説明

グローブを装着するための装置および方法

本発明はグローブ(300)の支持体(200)を提供する。この支持体(200)は、使用者がグローブ(300)を装着できる位置にグローブ(200)を釈放可能に保持するよう構成し、使用者の指を収容する形状に形成した少なくとも1個の指開孔(204,206,208,210,212)を有する平面状の本体(202)と、少なくとも1個の指開孔(204,206,208,210,212)の周りに設けたインナーグローブ用の第1グローブ保持部(230)と、第1グローブ保持構造(230)および少なくとも1個の指開孔(204,206,208,210,212)の双方の周囲に設けた外側グローブ保持構造(242)を有する。この本体(202)は、さらに、少なくとも1個の指開孔(204,206,208,210,212)から延びている少なくとも1個の脆弱化領域(220,222)を有し、この脆弱化領域(220,222)は、使用にあたり、本体(202)が破断し、またこれにより、使用者の手を少なくとも1個の指開孔(204,206,208,210,212)に挿入するとき、少なくとも1個の指開孔(204,206,208,210,212)の寸法を増大することができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グローブ、グローブを保持する装置、グローブ保持装置およびグローブの組み合わせ体を有するグローブ装着装置、およびこのグローブ装着装置を使用してグローブを装着する方法に関する。本発明は、とくに、これに限定するものではないが、無菌状態の滅菌グローブを有する装置を使用するにより、簡単にグローブを装着するとともに、グローブの無菌状態を維持できるようにすることに関する。本発明は、非滅菌グローブの装着にも等しく適用できる。
【背景技術】
【0002】
手術用グローブを含むグローブは、例えば医療、実験室、食品調理および製造業界における「クリーンルーム」環境等の無菌性を要求する様々な環境下で着用される。装着するときにグローブの無菌性を保つことが重要である状況は多数存在する。
【0003】
医療環境では、グローブは、医療専門家の手が身体検査または外科手術中に、患者の体と接触するのを防ぐために着用される。保護グローブは、通常、患者、グローブの装着者、医学的環境における不慮もしくは偶発的な感染、または二次汚染のリスクに対する主要な保護手段として世界的に認められている。
【0004】
例えば、利き手ではない手に単独の滅菌グローブを使用することにより、血管穿刺中に血管の感触を感じとり、患者血流による汚染を防ぐようにする。
【0005】
「クリーンルーム」環境での製造において、グローブを装着して、技術者の手が、物品、例えば極めて繊細な電子回路を支持するウエーハおよび他のデバイスに直接触れることを防ぐようにする。このような環境で未滅菌グローブを着用することは、このような物品を汚染しかねないので、未滅菌グローブはこれらの使用には適さない。
【0006】
無菌状態に製造されたグローブが保管中に無菌状態に保たれることが最も重要なことである。グローブが初期的に滅菌状態にする場合、装着過程中にグローブの無菌性を維持することは、高度に要求されることがよくあり、場合により義務である。グローブの無菌性は、グローブの着用中または装着中に、悪影響を受けることがある。従って、着用中もしくは装着過程中は滅菌グローブ汚染の主要ポイントである。装着過程において、手またはその他の汚染源は滅菌グローブ表面への不注意による微生物の伝達もしくは他の汚染物の伝達によって滅菌グローブと接触および汚染し得る。
【0007】
医療専門家における、装着過程中に生じる好ましくない汚染のリスクは、介助なしに装着する、一般的に容認された2種類の方法のうち一つを使用してグローブを装着することで減らされる。これら2種類の技術は、オープングローブ装着およびクローズドグローブ装着である。
【0008】
グローブ、例えば滅菌グローブの装着に現在使用されるオープングローブ装着技術は、パッケージの内面と、とりわけパッケージに含まれるグローブの外面がどんな無菌的面にも触れないように、滅菌グローブを含むパッケージを慎重に開封することが求められる。グローブは、通常、カフを折り返して包装される。つまり内側が外側に折り返され、下方に折り込まれる。右手のグローブを装着するために、装着者は左手で右グローブの折り返し部をつかみ、右手をグローブの開口に挿入する。次に、右手のグローブを装着した指を左グローブの折り返したカフの下側に滑り込ませることにより、右手で左グローブを取り上げて保持するとともに、左手をグローブの開口に挿入する。グローブ装着を完了させるために、折り返したカフを衣類の袖における末端上に注意深く被せ、折り返したカフの予め露出していた面全体がグローブの内側になり、また外面がグローブをしていない手で触られない状態に維持する。
【0009】
クローズドグローブ装着技術において、グローブは袖の生地、例えば手術着の袖、を介して取り扱う。このように、グローブの開口端部を実際に袖上に引き上げるまで、装着者の手は袖の外に出ない。クローズドグローブ装着技術は、手術アリーナにおける現在の使用状況について述べることで最適に示される。この方法は、装着者が既に滅菌手術用ガウンを着用していることを想定している。従って、ガウンのスリーブ内に左手を維持したまま左手を使用して、右のグローブを折り返されたカフで持ち上げる。この方法では、グローブそれ自体は、袖によって左手が保護される限り直接触られることはない。右手は掌を上向きにして広げ、スリーブ内に保持した状態で、左手は右手の保持された掌部に対向するようグローブの掌を向け、グローブの指部分が装着者に向くようグローブの掌部を配置する。折り返されたカフの最も近接する端縁を袖生地から出した右手で掴む。次に、左手は折り返されたカフの掴まれていない端縁が右袖および手の上に引っ張って被せる。左手も同様の方法で、グローブを嵌めた右手を使って左手のグローブを適切な位置にし、左袖および手の上に被せる。
【0010】
これらグローブ装着方法は双方とも困難を伴う。オープングローブ装着技術は、指および手の高レベルな熟練を必要とする。クローズドグローブ装着技術は、装着者の指がスリーブによって覆われている間、手指の動きを妨げる。このような複雑な方法から予想されるように、とくに災難および緊急時、多数の偶発的汚染可能性に影響され易い。従って、より良い方法はオープンまたはクローズドの方法を使用せず、滅菌グローブの装着を素早く、容易で、より管理され、簡単に実施でき、事前準備され、無菌かつアシスタントの介助を必要としない方法を使用することである。加えて、この方法は経済的に費用効果が高く実施および実行されるべきである。
【0011】
歯科医または歯科助手が口内で作業しなければならない歯科治療環境では、術後感染症は劣悪な衛生管理により生じる。例えば、隠しカメラによる歯科医院調査は、サンプルの歯科医師がたった23%の患者接触においてグローブ装着前に手を洗い、56%の接触のみ患者間でグローブを換えたことを示す(ポーター氏らの、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル、1996年、312〜705頁における論文)。既知の方法よりもより素早く、容易かつ効果的に滅菌グローブ装着の改善方法を提供することで、歯科医師と歯科助手は患者接触の度にグローブを交換し易くなり、グローブ装着過程でグローブ汚染の可能性が減らされる。これは、術後感染症を減らす影響を持つだろう。
【0012】
未滅菌グローブ問題の重大さは以下のことを考慮すると、焦眉である。
【0013】
1.外科手術室と称されるものは別として、未滅菌試験用グローブは現在米国医療施設において100億枚/年の割合で使用されていると見積もられている。
【0014】
2.サンプルされた緊急治療室と救急処置室における教育された監視者による研究は、医療者が患者との各接触前および接触後たった20−40%しか手を洗わないということを示す。(Wurtz et al. Am. J. Infect. Control 1994; 22: 228-230; Nystrom. Infect. Control Hosp. Epidemiol. 1994; 15; 435-436; Meengs et al. J. Emerg. Nurs. 1994; 20: 183-188)
【0015】
3.医療者が検査グローブの装着前に手を洗うのは、100回中たった27回であった。(Thompson B. L. et al. Infect. Control Hosp. Epidemiol. 1997; 18: 97-103)
【0016】
4.HIVとHBVの感染症から自身を守るために医療者がラテックスグローブを使用することが増えたことは、医療者と患者間に間違った安全意識をもたらし、かつ患者治療時の適切かつ充分な手洗いに対する誤りが広く普及することをもたらした。(Heptonstall & Mortimer. Lancet 1995; 345: 599-600)
【0017】
上述の例は、仮に医療従事者および歯科医師の患者接触であっても、適切に手を洗えないことの高い発生率を示す。従って、これらの状況で、未洗浄の手と接する滅菌グローブの汚染リスクはもし手が完全に洗浄されていた場合よりかなり高い。未洗浄の手でグローブの滅菌外面を接触することによるリスクを最小限にする改良された滅菌グローブの装着方法は、感染の機会を大幅に減らす。これは、次に、術前感染、二次(交叉)感染などの機会を減らす。
【0018】
「クリーンルーム」環境での製造において、滅菌グローブ装着の改良された方法も汚染機会を大幅に減らす。この状況で、汚染は、もしこういった汚染物が電子回路もしくは電子機器に接触した場合、どんな電子機器もしくは他の非常に繊細な電子機器に激しく影響を与え得る、装着者の手の油脂、油分もしくは他の残留物に由来することがある。
【0019】
以上のように、滅菌グローブの装着を素早く、容易で、より管理され、簡単に実施でき、事前準備され、無菌かつアシスタントの介助を必要としない装置および/または方法の開発が強く望まれ、さらに、この装置および/または方法は実施および実行に対して経済的に費用効果が高いものとすべきである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0020】
【非特許文献1】Porter et al. British Medical Journal 1996; 312: 705
