説明

ゲーム装置、ゲーム制御方法、ゲーム制御プログラム、及び、該プログラムを記録した記録媒体

【課題】顔画像に対して使用者が所望する化粧を簡易にシミュレーションする。
【解決手段】取得した顔画像に対し、使用者の操作に応答して予め設定されたオブジェクトを合成して仮想的に化粧を施した画像を表示させるゲームのプログラムを実行可能なゲーム装置であって、予め複数の化粧情報を蓄積する蓄積手段と、前記顔画像を取得する撮像手段と、前記撮像手段により得られる顔画像に対して顔の各部位の位置とサイズからなる顔特徴情報を抽出する顔画像抽出手段と、前記顔画像抽出手段により抽出された前記顔特徴情報に応じて、前記蓄積手段から予め蓄積された複数の化粧顔情報から特定の化粧顔情報を選択し、前記化粧顔情報を前記顔画像抽出手段により得られる前記顔特徴情報に基づいて、前記顔画像と適合させた化粧後画像を生成する化粧顔生成手段と、前記化粧顔生成手段により得られる前記化粧後画像を表示する表示手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、ゲーム制御方法、ゲーム制御プログラム、及び、該プログラムを記録した記録媒体に係り、特に顔画像に対して使用者が所望する化粧を簡易にシミュレーションするためのゲーム装置、ゲーム制御方法、ゲーム制御プログラム、及び、該プログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シミュレーション技術の一つとして、使用者の顔を撮影し、撮影した画像から使用者の好みの化粧を画像を合成して行うシミュレーション技術が知られている。
【0003】
また、自分の顔に化粧を施す場合、一般では各種雑誌媒体等で化粧方法等の情報が提示されているため、それを参考にして自分が所望する化粧方法を選択している。しかしながら、実際には、自分の顔がどのようなタイプであるのかを主観的ではなく客観的に分析した上で、その人に一番合った化粧情報を単に提示するだけではなく、その化粧を施すことによって、どのような顔になるのかを画像として表示する装置が求められており、その対応として、例えば、「(1)撮像した顔画像から、顔の各部位を抽出する。」、「(2)タイプ毎に分ける。」、「(3)タイプ毎に予め設定したメイクを検出した部位に併せてモーフィングさせて貼り付ける。」といったような方法をそれぞれ実施する装置が存在する(例えば、特許文献1,2参照。)
【特許文献1】特開2001−148018号公報
【特許文献2】特開2000−354517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に示されている手法では、カメラから顔画像を撮像し、顔の形状のタイプの分類作業を行い、顔形に基づいたアドバイスを行うものであるが、あくまで化粧のアドバイスが表示されるのみであり、そのアドバイスに従った結果、自分の顔がどのように変化するのかまでは確認できず、アドバイスを知るのみであった。
【0005】
また、上述した特許文献2に示されている手法は、所定の印象を有する顔の形状を画像形成し、その顔の形状に現実の人の顔のテクスチャを貼り付けるものであるが、使用者がこの方法を実施するためには、その方法を実施可能な程度の装置を所有するか、設置されている場所に行くしかなかった。つまり、このような装置は一般的には高価であるため所有は困難であり、多くの使用者がこのような装置を使用したい場合には、その装置がおいてある専門の場所、例えば百貨店の化粧品コーナーや美容院、カウンター等に出かけなければ実施することができなかった。したがって、そのような装置が置いてあるような専門の場所に行くことは、使用者にとってわざわざ出かけなければならないという面倒さに加えて、その装置を使わせてもらう代わりに何らかの製品を購入しなければならないのではないかという予想がされるため、実際に使用される機会は少なかった。
【0006】
このような事態は、使用者にとっては自分の顔立ちに似合う化粧方法がどのようなものであるかを確認することができず、客観的なデータに基づいた自分の顔に似合った化粧方法を知らないままに化粧を施すことになり、また化粧品を開発する開発会社にとっても、使用者にとって客観的なデータに基づいた似合う化粧方法を提供することができず、不本意な結果となっていた。
【0007】
また、化粧は、女性にとって日常的に行われる行為であるが、従来技術に示すような専門的な装置を用いた場合、日常的に化粧方法を確認することができなかったため、使用者にとっては、客観的なデータに基づいて提供される使用者自身に一番ふさわしい化粧方法を気軽に確認することができるプログラムが求められていた。
【0008】
なお、店頭の化粧品コーナー等にある予め設置された専用の化粧シミュレーション装置を、広く一般に流通している携帯用ゲーム装置を利用して化粧シミュレーションを行うような場合には、撮像した画像をシミュレーションすることが可能な画像処理専用のCPU(Central Processing Unit)を有していないため、例えばそのディスプレイの解像度(約192×256ピクセル)や、ドットピッチ(約0.24mm)、約26万色表示程度であるとの性能上の制限があることが多く、またそのような装置に対して用いる撮像装置の性能自体はそれほど高くないため、顔分析の精度が劣化してしまい、正確な分析を行うことができなかった。
【0009】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、顔画像に対して使用者が所望する化粧を簡易にシミュレーションするためのゲーム装置、ゲーム制御方法、ゲーム制御プログラム、及び、該プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
【0011】
請求項1に記載された発明は、取得した顔画像に対し、使用者の操作に応答して予め設定されたオブジェクトを合成して仮想的に化粧を施した画像を表示させるゲームのプログラムを実行可能なゲーム装置であって、予め複数の化粧情報を蓄積する蓄積手段と、前記顔画像を取得する撮像手段と、前記撮像手段により得られる顔画像に対して顔の各部位の位置とサイズからなる顔特徴情報を抽出する顔画像抽出手段と、前記顔画像抽出手段により抽出された前記顔特徴情報に応じて、前記蓄積手段から予め蓄積された複数の化粧顔情報から特定の化粧顔情報を選択し、前記化粧顔情報を前記顔画像抽出手段により得られる前記顔特徴情報に基づいて、前記顔画像と適合させた化粧後画像を生成する化粧顔生成手段と、前記化粧顔生成手段により得られる前記化粧後画像を表示する表示手段とを有することを特徴とする。
【0012】
請求項1記載の発明によれば、顔画像に対して使用者が所望する化粧を簡易にシミュレーションすることができる。
【0013】
請求項2に記載された発明は、前記顔画像抽出手段は、前記顔画像における予め設定された少なくとも1以上の部位のエッジを抽出するエッジ抽出手段と、前記エッジ抽出手段により得られる画像からマスク画像を用いて前記部位を抽出するマスク抽出手段とを有することを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、顔の各部位を高精度に抽出することができる。したがって、高精細ではないカメラを用いて撮影しても顔の各部位を抽出することができる。
【0015】
請求項3に記載された発明は、前記顔画像抽出手段は、前記マスク抽出手段により抽出された前記部位の領域を予め設定された複数の点により位置付け、位置付けられた点の少なくとも1つを前記表示手段に表示し、操作入力手段を用いて少なくとも1つの点を移動させて各部位の位置を調整する調整手段を有することを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、高精度に顔の各部位を抽出することができる。また、顔画像に対応させて顔画像の好きな位置に意図的に化粧を施すことができ、娯楽性を向上させることができる。
【0017】
請求項4に記載された発明は、前記顔画像抽出手段により抽出された顔特徴情報から予め設定された複数の顔分類のうち、何れかの分類に位置付ける分類手段を有し、前記化粧顔生成手段は、前記分類手段により得られる顔分類毎に設定された顔特徴情報に応じて、予め蓄積された複数の化粧顔情報から特定の化粧顔情報を選択し、前記顔画像抽出手段により得られる前記顔特徴情報に基づいて、前記顔画像と適合させた化粧後画像を生成することを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、顔画像を顔特徴情報に対応させて分類させ、その結果に基づいた化粧顔を確認することができる。
【0019】
請求項5に記載された発明は、前記顔画像抽出手段により得られる各部位の位置とサイズからなる顔特徴情報に合わせて、前記化粧顔情報に含まれる化粧する位置情報を修正し、修正した位置情報を蓄積手段に蓄積させるよう制御する制御手段を有することを特徴とする。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、設定した情報を継続して使用することができるため、使用性を向上させることができる。
【0021】
請求項6に記載された発明は、前記化粧顔生成手段は、表示される前記化粧後画像の他に、表示された化粧に応じたアドバイスを生成するアドバイス提示手段を備えていることを特徴とする。
