説明

グラフィックインジケータを有する使い捨て吸収性物品

【課題】ユーザが使い捨て吸収性物品の前側部分と後側部分を区別するのを助けるグラフィックが形成された使い捨て吸収性物品を提供する。
【解決手段】ユーザが使い捨て吸収性物品の後側部分と前側部分を区別するための標識を表示するように適合されたグラフィックを有する使い捨て吸収性物品が開示される。本発明の一形態では、前記グラフィックは、着色されたホットメルト接着剤から成る。前記着色されたホットメルト接着剤は、様々な形状、大きさ、色であり得、前記物品上の様々な位置に配置することができる。更に、第2のグラフィックも前記物品上に配置することができる。本発明の別の形態では、前記グラフィックは、着色フィルム又は着色不織布ウエブから成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフィックインジケータを有する使い捨て吸収性物品に関する。
【0002】
本発明は、2007年3月6日に米国特許商標庁に提出された米国特許仮出願第60/905,341号(発明の名称「Disposable absorbent product Having A Graphic Indicator」)の優先権を主張する。米国特許仮出願第60/905,341号の全体は引用をもって本明細書の一部となす。
【背景技術】
【0003】
人々は、日々の暮らしに役立つ健康製品、衛生用品、及びウェルネス製品(例えば、使い捨て吸収性物品など)を使用している。使い捨て吸収性物品の例には、パッドなどの女性用ケア物品、おむつやトイレトレーニングパンツなどの乳幼児用ケア物品、夜尿の問題のある子供用の使い捨て吸収性パンツなどの特定の物品、及び失禁用品などの成人用ケア物品などが含まれる。
【0004】
そのような物品は、その物品が着用されたときにユーザの身体の前面に面するようにデザインされた前側部分と、同様に、その物品が着用されたときにユーザの身体の後面に面するようにデザインされた後側部分とを有していることがよくある。下着のように着用される物品の場合、前記前側部分は、前記物品が全体として1つのウエスト開口部と2つの脚開口部とを画定するように前記後側部分に取り付けられる。織物製下着に取り付けられる女性用パッドや尿漏れ防止パッドなどの他の物品の場合、その物品は、ユーザの身体の前面の或る部分に面するようにデザインされた前側部分と、ユーザの身体の後面の或る部分に面するようにデザインされた後側部分とを有するように形成することができる。
【0005】
このような場合、使い捨て吸収性物品のユーザにとって、その使い捨て吸収性物品の前側部分と後側部分を容易に区別することは困難であり得る。従って、いくつかの使い捨て吸収性物品は、ユーザがその使い捨て吸収性物品の前側部分と後側部分を区別するのを助けるためにマークを有している。典型的には、そのようなマークは、使い捨て吸収性物品の或る部分上に印刷されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
我々は、スロットコーター(slot coater)のような設備を用いて、ユーザが使い捨て吸収性物品の前側部分と後側部分を区別するのを助けるグラフィックを形成するように、着色されたホットメルト接着剤を使い捨て吸収性物品の或る部分上に配置することができることを見出した。一般に、着色されたホットメルト接着剤から成るグラフィックを追加するのに用いられる設備及び材料は、グラフィックを印刷するのに用いられる設備及び材料よりも安価である。更に、着色されたホットメルト接着剤から成るグラフィックは、ユーザに情報を提供するという目的を果たし得る(この場合は、ユーザが使い捨て吸収性物品の前側部分と後側部分を区別するのを助けることによって)。
【0007】
或いは、連続的なウエブ(例えば、着色不織布ウエブ又は着色フィルム)を、(例えば、回転式裁断装置又は他のそのような裁断設備若しくはスリッティング設備を用いて)裁断し、使い捨て吸収性物品の他の部分に取り付けられる形状(正方形や長方形など)に形成することができる。例えば、一片の長方形の着色フィルム又は着色不織布ウエブは、使い捨て吸収性物品のウエストバンド部分を形成する不織布ウエブ同士の間に挿入され、且つ取り付けられる。前記着色フィルム又は着色不織布ウエブ、即ちグラフィックは、前記ウエストバンドの外側(前記ウエストバンドの身体に面する側の反対側)を形成する前記不織布ウエブを通して見えるため、それによってユーザが前記使い捨て吸収性物品の前側部分と後側部分を区別するのを助ける。別の例示的な手法では、着色ウエブ又は着色フィルムは、使い捨て吸収性物品の身体に面する面、又は外面に取り付けられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、使い捨て吸収性物品であり、前記使い捨て吸収性物品が、前側部分と、前記使い捨て吸収性物品が全体として1つのウエスト開口部と2つの脚開口部とを画定するように前記前側部分に取り付けられる後側部分と、着色されたホットメルト接着剤から成るグラフィックとを有している。前記グラフィックの形状及び位置は、前記使い捨て吸収性物品のユーザが、前記物品の前記前側部分と前記後側部分を区別できるように、前記物品のユーザに情報、即ち標識を表示するべく選択される。例えば、着色されたホットメルト接着剤は、長方形、円形、三角形、正方形、線、ストライプ、又は他の形状で前記使い捨て吸収性物品の前記後側部分に取り付けられる。そして、例えば、前記物品が入っているパッケージ上に提供された注意書きによって、前記グラフィックが前記使い捨て吸収性物品の前記後側部分を示すものであることを前記ユーザに指示することができる。そして、前記物品のユーザは、前記物品を着用するとき、前記使い捨て吸収性物品の前記識別用グラフィックの付いている部分が前記ユーザの身体の後面に面するように向きを合わせることを知ることができる。
