説明

ケーソン中詰材投入管理システム、方法およびそのためのコンピュータ用プログラム

【課題】ケーソンの各隔室へ中詰砂を投入するとき、複数のガット船を使用した場合でも、ケーソンの隔室毎に中詰砂の投入量を正確に把握し中詰砂を均等に投入できるように管理可能なケーソン中詰材投入管理システム、方法およびそのためのコンピュータ用プログラムを提供する。
【解決手段】このケーソン中詰材投入管理システムは、複数の隔室を有するケーソンの各隔室に中詰材を投入するとき、ブームおよび投入部を駆動して中詰材をケーソンの隔室に投入する中詰材投入手段を有する船と、中詰材の投入時における投入部の平面座標を計測する座標計測手段と、ケーソンの各隔室の平面座標および中詰材投入情報をそれぞれ記憶する情報処理手段と、を備え、情報処理手段は、中詰材の投入時に、その中詰材が投入された隔室を計測された投入部の平面座標に基づいて特定し、中詰材投入情報を特定された隔室と関連付けて記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーソンに中詰材を投入する場合のケーソン中詰材投入管理システム、方法およびそのためのコンピュータ用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、岸壁や護岸などの工事で水底に重力式ケーソンを設置する場合、ガット船を使用してケーソンの中空部に対し上部の開口から中詰砂を投入している。このとき、ガット船をケーソンに接舷して、オペレータの経験や感覚で中詰砂を投入するのが一般的であった。従来の方法によると、ガット船によるケーソンへの中詰砂の投入回数や投入済箇所については、オペレータの記憶や目視で確認しながら投入を行っていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、多数の隔室を持つ大型ケーソンについて、例えば、ガット船2隻で中詰砂の投入作業を行う場合、隔室毎の投入箇所の把握が難しいという問題があった。また、複数の隔室に均等に砂を投入しないとケーソンに偏荷重が発生してケーソンが傾く恐れが生じてしまうため、ケーソンに対する中詰砂の確実な投入管理が必要である。
【0004】
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、ケーソンの各隔室へ中詰砂を投入するとき、複数のガット船を使用した場合でも、ケーソンの隔室毎に中詰砂の投入量を正確に把握し中詰砂を均等に投入できるように管理可能なケーソン中詰材投入管理システム、方法およびそのためのコンピュータ用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本実施形態によるケーソン中詰材投入管理システムは、複数の隔室を有するケーソンの前記各隔室に中詰材を投入するときの管理システムであって、ブームおよび投入部を駆動して中詰材をケーソンの隔室に投入する中詰材投入手段を有する船と、前記中詰材の投入時における前記投入部の平面座標を計測する座標計測手段と、前記ケーソンの各隔室の平面座標および中詰材投入情報をそれぞれ記憶する情報処理手段と、を備え、前記情報処理手段は、前記中詰材の投入時に、その中詰材が投入された隔室を前記計測された投入部の平面座標に基づいて特定し、前記中詰材投入情報を前記特定された隔室と関連付けて記憶することを特徴とする。
【0006】
このケーソン中詰材投入管理システムによれば、ケーソンの各隔室へ中詰材を投入するとき、ケーソンの隔室毎に中詰砂の投入量を正確に把握し中詰砂を均等に投入できるように管理することができる。これにより、ケーソンにおける偏荷重や傾きの発生を防ぐことができる。
【0007】
上記ケーソン中詰材投入管理システムにおいて前記船が複数の場合、前記船毎に前記情報処理手段を配置し、前記各情報処理手段は互いに接続されて前記中詰材投入情報を記憶して共有することにより、複数のガット船を使用した場合でも、ケーソンの隔室毎に中詰砂の投入量を正確に把握し中詰砂を均等に投入できるように管理できる。
【0008】
また、前記ケーソンの隔室の平面位置および前記中詰材投入情報を表示する表示手段を備え、前記表示手段は、前記中詰材の前記隔室への投入毎に累積された前記中詰材投入情報を表示することにより、隔室毎に累積された中詰材投入情報をオペレータ等が簡単に知ることができる。
【0009】
また、前記中詰材投入情報は、前記中詰材投入手段による中詰材の隔室への投入回数であり、前記表示手段は、前記隔室の平面位置に前記投入回数を表示し、前記投入回数が最も少ない隔室について表示をすることにより、オペレータ等が次に投入対象とする隔室を簡単に知ることができるので、投入作業が容易になる。また、投入回数が最も少ない隔室に中詰材を投入できるので、ケーソンにおける偏荷重や傾きの発生を防ぐことができる。
【0010】
また、前記中詰材投入手段による中詰材の各隔室への投入を所定の順序で行うように前記表示手段は前記中詰材を次に投入すべき隔室について表示をすることにより、オペレータ等が中詰材を次に投入すべき隔室を簡単に知ることができるので、投入作業が容易になる。また、各隔室への投入を所定の順序で行うことができるので、あらかじめケーソンにおける偏荷重や傾きが生じ難いような順序を決めておくことで、ケーソンにおける偏荷重や傾きの発生を防ぐことができる。