【0022】
請求項6記載の発明によれば、化粧後画像に対応させて実際の顔に化粧を施すことができる。
【0023】
請求項7に記載された発明は、前記顔画像に適した課題を提供し、前記課題に対応して前記使用者が顔画像に入力した情報から、課題の達成度を判定する判定手段と、前記判定手段により判定された課題の達成度の判定結果を前記表示手段に表示する判定表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0024】
請求項7記載の発明によれば、化粧に対する課題に対応することで、化粧の知識を高めることができ、娯楽性を向上させることができる。
【0025】
請求項8に記載された発明は、取得した顔画像に対し、使用者の操作に応答して予め設定されたオブジェクトを合成して仮想的に化粧を施した画像を表示させるゲームのプログラムを実行可能なゲーム装置の制御方法であって、予め複数の化粧情報を蓄積する蓄積工程と、前記顔画像を取得する撮像工程と、前記撮像工程により得られる顔画像に対して顔の各部位の位置とサイズからなる顔特徴情報を抽出する顔画像抽出工程と、前記顔画像抽出工程により抽出された前記顔特徴情報に応じて、前記蓄積工程により予め蓄積された複数の化粧顔情報から特定の化粧顔情報を選択し、前記化粧顔情報を前記顔画像抽出工程により得られる前記顔特徴情報に基づいて、前記顔画像と適合させた化粧後画像を生成する化粧顔生成工程と、前記化粧顔生成工程により得られる前記化粧後画像を表示する表示手段とを有することを特徴とする。
【0026】
請求項8記載の発明によれば、顔画像に対して使用者が所望する化粧を簡易にシミュレーションすることができる。
【0027】
請求項9に記載された発明は、取得した顔画像に対し、使用者の操作に応答して予め設定されたオブジェクトを合成して仮想的に化粧を施した画像を表示手段に表示させるゲームのプログラムを実行可能なゲーム装置を構成するコンピュータを、予め複数の化粧情報を蓄積する蓄積手段、前記顔画像を取得する撮像手段、前記撮像手段により得られる顔画像に対して顔の各部位の位置とサイズからなる顔特徴情報を抽出する顔画像抽出手段、及び、前記顔画像抽出手段により抽出された前記顔特徴情報に応じて、前記蓄積手段から予め蓄積された複数の化粧顔情報から特定の化粧顔情報を選択し、前記化粧顔情報を前記顔画像抽出手段により得られる前記顔特徴情報に基づいて、前記顔画像と適合させた化粧後画像を生成する化粧顔生成手段、として機能させる。
【0028】
請求項9記載の発明によれば、ゲーム制御プログラムにより、顔画像に対して使用者が所望する化粧を簡易にシミュレーションすることができる。
【0029】
請求項10に記載された発明は、請求項9に記載のゲーム制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0030】
請求項10記載の発明によれば、記録媒体を用いて、ゲーム制御プログラムを容易にインストールすることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、ゲーム装置、ゲーム制御方法、ゲーム制御プログラム、及び、該プログラムを記録した記録媒体にあっては、使用者へのメイクを簡易にシミュレーションすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
<本発明の概要>
本発明は、例えば、百貨店等の化粧品コーナーのカウンター等に設置されているような専門的な装置を用いることなく、広く一般に流通している撮像手段によって取得した画像の処理を行う専用の画像処理手段を有していない携帯可能な端末(ゲーム装置等)を用いて気軽に自分の顔を分析し、その結果に基づいて化粧顔を確認することができるゲームソフトコンテンツを提供する。
【0033】
具体的には、顔画像を撮像し、撮像した顔画像を分析し、その分析結果からその人にあった化粧顔を選択し、その選択された化粧顔をその人の顔に所望する形態に補正した上で表示させることで、客観的な情報に基づいて、その人に一番似合う化粧顔等を提示する。
【0034】
以下に、本発明におけるゲーム装置、ゲーム制御方法、ゲーム制御プログラム、及び、該プログラムを記録した記録媒体を好適に実施した形態について、図面を用いて説明する。
【0035】
<シミュレーションゲーム装置:概略構成例>
図1は、本発明の第1の実施形態を示すゲーム機の斜視図である。図1において、一例として示すゲーム機(ゲーム装置)10は、液晶表示器で構成された略長方形形状の第1の表示画面12と第2の表示画面14を備え、ハウジング16内に画像処理装置を収納している。なお、第1の表示画面12と第2の表示画面14は、図1に示すように横長の状態のまま使用することもでき、また縦長に立てて使用することもできる。
【0036】
ゲーム画面を表示するための第1の表示画面12は、上側ハウジング16aに支持され、同様にゲーム画面を表示するための第2の表示画面14は、下側ハウジング16bに支持され、上側ハウジング16aと下側ハウジング16bは、ヒンジを介して回動自在に連結されている。第1の表示画面12及び第2の表示画面14に表示される画面は、動画像或いは静止画に限定されず、第1の表示画面12に動画像が表示されているときに、第2の表示画面14に第1の表示画面12に表示されている画像をキャプチャした画像を静止画として表示することも可能であり、また逆に表示することも可能である。表示される画像は、表示手段によってポリゴン等で構成される仮想空間の画像を表示することも、後述するカメラによって撮像された現実空間の画像を表示することも可能である。
【0037】
また、上側ハウジング16aの左端側には、スピーカの音抜き孔18が形成されており、下側ハウジング16bには操作スイッチ20として、方向指示スイッチ(十字スイッチ)20a、スタートスイッチ20b、セレクトスイッチ20c、動作スイッチ(Aボタン)20d、動作スイッチ(Bボタン)20e、動作スイッチ20f、動作スイッチ20g、動作スイッチ(左押しボタン)20L、動作スイッチ(右押しボタン)20Rが配置されている。
【0038】
ここで、方向指示スイッチ20aは、ディジタルジョイスティックとして機能し、操作部の1つを操作することによって、使用者(プレイヤ)によって操作可能なカーソルの移動方向を指示したり、所望する化粧シミュレーションを実現するための項目の選択を指示したり、ソフトウェアが提示するオブジェクトの移動方向を指示したり、カーソルの移動方向を指示したりすることができる。ボタンの形状は、4方向に入力しやすい形状となっているが、斜めに入力することも可能である。また、スタートスイッチ20bは、プッシュボタンで構成され、ゲーム(シミュレーション等)を開始(再開)したり、一時停止したりするために用いられる。また、セレクトスイッチ20cは、プッシュボタンで構成され、ゲームモードの選択等に用いられる。
【0039】
また、動作スイッチ20dは、Aボタンとして、プッシュボタンで構成され、方向指示以外の動作、例えば、使用者が選択した項目の決定、シミュレーションの実行等の任意の動作をさせることができる。また、動作スイッチ20eは、Bボタンとして、プッシュボタンで構成され、セレクトスイッチ20cで選択したゲームモードの変更やAボタン20dで決定したアクションの取り消し等に用いられる。
【0040】
更に、動作スイッチ(左押しボタン)20Lと動作スイッチ(右押しボタン)20Rは、プッシュボタンで構成され、各動作スイッチ20Lと20Rは、Aボタン20dとBボタン20eの補助的な操作に用いることができる。
【0041】
これらのスイッチは、上記に説明した役割を別のスイッチに持たせることも可能であり、また上記に説明した役割とは異なった役割を持たせることも可能であり、これらの設定はゲームの内容によって、適宜変更が可能である。
【0042】
第2の表示画面14上には、操作入力手段としてタッチパネル22が装着されている。このタッチパネル22としては、例えば、抵抗膜方式、光学式(赤外線方式)及び静電容量結合式、超音波式、電磁誘導式の何れかのものを用いることができる。このタッチパネル22は、その上面に対して、スティック又はスタイラスペン(ペン)24或いは指で押圧したり、触れたりする操作を行うと、スティック24等の座標位置を検出して、座標位置データとして出力するようになっている。また、スティック24は、下側ハウジング16bの収納部26に収納することができ、必要に応じて収納部26から取り出される。
【0043】
また、図1に示すようにゲーム機10には、使用者(プレイヤ)等の化粧シミュレーションを行う対象者の顔等を撮影するための撮像手段(レンズ付きカメラ)28が上側ハウジング16aと、後述するゲーム機10に内蔵されるコネクタにより接続される。
【0044】
なお、図1に示すように、ゲーム機10に内蔵されるコネクタには、記録媒体であるメモリカード(又はゲームカード)30が着脱自在に装着されるようになっている。メモリカード30は、例えば、下側ハウジング16b背面側に形成された挿入口32から挿入されて、コネクタに装着されるようになっている。コネクタにメモリカード30が装着されたときには、ゲーム機10のCPUコアからメモリカード30に対してアクセス可能になっている。
【0045】
