説明

ゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、プログラム

【課題】コミュニケーションゲームにおいてキャラクタにおける変化の伝達を簡易な計算で行うのに好適なゲーム装置等を提供することを目的とする。
【解決手段】記憶部101には、対話パラメータが記憶される。受付部102は、プレイヤから、仮想ゲームに対する操作入力およびキャラクタに対する対話入力を受け付ける。生成部103は、キャラクタによる仮想ゲームに対する操作入力を生成する。進行部104は、受け付けられた操作入力および/または生成された操作入力に基づいて、仮想ゲームを進行させる。更新部105は、受け付けられた対話入力に基づいて、記憶された対話パラメータを更新する。決定部106は、記憶された対話パラメータに基づいて、仮想ゲームにおけるイベントの発生確率を決定する。そして、進行部104は、決定された発生確率で、仮想ゲームにおいてイベントを発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コミュニケーションゲームにおいてキャラクタにおける変化の伝達を簡易な計算で行うのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム画面に表示されたキャラクタとのコミュニケーションを楽しむコミュニケーションゲームが知られている。一般的に、このようなゲームにおいては、キャラクタの機嫌を良くしたり、キャラクタのプレイヤへの好感度を上げたりすることにより、キャラクタとプレイヤとの親密度を高めることが目的となる。例えば、特許文献1には、現実の日時、又は、プレイヤが設定した日時に基づいてゲームを進行させ、プレイヤとキャラクタの親密度を高めることを目的とするゲーム装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−268800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲームにおいて、キャラクタの機嫌が良くなると、プレイヤへの行動が変化するので、キャラクタの機嫌が良くなったことを知ることができる。しかしながら、キャラクタの機嫌の変化を様々な手段によりプレイヤに伝えるようにしたいという要望もある。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、コミュニケーションゲームにおいてキャラクタにおける変化の伝達を簡易な計算で行うのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、記憶部と、受付部と、生成部と、進行部と、更新部と、決定部と、を備え、以下のように構成する。なお、以下、コミュニケーションゲームを例に、各部について説明する。
【0007】
記憶部には、対話パラメータが記憶される。
【0008】
対話パラメータとは、例えば、キャラクタの機嫌を示すパラメータである。例えば、当該パラメータの値が大きいほど、キャラクタの機嫌が良いことを示す。
【0009】
受付部は、プレイヤから、仮想ゲームに対する操作入力およびキャラクタに対する対話入力を受け付ける。
【0010】
ここで、仮想ゲームとは、例えば、プレイヤとキャラクタとが、対戦又は一緒にプレイするゲームである。また、操作入力とは、例えば、仮想ゲームにおいて攻撃等の操作をするための入力である。一方、対話入力とは、例えば、キャラクタとコミュニケーションをとるために会話等を指定するための入力である。受付部は、プレイヤから、操作入力及び対話入力を受け付ける。
【0011】
生成部は、キャラクタによる仮想ゲームに対する操作入力を生成する。
【0012】
生成部は、例えば、キャラクタが仮想ゲームにおける攻撃等を指示する操作入力を生成する。
【0013】
進行部は、受け付けられた操作入力および/または生成された操作入力に基づいて、仮想ゲームを進行させる。
【0014】
進行部は、プレイヤによる操作入力に基づいて、例えば、プレイヤが操作する仮想ゲーム内のキャラクタ(以下、「仮想キャラクタ」という)に攻撃の動作をさせる。或いは、進行部は、生成された操作入力に基づいて、例えば、キャラクタが操作する仮想ゲーム内の仮想キャラクタに攻撃の動作をさせる。
【0015】
更新部は、受け付けられた対話入力に基づいて、記憶された対話パラメータを更新する。
【0016】
更新部は、例えば、プレイヤが選択した会話の内容に基づいて、キャラクタの機嫌を示すパラメータの数値を変更する。
【0017】
決定部は、記憶された対話パラメータに基づいて、仮想ゲームにおけるイベントの発生確率を決定する。
【0018】
ここで、イベントとは、例えば、仮想キャラクタの体力が回復するイベントである。決定部は、例えば、キャラクタの機嫌を示すパラメータの値が大きいほど、すなわち、キャラクタの機嫌が良いほど、イベントの発生確率の値を大きな値に設定する。
【0019】
そして、進行部は、決定された発生確率で、仮想ゲームにおいてイベントを発生させる。
【0020】
進行部は、例えば、決定された発生確率が“0.5”である場合、仮想キャラクタの体力が回復するイベントを、発生確率“0.5”で発生させる。
【0021】
本発明によれば、キャラクタの機嫌が良くなると、仮想ゲームにおいて所定のイベントが起きやすくなるので、キャラクタにおける変化をキャラクタの行動以外でも知ることができる。
【0022】
また、対話パラメータが増加した場合、決定部は第1の発生確率を決定し、進行部は決定された第1の発生確率で第1のイベントを発生させ、
対話パラメータが減少した場合、決定部は第2の発生確率を決定し、進行部は決定された第2の発生確率で第2のイベントを発生させるようにしてもよい。
【0023】
ここで、第1のイベントとは、例えば、仮想ゲームにおいてプレイヤが有利になるイベントであり、第2のイベントとは、例えば、仮想ゲームにおいてプレイヤが不利になるイベントである。また、第1の発生確率とは、第1のイベントを発生させる確率であり、第2の発生確率とは、第2のイベントを発生させる確率である。例えば、キャラクタの機嫌が良くなった場合、決定部は、第1の発生確率を決定し、進行部は、仮想キャラクタの体力を回復するイベントを第1の発生確率で発生させる。また、例えば、キャラクタの機嫌が悪くなった場合、決定部は、第2の発生確率を決定し、進行部は、仮想ゲーム内で対戦する敵キャラクタの攻撃力を上げるイベントを第2の発生確率で発生させる。