【0009】
前記グラフィックは、必ずしも前記物品の前記後側部分に配置しなくても良いことを留意されたい。その代わりとして、グラフィックはどちら側が使い捨て吸収性物品の前側部分であるかをユーザに示すものであるという対応する注意書きを備えることにより、着色されたホットメルト接着剤から成るグラフィックを、前記物品の前記前側部分に取り付けることができる。
【0010】
更に、前記グラフィックが前記前側部分に取り付けられるか、或いは前記後側部分に取り付けられるかに関わらず、前記グラフィックは、実質的に前記前側部分上又は前記後側部分上のどこにでも配置することができる。本発明の或る例示的な形態は、ウエストバンドが取り付けられた又はウエストバンド一体型の使い捨て吸収性物品であり、グラフィックは前記ウエストバンド上又は前記ウエストバンド付近に配置されている。例えば、着色されたホットメルト接着剤を、使い捨て吸収性物品の後側部分のウエストバンドの中央に配置することができる。この場合、グラフィックは、前記物品のグラフィックが取り付けられている部分が前記物品の後側部分であることを示す。
【0011】
使い捨て吸収性物品を作成するときによく用いられる材料(例えば、比較的薄い不織布材料)の性質のおかげで、着色されたホットメルト接着剤は、必ずしも見えるように使い捨て吸収性物品の外面上(例えば、使い捨て吸収性物品の身体に面する面上、又はその反対側の面(使い捨て吸収性物品のユーザがその物品の上に着用する任意の衣類に面し、且つ接触し得る面)上)に配置する必要はない。例えば、下着のように着用される或る使い捨て吸収性物品(即ち、1つのウエスト開口部と2つの脚開口部とを有する使い捨て吸収性物品)では、2つの不織布の接合面(facings)が、前記使い捨て吸収性物品のウエストバンド部分において互いに接着接合され得る。これらの接合面の間に1つ或いは複数の弾性ストランド又は弾性リボンが挟まれ、出来上がった積層物に弾性特性を与えることがよくある。即ち、前記ストランドは、伸長された状態で前記2つの不織布ウエブの間に挟まれ、且つ取り付けられる。その後、出来上がった積層物が収縮するため、それによってギャザーの入った弾性複合材が作成される。着色されたホットメルト接着剤は、前記ウエブ同士を互いに接着接合させる前に、スロットコート法又は他の方法を用いて、前記2つのウエブの一方の内面に配置することができる。この例では、前記着色されたホットメルト接着剤は、前記ウエブ(及び、場合によっては1つ或いは複数の弾性ストランド又は弾性リボンも)を互いに接合させる助けとなり得る。そして、前記不織布ウエブは十分に薄いため、前記物品のユーザにグラフィックが見えるという結果をもたらす。上述したように、前記着色されたホットメルト接着剤は、正方形、長方形、円形、三角形、線、ストライプ、又は他の形状で塗布することができる。
【0012】
本発明は、着色されたホットメルト接着剤(又は着色不織布若しくは着色フィルム)から成るグラフィックを含む使い捨て吸収性物品を作成するための方法も含む。前記グラフィックは、前記物品のユーザが前記物品の前側部分と後側部分を区別するのを助ける標識を前記ユーザに表示するように適合されている。
【0013】
或る例示的な方法では、スロットコーターを用いて、着色されたホットメルト接着剤をウエブの表面上に配置し、その後、そのウエブを用いて使い捨て吸収性物品を組み立てる。前記着色されたホットメルト接着剤は、上述したような様々な形状を形成するように塗布することができる。出来上がった使い捨て吸収性物品は、前側部分及び後側部分を有し、その或る部分に配置されたグラフィックを含む。その後の加工ステップにおいて、前記物品をパッケージに入れる。前記パッケージ上には、前記グラフィックは、ユーザが前記使い捨て吸収性物品の後側部分と前側部分を区別できるようにするものであるということをユーザに知らせる1つ或いは複数の注意書きがある。或いは、適切なユニットオペレーション(例えば、カットアンドプレースモジュール又は類似する設備)を用いて、ユーザが使い捨て吸収性物品の後側部分と前側部分を区別できるようにするグラフィックとして、不連続の着色不織布ウエブ又は着色フィルムが取り付けられ得る。
【0014】
本発明は、前側部分及び後側部分を有する使い捨て吸収性物品を着用し易くするための例示的な方法もカバーしている。或る例示的な方法では、前側部分、後側部分、及び着色されたホットメルト接着剤(又は着色フィルム若しくは着色不織布ウエブ)から成る、ユーザが使い捨て吸収性物品の後側部分と前側部分を区別するための標識を表示するように適合されたグラフィックを有する使い捨て吸収性物品をユーザの手で保持する。前記ユーザは、次に、前記ユーザの身体の前面に前記前側部分が面し、前記ユーザの身体の後面に前記後側部分が面するように前記グラフィックの向きを合わせて前記物品を着用するように、例えば、前記使い捨て吸収性物品が入っているパッケージ上の注意書きによって指示される。例えば、前記グラフィックが前記物品の前記後側部分に配置されている場合、前記ユーザは、前記グラフィックが前記ユーザの後ろにくるようにして(又は前記グラフィックが前記ユーザの身体の後面に近くなるように前記グラフィックの向きを合わせて)、前記物品を着用するように指示される。
【0015】