<ゲーム機10:ブロック構成図>
次に、上述したゲーム機10のブロック構成例について図を用いて説明する。図2は、ゲーム機におけるブロック構成の一例を示す図である。ゲーム機10は、図2に示すように、画像処理装置を実装するための回路基板40を収納している。
【0046】
回路基板40には、CPUコア42、バス44、第1のコネクタ46、及び、第2のコネクタ48等が実装されている。CPUコア42は、バス44を介して第1の第2のコネクタ48や第2のコネクタ48に接続されていると共に、RAM(Random Access Memory)50、第1のグラフィック処理ユニット(GPU:Graphics Processing Unit)52、第2のGPU54、入出力インターフェース回路(以下、I/F回路と称する。)56、及び、コントローラ58に接続されている。
【0047】
第1のコネクタ46に装着されるカメラ28には、レンズ28a等を備え、例えば使用者等の化粧シミュレーションを行う対象者の顔画像の全体又は各部位を所定の大きさで撮影する。つまり、レンズ28aは、拡大や縮小する機能を備え、例えば使用者の顔全体又は目や口等の各部位の画像を第1の表示画面12、又は第2の表示画面14に所定の大きさで表示させてもよい。
【0048】
また、第2のコネクタ48に装着されるメモリカード30は、ROM(Read Only Memory)30a、RAM30bを備え、両者は、互いにバスで接続されている。このため、CPUコア42は、バス44、第2のコネクタ48を介して、メモリカード30のROM30aやRAM30bをアクセスすることができる。
【0049】
なお、ROM30aは、ゲーム機10で実行すべきゲーム(仮想ゲーム)のためのゲームプログラム、画像(キャラクタ画像、背景画像、アイテム画像、メッセージ画像等)データ及びゲームに必要な音(音楽)のデータ(音データ)等を予め記憶する。また、RAM30bは、ゲームの途中データやゲームの結果データ、例えば、取得したアイテムの種別やストーリーをある一定以上進めた場合に、イベントで自動的に取得した情報、化粧シミュレーション結果、化粧方法等に関する各種データを蓄積するようになっている。
【0050】
また、RAM50は、バッファメモリ又はワーキングメモリとして使用される。例えば、CPUコア42は、メモリカード30のROM30aに記憶されたゲームプログラム、画像データ及び音データ等をRAM50にロードし、ロードしたゲームプログラムを実行する制御を行う。この場合、CPUコア42は、ゲームの進行に応じて一時的に発生するデータ(ゲームデータやフラグデータ)をRAM50に記憶しつつゲーム処理を実行する制御を行う。
【0051】
また、第1のGPU52と第2のGPU54とは、それぞれ描画手段の一要素を構成し、例えば、シングルASICで構成され、CPUコア42からのグラフィックコマンドを受け、そのグラフィックコマンドにしたがってゲーム画像(ゲーム画面)のデータ(画面データ)を生成する。この場合、CPUコア42は、グラフィックコマンドに加えて、画面データの生成に必要な画像生成プログラム(ゲームプログラムに含まれるプログラム)を第1のGPU52、及び第2のGPU54に与えるようになっている。
【0052】
第1のGPU52には、第1のビデオRAM(以下、VRAMと称する。)60が接続され、第2のGPU54には、第2のVRAM62が接続されている。第1のGPU52は、作成した画面データを第1のVRAM60に描画し、第2のGPU54は、作成した画面データを第2のVRAM62に描画する。各GPU52,54及び各VRAM60,62は、それぞれコントローラ58に接続されている。
【0053】
コントローラ58は、例えば1ビットで構成されたレジスタ64を備え、CPUコア42の指示にしたがって「0」又は「1」の値を記憶する。また、コントローラ58は、レジスタ64のデータ値が「0」のときには、第1のVRAM60に描画された画面データを第1の表示画面12に出力し、レジスタ64のデータ値が「1」のときには、第2のVRAM62に描画された画面データを第2の表示画面14に出力する。
【0054】
I/F回路56には、操作スイッチ20、タッチパネル22及びスピーカ66が接続されており、操作スイッチ20、タッチパネル22からの信号がI/F回路56を介してCPUコア42に入力され、CPUコア42の出力による信号がI/F回路56を介してスピーカ66に出力される。例えば、操作スイッチ20の何れかが操作されると、操作されたスイッチの操作信号(操作データ)がI/F回路56を介してCPUコア42に入力される。また、タッチパネル22からの座標位置データがI/F回路56を介してCPUコア42に入力される。更に、CPUコア42は、化粧シミュレーションを行うためのアナウンス、ゲーム音楽、効果音又はゲームキャラクタの音声(擬制音)等のゲームに必要な音データをRAM50から読み出し、I/F回路56を介してスピーカ66から出力する。
【0055】
<RAMのメモリマップの構成例>
ここで、上述したRAM50のメモリマップの構成例について、図を用いて説明する。図3は、本実施形態におけるRAMのメモリマップの一構成例を示す図である。
【0056】
RAM50は、図3に示すように、プログラム記憶領域70、データ記憶領域72を備えている。ここで、プログラム記憶領域70には、ゲーム面処理プログラム80、コントローラ入力検出プログラム82、タッチパネル入力検出プログラム84、画像生成プログラム86、メイン画像表示プログラム88、サブ画面表示プログラム90、プレイヤキャラクタ表示制御プログラム92、オブジェクト表示制御プログラム94等が蓄積されている。また、データ記憶領域72には、画像データ100、音データ102が蓄積されていると共に、オブジェクトデータバッファ領域104、操作データバッファ領域106、座標位置データバッファ領域108が設けられている。
【0057】
ゲームメイン処理プログラム80は、化粧シミュレーション等の仮想ゲームのゲームメイン処理を実行するためのプログラムである。コントローラ入力検出プログラム82は、コントローラすなわち操作スイッチ20から入力される操作データを検出し、検出した操作データをデータ記憶領域72に書き込むためのプログラムである。タッチパネル入力検出プログラム84は、タッチパネル22から入力される座標位置データを検出し、検出した座標位置データをデータ記憶領域72に書き込むためのプログラムである。
【0058】
画像生成プログラム86は、ゲーム画像を生成するためのプログラムである。この画像生成プログラム86は、CPUコア42によって、第1のGPU52及び第2のGPU54のそれぞれに与えられ、第1のGPU52及び第2のGPU54が、それぞれ画像生成プログラム86にしたがって、画面データを第1のVRAM60及び第2のVRAM62に生成する。
【0059】
メイン画面表示プログラム88は、第1の表示画面12にメイン画面としてゲーム画面を表示する場合にコントローラ58に表示コマンドを与えるためのプログラムである。また、サブ画面表示プログラム90は、第2の表示画面14にサブ画面としてキャプチャ画面を表示する場合にコントローラ58に表示コマンドを与えるためのプログラムである。
【0060】
プレイヤキャラクタ表示制御プログラム92は、使用者の操作に応じてプレイヤキャラクタのゲーム画面への表示を制御するためのプログラムである。また、オブジェクト表示制御プログラム94は、オブジェクトのゲーム画面への表示を制御するためのプログラムである。ここで、オブジェクトは、後述する顔画像を分析するために抽出される各部位のポイントや、使用者に動作内容を選択させるために画面上に表示される各種項目、化粧シミュレーションを行うためのナビゲーションやアナウンス、化粧方法のアドバイス等を行うキャラクタ、プレイヤキャラクタ又はオブジェクトを意味し、例えば人物オブジェクト、アイテムオブジェクト、背景の各オブジェクト等が該当する。なお、化粧方法のアドバイス等は、文字情報に限定されるものではなく、音声情報或いは静止画、動画を含む映像情報、又はその2つ以上の組み合わせであってもよい。
【0061】
また、データ記憶領域72に蓄積される画像データ100は、オブジェクトやプレイヤキャラクタ等の画像を生成するのに必要なデータであり、アイコン画像のデータ、メッセージ画像のデータ等である。また、音データ102は、ゲームに必要な音(音楽)を出力するためのデータである。
【0062】
オブジェクトデータバッファ領域104は、使用者のキャプチャ操作があったときにゲーム画面に表示されるオブジェクトに関するデータを一時記憶する領域である。操作データバッファ領域106は、コントローラ入力検出プログラム82にしたがってCPUコア42によって検出された操作データを一時記憶する領域である。座標位置データバッファ領域108は、タッチパネル入力検出プログラム84にしたがってCPUコア42によって検出された座標位置データを一時記憶する領域である。
【0063】
<ソフトウェアの実施例>
本実施形態によるゲームソフトのコンテンツの実施例の内容を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下に示すコンテンツは、コンピュータプログラムとして記録媒体やRAM50に記憶されている。
【0064】
