説明

ゲルマニウムチップ使用の指圧器具

【課題】 使用中の衝撃によって簡単には破損せず、純ゲルマニウムを使用するにも拘ず従来よりもコストを抑制することができ、しかも軽量で耐久性の良いゲルマニウムチップ使用の指圧器具を提供する。
【解決手段】 ゲルマニウムチップを使用した指圧器具について、ケースをチタン製とするとともに、ケース21の一面に開口部を設け、その開口部24からケース外方に突出する突端11と、チタン製ケース内に配置される基部12とを有するゲルマニウムチップ15を、磁石片27とともにチタン製ケース内に収納し、チタン製ケース21の他面の開口部25をチタン製の蓋体によって閉塞した構成を有するものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲルマニウムチップ使用の指圧器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゲルマニウムチップを使用した指圧器具は従来から知られており、様々な形態の商品が市場に提供されている。しかしながら純ゲルマニウム製のチップは非常にもろくて欠けやすいという欠点を有しており、特に衝撃に弱いために加工上破損しやすく、製造段階において不良品発生率が高くなり勝ちであり、取り扱いが難しく注意を必要とする。この種の指圧器具は、ツボを刺激するため肌に直接貼って使用するような使用方法が取られたり、或いは指圧器具を取り付けたブレスレットやネックレス、指輪等を着用するような使用方法が取られており、特に後者の装身具によって着用する場合、ひび割れしたり欠けたりするおそれが高い。
【0003】
また純ゲルマニウム製のチップは素材価格が高く、また非常に加工の難しいものであ
り、その上、前記のように衝撃に弱いため分留まりが低く、生産コスト全般を押し上げるため製品価格は高くならざるを得ない。しかし従来の指圧器具も例えばこのような問題点を十分に考慮したものとはなっていない。実開昭61−182753号のものは矢印型の断面形状を有するゲルマニウム半導体を含むが、このような断面形状では、矢尻部分が欠けやすいことは明らかであり、また球状部を有するゲルマニウム半導体では、ひびが入ると永久磁石本体から抜け出しやすい。
【0004】
また従来の指圧器具の場合、ステンレススチールやニッケルメッキした金属或いは磁石が露出した状態の構造を持っているものが多い。しかしこうした金属はいわゆる金属かぶれ(メタルアレルギー)の原因となるものであり、着用が血行を促進する反面、皮膚の健康を損うという問題を生じる場合があるので、誰でも無害で使用することができるというものではなかった。また、ステンレススチールや磁石は汗によって変質し、美感を損うという問題もあった。さらに鉄系金属の場合、重いという特性がありこのことも使用上の負担となる。
【0005】
【特許文献1】実開昭61−182753号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、使用中の衝撃によって簡単には破損せず、純ゲルマニウムを使用するにも拘らず従来よりもコストを抑制することができ、しかも軽量で耐久性の良いゲルマニウムチップ使用の指圧器具を提供することである。また本発明は特に小型の指圧器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するため、本発明は、ゲルマニウムチップを使用した指圧器具について、ケースをチタン製とするとともに、ケースの一面に開口部を設け、その開口部からケース外部に出る突端と、チタン製ケース内に配置される基部とを有するゲルマニウムチップを、磁石片とともにチタン製ケース内に収納し、チタン製ケースの他面の開口部をチタン製の蓋体によって閉塞した構成を有するものとする、という手段を講じたものである。
【0008】
本発明におけるゲルマニウムチップは、一部がケースから外部に出て、その部分を指圧に使用することができ、他の部分はケース内に配置されるという構成を有している。ケースから外部に出るゲルマニウムチップの突端は、比較的尖鋭なものと(図1参照)、比較的滑らかなもの(図3参照)、或いは平坦なもの(図示せず)を含むものとする。ケース内に配置される基部は、ゲルマニウムによる医療的な効果が確実に得られるように、突端部分よりも大型に形成されている。突端は、基部の上に段をなして乗ったような形状にすることにより、ゲルマニウムチップがケースから抜け出るのを防止するように係合可能である。
【0009】
ケースはチタン製とし、就中純チタン製であることをベストとする。ケースは一面及び他面に開口部を有しており、一面の開口部にはゲルマニウムチップの突端が外に出る。ケース他面の開口具は、ゲルマニウムチップをケースに収める、口であり、一面の開口部よりも大形とする。ゲルマニウムチップとともに磁石片がチタン製ケース内に収納され、磁気作用による血行促進作用を発揮する。チタン製ケースの内部の収納空間は、ゲルマニウムチップの突端が位置する開口部との間に段を形成し、前記のようにゲルマニウムチップの抜け出し防止構造を提供する。
【0010】
チタン製ケースは丁度饅頭のような丸味を帯びた曲面を上半部に有しており、肌への接触における違和感を少なくしている。他面は任意の形状で良いが、そこに形成されている開口部が蓋体によって閉塞されることを必要とする。この結果、ゲルマニウムチップは、突端部分のみが、ケース外へ出て指圧作用に供されるほかはチタン製ケースに完全に包まれた状態となる。そのため、皮膚に接するのはゲルマニウムチップの指圧部である突端と純チタン材から成るケース及び蓋体となり、メタルアレルギーの心配は無いに等しいものとなる。
【0011】