【非特許文献2】Wurtz et al. Am. J. Infect. Control 1994; 22: 228-230; Nystrom. Infect. Control Hosp. Epidemiol. 1994; 15: 435-436; Meengs et al. J. Emerg. NUTS. 1994; 20: 183-188
【非特許文献3】Thompson B. L. et al. Infect. Control Hosp. Epidemiol. 1997; 18: 97-103
【非特許文献4】Heptonstall & Mortimer. Lancet 1995; 345: 599-600
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的の一つは、装着過程での滅菌グローブの汚染リスクを最小限にすることである。
本発明の他の目的は、それにより1枚もしくは1対のグローブを装着でき、装着のスピードと簡便さを向上させることである。
【0022】
本発明のさらに他の目的は、現在の煩わしい方法よりも本発明を使用することにより、無菌環境下の従事作業者においてグローブを使用しなくてよいまたはグローブを変えなくてよいという誘惑を減らすことである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、使用者がグローブを装着できる状態にグローブを釈放可能に保持するよう構成したグローブ支持体を提供し、このグローブ支持体は、使用者の指を収容するよう形成した少なくとも1個の指開孔を持つ平面状の本体と、少なくとも1個の指開孔の周りに設けた第1の内側グローブ保持構造と、および第1の内側グローブ保持構造および少なくとも1個の指開孔双方の周りに設けた外側グローブ保持構造と、を備え、この本体には、少なくとも1個の指開孔から延びる少なくとも1個の脆弱化領域を設け、この脆弱化領域は、使用にあたり使用者の手を前記少なくとも1個の指開孔に挿入するとき、前記本体を分離させ、前記少なくとも1個の指開孔のサイズを増大させる構成とする。
【0024】
本体の脆弱化領域は、少なくとも1個の指開孔のサイズを永久に増大させるように、裂断、破断または他の方法で分離することができる。
【0025】
この支持体の目的は、グローブの開口端部を開いた状態に保持し、これにより使用者が比較的迅速かつ簡単に手をグローブの開口端部に挿入でき、グローブを装着できるようにすることである。さらに、グローブの開口端部を開いた状態に保持することで、グローブの指部分および親指部分を明確に露出させ、手の指および親指をより素早くかつ簡単にグローブの指部分および親指部分に挿入できるようにする。このことは、グローブ装着過程を極めて簡単にし、装着過程におけるグローブの汚染リスクを減らすことができる。このグローブ支持体は、装着者が片手だけでグローブを装着することを可能とする。このグローブ支持体は、本発明でなければ使用者のフリーな手を使用しなければならないはずの、グローブ保持機能を満たす。
【0026】
本発明の更なる目的は、グローブの外面と接触せずに手を挿入することを可能にすることである。これは、グローブの装着時に手からグローブの外面に汚染物質が伝播しないことを確実にする。
【0027】
グローブ支持体の少なくとも1個の脆弱化領域の裂断または破断は、永久的に少なくとも1個の指開孔のサイズを増大させる。
【0028】
平面状の本体は、好ましくは可撓性のシート状材料で形成することができる。この平面状の本体は、好ましくはプラスチック材料の可撓性シートで構成することができる。
【0029】
少なくとも1個の指開孔は、使用者の指が開孔に侵入して通過できる寸法とするが、使用者の掌通過できる寸法としない。本体には、指開孔から本体にわたって延びる1個またはそれ以上の脆弱化領域を設け、この脆弱化領域は、所定の状況で本体が裂断または破断して開孔のサイズを増大し、それにより使用者の手が開口部を通ることを可能とする。
【0030】
少なくとも1個の脆弱化領域は、本体における有孔ラインによって画定することができる。代案として、少なくとも1個の脆弱化領域は、本体における引っ掻き部または同様の凹みにより画定することができる。更なる実施形態において、少なくとも1個の脆弱化領域は、本体の一部分を、例えば本体の残りの部分より脆弱にする処理をした部分とし、この脆弱化領域は本体の残りの部分よりも一層もろくなるよう処理する。さらに他の実施形態においては、少なくとも1個の脆弱化領域は、本体を切断または破断し、一時的に修復しておいた切断部または破断部により画定することができる。
【0031】
本体は、使用者の指を収容する形状に形成した複数個の開孔を設けることができる。本体は、例えば、使用者の親指、人差し指、中指、薬指および小指を収容する形状に形成した独立した5個の開孔を設ける。代案として、本体は、使用者の親指を収容する形状に形成した第1開孔と、使用者の人差し指、中指、薬指および小指を収容する形状に形成した開孔を設けることができる。開孔は他の構成も可能であると理解されたい。複数個の開孔を設ける場合、開孔間にウェブ部分を生ずることを理解できるであろう。ウェブは、使用にあたり破れこれにより支持体を通して使用者の手が進入するのを妨げないよう構成する。脆弱化領域とともに、このウェブまたは各ウェブには、本体における有孔ライン、引っ掻きラインまたは同様の凹みラインを設けることができる。代案として、このウェブは本体の残りの部分よりも脆弱となるよう処理することができ、例えばこのウェブは本体の残りの部分より壊れ易くなるよう処理する。
【0032】
内側グローブ保持構造は、使用にあたり、グローブを本体の少なくとも1個の開孔にグローブの指部分が整列する状態に保持する。したがって、内側グローブ保持構造は、グローブの指部分の基部を包囲するグローブの掌部分および甲部分でグローブに係合する。内側グローブ保持構造は、少なくとも1個の開孔を包囲するよう本体に設けた複数個の形成部を有する構成とする。この形成部は、前記本体に貫通する開孔を有し、この開孔は、グローブの一部分を配置することができる構成とすることができる。このような実施形態において、各開孔はスロットを有する構成とする。他の実施形態において、形成部は、グローブの一部を配置し得る本体の窪みを有する構成とすることができる。更なる実施形態において、内側グローブ保持構造は、使用にあたり、一次的にグローブを本体に接着するよう本体に塗布した接着剤を有する構成とすることができる。
【0033】
外側グローブ保持構造は、使用にあたり、グローブのカフを本体に保持する。好ましくは、外部グローブ保持構造は、グローブのカフビードを保持する。外側グローブ保持構造は、本体における1個以上の形成部を有する構成とすることができる。このような実施形態において、外側グローブ保持構造は、本体における突起を有する構成とすることができる。この突起は、リップの形式とすることができる。このリップは、連続的もしくは不連続的にすることができる。この形成部は、本体に延在する開孔または穴を有するものとし、これら開孔または穴にグローブの一部を配置することができる。このような実施形態において、各開孔はスロットにより構成することができる。代替的な実施形態において、形成部を本体における窪みとし、これら窪みにグローブの一部を配置できるようにする。更なる実施形態において、この外側グローブ保持構造は、使用にあたり、一時的にグローブの望ましい部分を本体に接着するよう、本体に塗布した接着剤とすることができる。
【0034】
このグローブ支持体には、内側グローブ保持構造および外側グローブ保持構造間にグローブ保管構造を設けることができる。グローブ保管構造は、本体に設けた1個またはそれ以上の開孔を有し、この開孔は、使用にあたりグローブの一部分が通過する構成とする。一方または双方のグローブ保管開孔は、グローブのカフとグローブの指がグローブの掌および甲に接するエリアとの間に広がるグローブの一部を収容することを意図する。このもしくは各保管開孔に収容するグローブの部分は、巻回する、折り込む、蛇腹状に配置する、または他の方法で保管する。他の実施形態において、グローブ保管構造は、グローブの前述の部分が受けられる、支持体における1個以上の窪みにより構成し、これら窪みにグローブの一部を収容する。更なる実施形態において、グローブ保管構造は、本体に設けた少なくとも1個の接着剤領域により構成し、この接着剤領域により上述のグローブの一部を一次的に保持することができる。
【0035】
随意的に、このグローブ支持体には、グローブ保管構造と外側グローブ保持構造間に配置した、追加グローブ保持構造を設けることができる。追加グローブ保持構造は、グローブ支持体のグローブ保管構造を包囲するよう本体に形成した複数個の形成部を有する構成とすることができる。この形成部は、本体に延在する開孔または穴とし、この開孔または穴にグローブの一部を配置することができるようにする。このような実施形態において、各開孔は、スロットにより構成することができる。他の実施形態において、形成部は本体に形成した窪みとし、これら窪みにグローブの一部を配置できるようにする。さらに他の実施形態において、追加グローブ保持構造は、本体に塗布した接着剤とし、使用にあたり、一時的にグローブの望ましい部分を本体に接着できるようにする。
【0036】
このグローブ支持体は、左手のグローブおよび右手のグローブよりなるグローブ対を釈放可能に保持する構成とすることができる。このような実施形態において、このグローブ支持体は、使用者の左手および右手の各指を収容するよう形成した少なくとも1個の左指開孔および少なくとも1個の右指開孔を有する本体と、少なくとも1個の指開孔それぞれの周りに設けた第1の内側グローブ保持構造と、および各第1の内側グローブ保持構造と少なくとも1個の各指開孔の周りにそれぞれ設けた外側グローブ保持構造を有する構成とし、本体は少なくとも1個の指開孔から延びる少なくとも1個の脆弱化領域を有し、この脆弱化領域は、使用にあたり、使用者の手を少なくとも1個の指開孔それぞれに挿入するとき、本体を裂断させ、これにより各指開孔のサイズを増大させる。
【0037】
このグローブ支持体は、複数のグローブまたは複数のグローブ対を釈放可能に保持する構成とすることができる。このような実施形態において、このグローブ支持体には、複数のグローブまたは複数のグローブ対を釈放可能に保持するよう、上述の特徴を反復したアレイを設ける。
【0038】