本実施形態では、カメラ等の撮像手段により撮影した化粧シミュレーション対象者の顔画像から顔を分析するための顔情報を取得し、取得した顔情報に基づいて、例えば「お勧めメイク」を自動選択し、選択されたメイクを顔画像上に生成して表示したり、「フリーメイクモード」にて化粧シミュレーションを行う対象者の顔に対してメイクに対する課題を提示し、その課題の達成度を得点化して競う等のコンテンツ(アプリケーション)等を提供することができる。
【0065】
<顔画像抽出処理>
本実施形態では、まず化粧シミュレーションを行う基となる顔画像を取得するための顔画像抽出処理について図を用いて説明する。
【0066】
図4は、本実施形態における顔画像抽出処理の一例を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートでは、ハードウェアが比較的低い動作環境のゲーム装置においても簡易で高精度に顔画像を取得するための手法を示す。
【0067】
図4に示す顔画像抽出処理は、まず上述した撮像手段であるカメラにて、顔画像全体を撮像し(S01)、撮像した顔画像をメモリ等により記憶する(S02)、次に、記憶した顔画像の時間軸フィルタ、3次元フィルタ等のフィルタリングによりノイズ除去を行う(S03)。
【0068】
次に、S03の処理によりノイズ除去された画像に対して顔認識処理を行う(S04)。具体的には、顔画像に含まれている顔の各部位毎のポイント座標を検出してバッファに蓄積し、更に時間軸に対して画像を平滑化するために、例えば3×3等の一定の領域のピクセルを濃度等でソートし、その「中央」のピクセルの値を領域の中心の値とする画像処理であるメディアンフィルタを通す。なお、例えば顔の上部フェイスラインや目の下ライン等の化粧を行う上で重要なポイントについてはエッジ抽出処理やマスク抽出処理等を行う。
【0069】
次に、顔の各部位の切り出しを行う(S05)。具体的には、例えばHSV分解処理を用いて顔のパーツ毎の切り出しを行う。なお、HSVとは、色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value)の3つの成分からなる色空間であり、これらを分解して撮影された画像中に含まれる目や唇、等の各部位毎に切り出しを行う。なお、彩度については、修正HSV処理を行うことで、更に分解精度を高めてもよい。
【0070】
次に、マットキーを生成してクロマキー合成処理を行い(S06)、合成後に得られた各部位の抽出ポイントを蓄積手段(RAM)等に記憶する(S07)。また、抽出ポイント周辺部を部位そのものとして、各部位の位置とサイズを記憶し(S08)、そのポイントを顔画像と共に表示する(S09)。ここで、表示された画像を確認し、修正が必要であるか否かを判断し(S10)、修正が必要である場合(S10において、YES)、S01に戻り、顔画像を再度撮影し、後続の処理を行う。また、修正が必要でない場合(S10において、NO)、顔画像抽出処理を終了する。これにより、カメラにより得られる顔画像に対して顔の各部位の位置とサイズを抽出することができる。
【0071】
次に、上述したS03〜S06の各処理について具体的に説明する。
【0072】
<S03:ノイズ除去について>
ここで、上述のノイズ除去について説明する。本実施形態に用いられるカメラは、解像度等の性能が高いわけでない装置に対して用いる撮像装置等を用いるため、特に暗部等においてはノイズが多く、また使用者との距離が近いためにパースが付き過ぎるといった点が問題になる。そこで、本実施形態では、ノイズに関して前フレームと現フレームとの画像を用いて時間軸フィルタを行ったり、3次元フィルタを用いてノイズ除去を行う。
【0073】
なお、上述のフィルタリングは、例えば時間軸フィルタリングの場合には、隣接するフレーム間で同じ位置にある画素同士の関係を基に、当該画素を他の画素の平均値で置き換えを行い、3次元の空間フィルタリングでは、同一フレーム内で隣接する画素同士の関係を基に、当該画素を他の画素の平均値で置き換えを行う。なお、他のフィルタリング処理を用いてノイズ除去を行ってもよい。
【0074】
<S04:顔認識処理>
次に、上述の顔認識処理(S04)について説明する。顔認識処理では、例えば沖電気株式会社製のFSE(Face Sensing Engine(登録商標))等を用いることができる。具体的には、顔認識として、例えば特開2000−339476号公報に示されているように、使用者を撮影した画像データから顔の中心線を求め、その中心線に基づいて顔領域を決定し、決定により得られた顔領域を左目領域と右目領域と鼻領域とに分割し、左目領域と右目領域と鼻領域とにおける画像データから目の位置を検出し、左目領域と右目領域と鼻領域とにおける画像データから顔の位置を検出する。
【0075】
なお、通常のFSE処理では、リアルタイム検出に重点を置いているため、今回のような各部位に対して厳密な特徴ポイント抽出処理には不向きである。そこで、本実施形態では、上部のフェイスラインや唇、眉尻、目尻、目の下ライン等について、エッジ抽出を行うと共に、ポイント検出の座標をバッファに蓄積して時間軸に対してメディアンフィルタを通し、更に検出ポイントについて、使用者が自ら各ポイント点の少なくとも1つを移動させることができるようにする。
【0076】
ここで、図5は、本実施形態におけるエッジ抽出の一例を示す図である。図5に示すように、カメラ等により撮影された使用者の顔全体の元画像(図5(a))に対して、例えばエッジ抽出として顔の上部フェイスライン(図5(b))、唇ライン(図5(c))、左右の目の下ライン(図5(d)、(e))等を行い各部位の検出処理を行う。なお、抽出される部位は、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば眉毛や鼻の部位を抽出してもよい。またエッジ抽出により抽出された画像に対してマスク画像による抽出処理を行うことで、高精細の画像でなくても各部位の抽出精度を向上させることができる。
【0077】
<S05:顔の各部位の切り出しについて>
次に、上述の顔の各部位の切り出し処理(S05)について説明する。S05の処理では、顔の各部位の切り出しとして、マスク画像を生成する。つまり、入力された画像から顔を各部位毎に切り出すために肌色の判定を上述したHSVによる色空間から行う。ここで、図6は、HSV分解における画像の一例を示す図である。図6に示すように、HSV分解は、入力された画像を図6(a)に示すように色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value)に分解するためのものである。HSV分解は、画像の明るさを無視できるため、さまざまな環境に左右されない肌色認識が可能になる。
【0078】
ただ、HSV分解では、彩度が低いはずの黒に近い色が高い彩度を示してしまうため、肌色領域内にノイズが生じてしまうことがある。これに対応すべく、図6(b)に示すように修正HSV処理を行う。なお、この修正HSV処理は、使用者を撮影するカメラの性能により異なるため、必要に応じて修正HSV処理を省略することができる。
【0079】
<S06:合成処理>
次に、上述の合成処理(S06)について説明する。S06の処理では、上述したFSEによる顔抽出ポイントを利用してマットキー(マスク信号)を自動生成し、クロマキー合成により抽出精度を高める。ここで、図7は、マットキーの一例を示す図である。図7(a)に示すような顔のフェイスラインのマットキーや、図7(b)に示すような唇のマットキーを生成することにより高精度に各部位を抽出することができる。また、この部位以外にも、目や鼻、耳等の部位をマットキーにすることで、高精度な部位抽出を実現することができる。
【0080】
<ゲームソフトにおける顔画像抽出の画面遷移例>
次に、上述の顔画像抽出処理の画面遷移例について、図を用いて説明する。図8は、本実施形態におけるゲームソフトのゲーム画面遷移の一例を示す図である。なお、図8は、本実施形態におけるゲームソフトを使用するにあたり、事前にユーザー登録を行うための画面を示している。また、図8(a)〜(i)は、ゲーム機10の表示部(第1の表示画面12,第2の表示画面14)のそれぞれに表示される画面を左右に表示させた例を示している。なお、一方の画面(画面左側)では、使用者に対する指示内容(ナビゲーション、アナウンス)を表示し、他方の画面(画面右側)では、その指示内容に基づいて、使用者が、タッチペン等の指示入力装置等を用いて指示内容を入力する例を示している。また、以下に示す各アナウンス等は、画面に表示されるだけでなく、音声出力することができる。
【0081】
まず、図8(a)に示すような撮影モードの場合には、図8(a)左側に示すように、使用者の顔を撮影するために、アバター等のCGキャラクタ(カウンセラー等)が「準備ができましたら、撮影を開始します。」とアナウンス表示され、図8(a)右側画面に示すように、撮影する前段階での注意事項(例えば、前髪が額にかからないよう、ピンやヘアバンドで留めて撮影してください。)等のメッセージが表示される。
【0082】
