グローバルシーン時間を使用する探索および同期
【課題】マルチメディアサーバから少なくとも1つのマルチメディアクライアントへ提供されるリッチメディアストリームでの探索方法を提供する。
【解決手段】リッチメディアストリームの探索は、マルチメディアサーバのエンコーダまたはマルチメディアクライアントのデコーダで実行される。グローバル時間レートでの探索に使用するために、時間インスタンスXで、オフセット時間インスタンスYを含む探索命令がメディアストリームに挿入される。リッチメディアストリームでのグローバル時系列に基づく同期を可能にする方法も提供される。
【解決手段】リッチメディアストリームの探索は、マルチメディアサーバのエンコーダまたはマルチメディアクライアントのデコーダで実行される。グローバル時間レートでの探索に使用するために、時間インスタンスXで、オフセット時間インスタンスYを含む探索命令がメディアストリームに挿入される。リッチメディアストリームでのグローバル時系列に基づく同期を可能にする方法も提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、リッチメディアストリームのグローバル時系列ストリームでの探索を可能にするとともに、リッチメディアストリームの伝送レベルタイムスタンプに基づいて同期を可能にする方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スケーラブル・ベクトルグラフィックス(SVG)は、静的および動的ベクトルグラフィックスを表現するためのXMLベースの言語である。SVGはベクトルをベースにしているが、このことは、コンテンツが特定の画面解像度用に作られるのではなく、容易に拡大縮小し得ることを意味する。SVGは、ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム(W3C)によって標準化されている。SVGバージョン1.1のモバイルプロファイルが3GPPのリリース5で採用され、現在約1億の携帯機器でサポートされている。
【0003】
SVG Tiny 1.2は、携帯機器用に特に設計されたSVGのより強力なバージョンであり、より詳細に非特許文献1で説明されている。この仕様は、現在W3Cの勧告候補であり、3GPPリリース6で採用されている。音および映像の完全な制御を含む種々の新しいマルチメディア機能に対するサポートが、マイクロDOM(μDOM)およびスクリプト記述<μDOM>とともに含まれている。
【0004】
SVGは、ベクトルグラフィックスのためのメディアタイプであることに加えて、シーン記述言語としても使用されてもよく、シーンを時間的および空間的に作ることができる。実際、SVG Tiny 1.2は、3GPPのDIMS(Dynamic and Interactive Multimedia Scenes)に関する作業項目およびOMAのリッチメディア環境(RME)に関する作業項目のための基本のシーン記述フォーマットである。DIMSの現在の標準化状況についてのより詳細な情報は、非特許文献2に見いだすことができる。
【0005】
図1aは、従来技術に従う相当数(0〜k)のSVG要素Eによってここでは表現されているSVGシーンを伝える大きな文書として規定されているプレーンSVGに言及している。レンダリングの前に、通常、全部のシーンが完全にダウンロードされなければならない。プレーンSVGでは、このようにただ一つの時系列だけがあり、0から始まり、グローバル探索とローカル探索が全く同じになる。
【0006】
プレーンSVGコンテンツとは対照的にDIMS(RME)コンテンツは、ベースシーンとこれらのシーンのアップデートに分けられてもよい。これらのアップデートのフォーマットはLASeRコマンドである。
【0007】
従来技術に従うDIMSコンテンツの例が図1bに図示されている。ベースシーンおよびアップデートのシーケンスは、リアルタイム伝送プロトコル(RTP)を使用してストリーミングされてもよいし、また3GPファイルのトラックに格納されてもよい。レンダリングされるSVG文書は、ベースシーンSから始まり、通常それをより小さなシーンアップデートUで更新される、相当数のユニットから成る。
【0008】
DIMSストリームの各ユニットはメディア時間を持っている。メディア時間は、伝送レベルタイムスタンプを使用し、たいてい最初のユニットからのオフセットを使用して計算される。このメディア時間は、DIMSストリーム全体にわたって連続しているので、この明細書ではグローバル時間100とも呼ぶ。SVGはまた、内部文書時間101も有する。内部文書時間は、ストリームの中の新しいSVG文書102、103ごとにゼロにリセットされ、それ故、それぞれの文書におけるローカル時間とも呼ぶ。グローバル時系列はほぼ確実に、通常1Hzのレートを有することが多いローカル時系列と同じレートを取らない。
【0009】
冗長性シーンは冗長性ランダムアクセスポイント(RAP)であり、このランダムアクセスポイントは、受信し始めるときシーンと相当数のアップデートを置換するために使用されるので、非冗長性シーンとは異なる処理をされる。文書時間は、冗長性シーンに合わせていない他のユーザと同じ値で始まる。それ故、シーン時間を最初の時間0から他のユーザと合わせる時間に進める必要がある。
【0010】
現在のところ、DIMSではシーン時間をいつ進めるか規定されていない。LASeR提案では、シーンが完全にロードされた後に、シーン時間を進めている。MORE提案ではこの部分は具体的でないが、MOREフラグのもとで提案された代替案では、文書の最初のローディング時にシーン時間を進めている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】“スケーラブルベクトルグラフィックス(SVG) Tiny 1.2仕様(Scalable Vector Graphics (SVG) Tiny 1.2 Specification)”、W3C勧告候補、2006年8月10日
【非特許文献2】“第3世代パートナーシッププロジェクト:グループサービスおよびシステム面の技術仕様:DIMS(Dynamic and Interactive Multimedia Scenes)(3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Dynamic and Interactive Multimedia Scenes)”、3GPP TS 26.142 V7.1.0、2007年9月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来技術による解決策では、マークアップによるDIMSストリームのグローバル時間での探索が可能ではない、即ち、ただ一つの時系列だけを有するプレーンSVGで可能だったように“探索”ボタンまたは探索命令を生成することはできない。
【0013】
SVG文書の時間を調節するためにSVG μDONで規定されているsetCurrentTime方法を使用するとき生じる1つの問題は、SVG文書時間が変更されるのに対してメディア時間またはグローバル時間レベルは変更されないままであり、この新しい文書時間とメディア時間との間に不一致が作り出されてしまうことである。この場合、例えば、メディア伝送の混乱に対する同期化などと同じように再同期化が行われる。要素の1つを休止させるか、それとも他の要素を進めるどうかは規定されていない。それ故、再同期化の結果、シーン時間が探索の前の値に単に戻されることがあり、同期を回復するが時間変更を取り消してしまう。
【0014】
従来技術による解決策の別の問題は、文書境界を越えて探索を行なうやり方がないことである。DIMSストリームは、相当数の非冗長性シーンすなわちSVG文書を含んでもよく、たぶん含むであろう。そのような文書はそれぞれ、時間インスタンスがゼロで始まる別々の時系列を有する。
【0015】
既知の技術のまた別の問題は、同期化の同期ベースとしてグローバル時間を選択できない、即ち、他の時系列をグローバル時間に同期させることができないことである。このことはまた、グローバル時間をSyncMasterとして定義することとして言及される。これは、その再生が伝送レベルタイムスタンプだけに基づいて定義されるストリームの作成を不可能にする。
【0016】
本発明の目的は、少なくとも上記の問題を扱うことにある。即ち、本発明の目的は、実行されるリッチメディアストリームにおけるグローバル時系列を基準にした探索を可能にするメカニズムを提供することである。リッチメディアストリームにおけるグローバル時系列を基準にした同期を可能にするメカニズムを提供することも、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明を一側面から見れば、本発明は、マルチメディアサーバから少なくとも1つのマルチメディアクライアントへ提供されるリッチメディアストリーム内の探索を、マルチメディアサーバのエンコーダで実行する方法に言及するものである。ここで、オフセット時間インスタンスYを含む探索命令がメディアストリームに時間インスタンスXで挿入される。ここで、XおよびYはグローバル時系列レートで測定された任意の時間値である。次いで、そのメディアストリームは符号化され、1つ以上のマルチメディアクライアントに送信される。
【0018】
一実施例によれば、探索命令はサーバが開始する命令であってもよく、そのマルチメディアサーバにより直接メディアストリームに挿入されてもよい。
【0019】
別の実施例によれば、探索命令はその代わりにユーザが開始する命令であってもよく、メディアストリームのシーンに挿入される。ユーザ開始の命令は、イベントにリンクされる二次的ストリームを介して挿入されてもよい。
【0020】
本発明を別の側面から見れば、マルチメディアクライアントのデコーダで実行される、リッチメディアストリーム内の探索を可能にする方法が説明される。この側面から見れば、オフセット時間インスタンスYを含む探索命令は時間インスタンスXで受信される。次いで、受信した探索命令に従って、デコーダで探索が実行される。
【0021】
この探索工程は、メディアストリームのグローバル時系列でのメディアストリーム全体の探索を行なう工程を含むとよく、その探索は、オフセットYを現在の時間インスタンスXに加え、グローバル時系列と1つ以上の内部文書時系列とを同期させて時間インスタンスX+Yの方に移動させることによって達成される。