上述した実施形態の適切な形態では、複数のスロットコーティング・ユニットオペレーション及び/又は複数のグラフィックを用いることもできる。例えば、第1のウエブ上に第1のグラフィックを配置するために第1のスロットコーターを使用し、第2のウエブ上に第2のグラフィックを配置するために第2のスロットコーターを使用することができる。前記第2のウエブは、前記第1のウエブと同じ又は異なるものであり得る。前記第1及び第2のグラフィックは、色や形状などに関して、同じ又は異なるものであり得る。本発明の一形態では、着色されたホットメルト接着剤は、グラフィックインジケータとしての役割を果たす或る形状(例えば、長方形)をなして配置されるように、基材又はウエブ上に断続的に塗布することができる。このグラフィックインジケータは、前記第1のグラフィックとしての役割を果たす。別の着色されたホットメルト接着剤は、基材又はウエブ上に連続的に塗布され、1つ或いは複数の連続的なストライプをなして配置されることがある。前記1つ或いは複数のストライプは、第2のグラフィックとしての役割を果たす。その後、グラフィックインジケータとしての役割を果たす前記形状が、完成した物品において前記物品の後側部分のウエスト領域に近接して配置されるように、この1つ或いは複数のウエブが組み立てられる。また、前記1つ或いは複数のストライプ、即ち第2のグラフィックは、前記ウエスト領域に近接し、且つ前記ウエスト領域の実質的に周囲にわたって配置される。当然ながら、第1及び第2のグラフィックを形成するとき、様々な着色又は非着色の組み合わせ、形状構成、及び物品上の位置(即ち、完成した形態の物品上でグラフィックが配置される位置)が用いられ得る。第1及び第2のグラフィックは、単一のスロットコーティング・ユニットオペレーションを用いて形成しても良いことを留意されたい(例えば、異なる着色されたホットメルト接着剤をマウスピース(即ち、1つ或いは複数の着色されたホットメルト接着剤をウエブ又は基材に対して配置又は塗布するとき、前記1つ或いは複数の着色されたホットメルト接着剤が通過する開口)の異なる位置に供給することができる)。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】本発明の使い捨て吸収性物品の或る代表的な形態を示す図である。
【図1B】本発明の使い捨て吸収性物品の或る代表的な形態を示す図である。
【図1C】本発明の使い捨て吸収性物品の或る代表的な形態を示す図である。
【図1D】本発明の使い捨て吸収性物品の或る代表的な形態を示す図である。
【図2】着色されたホットメルト接着剤を動いているウエブの表面上に配置するための方法の或る代表的な形態を示す図である。
【図3】着色されたホットメルト接着剤を動いているウエブの表面上に配置するための方法の或る代表的な形態を示す図である。
【図4A】着色されたホットメルト接着剤を基材の表面上に配置するとき、前記着色されたホットメルト接着剤が供給される開口/マウスピースの代表的な形態を示す図である。
【図4B】着色されたホットメルト接着剤を基材の表面上に配置するとき、前記着色されたホットメルト接着剤が供給される開口/マウスピースの代表的な形態を示す図である。
【図4C】着色されたホットメルト接着剤を基材の表面上に配置するとき、前記着色されたホットメルト接着剤が供給される開口/マウスピースの代表的な形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1A、1B、1C、及び1Dはそれぞれ、本発明の使い捨て吸収性物品の或る代表的な形態を図示する。図1Aでは、使い捨て吸収性物品10は、2つの脚開口部12と1つのウエスト開口部14を画定したものとして図示されている。前記使い捨て吸収性物品は、前側部分16と後側部分18の両方を有している。前記前側部分と前記後側部分は、(例えば、熱、超音波などの他の形態のエネルギ、接着剤、又は材料同士を接合させるための他の材料/技術を用いることによって)シーム19において接合される。前記使い捨て吸収性物品の前記前側部分と前記後側部分は、必ずしも互いに直接的に取り付けられる必要はない。これらの部分は、互いに間接的に取り付けることもできる。図示の物品は、一体型ウエストバンド20も備えている。本発明の使い捨て吸収性物品の図示の例では、前記一体型ウエストバンドは、前記物品の上部周囲に近接する領域である。この例では、前記一体型ウエストバンドは、2つの不織布ウエブ/接合面の間に挟まれ、且つ取り付けられた弾性ストランドから成るギャザーの入った弾性複合材である。しかし、図示の使い捨て吸収性物品の前記ウエストバンド20の下方の領域もまた、同じ構成から成る弾性複合材である。ウエストバンドは、必ずしも一体型である必要はない。ウエストバンドを別個に形成し、使い捨て吸収性物品の残りの部分に取り付けることもできる。
【0018】
着色されたホットメルト接着剤、又は着色フィルム若しくは着色不織布ウエブから成るグラフィック22は、前記物品の前記前側部分にて前記ウエストバンドに配置されるものとして図示されているので、前記グラフィックが付いている部分が、前記物品の前記前側部分であることをユーザに示している。他に記載したように、典型的には、テキスト、ロゴ、シンボル、又は情報を伝えるための他の有形の手段の形態の注意書きが、前記物品が入っているパッケージ上又はパッケージ内に;各物品が入っている個々の包み上又は包み内に(1つのパッケージに複数の物品が入っていて、前記パッケージに入っている各物品が、例えば、包み又は他の別個の入れ物の中に個々に包装されている場合);或いは、前記物品上又は物品内に配置される。前記注意書きは、前記グラフィックにより、前記物品のどの部分が示されるのかということを読み手に知らせる(例えば、前記グラフィックが前記前側部分に配置されている場合は前記物品の前記前側部分を示し、前記グラフィックが前記後側部分に配置されている場合は前記物品の前記後側部分を示す)。
【0019】
