ゲームシステム
【課題】より多彩な遊び方を提供することにより、遊技者同士のコミュニケーションを図り、さらに面白くした通信ゲームを提供する。
【解決手段】本通信ゲームシステムは、クライアントシステム1と当該クライアントシステム1と通信するゲームサーバシステム2とを備える。ゲームサーバシステム2は、複数のクライアントシステムを対戦グループとして関係付けるグループ情報が格納されるデータベース21を備える。ゲームサーバシステム2は、同一対戦グループに属するクライアントシステム1の中から対戦の組み合わせを決定し、当該組み合わせによって決定されるクライアントシステム間のデータの送受信を管理して対戦を実行させ、当該対戦の結果に対応して次の組み合わせを決定するように構成されている。各クライアントシステム1は、独自のキャラクタ選択機能及び観戦時のチャット機能を有する。
【解決手段】本通信ゲームシステムは、クライアントシステム1と当該クライアントシステム1と通信するゲームサーバシステム2とを備える。ゲームサーバシステム2は、複数のクライアントシステムを対戦グループとして関係付けるグループ情報が格納されるデータベース21を備える。ゲームサーバシステム2は、同一対戦グループに属するクライアントシステム1の中から対戦の組み合わせを決定し、当該組み合わせによって決定されるクライアントシステム間のデータの送受信を管理して対戦を実行させ、当該対戦の結果に対応して次の組み合わせを決定するように構成されている。各クライアントシステム1は、独自のキャラクタ選択機能及び観戦時のチャット機能を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバに接続した遠隔地のゲーム装置の間でゲーム対戦を行うための通信ゲームシステムに係る。特に、本発明における通信ゲームシステムは、遊技者の要求で結成されるグループ内において複雑な対戦管理を行うことが可能であること、ゲームに用いるキャラクタを違和感無く選択できること、ゲーム観戦者間のコミュニケーションを充実させることなどの機能を搭載した新しい通信ゲームの管理方法を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、別個の遊技者によって操作されるゲーム装置が共通のゲームサーバに接続され、遠隔地の遊技者間で対戦ゲームを実行可能に構成された通信ゲームシステムがあった。
【0003】
このシステムにおいて、サーバは、その時点で接続しているゲーム装置をリストアップして表示するようになっている。いずれかのゲーム装置から他のゲーム装置に対する対戦申込があった場合には、サーバは、申し込んだゲーム装置と申し込まれた他のゲーム装置との間における対戦受諾の取引を管理し、対戦が受諾されると、双方のゲーム装置間におけるコマンドの送受信を監視しながら仲介するようにプログラムされている。
【0004】
また、従来のシステムでは、対戦相手が決まると、対戦ゲームに用いる自分のキャラクタを選択する画面が、対戦するゲーム装置間で共通に表示される。このため、対戦するゲーム装置それぞれにおいて、遊戯者は好みのキャラクタを共通の画面から選択する。この選択情報は、他のゲームデータと同様に、サーバを介してリアルタイムに対戦相手同士で送受信される。このため、双方の共通のキャラクタ選択画面上に双方のキャラクタ選択情報が表示される。
【0005】
さらに、従来のシステムの場合、対戦ゲームの実行中において、対戦相手同士がメッセージを送信し合うことができるようになっている。
【0006】
このような通信ゲームシステムの出現により、遊技者は他の遊技者とゲーム対戦を楽しむことができるようになっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、いままでの通信ゲームシステムにおける対戦方法は、ゲーム対戦の申込、受諾、そして対戦という取引を繰り返すのみであった。多数のゲーム装置と対戦可能になっているにもかかわらず、ゲームセンターなどで複数の友人とゲームを楽しんでいるようなコミュニケーションが取れなかった。またその遊び方に発展性が無いため遊技者に飽きられ易かった。
【0008】
また、対戦相手となっているゲーム装置間において、キャラクタの選択情報が互いに相手方にもリアルタイムに表示されることから、相手方ではどのようなキャラクタを選択しているかが予め分かってしまうので、ゲーム開始前の期待感や新鮮味が半減する。
【0009】
一方、キャラクタ選択画面がカスタマイズされたキャラクタを選択できるモードを提供している状況においては、そのカスタマイズされたキャラクタ選択を指定したゲーム装置には、カスタマイズされたキャラクタ選択専用の画面が表示される。つまり、このときには対戦相手同士で異なるキャラクタ選択画面が表示される。この状態で、一方のゲーム装置においてカスタマイズされたキャラクタを選択する手動操作を行なうと、その操作に係るカーソルの動きが相手方のゲーム装置に伝わり、カスタマイズされたキャラクタ選択画面とは異なる画面上で相手方のカーソルが不可解な動きをして、相手方に違和感を与えてしまう。反対に、お互いに手の内が知れた相手の場合、この相手方のカーソルの動きはどのようなカスタマイズされたキャラクタを選択するかのヒントになり、前述と同様に、ゲーム前の期待感を殺いでしまう。
【0010】
さらに、従来の通信ゲームシステムにおいては、対戦相手同士はメッセージなどを交換することができ、ゲームを楽しむことができるものの、観戦者は単に現在進行しているゲーム(メッセージも含む)を観戦するのみである。このため、上述したと同様に、ゲームセンターなどで複数の友人とゲームを楽しんでいる状況にはなり得ず、飽き易いという問題があった。
【0011】
この点に鑑み、本発明は、従来の通信ゲームシステムでは提供されなかった多彩な遊び方を提供することにより、遊技者同士のコミュニケーションを図り、通信ゲームをさらに面白くする通信ゲームシステムとその処理方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、従来の通信ゲームシステムでは提供されなかった観戦者同士のコミュニケーションを図り、通信ゲームをさらに面白くする通信ゲームシステムとその処理方法を提供することを別の目的とする。
【0013】
また、本発明は、対戦ゲームに用いるキャラクタを選択するときに、この選択に係る操作が違和感を与えることが無く且つゲーム前の期待感や高揚感の低下を防止した通信ゲームシステムとその処理方法を提供することを更に別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的を実現するために、多数の不特定人が参加している通信ゲーム環境において、趣味の合うものなどネットワーク上の友人とも言える者同士で遊びたいという要求を満たす必要がある。
【0015】
また多数人が参加する遊技や競技で通常実施されるチーム戦、総当たり戦、トーナメント戦など多彩な対戦の組み合わせで自分の技量を評価可能にするという要求を満たす必要もある。
【0016】
さらに遊技者自身が対戦していない場合であっても、他の者が対戦しているときにはそれを観戦して楽しみたいという要求を満たす必要もある。
【0017】
さらに対戦キャラクタの画面からの選択において、違和感が無く且つゲーム前の高揚感を殺ぐことがないようにしてゲームを楽しみたいという要求を満たす必要もある。
【0018】
本発明は、クライアントシステムと当該クライアントシステムと通信するゲームサーバシステムとを備える通信ゲームシステムにおいて、ゲームサーバシステムは、複数のクライアントシステムを一つの対戦グループとして関係付けるためのグループ情報が複数種類の対戦モードに対応して複数格納されているデータベースを備え、いずれか一の対戦グループが指定された場合には、指定された対戦グループに関係付けられているグループ情報を参照し、同一の対戦グループに属するクライアントシステムの中から対戦の組み合わせを決定し、当該組み合わせによって決定されるクライアントシステム間のデータの送受信を管理して対戦を実行させ、当該対戦の結果に対応して次の組み合わせを決定するように構成されていることを特徴とする通信ゲームシステムである。
【0019】
例えば、上記データベースに格納されるグループ情報のうち少なくとも一つは、対戦が終了した場合に、勝った方、負けた方、固定した双方またはいずれか一方の固定されたクライアントシステムが継続して他のクライアントシステムと対戦するように定められた対戦モードを設定する試合ルール情報が含まれており、ゲームサーバシステムは、対戦が終了した場合に、試合ルール情報を参照して、次の対戦の組み合わせを決定する。このゲームサーバシステムは、次の対戦の組み合わせに対応するクライアントシステムの双方から受諾を示すコマンドが送信された場合に、当該対戦を実行させる。
【0020】
例えば、上記データベースに格納されるグループ情報のうち少なくとも一つは、同一の対戦グループ内を二つのサブグループに分けるチーム戦対戦モードを設定するためのスケジュール情報が格納されており、ゲームサーバシステムは、対戦が終了した場合に、スケジュール情報を参照して、対戦の結果、勝った方のクライアントシステムと、負けた方のクライアントシステムの属するサブグループのうち対戦していない他のクライアントシステムと、を次の対戦の組み合わせとして決定する。好ましくは、このスケジュール情報は、サブグループ内における対戦順序が予め設定されており、ゲームサーバシステムは、いずれか一方のサブグループにおいて最後に残ったクライアントシステムが対戦に敗れた場合に、当該チーム戦の結果を各クライアントシステムに報知する。
【0021】
例えば、上記データベースに格納されるグループ情報のうち少なくとも一つは、対戦が終了した場合に、同一の対戦グループ内で一のクライアントシステムが他の総てのクライアントシステムと対戦するように順序だてた総当たり戦対戦モードを設定するための登録情報が格納されており、ゲームサーバシステムは、一の組み合わせによる対戦が終了した場合に、登録情報を参照し、各クライアントシステムが未だ対戦していないクライアントシステムであって対戦中でない他のクライアントシステムを、各クライアントシステムに対する次の対戦の組み合わせとして決定する。好ましくは、ゲームサーバシステムは、総ての組み合わせによる対戦が終了した場合に、当該総当たり戦の結果を各クライアントシステムに星取り表として報知する。
【0022】
例えば、上記データベースに格納されるグループ情報のうち少なくとも一つは、対戦が終了した場合に、同一の対戦グループ内において勝ち抜き戦形式で対戦するトーナメント戦対戦モードを設定するための登録情報が格納されており、ゲームサーバシステムは、一の組み合わせによる対戦が終了した場合に、登録情報を参照して次に対戦する組み合わせを決定し、決定した組み合わせによる対戦の勝者となったクライアントシステム同士を次の対戦の組み合わせとして決定する。好ましくは、上記ゲームサーバシステムは、勝ち抜き戦により一のクライアントシステムが最後まで勝ち抜いた場合に、当該トーナメント戦の結果を各クライアントにトーナメント表として報知する。
【0023】
本発明において、ゲームサーバシステムは、いずれかのクライアントシステムから対戦要求があった場合に、他の任意のクライアントシステムのなかから、いずれか一を選択して対戦させる簡易対戦モード、または、いずれかの対戦グループに属して各対戦グループ内において対戦させる熟達対戦モードのうちいずれかを選択して実行させる点に特徴がある。
【0024】
例えば、ゲームサーバシステムは、グループ情報を参照して対戦グループを各クライアントシステムに閲覧させるための対戦モード一覧表示を各クライアントに提供する。このゲームサーバシステムは、クライアントシステムから対戦モード一覧表示においていずれかの対戦グループが選択された場合に、選択された対戦グループに対応するグループ情報をデータベースから読み取ってその内容を表示する。
【0025】
好ましくは、データベースには、いずれかの対戦グループに属するクライアントシステムの対戦履歴情報が格納されており、ゲームサーバシステムは、クライアントシステムから対戦モード一覧表示においていずれかのクライアントシステムが選択された場合に、選択されたクライアントシステムに対応する対戦履歴情報をデータベースから読み取ってその内容を表示する。
【0026】
好ましくは、上記ゲームサーバシステムは、対戦グループ内における対戦の組み合わせを決定する場合に、各クライアントシステムの対戦履歴情報から判断される強さの程度によって組み合わせの可否を決定する。
【0027】
好ましくは、上記ゲームサーバシステムは、対戦グループ内における対戦の組み合わせを決定する場合に、各クライアントシステムに対戦履歴情報に基づいてハンディキャップを設定し、当該ハンディキャップが設定された組み合わせにおける対戦の場合には、該対戦の結果による対戦履歴情報の更新を禁止する。
【0028】
さらに好ましくは、広域ネットワークに接続されるWWWサーバシステムを備え、ゲームサーバシステムは、対戦履歴情報に基づいて対戦履歴を表示するためのファイルを作成し、WWWサーバシステムの記憶領域にコンピュータに閲覧可能な状態で格納する。
【0029】
本発明において、ゲームサーバシステムは、いずれかのクライアントシステムから新規な対戦グループの作成要求があった場合に、当該クライアントシステムの設定内容に基づいて新たなグループ情報をデータベースに新規登録する。
【0030】
また本発明のゲームサーバシステムは、いずれかのクライアントシステムからいずれかの対戦グループへの参加要求があった場合に、当該クライアントシステムを参加要求があった対戦グループのグループ情報に関係付ける。
【0031】
本発明のゲームサーバシステムは、対戦グループ内で対戦しているクライアントシステムには対戦用のデータを送受信し、当該対戦グループ内で対戦していないクライアントシステムには、対戦しているクライアントシステム間の対戦を観戦するための観戦用のデータを送受信する。
【0032】
好ましくは、上記データベースには、各クライアントシステムが対戦中に観戦しているクライアントシステムに提供したいメッセージと遊技者の操作内容とを対応づける対応情報が登録されており、ゲームサーバシステムは、いずれかのクライアントシステムが対戦している場合に、当該クライアントシステムからの操作内容を参照し、当該操作内容に対応づけられている対応情報を読み取って観戦中のクライアントシステムに報知する。
【0033】
同様にこのゲームサーバシステムは、いずれかのクライアントシステムが対戦している場合に、当該対戦を観戦しているクライアントシステムからメッセージが送信されてきたときには、当該メッセージを他のクライアントシステムに報知する。
【0034】
さらにこのクライアントシステムは、ゲームサーバシステムからのコマンドに対応して振動を遊技者に伝達する振動発生手段を備え、ゲームサーバシステムは、いずれかのクライアントシステムからの操作内容に応じて振動発生手段を駆動するコマンドを他のクライアントシステムに送信する。「振動発生手段」に限定はなく、ピエゾ素子を用いたもの、偏芯モータを用いたものなど任意に適用可能である。
【0035】
具体的に本発明のゲームサーバシステムは、複数のクライアントシステムを、対戦グループとして関係づけるデータベースと、各クライアントシステムとデータの送受信をする通信装置と、データベースを参照して同一対戦グループ内における複数のクライアントシステム間のゲーム対戦を管理する処理装置と、を備えている。
【0036】
本発明の通信ゲーム処理方法は、クライアントシステムと当該クライアントシステムと通信するゲームサーバシステムとの間で実行される通信ゲーム処理方法において、ゲームサーバシステムは、複数のクライアントシステムを一つの対戦グループとして関係付けるためのグループ情報が複数種類の対戦モードに対応して複数格納されているデータベースを参照するステップと、いずれか一の対戦グループが指定された場合には、指定された対戦グループに関係付けられているグループ情報を参照し、同一の対戦グループに属するクライアントシステムの中から対戦の組み合わせを決定するステップと、当該組み合わせによって決定されるクライアントシステム間のデータの送受信を管理して対戦を実行させるステップと、当該対戦の結果に対応して次の組み合わせを決定するステップと、を備えていることを特徴とする通信ゲーム処理方法である。
【0037】
このデータベースに格納されるグループ情報のうち少なくとも一つは、対戦が終了した場合に、勝った方、負けた方、固定した双方またはいずれか一方の固定されたクライアントシステムが継続して他のクライアントシステムと対戦するように定められた対戦モードを設定するための試合ルール情報が含まれており、次の組み合わせを決定するステップは、対戦が終了した場合に、試合ルール情報を参照して、次の対戦の組み合わせを決定する。
【0038】
またこのデータベースに格納されるグループ情報のうち少なくとも一つは、同一の対戦グループ内を二つのサブグループに分けるチーム戦対戦モードを設定するためのスケジュール情報が格納されており、次の組み合わせを決定するステップは、対戦が終了した場合に、スケジュール情報を参照して、対戦の結果、勝った方のクライアントシステムと、負けた方のクライアントシステムの属するサブグループのうち対戦していない他のクライアントシステムと、を次の対戦の組み合わせとして決定する。
【0039】
さらにこのデータベースに格納されるグループ情報のうち少なくとも一つは、対戦が終了した場合に、同一の対戦グループ内で一のクライアントシステムが他の総てのクライアントシステムと対戦するように順序だてた総当たり戦対戦モードを設定するための登録情報が格納されており、次の組み合わせを決定するステップは、一の組み合わせによる対戦が終了した場合に、各クライアントシステムが未だ対戦していないクライアントシステムであって対戦中でない他のクライアントシステムを、各クライアントシステムに対する次の対戦の組み合わせとして決定する。
【0040】
このデータベースに格納されるグループ情報のうち少なくとも一つは、対戦が終了した場合に、同一の対戦グループ内において勝ち抜き戦形式で対戦するトーナメント戦対戦モードを設定するための登録情報が格納されており、次の組み合わせを決定するステップは、一の組み合わせによる対戦が終了した場合に、登録情報を参照して対戦する組み合わせを決定し、決定した組み合わせによる対戦の勝者となったクライアントシステム同士を次の対戦の組み合わせとして決定する。
【0041】
好ましくは、この通信ゲーム処理方法は、いずれかのクライアントシステムから対戦要求があった場合に、他の任意のクライアントシステムのなかから、いずれか一を選択して対戦させる簡易対戦モード、または、いずれかの対戦グループに属して各対戦グループ内において対戦させる熟達対戦モードのうちいずれかを選択して実行させるステップを備える。
【0042】
さらに好ましくは、グループ情報を参照して対戦グループを各クライアントシステムに閲覧させるための対戦モード一覧表示を各クライアントに提供するステップを備える。
【0043】
これら通信ゲーム処理方法は、記録媒体(CD−ROMやDVD、通信回線など)でコンピュータが実行可能なプログラム形式で提供されるものでもよい。
【0044】
また、本発明の別の態様として、前記複数のクライアントシステムの内、相手が決まったクライアントシステム間で前記ゲームサーバシステムを介してゲームに関するデータをリアルタイムに送受信可能な通信ゲームシステムであって、前記複数のクライアントシステムの各々は、前記クライアントシステム間における前記データの送受信時に、一方のクライアントシステムが前記データの中に無効化すべきデータを含めて送信してきたときに、他方のクライアントシステムはその無効化すべきデータに無効化の処理を行なうようにしたことがある。
【0045】
好適には、前記複数のクライアントシステムの各々は、前記無効化に処すべきデータを含む前記ゲームを前記ゲームサーバシステムに送信する送信手段と、前記ゲームシステムから前記無効化に処すべきデータが送信されたときに当該無効化に処すべきデータを無効化する無効化処理手段とを備える。例えば、前記送信手段は、前記無効化に処すべきデータを、その無効化を表す情報と共に送信する手段である。
【0046】
前記無効化を表す情報は、一例として、前記無効化に処すべきデータが画面上のどの表示位置に対応しているかを表す位置情報である。この無効化を表す情報は、前記無効化を表すフラグ又はダミーデータであってもよい。
【0047】
また、前記無効化に処すべきデータは、一例として、ゲームのキャラクタを選択する画面において遊戯者がカスタマイズされたキャラクタを選択するときの操作に関わるデータである。このとき、前記操作に関わるデータは、例えば、コントローラ又はパッドの操作に関わるデータである。
【0048】
好ましくは、前記複数のクライアントシステムの各々は、ゲームのキャラクタ選択画面として、前記複数のクライアントシステムに予め共通に記憶させている共通キャラクタを選択させるための第1のボタン、及び、所望のクライアントシステムに着脱可能なメモリ装置を介して格納可能なカスタマイズされた非共通キャラクタを選択するモードへの移行させるための第2のボタンを含む画面を提示する手段であり、前記無効化に処すべきデータは、前記第2のボタンを選択したときの操作状態を表すデータである。
【0049】
また好ましくは、前記無効化処理手段は、前記無効化に処すべきデータを読み捨てて非表示状態にする処理である。
【0050】
また、本願発明により、別の態様として提供されるシステムは、前記複数のクライアントシステムの内、対戦相手が決まったクライアントシステム間で前記ゲームサーバシステムを介してゲームに関するデータをリアルタイムに送受信可能な通信ゲームシステムであって、前記複数のクライアントシステムの各々は、前記ゲームを観戦するときに当該観戦状態にある他のクライアントシステムとの間で前記ゲームサーバシステムを介してチャットを実行可能なことを特徴とする。
【0051】
好適には、前記複数のクライアントシステムの各々は、前記ゲームを観戦しているときに前記チャットの内容を遊戯者から受け付けて当該内容に相当する文字情報を前記ゲームサーバシステムに送信する送信手段と、このゲームサーバシステムから前記文字情報が送信されてきたときに当該文字情報をモニタのゲーム画面上に重畳して表示する表示手段とを備える。このとき、表示手段は、例えば、前記モニタの画面上に前記ゲーム画面を背景として設定した半透明ウィンドウ内に前記文字情報を表示する手段である。
【0052】
本願発明により、さらに別の態様として、前記複数のクライアントシステムの内、対戦相手が決まったクライアントシステム間で前記ゲームサーバシステムを介してゲームに関するデータをリアルタイムに送受信可能な通信ゲームシステムであって、前記複数のクライアントシステムの各々は、前記ゲームを観戦するときに前記ゲームが実行されるゲーム空間内の変更可能な仮想視点から当該空間を投影した画像を表示することを特徴とする通信ゲームシステムが提供される。
【発明の効果】
【0053】
本願発明によれば、不特定多数のクライアントシステムの間でグループを結成することを可能にしているので、従来の通信ゲームシステムでは提供されなかった多彩な遊び方を提供することができ、遊技者同士のコミュニケーションを図り、通信ゲームをさらに面白くすることができる。
【0054】
とくに、本願発明の構成により、多数の不特定人が参加している通信ゲーム環境において、趣味の合うものなどネットワーク上の友人とも言える者同士で主として遊びたいという要求を満たすことができる。
【0055】
また本願発明の構成により、多数人が参加する遊技や競技で通常実施されるチーム戦、総当たり戦、トーナメント戦など多彩な対戦の組み合わせで自分の技量を評価可能にするという要求を満たすことができる。
【0056】
さらに本願発明により、遊技者自身が対戦していない場合であっても、他の者が対戦しているときにはそれを観戦して楽しみたいという要求を満たすことができる。例えば、従来の通信ゲームシステムでは提供されなかった観戦者同士のコミュニケーションを積極的に図ることができるので、観戦中であっても、ゲームへの一体感を持つことができ、通信ゲームをさらに面白くすることができる。
【0057】
さらに、本願発明により、対戦ゲームに用いるキャラクタを選択するときに、この選択に係る操作が違和感を与えることが無く且つゲーム前の期待感や高揚感を維持することができる通信ゲームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の通信ゲームシステムのシステム構成図。
【図2】本発明の通信ゲームシステムのハードウェアブロック図。
【図3】本発明の通信ゲームシステムの状態遷移図。
【図4】実施形態1における通信ゲーム処理方法(ノーマル対戦モード)のフローチャート。
【図5】実施形態2における通信ゲーム処理方法(チーム戦対戦モード)のフローチャート。
【図6】実施形態3における通信ゲーム処理方法(総当り戦対戦モード)のフローチャート。
【図7】実施形態4における通信ゲーム処理方法(トーナメント戦対戦モード)のフローチャート。
【図8】本発明におけるクライアントシステムの処理フローチャート。
【図9】イージーロビー作戦ウィンドウ(S01)の表示例。
【図10】エキスパートロビー作戦ウィンドウ(S10)の表示例。
【図11】スタートメニュー(S11)の表示例。
【図12】会議室選択メニュー(S12)の表示例。
【図13】コメント登録(S14)の表示例。
【図14】戦況報告ウィンドウ(S20)の表示例。
【図15】接続者リスト(S21)の表示例。
【図16】ノーマル作戦会議室(S30)の表示例。
【図17】プレイヤーデータウィンドウ(S33)の表示例。
【図18】試合ルール変更ウィンドウ(S32)の表示例。
【図19】チーム戦作戦会議室(S40)の表示例。
【図20】プレイヤーデータウィンドウ(S43)の表示例。
【図21】戦闘スケジュール変更ウィンドウ(S43)の表示例。
【図22】総当たり戦作戦会議室(S50)の表示例。
【図23】参加メンバー登録ウィンドウ(S52)の表示例。
【図24】星取表(S55)の表示例。
【図25】トーナメント戦作戦会議室(S60)の表示例。
【図26】参加メンバー登録ウィンドウ(S62)の表示例。
【図27】実施形態5に係るゲーム機本体の概略構成図。
【図28】データフォーマットの構成を示す模式図。
【図29】図30と共に、キャラクタ選択の概要を示すフローチャート。
【図30】図29と共に、キャラクタ選択の概要を示すフローチャート。
【図31】キャラクタ選択の処理ルーチンの概要を示すフローチャート。
【図32】キャラクタ選択時の初期画面を示す図。
【図33】キャラクタ選択時のカスタムモードでの選択画面を示す図。
【図34】対戦者用のゲーム画面を例示する図。
【図35】観戦者用のゲーム画面を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0059】
次に本発明の好適な実施の形態を、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1は、クライアントシステム間で同一対戦グループを結成し、それに属するクライアントシステムの中から対戦の組み合わせを決定し、勝った方、負けた方、固定した双方またはいずれか一方の固定されたクライアントシステムが継続して他のクライアントシステムと対戦するように構成された通信ゲームシステムに関する。
【0060】
図1に本発明の通信ゲームシステムのシステム図を示す。
【0061】
本通信ゲームシステムは、図1に示すように、複数のクライアントシステム1が回線網4を介して、ゲームサーバシステム2およびWWWサーバシステム3に接続されて構成されている。
【0062】
各クライアントシステム1は、いわゆる通信機能を有するゲーム装置としての構成を備え、ゲーム機本体10、コントロールパッド11およびモニタ12を相互に接続して構成される。
【0063】
コントロールパッド11は、各遊技者の操作に伴って出力される操作信号をゲーム機本体10に供給するようになっている。ゲーム機本体10は、通信可能なコンピュータ装置としての構成(CPU、メモリ、CD−ROMドライブ、モデム、画像生成回路、音声生成回路等)を備えている。当該ゲーム機本体10は、CD−ROMなどの記録媒体からデータを読み取り可能になっており、記録媒体から読み取ったゲームプログラムを実行することで当該通信ゲームシステムのクライアントシステムとして動作するようになっている。ゲーム機本体10は、コントロールパッド11からの操作信号に基づきゲーム処理を進め、通信ゲームが遊技者から指定された場合には、内蔵するモデム経由で、回線網4を介してゲームサーバシステム2に接続するようになっている。記録媒体に記録されるゲームプログラムは、通信ゲーム機能を実行可能なものであれば、そのゲームの内容に制限は無い。ただし、他の遊技者と対戦して勝敗が決定するような対戦型のゲームとしてプログラムされていることが好ましい。またゲーム機本体10は、ゲーム処理に伴う画像信号と音声信号を出力するようになっている。モニタ12は、ゲーム機本体10からの画像信号や音声信号に対応して画像や音声を遊技者に提供するように構成されている。
【0064】
ゲームサーバシステム2は、ゲームサーバ20と記憶領域21とを備える。
【0065】
ゲームサーバ20は、汎用の高性能コンピュータ装置としての構成(CPU、メモリ、HD、通信装置等)を備えている。当該ゲームサーバ20は、本発明のゲーム処理方法に対応したプログラムを実行することにより、通信ゲームシステムを管理するゲームサーバシステムとして動作するようになっている。すなわちゲームネットワーク40のアクセスポイントに接続されたクライアントシステム1を管理するようになっている。記憶領域21は、ゲームサーバ20そのものまたは当該サーバからアクセス可能な領域であって、当該通信ゲームシステムを実行するために必要なデータベースをファイルなどの形式で格納可能な領域になっている。
【0066】
回線網4は、通常の公衆回線または専用線であってゲームネットワーク40やインターネット41などのWANを形成している。
【0067】
ゲームネットワーク40は、当該通信ゲームシステムの実行のために提供されているネットワークである。例えばゲームサーバシステム2が管理する特定のアクセスポイントにクライアントシステム1から接続することによって、ゲームサーバシステム2と各クライアントシステム1とにより構成される専用ネットワークである。ただし、このようなPPP接続ではなく、任意の接続窓口からクライアントシステムがゲームサーバにアクセスするようなインターネット経由の接続構成を備えていてもよい。そのプロトコルなどに限定はないが、クライアントシステム1においてインターネットにおけるWWW機能を利用する場合や汎用性を持たせる点などを考慮してTCP/IPなどの汎用の規格にしてもよい。
【0068】
インターネット41は、不特定多数のコンピュータ装置が接続可能なWANであり、TCP/IPプロトコルで規定される各種コマンドを利用することで、ファイルの閲覧や電子メール、ファイルの転送などを実現することが可能になっている。特に本実施形態では、インターネットのWWW機能を利用する。
【0069】
WWWサーバシステム3は、WWWサーバ30とHTML(ハイパーテキスト形式)記憶領域31とを備える。
【0070】
