説明

ゲーム装置、情報処理装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラム

【課題】プレイヤが他人のデータをロードするのを防ぐのに好適なゲーム装置等を提供する。
【解決手段】ゲーム装置300において、保存部301では、ゲーム状態と仮想空間内の位置とが対応付けられてセーブされ、受付部302は、プレイヤからの指示入力を受け付け、位置指定部303は、受け付けられた指示入力が仮想空間内の位置を指定する位置指示であった場合、当該指定された位置を注目位置とし、セーブ部304は、受け付けられた指示入力がセーブ指示であった場合、現在のゲーム状態と、注目位置と、を対応付けて保存部301にセーブし、ロード部305は、受け付けられた指示入力がロード指示であった場合、注目位置に対応付けられて保存部301にセーブされているゲーム状態があれば、当該ゲーム状態をロードする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤが他人のデータをロードするのを防ぐのに好適なゲーム装置、情報処理装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータやゲーム装置などの情報処理装置において、ユーザを識別する一般的な手法の1つに、ユーザ名とパスワードをユーザに入力させ、予め登録したユーザ名とパスワードとが合致するか否かによって識別する手法がある。ユーザ名やパスワードには、アルファベット、数字、記号などの組み合せによる文字列が用いられることが多いが、ユーザ名やパスワードをユーザにとってより直感的で覚えやすいものにするため、図形などを用いて識別する手法も開発されてきている。
【0003】
例えば特許文献1には、ユーザが入力した図形の形状が、ユーザ名に対応付けられている図形の形状に、予め対応付けられた入力範囲内においてマッチすれば、正しいユーザであると認識する識別方法が開示されている。これにより、ユーザにとって直感的で分かりやすい手続きでユーザを識別することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−44600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、近年のゲーム装置を含む情報処理装置では、タッチパネルなどの入力装置を備えることで、ユーザが直感的に装置を操作することができるようになってきている。このような直感的な操作入力とうまく組み合わせることにより、文字列や図形などのパスワードで入力するよりも簡単で分かりやすいユーザ識別がしたい、という要望がある。
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決するためのものであり、プレイヤが他人のデータをロードするのを防ぐのに好適なゲーム装置、情報処理装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るゲーム装置は、保存部と、受付部と、位置指定部と、セーブ部と、ロード部と、を備える。
【0008】
保存部では、ゲーム状態と仮想空間内の位置とが対応付けられてセーブされる。
【0009】
すなわち、一般的なゲームでは、プレイヤがゲームを進行させた後、一旦プレイを中断するため、その時のゲーム状態をセーブする。本発明における保存部は、このようなゲーム状態をセーブするためのメモリ領域であって、一般的なものと同様に、ゲーム装置内のハードディスクや外付けのメモリースティックといったものによって実現されうる。
【0010】
本発明における保存部では、プレイヤのゲーム状態が、仮想空間内の位置に対応付けられてセーブされる。この仮想空間は、ゲーム状態をセーブするための領域であり、例えば1つのゲーム装置で複数のプレイヤが別々にゲームを進行させていた場合に、それぞれのプレイヤは各自のゲーム状態を、この仮想空間の領域内に、それぞれ別々に位置を指定してセーブする。
【0011】
具体的に、例えば所定の仮想空間が3次元の直方体の形状で表現されていた場合に、第1のプレイヤのゲーム状態は、例えば当該直方体内の中心付近の位置に、別の第2のプレイヤのゲーム状態は、例えば当該直方体内の隅に近い位置に、それぞれ保存される、ということである。
【0012】
受付部は、プレイヤからの指示入力を受け付ける。
【0013】
すなわち、受付部は、例えばゲーム装置のコントローラやキーボードといった入力装置からなり、プレイヤがゲームを進行する上で必要な指示、例えばキャラクタを移動させたり、ゲームをセーブしたり、ロードしたり、といった指示を受け付ける。
【0014】
位置指定部は、受け付けられた指示入力が仮想空間内の位置を指定する位置指示であった場合、当該指定された位置を注目位置とする。
【0015】
すなわち、位置指定部は、上記保存部にセーブするための仮想空間内の位置を指定するものであり、上記受付部によってプレイヤから位置の指示があった場合に、当該位置を注目位置として指定し、以下のセーブ部およびロード部へ供給する。
【0016】
ここで、指定される仮想空間内の位置は、3次元の空間内において定められる位置であってもよいし、2次元の面上において定められる位置、1次元の線上において定められる位置であってもよい。
【0017】
セーブ部は、受け付けられた指示入力がセーブ指示であった場合、現在のゲーム状態と、注目位置と、を対応付けて保存部にセーブする。
【0018】
すなわち、プレイヤがゲームをプレイした後、一旦プレイを中断するため、セーブ指示を出す。セーブ部は、そのセーブ指示を上記受付部から提供された時点で、その時点でのゲーム状態を、上記位置指定部によって指定された注目位置と対応付けて、上記保存部にセーブする。
【0019】
このときプレイヤは、自分のプレイしたゲームをセーブする際に、仮想空間内のいずれかの注目位置と対応させてセーブすることで、自分しか知らない当該注目位置を選び、そこに自分のセーブデータを隠す、という感覚でセーブすることができる。すなわち、ここでの注目位置は、一般的なユーザ識別方法におけるいわゆるパスワードに相当するもの、と言うことができる。
【0020】
ロード部は、受け付けられた指示入力がロード指示であった場合、注目位置に対応付けられて保存部にセーブされているゲーム状態があれば、当該ゲーム状態をロードする。
【0021】
すなわち、プレイヤは、過去に自分がセーブしたデータをロードする際に、セーブ時に自身が指定した仮想空間内の注目位置を、再度指定する。これはあたかも、一般的なユーザ識別方法において、プレイヤがロードする際にパスワードを入力するようなものである。このとき、注目位置として指定された位置にゲーム状態がセーブされていれば、すなわちパスワードが正しければ、当該ゲーム状態がロードされ、プレイヤはゲームを再開することができるようになる。
【0022】
このような構成により、いわゆるパスワードに相当するものとして仮想空間内の注目位置を指定することで、プレイヤは自身のプレイしたゲームのデータをその場所に隠す、という直感的に分かりやすい行為によって、セーブ・ロード処理を行うことが可能となる。
【0023】
また、本発明のゲーム装置において、
位置指定部は、受け付けられた位置指示に基づいて、仮想空間内におけるキャラクタの位置を移動させ、当該移動させたキャラクタの位置を注目位置とする、
こともできる。
【0024】
すなわち、例えばプレイヤがキャラクタを操作してプレイを進行させるゲームにおいて、仮想空間内のキャラクタの位置が、上記の注目位置となる、ということである。このとき、プレイヤはセーブを行う際、キャラクタを移動させ、仮想空間内のセーブしたい位置へキャラクタが到達した後に、ゲーム装置にセーブ指示を出すことになる。また、ロードを行う際も、キャラクタを移動させ、仮想空間内のロードすべきゲーム状態がセーブされている位置へキャラクタが到達した後に、ゲーム装置にロード指示を出すことになる。
【0025】
このような構成により、まるでゲーム内のキャラクタ自身が、セーブ時にはセーブするゲームのデータを隠す、またロード時にはロードするゲームのデータを探しに行く、というような行為を模擬することができ、プレイヤはより直感的にセーブ・ロード処理を行うことが可能となる。
【0026】
また、本発明のゲーム装置において、
仮想空間は3次元仮想空間であり、
位置指定部は、3次元仮想空間内での2次元の地面上における位置を指定する位置指示に基づいて、当該指定された位置を注目位置とし、
セーブ部は、現在のゲーム状態と、2次元の地面上の注目位置と、さらに指示入力に基づいた量の当該注目位置からの深さと、を対応付けて保存部にセーブし、
ロード部は、2次元の地面上の注目位置と、当該注目位置からの深さと、に対応付けられて保存部にセーブされているゲーム状態があれば、当該ゲーム状態をロードする、
こともできる。
【0027】
すなわち、例えばRPG(Role-Playing Game)のようなゲームを想定すると、プレイヤが操作するキャラクタがフィールドマップ、すなわち2次元の地面上を移動する。このとき、2次元の地面上を移動したキャラクタの位置が、上記の注目位置とされる。ここではさらに、2次元の地面からの深さについても、ゲーム状態に対応付けられてセーブされる。すなわちあたかも、フィールドマップ上のキャラクタが、現在のゲーム状態をセーブするために、フィールドマップに穴を掘って、地面の下深くに自分のゲームのデータを埋める、という行為を模擬することができる。そしてロードするときは、あたかも自分の埋めたセーブデータを地面の下深くから掘り返す、という行為を模擬することが可能となる。