他に記載したように、前記グラフィックは、正方形、長方形、円形、楕円形、三角形、線、ストライプ、多様な他の形状、又はそれらの組み合わせを含む様々な形状であり得る。テキストや画像などを含むより複雑なパターン及び形状を形成することもできる。また、前記着色接着剤は、実質的に連続的に又は断続的に堆積され得る。複雑なグラフィックを実現するために、それぞれが異なる開口の形状、即ち「マウスピース」を有する複数のスロットコートモジュールを組み合わせて用いることができる。更に、各モジュールが、給送されているウエブに対して概ね固定された位置において、前記ウエブに着色接着剤又は非着色接着剤を供給するように、複数のスロットコートモジュールを使用する場合、1つ或いは複数のモジュールを断続的に動作させ、1つ或いは複数のモジュールを連続的に動作させることができる。前記堆積された接着剤は、任意の色であり得、また、複数の接着剤が堆積される場合、複数の色を使用することができることは容易に理解できるであろう。
【0020】
従って、出来上がった1つ或いは複数のグラフィックは、任意の1つ或いは複数の色を有し得る。典型的には、コストの関係で、前記使い捨て吸収性物品又はその構成要素の上に、着色されたホットメルト接着剤を配置するために、又は着色フィルム若しくは着色不織布ウエブを取り付けるために用いられる設備及び材料の複雑さやコストを最小限にしつつ、消費者が前記物品の前側部分と後側部分を区別するのを効果的に助けるように形状及び色が選択される。しかし、より複雑な色の組み合わせ及び形状がユーザにとって価値があると認められるのであれば、そのようなより複雑な色の組み合わせ及び形状又は画像を選択することができる。更に、前記着色されたホットメルト接着剤の形状及び量もまた、或る構成要素を他の構成要素に取り付け易くなるように(又は或る構成要素のその構成要素自体への取り付けがし易くなるように)選択することができる。
【0021】
図1Aに図示の物品は、作成される様々な種類のそのような使い捨て吸収性物品の代表的なものである。例えば、前側部分及び後側部分は、1つの砂時計形の液体浸透性の身体側ライナーが1つの砂時計形の液体不浸透性の外側カバーに重ねられ、且つ取り付けられた領域に対応するものであり、吸収性コアが前記砂時計形の形状の中央部分においてこれらの層の間に挟まれている。これら2つの層から成る出来上がった砂時計形の積層物(これらの層の間には吸収性コアが挟まれている)を接合させて、1つのウエスト開口部と2つの脚開口部を画定する物品を作成する場合、作成された物品の半分は前側部分(即ち、使い捨て吸収性物品の、例えば、前記積層物を接合させて、前記物品を着用したときに着用者の腰又はウエストの側面に近接し得るシームを形成した領域より前側の部分)として指定することができ、作成された物品の半分は後側部分(即ち、使い捨て吸収性物品の、例えば、前記積層物を接合させて、前記物品を着用したときに着用者の腰又はウエストの側面に近接し得るシームを形成した領域より後側の部分)として指定することができる。そのように指定された前記物品の各部分は、一般に、身体の特定の部分に対して向きを合わせるようにデザインされる(即ち、前記前側部分は身体の前面に面するようにデザインされ、前記後側部分は身体の後面に面するようにデザインされる)。
【0022】
当然ながら、ユーザが使い捨て吸収性物品を着用するときに前記物品の前側部分又は後側部分のどちらの部分がユーザの身体の前面に面しても性能に影響がないような、全ての点で完全に対称的な使い捨て吸収性物品は、前記物品の特定の部分を示すグラフィックを必要としないであろう。
【0023】
しかし、全ての点で対称的ではない物品の場合(例えば、吸収性コアの位置が、1つのウエスト開口部と2つの脚開口部を有する物品に組み立てる前の平らに広げられた砂時計形の積層物のウエスト開口部の周囲に対応するエッジと平行な、中央に位置付けられた横断線の前方又は後方に位置をずらされている、つまり、その該当する物品を着用したとき、前記吸収性コアのより多くが、身体の前面部分又は身体の後面部分に近寄って配置されているか;或いは吸収性コアの形状が、例えば、概ね三角形であり、その三角形の形状をなす吸収性基部が、前記物品の後側部分に配置されているか;或いは前記物品が、排便物を受容し、収容し易くするように特に設計された容器、開口、又は他の構造を用いている場合に、この構造が前記物品の後側部分に配置されているか;或いは前記物品の形状が、面積又は周囲の長さ又は材料の他の物理的特性に関して、前側部分が後側部分と比較して異なっている、など)、着色されたホットメルト接着剤、着色フィルム、又は着色不織布から成るグラフィックを、前記物品の一方の部分が、前記物品のもう一方の部分とは異なっていることを消費者に示すように(例えば、前側部分と後側部分を区別するために)配置することができる。
【0024】
使い捨て吸収性物品は、多くの他の方法で作成することもでき、多くの異なる構造を含むこともできる。例えば、前記物品は、液体不浸透性の1つの砂時計形の外側カバーを含み得、前記外側カバーには、他のウエブ又は構成要素が取り付けられる(例えば、液体浸透性のウエブ内に入っている綿毛/高吸収性コアを含む吸収性インサートが、前記外側カバーのクロッチ領域に取り付けられ、併せて前記外側カバーのその部分に着用者の前面及び後面に近接し得る追加のウエブ又はパネルが取り付けられ得る)。或いは、前記物品は、液体浸透性の身体側ライナーと液体不浸透性の外側カバーとの間に挟まれた、綿毛/高吸収性材料を含む吸収性コアの一方の端部を第1のパネルの材料(例えば、液体浸透性の身体側ライナーに取り付けられた液体不浸透性の外側カバーを有する概ね長方形の積層物)に取り付けることによって作成することができる。この場合、前記吸収性コアの前記液体不浸透性の外側カバーは、前記第1のパネルの材料の前記液体不浸透性の外側カバーと同じ側にある。そして、同様に、前記同じ吸収性コアの反対側の端部を、前記第1のパネルと同様の構成から成る第2のパネルに取り付ける(この場合、前記吸収性コアの前記液体不浸透性の外側カバーは、前記第2のパネルの材料の液体不浸透性の外側カバーと同じ側にある)。