【0022】
この探索工程はさらに、所望の探索時間インスタンスX+Yの前に現れるように前記メディアストリームの最後のランダムアクセスポイント(RAP)を突き止める工程と、そのRAPを復号化し、文書時間を有するシーンを創成する工程とを備えると良い。これらの工程に続いて、メディアストリームは、前記文書時間を前記所望の探索時間インスタンスの方に移動させて、RAPから復号化されてもよい。
【0023】
時間インスタンスXおよびYは、リッチメディアストリームの伝送レベルタイムスタンプから計算されてもよい。
【0024】
内部文書時系列からグローバル時系列への変換は、この伝送レベルタイムスタンプをグローバル時系列のレートに正規化することによって実行されてもよい。
【0025】
グローバル時系列のレートは、メディアストリームに対して選択された伝送とは独立でもよい。あるいは、そのグローバル時系列のレートは、予め定められていてもよい。
【0026】
加えて、そのグローバル時系列のレートは、マルチメディアクライアントに明示的に送信されてもよい。
【0027】
リッチメディアストリームは2つ以上の文書を有してもよく、そのような場合、提案の探索工程は、異なる文書との境界を越えて探索できる。
【0028】
リッチメディアストリームは、DIMS/RMEストリームまたはLASeRストリームのどちらでもよい。
【0029】
探索命令は、コマンド、DOM方法、または属性のいずれでもよい。
【0030】
本発明をさらに別の側面から見れば、リッチメディアストリーム内の同期を可能にするエンコーダの方法が説明される。ここで、連続的なグローバル時系列が同期マスタとして使用される場合、syncMasterGlobal属性が設定されるのに対して、1つ以上の文書時系列が同期マスタとして使用される場合、syncMaster属性が設定される。次いで、設定された属性は、1つ以上の受信エンティティに送信される。
【0031】
この属性は、リッチメディアストリームのSVG要素に挿入されて、1つ以上の受信エンティティに送信されてもよい。あるいは代わりに、シグナリングにより、リッチメディアストリームの外部にある1つ以上の受信エンティティに提供されてもよい。
【0032】
本発明をさらに別の観点から見れば、リッチメディアストリーム内の同期を実行するデコーダが説明される。ここで、現在の同期マスタをシグナリングする目的を有する属性がデコーダで受信される。
【0033】
この場合、受信された属性がsyncMasterGlobal属性であり、かつsyncMasterGlobal属性が設定されている場合、グローバル時系列を同期マスタとして使用してリッチメディアストリーム内を同期するために、その属性が使用されるのに対して、受信された属性がsyncMaster属性であり、かつsyncMaster属性が設定されている場合か、或は受信属性が設定されていない場合、同期マスタとして1つ以上の文書時系列が使用される。
【0034】
そのグローバル時系列は、伝送レベルタイムスタンプに基づいてもよい。
【0035】
一実施例によれば、両方の属性が設定されている場合、syncMasterGlobal属性がsyncMaster属性より優先されてもよい。
【0036】
本発明の請求の範囲は、上記の方法を実行するように構成されたマルチメディアクライアントおよびマルチメディアサーバにも言及する。
【0037】
次に、添付図面を参照しながら代表的な実施例により、本発明についてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1a】従来技術に従うプレーンSVGストリームの基本的な概観図である。
【図1b】従来技術に従うDIMSストリームの基本的な概観図である。
【図2】ローカル文書時系列に対するグローバル時系列のタイミングを示す基本的な概観図である。
【図3】一実施例に従うデコーダで実行されるグローバル探索を示す図である。
【図4a】一実施例に従う内部文書時系列がグローバル時系列にどのように同期されるかを示す図である。
【図4b】代わりにグローバル時系列が内部文書時系列にどのように同期されるかを示す図である。
【図5】一実施例に従う代表的なマルチメディアサーバを示す図である。
【図6】一実施例に従う代表的なマルチメディアクライアントを示す図である。
【図7】エンコーダで実行される、リッチメディアストリーム内の探索方法を示すブロック図である。
【図8】デコーダで実行される、リッチメディアストリーム内の探索方法を示すブロック図である。
【図9】リッチメディアストリーム内の同期を可能にするエンコーダの方法を示すブロック図である。
【図10】リッチメディアストリーム内の同期を実行するデコーダの方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
簡潔に説明すると、本発明は、特に、ストリームがグローバル時系列とローカル時系列の両方を有するとき、例えば、DIMSストリームなどのリッチメディアストリームのグローバル時系列での探索を可能にするものである。本発明は、それぞれが個別の時系列を有する複数の文書を有するリッチメディアストリーム内の文書境界を越えた探索を可能にするものである。
【0040】
一実施例によれば、探索は、リッチメディアストリームのグローバル時系列または伝送時系列、即ち、すべての文書時系列に及ぶ時系列で実行され、文書境界を越える探索も文書境界内の探索も可能にする。また、この実施例により、文書時系列と伝送時系列の両方での同時探索も可能にし、他の時系列を動かすために、明確に定義されていないかもしれない同期モジュールに依存する必要を取り除く。
【0041】
提案の実施例によれば、コマンド/探索命令は、オフセットを考慮し、ストリーム内の個別の文書だけでなく、リッチメディアストリームにおけるアクティベーション時点からのオフセット量を探索する。リッチメディアストリームにおけるこの探索またはリッチメディアのグローバル時間での探索の結果、別のリッチメディア文書に到達してもよい。
【0042】
さらに、本発明により、グローバル時系列を同期ベースとして使用する同期が可能になり、コンテンツクリエータが内部文書時系列に基づく同期、或は、グローバル時系列に基づく同期かの選択をすることが可能になる。これは、syncMasterGlobalと呼ぶ、リッチメディア文書の新しい属性を導入することにより行われてもよい。
【0043】
コンテンツクリエータは、例えば、SVG要素などにsyncMaster属性を設定することによって、内部文書時間に基づく同期を選択できる一方、代わりにsyncMasterGlobal属性を設定することによって、同期はグローバル時間に基づいてもよい。
【0044】
図2は、ローカル時系列およびグローバル時系列の概念を一般的に示している。上述のように、ストリーム内の探索のために文書時系列200を使用することは、現在のところできない。なぜなら、ストリームの中に同じ文書時間が何回も再出現することがあるからである。これについては、拡大図201と202に見ることができ、この場合、例えば、文書時間0が文書2(Doc.2)および文書3(Doc.3)の両方に現れる。実際のところ、DIMS/RMEおよびLASeRでは、すべての文書は文書時間0から始まる。図2では、Doc.3の文書時間2は、グローバル時系列203上でグローバル時間95と表されている。
【0045】
一実施例によれば、例えば、DIMSストリームなどのリッチメディアストリームのグローバル時間で探索するコマンドが定義される。その探索は、現在の文書の文書時系列だけではなく、ストリーム全体に対して実行される。そのような探索は、リッチメディアストリームのメディア時系列、即ち、グローバル時系列と内部文書時系列の両方を同期させた探索になるであろう。説明した実施例によれば、そのコマンドはオフセットを考慮し、アクティベーション時点からのストリーム内の個別の文書内だけでなく、リッチメディアストリーム内でそのオフセット量を探し、それにより、別のリッチメディア文書に到達してもよい。
【0046】
DIMS/RMEまたはLASeRのグローバル時系列は、伝送レベルタイムスタンプ、例えば、3GPPファイルのタイムスタンプ、SAF(Simple Aggregation Format)タイムスタンプもしくはRTPタイムスタンプ、またはLASeR目盛り(tick)から計算される。グローバル時系列は、選択された伝送とは独立なレートを有する。通常、グローバル時系列のレートは1Hzに設定されるが、何らかの予め定められたレートでも使用できよう。
【0047】
メディア時系列からグローバル時系列への変換は、伝送レベルタイムスタンプをグローバル時系列レートへ単に正規化することによって行われる。RTPタイムスタンプと同じように、グローバル時系列は0から始まる必要はなく、重要なのは相対的タイミングである。
【0048】
リッチメディアセションにおける探索が必要なときに使用されるコマンド“GlobalSeek”は、次のシンタックスを有してもよい。即ち、
<GlobalSeek seekOffset=“seekOffset”>
である。ここで、“seekOffset”は、グローバル時系列レートで計られた任意の符号付き時間値である。
【0049】
Globalseekは、グローバル時系列で“seekOffset”の量だけの探索を行なう結果になる。探索されるグローバル時間は、“seekOffset”を現在のグローバル時間に加えることによって得られる。リッチメディアストリームは複数の文書を有してもよいので、この探索は、リッチメディア文書が変更になってもよい。文書は、探索されるグローバル時刻に対応するローカル時間でも探索される。
【0050】
探索は概念的に、グローバル時系列および文書時系列を同期させて、普通の再生と同じように前方に、だがより迅速に、そして、メディアストリームをレンダリングすることなしに移動する機能として理解される。その結果、時間的に後戻り探索、即ち、負のseekOffsetが同様に、しかし、再びゼロから始め前方に移動することによって実行できよう。
【0051】
グローバル時系列での探索は、関連文書の文書時系列での同期探索という結果になる。しかしながら、グローバル探索の実際の結果は、基礎をなす文書探索のセマンティクスに依存する。例えば、SVGは、探索に関して緩やかな定義を有しているように見え、その場合、特定のイベントが探索間隔中に開始される(fired)必要がない。