【0028】
ここで、2次元の地面とは、上記のようなRPGにおけるフィールドマップに限られず、サッカーゲームにおけるサッカー場の地面や、その他のゲームにおける何らかの2次元状のオブジェクトに対応させることができる。
また、2次元の地面とは、必ずしも平面に限られず、凹凸をもった曲面であってもよい。すなわち、例えばフィールドマップの場合、地面は山地や水辺などによって様々に起伏をもつのが典型的である。そこで本発明における2次元の地面は、凹凸のない完全な平面に限られない様々に起伏をもち、3次元空間内に張ることが可能な任意の曲面でよいものとする。プレイヤは、このような凹凸のある曲面に位置を指定して、現在のゲーム状態をセーブする。
【0029】
また、地面からの深さの量は、プレイヤからの指示入力によって定められるものであり、量を大きくすればするほど、地面から深い位置にセーブデータが埋められることになる。すなわち、ここでの深さの量は、セーブデータのセキュリティレベルに相当するものとして扱うことができ、プレイヤが自身のデータをどれくらいのセキュリティレベルでセーブするかを決めることができる。
【0030】
このような構成により、プレイヤは、自身のプレイしたゲームのデータを、深さというパラメータでセキュリティレベルを指定しつつ、地面の下に埋める、という直感的で分かりやすい方法によってセーブ・ロード処理を行うことが可能となる。
【0031】
また、本発明のゲーム装置において、
ロード部は、2次元の地面上の注目位置と、当該注目位置からの深さと、に対応付けられて保存部にセーブされているゲーム状態が存在しない場合に、保存部にセーブされているすべてのゲーム状態に対応付けられている深さを増大させる、
こともできる。
【0032】
すなわち、ロードしようとしているプレイヤが、正しくない注目位置と深さとを指定してしまった場合には、セーブデータがロードされないだけでなく、保存部にセーブされているすべてのセーブデータの深さが、さらに深くなる。すなわち、セキュリティレベルを上げることに相当する。
【0033】
このような構成により、例えば悪意を持ったプレイヤが、他人のセーブデータをロードしようとして、正しくない位置と深さを何度も指定すればするほど、セーブデータは深く埋まっていき、よりロードしにくい状態へ移行することになり、セキュリティを高めることが可能となる。
【0034】
また、本発明のゲーム装置において、
時間の経過とともに、すべてのゲーム状態に対応付けられている深さを、セーブした時点の深さに戻すように変化させる、
こともできる。
【0035】
すなわち、いずれかのプレイヤが正しくない注目位置と深さとを指定し、ロードできずに、地面の下のセーブデータの深さが増大してしまうと、その後で正規のプレイヤは、自身がセーブした時点での深さを指定してロードすることができなくなってしまう。そのような状況を避けるため、所定の時間が経過すると、すべてのセーブデータの深さを、セーブした深さへ戻す。
【0036】
このような構成により、一旦セーブデータの深さが増大してしまっても、時間が経過すれば、元の深さへ戻すことで、プレイヤがセーブした時点での深さと同じ深さを、なるべくロード時においても指定することができるようになる。
【0037】
また、本発明のゲーム装置において、
ロード部における2次元の地面上の注目位置は、所定の範囲を持っており、
当該注目位置からの深さが深ければ、当該所定の範囲を大きくする、
こともできる。
【0038】
すなわち、ロード処理においてプレイヤが指定する注目位置は、地面上の「1点」に限られるのではなく、ある面積を持った範囲を示すものとし、この範囲の内側にセーブされているセーブデータをロードすることが可能となる。これにより、プレイヤはそれほど正確に注目位置を指定しなくても、所定の範囲の一部がセーブデータの位置に一致すればロードすることが可能となり、セーブデータの探索をしやすくなる。
【0039】
このとき、ロード処理においてプレイヤが指定する深さが深ければ深いほど、所定の範囲は大きくなる。すなわち、通常深い位置にあるセーブデータほど、探すのに手間がかかるため、せめて位置の指定だけでも許容範囲を広くすることで、少しくらい位置が不正確でも地面下深くから掘り返すことができやすいようにするためである。
【0040】
このような構成により、プレイヤは、地面下深くに埋められ、掘り出すのが困難なセーブデータについても、位置をそれほど正確に指定することなくロードすることが可能となる。
【0041】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る情報処理装置は、保存部と、受付部と、位置指定部と、セーブ部と、ロード部と、を備える。
【0042】
保存部では、情報処理装置の状態と仮想空間内の位置とが対応付けられてセーブされる。
受付部は、プレイヤからの指示入力を受け付ける。
位置指定部は、受け付けられた指示入力が仮想空間内の位置を指定する位置指示であった場合、当該指定された位置を注目位置とする。
セーブ部は、受け付けられた指示入力がセーブ指示であった場合、現在の情報処理装置の状態と、注目位置と、を対応付けて保存部にセーブする。
ロード部は、受け付けられた指示入力がロード指示であった場合、注目位置に対応付けられて保存部にセーブされている情報処理装置の状態があれば、当該情報処理装置の状態をロードする。
【0043】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るゲーム処理方法は、保存部と、受付部と、位置指定部と、セーブ部と、ロード部と、を備えたゲーム装置にて実行されるゲーム処理方法であって、保存部では、ゲーム状態と仮想空間内の位置とが対応付けられてセーブされ、受付工程、位置指定工程、セーブ工程、ロード工程、を備え、以下のように構成する。
【0044】
受付工程では、受付部が、プレイヤからの指示入力を受け付ける。
位置指定工程では、位置指定部が、受け付けられた指示入力が仮想空間内の位置を指定する位置指示であった場合、当該指定された位置を注目位置とする。
セーブ工程では、セーブ部が、受け付けられた指示入力がセーブ指示であった場合、現在のゲーム状態と、注目位置と、を対応付けて保存部にセーブする。
ロード工程では、ロード部が、受け付けられた指示入力がロード指示であった場合、注目位置に対応付けられて保存部にセーブされているゲーム状態があれば、当該ゲーム状態をロードする。
【0045】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点に係るプログラムは、コンピュータを、上記のゲーム装置の各部として機能させ、コンピュータに、上記のゲーム処理方法の各工程を実行させるように構成する。
【0046】
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に記録することができる。
【0047】
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配付・販売することができる。また、上記情報記憶媒体は、コンピュータとは独立して配付・販売することができる。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、プレイヤが他人のデータをロードするのを防ぐのに好適なゲーム装置、情報処理装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明のゲーム装置等の機能を果たす典型的な携帯型ゲーム機の外観を示す外観図である。
【図2】携帯型ゲーム機の概要構成を示す構成図である。
【図3】実施形態1に係るゲーム装置の概要構成を示す模式図である。
【図4】(a)実施形態1に係るゲーム画面を示す図である。(b)実施形態1に係るゲームにおける仮想空間の様子を示す図である。
【図5】実施形態1に係るセーブ処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】深さを指定するため、数値を入力している様子を示す図である。
【図7A】深さを指定するため、タッチパネルを指でこすっている様子を示す図である。
【図7B】タッチパネルを指でこすった回数と深さとの関係を示す表である。
【図8】(a)、(b)ともに、セーブが行われたときの仮想空間の様子を示す図である。
【図9】実施形態1に係るロード処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】(a)、(b)ともに、ロード処理において注目位置の範囲が変化する様子を示した図である。
【図11】(a)、(b)ともに、ロードが行われたときの仮想空間の様子を示す図である。
【図12】(a)、(b)ともに、地面の下に埋められているセーブデータの深さが増大する様子を示した図である。
【図13】実施形態2に係る情報処理装置のモニタ表示例を示す図である。
【図14】実施形態2に係る情報処理装置において、位置と深さを指定している様子を示す図である。