【0025】
他の様々な構成も可能である。1つのウエスト開口部と2つの脚開口部を画定する使い捨て吸収性物品は、弾性ストランド又は弾性リボンなどの弾性材料を、様々な位置(例えば、前記物品のウエスト領域内;前記物品の脚開口部付近;又はフィット感を高め且つ/又は漏れを減らすのを助けるような様々な他の位置)に備え得る。そのような物品は、ガスケットのようなフィット感を作り出すのを助けるように前記脚開口部の内側にフラップ又は他のそのような構成要素を備えることによって、漏れを減らすのを助けることもできる。そのような物品は、前記使い捨て吸収性物品の或る部分に着脱可能に係合するように適合された耳状物又は同様の構成要素を備え得る(例えば、耳状物は、使い捨て吸収性物品上のリング又は他の材料に着脱可能に係合するフックアセンブリを含み得る)。エラストマーフィルムを、前記使い捨て吸収性物品の多くの領域に用いて、前記物品のそれらの部分に弾性特性をもたらすようにすることもできる。本発明は、使い捨て吸収性物品上又は使い捨て吸収性物品内に配置された、着色されたホットメルト接着剤、着色フィルム、又は着色不織布が、ユーザが前記使い捨て吸収性物品の前側部分と後側部分を区別するのを助けるような全ての構成を含むものとする。
【0026】
上述の記載は、概ね、1つのウエスト開口部と2つの脚開口部を画定する多数の使い捨て吸収性物品について述べている。しかしながら、着色されたホットメルト接着剤又は着色フィルム若しくは着色不織布から成るグラフィックは、他の種類の使い捨て吸収性物品に対して用いることもできる。例えば、女性用又は成人の失禁用の使い捨て吸収性パッドは、対称的な形状ではなく、その物品の有効性が増すような形状で形成されることがある。そのような場合、着色されたホットメルト接着剤又は着色フィルム若しくは着色不織布から成るグラフィックを、ユーザが前記パッドの前側部分と後側部分を区別するのを助けるために前記パッドの前側部分又は後側部分に配置することができる。
【0027】
上述したように、使い捨て吸収性物品には、一般に、完成品が出来上がるまでに生産ラインにおいて組み立てられる多数の構成要素が用いられる。最終的にグラフィックが前記物品のユーザに見えるのであれば、着色されたホットメルト接着剤、着色フィルム、又は着色不織布は、これらの構成要素のどこに配置されても良い。
【0028】
例えば、着色されたホットメルト接着剤を、ポリプロピレンの不織布ウエブ又は他のウエブなどの、使い捨て吸収性物品の組み立てに用いられるウエブの表面上に配置することができる。図2は、着色されたホットメルト接着剤をウエブ又は基材の表面上に配置するためのプロセスの或る代表的な形態を図示する。ウエブ50は、複数のロールから成る構成を通ってバックアップロール52に給送される。着色されたホットメルト接着剤は、チューブ、パイプ、又は他のそのような設備54を介してノズル又はマウスピース56に供給される。他に記載したように、着色接着剤は、ペレット状、れんが状、又は他の固形状或いは半固形状の形態であり得、加熱タンク又は他のそのような設備(図示せず)内で加熱される。着色接着剤が送液できるように液化されると、液化された着色接着剤は、ポンプ(図示せず)によりノズル又はマウスピース56に送液される。温度、圧力、ポンプの速度、及び他のそのような変数を、所望の流量及び特性が得られるように選択することができる。ソレノイドバルブ、又は他のそのような設備を用いて、前記着色接着剤の前記ウエブの表面上への断続的な堆積を提供することもできる。更に、前記着色接着剤を送液するのに用いられるパイプ又はチューブの他に、前記着色接着剤を前記ウエブの表面上に配置するのに用いられるモジュール(即ち、着色接着剤をウエブ又は基材の表面上に配置するのに用いられるノズル又はマウスピースを含むモジュール)を加熱して、前記着色接着剤の送液及び配置をし易くすることができる。
【0029】
他に記載したように、複数の色、グラフィック、及び/又はより複雑なグラフィックを実現するために、複数のスロットコーティングモジュールを用いることができる。図3は、複数の着色及び/又は非着色接着剤をウエブの表面上に配置するのに用いられる複数のスロットコーティングモジュールの或る代表的な形態を図示する。ウエブ70は、バックアップロール72上を通過するように給送される。バックアップロールの表面に隣接する第1のノズル/マウスピース74は、第1の着色又は非着色接着剤を前記ウエブの表面上に堆積させる。第2のノズル/マウスピース76は、その後、第2の着色又は非着色接着剤を前記ウエブの表面上に堆積させる。
【0030】
他に記載したように、各スロットコーティングモジュールは、様々な形式で配置することができる。そのようなものとしては、断続的又は連続的;一色又は複数色(即ち、異なる配合の着色接着剤を、同じスロットコーティングモジュール又はヘッドに送液するために、加熱タンク、パイプ、及びポンプを含む別個のシステムを用いることができる);及び様々なマウスピースの開口などがある。例えば、図4A、4B、及び4Cは、着色接着剤を堆積させるときに用いられるマウスピースの開口の形状の例示的な形態を図示する。図4Aは、1つ或いは複数の着色接着剤をウエブの表面上に配置し得る一連の櫛状の開口を図示する。図4Bは、1つの着色接着剤をウエブの表面上に配置し得る1つの開口を図示する。そして、図4Cは、着色接着剤をウエブの表面上に配置し得るマウスピースの開口のまた別の代表的な形態を図示する。この場合、着色接着剤は2つの開口を介することになるが、一方の開口の大きさは、もう一方の開口の約2倍の大きさである。当然ながら、これらの図は、1つ或いは複数の着色接着剤をウエブの表面上に配置するときに用いられ得る開口の形状の様々な形態のうちのいくつかの例を示すものである。
