説明

コア拡張ペリレンジイミド色素の合成方法および新規なコア拡張ペリレンジイミド色素

蛍光色素として有用である、一般式Aを有するコア拡張ペリレンジイミド色素が合成される。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は米国仮特許出願第61/235,483号(2009年8月20日出願)の利益を主張する(その開示はその全体において参照によって本明細書中に組み込まれる)。
【0002】
(技術分野)
本発明は一般には、様々な領域において蛍光色素として有用であるコア拡張ペリレンジイミド色素を合成する方法、および、そのような新規なコア拡張ペリレンジイミド色素に関連する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
近年では、新しい光学的集光系、蛍光に基づくソーラーコレクター、蛍光活性化ディスプレーおよび単分子分光法のために必要とされることにより、ペリレン系色素を実現するための様々な取り組みが検討されており、しかし、多くの技術的事項が依然として克服されなければならない。
【0004】
1つの先行技術(Chemistry−European Journal,2007,13,6555−6561頁)は、ペリレン系化合物から合成されるジベンゾコロネン化合物を記載する。しかしながら、このプロセスによるその収率は低く、また、このプロセスでは、ジブロモ前駆体が要求され、このことが製造される目標化合物の構造的バリエーションを制限している。この先行技術において記載される反応は、ヘック反応として知られているものであり、複雑な前駆体と必要とし、したがって、様々なコア拡張ペリレン誘導体を合成することが困難である。
【0005】
したがって、より多くの構造的バリエーションを有するペリレン系色素、および、改善された収率のためのその合成方法が今すぐにも求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
その結果として、1つの局面において、本発明の開示された実施形態の目的の1つが、回折格子の書き込みおよび読み出しができるコア拡張ペリレン誘導体を提供することである。そのようなペリレン誘導体を用いることによって、新しいタイプの光学的集光系、蛍光に基づくソーラーコレクター、蛍光活性化ディスプレーおよび単分子分光法が提供され得る。
【0007】
本発明の開示された実施形態の別の目的が、著しく高い収率を有する光化学反応または酸化反応を使用してペリレン誘導体を合成するための方法であって、ペリレン誘導体の多くの構造的バリエーションを得ることができる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの実施形態において、下記の一般式Aを有するコア拡張ペリレンジイミド化合物を提供する。
【化1】

(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリールおよびアラルキルからなる群から選択される;RおよびRはそれぞれが独立して、水素、アルキル、アリール、ヘタリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OR、−COR、−COOR、−OCOR、−CONR、−OCONR、−NR、−NRCOR、−NRCOOR、−NRSO、−SO、−SONRおよび−N=N−Rからなる群から選択されるか、あるいは、RおよびRは一緒になって、置換または非置換の縮合ベンゼン環を形成する;RおよびRはそれぞれが独立して、水素、アルキル、アリール、ヘタリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OR、−COR、−COOR、−OCOR、−CONR、−OCONR、−NR、−NRCOR、−NRCOOR、−NRSO、−SO、−SONRおよび−N=N−Rからなる群から選択される;かつ、RおよびRはそれぞれが独立して、水素、C〜Cアルキル、フェニルおよび4−トリルからなる群から選択される;ただし、R〜Rのすべてが水素であるとき、Rはアルキルまたはアリールではない)。
【0009】
一つの実施形態において、RおよびRが一緒になって、置換または非置換の縮合ベンゼン環を形成しない。一つの実施形態において、R〜Rのうちの少なくとも1つが水素ではない。一つの実施形態において、それぞれのRがアリールである。
【0010】
一つの別の実施形態において、RおよびRが一緒になって、置換または非置換の縮合ベンゼン環を形成する。一つの実施形態において、前記縮合ベンゼン環が非置換であり、かつ、RおよびRが水素である。一つの実施形態において、前記縮合ベンゼン環が、アルキル、アリール、ヘタリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OR、−COR、−COOR、−OCOR、−CONR、−OCONR、−NR、−NRCOR、−NRCOOR、−NRSO、−SO、−SONRおよび−N=N−Rからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有する。
【0011】
一つの実施形態において、下記の一般式Aを有するコア拡張ペリレンジイミド化合物の合成方法を提供する。
【化2】

(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリールおよびアラルキルからなる群から選択される;RおよびRはそれぞれが独立して、水素、アルキル、アリール、ヘタリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OR、−COR、−COOR、−OCOR、−CONR、−OCONR、−NR、−NRCOR、−NRCOOR、−NRSO、−SO、−SONRおよび−N=N−Rからなる群から選択されるか、あるいは、RおよびRは一緒になって、置換または非置換の縮合ベンゼン環を形成する;RおよびRはそれぞれが独立して、水素、アルキル、アリール、ヘタリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OR、−COR、−COOR、−OCOR、−CONR、−OCONR、−NR、−NRCOR、−NRCOOR、−NRSO、−SO、−SONRおよび−N=N−Rからなる群から選択される;かつ、RおよびRはそれぞれが独立して、水素、C〜Cアルキル、フェニルおよび4−トリルからなる群から選択される)
を合成するための方法であって、
前駆体として、下記の一般式Bを有する1,7−ジアリールペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド):
【化3】