WWWサーバ30は、汎用の高性能コンピュータ装置としての構成を備え、インターネット41上で一のネットワークアドレスを与えられ、インターネット41に接続しているコンピュータから特定のネットワークアドレスを指定することで、HTML記憶領域31に格納されているHTML形式のファイルなどを閲覧させることが可能に構成されている。HTML記憶領域31は、WWWサーバ30が管理する記憶領域であって、WWWサーバ30によって作成されたりゲームサーバシステム2からファイル転送されたりした通信ゲームの結果表示のためのハイパーテキスト形式のファイルを所定のディレクトリに格納するようになっている。このWWWサーバは、対戦履歴を報知するためのものであるが、インターネットサーバではなく専用のサーバを設け、そこに対戦履歴を記録したファイルをアップロードし、そこにクライアントシステムが接続して閲覧するように構成してもよい。
【0071】
図2に、本通信ゲームシステムの詳しい機能ブロック図を示す。クライアントシステム1(A,B)において、処理装置100と通信装置101とはゲーム機本体10に属する。出力データ生成装置102とコントロールパッド11とは、コントロールパッド11に属する。
【0072】
処理装置100は、CPUを中心としてゲームプログラムを実施するコンピュータ部分である。処理装置100は、操作装置110からの操作信号の認識、振動発生手段111への振動信号の出力、通信装置101の通信制御、出力データ生成装置102の制御などを行う。通信装置101は、例えばモデムやターミナルアダプタであり、ゲームネットワーク40やインターネット41と処理装置100とのデータ送受信を仲介するものである。操作装置110は、操作ボタンや十字キーなどゲームの操作に必要な操作機能を備えている。振動発生手段111は、例えばピエゾ素子など逆圧電効果により、所定周波数の振動信号に対応させてコントロールパッド11を操作する遊技者に振動を認識させることが可能になっている。
【0073】
ゲームサーバシステム2において、処理装置200と通信装置201とはゲームサーバ20に属する。記憶領域21には、ユーザデータベース(以下DBと略する。)210、イージーロビーDB211、エキスパートロビーDB212、ノーマルDB213、チーム戦DB214、総当たり戦DB215およびトーナメント戦DB216などが格納されている。
【0074】
ユーザDB210には、当該通信ゲームシステムを利用することを許可された遊技者の個人情報、例えば、各ゲーム機本体10固有の管理番号や個人の住所、連絡先などの他、個人の対戦履歴、勝率、連勝記録、登録コメント、階級、キャラクタ情報などが格納されている。
【0075】
イージーロビーDB211には、イージーロビー、すなわち簡易対戦モードにおけるインデックス情報が格納されている。例えば、イージーロビーにおける対戦組み合わせとその日時、チャット情報などが記録されている。
【0076】
エキスパートロビーDB212には、エキスパートロビー、すなわち熟達対戦モードにおけるインデックス情報が記録されている。例えば、各対戦グループの名称(作戦名)、参加人数、対戦種別、DB213〜216へのリンク情報、当該ロビーにおけるチャット情報などが記録されている。
【0077】
ノーマルDB213、チーム戦DB214、総当たり戦DB215およびトーナメント戦DB216は、それぞれの対戦種別における対戦グループ情報が記録されている。例えば、対戦グループの名称(作戦名)、参加人数、戦闘回数、各作戦開始時刻と終了時刻、メンバー名(IDなども)、各メンバーの階級、試合ルール、決定された組み合わせ情報、対戦履歴、当該対戦グループにおけるチャット情報などが記録される。
【0078】
これらのデータベースは相互参照可能になっており、キーデータによって総ての情報を読み取ることが可能にリレーションシップが設定されている。
【0079】
処理装置200は、通信ゲームシステムを管理するコンピュータ部分であり、各データベース210〜216を参照し、通信装置201を制御してプログラムで定められるクライアントシステムの対戦管理を実行するものである。特に、本実施形態では、各実施形態共通のデータベース210〜212とノーマルデータベース213とを使用する。通信装置201は、ゲームネットワーク40上のアクセスポイントを管理し、各クライアントシステム1と通信装置200とのデータ送受信を仲介するものである。
(クライアントシステムの動作)
次に本実施形態の動作を説明する。まず個々のクライアントシステム1の基本動作を、図8を参照して説明する。
【0080】
各クライアントシステム1は、プログラムと遊技者による操作信号とに基づいてゲーム処理を進める独立モードと、通信によって提供されたコマンドを中心にゲーム処理を進める通信モードとを使い分けるようになっている。
【0081】
いずれの動作モードでも、ゲーム機本体10は、コントロールパッド11からの操作信号を解釈してゲーム画面におけるキャラクタ(操作可能なセグメントやモデルのこと)を移動させる。ただし、ゲームにおける敵のキャラクタの動きは、独立モードでは、プログラムによって規定されるのに対し、通信モードでは、ゲームネットワーク40経由で対戦相手となったクライアントシステム1から送信されるコマンドによって規定される点で異なっている。また通信モードの場合には、ゲーム機本体10は、操作信号をコマンド化してゲームネットワーク40に送出する。
【0082】
具体的には、図8に示すように、ゲーム機本体10は、操作信号を読取り(S501)、通信開始を示す操作内容であるか否かを検査する(S502)。通信開始でない場合には(S502:NO)、独立モードであり、通常のゲーム装置としての処理を続行する(S503)。
【0083】
一方、通信開始を示している場合には(S502:YES)、ゲーム機本体10は、通信モードであるため接続を確立するための一般的手順を実行する。すなわち、ゲーム機本体10は、予め登録されているサーバを選択し呼び出し、接続後にハンドルネーム、ID、パスワードなどの必要情報を送信する(S504)。接続できない場合には、処理装置は通常のエラー処理としてその旨表示して復帰する。
【0084】
接続確立後、ゲーム機本体10はメインメニューを表示させる(S505)。ゲーム開始が遊技者から指示されたら、ゲーム機本体10は、その後はエスケープ等の特別の操作をしない限り復帰しない永久ループ処理を実行する。つまり操作信号が供給された場合に(S506:YES)、ゲーム機本体10はその操作信号を読み取り(S508)、予め定められたコマンド規約にしたがってコマンド化してゲームネットワーク40に送出する(S509)。またゲームネットワーク40からコマンドが送信された場合には(S510:YES)、ゲーム機本体10はこれを読み取り(S511)、解釈ルーチンに移行する。
【0085】
つまりコマンドがイージーロビー作戦ウィンドウ表示を示している場合には(S512:YES)、ゲーム機本体10は、イージーロビー作戦ウィンドウという基本画面(図9参照)を表示させる(S513)。同様にコマンドがエキスパートロビー作戦ウィンドウ表示を示している場合には(S514:YES)、ゲーム機本体10は、エキスパートロビー作戦ウィンドウという基本画面を表示させる(S513)。ここでいうエキスパートロビー作戦ウィンドウには、基本画面(図10等参照)の他に、各種ウィンドウ表示(図11〜図26)も含まれるものとする。これら基本画面は、クライアントシステムに保存されている画像データに基づいて表示されるものである。ただし、ゲームサーバシステム2においてこれら作戦ウィンドウを表示させるためのハイパーテキスト形式のファイルを格納しておき、適時にこれをクライアントシステムに提供し、ハイパーテキスト閲覧用ブラウザの機能に基づいて表示させるように構成してもよい。
【0086】
またコマンドが対戦モードへの移行を示している場合には(S516:YES)、ゲーム機本体10は、これら画面表示に代えて当該クライアントシステム内の画像データ等を利用して対戦処理を実行する(S518)。
【0087】
クライアントシステム1が戦闘モードに割り付けられている場合には、ゲーム機本体10は、自分のキャラクタを操作信号に基づいて移動させ、ゲームネットワーク40から提供される操作コマンドに基づいて敵のキャラクタの位置や態様を変化させる。操作コマンドの割付は、ゲームごとに任意に定めうる。これらの処理により、遊技者は、あたかも一つのゲーム機に二つのコントロールパッド11を接続して他人と対戦しているかのようにゲーム対戦を実行可能になる。
【0088】
クライアントシステム1が観戦モードに割り付けられている場合には、ゲーム機本体10は、ゲームネットワーク40から提供される操作コマンドに基づいて双方のキャラクタを移動させその表示態様を変化させる。この処理により、遊技者は、あたかもアミューズメントセンターで友人がゲーム対戦をしているのを応援しているかのようなゲーム観戦を実行可能になる。
【0089】
なお、コマンドとしてチャット情報が送られてきている場合には、ゲーム機本体10はそのチャット情報に基づいて文字をモニタ12の画面に表示する(S519)。コマンドとして振動させるコマンドが送られてきている場合には、ゲーム機本体はコントロールパッド11の振動発生手段111を振動させる。
【0090】
ここで、簡易対戦モード(イージーロビー)で、いずれかの遊技者が他の遊技者に対戦を申し込む手順を、図2を参照して説明する。これらの手順は簡易対戦モードであっても後で説明する熟達対戦モード(エキスパートロビー)であってもほぼ同様である。
【0091】
図2に示すように、クライアントシステム1Aと1Bとが共に接続されている状態で、ゲームサーバ20は、その時点で接続されているクライアントシステム1を監視し、それらクライアントシステムのIDと接続者数とをイージーロビーDB211に格納している。ゲームサーバは、簡易対戦モードに入っているクライアントシステムに図9に示すようなイージーロビー作戦ウィンドウを表示させる。このウィンドウにおいて、対戦者リストには、ゲームサーバ20がイージーロビーDB212を検索して送信してきた接続者データに基づき接続者の名称、状態、総接続者数が表示される。
【0092】
操作信号に基づいてカーソルが対戦者リスト上にある場合、クライアントシステム1Aはこのカーソルの選択情報をゲームサーバ20に送信する(1の経路)。ゲームサーバ20は、ユーザDB211からこの者の戦歴を読み出して(5の経路)当該クライアントシステム1Aに返信する(2の経路)。当該クライアントシステム1Aでは、それを対戦者情報として一覧表示する。クライアントシステム1Aの遊技者がコントロールパッド11を操作して対戦申し込みを指定すると(1)、ゲームサーバ20は、当該申込にかかるクライアントシステム1Bにその旨を送信する(3の経路)。当該クライアントシステム1Bの遊技者はこれに対応して対戦を受諾するか否かを返信する(4の経路)。
【0093】
この返信が申し込み拒否を示している場合には、ゲームサーバ20はその旨をクライアントシステム1Aに送信する(1)。クライアントシステム1Aの遊技者は他のクライアントシステムを探して再び対戦申込をすることになる。
【0094】
一方クライアントシステム1Bからの返信が申込の受諾を示している場合には、ゲームサーバ20はその旨をクライアントシステム1Aに送信し(1)、双方のクライアントシステムに対戦モードに移行するためのコマンドを送信する(1、3)。両クライアントシステム1ABは対戦モードに移行し、その後は自己の操作にかかるコマンドを他方に送信するようになる(6の経路)。対戦モードによるコマンドの授受は、ゲームサーバシステム2が仲介することになるが、直接相手のネットワークアドレスを特定してコマンドを送受信するように構成してもよい。このような通信手順は、熟達対戦モード(エキスパートロビー)でも同様である。
(全体の動作)
個々のクライアントシステムとゲームサーバシステムとのシーケンスは以上の通りであるが、本発明では、この個々のシーケンスの上位に位置する全体的な対戦管理に特徴がある。これを図3の状態遷移図を中心として説明する。この図は、ゲームサーバシステム2の管理の下で変動する個々のクライアントシステム1の状態を示している。この図は、後述する実施形態にも共通のものである。
【0095】
本発明では、ゲームサーバシステム2は、いずれかのクライアントシステム1から対戦要求があった場合に、任意のクライアントシステムのなかから、いずれか一を選択して対戦させる簡易対戦モード(イージーロビー)またはいずれかの対戦グループに属して各対戦グループ内において対戦させる熟達対戦モード(エキスパートロビー)のうちいずれかを選択して実行させるようになっている。
【0096】
簡易対戦モードで、上述したように、ゲームサーバ20は、通信が確立したクライアントシステム1にメインメニューを表示させ(S00)、イージーロビーが選択されると、簡易対戦用基本画面であるイージーロビー作戦メニューを表示させる(S01:図9)。そして対戦が受諾されると、ゲームサーバ20は、対戦にかかるクライアントシステム1を対戦モードに移行させる(S02)。
【0097】
クライアントシステム1は、コントロールパッド11においてスタートボタンが押されるとスタートメニューを表示させるようになっている(S03)。このスタートメニューまたはメインメニューからエキスパートロビーが選択されると、ゲームサーバ20は熟達対戦用基本画面であるエキスパートロビー作戦ウィンドウを表示させる(S10)。
【0098】
なお、エキスパートロビーは遊び方に慣れが必要であるため、初めて接続してきたクライアントシステム1にはイージーロビーから実施させるように構成しておくことは好ましい。その後は、遊技者の選択によっていずれの対戦モードも自由に選べるようにする。
【0099】
エキスパーロビー作戦メニューとしては、図10に示すように、タイトルウィンドウW1、チャットウィンドウW2および作戦名リストW3が表示される。タイトルウィンドウW1は、当該対戦モードの表示欄である。チャットウィンドウW2は、当該熟達対戦モードに入っているクライアントシステム1から送信されてきたチャット情報に基づく文字列W21が時系列で表示されている。ゲームサーバ20は、チャット情報が送られ来ると、その送信元の名称とともにチャット情報をエキスパートロビーDB212に格納し、それに基づきチャットウィンドウW2を表示させる。チャットウィンドウW2には、文字入力のための擬似的キーボードW22が表示される。作戦名リストW3は、エキスパートロビーDB212に格納されているグループ情報をゲームサーバ20が参照して表示させる対戦グループ一覧である。この作戦名リストW3は、イージーロビー作戦ウィンドウ(図9)のクライアントシステム単位の接続者リストとは異なり、対戦グループ単位のリストになっている。すなわち作戦名、参加人数、対戦モードからなる一組とした対戦グループが複数表示される。このときランプ表示などにより対戦中であるか対戦をしていない状態であるかを一覧できるようにすることは好ましい。
【0100】
クライアントシステム1において、遊技者がコントロールパッド11のスタートボタンを操作すると、その時のモードに対応したスタートメニューM1が表示されるようになっている(S11:図11)。
【0101】
このスタートメニューM1において「会議室を作る」が選択されると、ゲームサーバ20は、対戦モードの選択するメニューM2を更に表示させる(S12:図12)。このメニューからいずれかの対戦モードを選択すると、それに対応する対戦グループが新規に作成され、その「作戦会議室」が表示されるようになる(S13)。
【0102】
選択された対戦モードで作成される「作戦会議室」に新規登録後に1以上のクライアントシステム1が参加してくることによって(S30、S40、S50、S60)、一つの対戦グループが形成される。メニューM2において、「ノーマル」が選択されると本実施形態の対戦モード、「チーム戦」が選択されると実施形態2、「総当たり」が選択されると実施形態3、「トーナメント」が選択されると実施形態4の各実施形態で説明する作戦会議室、すなわち対戦グループが作成できるようになる。
【0103】
会議室作成処理(S13)では、新規登録を依頼したクライアントシステム1が任意のその試合ルールを定めることができる。この新規登録をしたクライアントシステムのみがこの作戦会議室の試合ルールを変更したり対戦グループの対戦を開始したりすることができる。以下、この新規登録を行い「作戦会議室」を発足させたクライアントシステムを「ホスト」と称する。この対戦モードに関する試合ルールや参加メンバー等の必要情報を記録するためのグループ情報は、ゲームサーバ20によって対応するデータベース212〜216に登録される。新たな参加メンバーが登録しり試合ルールが変更したりする度に、ゲームサーバ20は、そのグループ情報を変更し更新する。
【0104】
スタートメニューM1において「コメント登録」が選択されると、ゲームサーバ20はコメント登録ウィンドウW4を表示させる(S14:図13)。このウィンドウW4には、個人情報が他のクライアントシステム1から参照された場合に表示させたい自己紹介の文書を文字入力するコメント欄W41、対戦モードに入った場合に当該対戦を観戦している同一対戦グループの他のクライアントシステムに提供したい文字を、コントロールパッド11の操作ボタンに対応させて登録するためのクイックメッセージ欄W42、および文字入力のためのソフトウェアキーボードW43が表示される。遊技者がこれらの欄に任意の文字を入力すると、ゲームサーバ20はこれをユーザDB210に操作ボタンとの対応を取って格納する。これらコメントを表示させる文字情報は、予めゲームサーバ20が各クライアントシステム1に転送しておく。データベースには、各コメントと操作コマンドとの対応を示す対応情報が格納されている。ゲームサーバ20は、ゲームネットワーク40上の操作コマンドの有無を監視し、操作コマンドが送信されてきた場合には、データベースから対応情報を読み出して各クライアントシステム1に送信する。各クライアントシステム1では、この対応情報に対応している文字情報を画面表示する。
【0105】
スタートメニューM1において「チャットチャンネルを変更する」が選択されると、ゲームサーバ20は、当該熟達対戦モードの共通のチャットチャンネルから各対戦グループ独自のチャットチャンネルにチャットチャンネルを変更する。具体的には、サーバ20はチャット情報を読み出すデータベースをチャットDB211とその他のデータベース213〜216との間で相互に切り替える。
【0106】
スタートメニューM1において「メッセージの送信」が選択されると、ゲームサーバ20は、選択されているチャットチャンネルにおいて当該クライアントシステムから供給されたチャット情報をデータベースに格納し、他の接続中のクライアントシステム1に提供する。
【0107】
スタートメニューM1において「他のメンバーを探す」が選択されると、ゲームサーバ20は、作戦名リストW3に他の未表示だった対戦グループを表示する。「主使用バーチャロイドの登録変更」が選択されると、ゲームサーバ20は各クライアントシステム1に適応していたキャラクタを変更可能にし、変更された内容でユーザDB210を更新する。「イージーロビーに移動」が選択されると、ゲームサーバ20は当該クライアントシステム1を状態S01に移動させる。「ネットワークを抜ける」が選択されると、ゲームサーバ20は通信モードから独立モードに移行させるコマンドを当該クライアントシステム1に送信し、当該クライアントシステム1がゲームネットワークから外される。
【0108】
さてエキスパートロビー作戦ウィンドウ(S20、図10)において、遊技者がカーソルを作戦名リストW3上に持っていくと、そのカーソルによって選ばれている作戦名情報がコマンドとしてゲームサーバ20に提供される。ゲームサーバ20は、この作戦名情報に基づいてエキスパートロビーDB212を検索し、該当する対戦グループが格納されているデータベース213〜216を特定し、その詳細な情報を読み取ってクライアントシステム1に返送する。これによって戦況状況ウィンドウW5が表示される(S20:図14)。
【0109】
このウィンドウW5では、対戦モードW51、当該対戦グループの参加人数W52、実戦か模擬戦かの種別表示W53、この対戦グループが作成された時刻である作戦開始時刻W54、試合のルールを指定するステータスW55および参加メンバーW56が表示される。
【0110】
各遊技者には、ユーザDB210に格納されている戦闘履歴に応じて階級が決定され登録されている。その階級がメンバーに付される。参加メンバーの表示は階級の上下に合せて順序立てるとよい。出世して階級を上げたいという遊技者の向上心を煽ることができるからである。逆に、この階級が常に対戦に影響すると殺伐とした感覚を受ける遊技者もいる。そのような者のために、対戦グループを新たに設定した者の選択により、階級を適用する「実戦」と階級を考慮しない「模擬戦」とが選択できるようになっている。
【0111】
ゲームサーバ20は、各参加メンバーの接続状態を監視し、各メンバー名の横にその状態を表示させる。例えば対戦中である遊技者には「戦闘中」、観戦している遊技者には「観戦中」、エキスパートロビー作戦ウィンドウを閲覧中の遊技者には「待機中」といった状態を表示する。
【0112】
戦況報告ウィンドウW5の表示中に遊技者によって所定の操作がされると、ゲームサーバ20は、対戦グループとは無関係に現在接続中の総てのクライアントシステム1に関する個人情報をユーザDB210から読み取って接続者リストW6を表示する。総接続者数も併せて表示するようにする(S21:図15)。接続者リストにおいていずれかの接続者がカーソルで選択されている場合には、ゲームサーバ20は当該接続者にかかるクライアントシステム1の個人情報をユーザDBからさらに読み出してプレイヤーデータウィンドウW7に表示する。このウィンドウW7には、接続者の氏名W71、その日の成績W72、階級に対応した階級章表示W73、対戦ゲームで用いるために当該クライアントシステム1で採用されているキャラクタ表示W74、S14で登録されていたコメントW75、そのクライアントシステム1の現状況表示W76がされる。この状態から所定の操作(例えば「L」ボタンや「R」ボタン操作)がされると当該クライアントシステム1の総合成績がユーザDB210に基づいて表示される。また他の操作(例えば「A」ボタン操作)がされると、選択されているクライアントシステム1に対し、メッセージが送信される(S23)。
【0113】
さて、戦況報告ウィンドウW5(S20:図14)において、遊技者により所定の操作(例えば「A」ボタン押下)がされると、当該操作を行ったクライアントシステム1がこの対戦グループに新たに参加したものとして登録される。すなわち、ゲームサーバ20は、当該クライアントシステム1から選択中の対戦グループへの参加要求があったものと判断し、この対戦グループに当該クライアントシステム1を新たな参加者として登録する(S30)。ゲームサーバ20は、当該対戦グループのグループ情報に参加を希望したクライアントシステム1の個人情報を新たに関係付ける。
【0114】
新たに参加する場合に(S30)、対戦グループごとにパスワードを設定し、パスワードを入力しなければ参加できないように認証処理を行ってもよい。すなわち新たな対戦グループに参加依頼があった場合に、この参加を希望するクライアントシステム1にパスワード入力を要求し、このパスワードが正しく入力された場合にのみゲームサーバ20が当該対戦グループへの参加を許可するのである。
(ノーマル作戦会議室)
以下では、特に対戦モードとして「ノーマル」が設定されている対戦グループへの対戦管理を説明する。「ノーマル」対戦モードとは、一つの対戦が終了した場合に、勝った方、負けた方、固定した双方またはいずれか一方の固定されたクライアントシステムが継続して他のクライアントシステムと対戦するような試合ルールによる対戦をいう。
【0115】
図16に、「ノーマル」対戦モードに参加しているクライアントシステム1に提供される画面表示例を示す。このような「作戦会議室」、つまり特定の対戦グループ専用のロビー作戦ウィンドウは、その対戦グループを立ち上げた者(ホスト)かそれに後から参加したもののみに提供される。ゲームサーバ20は、ノーマルDB213から対応するレコードを読み取ることにより各表示を行う。
【0116】
タイトルウィンドウW1には、この対戦モードである「ノーマル」が示される。その下には、対戦中か否かを示す状況表示W11、この対戦グループの名称である作戦名W12、参加人数W13、過去にこの対戦グループで行われた戦闘回数W14、この対戦グループが発足した時間である作戦開始時刻や経過時間である作戦継続時間W15が表示される。チャットウィンドウW2は、チャット情報に基づく文字列W21、ソフトウェアキーボードW22が表示される。このウィンドウでは、この対戦グループに参加しているメンバーのみがチャット情報を読んだり書き込んだりできるようになっている。
【0117】
メンバーリストW8には、階級を伴ったメンバーがリスト表示される。各クライアントシステム1が、対戦中であるか、観戦中であるか、またはロビー参照中であるかの別が色分けなどで示されている。この対戦グループを作成した遊技者の冒頭には、ホストであることを示すアイコンが付される。
【0118】
試合ルールウィンドウW9には、ホストがS13で定めた試合ルールが表示される。「ファーストバトル」には、最初に戦うように予定されている遊技者の名称が表示される。「戦闘形式」には、階級を考慮した実戦モードにするか階級を考慮しない模擬戦モードかが表示される。実戦モードが設定されている場合には、秒数、セット数、ステージが固定値にされ、対戦結果が階級の変更に反映される。「秒数」は、1対戦に対して割り当てられた時間長が表示される。「セット数」は、1対戦のセットマッチ数が表示される。「ステージ」には、対戦に使用するゲームステージが表示される。「終了時変更」には、対戦が終了した場合にどのように次の組み合わせを決定するかのルールが表示される。
【0119】
「終了時変更」の設定内容によって、対戦の順序が大きく変わり、この対戦グループの特色が出せる。ここが「固定」になっていると、最初の組み合わせ通りのクライアントシステム間で対戦が繰り返される。「DNA固定」になっていると、対戦結果に関係なく、RNA側のクライアントシステムが交替していく。「RNA固定」になっていると、対戦結果に関係なく、DNA側のクライアントシステムが交替していく。「勝ちぬけ」になっていると、対戦に勝ったクライアントシステムが他のクライアントシステムと交替していく。「負けぬけ」になっていると、対戦に負けたクライアントシステムが他のクライアントシステムと交替していく。デフォルトではこの「負けぬけ」が設定されるようになっている。
【0120】
状態S30において、遊技者がカーソルをメンバーリストW8に表示されているいずれかのメンバー上に移動させると、ゲームサーバ20はそのメンバーに対応する個人情報をユーザDBから読み取り、プレイヤーデータウィンドウW7に表示させる(S33:図17)。このウィンドウについては図15におけるプレイヤーデータウィンドウと同じである。
【0121】
状態S30において、ホストであるクライアントシステム1の遊技者がコントロールパッド11のスタートボタンを押下した場合に限り、図11に示したものと同様のスタートメニューが表示される。ただし、スタートメニューM1に「試合のスタート」、「試合ルールの変更」という項目が追加されている点で異なる。
【0122】
ホストであるクライアントシステム1にのみ試合ルールを変更する権限が与えられている。ホストの遊技者が「試合ルールの変更」を選択すると、ゲームサーバ20は、試合ルール変更状態(S32)に移り当該ホストのクライアントシステム1に図17に示すような試合ルール変更ウィンドウW10を表示させる。ここでは「ファーストバトルのDNA」の変更用ウィンドウが例示されている。遊技者がコントロールパッド11からメッセージにしたがって操作すると、ゲームサーバ20はその操作に対応させて「ファーストバトル」の組み合わせを変更し、ノーマルDB213を更新する。対戦メンバーは遊技者がカーソルでメンバーリストW8から選んだ者に変更される。戦闘形式や秒数、セット数、ステージ、終了時変更の各数値やルールについても選択により決定される。
【0123】
スタートメニューにおいてホストのクライアントシステム1の遊技者が「試合のスタート」を選択すると、ゲームサーバ20は、各クライアントシステム1を対戦モードに移す(S34)。
【0124】
ノーマル対戦モードにおける詳細な動作を図4に基づいて説明する。
【0125】
ゲームサーバ20は、「ファーストバトル」の組み合わせに設定されているクライアントシステム1には戦闘モードに移行させるコマンドを、それ以外のクライアンシステム1には観戦モードに移行させるコマンドを送信する(S100)。
【0126】
次いで戦闘モードに入るクライアントシステム1に対してゲームサーバ20は戦闘で表示させるキャラクタを指定させる(S101)。キャラクタは例えば複数の候補の中から選択させる。通信キャラクタの設定時にエスケープキーなど特定のキー操作を遊技者が指定すると(S102:YES)、永久ループから脱してエキスパートロビーに戻ることが可能である。
【0127】
通信キャラクタの設定が終了すると(S103:YES)、ゲームサーバは最初の組み合わせに設定されているクライアントシステム1に対戦を開始させるコマンドを送信する(S104)。
【0128】
このコマンドにより戦闘モードに入るクライアントシステム1では、ゲーム機本体10がゲーム対戦画像を表示させ、コントロールパッド11からの操作信号に対応させて自分のキャラクタを移動させ、その対戦用のデータ(操作コマンド)をゲームネットワーク40に送信する。ゲームネットワーク40から敵キャラクタの操作コマンドが送信されたきた場合には、その操作コマンドに対応させて敵キャラクタを移動させるように処理する。ゲームサーバ20はこの操作コマンドの送受信を仲介する。
【0129】
観戦モードに入るクライアントシステム1では、戦闘モードに入っているクライアントシステム1から送信されてくる操作コマンドに基づいて戦闘モードに入っているクライアントシステム1と同様のゲーム画面が表示される。ただし観戦モードのクライアントシステム1ではゲーム画面中に戦っているキャラクタは表示されはするものの、遊技者がコントロールパッド11を操作してもキャラクタの動きに反映されることはない。その組み合わせにおける戦闘が終了するまで(S105:NO)、対戦処理が続行される。
【0130】
対戦中、ゲームサーバ20は、ユーザDB210を参照し、状態S14において登録された操作コマンドの示す操作に割り当てられているメッセージ情報を読み出し、各クライアントシステム1に送信する。また対戦中、観戦モードにいるいずれかのクライアントシステム1からソフトウェアキーボードを操作して入力されたチャット情報が送信されてきた場合には、ゲームサーバ20は、このチャット情報を各クライアントシステム1に送信する。各クライアントシステム1は、各クライアントシステムにおいて表示される対戦ゲーム画面の所定の位置に登録したクイックメッセージやチャットの文字列を表示する(図8:S519)。
【0131】
またいずれかのクライアントシステム1から送信されてきた操作コマンドが敵キャラクタを打ちのめすような特定のコマンドである場合、ゲームサーバ20は、振動を発生させるコマンドを各クライアントシステム1に送信する。各クライアントシステム1では、この振動を発生するコマンドを受信すると、振動発生手段111に振動を発生させる(図8:S520)。これにより操作をしている遊技者や観戦をしているメンバーは、現実の戦闘のように臨場感を得ることができる。
【0132】
対戦が終了した場合(S105:YES)、総ての対戦が終了していない限り(S106:NO)、ゲームサーバ20は、ノーマルDB213から試合ルールを定めている情報を読み取る(S107)。