【0052】
次に、一実施例に従うデコーダにおけるグローバル探索の代表的な実施形について、図3を参照して説明する。図3では、例えば、DIMSデコーダなどのデコーダが、例えば、3GPファイルに収容されたDIMSストリームなどのリッチメディアストリーム内のコマンドを時間インスタンスXで受信する。その場合、seekOffsetが、
<GlobalSeek seekOffset=“Y”>
として時間インスタンスYに設定されてもよい。
【0053】
ここで、XおよびYは任意の時間値ある。デコーダは、時間インスタンスX+Yの前に、最近接のランダムアクセスポイント(RAP)、即ち、最も近いもしくは最後のベースシーン要素300を見つける。そのランダムアクセスポイントが復号化され、文書時間を有するシーンが創成される。次いで、文書時間ができるだけ速く時間インスタンスX+Yに進められると、リッチメディアストリームが復号化される、即ち、メディアストリームユニットが復号化される。同時に、スクリプトが必要に応じて実行される。上述のように、同期探索では、グローバル時系列301と文書時系列302とにおいて同時に探索を行なう。次いで、シーンが表示されてもよく、いつものように復号化を続行できる。
【0054】
代わりにエンコーダの視点から提案されたグローバル探索方法を考慮すると、DIMSストリームのようなリッチメディアストリームを探索したいとき、サーバが開始しても、或は、ユーザが開始してもよいGlobalSeekコマンド/命令を単に挿入すればよい。サーバ開始のコマンドの場合、そのコマンドは直接メディアストリームに挿入されてもよいのに対して、代わりに、ユーザ開始のコマンドは、例えば、イベントにリンクした二次的ストリームなどを通して、関連のシーンに挿入されると良い。
【0055】
グローバル時系列のレートは、予め定められる代わりに、クライアントに明示的に送信されてもよい。あるいは、そのグローバル探索は、クライアントに送信できる絶対時間を使用することができる。
【0056】
XMLでグローバル探索を定義する代替案として、グローバル探索は、LASeRバイナリ、あるいは、リッチメディアのシーンもしくはアップデートまたはコマンドの何らかのテキスト表現または非テキスト表現として定義されてもよい。さらに、コマンドの代わりに、その探索は、例えば、DOM方法として、定義されてもよい。コマンドとして探索を実施することに代わる別の代替策は、それを属性として実施することであろう。この場合、探索は、例えば、文書の開始や終了を示す暗示的実行時間を有するであろう。
【0057】
本発明の請求の範囲の記載によれば、同期ベースとしてグローバル時系列、或は、synchMasterを使用する同期も可能である。
【0058】
図4aに示されるように、下側の内部文書時系列302は、図4bに示されるように内部文書時系列302を同期マスタ300bとして使用することに代わる代替案として、即ち、syncMaster属性を設定することにより、グローバル時系列を同期マスタ300aとして設定することによって、グローバル時系列301に同期する。
【0059】
これら代替の同期オプションは、例えば、syncMasterGlobalと呼ぶ、リッチメディア文書の新しい属性を導入することによって達成されてもよい。このような変数の導入により、コンテンツクリエータは、通常SVG要素であるストリーム要素にsyncMaster属性を設定することにより内部文書時間に基づく同期にするか、またはメディアストリーム要素に新しいsyncMasterGlobal属性を設定することによりグローバル時系列もしくは伝送時系列に基づく同期にするかの選択を行なうことが可能になる。
【0060】
syncMasterGlobal属性は、例えば、DIMS/RMEまたはLASeRなどにおいて実施されてもよい。この新しい変数は通常、例えば、デフォルト値“偽”を有するSVG要素などのメディアストリームに加えられるブール属性である。“真”のときは、グローバル時系列すなわちストリームの伝送レベルタイムスタンプが同期マスタとして使用され、即ち、時間を含む他の要素、この場合、内部文書時系列は、グローバル時系列に強制的に同期させられる。syncMasterGlobal属性は、syncMasterGlobal属性もsyncMaster属性も“真”に設定されている場合、syncMaster属性に優先する。さもなければ、syncMasterに関する同じ規則が、syncMasterGlobalに適用されるべきである。
【0061】
あるいは、それぞれの2つの時系列であるグローバル時系列またはローカル時系列のどちらがsyncMasterと見なされるべきかをシグナリングする属性が指定されてもよい。そのようにして、DIMSストリームの外部にあるソースが、そのストリームがsyncMasterであることをシグナリングするために使用されてもよい。
【0062】
次に、一実施例に従うリッチメディアストリーム内の探索を可能にするように適合されたマルチメディアサーバについて、図5を参照して説明する。
【0063】
図5はマルチメディアサーバ500を示し、マルチメディアサーバ500は通常はマルチメディアクライアントである1つ以上のクライアントにメディアストリームを提供するように適合されているエンコーダ501を有する。メディアソース502からメディアストリームを受け取るエンコーダは、挿入ユニット504が探索命令をメディアストリームに挿入後に、メディアストリームを符号化する符号化ユニット503を有する。時間インスタンスXで挿入された探索命令は上記のようにオフセット時間インスタンスYを含む。エンコーダはまた、メディアストリームを1つ以上の終端マルチメディアクライアント600に送信する送信器505も有する。
【0064】
代替実施例に従えば、エンコーダは、1つ以上の文書時系列に基づく同期の代わりに、グローバル時系列に基づいてリッチメディアストリーム内の同期を可能にするように適合されている。この明細書で先に述べたように、図5の挿入ユニット504が新しい属性syncMasterGlobalを導入するように適合されているなら、そのようなエンコーダが備えられる。挿入ユニット504をsyncMasterGlobalかまたはsyncMasterのどちらかを設定するように適合させることによって、リッチメディアストリームのグローバル時系列かまたは1つ以上の文書時系列のどちらかが、syncMasterになるように選択されてもよい。
【0065】
一実施例に従うリッチメディアストリーム内の探索を可能にするように適合されたマルチメディアクライアントが図6に示されている。ここで、マルチメディアサーバ500がメディアストリームをマルチメディアクライアント600に提供する。マルチメディアクライアント600はデコーダ601を備える。デコーダ601は、受信器602で探索命令を含むメディアストリームを受信する。時間インスタンスXで受信された探索命令は、前述のようにオフセット時間インスタンスYを含む。探索ユニット603は、探索命令に従ってデコーダ601の復号化ユニット604で探索を実行するように適合されている。いったん探索が実行されると、リッチメディアストリームは復号化され、マルチメディアクライアント600のメディアプレーヤ605に提供される。
【0066】
代替実施例によれば、デコーダは同期ユニット606を有しても良い。同期ユニット606は、受信器602によって受信されたリッチメディアストリーム内を同期させるように適合されているとよい。同期ユニット606は、syncMasterGlobal属性が設定されているかどうか、これによってグローバル時系列が同期マスタとして使用されるべきことを示しているかどうか、或は、syncMasterが設定されているかどうか、即ち、1つ以上の文書時系列が同期マスタとして使用されるべきかどうかを認識するように適合されている。
【0067】
また別の代替実施例によれば、探索コマンドは同期と組み合わされてもよい。グローバル時系列がsyncMasterGlobalに設定されると、ほかのすべての時系列がそれに同期する。グローバル時系列をsyncMasterに設定することにより、同期モジュールに残りの時系列を固定させ、グローバル時系列だけで探索を行なうことが可能になる。同期モジュールは、ローカル時系列の同期が外れていることにただ気付き、正しい位置にそれを動かすであろう。
【0068】
上記の実施例に従うエンコーダで実行されるリッチメディアストリーム内の探索方法について、図7のブロック図に従って説明する。
【0069】
最初のステップ700では、探索命令がリッチメディアストリームに挿入される。その命令を含むリッチメディアストリームは次のステップ701で符号化され、そして、最後のステップ702で、リッチメディアストリームは1つ以上のメディアクライアントに送信される。
【0070】
上記の実施例に従うリッチメディアストリーム内の探索方法であり、代わりにデコーダで実行される方法は、図8のブロック図を参照して説明する。
【0071】
図8の最初のステップ800では、探索命令がデコーダで受信され、探索は最後のステップ801で受信した探索命令に従って実行される。
【0072】
上記の属性のいずれかを使用してリッチメディアストリーム内の同期を可能にするエンコーダの方法が、図9のブロック図に示されている。
【0073】
図9の最初のステップ900では、同期属性、即ち、syncMasterGlobalまたはsyncMasterを設定することによって、どの時系列を同期マスタとして使用するかが決定される。次のステップ901では、その同期属性は、1つ以上の受信エンティティに送信される。
【0074】
上記のリッチメディアストリーム内の同期を実行するデコーダの方法がブロック図10に示されており、同期属性が最初のステップ1000で受信され、その受信した属性に従った同期が最後のステップ1001でリッチメディアストリームにおいて実行される。
【0075】
要約すれば、グローバル伝送レベルの時系列での提案の探索を用いることにより、リッチメディアストリームのコンテンツからの直接探索することが可能になる。探索は、文書境界を越えても文書境界内でも可能である。さらに、提案の探索メカニズムにより、文書時系列と伝送時系列の両方の同時探索が可能になり、他の時系列を移動させるために、よく定義されていないかもしれない同期モジュールに依存する必要を取り除く。
【0076】
