説明

コイルアンテナ、コイルアンテナ実装体、コイルアンテナの製造方法及びコイルアンテナ実装体の製造方法

【課題】コイルアンテナの通信距離を向上させる。
【解決手段】コイルアンテナ1は、磁性体を含む板状のコイルアンテナ本体3、コイル線5、絶縁層7a,7b、金属層9a,9bを備えている。コイルアンテナ本体3にコイル線5が巻かれている。コイルアンテナ本体3の一表面3a上に絶縁層7aを介して第1金属層9aが配置されている。コイルアンテナ本体3の裏面3b上に絶縁層7bを介して金属層9bが配置されている。絶縁層7a,7bは、コイルアンテナ本体3とは反対側の表面が平坦に形成されている。金属層9a,9bは絶縁層7a,7bの平坦面の上に配置されている。金属層9a,9bは平坦かつ均一な厚みで形成されている。コイル線5が巻かれたコイルアンテナ本体3は、2枚の平坦な金属層9a,9bで挟まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイルアンテナ、コイルアンテナ実装体、コイルアンテナの製造方法及びコイルアンテナ実装体の製造方法に関し、特に、磁性体を含む板状のコイルアンテナ本体と、そのコイルアンテナ本体に巻かれたコイル線とを備えたコイルアンテナ、コイルアンテナ実装体、コイルアンテナの製造方法及びコイルアンテナ実装体の製造方法の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触式の情報記録媒体において、磁性体にコイル線が巻かれたコイルアンテナが用いられている。非接触式の情報記録媒体として、例えばIC(Integrated Circuit)カード、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、SIM(Subscriber Identity Module)カード、マイクロSDカードなどがある。
【0003】
非接触式の情報記録媒体は、周囲の環境に配置された金属面の影響を受けやすく、通信特性が低下する。このような不具合を解決するために、コイルアンテナを2枚の金属板で挟み込むことにより通信特性を維持する技術がある(例えば特許文献1を参照。)。
【0004】
図18は従来のコイルアンテナを説明するための概略的な側面図である。
コイルアンテナ101は、磁性体を含む板状のコイルアンテナ本体103、コイル線105、接着剤層107a,107b、金属箔109a,109bを備えている。
【0005】
コイルアンテナ本体103にコイル線105が巻かれている。コイルアンテナ本体103の一表面103a上に接着剤層107aを介して金属箔109aが配置されている。コイルアンテナ本体103の裏面103b上に接着剤層107bを介して金属箔109bが配置されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図18に示されるように、一表面103a上に配置されたコイル線105の凹凸に起因して金属箔109aに起伏や反りが生じる。同様に、裏面103b上に配置されたコイル線105の凹凸に起因して金属箔109bに起伏や反りが生じる。金属箔109a,109bに起伏や反りが生じていると、通信距離が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は、コイルアンテナの通信距離を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかるコイルアンテナ実装体は、磁性体を含む板状のコイルアンテナ本体と、上記コイルアンテナ本体に巻かれたコイル線とを備えたコイルアンテナと、そのコイルアンテナが実装される実装基材と、を備えたコイルアンテナ実装体であって、上記コイルアンテナは、上記実装基材とは反対側の上記コイルアンテナ本体の一表面の上に上記コイル線を覆って形成され、表面が平坦に形成された絶縁層と、上記絶縁層の平坦面の上に配置された平坦な第1金属層と、を備えており、上記実装基材は、上記コイルアンテナに対向する位置に設けられた平坦なアンテナ用金属層パターンを備えているものである。
【0009】
本発明にかかるコイルアンテナは、磁性体を含む板状のコイルアンテナ本体と、そのコイルアンテナ本体に巻かれたコイル線とを備えたコイルアンテナであって、上記コイルアンテナ本体の一表面の上に上記コイル線を覆って形成され、上記コイルアンテナ本体とは反対側の表面が平坦に形成された第1絶縁層と、上記コイルアンテナ本体の上記一表面とは反対側の面である裏面の上に上記コイル線を覆って形成され、上記コイルアンテナ本体とは反対側の表面が平坦に形成された第2絶縁層と、上記第1絶縁層の平坦面の上に配置された平坦な第1金属層と、上記第2絶縁層の平坦面の上に配置された平坦な第2金属層と、を備えているものである。
【0010】
本発明にかかるコイルアンテナの製造方法の一局面は、磁性体を含む板状のコイルアンテナ本体と、そのコイルアンテナ本体に巻かれたコイル線とを備えたコイルアンテナの製造方法であって、上記コイルアンテナ本体の一表面の上に、上記コイル線を覆い、かつ上記コイルアンテナ本体とは反対側の表面が平坦な絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、上記絶縁層の平坦面の上に平坦な金属層を配置する金属層形成工程と、を含む。