次に、図8(b),(c)に示すように、カメラの露出補償機能で明るさを選択する。具体的には、図8(b)左側画面に示すように、キャラクタが「カメラを起動しました。○ボタンで明るさを調整してください。」といったメッセージを表示し、他方の画面には、実際にカメラから得られるリアルタイム映像で表示される。ここで、使用者は、明るさを指定する○ボタンを用いて明るさを調整し、図8(c)に示すように、ある所定の明るさを有する画像を取得する。このとき、ゲーム装置10に明るさを検出する機能がついていたら、その検出された値に応じて明るさを調整してもよい。
【0083】
次に、図8(d)右側に示すように、使用者の顔が予め設定される画面上の領域内に入った時点で、自動で所定の数からカウントダウンを行い(図8(d)右側上部)、写真を撮る旨のアナウンスを行う。このとき、図8(d)の左側に表示されているように、キャラクタが「撮影します。そのままでお待ちください…」等のメッセージを表示し、ユーザー(使用者)の顔画像の写真の撮影を行う。
【0084】
次に、撮影された画像について、上述したFSE処理により、顔の表面全体、眉、目、鼻、口の各部位(各パーツ)のポイントを抽出し、その内容が図8(e)の右側に表示される。なお、各部位のポイントは、各部位毎に異なる色が所定数表示されているが、本発明において各ポイントの色や各部位の種類等については特に限定されるものではない。なお、図8(e)の右側画面には、撮影を取り直すための取り直しボタンが設けられており、そのボタンを選択することで、図8(a)の撮影段階に戻り後続の処理を継続して行うことができる。
【0085】
次に、各部位のポイントの調整を行う。具体的には、図8(f)に示すように、「口元と鼻の基準ポイントを調整してください。」とメッセージが表示され、口元の画像が抽出ポイントと共に拡大表示されるため、領域の外周上にある複数のポイントから調整したいポイントを少なくとも1つタッチ(選択)して移動させることで、各点毎に所定の位置に移動させることができる。このとき、各ポイントの移動は、タッチペンによりなぞるように移動させることもでき、また各ポイントのうち少なくとも1つを選択した後に十字キーにより調整することもできる。また、移動対象のポイントは、点滅させることができ、どの点を対象に移動させているかを容易に使用者に知らせることができる。
【0086】
次に、図8(g)に示すように「口元と鼻のポイントを確認してください。」とのメッセージが表示され、調整したいポイントをタッチして移動させることができる。このとき、十字キーを用いて微調整を行うことができる。
【0087】
更に、目元についても例えば図8(h)に示すように、「左の目と眉の基準ポイントを調整してください。」とメッセージが表示され、調整したいポイントをタッチして移動させることができる。このとき、調整したいポイントを十字キーで微調整することもできる。
【0088】
更に、左の目と眉の基準ポイントが決定後、図8(i)に示すように、「左の目と眉のポイントを確認してください。」とのメッセージが表示され、調整したいポイントをタッチして移動させることができる。
【0089】
このとき、ゲーム装置10に設けられた十字キーにより微調整を行うこともできる。上述の処理も右目やフェイスラインにも施すことで、化粧を行うポイントを明確に設定することができる。
【0090】
また、上述したようにポイントの再調整を行うことで、より高精度に各部位の位置とサイズを抽出することができる。また、各部位の位置とサイズを実際の位置よりも意図的にずらして化粧シミュレーションを施すこともでき、娯楽性を向上させることもができる。
【0091】
したがって、上述した顔画像抽出手段により抽出された内容に基づいて、以下に示すようなコンテンツに利用することができる。また、顔画像抽出処理による抽出結果を用いて、顔画像に対して使用者が所望する化粧を簡易にシミュレーションすることができる。
【0092】
なお、上述した顔画像抽出処理は、後述する顔画像抽出処理を用いたゲームの各コンテンツを実施する前に予めユーザー登録処理として行ってもよい。
【0093】
<コンテンツ例>
次に、上述した顔画像抽出処理を利用したゲームコンテンツの一例について、図を用いて説明する。なお、上述した顔画像抽出処理を利用したゲームコンテンツの例として、以下の説明では、「お勧めメイク」、「課題モード」、「フリーメイク」等の各コンテンツについて説明するが、本発明においてはこのコンテンツに限定されるものではない。
【0094】
<お勧めメイク>
まず、お勧めメイクについて説明する。お勧めメイクとは、使用者が選択されたメイクを顔画像上に生成して表示するものである。具体的には、顔の撮影時の注意事項を説明した後、フェイスニングスキャンによる顔撮影から顔画像の撮り込みを行い顔認識エンジンによる顔のパーツ(各部位)の抽出を行う。また、抽出した結果から使用者が所望する最適なメイク方法等を提示する。また、顔のパーツの抽出においては、使用者による再調整を行うことができ、また、抽出した顔特徴情報から予め設定された複数の顔分類のうち、何れかの分類に位置付ける顔立ち分類法を行うことができる。
【0095】
<お勧めメイク:全体フロー>
図9は、お勧めメイクにおける全体の処理フローチャートの一例を示す図である。図9に示す処理では、まず使用者の画像を取得し、取得した画像に対して上述したポイント抽出(顔画像抽出処理)を行い(S11)、次に、抽出した各部位の特徴点情報から所定の顔立ち分類に基づいて顔立ち分析を行う(S12)。次に、S12で示した顔立ち分析結果から化粧シミュレーション用のマスクを決定し(S13)、決定したマスクから顔画像に似合う化粧を施したバーチャルメイク処理を行う(S14)。また、S14の処理結果により得られる化粧後画像をお勧めメイクにおける各パーツのメイク解説と共に提示するメイク解説処理を行う(S15)。
【0096】
<S12:顔立ち分析処理について>
次に、上述した顔立ち分析処理(S12)について具体的に説明する。S12に示す顔立ち分析処理については、例えば特許第3828285号公報等に示すような顔立ち分類手法を用いて撮影した顔画像に対する顔立ち分類を行うことができる。
【0097】
具体的には、平面上に2次元の座標を設定し、縦軸に「顔の長さと顔の各部(眉、目、鼻、口)の配置状態」を、横軸に「顔の各部(眉、目、鼻、口)の形状」を座標軸に設定する。なお、この縦軸は、例えば顔の長さが「短い」から「長い」、顔の各部が「左右中心から離れている」から「左右中心に寄っている」、或いは「パーツが上下中心に寄っている」から「上下中心から離れている」への変化等を示す。これは、子供から大人への成長に伴う変化と一致するものであり、子供から大人への成長時のバランスの変化を示していると見ることができ、バランス軸と定義する軸を示している。また、横軸は、例えば顔の各部の形状が曲線的か直線的かの形状特性を表しているものであり、フォルム軸と定義する軸を示している。
【0098】
つまり、座標空間の各象限に位置する形態と印象において、例えば、顔が長くて、顔の各部が曲線的だと、やさしい女らしい印象を強くする、或いは顔が短くて形状が直線的であれば、フレッシュで活発的な印象を与える等、形態と印象との関連を明らかにしている。
【0099】
このように、顔の長さと目、眉、口、鼻の顔の各部位(パーツ)の配置状態と、顔の各部位の形状を指標として顔を分類することにより、顔を形態から特徴別に分類することができ、また顔の形状から受ける心証別に分類することが可能となる。そして、このように分類することにより、例えばメイキャップメイキャップを行う際に的確にイメージの演出が可能となる。また、美容院等の顧客リストに分類を付与しておくことにより、使用者に合ったイメージをつくる際のガイドラインとすることができる。
【0100】
本実施形態では、上述した顔立ちマップ分類方法に基づいて顔立ち判定を行う。例えば、使用者の画像から、瞳を通る直線と髪の生え際との交点と、口の左右端を通る直線と顔の輪郭との交点とを特徴点として抽出する。そして、各特徴点の座標から、目と顎の特徴点のなす角度、顔の縦横比、眉幅と顔の縦幅比をそれぞれ算出する。また、顎幅と顔の縦幅比、顔の輪郭特徴点のなす顎の角度、目と口の距離と顔の縦幅比のそれぞれを算出する。この算出した結果と予め設定された基準値とを比較することにより、子供タイプ、大人タイプ、曲線タイプ、直線タイプ等の各タイプを判定する。また、各軸の中心は、平均顔のゴールデンバランス(標準タイプ)として判定することができる。
【0101】
なお、上述の基準値は、多数の日本人女性の顔からコンピュータでモーフィング(画像の変形)をして作成した平均的な顔(平均顔)の値を用いている。この判定結果に基づいて、使用者の顔立ちのタイプを大人タイプ、子供タイプ、直線タイプ、曲線タイプ、子供・直線タイプ、子供曲線タイプ、大人・直線タイプ、大人・曲線タイプ、平均顔タイプ、それと4つの軸(矢印)上の15のタイプに分類してディスプレイに表示することができる。なお、使用者の顔を分析するためのタイプは、上述のタイプに限定されるものではなく、他の顔タイプに分類することもできる。また、上記の方法においては、日本人の顔に限定されているが、日本人の顔に限定されるものではなく、世界各国の何れの人においても、ある特定の顔のタイプを作成し、それに基づいてタイプを分類することも可能である。
【0102】
<S14:バーチャルメイク処理について>