本発明の他の態様によれば、グローブ支持体とグローブとの組み合わせ体を提供し、グローブ支持体は、使用者がグローブを装着できる状態にグローブを釈放可能に保持するよう構成し、このグローブ支持体は、使用者の指を収容する形状に形成した少なくとも1個の指開孔を有する平面状の本体と、少なくとも1個の指開孔の周りに設けた第1の内側グローブ保持構造と、第1の内側グローブ保持構造および少なくとも1個の指開孔双方の周りに設けた外側グローブ保持構造と、を備え、この本体には、少なくとも1個の指開孔から延びる少なくとも1個の脆弱化領域を設け、この脆弱化領域は、使用にあたり使用者の手を前記少なくとも1個の指開孔に挿入するとき、前記本体を分離させ、前記少なくとも1個の指開孔のサイズを増大させる構成とし、グローブの指部分を少なくとも1個の指開孔に整列するように、グローブのカフを外側グローブ保持構造によって釈放可能に保持し、またグローブの指部分の基部を包囲するグローブの掌および甲部分を内側グローブ保持構造に保持する構成とする。上述のグローブ支持体の特徴は、グローブと組み合わせるとき、支持体に同様に適用可能である。
【0039】
このグローブ支持体は、グローブ支持体のほぼ平面上または平面内の位置にグローブの指部分の開孔を保持するように、グローブと連係する。
【0040】
このグローブは、使用にあたり、グローブ支持体における使用者に背反する側の側面に設ける。したがって、使用者は、少なくとも1個の指開孔を通してグローブ内部を見ることができる。
【0041】
このグローブ支持体には、前記支持体とともに密閉したコンパートメントを形成する保護用のカバーを設け、グローブ外面を密閉したコンパートメント内部に配置することができる。このカバー、およびそれゆえ密閉したコンパートメントは、使用にあたり、グローブ支持における使用者に背反する側の側面に設ける。このカバーは、任意の適当な材料で形成することができる。このカバーは、薄膜、フィルムまたは他の薄く、可撓性のある材料で形成することができる。密閉したコンパートメントは、気密パッケージまたは真空包装で製造できる。好ましくは、このカバーは、グローブの着用時にグローブ支持体から分離できるように形成する。この分離は、使用者がグローブを装着することでグローブ支持体からカバーが外れるように、カバーに対して使用者の指を移動することでそこに作用する力の結果として生じ得る。代案として、このカバーは、グローブの装着直前に、グローブ支持体から取り外すことができる。このカバーは、使用者によって手動で取り外す、またはグローブ支持体を含む装置によって自動的に取り外すことができる。
【0042】
グローブ支持体から取り外すカバーの変わりに、カバー自身が裂断する、または破断することでグローブおよび手が通過できるようにする。これは、カバーに有孔ラインもしくは材料を薄くしたラインを設ける、またはこの材料のカバーを使用者の手によって加わる力でカバーが破れるよう充分に薄くすることにより生ずるようにする。
【0043】
好ましくは、密閉コンパートメントは、グローブを密閉コンパートメント内に保持する間グローブの外面を無菌状態に保つために無菌状態である。密閉コンパートメントは、更に、コンパートメントの無菌性を確実にする化学成分もしくは活性成分、例えば消毒薬もしくは抗菌薬を有する構成とする。
【0044】
このカバーは、好ましくはグローブ支持体に密着し、これによりグローブ支持体の少なくとも1個の指開孔にグローブの指部分が隣接するように保持する。グローブの指部分は、折り込む、巻回する、または蛇腹状に配置してカバーによって支持体に近接して保持することができる。
【0045】
このグローブ支持体は、使用にあたり、支持体における使用者に背反する側の側面に設ける追加カバーを有することができる。この追加カバーは少なくとも1個の指開孔を覆い、使用者がグローブを着用する前にグローブ支持体から除去されることが要求される。グローブ支持体に追加の開孔を設け、内側グローブ保持構造、グローブ保管構造および/または追加グローブ保持構造を設ける場合、追加カバーがこれら開孔および使用者に背反する側の側面でグローブ支持体に貫通するグローブ部分を覆うようにすることができる。この追加カバーは、可撓性のあるシートまたはフィルムで形成することができる。この追加カバーは、プラスチック材料のシートで形成することができる。
【0046】
このグローブ支持体には、随意的に他のカバーを設けることができ、この他のカバーにより保護用のカバーを覆い、装着者のグローブ装着過程の前に取り外す。この他のカバーは、保護カバーの外面を滅菌状態に維持するよう設ける。この他のカバーは、可撓性のあるシートまたはフィルムで形成することができる。この他のカバーは、プラスチック材料のシートで形成することができる。
【0047】
本発明は、グローブ支持体を使用して使用者の手にグローブを装着するグローブ装着方法を提供し、この方法は、次のステップすなわち、
使用者の指を収容する形状に形成した少なくとも1個の指開孔を有する平面状の本体と、少なくとも1個の指開孔の周りに設けた第1の内側グローブ保持構造、および第1の内側グローブ保持構造および少なくとも1個の指開孔双方の周りに設けた外側グローブ保持構造、を有する支持体を準備する支持体準備ステップであって、この本体は少なくとも1個の指開孔から延びる少なくとも1個の脆弱化領域を有するものとした、該支持体準備ステップと、 グローブを前記支持体に取り付けるグローブ取り付けステップであって、前記グローブの指部分および親指部分が前記少なくとも1個の指開孔に整列するように、前記グローブのカフを前記外側グローブ保持構造によって釈放可能に保持し、また前記グローブの指部分および親指部分の付け根の周囲における前記グローブの掌部分および甲部分を前記内側グローブ保持構造に保持する、該グローブ取り付けステップと、
使用者の手の指および親指を前記グローブの指部分および親指部分に整列させるステップと、
手の指および親指を、前記少なくとも1個の指開孔を経て前記グローブの指部分および親指部分に挿入するステップと、
使用者の手を前記少なくとも1個の指開孔内に移動して前記支持体の脆弱化領域を破断し、これにより前記少なくとも1個の指開孔を拡張する手移動ステップであって、使用者の手を継続して移動することで、前記内側グローブ保持構造、およびついで外側グローブ保持構造から前記グローブを離脱させ、そして使用者の手に装着された状態にする、該手移動ステップと、
前記拡張した指開孔を経てグローブを装着した手を引き戻す戻しステップと
を有する。
【0048】
本発明の更なる態様によれば、開孔を画定する部材を有するグローブ装着装置を提供し、このグローブ装着装置は、部材は、グローブを釈放可能に保持するよう開孔の周囲に配置した保持手段およびこの保持手段を有する部材と、および保持手段により保持したグローブと、を備え、この保持手段は、開孔の周りに延在する内側グローブ保持形成部と、内側グローブ保持形成部および開孔の周りに延在する外側グローブ保持形成部を有し、この保持手段は、グローブの指部分および親指部分の開口が開孔にわたって位置するように開孔に張力を加えて保持する。
【0049】
このグローブ装着装置の目的は、グローブの開口端部を開放状態に保持し、これにより手をグローブの開口端部に比較的素早くかつ容易に挿入できる、したがって、グローブを装着できるようにすることである。さらに、グローブの開口端部を開放状態に保持することで、グローブの指部分および親指部分は、手の指および親指をより素早くかつ容易に、挿入できるように一層明瞭に露出させる。これはグローブ装着過程を大変簡単にし、グローブ装着過程中にグローブの汚染リスクを減らす。プレートとプレートの釈放可能な保持手段は、開孔にわたり所定のテンションでグローブを引き伸ばすことができるよう構成する。
【0050】
本発明の他の目的は、グローブの外面に触れることなく手をグローブに挿入することを可能にすることである。これはグローブが着用されるときに、手からグローブの外表面へ汚染物質が伝達されないことを確実にする。
【0051】
このプレートは、任意の形状またはサイズとすることができ、また可撓性または剛性を有するものとすることができる。プレートは、金属、ボール紙、プラスチック、エラストマー、ゴム、複合材料または他の任意な材料で形成することができる。
【0052】
このプレートに画定する開孔は、任意の形状またはサイズとすることができる。円形、卵円形、楕円形、正方形、長方形または他の任意の適切な形状とすることができる。好ましくは、開孔を卵形とする。このプレートを一体ピースのプレートで形成するとき、この開孔は好ましくは手が通過できるサイズとする。
【0053】
着脱可能にグローブを保持する内側形成部は、上述した形成部からグローブを取り外すのに充分な力が加わるまで、上述のようにグローブを保持でき、プレートに取り付けられた状態にする、任意の適切な手段も可能である。この内側保持形成部は、上述の形成部に取り付けたときにグローブの開口端部が開放した状態に保持し、開孔を通過する物体がグローブの開口端部を通してグローブの内部に入るようにプレートによって画定される開孔を包囲するように、開孔の周りに配置する。好ましくは、着脱可能にグローブを保持する形状部は、リップにより構成する。このリップの縦断面は、装着前にグローブを保持するクリップまたは保持機構として作用する、円形、卵円形、楕円形、正方形、長方形または任意の適切な形状とすることができる。好ましくは、このリップは、円形断面を有し、装置周辺部に配置される連続的リングとする。グローブを着脱可能に保持するための形成部は、剛性または可撓性のプラスチック、金属、エラストマー、ゴム、ボール紙、複合材料または他の任意の適当な材料で形成することができる。これはプレートと同一または異なる材料で形成することができる。
【0054】
用語「グローブ」は、手全体をカバーし、また装着者の指および親指のための個別の開口または鞘(シース)を有する、普通の構成であるグローブも含むことを意図する。この用語は、手全体を覆い、着用者の指を通す開口および着用者の親指を通す個別開口部を有するミトンタイプのグローブをも含むことを意図する。用語「グローブ」は、装着者の手を部分的にのみカバーする手用衣料品をも含むことを意図する。このタイプのグローブは、例えば、個別の指および親指用の鞘、または装着者の指および親指をカバーするが使用者の手掌から手首まで完全には覆わないグローブであってもよい。
【0055】
普通のグローブおよびミトンにおいて、用語「カフ」は、一方ではグローブの開口端部によって画定され、他方では開口端部から掌(手のひら)領域に至り、グローブの親指部分が掌領域に連結するポイントの直ぐ上の部分である、グローブの一部分として定義する。グローブを使用者の手に装着するとき、「カフ」は、一般的にはグローブの長さに基づいて、使用者の手首、場合により前腕を包囲する。したがって、使用者の腕に沿って充分上方に拡張する場合、「カフ」はグローブの大きな部分となり得る。装着者の手を部分的にのみカバーする上述のタイプのグローブにおいて、このカフは、装着者の一つ以上の指もしくは親指の付け根を囲う、または装着者の掌を横切って存在する。