【0024】
本発明によれば、キャラクタの機嫌が良くなったのか、あるいは、悪くなったのかを、イベントの種類によって判別することができる。
【0025】
また、生成部は、
キャラクタからプレイヤに対する対話入力を生成し、
発生確率が高ければ高いほど、プレイヤからキャラクタに対する対話入力を促す対話入力を生成するようにしてもよい。
【0026】
生成部は、例えば、キャラクタからプレイヤへコミュニケーションをとるための会話等を指定するための入力を生成する。そして、生成部は、イベントの発生確率が高いほど、例えば、キャラクタからプレイヤに問いかける対話入力を生成する。
【0027】
本発明によれば、プレイヤは、仮想ゲームへの操作入力よりもキャラクタへの対話入力を強いられることになるので、仮想ゲームがゲームオーバになり易く、発生確率が高くなってもイベントが頻発することを防ぐことができる。
【0028】
本発明の第2の観点に係るゲーム制御方法は、対話パラメータが記憶される記憶部と、受付部と、生成部と、進行部と、更新部と、決定部と、を備えるゲーム装置が実行するゲーム制御方法であって、受付工程と、生成工程と、進行工程と、更新工程と、決定工程と、を備え、以下のように構成する。
【0029】
受付工程において、受付部が、プレイヤから、仮想ゲームに対する操作入力およびキャラクタに対する対話入力を受け付ける。
生成工程において、生成部が、キャラクタによる仮想ゲームに対する操作入力を生成する。
進行工程において、進行部が、受け付けられた操作入力および/または生成された操作入力に基づいて、仮想ゲームを進行させる。
更新工程において、更新部が、受け付けられた対話入力に基づいて、記憶された対話パラメータを更新する。
決定工程において、決定部が、記憶された対話パラメータに基づいて、仮想ゲームにおけるイベントの発生確率を決定する。
そして、進行工程において、進行部は、決定された発生確率で、仮想ゲームにおいてイベントを発生させる。
【0030】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを上記ゲーム装置として機能させ、コンピュータに上記ゲーム制御方法を実行させるように構成する。
【0031】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記録媒体に記録することができる。
【0032】
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、コミュニケーションゲームにおいてキャラクタにおける変化の伝達を簡易な計算で行うのに好適なゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す図である。
【図2】携帯型情報処理装置の外観を示す図である。
【図3】実施形態に係るゲーム装置の概要構成を示す図である。
【図4】画面に表示されるゲーム画像を説明するための図である。
【図5】画面に表示されるゲーム画像を説明するための図である。
【図6】画面に表示される仮想ゲーム画像を説明するための図である。
【図7】対話パラメータテーブルを説明するための図である。
【図8】画面に表示されるゲーム画像を説明するための図である。
【図9】発生確率と対話入力の頻度との関係を示すための図である。
【図10】実施形態に係るゲーム装置の各部が行うゲーム制御処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(携帯型情報処理装置の概要構成)
実施形態に係るゲーム装置が実現される典型的な携帯型情報処理装置について説明する。なお、以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の携帯型情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0036】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置100が実現される典型的な携帯型情報処理装置1の概要構成を示す図である。また、図2に携帯型情報処理装置1の外観図を示す。以下、これらの図を参照して説明する。
【0037】
携帯型情報処理装置1は、図1に示すように、処理制御部10と、コネクタ11と、カートリッジ12と、無線通信部13と、通信コントローラ14と、サウンドアンプ15と、スピーカ16と、マイク17と、操作キー18と、第1の表示部19と、第2の表示部20と、タッチパネル21と、カメラ22と、角速度センサ23と、を備える。また、携帯型情報処理装置1は、図2に示すように、上側筐体31と下側筐体32とから構成され、上側筐体31と下側筐体32とは開閉可能に接続されている。
【0038】
処理制御部10は、CPU(Central Processing Unit)コア10aと、画像処理部10bと、VRAM(Video Random Access Memory)10cと、WRAM(Work RAM)10dと、LCD(Liquid Crystal Display)コントローラ10eと、タッチパネルコントローラ10fと、を備える。
【0039】
CPUコア10aは、携帯型情報処理装置1全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。具体的には、カートリッジ12がコネクタ11に装着された状態で、カートリッジ12内のROM(Read Only Memory)12aに記憶されたプログラムやデータを読み出して、所定の処理を実行する。
【0040】
画像処理部10bは、カートリッジ12内のROM 12aから読み出されたデータ、カメラ22により撮影された画像のデータ、または、CPUコア10aにて処理されたデータを加工処理した後、これをVRAM 10cに格納する。
【0041】
VRAM 10cは、表示用の情報を記憶するフレームメモリであり、画像処理部10b等により加工された画像情報を記憶する。
【0042】
WRAM 10dは、CPUコア10aがプログラムに従った各種処理を実行する際に必要となるワークデータ等を記憶する。
【0043】
LCDコントローラ10eは、第1の表示部19及び第2の表示部20を制御し、所定の表示用画像を表示させる。例えば、LCDコントローラ10eは、VRAM 10cに記憶された画像情報を、所定の同期タイミングで表示信号に変換し、第1の表示部19に出力する。また、LCDコントローラ10eは、第2の表示部20に所定の指示アイコン等を表示する。
