説明

ケーブル取付装置

【課題】特別な工具を必要とすることなく、簡単に取り付けうるケーブル取付装置を提供する。
【解決手段】ケーブル取付装置10を、コンセントパネルの開口に接続しうる本体12と、ケーブルを通すための孔18,20を有する少なくとも1つの張力緩和器14,16とから構成し、本体12を、ゴムまたはプラスチックを含む弾性変形可能な材料から形成し、かつ本体12に、張力緩和器14,16を収容しうる拡開可能な収容部30,32を設けるとともに、コンセントパネルの開口に差し込みうるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公知のケーブル取付装置の本体は、コンセントパネルに螺着されるが、この際、特別の工具が必要であり、また、この本体が取り付けられることによって、コンセントパネルの外観も損なわれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、特別な工具を必要とすることなく、簡単に取り付けうるケーブル取付装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係るケーブル取付装置は、本体と張力緩和器を同一の材料から形成することができるため製造が容易で、しかも取り付けの際に工具を必要としない。
【0005】
すでにケーブルを通してあるケーブル取付装置を取り付ける際には、プラグの付いたケーブルを、コンセントパネルの開口を通して押し込み、ついで、本体を、コンセントパネルの開口に固定する。コンセントパネルの円形の開口は、本体の周面を延びかつわずかに変形する係合溝と係合する。
【0006】
本体の材料は、ケーブル取付装置の2つの特性(コンセントパネルの開口に挿入しうる弾性、ならびに張力緩和器とケーブルを強固に保持しうる硬度および強度)を担うことができるようなものとする。本体と張力緩和器は、同一の材料から形成するのが好ましい。
【0007】
ケーブル取付装置の取付け手順は、以下の通りである。最初に、張力緩和器の孔にケーブルを通す。つぎに、この張力緩和器を本体の収容部に嵌め込む。この結果、ケーブル取付装置は、使用可能な状態となる。ケーブル取付装置を、コンセントパネルの開口に挿入して、本体をコンセントパネルの開口と接合させ、ケーブルのプラグを、コンセントパネルの開口内に位置させる。
【0008】
ケーブル取付装置は、硬質のゴムから形成するのが好ましい。
【0009】
本体(およびケーブル取付装置)の形状は、ケーブル取付装置をコンセントパネルに固定しうるものとなっている。また、両者は密着して固定させ、外部からコンセントパネル内に湿気が入り込むのを防ぐことができるようにする。
【0010】
上記以外の本発明の特徴は、引用形式請求項に記載されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明のケーブル取付装置は、以下の効果を有する。
−製造が簡単である。
−公知のケーブル取付装置よりも、取付け前の組立てが容易である。
−取付けと取外しに特別な工具を必要としない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の上記以外の特徴および有利な効果は、添付の図面を参照して行う、以下の実施形態の説明から明らかになると思う。
【0013】
図1〜図6に示すように、ケーブル取付装置10は、本体12と張力緩和器14,16からなる。張力緩和器14,16は、ケーブルを通すための孔18,20を有している。
【0014】
ケーブル取付装置10は、コンセントパネルの開口(詳細は省略する)に、差し込むことができる。通常、コンセントパネルは、孔の開いた厚さ数mmの金属シートから形成されている。ケーブル取付装置10の大きさは、コンセントパネルの開口に差し込むことができるように調整される。
【0015】
本体12は、ゴムやプラスチック等の弾性変形可能な材料から形成されており、張力緩和器14,16を収容する2つの収容部30,32を有している。本体12は、コンセントパネルの開口に差し込むことができる。
【0016】
張力緩和器14,16が、使用中に動くことのないよう、張力緩和器14,16と収容部30,32のそれぞれの外形は、張力緩和器14,16が本体12に強固に保持されうるように調整される。
【0017】
ケーブル(図示せず)を通すための孔18,20は、ケーブルの外径よりもわずかに小さい。一方、収容部30,32は、張力緩和器14,16よりもわずかに小さい。したがって、張力緩和器14,16およびケーブルには、圧力が加わり、ケーブルは、ケーブル取付装置10によって適度に締め付けられる。
【0018】
ケーブルには、周方向において、概ね均一な圧力が作用する。図1〜図4は、本体12が、平面視において円形であり、コンセントパネル(図示せず)を覆うことのできるように広がっている鍔部34を有する実施形態を示す。本体12は、コンセントパネルへの挿入が容易になるよう、挿入方向にテーパ付けされた挿入部38を有している。
【0019】
鍔部34と挿入部38の間には、周方向に延びる係合溝36が形成されている。係合溝36は、コンセントパネルにおいてこれと補形をなす部分と係合する。係合溝36は、平面視において、円形の外、方形または多角形を形成するように延ばすこともできる。
【0020】
図1〜図6に示す本体12には、外縁まで延びる切り込み44,46が形成されており、この切り込みは、拡開しうるようになっている。切り込み44,46の数は、収容部30,32の数に対応している。
【0021】
張力緩和器14,16が本体12から抜けないよう、張力緩和器14,16の周面には、凹部51が形成されている。この凹部51は、嵌め込み部30,32の周面に形成された凸部40,42と係合する。
【0022】
