説明

グロメット及びパレット

【課題】パレットにおけるRFIDタグの付け外しといったメンテナンスが容易であると共に、RFIDタグの損傷を防止可能なパレット用のグロメット及びパレットを提供する。
【解決手段】荷物の輸送・保管に用いるパレットに装着されるグロメット1は、RFIDタグ20を備える。これにより、グロメット1の付け外により、RFIDタグ20の付け外しといったメンテナンスを容易に行える。また、RFIDタグ20は、グロメット1に備えられており、さらに、RFIDタグ20を備えたグロメット1がパレットのデッキボードに嵌め込まれるので、フォークリフトのフォークによるRFIDタグ20の破損が防止される。さらに、グロメット1の付け外しは、パレットの管理者以外のパレット使用者には困難であるので、パレット管理者以外の者によりRFIDタグ20が外されることが防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物の輸送・保管に用いるパレットに装着されるパレット用のグロメット、及びパレットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
種々の業種における荷物の輸送にパレットが用いられている。近年、パレットにRFIDタグを取り付けることにより、パレットの流通管理が行われている。例えば、特許文献1には、フォークリフトのフォークを挿入するための挿入口にRFIDタグが設けられたパレットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−240955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フォークの挿入口といった箇所にRFIDタグが取り付けられていると、パレットを運搬する際にフォークによりRFIDタグを損傷する可能性がある。また、RFIDタグが取り付けられたパレットは、RFIDタグの付け外しといったメンテナンスが容易であることが好ましい。一方、RFIDタグが容易に視認可能な位置に取り付けられていると、パレットの管理者以外の使用者により故意又は無意識にRFIDタグが外されてしまう可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、パレットにおけるRFIDタグの付け外しといったメンテナンスが容易であると共に、RFIDタグの損傷を防止可能なパレット用のグロメット及びパレットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一般的なグロメットは、略柱形状を有すると共に、樹脂等により構成される物であり、パレットのデッキボードに設けられた孔に嵌め込まれて使用される。グロメットの上面は、デッキボードの荷物を載せるための主面に沿うように位置している。これにより、パレットに載せられる荷物の滑りを防止することができる。また、グロメットの下面は、デッキボードの主面に対向する裏面に沿うように位置すると共に、パレットにおけるフォークの挿入孔に露出している。これにより、フォークの滑りを防止することができる。
【0007】
本発明のグロメットは、荷物の輸送・保管に用いるパレットに装着されるパレット用のグロメットであって、RFIDタグを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明のグロメットによれば、RFIDタグがグロメットに備えられているので、パレットにグロメットを付けたり外したりすることにより、RFIDタグの付け外しといったメンテナンスを容易に行うことができる。また、RFIDタグは直接にパレットに装着されるのではなく、グロメットに備えられており、RFIDタグを備えたグロメットがデッキボードに嵌め込まれるので、フォークがRFIDタグに直接に接触することがなく、フォークによるRFIDタグの破損が防止される。さらに、グロメットの付け外しは、パレットの管理者以外のパレット使用者には困難であるので、パレット管理者以外の者によりRFIDタグが外されてしまうことが防止される。
【0009】
また、本発明のグロメットは、略柱形状を有し、RFIDタグは、フィルム状に形成されると共に、グロメットの軸線周りの少なくとも一部を囲むように設けられていることを特徴とする。
【0010】
この場合には、RFIDタグを構成するICチップ及びアンテナがフィルム状に形成されているので、RFIDタグの製造及びグロメットへの装着が容易である。また、フィルム状のRFIDタグがグロメットの軸線を囲むように設けられているので、RFIDタグのアンテナが軸線回りに沿って各方向を向くこととなる。従って、RFIDリーダから発せられる電波の受信が容易となる。
【0011】
また、本発明のグロメットは、略柱形状を有し、RFIDタグは、棒状に形成されると共に、グロメットの軸線に沿って螺旋状に設けられていることを特徴とする。
【0012】
この場合には、RFIDタグを構成するICチップ及びアンテナが棒状に形成されているので、RFIDタグの製造及びグロメットへの装着が容易である。また、棒状のRFIDタグがグロメットの軸線に沿って螺旋状に設けられているので、RFIDタグのアンテナが軸線回りの各方向を向くこととなる。従って、RFIDリーダから発せられる電波の受信が容易となる。