【0011】
本実施形態によるケーソン中詰材投入管理方法は、複数の隔室を有するケーソンの各隔室に中詰材を投入するときの管理方法であって、船が有する中詰材投入手段がブームおよび投入部を駆動して中詰材をケーソンの隔室に投入する時、前記投入部の平面座標を計測するステップと、前記中詰材が投入された隔室を前記計測された投入部の平面座標に基づいて情報処理手段が特定するステップと、前記情報処理手段が中詰材投入情報を前記特定された隔室と関連付けて記憶するステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
このケーソン中詰材投入管理方法によれば、ケーソンの各隔室へ中詰材を投入するとき、ケーソンの隔室毎に中詰砂の投入量を正確に把握し中詰砂を均等に投入できるように管理することができる。これにより、ケーソンにおける偏荷重や傾きの発生を防ぐことができる。
【0013】
上記ケーソン中詰材投入管理方法において、前記船が複数あり各中詰材投入手段を用いて中詰材を投入する場合、前記船毎に前記情報処理手段を配置し、前記各情報処理手段は互いに接続され、前記記憶ステップにおいて前記各情報処理手段が別の船における中詰材投入情報を記憶して共有することで、複数のガット船を使用した場合でも、ケーソンの隔室毎に中詰砂の投入量を正確に把握し中詰砂を均等に投入できるように管理できる。
【0014】
また、前記情報処理手段が前記ケーソンの隔室の平面座標および前記中詰材投入情報を表示手段に表示させる表示ステップをさらに含み、前記中詰材の前記隔室への投入毎に累積された前記中詰材投入情報を表示することにより、隔室毎に累積された中詰材投入情報をオペレータ等が簡単に知ることができる。
【0015】
また、前記中詰材投入情報は、前記中詰材投入手段による中詰材の隔室への投入回数であり、前記表示ステップにおいて前記隔室の平面位置に前記投入回数を表示し、前記投入回数が最も少ない隔室について表示をすることにより、オペレータ等が次に投入対象とする隔室を簡単に知ることができるので、投入作業が容易になる。また、投入回数が最も少ない隔室に中詰材を投入できるので、ケーソンにおける偏荷重や傾きの発生を防ぐことができる。
【0016】
また、前記中詰材投入手段による中詰材の各隔室への投入を所定の順序で行うように前記表示ステップにおいて前記中詰材を次に投入すべき隔室について表示をすることにより、オペレータ等が中詰材を次に投入すべき隔室を簡単に知ることができるので、投入作業が容易になる。また、各隔室への投入を所定の順序で行うことができるので、あらかじめケーソンにおける偏荷重や傾きが生じ難いような順序を決めておくことで、ケーソンにおける偏荷重や傾きの発生を防ぐことができる。
【0017】
また、本実施形態によるもう1つのケーソン中詰材投入管理方法は、複数の隔室を有するケーソンの各隔室に中詰材を投入するときの管理方法であって、上述の記載のケーソン中詰材投入管理システムを用いることを特徴とする。
【0018】
このケーソン中詰材投入管理方法によれば、ケーソンの各隔室へ中詰材を投入するとき、ケーソンの隔室毎に中詰砂の投入量を正確に把握し中詰砂を均等に投入できるように管理することができる。これにより、ケーソンにおける偏荷重や傾きの発生を防ぐことができる。
【0019】
本実施形態によるコンピュータ用プログラムは、上述のケーソン中詰材投入管理方法における各ステップを情報処理手段に実行させるためのプログラムである。
【0020】
このコンピュータ用プログラムによれば、ケーソンの各隔室へ中詰材を投入するとき、ケーソンの隔室毎に中詰砂の投入量を正確に把握し中詰砂を均等に投入できるように情報処理手段を作動させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ケーソンの各隔室へ中詰砂を投入するとき、複数のガット船を使用した場合でも、ケーソンの隔室毎に中詰砂の投入量を正確に把握し中詰砂を均等に投入できるように管理可能なケーソン中詰材投入管理システム、方法およびそのためのコンピュータ用プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態によるケーソン中詰材投入管理システムを説明するための概略図である。
【図2】二隻のガット船に搭載される図1のケーソン中詰材投入管理システムを概略的に示すブロック図である。
【図3】本実施形態におけるケーソンの複数の隔室と、ケーソンに接舷する2隻のガット船の位置とを概略的に示す平面図である。
【図4】図2のケーソン中詰材投入管理システムのパソコン(PC)の概略的構成を示すブロック図である。
【図5】図1,図2の表示部に表示される中詰材投入管理画面の例を示す図である。
【図6】図1〜図5のケーソン中詰材投入管理システムによる第1の動作による各ステップ(S01〜S14)を説明するためのフローチャートである。
