説明

ゲ−ム装置

【課題】
屈曲形成された導体に、環状電極を通して、金属棒部に触れないようにゴールまで到達することを目的とするゲームであり、且つ、金属棒部の回転速度、回転方向を調節することができ、ゲームの難易度を調節することが出来るゲーム装置を提供する。
【解決手段】
主制御手段と、発音装置と、モータ駆動制御装置が内蔵され且つ金属棒部の下端を支持する台座部30と、屈曲形成された導体である金属棒部10とからなり、台座部上に設けられる電極部と操作部20とを有し、主制御手段は、発音手段を動作させ、金属棒部10は回転可能とされており、環状電極21が金属棒部10に接触した時と、環状電極21が電極部に接触した時では、異なる音声で発音し、また、回転スイッチ32が閉じられた時に金属棒部10を回転させ、また、速度調整スイッチ33、またはランダムスイッチ34により、金属棒部10の回転を制御可能なゲーム装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導体を屈曲形成した通路に沿って、環状電極を移動させ、該環状電極が胴体に接触せずにゴールまで辿り着くことを目的とするゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転する屈曲棒体を利用したゲームとしては、例えば特許文献1に記載されたものがある。このゲームはゲーム板とボールとからなり、該ゲーム板には、棒状の磁石を有して屈曲形成される磁性体の回転体を複数備え、主回転体と中継回転体とが交互に回転体の回転半径が周設するように配設されるものである。
【0003】
このゲームは、磁石にくっ付く素材からなるボールを、主回転体から隣り合う中継回転体へ、該中継回転体からさらに隣り合う中継回転体へとボールを移送するゲームであり、ゲームの最中には主回転体が一定の角速度で回転し、使用者が中継回転体の回転を制御することで、主回転体と中継回転体とが接近するタイミングを調節し、ボールの受渡しを行うものである。
【0004】
また、通路に接触しないように棒状電極を移動させるゲーム装置として、例えば特許文献2に記載されたものがある。
このゲームは、2本の導体を間隙が一定となるように屈曲して形成される通路が配置され、該通路の間隙に沿って棒状電極を移動させるゲームであり、該棒状電極が導体に接触するとゲームオーバーを通告する通告手段と、該通告手段を作動させる制御部とを備えるものである。
【特許文献1】特開平9−322983
【特許文献2】特開昭57−153678
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように、回転する屈曲棒体を利用したゲームは、単純にボールを移動させるのみであり、ゲームとしてのおもしろさに欠くものであった。また、通路に接触しないように棒状電極を移動させるゲーム装置はあるが、その難易度は一定のものであり、難易度を変化させるものがなかった。
この点、後者のゲーム装置は、通路の組み合わせにより難易度を変化させる工夫がなされているも、難易度が大きく変わるものではなかった。
【0006】
本発明は、回転する屈曲棒体を利用し、難易度を大きく変化させる工夫を施したゲーム装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、主制御手段と、発音装置、モータ駆動制御装置、モータ及び減速歯車とが内蔵された台座部と、屈曲形成された導体とからなり、前記台座部に下端が支持される金属棒部と、金属棒部の下端近くの台座部上に設けられる電極部と、前記主制御手段にコードで接続された環状電極を備えた操作部とを有し、主制御手段は、操作部の環状電極か金属棒部または台座状の電極部に接触したときに発音手段を動作させ、金属棒部はモータ駆動制御装置により回転可能とされているゲーム装置である。
【0008】
そのため、屈曲形成された導体に、環状電極を通して、金属棒部に触れないようにゴールまで到達することを目的とするゲームを提供することができる。
【0009】
また本発明は、主制御手段は、環状電極か金属棒部に接触したことを検知した時と、環状電極が電極部に接触したことを検知した時では、異なる音声で発音手段を作動させて発音をさせるゲーム装置である。
そのため、環状電極が金属棒部に触れた場合に失敗時音声を拡声し、また、環状電極が金属リングと接触した場合に成功時音声を拡声することができる。
【0010】
また本発明は、主制御手段は、回転スイッチが閉じられたことを検出した時、モータ駆動制御装置により金属棒部を回転させるゲーム装置である。
そのため、回転スイッチの開閉により、回転させない状態、もしくは金属棒部を回転させる状態とすることができ、金属棒部に接触することなく、金属リングへ環状電極を移動させることの困難性を変化させることが出来、ゲームの難易度を変化させて難易度が大きく異なる2種類のゲームを提供することが出来る。
【0011】
