説明

グルタミン酸−N,N−アセト酢酸(GLDA)又はその誘導体を含む、吸湿性が十分に低い固体を製造する方法

本発明は、グルタミン酸−N,N−アセト酢酸及び/又はその誘導体及び/又は塩を含む、吸湿性が十分に低い固体、及びその製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
グルタミン酸−N,N−アセト酢酸(GLDA)及びその塩及び/又は誘導体は、アルカリ土類金属イオン及び重金属イオンのための錯化剤として、非常に広い用途の技術分野で非常に興味を有るものである。
【0002】
(例えば洗剤及びクリーナーに使用される)アルカリ土類金属イオン及び重金属イオンのための錯化剤は、通常、水溶液内で合成される。所定の用途のために、これらは固体状態であることが要求される。
【0003】
溶液から固体を製造するための所定の方法は、特に、結晶化及びスプレー乾燥法である。(例えば蒸発による又は冷却結晶化法の間に製造されるような)結晶性固体は、結晶化の水を含むことができ、そして環境の条件下に、最も多くの場合、アモルファス固体(非結晶質固体)よりも吸湿性が低く、そして保管安定性が良好であることが公知である。一方、スプレー乾燥法を使用して(例えば、スプレータワー内で、又はスプレー流動床内で)、固体はアモルファス状態で得られる。この状態では、固体はしばしば吸湿性が高く、そして周囲条件下での開放した保管では、流動性能(ability to be poured)が短時間で失われる。その結果、スプレー粉の保管安定性を増す手段が、文献に記載されており、例えば、洗剤のための材料のコンパクション又は安息香酸を使用した後処理が特許文献1(US3932316)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】US3932316
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、グルタミン酸−N,N−アセト酢酸(GLDA)及び/又はその塩及び/又は誘導体を含み、及び好ましくは加工と適用のために吸湿性が十分に低い固体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、好ましくは、例えば加工と適用のために十分な吸湿性を有する固体であって、以下の成分
a.グルタミン酸−N,N−アセト酢酸(GLDA)及び/又はその塩及び/又は誘導体(特に、グルタミン酸−N,N−アセト酢酸(GLDA)及び/又はその塩)を含むコア、及び
b.一般式I
【0007】
【化1】


の化合物(又は2種以上の異なる化合物)を含む被覆物、
を含み、
ここで、式Iにおいて、
Rが、C−〜C30−アルキル又はC−〜C30−アルケニルであって、追加的に置換基として5個以下のヒドロキシル基、ホルミル基、C〜C−アルコキシ基、フェノキシ基又はC−〜C−アルコキシカルボニル基を有し、及び5個以下の非隣接酸素原子によって遮断されていても良いもの、式
−(CH−O−(AO)−(AO)−Y
(但し、
及びAが、相互に独立して、2〜4個の炭素原子を有する1,2−アルキレン基であり、
Yが、水素、C−〜C12−アルキル、フェニル又はC−〜C−アルコキシカルボニルであり、及び
kが、1、2又は3の数であり、及び
m及びnが、それぞれ互いに独立して、0〜50の数であり、そしてm+nの合計が少なくとも4である)
のアルコキシレート基、アルキル内に1〜20個の炭素原子を有するフェニルアルキル基、窒素、酸素及び硫黄からの3個以下のヘテロ原子を有し、追加的にベンゾ−縮合が可能な、5−又は6−員の不飽和の又は飽和の複素環であり、
ここで、Rについての意味において特定される、全てのフェニル環及び複素環が、追加的に、置換基として、3個以下のC−〜C−アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基及び/又はC−〜C−アルコキシカルボニル基を有していても良く、又は
Rが、式
【0008】
【化2】

【0009】
(但し、
Aが、C−〜C12−アルキレンブリッジ又は化学結合であり、及び
各Mが、相互に独立して、対応する化学量論量における、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は置換されたアンモニウム(例えば、有機アミン塩)である)(特に、各Mが、互いに独立して、対応する化学量論量における、水素、アルカリ金属、アンモニウム、又は置換されたアンモニウム(例えば、有機アミン塩)である)