【0011】
本発明にかかるコイルアンテナの製造方法の他の局面は、磁性体を含む板状のコイルアンテナ本体と、そのコイルアンテナ本体に巻かれたコイル線とを備えたコイルアンテナの製造方法であって、上記コイルアンテナ本体の一表面の上に、所定量の絶縁性接着剤を滴下する接着剤滴下工程と、上記絶縁性接着剤の上に均一な厚みの金属層を配置し、上記コイルアンテナ本体の上記一表面と平行な平坦面をもつ押え付け部材によって上記金属層を上記コイルアンテナ本体側へ押え付けることによって、上記コイルアンテナ本体の一表面の上に上記コイル線を覆い、かつ上記コイルアンテナ本体とは反対側の表面が平坦な絶縁性接着剤からなる絶縁層と、上記絶縁層の平坦面の上に配置された平坦な金属層とを形成する金属層配置工程と、を含む。
【0012】
本発明にかかるコイルアンテナ実装体の製造方法は、磁性体を含む板状のコイルアンテナ本体と、上記コイルアンテナ本体に巻かれたコイル線とを備えたコイルアンテナと、そのコイルアンテナが実装される実装基材と、を備えたコイルアンテナ実装体の製造方法である。本発明のコイルアンテナ実装体の製造方法は、本発明のコイルアンテナの製造方法によって形成された上記金属層をもつ上記コイルアンテナと、コイルアンテナの実装位置に設けられた平坦なアンテナ用金属層パターンをもつ実装基材と、を用いる。本発明のコイルアンテナ実装体の製造方法は、上記金属層が配置された上記一表面とは反対側の上記コイルアンテナ本体の裏面を上記アンテナ用金属層パターンに対向させて、上記コイルアンテナを上記実装基材に実装する。
【0013】
なお、本発明において、コイル線は、機械的に巻かれたものであってもよいし、蒸着等によってコイルアンテナ本体の表面にパターニングされたものであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明のコイルアンテナ実装体は、コイルアンテナにおいて絶縁層の平坦面の上に平坦な金属層が配置され、実装基材においてコイルアンテナに対向する位置に平坦なアンテナ用金属層パターンが配置されているようにしたので、コイルアンテナの金属層に起伏や反りがある場合に比べて、通信距離を向上させることができる。
さらに、コイルアンテナ本体が2枚の平坦な金属層で挟まれた構造において、一方の金属層として、実装基材に形成された平坦なアンテナ用金属層パターンが用いられているので、コイルアンテナ実装体の製造プロセスの簡素化に繋がる。これにより、製造コストが抑えられる。
【0015】
本発明のコイルアンテナは、コイルアンテナ本体の一表面と裏面に形成された第1絶縁層と第2絶縁層の平坦面の上に、平坦な第1金属層と第2金属層が配置されているようにした。これにより、第1金属層と第2金属層に起伏や反りがある場合に比べて、通信距離を向上させることができる。
さらに、コイルアンテナ本体に平坦な第1金属層と第2金属層が予め配置されているので、実装プロセスの簡素化に繋がると共に、コイルアンテナの性能バラツキを抑え、量産化が実現できる。
【0016】
本発明のコイルアンテナの製造方法の一局面は、コイルアンテナ本体の一表面の上に、コイル線を覆い、かつコイルアンテナ本体とは反対側の表面が平坦な絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、その絶縁層の平坦面の上に平坦な金属層を配置する金属層形成工程と、を含むようにしたので、コイルアンテナ本体の一表面の上に平坦な金属層を形成することができる。これにより、コイルアンテナは、金属層に起伏や反りがある場合に比べて、通信距離が向上する。
【0017】
本発明のコイルアンテナの製造方法の他の局面は、コイルアンテナ本体の一表面の上に、所定量の絶縁性接着剤を滴下する接着剤滴下工程と、その絶縁性接着剤の上に均一な厚みの金属層を配置し、コイルアンテナ本体の一表面と平行な平坦面をもつ押え付け部材によって金属層をコイルアンテナ本体側へ押え付けることによって、コイルアンテナ本体の一表面の上にコイル線を覆い、かつコイルアンテナ本体とは反対側の表面が平坦な絶縁性接着剤からなる絶縁層と、その絶縁層の平坦面の上に配置された平坦な金属層とを形成する金属層配置工程と、を含むようにしたので、コイルアンテナ本体の一表面の上に平坦な金属層を形成することができる。これにより、コイルアンテナは、金属層に起伏や反りがある場合に比べて、通信距離が向上する。
【0018】
本発明のコイルアンテナ実装体の製造方法は、本発明のコイルアンテナの製造方法によって形成された金属層をもつコイルアンテナと、コイルアンテナの実装位置に設けられた平坦なアンテナ用金属層パターンをもつ実装基材と、を用い、金属層が配置された一表面とは反対側のコイルアンテナ本体の裏面をアンテナ用金属層パターンに対向させて、コイルアンテナを実装基材に実装するので、コイルアンテナ本体及びコイル線が平坦な金属層と平坦なアンテナ用金属層パターンで挟まれたコイルアンテナ実装体を形成できる。これにより、コイルアンテナは、金属層に起伏や反りがある場合に比べて、通信距離が向上する。