【0133】
試合ルール(終了時変更)が「固定」に設定されている場合には(S108:YES)同じメンバーでの対戦が繰り返される。戦闘モードであったクライアントシステム1にゲームサーバ20は「同じ設定で戦うか?」等の問い合わせをする。この問い合わせに対し双方のクライアントシステム1が受諾をした場合に限り(S109:YES)、同じ組み合わせで再度の対戦が繰り返される(S104〜S108)。少なくともいずれか一方が受諾をしなかった場合には(S109:NO)、通信キャラクタの設定(S101)に移行する。ここで特定のキー操作を遊技者がすると、ゲームサーバ20は当該クライアントシステム1を作戦会議室(状態S30)に復帰させる。
【0134】
試合ルールが「固定」以外に設定されている場合には(S107:NO)、試合ルール上残留することになるクライアントシステム1がゲームサーバ20からの試合継続の問い合わせに対し受諾をする限り(S110:YES)、新たな組み合わせによる対戦処理が繰り返される(S104〜S110)。ゲームサーバ20は、試合をはずれることになるクライアントシステム1を観戦モードに移行させ、次のクライアントシステム1を戦闘モードに移行させる(S111)。
【0135】
例えば試合ルールが「DNA固定」になっていると、ゲームサーバ20はRNA側だったクライアントシステムを観戦モードに移行させ、観戦モードだったいずれかのクライアントシステムを対戦モードに移行させる。試合ルールが「RNA固定」になっていると、ゲームサーバ20は、DNA側だったクライアントシステムを観戦モードに移行させ、観戦モードだったいずれかのクライアントシステムを対戦モードに移行させる。試合ルールが「勝ちぬけ」になっていると、ゲームサーバ20は、勝った方のクライアントシステムを観戦モードに移行させ、観戦モードだったいずれかのクライアントシステムを対戦モードに移行させる。試合ルールが「負けぬけ」になっていると、ゲームサーバ20は、負けた方のクライアントシステムを観戦モードに移行させ、観戦モードだったいずれかのクライアントシステムを対戦モードに移行させる。デフォルトではこの「負けぬけ」が設定されるようになっている。
【0136】
なお、残留することになっているクライアントシステム1が対戦継続を拒否すると(S110:NO)、ゲームサーバ20は各クライアントシステム1を作戦会議室(S30)に移行させる。また次の対戦相手となるクライアントシステム1が通信キャラクタの設定で作戦会議室に戻ると、ゲームサーバ20は、さらに次のクライアントシステム1を戦闘モードに移行させる。
【0137】
最後の組み合わせによる対戦が終了したら(S105:YES)総ての対戦が終了しているので(S106:YES)、ゲームサーバ20は総てのクライアントシステム1を作戦会議室(状態S30)に戻す。
【0138】
その時、ゲームサーバ20は、階級判定を行う。すなわち、試合の戦闘形式が「実戦」に設定されている場合に、ゲームサーバ20は、対戦結果に基づいて当該対戦グループのメンバーの階級判定を行う。例えば所定の勝ち数に達したクライアントシステム1の階級を一つあげ、所定の負け数に達したクライアントシステム1の階級を一つ下げるなどのように判定する。また一定期間ゲームネットワークに接続しなかったクライアントシステムがある場合には、その階級を一つ下げる。階級に変更があったクライアントシステム1の個人情報中の対戦履歴情報をゲームサーバ20は更新する。
【0139】
階級に変更があった場合には、ゲームサーバ20は、作戦会議室に「辞令」のよな表示形式で階級変更があった旨を告知するウィンドウを表示させる。またゲームサーバ20は、階級変更があった場合に、ユーザDB210の対戦履歴情報に基づいてこの対戦履歴を表示するためのファイルを作成し、WWWサーバシステムの記憶領域に転送する。すなわちゲームサーバ20は、対戦履歴を表示するためのハイパーテキスト形式のファイルを作成し、インターネットに接続してWWWサーバ30のHTML記憶領域31にftpコマンドなどを利用して当該ファイルを転送する。これにより対戦履歴がコンピュータに閲覧可能な状態で格納されることになる。この対戦履歴を表示させるファイルは、定期的にゲームサーバ20がユーザDB210を検索して、ファイルの作成し転送するように設定しておくことが好ましい。
【0140】
このように実施形態1によれば、以下の利点がある。
【0141】
1)本実施形態によれば、単純なイージーロビーと熟達者向きのエキスパートロビーを任意に選択可能に提供したので、初心者と熟達者それぞれに適当なゲーム環境を提供できる。
【0142】
2)本実施形態によれば、簡易なイージーロビーから開始するように設定したので、知識の無い者がいきなりエキスパートロビーに入って混乱したり他の者の迷惑になったりすることを防止可能である。
【0143】
3)本実施形態によれば、必要なメニューをスタートメニューで選択するようにしたので、操作が単純で親しみやすくなっている。
【0144】
4)本実施形態によれば、自己紹介のコメントを各遊技者ごとに設定しそれを相手のシステムに表示するようにしたので、他の遊技者がその者の性格などを容易に知ることができる。
【0145】
5)本実施形態によれば、操作時に表示する掛け声などのクイックメッセージを操作ボタンに対応して他のシステムに表示するように構成したので、操作中の遊技者に負担をかけることなく、臨場感豊かな他者とのコミュニケーションを図ることができる。
【0146】
6)本実施形態によれば、会議室という形で対戦グループを任意のルールで設定可能に構成したので、遊技者主体の多彩な遊び方、多数の選択肢を遊技者に提供することが可能である。
【0147】
7)本実施形態によれば、対戦グループの状況を一覧表示するので、他者がその対戦グループの現状を容易に把握することができる。
【0148】
8)本実施形態によれば、各遊技者の対戦履歴を勝ち数や勝率などとともに表示するようにしたので、各メンバーの強さを用意に把握することができる。
【0149】
9)本実施形態によれば、遊技者間でチャットが自由に行えるので、遊技者同士のコミュニケーションを深めることができる。
【0150】
10)本実施形態によれば、複数の階層でチャットチャンネルが設けられているので、一般的なチャットから特定の者の間におけるチャットまで多彩なチャットを楽しむことができる。
【0151】
11)本実施形態によれば、対戦グループ内で対戦するもののほかの者が両者の試合を観戦することが可能になっているので、アミューズメントセンターにおいて友達同士で対戦ゲームをやったり見たりするのと同じく、楽しいゲーム環境を提供できる。
【0152】
12)本実施形態によれば、観戦中の者が対戦している者にチャットを送ることができるので、アミューズメントセンターにおいて友達同士で対戦ゲームを観戦しているかのような楽しいゲーム環境を提供できる。
【0153】
13)本実施形態によれば、新たな対戦組み合わせを多様な形態で実行できるので、ユーザにあった楽しいゲームの進め方を設定可能である。
【0154】
14)本実施形態によれば、属する対戦グループに制限することなく接続者のいずれにもメッセージを送信可能にしたので、楽しいコミュニケーション環境を提供することできる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2は、対戦グループ内でチーム戦を実施するための通信ゲームシステムに関する。
【0155】
本実施形態2におけるシステム構成、ハードウェア構成、全体的な処理手順および各クライアントシステムにおける動作は、実施形態1の図1乃至図3、図8およびそれに対応する説明と同様なので、その説明を省略する。
【0156】
本実施形態の「チーム戦」とは、同一グループ内を二つのサブグループに分けて勝敗を競う対戦モードを言う。サブグループの双方から選択されたクライアントシステム同士が対戦し、対戦の結果、負けた方のクライアントシステムが同一サブグループの他のクライアントシステムと交替し、勝った方のクライアントシステムと戦うようになる。
【0157】
「チーム戦作戦会議室」(チーム戦対戦グループ)は、図3の状態S12(図12)のメニューM2において、ホストとなるクライアントシステム1が「チーム戦」を選択することにより作成される。「チーム戦作戦会議室」を作成するクライアントシステム1は、状態S13の会議室作成において、戦闘形式、秒数、セット数、ステージ数を実施形態1と同様に定める。特にこの会議室を作成するクライアントシステム1は、図19に示すように当該対戦グループをDNA側とRNA側の二つのサブグループに分け、それぞれの中で戦闘の順番を定めた戦闘スケジュールを作成する必要がある。
【0158】
さて「チーム戦」に参加したいクライアントシステム1の遊技者は、エキスパートロビー作戦メニュー(図10)において、対戦モードが「チーム戦」になっている作戦名リストW3の作戦会議室アイコン上にカーソルを持っていく。ゲームサーバ20は、この作戦名情報に基づいてエキスパートロビーDB212を検索し、該当する「チーム戦」の対戦グループが格納されているチーム戦DB214を特定し、その詳細な情報を読み取ってクライアントシステム1に返送する。
【0159】
戦況報告ウィンドウW5(状態S20)において、遊技者により所定の操作(例えば「A」ボタン押下)がされると、ゲームサーバ20は、当該クライアントシステム1から選択中の対戦グループへの参加要求があったものと判断し、この対戦グループに当該クライアントシステム1を新たな参加者として登録する(S40)。すなわち当該対戦グループのグループ情報に参加を希望したクライアントシステム1の個人情報を新たに関係付けてチーム戦DB214を更新する。
【0160】
図19に、「チーム戦」対戦モードに参加しているクライアントシステム1に提供される画面表示例を示す。この「作戦会議室」は、その対戦グループを立ち上げた者(ホスト)かそれに参加したもののみに提供される。ゲームサーバ20は、チーム戦DB214から対応するレコードを読み取ることにより各表示を行う。
【0161】
タイトルウィンドウW1には、この対戦モードである「チーム戦」が示される。その下には、対戦中か否かを示す状況表示、この対戦グループの名称である作戦名、参加人数が表示される。チャットウィンドウW2やメンバーリストW8、試合ルールウィンドウW9については図16と同様である。ただし試合ルールウィンドウW9において、負けた方のクライアントシステム1の属するサブグループのメンバーが交替していくという試合ルールになっているので、「終了時変更」についての設定は存在しない。戦闘スケジュールウィンドウW11には、DNA側とRNA側に分かれて二つのサブグループのメンバーが氏名欄W111に戦闘順に表示されている。勝ち数表示欄W112には、当該チーム戦のメンバーごとの勝ち数がマーカーで示してある。組み合わせ表示W113には、どのような組み合わせで対戦が行われたかの表示がされる。成績表示W114ではサブチームごとの勝ち数、負け数、引き分け数が表示される。
【0162】
状態S40において、遊技者がカーソルをメンバーリストW8に表示されているいずれかのメンバー上に移動させると、ゲームサーバ20はそのメンバーに対応する個人情報をユーザDBから読み取り、プレイヤーデータウィンドウW7に表示させる(S43:図20)。このウィンドウについては図15におけるプレイヤーデータウィンドウと同じである。状態S40において、ホストであるクライアントシステム1の遊技者がコントロールパッド11のスタートボタンを押下した場合に限り、図11に示したものと同様のスタートメニューが表示される(S41)。ただし、スタートメニューM1に「試合のスタート」、「チーム戦戦闘スケジュールの変更」という項目が追加されている点で異なる。
【0163】
ホストであるクライアントシステム1にのみ試合ルールを変更する権限が与えられている。ホストの遊技者が「チーム戦戦闘スケジュールの変更」を選択すると、ゲームサーバ20は、スケジュール変更状態(S42)に移り当該ホストのクライアントシステム1に図21に示すようなチーム戦戦闘スケジュール変更ウィンドウW12を表示させる。このウィンドウでは、ホストのクライアントシステム1がメンバーリストW8から選択したメンバーをいずれかのサブグループ中で任意の順番に登録変更することが可能である。戦闘形式や秒数、セット数、ステージの各数値やルールについても選択により決定される。
【0164】
スタートメニューにおいてホストのクライアントシステム1の遊技者が「試合のスタート」を選択すると、ゲームサーバ20は、各クライアントシステム1を対戦モードに移す(S44)。
【0165】
チーム戦対戦モードにおける詳細な動作を図5に基づいて説明する。
【0166】
ゲームサーバ20は、戦闘スケジュールで最初の組み合わせに設定されているクライアントシステム1には戦闘モードに移行させるコマンドを、それ以外のクライアンシステム1には観戦モードに移行させるコマンドを送信する(S200)。後から当該会議室に参加してきたクライアントシステム1が存在する場合には、ゲームサーバ20は、当該システムを観戦モードで当該チーム戦に参加させる。
【0167】
戦闘モードに入るクライアントシステム1に対してゲームサーバ20は戦闘で表示させるキャラクタを指定させる(S201)。キャラクタは例えば複数の候補の中から選択させる。通信キャラクタの設定時にエスケープキーなど特定のキー操作を遊技者が指定すると(S202:YES)、永久ループから脱してエキスパートロビーに戻ることが可能である。
【0168】
通信キャラクタの設定が終了すると(S203:YES)、ゲームサーバは最初の組み合わせに設定されているクライアントシステム1に対戦を開始させるコマンドを送信する(S204)。戦闘モードおよび観戦モードにいる各クライアントシステム1とゲームサーバ20の動作は上記実施形態1と同様である。
【0169】
最初の組み合わせにおける戦闘が終了するまで(S205:NO)、対戦処理が続行される。対戦が終了した場合(S205:YES)、いずれかのサブグループにおいても階級が「大将」に設定されている者が負けていない限り(S206:NO)、チーム戦が続行される。すなわち、ゲームサーバ20は、負けた方のクライアントシステムを観戦モードに移行させ、その代わりにこのクライアントシステムの属するサブグループで次の順番に設定されているクライアントシステムを対戦モードに移行させ(S207)、新たなクライアントシステムの氏名と勝ち残ったクライアントシステムの氏名との間に組み合わせ表示W113の線を描画させる。また勝ち残ったクライアントシステムの勝ち数表示W112においてマーカーの数を増加させる。そして引き続き通信キャラクタの設定以降の処理(S201〜S207)を繰り返す。
【0170】
いずれかのサブグループの「大将」が負けた場合(S206:YES)、ゲームサーバ20は、当該チーム戦の結果を各クライアントシステム1に報知する(S208)。ゲームサーバ20は、サブグループにおける成績表示W114を対戦結果に応じて更新させる。
【0171】
なお、階級判定については実施形態1と同様に、対戦結果表示に前後してゲームサーバ20が実行する。対戦履歴のWWWサーバへのアップロードも実施形態1と同様にして行う。
【0172】
このように実施形態2によれば、実施形態1と同様の効果を奏するほか、チーム戦を実行可能に構成してあるので、遠隔地の遊技者同士がチームで戦うといったユニークな遊び方を提供可能である。
(実施形態3)
本発明の実施形態3は、対戦グループ内で総当り戦を実施するための通信ゲームシステムに関する。 本実施形態3におけるシステム構成、ハードウェア構成、全体的な処理手順および各クライアントシステムにおける動作は、実施形態1の図1乃至図3、図8およびそれに対応する説明と同様なので、その説明を省略する。
【0173】
本実施形態の「総当り戦」とは、同一グループ内で一のクライアントシステムが他の総てのクライアントシステムと対戦するように順序だてた対戦モードをいう。一の組み合わせによる対戦が終了した場合に、各クライアントシステムが未だ対戦していないクライアントシステムであって対戦中でない他のクライアントシステムを、各クライアントシステムに対する次の対戦の組み合わせとして決定するものである。
【0174】
「総当り戦作戦会議室」(総当たり戦対戦グループ)は、図3の状態S12(図12)のメニューM2において、ホストとなるクライアントシステム1が「総当り戦」を選択することにより作成される。「総当たり戦作戦会議室」を作成するクライアントシステム1は、状態S13の会議室作成において、戦闘形式、秒数、セット数、ステージ数を実施形態1と同様に定める。特にこの会議室では、ゲームサーバ20が同時に複数の組み合わせのクライアントシステム1に対し対戦を実施させるので、ホストのクライアントシステム1は、当該総当たり戦に参加するメンバーを当該対戦グループ中から参加メンバーリストに登録しておく。
【0175】
「総当り戦」に参加したいクライアントシステム1の遊技者は、エキスパートロビー作戦メニュー(図10)において、対戦モードが「総当り戦」になっている作戦名リストW3の作戦会議室アイコン上にカーソルを持っていく。ゲームサーバ20は、この作戦名情報に基づいてエキスパートロビーDB212を検索し、該当する「総当り戦」の対戦グループが格納されている総当たり戦DB215を特定し、その詳細な情報を読み取ってクライアントシステム1に返送する。戦況報告ウィンドウW5(状態S20)において、遊技者により所定の操作(例えば「A」ボタン押下)がされると、ゲームサーバ20は、当該クライアントシステム1から選択中の対戦グループへの参加要求があったものと判断し、この対戦グループに当該クライアントシステム1を新たな参加者として登録する(S50)。すなわち当該対戦グループのグループ情報に参加を希望したクライアントシステム1の個人情報を新たに関係付けて総当り戦DB215を更新する。
【0176】
図23に、「総当り戦」対戦モードに参加しているクライアントシステム1に提供される画面表示例を示す。この「作戦会議室」は、その対戦グループを立ち上げた者(ホスト)かそれに参加したもののみに提供される。ゲームサーバ20は、総当り戦DB215から対応するレコードを読み取ることにより各表示を行う。
【0177】
タイトルウィンドウW1には、この対戦モードである「総当り戦」が示される。その下には、対戦中か否かを示す状況表示、この対戦グループの名称である作戦名、参加人数が表示される。チャットウィンドウW2やメンバーリストW8、試合ルールウィンドウW9については図16と同様である。ただし試合ルールウィンドウW9において、総当りが試合ルールになっているので、「終了時変更」についての設定は存在しない。参加メンバーウィンドウW12には、ホストのクライアントシステム1によって割り当てられた戦闘参加メンバーのリストが表示される。参加メンバーウィンドウW13の冒頭部W131には、当該総当たり戦の戦闘参加人数、戦闘開始時刻、戦闘終了時刻などが表示される。氏名欄W132には、戦闘参加メンバーの氏名が表示される。勝ち数欄W133には、現在までの各メンバーの勝ち数が表示される。成績欄W134には、成績が優秀な参加メンバーについて上位から一定の順位まで星印が付される。
【0178】
プレイヤーデータウィンドウについては、実施形態1や2と同様に表示可能である。
【0179】
状態S50において、ホストであるクライアントシステム1の遊技者がコントロールパッド11のスタートボタンを押下した場合に限り、図11に示したものと同様なスタートメニューが表示される(S51)。ただし、スタートメニューM1に「試合のスタート」、「総当たり戦参加メンバーの登録」という項目が追加されている点で異なる。
【0180】
ホストであるクライアントシステム1にのみ試合ルールを変更する権限が与えられている。ホストの遊技者が「総当たり戦参加メンバーの登録」を選択すると、ゲームサーバ20は、参加メンバー登録状態(S52)に移り当該ホストのクライアントシステム1に図23に示すような総当たり戦参加メンバー登録ウィンドウW13を表示させる。このウィンドウでは、ホストのクライアントシステム1がメンバーリストW8から選択したメンバーを総当たり戦戦闘参加メンバーリストのいずれかの欄に登録変更することが可能である。戦闘形式や秒数、セット数、ステージの各数値やルールについても選択により決定される。
【0181】
スタートメニューにおいてホストのクライアントシステム1の遊技者が「試合のスタート」を選択すると、ゲームサーバ20は、各クライアントシステム1を対戦モードに移す(S54)。
【0182】
総当たり戦対戦モードにおける詳細な動作を図6に基づいて説明する。
【0183】
ゲームサーバ20は、戦闘参加メンバーとして登録されているメンバーを複数の組に適当に分けてそのクライアントシステム1に戦闘モードに移行させるコマンドを送信する(S300)。参加メンバー数が奇数であり、最初の対戦から漏れたクライアントシステム1およびそれ以外のクライアンシステム1に対し、ゲームサーバ20は、観戦モードに移行させるコマンドを送信する。後から当該会議室に参加してきたクライアントシステム1が存在する場合には、ゲームサーバ20は、当該システムを観戦モードで当該総当り戦に参加させる。
【0184】
戦闘モードに入るクライアントシステム1に対してゲームサーバ20は戦闘で表示させるキャラクタを指定させる(S301)。キャラクタは例えば複数の候補の中から選択させる。通信キャラクタの設定時にエスケープキーなど特定のキー操作を遊技者が指定すると(S302:YES)、永久ループから脱してエキスパートロビーに戻ることが可能である。
【0185】
通信キャラクタの設定が終了すると(S303:YES)、ゲームサーバは最初の対戦の組み合わせに割り振られたクライアントシステム1に対戦を開始させるコマンドを送信する(S304)。戦闘モードおよび観戦モードにいる各クライアントシステム1とゲームサーバ20の動作は上記実施形態1と同様である。
【0186】
最初の組み合わせにおける戦闘が終了するまで(S305:NO)、対戦処理が続行される。対戦が終了した場合(S305:YES)、総ての対戦が終了していない限り(S306:NO)、総当たり戦が続行される。すなわち、ゲームサーバ20は、最初の対戦の成績を勝ち数欄W133と成績欄W134に記録してから、最初の対戦の勝敗を考慮することなく各クライアントシステム1と未対戦の参加メンバーとを対戦させる。その組み合わせの決め方には限定がない。参加リスト順に分けて良いが、先に対戦が終了した者の方から組み合わせを決め、他の組の対戦終了を待たずに次の戦闘を開始させた方が、時間のロスが少ないので好ましい。既に他の総ての参加メンバーと対戦したクライアントシステム1が出たら、ゲームサーバ20は、これに観戦モードに移行させるコマンドを送信する(S307)。勝ち数と成績は対戦が終了するたびに更新されていく。
【0187】
総ての戦闘参加メンバーについて総当りが終了した場合(S306:YES)、ゲームサーバ20は、当該総当り戦の結果を各クライアントシステム1に報知する(S308)。ゲームサーバ20は、戦闘参加メンバーの勝敗を、図24に示すような勝ち星表W15の形式で表示する。
【0188】
なお、階級判定については実施形態1と同様に、対戦結果表示に前後してゲームサーバ20が実行する。対戦履歴のWWWサーバへのアップロードも実施形態1と同様にして行う。
【0189】
このように実施形態3によれば、実施形態1と同様の効果を奏するほか、総当り戦を実行可能に構成してあるので、遠隔地の遊技者同士が総て戦った上でゲーム操作の優劣を競いあうといったユニークな遊び方を提供可能である。
(実施形態4)
本発明の実施形態4は、対戦グループ内でトーナメント戦を実施するための通信ゲームシステムに関する。本実施形態4におけるシステム構成、ハードウェア構成、全体的な処理手順および各クライアントシステムにおける動作は、実施形態1の図1乃至図3、図8およびそれに対応する説明と同様なので、その説明を省略する。
【0190】
本実施形態の「トーナメント戦」とは、同一グループ内においていわゆる勝ち抜き戦形式で対戦する対戦モードである。ゲームサーバ20が予めトーナメント用のグループ情報を参照して対戦する組み合わせを設定しておき、この組み合わせによる対戦を下層から始めその対戦の勝者となったクライアントシステム同士を次の対戦の組み合わせとして決定し、最終的に一の勝者を決定するものである。
【0191】
「トーナメント戦戦闘会議室」(トーナメント戦対戦グループ)は、図3の状態S12(図12)のメニューM2において、ホストとなるクライアントシステム1が「トーナメント戦」を選択することにより作成される。「トーナメント作戦会議室」を作成するクライアントシステム1は、状態S13の会議室作成において、戦闘形式、秒数、セット数、ステージ数を実施形態1と同様に定める。特にこの会議室では、ホストのクライアントシステム1は、当該トーナメント戦に参加する戦闘参加メンバーの中でトーナメントの組み合わせを設定していく。
【0192】
「トーナメント戦」に参加したいクライアントシステム1の遊技者は、エキスパートロビー作戦メニュー(図10)において、対戦モードが「トーナメント戦」になっている作戦名リストW3の作戦会議室アイコン上にカーソルを持っていく。ゲームサーバ20は、この作戦名情報に基づいてエキスパートロビーDB212を検索し、該当する「トーナメント戦」の対戦グループが格納されているトーナメント戦DB216を特定し、その詳細な情報を読み取ってクライアントシステム1に返送する。戦況報告ウィンドウW5(状態S20)において、遊技者により所定の操作(例えば「A」ボタン押下)がされると、ゲームサーバ20は、当該クライアントシステム1から選択中の対戦グループへの参加要求があったものと判断し、この対戦グループに当該クライアントシステム1を新たな参加者として登録する(S60)。すなわち当該対戦グループのグループ情報に参加を希望したクライアントシステム1の個人情報を新たに関係付けてトーナメント戦DB216を更新する。
【0193】
図25に、「トーナメント戦」対戦モードに参加しているクライアントシステム1に提供される画面表示例を示す。この「作戦会議室」は、その対戦グループを立ち上げた者(ホスト)かそれに参加したもののみに提供される。ゲームサーバ20は、トーナメント戦DB216から対応するレコードを読み取ることにより各表示を行う。
【0194】
タイトルウィンドウW1には、この対戦モードである「トーナメント戦」が示される。その下には、対戦中か否かを示す状況表示、この対戦グループの名称である作戦名、参加人数が表示される。チャットウィンドウW2やメンバーリストW8、試合ルールウィンドウW9については図16と同様である。ただし試合ルールウィンドウW9において、トーナメントが試合ルールになっているので、「終了時変更」についての設定は存在しない。戦闘スケジュールウィンドウW16には、ホストのクライアントシステム1によって決定された戦闘参加メンバーのトーナメント組み合わせ表が表示される。戦闘スケジュールウィンドウW16の冒頭部W161には、当該トーナメント戦の戦闘参加人数、戦闘開始時刻、戦闘終了時刻などが表示される。氏名欄W163には、戦闘参加メンバーの氏名が表示される。組み合わせ表示欄W162には、戦闘参加メンバーの組み合わせが線図形式で表示される。勝ち残っている参加メンバーの経路が切れ目のない太線または色分けで表示されるようになっている。
【0195】
プレイヤーデータウィンドウについては、実施形態1や2と同様に表示可能である。 状態S60において、ホストであるクライアントシステム1の遊技者がコントロールパッド11のスタートボタンを押下した場合に限り、図11に示したものと同様なスタートメニューが表示される(S61)。ただし、スタートメニューM1に「試合のスタート」、「トーナメント戦参加メンバーの登録」という項目が追加されている点で異なる。
【0196】
ホストであるクライアントシステム1にのみ試合ルールを変更する権限が与えられている。ホストの遊技者が「トーナメント戦参加メンバーの登録」を選択すると、ゲームサーバ20は、参加メンバー登録状態(S62)に移り当該ホストのクライアントシステム1に図26に示すようなトーナメント戦参加メンバー登録ウィンドウW17を表示させる。このウィンドウでは、ホストのクライアントシステム1がメンバーリストW8から選択したメンバーをトーナメント戦の戦闘スケジュールウィンドウW16のいずれかの名称欄W163に登録変更することが可能である。戦闘形式や秒数、セット数、ステージの各数値やルールについても選択により決定される。
【0197】
スタートメニューにおいてホストのクライアントシステム1の遊技者が「試合のスタート」を選択すると、ゲームサーバ20は、各クライアントシステム1を対戦モードに移す(S64)。
【0198】
トーナメント戦対戦モードにおける詳細な動作を図7に基づいて説明する。
【0199】
ゲームサーバ20は、トーナメント戦の最初の組み合わせで対戦することになっている戦闘参加メンバーのクライアントシステム1に戦闘モードに移行させるコマンドを送信する(S400)。戦闘に参加していない対戦メンバーのクライアンシステム1に対し、ゲームサーバ20は、観戦モードに移行させるコマンドを送信する。後から当該会議室に参加してきたクライアントシステム1が存在する場合には、ゲームサーバ20は、当該システムを観戦モードで当該トーナメント戦に参加させる。
【0200】
戦闘モードに入るクライアントシステム1に対してゲームサーバ20は戦闘で表示させるキャラクタを指定させる(S401)。キャラクタは例えば複数の候補の中から選択させる。通信キャラクタの設定時にエスケープキーなど特定のキー操作を遊技者が指定すると(S402:YES)、永久ループから脱してエキスパートロビーに戻ることが可能である。
【0201】
通信キャラクタの設定が終了すると(S403:YES)、ゲームサーバはトーナメント戦の組み合わせに従って第1回戦の組み合わせのクライアントシステム1同士に対戦を開始させるコマンドを送信する(S404)。戦闘モードおよび観戦モードにいる各クライアントシステム1とゲームサーバ20の動作は上記実施形態1と同様である。
【0202】
第1回戦が終了するまで(S405:NO)、対戦処理が続行される。その回戦が終了した場合(S405:YES)、決勝戦が終了していない限り(S406:NO)、次の勝ち抜き対戦に移行する。すなわち、ゲームサーバ20は、一回戦で勝ち残ったクライアントシステム1の第2回戦の位置まで経路を特定の表示態様で表示する。ゲームサーバ20は、第2回戦において第1回戦で勝ち残った者同士が対戦するように、戦闘モードに移行させるコマンドを送信し、第1回戦で破れたクライアントシステムに観戦モードに移行させるコマンドを送信する(S407)。このような処理(S401〜S407)を決勝戦が終了するまで繰り返す。
【0203】
決勝戦が終了した場合(S406:YES)、ゲームサーバ20は、当該トーナメント戦の結果を各クライアントシステム1に報知する(S408)。すなわち、ゲームサーバ20は優勝者や準優勝者を称えるような表示をトーナメント戦作戦会議室(図25)上で行う。
【0204】
なお、階級判定については実施形態1と同様に、対戦結果表示に前後してゲームサーバ20が実行する。特に優勝者や準優勝者に対しては階級の進級度合いを多くしてもよい。対戦履歴のWWWサーバへのアップロードも実施形態1と同様にして行う。
【0205】
このように実施形態4によれば、実施形態1と同様の効果を奏するほか、トーナメント戦を実行可能に構成してあるので、遠隔地の遊技者同士が新の強者を競い合えるといったユニークな遊び方を提供可能である。