また本発明は、主制御手段は、速度調整スイッチの出力電圧を検出し、検出した電圧に応じてモータ駆動制御装置におけるモータの速度を制御するゲーム装置である。
そのため、速度調整スイッチの調節により、金属棒部の回転速度を加減することができ、これによりゲームの難易度を調節することが出来る。
【0012】
また本発明は、主制御手段は、ランダムスイッチが閉じられたことを検出したとき、モータ駆動制御装置におけるモータを、正転および逆転または、正転、停止、逆転、停止の制御を行うゲーム装置である。
【0013】
そのため、遊戯者がランダムスイッチを操作することで、金属棒部の回転方向を変化させることができ、回転が開始したり逆転したりする動きに合わせ、環状電極を金属棒部の形状に合わせて移動させることは困難であり、これによりゲームの難易度を調節することが出来る。
【発明の効果】
【0014】
主制御手段と、発音装置、モータ駆動制御装置、モータ及び減速歯車とが内蔵された台座部と、屈曲形成された導体とからなり、金属棒部の下端近くの台座部上に設けられる電極部と操作部とを有し、主制御手段は、発音手段を動作させ、金属棒部はモータ駆動制御装置により回転可能とされているゲーム装置である。
【0015】
したがって、金属棒部に触れずに環状電極をゴールまで導くための、集中力と手先のコントロールが重要となる、緊張感に溢れるゲームを楽しむことができる。
【0016】
また、主制御手段は、環状電極が金属棒部に接触したことを検知した時と、環状電極が電極部に接触したことを検知した時では、異なる音声で発音手段を作動させて発音をさせるゲーム装置である。
【0017】
したがって、ゲームに失敗したことを遊戯者に対して音声により知らしめることができ、また、ゴールしたことを遊戯者に対して音声により知らしめることができ、失敗時の悔しさを倍増させ、また、ゴールした時の感動を増大させることが出来る。
【0018】
また、主制御手段は、回転スイッチが閉じられたことを検出した時、モータ駆動制御装置により金属棒部を回転させるゲーム装置である。
したがって、1つのゲーム装置で難易度が大きく異なる2つのゲームを楽しむことが出来る。
【0019】
また、主制御手段は、速度調整スイッチの出力電圧を検出し、検出した電圧に応じてモータ駆動制御装置におけるモータの速度を制御するゲーム装置である。
したがって、金属棒部の回転速度を調整することで、何度ゲームを行っても飽きることがなく、ゲームをより一層楽しむことが出来る。
【0020】
また、主制御手段は、ランダムスイッチが閉じられたことを検出したとき、モータ駆動制御装置におけるモータを、正転および逆転または、正転、停止、逆転、停止の制御を行うゲーム装置である。
【0021】
したがって、よりゲーム性を向上させることが出来、何度ゲームを行っても飽きることがなく、毎回ゲームをより一層楽しむことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
主制御手段と、発音装置と、モータ駆動制御装置が内蔵され且つ金属棒部の下端を支持する台座部と、屈曲形成された導体とからなり、金属棒部の下端近くの台座部上に設けられる電極部と環状電極を備えた操作部とを有し、主制御手段は、発音手段を動作させ、金属棒部はモータ駆動制御装置により回転可能とされており、環状電極か金属棒部に接触したことを検知した時と、環状電極が電極部に接触したことを検知した時では、異なる音声で発音手段を作動させて発音をさせ、また、回転スイッチが閉じられたことを検出した時は、モータ駆動制御装置により金属棒部を回転させ、また、速度調整スイッチの出力電圧を検出し、検出した電圧に応じてモータ駆動制御装置によりモータの速度を制御し、また、ランダムスイッチが閉じられたことを検出したとき、モータ駆動制御装置におけるモータを、正転および逆転または、正転、停止、逆転、停止の制御を行うゲーム装置である。
【実施例】
【0023】
本発明に係るゲーム玩具は、図1に示すように、金属棒部10と操作部20、台座部30とからなり、該台座部30は内部に空洞を設けた円柱体とされ、該台座部30の上面には、メインスイッチ31と回転スイッチ32、速度調整スイッチ33、ランダムスイッチ34とが配設され、また、該上面には拡声窓35も開設され、上面中央には、電極部として金属リング36が設置される。該台座部30の内部には、図2に示すように、CPU400とモータ駆動制御装置50、スピーカバッファ60、抵抗部70とが格納され、該抵抗部70は可変抵抗71とバイアス抵抗72とからなる。
【0024】
金属棒部10は、図1に示したように、導体を屈曲して形成され、台座部上面中央に、回転可能に、また金属リング36と絶縁された状態で設置され、図2に示したように、該台座部に格納される、モータ51及び図示しない減速歯車によるモータ駆動制御装置により、回転されるものである。また、金属棒部10は、台座部内において、金属棒部10の基部に設けた円盤状導体の周辺に接触するブラシ部402Aを介して台座部に格納されるCPU400の第1検出手段402と接続される。