さらに、コイルアンテナ本体が2枚の平坦な金属層で挟まれた構造において、一方の金属層として、実装基材に形成された平坦なアンテナ用金属層パターンが用いられているので、コイルアンテナ実装体の製造プロセスの簡素化に繋がる。これにより、製造コストが抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】コイルアンテナの一実施例を説明するための概略的な正面図、上面図、背面図、右側面図である。
【図2】コイルアンテナの通信距離の測定方法の例を説明するための概略図である。
【図3】コイルアンテナ実装体の一実施例を説明するための概略的な上面図と一部断面で示された正面図である。
【図4】図3のコイルアンテナ実装体で用いられるコイルアンテナを説明するための概略的な正面図、上面図、背面図、右側面図である。
【図5】図3のコイルアンテナ実装体で用いられる実装基材を説明するための概略的な上面図と断面図である。
【図6】コイルアンテナ実装体の他の実施例を説明するための概略的な上面図と一部断面で示された正面図である。
【図7】図6の実施例で用いられるコイルアンテナを説明するための概略的な正面図、上面図、背面図、右側面図である。
【図8】コイルアンテナ実装体のさらに他の実施例を説明するための概略的な上面図と一部断面で示された正面図である。
【図9】コイルアンテナ実装体のさらに他の実施例を説明するための概略的な上面図と一部断面で示された正面図である。
【図10】コイルアンテナ実装体のさらに他の実施例を説明するための概略的な上面図と一部断面で示された正面図である。
【図11】図10の実施例で用いられる実装基材を説明するための概略的な上面図と断面図である。
【図12】コイルアンテナの製造方法の一実施例の工程を説明するための、一部断面で示された概略的な側面図である。
【図13】図12の製造工程において用いられる、金属層を移送するための治具の一例を説明するための概略的な斜視図である。
【図14】コイルアンテナの製造方法の他の実施例の工程を説明するための概略的な斜視図と一部断面で示された側面図である。
【図15】コイルアンテナの製造方法のさらに他の実施例の工程を説明するための、一部断面で示された概略的な側面図である。
【図16】コイルアンテナの製造方法のさらに他の実施例の工程を説明するための、一部断面で示された概略的な側面図である。
【図17】図16の実施例で用いられるディスペンサの多孔ノズルを説明するための概略的な正面図と背面図である。
【図18】従来のコイルアンテナを説明するための概略的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1はコイルアンテナの一実施例を説明するための概略的な正面図、上面図、背面図、右側面図である。
【0021】
コイルアンテナ1は、磁性体を含む板状のコイルアンテナ本体3、コイル線5、絶縁層(第1絶縁層)7a、絶縁層(第2絶縁層)7b、金属層(第1金属層)9a、金属層(第2金属層)9b、コイルアンテナ端子11,13を備えている。
【0022】
コイルアンテナ本体3にコイル線5が巻かれている。コイルアンテナ本体3の一表面3a上に絶縁層7aを介して金属層9aが配置されている。コイルアンテナ本体3の裏面3b上に絶縁層7bを介して金属層9bが配置されている。このように、コイル線5が巻かれたコイルアンテナ本体3は、2枚の平坦な金属層9a,9bで挟まれている。
【0023】
コイルアンテナ本体3の側面に端子11,13が設けられている。図示は省略されているが、端子11はコイル線の一端に接続され、端子13はコイル線の他端に接続されている。
【0024】
絶縁層7a,7bは、コイルアンテナ本体3とは反対側の表面が平坦に形成されている。絶縁層7a,7bは例えば絶縁性接着剤によって形成されている。絶縁層7a,7bの厚みは例えば2〜3μm(マイクロメートル)である。
【0025】
金属層9a,9bは絶縁層7a,7bの平坦面の上に配置されている。金属層9a,9bは平坦かつ均一な厚みで形成されている。金属層9a,9bは例えば金属箔、ここでは銅箔によって形成されている。金属層9a,9bの厚みは例えば50μm以下である。
【0026】
図1に示した実施例と図18に示した従来技術について通信距離を調べた。
図2は、コイルアンテナの通信距離の測定方法の例を説明するための概略図である。
【0027】
実施例のコイルアンテナ1を内蔵したマイクロSDカード1a、又は従来技術のコイルアンテナ101を内蔵したマイクロSDカード101aをアンテナ14の近くに配置する。マイクロSDカード1a,101aとアンテナ14との距離を徐々に大きくしながら、通信が可能な距離を測定した。図1の実施例と図18の従来技術についてそれぞれ12個のサンプルが用いられた。測定結果を表1に示す。
【0028】
【表1】

【0029】
図1の実施例の平均通信距離は11.8mm(ミリメートル)であった。図18の従来技術の平均通信距離は3.9mm(ミリメートル)であった。
このように、図1の実施例は図18の従来技術に比べて通信距離を向上させることができた。さらに、図1の実施例は図18の従来技術に比べて通信距離の安定性を向上させることができた。
【0030】
