行させるためのボタンからなるグラフィカルユーザーインターフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、コンピュータ上で稼働するソフトウェアでは、グラフィカルユーザーインターフェース(以下、GUIと略す。)をモニタに表示して、これをユーザーに選択させることで、様々な処理をコンピュータに実行させることが一般化している。GUIには、「ファイル」、「編集」などの文字の他に、「印刷」をプリンタ、「保存」をフロッピー(登録商標)ディスクの絵柄で表すアイコンや、処理の名称を囲む仮想的な枠など、主にボタンの感覚で操作されるものが多い。このため、GUIを用いた操作では、カーソルをボタンに合わせて選択する動作が多用される。
【0003】
従来のGUIとしては、GUIを操作した際の処理同士に包含関係がある場合、例えば、処理Aが「印刷処理」、処理Bが「印刷用紙選択処理」で、処理Aに処理Bが包含されている場合(つまり、処理A⊃処理Bの関係が成り立つ場合)に、包含関係を容易に認識することができるようにするために、処理Aを実行させるためのボタンの内側に、処理Bを実行させるためのボタンを表示するコンピュータの入力装置が提案されている(特許文献1参照)。この場合、処理Bを実行させるためのボタンが選択されると、処理Bのみが実行され、処理Aを実行させるためのボタンが選択されると、処理Bのボタンも選択されたことになり、処理Aと処理Bが実行される。
【0004】
また、ゲームなどの娯楽用途に興趣を増すために、各々径が異なる複数のサブボタンを、径の大きい順に下から上に積み重ね、見た目上は一つのボタンとして表示し、複数のサブボタンのリンク先を各々異ならせるようにしたコンテンツ出力装置が提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2001−209477号公報
【特許文献2】特開2002−287867号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ソフトウェアでは、GUIの操作に応じてウィンドウを開くなどして、画面を遷移させて、次々に処理をユーザーに選択させることがある。このように、画面遷移によって処理の手順を逐一ユーザーに確認させながら処理を進めていく方法は、操作に不慣れなユーザーにとっては非常に分かり易いが、その反面、操作に慣れてくると、一々選択したり画面が遷移したりするのが煩わしいという問題があった。
【0006】
特許文献1に記載の発明は、処理同士に包含関係がある場合以外は上記問題を解決することができず、適用範囲が狭いという問題があった。また、包含する方の処理Aを実行させるためのボタンが選択されると、包含される方の処理Bも実行されるので、ボタンの表示、操作と実行される処理との関係が直感的に分かり難いという問題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載の発明は、見た目上は一つのボタンを表示してサブボタンの構成を見えないようにしているので、ゲームなどの娯楽用途に限られ、やはり適用範囲が狭く、そのうえ上記問題を解決することができない。
【0008】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、ユーザーの利便性を向上させることができるグラフィカルユーザーインターフェースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、ユーザーの選択に応じて、互いに包含関係がない独立した複数の処理をコンピュータに実行させるための複数のボタンからなり、あるボタンの内側に別のボタンが配置されており、前記あるボタンが選択されたときには、前記あるボタンに割り当てられた処理を実行させることが選択されたと認識し、前記別のボタンが選択されたときには、前記あるボタンに割り当てられた処理を飛ばして、前記別のボタンに割り当てられた処理を実行させることが選択されたと認識することを特徴とする。
【0010】