【0025】
また操作部20は、図1に示したように、環状部21Aと直線部21Bとからなる環状電極21と、把持部22とからなる。
該環状部21Aは金属の棒体の一端を環状に形成したものであり、一方該直線部21Bは接続コードにより台座部30に格納されるCPUと接続され、また、樹脂などにより形成される棒体である把持部22により覆われる。
【0026】
CPU400は、図2に示したように、RAM401A及びROM401Bを備える主制御手段401と、第1検出手段402、第2検出手段403、メインスイッチ検出手段404、電圧検出手段405、ランダムスイッチ検出手段406、速度制御手段408、方向制御手段409、発音制御手段410とを有し、更に音声メモリ407を有する。そして、主制御手段401が各機構を制御することで、ゲーム板の動きを制御する。
【0027】
第1検出手段402は、金属棒部10の基部に設けた導体に接するブラシ部402Aと接続され、操作部20の環状電極21Aが金属棒部10に接触すると、主制御手段401に検出信号を送信するものである。
一方、第2検出手段403は電極部とする金属リング36と接続され、環状電極21Aが金属リング36に接触すると、主制御手段401に検出信号を送信するものである。
【0028】
メインスイッチ検出手段404は、メインスイッチ31と接続され、メインスイッチ31が閉じられたとき、メインスイッチ検出手段404を介して電力が供給され、主制御手段401は作動を開始する。
【0029】
電圧検出手段405は、抵抗部70と接続され、速度調整スイッチ33の出力電圧を読取るものであり、回転スイッチ32が開かれている時は、出力電圧が0となり、速度信号としては、モータ51を停止させる信号を主制御手段401に出力し、一方、回転スイッチ32がオンの場合、速度調整スイッチ33による抵抗の値に応じた出力電圧を速度信号として主制御手段401に出力するものである。
【0030】
またランダムスイッチ検出手段404は、ランダムのスイッチ31の開閉を検出し、閉じているときは0として、主制御手段401に検出信号を出力するものである。
また、音声メモリ407には、環状電極21が金属棒部10に接触したことを第1検出手段402が検出したときに主制御手段401により読み出される失敗時音声データや、環状電極21が金属リング36と接触したときに第2検出手段403が検出したときに主制御手段401から読み出される成功時用音声データ、更に適宜に主制御手段401により読み出されるその他の音声データが格納される。
【0031】
速度制御手段408は、主制御手段401の制御を受けて、モータ駆動制御装置50へ、速度制御信号を出力し、方向制御手段409も、主制御手段401の制御を受け、モータ駆動制御装置50に、方向制御信号を出力することにより、モータ51の回転方向を制御するものである。
このモータ駆動制御装置50は、電源電圧をモータ51に印加するに際し、速度制御手段408からの速度制御信号に基づいてモータ51へ印加電圧を変化させてモータ51の回転速度を制御し、方向制御手段409からの方向制御信号に基づいて、極性を決定し、モータ51の回転方向を制御するものである。
【0032】
発音制御手段410は、主制御手段401が、音声メモリ407から適宜抜き出して、失敗時音声データや成功時用音声データ、その他メモリからの音声データを、スピーカバッファ60に出力し、音声手段であるスピーカから、データに応じた音声を発音させるものである。
【0033】
このゲーム装置では、図3に示すように、操作部20の環状電極21を、屈曲した金属棒部10に接触させること無く、金属リング36の位置まで移動させて遊ぶことが出来るものであり、
ゲームの開始に際して、遊戯者がメインスイッチ31をオンとすると、主制御部が作動を開始し、環状電極21の中に金属棒部10を通し、順次金属棒の形状に併せて操作部20を移動させて行くときに、金属棒部10と環状電極21が接触すると、図2に示したように、第1検出手段402がこの接触を検知し、主制御手段401は音声メモリ407から失敗時用音声データを読み出して、発音手段であるスピーカから失敗音を発音させる。
【0034】
そして、環状電極21を順次移動させ、金属棒部10の根元にある金属リング36に接触させたとき、第2検出手段403が金属リング36と環状電極21との接触を検知し、主制御手段401は、音声メモリ407から、成功時用音声データを読み出し、この音声データにより、スピーカから成功音を発音させる。
また、主制御手段401は、作動開始から所定時間毎に、応援用の音声データを読み出して、スピーカから発音させることもある。
【0035】