(実施形態1〜4に関わる変形例)
本発明は上記実施形態に拘束されることなく種々に変形して適用することが可能である。例えば、上記実施形態では、ノーマル、チーム戦、総当たり戦、トーナメント戦という典型的なスポーツの対戦形式を適用していたが、他の対戦形式を適用可能に構成してもよい。
【0206】
また、上記実施形態では対戦グループの中から参加メンバーを定めていたが、総ての接続者に対し本発明の対戦モードによる戦いを提供しても良い。ゲームサーバの呼びかけである時期に接続しており参加申し込みをしたクライアントサーバに対し、本発明の対戦環境を提供するのである。特にチーム戦では、特定のカテゴリー同士の対戦、例えば東西対決のようなことが可能である。またトーナメント戦では、全国大会が開催できるので、好ましい。
【0207】
また、上記形態では、対戦グループ内における対戦の組み合わせを決定する場合に階級による判断をしなかったが、各クライアントシステムの対戦履歴情報から判断される強さの程度によって組み合わせの可否を決定するように構成しても良い。すなわち、あまりにも階級が離れすぎている者同士が対戦するのでは勝敗が明らかなので、ゲームサーバが対戦を禁止するということが考えられる。
【0208】
また対戦グループ内における対戦の組み合わせを決定する場合に、各クライアントシステムに対戦履歴情報に基づいてハンディキャップを設定してもよい。このようにすれば、均等な力関係で対戦が可能になるため公平性が保てる。ハンディキャップが設定された組み合わせにおける対戦の場合に、上記模擬対戦のように対戦の結果による階級変更を禁止するように構成しても良い。
【0209】
また振動を発生させる処理は、ゲームサーバからのコマンドに基づいてクライアントシステムが行っていたが、クライアントシステムが所定の操作条件になっていたら独自に振動発生手段を駆動するように構成しても同様の効果が得られる。
【0210】
すなわち、データベースの構成やゲームサーバシステムとクライアントシステムとの役割分担についてはシステムに応じて自由に構成を組み替える設計変更が容易であり、上記実施形態に限定されることはない。
【0211】
(実施形態5)
次いで、本発明に係る実施形態5を図27〜35に基づき説明する。
【0212】
この実施形態に係る通信ゲームシステムは、キャラクタの選択処理に特徴を有し、この選択処理の構成は上述した実施形態1〜4に適用可能なものである。
【0213】
なお、本実施形態5におけるシステム構成及び全体的な処理手順は、大略、前述した各実施形態のものと同等であるので、それらの説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。相違する主な部分は、各クライアントシステムにおけるキャラクタ選択処理である。
【0214】
このキャラクタ選択処理を実行するために、本実施形態に係る各クライアントシステム1は、図27に示すコントロールパッド11を備えている。
【0215】
このコントロールパッド11は、各遊技者が操作する手動操作器としての構成を備えており、操作部として操作ボタン群301、十字キー302、アナログ方向キー303、Rトリガースイッチ304などを備え、コネクタPを備えた接続コード305でゲーム機本体11と接続可能になっている。
【0216】
この内、例えば操作ボタン群301の各ボタンには、例えば前述した実施形態1で説明したクイックメッセージが割り当てられている。このため、遊戯者がゲーム中にこの操作ボタン群301の所望のボタンをワンタッチで操作するだけで、そのボタンに割り当てられているクイックメッセージのデータをゲーム機本体11に送ることができる。クイックメッセージはゲームネットワーク40を介して、対戦相手や観戦者のクライアントシステムに伝送され、それらのモニタ12のゲーム画面に重畳表示される。
【0217】
コントロールパッド11は、上述した各種の操作部(301〜304など)が操作されたとき、図28で示すフォーマットでパッドデータをゲーム機本体10に出力するようになっている。すなわち、全部の16ビットのパッドデータから成り、0〜13ビットがパッドやスティックなどの操作部の操作状態に割り当てられている。14ビットは、使用デバイスがツインスティックかパッドかを表す。最終の15ビットは、後述するキャラクタ選択時のカスタム選択モードの終了を通知するビットに割り当てられている。通常は、15ビット=0であり、カスタム選択モードの終了を通知するときには、15ビット=1に設定される。
【0218】
さらに、コントロールパッド11には外部記録媒体としての携帯型のカードメモリ306を着脱自在に装着可能になっている。カードメモリ306の接続ポートPTは、図27には図示されていないが、1つのコントロールパッド11に2箇所用意されている。また、ゲーム機本体11には、図27に示す如く、コントロールパッド11を接続する4箇所のポートA〜Dが用意されている。このため、ゲーム機本体11に最大4個のコントロールパッド11を接続でき、そのとき最大で8枚のメモリカード306を稼動させることができる。
【0219】
このメモリカード306は、本実施形態では、後述するキャラクタ選択時にカスタマイズされた(カスタムメード)キャラクタのデータを記憶するのに用いられる。カスタマイズされたキャラクタとは、遊戯者が、各クライアントシステム1に予めデフォルトとして用意されているキャラクタを、そのパーツの形状は変えないで、パーツの色や輝度を好みに応じて変更したものである。つまり、各クライアントシステム1に対して最大で8枚のメモリカード、すなわち8個のカスタマイズされたキャラクタデータを持つことができる。
【0220】
このメモリカード306をコントロールパッド11のポートに接続しておくことで、ゲーム機本体10は、メモリカード306からカスタマイズされたキャラクタのデータを読み出し、自己システムのRAMにロードするとともに、ゲームネットワーク40を介して相手のクライアントシステム1に転送することができる。
【0221】
なお、メモリカード306はCD−ROMなどの、そのほかの記録媒体によって、カスタマイズされたキャラクタデータをゲーム機本体10にロードするようにしてもよい。
【0222】
図29〜31は、各クライアントシステム1で実行される処理であり、前述した実施形態1では図8に対応する。
【0223】
具体的には、図29,30に示すように、各クライアントシステム1のゲーム機本体10は、操作信号を読み取り(S599)、通信開始を示す操作内容であるか否かを検査する(S600)。通信開始でない場合には(S600:NO)、独立モードであり、通常のスタンドアローンのゲーム装置としての処理を続行する(S601)。
【0224】
一方、通信開始を示している場合には(S600:YES)、ゲーム機本体10は、同期モードの通信を行うため、接続を確立するための一般的手順を実行する。すなわち、ゲーム機本体10は、予め登録されているサーバを選択し呼び出し、接続後にハンドルネーム、ID、パスワードなどの必要情報を送信する(S602)。接続できない場合には、処理装置は通常のエラー処理としてその旨表示して復帰する。
【0225】
接続確立後、ゲーム機本体10はメインメニューを表示させ(S603)、さらにゲームネットワーク40からの送信コマンドを読み込み、これを所定のコマンド規約に基づき解釈する。(S604,605)。
【0226】
この後、コマンドがイージーロビー(簡易対戦モード)作戦ウィンドウ表示を示している場合には(S606:YES)、ゲーム機本体10は、イージーロビー作戦ウィンドウという基本画面(前述した図9参照)を表示させる(S607)。さらに、ゲーム機本体10は後述する如く、キャラクタ選択を実行する(S608:図31参照)。
【0227】
同様に、コマンドがエキスパートロビー(熟達対戦モード)作戦ウィンドウ表示を示している場合には(S609:YES)、ゲーム機本体10は、エキスパートロビー作戦ウィンドウという基本画面を表示させる(S610)。さらに、ゲーム機本体10は後述する如く、キャラクタ選択を実行する(S611:図31参照)。
【0228】
ここでいうエキスパートロビー作戦ウィンドウには、基本画面(前述した図10等参照)の他に、各種ウィンドウ表示(前述した図11〜図26)も含まれるものとする。これら基本画面は、クライアントシステムに保存されている画像データに基づいて表示されるものである。ただし、ゲームサーバシステム2においてこれら作戦ウィンドウを表示させるためのハイパーテキスト形式のファイルを格納しておき、適時にこれをクライアントシステムに提供し、ハイパーテキスト閲覧用ブラウザの機能に基づいて表示させるように構成してもよい。
【0229】
また、コマンドが対戦モードへの移行を示している場合には(S612:YES)、ゲーム機本体10は、これら画面表示に代えて当該クライアントシステム内の画像データ等に基づき対戦処理を実行する(S613)。
【0230】
続いて、ゲーム機本体10は、コントロールパッド11から操作信号が供給された場合(S614:YES)、その操作信号を読み取り(S615)、予め定められたコマンド規約にしたがってコマンド化してゲームネットワーク40に送出する(S616)。
【0231】
さらに、読み取った操作信号の中にコントロールパッド11の操作ボタンをワンタッチで操作することで出力されるクイックメッセージの情報が含まれている場合、ゲーム機本体10はその情報をコマンド化してゲームネットワーク40を介してゲームサーバシステム2に送出する(S617)。このクイックメッセージは、ゲームサーバシステム2により、対戦者及び観戦者の全てのクライアントシステム1に通知される。
【0232】
さらにまた、その操作信号の中に観戦中のクライアントシステム1に対する視点変更の情報が含まれている場合、ゲーム機本体10はゲーム空間における仮想カメラの視点をその情報に応じて変更し、その位置から投影したゲーム空間の画像化処理を自己システムにおいて指令する(S618)。つまり、カメラ視点の変更は、観戦しているクライアントシステム1のみにおいて、個々に有効に機能する。
【0233】
また、ゲームネットワーク40からコマンドが送信された場合には(S619:YES)、ゲーム機本体10はこれを読み取ってコマンド規約に基づき解釈する(S620)。
【0234】
次いで、ゲーム機本体10は、コマンドとしてチャット情報が送られてきている場合には、そのチャット情報に基づいて文字情報をモニタ12の画面に表示する(S621)。本実施形態では、このチャット情報は、観戦中のクライアントシステム1全てに通信されるようになっているが、特定の観戦中のクライアントシステム1同士でチャット情報を交換し合うように構成してもよい。なお、対戦中のクライアントシステム1は、かかる情報を受け取っても、これを廃棄するようになっており、対戦者の気持ちがチャット情報により散漫にならないようにしている。
【0235】
また、コマンドとして振動させるコマンドが送られてきている場合には、ゲーム機本体はコントロールパッド11の振動発生手段111を振動させる処理を行なう(S622)。
【0236】
ゲーム機本体10は、エスケープ等の特別の操作をしない限り復帰しない永久ループ処理をステップS604〜S622を巡って実行する。
【0237】
次に、図31に基づき、上述したキャラクタの選択ルーチンを説明する。
【0238】
ゲーム機本体10は、遊戯者に自分のキャラクタを選択させるため、通常選択モード(第1の選択モード)に対する通常キャラクタ選択画面GM1を初期画面として表示させる(S701:図32)。この画面表示は、対戦が組まれている双方のクライアントシステム1間で行なわれるため、双方の遊戯者はキャラクタ選択に関して最初は共通の画面GM1を見ることになる。双方の遊戯者がこの画面GM1を見ながら後述する画面上のキャラクタボタンを選択しつつ、所望のキャラクタを指定する。
【0239】
この通常キャラクタ選択画面GM1は、図32に示す如く、その中央部付近から上側に掛けて、通常モード用に予めデフォルトとしてゲーム機本体10又はゲームサーバシステム2に格納されている通常のキャラクタ(以下、通常キャラクタと呼ぶ)を選択するためのボタンB1〜B11と、ランダムモード用にキャラクタを選択するボタン:「ランダム」B12と、カスタムモード用にキャラクを選択するための2つのボタン:「カスタム」B13及び「カスタムロード」B14とを有する。なお、この通常キャラクタ選択画面GM1には、自分からのメッセージ及び相手からのメッセージを表示するメッセージウィンドウM1,M2の他、必要なゲーム情報を表示するウィンドウが設定されている。
【0240】
なお、この通常キャラクタ選択画面GM1は、通常キャラクタを選択するために用いることは勿論だが、ランダムモード及びカスタムモードのキャラクタを選択するためのボタン画面も兼ねている。
【0241】
ボタンB1〜B11は、通常モード時に指定されるボタンである。これらのボタンは、予めデフォルトとして設定されている、全クライアントシステム1に共通のキャラクタ選択ボタンであり、いずれかのボタンを後述するようにカーソルで単純に選択することで、そのキャラクタを指定できる。ここでは、11種類のキャラクタ(対戦ゲーム用の機体)から所望のキャラクタを選択できる。
【0242】
また、ボタンB12(「ランダム」)は、ランダムモード時に指定されるボタンである。このボタンB12が指定されると、クライアントシステム1のゲーム機本体10のCPU側で自動的にキャラクタを用意する。
【0243】
さらに、2つのボタンB13及びB14(「カスタム」及び「カスタムロード」)は、カスタムモード時に選択的に指定されるボタンである。未だ、キャラクタデータをロードしていない状態で、これらの何れかのボタンが指定されると、前述したコントロールパッド11に装着されているメモリカード306からカスタマイズされたキャラクタデータがロードされる手順に入る。
【0244】
次いで、ゲーム機本体10は現在、通常キャラクタ選択画面MG1に置かれている1Pカーソル(自分のキャラクタ選択カーソル)及び2Pカーソル(相手のキャラクタ選択カーソル)の位置を算出する(S702)。このカーソル位置は、前述したパットデータとして生成され、ゲームサーバシステム2を介して相手方に送られる。このカーソル位置は、コントロールパッド11を操作することで任意に変更できる。自分の1Pカーソルはそのまま自分の通常キャラクタ選択画面MG1に、例えば緑色のフレームとしてボタンB1〜B14の周りに表示される。対戦相手の2Pカーソルのデータはゲームネットワーク40を介して送られてきて、自分の通常キャラクタ選択画面MG1に、例えば赤色のフレームとしてボタンB1〜B14の周りに表示される。
【0245】
図32に例示した通常キャラクタ選択画面MG1の状態では、ボタンB14の「カスタムロード」に自分の1Pカーソルが置かれ、一方、ボタンB3に相手の2Pカーソルが置かれている。
【0246】
そこで、ゲーム機本体10は、自分の1Pカーソルが示す画面上の位置に基づいて「カスタムロード」又は初めての「カスタム」が指定されているか否かが判断される(S703)。
【0247】
そして、この判断で「カスタムロード」又は初めての「カスタム」が指定されていると分かると、カスタムデータ選択画面GM2を表示させる(S704:図32参照)。このカスタムデータ選択画面GM2は、図33に例示する如く、ゲーム機本体10の4個のポートA〜Dの記号と、各ポートに所属するメモリカード306を模したウィンドウA1,A2,B1,…,D1,D2とを提示している。しかも、実際にメモリカード306が装着されている個所を示すウィンドウは輝度を上げて表示されている(図33では斜線で示す)。いまの場合、図33は、ゲーム機本体10のポートBに接続されているコントロールパッド11のポートB1,B2にメモリカード306がそれぞれ装着されていること示している。
【0248】
そこで、ゲーム機本体10はコントロールパッド11のボタンを介して所望のメモリカード306を指定させる(図31:S705)。つまり、いまの例の場合、ポートB1,B2の何れかのメモリカード306が指定される。この指定がなされると、指定ポートのメモリカード306からキャラクタデータがゲーム機本体10にロードされる(S706)。ステップS704〜S706の処理がカスタムモード処理に相当する。この後、画面は通常キャラクタ選択画面GM1に戻される(S707)。
【0249】
一方、前記ステップS703でNOの判断の場合、ゲーム機本体10は、ボタン選択が、一度「カスタムロード(ボタンB14)」を行った後の「カスタム(ボタンB13)」の状態か否かを判断する(S708)。この場合は、カスタマイズした所望のキャラクタデータが既にゲーム機本体10のRAMにロードされている状態であるから、ステップS704〜S706のカスタムモード処理を省略する。
【0250】
つまり、「カスタムロード(ボタンB14)」及び「カスタム(ボタンB13)」は共にカスタムモードを指定するときに用いるが、「カスタム(ボタンB13)」の方は、カスタマイズされたキャラクタデータが既にロードされているときに、その同一キャラクタに対する再設定を簡単にワンタッチで行わせることができる。ただし、カスタマイズされたキャラクタデータが未だロードされていない新規指定のときには、「カスタムロード(ボタンB14)」及び「カスタム(ボタンB13)」の何れを操作した場合でも、ステップS704〜S707のカスタムモード処理を含む処理が新たに実行される(S703)。
【0251】
次いで、ステップS708でNOの判断の場合、ゲーム機本体10は、選択ボタンがB12の「ランダム」か否かを判断する(S709)。これにより「ランダム」の指定であると判断されると、コンピュータ側が自動的に設定したキャラクタを提示するなどの適宜なランダムモード処理が行われ(S710)、そのキャラクタデータがゲーム機本体10のVRAMにロードされる。
【0252】
一方、ステップS708でNOの判断が出た場合、ゲーム機本体10は選択されているボタンは通常モード用の何れかである。例えば図32の場合、ボタンB1〜B11の何れかである。そこで、ゲーム機本体10は、指定ボタンを判別し、そのボタンに割り当てられている通常キャラクタのデータを自分のVRAMにロードする処理(通常モード処理)を実行する(S711)。
【0253】
以上のようにキャラクタ選択がなされるのと並行して、ゲーム機本体10の通信装置101によってゲームネットワーク40を介してゲームサーバシステム2と同期通信が双方向で定期的に行われている。
【0254】
このため、ステップS702で算出される画面GM1上のカーソル位置情報及び自分のVRAMにロードされたキャラクタデータがゲームネットワーク40を介してゲームサーバシステム2に送信される。このキャラクタデータは相手方のクライアントシステム1に送られて格納され、その後の対戦に伴うゲーム画面の表示に用いられる。反対に、相手方のクライアントシステム1がゲームネットワーク40を介してゲームサーバシステム2の制御の元に送ってきたキャラクタデータ及び情報も、随時、定期的に自分のゲーム機本体10の通信装置101によって受信され、ゲーム機本体10にダウンロードされる。
【0255】
そこでゲーム機本体10は、この受信情報の中に含まれる通常キャラクタ選択画面MG1上のカーソル位置に基づき、現在、相手方のクライアントシステムはカスタムモード用のキャラクタデータ(カスタムデータ)又はランダムモード用のキャラクタデータ(ランダムデータ)を選択している最中か否かを判断する(S721)。この判断がNOのときは、続いてカスタムデータ又はランダムデータを選択開始したか否かを、同じくカーソル位置情報に基づき判断する(S722)。この判断もNOとなるときは、通常モードの指定であることが分かるので、ゲーム機本体10は通常モードの画面表示処理を指令する(S723)。
【0256】
この通常モードの画面表示処理の場合、相手方が選択しているキャラクタは通常キャラクタであるから、そのカーソル位置に応じたボタンに2Pカーソルの位置を合わせる処理を指令する。
【0257】
これに対し、ステップS722でYESとなるときは、いま相手方でカスタムデータ又はランダムデータの選択が開始されたことを示す。すなわち、ボタン「ランダム」、「カスタムロード」、又は「カスタム」が指定されたその時である。このため、ゲーム機本体10は、この後に受信されるカーソル位置(パットデータ)の読み捨て処理を指令する(S724)。すなわち、パットデータは読み込むけれども、表示処理には付さずに、そのまま破棄する処理(すなわち無効化処理)を指令する。
【0258】
次いで、ゲーム機本体10は、破棄したパットデータの代わりに、破棄処理開始直前まで使っていたカーソル位置(パットデータ)に置き換えるカスタムモードの表示画面処理を指令する(S725)。したがって、カーソル位置の破棄が続いている間、つまり、相手方のランダムモード又はカスタムモードに対する選択処理が続いている間は、後述するステップS726の判断による助力も得て、通常キャラクタ選択画面MG1上に表示される相手方の2Pカーソルの位置は変わらない。
【0259】
さらに、ゲーム機本体10はカスタムデータ又はランダムデータの選択が終了したか否かを、前述したパットデータの15ビットの2値状態から判断する(S726)。この判断がNOのときは、かかる選択が続いているとしてパッドデータの読み捨て処理及びカスタムモードの表示画面処理が継続される(S724,S725)。
【0260】
しかし、ステップS726でYESの判断が下るときは、カスタムデータ又はランダムデータの選択が終了したので、通常モードの画面表示処理に戻す(S727)。
【0261】
本実施形態のキャラクタ選択は以上のように行われるため、通常モードのときは勿論のこと、カスタムモード及びランダムモードのときのキャラクタデータをも自然な画面状態で且つゲーム性を確保した状態でロードすることができる。
【0262】
すなわち、対戦する一方の遊戯者がそれらのモードを画面上で指定した場合、受信したカーソル位置、すなわちパットデータの読み捨て(無効化)によって、もう一方の遊戯者の画面上では相手のキャラクタ選択を示す2Pカーソルが「カスタムロード」、「カスタム」、又は「ランダム」のボタンに固定されたままとなり、かかるモードのキャラクタ選択が終わるまで移動しない。これにより、上述したもう一方の遊戯者は相手方がカスタムモード又はランダムモードでキャラクタ選択をしてくることは認識できる。このとき、カーソルが画面内容と合わない不自然な動きをすることが無く、違和感も生じない。一方で、手の内が分かっている遊戯者同士の場合、相手カーソルの不自然な動きから相手の選択キャラクタを予想できることもあるが、相手カーソルはこれらのモードのときは動かないので、かえって、ゲームへの期待感が高められる。
【0263】
このように、キャラクタ選択といった特定の処理だけ送受信データのフォーマットを変えるといった必要もなく、相手方で表示させたくないデータは相手方で受信後に読み捨てるといった簡単な無効化処理により、リアルタイムな同期通信に対する送受信処理の一貫性を維持できる。
【0264】
このようにキャラクタ選択を介してえられるゲーム画面の一例を図34及び35に模式的に示す。これらのゲーム画面は、エキスパートロビー作戦ウィンドウを通して集まった例えば、12人の遊戯者の内、ゲーム態様に応じて対戦の決まった2人の対戦者及び残りの10人の観戦者(待機者)が見る画面である。
【0265】
図34は、対戦している2人の遊戯者の内の一方がそのモニタ12から見るゲーム画面の例である。このゲーム画面は一方のキャラクタの頭上にカメラ視点を置いたゲーム空間を示し、上述のキャラクタ選択処理を通して選択された互いのキャラクタC1,C2が対峙している。この画面の左右両端の下寄りの位置には、両対戦者のエンブレムEB1,EB2が双方の識別番号ID1,ID2と共にそれぞれ表示される。また、画面中央の下寄りの位置には、クイックメッセージのウィンドウWDaが表示される。このクイックメッセージは、対戦者は勿論、観戦している全てのクライアントシステム1にも送られ、表示される。クイックメッセージを簡単な操作で表示できるので、ゲームの操作には殆ど支障無く、且つ、ゲームの雰囲気を盛り上げることができる。さらに、このゲーム画面には、残り時間を示すウィンドウWDb、及び、双方のキャラクタの残りパワーを示すライフゲージLG1,LG2などが表示される。
【0266】
図35は、観戦している、ある遊戯者がそのモニタ12から見るゲーム画面の例である。このゲーム画面は、ゲーム空間の任意の位置にカメラ視点を置いた別のゲームのゲーム空間を示す。図34の場合と比べて相違する点は、画面左下寄りに現在のカメラ視点のモードを表示するウィンドウWDc、及び、画面の上部に観戦者同士が行うチャット情報が表示されるウィンドウWDdがそれぞれ表示されることである。
【0267】
観戦者の場合、クライアントシステム1毎に独自の任意のカメラ視点でゲームを観戦することができるので、そのときのカメラ視点のモードが表示される。
【0268】
また、チャット情報は半透明処理されたウィンドウWDdに表示される。これにより、ゲーム画面には殆ど影響を与えず、このウィンドウを通して観戦者同士が現在のゲーム状態に対する感想などを交換することができる。したがって、ゲームに一緒に参加しているといった一体感などが高められ、ゲームに対する興味も一層沸いて、飽きることも少なくなる。このチャット情報は観戦者のみが交換することができ、対戦者には表示されないので、ゲームへの集中力が殺がれるなどの弊害も防止される。
【0269】
このように、あるクライアントシステム1が戦闘モードに割り付けられている場合、そのゲーム機本体10は、自分のキャラクタを操作信号に基づいて移動させるとともに、ゲームネットワーク40から提供される操作コマンドに基づいて敵のキャラクタの位置や態様を変化させる。操作コマンドの割付は、ゲームごとに任意に定めうる。これらの処理により、遊技者は、あたかも一つのゲーム機に二つのコントロールパッド11を接続して他人と対戦しているかのようにゲーム対戦を実行可能になる。
【0270】
一方、あるクライアントシステム1が観戦モードに割り付けられている場合、そのゲーム機本体10は、ゲームネットワーク40から提供される操作コマンドに基づいて対戦中の双方のキャラクタを画面上で移動させ、その表示態様を変化させる。このとき、観戦中のゲーム画面は、遊戯者が自分のコントロールバッド11のスイッチを操作することで容易に所望位置、角度に変更される(図35参照)。
【0271】
この視点変更の処理により、観戦中の遊戯者はゲーム空間のあらゆる場所から対戦を眺めた画像を容易に得ることができる。これにより、遊戯者はゲームの進行状態などをより詳細に観察でき、ゲームの臨場感をより多く享受でき、またゲームへの一体感を味わうことができる。したがって、観戦しているだけでも、ゲームへの興味感は高いものがあり、飽きることも殆どなくなる。
【0272】
加えて、この観戦モードに割り付けられているクライアントシステム1同士で、チャットができるため、遊技者は、あたかもアミューズメントセンターで友人がゲーム対戦をしているのを応援しているかのような感覚でゲーム観戦を行うことができる。
【0273】
なお、上述の実施形態では、受信データの読み捨てに拠る、表示に対する無効化処理をキャラクタ選択処理について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、双方のクライアントシステム間で相違するゲームシーンなどを表現する場合に適用できる。
【0274】
またなお、画像や音響をクライアントシステムに提供する方法として上記各実施形態では、基本的な画像データ、音響データおよびそれらを動作させるプログラムデータをクライアントシステムに格納しておき、ゲームサーバからはそれらを動作させるコマンドを送信してクライアントシステムを動作させるという形態を採った。
【0275】
しかし、ハイパーテキスト形式のファイルを閲覧させることで、画像や音響をゲームサーバ側から直接提供可能に構成してもよい。例えば作戦会議室などのウィンドウ画面のみをファイル閲覧させることは情報更新の簡便さと装置への負荷分散の観点から好ましい。
【符号の説明】
【0276】
1…クライアントシステム
2…ゲームサーバシステム
3…WWWサーバシステム
4…回線網
10…ゲーム機本体
11…コントロールパッド
12…モニタ
20…ゲームサーバ
21…記憶領域(データベース)
30…WWWサーバ
31…HTML記憶領域
40…ゲームネットワーク
41…インターネット
100、200…処理装置
101、201…通信装置
102…出力データ生成装置
110…操作装置
111…振動発生手段
210…ユーザデータベース
211…イージーロビーデータベース
212…エキスパートロビーデータベース
213…ノーマルデータベース
214…チーム戦データベース
215…総当たり戦データベース
216…トーナメント戦データベース
306…カードメモリ
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバに接続した遠隔地のゲーム装置の間でゲーム対戦を行うための通信ゲームシステムに係る。特に、本発明における通信ゲームシステムは、遊技者の要求で結成されるグループ内において複雑な対戦管理を行うことが可能であること、ゲームに用いるキャラクタを違和感無く選択できること、ゲーム観戦者間のコミュニケーションを充実させることなどの機能を搭載した新しい通信ゲームの管理方法を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、別個の遊技者によって操作されるゲーム装置が共通のゲームサーバに接続され、遠隔地の遊技者間で対戦ゲームを実行可能に構成された通信ゲームシステムがあった。
【0003】
このシステムにおいて、サーバは、その時点で接続しているゲーム装置をリストアップして表示するようになっている。いずれかのゲーム装置から他のゲーム装置に対する対戦申込があった場合には、サーバは、申し込んだゲーム装置と申し込まれた他のゲーム装置との間における対戦受諾の取引を管理し、対戦が受諾されると、双方のゲーム装置間におけるコマンドの送受信を監視しながら仲介するようにプログラムされている。
【0004】
また、従来のシステムでは、対戦相手が決まると、対戦ゲームに用いる自分のキャラクタを選択する画面が、対戦するゲーム装置間で共通に表示される。このため、対戦するゲーム装置それぞれにおいて、遊戯者は好みのキャラクタを共通の画面から選択する。この選択情報は、他のゲームデータと同様に、サーバを介してリアルタイムに対戦相手同士で送受信される。このため、双方の共通のキャラクタ選択画面上に双方のキャラクタ選択情報が表示される。
【0005】
さらに、従来のシステムの場合、対戦ゲームの実行中において、対戦相手同士がメッセージを送信し合うことができるようになっている。
【0006】
このような通信ゲームシステムの出現により、遊技者は他の遊技者とゲーム対戦を楽しむことができるようになっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、いままでの通信ゲームシステムにおける対戦方法は、ゲーム対戦の申込、受諾、そして対戦という取引を繰り返すのみであった。多数のゲーム装置と対戦可能になっているにもかかわらず、ゲームセンターなどで複数の友人とゲームを楽しんでいるようなコミュニケーションが取れなかった。またその遊び方に発展性が無いため遊技者に飽きられ易かった。
【0008】