本発明について具体的な代表的な実施例を参照して説明したが、その説明は一般に本発明の概念を例示することだけを意図しており、本発明の範囲を限定すると解釈すべきでない。上記の実施例を説明するとき、SVG、DIMS、RME、SAF、LASeR、μDOMおよびMOREなどの概念を使用したが、基本的には他の何らかの類似した適切な標準、プロトコルおよびネットワーク要素がここで説明したように使用されてもよい。本発明は一般に次の独立請求項によって規定される。
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、リッチメディアストリームのグローバル時系列ストリームでの探索を可能にするとともに、リッチメディアストリームの伝送レベルタイムスタンプに基づいて同期を可能にする方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スケーラブル・ベクトルグラフィックス(SVG)は、静的および動的ベクトルグラフィックスを表現するためのXMLベースの言語である。SVGはベクトルをベースにしているが、このことは、コンテンツが特定の画面解像度用に作られるのではなく、容易に拡大縮小し得ることを意味する。SVGは、ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム(W3C)によって標準化されている。SVGバージョン1.1のモバイルプロファイルが3GPPのリリース5で採用され、現在約1億の携帯機器でサポートされている。
【0003】
SVG Tiny 1.2は、携帯機器用に特に設計されたSVGのより強力なバージョンであり、より詳細に非特許文献1で説明されている。この仕様は、現在W3Cの勧告候補であり、3GPPリリース6で採用されている。音および映像の完全な制御を含む種々の新しいマルチメディア機能に対するサポートが、マイクロDOM(μDOM)およびスクリプト記述<μDOM>とともに含まれている。
【0004】
SVGは、ベクトルグラフィックスのためのメディアタイプであることに加えて、シーン記述言語としても使用されてもよく、シーンを時間的および空間的に作ることができる。実際、SVG Tiny 1.2は、3GPPのDIMS(Dynamic and Interactive Multimedia Scenes)に関する作業項目およびOMAのリッチメディア環境(RME)に関する作業項目のための基本のシーン記述フォーマットである。DIMSの現在の標準化状況についてのより詳細な情報は、非特許文献2に見いだすことができる。
【0005】
図1aは、従来技術に従う相当数(0〜k)のSVG要素Eによってここでは表現されているSVGシーンを伝える大きな文書として規定されているプレーンSVGに言及している。レンダリングの前に、通常、全部のシーンが完全にダウンロードされなければならない。プレーンSVGでは、このようにただ一つの時系列だけがあり、0から始まり、グローバル探索とローカル探索が全く同じになる。
【0006】
プレーンSVGコンテンツとは対照的にDIMS(RME)コンテンツは、ベースシーンとこれらのシーンのアップデートに分けられてもよい。これらのアップデートのフォーマットはLASeRコマンドである。
【0007】
従来技術に従うDIMSコンテンツの例が図1bに図示されている。ベースシーンおよびアップデートのシーケンスは、リアルタイム伝送プロトコル(RTP)を使用してストリーミングされてもよいし、また3GPファイルのトラックに格納されてもよい。レンダリングされるSVG文書は、ベースシーンSから始まり、通常それをより小さなシーンアップデートUで更新される、相当数のユニットから成る。
【0008】
DIMSストリームの各ユニットはメディア時間を持っている。メディア時間は、伝送レベルタイムスタンプを使用し、たいてい最初のユニットからのオフセットを使用して計算される。このメディア時間は、DIMSストリーム全体にわたって連続しているので、この明細書ではグローバル時間100とも呼ぶ。SVGはまた、内部文書時間101も有する。内部文書時間は、ストリームの中の新しいSVG文書102、103ごとにゼロにリセットされ、それ故、それぞれの文書におけるローカル時間とも呼ぶ。グローバル時系列はほぼ確実に、通常1Hzのレートを有することが多いローカル時系列と同じレートを取らない。
【0009】
冗長性シーンは冗長性ランダムアクセスポイント(RAP)であり、このランダムアクセスポイントは、受信し始めるときシーンと相当数のアップデートを置換するために使用されるので、非冗長性シーンとは異なる処理をされる。文書時間は、冗長性シーンに合わせていない他のユーザと同じ値で始まる。それ故、シーン時間を最初の時間0から他のユーザと合わせる時間に進める必要がある。
【0010】
現在のところ、DIMSではシーン時間をいつ進めるか規定されていない。LASeR提案では、シーンが完全にロードされた後に、シーン時間を進めている。MORE提案ではこの部分は具体的でないが、MOREフラグのもとで提案された代替案では、文書の最初のローディング時にシーン時間を進めている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】“スケーラブルベクトルグラフィックス(SVG) Tiny 1.2仕様(Scalable Vector Graphics (SVG) Tiny 1.2 Specification)”、W3C勧告候補、2006年8月10日
【非特許文献2】“第3世代パートナーシッププロジェクト:グループサービスおよびシステム面の技術仕様:DIMS(Dynamic and Interactive Multimedia Scenes)(3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Dynamic and Interactive Multimedia Scenes)”、3GPP TS 26.142 V7.1.0、2007年9月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来技術による解決策では、マークアップによるDIMSストリームのグローバル時間での探索が可能ではない、即ち、ただ一つの時系列だけを有するプレーンSVGで可能だったように“探索”ボタンまたは探索命令を生成することはできない。
【0013】
SVG文書の時間を調節するためにSVG μDONで規定されているsetCurrentTime方法を使用するとき生じる1つの問題は、SVG文書時間が変更されるのに対してメディア時間またはグローバル時間レベルは変更されないままであり、この新しい文書時間とメディア時間との間に不一致が作り出されてしまうことである。この場合、例えば、メディア伝送の混乱に対する同期化などと同じように再同期化が行われる。要素の1つを休止させるか、それとも他の要素を進めるどうかは規定されていない。それ故、再同期化の結果、シーン時間が探索の前の値に単に戻されることがあり、同期を回復するが時間変更を取り消してしまう。
【0014】
従来技術による解決策の別の問題は、文書境界を越えて探索を行なうやり方がないことである。DIMSストリームは、相当数の非冗長性シーンすなわちSVG文書を含んでもよく、たぶん含むであろう。そのような文書はそれぞれ、時間インスタンスがゼロで始まる別々の時系列を有する。
【0015】
既知の技術のまた別の問題は、同期化の同期ベースとしてグローバル時間を選択できない、即ち、他の時系列をグローバル時間に同期させることができないことである。このことはまた、グローバル時間をSyncMasterとして定義することとして言及される。これは、その再生が伝送レベルタイムスタンプだけに基づいて定義されるストリームの作成を不可能にする。
【0016】
本発明の目的は、少なくとも上記の問題を扱うことにある。即ち、本発明の目的は、実行されるリッチメディアストリームにおけるグローバル時系列を基準にした探索を可能にするメカニズムを提供することである。リッチメディアストリームにおけるグローバル時系列を基準にした同期を可能にするメカニズムを提供することも、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明を一側面から見れば、本発明は、マルチメディアサーバから少なくとも1つのマルチメディアクライアントへ提供されるリッチメディアストリーム内の探索を、マルチメディアサーバのエンコーダで実行する方法に言及するものである。ここで、オフセット時間インスタンスYを含む探索命令がメディアストリームに時間インスタンスXで挿入される。ここで、XおよびYはグローバル時系列レートで測定された任意の時間値である。次いで、そのメディアストリームは符号化され、1つ以上のマルチメディアクライアントに送信される。
【0018】
一実施例によれば、探索命令はサーバが開始する命令であってもよく、そのマルチメディアサーバにより直接メディアストリームに挿入されてもよい。
【0019】
別の実施例によれば、探索命令はその代わりにユーザが開始する命令であってもよく、メディアストリームのシーンに挿入される。ユーザ開始の命令は、イベントにリンクされる二次的ストリームを介して挿入されてもよい。
【0020】
本発明を別の側面から見れば、マルチメディアクライアントのデコーダで実行される、リッチメディアストリーム内の探索を可能にする方法が説明される。この側面から見れば、オフセット時間インスタンスYを含む探索命令は時間インスタンスXで受信される。次いで、受信した探索命令に従って、デコーダで探索が実行される。
【0021】
この探索工程は、メディアストリームのグローバル時系列でのメディアストリーム全体の探索を行なう工程を含むとよく、その探索は、オフセットYを現在の時間インスタンスXに加え、グローバル時系列と1つ以上の内部文書時系列とを同期させて時間インスタンスX+Yの方に移動させることによって達成される。
【0022】
この探索工程はさらに、所望の探索時間インスタンスX+Yの前に現れるように前記メディアストリームの最後のランダムアクセスポイント(RAP)を突き止める工程と、そのRAPを復号化し、文書時間を有するシーンを創成する工程とを備えると良い。これらの工程に続いて、メディアストリームは、前記文書時間を前記所望の探索時間インスタンスの方に移動させて、RAPから復号化されてもよい。
【0023】