【0044】
タッチパネルコントローラ10fは、タッチペンやユーザの指によるタッチパネル21への接触(タッチ)を検出する。例えば、第2の表示部20に所定の指示アイコン等が表示されている状態で、タッチパネル21上の接触、及びその位置等を検出する。
【0045】
コネクタ11は、カートリッジ12と脱着自在に接続可能な端子であり、カートリッジ12が接続された際に、カートリッジ12との間で所定のデータを送受信する。
【0046】
カートリッジ12は、ROM 12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、を備える。
【0047】
ROM 12aには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データ等が記憶される。
【0048】
RAM 12bには、ゲームの進行状況等を示す種々のデータが記憶される。
【0049】
無線通信部13は、他の携帯型情報処理装置1の無線通信部13との間で、無線通信を行うユニットであり、図示せぬアンテナ(内蔵アンテナ等)を介して所定のデータを送受信する。
【0050】
なお、無線通信部13は、所定のアクセスポイントとの間で、無線LAN通信を行うこともできる。また、無線通信部13には、固有のMAC(Media Access Control)アドレスが採番されている。
【0051】
通信コントローラ14は、無線通信部13を制御し、所定のプロトコルに沿って、処理制御部10と他の携帯型情報処理装置1の処理制御部10との間で行われる通信の仲立ちをする。
【0052】
サウンドアンプ15は、処理制御部10にて生成された音声信号を増幅し、スピーカ16に供給する。
【0053】
スピーカ16は、例えば、ステレオスピーカ等からなり、サウンドアンプ15にて増幅された音声信号に従って、所定の楽曲音や効果音等を出力する。
【0054】
マイク17は、ユーザの声等のアナログ信号を受け付け、受け付けた信号は処理制御部10でミキシング等の処理がされる。
【0055】
操作キー18は、携帯型情報処理装置1に適宜配置された方向キー18aやボタン18b等から構成され、ユーザの操作に従って、所定の指示入力を受け付ける。操作キー18には、音量を調節するためのボタンや、つまみ等も含まれる。
【0056】
第1の表示部19及び第2の表示部20は、LCD等からなり、LCDコントローラ10eに制御され、ゲーム画像等を適宜表示する。第1の表示部19は上側筐体31に備えられ、第2の表示部20は下側筐体32に備えられる。第1の表示部19は、プレイヤに立体視をさせることが可能な立体画像(以下、「立体視用画像」という)を表示する。立体視用画像は、例えば、パララックスバリア方式による裸眼立体視が可能な画像、あるいは、所定のメガネを装着して画面を見ることにより立体視が可能な画像である。一方、第2の表示部20は、立体視用画像ではなく通常の画像を表示する。
【0057】
タッチパネル21は、第2の表示部20の前面に重畳して配置され、タッチペンやユーザの指の接触による入力を受け付ける。タッチパネル21は、例えば、感圧式のタッチセンサパネル等からなり、ユーザの指等の圧力を検出し、接触状態、及び、接触状態から非接触状態への移行等を検出する。なお、タッチパネル21は、他に静電容量の変化等から、ユーザの指等の接触を検出してもよい。
【0058】
カメラ22は、ユーザの指示に従い周辺の空間等を撮影し、撮影した映像を電気信号に変換する。カメラ22は、例えば、CMOS(Complimentary MOS)センサ等から構成される。カメラ22は、上側筐体31の裏側に配置される(図2(b))。
【0059】
角速度センサ23は、携帯型情報処理装置1の3軸周り(図2(a)、xyz軸)に生じる角速度をそれぞれ検知し、処理制御部10に検知した角速度のデータを出力する。処理制御部10は、角速度データに基づいて、携帯型情報処理装置1の姿勢や動きを求める。
【0060】
なお、各実施形態に係るゲーム装置100は、上述した典型的な携帯型情報処理装置1上に実現されるが、一般的なコンピュータやゲーム装置上に実現することもでき、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。一般的なコンピュータやゲーム装置は、上記携帯型情報処理装置1と同様に、CPUコアや、VRAM、WRAM、を備える。また、通信部として、例えば、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−Tなどの規格に準拠するNIC(Network Interface Controller)、記憶装置としてハードディスクを有する他、DVD−ROMや、光磁気ディスク等が利用できるようになっている。また、タッチパネルの代わりに、キーボードやマウスなどを利用する。そして、プログラムをインストールした後に、そのプログラムを実行させると、情報処理装置として機能させることができる。
【0061】
以下、上記携帯型情報処理装置1により実現されるゲーム装置100(図3)の機能について、図1乃至図10を参照して説明する。ゲーム用のプログラム及びデータを記憶したカートリッジ12をコネクタ11に装着して、携帯型情報処理装置1の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、実施形態に係るゲーム装置100が実現される。
【0062】
(ゲームの概要)
まず、実施形態に係るゲーム装置100が実行するゲームの例について説明する。
【0063】
ゲーム装置100は、画面に表示されるキャラクタ201とコミュニケーションを行うコミュニケーションゲームを実行する。キャラクタ201を含むゲーム画像200は、例えば、図4に示すように、第2の表示部20に表示される。ゲーム画像200には、キャラクタ201の他に、キャラクタ201が発する会話等が記される領域202が含まれる。領域202に記される文字列203は、ゲームプログラムにより指定され、所定の時間経過後新たな文字列が表示される。
【0064】