【0013】
また、本発明のグロメットでは、RFIDタグは、グロメットの側面上に設けられていることを特徴とする。この場合には、RFIDタグをグロメットに容易に装着できるので、グロメットの製造が容易である。
【0014】
また、本発明のグロメットでは、RFIDタグは、グロメットの側面に囲まれた領域に内蔵されて設けられていることを特徴とする。この場合には、RFIDタグがグロメットの表面に露出しないので、パレットに何らかの衝撃が加えられた場合であっても、その衝撃がグロメットにより緩和され、RFIDタグの損傷が防止される。
【0015】
本発明のパレットは、荷物を載せるための主面を有する一対のデッキボードを含むパレットであって、上記のグロメットをデッキボードに少なくとも1つ備え、RFIDタグは、当該パレットを識別するための情報を記憶していることを特徴とする。
【0016】
この場合には、RFIDタグが備えられたグロメットがパレットのデッキボードに備えられるので、RFIDタグに記憶された情報により当該パレットを識別することができる。
【0017】
本発明のパレットでは、グロメットをデッキボードに複数備え、複数のグロメットが備える各々のRFIDタグは、同一の情報を記憶していることを特徴とする。この場合には、RFIDリーダのよるデータの読み取りエラー率が低減される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、パレットにおけるRFIDタグの付け外しといったメンテナンスが容易であると共に、RFIDタグの損傷を防止可能なパレット用のグロメット及びパレットを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】一般的なグロメットの斜視図、上面図及び側面図である。
【図2】一般的なパレットの斜視図である。
【図3】一般的なパレットの上面図及び側面図である。
【図4】図2におけるIV−IV矢視の一部を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係るグロメットを示す側面図である。
【図6】第2の実施形態に係るグロメットを示す側面図である。
【図7】第3の実施形態に係るグロメットを示す側面図及び上面図である。
【図8】第4の実施形態に係るグロメットを示す側面図及び上面図である。
【図9】実施形態に係るパレットの上面図である。
【図10】略角柱形状を有するグロメットの例を示す斜視図である。
【図11】略角柱形状を有するグロメットの例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明に係るグロメットの実施形態について詳細に説明する。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
【0021】
まず、本実施形態のグロメットの説明に先立って、図1〜図4を参照して、一般的なグロメット、及び荷物の輸送・保管に用いるパレットを説明する。図1(a)、(b)及び(c)はそれぞれ、一般的なグロメット100の斜視図、上面図及び側面図である。
パレットに載せられる荷物やフォークリフトのフォークの滑りを防止するために、パレットに装着されて使用される部材であり、例えば樹脂といった材料により構成されている。グロメット100は、図1に示すように、上面110から下面111に向かうに従い径が小さくなるような略円柱形状を有し、上面110近傍部分及び下面111近傍部分は、その他の部分よりも太くなっている。また、グロメット100には、軸線に沿うように、内側面113により形成され上面110から下面111に至る貫通孔が設けられている。
【0022】
図2は、一般的なパレット130の斜視図である。また、図3(a)及び(b)は、パレット130の上面図及び側面図である。なお、図3(b)の側面図は、パレットにおけるフォークの差込方向(図3(a)下側)から見た側面図である。
【0023】
パレット130は、図2及び図3に示すように、荷物を載せるための略正方形の主面131Aを有するデッキボード131、パレット130における下面を構成するデッキボード132、及びデッキボード131,132の間に設けられた桁部134を有する。
【0024】
また、パレット130は、フォークリフトのフォークを挿入するためのフォーク孔135を有する。フォーク孔135は、デッキボード131,132及び互いに対向する桁部134に囲まれた空間として形成されている。
【0025】
また、デッキボード131には、グロメットを装着するためのグロメット孔133が設けられている。図2及び図3に示すパレット130は、8つのグロメット孔133を有する。グロメット孔133は、デッキボード131の主面131Aから裏面131Bまで貫通しており、フォーク孔135に対応する位置に設けられている。
【0026】