時間インスタンスXおよびYは、リッチメディアストリームの伝送レベルタイムスタンプから計算されてもよい。
【0024】
内部文書時系列からグローバル時系列への変換は、この伝送レベルタイムスタンプをグローバル時系列のレートに正規化することによって実行されてもよい。
【0025】
グローバル時系列のレートは、メディアストリームに対して選択された伝送とは独立でもよい。あるいは、そのグローバル時系列のレートは、予め定められていてもよい。
【0026】
加えて、そのグローバル時系列のレートは、マルチメディアクライアントに明示的に送信されてもよい。
【0027】
リッチメディアストリームは2つ以上の文書を有してもよく、そのような場合、提案の探索工程は、異なる文書との境界を越えて探索できる。
【0028】
リッチメディアストリームは、DIMS/RMEストリームまたはLASeRストリームのどちらでもよい。
【0029】
探索命令は、コマンド、DOM方法、または属性のいずれでもよい。
【0030】
本発明をさらに別の側面から見れば、リッチメディアストリーム内の同期を可能にするエンコーダの方法が説明される。ここで、連続的なグローバル時系列が同期マスタとして使用される場合、syncMasterGlobal属性が設定されるのに対して、1つ以上の文書時系列が同期マスタとして使用される場合、syncMaster属性が設定される。次いで、設定された属性は、1つ以上の受信エンティティに送信される。
【0031】
この属性は、リッチメディアストリームのSVG要素に挿入されて、1つ以上の受信エンティティに送信されてもよい。あるいは代わりに、シグナリングにより、リッチメディアストリームの外部にある1つ以上の受信エンティティに提供されてもよい。
【0032】
本発明をさらに別の観点から見れば、リッチメディアストリーム内の同期を実行するデコーダが説明される。ここで、現在の同期マスタをシグナリングする目的を有する属性がデコーダで受信される。
【0033】
この場合、受信された属性がsyncMasterGlobal属性であり、かつsyncMasterGlobal属性が設定されている場合、グローバル時系列を同期マスタとして使用してリッチメディアストリーム内を同期するために、その属性が使用されるのに対して、受信された属性がsyncMaster属性であり、かつsyncMaster属性が設定されている場合か、或は受信属性が設定されていない場合、同期マスタとして1つ以上の文書時系列が使用される。
【0034】
そのグローバル時系列は、伝送レベルタイムスタンプに基づいてもよい。
【0035】
一実施例によれば、両方の属性が設定されている場合、syncMasterGlobal属性がsyncMaster属性より優先されてもよい。
【0036】
本発明の請求の範囲は、上記の方法を実行するように構成されたマルチメディアクライアントおよびマルチメディアサーバにも言及する。
【0037】
次に、添付図面を参照しながら代表的な実施例により、本発明についてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1a】従来技術に従うプレーンSVGストリームの基本的な概観図である。
【図1b】従来技術に従うDIMSストリームの基本的な概観図である。
【図2】ローカル文書時系列に対するグローバル時系列のタイミングを示す基本的な概観図である。
【図3】一実施例に従うデコーダで実行されるグローバル探索を示す図である。
【図4a】一実施例に従う内部文書時系列がグローバル時系列にどのように同期されるかを示す図である。
【図4b】代わりにグローバル時系列が内部文書時系列にどのように同期されるかを示す図である。
【図5】一実施例に従う代表的なマルチメディアサーバを示す図である。
【図6】一実施例に従う代表的なマルチメディアクライアントを示す図である。
【図7】エンコーダで実行される、リッチメディアストリーム内の探索方法を示すブロック図である。
【図8】デコーダで実行される、リッチメディアストリーム内の探索方法を示すブロック図である。
【図9】リッチメディアストリーム内の同期を可能にするエンコーダの方法を示すブロック図である。
【図10】リッチメディアストリーム内の同期を実行するデコーダの方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
簡潔に説明すると、本発明は、特に、ストリームがグローバル時系列とローカル時系列の両方を有するとき、例えば、DIMSストリームなどのリッチメディアストリームのグローバル時系列での探索を可能にするものである。本発明は、それぞれが個別の時系列を有する複数の文書を有するリッチメディアストリーム内の文書境界を越えた探索を可能にするものである。
【0040】
一実施例によれば、探索は、リッチメディアストリームのグローバル時系列または伝送時系列、即ち、すべての文書時系列に及ぶ時系列で実行され、文書境界を越える探索も文書境界内の探索も可能にする。また、この実施例により、文書時系列と伝送時系列の両方での同時探索も可能にし、他の時系列を動かすために、明確に定義されていないかもしれない同期モジュールに依存する必要を取り除く。
【0041】
提案の実施例によれば、コマンド/探索命令は、オフセットを考慮し、ストリーム内の個別の文書だけでなく、リッチメディアストリームにおけるアクティベーション時点からのオフセット量を探索する。リッチメディアストリームにおけるこの探索またはリッチメディアのグローバル時間での探索の結果、別のリッチメディア文書に到達してもよい。
【0042】
さらに、本発明により、グローバル時系列を同期ベースとして使用する同期が可能になり、コンテンツクリエータが内部文書時系列に基づく同期、或は、グローバル時系列に基づく同期かの選択をすることが可能になる。これは、syncMasterGlobalと呼ぶ、リッチメディア文書の新しい属性を導入することにより行われてもよい。
【0043】
コンテンツクリエータは、例えば、SVG要素などにsyncMaster属性を設定することによって、内部文書時間に基づく同期を選択できる一方、代わりにsyncMasterGlobal属性を設定することによって、同期はグローバル時間に基づいてもよい。
【0044】
図2は、ローカル時系列およびグローバル時系列の概念を一般的に示している。上述のように、ストリーム内の探索のために文書時系列200を使用することは、現在のところできない。なぜなら、ストリームの中に同じ文書時間が何回も再出現することがあるからである。これについては、拡大図201と202に見ることができ、この場合、例えば、文書時間0が文書2(Doc.2)および文書3(Doc.3)の両方に現れる。実際のところ、DIMS/RMEおよびLASeRでは、すべての文書は文書時間0から始まる。図2では、Doc.3の文書時間2は、グローバル時系列203上でグローバル時間95と表されている。
【0045】
一実施例によれば、例えば、DIMSストリームなどのリッチメディアストリームのグローバル時間で探索するコマンドが定義される。その探索は、現在の文書の文書時系列だけではなく、ストリーム全体に対して実行される。そのような探索は、リッチメディアストリームのメディア時系列、即ち、グローバル時系列と内部文書時系列の両方を同期させた探索になるであろう。説明した実施例によれば、そのコマンドはオフセットを考慮し、アクティベーション時点からのストリーム内の個別の文書内だけでなく、リッチメディアストリーム内でそのオフセット量を探し、それにより、別のリッチメディア文書に到達してもよい。
【0046】
DIMS/RMEまたはLASeRのグローバル時系列は、伝送レベルタイムスタンプ、例えば、3GPPファイルのタイムスタンプ、SAF(Simple Aggregation Format)タイムスタンプもしくはRTPタイムスタンプ、またはLASeR目盛り(tick)から計算される。グローバル時系列は、選択された伝送とは独立なレートを有する。通常、グローバル時系列のレートは1Hzに設定されるが、何らかの予め定められたレートでも使用できよう。
【0047】
メディア時系列からグローバル時系列への変換は、伝送レベルタイムスタンプをグローバル時系列レートへ単に正規化することによって行われる。RTPタイムスタンプと同じように、グローバル時系列は0から始まる必要はなく、重要なのは相対的タイミングである。
【0048】
リッチメディアセションにおける探索が必要なときに使用されるコマンド“GlobalSeek”は、次のシンタックスを有してもよい。即ち、
<GlobalSeek seekOffset=“seekOffset”>
である。ここで、“seekOffset”は、グローバル時系列レートで計られた任意の符号付き時間値である。
【0049】
Globalseekは、グローバル時系列で“seekOffset”の量だけの探索を行なう結果になる。探索されるグローバル時間は、“seekOffset”を現在のグローバル時間に加えることによって得られる。リッチメディアストリームは複数の文書を有してもよいので、この探索は、リッチメディア文書が変更になってもよい。文書は、探索されるグローバル時刻に対応するローカル時間でも探索される。
【0050】
探索は概念的に、グローバル時系列および文書時系列を同期させて、普通の再生と同じように前方に、だがより迅速に、そして、メディアストリームをレンダリングすることなしに移動する機能として理解される。その結果、時間的に後戻り探索、即ち、負のseekOffsetが同様に、しかし、再びゼロから始め前方に移動することによって実行できよう。
【0051】
グローバル時系列での探索は、関連文書の文書時系列での同期探索という結果になる。しかしながら、グローバル探索の実際の結果は、基礎をなす文書探索のセマンティクスに依存する。例えば、SVGは、探索に関して緩やかな定義を有しているように見え、その場合、特定のイベントが探索間隔中に開始される(fired)必要がない。
【0052】
次に、一実施例に従うデコーダにおけるグローバル探索の代表的な実施形について、図3を参照して説明する。図3では、例えば、DIMSデコーダなどのデコーダが、例えば、3GPファイルに収容されたDIMSストリームなどのリッチメディアストリーム内のコマンドを時間インスタンスXで受信する。その場合、seekOffsetが、
<GlobalSeek seekOffset=“Y”>