【0056】
このグローブは任意の適当なグローブとすることができる。好ましくは、グローブは、伸縮性のあるグローブ、例えば、医師、看護師および研究従事者が手さばきに支障なく手を保護するのに一般的に使用するタイプとする。このグローブはウエットタイプまたはドライタイプとすることができる。使用されるグローブは既に市販されまた幅広く入手可能なグローブとすることができる。あるいは、特定目的用に特注したグローブ、または目的に応じて適合化もしくは変更してある商業的に入手可能なグローブとすることができる。通常、広く入手可能な薄く伸縮性のあるグローブは、グローブの開口端部にビードを有する。用語「ビード」は、開口端部でグローブの端部を形成する強化し、緊密に巻回した端縁を意味する。このビーズは取り付けポイントとして使用し、これにより、カフビードと連係してカフ保持手段がグローブを保持することができる。カフ保持手段がリップを有するとき、このリップはグローブのカフに取り付けたビードを保持する。
【0057】
好ましくは、グローブを着脱可能に保持する外側形成部はリップを有する構成とする。リップの断面は、円形、卵円形、楕円形、正方形、長方形または、装着前にグローブのカフを保持するクリップもしくは保持機構として作用する、任意の適切な形状とすることができる。好ましくは、外側保持形成部は、円形断面を有し、内側保持形成部の周りに配置し、内側保持形成部から離れた位置に存在する連続リングを有する構成とする。
【0058】
本発明は、互いに離れた位置にあるグローブのカフに配置した2個のビードを有するグローブを提供することができる。好ましくは、このグローブは、伸縮性のあるグローブ、例えば医師、看護師および研究従事者が手さばきに支障なく手を保護するために一般的に使用するタイプのグローブとする。グローブは、天然もしくは合成のゴム、ニトリル、ラテックス、シリコーン、ポリイソプレン、複合材料、繊維、樹脂、プラスチック、エラストマー、紙または他の任意の適当な材料で形成することができる。このグローブは任意のサイズとすることができる。異なるサイズのグローブは、使用者が異なるサイズの手を有する可能性を考慮にいれた、本発明の異なる実施形態として使用することを見越してのものである。このグローブは異なる色付きのものとすることができる。好ましくは、異なるサイズのグローブは、グローブのサイズを示すように色分けする、および/または任意な能動的クリーニングもしくは滅菌用化学薬品をグローブに適用もしくは組み入むものとする。
【0059】
本発明によるグローブは、互いに離れて位置する2個のビードを有するものとして製造することができる。このグローブは任意の適切なタイプのグローブとすることができる。あるいは、カフに位置する1個のビーズを既に含んでいる商業的入手可能なグローブを使用できる。このようなグローブは当業者によく知られている。第2ビードは、付着または固着プロセスによって商業的に入手可能なグローブに取り付けることができる。好ましくは、これは製造過程で行う。他の実施形態において、2個のビードは、なんらビードを持たない商業的に入手可能なグローブに取り付けることができる。好適には、本発明によるグローブは、グローブのカフを着脱可能に保持する1個の手段を有する、グローブ装着装置に使用することができる。
【0060】
好ましくは、本発明によるグローブは、グローブを着脱可能に保持する2個の保持手段を有するグローブ装着装置に使用する。使用にあたり、第1ビードは内側保持手段により保持し、第2ビードを外側保持手段によって保持する。グローブのビードは任意の適当な形状、例えば、正方形、長方形、卵円形、楕円形、もしくは円形とすることができる。このビードは、グローブと同一材料または異なる材料で形成することができる。このビードは、天然もしくは合成のゴム、ニトリル、シリコーン、複合材料、繊維、樹脂、プラスチック、エラストマー、紙または金属で形成することができる。好ましくは、本発明によるグローブは、グローブの掌領域に隣接するカフの一方の端部に位置する第1ビード、およびグローブの開口端部に隣接してカフの他方の端部に位置する第2ビードを有する構成とする。
【0061】
グローブ保持手段によって保持されるグローブのカフの保持は、巻回、折り込み、丸め込みまたはロール層状化の結果グローブ保持手段によってグローブのカフのほぼ全体を保持するように行う。このことは、グローブ装着装置をよりコンパクトにする効果を有する。さらに、このことは、グローブをより大きく広げる効果を有し、グローブの指部分および親指部分をより明瞭に視認できるよう位置決めする。このことは、グローブの装着時に手を指部分および親指部分に整列させることを容易にする。このことは、装着過程を容易で、素早くかつより確実にする。
【0062】
2個のグローブ保持形成部を有する実施形態において、カフのほぼ全体の保持は、カフを巻回、折り込み、丸め込み、ロール層状化、またはこれらの組み合わせの結果として、2個の保持形成部によって行う。2個のビードを持つグローブを2個の保持形成部を有する実施形態に使用するとき、2個のビード間に存在するカフ領域は、2個のカフ保持手段間でプレート上に保持する。このことは、グローブを確実に開いた状態にする間、カフ部分の保管を容易にする。このことは、さらに、カフ部分を気にすることなく、指部分および親指部分を含む掌部に手をまっすぐ挿入できるようになり、手を一層容易にグローブに挿入することができるようになる。一旦グローブの残りの部分が使用者の手の所定位置に配置した後にのみ、カフ部分に使用者の手が接触するようになる。このことは、グローブの外面が使用者の手と接触しないことを確実とすることを助ける。
【0063】
グローブの指部分および親指部分も、巻回、折り込み、丸め込み、ロール層状化、またはこれらの組み合わせを行うことができる。このことは、装置を一層コンパクトにし、容易で、素早くかつより安定してグローブの指分および親指部分を装着することを可能とする効果を有する。
【0064】
他の実施形態において、グローブ装着装置のプレートは、さらに、プレートに取り付けられたカバーを有し、このカバーは、密閉したコンパートメントを形成し、グローブの外面を密閉したコンパートメント内部に配置する。さらに、グローブ全体を密閉したコンパートメント内に配置することができる。カバーは任意の適当な材料で形成することができる。このカバーは、薄膜、フィルムまたは他の軽量材料で形成することができる。密閉したコンパートメントは、気密パッケージまたは真空包装として製造することができる。好ましくは、このカバーは、グローブを装着するときにプレートから離脱するよう形成する。このことは、手の移動によって生ずる力の結果、例えばシールを破ることによって生じ得る。代案として、このカバーは適切に構成した装置によって機械的に取り外すようにすることができる。
【0065】
プレートから分離可能にするカバーの代わりに、このカバー自体が分離もしくは裂けてグローブおよび手がそれを通過できるようにする。このことは、カバーに有孔ラインもしくは材料における脆弱化材料のラインを設けること、またはカバーが充分に薄くすることによって行うようにすることができる。
【0066】
分離可能もしくは破壊可能なカバーは装着過程を妨げるカバーなしにグローブを容易に装着することを可能とする。グローブ装着装置を、よりコンパクトであり、かつ小さな空間内にグローブを収容するとき依然として充分に機能的であることを可能とする。
【0067】
好ましくは、密閉したコンパートメントは無菌状態とする。好ましくは、密閉したコンパートメントは、さらに、コンパートメントを滅菌状態に保つことを確実にする化学成分または活性成分、例えば、バクテリア、細菌等を攻撃しまた殺すように調剤した消毒薬または抗菌剤を含むものとする。
【0068】
好ましい実施形態において、グローブは、プレートの互いに対向する両側側面に設けたカバー相互間に設け、これらカバーおよびプレートが互いに連結して密閉した無菌コンパートメントを生じ、この無菌コンパートメント内に、装着直前までグローブを収容する。グローブをプレートに取り付けた状態では、カバーのうちの一方はグローブの外面に対面し、他方のカバーはグローブの内面に対面する。グローブ内部に対面するカバーは、グローブの装着前に取り除くように構成することができる。
【0069】
無菌密閉チャンバを有する実施形態の目的は、グローブ外面を確実に無菌状態に維持しつつ、グローブを装着できるようにすることである。本発明の装置は使用が極めて明快なので、従来技術のグローブおよび装置と比べてグローブの外面が汚染されるリスクが極めて低いものとなるだろう。
【0070】
他の実施形態において、このプレートは、分離できる少なくとも2個のピースにより構成し、プレートに画定した開孔は、これらピースを分離するとき寸法を増大し、グローブのカフはより大きく開いた状態に引き伸ばされるようにする。好ましくは、グローブ装着装置は、さらにプレートピースを分離する分離手段を有する構成とする。好ましくは、プレートのピースを分離する分離手段は、バネ負荷機構、拡張装置(エクステンダ)およびレバーのうち任意の一つとする。好ましくは、プレートのピースを分離する分離手段を電子デバイスによって制御する。
【0071】
少なくとも2個のピースにより構成するプレートを有する利点は、グローブ保持手段がグローブのカフよりほんの少しだけ大きいサイズにすることができる点である。このようにして、グローブをグローブ保持手段に取り付け、またグローブが長期間にわたってプレートに取り付けるとき、グローブのカフに小さな力を加えるだけでよくなる。このことは、材料に生じる可能性、すなわちグローブが経時劣化、破断、スナッピングまたは弱化を減少する。グローブを装着する準備が完了したとき、プレートの少なくとも2個のピースを分離して、グローブに手がより容易に挿入できるようにグローブの開口端部を引き伸ばすことができる。このことは装着過程を非常に迅速かつ容易にする。
【0072】
本発明は、さらに分配装置で使用するため、ロールとして組み込むことができる複数グローブ装着装置を提供する。
【0073】
本発明の他の態様によれば、間隔をあけて配置した複数の開孔を有する可撓性の細長い部材を提供し、各開孔にはグローブを取り付け、各グローブの指部分および親指部分を開孔にわたって提示し、各グローブは各開孔に張り渡るよう互いに対向して可撓性のカバー間の空間に封入し、これにより、各グローブをストリップのほぼ平面内に保持する。このカバーは可撓性フィルムにより構成することができ、この可撓性フィルムは、ストリップから剥がし得るようまたは代案として、破断し得るよう構成し、グローブにアクセスし、またこの部材からグローブを釈放できるようにする。このカバーは、各開孔に張りわたす個別のカバー部材とすることができる。代案として、このカバーは、細長い部材の側面の長さを越えて拡張する連続した長さを有する材料によって画定することができる。この細長い部材は適切に構成した分配装置内で使用するロールに形成することができる。