前記別のボタンは、前記あるボタンが選択されたときに遷移する処理画面に表示されるボタンであることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、ユーザーの選択に応じて、対応する処理をコンピュータに実行させるための複数のボタンからなり、あるボタンに割り当てられた処理に付帯する処理を実行させるための別のボタンが、前記あるボタンの内側に配置されており、前記あるボタンが選択されたときには、前記あるボタンに割り当てられた処理を実行させることが選択されたと認識し、前記別のボタンが選択されたときには、前記別のボタンに割り当てられた処理、および前記あるボタンに割り当てられた処理を順次実行させることが選択されたと認識することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のグラフィカルユーザーインターフェースによれば、ユーザーの選択に応じて、互いに包含関係がない独立した複数の処理をコンピュータに実行させるための複数のボタンからなり、あるボタンの内側に別のボタンが配置されており、あるボタンが選択されたときには、あるボタンに割り当てられた処理を実行させることが選択されたと認識し、別のボタンが選択されたときには、あるボタンに割り当てられた処理を飛ばして、別のボタンに割り当てられた処理を実行させることが選択されたと認識するので、操作に不慣れなユーザーに対しては分かり易く、且つ操作に慣れたユーザーに対しては煩わしさを感じさせない。したがって、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1において、本発明の一実施形態としてのハードウェア構成は、パーソナルコンピュータ(以下、PCと略す。)2と、PC2にUSB接続されたデジタルカメラ10とからなる。PC2には、デジタルカメラ10で撮影された画像のデータがダウンロードされる。
【0014】
PC2は、モニタ11と、キーボードおよびマウスからなる操作入力部12とを備えている。図2において、CPU20は、PC2の全体の動作を統括的に制御する。CPU20には、バス21を介して、前述のモニタ11、操作入力部12とともに、通信I/F22、メモリ23、およびHDD24が接続されている。
【0015】
通信I/F22は、デジタルカメラ10などの外部機器や、インターネットなどの通信ネットワークとのデータの遣り取りを媒介する。HDD24には、デジタルカメラ10で撮影された画像を閲覧・編集するためのビューアーソフトのプログラムを含む種々のプログラムや、デジタルカメラ10からダウンロードされた画像データなどが記録されている。CPU20は、HDD24からプログラムを読み出してメモリ23に展開し、読み出したプログラムを逐次処理する。また、CPU20は、操作入力部12から入力される操作入力信号に応じて、PC2の各部を動作させる。
【0016】
ビューアーソフトを起動すると、モニタ11には、図3に示すメインウィンドウ30が表示される。メインウィンドウ30の上部に配置された「ファイル」にマウスのカーソル31を合わせ、「ファイル」メニュー内の「開く」を選択して、デジタルカメラ10からの画像データが格納された所望のフォルダを選択すると、メインウィンドウ30の中央部分には、フォルダ内の画像32が一覧表示される。
【0017】
メインウィンドウ30の左側部分には、プリントボタン33、写真閲覧ボタン34などの各種メニューボタンが縦に並べて配置されている。プリントボタン33の上半分には、デザインプリントボタン35、およびネットプリント注文ボタン36が横に並べて配置されている。これら三個のボタン33、35、36は、それぞれ個別に選択することが可能となっている。
【0018】
プリントボタン33にカーソル31を合わせて選択すると、モニタ11には、図4に示すプリントメニュー選択ウィンドウ40がポップアップ表示される。プリントメニュー選択ウィンドウ40の上段には、通常プリントボタン41、インデックスプリントボタン42とともに、単体のデザインプリントボタン35が横に並べて配置されている。また、下段には、単体のネットプリント注文ボタン36が配置されている。
【0019】
メインウィンドウ30でプリントボタン33の内側に配置されたデザインプリントボタン35、またはプリントメニュー選択ウィンドウ40で単体のデザインプリントボタン35にカーソル31を合わせて選択すると、モニタ11には、図5に示すデザインプリントウィンドウ50がポップアップ表示される。デザインプリントウィンドウ50には、画像32が一覧表示される。デザインプリントウィンドウ50では、画像32毎にプリントの有無や枚数を設定することが可能となっている。
【0020】
メインウィンドウ30でプリントボタン33の内側に配置されたネットプリント注文ボタン36、またはプリントメニュー選択ウィンドウ40で単体のネットプリント注文ボタン36にカーソル31を合わせて選択すると、モニタ11には、図6に示すネットプリント注文ウィンドウ60がポップアップ表示される。デザインプリントウィンドウ50と同様に、ネットプリント注文ウィンドウ60には、画像32が一覧表示され、画像32毎にプリントの有無や枚数を設定することが可能となっている。