図3は、コイルアンテナ実装体の一実施例を説明するための概略的な上面図と一部断面で示された正面図である。図4は、この実施例で用いられるコイルアンテナを説明するための概略的な正面図、上面図、背面図、右側面図である。図5は、この実施例で用いられる実装基材を説明するための概略的な上面図と断面図である。図5の断面図は上面図のA−A’位置での断面を示す。図3の正面図は実装基材を図5の断面で示している。コイルアンテナについて図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。それらの部分の詳細な説明は省略される。
【0031】
コイルアンテナ実装体はコイルアンテナ15と実装基材17を備えている。
コイルアンテナ15は、コイルアンテナ本体3、コイル線5、絶縁層7a、金属層9a、コイルアンテナ端子11,13を備えている。コイルアンテナ端子11,13はコイルアンテナ本体3の側面に形成されている。コイルアンテナ15は、図1に示されたコイルアンテナ1と比較して、絶縁層7b及び金属層9bを備えていない。
【0032】
実装基材17は、絶縁性基材19の上に金属層パターン21,23,25及びレジスト絶縁膜27がその順に形成されたプリント基板によって形成されている。金属層パターン21,23,25の厚みは例えば30〜50μmである。図示は省略されているが、絶縁性基材19の上には、コイルアンテナ15の実装位置とは異なる位置に、金属層パターン21,23,25以外の金属層パターンも形成されている。
【0033】
金属層パターン21は、コイルアンテナ15が実装基材17に実装された状態でコイルアンテナ15に対向する位置に設けられた平坦なアンテナ用金属層パターンである。
金属層パターン23,25はコイルアンテナ端子11,13に対応する位置に設けられたランド用金属層パターンである。
【0034】
アンテナ用金属層パターン21の配置位置を含むコイルアンテナ15の実装位置において、レジスト絶縁膜27が除去されている。また、ランド用金属層パターン23,25の配置位置において、レジスト絶縁膜27が除去されている。レジスト絶縁膜27の厚みは例えば10〜30μmである。
【0035】
コイルアンテナ15は裏面3bを実装基材17側にして実装基材17に実装されている。コイルアンテナ端子11とランド用金属層パターン23がはんだ29によって接合されている。コイルアンテナ端子13とランド用金属層パターン25がはんだ31によって接合されている。これにより、実装基材17はコイルアンテナ15に固定されている。
【0036】
コイルアンテナ15の裏面3bに配置されたコイル線5はアンテナ用金属層パターン21に接している。なお、コイル線5の表面には薄い絶縁膜(図示は省略)が形成されている。その絶縁膜によって、コイル線5はアンテナ用金属層パターン21に対して絶縁されている。
【0037】
このコイルアンテナ実装体の実施例では、コイル線5が巻かれたコイルアンテナ本体3は平坦な金属層9aと平坦なアンテナ用金属層パターン21で挟まれている。これにより、コイルアンテナ15は、金属層9aやアンテナ用金属層パターン21に起伏や反りがある場合に比べて、通信距離が向上する。
【0038】
さらに、アンテナ用金属層パターン21上のレジスト絶縁膜27が除去されているので、アンテナ用金属層パターン21上のレジスト絶縁膜27が形成されている場合に比べて、コイルアンテナ15とアンテナ用金属層パターン21の間の距離が短くなる。これにより、コイルアンテナ15の通信距離がさらに向上される。
【0039】
さらに、コイルアンテナ本体3の側面にコイルアンテナ端子11,13が配置されていることによって、コイルアンテナ本体3の裏面3b側にはんだ29,31が形成されていない。すなわち、コイルアンテナ本体3の裏面3b側にはんだが形成されている場合に比べて、コイルアンテナ15とアンテナ用金属層パターン21の間の距離が短くなる。これにより、コイルアンテナ15の通信距離がさらに向上される。
【0040】
コイルアンテナ15において、コイルアンテナ端子11,13はコイルアンテナ本体3の側面及び裏面3bに形成されていてもよい。
【0041】
図6は、コイルアンテナ実装体の他の実施例を説明するための概略的な上面図と一部断面で示された正面図である。図7は、この実施例で用いられるコイルアンテナを説明するための概略的な正面図、上面図、背面図、右側面図である。
【0042】
このコイルアンテナ実装体の実施例では、コイルアンテナ15において、コイルアンテナ端子11,13はコイルアンテナ本体3の側面及び裏面3bに形成されている。
コイルアンテナ15が実装基材17に実装された状態で、コイルアンテナ端子11,13の側面のみにはんだ29,31が接合されている。すなわち、コイルアンテナ本体3の裏面3b側にはんだ29,31が形成されていない。したがって、この実施例は、図3に示したコイルアンテナ実装体の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0043】
図8は、コイルアンテナ実装体のさらに他の実施例を説明するための概略的な上面図と一部断面で示された正面図であるである。
【0044】
このコイルアンテナ実装体の実施例では、コイルアンテナ端子11,13の側面及び底面にはんだ29,31が接合されている。その他の構成は、図6に示されたコイルアンテナ実装体の実施例と同じである。
【0045】
このコイルアンテナ実装体の実施例では、図6に示されたコイルアンテナ実装体の実施例と比較して、コイルアンテナ端子11,13の底面にはんだ29,31が形成されている分だけコイルアンテナ15とアンテナ用金属層パターン21との間の距離が長くなる。