(式中、R〜Rは一般式AにおけるR〜Rと同じであり、かつ、R〜Rを有するフェニル、または、RおよびRが一緒になって、前記フェニルに縮合するベンゼン環を形成するナフチルが光反応性である)
を提供すること;
前記前駆体に、前記コア拡張ペリレンジイミド化合物が合成されるまで、約300nm〜約450nmの励起波長を有する光を照射すること
を含む方法。
【0012】
一つの実施形態において、一般式Bにおけるそれぞれのフェニルが非置換フェニルであるか、あるいは、R〜Rを有する置換フェニルであり、ただし、R〜Rのうちの少なくとも1つが、ヘタリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−COR、−COORまたは−SOである。一つの実施形態において、一般式Bにおけるそれぞれのフェニルが、RおよびRが一緒になって、前記フェニルに縮合するベンゼン環を形成する置換ナフチルまたは非置換ナフチルを形成する。
【0013】
一つの別の実施形態において、下記の一般式Aを有するコア拡張ペリレンジイミド化合物の合成方法を提供する。
【化4】

(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリールおよびアラルキルからなる群から選択される;RおよびRはそれぞれが独立して、水素、アルキル、アリール、ヘタリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OR、−COR、−COOR、−OCOR、−CONR、−OCONR、−NR、−NRCOR、−NRCOOR、−NRSO、−SO、−SONRおよび−N=N−Rからなる群から選択されるか、あるいは、RおよびRは一緒になって、置換または非置換の縮合ベンゼン環を形成する;RおよびRはそれぞれが独立して、水素、アルキル、アリール、ヘタリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OR、−COR、−COOR、−OCOR、−CONR、−OCONR、−NR、−NRCOR、−NRCOOR、−NRSO、−SO、−SONRおよび−N=N−Rからなる群から選択される;かつ、RおよびRはそれぞれが独立して、水素、C〜Cアルキル、フェニルおよび4−トリルからなる群から選択される)
を合成するための方法であって、
前駆体として、下記の一般式Bを有する1,7−ジアリールペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド):
【化5】

(式中、R〜Rは一般式AにおけるR〜Rと同じであり、かつ、R〜Rを有するフェニル、または、RおよびRが一緒になって、前記フェニルに縮合するベンゼン環を形成するナフチルは電子酸化性である)
を提供すること;
前記前駆体を、前記コア拡張ペリレンジイミド化合物が合成されるまでFe(III)試薬と反応させること
を含む方法。
【0014】
一つの実施形態において、一般式Bにおけるそれぞれのフェニルが、R〜Rを有する置換フェニルであり、ただし、R〜Rのうちの少なくとも1つが−ORまたは−NRである。一つの実施形態において、一般式Bにおけるそれぞれのフェニルが、RおよびRが一緒になって、前記フェニルに縮合するベンゼン環を形成する置換ナフチルまたは非置換ナフチルを形成する。
【0015】
前記実施形態において、ほぼ又は実質的に100%の収率を得ることができる。
【0016】
本発明の様々な局面、および、関連技術を超えて達成される利点を要約するという目的のために、本発明のいくつかの目的および利点が本開示において記載される。当然のことではあるが、必ずしもすべてのそのような目的または利点が本発明のいずれかの特定の実施形態に従って達成されないことがあることを理解しなければならない。したがって、例えば、当業者は、本発明が、本明細書中に教示されるような1つの利点または一群の利点を、本明細書中に教示または示唆されるかもしれないような他の目的または利点を必ずしも達成することなく達成または最適化する様式で具体化または実施されるかもしれないことを認識する。
【0017】
本発明のさらなる局面、特徴および利点が、下記の詳細な説明から明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(詳細な説明)
本発明の実施形態が、本発明を限定することが意図されない好ましい実施形態に関して説明される。本開示においては、列挙される置換基は、別途明記される場合を除き、さらなる置換された基および非置換の基の両方を含む。さらに、条件および/または構造が明記されない本開示においては、当業者は、そのような条件および/または構造を、日常的な実験のこととして、本開示を考慮して容易に提供することができる。
【0019】
上記で記載される発明の背景を考慮すると、コア拡張ペリレンジイミドのための従来の合成方法は、限定された構造的バリエーションおよび不良な収率という欠点を有する。したがって、コア拡張ペリレンジイミドのさらなる構造的バリエーションおよび生成物の改善された収率を提供することが、本発明の1つの局面である。
【0020】
第1の実施形態において、下記の一般式1を有するコア拡張ペリレンジイミド化合物が提供される:
【化6】