【0021】
写真閲覧ボタン34にカーソル31を合わせて選択すると、モニタ11には、図7に示す写真閲覧ウィンドウ70がポップアップ表示される。写真閲覧ウィンドウ70には、メインウィンドウ30で選択された画像32が拡大表示される。
【0022】
写真閲覧ウィンドウ70の上段には、プリントボタン72などの各種メニューボタンが横に並べて配置されている。プリントボタン72の左側部分には、自動補正ボタン73が配置されている。
【0023】
プリントボタン72にカーソル31を合わせて選択すると、モニタ11には、図8に示すプリント設定ウィンドウ80がポップアップ表示される。プリント設定ウィンドウ80では、使用するプリンタやプリント用紙などを設定することが可能となっている。
【0024】
一方、自動補正ボタン73にカーソル31を合わせて選択すると、表示された画像32のデータに対して、色合いや明るさを補正する自動補正処理が施された後、プリント設定ウィンドウ80がポップアップ表示される。
【0025】
次に、ビューアーソフトの処理手順について、図9〜図11のフローチャートを参照して説明する。まず、図9に示すように、ビューアーソフトが起動されると、メインウィンドウ30がモニタ11に表示される。この状態でデザインプリントボタン35、またはネットプリント注文ボタン36が選択されると、デザインプリントウィンドウ50、またはネットプリント注文ウィンドウ60がモニタ11にポップアップ表示される。
【0026】
一方、メインウィンドウ30がモニタ11に表示された状態で、プリントボタン33が選択されると、プリントメニュー選択ウィンドウ40がモニタ11にポップアップ表示される。また、メインウィンドウ30がモニタ11に表示された状態で、各ボタン33、35、36以外の他のメニューボタンが選択されると、図10に示すように、他のメニューのウィンドウがモニタ11にポップアップ表示される。いずれのボタンも選択されない場合は、ビューアーソフトが終了されるまで操作入力待機状態となる。
【0027】
プリントメニュー選択ウィンドウ40がモニタ11に表示された状態で、単体のデザインプリントボタン35、または単体のネットプリント注文ボタン36が選択されると、メインウィンドウ30で各ボタン35、36が選択された場合と同様に、デザインプリントウィンドウ50、またはネットプリント注文ウィンドウ60がモニタ11にポップアップ表示される。また、各ボタン35、36以外の他のメニューボタンが選択されると、他のメニューのウィンドウがモニタ11にポップアップ表示される。いずれのボタンも選択されない場合は、ビューアーソフトが終了されるまで操作入力待機状態となる。
【0028】
メインウィンドウ30がモニタ11に表示された状態で、写真閲覧ボタン34が選択されると、図11に示すように、写真閲覧ウィンドウ70がモニタ11にポップアップ表示される。プリントすべき画像32が表示された後、自動補正ボタン73が選択されると、表示された画像32のデータに対して自動補正処理が施される。そして、プリント設定ウィンドウ80がモニタ11にポップアップ表示される。
【0029】
一方、プリントすべき画像32が表示された後、プリントボタン72が選択されると、自動補正処理は施されず、プリント設定ウィンドウ80がモニタ11にポップアップ表示される。なお、各ボタン72、73以外の他のメニューボタンが選択された場合は、他のメニューのウィンドウがモニタ11にポップアップ表示され、いずれのボタンも選択されない場合は、ビューアーソフトが終了されるまで操作入力待機状態となる。ユーザーにより各ウィンドウ上で所望の操作が行われ、これにより各種処理が実行される
【0030】
以上説明したように、プリントボタン33の内側にデザインプリントボタン35、およびネットプリント注文ボタン36を配置し、デザインプリントボタン35、またはネットプリント注文ボタン36が選択されたときには、プリントメニュー選択ウィンドウ40をポップアップ表示せずに、デザインプリントウィンドウ50、またはネットプリント注文ウィンドウ60をポップアップ表示し、また、プリントボタン72の内側に自動補正ボタン73を配置し、自動補正ボタン73が選択されたときには、自動補正処理を施してからプリント設定ウィンドウ80をポップアップ表示するようにしたので、操作に不慣れなユーザーは、従前通りの操作で画面遷移によって処理の手順を逐一確認しながら処理を進めていくことができ、操作に慣れたユーザーは、短時間で煩わしさを感じることなく所望の処理を実行させることができる。
【0031】