【0046】
しかし、コイル線5が巻かれたコイルアンテナ本体3は平坦な金属層9aと平坦なアンテナ用金属層パターン21で挟まれているので、金属層9aやアンテナ用金属層パターン21に起伏や反りがある場合に比べて、通信距離が向上する。
【0047】
図9は、コイルアンテナ実装体のさらに他の実施例を説明するための概略的な上面図と一部断面で示された正面図である。
【0048】
このコイルアンテナ実装体の実施例では、コイルアンテナ15において、コイルアンテナ端子11,13はコイルアンテナ本体3の裏面3bに形成されている。そして、コイルアンテナ端子11,13の底面にはんだ29,31が接合されている。その他の構成は、図8に示されたコイルアンテナ実装体の実施例と同じである。
【0049】
この実施例でも、コイルアンテナ本体3は平坦な金属層9aと平坦なアンテナ用金属層パターン21で挟まれているので、金属層9aやアンテナ用金属層パターン21に起伏や反りがある場合に比べて、通信距離が向上する。
【0050】
図10は、コイルアンテナ実装体のさらに他の実施例を説明するための概略的な上面図と一部断面で示された正面図である。図11は、この実施例で用いられる実装基材を説明するための概略的な上面図と断面図である。図11の断面図は上面図のB−B’位置での断面を示す。図10の正面図は実装基材を図11の断面で示している。
【0051】
このコイルアンテナ実装体の実施例では、実装基材17において、アンテナ用金属層パターン21はレジスト絶縁膜27で覆われている。その他の構成は、図8に示されたコイルアンテナ実装体の実施例と同じである。
【0052】
この実施例では、コイルアンテナ15とアンテナ用金属層パターン21との間にレジスト絶縁膜27が形成されている。したがって、図3に示されたコイルアンテナ実装体の実施例と比較して、レジスト絶縁膜27の厚みの分だけコイルアンテナ15とアンテナ用金属層パターン21との間の距離が長くなる。
【0053】
しかし、この実施例でも、コイルアンテナ本体3は平坦な金属層9aと平坦なアンテナ用金属層パターン21で挟まれているので、金属層9aやアンテナ用金属層パターン21に起伏や反りがある場合に比べて、通信距離が向上する。
【0054】
図10のコイルアンテナ実装体の実施例において、コイルアンテナ端子11,13はコイルアンテナ本体3の側面及び裏面3bに形成されている。ただし、コイルアンテナ端子11,13はコイルアンテナ本体3の側面のみに形成されていてもよいし、裏面3bのみに形成されていてもよい。
【0055】
上記で説明されたコイルアンテナ実装体の実施例では、アンテナ用金属層パターン21はコイルアンテナ15の平面寸法よりも小さい平面寸法で形成されている。ただし、本発明において、アンテナ用金属層パターンはコイルアンテナの平面寸法よりも大きい平面寸法で形成されていてもよい。
【0056】
図12は、コイルアンテナの製造方法の一実施例の工程を説明するための、一部断面で示された概略的な側面図である。以下に説明する工程(a)〜(c)は図12中の(a)〜(c)に対応している。図12において、コイルアンテナについて図4と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
【0057】
(a)コイル線5が巻かれているコイルアンテナ本体3の一表面3aの上に、絶縁層7a(図4を参照。)を形成したい部分に開口部33aが位置合せされてスクリーンマスク33が配置される。スクリーンマスク33の上に絶縁性接着剤35を載せる。絶縁性接着剤35としては例えば電子材料用接着剤であるカルボジライトCAF−F4(カルボジライトは日清紡績株式会社の登録商標)を用いることができる。
【0058】
(b)スクリーンマスク33上でスキージ37を移動させて、絶縁性接着剤35を開口部33aに充填する。開口部33aに充填された絶縁性接着剤35は開口部33aからコイルアンテナ本体3側に吐出される。これにより、コイルアンテナ本体3の一表面3aの上に、絶縁性接着剤35が高い平坦性をもって形成される。
【0059】
(c)スクリーンマスク33が取り外される。コイルアンテナ本体3の一表面3aの上に形成された絶縁性接着剤35の平坦面の上に、例えば均一な厚みの金属箔からなる金属層9aが載せられる。絶縁性接着剤35は絶縁層7aを構成する。これにより、コイルアンテナ本体3の一表面3aの上に平坦な金属層9aが配置されたコイルアンテナ15が形成される。
【0060】
図13は、金属層9aを移送するための治具の一例を説明するための概略的な斜視図である。
【0061】
金属箔吸着治具38は金属箔からなる金属層9aが吸着される平坦な吸着面38aを備えている。吸着面38aの面積は例えば金属層9aの面積の90〜100%である。吸着面38aに吸着溝38bが形成されている。
【0062】
吸着溝38bは、吸着面38aの重心に形成された円形部分と、吸着面38aの周縁の近傍に形成された枠状部分と、枠状部分の四隅から円形部分に向かって形成された線状部分を備えている。
【0063】
これにより、吸着治具38に金属層9aが吸着されたときの金属層9aの反りが抑制されている。なお、金属層9aを移送するための治具は金属箔吸着治具38に限定されない。