として時間インスタンスYに設定されてもよい。
【0053】
ここで、XおよびYは任意の時間値ある。デコーダは、時間インスタンスX+Yの前に、最近接のランダムアクセスポイント(RAP)、即ち、最も近いもしくは最後のベースシーン要素300を見つける。そのランダムアクセスポイントが復号化され、文書時間を有するシーンが創成される。次いで、文書時間ができるだけ速く時間インスタンスX+Yに進められると、リッチメディアストリームが復号化される、即ち、メディアストリームユニットが復号化される。同時に、スクリプトが必要に応じて実行される。上述のように、同期探索では、グローバル時系列301と文書時系列302とにおいて同時に探索を行なう。次いで、シーンが表示されてもよく、いつものように復号化を続行できる。
【0054】
代わりにエンコーダの視点から提案されたグローバル探索方法を考慮すると、DIMSストリームのようなリッチメディアストリームを探索したいとき、サーバが開始しても、或は、ユーザが開始してもよいGlobalSeekコマンド/命令を単に挿入すればよい。サーバ開始のコマンドの場合、そのコマンドは直接メディアストリームに挿入されてもよいのに対して、代わりに、ユーザ開始のコマンドは、例えば、イベントにリンクした二次的ストリームなどを通して、関連のシーンに挿入されると良い。
【0055】
グローバル時系列のレートは、予め定められる代わりに、クライアントに明示的に送信されてもよい。あるいは、そのグローバル探索は、クライアントに送信できる絶対時間を使用することができる。
【0056】
XMLでグローバル探索を定義する代替案として、グローバル探索は、LASeRバイナリ、あるいは、リッチメディアのシーンもしくはアップデートまたはコマンドの何らかのテキスト表現または非テキスト表現として定義されてもよい。さらに、コマンドの代わりに、その探索は、例えば、DOM方法として、定義されてもよい。コマンドとして探索を実施することに代わる別の代替策は、それを属性として実施することであろう。この場合、探索は、例えば、文書の開始や終了を示す暗示的実行時間を有するであろう。
【0057】
本発明の請求の範囲の記載によれば、同期ベースとしてグローバル時系列、或は、synchMasterを使用する同期も可能である。
【0058】
図4aに示されるように、下側の内部文書時系列302は、図4bに示されるように内部文書時系列302を同期マスタ300bとして使用することに代わる代替案として、即ち、syncMaster属性を設定することにより、グローバル時系列を同期マスタ300aとして設定することによって、グローバル時系列301に同期する。
【0059】
これら代替の同期オプションは、例えば、syncMasterGlobalと呼ぶ、リッチメディア文書の新しい属性を導入することによって達成されてもよい。このような変数の導入により、コンテンツクリエータは、通常SVG要素であるストリーム要素にsyncMaster属性を設定することにより内部文書時間に基づく同期にするか、またはメディアストリーム要素に新しいsyncMasterGlobal属性を設定することによりグローバル時系列もしくは伝送時系列に基づく同期にするかの選択を行なうことが可能になる。
【0060】
syncMasterGlobal属性は、例えば、DIMS/RMEまたはLASeRなどにおいて実施されてもよい。この新しい変数は通常、例えば、デフォルト値“偽”を有するSVG要素などのメディアストリームに加えられるブール属性である。“真”のときは、グローバル時系列すなわちストリームの伝送レベルタイムスタンプが同期マスタとして使用され、即ち、時間を含む他の要素、この場合、内部文書時系列は、グローバル時系列に強制的に同期させられる。syncMasterGlobal属性は、syncMasterGlobal属性もsyncMaster属性も“真”に設定されている場合、syncMaster属性に優先する。さもなければ、syncMasterに関する同じ規則が、syncMasterGlobalに適用されるべきである。
【0061】
あるいは、それぞれの2つの時系列であるグローバル時系列またはローカル時系列のどちらがsyncMasterと見なされるべきかをシグナリングする属性が指定されてもよい。そのようにして、DIMSストリームの外部にあるソースが、そのストリームがsyncMasterであることをシグナリングするために使用されてもよい。
【0062】
次に、一実施例に従うリッチメディアストリーム内の探索を可能にするように適合されたマルチメディアサーバについて、図5を参照して説明する。
【0063】
図5はマルチメディアサーバ500を示し、マルチメディアサーバ500は通常はマルチメディアクライアントである1つ以上のクライアントにメディアストリームを提供するように適合されているエンコーダ501を有する。メディアソース502からメディアストリームを受け取るエンコーダは、挿入ユニット504が探索命令をメディアストリームに挿入後に、メディアストリームを符号化する符号化ユニット503を有する。時間インスタンスXで挿入された探索命令は上記のようにオフセット時間インスタンスYを含む。エンコーダはまた、メディアストリームを1つ以上の終端マルチメディアクライアント600に送信する送信器505も有する。
【0064】
代替実施例に従えば、エンコーダは、1つ以上の文書時系列に基づく同期の代わりに、グローバル時系列に基づいてリッチメディアストリーム内の同期を可能にするように適合されている。この明細書で先に述べたように、図5の挿入ユニット504が新しい属性syncMasterGlobalを導入するように適合されているなら、そのようなエンコーダが備えられる。挿入ユニット504をsyncMasterGlobalかまたはsyncMasterのどちらかを設定するように適合させることによって、リッチメディアストリームのグローバル時系列かまたは1つ以上の文書時系列のどちらかが、syncMasterになるように選択されてもよい。
【0065】
一実施例に従うリッチメディアストリーム内の探索を可能にするように適合されたマルチメディアクライアントが図6に示されている。ここで、マルチメディアサーバ500がメディアストリームをマルチメディアクライアント600に提供する。マルチメディアクライアント600はデコーダ601を備える。デコーダ601は、受信器602で探索命令を含むメディアストリームを受信する。時間インスタンスXで受信された探索命令は、前述のようにオフセット時間インスタンスYを含む。探索ユニット603は、探索命令に従ってデコーダ601の復号化ユニット604で探索を実行するように適合されている。いったん探索が実行されると、リッチメディアストリームは復号化され、マルチメディアクライアント600のメディアプレーヤ605に提供される。
【0066】
代替実施例によれば、デコーダは同期ユニット606を有しても良い。同期ユニット606は、受信器602によって受信されたリッチメディアストリーム内を同期させるように適合されているとよい。同期ユニット606は、syncMasterGlobal属性が設定されているかどうか、これによってグローバル時系列が同期マスタとして使用されるべきことを示しているかどうか、或は、syncMasterが設定されているかどうか、即ち、1つ以上の文書時系列が同期マスタとして使用されるべきかどうかを認識するように適合されている。
【0067】
また別の代替実施例によれば、探索コマンドは同期と組み合わされてもよい。グローバル時系列がsyncMasterGlobalに設定されると、ほかのすべての時系列がそれに同期する。グローバル時系列をsyncMasterに設定することにより、同期モジュールに残りの時系列を固定させ、グローバル時系列だけで探索を行なうことが可能になる。同期モジュールは、ローカル時系列の同期が外れていることにただ気付き、正しい位置にそれを動かすであろう。
【0068】
上記の実施例に従うエンコーダで実行されるリッチメディアストリーム内の探索方法について、図7のブロック図に従って説明する。
【0069】
最初のステップ700では、探索命令がリッチメディアストリームに挿入される。その命令を含むリッチメディアストリームは次のステップ701で符号化され、そして、最後のステップ702で、リッチメディアストリームは1つ以上のメディアクライアントに送信される。
【0070】
上記の実施例に従うリッチメディアストリーム内の探索方法であり、代わりにデコーダで実行される方法は、図8のブロック図を参照して説明する。
【0071】
図8の最初のステップ800では、探索命令がデコーダで受信され、探索は最後のステップ801で受信した探索命令に従って実行される。
【0072】
上記の属性のいずれかを使用してリッチメディアストリーム内の同期を可能にするエンコーダの方法が、図9のブロック図に示されている。
【0073】
図9の最初のステップ900では、同期属性、即ち、syncMasterGlobalまたはsyncMasterを設定することによって、どの時系列を同期マスタとして使用するかが決定される。次のステップ901では、その同期属性は、1つ以上の受信エンティティに送信される。
【0074】
上記のリッチメディアストリーム内の同期を実行するデコーダの方法がブロック図10に示されており、同期属性が最初のステップ1000で受信され、その受信した属性に従った同期が最後のステップ1001でリッチメディアストリームにおいて実行される。
【0075】
要約すれば、グローバル伝送レベルの時系列での提案の探索を用いることにより、リッチメディアストリームのコンテンツからの直接探索することが可能になる。探索は、文書境界を越えても文書境界内でも可能である。さらに、提案の探索メカニズムにより、文書時系列と伝送時系列の両方の同時探索が可能になり、他の時系列を移動させるために、よく定義されていないかもしれない同期モジュールに依存する必要を取り除く。
【0076】
本発明について具体的な代表的な実施例を参照して説明したが、その説明は一般に本発明の概念を例示することだけを意図しており、本発明の範囲を限定すると解釈すべきでない。上記の実施例を説明するとき、SVG、DIMS、RME、SAF、LASeR、μDOMおよびMOREなどの概念を使用したが、基本的には他の何らかの類似した適切な標準、プロトコルおよびネットワーク要素がここで説明したように使用されてもよい。本発明は一般に次の独立請求項によって規定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンコーダを有するマルチメディアサーバから少なくとも1つのマルチメディアクライアントへ提供されるリッチメディアストリームでの探索を行なう方法であって、