プリントボタン33、デザインプリントボタン35、およびネットプリント注文ボタン36に割り当てられた処理は、互いに包含関係はなく独立した処理である。一方、プリントボタン72、および自動補正ボタン73に割り当てられた処理は、[自動補正ボタン73に割り当てられた処理(自動補正処理+プリント設定)]⊃[プリントボタン72に割り当てられた処理(プリント設定のみ)]という包含関係が成り立つが、包含する方の自動補正ボタン73を、包含される方のプリントボタン72の内側に配置しているので、直感的に分かり易く、ユーザーが操作をする際に戸惑うことがない。
【0032】
上記実施形態では、互いに包含関係がなく独立した処理が割り当てられたボタン同士を配置した例、および包含関係が成り立つボタン同士を配置した例を挙げて説明したが、これらを組み合わせて用いてもよい。また、配置スペースや視認性が確保されていれば、内側に配置するボタンを二個以上としてもよく、内側に配置されたボタンの内側にさらにボタンを配置してもよい。
【0033】
上記実施形態では、カーソル31を合わせて選択する例を挙げて説明したが、ユーザーが指を触れながら操作するタッチパネルに適用してもよい。また、上記実施形態では、デジタルカメラ10で撮影された画像を閲覧・編集するためのビューアーソフトを例示して説明したが、本発明はこれに限定されず、他のソフトウェアについても同様に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態としてのハードウェア構成を示す概略図である。
【図2】パーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図3】メインウィンドウを示す説明図である。
【図4】プリントメニュー選択ウィンドウを示す説明図である。
【図5】デザインプリントウィンドウを示す説明図である。
【図6】ネットプリント注文ウィンドウを示す説明図である。
【図7】写真閲覧ウィンドウを示す説明図である。
【図8】プリント設定ウィンドウを示す説明図である。
【図9】ビューアーソフトの処理手順を示すフローチャートである。
【図10】ビューアーソフトの処理手順を示すフローチャートである。
【図11】ビューアーソフトの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0035】
2 パーソナルコンピュータ(PC)
11 モニタ
12 操作入力部
20 CPU
33 プリントボタン
35 デザインプリントボタン
36 ネットプリント注文ボタン
40 プリントメニュー選択ウィンドウ
72 プリントボタン
73 自動補正ボタン
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーの選択に応じて、処理をコンピュータに実行させるためのボタンからなるグラフィカルユーザーインターフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、コンピュータ上で稼働するソフトウェアでは、グラフィカルユーザーインターフェース(以下、GUIと略す。)をモニタに表示して、これをユーザーに選択させることで、様々な処理をコンピュータに実行させることが一般化している。GUIには、「ファイル」、「編集」などの文字の他に、「印刷」をプリンタ、「保存」をフロッピー(登録商標)ディスクの絵柄で表すアイコンや、処理の名称を囲む仮想的な枠など、主にボタンの感覚で操作されるものが多い。このため、GUIを用いた操作では、カーソルをボタンに合わせて選択する動作が多用される。
【0003】
従来のGUIとしては、GUIを操作した際の処理同士に包含関係がある場合、例えば、処理Aが「印刷処理」、処理Bが「印刷用紙選択処理」で、処理Aに処理Bが包含されている場合(つまり、処理A⊃処理Bの関係が成り立つ場合)に、包含関係を容易に認識することができるようにするために、処理Aを実行させるためのボタンの内側に、処理Bを実行させるためのボタンを表示するコンピュータの入力装置が提案されている(特許文献1参照)。この場合、処理Bを実行させるためのボタンが選択されると、処理Bのみが実行され、処理Aを実行させるためのボタンが選択されると、処理Bのボタンも選択されたことになり、処理Aと処理Bが実行される。
【0004】
また、ゲームなどの娯楽用途に興趣を増すために、各々径が異なる複数のサブボタンを、径の大きい順に下から上に積み重ね、見た目上は一つのボタンとして表示し、複数のサブボタンのリンク先を各々異ならせるようにしたコンテンツ出力装置が提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2001−209477号公報