このようにして、図1に示したように、金属棒部10が停止した状態のままで、環状電極21を金属棒部10の形状に合わせて、ゴールである金属リング36まで移動させて遊ぶことも出来るが、回転スイッチ32もオンにすると、電圧検出手段405は、バイアス抵抗72の値と、速度調整スイッチ33により調整される可変抵抗71の値に応じた抵抗器の出力電圧を検知し、この電圧に応じた速度信号を主制御手段401に出力する。
【0036】
従って、主制御手段401は、この速度信号に応じて速度制御手段401からモータ駆動制御装置50に速度制御信号を出力させ、モータ51の回転を開始させると共にその回転速度を制御し、金属棒部10を速度調整スイッチ33で設定された所定の速度で一定方向に回転させることになる。
このため、金属棒部10は速度調整スイッチ33で設定される速度で回転を開始し、金属棒部10に接触することなく、金属リング36へ環状電極21を移動させることが困難となり、ゲームの難易度を高めることができる。
【0037】
そして、ランダムスイッチ34をオンとすることにより、ランダムスイッチ検出手段406が検出信号を主制御手段401に出力すると、主制御手段401は予め記憶されているプログラムタイマーに基づき、所定時間の正転の後、モータ51を逆転または停止させ、時間経過に応じて正転と逆転、または正転と逆転や停止を組合せたプログラムに従って方向制御手段409からモータ駆動制御装置50に方向制御信号を出力させるものである。
【0038】
従って、金属棒部10は、主制御手段401に記憶されているプログラムに従って回転方向を変化させ、回転が開始したり逆転したりする動きに合わせ、環状電極21を金属棒部10の形状に合わせて移動させることは困難となり、よりゲーム性を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係るゲーム玩具の斜視図である。
【図2】本発明に係るゲーム玩具の制御機構を示したブロック図である。
【図3】本発明に係るゲーム玩具の斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
10 金属棒部
20 操作部
21 環状電極
21A 環状部
21B 直線部
22 把持部
30 台座部
31 メインスイッチ
32 回転スイッチ
33 速度調整スイッチ
34 ランダムスイッチ
35 拡声窓
36 金属リング
400 CPU
401 主制御手段
401A RAM
401B ROM
402 第1検出手段
402A 金属ブラシ
403 第2検出手段
404 メインスイッチ検出手段
405 電圧検出手段
406 ランダムスイッチ検出手段
407 音声メモリ
408 速度制御手段
409 方向制御手段
410 発音制御手段
50 モータ駆動制御装置
51 モータ
60 スピーカバッファ
70 抵抗部
71 可変抵抗
72 バイアス抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主制御手段と、発音装置、モータ駆動制御装置、モータ及び減速歯車とが内蔵された台座部と、屈曲形成された導体とからなり、前記台座部に下端が支持される金属棒部と、金属棒部の下端近くの台座部上に設けられる電極部と、前記主制御手段にコードで接続された環状電極を備えた操作部とを有し、主制御手段は、操作部の環状電極か金属棒部または台座状の電極部に接触したときに発音手段を動作させ、金属棒部はモータ駆動制御装置により回転可能とされていることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
主制御手段は、環状電極が金属棒部に接触したことを検知した時と、環状電極が電極部に接触したことを検知した時では、異なる音声で発音手段を作動させて発音をさせることを特徴とする、請求項1に記載したゲーム装置。
【請求項3】
主制御手段は、回転スイッチが閉じられたことを検出した時、モータ駆動制御装置により金属棒部を回転させることを特徴とする、請求項1又は2に記載したゲーム装置。
【請求項4】
主制御手段は、速度調整スイッチの出力電圧を検出し、検出した電圧に応じてモータ駆動制御装置におけるモータの速度を制御することを特徴とする、請求項3に記載したゲーム装置。
【請求項5】
主制御手段は、ランダムスイッチが閉じられたことを検出したとき、モータ駆動制御装置におけるモータを、正転および逆転または、正転、停止、逆転、停止の制御を行うことを特徴とする、請求項3または4記載したゲーム装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−230654(P2006−230654A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−48539(P2005−48539)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(000132275)株式会社スタッフ (19)