【図15】実施形態2に係る情報処理装置のユーザ待ち受け画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、携帯型ゲーム機(実施形態1)、あるいは一般的な情報処理機器(実施形態2)を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素を均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0051】
(実施形態1)
図1は、プログラムを実行することにより、本発明のゲーム装置等の機能を果たす典型的な携帯型ゲーム機の外観を示す外観図である。以下、本図を参照して本実施形態に係る携帯型ゲーム機100について説明する。
【0052】
携帯型ゲーム機100は、操作キー107と、第1表示部108と、第2表示部109と、タッチパネル120と、を備える。
【0053】
操作キー107は、携帯型ゲーム機100に適宜配置された複数のキースイッチ等からなり、ユーザの操作にしたがって、所定の指示入力を受け付ける。
【0054】
第1の表示部108は、LCD等からなり、図2に示すLCDコントローラ156の制御によって、ゲーム画像等を適宜表示する。
【0055】
第2の表示部109は、ユーザ等がタッチパネル120に接触することで選択指示を入力するのに必要な選択ボタン(アイコン)等を表示する。
【0056】
タッチパネル120は、第2表示部109の前面に重ねて配置され、タッチペンやユーザの指による入力を受け付ける。タッチパネル120は、たとえば、感圧式のタッチセンサパネルからなり、タッチペン等の圧力を検知し、接触等のタッチ操作およびその位置(タッチ位置)等を検出する。なお、タッチパネル120は、たとえば、静電容量の変化からユーザの指等の接触を検知・検出するものであってもよい。
【0057】
図2は、図1に示す携帯型ゲーム機100の概要構成を示す構成図である。以下、本図を参照して、携帯型ゲーム機100について詳しく説明する。
【0058】
携帯型ゲーム機100は、無線通信部103と、通信コントローラ104と、サウンドアンプ105と、スピーカ106と、操作キー107と、第1表示部108と、第2表示部109と、コネクタ110と、タッチパネル120と、制御部150と、を備える。
【0059】
また、制御部150は、CPU(Central Processing Unit)151と、画像処理部152と、音声処理部153と、ROM(Read Only Memory)154と、RAM(Random Access Memory)155と、LCDコントローラ156と、タッチパネルコントローラ157と、を備える。
【0060】
CPU 151は、携帯型ゲーム機100の各構成要素と接続されており、携帯型ゲーム機100全体の動作を制御する。また、CPU 151は、携帯型ゲーム機100の各構成要素と制御信号やデータのやりとりを行う。具体的には、カートリッジ200がコネクタ110に装着された状態で、カートリッジ200内のROM(Read Only Memory)201に記憶されたプログラムやデータを読み出して、所定の処理を実行する。
【0061】
画像処理部152は、たとえば、カートリッジ200内のROM 201から読み出された画像データや、CPU 151で処理された画像データを加工処理した後、これらをRAM 155に記憶させる。なお、画像処理部152から画像データ等を、直接第1表示部108などに出力することも可能である。
【0062】
音声処理部153は、たとえば、カートリッジ200内のROM 201から読み出された音声データや、CPU 151で処理された楽曲データを加工処理した後、これらをRAM 155に記憶させる。なお、音声処理部153から音声データ等を、直接サウンドアンプ105に出力することも可能である。
【0063】
ROM 154は、たとえば、携帯型ゲーム機100でゲームを行うのに必要な制御プログラムや、ゲームの開始時や途中に第2表示部109に表示される選択画面を表示するためのデータ等を記憶しており、これらをCPU 151、RAM 155などに出力する。
【0064】
RAM 155は、画像処理部152で加工された表示用の画像データや、CPU 151がプログラムに従った各種処理を実行するためのワークデータ等を記憶しており、これらをCPU 151や第1表示部108などに出力する。
【0065】
LCDコントローラ156は、第1表示部108および第2表示部109を制御し、所定の表示用画像を表示させる。たとえば、LCDコントローラ156は、RAM 155に記憶された画像データを所定の同期タイミングで表示信号に変換し、第1表示部108に出力する。またLCDコントローラ156は、第2表示部109に所定の選択ボタン等を表示させる。
【0066】
タッチパネルコントローラ157は、タッチペンやユーザの指によるタッチパネル120への接触(タッチ操作)を検知・検出する。たとえば、第2表示部109に所定の選択ボタン等が表示されている状態で、タッチパネル120上の接触や解放(離れること)の検知、およびそれらの位置を検出する。
【0067】
コネクタ110は、カートリッジ200を着脱可能に構成され、カートリッジ200と接続可能な端子である。また、コネクタ110は、カートリッジ200との間で所定のプログラムやデータのやりとりを行う。
【0068】
カートリッジ200は、ROM 201と、RAM(Random Access Memory)202と、を備える。ROM 201には、ゲームを実現するためのプログラムやゲームに付随する画像データや音声データ等が記憶されている。また、RAM 202には、ゲームの進捗状況等についてのデータなどの種々のデータが記憶される。
【0069】
無線通信部103は、他の携帯型ゲーム機の無線通信部との間で、無線通信を行うユニットであり、携帯型ゲーム機100に内蔵されたアンテナ(図示せず)を介して所定のデータを送受信する。なお、無線通信部103は、所定のアクセスポイントとの間で、無線通信を行うこともできる。また、無線通信部103には、固有のMAC(Media Access Control)アドレスが付与されている。
【0070】
通信コントローラ104は、無線通信部103を制御し、所定のプロトコルに従って、制御部150と他の携帯型ゲーム機100の制御部150との間で行われる無線通信の仲立ちをする。また、携帯型ゲーム機100を、近傍の無線アクセスポイント等を介してインターネットに接続する場合には、無線LAN(Local Area Network)に準拠したプロトコルに従って、制御部150と無線アクセスポイント等との間で行われる無線通信の仲立ちをする。
【0071】
サウンドアンプ105は、制御部150で生成された音声信号を増幅し、スピーカ106に供給する。また、スピーカ106は、たとえば、ステレオスピーカ等からなり、サウンドアンプ105で増幅された音声信号に従って、所定の効果音や楽曲音等を出力する。
【0072】
図3は、本実施形態に係るゲーム装置の概要構成を示す模式図である。ここでは、図3を参照して、本実施形態に係るゲーム装置300について説明する。
【0073】
本実施形態に係る選択装置300は、保存部301と、受付部302と、位置指定部303と、セーブ部304、ロード部305と、を備える。
【0074】
保存部301では、ゲーム状態と仮想空間内の位置とが対応付けられてセーブされる。例えばカートリッジ200内のRAM202の機能により、このような保存部301は実現されうる。
【0075】
すなわち、保存部301では、セーブ部304によって、現在のゲーム状態と仮想空間内の注目位置とが対応付けられてセーブされる。また、保存部301では、ロード部305によって、仮想空間内の注目位置に対応付けられるゲーム状態があるかどうかを調べられ、あれば当該ゲーム状態をロードされる。
【0076】
受付部302は、プレイヤからの指示入力を受け付ける。例えばタッチパネル120とタッチパネルコントローラ157の機能により、このような受付部302は実現されうる。
【0077】
すなわち、受付部302は、プレイヤからのゲームを進行する上で必要な指示を受け付ける。ここでは受付部302は、位置指示があった場合には、それを位置指定部303へ供給し、セーブ指示があった場合には、それをセーブ部304へ供給し、ロード指示があった場合には、それをロード部305へ供給する。
【0078】
位置指定部303は、受け付けられた指示入力が仮想空間内の位置を指定する位置指示であった場合、当該指定された位置を注目位置とする。このような位置指定部303として、例えばCPU 151がRAM 155と共働することにより実現される。
【0079】
すなわち、位置指定部303は、受付部302からの位置指示に基づいて、仮想空間内における位置を、注目位置として指定する。そして、セーブ部304がゲームのセーブを行うときに、セーブするゲーム状態と対応させて保存部301にセーブするため、当該注目位置の情報を、セーブ部304へ供給する。また、ロード部305がゲームのロードを行うときに、ロードするゲーム状態に対応するものであるかを調べるため、当該注目位置の情報を、ロード部305へ供給する。
【0080】
セーブ部304は、受け付けられた指示入力がセーブ指示であった場合、現在のゲーム状態と、注目位置と、を対応付けて保存部301にセーブする。このようなセーブ部304として、例えばCPU 151がRAM 155と共働することにより実現される。