【図7】図1〜図5のケーソン中詰材投入管理システムによる第2の動作における各ステップ(S21〜S32)を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7による動作においてケーソンの各隔室に中詰砂を投入する順序(1)〜(12)を説明するための図(a)〜(l)である。
【図9】図7の右回り演算式(ケース4)によるステップS27等を説明するための図である。
【図10】図8のケーソンの各隔室の位置をあらわすために設定したXY座標系を示す図(a)および図9において使用する数値についての定義を示す表(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。図1は本実施形態によるケーソン中詰材投入管理システムを説明するための概略図である。図2は二隻のガット船に搭載される図1のケーソン中詰材投入管理システムを概略的に示すブロック図である。
【0024】
図1に示すように、複数の隔室Rを有する比較的大型のケーソンKSが護岸・岸壁工事などのために水底地盤Gに設置されると、各隔室Rには中詰砂などの中詰材がガット船GTなどを用いて投入される。図1のガット船GTは、グラブ付き揚貨装置を有する自航式石材運搬船で、中詰材などの投入手段として、旋回・伸縮可能なブームBMとその先端から吊り下げられ開閉可能な投入部であるグラブGBとを有する。ガット船GTのオペレータ室OPでの操縦によりブームBMの伸縮や旋回およびグラブGBの開閉が制御されて運搬されてきた中詰砂がケーソンKSの隔室Rに投入される。なお、ケーソンKSが設置される水底地盤Gは、あらかじめ捨石などにより基礎マウンドが構築される場合がある。
【0025】
図1のケーソン中詰材投入管理システム10は、ガット船GTが運搬してきた中詰砂をブームBMとグラブGBとの操縦によりケーソンKSの隔室Rに投入するとき、その中詰砂の投入回数などの投入情報を管理し、また、中詰砂を投入すべき適切な隔室Rをオペレータ室OPに指示するようにしたものである。
【0026】
図1のケーソン中詰材投入管理システム10は、図2のように、各種情報を入力し所定の情報処理を行い中詰砂の投入情報等を記憶する情報処理手段としてのパーソナルコンピュータ(パソコン、PC)11と、液晶表示モニタからなり各種情報を表示する表示部12と、別のガット船との間で投入情報等を共有するために無線アンテナ13aを介して情報通信を行う無線LAN13と、GPS本体14と、GPSアンテナ等からなりブームBMの先端やグラブGBの上部中央等に設けられるGPS受信部15と、グラブGBの開閉を検知するグラブ開閉センサ16と、を備える。
【0027】
グラブ開閉センサ16は、グラブGBの実際の開閉を検知する構成、または、グラブ開閉ワイヤの送り出しを検知する構成などとすることができるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
図2は、別のガット船に搭載されるもう1つのケーソン中詰材投入管理システム10Aも示すが、ケーソン中詰材投入管理システム10と同様に、パーソナルコンピュータ(パソコン、PC)21と、表示部22と、無線LAN23と、GPS本体24と、GPS受信部25と、グラブ開閉センサ26と、を備える。
【0029】
図3は、本実施形態におけるケーソンの複数の隔室と、ケーソンに接舷する2隻のガット船の位置とを概略的に示す平面図である。図4は、図2のケーソン中詰材投入管理システム10,10Aのパソコン(PC)11,21の概略的構成を示すブロック図である。
【0030】
図3のように、例えば、6列(A〜F)×5列(1〜5)の計30の隔室を有するような比較的大型のケーソンKSに対し中詰砂を投入する場合、2隻のガット船GT1,GT2を用いる。ガット船GT1,GT2の各ブームBM1,BM2はクレーンの回転中心r1,r2を中心に旋回し、所定位置でその先端から吊り下げられたグラブGB(図1)から中詰砂が隔室に投入されるが、ブーム長などの関係からガット船GT1一隻でケーソンKSのすべての隔室に投入できない場合があり、例えば、図3の破線aまでの範囲の隔室に対し中詰砂を投入可能である。同様にして、ガット船GT2についても中詰砂を投入可能な範囲が設定される。
【0031】
図4のように、図1,図2のケーソン中詰材投入管理システム10のPC11は、各種制御を実行する中央演算処理装置(CPU)31と、無線LAN13等による各種情報の出入力のためのインターフェース部(I/F)32と、情報入力のためのマウス等のポインティングデバイスやキーボード等からなる入力部33と、各種情報を記憶するROMやRAM等からなる記憶部34と、ハードディスクやROM等の記憶装置から構成されOS(オペレーティングシステム)35aおよびケーソン中詰材投入管理ソフト35b等のソフトウエアを格納するソフトウエア格納部35と、制御の際にプログラムや各種情報を一時的に保存するRAM等からなるメモリ36と、を有する。
【0032】
図4の記憶部34は、図3の破線aで示すような一隻のガット船が投入可能な範囲にあるケーソンの各隔室の位置情報、ケーソンの各隔室の平面座標、投入情報としてケーソンの各隔室毎の中詰材投入回数や中詰材投入量などの各種情報を記憶する。
【0033】