(式中、Rは独立して、水素、アルキル基、シクロアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基および置換アラルキル基からなる群から選択される;R〜Rはそれぞれが独立して、水素、アルキル、アリール、ヘタリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OR、−COR、−COOR、−OCOR、−CONR、−OCONR、−NR、−NRCOR、−NRCOOR、−NRSO、−SO、−SONRおよび−N=N−Rからなる群から選択される;かつ、RおよびRはそれぞれが独立して、水素、C〜Cアルキル、フェニルおよび4−トリルからなる群から選択される)。アルキルまたはアリールをRにおいて、かつ、水素原子をR〜Rにおいて有するジベンゾコロネンビス(ジスカルボキシミド)はこの第1の実施形態から除外されることがあることに留意しなければならない。好ましいアルキルは、1個〜12個の炭素原子を有するものであり得る。好ましいアリールはフェニルまたはナフチルであり得る。好ましいヘタリールは、ピリジン、ビピリジン、イミダゾールまたはベンゾチアジアゾールであり得る。好ましいハロゲンはフッ素または塩素であり得る。
【0021】
第2の実施形態において、一般式1を有するコア拡張ペリレンジイミドが、下記の一般式3を有する1,7−ジアリールペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)に、約300nm〜約450nm(好ましくは約365nm)の励起波長を有する光を照射することによって合成され得る(ただし、R〜Rは、一般式1において定義されるR〜Rと同じである)。
【化7】

【0022】
反応温度が、UV照射によって生じる熱のために上昇するかもしれない。例えば、ジクロロメタンが溶媒として使用される場合、温度がおよそ40℃であるかもしれない。この反応はウッドワード・ホフマン原理に従うので、温度は理論的には反応に影響しないかもしれない。だが、望まれない熱反応が生じるかもしれないので、高い温度は好ましくない。反応のための環境には、この反応は酸素を必要とするので、大気または任意の好適な酸素含有雰囲気が含まれ得る。圧力は大気圧であり得る。照射のための光強度は20mW/cm以上であってもよく、この場合、反応時間が所与の実施形態においては光強度および照射面積に比例し得る。反応が所与の実施形態においては3日〜1週間で完了し得る。
【0023】
この合成方法は、1,7−ジアリールペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)のフェニルが光反応性であるか、または、電子アクセプターとして働く場合には好ましい。電子アクセプターの例には、アリール、ヘタリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−COR、−COOR、−SOおよび−SONRが含まれるが、これらに限定されない。上記フェニルがより強い電子アクセプターであるとき、反応時間は短くなる傾向がある。異性体の生成を防止するという目的のために、ただ1つだけの置換基が4位に結合すること、または、2つの置換基が3位および5位に結合すること、または、任意の他の置換基が、一般式3におけるフェニル環に関して対称的関係性を有する位置に結合することが好ましい。種々の置換基をフェニル環に有する場合には、様々な異性体が生じることになり、このことは、最終生成物の特性を制御することを困難にする。所与の実施形態においては、ただ1つだけの置換基が、3位または5位よりも良好である2位に結合し得る。これは、2位における置換基は反応選択性および対称的反応性を保持することができるからである。
【0024】
第3の実施形態において、一般式1を有するコア拡張ペリレンジイミドが、一般式3を有する1,7−ジアリールペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)をFe(III)試薬と反応させることによって合成され得る。この場合、Fe(III)試薬は、FeCl、FeBr、Fe(ClOおよびFe(アセチルアセトナート)からなる群から選択される1つまたは複数であり得る。この合成方法は、1,7−ジアリールペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)のフェニルが電子酸化性であるか、または、電子ドナーとして働く場合には好ましい。電子ドナーの例には、例えば、アルキル、−ORおよび−NRが含まれるが、これらに限定されない。この反応は、R〜Rを有するフェニル基が、電子ドナー性置換基のために酸化性であるときには好都合である。異性体の生成を防止するという目的のために、ただ1つだけの置換基が4位に結合すること、または、2つの置換基が3位および5位に結合すること、または、任意の他の置換基が、一般式3におけるフェニル環に関して対称的関係性を有する位置に結合することが好ましい。種々の置換基をフェニル環に有する場合には、様々な異性体が生じることになり、このことは、最終生成物の特性を制御することを困難にする。所与の実施形態においては、ただ1つだけの置換基が、3位または5位よりも良好である2位に結合し得る。これは、2位における置換基は反応選択性および対称的反応性を保持することができるからである。
【0025】
Fe(III)試薬を使用する反応では、化合物を、所与の実施形態においては0.01mol/L〜0.1mol/Lの濃度で、(化合物の溶解性に依存して)ジクロロメタンおよびクロロホルムなどの溶媒に溶解することができる。さらに、Fe(III)試薬を溶解するために、微量のニトロメタンを所与の実施形態においては使用することができる。温度は所与の実施形態においては約15℃〜約25℃であり得る。反応継続期間は所与の実施形態においては1時間〜3時間であり得る。
【0026】
当業者は、どちらの反応(すなわち、UV光を使用する反応、または、Fe(III)を使用する反応)が、上記を考慮して、フェニル環の反応性に基づいて特定の前駆体のために好適であるかを理解する。
【0027】
第4の実施形態において、一般式1を有するコア拡張ペリレンジイミドが、化学発光系、光学的集光系、蛍光に基づくソーラーコレクター、蛍光活性化ディスプレーまたは単分子分光法における蛍光色素として使用され得る。当業者は、上記使用を、本開示を考慮して、日常的な実験のこととして理解する。蛍光に基づくソーラーコレクターでは、非常に安定なペリレン系物質を、使用できない波長を太陽電池が電気に変換できる波長に効率よく変換する波長変換色素として使用することができる。蛍光活性化ディスプレーでは、コア拡張ペリレンジイミドを、有機発光ダイオード(OLED)からの青色または紫外の光線をフルカラー表示のためのRGB色に変換する色素として使用することができる。単分子分光法では、コア拡張ペリレンジイミドを、例えば、ガンを検出するための色素として使用することができる。タンパク質またはDNAをペリレン系色素により標識することができ、この場合、色素は、非常に安定であることが要求され、かつ、大きい量子効率を有する。
【0028】
第5の実施形態において、下記の一般式2を有するコア拡張ペリレンジイミド化合物が提供される:
【化8】