また、領域202には、図5に示すような会話文の選択肢(文字列204)が示される。プレイヤは、カーソル205で会話文を選択することにより、キャラクタ201の発言に対して応答や質問をすることができる。そして、プレイヤが選択した会話文に基づいて、新たな文字列が領域202に表示される。例えば、プレイヤが図5に示された選択肢(文字列204)の中から「今日も元気だね!」の会話文を選択したとすると、プレイヤが選択した会話文に応答する文字列が領域202に表示される。これらの処理を繰り返すことにより、様々なストーリーが展開される。
【0065】
また、プレイヤは、コミュニケーションゲームにおいて、キャラクタ201と様々なゲーム(仮想ゲーム)を行うことができる。仮想ゲームは、例えば、プレイヤとキャラクタ201とが対戦したり、協力してタスクを達成したりするようなゲームである。例えば、プレイヤとキャラクタ201と対戦を行う、対戦型格闘ゲームや対戦型パズルゲーム、或いは、プレイヤとキャラクタ201とが協力してプレイを行うシューティングゲームである。また、仮想ゲームは、プレイヤとキャラクタ201が同時にプレイするものに限らず、それぞれが、単独でプレイすることも可能なゲームであってもよい。
【0066】
仮想ゲームのゲーム画像(以下、「仮想ゲーム画像」という。)は、例えば、第1の表示部19に表示される。仮想ゲーム画像の例を図6に示す。仮想ゲーム画像300は、プレイヤとキャラクタ201とが対戦を行う対戦型格闘ゲームの画像である。以下、仮想ゲームにおいて登場するキャラクタを「仮想キャラクタ」という。図6において、仮想キャラクタ301は、プレイヤが操作するキャラクタであり、仮想キャラクタ302は、キャラクタ201が操作するキャラクタである。プレイヤは仮想キャラクタ301を操作して、キャラクタ201の仮想キャラクタ302と対戦する。
【0067】
キャラクタ201は、仮想ゲームのプレイ中もプレイヤに話しかけたり、プレイの感想を述べたりする。プレイヤは、仮想ゲームを通じて、キャラクタ201とのコミュニケーションを楽しむことができる。
【0068】
(実施形態に係るゲーム装置の概要構成)
実施形態のゲーム装置100は、図3に示すように、記憶部101と、受付部102と、生成部103と、進行部104と、更新部105と、決定部106と、を備える。
【0069】
記憶部101には、対話パラメータが記憶される。
【0070】
対話パラメータとは、例えば、キャラクタ201の機嫌を表すパラメータである。対話パラメータは、ゲームの展開により、増加したり減少したりするものである。例えば、対話パラメータは、記憶部101に記憶される対話パラメータテーブル101a(図7)に登録される。対話パラメータテーブル101aには、経過時間101a1と、対話パラメータ101a2と、対話パラメータの増減101a3と、発生値101a4と、発生確率101a5と、が対応づけて登録される。
【0071】
経過時間101a1は、仮想ゲームが開始されてから経過した時間である。
【0072】
対話パラメータ101a2は、“128”から“−127”までの値をとり、ゲームの初期状態では、対話パラメータは“0”に設定されているものとする。対話パラメータ“0”は、機嫌が良くも悪くも無い普通の状態を示し、正の値は機嫌が良い状態、負の値は機嫌が悪い状態を示す。そして、数値が大きいほど機嫌の良し悪しの度合いが大きいことを示す。図7は、仮想ゲーム開始時(“00:00:00”)に対話パラメータが“30”であることを示している。
【0073】
対話パラメータの増減101a3は、仮想ゲーム開始してからの対話パラメータの変化量を示す値であり、正の値は、キャラクタ201が前の状態より機嫌がよくなっていることを示し、負の値は、キャラクタ201が前の状態より機嫌が悪くなっていることを示す。対話パラメータの増減101a3は、仮想ゲーム開始時に“0”と設定され、対話パラメータ101a2が登録される度に求められる。
【0074】
発生値101a4は、対話パラメータの増減101a3の絶対値を加算したものである。発生値101a4は、仮想ゲームの開始に“0”と設定され、対話パラメータの増減101a3が登録される度に求められる。発生値101a4は後述するイベントの発生確率101a5を求めるために用いられる。
【0075】
発生確率101a5は、仮想ゲームにおいて所定のイベントが起きる確率を示すものである。発生確率101a5は、発生値101a4を“1000”で割った数値であり、発生値101a4が登録される度に求められる。
【0076】
本実施形態において、WRAM 10dが記憶部101として機能する。
【0077】
受付部102は、プレイヤから、仮想ゲームに対する操作入力およびキャラクタに対する対話入力を受け付ける。
【0078】
仮想ゲームに対する操作入力とは、例えば、プレイヤが仮想キャラクタ301を動かすための操作入力であり、操作キー18の押圧により行われる。例えば、プレイヤが方向キー18aのいずれかの方向を押圧した場合、受付部102は、当該方向に仮想キャラクタ301を動かす指示として当該押圧を受け付ける。
【0079】
また、キャラクタに対する対話入力とは、例えば、プレイヤがキャラクタ201とコミュニケーションをとるために行う操作であり、操作キー18の押圧やタッチパネル21の接触により行われる。例えば、プレイヤが、図5において、カーソル205を方向キー18aやタッチペンによりカーソルを動かし、いずれかの選択肢が選択された状態でボタン18bを押圧すると、受付部102は、プレイヤが当該選択肢をキャラクタ201に対する会話として選択したものとして、当該押圧を受け付ける。あるいは、プレイヤが、指やタッチペン等で、タッチパネル21を擦ると、受付部102は、例えば、キャラクタ201の頭を撫でる動作として、当該タッチパネル21への接触を受け付ける。
【0080】
本実施形態において、処理制御部10、及び操作キー18もしくはタッチパネル21が協働して、受付部102として機能する。
【0081】
生成部103は、キャラクタによる仮想ゲームに対する操作入力を生成する。
【0082】
キャラクタによる仮想ゲームに対する操作入力とは、例えば、キャラクタ201が仮想キャラクタ302を動かすための操作入力である。生成部103は、例えば、ゲームプログラムに従って、当該操作入力を生成する。
【0083】
また、生成部103は、キャラクタからプレイヤに対する対話入力を生成する。
【0084】
キャラクタからプレイヤに対する対話入力とは、例えば、図4に示すように、キャラクタ201がプレイヤに話しかける会話を指定する入力である。