【0064】
コイルアンテナ本体3の一表面3aの上に平坦な金属層9aが配置されたコイルアンテナ15は、例えば図3、図6、図8、図9、図10の各実施例に示されたコイルアンテナ実装体の実施例のように、本発明のコイルアンテナ実装体に用いることができる。
【0065】
また、上記工程(a)から(c)を、コイルアンテナ15の裏面3bに対しても行なうようにしてもよい。これにより、例えば図1に示されたコイルアンテナの実施例のように、コイルアンテナ本体が2枚の金属層で挟まれた本発明のコイルアンテナを形成することができる。
【0066】
また、絶縁層7aの材料として絶縁性接着剤に替えて非導電性ペーストが用いられ、金属層9aの材料として金属箔に替えて金属ペーストが用いられてもよい。金属ペーストの一例は例えば銀ペーストである。これらの材料を用いても、コイルアンテナ本体3の一表面3aの上に平坦面をもつ絶縁層7a及び平坦な金属層9aを形成できる。
【0067】
絶縁層7aの材料として非導電性ペーストが用いられる場合でも、絶縁性接着剤を用いる場合と同様に、絶縁層7aは、コイルアンテナ本体3とは反対側の面に高い平坦性をもって形成される。
【0068】
また、金属層9aの材料として金属ペーストが用いられる場合、絶縁層7aの平坦面の上に形成される金属層9aは、平坦かつ均一な厚みで形成される。ここで、金属層9aはコイルアンテナ本体3から分離された状態で機械的に移動されることはない。他方、金属層9aの材料として予め準備された金属箔や金属板が用いられる場合、金属箔や金属板は機械的な移動を伴ってコイルアンテナ本体3上に配置される。
【0069】
金属箔や金属板が機械的に移動されるときに、金属箔や金属板に撓みや反り、傷などの損傷が生じる可能性があるという不具合がある。金属ペーストを用いたスクリーン印刷法によって金属層9aを形成することは、このような不具合をなくすことができる。
【0070】
図12において、コイルアンテナ端子11,13はコイルアンテナ本体3の側面に配置されているが、上記実施例においてコイルアンテナ端子11,13の配置位置は任意である。以下に説明されるコイルアンテナの製造方法の他の実施例においても同様である。
【0071】
図14は、コイルアンテナの製造方法の他の実施例の工程を説明するための概略的な斜視図と一部断面で示された側面図である。以下に説明する工程(a)〜(e)は図14中の(a)〜(e)に対応している。図15において、コイルアンテナについて図4と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
【0072】
(a)円形のステージ39に絶縁性接着剤35が入れられる。ステージ39の中央に取り付いているスキージ41が回転される。
【0073】
(b)スキージ41が回転されることによって、スキージ41下の隙間によって均一の厚みの絶縁性接着剤35が形成される。
【0074】
(c)コイル線5が巻かれたコイルアンテナ本体3の裏面3bが吸着コレット41に吸着される。吸着コレット41が移動されて、コイルアンテナ本体3の一表面3aが均一な厚みの絶縁性接着剤35の面に押し付けられる。これにより、コイルアンテナ本体3の一表面3aに、絶縁性接着剤35が高い平坦性をもって形成される。
【0075】
(d)吸着コレット41が移動されて、絶縁性接着剤35の平坦面に例えば均一な厚みの金属箔からなる金属層9aが接着される。
【0076】
(e)コイルアンテナ本体3が吸着コレット41から外される。絶縁性接着剤35は絶縁層7aを構成する。このようにして、コイルアンテナ本体3の一表面3aの上に平坦な金属層9aが配置される。
【0077】
コイルアンテナ本体3の一表面3aの上に平坦な金属層9aが配置されたコイルアンテナ15は、例えば図3、図6、図8、図9、図10の各実施例に示されたコイルアンテナ実装体の実施例のように、本発明のコイルアンテナ実装体に用いることができる。
【0078】
また、上記工程(a)から(e)を、コイルアンテナ15の裏面3bに対しても行なうようにしてもよい。これにより、例えば図1に示されたコイルアンテナの実施例のように、コイルアンテナ本体が2枚の金属層で挟まれた本発明のコイルアンテナを形成することができる。
【0079】
図15は、コイルアンテナの製造方法のさらに他の実施例の工程を説明するための、一部断面で示された概略的な側面図である。以下に説明する工程(a)〜(c)は図15中の(a)〜(c)に対応している。図15において、コイルアンテナについて図4と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
【0080】
(a)コイル線5が巻かれているコイルアンテナ本体3の一表面3aの上に、絶縁層7a(図4を参照。)を形成したい部分に開口部45aが位置合せされてマスク45が配置される。噴射ノズル47から開口部45aに向けて所定量の絶縁性接着剤が噴霧される。開口部45a内で、コイルアンテナ本体3の一表面3aの上に、コイル線5を覆う絶縁性接着剤35形成がされる。絶縁性接着剤35として、開口部45a内に充填された状態で、表面が平坦に形成される程度の粘度をもつものが使用される。開口部45a内に充填された絶縁性接着剤35はコイルアンテナ本体3とは反対側に平坦性の高い平坦面をもつ。