図4は、図2におけるIV−IV矢視の一部を示す図であり、グロメット100がパレット130のグロメット孔133に装着された状態を示している。図4に示すように、グロメット100は、パレット130のデッキボード131に設けられたグロメット孔133に嵌め込まれて使用される。グロメット100は、弾性を有する樹脂等により構成されているので、パレット130に装着される際に縮むように変形し、変形に伴い発生する弾性力によりグロメット孔133に固定される。
【0027】
グロメット100の上面110は、デッキボードの主面131Aに沿うように位置している。これにより、パレット130に載せられる荷物の滑りを防止することができる。また、グロメット100の下面111は、デッキボード131の主面131Aに対向する裏面131Bに沿うように位置すると共に、パレット130におけるフォーク孔135に露出している。これにより、フォークの滑りを防止することができる。なお、グロメット100の内側面113により形成される貫通孔は、グロメット100をパレット130に付け外しするときに用いる治具を取り付けるために設けられている。
【0028】
次に、図5〜図8を参照して、第1〜第4の実施形態に係るグロメット1A〜1Dを説明する。なお、本明細書において、グロメット1A〜1Dを総称してグロメット1とも表記する。
【0029】
図5は、第1の実施形態に係るグロメット1Aを示す側面図である。グロメット1Aは、図5に示すように、RFIDタグ20Aを備えている。RFIDタグ20Aは、ICチップ及びアンテナを含み、例えば樹脂といった材料によりフィルム状に一体に形成されている。なお、グロメット1Aは、RFIDタグ20Aが備えられていることを除けば、一般的なグロメット100と同様の構造を有する。
【0030】
第1の実施形態では、RFIDタグ20Aは、グロメット1Aの側面12上において、グロメット1Aの軸線周りを囲むように設けられている。なお、図5に示すグロメット1Aでは、RFIDタグ20Aは、グロメット1Aの軸線周りを全て囲むように設けられているが、軸線回りの一部を囲むように設けられていることとしてもよい。
【0031】
第1の実施形態のグロメット1Aでは、RFIDタグ20Aを構成するICチップ及びアンテナがフィルム状に一体に形成されているので、RFIDタグ20Aの製造及びグロメット1AへのRFIDタグ20Aの装着が容易である。また、RFIDタグ20Aは、グロメット1Aの側面12上に設けられているので、RFIDタグ20Aをグロメット1Aに容易に装着することが可能であり、その結果、グロメット1Aの製造が容易となる。さらに、フィルム状のRFIDタグ20Aがグロメット1Aの軸線を囲むように設けられているので、RFIDタグのアンテナが軸線回りに沿って各方向を向くこととなる。従って、RFIDリーダから発せられる電波の受信が容易となる。
【0032】
また、図5に示すように、RFIDタグ20Aは、グロメット1Aにおける上面10近傍及び下面11近傍の部分を除いたその他の部分における側面12上に設けられているので、グロメット1Aがパレットに装着されたときに、RFIDタグ20Aは、デッキボードの表面に露出しない。よって、RFIDタグ20Aの破損が防止される。
【0033】
図6は、第2の実施形態に係るグロメット1Bを示す側面図である。グロメット1Bは、図6に示すように、RFIDタグ20Bを備えている。RFIDタグ20Bは、第1の実施形態と同様にICチップ及びアンテナを含んでいるが、第1の実施形態とは、その形状が相違する。第2の実施形態におけるRFIDタグ20BのICチップ及びアンテナは、例えば樹脂といった材料により棒状に一体に形成されている。そして、棒状のRFIDタグ20Bは、グロメット1Bの側面12上において、グロメット1Bの軸線に沿って螺旋状に設けられている。なお、グロメット1Bは、RFIDタグ20Bが備えられていることを除けば、一般的なグロメット100と同様の構造を有する。
【0034】
第2の実施形態のグロメット1Bでは、RFIDタグ20Bを構成するICチップ及びアンテナが棒状に形成されているので、RFIDタグ20Bの製造及びグロメット1Bへの装着が容易である。また、RFIDタグ20Bは、グロメット1Bの側面12上に設けられているので、RFIDタグ20Bをグロメット1Bに容易に装着することが可能であり、その結果、グロメット1Bの製造が容易となる。さらに、棒状のRFIDタグ20Bがグロメット1Bの軸線に沿って螺旋状に設けられているので、RFIDタグ20Bのアンテナが軸線回りに沿って各方向を向くこととなる。従って、RFIDリーダから発せられる電波の受信が容易となる。
【0035】
また、図6に示すように、RFIDタグ20Bは、グロメット1Bにおける上面10近傍及び下面11近傍の部分を除いたその他の部分における側面12上に設けられているので、グロメット1Bがパレットに装着されたときに、RFIDタグ20Bは、デッキボードの表面に露出しない。よって、RFIDタグ20Bの破損が防止される。
【0036】
図7(a)及び(b)はそれぞれ、第3の実施形態に係るグロメット1Cを示す側面図及び上面図である。グロメット1Cは、図7に示すように、RFIDタグ20Cを備えている。RFIDタグ20Cは、第1の実施形態と同様にICチップ及びアンテナを含み、ICチップ及びアンテナは、例えば樹脂といった材料によりフィルム状に一体に形成されている。なお、グロメット1Cは、RFIDタグ20Cが備えられていることを除けば、一般的なグロメット100と同様の構造を有する。