【0081】
すなわち、セーブ部304は、受付部302からのセーブ指示に基づいて、そのときのゲーム状態を、位置指定部303によって指定された注目位置に対応付けて、保存部301にセーブする。
【0082】
ロード部305は、受け付けられた指示入力がロード指示であった場合、注目位置に対応付けられて保存部301にセーブされているゲーム状態があれば、当該ゲーム状態をロードする。このようなロード部305として、例えばCPU 151がRAM 155と共働することにより実現される。
【0083】
すなわち、ロード部305は、受付部302からのロード指示に基づいて、位置指定部303によって指定された注目位置を取得し、その位置に対応付けられているゲーム状態が保存部301にあるかを判断し、あればそのゲーム状態をロードする。
【0084】
図4は、本実施形態に係るゲームにおける、ゲーム画面と対応する仮想空間の例を示す図である。ここで図4(a)は、ゲーム画面を示す図であり、図4(b)は、仮想空間の様子を示す図である。本実施形態におけるゲーム装置300は、図4(a)に示すようなゲーム画面400を、例えば携帯型ゲーム機100のLCDコントローラ156による制御のもと第1の表示部108あるいは第2の表示部109に表示する。
【0085】
ここで図4(a)は、例えばRPG(Role-Playing Game)で典型的に見られる、山や森、平原などで構成されるフィールドマップで表される地面402上を、プレイヤがキャラクタ403を操作してプレイを進めていくゲームにおけるゲーム画面400を表している。ゲーム装置300は、受付部302によってプレイヤからの指示を受け付け、その指示に基づいてフィールドマップ上のキャラクタ403を移動させる。具体的に、プレイヤが左へ移動する指示を出せば、キャラクタ403はフィールドマップ上を左へ移動し、プレイヤが右へ移動する指示を出せば、キャラクタ403はフィールドマップ上を右へ移動する。
【0086】
ここで本実施形態では、このようなフィールドマップで表される地面402上を移動するキャラクタ403の位置を、注目位置405とする。すなわち本実施形態では、位置指定部303は、受け付けられた位置指示に基づいて、仮想空間内におけるキャラクタ403の位置を移動させ、当該移動させたキャラクタ403の位置を注目位置405とする。
【0087】
図4(b)は、キャラクタ403が移動する地面402を含む、3次元の仮想空間401の様子を表している。本実施形態では、上記の地面402は、このような3次元の仮想空間401内の2次元の地面402として構成される。ここで、3次元の仮想空間401内には、2次元の地面402に対して、垂直下方向に埋められたセーブデータ404が複数存在する。具体的に本図では、3つのセーブデータ404a、404b、404cが、それぞれセーブ位置406a、406b、406cの下に埋められている状態を示している。このようにゲーム装置300の保存部301には、本図に示されるように、セーブデータ404を複数保存することができる。
【0088】
これらのセーブデータ404は、地面402からの深さ407を、それぞれが異なる値で持っており、その値に応じた深さの位置にそれぞれのセーブデータ404が埋められている。具体的に、本図では、セーブデータ404aは地面402上のセーブ位置406aの下に深さ407aで埋められ、セーブデータ404bは地面402上のセーブ位置406bの下に深さ407bで埋められ、セーブデータ404cは地面402上のセーブ位置406cの下に深さ407cで埋められている。ここでは例として、3つの深さ407a〜407cのうち、深さ407bの値が最も小さく、深さ407cの値が最も大きい、すなわち、セーブデータ404bが地面402から最も浅く埋められており、セーブデータ404cが最も深く埋められている。
【0089】
このように、セーブデータ404a〜404cは、それぞれ異なるセーブ位置406a〜406cと、異なる深さ407a〜407cとに対応付けられて、セーブされる。そのために、プレイヤは、自身がプレイしたゲーム状態のセーブデータ404をセーブするために、セーブ位置406と深さ407とを指定して、セーブする。また、プレイヤは、自身がセーブしたセーブデータ404をロードするために、セーブしたときのセーブ位置406と深さ407とを再び指定して、ロードする。
【0090】
本実施形態では、このとき指定されるセーブ位置406は、地面402上を移動するキャラクタ403の位置、すなわち注目位置405に相当する。すなわち、セーブ時には、プレイヤはキャラクタ403の位置(注目位置405)をセーブしたい位置へ移動させてセーブを行うと、当該注目位置405をセーブ位置406としてセーブされる。一方、ロード時には、プレイヤは自身がセーブしたセーブ位置406にまでキャラクタ403の位置(注目位置405)を移動させてロードを行う。
【0091】
すなわち本実施形態では、仮想空間は3次元仮想空間401であり、
位置指定部303は、3次元仮想空間401内での2次元の地面402上における位置を指定する位置指示に基づいて、当該指定された位置を注目位置405とし、
セーブ部304は、現在のゲーム状態と、2次元の地面402上の注目位置405と、さらに指示入力に基づいた量の当該注目位置405からの深さ407と、を対応付けて保存部301にセーブし、
ロード部305は、2次元の地面402上の注目位置405と、当該注目位置405からの深さ407と、に対応付けられて保存部301にセーブされているゲーム状態があれば、当該ゲーム状態をロードする。
【0092】
これらのセーブデータ404a〜404cは、図4(a)におけるゲーム画面400内には表示されず、プレイヤはどのセーブ位置406a〜406cにどの深さ407a〜407cでセーブデータ404a〜404cが埋まっているのかを認識することはできない。従って、プレイヤは、他人のセーブデータ404が地面402の下のどこかに埋まっていたとしても、認識することができないため、セキュリティの向上や、他人のセーブデータ404に誤ってアクセスすることを防ぐことができるようになる。
【0093】
ここで図4では、RPGにおけるフィールドマップによる地面402を用いて説明したが、本実施形態においては必ずしもRPGである必要はなく、サッカーゲームでも、シミュレーションゲームであってもよい。例えばサッカーゲームの場合は、2次元の地面402としてサッカー場の地面を採用してもよいし、その他プレイヤが位置を指定できる何らかの2次元状のオブジェクトを、2次元の地面402として採用してもよい。
また、図4における2次元の地面402は、凹凸のない平面であるかのように示されているが、本実施形態ではこれに限られず、2次元の地面402は凹凸をもっていてもよい。すなわち、フィールドマップの地面402は、山地や水辺などによって様々に起伏をもつことが典型的であるので、本実施形態での2次元の地面402は、3次元の仮想空間401内に張ることが可能な任意の曲面であってもよいとする。プレイヤは、このような起伏をもった地面402上において、例えば標高の高い山地にセーブデータ404を埋めたり、標高の低い海辺にセーブデータ404を埋めたりすることができる。
【0094】
このような2次元の地面402において行われるセーブ処理とロード処理について、ここから詳細に説明していく。
【0095】
図5は、本実施形態に係るセーブ処理の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照して、ゲーム装置300におけるセーブ処理の流れを説明する。
【0096】
ここでは引き続き、プレイヤが図4(a)に表示されているゲームをプレイしている状況を例として説明する。まず、ゲーム装置300は、受付部302によって、プレイヤからセーブ指示を受け付ける(ステップS501)。すなわち、プレイヤがプレイしているゲームについて、現在のゲーム状態をセーブするためにセーブ指示を行うことを起点として、本フローチャートの処理に入る。
【0097】
次に、セーブ部304によって、セーブ指示を受け付けた時点でのキャラクタの位置、ここでは、2次元の地面402上のキャラクタの位置を取得する(ステップS502)。すなわち、位置取得部303が、図4(a)における、まさにキャラクタ403がいる地面402上の位置を、注目位置405として取得する。
【0098】
さらにここで、プレイヤから、深さ407を受け付ける(ステップS503)。すなわち、ステップS502において取得された地面402上のキャラクタ403の位置(注目位置405)から、下方向へどの程度の位置にセーブデータ404を埋めるかを、プレイヤが指定する。
【0099】
ここで、プレイヤが深さ407を指定する方法として、いくつかの方法が考えられる。例えば最も単純には、数値を入力することで具体的に深さ407の値を指定する方法が考えられる。
【0100】
図6は、深さ407を指定するため、数値を入力している様子を示す図である。本図では、セーブ指示が受け付けられた際に、ゲーム画面400内にセーブデータ404を埋める深さ407を指定する入力受付を表示している様子を示しており、ここでは具体的に、プレイヤは「3.5」という数値を入力することで深さ407を入力している。
【0101】