図1〜図4のように、2隻のガット船同士は、PC11,21が図2の破線のように、無線LAN13,23により互いに無線接続されることで、PC11,21の各記憶部に同じ投入情報等の各種情報を記憶することができ、投入情報の共有化を実現できる。
【0034】
また、GPS受信部15,25およびGPS本体14,24は、受信したGPS位置情報からグラブGBの平面座標情報を取得し、このグラブGBの平面座標情報と、記憶部34に記憶されたケーソンKSの隔室Rの平面座標情報とから、グラブGBのケーソンKSの隔室Rに対する平面位置を確定することができる。
【0035】
グラブGBを開放して中詰砂を投入すると、その中詰材投入をグラブ開閉センサ16が検知することで、グラブGBの平面位置と対応するケーソンKSの隔室Rに投入されたことを検知し、その中詰砂が投入された隔室Rについて中詰材投入1回がカウントされて記憶部34に記憶される。このようにして、中詰砂が投入されるたびにケーソンKSの各隔室毎に中詰材投入回数が記憶部34に記憶される。
【0036】
なお、グラブGBがブームBMの旋回によりガット船GTの砂貯蔵部へ移動し、その位置で中詰砂をつかむために開放しても、そのグラブGBの平面位置と対応するケーソンKSの隔室は存在しないので、中詰材投入はカウントされない。また、グラブGBの容量(グラブGBが中詰砂を保持する容積)は既知であるので、中詰材投入回数から積算された中詰材投入量を算出することができる。
【0037】
図5は図1,図2の表示部に表示される中詰材投入管理画面の例を示す図である。
【0038】
PC11,21の表示部12,22には、図5のように、中詰材投入管理画面として、ケーソンの複数の隔室の平面図が表示され、表示された各隔室に積算された中詰材投入回数が表示される。これにより、ケーソンの各隔室毎の中詰材投入回数を視覚的に知ることができる。
【0039】
なお、図5のような中詰材投入管理画面に中詰材投入回数とともに積算された中詰材投入量(グラブGBの容量×中詰材投入回数)を表示するようにしてもよく、また、積算された中詰材投入量のみを表示するようにしてもよい。積算された中詰材投入量の表示は、複数のガット船を用い、ガット船毎にグラブの容量が異なる場合に適している。
【0040】
また、ケーソンの各隔室への均等な中詰砂の投入のために、パソコン11,21は、各隔室の中詰材投入回数の差を算出し、投入回数差が所定の値以上となったと判断すると、表示部12,22において投入回数のもっとも少ない隔室を選定し図の線bのようなフリッカ表示等により警告表示をする。これにより、オペレータ室OPのオペレータは、中詰材投入回数にバラツキがでてきたこと、および、ケーソンで偏荷重にならないように次に投入すべき隔室の位置を知ることができる。
【0041】
なお、投入回数差が所定の値未満となると、フリッカ表示等による警告表示は止まる。また、画面表示した隔室を投入回数ごとに色分けし、中詰材投入回数を数値表示とあわせて色別表示してもよい。
【0042】
また、PC11,21は、ケーソンにおける偏荷重を考慮した中詰砂投入推奨位置を選定し、図5の破線cのようなマーキングで表示する。また、図5のように、GPS位置情報から得たブームBMの先端位置を図の線dのように表示することで、オペレータはブームBMの現在位置を把握することができる。
【0043】
また、PC11,21は、図3のようなケーソンにおいて各ガット船による中詰砂投入可能な隔室範囲が設定されると、その投入可能な隔室範囲(隔室の平面座標)を記憶部34に記憶させる。図5の破線cのようなマーキングで中詰砂投入推奨位置が選定されたとき、もし、そのガット船の投入可能範囲外であると、そのガット船の表示部には図5の破線cのようなマーキングは表示されず、投入可能範囲内であるガット船の表示部に表示される。
【0044】
図4のPC11のソフトウエア格納部35のケーソン中詰材投入管理ソフト35bには、ケーソン中詰材投入管理のためのプログラムがインストールされて格納されており、このプログラムがCPU31の制御により実行されることで、PC11は、図6,図7,図9等における各ステップを実行することができる。なお、PC21も、図4と同様に構成されている。
【0045】
〈第1の動作〉
図1〜図5のケーソン中詰材投入管理システム10,10Aによる第1の動作について図6を参照して説明する。図6は、図1〜図5のケーソン中詰材投入管理システムによる第1の動作による各ステップ(S01〜S14)を説明するためのフローチャートである。
【0046】
まず、事前設定として、図1のように、使用するガット船GTのブームBM先端にGPS受信部15を設置し、オペレータ室OPにPC11やGPS本体14等を設置する。なお、もう1隻のガット船を使用する場合には、図2のGPS受信部25、PC21やGPS本体24等を同様に設置する。PC11,21のソフトウエア格納部35のケーソン中詰材投入管理ソフト35bにインストールされているケーソン中詰材投入管理プログラムを立ち上げ、ケーソンの平面座標やブーム長のデータをパソコン11,21へ入力し、記憶部34に記憶させる(S01)。
【0047】