このような構造を有する指圧器具は、ゲルマニウムチップは焼結技術によって所望の形態を付与され、チタン製ケース及び蓋体には金属加工によって滑らかな外形を有する中空な形態が付与される。また、チタン製ケースにはゲルマニウムチップと磁石が収納され、磁石の外側からチタン製の蓋体を取り付けることによって開口部が密封される。蓋体は例えば圧入、ねじ込みなどによって取り付けられるが、蓋体の取り付けによって、内部のゲルマニウムチップ及び磁石は殆んど動かないような状態になる。ゲルマニウムチップ及び磁石が内部で固定されているということは一定の作用が持続するために好ましいことである。なお磁石は錆びにくいものであることが望まれる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は以上の如く構成されかつ作用するものであるから、ゲルマニウムチップの使用量が少なく、焼結によって形成したものを嵌めるだけであるから不良品発生率を低く抑えられ、コストの抑制が可能であり、その突端部分がチタン製ケースの開口部から出るだけであるので、使用中の衝撃によって破損しにくく、ケースはチタン製であり、小型にしても十分な強度が得られ、小さい磁石を併用しているだけであるから軽量となり、しかもゲルマニウムチップの突端以外はすべてチタンで覆われているのでメタルアレルギーを起こさず、耐久性も優れているというゲルマニウムチップ使用の指圧器具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下図示の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。図において、11はゲルマニウムチップ15の突端であり、12は同じく基部であって、突端11は円錐状の頂部13とほぼ円筒状の下部14から成り、円盤状の基部12の上に同心円状に配置されたような外形を有している。なお、ゲルマニウムチップ15の基部12と突端下部14の外周面は各図に示したように僅かな抜け勾配を持っており、焼結工程によって成型したものを抜き出し易くなっている。このゲルマニウムチップ15は図1、図2及び図3の左側に示されている突端を頂部13に持ったもののほか、滑らかに整形された頂部16を持ったものなども使用することができる。17は段部を示す。
【0014】
また、21はチタン製ケースを示しており、それは饅頭型の曲面22を持った上半部の内部を収納空所23としたもので、曲面の中央部に内外を通じた上部の開口部24が形成されていて、ゲルマニウムチップ15の突端11を嵌め合わせて外へ出す構造となっている。収納空所23の他方はチタン製ケース21の他面の開口部25となっている。このような収納空所23と上部の開口部24との間には、ゲルマニウムチップ15と係合する段部26が形成されている。
【0015】
27は磁石片を示しており、例示の磁石片27はゲルマニウムチップ15の基部12とほぼ同径かつ同大とされている。この磁石片27は磁気治療に適した永久磁石から成り、市販のものの中から選択して使用することができるもので、例えばサマリウムコバルト(SmCo)磁石のような強力で錆びにくいものが適しており、それを図中上下にN極、S極が来るように配置する。また、28はチタン製の蓋体を示しており、チタン製ケース21の他面の開口部25に圧入によって嵌め込まれる。チタン製の蓋体28は、開口部25を閉じるとともに、ゲルマニウムチップ15及び磁石片27を予め設計されたとおりの位置に固定する。
【0016】
このような構成により、ゲルマニウムチップは衝撃に極めて弱く、もろくて、欠けやすいにも拘ずこれをチタン製のケースで包み、効果的に保護することができ、また製造上の分留まりも向上するので製造コストの低減が可能となり、チタンケースの使用により、強靭化、軽量化、高い強度、経年劣化を最小限に留める耐食性、メタルアレルギーの抑制、高級感という特性を得ることができる。また、ゲルマニウムチップ突端によるツボに対する指圧効果は小さくても十分であり、例えば小さいボタン以下、数ミリの直径のもので必要十分な指圧効果を期待することができるという効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0017】
ゲルマニウムチップがチタン製ケースによって保護されており、裸のまま扱われることがないので、例えばブレスレット、ネックレス、指輪等に組み込みやすく、しかも破損しにくいため装身具に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るゲルマニウムチップ使用の指圧器具の実施例を示す正面図。
【図2】同じく斜視図。
【図3】同じく分解断面図。
【符号の説明】
【0019】
11 ゲルマニウムチップの突端
12 ゲルマニウムチップの基部
15 ゲルマニウムチップ
21 チタン製ケース
23 収納空所
24 上部の開口部
25 下部の開口部
27 磁石片
28 蓋体



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲルマニウムチップを使用した指圧器具であって、ケースをチタン製とするとともに、ケースの一面に開口部を設け、その開口部からケース外部に出る突端と、チタン製ケース内に配置される基部とを有するゲルマニウムチップを、磁石片とともにチタン製ケース内に収納し、チタン製ケースの他面の開口部をチタン製の蓋体によって閉塞した構成を有することを特徴とするゲルマニウムチップ使用の指圧器具。
【請求項2】
チタン製の蓋体は、開口部を閉じるとともに、ゲルマニウムチップ及び磁石片を予め設計されたとおりの位置に固定する請求項1記載のゲルマニウムチップ使用の指圧器具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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