(式中、Rはそれぞれが独立して、水素、アルキル基、シクロアルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基および置換アラルキル基からなる群から選択される;R〜Rは、水素、アルキル、アリール、ヘタリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OR、−COR、−COOR、−OCOR、−CONR、−OCONR、−NR、−NRCOR、−NRCOOR、−NRSO、−SO、−SONRおよび−N=N−Rからなる群から選択される;かつ、RおよびRはそれぞれが独立して、水素、C〜Cアルキル、フェニルおよび4−トリルからなる群から選択される)。好ましいアルキルは、1個〜12個の炭素原子を有するものであり得る。好ましいアリールはフェニルまたはナフチルであり得る。好ましいヘタリールは、ピリジン、ビピリジン、イミダゾールまたはベンゾチアジアゾールであり得る。好ましいハロゲンはフッ素または塩素であり得る。
【0029】
第6の実施形態において、一般式2を有するコア拡張ペリレンジイミドが、下記の一般式4を有する1,7−ジアリールペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)に、約300nm〜約450nm(好ましくは約365nm)の励起波長を有する光を照射することによって合成され得る。
【化9】

(式中、R〜Rは、一般式2において定義されるR〜Rと同じである)。
【0030】
上記の光化学反応は、一般式1で示される化合物について記載される様式と同様な様式で行うことができる。
【0031】
この合成方法は、1,7−ジアリールペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)のナフチル環が光反応性であるか、または、電子アクセプターとして働く場合には好ましい。電子アクセプターの例には、アリール、ヘタリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−COR、−COOR、−SOおよび−SONRが含まれるが、これらに限定されない。
【0032】
第7の実施形態において、一般式2を有するコア拡張ペリレンジイミドが、一般式4を有する1,7−ジアリールペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)をFe(III)試薬と反応させることによって合成される。
【0033】
Fe(III)試薬は、FeCl、FeBr、Fe(ClOおよびFe(アセチルアセトナート)からなる群から選択される1つまたは複数であり得る。この合成方法は、1,7−ジアリールペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)のナフチル環が電子酸化性であるか、または、電子ドナーとして働く場合には好ましい。電子ドナーの例には、アルキル、−ORおよび−NRが含まれるが、これらに限定されない。この反応は、R〜Rを有するナフチル環が、電子ドナー性置換基のために酸化性であるときには好都合である。
【0034】
上記の酸化反応は、一般式1で示される化合物について記載される様式と同様な様式で行うことができる。
【0035】
第8の実施形態において、一般式2を有するコア拡張ペリレンジイミドが、一般式1を有するコア拡張ペリレンジイミドにおける様式と同様な様式で、化学発光系、光学的集光系、蛍光に基づくソーラーコレクター、蛍光活性化ディスプレーまたは単分子分光法における蛍光色素として使用され得る。
【0036】
条件および/または構造が明記されない本開示において、当業者は、そのような条件および/または構造を、日常的な実験のこととして、本開示を考慮して容易に提供することができる。これに関連して、本出願の場合と同じ譲受人によって所有される米国仮特許出願第61/034,906号および同第61/155,978号の開示を所与の実施形態において使用することができる(その開示はその全体において参照によって本明細書中に組み込まれる)。
【0037】
一般式3および一般式4で示される化合物は、スズキ条件(Chem.Eur.J.,2007,13,6555−6561)およびスティル反応を含むいずれかの従来的反応(これらに限定されない)を含めて、いずれかの好適な方法によって得ることができる。
【実施例】
【0038】
本発明が、本発明を限定することが意図されない具体的実施例を参照して詳しく説明される。具体的実施例において適用される数値は当業者によって変更され得る。本開示において、所与の実施形態における範囲の端点は別の実施形態では含まれるかもしれず、または、別の実施形態では除外されるかもしれない。当業者は、下記の実施例では、特定の置換基を有する化合物が使用されたが、もっぱら上記のフェニルまたはナフチルが電子ドナーまたは電子アクセプターとして、また、拡張されたアリールとして働くので、類似する特性を有する他の置換基が同様な合成工程を経ること、また、類似する特性を有する他の置換基を、過度な実験を用いることなく得ることができることを理解する。実施例において、それぞれの工程から得られる化合物のすべての純度が99%以上であった。
【0039】
[実施例1]
一般式5
【化10】