【特許文献2】特開2002−287867号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ソフトウェアでは、GUIの操作に応じてウィンドウを開くなどして、画面を遷移させて、次々に処理をユーザーに選択させることがある。このように、画面遷移によって処理の手順を逐一ユーザーに確認させながら処理を進めていく方法は、操作に不慣れなユーザーにとっては非常に分かり易いが、その反面、操作に慣れてくると、一々選択したり画面が遷移したりするのが煩わしいという問題があった。
【0006】
特許文献1に記載の発明は、処理同士に包含関係がある場合以外は上記問題を解決することができず、適用範囲が狭いという問題があった。また、包含する方の処理Aを実行させるためのボタンが選択されると、包含される方の処理Bも実行されるので、ボタンの表示、操作と実行される処理との関係が直感的に分かり難いという問題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載の発明は、見た目上は一つのボタンを表示してサブボタンの構成を見えないようにしているので、ゲームなどの娯楽用途に限られ、やはり適用範囲が狭く、そのうえ上記問題を解決することができない。
【0008】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、ユーザーの利便性を向上させることができるグラフィカルユーザーインターフェースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、ユーザーの選択に応じて、互いに包含関係がない独立した複数の処理をコンピュータに実行させるための複数のボタンからなり、あるボタンの内側に別のボタンが配置されており、前記あるボタンが選択されたときには、前記あるボタンに割り当てられた処理を実行させることが選択されたと認識し、前記別のボタンが選択されたときには、前記あるボタンに割り当てられた処理を飛ばして、前記別のボタンに割り当てられた処理を実行させることが選択されたと認識することを特徴とする。
【0010】
前記別のボタンは、前記あるボタンが選択されたときに遷移する処理画面に表示されるボタンであることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、ユーザーの選択に応じて、対応する処理をコンピュータに実行させるための複数のボタンからなり、あるボタンに割り当てられた処理に付帯する処理を実行させるための別のボタンが、前記あるボタンの内側に配置されており、前記あるボタンが選択されたときには、前記あるボタンに割り当てられた処理を実行させることが選択されたと認識し、前記別のボタンが選択されたときには、前記別のボタンに割り当てられた処理、および前記あるボタンに割り当てられた処理を順次実行させることが選択されたと認識することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のグラフィカルユーザーインターフェースによれば、ユーザーの選択に応じて、互いに包含関係がない独立した複数の処理をコンピュータに実行させるための複数のボタンからなり、あるボタンの内側に別のボタンが配置されており、あるボタンが選択されたときには、あるボタンに割り当てられた処理を実行させることが選択されたと認識し、別のボタンが選択されたときには、あるボタンに割り当てられた処理を飛ばして、別のボタンに割り当てられた処理を実行させることが選択されたと認識するので、操作に不慣れなユーザーに対しては分かり易く、且つ操作に慣れたユーザーに対しては煩わしさを感じさせない。したがって、ユーザーの利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1において、本発明の一実施形態としてのハードウェア構成は、パーソナルコンピュータ(以下、PCと略す。)2と、PC2にUSB接続されたデジタルカメラ10とからなる。PC2には、デジタルカメラ10で撮影された画像のデータがダウンロードされる。
【0014】
PC2は、モニタ11と、キーボードおよびマウスからなる操作入力部12とを備えている。図2において、CPU20は、PC2の全体の動作を統括的に制御する。CPU20には、バス21を介して、前述のモニタ11、操作入力部12とともに、通信I/F22、メモリ23、およびHDD24が接続されている。
【0015】