【0085】
本実施形態において、処理制御部10が生成部103として機能する。
【0086】
進行部104は、受け付けられた操作入力および/または生成された操作入力に基づいて、仮想ゲームを進行させる。
【0087】
例えば、進行部104は、プレイヤが押圧した操作キー18aの方向に基づいて、仮想キャラクタ301を動かし、生成部103により生成された操作入力に基づいて仮想キャラクタ302を動かす。
【0088】
本実施形態において、処理制御部10が進行部104として機能する。
【0089】
更新部105は、受け付けられた対話入力に基づいて、記憶された対話パラメータを更新する。
【0090】
例えば、更新部105は、図5においてプレイヤが選択した会話の内容に基づいて、キャラクタ201の機嫌を示す対話パラメータの値を更新する。なお、プレイヤの対話入力と、対話パラメータの値の増減との関係は、ゲームプログラムに従うものとする。
【0091】
例えば、プレイヤが選択した会話の内容が、キャラクタ201にとって好ましいものであった場合、更新部105は、対話パラメータテーブル101aの対話パラメータ101a2の値を増加させる。例えば、プレイヤが図5の文字列204の中から「今日も元気だね。」を選択し、現在の経過時間が“00:02:00”であるとする。この場合、更新部105は、“00:02:00”を経過時間101a1に、前の対話パラメータ“3”から“5”を増加させた“8”を対話パラメータ101a2に、対応付けて登録する。
【0092】
一方、プレイヤが選択した会話の内容が、キャラクタ201にとって好ましくないものであった場合、更新部105は、対話パラメータテーブル101aの対話パラメータ101a2の値を減少させる。例えば、プレイヤが図5の文字列204の中から「なにか用?」を選択し、現在の経過時間が“00:02:30”であるとする。この場合、更新部105は、“00:02:30”を経過時間101a1に、前の対話パラメータの値“8”から“2”を減じた“6”を対話パラメータ101a2に、対応付けて登録する。
【0093】
また、仮想ゲームの進行状況に基づいて、対話パラメータが変化するようにしてもよい。例えば、仮想ゲームにおいて、プレイヤとキャラクタ201とが協力プレイをして高得点を得た場合や、対戦型ゲームにおいてキャラクタ201がプレイヤに勝利した場合に、対話パラメータが上昇するようにしてもよい。
【0094】
本実施形態において、処理制御部10が更新部105として機能する。
【0095】
決定部106は、記憶された対話パラメータに基づいて、仮想ゲームにおけるイベントの発生確率を決定する。
【0096】
イベントには、例えば、仮想ゲームを行うプレイヤやキャラクタ201にとって有利なイベント(以下「プラスイベント」という。)や、プレイヤやキャラクタ201にとって不利なイベント(以下「マイナスイベント」という。)の種類がある。プラスイベント及びマイナスイベントの内容は、仮想ゲーム毎に設定される。
【0097】
例えば、対戦型格闘ゲームにおいて、プラスイベントとは、仮想キャラクタの体力の回復であり、マイナスイベントとは、敵の攻撃力が上昇することである。
【0098】
また、例えば、画面上方から落ちてくる物体を所定の操作により消していく対戦型パズルゲームにおいて、プラスイベントとは、一度に大量の玉を相手方に送り、マイナスイベントとは、一時的にプレイヤによる仮想ゲームの操作が行えなくなる状況にさせることをいう。
【0099】
また、例えば、シューティングゲームにおいて、プラスイベントとは、得点源となるアイテムが大量に発生したり、残機が増えたりすることであり、マイナスイベントとは、得点が減少することである。
【0100】
なお、プラスイベント及びマイナスイベントの例はこれらに限らない。仮想ゲームを行うプレイヤやキャラクタ201にとって有利又は不利な状況になるものであれば、どのようなイベントでも良い。また、上記の例を、各ゲームで組み合わせても良い。また、プラスイベント及びマイナスイベントは、仮想ゲームの進行に伴い、適宜変更されるようにしてもよい。
【0101】
例えば、決定部106は、イベントの発生確率を、以下のように算出する。
【0102】
まず、決定部106は、対話パラメータテーブル101a(図7)の対話パラメータ101a2より対話パラメータの増減101a3を求める。次に、決定部106は、それらの絶対値を加算した発生値101a4を求め、発生値を“1000”で割ることにより、イベントの発生確率を求める。
【0103】
そして、決定部106は、イベントを発生させるべき条件(以下、「発生条件」という。)が満たされているか否かを判断する。
【0104】
例えば、仮想ゲームにおいてプレイヤの成績やゲームの進行状況に基づいて発生条件が判断される。発生条件は、仮想ゲーム毎に設定され、例えば、ゲームの進行状況が、ゲームの終盤の場面やプレイヤがピンチの場面であるか否かである。このように発生条件を設定することにより、ゲームの終盤やピンチのときに種々のイベントが発生し、仮想ゲームの興趣性を高めることができる。
【0105】
例えば、対戦型格闘ゲームにおいては、プレイヤが操作する仮想キャラクタ301の体力が所定の状態を下回った場合、決定部106は、発生条件が満たされたと判断する。
【0106】
また、画面上方から落ちてくる物体を消していく対戦型パズルゲームにおいては、プレイヤの領域が80%以上埋まった場合、決定部106は、発生条件が満たされたと判断する。
【0107】
また、シューティングゲームにおいては、敵のボスキャラクタを倒した場合、決定部106は、発生条件が満たされたと判断する。
【0108】
決定部106は、発生条件が満たされたと判断すると、求めた発生確率を、イベントを発生させる確率として決定する。例えば、発生条件を判断した以前より直近に求められた発生確率が、経過時間“00:02:30”の発生確率“0.066”であるとする。決定部106は、発生確率“0.066”を、イベントを発生させる発生確率として決定する。
【0109】
本実施形態において、処理制御部10が決定部106として機能する。
【0110】
そして、進行部104は、決定された発生確率で、仮想ゲームにおいてイベントを発生させる。
【0111】
例えば、決定部106により発生確率が決定されると、進行部104は、実際にイベントを発生させるか否かを判断する。進行部104が、発生確率に基づいてイベントを発生させると判断すると、次に、決定部106は、発生させるイベントの種類を決定する。