一方、プレイヤが深さ407を指定する別の方法として、上記のように具体的に数字を入力せず、より直感的な方法で受け付けてもよい。例えば、携帯型ゲーム機100のタッチパネル120を、プレイヤが指でこすることで、セーブデータ404を埋める深さ407を指定してもよい。
【0102】
図7Aは、深さ407を指定するため、タッチパネル120を指でこすっている様子を示す図である。本図では、携帯型ゲーム機100の第2の表示部109には、フィールドマップ(地面402)で構成されるゲーム画面400が表示されており、そこに重ねて配置されているタッチパネル120に対して、プレイヤが指でこすっている様子が示されている。すなわちこれは、プレイヤが指で地面402を掘る、という動作を模擬することになり、プレイヤは自身のゲームのセーブデータ404を、あたかも地面402に掘って埋めるという感覚で、セーブを行うことができるようになる。
【0103】
このとき例えば、プレイヤが指でこすった回数に応じて、深さ407の値を決めることにするのが典型的である。図7Bは、タッチパネルを指でこすった回数と深さ407との関係を示す表である。本実施形態では、例えば図7Bに示すような関係で、セーブデータ404が埋められる深さ407が決められる。具体的に、図7Bでは、タッチパネル120を指でこすった回数が1回のときは、セーブデータ404は地面402から1メートルの深さ407に埋められ、こすった回数が2回のときは2メートルの深さ407に埋められ、こすった回数が3回のときは3メートルの深さ407に埋められ、こすった回数が10回のときは10メートルの深さ407に埋められる。すなわち、タッチパネル120を指でこすった回数が多ければ多いほど、その回数に比例する形でセーブデータ404が埋められる深さ407が深くなり、プレイヤは、たくさんこすれ(掘れ)ば地面402から深く埋めることができるし、少ししかこすら(掘ら)なければ浅い位置にセーブデータ404がセーブされることになる。
【0104】
すなわち、プレイヤは労力をかけてたくさんこすれ(掘れ)ば、高いセキュリティでゲームをセーブすることができるし、一方でそれほど高いセキュリティを必要としないのであれば、労力をかけずに少ない回数だけこすって(掘って)、セーブすることもできる。これによって、プレイヤが臨機応変に、しかも簡単な操作によってセキュリティレベルを設定してゲームをセーブすることが可能となる。
【0105】
ここで図7Bにおけるタッチパネル120を指でこすった回数とセーブデータ404が埋められる深さ407との関係は一例であり、こすった回数に応じて深さ407の値が大きくなる関係であれば、図7Bに示した関係に限られない。
【0106】
ここで、本実施形態では、深さ407を指定する方法として、上記のようなタッチパネル120を指でこする動作に限られず、指やタッチペンで押圧した回数によって指定してもよい。あるいはタッチパネル120による入力に限られず、ボタンを押圧した回数によって指定してもよい。その他、様々な指定方法が考えられる。
【0107】
図5に戻って、このようにしてプレイヤから深さ407が指定されると、最後に、現在のゲーム状態を、キャラクタ403の位置(注目位置405)と深さ407に対応付けて、セーブする(ステップS504)。すなわちセーブ部304が、現在のゲーム状態と、2次元の地面402上の注目位置405と、当該注目位置405からの深さ407と、を対応付けて保存部301にセーブする。
【0108】
図8は、このようなセーブが行われたときの仮想空間401の様子を示す図である。ここで図8(a)は、図4(b)と同じ図であり、キャラクタ403の立っている地面402のセーブ位置406a〜406cの下に、3つのセーブデータ404a〜404cが、それぞれ深さ407a〜407cで埋められて、すなわちセーブされている。この状態で、プレイヤが新たにセーブ指示を行うと、キャラクタ403の立っている位置(注目位置405)の下へ、指定された深さ407dにセーブデータ404dが埋められることになる。
【0109】
図8(b)は、このようなセーブが行われたときの様子を示す図であり、セーブデータ404dが、4つ目のセーブデータ404としてセーブされる様子が示されている。すなわち、キャラクタ403の位置(注目位置405)を新たなセーブ位置406dとして、その下に新たに指定された深さ407dの位置に、新たなセーブデータ404dが埋められ、すなわちセーブされている。
【0110】
このような処理によって、プレイヤは、自身がプレイしていたゲームにおける現在のゲーム状態を、キャラクタ403の位置(注目位置405)に対応付けて、地面402の下に、指定された深さ407にまで埋める、すなわちセーブすることが可能となる。
【0111】
一方で、一旦ゲームをセーブした後、プレイヤがゲームを再開するときには、適切な方法でセーブされたゲームをロードしなくてはならない。ここからは、そのためのロード処理について説明する。
【0112】
図9は、本実施形態に係るロード処理の流れを示すフローチャートである。以下、本図を参照して、ゲーム装置300におけるロード処理の流れを説明する。
【0113】
まず、ゲーム装置300は、受付部302によって、プレイヤからロード指示を受け付ける(ステップS901)。すなわち、プレイヤが、ゲーム装置300の保存部301にセーブされているセーブデータ404をロードしてプレイを再開するため、ロード指示を行うことを起点として、本フローチャートの処理に入る。
【0114】
次に、ロード部305によって、ロード指示を受け付けた時点でのキャラクタの位置、ここでは、2次元の地面402上のキャラクタの位置を取得する(ステップS902)。ここでも図5でのセーブ処理のときと同様に、図4(a)に示された地面402上をキャラクタ403が移動するものとし、ステップS902では、位置指定部303が、そのキャラクタ403の位置を注目位置405として取得する。
【0115】
さらにここで、受付部302が、プレイヤから深さ407を受け付ける(ステップS903)。ここで、プレイヤが深さ407を指定する方法は、様々な方法が考えられるが、通常は、セーブ処理における深さ407を指定する方法と同様の方法をとることが典型的である。
【0116】
すなわち、セーブ処理における深さ407を指定する方法が、図6に示したように数値で入力するものであるなら、ロード処理においても同様に数値で入力することが典型的である。あるいは一方で、セーブ処理における深さ407を指定する方法が、図7に示したようにタッチパネル120をこすった回数で入力するものであるなら、ロード処理においても同様な方法で深さ407を指定することが典型的である。
【0117】
ここまでの流れにおいて、キャラクタ403の位置(注目位置405)と、深さ407とが指定されたので、次に、指定された深さ407に基づいて、キャラクタ403の位置を含む所定の範囲を取得する(ステップS904)。すなわち、本実施形態では、ロード部305における2次元の地面402上の注目位置405は、所定の範囲を持っており、当該注目位置405からの深さ407が深ければ、当該所定の範囲を大きくする。その結果として、キャラクタ403の位置(注目位置405)が、ロードしたいセーブデータ404の埋まっているセーブ位置406に正確に一致していなくても、所定の範囲をもった注目位置405のいずれかに一致していればロードできる。具体的に、以下に図10および図11を用いて説明する。
【0118】
図10は、ロード処理において注目位置405の範囲が変化する様子を示した図である。ここで図10(a)は、プレイヤが比較的小さな深さ407bに埋められているセーブデータ404bをロードするときの様子を示しており、対して図10(b)は、プレイヤが比較的大きな深さ407cに埋められているセーブデータ404cをロードするときの様子を示している。
【0119】
本図(a)、(b)ともに、キャラクタ403の位置に基づく注目位置405および405’は、円状の所定の範囲を持つものとして表示されている。ここで本図(a)での注目位置405の範囲に比べて、本図(b)での注目位置405’の範囲は、より大きな範囲となっている。これはすなわち、本図(a)でのように、浅く埋められているセーブデータ404bをロードしようとして、小さな量の深さ407bを指定した場合は、注目位置405の範囲は小さくなり、逆に本図(b)でのように、深く埋められているセーブデータ404cをロードしようとして、大きな量の深さ407cを指定した場合は、注目位置405’の範囲は大きくなる、ということである。
【0120】
ここで注目位置405および405’の範囲は、プレイヤが正確にセーブデータ404のセーブ位置406を指定しなくてもロードすることができるようにするためにとられた許容範囲であり、注目位置405および405’の範囲内にセーブデータ404のセーブ位置406が含まれていれば、ロードすることができる範囲を表すものである。すなわち、本図(a)でのように、浅く埋められているセーブデータ404bをロードするときには、プレイヤが深さ407bを指定する際の労力はそれほどかからないため、許容範囲はそれほど広くはとらない。一方で、本図(b)でのように、深く埋められているセーブデータ404cをロードするときには、プレイヤが深さ407cを指定するため、タッチパネル120を何度もこすらなければならず、労力がかかる。そのため許容範囲を広げて、深く埋められたセーブデータ404cを探しやすくするのである。