【0040】
1)最初に、一般式5で示されるようなN,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ジフェニルペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)を合成するために、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(34mg、0.029mmol)をアルゴン雰囲気下で、N,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ジブロモペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)(330mg、0.38mmol)およびフェニルボロン酸(112mg、0.90mmol)のトルエン(12mL)における溶液、2M KCOの水溶液(4mL)およびエタノール(2mL)に加えた。得られた混合物を70℃で15時間撹拌した。パラジウム触媒をろ過によって除いた後、溶媒を減圧下で除いた。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)によって精製して、N,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ジフェニルペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)を得た(328mg、100%の収率)。
【0041】
上記プロセスから得られるN,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ジフェニルペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)は暗赤色の固体であった。ジクロロメタンによる薄層クロマトグラフィー(TLC)は0.70の保持係数値(Rf)を示した。重水素化クロロホルム(CDCl)を用いた1H核磁気共鳴(NMR)分析は、δ:1.14〜1.62(m、24H)、2.74(quint、J=6.8Hz、4H)、7.33(d、J=7.7Hz、4H)、7.48(t、J=7.7Hz、2H)、7.50〜7.56(m、6H)、7.63(d、J=6.6Hz、4H)、7.92(d、J=8.0Hz、2H)、8.21(d、J=8.0Hz、2H)、8.72(s、2H)を示した。
【0042】
2)次に、フラスコに入れられたジクロロメタン(500mL)におけるN,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ジフェニルペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)(100mg、0.116mmol)を直接、UVランプ(2インチにおいて20mW/cm、365nm、およそ40℃、大気環境中、照射面積がおよそ200cmであった)により4日間照射した。反応混合物を減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)によって精製して、下記の一般式6で示される閉環化合物を得た(100mg、100%の収率)。
【0043】
一般式6
【化11】

【0044】
上記プロセスから得られる生成物は橙色の固体であった。ジクロロメタンによるTLCは0.70のRfを示した。CDClを用いた1H−NMR分析は、δ:1.28(d、J=6.8Hz、24H)、3.18(quint、J=6.8Hz、4H)、7.48(d、J=7.7Hz、4H)、7.60(t、J=7.7Hz、2H)、8.21〜8.24(m、4H)、9.60〜9.64(m、4H)、10.75(s、4H)を示した。
【0045】
[実施例2]
一般式7
【化12】

【0046】
1)最初に、一般式7で示されるようなN,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ビス(1−ナフチル)ペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)を合成するために、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(13mg、0.011mmol)をアルゴン雰囲気下で、N,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ジブロモペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)(100mg、0.115mmol)および1−ナフチルボロン酸(60mg、0.35mmol)のトルエン(6mL)における溶液、2M KCOの水溶液(2mL)およびエタノール(1mL)に加えた。得られた混合物を70℃で15時間撹拌した。パラジウム触媒をろ過によって除いた後、溶媒を減圧下で除いた。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)によって精製して、N,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ビス(1−ナフチル)ペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)を得た(100mg、91%の収率、2つの配座異性体、1:1の比率)。
【0047】
上記プロセスから得られるN,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ビス(1−ナフチル)ペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)は暗赤色の固体であった。ジクロロメタンによるTLCは0.70のRfを示した。CDClを用いた1H−NMR分析は、δ:1.14〜1.62(m、24H)、2.68〜2.74(m、4H)、7.28(d、J=7.7Hz、4H)、7.44(t、J=7.7Hz、2H)、7.48〜7.72(m、8H)、7.80(d、J=8.0Hz、1H)、7.83(d、J=8.0Hz、1H)、7.90〜7.92(m、2H)、8.00〜8.05(m、6H)、8.69、8.70(2つの配座異性体(1:1)、s、2H)を示した。
【0048】
2)次に、フラスコに入れられたジクロロメタン(500mL)におけるN,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ビス(1−ナフチル)ペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)(100mg、0.104mmol)を直接、UVランプ(2インチにおいて20mW/cm、365nm、およそ40℃、大気環境中、照射面積がおよそ200cmであった)により4日間照射した。反応混合物を減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)によって精製して、下記の一般式8で示される閉環化合物を得た(100mg、100%の収率)。
【0049】
一般式8
【化13】