【0074】
この開孔は、主軸線が細長い部材の長手方向軸線に対してほぼ直交する方向に整列することができる。他の実施形態において、開孔の主軸線を、長手方向軸線に対して傾けることができる。細長部材に対する開孔軸線の向きを使用して、細長部材によって担持されるグローブのサイズを示すようにすることができる。
【0075】
本発明は、さらに分配装置に使用するカートリッジとして形成したグローブ装着装置を提供する。
【0076】
本発明によれば、グローブを取り付けるグローブ保持装置を提供し、このグローブ保持装置は開孔を画定するプレートを備え、このプレートは、開口の周囲に配置したグローブのカフを着脱可能に保持する保持手段を有する構成とする。このグローブ保持装置は、上述のように、グローブ装着装置を形成するようにグローブと組み合わせて使用する設計とする。したがって、グローブ保持装置は、上述のようにグローブ装着装置のプレートに関連して付加的特徴(形状部)の若干またはすべてを有するものとすることができる。より詳しくは、これら特徴は以下の通りとすることができる。
1.開孔は手が通過できるサイズとすることができる。
2.分離可能にグローブのカフを保持する手段はリップとすることができる。
3.このリップは、円形断面を有し、開孔の周縁の周りに配置した連続リングとすることができる。
4.このグローブ保持装置は、さらにグローブのカフを離脱可能に保持する第2保持手段を設けることができる。
5.離脱可能にグローブのカフを保持する第2保持手段はリップとすることができる。
6.第2カフ保持手段であるこのリップは、円形断面を有し、第1カフ保持手段の周りに配置し、第1カフ保持装置から離れている、連続リングとすることができる。
7.このグローブ保持装置は、さらにプレートに取り付けたカバーを有し、グローブを装置に取り付けるとき、前記カバーは密閉したコンパートメントを形成することができ、これにより、グローブの外面が密閉したコンパートメントの内部に位置するよう構成する。
8.このプレートは分離可能な少なくとも2個のピースにより構成し、これにより、このピースが分離するときにプレートに画定した開孔のサイズが増大するようにする。
9.プレートは、開孔を完全には包囲しない単独ピースにより構成することができる。このような実施形態において、このプレートは平面図で見るとき「C」または「U」字状の形状と見なすことができる。
【0077】
本発明は、本発明のグローブ装着装置を使用してグローブを手に装着するグローブ装着方法も提供し、このグローブ装着方法は、以下のステップ、すなわち、
手の指および親指をグローブの指部分および親指部分に整列させるステップと、
手の指および親指をグローブの指部分および親指部分に挿入するステップと、および
グローブがカフ保持手段から離脱するまで、手を装置の開孔を通して移動するステップと
を有する。
【0078】
グローブ装着装置のプレートが互いに分離可能な少なくとも2個のピースを有し、これらピースが分離されるときプレートによって画定される開孔のサイズを増大して、グローブのカフがより開いた状態に伸張される場合、このグローブ装着装置を使用してグローブを手に装着するグローブ装着方法は、以下のステップ、すなわち、
プレートのピースを分離させてグローブの開口を引き伸ばすステップと、
手の指および親指をグローブの指部分および親指部分に整列させるステップと、
手の指および親指をグローブの指部分および親指部分に挿入するステップと、および、
グローブがカフ保持手段から離脱するまで、手を装置の開口を通して移動するステップと
を有する。
本発明を、以下に添付図面につき実施形態によって説明する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1a】グローブ保持装置の頂面図を示す。
【図1b】図1aのグローブ保持装置の縦断面図を示す。
【図2】グローブ装着装置の一部における縦断面図を示す。
【図3】密閉コンパートメントを形成するカバーを有する、グローブ装着装置の縦断面図を示す。
【図4】グローブを手に装着する方法を示す。
【図5】2個のビード(玉縁)を有するグローブを示す。
【図6】グローブ分配装置内に収容したグローブ装着装置のロールを示す。
【図7】グローブ分配装置に収容したグローブ装着装置から形成したカートリッジを示す。
【図8】グローブ保持装置のプレートを2ピース構成とした、グローブ保持装置のロールを示す。
【図9】グローブ保持装置のプレートを2ピース構成とし、2個のピースが互いに分離してある構成の、グローブ保持装置のロールを示す。
【図10】グローブ装着装置のプレートを2ピース構成とした、グローブ装着装置のロールを示す。
【図11】分離した二つのピースをから成るグローブ装着装置のプレートを2ピース構成とし、2個のピースが互いに分離してある構成の、グローブ装着装置のロールを示す。
【図12】グローブ保持装置の、他の実施形態の斜視図を示す。
【図13】図12に示すグローブ保持装置の一部の縦断面図を示す。
【図14】グローブを収容する密閉コンパートメントを形成するよう、装置の両側に設けたカバーを有するグローブ装着装置の縦断面図を示す。
【図15】グローブ分配および装着装置の線図的頂面図を示す。
【図16】グローブ担持ストリップの平面図を示す。
【図17】グローブ担持ストリップの平面図を示す。
【図18】図14に示されているのと同様であるが、追加したカバーを有するグローブ装着装置の縦断面図を示す。
【図19】本発明の他の実施形態によるグローブ装着装置の部分縦断面図を示す。
【図20】本発明のさらに他の実施形態によるグローブ装着装置の部分縦断面図を示す。
【図21】本発明の別の実施形態によるグローブ支持体の平面図を示す。
【図22】図21の矢印A−Aで示す図21のグローブ支持体の縦断面図を示す。
【図23】グローブ支持体およびグローブの縦断面図を示す。
【図24】グローブ保持スロットの平面図を示す。
【図25】1対のグローブを収容するよう構成したグローブ支持体の線図的説明図を示す。
【0080】
図1aはグローブ保持装置1を示す。このグローブ保持装置1は、開孔3を画定するプレート2を有し、この開孔3は、70mmの幅4、130mmの長さ5であって、手を開孔に通してグローブを装着するのに充分な長さの丸みを付けた長方形開口とする。これら寸法は手のサイズに適合するよう変化させることができる。このプレートに、2個のリップ、すなわち内側リップ6および外側リップ7を装着する。これら2個のリップは互いに約4mmの距離離して配置する。この距離は、0.5mm〜10mmの間またはそれ以上の値に変化させることができる。図1bは図1aのグローブ保持装置の縦断面図を示す。リップ6,7はほぼ円形の断面で示す。リップ6,7は、グローブに対して必要な把持力を加えることができる形状にすることができると理解されたい。
【0081】
つぎに図12および13につき説明すると、グローブ保持装置1の代わりの実施形態を示す。図1につき説明した装置と共通する特徴部分には同一参照符号で示す。プレート2には、互いに離れた複数個のリップ部分6aを有する単独列不連続リップを設ける。このタイプの単独列不連続リップは所定材料から製造したグローブに使用するのに適するとともに、図1および2に示す2列の連続リップ構成は他のグローブ材料に適する場合があり得る。図13はプレート2とリップ6aの縦断面図を示す。このリップ6aはプレート2から突出するベース部分6a′を有し、このベース部分6a’ 上に 頂部部分6a’’を取り付ける。この頂部部分6a’ にはプレートの開口3に関して外方に突出する丸みを付けたノーズ6a’’’ を設ける。リップ6aのノーズ6a’’’ およびベース部分6a’は、互いに連係してグローブをプレート2に保持するのをアシストするリップ6aのアンダーカットUを形成する。リップ6aの断面形状は、図1に示すプレート2のリップ6,7の一方または双方に組み込むことができる。
【0082】
図2は、2個の玉縁すなわちビード11を有するグローブ10の一部を示し、これらビード11を内側リップ6および外側リップ7に保持または延展される。2個のビード11間にはグローブの折り畳んだカフ部分12が位置する。カフ部12の折り畳み部分は内側リップ6と外側リップ7と間のギャップに保持される。ビード11および折り畳みカフ部分12を越えるグローブの部分はプレート2の開孔3に突入する。グローブの指部分15(1個のみ示す)は折り畳む。
【0083】
図3は、密閉コンパートメント24を形成するカバー23を有するグローブ装着装置を示す。グローブ20の開口端部はプレート33の開孔21にわたって延展させる。グローブ20の指部分および親指部分を折り込む。カバー23はプレート22に取り付け、密閉コンパートメント24を形成し、この密閉コンパートメント24の内部にグローブ20の外面が位置する。手の指および親指をグローブ20の指部分および親指部分に挿入して、カバー23に圧力を加えるとき、カバー23は、プレート22から外れる、分裂する、または破れる、のいずれかを生じてグローブ内に手を完全に挿入することができる。
【0084】
図4は、グローブ31を手30に装着する方法を示す。手30はグローブ31の指および親指の開口に整列させ、それに向けて移動する(図4(1)および図4(2)参照)。このとき、この手30を、プレート32の開孔にわたり延び広げたグローブの開口端部を通して前方に連続的に移動し、これによってグローブの指部分および親指部分に指および親指を挿入する(図4(3)参照)。手をプレート32の開口33に充分に挿入してグローブをほぼ完全に装着した後、グローブのカフ34はカフ保持手段35から外れ、これによりグローブ30の装着が完了する(図4(4)参照)。この後、手をプレート32内の開孔33から引き出す。カバーを付ける場合、手の移動により生ずる力はカバーを破るのに充分である。上述のステップは、グローブの二枚重ねが必要と考えられる場合、着用者の手に追加グローブを装着するために繰り返すことができる。
【0085】