図3のように、ガット船GT1をケーソンKSに接舷して、ガット船GT1の位置決めを行う。このとき、パソコン11は、ブーム長から計算される図3の破線aのような投入可能範囲を表示部12の画面に表示する。ブーム長により投入可能範囲を決定し、クレーン回転中心r1,r2を原点とし、各隔室の平面座標を認識させ、記憶部34に記憶させる。
【0048】
次に、PC11の表示部12に、新規の作業であるか否かを問う画面を表示する(S03)。新規作業の場合は、画面上で「新規」ボタンを押し、新規作業でない場合は前回のデータを更新する(S04)。
【0049】
次に、使用するガット船が、単独であるか2隻であるかを問う画面(「単独 or 2隻」を表示し、画面上で「単独」「2隻」のいずれかを選択する(S05)。
【0050】
ガット船を2隻使用する場合は、PC11,21を無線LAN13,23で無線接続し、中詰砂の投入データを共有化する(S06)。
【0051】
次に、ガット船のPC11の表示部12の画面に表示される「投入開始」ボタンを押す(S07)。これにより、図5のような中詰材投入管理画面41がPC11の表示部12に表示される。
【0052】
ガット船が中詰砂を運搬し、ブームBMとグラブGBを操縦してケーソンKSの隔室に対し中詰砂投入作業を行う(S08)。図5の表示部12の中詰材投入管理画面41にはケーソンの各隔室毎に中詰材投入回数が表示される。すなわち、中詰砂が投入されると、その投入をグラブ開閉センサ16が検知し、GPS位置情報から得たグラブGBの平面座標に基づいて投入を特定された隔室に、1が加算された中詰砂投入回数が表示される。
【0053】
図5の中詰材投入管理画面41には、ブームBMの先端位置が線dのように表示され、このとき、中詰砂投入回数が少ないため線bのようなフリッカ表示がされると、その隔室の位置にブームBMを移動させて中詰材の投入を行うことができる。このように、フリッカ表示等の警告表示をすることで投入回数の少ない隔室をオペレータに知らせ、その隔室にブームBMを誘導し、ケーソンKSにおいて偏荷重にならないように投入を行うことができる。
【0054】
また、フリッカ表示がされない場合でも、図5のマーキングの線cによりケーソンKSにおける偏荷重を考慮した投入推奨位置を表示することで、オペレータは、その推奨位置の隔室に中詰砂の投入を行うことができる。
【0055】
次に、ガット船による中詰砂投入作業が終了すると、表示部12に、「ガット船の中詰砂がなくなる or 規定量入った」のいずれかを問う画面が表示される(S09)。未だ規定量に達せず、「中詰砂がなくなる」を選択すると、次に使用するガット船が、単独であるか2隻であるかを問う画面(「単独 or 2隻」が表示され、画面上で「単独」「2隻」のいずれかを選択する(S10)。なお、ケーソンの各隔室に中詰砂が規定量だけ入った場合は、作業終了となる(S14)。
【0056】
ステップS10で単独のガット船を選択した場合は、ステップS06で無線LAN接続した共有化を解除する(S11)。
【0057】
次に、表示部12には、投入作業の「完了 or 継続」を問う画面が表示され(S12)、投入作業の「継続」を選択すると、ガット船は中詰砂の搬入をしてから(S13)、ステップS02に戻り、以降、同じ手順を繰り返す。また、投入作業が完了の場合、表示部12に表示された「完了」ボタンを押すことで、作業を終了する(S14)。
【0058】
以上のように、本実施形態のケーソン中詰材投入管理システムによれば、中詰砂の投入を行うガット船のグラブの平面座標をGPSから得て、グラブの平面座標と各隔室の平面座標とから、中詰材の投入をグラブ開閉センサ16が検知すると、投入された隔室を特定し、投入1回がカウントされ、自動的に中詰材投入回数が積算されて記憶される。
【0059】
従来、中詰材投入回数や投入済隔室の確認はオペレーターの記憶や目視に頼っていたが、大型ケーソンの場合、ガット船2隻で中詰材投入作業を行うため、投入隔室の把握が難しく、各隔室に均等に砂を投入できなかったのに対し、本実施形態によれば、2隻のガット船で中詰砂投入作業を行う場合、双方のPC11,21を無線接続して、ケーソンの各隔室毎の中詰材投入回数のデータを共有化して記憶し、ケーソン全体の中詰材投入回数を表示部に表示することで、ケーソンの各隔室に対する中詰材投入を正確かつ一元的に管理することができる。
【0060】
ケーソンの各隔室毎に中詰材投入回数がばらついた場合、PCの表示部に、投入回数が少なく投入回数差の大きい隔室を警告表示やマーキング表示し、または、投入回数が少ない隔室をマーキング表示や警告表示することで、次に投入する隔室を簡単に知ることができるとともに、ケーソンに偏荷重が生じないように管理でき、ケーソンの傾きの発生を防ぐことができる。
【0061】
〈第2の動作〉
図1〜図5のケーソン中詰材投入管理システム10,10Aによる第2の動作について図7〜図10を参照して説明する。
【0062】
図7は、図1〜図5のケーソン中詰材投入管理システムによる第2の動作における各ステップ(S21〜S32)を説明するためのフローチャートである。図8は、図7による動作においてケーソンの各隔室に中詰砂を投入する順序(1)〜(12)を説明するための図(a)〜(l)である。
【0063】