【0037】
第3の実施形態では、RFIDタグ20Cは、グロメット1Cの側面12に囲まれた領域に内蔵されると共に、グロメット1Cの軸線周りを囲むように設けられている。より詳しくは、RFIDタグ20Cは、グロメット1Cの外側面(側面)12と内側面13との間の領域に内蔵されている。なお、図7に示すグロメット1Cでは、RFIDタグ20Cは、グロメット1Cの軸線周りを全て囲むように設けられているが、軸線回りの一部を囲むように設けられていることとしてもよい。
【0038】
第3の実施形態のグロメット1Cでは、RFIDタグ20Cがグロメット1Cの表面に露出しないので、パレットに何らかの衝撃が加えられた場合であっても、その衝撃がグロメット1Cにより緩和され、RFIDタグ20Cの損傷が防止される。また、フィルム状のRFIDタグ20Cがグロメット1Cの軸線を囲むように設けられているので、RFIDタグ20Cのアンテナが軸線回りに沿って各方向を向くこととなる。従って、RFIDリーダから発せられる電波の受信が容易となる。
【0039】
また、図7に示すように、RFIDタグ20Cは、グロメット1Cにおける上面10近傍及び下面11近傍の部分を除いたその他の部分における側面12に囲まれた領域に内蔵されているので、グロメット1Cがパレットに装着されたときに、RFIDタグ20Cは、デッキボードの表面に露出しない。よって、RFIDタグ20Cの破損が防止される。
【0040】
図8(a)及び(b)はそれぞれ、第4の実施形態に係るグロメット1Dを示す側面図及び上面図である。グロメット1Dは、図8に示すように、RFIDタグ20Dを備えている。RFIDタグ20Dは、第2の実施形態と同様にICチップ及びアンテナを含み、RFIDタグ20DのICチップ及びアンテナは、例えば樹脂といった材料により棒状に一体に形成されている。
【0041】
第4の実施形態では、RFIDタグ20Dは、グロメット1Dの側面12に囲まれた領域に内蔵されると共に、グロメット1Dの軸線に沿って螺旋状に設けられている。より詳しくは、RFIDタグ20Dは、グロメット1Cの外側面(側面)12と内側面13との間の領域に内蔵されている。なお、グロメット1Dは、RFIDタグ20Dが備えられていることを除けば、一般的なグロメット100と同様の構造を有する。
【0042】
第4の実施形態のグロメット1Dでは、RFIDタグ20Dがグロメット1Dの表面に露出しないので、パレットに何らかの衝撃が加えられた場合であっても、その衝撃がグロメット1Dにより緩和され、RFIDタグ20Dの損傷が防止される。また、棒状のRFIDタグ20Dがグロメット1Dの軸線に沿って螺旋状に設けられているので、RFIDタグ20Dのアンテナが軸線回りに沿って各方向を向くこととなる。従って、RFIDリーダから発せられる電波の受信が容易となる。
【0043】
また、図8に示すように、RFIDタグ20Dは、グロメット1Dにおける上面10近傍及び下面11近傍の部分を除いたその他の部分における側面12に囲まれた領域に内蔵されているので、グロメット1Dがパレットに装着されたときに、RFIDタグ20Dは、デッキボードの表面に露出しない。よって、RFIDタグ20Dの破損が防止される。
【0044】
以上説明した第1〜第4の実施形態のグロメット1A〜1Dによれば、RFIDタグ20がグロメット1に備えられているので、パレットにグロメット1を付けたり外したりすることにより、RFIDタグ20の付け外しといったメンテナンスを容易に行うことができる。換言するならば、本実施形態のグロメット1A〜1Dは、グロメット自体がRFIDタグとして機能するものである。また、RFIDタグ20は、直接にパレットに装着されるのではなく、グロメット1に備えられており、RFIDタグ20を備えたグロメット1がパレットのデッキボードに嵌め込まれるので、フォークリフトのフォークがRFIDタグ20に直接に接触することがなく、フォークによるRFIDタグ20の破損が防止される。さらに、グロメット1の付け外しは、パレットの管理者以外のパレット使用者には困難であるので、パレット管理者以外の者によりRFIDタグ20が外されてしまうことが防止される。
【0045】
続いて、本発明に係るパレットの実施形態について詳細に説明する。図9(a),(b)は、本実施形態に係るパレット3の上面図である。パレット3は、荷物を載せるための主面31Aを有するデッキボード31を含み、グロメット1をデッキボード31に少なくとも1つ備える。グロメット1が備えるRFIDタグ20は、当該パレット3を識別するための情報を記憶している。
【0046】
図9(a)に示すように、パレット3Aでは、デッキボード31に8つのグロメット孔33が設けられている。そして、8つのグロメット孔33のうちの1つのグロメット孔33にグロメット1が設けられている。グロメット1が設けられたグロメット孔33以外の7つのグロメット孔には、RFIDタグ20を備えていない通常のグロメット100が装着されることとなる(図示せず)。
【0047】
パレット3Aでは、RFIDタグ20が備えられたグロメット1がパレット3Aのデッキボード31に備えられるので、RFIDタグ20に記憶された情報により当該パレット3Aを識別することができる。