【0050】
上記プロセスから得られる生成物は赤色の固体であった。ジクロロメタンによるTLCは0.70のRfを示した。CDClを用いた1H−NMR分析は、δ:1.28〜1.35(m、24H)、3.06(quint、J=6.8Hz、4H)、7.48(d、J=7.7Hz、4H)、7.61(t、J=7.7Hz、2H)、7.91(t、J=7.3Hz、2H)、7.98(t、J=7.3Hz、2H)、8.35(d、J=7.3Hz、2H)、8.54(d、J=7.3Hz、2H)、9.45(d、J=7.3Hz、2H)、9.54(d、J=7.3Hz、2H)、10.87(s、2H)、11.16(s、2H)を示した。
【0051】
3)次に、実施例2の上記合成方法(2)の代替、ニトロメタン(3mL)における塩化鉄(III)(360mg、2.24mmol)をアルゴン雰囲気下で、N,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ビス(1−ナフチル)ペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)(100mg、0.104mmol)の脱気ジクロロメタン(60mL)における溶液に滴下して加えた。室温で3時間撹拌した後、溶液を、ヒドラジン(1mL)を加えることによって反応停止させ、沈殿物をろ過した。回収した溶液を水により3回洗浄し、MgSOによって乾燥した。溶液を減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)によって精製して、一般式8で示される閉環化合物を得た(100mg、100%の収率)。
【0052】
上記プロセスから得られる生成物は赤色の固体であった。ジクロロメタンによるTLCは0.70のRfを示した。CDClを用いた1H−NMR分析は、δ:1.28〜1.35(m、24H)、3.06(quint、J=6.8Hz、4H)、7.48(d、J=7.7Hz、4H)、7.61(t、J=7.7Hz、2H)、7.91(t、J=7.3Hz、2H)、7.98(t、J=7.3Hz、2H)、8.35(d、J=7.3Hz、2H)、8.54(d、J=7.3Hz、2H)、9.45(d、J=7.3Hz、2H)、9.54(d、J=7.3Hz、2H)、10.87(s、2H)、11.16(s、2H)を示した。
【0053】
[実施例3]
一般式9
【化14】

【0054】
1)最初に、一般式9で示されるようなN,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ビス(4−ホルミルフェニル)ペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)を合成するために、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(27mg、0.023mmol)をアルゴン雰囲気下で、N,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ジブロモペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)(200mg、0.23mmol)および4−ホルミルフェニルボロン酸(103mg、0.69mmol)のトルエン(6mL)における溶液、2M KCOの水溶液(2mL)およびエタノール(1mL)に加えた。得られた混合物を70℃で15時間撹拌した。パラジウム触媒をろ過によって除いた後、溶媒を減圧下で除いた。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)によって精製して、N,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ビス(4−ホルミルフェニル)ペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)を得た(208mg、99%の収率)。
【0055】
上記プロセスから得られるN,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ビス(4−ホルミルフェニル)ペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)は暗赤色の固体であった。ジクロロメタンによるTLCは0.20のRfを示し、CDClを用いた1H−NMR分析は、δ:1.14〜1.62(m、24H)、2.74(quint、J=6.8Hz、4H)、7.34(d、J=7.7Hz、4H)、7.49(t、J=7.7Hz、2H)、7.85(d、J=8.0Hz、4H)、7.87(d、J=8.0Hz、2H)、8.08(d、J=8.0Hz、4H)、8.24(d、J=8.0Hz、2H)、8.73(s、2H)、10.15(s、2H)を示した。
【0056】
2)次に、フラスコに入れられたジクロロメタン(500mL)におけるN,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ビス(4−ホルミルフェニル)ペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)(100mg、0.109mmol)を直接、UVランプ(2インチにおいて20mW/cm、365nm、およそ40℃、大気環境中、照射面積がおよそ200cmであった)により3日間照射した。反応混合物を減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)によって精製して、下記の一般式10で示される閉環化合物を得た(100mg、100%の収率)。
【0057】
一般式10
【化15】