第2の動作は、複数の隔室を有するケーソンについて、中詰砂の隔室に対する投入順序を所定のルールで決定し、表示部に表示し、オペレータが表示部に表示された順序に従って中詰砂の投入作業を行うことで、投入作業を容易化したものである。この場合、ケーソンの各隔室への中詰砂の投入作業は、図6の第1の動作によって行うことができる。
【0064】
ここで、中詰砂投入の対象となる隔室の選定について説明する。本実施形態における隔室の選定は、次のケース1〜4のいずれかに該当する。なお、最初の投入は任意に選定された隔室に対して行う。
【0065】
ケース1(CASE1):前回投入した隔室の右の隔室
ケース2(CASE2):前回投入した隔室の対角位置にある隔室
ケース3(CASE3):前回投入した隔室の左の隔室
ケース4(CASE4):図9に示す「右回り演算式」により選定された隔室
【0066】
図7を参照して第2の動作について説明すると、まず、事前設定として、ケーソンの隔室の数、ケーソンの寸法、投入規定回数をPC11に入力し、記憶部34に記憶させる(S21)。
【0067】
なお、本例では、ケーソンの隔室の数を図8のように縦3列、横4列の計12室としたが、これは一例であって、他の隔室構成であってよい。また、投入規定回数は、ケーソンの各隔室において所定量の中詰砂が投入されるべき容積と、グラブが中詰砂を保持する容積とから算出される中詰砂の総投入回数であり、投入回数が投入規定回数に達すれば、その隔室に対する中詰砂の投入が終了したと判断される。なお、投入回数ではなく、中詰砂の投入量で判断するようにしてもよい。
【0068】
次に、中詰砂をケーソンの任意の位置の隔室に投入する(S22)。例えば、図8(a)の(1)で示す隔室である。
【0069】
次に、前回の投入位置を基準にして、ケーソンの重心に対し偏心の少ない対角位置の隔室を選定する(S23)。そして、その選定された対角位置の隔室が投入済みであるかを判断し(S24)、投入が未だ済んでいない場合、その隔室の位置を、PC11の表示部12に表示された図5のような中詰材投入管理画面において、次に投入すべき隔室としてフリッカ表示する(S29)。
【0070】
次に、そのフリッカ表示により指定された隔室に中詰砂を投入する(S30)。図8(b)の(2)で示す隔室である。これがケース2の場合である。
【0071】
次に、すべての隔室に対し中詰砂を1回投入したかを判断し(S31)、未だ投入していないのでステップS23,S24へ戻るが、対角位置の隔室には既に投入がされているから、次に、前回投入した隔室の右に空の隔室があるかを判断する(S25)。この隔室は空であるので、この隔室に対しフリッカ表示し(S29)、その隔室に中詰砂を投入する(S30)。図8(c)の(3)で示す隔室である。これがケース1の場合である。
【0072】
次に、ステップS23,S24へ戻ると、前回投入した隔室の対角位置の隔室には投入されていないから、この隔室に対しフリッカ表示し(S29)、その隔室に中詰砂を投入する(S30)。図8(d)の(4)で示す隔室である。ケース2である。
【0073】
次に、ステップS23,S24,S25に戻ると、前回投入した隔室の右の隔室には既に投入がされているから、次に、前回投入した隔室の左に空の隔室があるかを判断する(S26)。この隔室は空であるので、この隔室に対しフリッカ表示し(S29)、その隔室に中詰砂を投入する(S30)。図8(e)の(5)で示す隔室である。これがケース3の場合である。
【0074】
次に、ステップS23,S24へ戻ると、前回投入した隔室の対角位置の隔室には未だ投入されていないから、この隔室に対しフリッカ表示し(S29)、その隔室に中詰砂を投入する(S30)。図8(f)の(6)で示す隔室である。ケース2である。
【0075】
次に、ステップS23,S24,S25,S26に戻るが、前回投入した隔室の左の隔室には既に投入されているから、次に、「右回り演算式」で空の隔室を選定する(S27)。そして、この選定した隔室が空であるか否かを判断し(S28)、空であれば、この隔室に対しフリッカ表示し(S29)、その隔室に中詰砂を投入する(S30)。図8(g)の(7)で示す隔室である。これがケース4の場合である。
【0076】
以降、同様にして、ケース1〜4による空の隔室の選定、フリッカ表示(S29)、中詰砂投入(S30)を繰り返し、その結果、順に、図8(h)〜(l)の(8)(9)(10)(11)(12)の隔室に中詰材が投入される。
【0077】
すべての隔室に対し中詰砂を1回投入したと判断されるので(S31)、次に、投入規定回数に達していないと判断されると(S32)、ステップS22に戻り、以降、同様にして、隔室選定、フリッカ表示、中詰材投入が投入規定回数に達するまで行われる(S32)。
【0078】
以上のように、図7,図8のケーソン中詰材投入管理方法によれば、ケーソンの複数の隔室に対し中詰砂の投入順序をPCの表示部に表示し、次に投入すべき隔室をフリッカ表示などにより警告表示してオペレータに知らしめるので、オペレータの投入作業が容易となり、オペレータの負担が軽減する。
【0079】
また、すべての隔室に中詰砂を1回投入してから、次の回の中詰砂を投入するので、投入回数差が1回を超えることがなく、ケーソンに対して偏荷重が少なくなるように中詰砂の投入を行うことができる。