図5は2個のビード(玉縁)を有するグローブ40のデザインを示す。1個のビード41はグローブ40の開口端部周囲におけるグローブ40のカフ42に位置する。他のビード43はグローブ40の手掌部44に隣接して位置し、またこの手掌部44の上方にグローブ40の親指部分45が手掌部44に連続する。カフ42には、随意的に外側ポケット(参照符号「90」で示す)を設けることができる。ポケット90は、グローブ取り外し装置における舌状突起を収容しまた保持することができるよう構成する。このような装置はグローブ40の装着者が使用し、グローブ40に触れることなくグローブ40を取り外すことができる。使用にあたり、グローブ取り出し装置の突起をポケット90に挿入する。このとき、装着者は、グローブ40には突起が取り付けられた状態のままであるので、手をグローブ40から取り外すことができる。
【0086】
図6は、グローブ分配装置50内に収容したグローブ装着装置のロールを示す。グローブ分配装置50は両手用の開口部51を有する。シート状の形式として互いに接合した多数のグローブ装着装置を分配ロール52に巻回し、グローブ分配装置50内に包囲する。一度グローブをグローブ保持装置から取り外した後、巻き取り部53はグローブ保持装置を回収する。グローブ分配装置50は、多くの設計、例えば手動操作の機械的設計、または電子的操作による設計にすることができる。これはコストにより決定される。
【0087】
図7はグローブ装着装置から形成し、グローブ分配装置60に収納したカートリッジ61を示す。2個のグローブ装着装置を有するカートリッジ61は、グローブ分配装置60内に装填する。グローブは分配装置62における2個の開口で装着する。空カートリッジ63は搬送機構64によって搬出する。このグローブ分配装置60は、多数の設計、例えば手動操作の機械的設計または電子操作設計とすることができる。これはコストにより決定される。
【0088】
図8はグローブ保持装置のロール70示し、グローブ保持装置のプレート71は、上側ピース72と下側ピース73を有する。ロール70における有孔ライン74を設け、この有孔ライン74に沿って分離するロールをことができる。このロールを有孔ライン74に沿って分離するとき、図9に示すように、プレートの上側ピース72はプレートの下下側ピース73から分離し、これにより開孔75のサイズが増大する。ロール70は完全に分離せず、4個の可撓性保持ストラップ76に互いに保持される。
【0089】
グローブ保持装置に取り付けたグローブを有するこのプレートの分離による効果を、図10および11に示す。図10はグローブ装着装置のロール80を示し、この場合、グローブ装着装置のプレート81は上側ピース82および下側ピース83を有する。グローブ84は、プレート81で画定される開孔にわたってプレート81に取り付ける。グローブ84の指部分85が見える。このロールに有孔ライン87を設け、のこの有孔ライン87に沿ってロールを破断することができる。このロール80を有孔ライン87に沿って分離するとき、図11に示すように、プレート81の上側ピース82はプレートの下側ピース83から分離し、これによってプレート81によって画定される開孔の寸法を増大し、ひいてはプレート81に取り付けたグローブ84の開口端部を伸ばし広げる。ここのことはグローブ84の開口端部の伸ばし広げをより開いた状態にする効果を持ち、このことにより、グローブ装着過程における手の挿入を容易にする。グローブを装着し、したがって、プレート81から取り外した後にも、ロール80は完全に分離せず、それは4個の可撓性保持ストラップ86によって互いに保持するからである。上述した分離の特徴は、図1aにつき説明したタイプの個別のグローブ保持装置に組み込むことができる。
【0090】
つぎに図14につき説明すると、図3と同様のグローブ装着装置を示す。図3につき説明した実施形態に共通の特徴を同様の参照符号を付して示す。上述したように、グローブ20には、プレート22の開孔21にわたってグローブの指部分および親指部分を設ける。この指部分および親指部分はカバー23によって押しつぶし、これにより、グローブ20がほぼプレート22の平面内に納まる。
【0091】
この装置には、プレート22およびグローブ20を覆う追加カバー90を設ける。追加カバー90は、プレート22の第1カバー23とは反対側に設け、これにより、グローブ20をカバー23および90の両者間に閉じ込める。グローブ20に対面する追加カバー90の内面には、グローブ20の周囲で追加カバー90をプレート22に取り付けることを可能とするための粘着剤を設けることができる。代案として、追加カバー90は別の方法で、例えば溶着作用によってプレート22に連結することができる。カバー23,90の双方は、使用者がグローブを装着する時点まで、グローブの無菌性を維持するものと理解されたい。
【0092】
使用者がグローブ20を装着する前に追加カバー90を取り外し、使用者がグローブ20に阻止されずにアクセスできるようにする。追加カバー90は、矢印94で示すようにプレート22から剥がすことができる。代案として、追加カバー90は、グローブの指部分および親指部分に使用者が手を挿入する行為によって第1カバー23と同じ方法で裂断または断することもできる。
【0093】
グローブ20を取り付けるプレート22は、個別のグローブ20を取り付ける互いに離れた複数個の開孔21を有する細長い部材とすることができる。この細長い部材は、好ましくは可撓性材料で形成し、これによってこの部材およびこの部材によって担持されるグローブをロールにすることができるようにする。このような実施例において、追加カバー90は開孔付きの細長い部材に整列する連続フィルムまたはストリップ(細条)によって画定することができる。
【0094】
図15は、上述したタイプの細長い部材に使用するよう構成した、全体的に参照符号96を付した装置線図的平面図を示す。使用にあたり、この装置はケース内に設けると理解されたい。供給ローラー98および回収ローラー100を有し、これらローラーは上述したタイプの開孔付きのストリップ102を収容する。供給ローラー98は、未使用グローブを取り付けた状態にあるストリップ102のロール部分を担持する。回収ローラー100は、グローブを取り外した状態にあるストリップのロール部分を担持する。供給ローラー98と回収ローラー100との間に、矢印106で示すようにグローブの装着が容易な位置に、使用者に対してグローブを取り付けたストリップ102の部分を提供するように作用する、1対の遊びローラー104を設ける。これら遊びローラー104はケーシングの手挿入開孔の近傍に位置決めし、また装着過程中にストリップが使用者から離れる方向への移動を抑止する手段をなす。この装置96には、さらに1対のローラー108,110を設け、これらローラー108,110はストリップ102から追加カバー90を分離し、次にカバー90を回収するよう作用する。追加カバー90は遊びローラーの直前でストリップ102から取り外し、これによりグローブ装着時点まで個別グローブの無菌性を維持するように作用する。
【0095】
図16および図17は、グローブ担持ストリップ102の平面図を示す。図16において、各開孔21の主軸線112はストリップ102の長手方向の主軸線に対してほぼ直交する方向に整列する。図17において各開孔21の主軸線112はストリップの主軸線114に対して傾いている。ストリップ21に対する開孔21の方向は、ストリップに担持する異なるサイズの開孔21およびそれ故に異なるサイズのグローブを示すのに使用することができる。例えば、図16に示した方向はミディアムサイズのグローブに使用することができるが、図17に示す方向は小サイズのグローブに使用することができる。異なるグローブサイズとそれによる異なるストリップ構成に適合するよう、このタイプのストリップ102に使用する上述したタイプのグローブ供給装置を適宜調整することができる。例えば、この装置には、供給ローラー、回収ローラーおよび遊びローラーの異なるセットを設けることができる。例えば、図16に示すタイプのストリップのローラーは、分配ケーシング内で傾け、ストリップの開孔21およびそれゆえにグローブ20を使用者に対してほぼ垂直な状態となるよう主軸線112を提示するようにする。
【0096】
つぎに図18につき説明すると、図14に示したのと同様のグローブ装着装置を示す。図14に記載の実施形態に共通の特徴には、同一参照符号を付して示す。上述したように、グローブ20は、グローブの指部分および親指部分がプレート22の開孔21にわたり存在するように設ける。指部分および親指部分は、グローブ20がプレート22の平面内にほぼ納まるように、カバー23によって蛇腹状に折り込む。
【0097】
この装置には、プレート22およびグローブ20を覆う追加カバー90を設ける。追加カバー90は、グローブ22がカバー23,90間に閉じ込めるように、プレート22の第1カバー23とは反対側に設ける。グローブ20に対面する追加カバー90内面92には、グローブ20の周囲でプレート22に追加カバー90を取り付けることを可能にする接着剤を設けることができる。代案として、追加カバー90は、代わりの方法、例えば溶着作用によってプレート22に連結することができる。カバー23,90の双方は、使用者が装着する時点までグローブ20の無菌生を維持するよう作用すると理解されたい。
【0098】
この装置には第3カバー116を設ける。第3カバーは追加カバー90に対してプレート22の反対側に設け、第1カバー23を覆う。第3カバー116の目的は第1カバーの外面120を保護し、それにより無菌生を維持することである。プレートの開孔21を通して使用者がグローブ20を装着しまたグローブした手を引き出す行為中、グローブ20の外面はここで破壊される第1カバー23の外面120に接触できる。第1カバーの外面120を滅菌していない場合、グローブ20の無菌性が損なわれることがあり得る。したがって、第3カバー116は、第1カバー23およびプレート22とともに、付加的無菌コンパートメントを画定する。追加カバー90と同様に、プレート22に対面する第3カバー116の内面には、第1カバー23の周縁の周りでプレート22に第3カバーを取り付けるよう接着剤を設けることができる。代案として、第3カバー116は、他の方法、例えば溶着作用によってプレート22に連結することができる。
【0099】
使用者がグローブ20を装着する前に、追加カバー90および第2カバー116の双方は、使用者によるグローブ20へアクセスを妨げないように取りすることができる。追加カバー90を矢印94で示すように、プレート22から剥がす。代案として、追加カバー90は、グローブの指部分および親指部分に指を差し入れる使用者の行為によって第1カバー23と同様に裂断または破断することができるものとすることができる。第3カバーは好ましくは矢印118で示すように、プレート22から剥がす。
【0100】