【0081】
(b)コイルアンテナ本体3の一表面3aの上に形成された絶縁性接着剤35の平坦面の上に、マスク45の開口部45aを介して、例えば均一な厚みの金属箔からなる金属層9aが載せられる。金属層9aの移送には、例えば図13に示された吸着治具38が用いられる。
【0082】
(c)マスク45が除去される。絶縁性接着剤35は絶縁層7aを形成する。これにより、コイルアンテナ本体3の一表面3aの上に平坦な金属層9aが絶縁層7aを介して配置されたコイルアンテナ15が形成される。
【0083】
コイルアンテナ本体3の一表面3aの上に平坦な金属層9aが配置されたコイルアンテナ15は、例えば図3、図6、図8、図9、図10の各実施例に示されたコイルアンテナ実装体の実施例のように、本発明のコイルアンテナ実装体に用いることができる。
【0084】
また、上記工程(a)から(c)を、コイルアンテナ15の裏面3bに対しても行なうようにしてもよい。これにより、例えば図1に示されたコイルアンテナの実施例のように、コイルアンテナ本体が2枚の金属層で挟まれた本発明のコイルアンテナを形成することができる。
【0085】
本発明のコイルアンテナの製造方法の一局面の実施例が説明された。ただし、本発明のコイルアンテナの製造方法の一局面はこれらの実施例に限定されない。
【0086】
本発明のコイルアンテナの製造方法の一局面において、コイルアンテナ本体の一表面の上に、コイル線を覆い、かつコイルアンテナ本体とは反対側の表面が平坦な絶縁層を形成する絶縁層形成工程は、どのような工程によって行なわれてもよい。
【0087】
また、本発明のコイルアンテナの製造方法の一局面において、絶縁層の平坦面の上に平坦な金属層を配置する金属層形成工程は、どのような工程によって行なわれてもよい。
【0088】
図16は、コイルアンテナの製造方法のさらに他の実施例の工程を説明するための、一部断面で示された概略的な側面図である。以下に説明する工程(a)〜(c)は図16中の(a)〜(c)に対応している。図16において、コイルアンテナについて図4と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付されている。
【0089】
(a)コイル線5が巻かれているコイルアンテナ本体3の一表面3aの上に、所定量の絶縁性接着剤35が滴下される。絶縁性接着剤35の滴下は、例えばディスペンサ(液体定量吐出装置)49によって行なわれる。ただし、所定量の絶縁性接着剤35の滴下は、どのような装置及び方法で行なわれてもよい。
【0090】
ディスペンサ49は多孔ノズル49aとシリンジポンプ49bを備えている。
図17は多孔ノズル49aを説明するための概略的な正面図と背面図である。多孔ノズル49aは液体の塗布位置に合わせて複数のノズルを備えている。
【0091】
多孔ノズル49に繋がれたシリンジポンプ49bのプランジャーが駆動されることにより、一定の圧力で多孔ノズル49から絶縁性接着剤35が押し出される。多数の均一な量の絶縁性接着剤35がコイルアンテナ本体3の一表面3a上に同時に塗布される。
【0092】
(b)コイルアンテナ本体3の一表面3a上に塗布された絶縁性接着剤35上に、例えば均一な厚みの金属箔からなる金属層9aが配置される。さらに金属層9aの上に、コイルアンテナ本体3の一表面3aと平行な平坦面をもつ押え付け部材51が配置される。押え付け部材51によって金属層9aがコイルアンテナ本体3側へ所定の圧力で押え付けられる。
【0093】
(c)上記工程(b)により、絶縁性接着剤35は平坦な金属層9aによって押し広げられる。これにより、コイルアンテナ本体3の一表面3aの上に、コイル線5を覆い、かつコイルアンテナ本体3とは反対側の表面が平坦な絶縁性接着剤からなる絶縁層7aが形成される。さらに、絶縁層7aの平坦面の上に配置された平坦な金属層9aが形成される。
【0094】
コイルアンテナ本体3の一表面3aの上に平坦な金属層9aが配置されたコイルアンテナ15は、例えば図3、図6、図8、図9、図10の各実施例に示されたコイルアンテナ実装体の実施例のように、本発明のコイルアンテナ実装体に用いることができる。
【0095】
また、上記工程(a)から(c)を、コイルアンテナ15の裏面3bに対しても行なうようにしてもよい。これにより、例えば図1に示されたコイルアンテナの実施例のように、コイルアンテナ本体が2枚の金属層で挟まれた本発明のコイルアンテナを形成することができる。
【0096】
本発明にかかるコイルアンテナの製造方法の他の局面が説明された。ただし、本発明のコイルアンテナの製造方法の他の局面はこの実施例に限定されない。
【0097】
本発明のコイルアンテナの製造方法の他の局面において、コイルアンテナ本体の一表面の上に、所定量の絶縁性接着剤を滴下する接着剤滴下工程は、どのような工程によって行なわれてもよい。
【0098】
また、本発明のコイルアンテナの製造方法の他の局面において、絶縁性接着剤の上に均一な厚みの金属層を配置し、コイルアンテナ本体の一表面と平行な平坦面をもつ押え付け部材によって金属層を上記コイルアンテナ本体側へ押え付けることによって、コイルアンテナ本体の一表面の上に上記コイル線を覆い、かつコイルアンテナ本体とは反対側の表面が平坦な絶縁性接着剤からなる絶縁層と、その絶縁層の平坦面の上に配置された平坦な金属層とを形成する金属層配置工程は、どのような工程によって行なわれてもよい。