張力緩和器14,16にも切り込み48,50が形成されている。この切り込み48,50は、本体12の切り込み44,46と位置が揃うようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係るケーブル取付装置の後方斜視図である。
【図2】本発明に係るケーブル取付装置の本体の前方斜視図である。
【図3】同じく、別の方向から視た前方斜視図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】図1に示すケーブル取付装置の分解斜視図である。
【図6】図1に示すケーブル取付装置の前方斜視図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る、外形および収容部が方形のケーブル取付装置の本体の後方斜視図である。
【図8】図7に示すケーブル取付装置の分解図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態に係るケーブル取付装置(4つのケーブル孔を有する)の正面図である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態に係るケーブル取付装置(2つのケーブル孔を有する)の正面図である。
【符号の説明】
【0024】
10 ケーブル取付装置
12 本体
14,16 張力緩和器
18,20 孔
30,32 収容部
34 鍔部
36 係合溝
38 挿入部
44,46 切り込み
48,50 切り込み
51 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンセントパネルの開口と接続しうる本体(12)と、ケーブルを通すための孔(18)(20)を有する少なくとも1つの張力緩和器(14)(16)とを備えるケーブル取付装置であって、前記本体(12)は、ゴムまたはプラスチックを含む弾性変形可能な材料から形成されており、かつ前記張力緩和器(14)(16)を収容しうる拡開可能な収容部(30)(32)を有し、コンセントパネルの開口に差し込んで、保持手段(36)によって強固に保持しうるようになっているケーブル取付装置。
【請求項2】
前記張力緩和器(14)(16)は、前記本体(12)と嵌め込み式で連結されるようになっていることを特徴とする請求項1記載のケーブル取付装置。
【請求項3】
前記本体(12)は、コンセントパネルの開口を覆うように、平面視において、円形、方形、または多角形となっていることを特徴とする請求項1または2記載のケーブル取付装置。
【請求項4】
前記本体(12)は、コンセントパネルの開口を覆うことのできる大きさの鍔部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のケーブル取付装置。
【請求項5】
前記本体(12)は、挿入方向にテーパ付けされている挿入部(38)を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のケーブル取付装置。
【請求項6】
前記保持手段(36)は、前記鍔部(34)と前記挿入部(38)との間に形成された係合溝(36)であり、この係合溝(36)は、コンセントパネルにおいてこの係合溝と補形をなす部分と係合しうるようになっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のケーブル取付装置。
【請求項7】
前記係合溝(36)は、平面視において、円形、方形、または多角形と形成するように延びていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のケーブル取付装置。
【請求項8】
前記本体(12)は、平面視において、円形であり、外縁まで延びる切り込みが形成されて、拡開しうるようになっていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のケーブル取付装置。
【請求項9】
前記張力緩和器(14)(16)は、前記本体(12)の中に保持され、使用中に動かないようになっていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のケーブル取付装置。
【請求項10】
前記張力緩和器(14)(16)は、2本以上のケーブルを通すことができ、ケーブルを前記孔(18)(20)に位置させうるよう、少なくとも1箇所に切り込みが形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のケーブル取付装置。
【請求項11】
前記張力緩和器(14)(16)の周面には、前記本体(12)の凸部(40)(42)と嵌め合わせうる凹部(51)が形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のケーブル取付装置。
【請求項12】
前記張力緩和器(14)(16)は、前記本体(12)と同一または類似の材料から形成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のケーブル取付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−519579(P2008−519579A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538283(P2007−538283)
【出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【国際出願番号】PCT/EP2005/008673
【国際公開番号】WO2006/048063
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(507125240)イコテック プロジェクト ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー (1)
【Fターム(参考)】