通信I/F22は、デジタルカメラ10などの外部機器や、インターネットなどの通信ネットワークとのデータの遣り取りを媒介する。HDD24には、デジタルカメラ10で撮影された画像を閲覧・編集するためのビューアーソフトのプログラムを含む種々のプログラムや、デジタルカメラ10からダウンロードされた画像データなどが記録されている。CPU20は、HDD24からプログラムを読み出してメモリ23に展開し、読み出したプログラムを逐次処理する。また、CPU20は、操作入力部12から入力される操作入力信号に応じて、PC2の各部を動作させる。
【0016】
ビューアーソフトを起動すると、モニタ11には、図3に示すメインウィンドウ30が表示される。メインウィンドウ30の上部に配置された「ファイル」にマウスのカーソル31を合わせ、「ファイル」メニュー内の「開く」を選択して、デジタルカメラ10からの画像データが格納された所望のフォルダを選択すると、メインウィンドウ30の中央部分には、フォルダ内の画像32が一覧表示される。
【0017】
メインウィンドウ30の左側部分には、プリントボタン33、写真閲覧ボタン34などの各種メニューボタンが縦に並べて配置されている。プリントボタン33の上半分には、デザインプリントボタン35、およびネットプリント注文ボタン36が横に並べて配置されている。これら三個のボタン33、35、36は、それぞれ個別に選択することが可能となっている。
【0018】
プリントボタン33にカーソル31を合わせて選択すると、モニタ11には、図4に示すプリントメニュー選択ウィンドウ40がポップアップ表示される。プリントメニュー選択ウィンドウ40の上段には、通常プリントボタン41、インデックスプリントボタン42とともに、単体のデザインプリントボタン35が横に並べて配置されている。また、下段には、単体のネットプリント注文ボタン36が配置されている。
【0019】
メインウィンドウ30でプリントボタン33の内側に配置されたデザインプリントボタン35、またはプリントメニュー選択ウィンドウ40で単体のデザインプリントボタン35にカーソル31を合わせて選択すると、モニタ11には、図5に示すデザインプリントウィンドウ50がポップアップ表示される。デザインプリントウィンドウ50には、画像32が一覧表示される。デザインプリントウィンドウ50では、画像32毎にプリントの有無や枚数を設定することが可能となっている。
【0020】
メインウィンドウ30でプリントボタン33の内側に配置されたネットプリント注文ボタン36、またはプリントメニュー選択ウィンドウ40で単体のネットプリント注文ボタン36にカーソル31を合わせて選択すると、モニタ11には、図6に示すネットプリント注文ウィンドウ60がポップアップ表示される。デザインプリントウィンドウ50と同様に、ネットプリント注文ウィンドウ60には、画像32が一覧表示され、画像32毎にプリントの有無や枚数を設定することが可能となっている。
【0021】
写真閲覧ボタン34にカーソル31を合わせて選択すると、モニタ11には、図7に示す写真閲覧ウィンドウ70がポップアップ表示される。写真閲覧ウィンドウ70には、メインウィンドウ30で選択された画像32が拡大表示される。
【0022】
写真閲覧ウィンドウ70の上段には、プリントボタン72などの各種メニューボタンが横に並べて配置されている。プリントボタン72の左側部分には、自動補正ボタン73が配置されている。
【0023】
プリントボタン72にカーソル31を合わせて選択すると、モニタ11には、図8に示すプリント設定ウィンドウ80がポップアップ表示される。プリント設定ウィンドウ80では、使用するプリンタやプリント用紙などを設定することが可能となっている。
【0024】
一方、自動補正ボタン73にカーソル31を合わせて選択すると、表示された画像32のデータに対して、色合いや明るさを補正する自動補正処理が施された後、プリント設定ウィンドウ80がポップアップ表示される。
【0025】
次に、ビューアーソフトの処理手順について、図9〜図11のフローチャートを参照して説明する。まず、図9に示すように、ビューアーソフトが起動されると、メインウィンドウ30がモニタ11に表示される。この状態でデザインプリントボタン35、またはネットプリント注文ボタン36が選択されると、デザインプリントウィンドウ50、またはネットプリント注文ウィンドウ60がモニタ11にポップアップ表示される。
【0026】
一方、メインウィンドウ30がモニタ11に表示された状態で、プリントボタン33が選択されると、プリントメニュー選択ウィンドウ40がモニタ11にポップアップ表示される。また、メインウィンドウ30がモニタ11に表示された状態で、各ボタン33、35、36以外の他のメニューボタンが選択されると、図10に示すように、他のメニューのウィンドウがモニタ11にポップアップ表示される。いずれのボタンも選択されない場合は、ビューアーソフトが終了されるまで操作入力待機状態となる。