図19は、図2に示したのと同様なグローブ装着装置の他の実施形態を示す。図2の実施形態と共通する特徴を、同一参照符号で示す。この装置の異なる点は、第一に内側リップ6を、全体的に参照符号122で示したグリップ構造に取り替え、第二にグローブ10のカフ部の内側ビード11を省略した点である。グローブ10はこのようにより一般的な構成となり、したがって、プレート2はこのように一般的な構成のグローブ10を収容および保持することができることを理解されたい。グリップ構造122は、プレート2から突出する互いに対向する弾性突起124,126を有する。図示の実施例において、これら突起124,126は、これらの内面およびプレート2によってキャビティ128を画定するよう互いの方向に向けて傾ける。使用にあたり、グローブカフ材料のループ130をキャビティ128内に挿入し、突起124,126の互いに対向する末端部間にグリップすることができる。ループ130を形成するこのグローブカフの部分は、突起124,126によって加わる力に対抗するように厚くすることができる。
【0101】
他の実施形態において、外側リップ7を同一のグリップ構造に替えることができる。このまたは各グリップ構造は、プレート2の開孔3のまわりに連続的に延在させることができる。代案として、このまたは各グリップ構造をプレート3の周りに非連続的に延在させることもできる。図示しないが、図20の装置には、一つ以上の上述したカバー構造23,90,116を設けることができる。
【0102】
図20は、図2および図19と同様なグローブ装着装置の他の実施例を示す。図2および図19の実施例に共通する特徴を同一参照符号によって示す。内側リップ6は固定され、グローブを破壊可能なリテーナ132に固定する。リテーナ132は内側リップの周りにリング状に延在させ、内側リップ6からグローブカフを開放するように使用者がグローブ10を装着する行為によって破壊されると理解されたい。図21の装置は、第2ビードを持たない一般的な構成のグローブ10をプレート12に使用する他の方法を示す。
【0103】
図21および図22は、全体的に参照符号200を付したグローブ支持体200を示す。この支持体は、使用にあたり、使用者に対面する前面、および使用にあたり使用者から背反する後面を有する。支持体200は、可撓性材料、例えばPVC、ポリプロピレンまたはポリスチレンで形成した、例えば0.01mm〜0.5mmの厚さを持つ、シート202とする。材料および厚さそれ自体は、ある程度、支持体200に取り付けることを目的としたグローブの材料および構成に依存する。図23の断面図は、支持体200の特徴および機能を説明する目的で、シートの厚さを誇張している。支持体200は、親指開孔204、人差し指開孔206、中指開孔208、薬指開孔210、小指開孔212から成る複数個の指開孔を有する。図示の実施形態において、支持体は、親指開孔204を一番上に、小指開孔212を一番下にして使用者の左手を収容するよう配列する。図示の実施形態において、指開孔204,206,208,210,212は、隣接する開孔間に設けたウェブ214によって互いに分離する。他の実施形態において、5個の指開孔の間隔を、2つ以上の指開孔をオーバーラップさせ、これら開孔に2本以上の指を収容する構成とすることもできる。開孔204,206,208,210,212は湾曲した経路216に沿って配置する。
【0104】
この経路の曲線は、グローブの材料特性および使用者の手の向きを考慮する。グローブは、支持体に取り付けるとき、グローブ材料を傷める状態、例えば長い時間にわたり伸張させたままの状態にしてはならない。開孔204,206,208,210,212の向きもグローブ装着時に、装着者の手をこわばらせるおよび/または不快感を与えるような位置に手を配置する必要がないように、使用者の手を可能な限りリラックスした位置に適合させるべきである。
【0105】
ウェブ214には、隣接する指開孔間に延在する脆弱化ライン218を設ける。脆弱化ライン218は、以下により詳述するように、ウェブ214が破断するように設ける。例えば、脆弱化ライン218は有孔ラインまたは引っ掻きラインによって画定することができる。代案として、このウェブは他の方法で破断するよう構成することができる。例えば、ウェブ214の部分における支持体のシート202の厚さを、シート202の残余部分より薄くすることができる。代案として、ウェブ214の周縁でこのシート材料が容易に破断または断裂するよう処理することができる。
【0106】
他の脆弱化ライン220,222を、親指開孔および小指開孔からそれぞれ延在させる。上述したように、これら脆弱化ライン220,222は有孔ラインまたは引っ掻きラインによって画定することができる。脆弱化ラインライン220,222は、開孔204,212からシート202の外端縁224の方向延び、後に詳述するように、支持体200にこじ開けてスロットを形成することを意図する。各指開孔204,212の末端に位置する脆弱化ラインの端部226,228は、スロットがシート202の外端縁224に至るのを防ぐように構成する。図示の実施形態において、支持体200には、4個の脆弱化ライン220,222、つまり親指開孔204から延びる2個のライン220および小指開孔212から延びる2個のライン222を設ける。より多いまたはより少ない脆弱化ラインを設けることができ、またこれら脆弱化ラインは他の指開孔の端縁から延在させることができる。
【0107】
指開孔204,206,208,210,212を包囲するように、それぞれシートに延在する複数個の内側保持スロット230を設ける。図示する実施形態において、3個の保持スロットを、親指開孔および小指開孔204,212双方の周りに間隔を置いて配置し、このとき人差し指、中指、薬指の開孔206,208,210には、互いに対向するように配列した2個の保持スロット230を設ける。保持スロット230は他の配列にすることもできることを理解されたい。図24はより詳細に保持スロット230を示す。このスロット230は、ダンベルもしくはバーベル型で、ほぼ円形の端部部分232を有し、これら端部部分232を細く互いに平行な側辺を有する中心部分234で連結する。これら端部部分232はスロットが破れるもしくは拡張するのを防ぐ、または、中心部分234の両側に設けたシート202のフラップ状部分236にある程度の可撓性を与えるように作用する。
【0108】
他の実施形態において、内側保持スロット230は、一つ以上の保持窪みまたは一つ以上の接着領域に替えることができ、これら保持窪みまたは接着領域は使用にあたり内側保持スロット230と同じように機能する。
【0109】
保持スロット230を包囲するように、使用にあたり支持体200に装着したグローブの掌とカフ/スリーブの部分を収容する、4個の大きな湾曲スロット238,240を設ける。他の実施形態において、湾曲したスロット238は、一つ以上の保持窪みまたは一つ以上の接着領域に替えることができ、これら保持窪みまたは接着領域は使用にあたり内側保持スロット230と同じように機能する。
【0110】
湾曲スロット238を包囲するように、保持スロット230の追加リングを随意的に設ける。他の実施形態において、追加保持スロット230は一つ以上の保持窪みまたは一つ以上の接着領域に替えることができ、これら保持窪みまたは接着領域は使用にあたり内側保持スロット230と同じように機能する。
【0111】
支持体200には、さらにカフ保持リップ242を設ける。リップ242は、グローブ装着時に使用者に提示されるのとは反対側の支持体の側面に設ける。リップ242は、支持体200に使用することを意図したグローブの性質および形状に基づいて、連続的もしくは非連続的なものとすることができる。他の実施形態において、カフ保持リップ242は一つ以上の保持窪み、一つ以上の保持開孔または一つ以上の粘着領域に替えることができ、これらは使用時にカフ保持リップ242として同様に機能する。
【0112】
図23は、グローブ300を取り付けた状態の支持体200の断面図を示す。図23は、指開孔204,206,208,210,212の近傍でグローブの指部分302を折り畳んだ状態に保持する破断可能な薄膜244、ならびに、使用前のグローブ300の無菌性を維持するための本発明の上述した実施形態につき説明した上述のタイプの随意的な内側および外側の破断可能な薄膜246,248を示す。
【0113】
グローブ300は、グローブ300の指部分302が指開孔204,206,208,210,212に整列するように支持体200に取り付ける。各グローブの指部分302の付け根を包囲するグローブ300の部分304を内側保持スロット230に収容する。図24における、全体的に参照符号306で示すグローブ300の掌、甲およびカフの大部分は、湾曲スロット238,240に収容し、またロール状、折り畳み状、蛇腹状または他の類似のようにして支持体200の前面に配置する。カフビード308はリップ242の周りに保持するとともに、カフビード308の近傍におけるグローブ300の部分300は、外側保持スロット230を設ける場合この外側保持スロット230に保持することができる。内側保持スロットは、グローブ300の指部分に対する開口が指開孔204,206,208,210,212の近くに配置されるようにグローブ300を保持する。指部分302に対する開口は好ましくは支持体200の平面の近傍またはこの平面に配置する。
【0114】
使用にあたり、もし設けてある場合、使用者は初めに内側薄膜および/または外側薄膜246,248を取り除く。これは、どのようにグローブを使用者に送給するかに基づいて、使用者による手操作または分配装置による自動操作で行う。このとき、使用者は支持体200の指開孔204,206,208,210,212に指を整列させる。指開孔204,206,208,210,212に使用者の指を入れることで、使用者の指はグローブ300の指部分302に接触する。使用者の指を指開孔204,206,208,210,212内に移動し続けることによって、薄膜244の破壊および使用者の手に対するグローブの指部分302の装着を生ずる。支持体200に対する使用者の手の移動は、次に内側保持スロット230によって保持されるグローブ部分を釈放し、使用者の手掌と甲の部分が支持体を通過するようにウェブ214および親指および小指における脆弱化ライン220,222の開口を破壊する。支持体200を使用者の手掌および手甲が通過することで、湾曲スロット238,240を通してグローブ300の掌、甲およびカフ部306が引き出し、グローブの構成に基づいて使用者の手、手首および前腕に対応する部分に引き当たる。使用者がリップ242からカフビード308を分離させるのに充分な距離だけ支持体を通して手を移動したとき、グローブ300の装着が完了する。この使用者は次に、支持体200からグローブを嵌めた手を引き出す。