【0112】
発生させるイベントの種類は、現在の対話パラメータの値に基づいて決定される。例えば、決定部106は、プラスイベント又はマイナスイベントのどちらが発生し易いかを示す発生比率を求める。発生比率は、対話パラメータがとり得る範囲(128から−127)に対する対話パラメータの値により求められる。例えば、対話パラメータ“0”の場合、プラスイベントが発生する確率とマイナスイベントが発生する確率は1対1である。一方、対話パラメータ“64”の場合、プラスイベントが発生する確率とマイナスイベントが発生する確率は3対1である。或いは、対話パラメータ“−63”の場合、プラスイベントが発生する確率とマイナスイベントが発生する確率は1対3である。すなわち、対話パラメータの値が正の値であって、絶対値が大きいほどプラスイベントが発生し易く、対話パラメータの値が負の値であって、絶対値が大きいほどマイナスイベントが発生し易い。
【0113】
なお、発生比率は、必ずプラスイベント及びマイナスイベントの両方が発生する可能性がある状態にするよう、調整してもよい。例えば、対話パラメータ“128”と求められても、プラスイベントが発生する確率を100%と求めず、プラスイベントが発生する確率とマイナスイベントが発生スル確率を99対1のように調整する。
【0114】
決定部106が、求めた発生比率に基づいて、発生させるイベントの種類を求めた後、進行部104は、求められた種類のイベントをゲームプログラムに従い発生させる。例えば、決定部106が、図6の対戦型格闘ゲームにおいて、プラスイベントを発生させると判断した場合、進行部104は、仮想キャラクタ301の体力の回復させるイベントを発生させる。
【0115】
なお、発生させるイベントの種類は、上記のように発生比率により決定することに限らない。例えば、対話パラメータが増加した場合、決定部106は第1の発生確率を決定し、進行部104は決定された第1の発生確率で第1のイベントを発生させ、対話パラメータが減少した場合、決定部106は第2の発生確率を決定し、進行部104は決定された第2の発生確率で第2のイベントを発生させるようにしてもよい。
【0116】
ここで、第1のイベントとは、例えば、プラスイベントであり、第2のイベントとは、例えば、マイナスイベントである。この場合、第1の発生確率はプラスイベントが発生する確率であり、第2の発生確率はマイナスイベントが発生する確率である。例えば、決定部106は、発生条件を満たすと判断した場合、以下のように、第1の発生確率又は第2の発生確率を決定する。
【0117】
例えば、発生条件判断後の直近の対話パラメータの増減101a3の値が正の値の場合、決定部106は、プラスイベントを発生させる確率を当該対話パラメータの増減101a3に対応する発生確率101a5により求める。例えば、発生条件を判断した後の直近の発生確率が、経過時間“00:02:00”の対話パラメータの増減“40”である場合、決定部106は、プラスイベントを発生させる確率として“0.050”を求める。そして、進行部104は、発生確率“0.050”で、プラスイベントを発生させる。
【0118】
一方、発生条件判断後の直近の対話パラメータの増減101a3の値が負の値の場合、決定部106は、マイナスイベントを発生させる確率を当該対話パラメータの増減101a3に対応する発生確率101a5により求める。例えば、発生条件を判断した後の直近の発生確率が、経過時間“00:02:30”の対話パラメータの増減“−16”である場合、決定部106は、マイナスイベントを発生させる確率として“0.066”を求める。そして、進行部104は、発生確率“0.066”で、マイナスベントを発生させる。
【0119】
また、生成部103は、発生確率が高ければ高いほど、プレイヤからキャラクタに対する対話入力を促す対話入力を生成する。
【0120】
プレイヤからキャラクタに対する対話入力を促す対話入力とは、例えば、キャラクタ201がプレイヤに対して話しかけ、プレイヤからの返答を促す対話入力である。当該対話入力が生成されると、例えば、図8に示すゲーム画像200が第2の表示部20に表示される。図8のゲーム画像200では、プレイヤはキャラクタ201の問いかけ(文字列206)に対して、“<返答する>”または“<返答しない>”のいずれかの選択肢(文字列207)を選択する対話入力が求められる。そして、“<返答する>”をプレイヤが選択すると、さらに、キャラクタ201に対する会話を選択するためのゲーム画像が表示され、キャラクタに対する対話入力が求められる。一方、“<返答しない>”を選択したり、“<返答する>”または“<返答しない>”のいずれも選択しないまま仮想ゲームを続けると、対話パラメータの値が減少する。
【0121】
発生値は仮想ゲームを長く続けるほど増加するものであるので、上記のようにイベントの発生確率を求めると、仮想ゲームを長く続けるほどイベントの発生確率は高くなりイベントが頻発することになる。プラスイベントが頻発すると、例えば、仮想ゲームの難易度が下がってしまい、プレイヤにとって面白みが無くなってしまう。また、マイナスイベントが頻発すると、例えば、プレイヤが仮想ゲームの対応に追われ、キャラクタ201とのコミュニケーションをおろそかにしてしまう恐れがある。
【0122】
そこで、イベントの発生確率が高くなるほど、仮想ゲームを行っているプレイヤにキャラクタ201が話しかける頻度を多くする。図9に、現在の発生確率とキャラクタからプレイヤへの対話入力の頻度との関係の例を示す。当該頻度は、例えば、1分間にキャラクタ201からプレイヤの返答を求める対話入力が生成される回数を示す。生成部103は、このようなグラフに従い、キャラクタからプレイヤへの対話入力を生成する。なお、発生確率と生成される当該対話入力の頻度の関係は図9の例に限らず、発生確率が高くなるほど当該対話入力が生成される頻度が高くなる関係を示すものであれば、どのような形状のグラフでもよい。
【0123】
一般的に、プレイヤからの対話入力を促す対話入力が増えると、プレイヤは、対話パラメータを減少させないようにするため、仮想ゲームへの操作入力よりもキャラクタへの対話入力を行うようになる。このようになると、プレイヤは、仮想ゲームの操作入力が十分にできず、仮想ゲームがゲームオーバし易くなる。ゲームオーバすると発生値は初期化されるので、結果として、イベントが頻繁に発生するのを防ぐことができる。