【0031】
従って、例えば、図4Aで図示されるようなマウスピースを用いた第1のスロットコーティングモジュールは、ウエブがバックアップロール上を連続的に給送されるので、そのウエブの長さ方向に沿って一連の細いストライプを堆積させるように、連続的に運転され得る。図4Bで図示されるようなマウスピースを用いた第2のスロットコーティングモジュールは、前記ウエブの長さ方向に沿って、或る間隔をおいて正方形又は長方形の形状をなすように堆積させるべく断続的に運転され得る。これらの正方形又は長方形の形状物を、前記細いストライプの上に堆積させることができる。或いは、これらの正方形又は長方形の形状物を、前記細いストライプに隣接して堆積させることができる。スロットコーティングモジュールの多様なそのような組み合わせを用いることができることを留意されたい。
【0032】
上述したように、ホットメルト接着剤は、後で別のウエブに取り付けられるウエブの表面上に配置することができるため、2つのウエブ同士の接着接合をし易くし、且つユーザが使い捨て吸収性物品の前側部分と後側部分を区別するのを助けるためのグラフィックとしての役割を果たす。
【0033】
上述したように、使い捨て吸収性物品の或る部分は、2つの不織布ウエブの間に挟まれた、例えば、互いに離隔して、実質的に平行に配置された弾性ストランド又は弾性リボンで作られた弾性複合材を含むことがある。一般に、弾性ストランドは、まず伸長され、その後、該ストランドが伸長された状態でウエブに取り付けられる。前記ストランドが前記ウエブに取り付けられた後、出来上がった複合材が収縮するため、それによってギャザーの入った弾性複合材が作成される。従って、本発明の使い捨て吸収性物品を作成するための或る例は、前記弾性複合材を作成するのに用いられるウエブのうちの1つのウエブ表面上に、着色されたホットメルト接着剤を塗布するステップを含み得る。固形形態(例えば、ペレット状)の着色されたホットメルト接着剤は、実質的に液化されるように加熱される。液化された着色接着剤は、その後、前記接着剤を前記ウエブ上に配置するための設備(例えば、スロットコーター)まで、(例えば、加熱された液体を送液するためのポンプ又は押出し機又は他のそのような設備によって)送液される。前記着色されたホットメルト接着剤を、様々な異なる形状又は構成(その例は上述されている)で、前記ウエブ上に配置することができる。前記着色されたホットメルト接着剤は、着色されていないホットメルト接着剤(又は、異なる色の組み合わせを実現するための異なる色のホットメルト接着剤)と組み合わせて、前記ウエブ上に配置することができることを留意されたい。例えば、着色されたホットメルト接着剤を、長方形などの不連続な形状の形態で前記ウエブ上に配置し、併せて、異なる設備を用いて、着色されていない接着剤を前記ウエブの他の部分に配置することができる。或いは、着色されたホットメルト接着剤を、不連続な形状の形態でウエブ上に配置し、併せて、着色されていない接着剤を弾性ストランド上に配置することができる(着色されたホットメルト接着剤から成るグラフィックが、互いに離隔して配置された弾性ストランド又は弾性リボンを含む弾性複合材内又は弾性複合材上に配置されている場合)。着色されたグラフィックを、使い捨て吸収性物品のユーザに見えるように、且つユーザが前記使い捨て吸収性物品の前側部分と後側部分を区別するのを助けるべく適合されるように、前記使い捨て吸収性物品上、又はその構成要素上に配置しさえすれば、多くの他の組み合わせが可能である。第2のグラフィックが前記物品上に配置される場合、前記第2のグラフィックは、ユーザが前記使い捨て吸収性物品の前側部分と後側部分を区別するのを助けるような役割を果たしても果たさなくても良いことを留意されたい。
【0034】
前記着色されたホットメルト接着剤(及び、場合によっては追加の着色されていないホットメルト接着剤)を、前記ウエブ上に配置した後、次に、前記ウエブは、他の構成要素(例えば、弾性複合材を作成するために、互いに離隔して、実質的に平行に配置される弾性ストランドや第2のウエブなど)に取り付けることができる。前記着色接着剤がウエブの内面(弾性ストランド及び第2のウエブに面し、且つ取り付けられる面)に配置された場合、それは前記着色されたホットメルト接着剤を含む物品のユーザから見える。これは、使い捨て吸収性物品の構造に用いられるウエブが極めて薄いことがよくあるからである。このため、ウエブの一方の表面上に配置された、着色されたホットメルト接着剤は、前記ウエブの反対側のもう一方の表面を見ている観察者からも見える。
【0035】
着色されたホットメルト接着剤は、ユーザが使い捨て吸収性物品の前側部分と後側部分を区別するのを助けつつ、前記使い捨て吸収性物品の様々な位置又は構成要素上に配置することができることは当業者であれば理解できるであろう。上述の記載では、いくつかのそのような例について説明しているが、多くの他の配置が可能である。
【0036】