次に、上述したバーチャルメイク処理(S14)について、フローチャートを用いて具体的に説明する。図10は、バーチャルメイク処理の一例を示すフローチャートである。図10に示すバーチャルメイク処理は、まず顔撮像画像を所定のビットマップ(例えば32bitマップ)に拡張し(S21)、次に、ベース、唇等へのメイク処理を行う(S22)。具体的には、マスク画像等を用いてブレンド処理を行う。次に、眉、チーク、マスカラ、アイシャドー等への処理を行う(S23)。具体的には、顔画像に基準メッシュ処理を行い、その結果として得られるメッシュを上述した顔画像抽出処理で記憶したポイントに合わせて修正して変形メッシュを生成し、眉や唇等の各部位毎に予め生成されたテクスチャに対して色を設定し、そのテクスチャを入力する。次に、S23の処理により得られる各部位のテクスチャをテクスチャマッピングによるブレンドにより顔画像と合成し(S24)、その合成画像を表示画面に表示する(S25)。また、S25の処理により画面に表示した画像を記録する(S26)。
【0103】
<画面遷移例>
次に、上述したお勧めメイク処理の画面遷移例について図を用いて説明する。図11は、お勧めメイク処理における画面遷移の一例を示す図である。なお、図11Aは処理の前段の画面遷移を示し、図11Bは図11A中の(A)に続く後段の画面遷移を示している。また、図11中の画面に表示される顔画像は、実際には予め撮影等により取得されたカラーの顔画像が表示される。
【0104】
図11に示す図では、使用者のフェイスデータが登録された後、顔立ちタイプ分析を行う。つまり、予め設定された、顔立ちメイクにより5つの分類から所定の1つに分類される。なお、図11に示すように、各コンテンツを開始する場合には、画面左側に示すように「顔立ちタイプ分析」の内容をキャラクタが説明し、説明後にフェイスタイプの判定を行って、撮影した使用者の顔がどこのタイプに属するかを表示画面に表示する。また、その結果により、大人顔度や曲線顔度を数値化することができ、数値化した結果を表示することができる。また、分析した画面や数値等の結果はそのまま蓄積することができる。また、この結果に基づいて、その顔に対応させて、図11に示すようなお勧めメイク表示を行う。
【0105】
また、図11に示すように、お勧めメイクを選択すると、顔タイプ(本実施形態では、例えば5種類(「やさしい・女らしい」、「キュート・かわいらしい」、「フレッシュ・活発」、「クール・シャープ」、「標準」))別にそれぞれのお勧めメイクを設定する。また、これらの顔タイプ別にゲーム装置10の表示画面等に提示するコメント、又はメイクを行うための各種情報が予め設定されている。
【0106】
図12は、本実施形態において使用される各種情報の一例を示す図である。なお、図12Aはタイプ別のアナウンス内容の一例を示し、図12Bは各部位に対するメイクの型情報の一例を示し、図12Cは各部位に対するメイクの色情報の一例を示している。なお、図12に示す各種情報は、予めRAM50等の記憶手段に蓄積されており、必要に応じて読み出したり、データの追加、修正、削除等を行うことができる。
【0107】
図12Aに示すコメント内容一覧には、例えば必要なタイプ別に応じて、各部位(パーツ)毎(例えば、「ファンデーション」、「眉」、「アイシャドー」、「アイライン」、「マスカラ」、「口紅」、「ほお紅」等)に表示するテキスト内容や、各タイプ別の各部位に対してお勧めメイクを行うためのアドバイス情報(例えば、ファンデーションののばし方、アイラインでやさしくみせる方法、口紅でキュートに見せる方法等)を文字、音声、画像、映像等を用いて提示するため、蓄積手段等に蓄積されたディクショナリーへのリンク情報等が蓄積される。これにより、使用者が選択したり、お勧めメイク処理で選択された各タイプ別の各部位に対して適切な情報を迅速に提示することができる。
【0108】
また、図12Bに示す型情報では、各タイプ(フェイスマップタイプ)の各部位(パーツ)毎に1又は複数の型が蓄積されており、その何れかを選択して「フォルダ」の項目に蓄積された対応する型情報の画面表示等を行う。また、図12Cに示す色情報についても、各タイプ(フェイスマップタイプ)の各部位(パーツ)毎に1又は複数の型が蓄積されており、その何れかを選択して「フォルダ」の項目に蓄積された対応する色情報の画面表示等を行う。なお、本実施形態では、複数の色を使用することができるため、例えばアイシャドーの場合には、「フォルダ」内に3パターンの色情報を蓄積し必要に応じて使用者に画面に表示することができる。ここで、図12A〜Cに示す各種情報は、異なるIDで管理されてもよく、必要に応じて各情報が関連付けられていてもよい。
【0109】
上述した内容に基づいて、タイプ別に異なる内容を、キャラクタを用いて使用者に提示することができる。また、生成されたシミュレーション画像は、使用者の指示内容にしたがって蓄積手段に蓄積することができる。なお、各項目は、上述された7つの項目に限定されるものではなく、数を減らしてもよいし、増やしてもよい。
【0110】
<シチュエーション別メイク>
次に、上述したお勧めメイクに含まれるシチュエーション別メイクについて具体的に説明する。図13は、シチュエーション別メイクにおける画面遷移の一例を示す図である。なお、図13Aは処理の前段の画面遷移を示し、図13Bは図13A中の(B)に続く後段の画面遷移を示している。また、図13中の画面に表示される顔画像は、実際には予め撮影等により取得されたカラーの顔画像が表示される。
【0111】
図13に示すように、ゲーム装置10の一方の画面(例えば、左側画面)には、予め撮像された顔画像からメイクしたいフェイスデータを使用者に選択させ、選択させた顔に予め設定された顔タイプ別や化粧の目的として、例えばビジネス、デート、友達、フォーラム等の項目から1つを選択させ、また、ビジネス(普段)、ビジネス(会議・プレゼン)、ショッピング、アウトドア、結婚式、葬式、パーティ等の内容から1つを選択させる。更に、暖色系、寒色系、モノトーン系等の分類を選択することにより、シチュエーション別の化粧後画像を表示させることができる。なお、化粧後画像は、RAM等の蓄積手段に蓄積することができる。
【0112】
<トレンドメイク>
次に、上述したお勧めメイクに含まれるトレンドメイクについて具体的に説明する。図14は、トレンドメイクにおける画面遷移の一例を示す図である。なお、図14中の画面に表示される顔画像は、実際には予め撮影等により取得されたカラーの顔画像が表示される。
【0113】
図14に示すように、ゲーム機10の一方の画面(例えば、左側画面)には、使用者が所望するなりたい印象の顔タイプを選択させることで、所望するメイク結果を画面に表示する。例えば、今まで撮影された画像の中から化粧を行う対象画像を選択し、季節(春夏秋冬)やトレンド(エレガント、クリーン、ナチュラル、クール)等を選択することで、その対応するトレンドの化粧後画像を表示させることができる。なお、化粧後画像は、RAM等の蓄積手段に蓄積することができる。
【0114】
<S15:メイク解説処理について>
次に、上述のメイク解説処理(S15)について具体的に説明する。図15は、メイク解説処理の一例を示すフローチャートである。図15に示すメイク解説処理では、まずメイクを行う部位を選択するか否かを判断し(S31)、メイクする部位が選択されない場合(S31において、NO)、選択されるまで処理を継続する。なお、所定時間入力されない場合には、メイク解説処理を終了してもよい。また、メイクする部位が選択された場合(S31において、YES)、その部位に対応して予め蓄積手段に蓄積されている記憶内容から対応する部位を拡大して表示画面に表示する(S32)。このとき、メイクにおける解説も同時に表示する。
【0115】
ここで、メイク解説モードを終了するか否かを判断し(S33)、メイク解説モードを終了しない場合(S33において、NO)、S31の処理に戻り後続の処理を行う。また、メイク解説モードを終了する場合(S33において、YES)、メイク解説モードを終了させる。
【0116】
<課題モード処理>
次に、本実施形態におけるコンテンツ例として、課題モードにおける処理内容について図を用いて説明する。課題モードは、使用者に似合う化粧方法を課題として使用者に提示し、使用者は出された課題に対して、色、色の濃さ、範囲を入力し、入力した内容と課題として提示された化粧内容とを比較し、その比較した結果を評価するモードである。図16は、課題モード全体の処理手順の一例を示すフローチャートである。図16に示す課題モード処理では、上述した顔画像抽出におけるポイント抽出を行い(S41)、次に上述した顔立ち分析を行い(S42)、課題モード処理を行う(S43)。
【0117】
ここで、S43に示す課題モードの具体的な処理内容についてフローチャートを用いて説明する。図17は、S43に示す課題モードの具体的な処理内容の一例を示すフローチャートである。図17に示す処理では、まずシチュエーションを選択するか否かを判断し(S51)、シチュエーションを選択しない場合(S51において、NO)、シチュエーションを選択するまで繰り返し処理行う。なお、所定時間入力されない場合には、課題モード処理を終了してもよい。
【0118】