の基である、固体に関する。
【0010】
本発明は、グルタミン酸−N,N−アセト酢酸(GLDA)及び/又はその塩及び/又はその誘導体(特にグルタミン酸−N,N−アセト酢酸(GLDA)及び/又はその塩)を含む(又は、から成る)固体が種として最初に導入され、そして式Iの少なくとも1種の化合物と一緒にスプレー造粒又は(好ましくは、流動床装置内で)被覆することを特徴とする本発明に従う固体を製造する方法にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
コア材料(該コア材料は、グルタミン酸−N,N−アセト酢酸(GLDA)及び/又はその塩及び/又はその誘導体を含む)が粉として使用された場合、この粉は、スプレー造粒の間、上記粒子が被覆材料によって被覆される前に、好ましくは最初に、被覆材料(該被覆材料は一般式Iの化合物を含む)で塗りつけられて、より大きな粒子が形成される(造粒)。コア材料が最初に比較的大きい顆粒の状態で導入される場合、これらの顆粒は、スプレー造粒の間、好ましくは、被覆材料で直接的に被覆される(被覆)。
【0012】
好ましくは、グルタミン酸−N,N−アセト酢酸(GLDA)及び/又は塩は、式(II)
OOC−(CH−CH(COOM)−N(CHCOOM (II)
(但し、Mが、水素、アンモニウム、又はアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)及び/又は有機アミン(有機アミン塩)である)
の化合物である。特に好ましくは、そのL−フォームが好ましい。更に、ナトリウム塩が好ましい。
【0013】
DE19649681に記載されている式Iの化合物が特に好ましい。
【0014】
本発明の方法のために、コア材料の粉及び/又は顆粒は、最初の投入(種)として、それ自体は通常の態様で、それ自体は公知の装置(好ましくは、流動床スプレー−造粒装置、例えばGlattからのAGT400typeのもの)に導入され、そして流動化される。ここで、30μm〜300μm(特に50μm〜200μm)の粒子径が、造粒のために好ましく、及び200μm〜1000μm(特に300μm〜1000μm)の粒子径が、被覆のために好ましい。
【0015】
コア材料(GLDAを含む材料)は乾燥した材料であることが好ましく、すなわち、特に、コア材料は、水分含有量が10%未満(特に5%未満)であることが好ましい。
【0016】
好ましくは、コア材料(GLDAを含む材料)は、結晶化、スプレー乾燥、又は流動床造粒によって、それ自体は通常の態様で製造される。
【0017】
種は、流動床中に浮遊状態(流動化)に保持され、そして(式Iの化合物を少なくとも1種含む)霧化された液滴の層状乾燥のための表面を形成する。このようにして形成された粒子は、製造の間、造粒を経て、(例えば、粒子径を自由に調整して、乾燥運転を中断することなく、フレキシブルな態様での分級排出を通って)乾燥空間から連続的に除去することができる。純粋な被覆を使用した製造の場合、バッチ運転が好ましい。
【0018】
スプレー造粒法について、例えば、H.Uhlemann,L.Morl,“Wirbelschicht−Spruhgranulation[Fluidized−bed−spray−granulation]”Springer−Verlag2000(ISBN3−540−66985−X)が参照される。
【0019】
本発明の方法では、グルタミン酸−N,N−アセト酢酸(GLDA)及び/又はその塩及び/又はその誘導体を含む固体が、種として最初に導入され、そして次に、それ自体は公知の方法で、式Iの少なくとも1種の化合物を使用したスプレー造粒/被覆が行われるもので、ここで式Iの少なくとも1種の化合物は、溶液中(特に水溶液、好ましくは約35〜43%濃度(strength)、特に好ましくは約35〜42%濃度、特に約40%濃度)に存在することが好ましい。
【0020】
好ましくは、以下のパラメーターを使用したスプレー−造粒/被覆が行われる:
好ましい導入空気温度:90〜160℃、
好ましい生成物温度:50〜120℃、
好ましい排出空気温度:40〜110℃、
好ましい供給物温度:40〜100℃。
【0021】
本発明に従う方法で、例えば液体原材料(例えば、35〜43%濃度、好ましくは35〜42%濃度、特に40%濃度の、式Iの化合物の水溶液)が、熱い空気の流れ中で流動化している種(該種は、グルタミン酸−N,N−アセト酢酸(GLDA)及び/又はその塩及び/又はその誘導体を含む)にスプレーされ、その結果乾燥され、そして種が被覆されるか、又は造粒されそして次に被覆される。
