説明

グリル付きシステムキッチン

【課題】グリルを備えていながら正面側のデザイン性を高めることができる、グリル付きシステムキッチンを提供する。
【解決手段】グリル5付き加熱調理部3を有し、グリル口5aが正面側に備えられたシステムキッチン1において、グリル付き加熱調理部3の正面側の全体を背後に隠す開閉可能な蓋6が備えられ、蓋6は、閉じた状態にすることによりグリル口5aを隠蔽し、開いた状態にすることによりグリル口5aを露出させるようになされており、かつ、蓋6の外面部は、システムキッチン1の正面側の収納等の他部8…の化粧面材9とデザイン的に統一のとられた化粧面材9で仕上げられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリル付きシステムキッチンに関する。
【背景技術】
【0002】
図2に示すように、国内で提供されているシステムキッチン51は、グリル付きの加熱調理部52を備えているのが一般的であり、グリル口53はシステムキッチン51の正面側に備えられており、また、調理操作部54もグリル口53を挟む両側に備えられ、グリル口53も調理操作部54もシステムキッチンの正面側の顔として存在している。
【特許文献1】特開平11−206485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、本発明者は、システムキッチンのデザイン性を構造的側面から高めていく調査と研究を進めていくなかで、海外のシステムキッチンのなかには、システムキッチンの加熱調理部や収納部等を含む正面側のすべてがデザイン的に統一のとられた化粧面材で仕上げられたものがあり、正面側がスッキリとしたデザインのシステムキッチンが提供されているのを知った。そして、調査を行ったところ、そのシステムキッチンには、グリルは備えられておらず、加熱調理操作部はキッチンの天面部に備えられていた。
【0004】
このような調査を背景に、発明者は、研究を重ねた結果、グリル付きのシステムキッチン51では、グリル口53の存在が、システムキッチン51の正面側のデザイン性を高める上での大きな障害となっている事実を突き止めるに至った。その一方で、他国のように、グリルをシステムキッチンからなくしてしまうことは、特に国内の場合には難しいという事情もある。
【0005】
本発明は、上記のような調査と研究に基づいてなされたもので、グリルを備えていながら正面側のデザイン性を高めることができる構造の、グリル付きシステムキッチンを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は、グリル付き加熱調理部を有し、グリル口が正面側に備えられたシステムキッチンにおいて、
前記グリル付き加熱調理部の正面側の全体を背後に隠す開閉可能な蓋が備えられ、該蓋は、閉じた状態にすることによりグリル口を隠蔽し、開いた状態にすることによりグリル口を露出させるようになされており、かつ、
該蓋の外面部は、システムキッチン正面側の収納等の他部の化粧面材とデザイン的に統一のとられた化粧面材で仕上げられていることを特徴とするグリル付きシステムキッチンによって解決される。
【0007】