また、対戦相手となっているゲーム装置間において、キャラクタの選択情報が互いに相手方にもリアルタイムに表示されることから、相手方ではどのようなキャラクタを選択しているかが予め分かってしまうので、ゲーム開始前の期待感や新鮮味が半減する。
【0009】
一方、キャラクタ選択画面がカスタマイズされたキャラクタを選択できるモードを提供している状況においては、そのカスタマイズされたキャラクタ選択を指定したゲーム装置には、カスタマイズされたキャラクタ選択専用の画面が表示される。つまり、このときには対戦相手同士で異なるキャラクタ選択画面が表示される。この状態で、一方のゲーム装置においてカスタマイズされたキャラクタを選択する手動操作を行なうと、その操作に係るカーソルの動きが相手方のゲーム装置に伝わり、カスタマイズされたキャラクタ選択画面とは異なる画面上で相手方のカーソルが不可解な動きをして、相手方に違和感を与えてしまう。反対に、お互いに手の内が知れた相手の場合、この相手方のカーソルの動きはどのようなカスタマイズされたキャラクタを選択するかのヒントになり、前述と同様に、ゲーム前の期待感を殺いでしまう。
【0010】
さらに、従来の通信ゲームシステムにおいては、対戦相手同士はメッセージなどを交換することができ、ゲームを楽しむことができるものの、観戦者は単に現在進行しているゲーム(メッセージも含む)を観戦するのみである。このため、上述したと同様に、ゲームセンターなどで複数の友人とゲームを楽しんでいる状況にはなり得ず、飽き易いという問題があった。
【0011】
この点に鑑み、本発明は、従来の通信ゲームシステムでは提供されなかった多彩な遊び方を提供することにより、遊技者同士のコミュニケーションを図り、通信ゲームをさらに面白くする通信ゲームシステムとその処理方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、従来の通信ゲームシステムでは提供されなかった観戦者同士のコミュニケーションを図り、通信ゲームをさらに面白くする通信ゲームシステムとその処理方法を提供することを別の目的とする。
【0013】
また、本発明は、対戦ゲームに用いるキャラクタを選択するときに、この選択に係る操作が違和感を与えることが無く且つゲーム前の期待感や高揚感の低下を防止した通信ゲームシステムとその処理方法を提供することを更に別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的を実現するために、多数の不特定人が参加している通信ゲーム環境において、趣味の合うものなどネットワーク上の友人とも言える者同士で遊びたいという要求を満たす必要がある。
【0015】
また多数人が参加する遊技や競技で通常実施されるチーム戦、総当たり戦、トーナメント戦など多彩な対戦の組み合わせで自分の技量を評価可能にするという要求を満たす必要もある。
【0016】
さらに遊技者自身が対戦していない場合であっても、他の者が対戦しているときにはそれを観戦して楽しみたいという要求を満たす必要もある。
【0017】
さらに対戦キャラクタの画面からの選択において、違和感が無く且つゲーム前の高揚感を殺ぐことがないようにしてゲームを楽しみたいという要求を満たす必要もある。
【0018】
本発明は、クライアントシステムと当該クライアントシステムと通信するゲームサーバシステムとを備える通信ゲームシステムにおいて、ゲームサーバシステムは、複数のクライアントシステムを一つの対戦グループとして関係付けるためのグループ情報が複数種類の対戦モードに対応して複数格納されているデータベースを備え、いずれか一の対戦グループが指定された場合には、指定された対戦グループに関係付けられているグループ情報を参照し、同一の対戦グループに属するクライアントシステムの中から対戦の組み合わせを決定し、当該組み合わせによって決定されるクライアントシステム間のデータの送受信を管理して対戦を実行させ、当該対戦の結果に対応して次の組み合わせを決定するように構成されていることを特徴とする通信ゲームシステムである。
【0019】
例えば、上記データベースに格納されるグループ情報のうち少なくとも一つは、対戦が終了した場合に、勝った方、負けた方、固定した双方またはいずれか一方の固定されたクライアントシステムが継続して他のクライアントシステムと対戦するように定められた対戦モードを設定する試合ルール情報が含まれており、ゲームサーバシステムは、対戦が終了した場合に、試合ルール情報を参照して、次の対戦の組み合わせを決定する。このゲームサーバシステムは、次の対戦の組み合わせに対応するクライアントシステムの双方から受諾を示すコマンドが送信された場合に、当該対戦を実行させる。
【0020】
例えば、上記データベースに格納されるグループ情報のうち少なくとも一つは、同一の対戦グループ内を二つのサブグループに分けるチーム戦対戦モードを設定するためのスケジュール情報が格納されており、ゲームサーバシステムは、対戦が終了した場合に、スケジュール情報を参照して、対戦の結果、勝った方のクライアントシステムと、負けた方のクライアントシステムの属するサブグループのうち対戦していない他のクライアントシステムと、を次の対戦の組み合わせとして決定する。好ましくは、このスケジュール情報は、サブグループ内における対戦順序が予め設定されており、ゲームサーバシステムは、いずれか一方のサブグループにおいて最後に残ったクライアントシステムが対戦に敗れた場合に、当該チーム戦の結果を各クライアントシステムに報知する。
【0021】
例えば、上記データベースに格納されるグループ情報のうち少なくとも一つは、対戦が終了した場合に、同一の対戦グループ内で一のクライアントシステムが他の総てのクライアントシステムと対戦するように順序だてた総当たり戦対戦モードを設定するための登録情報が格納されており、ゲームサーバシステムは、一の組み合わせによる対戦が終了した場合に、登録情報を参照し、各クライアントシステムが未だ対戦していないクライアントシステムであって対戦中でない他のクライアントシステムを、各クライアントシステムに対する次の対戦の組み合わせとして決定する。好ましくは、ゲームサーバシステムは、総ての組み合わせによる対戦が終了した場合に、当該総当たり戦の結果を各クライアントシステムに星取り表として報知する。
【0022】
例えば、上記データベースに格納されるグループ情報のうち少なくとも一つは、対戦が終了した場合に、同一の対戦グループ内において勝ち抜き戦形式で対戦するトーナメント戦対戦モードを設定するための登録情報が格納されており、ゲームサーバシステムは、一の組み合わせによる対戦が終了した場合に、登録情報を参照して次に対戦する組み合わせを決定し、決定した組み合わせによる対戦の勝者となったクライアントシステム同士を次の対戦の組み合わせとして決定する。好ましくは、上記ゲームサーバシステムは、勝ち抜き戦により一のクライアントシステムが最後まで勝ち抜いた場合に、当該トーナメント戦の結果を各クライアントにトーナメント表として報知する。
【0023】
本発明において、ゲームサーバシステムは、いずれかのクライアントシステムから対戦要求があった場合に、他の任意のクライアントシステムのなかから、いずれか一を選択して対戦させる簡易対戦モード、または、いずれかの対戦グループに属して各対戦グループ内において対戦させる熟達対戦モードのうちいずれかを選択して実行させる点に特徴がある。
【0024】
例えば、ゲームサーバシステムは、グループ情報を参照して対戦グループを各クライアントシステムに閲覧させるための対戦モード一覧表示を各クライアントに提供する。このゲームサーバシステムは、クライアントシステムから対戦モード一覧表示においていずれかの対戦グループが選択された場合に、選択された対戦グループに対応するグループ情報をデータベースから読み取ってその内容を表示する。
【0025】
好ましくは、データベースには、いずれかの対戦グループに属するクライアントシステムの対戦履歴情報が格納されており、ゲームサーバシステムは、クライアントシステムから対戦モード一覧表示においていずれかのクライアントシステムが選択された場合に、選択されたクライアントシステムに対応する対戦履歴情報をデータベースから読み取ってその内容を表示する。
【0026】
好ましくは、上記ゲームサーバシステムは、対戦グループ内における対戦の組み合わせを決定する場合に、各クライアントシステムの対戦履歴情報から判断される強さの程度によって組み合わせの可否を決定する。
【0027】
好ましくは、上記ゲームサーバシステムは、対戦グループ内における対戦の組み合わせを決定する場合に、各クライアントシステムに対戦履歴情報に基づいてハンディキャップを設定し、当該ハンディキャップが設定された組み合わせにおける対戦の場合には、該対戦の結果による対戦履歴情報の更新を禁止する。
【0028】
さらに好ましくは、広域ネットワークに接続されるWWWサーバシステムを備え、ゲームサーバシステムは、対戦履歴情報に基づいて対戦履歴を表示するためのファイルを作成し、WWWサーバシステムの記憶領域にコンピュータに閲覧可能な状態で格納する。
【0029】
本発明において、ゲームサーバシステムは、いずれかのクライアントシステムから新規な対戦グループの作成要求があった場合に、当該クライアントシステムの設定内容に基づいて新たなグループ情報をデータベースに新規登録する。
【0030】
また本発明のゲームサーバシステムは、いずれかのクライアントシステムからいずれかの対戦グループへの参加要求があった場合に、当該クライアントシステムを参加要求があった対戦グループのグループ情報に関係付ける。
【0031】
本発明のゲームサーバシステムは、対戦グループ内で対戦しているクライアントシステムには対戦用のデータを送受信し、当該対戦グループ内で対戦していないクライアントシステムには、対戦しているクライアントシステム間の対戦を観戦するための観戦用のデータを送受信する。
【0032】
好ましくは、上記データベースには、各クライアントシステムが対戦中に観戦しているクライアントシステムに提供したいメッセージと遊技者の操作内容とを対応づける対応情報が登録されており、ゲームサーバシステムは、いずれかのクライアントシステムが対戦している場合に、当該クライアントシステムからの操作内容を参照し、当該操作内容に対応づけられている対応情報を読み取って観戦中のクライアントシステムに報知する。
【0033】
同様にこのゲームサーバシステムは、いずれかのクライアントシステムが対戦している場合に、当該対戦を観戦しているクライアントシステムからメッセージが送信されてきたときには、当該メッセージを他のクライアントシステムに報知する。
【0034】
さらにこのクライアントシステムは、ゲームサーバシステムからのコマンドに対応して振動を遊技者に伝達する振動発生手段を備え、ゲームサーバシステムは、いずれかのクライアントシステムからの操作内容に応じて振動発生手段を駆動するコマンドを他のクライアントシステムに送信する。「振動発生手段」に限定はなく、ピエゾ素子を用いたもの、偏芯モータを用いたものなど任意に適用可能である。
【0035】
具体的に本発明のゲームサーバシステムは、複数のクライアントシステムを、対戦グループとして関係づけるデータベースと、各クライアントシステムとデータの送受信をする通信装置と、データベースを参照して同一対戦グループ内における複数のクライアントシステム間のゲーム対戦を管理する処理装置と、を備えている。
【0036】
本発明の通信ゲーム処理方法は、クライアントシステムと当該クライアントシステムと通信するゲームサーバシステムとの間で実行される通信ゲーム処理方法において、ゲームサーバシステムは、複数のクライアントシステムを一つの対戦グループとして関係付けるためのグループ情報が複数種類の対戦モードに対応して複数格納されているデータベースを参照するステップと、いずれか一の対戦グループが指定された場合には、指定された対戦グループに関係付けられているグループ情報を参照し、同一の対戦グループに属するクライアントシステムの中から対戦の組み合わせを決定するステップと、当該組み合わせによって決定されるクライアントシステム間のデータの送受信を管理して対戦を実行させるステップと、当該対戦の結果に対応して次の組み合わせを決定するステップと、を備えていることを特徴とする通信ゲーム処理方法である。
【0037】
このデータベースに格納されるグループ情報のうち少なくとも一つは、対戦が終了した場合に、勝った方、負けた方、固定した双方またはいずれか一方の固定されたクライアントシステムが継続して他のクライアントシステムと対戦するように定められた対戦モードを設定するための試合ルール情報が含まれており、次の組み合わせを決定するステップは、対戦が終了した場合に、試合ルール情報を参照して、次の対戦の組み合わせを決定する。
【0038】
またこのデータベースに格納されるグループ情報のうち少なくとも一つは、同一の対戦グループ内を二つのサブグループに分けるチーム戦対戦モードを設定するためのスケジュール情報が格納されており、次の組み合わせを決定するステップは、対戦が終了した場合に、スケジュール情報を参照して、対戦の結果、勝った方のクライアントシステムと、負けた方のクライアントシステムの属するサブグループのうち対戦していない他のクライアントシステムと、を次の対戦の組み合わせとして決定する。
【0039】
さらにこのデータベースに格納されるグループ情報のうち少なくとも一つは、対戦が終了した場合に、同一の対戦グループ内で一のクライアントシステムが他の総てのクライアントシステムと対戦するように順序だてた総当たり戦対戦モードを設定するための登録情報が格納されており、次の組み合わせを決定するステップは、一の組み合わせによる対戦が終了した場合に、各クライアントシステムが未だ対戦していないクライアントシステムであって対戦中でない他のクライアントシステムを、各クライアントシステムに対する次の対戦の組み合わせとして決定する。
【0040】
このデータベースに格納されるグループ情報のうち少なくとも一つは、対戦が終了した場合に、同一の対戦グループ内において勝ち抜き戦形式で対戦するトーナメント戦対戦モードを設定するための登録情報が格納されており、次の組み合わせを決定するステップは、一の組み合わせによる対戦が終了した場合に、登録情報を参照して対戦する組み合わせを決定し、決定した組み合わせによる対戦の勝者となったクライアントシステム同士を次の対戦の組み合わせとして決定する。
【0041】
好ましくは、この通信ゲーム処理方法は、いずれかのクライアントシステムから対戦要求があった場合に、他の任意のクライアントシステムのなかから、いずれか一を選択して対戦させる簡易対戦モード、または、いずれかの対戦グループに属して各対戦グループ内において対戦させる熟達対戦モードのうちいずれかを選択して実行させるステップを備える。
【0042】
さらに好ましくは、グループ情報を参照して対戦グループを各クライアントシステムに閲覧させるための対戦モード一覧表示を各クライアントに提供するステップを備える。
【0043】
これら通信ゲーム処理方法は、記録媒体(CD−ROMやDVD、通信回線など)でコンピュータが実行可能なプログラム形式で提供されるものでもよい。
【0044】
また、本発明の別の態様として、前記複数のクライアントシステムの内、相手が決まったクライアントシステム間で前記ゲームサーバシステムを介してゲームに関するデータをリアルタイムに送受信可能な通信ゲームシステムであって、前記複数のクライアントシステムの各々は、前記クライアントシステム間における前記データの送受信時に、一方のクライアントシステムが前記データの中に無効化すべきデータを含めて送信してきたときに、他方のクライアントシステムはその無効化すべきデータに無効化の処理を行なうようにしたことがある。
【0045】
好適には、前記複数のクライアントシステムの各々は、前記無効化に処すべきデータを含む前記ゲームを前記ゲームサーバシステムに送信する送信手段と、前記ゲームシステムから前記無効化に処すべきデータが送信されたときに当該無効化に処すべきデータを無効化する無効化処理手段とを備える。例えば、前記送信手段は、前記無効化に処すべきデータを、その無効化を表す情報と共に送信する手段である。
【0046】
前記無効化を表す情報は、一例として、前記無効化に処すべきデータが画面上のどの表示位置に対応しているかを表す位置情報である。この無効化を表す情報は、前記無効化を表すフラグ又はダミーデータであってもよい。
【0047】
また、前記無効化に処すべきデータは、一例として、ゲームのキャラクタを選択する画面において遊戯者がカスタマイズされたキャラクタを選択するときの操作に関わるデータである。このとき、前記操作に関わるデータは、例えば、コントローラ又はパッドの操作に関わるデータである。
【0048】
好ましくは、前記複数のクライアントシステムの各々は、ゲームのキャラクタ選択画面として、前記複数のクライアントシステムに予め共通に記憶させている共通キャラクタを選択させるための第1のボタン、及び、所望のクライアントシステムに着脱可能なメモリ装置を介して格納可能なカスタマイズされた非共通キャラクタを選択するモードへの移行させるための第2のボタンを含む画面を提示する手段であり、前記無効化に処すべきデータは、前記第2のボタンを選択したときの操作状態を表すデータである。
【0049】
また好ましくは、前記無効化処理手段は、前記無効化に処すべきデータを読み捨てて非表示状態にする処理である。
【0050】
また、本願発明により、別の態様として提供されるシステムは、前記複数のクライアントシステムの内、対戦相手が決まったクライアントシステム間で前記ゲームサーバシステムを介してゲームに関するデータをリアルタイムに送受信可能な通信ゲームシステムであって、前記複数のクライアントシステムの各々は、前記ゲームを観戦するときに当該観戦状態にある他のクライアントシステムとの間で前記ゲームサーバシステムを介してチャットを実行可能なことを特徴とする。
【0051】
好適には、前記複数のクライアントシステムの各々は、前記ゲームを観戦しているときに前記チャットの内容を遊戯者から受け付けて当該内容に相当する文字情報を前記ゲームサーバシステムに送信する送信手段と、このゲームサーバシステムから前記文字情報が送信されてきたときに当該文字情報をモニタのゲーム画面上に重畳して表示する表示手段とを備える。このとき、表示手段は、例えば、前記モニタの画面上に前記ゲーム画面を背景として設定した半透明ウィンドウ内に前記文字情報を表示する手段である。
【0052】
本願発明により、さらに別の態様として、前記複数のクライアントシステムの内、対戦相手が決まったクライアントシステム間で前記ゲームサーバシステムを介してゲームに関するデータをリアルタイムに送受信可能な通信ゲームシステムであって、前記複数のクライアントシステムの各々は、前記ゲームを観戦するときに前記ゲームが実行されるゲーム空間内の変更可能な仮想視点から当該空間を投影した画像を表示することを特徴とする通信ゲームシステムが提供される。
【発明の効果】
【0053】
本願発明によれば、不特定多数のクライアントシステムの間でグループを結成することを可能にしているので、従来の通信ゲームシステムでは提供されなかった多彩な遊び方を提供することができ、遊技者同士のコミュニケーションを図り、通信ゲームをさらに面白くすることができる。
【0054】
とくに、本願発明の構成により、多数の不特定人が参加している通信ゲーム環境において、趣味の合うものなどネットワーク上の友人とも言える者同士で主として遊びたいという要求を満たすことができる。
【0055】
また本願発明の構成により、多数人が参加する遊技や競技で通常実施されるチーム戦、総当たり戦、トーナメント戦など多彩な対戦の組み合わせで自分の技量を評価可能にするという要求を満たすことができる。
【0056】
さらに本願発明により、遊技者自身が対戦していない場合であっても、他の者が対戦しているときにはそれを観戦して楽しみたいという要求を満たすことができる。例えば、従来の通信ゲームシステムでは提供されなかった観戦者同士のコミュニケーションを積極的に図ることができるので、観戦中であっても、ゲームへの一体感を持つことができ、通信ゲームをさらに面白くすることができる。
【0057】
さらに、本願発明により、対戦ゲームに用いるキャラクタを選択するときに、この選択に係る操作が違和感を与えることが無く且つゲーム前の期待感や高揚感を維持することができる通信ゲームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の通信ゲームシステムのシステム構成図。
【図2】本発明の通信ゲームシステムのハードウェアブロック図。
【図3】本発明の通信ゲームシステムの状態遷移図。
【図4】実施形態1における通信ゲーム処理方法(ノーマル対戦モード)のフローチャート。
【図5】実施形態2における通信ゲーム処理方法(チーム戦対戦モード)のフローチャート。
【図6】実施形態3における通信ゲーム処理方法(総当り戦対戦モード)のフローチャート。
【図7】実施形態4における通信ゲーム処理方法(トーナメント戦対戦モード)のフローチャート。
【図8】本発明におけるクライアントシステムの処理フローチャート。
【図9】イージーロビー作戦ウィンドウ(S01)の表示例。
【図10】エキスパートロビー作戦ウィンドウ(S10)の表示例。
【図11】スタートメニュー(S11)の表示例。
【図12】会議室選択メニュー(S12)の表示例。
【図13】コメント登録(S14)の表示例。
【図14】戦況報告ウィンドウ(S20)の表示例。
【図15】接続者リスト(S21)の表示例。
【図16】ノーマル作戦会議室(S30)の表示例。
【図17】プレイヤーデータウィンドウ(S33)の表示例。
【図18】試合ルール変更ウィンドウ(S32)の表示例。
【図19】チーム戦作戦会議室(S40)の表示例。
【図20】プレイヤーデータウィンドウ(S43)の表示例。
【図21】戦闘スケジュール変更ウィンドウ(S43)の表示例。
【図22】総当たり戦作戦会議室(S50)の表示例。
【図23】参加メンバー登録ウィンドウ(S52)の表示例。
【図24】星取表(S55)の表示例。
【図25】トーナメント戦作戦会議室(S60)の表示例。
【図26】参加メンバー登録ウィンドウ(S62)の表示例。
【図27】実施形態5に係るゲーム機本体の概略構成図。
【図28】データフォーマットの構成を示す模式図。
【図29】図30と共に、キャラクタ選択の概要を示すフローチャート。
【図30】図29と共に、キャラクタ選択の概要を示すフローチャート。
【図31】キャラクタ選択の処理ルーチンの概要を示すフローチャート。
【図32】キャラクタ選択時の初期画面を示す図。
【図33】キャラクタ選択時のカスタムモードでの選択画面を示す図。
【図34】対戦者用のゲーム画面を例示する図。
【図35】観戦者用のゲーム画面を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0059】
次に本発明の好適な実施の形態を、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1は、クライアントシステム間で同一対戦グループを結成し、それに属するクライアントシステムの中から対戦の組み合わせを決定し、勝った方、負けた方、固定した双方またはいずれか一方の固定されたクライアントシステムが継続して他のクライアントシステムと対戦するように構成された通信ゲームシステムに関する。
【0060】
図1に本発明の通信ゲームシステムのシステム図を示す。
【0061】
本通信ゲームシステムは、図1に示すように、複数のクライアントシステム1が回線網4を介して、ゲームサーバシステム2およびWWWサーバシステム3に接続されて構成されている。
【0062】
各クライアントシステム1は、いわゆる通信機能を有するゲーム装置としての構成を備え、ゲーム機本体10、コントロールパッド11およびモニタ12を相互に接続して構成される。
【0063】
コントロールパッド11は、各遊技者の操作に伴って出力される操作信号をゲーム機本体10に供給するようになっている。ゲーム機本体10は、通信可能なコンピュータ装置としての構成(CPU、メモリ、CD−ROMドライブ、モデム、画像生成回路、音声生成回路等)を備えている。当該ゲーム機本体10は、CD−ROMなどの記録媒体からデータを読み取り可能になっており、記録媒体から読み取ったゲームプログラムを実行することで当該通信ゲームシステムのクライアントシステムとして動作するようになっている。ゲーム機本体10は、コントロールパッド11からの操作信号に基づきゲーム処理を進め、通信ゲームが遊技者から指定された場合には、内蔵するモデム経由で、回線網4を介してゲームサーバシステム2に接続するようになっている。記録媒体に記録されるゲームプログラムは、通信ゲーム機能を実行可能なものであれば、そのゲームの内容に制限は無い。ただし、他の遊技者と対戦して勝敗が決定するような対戦型のゲームとしてプログラムされていることが好ましい。またゲーム機本体10は、ゲーム処理に伴う画像信号と音声信号を出力するようになっている。モニタ12は、ゲーム機本体10からの画像信号や音声信号に対応して画像や音声を遊技者に提供するように構成されている。
【0064】
ゲームサーバシステム2は、ゲームサーバ20と記憶領域21とを備える。
【0065】
ゲームサーバ20は、汎用の高性能コンピュータ装置としての構成(CPU、メモリ、HD、通信装置等)を備えている。当該ゲームサーバ20は、本発明のゲーム処理方法に対応したプログラムを実行することにより、通信ゲームシステムを管理するゲームサーバシステムとして動作するようになっている。すなわちゲームネットワーク40のアクセスポイントに接続されたクライアントシステム1を管理するようになっている。記憶領域21は、ゲームサーバ20そのものまたは当該サーバからアクセス可能な領域であって、当該通信ゲームシステムを実行するために必要なデータベースをファイルなどの形式で格納可能な領域になっている。
【0066】
回線網4は、通常の公衆回線または専用線であってゲームネットワーク40やインターネット41などのWANを形成している。
【0067】
ゲームネットワーク40は、当該通信ゲームシステムの実行のために提供されているネットワークである。例えばゲームサーバシステム2が管理する特定のアクセスポイントにクライアントシステム1から接続することによって、ゲームサーバシステム2と各クライアントシステム1とにより構成される専用ネットワークである。ただし、このようなPPP接続ではなく、任意の接続窓口からクライアントシステムがゲームサーバにアクセスするようなインターネット経由の接続構成を備えていてもよい。そのプロトコルなどに限定はないが、クライアントシステム1においてインターネットにおけるWWW機能を利用する場合や汎用性を持たせる点などを考慮してTCP/IPなどの汎用の規格にしてもよい。
【0068】
インターネット41は、不特定多数のコンピュータ装置が接続可能なWANであり、TCP/IPプロトコルで規定される各種コマンドを利用することで、ファイルの閲覧や電子メール、ファイルの転送などを実現することが可能になっている。特に本実施形態では、インターネットのWWW機能を利用する。
【0069】
WWWサーバシステム3は、WWWサーバ30とHTML(ハイパーテキスト形式)記憶領域31とを備える。
【0070】
WWWサーバ30は、汎用の高性能コンピュータ装置としての構成を備え、インターネット41上で一のネットワークアドレスを与えられ、インターネット41に接続しているコンピュータから特定のネットワークアドレスを指定することで、HTML記憶領域31に格納されているHTML形式のファイルなどを閲覧させることが可能に構成されている。HTML記憶領域31は、WWWサーバ30が管理する記憶領域であって、WWWサーバ30によって作成されたりゲームサーバシステム2からファイル転送されたりした通信ゲームの結果表示のためのハイパーテキスト形式のファイルを所定のディレクトリに格納するようになっている。このWWWサーバは、対戦履歴を報知するためのものであるが、インターネットサーバではなく専用のサーバを設け、そこに対戦履歴を記録したファイルをアップロードし、そこにクライアントシステムが接続して閲覧するように構成してもよい。
【0071】
図2に、本通信ゲームシステムの詳しい機能ブロック図を示す。クライアントシステム1(A,B)において、処理装置100と通信装置101とはゲーム機本体10に属する。出力データ生成装置102とコントロールパッド11とは、コントロールパッド11に属する。
【0072】
処理装置100は、CPUを中心としてゲームプログラムを実施するコンピュータ部分である。処理装置100は、操作装置110からの操作信号の認識、振動発生手段111への振動信号の出力、通信装置101の通信制御、出力データ生成装置102の制御などを行う。通信装置101は、例えばモデムやターミナルアダプタであり、ゲームネットワーク40やインターネット41と処理装置100とのデータ送受信を仲介するものである。操作装置110は、操作ボタンや十字キーなどゲームの操作に必要な操作機能を備えている。振動発生手段111は、例えばピエゾ素子など逆圧電効果により、所定周波数の振動信号に対応させてコントロールパッド11を操作する遊技者に振動を認識させることが可能になっている。
【0073】
ゲームサーバシステム2において、処理装置200と通信装置201とはゲームサーバ20に属する。記憶領域21には、ユーザデータベース(以下DBと略する。)210、イージーロビーDB211、エキスパートロビーDB212、ノーマルDB213、チーム戦DB214、総当たり戦DB215およびトーナメント戦DB216などが格納されている。
【0074】
ユーザDB210には、当該通信ゲームシステムを利用することを許可された遊技者の個人情報、例えば、各ゲーム機本体10固有の管理番号や個人の住所、連絡先などの他、個人の対戦履歴、勝率、連勝記録、登録コメント、階級、キャラクタ情報などが格納されている。
【0075】
イージーロビーDB211には、イージーロビー、すなわち簡易対戦モードにおけるインデックス情報が格納されている。例えば、イージーロビーにおける対戦組み合わせとその日時、チャット情報などが記録されている。
【0076】
エキスパートロビーDB212には、エキスパートロビー、すなわち熟達対戦モードにおけるインデックス情報が記録されている。例えば、各対戦グループの名称(作戦名)、参加人数、対戦種別、DB213〜216へのリンク情報、当該ロビーにおけるチャット情報などが記録されている。
【0077】
ノーマルDB213、チーム戦DB214、総当たり戦DB215およびトーナメント戦DB216は、それぞれの対戦種別における対戦グループ情報が記録されている。例えば、対戦グループの名称(作戦名)、参加人数、戦闘回数、各作戦開始時刻と終了時刻、メンバー名(IDなども)、各メンバーの階級、試合ルール、決定された組み合わせ情報、対戦履歴、当該対戦グループにおけるチャット情報などが記録される。
【0078】
これらのデータベースは相互参照可能になっており、キーデータによって総ての情報を読み取ることが可能にリレーションシップが設定されている。
【0079】
処理装置200は、通信ゲームシステムを管理するコンピュータ部分であり、各データベース210〜216を参照し、通信装置201を制御してプログラムで定められるクライアントシステムの対戦管理を実行するものである。特に、本実施形態では、各実施形態共通のデータベース210〜212とノーマルデータベース213とを使用する。通信装置201は、ゲームネットワーク40上のアクセスポイントを管理し、各クライアントシステム1と通信装置200とのデータ送受信を仲介するものである。
(クライアントシステムの動作)