或いは、ユーザに使い捨て吸収性物品の特定の部分を示すグラフィックとして着色フィルム又は着色不織布ウエブを用いることができる。連続的なウエブを給送し、そのウエブを細長く切るか又は裁断し、そのウエブを別の構成要素に取り付けるためのユニットオペレーション及び対応する方法(例えば、カットアンドペーストモジュール又は同様の設備)を用いて、長方形又は正方形のような形状の形態の着色不織布ウエブ又は着色フィルムを、使い捨て吸収性物品の別の部分に給送し、裁断し、取り付けることができる。例えば、着色不織布ウエブ又は着色フィルムを裁断し、弾性複合材から成る不織布の接合面の間に配置することができる(前記弾性複合材は前記不織布の接合面の間に挟まれた弾性ストランドを含む)。前記接合面とストランドを互いに取り付ける前に、前記着色不織布ウエブ又は着色フィルムは、例えば、前記接合面の一方の表面に(例えば、接着剤を用いて)取り付けられる。前記着色不織布ウエブ又は着色フィルムが付いている前記接合面は、その後、前記弾性ストランド及び他の不織布の接合面と接触させられ、且つ取り付けられる。
【0037】
典型的には、本発明の使い捨て吸収性物品の販売者は、着色されたホットメルト接着剤又は着色フィルム若しくは着色不織布から成るグラフィックが、前記物品の特定の部分を特定しており、それによってユーザが前記物品を着用するときに前記物品の正しい向きをわかり易くしていることをユーザに知らせる注意書きを提供することになる。そして、例えば、着色されたホットメルト接着剤又は着色フィルム若しくは着色不織布から成る長方形のグラフィックが、使い捨て吸収性物品の後側部分のウエストバンド領域の中央に配置されている場合、その長方形のグラフィックが前記物品の後側部分であることをユーザに知らせる注意書きが一般に提供される。前記注意書きは、テキストの形態であり得る。或いは、前記注意書きは、前記物品の長方形のグラフィックを有する部分が身体の後面に面しているような、人体に着用された物品を図示する写真や図の形態であり得る。これらの注意書きは、複数の物品が入っているパッケージ(例えば、ビニール袋)上に存在し得る。或いは、これらの注意書きは、個々の使い捨て吸収性物品を包装している包み、スリーブ、又は他の入れ物上に存在し得る(前記物品が個々に包装されている場合)。或いは、前記注意書きは、前記パッケージ上又はパッケージ内のパンフレット、カード、又は他のそのような構成要素上に存在し得る。一般に、前記注意書きは、テキスト、ロゴ、写真、グラフィック、又は情報を伝えるための他のそのような有形の手段の形態のいずれかであり得、基材(例えば、複数の前記使い捨て吸収性物品が入れられるパッケージを作成するのに用いられるプラスチックフィルムの表面)上に印刷することにより作成される。
【0038】
当然ながら、前記注意書きは、前記グラフィックの位置を示すものである。前記グラフィックが前記物品の前側部分に配置されている場合、前記注意書きは、前記物品の前記グラフィックの付いている部分がユーザの身体の前面に面するようにして前記物品を着用するようユーザに指示する。
【0039】
本発明は、使い捨て吸収性物品の着用を助けるか又は着用し易くするための方法も含む。一般に、前記方法は、着色されたホットメルト接着剤又は着色フィルム若しくは着色不織布から成るグラフィックを有する使い捨て吸収性物品(前記グラフィックは、前記使い捨て吸収性物品上(前側部分上又は後側部分上のどちらか)に配置されている)をユーザの手で保持して位置決めするステップであって、前記グラフィックは、前記ユーザが前記使い捨て吸収性物品の前側部分と後側部分を区別するのを助けるべく前記ユーザに標識を表示するように適合されている、該ステップ;及びその後、前記物品の前側部分が前記ユーザの身体の前面に面し、前記物品の後側部分が前記ユーザの身体の後面に面するように、前記ユーザの身体に対して前記グラフィックの向きを合わせて前記物品を着用するように前記ユーザに指示する(例えば、上述したような方法で)ステップを含む。
【0040】
上述したように、使い捨て吸収性物品の着用を助けるか又は着用し易くするためのマーケティング、パッケージ及び方法に関する上述の独創的な形態は、第1及び第2のグラフィックを備える物品も含む。
【0041】
実施例
【0042】
(例1)
【0043】
16.9g/m(0.5オンス/スクエアヤード)の坪量を有する、不織布のメタロセン触媒ポリプロピレン・スパンボンドが、図2で図示するようなバックアップロール上を393.2m/分(1290フィート/分)のライン速度で給送されるようにした。Huntsman Polymer社(Houston, Texas)から市販されている商品番号RT2115のホットメルト接着剤をれんが状の塊にした。前記接着剤をれんが状の塊に形成する前に、前記接着剤に700パーツ・パー・ミリオン(ppm)の濃度でBASF社の染料Sudan Blue 670を加え、混ぜ合わせた。
【0044】
これらのれんが状の塊のホットメルト接着剤を加熱タンク内に配置し、188℃の温度まで加熱した。液化された青色の着色接着剤を、次に、容積型ポンプによって9.5グラム/分の体積流量で、188℃まで加熱されたホースを介してスロットコーティング塗布機(Nordson Corporation社(Dawsonville, Georgia)製)に送液した。ソレノイドバルブを用いて、バルブを開放位置と閉鎖位置の間で作動させ、前記青色の着色接着剤を前記塗布機及び関連するマウスピースを介して断続的に通過させた。前記マウスピースは、15ミリメートルの幅と0.15ミリメートルの高さを有する開口を伴っていた。前記バルブを開閉することによって、青色の長方形を、前記ポリプロピレンのウエブ上に断続的に堆積させた。前記マウスピースは、前記ウエブの平面に対して実質的に垂直にし、且つ接触させた。
【0045】
前記青色の長方形を、第2のウエブを取り付ける前に前記ポリプロピレンのウエブ上に形成し、前記青色の長方形が前記ウエブ同士の間に挟まれるようにした。従って、皮膚と前記青色の着色接着剤との接触は減少したか又はなくなった。これらのウエブを用いて、前記青色の長方形が使い捨て吸収性物品の後側部分上でウエスト開口部に近接して配置されるように最終的に使い捨て吸収性物品を組み立てた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨て吸収性物品であって、