【0022】
流動床装置は、好ましくは例えば、サイクロン及び/又はフィルター及び/又は洗浄装置を備えた流動床スプレー−造粒機である。
【0023】
ここで、固体は、非−吸湿性と称されるか、又は吸湿性が十分に低いもので、そして標準周囲条件、例えば25℃、及び相対大気湿度が76%での開放された保管において、少なくとも1日、好ましくは1週間の期間にわたり、(好ましくは自由流の)粉又は顆粒として、その一貫性を保つものである。
【0024】
本発明に従う固体のコアは、グルタミン酸−N,N−アセト酢酸(GLDA)及び/又はその塩及び/又はその誘導体、好ましくは一般式(II):
OOC−(CH−CH(COOM)−N(CHCOOM (II)
(但し、Mが、水素、アンモニウム、有機アミン、又はアルカリ金属(好ましくはナトリウム)である)
の化合物を含む。特に好ましくは、コアは、L−グルタミン酸−N,N−アセト酢酸テトラナトリウム塩(CNONa、例えば、CAS No.:51981−21−6)を含む。好ましくはコア材料は、Akzo NobelからのDissolvine(登録商標)GLを含む。
【0025】
コアは、任意に、アルカリ土類金属イオン及び/又は重金属イオンのための1種以上の更なる錯化剤、例えばポリマー、例えばポリアクリレート、又はスルホン化ポリマー(例えば、スルホン化されたマルチポリマー、例えば、Room and Haas(Dow)からのAcusol588)、又はエチレンジアミン四酢酸(EDTA、例えばAkzo NobelからのDissolvine NA)、特にテトラナトリウム塩を含むことができる。
【0026】
コアは、特に好ましくは、GLDA顆粒、又は共顆粒(すなわち、GLDAの造粒を単純化する助剤、例えばポリカルボキシレートを有する顆粒)を含む。
【0027】
本発明において、GLDAという記載は、グルタミン酸−N,N−アセト酢酸(glutamic acid-N,N-diacetic acid;グルタミン酸−N,N−二酢酸)、又はここに記載される塩の一種(例えばテトラナトリウム塩)を意味する。
【0028】
本発明に従い製造される固体は、被覆物として、好ましくは基本的に、式Iの化合物を含む。ここで、式Iの化合物の製造からの、少量の出発材料及び/又は副生成物が、追加的に存在しても良い。使用する合成方法に依存して、化合物Iの通常の純度は、それぞれ固体含有量に対して、70〜99.9質量%、特に80〜99.5質量%である。
【0029】
本発明のために、式Iの化合物(但し、Rが、C−〜C20−アルキル、C−〜C20−アルケニル、又は以下の式
【0030】
【化3】


の基である)が特に適切である。
【0031】
式Iの化合物として、特に好ましくは、α−アラニン−N,N−アセト酢酸(R=CH、MGDA)及びその塩を使用することが好ましい。例えば、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び置換されたアンモニウム塩を使用することが好ましい。
【0032】
このような塩として適切なものは、主としてナトリウム、カリウム、及びアンモニウム塩、特に3ナトリウム、3カリウム、及び3アンモニウム塩、及び3級窒素原子(tertiary nitrogen atom)を有する有機3アミン塩である。有機アミン塩が基礎をなす適切な塩基は、特に、第3級アミン、例えばアルキル中に1〜4個の炭素原子を有するトリアルキルアミン、例えばトリメチル−及びトリエチルアミン、及びトリアルカノールアミンで、2又は3個の炭素原子をアルカノール基内に有するもの、好ましくはトリエタノールアミン、トリ−n−プロパノールアミン、又はトリイソプロパノールアミンである。
【0033】
使用されるアルカリ土類金属塩は、特にカルシウム及びマグネシウム塩である。
【0034】
メチルの他に、直鎖状又は枝分かれしたアルキレン基(alk(en)yl radical)のために適切なものは、特に、C−〜C17−アルキル及び−アルケニルで、ここで特に、飽和又は不飽和の脂肪酸から誘導される直鎖状基が適切である。
【0035】