【0058】
上記プロセスから得られる生成物は橙色の固体であった。ジクロロメタンによるTLCは0.20のRfを示した。CDClを用いた1H−NMR分析は、δ:1.14〜1.62(m、24H)、3.00(quint、J=6.8Hz、4H)、7.49(d、J=7.7Hz、4H)、7.63(t、J=7.7Hz、2H)、8.73(d、J=8.4Hz、2H)、9.78(d、J=8.4Hz、2H)、10.11(s、2H)、10.62(s、2H)、10.80(s、2H)、10.86(s、2H)を示した。
【0059】
[実施例4]
一般式11
【化16】

【0060】
1)最初に、一般式11で示されるようなN,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ビス(4−メトキシフェニル)ペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)を合成するために、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(27mg、0.023mmol)をアルゴン雰囲気下で、N,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ジブロモペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)(200mg、0.23mmol)および4−メトキシフェニルボロン酸(150mg、0.99mmol)のトルエン(6mL)における溶液、2M K2CO3の水溶液(2mL)およびエタノール(1mL)に加えた。得られた混合物を70℃で15時間撹拌した。パラジウム触媒をろ過によって除いた後、溶媒を減圧下で除いた。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)によって精製して、N,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ビス(4−メトキシフェニル)ペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)を得た(210mg、99%の収率)。
【0061】
上記プロセスから得られるN,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ビス(4−メトキシフェニル)ペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)は暗紫色の固体であった。ジクロロメタンによるTLCは0.50のRfを示した。CDClを用いた1H−NMR分析は、δ:1.14〜1.18(m、24H)、2.75(quint、J=6.8Hz、4H)、3.92(s、6H)、7.05(d、J=8.8Hz、4H)、7.33(t、J=7.7Hz、4H)、7.48(t、J=7.7Hz、2H)、7.55(d、J=8.8Hz、4H)、8.00(d、J=8.0Hz、2H)、8.23(d、J=8.0Hz、2H)、8.70(s、2H)を示した。
【0062】
2)次に、ニトロメタン(3mL)における塩化鉄(III)(910mg、5.6mmol)をアルゴン雰囲気下で、N,N’−ビス(ジイソプロピルフェニル)−1,7−ビス(4−メトキシフェニル)ペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド)(130mg、0.14mmol)の脱気ジクロロメタン(30mL)における溶液に滴下して加えた。室温で1時間撹拌した後、溶液を、水(60mL)を加えることによって反応停止させた。回収した溶液を水により3回洗浄し、MgSOによって乾燥した。溶液を減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)によって精製して、下記の一般式12で示される閉環化合物を得た(125mg、96%の収率)。
【0063】
一般式12
【化17】

【0064】
上記プロセスから得られる生成物は橙赤色の固体であった。ジクロロメタンによるTLCは0.50のRfを示した。CDClを用いた1H−NMR分析は、δ:1.27〜1.30(m、24H)、3.02(quint、J=6.8Hz、4H)、4.29(s、6H)、7.47(d、J=7.7Hz、4H)、7.60(t、J=7.7Hz、2H)、7.85(dd、J=9.2Hz、2.6Hz、2H)、8.89(d、J=2.6Hz、2H)、9.52(d、J=9.2Hz、2H)、10.61(s、2H)、10.65(s、2H)を示した。
【0065】
数多くの様々な改変が、本発明の精神から逸脱することなく行われ得ることが、当業者によって理解される。したがって、本発明の上記形態は例示にすぎず、本発明の範囲を限定することが意図されないことを明瞭に理解しなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式Aを有するコア拡張ペリレンジイミド化合物:
【化1】

(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリールおよびアラルキルからなる群から選択される;RおよびRはそれぞれが独立して、水素、アルキル、アリール、ヘタリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OR、−COR、−COOR、−OCOR、−CONR、−OCONR、−NR、−NRCOR、−NRCOOR、−NRSO、−SO、−SONRおよび−N=N−Rからなる群から選択されるか、あるいは、RおよびRは一緒になって、置換または非置換の縮合ベンゼン環を形成する;RおよびRはそれぞれが独立して、水素、アルキル、アリール、ヘタリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OR、−COR、−COOR、−OCOR、−CONR、−OCONR、−NR、−NRCOR、−NRCOOR、−NRSO、−SO、−SONRおよび−N=N−Rからなる群から選択される;かつ、RおよびRはそれぞれが独立して、水素、C〜Cアルキル、フェニルおよび4−トリルからなる群から選択される;ただし、R〜Rのすべてが水素であるとき、Rはアルキルまたはアリールではない)。
【請求項2】
およびRが一緒になって、置換または非置換の縮合ベンゼン環を形成しない、請求項1に記載のコア拡張ペリレンジイミド化合物。
【請求項3】
〜Rのうちの少なくとも1つが水素ではない、請求項2に記載のコア拡張ペリレンジイミド化合物。
【請求項4】
それぞれのRがアリールである、請求項2に記載のコア拡張ペリレンジイミド化合物。
【請求項5】
およびRが一緒になって、置換または非置換の縮合ベンゼン環を形成する、請求項1に記載のコア拡張ペリレンジイミド化合物。
【請求項6】
前記縮合ベンゼン環が非置換であり、かつ、RおよびRが水素である、請求項5に記載のコア拡張ペリレンジイミド化合物。
【請求項7】
前記縮合ベンゼン環が、アルキル、アリール、ヘタリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OR、−COR、−COOR、−OCOR、−CONR、−OCONR、−NR、−NRCOR、−NRCOOR、−NRSO、−SO、−SONRおよび−N=N−Rからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有する、請求項5に記載のコア拡張ペリレンジイミド化合物。
【請求項8】
下記の一般式Aを有するコア拡張ペリレンジイミド化合物:
【化2】