【0115】
グローブ300は、内側保持スロット302、リップ242および随意的な外側保持スロット230によって充分な力で保持し、不当なたるみまたはしわがなく使用者の手に装着することを確実にする。ウェブ214の破壊および親指および小指における脆弱化ライン220,222の破壊によるこの予定された支持体200の部分的破壊は、支持体を再利用できなくし、支持体200を再利用する試みがなされた場合に、使用者に再使用物であることを確実に見破ることができる。
【0116】
図25は、グローブの対に使用するよう構成した支持体250を示す。指開孔204,206,208,210,212の配列を示すが、分かり易くするため、脆弱化ライン、保持スロットおよびリップが省いて示す。支持体250は、多数のグローブの対を担持し、破線252によって示したストリップの一部から形成することができる。このようなストリップは、適切に構成した分配機において順次使用するようにロールに形成することができる。
【0117】
本発明は、例えばラテックス製のグローブのように、比較的薄く可撓性のあるグローブが特に適しているが、本発明は他のタイプのグローブを使用することもできる。
【0118】
上述の実施形態は支持体に単独グローブを設けることに関する。複数グローブの装着、つまり二つ以上のグローブを手に着けることが要求される状況が存在することは理解できるであろう。このことは、二つ以上のグローブを同時に装着できるように、順次に二つ以上のグローブを装着することで行う、または支持体に入れ子式に取り付け、二つ以上のグローブを同時に装着することによって行う。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者がグローブを装着できる状態にグローブを釈放可能に保持するよう構成したグローブ支持体であって、使用者の指を収容するよう形成した少なくとも1個の指開孔を持つ平面状の本体と、前記少なくとも1個の指開孔の周りに設けた第1の内側グローブ保持構造と、この第1の内側グローブ保持構造および前記少なくとも1個の指開孔双方の周りに設けた外側グローブ保持構造と、を備える該グローブ支持体において、前記本体に、前記少なくとも1個の指開孔から延びる少なくとも1個の脆弱化領域を設け、この脆弱化領域は、使用にあたり、使用者の手を前記少なくとも1個の指開孔に挿入するとき、前記本体を分離させ、前記少なくとも1個の指開孔のサイズを増大させる構成とした、グローブ支持体。
【請求項2】
請求項1に記載のグローブ支持体において、前記少なくとも1個の脆弱化領域を、前記本体における有孔ラインによって画定した、グローブ支持体。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のグローブ支持体において、前記本体に、使用者の指を収容する形状に形成した複数個の開孔を設けた、グローブ支持体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のグローブ支持体において、前記内側グローブ保持構成は、前記少なくとも1個の開孔を包囲するよう前記本体に設けた複数個の形成部を有する、グローブ支持体。
【請求項5】
請求項4に記載のグローブ支持体において、前記形成部は、前記本体に貫通する開孔を有し、この開孔は、グローブの一部分を配置することができる構成とした、グローブ支持体。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のグローブ支持体において、前記外側グローブ保持構造は、グローブのカフビードを収容するよう前記本体に形成した突起を有する、グローブ支持体。
【請求項7】
請求項1〜6のうちいずれか一項に記載のグローブ支持体において、該グローブ支持体には、前記内側グローブ保持構造と外側グローブ保持構造との間にグローブ保管構造を設けた、グローブ支持体。
【請求項8】
請求項7に記載のグローブ支持体において、前記グローブ保管構造は、前記本体に設けた1個またはそれ以上の開孔を有し、この開孔は、使用にあたりグローブの一部分が通過する構成とした、グローブ支持体。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載のグローブ支持体において、該グローブ支持体には、前記グローブ保管構造と前記外側グローブ保持構造との間に配置した追加グローブ保持構造を設けた、グローブ支持体。
【請求項10】
請求項9に記載のグローブ支持体において、前記追加グローブ保持構造は、前記グローブ支持体のグローブ保管構造を包囲する前記本体に形成した複数個の開孔を有する構成とした、グローブ支持体。
【請求項11】
請求項1〜10のうちいずれか一項に記載のグローブ支持体であって、複数のグローブを釈放可能に保持するよう構成した、グローブ支持体。
【請求項12】
請求項1〜10のうちいずれか一項に記載のグローブ支持体であって、複数のグローブ対を釈放可能に保持するよう構成した、グローブ支持体。
【請求項13】
請求項11または請求項12に記載のグローブ支持体において、該グローブ支持体の前記平面状の本体は、細長く可撓性があり、ロール状に巻回形成できる構成とした、グローブ支持体。
【請求項14】
請求項1〜13のうちいずれか一項に記載のグローブ支持体とグローブとの組み合わせ体において、グローブの指部分を少なくとも1個の指開孔に整列するように、前記グローブのカフを前記外側グローブ保持構造によって釈放可能に保持し、またグローブの指部分の基部を包囲するグローブの掌および甲部分を前記内側グローブ保持構造に保持する構成とした、組み合わせ体。
【請求項15】
請求項14に記載の支持体およびグローブの組み合わせ体において、前記支持体には、前記支持体とともにコンパートメントを形成する保護用のカバーを設け、前記グローブの外面を密閉した前記コンパートメント内部に配置した、支持体およびグローブの組み合わせ体。
【請求項16】
請求項15に記載の支持体およびグローブの組み合わせ体において、前記カバーは、使用者がグローブを装着するときに支持体から取り外すよう構成した、組み合わせ体。
【請求項17】
請求項15に記載の組み合わせ体において、前記カバーは、使用者がグローブを装着するときに破れるように構成した、組み合わせ体。
【請求項18】
請求項15〜17のいずれか一項に記載の組み合わせ体において、前記コンパートメントは、無菌状態とする、組み合わせ体。
【請求項19】
請求項15〜18のいずれか一項に記載の組み合わせ体において、前記カバーを、前記支持体に密接して装着し、またグローブの指部分を前記少なくとも1個の指開孔の領域で前記支持体に近接させて保持する構成とした、組み合わせ体。
【請求項20】
請求項19に記載の支持体およびグローブの組み合わせ体において、前記グローブの指部分は、前記支持体と前記カバーとの間に画定される前記コンパートメント内で、折り込まれる、巻回される、蛇腹状に保持される、または他の状態で保管される構成とした、組み合わせ体。
【請求項21】
請求項14〜20のいずれか一項に記載の支持体およびグローブの組み合わせ体において、前記支持体には、使用者に対面する支持体の側面に追加カバーを設け、この追加カバーは、使用にあたり前記少なくとも1個の指開孔を覆う構成とした、組み合わせ体。
【請求項22】
請求項14〜21のうちいずれか一項に記載の組み合わせ体において、前記支持体には、前記保護用のカバーに被せ、かつ使用者がグローブを装着する前に取り外す他のカバーを設けた、組み合わせ体。
【請求項23】
請求項14〜22に記載のいずれか一項に記載の組み合わせ体において、複数個のグローブを前記支持体によって釈放可能に保持する構成とした、組み合わせ体。
【請求項24】
請求項14〜22に記載のいずれか一項記載の組み合わせ体において、複数個のグローブ対を前記支持体によって釈放可能に保持する構成とした、組み合わせ体。
【請求項25】
請求項23または24に記載の組み合わせ体において、前記支持体の前記平面状の支持体は、細長く可撓性を有してロール状に形成できる構成とした、組み合わせ体。
【請求項26】
グローブ支持体を使用して使用者の手にグローブを装着するグローブ装着方法において、
使用者の指を収容する形状に形成した少なくとも1個の指開孔を有する平面状の本体、前記少なくとも1個の指開孔の周りに設けた第1の内側グローブ保持構造、および前記第1の内側グローブ保持構造および前記少なくとも1個の指開孔双方の周りに設けた外側グローブ保持構造、を有する支持体を準備する支持体準備ステップであって、前記本体は前記少なくとも1個の指開孔から延びる少なくとも1個の脆弱化領域を有するものとした、該支持体準備ステップと、
グローブを前記支持体に取り付けるグローブ取り付けステップであって、前記グローブの指部分および親指部分が前記少なくとも1個の指開孔に整列するように、前記グローブのカフを前記外側グローブ保持構造によって釈放可能に保持し、また前記グローブの指部分および親指部分の付け根の周囲における前記グローブの掌部分および甲部分を前記内側グローブ保持構造に保持する、該グローブ取り付けステップと、
使用者の手の指および親指を前記グローブの指部分および親指部分に整列させるステップと、
手の指および親指を、前記少なくとも1個の指開孔を経て前記グローブの指部分および親指部分に挿入するステップと、
使用者の手を前記少なくとも1個の指開孔内に移動して前記支持体の脆弱化領域を破断し、これにより前記少なくとも1個の指開孔を拡張する手移動ステップであって、使用者の手を継続して移動することで、前記内側グローブ保持構造、およびついで外側グローブ保持構造から前記グローブを離脱させ、そして使用者の手に装着された状態にする、該手移動ステップと、
前記拡張した指開孔を経てグローブを装着した手を引き戻す戻しステップと
を有するグローブ装着方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2010−526624(P2010−526624A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507971(P2010−507971)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【国際出願番号】PCT/GB2008/001662
【国際公開番号】WO2008/139192
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(509314828)マイ セイフ ハンズ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】