次に本実施形態の動作を説明する。まず個々のクライアントシステム1の基本動作を、図8を参照して説明する。
【0080】
各クライアントシステム1は、プログラムと遊技者による操作信号とに基づいてゲーム処理を進める独立モードと、通信によって提供されたコマンドを中心にゲーム処理を進める通信モードとを使い分けるようになっている。
【0081】
いずれの動作モードでも、ゲーム機本体10は、コントロールパッド11からの操作信号を解釈してゲーム画面におけるキャラクタ(操作可能なセグメントやモデルのこと)を移動させる。ただし、ゲームにおける敵のキャラクタの動きは、独立モードでは、プログラムによって規定されるのに対し、通信モードでは、ゲームネットワーク40経由で対戦相手となったクライアントシステム1から送信されるコマンドによって規定される点で異なっている。また通信モードの場合には、ゲーム機本体10は、操作信号をコマンド化してゲームネットワーク40に送出する。
【0082】
具体的には、図8に示すように、ゲーム機本体10は、操作信号を読取り(S501)、通信開始を示す操作内容であるか否かを検査する(S502)。通信開始でない場合には(S502:NO)、独立モードであり、通常のゲーム装置としての処理を続行する(S503)。
【0083】
一方、通信開始を示している場合には(S502:YES)、ゲーム機本体10は、通信モードであるため接続を確立するための一般的手順を実行する。すなわち、ゲーム機本体10は、予め登録されているサーバを選択し呼び出し、接続後にハンドルネーム、ID、パスワードなどの必要情報を送信する(S504)。接続できない場合には、処理装置は通常のエラー処理としてその旨表示して復帰する。
【0084】
接続確立後、ゲーム機本体10はメインメニューを表示させる(S505)。ゲーム開始が遊技者から指示されたら、ゲーム機本体10は、その後はエスケープ等の特別の操作をしない限り復帰しない永久ループ処理を実行する。つまり操作信号が供給された場合に(S506:YES)、ゲーム機本体10はその操作信号を読み取り(S508)、予め定められたコマンド規約にしたがってコマンド化してゲームネットワーク40に送出する(S509)。またゲームネットワーク40からコマンドが送信された場合には(S510:YES)、ゲーム機本体10はこれを読み取り(S511)、解釈ルーチンに移行する。
【0085】
つまりコマンドがイージーロビー作戦ウィンドウ表示を示している場合には(S512:YES)、ゲーム機本体10は、イージーロビー作戦ウィンドウという基本画面(図9参照)を表示させる(S513)。同様にコマンドがエキスパートロビー作戦ウィンドウ表示を示している場合には(S514:YES)、ゲーム機本体10は、エキスパートロビー作戦ウィンドウという基本画面を表示させる(S513)。ここでいうエキスパートロビー作戦ウィンドウには、基本画面(図10等参照)の他に、各種ウィンドウ表示(図11〜図26)も含まれるものとする。これら基本画面は、クライアントシステムに保存されている画像データに基づいて表示されるものである。ただし、ゲームサーバシステム2においてこれら作戦ウィンドウを表示させるためのハイパーテキスト形式のファイルを格納しておき、適時にこれをクライアントシステムに提供し、ハイパーテキスト閲覧用ブラウザの機能に基づいて表示させるように構成してもよい。
【0086】
またコマンドが対戦モードへの移行を示している場合には(S516:YES)、ゲーム機本体10は、これら画面表示に代えて当該クライアントシステム内の画像データ等を利用して対戦処理を実行する(S518)。
【0087】
クライアントシステム1が戦闘モードに割り付けられている場合には、ゲーム機本体10は、自分のキャラクタを操作信号に基づいて移動させ、ゲームネットワーク40から提供される操作コマンドに基づいて敵のキャラクタの位置や態様を変化させる。操作コマンドの割付は、ゲームごとに任意に定めうる。これらの処理により、遊技者は、あたかも一つのゲーム機に二つのコントロールパッド11を接続して他人と対戦しているかのようにゲーム対戦を実行可能になる。
【0088】
クライアントシステム1が観戦モードに割り付けられている場合には、ゲーム機本体10は、ゲームネットワーク40から提供される操作コマンドに基づいて双方のキャラクタを移動させその表示態様を変化させる。この処理により、遊技者は、あたかもアミューズメントセンターで友人がゲーム対戦をしているのを応援しているかのようなゲーム観戦を実行可能になる。
【0089】
なお、コマンドとしてチャット情報が送られてきている場合には、ゲーム機本体10はそのチャット情報に基づいて文字をモニタ12の画面に表示する(S519)。コマンドとして振動させるコマンドが送られてきている場合には、ゲーム機本体はコントロールパッド11の振動発生手段111を振動させる。
【0090】
ここで、簡易対戦モード(イージーロビー)で、いずれかの遊技者が他の遊技者に対戦を申し込む手順を、図2を参照して説明する。これらの手順は簡易対戦モードであっても後で説明する熟達対戦モード(エキスパートロビー)であってもほぼ同様である。
【0091】
図2に示すように、クライアントシステム1Aと1Bとが共に接続されている状態で、ゲームサーバ20は、その時点で接続されているクライアントシステム1を監視し、それらクライアントシステムのIDと接続者数とをイージーロビーDB211に格納している。ゲームサーバは、簡易対戦モードに入っているクライアントシステムに図9に示すようなイージーロビー作戦ウィンドウを表示させる。このウィンドウにおいて、対戦者リストには、ゲームサーバ20がイージーロビーDB212を検索して送信してきた接続者データに基づき接続者の名称、状態、総接続者数が表示される。
【0092】
操作信号に基づいてカーソルが対戦者リスト上にある場合、クライアントシステム1Aはこのカーソルの選択情報をゲームサーバ20に送信する(1の経路)。ゲームサーバ20は、ユーザDB211からこの者の戦歴を読み出して(5の経路)当該クライアントシステム1Aに返信する(2の経路)。当該クライアントシステム1Aでは、それを対戦者情報として一覧表示する。クライアントシステム1Aの遊技者がコントロールパッド11を操作して対戦申し込みを指定すると(1)、ゲームサーバ20は、当該申込にかかるクライアントシステム1Bにその旨を送信する(3の経路)。当該クライアントシステム1Bの遊技者はこれに対応して対戦を受諾するか否かを返信する(4の経路)。
【0093】
この返信が申し込み拒否を示している場合には、ゲームサーバ20はその旨をクライアントシステム1Aに送信する(1)。クライアントシステム1Aの遊技者は他のクライアントシステムを探して再び対戦申込をすることになる。
【0094】
一方クライアントシステム1Bからの返信が申込の受諾を示している場合には、ゲームサーバ20はその旨をクライアントシステム1Aに送信し(1)、双方のクライアントシステムに対戦モードに移行するためのコマンドを送信する(1、3)。両クライアントシステム1ABは対戦モードに移行し、その後は自己の操作にかかるコマンドを他方に送信するようになる(6の経路)。対戦モードによるコマンドの授受は、ゲームサーバシステム2が仲介することになるが、直接相手のネットワークアドレスを特定してコマンドを送受信するように構成してもよい。このような通信手順は、熟達対戦モード(エキスパートロビー)でも同様である。
(全体の動作)
個々のクライアントシステムとゲームサーバシステムとのシーケンスは以上の通りであるが、本発明では、この個々のシーケンスの上位に位置する全体的な対戦管理に特徴がある。これを図3の状態遷移図を中心として説明する。この図は、ゲームサーバシステム2の管理の下で変動する個々のクライアントシステム1の状態を示している。この図は、後述する実施形態にも共通のものである。
【0095】
本発明では、ゲームサーバシステム2は、いずれかのクライアントシステム1から対戦要求があった場合に、任意のクライアントシステムのなかから、いずれか一を選択して対戦させる簡易対戦モード(イージーロビー)またはいずれかの対戦グループに属して各対戦グループ内において対戦させる熟達対戦モード(エキスパートロビー)のうちいずれかを選択して実行させるようになっている。
【0096】
簡易対戦モードで、上述したように、ゲームサーバ20は、通信が確立したクライアントシステム1にメインメニューを表示させ(S00)、イージーロビーが選択されると、簡易対戦用基本画面であるイージーロビー作戦メニューを表示させる(S01:図9)。そして対戦が受諾されると、ゲームサーバ20は、対戦にかかるクライアントシステム1を対戦モードに移行させる(S02)。
【0097】
クライアントシステム1は、コントロールパッド11においてスタートボタンが押されるとスタートメニューを表示させるようになっている(S03)。このスタートメニューまたはメインメニューからエキスパートロビーが選択されると、ゲームサーバ20は熟達対戦用基本画面であるエキスパートロビー作戦ウィンドウを表示させる(S10)。
【0098】
なお、エキスパートロビーは遊び方に慣れが必要であるため、初めて接続してきたクライアントシステム1にはイージーロビーから実施させるように構成しておくことは好ましい。その後は、遊技者の選択によっていずれの対戦モードも自由に選べるようにする。
【0099】
エキスパーロビー作戦メニューとしては、図10に示すように、タイトルウィンドウW1、チャットウィンドウW2および作戦名リストW3が表示される。タイトルウィンドウW1は、当該対戦モードの表示欄である。チャットウィンドウW2は、当該熟達対戦モードに入っているクライアントシステム1から送信されてきたチャット情報に基づく文字列W21が時系列で表示されている。ゲームサーバ20は、チャット情報が送られ来ると、その送信元の名称とともにチャット情報をエキスパートロビーDB212に格納し、それに基づきチャットウィンドウW2を表示させる。チャットウィンドウW2には、文字入力のための擬似的キーボードW22が表示される。作戦名リストW3は、エキスパートロビーDB212に格納されているグループ情報をゲームサーバ20が参照して表示させる対戦グループ一覧である。この作戦名リストW3は、イージーロビー作戦ウィンドウ(図9)のクライアントシステム単位の接続者リストとは異なり、対戦グループ単位のリストになっている。すなわち作戦名、参加人数、対戦モードからなる一組とした対戦グループが複数表示される。このときランプ表示などにより対戦中であるか対戦をしていない状態であるかを一覧できるようにすることは好ましい。
【0100】
クライアントシステム1において、遊技者がコントロールパッド11のスタートボタンを操作すると、その時のモードに対応したスタートメニューM1が表示されるようになっている(S11:図11)。
【0101】
このスタートメニューM1において「会議室を作る」が選択されると、ゲームサーバ20は、対戦モードの選択するメニューM2を更に表示させる(S12:図12)。このメニューからいずれかの対戦モードを選択すると、それに対応する対戦グループが新規に作成され、その「作戦会議室」が表示されるようになる(S13)。
【0102】
選択された対戦モードで作成される「作戦会議室」に新規登録後に1以上のクライアントシステム1が参加してくることによって(S30、S40、S50、S60)、一つの対戦グループが形成される。メニューM2において、「ノーマル」が選択されると本実施形態の対戦モード、「チーム戦」が選択されると実施形態2、「総当たり」が選択されると実施形態3、「トーナメント」が選択されると実施形態4の各実施形態で説明する作戦会議室、すなわち対戦グループが作成できるようになる。
【0103】
会議室作成処理(S13)では、新規登録を依頼したクライアントシステム1が任意のその試合ルールを定めることができる。この新規登録をしたクライアントシステムのみがこの作戦会議室の試合ルールを変更したり対戦グループの対戦を開始したりすることができる。以下、この新規登録を行い「作戦会議室」を発足させたクライアントシステムを「ホスト」と称する。この対戦モードに関する試合ルールや参加メンバー等の必要情報を記録するためのグループ情報は、ゲームサーバ20によって対応するデータベース212〜216に登録される。新たな参加メンバーが登録しり試合ルールが変更したりする度に、ゲームサーバ20は、そのグループ情報を変更し更新する。
【0104】
スタートメニューM1において「コメント登録」が選択されると、ゲームサーバ20はコメント登録ウィンドウW4を表示させる(S14:図13)。このウィンドウW4には、個人情報が他のクライアントシステム1から参照された場合に表示させたい自己紹介の文書を文字入力するコメント欄W41、対戦モードに入った場合に当該対戦を観戦している同一対戦グループの他のクライアントシステムに提供したい文字を、コントロールパッド11の操作ボタンに対応させて登録するためのクイックメッセージ欄W42、および文字入力のためのソフトウェアキーボードW43が表示される。遊技者がこれらの欄に任意の文字を入力すると、ゲームサーバ20はこれをユーザDB210に操作ボタンとの対応を取って格納する。これらコメントを表示させる文字情報は、予めゲームサーバ20が各クライアントシステム1に転送しておく。データベースには、各コメントと操作コマンドとの対応を示す対応情報が格納されている。ゲームサーバ20は、ゲームネットワーク40上の操作コマンドの有無を監視し、操作コマンドが送信されてきた場合には、データベースから対応情報を読み出して各クライアントシステム1に送信する。各クライアントシステム1では、この対応情報に対応している文字情報を画面表示する。
【0105】
スタートメニューM1において「チャットチャンネルを変更する」が選択されると、ゲームサーバ20は、当該熟達対戦モードの共通のチャットチャンネルから各対戦グループ独自のチャットチャンネルにチャットチャンネルを変更する。具体的には、サーバ20はチャット情報を読み出すデータベースをチャットDB211とその他のデータベース213〜216との間で相互に切り替える。
【0106】
スタートメニューM1において「メッセージの送信」が選択されると、ゲームサーバ20は、選択されているチャットチャンネルにおいて当該クライアントシステムから供給されたチャット情報をデータベースに格納し、他の接続中のクライアントシステム1に提供する。
【0107】
スタートメニューM1において「他のメンバーを探す」が選択されると、ゲームサーバ20は、作戦名リストW3に他の未表示だった対戦グループを表示する。「主使用バーチャロイドの登録変更」が選択されると、ゲームサーバ20は各クライアントシステム1に適応していたキャラクタを変更可能にし、変更された内容でユーザDB210を更新する。「イージーロビーに移動」が選択されると、ゲームサーバ20は当該クライアントシステム1を状態S01に移動させる。「ネットワークを抜ける」が選択されると、ゲームサーバ20は通信モードから独立モードに移行させるコマンドを当該クライアントシステム1に送信し、当該クライアントシステム1がゲームネットワークから外される。
【0108】
さてエキスパートロビー作戦ウィンドウ(S20、図10)において、遊技者がカーソルを作戦名リストW3上に持っていくと、そのカーソルによって選ばれている作戦名情報がコマンドとしてゲームサーバ20に提供される。ゲームサーバ20は、この作戦名情報に基づいてエキスパートロビーDB212を検索し、該当する対戦グループが格納されているデータベース213〜216を特定し、その詳細な情報を読み取ってクライアントシステム1に返送する。これによって戦況状況ウィンドウW5が表示される(S20:図14)。
【0109】
このウィンドウW5では、対戦モードW51、当該対戦グループの参加人数W52、実戦か模擬戦かの種別表示W53、この対戦グループが作成された時刻である作戦開始時刻W54、試合のルールを指定するステータスW55および参加メンバーW56が表示される。
【0110】
各遊技者には、ユーザDB210に格納されている戦闘履歴に応じて階級が決定され登録されている。その階級がメンバーに付される。参加メンバーの表示は階級の上下に合せて順序立てるとよい。出世して階級を上げたいという遊技者の向上心を煽ることができるからである。逆に、この階級が常に対戦に影響すると殺伐とした感覚を受ける遊技者もいる。そのような者のために、対戦グループを新たに設定した者の選択により、階級を適用する「実戦」と階級を考慮しない「模擬戦」とが選択できるようになっている。
【0111】
ゲームサーバ20は、各参加メンバーの接続状態を監視し、各メンバー名の横にその状態を表示させる。例えば対戦中である遊技者には「戦闘中」、観戦している遊技者には「観戦中」、エキスパートロビー作戦ウィンドウを閲覧中の遊技者には「待機中」といった状態を表示する。
【0112】
戦況報告ウィンドウW5の表示中に遊技者によって所定の操作がされると、ゲームサーバ20は、対戦グループとは無関係に現在接続中の総てのクライアントシステム1に関する個人情報をユーザDB210から読み取って接続者リストW6を表示する。総接続者数も併せて表示するようにする(S21:図15)。接続者リストにおいていずれかの接続者がカーソルで選択されている場合には、ゲームサーバ20は当該接続者にかかるクライアントシステム1の個人情報をユーザDBからさらに読み出してプレイヤーデータウィンドウW7に表示する。このウィンドウW7には、接続者の氏名W71、その日の成績W72、階級に対応した階級章表示W73、対戦ゲームで用いるために当該クライアントシステム1で採用されているキャラクタ表示W74、S14で登録されていたコメントW75、そのクライアントシステム1の現状況表示W76がされる。この状態から所定の操作(例えば「L」ボタンや「R」ボタン操作)がされると当該クライアントシステム1の総合成績がユーザDB210に基づいて表示される。また他の操作(例えば「A」ボタン操作)がされると、選択されているクライアントシステム1に対し、メッセージが送信される(S23)。
【0113】
さて、戦況報告ウィンドウW5(S20:図14)において、遊技者により所定の操作(例えば「A」ボタン押下)がされると、当該操作を行ったクライアントシステム1がこの対戦グループに新たに参加したものとして登録される。すなわち、ゲームサーバ20は、当該クライアントシステム1から選択中の対戦グループへの参加要求があったものと判断し、この対戦グループに当該クライアントシステム1を新たな参加者として登録する(S30)。ゲームサーバ20は、当該対戦グループのグループ情報に参加を希望したクライアントシステム1の個人情報を新たに関係付ける。
【0114】
新たに参加する場合に(S30)、対戦グループごとにパスワードを設定し、パスワードを入力しなければ参加できないように認証処理を行ってもよい。すなわち新たな対戦グループに参加依頼があった場合に、この参加を希望するクライアントシステム1にパスワード入力を要求し、このパスワードが正しく入力された場合にのみゲームサーバ20が当該対戦グループへの参加を許可するのである。
(ノーマル作戦会議室)
以下では、特に対戦モードとして「ノーマル」が設定されている対戦グループへの対戦管理を説明する。「ノーマル」対戦モードとは、一つの対戦が終了した場合に、勝った方、負けた方、固定した双方またはいずれか一方の固定されたクライアントシステムが継続して他のクライアントシステムと対戦するような試合ルールによる対戦をいう。
【0115】
図16に、「ノーマル」対戦モードに参加しているクライアントシステム1に提供される画面表示例を示す。このような「作戦会議室」、つまり特定の対戦グループ専用のロビー作戦ウィンドウは、その対戦グループを立ち上げた者(ホスト)かそれに後から参加したもののみに提供される。ゲームサーバ20は、ノーマルDB213から対応するレコードを読み取ることにより各表示を行う。
【0116】
タイトルウィンドウW1には、この対戦モードである「ノーマル」が示される。その下には、対戦中か否かを示す状況表示W11、この対戦グループの名称である作戦名W12、参加人数W13、過去にこの対戦グループで行われた戦闘回数W14、この対戦グループが発足した時間である作戦開始時刻や経過時間である作戦継続時間W15が表示される。チャットウィンドウW2は、チャット情報に基づく文字列W21、ソフトウェアキーボードW22が表示される。このウィンドウでは、この対戦グループに参加しているメンバーのみがチャット情報を読んだり書き込んだりできるようになっている。
【0117】
メンバーリストW8には、階級を伴ったメンバーがリスト表示される。各クライアントシステム1が、対戦中であるか、観戦中であるか、またはロビー参照中であるかの別が色分けなどで示されている。この対戦グループを作成した遊技者の冒頭には、ホストであることを示すアイコンが付される。
【0118】
試合ルールウィンドウW9には、ホストがS13で定めた試合ルールが表示される。「ファーストバトル」には、最初に戦うように予定されている遊技者の名称が表示される。「戦闘形式」には、階級を考慮した実戦モードにするか階級を考慮しない模擬戦モードかが表示される。実戦モードが設定されている場合には、秒数、セット数、ステージが固定値にされ、対戦結果が階級の変更に反映される。「秒数」は、1対戦に対して割り当てられた時間長が表示される。「セット数」は、1対戦のセットマッチ数が表示される。「ステージ」には、対戦に使用するゲームステージが表示される。「終了時変更」には、対戦が終了した場合にどのように次の組み合わせを決定するかのルールが表示される。
【0119】
「終了時変更」の設定内容によって、対戦の順序が大きく変わり、この対戦グループの特色が出せる。ここが「固定」になっていると、最初の組み合わせ通りのクライアントシステム間で対戦が繰り返される。「DNA固定」になっていると、対戦結果に関係なく、RNA側のクライアントシステムが交替していく。「RNA固定」になっていると、対戦結果に関係なく、DNA側のクライアントシステムが交替していく。「勝ちぬけ」になっていると、対戦に勝ったクライアントシステムが他のクライアントシステムと交替していく。「負けぬけ」になっていると、対戦に負けたクライアントシステムが他のクライアントシステムと交替していく。デフォルトではこの「負けぬけ」が設定されるようになっている。
【0120】
状態S30において、遊技者がカーソルをメンバーリストW8に表示されているいずれかのメンバー上に移動させると、ゲームサーバ20はそのメンバーに対応する個人情報をユーザDBから読み取り、プレイヤーデータウィンドウW7に表示させる(S33:図17)。このウィンドウについては図15におけるプレイヤーデータウィンドウと同じである。
【0121】
状態S30において、ホストであるクライアントシステム1の遊技者がコントロールパッド11のスタートボタンを押下した場合に限り、図11に示したものと同様のスタートメニューが表示される。ただし、スタートメニューM1に「試合のスタート」、「試合ルールの変更」という項目が追加されている点で異なる。
【0122】
ホストであるクライアントシステム1にのみ試合ルールを変更する権限が与えられている。ホストの遊技者が「試合ルールの変更」を選択すると、ゲームサーバ20は、試合ルール変更状態(S32)に移り当該ホストのクライアントシステム1に図17に示すような試合ルール変更ウィンドウW10を表示させる。ここでは「ファーストバトルのDNA」の変更用ウィンドウが例示されている。遊技者がコントロールパッド11からメッセージにしたがって操作すると、ゲームサーバ20はその操作に対応させて「ファーストバトル」の組み合わせを変更し、ノーマルDB213を更新する。対戦メンバーは遊技者がカーソルでメンバーリストW8から選んだ者に変更される。戦闘形式や秒数、セット数、ステージ、終了時変更の各数値やルールについても選択により決定される。
【0123】
スタートメニューにおいてホストのクライアントシステム1の遊技者が「試合のスタート」を選択すると、ゲームサーバ20は、各クライアントシステム1を対戦モードに移す(S34)。
【0124】
ノーマル対戦モードにおける詳細な動作を図4に基づいて説明する。
【0125】
ゲームサーバ20は、「ファーストバトル」の組み合わせに設定されているクライアントシステム1には戦闘モードに移行させるコマンドを、それ以外のクライアンシステム1には観戦モードに移行させるコマンドを送信する(S100)。
【0126】
次いで戦闘モードに入るクライアントシステム1に対してゲームサーバ20は戦闘で表示させるキャラクタを指定させる(S101)。キャラクタは例えば複数の候補の中から選択させる。通信キャラクタの設定時にエスケープキーなど特定のキー操作を遊技者が指定すると(S102:YES)、永久ループから脱してエキスパートロビーに戻ることが可能である。
【0127】
通信キャラクタの設定が終了すると(S103:YES)、ゲームサーバは最初の組み合わせに設定されているクライアントシステム1に対戦を開始させるコマンドを送信する(S104)。
【0128】
このコマンドにより戦闘モードに入るクライアントシステム1では、ゲーム機本体10がゲーム対戦画像を表示させ、コントロールパッド11からの操作信号に対応させて自分のキャラクタを移動させ、その対戦用のデータ(操作コマンド)をゲームネットワーク40に送信する。ゲームネットワーク40から敵キャラクタの操作コマンドが送信されたきた場合には、その操作コマンドに対応させて敵キャラクタを移動させるように処理する。ゲームサーバ20はこの操作コマンドの送受信を仲介する。
【0129】
観戦モードに入るクライアントシステム1では、戦闘モードに入っているクライアントシステム1から送信されてくる操作コマンドに基づいて戦闘モードに入っているクライアントシステム1と同様のゲーム画面が表示される。ただし観戦モードのクライアントシステム1ではゲーム画面中に戦っているキャラクタは表示されはするものの、遊技者がコントロールパッド11を操作してもキャラクタの動きに反映されることはない。その組み合わせにおける戦闘が終了するまで(S105:NO)、対戦処理が続行される。
【0130】
対戦中、ゲームサーバ20は、ユーザDB210を参照し、状態S14において登録された操作コマンドの示す操作に割り当てられているメッセージ情報を読み出し、各クライアントシステム1に送信する。また対戦中、観戦モードにいるいずれかのクライアントシステム1からソフトウェアキーボードを操作して入力されたチャット情報が送信されてきた場合には、ゲームサーバ20は、このチャット情報を各クライアントシステム1に送信する。各クライアントシステム1は、各クライアントシステムにおいて表示される対戦ゲーム画面の所定の位置に登録したクイックメッセージやチャットの文字列を表示する(図8:S519)。
【0131】
またいずれかのクライアントシステム1から送信されてきた操作コマンドが敵キャラクタを打ちのめすような特定のコマンドである場合、ゲームサーバ20は、振動を発生させるコマンドを各クライアントシステム1に送信する。各クライアントシステム1では、この振動を発生するコマンドを受信すると、振動発生手段111に振動を発生させる(図8:S520)。これにより操作をしている遊技者や観戦をしているメンバーは、現実の戦闘のように臨場感を得ることができる。
【0132】
対戦が終了した場合(S105:YES)、総ての対戦が終了していない限り(S106:NO)、ゲームサーバ20は、ノーマルDB213から試合ルールを定めている情報を読み取る(S107)。
【0133】
試合ルール(終了時変更)が「固定」に設定されている場合には(S108:YES)同じメンバーでの対戦が繰り返される。戦闘モードであったクライアントシステム1にゲームサーバ20は「同じ設定で戦うか?」等の問い合わせをする。この問い合わせに対し双方のクライアントシステム1が受諾をした場合に限り(S109:YES)、同じ組み合わせで再度の対戦が繰り返される(S104〜S108)。少なくともいずれか一方が受諾をしなかった場合には(S109:NO)、通信キャラクタの設定(S101)に移行する。ここで特定のキー操作を遊技者がすると、ゲームサーバ20は当該クライアントシステム1を作戦会議室(状態S30)に復帰させる。
【0134】
試合ルールが「固定」以外に設定されている場合には(S107:NO)、試合ルール上残留することになるクライアントシステム1がゲームサーバ20からの試合継続の問い合わせに対し受諾をする限り(S110:YES)、新たな組み合わせによる対戦処理が繰り返される(S104〜S110)。ゲームサーバ20は、試合をはずれることになるクライアントシステム1を観戦モードに移行させ、次のクライアントシステム1を戦闘モードに移行させる(S111)。
【0135】
例えば試合ルールが「DNA固定」になっていると、ゲームサーバ20はRNA側だったクライアントシステムを観戦モードに移行させ、観戦モードだったいずれかのクライアントシステムを対戦モードに移行させる。試合ルールが「RNA固定」になっていると、ゲームサーバ20は、DNA側だったクライアントシステムを観戦モードに移行させ、観戦モードだったいずれかのクライアントシステムを対戦モードに移行させる。試合ルールが「勝ちぬけ」になっていると、ゲームサーバ20は、勝った方のクライアントシステムを観戦モードに移行させ、観戦モードだったいずれかのクライアントシステムを対戦モードに移行させる。試合ルールが「負けぬけ」になっていると、ゲームサーバ20は、負けた方のクライアントシステムを観戦モードに移行させ、観戦モードだったいずれかのクライアントシステムを対戦モードに移行させる。デフォルトではこの「負けぬけ」が設定されるようになっている。
【0136】
なお、残留することになっているクライアントシステム1が対戦継続を拒否すると(S110:NO)、ゲームサーバ20は各クライアントシステム1を作戦会議室(S30)に移行させる。また次の対戦相手となるクライアントシステム1が通信キャラクタの設定で作戦会議室に戻ると、ゲームサーバ20は、さらに次のクライアントシステム1を戦闘モードに移行させる。
【0137】
最後の組み合わせによる対戦が終了したら(S105:YES)総ての対戦が終了しているので(S106:YES)、ゲームサーバ20は総てのクライアントシステム1を作戦会議室(状態S30)に戻す。
【0138】
その時、ゲームサーバ20は、階級判定を行う。すなわち、試合の戦闘形式が「実戦」に設定されている場合に、ゲームサーバ20は、対戦結果に基づいて当該対戦グループのメンバーの階級判定を行う。例えば所定の勝ち数に達したクライアントシステム1の階級を一つあげ、所定の負け数に達したクライアントシステム1の階級を一つ下げるなどのように判定する。また一定期間ゲームネットワークに接続しなかったクライアントシステムがある場合には、その階級を一つ下げる。階級に変更があったクライアントシステム1の個人情報中の対戦履歴情報をゲームサーバ20は更新する。
【0139】
階級に変更があった場合には、ゲームサーバ20は、作戦会議室に「辞令」のよな表示形式で階級変更があった旨を告知するウィンドウを表示させる。またゲームサーバ20は、階級変更があった場合に、ユーザDB210の対戦履歴情報に基づいてこの対戦履歴を表示するためのファイルを作成し、WWWサーバシステムの記憶領域に転送する。すなわちゲームサーバ20は、対戦履歴を表示するためのハイパーテキスト形式のファイルを作成し、インターネットに接続してWWWサーバ30のHTML記憶領域31にftpコマンドなどを利用して当該ファイルを転送する。これにより対戦履歴がコンピュータに閲覧可能な状態で格納されることになる。この対戦履歴を表示させるファイルは、定期的にゲームサーバ20がユーザDB210を検索して、ファイルの作成し転送するように設定しておくことが好ましい。