【0121】
ここで、本図(a)、(b)において、注目位置405および405’の範囲として、円状の範囲を用いて説明したが、本実施形態ではこれに限られず、四角形状やその他の多角形状でも、またその他の任意の形状であってもよい。また、本図(a)、(b)において、注目位置405および405’の範囲の大きさは強調して描かれており、地面402の全体の領域に対して、実際はもっと小さな範囲にとるのが典型的である。
【0122】
再び図9のフローチャートを用いて、ロード処理の説明に戻る。ここまでで、キャラクタ403の位置(注目位置405)およびそれを含む所定の範囲が取得され、そして深さ407が指定されたので、次のステップとして、対応するセーブデータ404、すなわち当該指定された注目位置405の範囲において、当該指定された深さ407に埋められたセーブデータ404が存在するかを判定する(ステップS905)。
【0123】
ここで、対応するセーブデータ404が存在すれば(ステップS905;YES)、すなわち、典型的な状況としては、プレイヤが過去に自らがセーブしたセーブデータ404のセーブ位置406と深さ407とを正しく覚えており、そのため、正しい注目位置405と深さ407を指定することができた場合に相当する。このとき、当該対応するセーブデータ404が、地面402下から出てくる(ステップS909)。すなわち、地面402の下からセーブデータ404があたかも発掘されたかのような状況となる。
【0124】
図11は、このようなロードが行われたときの仮想空間401の様子を示す図である。ここで図11(a)は、図8(b)で示された状態と同じであり、キャラクタ403の立っている地面402のセーブ位置406a〜406dの下に、4つのセーブデータ404a〜404dが埋められて、すなわちセーブされている。そしてキャラクタ403は、セーブデータ404dが埋められている真上の地面402上に位置している。すなわち、注目位置405の所定の範囲内に、セーブデータ404dのセーブ位置406dが含まれている。この状態で、プレイヤが深さ407dを正しく指定した上でロード指示を行うと、キャラクタ403の真下にあるセーブデータ404dが、掘り返されることになる。図11(b)は、このようなロードが行われたときの様子を示す図であり、セーブデータ404dが、地面402上に立っているキャラクタ403の足元へ、発掘されている。
【0125】
図9に戻って、このときさらに、発掘されたセーブデータ404をプレイヤがタッチパネル120をタップすれば、このセーブデータ404をロードする(ステップS910)。そして、ロード処理を終了する。すなわち、無事にロードが完了した状況、ということになる。
【0126】
一方で、発掘されたセーブデータ404をタップしなければ、ロードされない。そのときセーブデータ404は、その後そのまま地面402上に残っていてもよいし、時間が経つと再び元のセーブ時の深さ407dまで地面402下へ自動的に埋められることにしてもよい。
【0127】
また、図9のフローチャートでは、発掘されたセーブデータ404をタップしなければロードされないように書いているが、本実施形態ではこれに限られず、タップをしなくても発掘されたセーブデータ404をすぐにロードするとしてもよい。また、ロードする方法について、タッチパネル120をタップするという動作に限られず、ボタンを押下する動作など、プレイヤがゲーム装置300に発掘したセーブデータ404をロードすることを指示できる動作であればよい。
【0128】
再びステップS905に戻り、指定した注目位置405と深さ407に対応するセーブデータ404が存在しなければ(ステップS905;NO)、ここではセーブデータ404はロードされないことになる。この場合はすなわち、プレイヤが自分でセーブしたセーブ位置406と深さ407とを忘れてしまった場合や、誤って注目位置405と深さ407を指定した場合などが考えられる。また、セーブされたセーブ位置406と深さ407を知らない他のプレイヤが、悪意を持って当該セーブデータ404をロードしようとしている場合も考えられる。
【0129】
そのため、このとき本実施形態では、セーブされているすべてのセーブデータ404について、深さ407を増大させる(ステップS906)。すなわち、本実施形態では、ロード部305は、2次元の地面402上の注目位置405と、当該注目位置405からの深さ407と、に対応付けられて保存部301にセーブされているゲーム状態が存在しない場合に、保存部301にセーブされているすべてのゲーム状態に対応付けられている深さ407を増大させる。
【0130】
すなわちこれは、セーブされているすべてのセーブデータ404のセキュリティレベルを上げるということを意味する。なぜならば、例えば典型的に、深さ407を指定する方法が図7Aで示したようなタッチパネル120を指でこする回数による指定であった場合、深さ407が増大すればするほど、それを指定するために指でこする回数が増え、セーブデータ404をロードするための労力が増えるということを意味するからである。これにより、例えば悪意を持ったプレイヤが、他人のセーブデータ404をロードしようとして、正しくない注目位置405と深さ407を何度も指定すればするほど、セーブデータ404は深く埋まっていき、よりロードしにくい状態へ移行することになる。
【0131】
具体的に、図12は、地面402の下に埋められているセーブデータ404の深さ407が増大する様子を示した図である。ここで図12(a)は、図8(b)および図11(a)と同じもので、地面402のセーブ位置406a〜406dの下に、4つのセーブデータ404a〜404dがそれぞれ深さ407a〜407dでセーブされている状態である。このとき、例えばキャラクタ403が、どのセーブデータ404a〜404dの上の位置でもない位置にいる場合、すなわち、キャラクタ403の位置によって指定される注目位置405の所定の範囲に、いずれのセーブデータ404a〜404dのセーブ位置406a〜406dも含まれていない場合は、プレイヤがロード指示を行ってロードをしても、どのセーブデータ404a〜404dもロードされない。
【0132】
このようにどのセーブデータ404もロードされなかった場合に、本実施形態では、埋められていたすべてのセーブデータ404の深さ407が増大されることになる。図12(b)では、セーブデータ404の深さ407が増大する様子が示されている。すなわち図12(b)では、地面402の下にそれぞれ深さ407a〜407dで埋められていたセーブデータ404a〜404dが、それぞれ深さ407a’〜407d’へと深くなっている。
【0133】
図12では、セーブデータ404のセーブ位置406を誤った場合の例を示したが、他の場合として、セーブデータ404のセーブ位置406は正しいが、深さ407を誤る例も考えられる。その場合、本実施形態では、ステップS905と同様に深さ407を増大させてもよいし、あるいは増大させなくてもよい。前者の場合は、セーブ位置406もしくは深さ407のどちらかでも誤ると、セーブデータ404は深くなってしまい、セキュリティのレベルがより厳格になる。一方、後者の場合は、セキュリティのレベルが比較的緩い場合に対応しており、セーブ位置406が正しければ深さ407を誤っても、セーブデータ404の深さ407は変わらない。この場合、想定される状況として、正規のプレイヤが、自分のセーブしたセーブデータ404についてセーブ位置406は覚えているが深さ407を忘れたような場合でも、セーブデータ404の深さ407が増大することなく何度かロードを試行して正解にたどり着くことができるようになり、結果的にプレイヤにとって扱いやすくなることが考えられる。
【0134】
再び図9に戻って、本実施形態ではさらにこのあと、次にプレイヤからロード指示を受け付けるまでに、所定の時間が経過したかどうかを判定する(ステップS907)。所定の時間が経過していなければ(ステップS907;NO)、処理は最初(ステップS901)へ戻ることになる。すなわち、プレイヤは、すべてのセーブデータ404の深さ407が増大したままの状態で、再びロード処理を実行することになる。
【0135】
一方で、次にプレイヤからロード指示を受け付けるまでに、所定の時間が経過していれば(ステップS907;YES)、ここで本実施形態では、セーブされているすべてのセーブデータについて、深さ407を、セーブした時点の深さ407に戻すように変化させる、すなわち、元に戻すように変化させる(ステップS908)。その後、処理は最初(ステップS901)へ戻って、プレイヤからのロード指示を受け付けることになる。すなわち、本実施形態では、時間の経過とともに、すべてのゲーム状態に対応付けられている深さ407を、セーブした時点の深さ407に戻すように変化させる。プレイヤは、深さ407がセーブした時点の深さ407に戻った状態で、ロード処理を行うことができる。
【0136】
具体的に、図12を用いて説明する。まずここでは、すべてのセーブデータ404a〜404dの深さ407a〜407dが、深さ407a’〜407d’へと増大されて、図12(b)に示した状態になっているとする。そのとき、深さ407a’〜407dへと増大された時から所定の時間が経てば、セーブしたときの深さ407a〜407d、すなわち、図12(a)に示したとき状態へ、すべてのセーブデータ404a〜404dの深さ407が戻ることになる。