前記方法は前記エンコーダにより実行され、
前記方法は、
オフセット時間インスタンスYを含む探索命令を前記リッチメディアストリームに時間インスタンスXで挿入する工程(700)と、
前記リッチメディアストリームを符号化する工程(701)と、
前記少なくとも1つのマルチメディアクライアントに前記リッチメディアストリームを送信する工程(702)とを有し、
前記XおよびYはグローバル時系列レートで測定された任意の時間の値であることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記探索命令は、サーバが開始する命令であり、前記マルチメディアサーバにより直接前記リッチメディアストリームに挿入されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記探索命令は、ユーザが開始する命令であり、前記リッチメディアストリームのシーンに挿入されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記探索命令は、イベントとリンクした二次的ストリームを通して挿入されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
マルチメディアサーバからデコーダを有するマルチメディアクライアントへ提供されるリッチメディアストリームでの探索を可能にする方法であって、
前記方法は前記デコーダにより実行され、
前記方法は、
オフセット時間インスタンスYを含む探索命令を時間インスタンスXで受信する工程(800)と、
前記受信した探索命令に従って、探索を実行する工程(801)とを有し、
前記XおよびYはグローバル時系列レートで測定された任意の時間の値であることを特徴とする方法。
【請求項6】
前記探索を実行する工程は、
オフセットYを現在の時間インスタンスXに加えることにより、前記グローバル時系列での前記リッチメディアストリーム全体の探索を行なう工程と、
前記グローバル時系列と1つ以上の内部文書時系列とを同期させて、時間インスタンスX+Yの方向に移動させる工程とを有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記探索を実行する工程はさらに、
所望の探索時間インスタンスX+Yの前に現れるように前記リッチメディアストリームの最後のランダムアクセスポイント(RAP)を突き止める工程と、
前記RAPを復号化し、文書時間を有するシーンを創成する工程と、
前記文書時間を前記所望の探索時間インスタンスの方に移動させて、前記リッチメディアストリームを前記RAPから復号化する工程とを有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記時間インスタンスXおよびYは、前記リッチメディアストリームの伝送レベルタイムスタンプから計算されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
内部文書時系列から前記グローバル時系列への変換は、前記伝送レベルタイムスタンプを前記グローバル時系列のレートに正規化することによって実行されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記グローバル時系列のレートは、前記リッチメディアストリームに対して選択された前記伝送に独立であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記グローバル時系列のレートは、予め定められたレートであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記グローバル時系列のレートは、前記マルチメディアクライアントに明示的に送信されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記リッチメディアストリームは少なくとも2つの文書を含み、
前記探索を実行する工程は、前記文書の境界を越えて探索できることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記リッチメディアストリームは、DIMS/RMEストリームまたはLASeRストリームのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記探索命令は、コマンド、DOM方法、または属性のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
リッチメディアストリーム内の同期を可能にするエンコーダの方法であって、
連続的なグローバル時系列が同期マスタとして使用される場合、syncMasterGlobal属性を設定し、1つ以上の文書時系列が同期マスタとして使用される場合、syncMaster属性を設定する工程(900)と、
前記属性を少なくとも1つの受信エンティティに送信する工程(901)とを有することを特徴とする方法。
【請求項17】
前記属性は、前記リッチメディアストリームのSVG要素に挿入される、前記少なくとも1つの受信エンティティに送信されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記属性は、前記リッチメディアストリームの外部にあるシグナリングを介して、前記少なくとも1つの受信エンティティに提供されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
リッチメディアストリーム内の同期を可能にするデコーダの方法であって、前記方法は、
現在の同期マスタをシグナリングする目的を有する属性を受信する工程(1000)と、
前記受信された属性がsyncMasterGlobal属性であり、かつ前記syncMasterGlobal属性が設定されている場合、グローバル時系列を同期マスタとして使用し、前記受信された属性がsyncMaster属性であり、かつ前記syncMaster属性が設定されているか、または前記受信属性が設定されていない場合、同期マスタとして1つ以上の文書時系列を使用して前記リッチメディアストリーム内で同期をとる工程(1001)とを有することを特徴とする方法。
【請求項20】
前記グローバル時系列は、伝送レベルタイムスタンプに基づくことを特徴とする請求項16乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
両方の属性が設定されている場合、前記syncMasterGlobal属性が前記syncMaster属性より優先されることを特徴とする請求項16乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つのマルチメディアクライアント(600)へ提供されるリッチメディアストリームでの探索を可能にする、エンコーダ(501)を有するマルチメディアサーバ(500)であって、
前記エンコーダは、
オフセット時間インスタンスYを含む探索命令を前記リッチメディアストリームに時間インスタンスXで挿入する挿入ユニット(504)と、
前記リッチメディアストリームを符号化する符号化ユニット(503)と、
前記少なくとも1つのマルチメディアクライアントに前記リッチメディアストリームを送信する送信器(505)とを有し、
前記XおよびYはグローバル時系列レートで測定された任意の時間の値であることを特徴とするマルチメディアサーバ。
【請求項23】
マルチメディアサーバ(500)から提供されるリッチメディアストリームでの探索を可能にするデコーダ(601)を有するマルチメディアクライアント(600)であって、
前記デコーダは、
オフセット時間インスタンスYを含む探索命令を時間インスタンスXで受信する受信器(602)と、
前記受信した探索命令に従って、探索を実行する探索ユニット(603)と、
前記リッチメディアストリームを復号化する復号化ユニット(604)とを有し、
前記XおよびYはグローバル時系列レートで測定された任意の時間の値であることを特徴とするマルチメディアクライアント。
【請求項24】
リッチメディアストリーム内の同期を可能にするエンコーダ(501)を有するマルチメディアサーバ(500)であって、
前記エンコーダは、
同期が連続的なグローバル時系列に基づいてなされる場合にはsyncMasterGlobal属性を設定し、同期が1つ以上の文書時系列に基づいてなされる場合にはsyncMaster属性を設定する挿入ユニット(504)と、
前記属性を少なくとも1つの受信エンティティに送信する送信器(505)とを有することを特徴とするマルチメディアサーバ。
【請求項25】
リッチメディアストリーム内の同期を可能にするデコーダ(601)を有するマルチメディアクライアント(600)であって、
前記デコーダは、
現在の同期マスタをシグナリングする目的を有する属性を有する前記リッチメディアストリームを受信し、前記リッチメディアストリームを復号化ユニット(604)に提供する受信器(602)と、
前記リッチメディアストリームにおける同期をとる同期ユニット(606)とを有し、
前記同期ユニットは、前記同期ユニットが前記受信された属性をsyncMasterGlobal属性として識別し、かつ前記属性が設定されている場合、グローバル時系列を同期マスタとして使用し、前記受信された属性がsyncMaster属性であり、かつ前記syncMaster属性が設定されているか、または前記受信属性が設定されていない場合、同期マスタとして1つ以上の文書時系列を使用するように適合されていることを特徴とするマルチメディアクライアント。
【請求項1】
エンコーダを有するマルチメディアサーバから少なくとも1つのマルチメディアクライアントへ提供されるリッチメディアストリームでの探索を行なう方法であって、
前記方法は前記エンコーダにより実行され、
前記方法は、
オフセット時間インスタンスYを含む探索命令を前記リッチメディアストリームに時間インスタンスXで挿入する工程(700)と、
前記リッチメディアストリームを符号化する工程(701)と、