【0048】
また、図9(b)に示すパレット3Bでは、8つのグロメット孔33のうちの2つのグロメット孔33にそれぞれグロメット1が設けられている。2つのグロメット孔33に装着されたグロメット1が備える各々のRFIDタグ20は、パレット3Bを識別するための同一の情報を記憶している。
【0049】
パレット3Bでは、一方のRFIDタグ20がRFIDリーダからの距離の遠さ等に理由に起因してRFIDリーダから発せられる電波を受信できない状態であっても、他方のRFIDタグ20がRFIDリーダからの電波を受信できる可能性がある。従って、RFIDリーダのよるデータの読み取りエラー率が低減される。
【0050】
なお、図9(b)に示すパレット3Bでは、RFIDタグ20を備えた2つのグロメット1が装着されることとしたが、さらに多くの複数のグロメット1が装着されることとしてもよい。
【0051】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0052】
以上説明した実施形態に係るグロメット1は、略円柱形状を有することとしたが、この形状には限られない。例えば、グロメット1は略角柱形状を有することとしてもよい。図10及び図11は、略角柱形状を有するグロメット1の例を示す斜視図である。
【0053】
図10及び図11に示すグロメット1E〜1Hは、略角柱形状を有すると共に、内側面17により形成され上面14から下面15に至る貫通孔を有している。また、グロメット1E〜1Hの軸線に垂直な断面における方形状の各辺の長さは、上面14から下面15に向かうに従い短くなっている。
【0054】
図10(a)に示すグロメット1Eは、フィルム形状に形成されたRFIDタグ20Eを備えている。RFIDタグ20Eは、グロメット1Eの外側面16上において、グロメット1Eの軸線周りを囲むように設けられている。
【0055】
図10(b)に示すグロメット1Fは、棒状に形成されたRFIDタグ20Fを備えている。RFIDタグ20Fは、グロメット1Fの外側面16上において、グロメット1Fの軸線に沿って螺旋状に設けられている。
【0056】
図11(a)に示すグロメット1Gは、フィルム形状に形成されたRFIDタグ20Gを備えている。RFIDタグ20Gは、グロメット1Gの外側面16と内側面17との間の領域に内蔵されると共に、グロメット1Gの軸線周りを囲むように設けられている。
【0057】
図11(b)に示すグロメット1Hは、棒状に形成されたRFIDタグ20Hを備えている。RFIDタグ20Hは、グロメット1Gの外側面16と内側面17との間の領域に内蔵されると共に、グロメット1Hの軸線に沿って螺旋状に設けられている。
【符号の説明】
【0058】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H…グロメット、3,3A,3B…パレット、12…側面、13…内側面、14…上面、15…下面、16…外側面、17…内側面、20,20A,20B,20C,20D,20E,20F,20G,20H…RFIDタグ、31…デッキボード、31A…主面、33…グロメット孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の輸送・保管に用いるパレットに装着されるパレット用のグロメットであって、
RFIDタグを備えることを特徴とするグロメット。
【請求項2】
略柱形状を有し、
前記RFIDタグは、フィルム状に形成されると共に、前記グロメットの軸線周りの少なくとも一部を囲むように設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のグロメット。
【請求項3】
略柱形状を有し、
前記RFIDタグは、棒状に形成されると共に、前記グロメットの軸線に沿って螺旋状に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のグロメット。
【請求項4】
前記RFIDタグは、前記グロメットの側面上に設けられている
ことを特徴とする請求項2または3に記載のグロメット。
【請求項5】
前記RFIDタグは、前記グロメットの側面に囲まれた領域に内蔵されて設けられている
ことを特徴とする請求項2または3に記載のグロメット。
【請求項6】
荷物を載せるための主面を有する一対のデッキボードを含むパレットであって、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のグロメットを前記デッキボードに少なくとも1つ備え、
前記RFIDタグは、当該パレットを識別するための情報を記憶している
ことを特徴とするパレット。
【請求項7】
前記グロメットを前記デッキボードに複数備え、
複数の前記グロメットが備える各々のRFIDタグは、同一の情報を記憶している
ことを特徴とする請求項6に記載のパレット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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