また、シチュエーションを選択する場合(S51において、YES)、次に、メイク部位を選択するか否かを判断する(S52)。メイク部位を選択しない場合(S52において、NO)、選択するまで繰り返しS52の処理を行う。なお、所定時間入力されない場合には、課題モード処理を終了してもよい。また、S52の処理において、メイク部位を選択する場合(S52において、YES)、メイク方法を入力する(S53)。具体的には、予め撮影された顔画像のうち1つの画像を選択し、更にS51にて選択したシチュエーション(例えば、ビジネス、デート、結婚式、春夏用等)を選択して、S52において選択された1又は複数の部位(例えば、ベースカラー、チーク、眉、口紅等)に対して色パレット等を表示させて使用者が指定した領域にメイクを施す。
【0119】
次に、メイク方法の入力が終了したか否かを判断し(S54)、メイク方法の入力が終了していない場合(S54において、NO)、S52の処理に戻り、メイク部位の選択から行う。また、S54の処理において、メイク方法の入力が終了した場合(S54において、YES)、入力した内容に対して課題判定を行う(S55)。具体的には、予め設定された判定テーブル等を用いて色、色の濃さ、範囲について、ベースカラーやチーク、口紅等、予め設定された箇所における評価を行い、その結果から判定を行う。色の濃さについては、図示しないが、例えばタッチパネル上に色の濃さを示すゲージを表示し、そのゲージをタッチ入力により操作することで色の濃さを入力することが可能である。また、色の濃さを入力する際に、リアルタイムで表示画面に表示されているベースカラーやチーク、口紅等の色を随時変更した画面を表示してもよい。
【0120】
次に、課題モードを終了するか否かを判断し(S56)、課題モードを終了しない場合(S56において、NO)、S51の処理に戻り後続の処理を繰り返し行う。また、課題モードを終了する場合(S56において、YES)、課題モード処理を終了する。
【0121】
<判定テーブルについて>
ここで、上述した判定テーブルの具体例について、図を用いて説明する。図18は、判定テーブルの一例を示す図である。図18に示す判定テーブルは、各シチュエーション毎に異なるタイプ(図18の例では、タイプA,B,C,D)が設定されており、更に、各タイプにおける「ベースカラー」、「アイシャドー」、「マスカラ」、「チーク」、「口紅」、「リップグロス」、「アイブロウ」等について基準となる色(RGB)、色の濃さ、範囲等が予め蓄積されている。
【0122】
判定時においては、図18に示すような予め基準となる判定値(例えば上記のようなタイプ別に定められた基準が数値化されたテーブル)が、シチュエーション毎に複数設けられており、使用者は、課題モードにおいて、事前にシチュエーションを選択し、フリーメイクにて化粧を施した後、ゲーム装置10による判定に入り、装置側では判定テーブルと実際に使用者が入力したメイクの内容(色、位置、サイズ(範囲))とを比較してテーブルに定められている値からどれだけ離れているかを評価することによって、使用者の化粧方法の正否を判定する。
【0123】
例えば、判定値として規定の値が200であり、使用者が選択した値がxである場合、「x=190<x<210→すばらしい!と判定」、「x=100<x<190或いは210<x<245→微妙と判定」、「x=0<x<100→NG!と判定」のような方法で判定することができる。上記の判定結果は、上述の通り、文字によって表現することも可能であるが、結果を得点として算出して表示することも可能であり、その得点方法としては、各部位毎に算出してもよく、また合計点を算出して表示してもよい。また、その結果に応じて、後述するアバタールームにおけるアバター用の仮想空間内に配置するアイテムを付与してもよい。
【0124】
<フリーメイクモード>
次に、フリーメイクモードにおける画面遷移図について、図面を用いて説明する。図19は、フリーメイク処理の画面遷移の一例を示す図である。なお、図19中の画面に表示される顔画像は、実際には予め撮影等により取得されたカラーの顔画像が表示される。図19に示すフリーメイクは、メイクしたいフェイスデータ(顔画像)を蓄積手段に蓄積されている顔画像の中から1つ選択し、例えば「ベース」、「眉」、「アイシャドー」、「アイライン」、「マスカラ」、「口紅」、「ほお紅」、「リップグロス」等の各部位からメイクを行いたい部位を少なくとも1つ選択し、選択した部位に対してメイクを行う。このとき、遊びアイテムとしてアクセサリーやメガネ、髪型、帽子等を合成させることで、実際にはできない様々なメイクを仮想的に画面に表示させることができる。
【0125】
なお、上述した各部位に対する領域は、上述した顔画像抽出処理における各ポイント抽出処理により抽出された位置(領域)を基準にしているが、そのポイントを意図的にずらすことで、例えば口紅の塗る領域を実際の唇の大きさよりも大きく又は小さくさせたり、眉の位置やサイズを替えることで、あらゆるパターンの化粧後画像を生成することができ、娯楽性を向上させることができる。
【0126】
また、ゲーム装置10の一方の画面(例えば、左側画面)には、キャラクタがしゃべっているように表示させるための予め設定されたテキスト内容が蓄積手段等に蓄積されている。ここで、図20は、ゲーム進行中に表示されるテキスト(文章)の一例を示す図である。図20に示すように、例えば、「ノーメイクの場合」、「使用者がメイクを施している時間中の文章」、「メイクパーツ数に対応した文章」、「その他の様々な文章」等の各条件(条件(1))と、その条件発生時に設定される条件(2)の内容に応じて所定のメッセージを表示させることができる。なお、本実施形態において表示されるメッセージの内容は、図20に示す内容に限定されるものではない。
【0127】
<その他のコンテンツ>
なお、上述した化粧シミュレーションに関するゲームコンテンツとしては、上述以外にも、以下の機能を設けることができる。
(1)STEP UP BEAUTY
美容に関してのメイク、スキンケア、ヘルスケアの基礎から応用、テクニック、専門用語をテキストだけではなくイラストとアニメーション、フェイスニングスキャンを使い解説する機能を有していてもよい。この場合、例えばディクショナリー機能による用語の解説、ブックマーク機能による忘れてはならない基礎やテクニックを登録、ビューティーチャレンジ機能によるメイク、スキンケア、ヘルスケアの基本から応用までをフェイスニングスキャンやタッチペンを用いたクイズで予習、復習等を行うことができる。
(2)アバタールーム
トレーニングやビューティーチャレンジ合格等のご褒美的な癒しのモードとして、上述した顔立ち分析を用いて自分の顔画像と同じ顔立ちの3Dアバターを作成して表示することができる。このとき、メモリカード内のROMには、顔立ち分析の種類に応じた数のアバターが記憶され、顔立ち分析の結果に基づいて抽出されたアバターは、予め設定された仮想空間内のルームの中で自由に行動し、ユーザーを癒すことができる。また、ゲームの進行に合わせてアバター用のアイテム(服や家具)が手に入ったり、イベントが発生したりすることができる、このようなコンテンツを設けることで、化粧シミュレーションにおける娯楽性を向上させることができる。また、アバターは、規定の動きを繰り返すように設定してもよく、また使用者自身が操作することで動かしてもよい。各アバターは、使用者自身の顔立ち分析に基づいて作成され、自分と似た顔のアバターであるため、親近感が生じやすく、したがって、定期的にゲームをプレイするように促す要因となる。
【0128】
上述したように、本発明によれば、顔画像に対して使用者が所望する化粧を簡易にシミュレーションすることができる。また、本発明によれば、百貨店等の化粧品コーナーや美容院、カウンター等にある専門的な装置を用いることなく、気軽に自分の顔を分析し、その結果に基づいた化粧顔を確認することができる。また、客観的な情報に基づいて、その人に一番適した化粧顔にするための方法を学習可能とすることができる。
【0129】
また、本発明によれば、気軽に自分の顔を分析し、その結果に基づいた自分の顔の部分の化粧方法に対して出される課題を実施し、判定されることで、その当人にとってふさわしい化粧顔を繰り返し確認することができる。
【0130】
なお、本発明は、例えば携帯型ゲーム装置等に適用できるため、例えば化粧シミュレーションを行う対象は、女性だけに限定されず、男性や子供、犬や猫等の動物等にも適用することができ、より娯楽性を高めたソフトウェアとして提供することができる。
【0131】
また、本発明においては、2つの画面を用いて化粧前の顔画像(全体又は各部位)と化粧後の顔画像とをそれぞれ表示させてその違いが容易に使用者にわかるように提示させてもよい。更に、TPO(Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合))に適した色味を提示してもよく、肌の色身やその人の好みの色を登録しておき、色診断に基づいて色判定を行うこともできる。
【0132】
また、ゲーム装置内に通信機能を有すことも可能であり、通信機能を介して、季節やその年の流行に合わせた化粧方法を随時記憶させ、その年や季節の流行にあわせた化粧方法を提供することも可能である。
【0133】
また、本願において、タッチパネルは1点検出の方法を用いたが、他点検出パネルを用いてもよい。更に、メッセージの表示は、文字によって視覚的に表示をしたが、音声で示してもよい。
【0134】