【0124】
(実施形態に係るゲーム装置の動作)
以下、本実施形態のゲーム装置100の各部が行う動作について説明する。ゲーム装置100に電源が投入されると、CPUコア10aは、図10のフローチャートに示すゲーム制御処理を開始する。
【0125】
受付部102は、プレイヤから、仮想ゲームに対する対話入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS101)。受付部102が、対話入力を受け付けたと判断した場合(ステップS101;Yes)、更新部105は、受け付けられた対話入力に基づいて、記憶部101に記憶された対話パラメータを更新する(ステップS102)。一方、受付部102が、対話入力を受け付けなかったと判断した場合(ステップS101;No)、受付部102はプレイヤから操作入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS110)。
【0126】
例えば、プレイヤが、操作キー18の押圧やタッチペン等により、図5においてカーソル206を動かし、いずれかの選択肢を選択する操作をしたとすると、受付部102は、対話入力を受け付けたと判断する。そして、更新部105は、選択された選択肢の内容に基づいて、対話パラメータの値を求め、図7の対話パラメータテーブルに経過時間と対応付けて登録する。一方、会話の選択やキャラクタ201への接触等、キャラクタ201に対するコミュニケーションをとるための対話入力が行われなかった場合、受付部102は、仮想ゲームへの操作入力を受け付けたか否か判断する。
【0127】
受付部102がプレイヤから操作入力を受け付けたと判断した場合(ステップS110;Yes)、進行部104は受け付けられた操作入力に基づいて、仮想ゲームを進行させる(ステップS111)。一方、受付部102がプレイヤから操作入力を受け付けなかったと判断した場合(ステップS110;No)、進行部104は、生成部103により操作入力が生成されたか否かを判断する(ステップS112)。
【0128】
例えば、プレイヤが操作キー18を押圧して、仮想キャラクタ301を動かす操作をした場合、受付部102は、仮想ゲームに対する操作入力を受け付けたと判断する。そして、進行部104は、受け付けられた操作入力に基づいて仮想キャラクタ301を動かす。一方、受付部102が仮想ゲームへの操作入力を受け付けなかったと判断した場合、進行部104は、生成部103によりキャラクタ201が操作する仮想キャラクタ302を動かす操作が生成されたか否かを判断する。
【0129】
進行部104が、操作入力が生成されたと判断した場合(ステップS112;Yes)、進行部104は、生成された操作入力に基づいて、仮想ゲームを進行させる(ステップS111)。一方、進行部104が、操作入力は生成されなかったと判断した場合(ステップS112;No)、ステップS101に戻る。
【0130】
例えば、進行部104が、生成部103による仮想キャラクタ302を動かす操作が生成されと判断すると、当該生成された操作入力に基づいて、仮想キャラクタ302を動かす。一方、進行部104が、仮想キャラクタ302への操作入力が生成されなかったと判断した場合、ステップS101に戻る。
【0131】
ステップS102において対話パラメータが更新されると、次に、決定部106は、記憶された対話パラメータに基づいて発生確率を算出する(ステップS103)。
【0132】
例えば、決定部106は、対話パラメータ101a2から対話パラメータの増減101a3の値を求め、当該値の絶対値を加算して発生値101a4を求め、当該発生値を1000で割ることにより、発生確率を算出する。
【0133】
発生確率が決定されると、生成部103は、発生確率の高さに基づいて、プレイヤからキャラクタに対する対話入力を促す対話入力を生成する(ステップS104)。
【0134】
例えば、生成部103は、図9(a)のグラフに基づいて、キャラクタ201からプレイヤへ問いかけを行う対話入力を生成する頻度を求め、当該頻度で当該対話入力を生成する。対話入力が生成されると、処理制御部10により、例えば、図8のゲーム画像が表示される。
【0135】
次に、決定部106は、仮想ゲームにおいて、イベントを発生させる発生条件が満たされているか否かを判断する(ステップS105)。決定部106は、発生条件が満たされていると判断すると(ステップS105;Yes)、イベントを発生すべき発生確率を決定する(ステップS106)。一方、決定部106は、発生条件が満たされていないと判断すると(ステップS105;No)、ステップS101に戻る。
【0136】
例えば、仮想ゲームとして対戦型格闘ゲームが実行されている場合、決定部106は、仮想キャラクタ301の体力が所定の状態を下回っているか否かを判断する。そして、決定部106は、仮想キャラクタ301の体力が所定の状態を下回っていると判断すると、当該判断後の直近の発生確率(例えば、“0.050”)を、イベントを発生すべき発生確率とする。一方、決定部106が、仮想キャラクタ301の体力が所定の状態を下回っていないと判断すると、ステップS101に戻る。
【0137】
進行部104は、決定された発生確率に基づいて、イベントを発生させるか否かを判断する(ステップS107)。進行部104は、イベントを発生させると判断すると(ステップS107;Yes)、決定部106は、イベントの種類を判定する(ステップS108)。そして、進行部104は、決定部106が判定した種類のイベントを発生させる(ステップS109)。一方、進行部104が、イベントを発生させないと判断すると(ステップS107;No)、ステップS101に戻る。
【0138】
進行部104がイベントを発生させると判断すると、決定部106は、例えば、現在の対話パラメータの値“64”に基づいてプラスイベントとマイナスイベントの発生比率“3対1”を求め、当該発生比率によりプラスイベントを発生させると決定したとする。進行部104は、ゲームプログラムに従い、決定されたプラスイベントである仮想キャラクタ301の体力の回復させるイベントを仮想ゲームにおいて発生させる。一方、進行部104が、決定された発生確率に基づきイベントを発生させないと判断すると、ステップS101に戻る。
【0139】
本実施形態によれば、キャラクタの機嫌に連動するように、仮想ゲームにおいて所定のイベントが起きるので、キャラクタにおける変化をキャラクタの行動以外でも知ることができる。