個々の基Rの例は:エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、セク−ブチル−、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、3−ヘプチル(2−エチルヘキサノン酸から誘導されるもの)、n−オクチル、イソオクチル(イソノナン酸から誘導されるもの)、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、イソドデシル(イソトリデカノン酸から誘導されるもの)、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−エイコシル、及びn−ヘプタデセニル(オレイン酸から誘導されるもの)である。Rのために、混合物も可能であり、特に、天然由来の脂肪酸から誘導されるものと、合成して(例えばオキソ合成によって)製造される工業銘柄の酸から誘導されるものの混合物も可能である。
【0036】
−〜C12−アルキレンブリッジAは、特に、式(CH2)(ここでkは、2〜12の数、特に2〜8の数である)のポリメチレン基、すなわち1,2−エチレン、1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、及びドデカメチレンである。ここで、ヘキサメチレン、オクタメチレン、1,2−エチレン、及び1,4−ブチレンが特に好ましい。更に、しかしながら、枝分れしたC−〜C12−アルキレン基も可能であり、例えば−CHCH(CH)CH−、−CHC(CHCH−、−CHCH(C)−、又は−CHCH(CH)−も可能である。
【0037】
−〜C30−アルキル及びC−〜C30−アルケニル基は、(特定のタイプの、及び5つ以下、特に3つ以下の非隣接の酸素原子で遮断された)5つ以下、特に3つ以下の追加的な置換基を有することができる。このような置換されたアルケニル基(alk(en)yl group)は、−CHOH、−CHCHOH、−CHCH−O−CH、−CHCH−O−CHCH−O−CH、−CH−O−CHCH、−CH−O−CHCH−OH、−CH−CHO、−CH−OPh、−CH−COOCH、又は−CHCH−COOCHである。
【0038】
適切なアルコキシ(レート)基は、特に、m及びnが、各場合において、互いに独立して、0〜30の数、特に0〜15の数のものである。AO及びAOは、好ましくは、ブチレンオキシドから誘導される基、及び特に、プロピレンオキシドから誘導される基、及びエチレンオキシドから誘導される基である。特に興味のあるものは、純粋なエトキシレート及び純粋なプロポキシレートであり、しかしエチレンオキシド−プロピレンオキシドブロック構造も考えられる。
【0039】
適切な5員−又は6員の不飽和の、又は飽和した、窒素、酸素及び硫黄からの3つ以下のヘテロ原子を有し、追加的にベンゾ縮合されることが可能で、及び上記に指定した基で置換されることができる複素環は、例えば:テトラヒドロフラン、フラン、テトラヒドロチオフェン、チオフェン、2,5−ジメチルチオフェン、ピロリジン、ピロリン、ピロール、イソキサゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、イミダゾリン、イミダゾール、1,2,3−トリアゾリジン、1,2,3−及び1,2,4−トリアゾール、1,2,3−、1,2,4−及び1,2,5−オキサジアゾール、テトラヒドロフラン、ジヒドロフラン、2H−及び4H−ピラン、ピペリジン、1,3−及び1,4−ジオキサン、モルホリン、ピラザン、ピリジン、α−、β−及びγ−ピコリン、α−及びγ−ピペリドン、ピペリジン、ピリダジン、ピラジン、1,2,5−オキサチアジン、1,3,5−、1,2,3−及び1,2,4−トリアジン、ベンゾフラン、チオネフテン、インドリン、インドール、イソインドリン、ベンゾキサゾール、インダゾール、ベンズイミダゾール、クロマン、イソクロマン、2H−及び4H−クロマン、キノリン、イソキノリン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン及びベンゾ−1,2,3−トリアジンである。
【0040】
特定の複素環中のN−H基は、例えば、N−アルキル基(例えば、1〜12個の炭素原子を有する)として、可能な限り誘導された状態で存在するべきである。
【0041】
フェニル環又は複素環上で置換する場合、好ましくは2つ(同一又は異なる)、又は特に1つの置換基が現れる。
【0042】