このシステムキッチンによれば、グリル付き加熱調理部の正面側全体を背後に隠す開閉可能な蓋が備えられ、該蓋は、閉じた状態にすることによりグリル口を隠蔽するようになされており、該蓋の外面部は、システムキッチン正面側の収納等の他部の化粧面材とデザイン的に統一のとられた化粧面材で仕上げられているので、グリル口が、システムキッチンの正面側のデザイン性を高める上での障害にならず、システムキッチンの正面側のデザイン性を高めることができる。なお、「正面側」とは、グリル口のある側をいう。
【0008】
しかも、蓋は、開いた状態にすることによりグリル口を露出させるようになされているので、蓋を開くことにより、一般的なグリル付きシステムキッチンと同様にグリルを使用した調理を行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明グリル付きシステムキッチンは、以上のとおりのものであるから、グリルを備えていながら正面側のデザイン性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明の実施最良形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1に示す実施形態のシステムキッチン1において、2はシンク、3は加熱調理部であり、加熱調理部3は、天面側のコンロ部4と、その下部に組み込まれたグリル部5とで構成され、加熱調理部3の正面側には蓋6が備えられ、該蓋6は、図1(ロ)(ハ)に示すように、プルダウン方式で開閉するようになされていて、開いた状態にすることによりグリル口5aを露出させ、閉じた状態にすることによりグリル口5aを背後にして加熱調理部3の正面側の全体を隠蔽するようになされている。本実施形態では、蓋6は、1/4円弧状をしていて、中央部が切り欠かれており、開いた状態で、グリル口5aを通じて正面側から調理物の出し入れを行うことができるようになされていると共に、中央切欠き部の両側の円弧面部には、加熱調理操作部7が設けられていて、蓋6を開いて加熱調理操作部7を操作することにより、天面側のコンロ部4やグリル5での加熱調理を行うことができるようになされている。
【0012】
そして、閉じた状態における蓋6の外面部は、システムキッチン1の正面側の収納等の他部8…の化粧面材9…とデザイン的に統一のとられた化粧面材9で仕上げられている。なお、デザイン的な統一性は、蓋6の化粧面材9を収納…等の他部8の化粧面材9…と色彩、光沢等において同じデザインにする場合のほか、収納等の他部8…の化粧面材9…との組み合わせにおいて一つのデザインを構成するものであってもよいし、全体としてまとまりのある統一性のとられたデザイン構成が採用されたものであればよい。
【0013】
このように、従来なら、グリル付きシステムキッチンにおいてグリルがシステムキッチンの正面側に常に露出していたがゆえに、システムキッチンの正面側全体のデザイン設計がグリルの存在によって妨げられていたところを、本発明では、加熱調理部3の正面側全体を隠蔽する蓋6を設け、蓋6の外面部を化粧面材で仕上げる構成にすることにより、システムキッチン1の正面側をデザイン性の高いものに仕上げることができるようになり、システムキッチン1の正面側についてのデザイン設計の幅を広くすることができる。
【0014】
しかも、蓋6は、開いた状態にすることによりグリル口5aを正面側に露出させることができるようになされているので、蓋6を開くことにより、従来の一般的なグリル付きシステムキッチンと同様にグリルを使用した調理を行うことができる。
【0015】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、加熱調理操作部7が蓋6に備えられている場合を示しているが、加熱調理操作部は、加熱調理部3の正面側に備えられて蓋で隠蔽されるようになされていてもよいし、加熱調理部3の天面側に備えられていてもよい。また、グリル部5での調理は、上記の化粧蓋6をグリル口5a用の蓋として用いるようになされていてもよいが、好ましくは、グリル口5a用の透明蓋の外側に上記の化粧蓋6を備えさせ、グリルを用いた調理中、化粧蓋6は開き、透明蓋は閉じた状態にし、透明蓋を通じてグリル部5内の調理物の状態を見ながら、グリル調理をすることができるようになされているとよい。また、蓋6は、プルダウン方式のほか、スライドシャッター式、着脱式等の各種式によって加熱調理部3の正面側を開閉するようになされたものであってよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態のグリル付きシステムキッチンを示すもので、図(イ)は全体正面図、図(ロ)は同システムキッチンの加熱調理部を示すもので、蓋が閉じられた状態の斜視図、図(ハ)は蓋が開かれた状態の斜視図である。
【図2】従来のシステムキッチンを示すもので、図(イ)は全体正面図、図(ロ)は同システムキッチンの加熱調理部を示す正面図である。
【符号の説明】
【0017】
1…グリル付きシステムキッチン
3…加熱調理部
5…グリル部
5a…グリル口
6…蓋
8…収納等の他部
9…化粧面材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリル付き加熱調理部を有し、グリル口が正面側に備えられたシステムキッチンにおいて、
前記グリル付き加熱調理部の正面側の全体を背後に隠す開閉可能な蓋が備えられ、該蓋は、閉じた状態にすることによりグリル口を隠蔽し、開いた状態にすることによりグリル口を露出させるようになされており、かつ、
該蓋の外面部は、システムキッチン正面側の収納等の他部の化粧面材とデザイン的に統一のとられた化粧面材で仕上げられていることを特徴とするグリル付きシステムキッチン。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−255038(P2006−255038A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−74146(P2005−74146)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(390037154)大和ハウス工業株式会社 (946)
【Fターム(参考)】