【0140】
このように実施形態1によれば、以下の利点がある。
【0141】
1)本実施形態によれば、単純なイージーロビーと熟達者向きのエキスパートロビーを任意に選択可能に提供したので、初心者と熟達者それぞれに適当なゲーム環境を提供できる。
【0142】
2)本実施形態によれば、簡易なイージーロビーから開始するように設定したので、知識の無い者がいきなりエキスパートロビーに入って混乱したり他の者の迷惑になったりすることを防止可能である。
【0143】
3)本実施形態によれば、必要なメニューをスタートメニューで選択するようにしたので、操作が単純で親しみやすくなっている。
【0144】
4)本実施形態によれば、自己紹介のコメントを各遊技者ごとに設定しそれを相手のシステムに表示するようにしたので、他の遊技者がその者の性格などを容易に知ることができる。
【0145】
5)本実施形態によれば、操作時に表示する掛け声などのクイックメッセージを操作ボタンに対応して他のシステムに表示するように構成したので、操作中の遊技者に負担をかけることなく、臨場感豊かな他者とのコミュニケーションを図ることができる。
【0146】
6)本実施形態によれば、会議室という形で対戦グループを任意のルールで設定可能に構成したので、遊技者主体の多彩な遊び方、多数の選択肢を遊技者に提供することが可能である。
【0147】
7)本実施形態によれば、対戦グループの状況を一覧表示するので、他者がその対戦グループの現状を容易に把握することができる。
【0148】
8)本実施形態によれば、各遊技者の対戦履歴を勝ち数や勝率などとともに表示するようにしたので、各メンバーの強さを用意に把握することができる。
【0149】
9)本実施形態によれば、遊技者間でチャットが自由に行えるので、遊技者同士のコミュニケーションを深めることができる。
【0150】
10)本実施形態によれば、複数の階層でチャットチャンネルが設けられているので、一般的なチャットから特定の者の間におけるチャットまで多彩なチャットを楽しむことができる。
【0151】
11)本実施形態によれば、対戦グループ内で対戦するもののほかの者が両者の試合を観戦することが可能になっているので、アミューズメントセンターにおいて友達同士で対戦ゲームをやったり見たりするのと同じく、楽しいゲーム環境を提供できる。
【0152】
12)本実施形態によれば、観戦中の者が対戦している者にチャットを送ることができるので、アミューズメントセンターにおいて友達同士で対戦ゲームを観戦しているかのような楽しいゲーム環境を提供できる。
【0153】
13)本実施形態によれば、新たな対戦組み合わせを多様な形態で実行できるので、ユーザにあった楽しいゲームの進め方を設定可能である。
【0154】
14)本実施形態によれば、属する対戦グループに制限することなく接続者のいずれにもメッセージを送信可能にしたので、楽しいコミュニケーション環境を提供することできる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2は、対戦グループ内でチーム戦を実施するための通信ゲームシステムに関する。
【0155】
本実施形態2におけるシステム構成、ハードウェア構成、全体的な処理手順および各クライアントシステムにおける動作は、実施形態1の図1乃至図3、図8およびそれに対応する説明と同様なので、その説明を省略する。
【0156】
本実施形態の「チーム戦」とは、同一グループ内を二つのサブグループに分けて勝敗を競う対戦モードを言う。サブグループの双方から選択されたクライアントシステム同士が対戦し、対戦の結果、負けた方のクライアントシステムが同一サブグループの他のクライアントシステムと交替し、勝った方のクライアントシステムと戦うようになる。
【0157】
「チーム戦作戦会議室」(チーム戦対戦グループ)は、図3の状態S12(図12)のメニューM2において、ホストとなるクライアントシステム1が「チーム戦」を選択することにより作成される。「チーム戦作戦会議室」を作成するクライアントシステム1は、状態S13の会議室作成において、戦闘形式、秒数、セット数、ステージ数を実施形態1と同様に定める。特にこの会議室を作成するクライアントシステム1は、図19に示すように当該対戦グループをDNA側とRNA側の二つのサブグループに分け、それぞれの中で戦闘の順番を定めた戦闘スケジュールを作成する必要がある。
【0158】
さて「チーム戦」に参加したいクライアントシステム1の遊技者は、エキスパートロビー作戦メニュー(図10)において、対戦モードが「チーム戦」になっている作戦名リストW3の作戦会議室アイコン上にカーソルを持っていく。ゲームサーバ20は、この作戦名情報に基づいてエキスパートロビーDB212を検索し、該当する「チーム戦」の対戦グループが格納されているチーム戦DB214を特定し、その詳細な情報を読み取ってクライアントシステム1に返送する。
【0159】
戦況報告ウィンドウW5(状態S20)において、遊技者により所定の操作(例えば「A」ボタン押下)がされると、ゲームサーバ20は、当該クライアントシステム1から選択中の対戦グループへの参加要求があったものと判断し、この対戦グループに当該クライアントシステム1を新たな参加者として登録する(S40)。すなわち当該対戦グループのグループ情報に参加を希望したクライアントシステム1の個人情報を新たに関係付けてチーム戦DB214を更新する。
【0160】
図19に、「チーム戦」対戦モードに参加しているクライアントシステム1に提供される画面表示例を示す。この「作戦会議室」は、その対戦グループを立ち上げた者(ホスト)かそれに参加したもののみに提供される。ゲームサーバ20は、チーム戦DB214から対応するレコードを読み取ることにより各表示を行う。
【0161】
タイトルウィンドウW1には、この対戦モードである「チーム戦」が示される。その下には、対戦中か否かを示す状況表示、この対戦グループの名称である作戦名、参加人数が表示される。チャットウィンドウW2やメンバーリストW8、試合ルールウィンドウW9については図16と同様である。ただし試合ルールウィンドウW9において、負けた方のクライアントシステム1の属するサブグループのメンバーが交替していくという試合ルールになっているので、「終了時変更」についての設定は存在しない。戦闘スケジュールウィンドウW11には、DNA側とRNA側に分かれて二つのサブグループのメンバーが氏名欄W111に戦闘順に表示されている。勝ち数表示欄W112には、当該チーム戦のメンバーごとの勝ち数がマーカーで示してある。組み合わせ表示W113には、どのような組み合わせで対戦が行われたかの表示がされる。成績表示W114ではサブチームごとの勝ち数、負け数、引き分け数が表示される。
【0162】
状態S40において、遊技者がカーソルをメンバーリストW8に表示されているいずれかのメンバー上に移動させると、ゲームサーバ20はそのメンバーに対応する個人情報をユーザDBから読み取り、プレイヤーデータウィンドウW7に表示させる(S43:図20)。このウィンドウについては図15におけるプレイヤーデータウィンドウと同じである。状態S40において、ホストであるクライアントシステム1の遊技者がコントロールパッド11のスタートボタンを押下した場合に限り、図11に示したものと同様のスタートメニューが表示される(S41)。ただし、スタートメニューM1に「試合のスタート」、「チーム戦戦闘スケジュールの変更」という項目が追加されている点で異なる。
【0163】
ホストであるクライアントシステム1にのみ試合ルールを変更する権限が与えられている。ホストの遊技者が「チーム戦戦闘スケジュールの変更」を選択すると、ゲームサーバ20は、スケジュール変更状態(S42)に移り当該ホストのクライアントシステム1に図21に示すようなチーム戦戦闘スケジュール変更ウィンドウW12を表示させる。このウィンドウでは、ホストのクライアントシステム1がメンバーリストW8から選択したメンバーをいずれかのサブグループ中で任意の順番に登録変更することが可能である。戦闘形式や秒数、セット数、ステージの各数値やルールについても選択により決定される。
【0164】
スタートメニューにおいてホストのクライアントシステム1の遊技者が「試合のスタート」を選択すると、ゲームサーバ20は、各クライアントシステム1を対戦モードに移す(S44)。
【0165】
チーム戦対戦モードにおける詳細な動作を図5に基づいて説明する。
【0166】
ゲームサーバ20は、戦闘スケジュールで最初の組み合わせに設定されているクライアントシステム1には戦闘モードに移行させるコマンドを、それ以外のクライアンシステム1には観戦モードに移行させるコマンドを送信する(S200)。後から当該会議室に参加してきたクライアントシステム1が存在する場合には、ゲームサーバ20は、当該システムを観戦モードで当該チーム戦に参加させる。
【0167】
戦闘モードに入るクライアントシステム1に対してゲームサーバ20は戦闘で表示させるキャラクタを指定させる(S201)。キャラクタは例えば複数の候補の中から選択させる。通信キャラクタの設定時にエスケープキーなど特定のキー操作を遊技者が指定すると(S202:YES)、永久ループから脱してエキスパートロビーに戻ることが可能である。
【0168】
通信キャラクタの設定が終了すると(S203:YES)、ゲームサーバは最初の組み合わせに設定されているクライアントシステム1に対戦を開始させるコマンドを送信する(S204)。戦闘モードおよび観戦モードにいる各クライアントシステム1とゲームサーバ20の動作は上記実施形態1と同様である。
【0169】
最初の組み合わせにおける戦闘が終了するまで(S205:NO)、対戦処理が続行される。対戦が終了した場合(S205:YES)、いずれかのサブグループにおいても階級が「大将」に設定されている者が負けていない限り(S206:NO)、チーム戦が続行される。すなわち、ゲームサーバ20は、負けた方のクライアントシステムを観戦モードに移行させ、その代わりにこのクライアントシステムの属するサブグループで次の順番に設定されているクライアントシステムを対戦モードに移行させ(S207)、新たなクライアントシステムの氏名と勝ち残ったクライアントシステムの氏名との間に組み合わせ表示W113の線を描画させる。また勝ち残ったクライアントシステムの勝ち数表示W112においてマーカーの数を増加させる。そして引き続き通信キャラクタの設定以降の処理(S201〜S207)を繰り返す。
【0170】
いずれかのサブグループの「大将」が負けた場合(S206:YES)、ゲームサーバ20は、当該チーム戦の結果を各クライアントシステム1に報知する(S208)。ゲームサーバ20は、サブグループにおける成績表示W114を対戦結果に応じて更新させる。
【0171】
なお、階級判定については実施形態1と同様に、対戦結果表示に前後してゲームサーバ20が実行する。対戦履歴のWWWサーバへのアップロードも実施形態1と同様にして行う。
【0172】
このように実施形態2によれば、実施形態1と同様の効果を奏するほか、チーム戦を実行可能に構成してあるので、遠隔地の遊技者同士がチームで戦うといったユニークな遊び方を提供可能である。
(実施形態3)
本発明の実施形態3は、対戦グループ内で総当り戦を実施するための通信ゲームシステムに関する。 本実施形態3におけるシステム構成、ハードウェア構成、全体的な処理手順および各クライアントシステムにおける動作は、実施形態1の図1乃至図3、図8およびそれに対応する説明と同様なので、その説明を省略する。
【0173】
本実施形態の「総当り戦」とは、同一グループ内で一のクライアントシステムが他の総てのクライアントシステムと対戦するように順序だてた対戦モードをいう。一の組み合わせによる対戦が終了した場合に、各クライアントシステムが未だ対戦していないクライアントシステムであって対戦中でない他のクライアントシステムを、各クライアントシステムに対する次の対戦の組み合わせとして決定するものである。
【0174】
「総当り戦作戦会議室」(総当たり戦対戦グループ)は、図3の状態S12(図12)のメニューM2において、ホストとなるクライアントシステム1が「総当り戦」を選択することにより作成される。「総当たり戦作戦会議室」を作成するクライアントシステム1は、状態S13の会議室作成において、戦闘形式、秒数、セット数、ステージ数を実施形態1と同様に定める。特にこの会議室では、ゲームサーバ20が同時に複数の組み合わせのクライアントシステム1に対し対戦を実施させるので、ホストのクライアントシステム1は、当該総当たり戦に参加するメンバーを当該対戦グループ中から参加メンバーリストに登録しておく。
【0175】
「総当り戦」に参加したいクライアントシステム1の遊技者は、エキスパートロビー作戦メニュー(図10)において、対戦モードが「総当り戦」になっている作戦名リストW3の作戦会議室アイコン上にカーソルを持っていく。ゲームサーバ20は、この作戦名情報に基づいてエキスパートロビーDB212を検索し、該当する「総当り戦」の対戦グループが格納されている総当たり戦DB215を特定し、その詳細な情報を読み取ってクライアントシステム1に返送する。戦況報告ウィンドウW5(状態S20)において、遊技者により所定の操作(例えば「A」ボタン押下)がされると、ゲームサーバ20は、当該クライアントシステム1から選択中の対戦グループへの参加要求があったものと判断し、この対戦グループに当該クライアントシステム1を新たな参加者として登録する(S50)。すなわち当該対戦グループのグループ情報に参加を希望したクライアントシステム1の個人情報を新たに関係付けて総当り戦DB215を更新する。
【0176】
図23に、「総当り戦」対戦モードに参加しているクライアントシステム1に提供される画面表示例を示す。この「作戦会議室」は、その対戦グループを立ち上げた者(ホスト)かそれに参加したもののみに提供される。ゲームサーバ20は、総当り戦DB215から対応するレコードを読み取ることにより各表示を行う。
【0177】
タイトルウィンドウW1には、この対戦モードである「総当り戦」が示される。その下には、対戦中か否かを示す状況表示、この対戦グループの名称である作戦名、参加人数が表示される。チャットウィンドウW2やメンバーリストW8、試合ルールウィンドウW9については図16と同様である。ただし試合ルールウィンドウW9において、総当りが試合ルールになっているので、「終了時変更」についての設定は存在しない。参加メンバーウィンドウW12には、ホストのクライアントシステム1によって割り当てられた戦闘参加メンバーのリストが表示される。参加メンバーウィンドウW13の冒頭部W131には、当該総当たり戦の戦闘参加人数、戦闘開始時刻、戦闘終了時刻などが表示される。氏名欄W132には、戦闘参加メンバーの氏名が表示される。勝ち数欄W133には、現在までの各メンバーの勝ち数が表示される。成績欄W134には、成績が優秀な参加メンバーについて上位から一定の順位まで星印が付される。
【0178】
プレイヤーデータウィンドウについては、実施形態1や2と同様に表示可能である。
【0179】
状態S50において、ホストであるクライアントシステム1の遊技者がコントロールパッド11のスタートボタンを押下した場合に限り、図11に示したものと同様なスタートメニューが表示される(S51)。ただし、スタートメニューM1に「試合のスタート」、「総当たり戦参加メンバーの登録」という項目が追加されている点で異なる。
【0180】
ホストであるクライアントシステム1にのみ試合ルールを変更する権限が与えられている。ホストの遊技者が「総当たり戦参加メンバーの登録」を選択すると、ゲームサーバ20は、参加メンバー登録状態(S52)に移り当該ホストのクライアントシステム1に図23に示すような総当たり戦参加メンバー登録ウィンドウW13を表示させる。このウィンドウでは、ホストのクライアントシステム1がメンバーリストW8から選択したメンバーを総当たり戦戦闘参加メンバーリストのいずれかの欄に登録変更することが可能である。戦闘形式や秒数、セット数、ステージの各数値やルールについても選択により決定される。
【0181】
スタートメニューにおいてホストのクライアントシステム1の遊技者が「試合のスタート」を選択すると、ゲームサーバ20は、各クライアントシステム1を対戦モードに移す(S54)。
【0182】
総当たり戦対戦モードにおける詳細な動作を図6に基づいて説明する。
【0183】
ゲームサーバ20は、戦闘参加メンバーとして登録されているメンバーを複数の組に適当に分けてそのクライアントシステム1に戦闘モードに移行させるコマンドを送信する(S300)。参加メンバー数が奇数であり、最初の対戦から漏れたクライアントシステム1およびそれ以外のクライアンシステム1に対し、ゲームサーバ20は、観戦モードに移行させるコマンドを送信する。後から当該会議室に参加してきたクライアントシステム1が存在する場合には、ゲームサーバ20は、当該システムを観戦モードで当該総当り戦に参加させる。
【0184】
戦闘モードに入るクライアントシステム1に対してゲームサーバ20は戦闘で表示させるキャラクタを指定させる(S301)。キャラクタは例えば複数の候補の中から選択させる。通信キャラクタの設定時にエスケープキーなど特定のキー操作を遊技者が指定すると(S302:YES)、永久ループから脱してエキスパートロビーに戻ることが可能である。
【0185】
通信キャラクタの設定が終了すると(S303:YES)、ゲームサーバは最初の対戦の組み合わせに割り振られたクライアントシステム1に対戦を開始させるコマンドを送信する(S304)。戦闘モードおよび観戦モードにいる各クライアントシステム1とゲームサーバ20の動作は上記実施形態1と同様である。
【0186】
最初の組み合わせにおける戦闘が終了するまで(S305:NO)、対戦処理が続行される。対戦が終了した場合(S305:YES)、総ての対戦が終了していない限り(S306:NO)、総当たり戦が続行される。すなわち、ゲームサーバ20は、最初の対戦の成績を勝ち数欄W133と成績欄W134に記録してから、最初の対戦の勝敗を考慮することなく各クライアントシステム1と未対戦の参加メンバーとを対戦させる。その組み合わせの決め方には限定がない。参加リスト順に分けて良いが、先に対戦が終了した者の方から組み合わせを決め、他の組の対戦終了を待たずに次の戦闘を開始させた方が、時間のロスが少ないので好ましい。既に他の総ての参加メンバーと対戦したクライアントシステム1が出たら、ゲームサーバ20は、これに観戦モードに移行させるコマンドを送信する(S307)。勝ち数と成績は対戦が終了するたびに更新されていく。
【0187】
総ての戦闘参加メンバーについて総当りが終了した場合(S306:YES)、ゲームサーバ20は、当該総当り戦の結果を各クライアントシステム1に報知する(S308)。ゲームサーバ20は、戦闘参加メンバーの勝敗を、図24に示すような勝ち星表W15の形式で表示する。
【0188】
なお、階級判定については実施形態1と同様に、対戦結果表示に前後してゲームサーバ20が実行する。対戦履歴のWWWサーバへのアップロードも実施形態1と同様にして行う。
【0189】
このように実施形態3によれば、実施形態1と同様の効果を奏するほか、総当り戦を実行可能に構成してあるので、遠隔地の遊技者同士が総て戦った上でゲーム操作の優劣を競いあうといったユニークな遊び方を提供可能である。
(実施形態4)
本発明の実施形態4は、対戦グループ内でトーナメント戦を実施するための通信ゲームシステムに関する。本実施形態4におけるシステム構成、ハードウェア構成、全体的な処理手順および各クライアントシステムにおける動作は、実施形態1の図1乃至図3、図8およびそれに対応する説明と同様なので、その説明を省略する。
【0190】
本実施形態の「トーナメント戦」とは、同一グループ内においていわゆる勝ち抜き戦形式で対戦する対戦モードである。ゲームサーバ20が予めトーナメント用のグループ情報を参照して対戦する組み合わせを設定しておき、この組み合わせによる対戦を下層から始めその対戦の勝者となったクライアントシステム同士を次の対戦の組み合わせとして決定し、最終的に一の勝者を決定するものである。
【0191】
「トーナメント戦戦闘会議室」(トーナメント戦対戦グループ)は、図3の状態S12(図12)のメニューM2において、ホストとなるクライアントシステム1が「トーナメント戦」を選択することにより作成される。「トーナメント作戦会議室」を作成するクライアントシステム1は、状態S13の会議室作成において、戦闘形式、秒数、セット数、ステージ数を実施形態1と同様に定める。特にこの会議室では、ホストのクライアントシステム1は、当該トーナメント戦に参加する戦闘参加メンバーの中でトーナメントの組み合わせを設定していく。
【0192】
「トーナメント戦」に参加したいクライアントシステム1の遊技者は、エキスパートロビー作戦メニュー(図10)において、対戦モードが「トーナメント戦」になっている作戦名リストW3の作戦会議室アイコン上にカーソルを持っていく。ゲームサーバ20は、この作戦名情報に基づいてエキスパートロビーDB212を検索し、該当する「トーナメント戦」の対戦グループが格納されているトーナメント戦DB216を特定し、その詳細な情報を読み取ってクライアントシステム1に返送する。戦況報告ウィンドウW5(状態S20)において、遊技者により所定の操作(例えば「A」ボタン押下)がされると、ゲームサーバ20は、当該クライアントシステム1から選択中の対戦グループへの参加要求があったものと判断し、この対戦グループに当該クライアントシステム1を新たな参加者として登録する(S60)。すなわち当該対戦グループのグループ情報に参加を希望したクライアントシステム1の個人情報を新たに関係付けてトーナメント戦DB216を更新する。
【0193】
図25に、「トーナメント戦」対戦モードに参加しているクライアントシステム1に提供される画面表示例を示す。この「作戦会議室」は、その対戦グループを立ち上げた者(ホスト)かそれに参加したもののみに提供される。ゲームサーバ20は、トーナメント戦DB216から対応するレコードを読み取ることにより各表示を行う。
【0194】
タイトルウィンドウW1には、この対戦モードである「トーナメント戦」が示される。その下には、対戦中か否かを示す状況表示、この対戦グループの名称である作戦名、参加人数が表示される。チャットウィンドウW2やメンバーリストW8、試合ルールウィンドウW9については図16と同様である。ただし試合ルールウィンドウW9において、トーナメントが試合ルールになっているので、「終了時変更」についての設定は存在しない。戦闘スケジュールウィンドウW16には、ホストのクライアントシステム1によって決定された戦闘参加メンバーのトーナメント組み合わせ表が表示される。戦闘スケジュールウィンドウW16の冒頭部W161には、当該トーナメント戦の戦闘参加人数、戦闘開始時刻、戦闘終了時刻などが表示される。氏名欄W163には、戦闘参加メンバーの氏名が表示される。組み合わせ表示欄W162には、戦闘参加メンバーの組み合わせが線図形式で表示される。勝ち残っている参加メンバーの経路が切れ目のない太線または色分けで表示されるようになっている。
【0195】
プレイヤーデータウィンドウについては、実施形態1や2と同様に表示可能である。 状態S60において、ホストであるクライアントシステム1の遊技者がコントロールパッド11のスタートボタンを押下した場合に限り、図11に示したものと同様なスタートメニューが表示される(S61)。ただし、スタートメニューM1に「試合のスタート」、「トーナメント戦参加メンバーの登録」という項目が追加されている点で異なる。
【0196】
ホストであるクライアントシステム1にのみ試合ルールを変更する権限が与えられている。ホストの遊技者が「トーナメント戦参加メンバーの登録」を選択すると、ゲームサーバ20は、参加メンバー登録状態(S62)に移り当該ホストのクライアントシステム1に図26に示すようなトーナメント戦参加メンバー登録ウィンドウW17を表示させる。このウィンドウでは、ホストのクライアントシステム1がメンバーリストW8から選択したメンバーをトーナメント戦の戦闘スケジュールウィンドウW16のいずれかの名称欄W163に登録変更することが可能である。戦闘形式や秒数、セット数、ステージの各数値やルールについても選択により決定される。
【0197】
スタートメニューにおいてホストのクライアントシステム1の遊技者が「試合のスタート」を選択すると、ゲームサーバ20は、各クライアントシステム1を対戦モードに移す(S64)。
【0198】
トーナメント戦対戦モードにおける詳細な動作を図7に基づいて説明する。
【0199】
ゲームサーバ20は、トーナメント戦の最初の組み合わせで対戦することになっている戦闘参加メンバーのクライアントシステム1に戦闘モードに移行させるコマンドを送信する(S400)。戦闘に参加していない対戦メンバーのクライアンシステム1に対し、ゲームサーバ20は、観戦モードに移行させるコマンドを送信する。後から当該会議室に参加してきたクライアントシステム1が存在する場合には、ゲームサーバ20は、当該システムを観戦モードで当該トーナメント戦に参加させる。
【0200】
戦闘モードに入るクライアントシステム1に対してゲームサーバ20は戦闘で表示させるキャラクタを指定させる(S401)。キャラクタは例えば複数の候補の中から選択させる。通信キャラクタの設定時にエスケープキーなど特定のキー操作を遊技者が指定すると(S402:YES)、永久ループから脱してエキスパートロビーに戻ることが可能である。
【0201】
通信キャラクタの設定が終了すると(S403:YES)、ゲームサーバはトーナメント戦の組み合わせに従って第1回戦の組み合わせのクライアントシステム1同士に対戦を開始させるコマンドを送信する(S404)。戦闘モードおよび観戦モードにいる各クライアントシステム1とゲームサーバ20の動作は上記実施形態1と同様である。
【0202】
第1回戦が終了するまで(S405:NO)、対戦処理が続行される。その回戦が終了した場合(S405:YES)、決勝戦が終了していない限り(S406:NO)、次の勝ち抜き対戦に移行する。すなわち、ゲームサーバ20は、一回戦で勝ち残ったクライアントシステム1の第2回戦の位置まで経路を特定の表示態様で表示する。ゲームサーバ20は、第2回戦において第1回戦で勝ち残った者同士が対戦するように、戦闘モードに移行させるコマンドを送信し、第1回戦で破れたクライアントシステムに観戦モードに移行させるコマンドを送信する(S407)。このような処理(S401〜S407)を決勝戦が終了するまで繰り返す。
【0203】
決勝戦が終了した場合(S406:YES)、ゲームサーバ20は、当該トーナメント戦の結果を各クライアントシステム1に報知する(S408)。すなわち、ゲームサーバ20は優勝者や準優勝者を称えるような表示をトーナメント戦作戦会議室(図25)上で行う。
【0204】
なお、階級判定については実施形態1と同様に、対戦結果表示に前後してゲームサーバ20が実行する。特に優勝者や準優勝者に対しては階級の進級度合いを多くしてもよい。対戦履歴のWWWサーバへのアップロードも実施形態1と同様にして行う。
【0205】
このように実施形態4によれば、実施形態1と同様の効果を奏するほか、トーナメント戦を実行可能に構成してあるので、遠隔地の遊技者同士が新の強者を競い合えるといったユニークな遊び方を提供可能である。
(実施形態1〜4に関わる変形例)
本発明は上記実施形態に拘束されることなく種々に変形して適用することが可能である。例えば、上記実施形態では、ノーマル、チーム戦、総当たり戦、トーナメント戦という典型的なスポーツの対戦形式を適用していたが、他の対戦形式を適用可能に構成してもよい。
【0206】
また、上記実施形態では対戦グループの中から参加メンバーを定めていたが、総ての接続者に対し本発明の対戦モードによる戦いを提供しても良い。ゲームサーバの呼びかけである時期に接続しており参加申し込みをしたクライアントサーバに対し、本発明の対戦環境を提供するのである。特にチーム戦では、特定のカテゴリー同士の対戦、例えば東西対決のようなことが可能である。またトーナメント戦では、全国大会が開催できるので、好ましい。
【0207】
また、上記形態では、対戦グループ内における対戦の組み合わせを決定する場合に階級による判断をしなかったが、各クライアントシステムの対戦履歴情報から判断される強さの程度によって組み合わせの可否を決定するように構成しても良い。すなわち、あまりにも階級が離れすぎている者同士が対戦するのでは勝敗が明らかなので、ゲームサーバが対戦を禁止するということが考えられる。
【0208】
また対戦グループ内における対戦の組み合わせを決定する場合に、各クライアントシステムに対戦履歴情報に基づいてハンディキャップを設定してもよい。このようにすれば、均等な力関係で対戦が可能になるため公平性が保てる。ハンディキャップが設定された組み合わせにおける対戦の場合に、上記模擬対戦のように対戦の結果による階級変更を禁止するように構成しても良い。
【0209】
また振動を発生させる処理は、ゲームサーバからのコマンドに基づいてクライアントシステムが行っていたが、クライアントシステムが所定の操作条件になっていたら独自に振動発生手段を駆動するように構成しても同様の効果が得られる。
【0210】
すなわち、データベースの構成やゲームサーバシステムとクライアントシステムとの役割分担についてはシステムに応じて自由に構成を組み替える設計変更が容易であり、上記実施形態に限定されることはない。
【0211】
(実施形態5)
次いで、本発明に係る実施形態5を図27〜35に基づき説明する。
【0212】
この実施形態に係る通信ゲームシステムは、キャラクタの選択処理に特徴を有し、この選択処理の構成は上述した実施形態1〜4に適用可能なものである。
【0213】
なお、本実施形態5におけるシステム構成及び全体的な処理手順は、大略、前述した各実施形態のものと同等であるので、それらの説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。相違する主な部分は、各クライアントシステムにおけるキャラクタ選択処理である。
【0214】
このキャラクタ選択処理を実行するために、本実施形態に係る各クライアントシステム1は、図27に示すコントロールパッド11を備えている。
【0215】
このコントロールパッド11は、各遊技者が操作する手動操作器としての構成を備えており、操作部として操作ボタン群301、十字キー302、アナログ方向キー303、Rトリガースイッチ304などを備え、コネクタPを備えた接続コード305でゲーム機本体11と接続可能になっている。
【0216】
この内、例えば操作ボタン群301の各ボタンには、例えば前述した実施形態1で説明したクイックメッセージが割り当てられている。このため、遊戯者がゲーム中にこの操作ボタン群301の所望のボタンをワンタッチで操作するだけで、そのボタンに割り当てられているクイックメッセージのデータをゲーム機本体11に送ることができる。クイックメッセージはゲームネットワーク40を介して、対戦相手や観戦者のクライアントシステムに伝送され、それらのモニタ12のゲーム画面に重畳表示される。
【0217】
コントロールパッド11は、上述した各種の操作部(301〜304など)が操作されたとき、図28で示すフォーマットでパッドデータをゲーム機本体10に出力するようになっている。すなわち、全部の16ビットのパッドデータから成り、0〜13ビットがパッドやスティックなどの操作部の操作状態に割り当てられている。14ビットは、使用デバイスがツインスティックかパッドかを表す。最終の15ビットは、後述するキャラクタ選択時のカスタム選択モードの終了を通知するビットに割り当てられている。通常は、15ビット=0であり、カスタム選択モードの終了を通知するときには、15ビット=1に設定される。