【0137】
すなわち、一旦セーブデータ404の深さ407が増大して、そのまま永久に戻らないとすると、誰かが誤ったロードを繰り返して、セーブデータ404がとても深くまで埋まってしまう。そのような状態では、セーブデータ404を本当にロードすべき正規のプレイヤが、正しい深さ407を指定してロードすることができなくなってしまう。そのような状況を避けるため、所定の時間が経過すると、すべてのセーブデータ404の深さ407を、セーブした深さ407へ戻す。
【0138】
ここで、所定の時間として、どれくらいの長さの時間をとってもよいが、1秒や2秒といった短い時間にすると、悪意を持ったプレイヤが、他人のセーブデータ404をロードするために、当該1秒や2秒を待ちつつ何度もロードを試行できることになり、セキュリティの観点からあまり適切でない。一方で、あまり長い時間にしすぎても、一旦増大された深さ407が元に戻らないまま正規のプレイヤがロードする事態が起こりやすくなり、不適切となる。これらを考慮して、適切な長さの所定の時間を決めるのがよい。
【0139】
また、図9のフローチャートでは、所定の時間が経過すると、セーブしたときの深さ407へ、瞬時に戻るように示しているが、本実施形態では、それに限られず、時間の経過とともに徐々に戻ってもよい。すなわち、ある所定の長さの閾時間が存在するのではなく、時間が経過するごとに少しずつ深さ407が戻る、ということである。
【0140】
以上、図9を用いて説明したように、本実施形態におけるロード処理では、プレイヤがセーブ位置406と深さ407とともにセーブされているセーブデータ404をロードするため、プレイヤはセーブしたセーブ位置406と深さ407とを指定しなければならず、これらを知らないプレイヤからの誤った、あるいは悪意を持ったロードを、なるべく防ぐことができる。
【0141】
以上説明したような構成により、本実施形態では、プレイヤがプレイしているゲームをセーブするときは、自身のセーブデータ404をセーブする2次元の地面402上の注目位置405(パスワード)と、当該注目位置405からの深さ407(セキュリティレベル)とを指定してセーブすることで、当該注目位置405によって指定されるセーブ位置406において、あたかもキャラクタ403が地面402を掘ってセーブデータ404を埋めるような動作によって、セーブ処理を行うことができる。またプレイヤが過去にセーブしたゲームをロードするときは、自身が過去にセーブしたセーブ位置406と深さ407とを指定してロードすることで、あたかもキャラクタ403が地面402のセーブ位置406を掘り返してセーブデータ404を発掘するような動作によって、ロード処理を行うことができる。
【0142】
その結果、プレイヤはこれまでよりもより直感的で分かりやすく、また簡単にパスワードとセキュリティレベルを設定して、プレイしているゲームのセーブ・ロード処理を行うことができるようになる。
【0143】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。実施形態1では、フィールドマップで表現された地面402上において、キャラクタ403を移動させるゲームについて説明した。本実施形態では、キャラクタ403の登場するゲームではなく、パーソナルコンピュータなどの一般的な情報処理装置において、他人のデータをロードするのを適切に防ぐ処理について説明する。すなわち、本実施形態における位置指定部303は、キャラクタ403の位置を注目位置405とするのではなく、受付部302によってプレイヤから受け付けられた位置指示に基づいて、仮想空間401内の指定された位置を注目位置405とする。
【0144】
図13は、本実施形態に係る情報処理装置のモニタ表示例を示す図である。本図では、情報処理装置のモニタ1100に、複数のアイコン1101、2つのウィンドウ1102a、1102bが表示されており、ユーザは、カーソル1103を用いてこれらのアイコン1101やウィンドウ1102を選択するなどして、この情報処理装置における操作を進めていくものとする。すなわち、本図では、情報処理装置として一般的なパーソナルコンピュータを想定しているが、本実施形態を実現するための情報処理装置は、これに限られず、携帯電話やスマートフォン、または電子辞書などの電子機器であってもよい。
【0145】
本実施形態では、情報処理装置のモニタ1100にはさらに保存領域1104が配置されている。この保存領域1104は、実施形態1における2次元の地面402に対応するもので、ユーザは、情報処理装置におけるデータをセーブしたいと思ったとき、保存領域1104における位置と深さ(セキュリティレベル)を指定してセーブをする。また、過去にセーブしたデータをロードしたいと思ったとき、セーブ時に指定した保存領域1104における位置と深さ(セキュリティレベル)を指定してロードを行う。
【0146】
本実施形態におけるセーブ処理およびロード処理は、実施形態1で説明したセーブ処理(図5)およびロード処理(図9)を用いて、「プレイヤ」は「ユーザ」へ、「2次元の地面」は「保存領域」へ、「キャラクタの位置」は「カーソルの位置」へ、それぞれ置き換えて説明することで、基本的には同様の流れで説明される。
【0147】
具体的に、図14は、本実施形態に係る情報処理装置において、位置と深さ(セキュリティレベル)を指定している様子を示す図である。ここではユーザが、元々保存領域1104の外側にあったカーソル1103を、保存領域1104の内側における、セーブしたい位置まで移動させている。例えば図14では、保存領域1104内の中央やや左寄りの部分にカーソル1103を移動させている。その他にも、ユーザが保存領域1104内の左上の位置にセーブしたいと考えたときにはカーソル1103を保存領域1104内の左上の位置にまで移動させ、右下の位置にセーブしたいと考えたときにはカーソル1103を保存領域1104内の右下の位置にまで移動させればよいことになる。
【0148】
ここでさらにユーザは、どれくらいの深さ(セキュリティレベル)にセーブしたいかを指定する。深さ(セキュリティレベル)を指定する方法として、ここでは情報処理装置のカーソル1103をマウスで操作していると想定すると、例えばマウスをクリックする回数で指定してもよい。すなわち、たくさんクリックすれば、それだけ深くセーブデータを埋めることができ、高いセキュリティでセーブすることができる。一方で、1回や2回といった少ない回数しかクリックしなければ、浅い場所、すなわち低いセキュリティレベルでセーブすることになる。
【0149】
また、このようなセキュリティレベルを指定する方法としては、マウスのクリックに限らず、例えば実施形態1における図6のように、具体的に数値で指定してもよい。あるいは、モニタ1100がタッチパネル備えていた場合には、実施形態1の図7において示したように、ユーザが指でこすった回数によって指定してもよい。
【0150】
ここで図13および図14においては、保存領域1104は、モニタ1100の右上隅の領域に配置されているが、これに限るものではなく、モニタ1100内の左側や上側、中央など、どこに配置されていてもよい。さらに、モニタ1100内の特定の領域を保存領域1104とするのではなく、モニタ1100内でアイコン1101やウィンドウ1102が表示されていない部分、すなわちいわゆる一般的なパーソナルコンピュータにおけるデスクトップ画面全体を、保存領域1104としてもよい。この場合はすなわち、ユーザはセーブする際に、わざわざ所定の保存領域1104までカーソル1103を移動させることなく、ウィンドウ1102間の空いているスペースにセーブすることができ、処理がより簡単になる。
【0151】
また、本実施形態では、保存領域1104は2次元の領域に限らなくてもよい。例えば保存領域1104として1次元の領域、すなわち所定の長さを持った線分状の領域をモニタ1100内に設けてもよい。例えばその場合、当該所定の長さを持った線分状の領域の中から、ユーザがセーブデータをセーブする位置、すなわち線分の左端から1cmの位置、右端から3cmの位置、といった位置を指定することになる。
【0152】
一方で、一旦セーブされると、セーブしたユーザがそれまで作業していた環境は、引き続きユーザが作業を続けられるようにしてもよい。あるいは、他のユーザに編集されないようにするため、モニタ1100内のアイコン1101やウィンドウ1102は表示されなくする、あるいは表示はしていても編集不可能なようにしてもよい。後者の場合は、いわゆるモニタ1100をロックするということに相当する。そしてロックされた後は、この情報処理装置を次に使用するユーザを待ち受ける画面に移行することが典型的である。
【0153】
図15は、本実施形態に係る情報処理装置のユーザ待ち受け画面を示す図である。例えばあるユーザによってセーブされると、本図のように、モニタ1100内にはアイコン1101やウィンドウ1102は表示されなくなり、カーソル1103と保存領域1104のみが表示されるようになる。すなわちこの状態は、当該あるユーザが作業していた状態が、他のユーザによって編集されないようにするため、ロックしているという状態ということになる。
【0154】