前記少なくとも1つのマルチメディアクライアントに前記リッチメディアストリームを送信する工程(702)とを有し、
前記XおよびYはグローバル時系列レートで測定された任意の時間の値であることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記探索命令は、サーバが開始する命令であり、前記マルチメディアサーバにより直接前記リッチメディアストリームに挿入されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記探索命令は、ユーザが開始する命令であり、前記リッチメディアストリームのシーンに挿入されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記探索命令は、イベントとリンクした二次的ストリームを通して挿入されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
マルチメディアサーバからデコーダを有するマルチメディアクライアントへ提供されるリッチメディアストリームでの探索を可能にする方法であって、
前記方法は前記デコーダにより実行され、
前記方法は、
オフセット時間インスタンスYを含む探索命令を時間インスタンスXで受信する工程(800)と、
前記受信した探索命令に従って、探索を実行する工程(801)とを有し、
前記XおよびYはグローバル時系列レートで測定された任意の時間の値であることを特徴とする方法。
【請求項6】
前記探索を実行する工程は、
オフセットYを現在の時間インスタンスXに加えることにより、前記グローバル時系列での前記リッチメディアストリーム全体の探索を行なう工程と、
前記グローバル時系列と1つ以上の内部文書時系列とを同期させて、時間インスタンスX+Yの方向に移動させる工程とを有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記探索を実行する工程はさらに、
所望の探索時間インスタンスX+Yの前に現れるように前記リッチメディアストリームの最後のランダムアクセスポイント(RAP)を突き止める工程と、
前記RAPを復号化し、文書時間を有するシーンを創成する工程と、
前記文書時間を前記所望の探索時間インスタンスの方に移動させて、前記リッチメディアストリームを前記RAPから復号化する工程とを有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記時間インスタンスXおよびYは、前記リッチメディアストリームの伝送レベルタイムスタンプから計算されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
内部文書時系列から前記グローバル時系列への変換は、前記伝送レベルタイムスタンプを前記グローバル時系列のレートに正規化することによって実行されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記グローバル時系列のレートは、前記リッチメディアストリームに対して選択された前記伝送に独立であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記グローバル時系列のレートは、予め定められたレートであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記グローバル時系列のレートは、前記マルチメディアクライアントに明示的に送信されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記リッチメディアストリームは少なくとも2つの文書を含み、
前記探索を実行する工程は、前記文書の境界を越えて探索できることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記リッチメディアストリームは、DIMS/RMEストリームまたはLASeRストリームのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記探索命令は、コマンド、DOM方法、または属性のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
リッチメディアストリーム内の同期を可能にするエンコーダの方法であって、
連続的なグローバル時系列が同期マスタとして使用される場合、syncMasterGlobal属性を設定し、1つ以上の文書時系列が同期マスタとして使用される場合、syncMaster属性を設定する工程(900)と、
前記属性を少なくとも1つの受信エンティティに送信する工程(901)とを有することを特徴とする方法。
【請求項17】
前記属性は、前記リッチメディアストリームのSVG要素に挿入される、前記少なくとも1つの受信エンティティに送信されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記属性は、前記リッチメディアストリームの外部にあるシグナリングを介して、前記少なくとも1つの受信エンティティに提供されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
リッチメディアストリーム内の同期を可能にするデコーダの方法であって、前記方法は、
現在の同期マスタをシグナリングする目的を有する属性を受信する工程(1000)と、
前記受信された属性がsyncMasterGlobal属性であり、かつ前記syncMasterGlobal属性が設定されている場合、グローバル時系列を同期マスタとして使用し、前記受信された属性がsyncMaster属性であり、かつ前記syncMaster属性が設定されているか、または前記受信属性が設定されていない場合、同期マスタとして1つ以上の文書時系列を使用して前記リッチメディアストリーム内で同期をとる工程(1001)とを有することを特徴とする方法。
【請求項20】
前記グローバル時系列は、伝送レベルタイムスタンプに基づくことを特徴とする請求項16乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
両方の属性が設定されている場合、前記syncMasterGlobal属性が前記syncMaster属性より優先されることを特徴とする請求項16乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つのマルチメディアクライアント(600)へ提供されるリッチメディアストリームでの探索を可能にする、エンコーダ(501)を有するマルチメディアサーバ(500)であって、
前記エンコーダは、
オフセット時間インスタンスYを含む探索命令を前記リッチメディアストリームに時間インスタンスXで挿入する挿入ユニット(504)と、
前記リッチメディアストリームを符号化する符号化ユニット(503)と、
前記少なくとも1つのマルチメディアクライアントに前記リッチメディアストリームを送信する送信器(505)とを有し、
前記XおよびYはグローバル時系列レートで測定された任意の時間の値であることを特徴とするマルチメディアサーバ。
【請求項23】
マルチメディアサーバ(500)から提供されるリッチメディアストリームでの探索を可能にするデコーダ(601)を有するマルチメディアクライアント(600)であって、
前記デコーダは、
オフセット時間インスタンスYを含む探索命令を時間インスタンスXで受信する受信器(602)と、
前記受信した探索命令に従って、探索を実行する探索ユニット(603)と、
前記リッチメディアストリームを復号化する復号化ユニット(604)とを有し、
前記XおよびYはグローバル時系列レートで測定された任意の時間の値であることを特徴とするマルチメディアクライアント。
【請求項24】
リッチメディアストリーム内の同期を可能にするエンコーダ(501)を有するマルチメディアサーバ(500)であって、
前記エンコーダは、
同期が連続的なグローバル時系列に基づいてなされる場合にはsyncMasterGlobal属性を設定し、同期が1つ以上の文書時系列に基づいてなされる場合にはsyncMaster属性を設定する挿入ユニット(504)と、
前記属性を少なくとも1つの受信エンティティに送信する送信器(505)とを有することを特徴とするマルチメディアサーバ。
【請求項25】
リッチメディアストリーム内の同期を可能にするデコーダ(601)を有するマルチメディアクライアント(600)であって、
前記デコーダは、
現在の同期マスタをシグナリングする目的を有する属性を有する前記リッチメディアストリームを受信し、前記リッチメディアストリームを復号化ユニット(604)に提供する受信器(602)と、
前記リッチメディアストリームにおける同期をとる同期ユニット(606)とを有し、
前記同期ユニットは、前記同期ユニットが前記受信された属性をsyncMasterGlobal属性として識別し、かつ前記属性が設定されている場合、グローバル時系列を同期マスタとして使用し、前記受信された属性がsyncMaster属性であり、かつ前記syncMaster属性が設定されているか、または前記受信属性が設定されていない場合、同期マスタとして1つ以上の文書時系列を使用するように適合されていることを特徴とするマルチメディアクライアント。
【図1a】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−256359(P2012−256359A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−180646(P2012−180646)
【出願日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【分割の表示】特願2009−552622(P2009−552622)の分割
【原出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−180646(P2012−180646)
【出願日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【分割の表示】特願2009−552622(P2009−552622)の分割
【原出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
[ Back to top ]