ここでは、図示の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細及び添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。上記実施の形態例は本発明の理解のためのものであり、本発明がこれらに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すゲーム機の斜視図である。
【図2】ゲーム機におけるブロック構成の一例を示す図である。
【図3】本実施形態におけるRAMのメモリマップの一構成例を示す図である。
【図4】本実施形態における顔画像抽出処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態におけるエッジ抽出の一例を示す図である。
【図6】HSV分解画像の一例を示す図である。
【図7】マットキーの一例を示す図である。
【図8】本実施形態におけるゲームソフトのゲーム画面遷移の一例を示す図である。
【図9】お勧めメイクにおける全体の処理フローチャートの一例を示す図である。
【図10】バーチャルメイク処理の一例を示すフローチャートである。
【図11A】お勧めメイク処理における画面遷移の一例を示す図(その1)である。
【図11B】お勧めメイク処理における画面遷移の一例を示す図(その2)である。
【図12A】本実施形態において使用される各種情報の一例を示す図(その1)である。
【図12B】本実施形態において使用される各種情報の一例を示す図(その2)である。
【図12C】本実施形態において使用される各種情報の一例を示す図(その3)である。
【図13A】シチュエーションメイクにおける画面遷移の一例を示す図(その1)である。
【図13B】シチュエーションメイクにおける画面遷移の一例を示す図(その2)である。
【図14】トレンドメイクにおける画面遷移の一例を示す図である。
【図15】メイク解説処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】課題モード全体の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】S43に示す課題モードの具体的な処理内容の一例を示すフローチャートである。
【図18】判定テーブルの一例を示す図である。
【図19】フリーメイク処理の画面遷移の一例を示す図である。
【図20】ゲーム進行中に表示されるテキスト(文章)の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0136】
10 ゲーム機(ゲーム装置)
12 第1の表示画面
14 第2の表示画面
16 ハウジング
18 音抜き孔
20 操作スイッチ
22 タッチパネル
24 スティック又はスタイラスペン(ペン)
26 収納部
28 撮像装置(レンズ付きカメラ)
30 メモリカード
32 挿入口
40 回路基板
42 CPUコア
44 バス
46 第1のコネクタ
48 第2のコネクタ
50 RAM
52 第1のGPU
54 第2のGPU
56 I/F回路
58 コントローラ
60 第1のVRAM
62 第2のVRAM
64 レジスタ
70 プログラム記憶領域
72 データ記憶領域
80 ゲーム面処理プログラム
82 コントローラ入力検出プログラム
84 タッチパネル入力検出プログラム
86 画像生成プログラム
88 メイン画像表示プログラム
90 サブ画面表示プログラム
92 プレイヤキャラクタ表示制御プログラム
94 オブジェクト表示制御プログラム
100 画像データ
102 音データ
104 オブジェクトデータバッファ領域
106 操作データバッファ領域
108 座標位置データバッファ領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得した顔画像に対し、使用者の操作に応答して予め設定されたオブジェクトを合成して仮想的に化粧を施した画像を表示させるゲームのプログラムを実行可能なゲーム装置であって、
予め複数の化粧情報を蓄積する蓄積手段と、
前記顔画像を取得する撮像手段と、
前記撮像手段により得られる顔画像に対して顔の各部位の位置とサイズからなる顔特徴情報を抽出する顔画像抽出手段と、
前記顔画像抽出手段により抽出された前記顔特徴情報に応じて、前記蓄積手段から予め蓄積された複数の化粧顔情報から特定の化粧顔情報を選択し、前記化粧顔情報を前記顔画像抽出手段により得られる前記顔特徴情報に基づいて、前記顔画像と適合させた化粧後画像を生成する化粧顔生成手段と、
前記化粧顔生成手段により得られる前記化粧後画像を表示する表示手段とを有することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記顔画像抽出手段は、
前記顔画像における予め設定された少なくとも1以上の部位のエッジを抽出するエッジ抽出手段と、
前記エッジ抽出手段により得られる画像からマスク画像を用いて前記部位を抽出するマスク抽出手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記顔画像抽出手段は、
前記マスク抽出手段により抽出された前記部位の領域を予め設定された複数の点により位置付け、位置付けられた点の少なくとも1つを前記表示手段に表示し、操作入力手段を用いて少なくとも1つの点を移動させて各部位の位置を調整する調整手段を有することを特徴とする請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記顔画像抽出手段により抽出された顔特徴情報から予め設定された複数の顔分類のうち、何れかの分類に位置付ける分類手段を有し、
前記化粧顔生成手段は、前記分類手段により得られる顔分類毎に設定された顔特徴情報に応じて、予め蓄積された複数の化粧顔情報から特定の化粧顔情報を選択し、前記顔画像抽出手段により得られる前記顔特徴情報に基づいて、前記顔画像と適合させた化粧後画像を生成することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記顔画像抽出手段により得られる各部位の位置とサイズからなる顔特徴情報に合わせて、前記化粧顔情報に含まれる化粧する位置情報を修正し、修正した位置情報を蓄積手段に蓄積させるよう制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記化粧顔生成手段は、
表示される前記化粧後画像の他に、表示された化粧に応じたアドバイスを生成するアドバイス提示手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記顔画像に適した課題を提供し、前記課題に対応して前記使用者が顔画像に入力した情報から、課題の達成度を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された課題の達成度の判定結果を前記表示手段に表示する判定表示制御手段とを有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のゲーム装置。
【請求項8】
取得した顔画像に対し、使用者の操作に応答して予め設定されたオブジェクトを合成して仮想的に化粧を施した画像を表示させるゲームのプログラムを実行可能なゲーム装置の制御方法であって、
予め複数の化粧情報を蓄積する蓄積工程と、
前記顔画像を取得する撮像工程と、
前記撮像工程により得られる顔画像に対して顔の各部位の位置とサイズからなる顔特徴情報を抽出する顔画像抽出工程と、
前記顔画像抽出工程により抽出された前記顔特徴情報に応じて、前記蓄積工程により予め蓄積された複数の化粧顔情報から特定の化粧顔情報を選択し、前記化粧顔情報を前記顔画像抽出工程により得られる前記顔特徴情報に基づいて、前記顔画像と適合させた化粧後画像を生成する化粧顔生成工程と、
前記化粧顔生成工程により得られる前記化粧後画像を表示する表示手段とを有することを特徴とするゲーム制御方法。
【請求項9】
取得した顔画像に対し、使用者の操作に応答して予め設定されたオブジェクトを合成して仮想的に化粧を施した画像を表示手段に表示させるゲームのプログラムを実行可能なゲーム装置を構成するコンピュータを、
予め複数の化粧情報を蓄積する蓄積手段、
前記顔画像を取得する撮像手段、
前記撮像手段により得られる顔画像に対して顔の各部位の位置とサイズからなる顔特徴情報を抽出する顔画像抽出手段、及び、
前記顔画像抽出手段により抽出された前記顔特徴情報に応じて、前記蓄積手段から予め蓄積された複数の化粧顔情報から特定の化粧顔情報を選択し、前記化粧顔情報を前記顔画像抽出手段により得られる前記顔特徴情報に基づいて、前記顔画像と適合させた化粧後画像を生成する化粧顔生成手段、
として機能させるゲーム制御プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のゲーム制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図12C】
image rotate


【公開番号】特開2010−17360(P2010−17360A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−180779(P2008−180779)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】