【0218】
さらに、コントロールパッド11には外部記録媒体としての携帯型のカードメモリ306を着脱自在に装着可能になっている。カードメモリ306の接続ポートPTは、図27には図示されていないが、1つのコントロールパッド11に2箇所用意されている。また、ゲーム機本体11には、図27に示す如く、コントロールパッド11を接続する4箇所のポートA〜Dが用意されている。このため、ゲーム機本体11に最大4個のコントロールパッド11を接続でき、そのとき最大で8枚のメモリカード306を稼動させることができる。
【0219】
このメモリカード306は、本実施形態では、後述するキャラクタ選択時にカスタマイズされた(カスタムメード)キャラクタのデータを記憶するのに用いられる。カスタマイズされたキャラクタとは、遊戯者が、各クライアントシステム1に予めデフォルトとして用意されているキャラクタを、そのパーツの形状は変えないで、パーツの色や輝度を好みに応じて変更したものである。つまり、各クライアントシステム1に対して最大で8枚のメモリカード、すなわち8個のカスタマイズされたキャラクタデータを持つことができる。
【0220】
このメモリカード306をコントロールパッド11のポートに接続しておくことで、ゲーム機本体10は、メモリカード306からカスタマイズされたキャラクタのデータを読み出し、自己システムのRAMにロードするとともに、ゲームネットワーク40を介して相手のクライアントシステム1に転送することができる。
【0221】
なお、メモリカード306はCD−ROMなどの、そのほかの記録媒体によって、カスタマイズされたキャラクタデータをゲーム機本体10にロードするようにしてもよい。
【0222】
図29〜31は、各クライアントシステム1で実行される処理であり、前述した実施形態1では図8に対応する。
【0223】
具体的には、図29,30に示すように、各クライアントシステム1のゲーム機本体10は、操作信号を読み取り(S599)、通信開始を示す操作内容であるか否かを検査する(S600)。通信開始でない場合には(S600:NO)、独立モードであり、通常のスタンドアローンのゲーム装置としての処理を続行する(S601)。
【0224】
一方、通信開始を示している場合には(S600:YES)、ゲーム機本体10は、同期モードの通信を行うため、接続を確立するための一般的手順を実行する。すなわち、ゲーム機本体10は、予め登録されているサーバを選択し呼び出し、接続後にハンドルネーム、ID、パスワードなどの必要情報を送信する(S602)。接続できない場合には、処理装置は通常のエラー処理としてその旨表示して復帰する。
【0225】
接続確立後、ゲーム機本体10はメインメニューを表示させ(S603)、さらにゲームネットワーク40からの送信コマンドを読み込み、これを所定のコマンド規約に基づき解釈する。(S604,605)。
【0226】
この後、コマンドがイージーロビー(簡易対戦モード)作戦ウィンドウ表示を示している場合には(S606:YES)、ゲーム機本体10は、イージーロビー作戦ウィンドウという基本画面(前述した図9参照)を表示させる(S607)。さらに、ゲーム機本体10は後述する如く、キャラクタ選択を実行する(S608:図31参照)。
【0227】
同様に、コマンドがエキスパートロビー(熟達対戦モード)作戦ウィンドウ表示を示している場合には(S609:YES)、ゲーム機本体10は、エキスパートロビー作戦ウィンドウという基本画面を表示させる(S610)。さらに、ゲーム機本体10は後述する如く、キャラクタ選択を実行する(S611:図31参照)。
【0228】
ここでいうエキスパートロビー作戦ウィンドウには、基本画面(前述した図10等参照)の他に、各種ウィンドウ表示(前述した図11〜図26)も含まれるものとする。これら基本画面は、クライアントシステムに保存されている画像データに基づいて表示されるものである。ただし、ゲームサーバシステム2においてこれら作戦ウィンドウを表示させるためのハイパーテキスト形式のファイルを格納しておき、適時にこれをクライアントシステムに提供し、ハイパーテキスト閲覧用ブラウザの機能に基づいて表示させるように構成してもよい。
【0229】
また、コマンドが対戦モードへの移行を示している場合には(S612:YES)、ゲーム機本体10は、これら画面表示に代えて当該クライアントシステム内の画像データ等に基づき対戦処理を実行する(S613)。
【0230】
続いて、ゲーム機本体10は、コントロールパッド11から操作信号が供給された場合(S614:YES)、その操作信号を読み取り(S615)、予め定められたコマンド規約にしたがってコマンド化してゲームネットワーク40に送出する(S616)。
【0231】
さらに、読み取った操作信号の中にコントロールパッド11の操作ボタンをワンタッチで操作することで出力されるクイックメッセージの情報が含まれている場合、ゲーム機本体10はその情報をコマンド化してゲームネットワーク40を介してゲームサーバシステム2に送出する(S617)。このクイックメッセージは、ゲームサーバシステム2により、対戦者及び観戦者の全てのクライアントシステム1に通知される。
【0232】
さらにまた、その操作信号の中に観戦中のクライアントシステム1に対する視点変更の情報が含まれている場合、ゲーム機本体10はゲーム空間における仮想カメラの視点をその情報に応じて変更し、その位置から投影したゲーム空間の画像化処理を自己システムにおいて指令する(S618)。つまり、カメラ視点の変更は、観戦しているクライアントシステム1のみにおいて、個々に有効に機能する。
【0233】
また、ゲームネットワーク40からコマンドが送信された場合には(S619:YES)、ゲーム機本体10はこれを読み取ってコマンド規約に基づき解釈する(S620)。
【0234】
次いで、ゲーム機本体10は、コマンドとしてチャット情報が送られてきている場合には、そのチャット情報に基づいて文字情報をモニタ12の画面に表示する(S621)。本実施形態では、このチャット情報は、観戦中のクライアントシステム1全てに通信されるようになっているが、特定の観戦中のクライアントシステム1同士でチャット情報を交換し合うように構成してもよい。なお、対戦中のクライアントシステム1は、かかる情報を受け取っても、これを廃棄するようになっており、対戦者の気持ちがチャット情報により散漫にならないようにしている。
【0235】
また、コマンドとして振動させるコマンドが送られてきている場合には、ゲーム機本体はコントロールパッド11の振動発生手段111を振動させる処理を行なう(S622)。
【0236】
ゲーム機本体10は、エスケープ等の特別の操作をしない限り復帰しない永久ループ処理をステップS604〜S622を巡って実行する。
【0237】
次に、図31に基づき、上述したキャラクタの選択ルーチンを説明する。
【0238】
ゲーム機本体10は、遊戯者に自分のキャラクタを選択させるため、通常選択モード(第1の選択モード)に対する通常キャラクタ選択画面GM1を初期画面として表示させる(S701:図32)。この画面表示は、対戦が組まれている双方のクライアントシステム1間で行なわれるため、双方の遊戯者はキャラクタ選択に関して最初は共通の画面GM1を見ることになる。双方の遊戯者がこの画面GM1を見ながら後述する画面上のキャラクタボタンを選択しつつ、所望のキャラクタを指定する。
【0239】
この通常キャラクタ選択画面GM1は、図32に示す如く、その中央部付近から上側に掛けて、通常モード用に予めデフォルトとしてゲーム機本体10又はゲームサーバシステム2に格納されている通常のキャラクタ(以下、通常キャラクタと呼ぶ)を選択するためのボタンB1〜B11と、ランダムモード用にキャラクタを選択するボタン:「ランダム」B12と、カスタムモード用にキャラクを選択するための2つのボタン:「カスタム」B13及び「カスタムロード」B14とを有する。なお、この通常キャラクタ選択画面GM1には、自分からのメッセージ及び相手からのメッセージを表示するメッセージウィンドウM1,M2の他、必要なゲーム情報を表示するウィンドウが設定されている。
【0240】
なお、この通常キャラクタ選択画面GM1は、通常キャラクタを選択するために用いることは勿論だが、ランダムモード及びカスタムモードのキャラクタを選択するためのボタン画面も兼ねている。
【0241】
ボタンB1〜B11は、通常モード時に指定されるボタンである。これらのボタンは、予めデフォルトとして設定されている、全クライアントシステム1に共通のキャラクタ選択ボタンであり、いずれかのボタンを後述するようにカーソルで単純に選択することで、そのキャラクタを指定できる。ここでは、11種類のキャラクタ(対戦ゲーム用の機体)から所望のキャラクタを選択できる。
【0242】
また、ボタンB12(「ランダム」)は、ランダムモード時に指定されるボタンである。このボタンB12が指定されると、クライアントシステム1のゲーム機本体10のCPU側で自動的にキャラクタを用意する。
【0243】
さらに、2つのボタンB13及びB14(「カスタム」及び「カスタムロード」)は、カスタムモード時に選択的に指定されるボタンである。未だ、キャラクタデータをロードしていない状態で、これらの何れかのボタンが指定されると、前述したコントロールパッド11に装着されているメモリカード306からカスタマイズされたキャラクタデータがロードされる手順に入る。
【0244】
次いで、ゲーム機本体10は現在、通常キャラクタ選択画面MG1に置かれている1Pカーソル(自分のキャラクタ選択カーソル)及び2Pカーソル(相手のキャラクタ選択カーソル)の位置を算出する(S702)。このカーソル位置は、前述したパットデータとして生成され、ゲームサーバシステム2を介して相手方に送られる。このカーソル位置は、コントロールパッド11を操作することで任意に変更できる。自分の1Pカーソルはそのまま自分の通常キャラクタ選択画面MG1に、例えば緑色のフレームとしてボタンB1〜B14の周りに表示される。対戦相手の2Pカーソルのデータはゲームネットワーク40を介して送られてきて、自分の通常キャラクタ選択画面MG1に、例えば赤色のフレームとしてボタンB1〜B14の周りに表示される。
【0245】
図32に例示した通常キャラクタ選択画面MG1の状態では、ボタンB14の「カスタムロード」に自分の1Pカーソルが置かれ、一方、ボタンB3に相手の2Pカーソルが置かれている。
【0246】
そこで、ゲーム機本体10は、自分の1Pカーソルが示す画面上の位置に基づいて「カスタムロード」又は初めての「カスタム」が指定されているか否かが判断される(S703)。
【0247】
そして、この判断で「カスタムロード」又は初めての「カスタム」が指定されていると分かると、カスタムデータ選択画面GM2を表示させる(S704:図32参照)。このカスタムデータ選択画面GM2は、図33に例示する如く、ゲーム機本体10の4個のポートA〜Dの記号と、各ポートに所属するメモリカード306を模したウィンドウA1,A2,B1,…,D1,D2とを提示している。しかも、実際にメモリカード306が装着されている個所を示すウィンドウは輝度を上げて表示されている(図33では斜線で示す)。いまの場合、図33は、ゲーム機本体10のポートBに接続されているコントロールパッド11のポートB1,B2にメモリカード306がそれぞれ装着されていること示している。
【0248】
そこで、ゲーム機本体10はコントロールパッド11のボタンを介して所望のメモリカード306を指定させる(図31:S705)。つまり、いまの例の場合、ポートB1,B2の何れかのメモリカード306が指定される。この指定がなされると、指定ポートのメモリカード306からキャラクタデータがゲーム機本体10にロードされる(S706)。ステップS704〜S706の処理がカスタムモード処理に相当する。この後、画面は通常キャラクタ選択画面GM1に戻される(S707)。
【0249】
一方、前記ステップS703でNOの判断の場合、ゲーム機本体10は、ボタン選択が、一度「カスタムロード(ボタンB14)」を行った後の「カスタム(ボタンB13)」の状態か否かを判断する(S708)。この場合は、カスタマイズした所望のキャラクタデータが既にゲーム機本体10のRAMにロードされている状態であるから、ステップS704〜S706のカスタムモード処理を省略する。
【0250】
つまり、「カスタムロード(ボタンB14)」及び「カスタム(ボタンB13)」は共にカスタムモードを指定するときに用いるが、「カスタム(ボタンB13)」の方は、カスタマイズされたキャラクタデータが既にロードされているときに、その同一キャラクタに対する再設定を簡単にワンタッチで行わせることができる。ただし、カスタマイズされたキャラクタデータが未だロードされていない新規指定のときには、「カスタムロード(ボタンB14)」及び「カスタム(ボタンB13)」の何れを操作した場合でも、ステップS704〜S707のカスタムモード処理を含む処理が新たに実行される(S703)。
【0251】
次いで、ステップS708でNOの判断の場合、ゲーム機本体10は、選択ボタンがB12の「ランダム」か否かを判断する(S709)。これにより「ランダム」の指定であると判断されると、コンピュータ側が自動的に設定したキャラクタを提示するなどの適宜なランダムモード処理が行われ(S710)、そのキャラクタデータがゲーム機本体10のVRAMにロードされる。
【0252】
一方、ステップS708でNOの判断が出た場合、ゲーム機本体10は選択されているボタンは通常モード用の何れかである。例えば図32の場合、ボタンB1〜B11の何れかである。そこで、ゲーム機本体10は、指定ボタンを判別し、そのボタンに割り当てられている通常キャラクタのデータを自分のVRAMにロードする処理(通常モード処理)を実行する(S711)。
【0253】
以上のようにキャラクタ選択がなされるのと並行して、ゲーム機本体10の通信装置101によってゲームネットワーク40を介してゲームサーバシステム2と同期通信が双方向で定期的に行われている。
【0254】
このため、ステップS702で算出される画面GM1上のカーソル位置情報及び自分のVRAMにロードされたキャラクタデータがゲームネットワーク40を介してゲームサーバシステム2に送信される。このキャラクタデータは相手方のクライアントシステム1に送られて格納され、その後の対戦に伴うゲーム画面の表示に用いられる。反対に、相手方のクライアントシステム1がゲームネットワーク40を介してゲームサーバシステム2の制御の元に送ってきたキャラクタデータ及び情報も、随時、定期的に自分のゲーム機本体10の通信装置101によって受信され、ゲーム機本体10にダウンロードされる。
【0255】
そこでゲーム機本体10は、この受信情報の中に含まれる通常キャラクタ選択画面MG1上のカーソル位置に基づき、現在、相手方のクライアントシステムはカスタムモード用のキャラクタデータ(カスタムデータ)又はランダムモード用のキャラクタデータ(ランダムデータ)を選択している最中か否かを判断する(S721)。この判断がNOのときは、続いてカスタムデータ又はランダムデータを選択開始したか否かを、同じくカーソル位置情報に基づき判断する(S722)。この判断もNOとなるときは、通常モードの指定であることが分かるので、ゲーム機本体10は通常モードの画面表示処理を指令する(S723)。
【0256】
この通常モードの画面表示処理の場合、相手方が選択しているキャラクタは通常キャラクタであるから、そのカーソル位置に応じたボタンに2Pカーソルの位置を合わせる処理を指令する。
【0257】
これに対し、ステップS722でYESとなるときは、いま相手方でカスタムデータ又はランダムデータの選択が開始されたことを示す。すなわち、ボタン「ランダム」、「カスタムロード」、又は「カスタム」が指定されたその時である。このため、ゲーム機本体10は、この後に受信されるカーソル位置(パットデータ)の読み捨て処理を指令する(S724)。すなわち、パットデータは読み込むけれども、表示処理には付さずに、そのまま破棄する処理(すなわち無効化処理)を指令する。
【0258】
次いで、ゲーム機本体10は、破棄したパットデータの代わりに、破棄処理開始直前まで使っていたカーソル位置(パットデータ)に置き換えるカスタムモードの表示画面処理を指令する(S725)。したがって、カーソル位置の破棄が続いている間、つまり、相手方のランダムモード又はカスタムモードに対する選択処理が続いている間は、後述するステップS726の判断による助力も得て、通常キャラクタ選択画面MG1上に表示される相手方の2Pカーソルの位置は変わらない。
【0259】
さらに、ゲーム機本体10はカスタムデータ又はランダムデータの選択が終了したか否かを、前述したパットデータの15ビットの2値状態から判断する(S726)。この判断がNOのときは、かかる選択が続いているとしてパッドデータの読み捨て処理及びカスタムモードの表示画面処理が継続される(S724,S725)。
【0260】
しかし、ステップS726でYESの判断が下るときは、カスタムデータ又はランダムデータの選択が終了したので、通常モードの画面表示処理に戻す(S727)。
【0261】
本実施形態のキャラクタ選択は以上のように行われるため、通常モードのときは勿論のこと、カスタムモード及びランダムモードのときのキャラクタデータをも自然な画面状態で且つゲーム性を確保した状態でロードすることができる。
【0262】
すなわち、対戦する一方の遊戯者がそれらのモードを画面上で指定した場合、受信したカーソル位置、すなわちパットデータの読み捨て(無効化)によって、もう一方の遊戯者の画面上では相手のキャラクタ選択を示す2Pカーソルが「カスタムロード」、「カスタム」、又は「ランダム」のボタンに固定されたままとなり、かかるモードのキャラクタ選択が終わるまで移動しない。これにより、上述したもう一方の遊戯者は相手方がカスタムモード又はランダムモードでキャラクタ選択をしてくることは認識できる。このとき、カーソルが画面内容と合わない不自然な動きをすることが無く、違和感も生じない。一方で、手の内が分かっている遊戯者同士の場合、相手カーソルの不自然な動きから相手の選択キャラクタを予想できることもあるが、相手カーソルはこれらのモードのときは動かないので、かえって、ゲームへの期待感が高められる。
【0263】
このように、キャラクタ選択といった特定の処理だけ送受信データのフォーマットを変えるといった必要もなく、相手方で表示させたくないデータは相手方で受信後に読み捨てるといった簡単な無効化処理により、リアルタイムな同期通信に対する送受信処理の一貫性を維持できる。
【0264】
このようにキャラクタ選択を介してえられるゲーム画面の一例を図34及び35に模式的に示す。これらのゲーム画面は、エキスパートロビー作戦ウィンドウを通して集まった例えば、12人の遊戯者の内、ゲーム態様に応じて対戦の決まった2人の対戦者及び残りの10人の観戦者(待機者)が見る画面である。
【0265】
図34は、対戦している2人の遊戯者の内の一方がそのモニタ12から見るゲーム画面の例である。このゲーム画面は一方のキャラクタの頭上にカメラ視点を置いたゲーム空間を示し、上述のキャラクタ選択処理を通して選択された互いのキャラクタC1,C2が対峙している。この画面の左右両端の下寄りの位置には、両対戦者のエンブレムEB1,EB2が双方の識別番号ID1,ID2と共にそれぞれ表示される。また、画面中央の下寄りの位置には、クイックメッセージのウィンドウWDaが表示される。このクイックメッセージは、対戦者は勿論、観戦している全てのクライアントシステム1にも送られ、表示される。クイックメッセージを簡単な操作で表示できるので、ゲームの操作には殆ど支障無く、且つ、ゲームの雰囲気を盛り上げることができる。さらに、このゲーム画面には、残り時間を示すウィンドウWDb、及び、双方のキャラクタの残りパワーを示すライフゲージLG1,LG2などが表示される。
【0266】
図35は、観戦している、ある遊戯者がそのモニタ12から見るゲーム画面の例である。このゲーム画面は、ゲーム空間の任意の位置にカメラ視点を置いた別のゲームのゲーム空間を示す。図34の場合と比べて相違する点は、画面左下寄りに現在のカメラ視点のモードを表示するウィンドウWDc、及び、画面の上部に観戦者同士が行うチャット情報が表示されるウィンドウWDdがそれぞれ表示されることである。
【0267】
観戦者の場合、クライアントシステム1毎に独自の任意のカメラ視点でゲームを観戦することができるので、そのときのカメラ視点のモードが表示される。
【0268】
また、チャット情報は半透明処理されたウィンドウWDdに表示される。これにより、ゲーム画面には殆ど影響を与えず、このウィンドウを通して観戦者同士が現在のゲーム状態に対する感想などを交換することができる。したがって、ゲームに一緒に参加しているといった一体感などが高められ、ゲームに対する興味も一層沸いて、飽きることも少なくなる。このチャット情報は観戦者のみが交換することができ、対戦者には表示されないので、ゲームへの集中力が殺がれるなどの弊害も防止される。
【0269】
このように、あるクライアントシステム1が戦闘モードに割り付けられている場合、そのゲーム機本体10は、自分のキャラクタを操作信号に基づいて移動させるとともに、ゲームネットワーク40から提供される操作コマンドに基づいて敵のキャラクタの位置や態様を変化させる。操作コマンドの割付は、ゲームごとに任意に定めうる。これらの処理により、遊技者は、あたかも一つのゲーム機に二つのコントロールパッド11を接続して他人と対戦しているかのようにゲーム対戦を実行可能になる。
【0270】
一方、あるクライアントシステム1が観戦モードに割り付けられている場合、そのゲーム機本体10は、ゲームネットワーク40から提供される操作コマンドに基づいて対戦中の双方のキャラクタを画面上で移動させ、その表示態様を変化させる。このとき、観戦中のゲーム画面は、遊戯者が自分のコントロールバッド11のスイッチを操作することで容易に所望位置、角度に変更される(図35参照)。
【0271】
この視点変更の処理により、観戦中の遊戯者はゲーム空間のあらゆる場所から対戦を眺めた画像を容易に得ることができる。これにより、遊戯者はゲームの進行状態などをより詳細に観察でき、ゲームの臨場感をより多く享受でき、またゲームへの一体感を味わうことができる。したがって、観戦しているだけでも、ゲームへの興味感は高いものがあり、飽きることも殆どなくなる。
【0272】
加えて、この観戦モードに割り付けられているクライアントシステム1同士で、チャットができるため、遊技者は、あたかもアミューズメントセンターで友人がゲーム対戦をしているのを応援しているかのような感覚でゲーム観戦を行うことができる。
【0273】
なお、上述の実施形態では、受信データの読み捨てに拠る、表示に対する無効化処理をキャラクタ選択処理について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、双方のクライアントシステム間で相違するゲームシーンなどを表現する場合に適用できる。
【0274】
またなお、画像や音響をクライアントシステムに提供する方法として上記各実施形態では、基本的な画像データ、音響データおよびそれらを動作させるプログラムデータをクライアントシステムに格納しておき、ゲームサーバからはそれらを動作させるコマンドを送信してクライアントシステムを動作させるという形態を採った。
【0275】
しかし、ハイパーテキスト形式のファイルを閲覧させることで、画像や音響をゲームサーバ側から直接提供可能に構成してもよい。例えば作戦会議室などのウィンドウ画面のみをファイル閲覧させることは情報更新の簡便さと装置への負荷分散の観点から好ましい。
【符号の説明】
【0276】
1…クライアントシステム
2…ゲームサーバシステム
3…WWWサーバシステム
4…回線網
10…ゲーム機本体
11…コントロールパッド
12…モニタ
20…ゲームサーバ
21…記憶領域(データベース)
30…WWWサーバ
31…HTML記憶領域
40…ゲームネットワーク
41…インターネット
100、200…処理装置
101、201…通信装置
102…出力データ生成装置
110…操作装置
111…振動発生手段
210…ユーザデータベース
211…イージーロビーデータベース
212…エキスパートロビーデータベース
213…ノーマルデータベース
214…チーム戦データベース
215…総当たり戦データベース
216…トーナメント戦データベース
306…カードメモリ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲーム装置がゲームサーバシステムを介して通信可能に接続され、前記ゲーム装置間で対戦ゲームを実行するゲームシステムであって、
前記ゲームサーバシステムは、
前記複数のゲーム装置のうちの一のゲーム装置からの要求に応じて、前記対戦ゲームに関するルールの情報を含んでなるグループ情報に基づき前記対戦ゲームを行うための対戦グループを作成する対戦グループ作成手段と、
他のゲーム装置から前記対戦グループへの参加の要求があった場合に、当該他のゲーム装置の前記対戦グループへの参加を許可する対戦グループ参加許可手段と、
前記対戦グループ参加許可手段によって前記対戦グループへの参加が許可されたゲーム装置のうち、所定の条件を充たすゲーム装置を戦闘モードに移行させるとともに、前記所定の条件を充たさないゲーム装置を観戦モードに移行させる戦闘/観戦割付手段と、
前記戦闘モードに移行したゲーム装置から操作入力情報を受信するとともに、当該受信した操作入力情報を、前記参加が許可されたゲーム装置のうち前記操作入力情報を送信したゲーム装置以外のゲーム装置に送信する操作入力情報送受信手段と、
前記観戦モードに移行したゲーム装置から送信されたチャット情報を受信するとともに、当該チャット情報を、前記参加が許可されたゲーム装置のうち前記チャット情報を送信したゲーム装置以外のゲーム装置に送信する第1のチャット情報送受信手段と、
前記ルールの情報に基づいて前記戦闘モードに移行したゲーム装置の対戦が終了したかどうかを判断する対戦終了判断手段と、
を備え、
前記参加が許可されたゲーム装置のそれぞれは、
前記戦闘モードに移行した場合は、入力された操作入力情報及び前記ゲームサーバシステムから送信される他の前記戦闘モードに移行しているゲーム装置の操作入力情報に基づき前記対戦ゲームのゲームキャラクタに対応するゲーム画像を更新する一方、前記観戦モードに移行した場合は、前記ゲームサーバシステムから送信される前記戦闘モードに移行しているゲーム装置の操作入力情報に基づき前記対戦ゲームのゲームキャラクタに対応するゲーム画像を更新するゲーム画像更新手段と、
前記対戦が開始されてから前記対戦終了判断手段が当該対戦の終了を判断するまで、前記第1のチャット情報送受信手段により送信されるチャット情報を受信するとともに、前記第1のチャット情報送受信手段にチャット情報を送信する第2のチャット情報送受信手段と、
前記第2のチャット情報送信手段が前記第1のチャット情報送受信手段から受信した前記チャット情報をプレイヤに認識可能な状態で出力するチャット情報出力手段と、
を備える、
ゲームシステム。
【請求項2】
前記ゲーム装置は、前記戦闘モードに移行している場合は、前記第2のチャット情報送受信手段により受信したチャット情報を前記チャット情報出力手段により出力しないように廃棄するチャット情報廃棄手段、
を更に備える請求項1記載のゲームシステム。
【請求項1】
複数のゲーム装置がゲームサーバシステムを介して通信可能に接続され、前記ゲーム装置間で対戦ゲームを実行するゲームシステムであって、
前記ゲームサーバシステムは、
前記複数のゲーム装置のうちの一のゲーム装置からの要求に応じて、前記対戦ゲームに関するルールの情報を含んでなるグループ情報に基づき前記対戦ゲームを行うための対戦グループを作成する対戦グループ作成手段と、
他のゲーム装置から前記対戦グループへの参加の要求があった場合に、当該他のゲーム装置の前記対戦グループへの参加を許可する対戦グループ参加許可手段と、
前記対戦グループ参加許可手段によって前記対戦グループへの参加が許可されたゲーム装置のうち、所定の条件を充たすゲーム装置を戦闘モードに移行させるとともに、前記所定の条件を充たさないゲーム装置を観戦モードに移行させる戦闘/観戦割付手段と、
前記戦闘モードに移行したゲーム装置から操作入力情報を受信するとともに、当該受信した操作入力情報を、前記参加が許可されたゲーム装置のうち前記操作入力情報を送信したゲーム装置以外のゲーム装置に送信する操作入力情報送受信手段と、
前記観戦モードに移行したゲーム装置から送信されたチャット情報を受信するとともに、当該チャット情報を、前記参加が許可されたゲーム装置のうち前記チャット情報を送信したゲーム装置以外のゲーム装置に送信する第1のチャット情報送受信手段と、
前記ルールの情報に基づいて前記戦闘モードに移行したゲーム装置の対戦が終了したかどうかを判断する対戦終了判断手段と、
を備え、
前記参加が許可されたゲーム装置のそれぞれは、
前記戦闘モードに移行した場合は、入力された操作入力情報及び前記ゲームサーバシステムから送信される他の前記戦闘モードに移行しているゲーム装置の操作入力情報に基づき前記対戦ゲームのゲームキャラクタに対応するゲーム画像を更新する一方、前記観戦モードに移行した場合は、前記ゲームサーバシステムから送信される前記戦闘モードに移行しているゲーム装置の操作入力情報に基づき前記対戦ゲームのゲームキャラクタに対応するゲーム画像を更新するゲーム画像更新手段と、
前記対戦が開始されてから前記対戦終了判断手段が当該対戦の終了を判断するまで、前記第1のチャット情報送受信手段により送信されるチャット情報を受信するとともに、前記第1のチャット情報送受信手段にチャット情報を送信する第2のチャット情報送受信手段と、
前記第2のチャット情報送信手段が前記第1のチャット情報送受信手段から受信した前記チャット情報をプレイヤに認識可能な状態で出力するチャット情報出力手段と、
を備える、
ゲームシステム。
【請求項2】
前記ゲーム装置は、前記戦闘モードに移行している場合は、前記第2のチャット情報送受信手段により受信したチャット情報を前記チャット情報出力手段により出力しないように廃棄するチャット情報廃棄手段、
を更に備える請求項1記載のゲームシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【公開番号】特開2011−5306(P2011−5306A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−229441(P2010−229441)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【分割の表示】特願2009−174145(P2009−174145)の分割
【原出願日】平成11年12月8日(1999.12.8)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【分割の表示】特願2009−174145(P2009−174145)の分割
【原出願日】平成11年12月8日(1999.12.8)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】
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