【0140】
なお、本実施形態において、決定部106は、随時発生条件が満たされるか否かを判断する構成となっているが、これに限らない。例えば、対話パラメータの増減により求めた発生値が所定の値を超えた場合のみ、決定部106は、発生条件が満たされるか否かを判断するようにしてもよい。これにより、よりゲームの終盤となりそうな場面でイベントを発生させることができ、仮想ゲームの興趣性を向上させ、キャラクタ201とのコミュニケーションをより楽しむことができる。
【0141】
また、本実施形態において、発生確率は対話パラメータに基づいて求められるが、発生条件の内容により補正してもよい。例えば、「プレイヤの領域が80%以上埋まっている」等、プレイヤにとって不利な状態が発生条件とされ、当該発生条件が満たされた場合、決定部104はイベントの発生確率が高くなるよう調節してもよい。あるいは、決定部104は、プラスイベントが発生する発生比率を高くするようにしてもよい。これにより、プレイヤがピンチのときにイベントが発生され易くすることができ、仮想ゲームの興趣性を向上させ、キャラクタ201とのコミュニケーションをより楽しむことができる。
【産業上の利用可能性】
【0142】
本発明によれば、コミュニケーションゲームにおいてキャラクタにおける変化の伝達を簡易な計算で行うのにゲーム装置、ゲーム制御方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0143】
1 携帯型情報処理装置
10 処理制御部
10a CPUコア
10b 画像処理部
10c VRAM
10d WRAM
10e LCDコントローラ
10f タッチパネルコントローラ
11 コネクタ
12 カートリッジ
12a ROM
12b RAM
13 無線通信部
14 通信コントローラ
15 サウンドアンプ
16 スピーカ
17 マイク
18 操作キー
18a 方向キー
18b ボタン
19 第1の表示部
20 第2の表示部
21 タッチパネル
22 カメラ
23 角速度センサ
31 上側筐体
32 下側筐体
100 ゲーム装置
101 記憶部
102 受付部
103 生成部
104 進行部
105 更新部
106 決定部
200 ゲーム画像
201 キャラクタ
202 領域
203、204、206、207 文字列
205 カーソル
300 仮想ゲーム画像
301、302 仮想キャラクタ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
対話パラメータが記憶される記憶部と、
プレイヤから、仮想ゲームに対する操作入力およびキャラクタに対する対話入力を受け付ける受付部と、
前記キャラクタによる前記仮想ゲームに対する操作入力を生成する生成部と、
前記受け付けられた操作入力および/または前記生成された操作入力に基づいて、前記仮想ゲームを進行させる進行部と、
前記受け付けられた対話入力に基づいて、前記記憶された対話パラメータを更新する更新部と、
前記記憶された対話パラメータに基づいて、前記仮想ゲームにおけるイベントの発生確率を決定する決定部と、
を備え、
前記進行部は、前記決定された発生確率で、前記仮想ゲームにおいて前記イベントを発生させる
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記対話パラメータが増加した場合、前記決定部は第1の発生確率を決定し、前記進行部は前記決定された第1の発生確率で第1のイベントを発生させ、
前記対話パラメータが減少した場合、前記決定部は第2の発生確率を決定し、前記進行部は前記決定された第2の発生確率で第2のイベントを発生させる
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲーム装置であって、
前記生成部は、
前記キャラクタから前記プレイヤに対する対話入力を生成し、
前記発生確率が高ければ高いほど、前記プレイヤから前記キャラクタに対する対話入力を促す前記対話入力を生成する
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
対話パラメータが記憶される記憶部と、受付部と、生成部と、進行部と、更新部と、決定部と、を備えるゲーム装置が実行するゲーム制御方法であって、
当該ゲーム制御方法は、
前記受付部が、プレイヤから、仮想ゲームに対する操作入力およびキャラクタに対する対話入力を受け付ける受付工程と、
前記生成部が、前記キャラクタによる前記仮想ゲームに対する操作入力を生成する生成工程と、
前記進行部が、前記受け付けられた操作入力および/または前記生成された操作入力に基づいて、前記仮想ゲームを進行させる進行工程と、
前記更新部が、前記受け付けられた対話入力に基づいて、前記記憶された対話パラメータを更新する更新工程と、
前記決定部が、前記記憶された対話パラメータに基づいて、前記仮想ゲームにおけるイベントの発生確率を決定する決定工程と、
を備え、
前記進行工程において、前記進行部は、前記決定された発生確率で、前記仮想ゲームにおいて前記イベントを発生させる
ことを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項5】
コンピュータを、
対話パラメータが記憶される記憶部、
プレイヤから、仮想ゲームに対する操作入力およびキャラクタに対する対話入力を受け付ける受付部、
前記キャラクタによる前記仮想ゲームに対する操作入力を生成する生成部、
前記受け付けられた操作入力および/または前記生成された操作入力に基づいて、前記仮想ゲームを進行させる進行部、
前記受け付けられた対話入力に基づいて、前記記憶された対話パラメータを更新する更新部、
前記記憶された対話パラメータに基づいて、前記仮想ゲームにおけるイベントの発生確率を決定する決定部、
として機能させ、
前記進行部は、前記決定された発生確率で、前記仮想ゲームにおいて前記イベントを発生させる
ように機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−111098(P2013−111098A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257142(P2011−257142)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】