【0080】
また、中詰砂をステップS22,S23において、次の中詰材投入対象とする隔室を選定するに当たり、前回投入した隔室を基準にしてケーソンの重心に対して偏心の少ない対角位置の隔室をまず選定し、ケース2による対角位置の選定を優先するので、ケーソンに偏荷重や傾きが生じないように中詰砂を均等に投入することができる。
【0081】
次に、上述のステップS27,S28におけるケース4(CASE4)の「右回り演算式」による隔室の選定について図9,図10を参照して説明する。
【0082】
図9は図7の右回り演算式(ケース4)によるステップS27等を説明するための図である。図10は、図8のケーソンの各隔室の位置をあらわすために設定したXY座標系を示す図(a)および図9において使用する数値についての定義を示す表(b)である。
【0083】
図8(f)の(6)で示す隔室への中詰砂の投入に続いて投入すべき隔室は、上述のように、ステップS23〜S26で選定された隔室が既に投入済みと判断された場合、次のようにして選定される(ケース4)。
【0084】
図10(a)(b)のように、縦3列×横4列のケーソンの隔室について、XY座標を設定し、各隔室をXI(I=1,2,3,4),YI(I=1,2,3)であらわす。
【0085】
はじめに、最後に投入された隔室(図8(f)の(6)で示す)のX位置がXI=1であるか否かを判断する(S41)。いま、図8(f)の(6)で示す隔室(XI=4,YI=1)の次の隔室を選定する場合であるので、XI=4である。したがって、XI=1ではないので、次に、XI=Xmであるか否かを判断する(S45)。Xmは、Xの最大値であるので、XI=4=Xmである。
【0086】
次に、YI=1であるか否かを判断する(S46)。YI=1であるので、次に、隔室がX=XI−1、Y=YIと選定される(S47)。すなわち、X=3,Y=1の隔室である。しかし、ここは、図8(f)の(3)で示す隔室であり、既に投入されているので(図7のS28)、図7のステップS27に戻る。すなわち、図9のステップS41に戻る。
【0087】
そして、XI=1ではなく(S41)、XI=mではないので(S42)、次に、YI=1であるか否かを判断する(S49)。YI=1であるので、次に、隔室がX=XI−1、Y=YIと選定される(S50)。すなわち、X=2,Y=1の隔室である。しかし、ここは、図8(f)の(2)で示す隔室であり、既に投入されているので、ステップS41にふたたび戻る。
【0088】
同様に、ステップ41,S45,S49の判断がされ、隔室がX=XI−1、Y=YIと選定される(S50)。すなわち、XI=1,YI=1の隔室である。ここは、未だ投入されていないので、図8(g)の(7)で示す隔室に中詰材が投入される。
【0089】
次に、別の場合について説明する。すなわち、(8)で示す隔室に投入された図8(h)において次の隔室を選定する場合である。ステップS41からはじめる。すなわち、最後に投入された隔室(図8(h)の(8)で示す)のX位置がXI=1であるか否かを判断する(S41)。
【0090】
図8(h)の(8)で示す隔室は、XI=4,YI=3であるから、ステップS45,S46を経て、隔室がX=XI,Y=YI−1と選定される(S48)。すなわち、XI=4,YI=2の隔室である。ここは、未だ投入されていないので、図8(i)の(9)で示す隔室に中詰材が投入される。
【0091】
以上のように、ケーソンの隔室に対する中詰砂投入の選定をケーソンに偏荷重および傾きが生じないように行うことができる。また、図7,図9の隔室選定方法によれば、ケーソンの隔室の個数が変わった場合でも、対応することができ、汎用的に適用可能である。
【0092】
以上のように本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、図9の「右回り演算式」による隔室の選定は、一例であって、右回り(時計回り)に隔室を選定するが、本発明はこれに限定されず、例えば、左回り(反時計回り)に隔室を選定するようにしてもよい。
【0093】
また、注意を喚起する表示方法として、フリッカ表示(点滅表示)により説明したが、これに限定されず、赤色や黄色などの特定色による表示などであってもよい。
【0094】
また、オペレータ等に次に中詰砂を投入すべき隔室を知らせるためにその隔室の位置を表示部に表示する場合、この表示とともにまたはこの表示に代えて電子合成音を生成する合成音手段などを用いて音声により指示するようにしてもよい。
【0095】
また、本実施形態では、中詰砂の運搬および投入のためにガット船(グラブ付き揚貨装置を有する自航式石材運搬船)を用いたが、本発明はこれに限定されず、例えば、ブームとグラブを有する台船(非自航式船)と、中詰砂を運搬するバージ船等の運搬船とを用いて、運搬船を台船に横付けして中詰砂の投入を行うようにしてもよい。
【0096】