前側部分と、
前記前側部分に取り付けられた後側部分と、
前記使い捨て吸収性物品上に配置され、ユーザが前記使い捨て吸収性物品の前記後側部分と前記前側部分を区別するための標識を表示するように適合された、着色されたホットメルト接着剤から成るグラフィックとを含むことを特徴とする物品。
【請求項2】
前記前側部分は、前記使い捨て吸収性物品の1つのウエスト開口部と2つの脚開口部とを画定するように前記後側部分に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記物品は、ウエストバンドを含み、
前記グラフィックは、前記ウエストバンドに近接した位置にて前記物品上に配置されることを特徴とする請求項2に記載の物品。
【請求項4】
前記ウエストバンドは、2つの不織布ウエブを含み、
前記グラフィックは、前記2つの不織布ウエブの間に配置されることを特徴とする請求項3に記載の物品。
【請求項5】
前記物品上に配置された、着色されたホットメルト接着剤から成る第2のグラフィックを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の物品。
【請求項6】
前記第2のグラフィックは、前記ウエスト開口部に近接し、前記物品の実質的に全周にわたって配置されたストライプを含むことを特徴とする請求項5に記載の物品。
【請求項7】
前記ウエスト開口部に近接し、前記物品の実質的に全周にわたって配置された複数のストライプを更に含むことを特徴とする請求項5に記載の物品。
【請求項8】
ユーザが使い捨て吸収性物品の前側部分と後側部分を区別するための標識を表示するように適合されたグラフィックを形成する方法であって、
不織布ウエブを供給するステップと、
前記ウエブ上に、着色されたホットメルト接着剤から成るグラフィックを配置するステップと、
前記グラフィックを含む前記ウエブを、前側部分及び後側部分を有する使い捨て吸収性物品に組み立てるステップと、
前記使い捨て吸収性物品を、注意書きを有するパッケージに入れるステップとを含み、
前記注意書きは、前記グラフィックにより、ユーザは前記使い捨て吸収性物品の前記後側部分と前記前側部分を区別できることをユーザに知らせることを特徴とする方法。
【請求項9】
着色されたホットメルト接着剤から成る第2のグラフィックを第2の不織布ウエブ上に配置するステップを更に含み、
前記第2の不織布ウエブは、前記グラフィックが配置された前記ウエブと同じ又は異なるものであり得ることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のグラフィックは、前記ウエスト開口部に近接した位置にて前記物品上に配置されたストライプを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ストライプは、前記ウエスト開口部の実質的に全周にわたって配置されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
使い捨て吸収性物品を着用し易くする方法であって、
前記使い捨て吸収性物品が、
前側部分と、
前記前側部分に取り付けられた後側部分と、
前記使い捨て吸収性物品上に配置され、ユーザが前記使い捨て吸収性物品の前記後側部分と前記前側部分を区別するための標識を表示するように適合された、着色されたホットメルト接着剤から成るグラフィックとを含み、
前記使い捨て吸収性物品をユーザの手で保持して位置決めするステップと、
前記物品の前記前側部分が前記ユーザの身体の前面に面し、前記物体の前記後側部分が前記ユーザの身体の後面に面するように、前記ユーザの身体に対して前記グラフィックの向きを合わせて前記物品を着用するように前記ユーザに指示するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
使い捨て吸収性物品であって、
前側部分と、
前記前側部分に取り付けられた後側部分と、
前記使い捨て吸収性物品上に配置され、ユーザが前記使い捨て吸収性物品の前記後側部分と前記前側部分を区別するための標識を表示するように適合された、着色フィルム又は着色不織布ウエブから成るグラフィックとを含むことを特徴とする物品。
【請求項14】
前記前側部分は、前記使い捨て吸収性物品の1つのウエスト開口部と2つの脚開口部を画定するように前記後側部分に取り付けられることを特徴とする請求項13に記載の物品。
【請求項15】
前記物品は、ウエストバンドを含み、
前記グラフィックは、前記ウエストバンドに近接した位置にて前記物品上に配置されることを特徴とする請求項13に記載の物品。
【請求項16】
前記ウエストバンドは、2つの不織布ウエブを含み、
前記グラフィックは、前記2つの不織布ウエブの間に配置されることを特徴とする請求項15に記載の物品。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【公表番号】特表2010−520002(P2010−520002A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552301(P2009−552301)
【出願日】平成20年1月14日(2008.1.14)
【国際出願番号】PCT/IB2008/050113
【国際公開番号】WO2008/107804
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】