【0027】
プリントメニュー選択ウィンドウ40がモニタ11に表示された状態で、単体のデザインプリントボタン35、または単体のネットプリント注文ボタン36が選択されると、メインウィンドウ30で各ボタン35、36が選択された場合と同様に、デザインプリントウィンドウ50、またはネットプリント注文ウィンドウ60がモニタ11にポップアップ表示される。また、各ボタン35、36以外の他のメニューボタンが選択されると、他のメニューのウィンドウがモニタ11にポップアップ表示される。いずれのボタンも選択されない場合は、ビューアーソフトが終了されるまで操作入力待機状態となる。
【0028】
メインウィンドウ30がモニタ11に表示された状態で、写真閲覧ボタン34が選択されると、図11に示すように、写真閲覧ウィンドウ70がモニタ11にポップアップ表示される。プリントすべき画像32が表示された後、自動補正ボタン73が選択されると、表示された画像32のデータに対して自動補正処理が施される。そして、プリント設定ウィンドウ80がモニタ11にポップアップ表示される。
【0029】
一方、プリントすべき画像32が表示された後、プリントボタン72が選択されると、自動補正処理は施されず、プリント設定ウィンドウ80がモニタ11にポップアップ表示される。なお、各ボタン72、73以外の他のメニューボタンが選択された場合は、他のメニューのウィンドウがモニタ11にポップアップ表示され、いずれのボタンも選択されない場合は、ビューアーソフトが終了されるまで操作入力待機状態となる。ユーザーにより各ウィンドウ上で所望の操作が行われ、これにより各種処理が実行される
【0030】
以上説明したように、プリントボタン33の内側にデザインプリントボタン35、およびネットプリント注文ボタン36を配置し、デザインプリントボタン35、またはネットプリント注文ボタン36が選択されたときには、プリントメニュー選択ウィンドウ40をポップアップ表示せずに、デザインプリントウィンドウ50、またはネットプリント注文ウィンドウ60をポップアップ表示し、また、プリントボタン72の内側に自動補正ボタン73を配置し、自動補正ボタン73が選択されたときには、自動補正処理を施してからプリント設定ウィンドウ80をポップアップ表示するようにしたので、操作に不慣れなユーザーは、従前通りの操作で画面遷移によって処理の手順を逐一確認しながら処理を進めていくことができ、操作に慣れたユーザーは、短時間で煩わしさを感じることなく所望の処理を実行させることができる。
【0031】
プリントボタン33、デザインプリントボタン35、およびネットプリント注文ボタン36に割り当てられた処理は、互いに包含関係はなく独立した処理である。一方、プリントボタン72、および自動補正ボタン73に割り当てられた処理は、[自動補正ボタン73に割り当てられた処理(自動補正処理+プリント設定)]⊃[プリントボタン72に割り当てられた処理(プリント設定のみ)]という包含関係が成り立つが、包含する方の自動補正ボタン73を、包含される方のプリントボタン72の内側に配置しているので、直感的に分かり易く、ユーザーが操作をする際に戸惑うことがない。
【0032】
上記実施形態では、互いに包含関係がなく独立した処理が割り当てられたボタン同士を配置した例、および包含関係が成り立つボタン同士を配置した例を挙げて説明したが、これらを組み合わせて用いてもよい。また、配置スペースや視認性が確保されていれば、内側に配置するボタンを二個以上としてもよく、内側に配置されたボタンの内側にさらにボタンを配置してもよい。
【0033】
上記実施形態では、カーソル31を合わせて選択する例を挙げて説明したが、ユーザーが指を触れながら操作するタッチパネルに適用してもよい。また、上記実施形態では、デジタルカメラ10で撮影された画像を閲覧・編集するためのビューアーソフトを例示して説明したが、本発明はこれに限定されず、他のソフトウェアについても同様に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態としてのハードウェア構成を示す概略図である。
【図2】パーソナルコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図3】メインウィンドウを示す説明図である。
【図4】プリントメニュー選択ウィンドウを示す説明図である。