(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリールおよびアラルキルからなる群から選択される;RおよびRはそれぞれが独立して、水素、アルキル、アリール、ヘタリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OR、−COR、−COOR、−OCOR、−CONR、−OCONR、−NR、−NRCOR、−NRCOOR、−NRSO、−SO、−SONRおよび−N=N−Rからなる群から選択されるか、あるいは、RおよびRは一緒になって、置換または非置換の縮合ベンゼン環を形成する;RおよびRはそれぞれが独立して、水素、アルキル、アリール、ヘタリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OR、−COR、−COOR、−OCOR、−CONR、−OCONR、−NR、−NRCOR、−NRCOOR、−NRSO、−SO、−SONRおよび−N=N−Rからなる群から選択される;かつ、RおよびRはそれぞれが独立して、水素、C〜Cアルキル、フェニルおよび4−トリルからなる群から選択される)
を合成するための方法であって、
前駆体として、下記の一般式Bを有する1,7−ジアリールペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド):
【化3】

(式中、R〜Rは一般式AにおけるR〜Rと同じであり、かつ、R〜Rを有するフェニル、または、RおよびRが一緒になって、前記フェニルに縮合するベンゼン環を形成するナフチルが光反応性である)
を提供すること;
前記前駆体に、前記コア拡張ペリレンジイミド化合物が合成されるまで、約300nm〜約450nmの励起波長を有する光を照射すること
を含む方法。
【請求項9】
一般式Bにおけるそれぞれのフェニルが非置換フェニルであるか、あるいは、R〜Rを有する置換フェニルであり、ただし、R〜Rのうちの少なくとも1つが、ヘタリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−COR、−COORまたは−SOである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
一般式Bにおけるそれぞれのフェニルが、RおよびRが一緒になって、前記フェニルに縮合するベンゼン環を形成する置換ナフチルまたは非置換ナフチルを形成する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
下記の一般式Aを有するコア拡張ペリレンジイミド化合物:
【化4】

(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリールおよびアラルキルからなる群から選択される;RおよびRはそれぞれが独立して、水素、アルキル、アリール、ヘタリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OR、−COR、−COOR、−OCOR、−CONR、−OCONR、−NR、−NRCOR、−NRCOOR、−NRSO、−SO、−SONRおよび−N=N−Rからなる群から選択されるか、あるいは、RおよびRは一緒になって、置換または非置換の縮合ベンゼン環を形成する;RおよびRはそれぞれが独立して、水素、アルキル、アリール、ヘタリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OR、−COR、−COOR、−OCOR、−CONR、−OCONR、−NR、−NRCOR、−NRCOOR、−NRSO、−SO、−SONRおよび−N=N−Rからなる群から選択される;かつ、RおよびRはそれぞれが独立して、水素、C〜Cアルキル、フェニルおよび4−トリルからなる群から選択される)
を合成するための方法であって、
前駆体として、下記の一般式Bを有する1,7−ジアリールペリレン−3,4:9,10−ビス(ジカルボキシミド):
【化5】

(式中、R〜Rは一般式AにおけるR〜Rと同じであり、かつ、R〜Rを有するフェニル、または、RおよびRが一緒になって、前記フェニルに縮合するベンゼン環を形成するナフチルは電子酸化性である)
を提供すること;
前記前駆体を、前記コア拡張ペリレンジイミド化合物が合成されるまでFe(III)試薬と反応させること
を含む方法。
【請求項12】
一般式Bにおけるそれぞれのフェニルが、R〜Rを有する置換フェニルであり、ただし、R〜Rのうちの少なくとも1つが−ORまたは−NRである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
一般式Bにおけるそれぞれのフェニルが、RおよびRが一緒になって、前記フェニルに縮合するベンゼン環を形成する置換ナフチルまたは非置換ナフチルを形成する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記Fe(III)試薬が、FeCl、FeBr、Fe(ClOおよびFe(アセチルアセトナート)からなる群から選択される1つまたは複数である、請求項11に記載の方法。

【公表番号】特表2013−502485(P2013−502485A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525575(P2012−525575)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/042250
【国際公開番号】WO2011/022141
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】