Rについて、任意に置換されたフェニルアルキル基、及び複素環を有するアルキル基の例は、ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、o−、m−、又はp−ヒドロキシルベンジル、o−、m−、又はp−カルボキシルベンジル、o−、m−、又はp−スルホベンジル、o−、m−、又はp−メトキシ又は−エトキシカルボニルベンジル、2−フリルメチル、N−メチルピペリジン−4−イルメチル、又は2−,3−又は4−ピリジニルメチルである。
【0043】
フェニル環及び複素環の置換のために、水溶化基、例えばヒドロキシル基、カルボキシル基、又はスルホ基を使用することが好ましい。特定のC−〜C−、C−〜C12−及びC−〜C20−アルキル基の例は、Rについて上述した対応する基を意味するとも理解される。
【0044】
本発明に従う固体は、固体洗剤及びクリーナー処方物のための(特定の度合での)成分として適切である。そして、アルカリ土類金属イオン及び重金属イオンのための錯化剤として、本発明に従う固体を、この目的のために通常の量で含み、及びこのような処方物の他の通常の成分を含む固体洗剤及びクリーナー処方物も本発明によって提供される。このような固体洗剤及びクリーナー処方物の組成及び通常の成分は、この技術分野の当業者にとって公知であり、及び従って、更に詳細に説明する必要はないものである。
【0045】
以下に実施例を使用して、本発明をより詳細に説明する。使用したグリシン−N,N−アセト酢酸誘導体Iは、α−アラニン−N,N−アセト酢酸(メチルグリシン−N,N−アセト酢酸、“MGDA”)3ナトリウム塩であった。
【0046】
実施例
サイクロン、フィルター及び洗浄装置を備えたパイロット流動床スプレー−造粒装置(Glattからのmodel AGT400)を使用して以下の工程を行った。
【0047】
実施例1
GLDAの顆粒を、Trilon M液(BASF)で被覆することが、この実験の目的の一つであった。目標とする顆粒サイズは、200〜1000μmであった。
【0048】
実験手順及び結果
Trilon M液を90〜95℃に加熱し、そしてGLDA顆粒の最初の投入物上にスプレーした。これにより、顆粒を、所望の粒子スペクトル中に得た。1000μm篩の上で、オーバーサイズの部分を篩い除去した。
【0049】
以下の処理パラメーターで、被覆を安定して行うことができた:
導入空気温度 140℃
導入空気量:1400m/h
生成物温度 100〜104℃
排出空気温度:98〜101℃
スプレー圧:2.0バール
スプレー速度:約350〜450g/min
保管容器:90℃
上述した処理パラメーターを確立した後、安定した処理を達成することができた。
【0050】
次の1000μm上での保護篩を使用して、15.9kgの顆粒を分離した。オーバーサイズ部分の量は、6.0kgであった。
【0051】
実施例2
この実験の目的は、GLDAとポリマー(ホモポリマー Sokalan PA 30 CL(BASF))の共−顆粒を、Trilon M液で被覆することであった。被覆された顆粒の目標とする顆粒サイズ:200〜1000μm。
【0052】
10kgのTrilon M液を、90〜95℃に加熱し、そして共−顆粒の初期投入(15kg)にスプレーした。これにより、顆粒が所望の顆粒スペクトル内に得られた。オーバーサイズ部分を1000μm篩上で篩分けした。
【0053】
以下の処理パラメーターで、被覆を安定して行うことができた:
導入空気温度 130〜140℃
導入空気量:1200m/h
生成物温度 104〜106℃
排出空気温度:100〜102℃
スプレー圧:2.0バール
スプレー速度:約100〜150g/min
保管容器:95℃
以下の試料の量を準備した。
【0054】
17.0kgの顆粒(1000μm上で篩分)。オーバーサイズ部分は、5.1kgであった。
【0055】
上述した処理パラメーターを確立した後、安定した処理を達成することができた。
【0056】
実施例3
この実験の目的は、GLDAとポリマー(ホモポリマー Sokalan PA 30 CL(BASF))の共−顆粒を、Trilon M液で被覆することであった。被覆された顆粒の目標とする顆粒サイズ:200〜1000μm。
【0057】
20kgのTrilon M液を、90〜95℃に加熱し、そして共−顆粒の初期投入(15kg)にスプレーした。これにより、顆粒が所望の顆粒スペクトル内に得られた。オーバーサイズ部分を1000μm篩上で篩分けした。
【0058】
以下の処理パラメーターで、被覆を安定して行うことができた:
導入空気温度 130〜140℃
導入空気量:1200m/h
生成物温度 104〜106℃
排出空気温度:100〜102℃
スプレー圧:2.0バール