【図5】デザインプリントウィンドウを示す説明図である。
【図6】ネットプリント注文ウィンドウを示す説明図である。
【図7】写真閲覧ウィンドウを示す説明図である。
【図8】プリント設定ウィンドウを示す説明図である。
【図9】ビューアーソフトの処理手順を示すフローチャートである。
【図10】ビューアーソフトの処理手順を示すフローチャートである。
【図11】ビューアーソフトの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0035】
2 パーソナルコンピュータ(PC)
11 モニタ
12 操作入力部
20 CPU
33 プリントボタン
35 デザインプリントボタン
36 ネットプリント注文ボタン
40 プリントメニュー選択ウィンドウ
72 プリントボタン
73 自動補正ボタン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの選択に応じて、互いに包含関係がない独立した複数の処理をコンピュータに実行させるための複数のボタンからなり、
あるボタンの内側に別のボタンが配置されており、
前記あるボタンが選択されたときには、前記あるボタンに割り当てられた処理を実行させることが選択されたと認識し、
前記別のボタンが選択されたときには、前記あるボタンに割り当てられた処理を飛ばして、前記別のボタンに割り当てられた処理を実行させることが選択されたと認識することを特徴とするグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項2】
前記別のボタンは、前記あるボタンが選択されたときに遷移する処理画面に表示されるボタンであることを特徴とする請求項1に記載のグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項3】
ユーザーの選択に応じて、対応する処理をコンピュータに実行させるための複数のボタンからなり、
あるボタンに割り当てられた処理に付帯する処理を実行させるための別のボタンが、前記あるボタンの内側に配置されており、
前記あるボタンが選択されたときには、前記あるボタンに割り当てられた処理を実行させることが選択されたと認識し、
前記別のボタンが選択されたときには、前記別のボタンに割り当てられた処理、および前記あるボタンに割り当てられた処理を順次実行させることが選択されたと認識することを特徴とするグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項1】
ユーザーの選択に応じて、互いに包含関係がない独立した複数の処理をコンピュータに実行させるための複数のボタンからなり、
あるボタンの内側に別のボタンが配置されており、
前記あるボタンが選択されたときには、前記あるボタンに割り当てられた処理を実行させることが選択されたと認識し、
前記別のボタンが選択されたときには、前記あるボタンに割り当てられた処理を飛ばして、前記別のボタンに割り当てられた処理を実行させることが選択されたと認識することを特徴とするグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項2】
前記別のボタンは、前記あるボタンが選択されたときに遷移する処理画面に表示されるボタンであることを特徴とする請求項1に記載のグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項3】
ユーザーの選択に応じて、対応する処理をコンピュータに実行させるための複数のボタンからなり、
あるボタンに割り当てられた処理に付帯する処理を実行させるための別のボタンが、前記あるボタンの内側に配置されており、
前記あるボタンが選択されたときには、前記あるボタンに割り当てられた処理を実行させることが選択されたと認識し、
前記別のボタンが選択されたときには、前記別のボタンに割り当てられた処理、および前記あるボタンに割り当てられた処理を順次実行させることが選択されたと認識することを特徴とするグラフィカルユーザーインターフェース。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−33664(P2008−33664A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−206766(P2006−206766)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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