また、図6のステップS03,S04,S05,S07,S09,S10,S12,S14等における表示部12,22の画面構成例の図示は省略したが、それらは、本明細書の記載に基づいて適宜構成可能である。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明のケーソン中詰材投入管理システム・方法によれば、複数の隔室を有する比較的大型のケーソンを護岸・岸壁工事などのために水底地盤に設置してから各隔室に中詰材を投入するとき、ケーソンへの中詰材の確実な投入管理を実現でき、ケーソンに偏荷重や傾きが生じない。
【符号の説明】
【0098】
10,10A ケーソン中詰材投入管理システム 11,21 パソコン、PC(情報処理手段) 12,22 表示部 14,24 GPS本体 15,25 GPS受信部 16,26 グラブ開閉センサ 34 記憶部 35 ソフトウエア格納部 41 中詰材投入管理画面 GB グラブ(投入部) GT ガット船 KS ケーソン R 隔室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の隔室を有するケーソンの前記各隔室に中詰材を投入するときの管理システムであって、
ブームおよび投入部を駆動して中詰材をケーソンの隔室に投入する中詰材投入手段を有する船と、
前記中詰材の投入時における前記投入部の平面座標を計測する座標計測手段と、
前記ケーソンの各隔室の平面座標および中詰材投入情報をそれぞれ記憶する情報処理手段と、を備え、
前記情報処理手段は、前記中詰材の投入時に、その中詰材が投入された隔室を前記計測された投入部の平面座標に基づいて特定し、前記中詰材投入情報を前記特定された隔室と関連付けて記憶することを特徴とするケーソン中詰材投入管理システム。
【請求項2】
前記船が複数の場合、前記船毎に前記情報処理手段を配置し、前記各情報処理手段は互いに接続されて前記中詰材投入情報を記憶して共有する請求項1に記載のケーソン中詰材投入管理システム。
【請求項3】
前記ケーソンの隔室の平面位置および前記中詰材投入情報を表示する表示手段を備え、
前記表示手段は、前記中詰材の前記隔室への投入毎に累積された前記中詰材投入情報を表示する請求項1または2に記載のケーソン中詰材投入管理システム。
【請求項4】
前記中詰材投入情報は、前記中詰材投入手段による中詰材の隔室への投入回数であり、
前記表示手段は、前記隔室の平面位置に前記投入回数を表示し、前記投入回数が最も少ない隔室について表示をする請求項3に記載のケーソン中詰材投入管理システム。
【請求項5】
前記中詰材投入手段による中詰材の各隔室への投入を所定の順序で行うように前記表示手段は前記中詰材を次に投入すべき隔室について表示をする請求項3に記載のケーソン中詰材投入管理システム。
【請求項6】
複数の隔室を有するケーソンの各隔室に中詰材を投入するときの管理方法であって、
船が有する中詰材投入手段がブームおよび投入部を駆動して中詰材をケーソンの隔室に投入する時、前記投入部の平面座標を計測するステップと、
前記中詰材が投入された隔室を前記計測された投入部の平面座標に基づいて情報処理手段が特定するステップと、
前記情報処理手段が中詰材投入情報を前記特定された隔室と関連付けて記憶するステップと、を含むことを特徴とするケーソン中詰材投入管理方法。
【請求項7】
前記船が複数あり各中詰材投入手段を用いて中詰材を投入する場合、前記船毎に前記情報処理手段を配置し、前記各情報処理手段は互いに接続され、
前記記憶ステップにおいて前記各情報処理手段が別の船における中詰材投入情報を記憶して共有する請求項6に記載のケーソン中詰材投入管理方法。
【請求項8】
前記情報処理手段が前記ケーソンの隔室の平面座標および前記中詰材投入情報を表示手段に表示させる表示ステップをさらに含み、
前記中詰材の前記隔室への投入毎に累積された前記中詰材投入情報を表示する請求項6または7に記載のケーソン中詰材投入管理方法。
【請求項9】
前記中詰材投入情報は、前記中詰材投入手段による中詰材の隔室への投入回数であり、
前記表示ステップにおいて前記隔室の平面位置に前記投入回数を表示し、前記投入回数が最も少ない隔室について表示をする請求項8に記載のケーソン中詰材投入管理方法。
【請求項10】
前記中詰材投入手段による中詰材の各隔室への投入を所定の順序で行うように前記表示ステップにおいて前記中詰材を次に投入すべき隔室について表示をする請求項8に記載のケーソン中詰材投入管理方法。
【請求項11】
複数の隔室を有するケーソンの各隔室に中詰材を投入するときの管理方法であって、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のケーソン中詰材投入管理システムを用いることを特徴とするケーソン中詰材投入管理方法。
【請求項12】
請求項6乃至10のいずれか1項に記載のケーソン中詰材投入管理方法における各ステップを情報処理手段に実行させるためのコンピュータ用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−40472(P2013−40472A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176924(P2011−176924)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000166627)五洋建設株式会社 (364)