スプレー速度:約100〜150g/min
保管容器:95℃
【0059】
以下の試料の量を準備した。
20.3kgの顆粒(1000μm上で篩分)。オーバーサイズ部分は、5.2kgであった。
【0060】
上述した処理パラメーターを確立した後、安定した処理を達成することができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体であって、以下の成分、
a.グルタミン酸−N,N−アセト酢酸及び/又はその塩及び/又は誘導体を含むコア、及び
b.一般式I
【化1】


の化合物を含む被覆物、
を含み、
ここで、一般式Iにおいて、
Rが、C−〜C30−アルキル又はC−〜C30−アルケニルであって、追加的に置換基として5個以下のヒドロキシル基、ホルミル基、C〜C−アルコキシ基、フェノキシ基、又はC−〜C−アルコキシカルボニル基を有し、及び5個以下の非隣接酸素原子によって遮断されていても良いもの、式
−(CH−O−(AO)−(AO)−Y
(但し、
及びAが、相互に独立して、2〜4個の炭素原子を有する1,2−アルキレン基であり、
Yが、水素、C−〜C12−アルキル、フェニル又はC−〜C−アルコキシカルボニルであり、及び
kが、1、2又は3の数であり、及び
m及びnが、それぞれ互いに独立して、0〜50の数であり、そしてm+nの合計が少なくとも4である)
のアルコキシレート基、アルキル内に1〜20個の炭素原子を有するフェニルアルキル基、窒素、酸素及び硫黄からの3つ以下のヘテロ原子を有し、追加的にベンゾ−縮合が可能な、5−又は6−員の不飽和の又は飽和の複素環であり、
ここで、Rについての意味において特定される、全てのフェニル環及び複素環が、追加的に、置換基として、3つ以下のC−〜C−アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基及び/又はC−〜C−アルコキシカルボニル基を有していても良く、又は
Rが、式
【化2】


(但し、
Aが、C−〜C12−アルキレンブリッジ又は化学結合であり、及び
各Mが、相互に独立して、対応する化学量論量における、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は置換されたアンモニウム(例えば、有機アミン塩)である)
の基である、ことを特徴とする固体。
【請求項2】
Rが、C−〜C20−アルキル、C−〜C20−アルケニル、又は式
【化3】


の基であることを特徴とする請求項1に記載の固体。
【請求項3】
被覆物が、基本的に、α−アラニン−N,N−アセト酢酸(MGDA)又はそのアルカリ性金属、アンモニウム又は置換されたアミン塩から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体。
【請求項4】
グルタミン酸−N,N−アセト酢酸(GLDA)及び/又は塩又は誘導体が式(II) MOOC−(CH−CH(COOM)−N(CHCOOM (II)
(但し、Mが、水素、アンモニウム及び/又はアルカリ金属又は有機アミンである)
の化合物であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の固体。
【請求項5】
グルタミン酸−N,N−アセト酢酸(GLDA)及び/又はその誘導体及び/又はその塩を含む固体が種として最初に導入され、そして式Iの少なくとも1種の化合物と一緒にスプレー造粒することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の固体を製造する方法。
【請求項6】
式Iの化合物の水溶液が、スプレー造粒のために使用されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
アルカリ土類金属イオン及び重金属イオンの錯化剤としての、請求項1〜4の何れか1項に記載の固体を含む固体洗浄剤、又はクリーナー処方物。

【公表番号】特表2013−516502(P2013−516502A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546388(P2012−546388)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007946
【国際公開番号】WO2011/079940
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】