この状態で、次にこの情報処理装置を使用するユーザは、カーソル1103を保存領域1104の自身がセーブ時に指定した位置まで移動させて、さらにマウスをクリックするなどして深さ(セキュリティレベル)を指定することで、セーブデータをロードする。例えば上記の図14では、ユーザはセーブデータを、保存領域1104の中央やや左寄りの位置にセーブしたので、ロードするときは当該中央やや左寄りの位置にまでカーソル1103を移動させる。同じように、セーブ時に保存領域1104の左上の位置にセーブした場合は、ロード時には当該左上の位置にまでカーソル1103を移動させることになり、またセーブ時に保存領域1104の右下の位置にセーブした場合は、ロード時には当該右下の位置にまでカーソル1103を移動させることになる。そして、移動させた位置にて、セーブ時にユーザ自身が指定したセキュリティレベルを再び指定することで、セーブデータがロードされる。そうすると、自身がセーブした時点でのモニタ1100の様子が、すなわち図11に示したモニタ1100内の様子が再び表示されることになる。
【0155】
また、本実施形態においては、実施形態1と同様に、ロード処理において、指定された位置とセキュリティレベルに対応付けられてセーブされている情報処理装置の状態が存在しない場合に、保存領域1104にセーブされているすべての情報処理装置の状態に対応付けられているセキュリティレベルを増大させてもよい。そして、時間の経過とともに、すべての情報処理装置の状態に対応付けられているセキュリティレベルを、セーブした時点のセキュリティレベルに戻すように変化させてもよい。さらに、ロード処理において指定する位置は、所定の範囲を持っており、セキュリティレベルが大きければ、当該所定の範囲を大きくすることにしてもよい。
【0156】
以上説明したような構成により、ユーザは、情報処理装置で作業していた状態を、保存領域1104における位置と深さ(セキュリティレベル)を指定するという直感的に分かりやすい方法によって、また簡単にパスワードとセキュリティレベルを設定しつつ、セーブ・ロードすることができるようになる。
【0157】
その結果、他のユーザによって自身の作業していた状態が編集されてしまうことや、誤って他のユーザの状態をロードしてしまうことをなるべく減らすことができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0158】
以上説明したように、本発明によれば、プレイヤが他人のデータをロードするのを防ぐのに好適なゲーム装置、情報処理装置、ゲーム処理方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0159】
100 携帯型ゲーム機
103 無線通信部
104 通信コントローラ
105 サウンドアンプ
106 スピーカ
107 操作キー
108 第1の表示部
109 第2の表示部
120 タッチパネル
150 制御部
151 CPU
152 画像処理部
153 音声処理部
154 ROM
155 RAM
156 LCDコントローラ
157 タッチパネルコントローラ
200 カートリッジ
201 ROM
202 RAM
300 ゲーム装置
301 保存部
302 受付部
303 位置指定部
304 セーブ部
305 ロード部
400 ゲーム画面
401 仮想空間
402 地面
403 キャラクタ
404(404a〜404d) セーブデータ
405,405’ 注目位置
406(406a〜406d) セーブ位置
407(407a〜407d,407a’〜407d’) 深さ
1100 モニタ
1101 アイコン
1102(1102a,1102b) ウィンドウ
1103 カーソル
1104 保存領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム状態と仮想空間内の位置とが対応付けられてセーブされる保存部と、
プレイヤからの指示入力を受け付ける受付部と、
前記受け付けられた指示入力が前記仮想空間内の位置を指定する位置指示であった場合、当該指定された位置を注目位置とする位置指定部と、
前記受け付けられた指示入力がセーブ指示であった場合、現在のゲーム状態と、前記注目位置と、を対応付けて前記保存部にセーブするセーブ部と、
前記受け付けられた指示入力がロード指示であった場合、前記注目位置に対応付けられて前記保存部にセーブされているゲーム状態があれば、当該ゲーム状態をロードするロード部と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置であって、
前記位置指定部は、前記受け付けられた位置指示に基づいて、前記仮想空間内におけるキャラクタの位置を移動させ、当該移動させたキャラクタの位置を前記注目位置とする、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のゲーム装置であって、
前記仮想空間は3次元仮想空間であり、
前記位置指定部は、前記3次元仮想空間内での2次元の地面上における位置を指定する位置指示に基づいて、当該指定された位置を注目位置とし、
前記セーブ部は、現在のゲーム状態と、前記2次元の地面上の注目位置と、さらに前記指示入力に基づいた量の当該注目位置からの深さと、を対応付けて前記保存部にセーブし、
前記ロード部は、前記2次元の地面上の注目位置と、当該注目位置からの深さと、に対応付けられて前記保存部にセーブされているゲーム状態があれば、当該ゲーム状態をロードする、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項3に記載のゲーム装置であって、
前記ロード部は、前記2次元の地面上の注目位置と、当該注目位置からの深さと、に対応付けられて前記保存部にセーブされているゲーム状態が存在しない場合に、前記保存部にセーブされているすべてのゲーム状態に対応付けられている深さを増大させる、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項4に記載のゲーム装置であって、
時間の経過とともに、前記すべてのゲーム状態に対応付けられている深さを、セーブした時点の深さに戻すように変化させる、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか1項に記載のゲーム装置であって、
前記ロード部における前記2次元の地面上の注目位置は、所定の範囲を持っており、
当該注目位置からの深さが深ければ、当該所定の範囲を大きくする、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項7】
情報処理装置の状態と仮想空間内の位置とが対応付けられてセーブされる保存部と、
プレイヤからの指示入力を受け付ける受付部と、
前記受け付けられた指示入力が前記仮想空間内の位置を指定する位置指示であった場合、当該指定された位置を注目位置とする位置指定部と、
前記受け付けられた指示入力がセーブ指示であった場合、現在の情報処理装置の状態と、前記注目位置と、を対応付けて前記保存部にセーブするセーブ部と、
前記受け付けられた指示入力がロード指示であった場合、前記注目位置に対応付けられて前記保存部にセーブされている情報処理装置の状態があれば、当該情報処理装置の状態をロードするロード部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
保存部、受付部、位置指定部、セーブ部、ロード部を備えたゲーム装置にて実行されるゲーム処理方法であって、前記保存部では、ゲーム状態と仮想空間内の位置とが対応付けられてセーブされ、
前記受付部が、プレイヤからの指示入力を受け付ける受付工程、
前記位置指定部が、前記受け付けられた指示入力が前記仮想空間内の位置を指定する位置指示であった場合、当該指定された位置を注目位置とする位置指定工程、
前記セーブ部が、前記受け付けられた指示入力がセーブ指示であった場合、現在のゲーム状態と、前記注目位置と、を対応付けて前記保存部にセーブするセーブ工程、
前記ロード部が、前記受け付けられた指示入力がロード指示であった場合、前記注目位置に対応付けられて前記保存部にセーブされているゲーム状態があれば、当該ゲーム状態をロードするロード工程、
を備えることを特徴とするゲーム処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
ゲーム状態と仮想空間内の位置とが対応付けられてセーブされる保存部、
プレイヤからの指示入力を受け付ける受付部、
前記受け付けられた指示入力が前記仮想空間内の位置を指定する位置指示であった場合、当該指定された位置を注目位置とする位置指定部、
前記受け付けられた指示入力がセーブ指示であった場合、現在のゲーム状態と、前記注目位置と、を対応付けて前記保存部にセーブするセーブ部、
前記受け付けられた指示入力がロード指示であった場合、前記注目位置に対応付けられて前記保存部にセーブされているゲーム状態があれば、当該ゲーム状態をロードするロード部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−24423(P2012−24423A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−167587(P2010−167587)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】