【0099】
本発明のコイルアンテナ実装体の製造方法の一実施例は、コイルアンテナ本体3の一表面3aの上に平坦な金属層9aが配置されたコイルアンテナ15と、コイルアンテナ15の実装位置に設けられた平坦なアンテナ用金属層パターン21をもつ実装基材19と、を用いる(図3、図6、図8、図9、図10を参照。)。この実施例は、金属層9aが配置された一表面3aとは反対側のコイルアンテナ本体3の裏面3bをアンテナ用金属層パターン21に対向させて、コイルアンテナ15を実装基材19に実装する。
【0100】
以上、本発明の実施例が説明されたが、本発明は実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0101】
1 コイルアンテナ
3 コイルアンテナ本体
5 コイル線
7a 絶縁層(第1絶縁層)
7b 絶縁層(第2絶縁層)
9a 金属層(第1金属層)
9b 金属層(第2金属層)
11,13 コイルアンテナ端子
15 コイルアンテナ
17 実装基材
19 絶縁性基材
21 アンテナ用金属層パターン
23,25 ランド用金属層パターン
27 レジスト絶縁膜
29,31 はんだ
35 絶縁性接着剤
51 押え付け部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0102】
【特許文献1】特開2009−130446号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性体を含む板状のコイルアンテナ本体と、前記コイルアンテナ本体に巻かれたコイル線とを備えたコイルアンテナと、そのコイルアンテナが実装される実装基材と、を備えたコイルアンテナ実装体において、
前記コイルアンテナは、前記実装基材とは反対側の前記コイルアンテナ本体の一表面の上に前記コイル線を覆って形成され、表面が平坦に形成された絶縁層と、前記絶縁層の平坦面の上に配置された平坦な第1金属層と、を備えており、
前記実装基材は、前記コイルアンテナに対向する位置に設けられた平坦なアンテナ用金属層パターンを備えていることを特徴とするコイルアンテナ実装体。
【請求項2】
前記実装基材は、絶縁性基材の上に金属層パターン及びレジスト絶縁膜がその順に形成されたものであり、
前記アンテナ用金属層パターン上の前記レジスト絶縁膜が除去されている請求項1に記載のコイルアンテナ実装体。
【請求項3】
前記コイルアンテナは前記コイルアンテナ本体の側面にコイルアンテナ端子を備え、
前記実装基材は前記コイルアンテナ端子に対応する位置にランド用金属層パターンを備え、
前記コイルアンテナ端子と前記ランド用金属層パターンがはんだ接合されている請求項1又は2に記載のコイルアンテナ実装体。
【請求項4】
磁性体を含む板状のコイルアンテナ本体と、そのコイルアンテナ本体に巻かれたコイル線とを備えたコイルアンテナにおいて、
前記コイルアンテナ本体の一表面の上に前記コイル線を覆って形成され、前記コイルアンテナ本体とは反対側の表面が平坦に形成された第1絶縁層と、
前記コイルアンテナ本体の前記一表面とは反対側の面である裏面の上に前記コイル線を覆って形成され、前記コイルアンテナ本体とは反対側の表面が平坦に形成された第2絶縁層と、
前記第1絶縁層の平坦面の上に配置された平坦な第1金属層と、
前記第2絶縁層の平坦面の上に配置された平坦な第2金属層と、を備えていることを特徴とするコイルアンテナ。
【請求項5】
磁性体を含む板状のコイルアンテナ本体と、そのコイルアンテナ本体に巻かれたコイル線とを備えたコイルアンテナの製造方法において、
前記コイルアンテナ本体の一表面の上に、前記コイル線を覆い、かつ前記コイルアンテナ本体とは反対側の表面が平坦な絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層の平坦面の上に平坦な金属層を配置する金属層形成工程と、を含むことを特徴とするコイルアンテナの製造方法。
【請求項6】
前記絶縁層形成工程は、前記コイルアンテナ本体の前記一表面の上に絶縁性接着剤をスクリーン印刷法によって形成することによって前記絶縁性接着剤からなる前記絶縁層を形成する請求項5に記載のコイルアンテナの製造方法。
【請求項7】
前記絶縁層形成工程は、均一な厚みに形成された絶縁性接着剤に前記コイルアンテナ本体の前記一表面を押し付けて前記一表面に前記絶縁性接着剤を転写することによって前記絶縁性接着剤からなる前記絶縁層を形成する請求項5に記載のコイルアンテナの製造方法。
【請求項8】
前記絶縁層形成工程は、絶縁性接着剤を噴霧塗布することによって前記絶縁層を形成する請求項5に記載のコイルアンテナの製造方法。
【請求項9】
前記絶縁層形成工程及び前記金属層形成工程を、前記コイルアンテナ本体の前記一表面とは反対側の面である裏面に対しても行なう請求項5から8のいずれか一項に記載のコイルアンテナの製造方法。
【請求項10】
磁性体を含む板状のコイルアンテナ本体と、そのコイルアンテナ本体に巻かれたコイル線とを備えたコイルアンテナの製造方法において、
前記コイルアンテナ本体の一表面の上に、所定量の絶縁性接着剤を滴下する接着剤滴下工程と、
前記絶縁性接着剤の上に均一な厚みの金属層を配置し、前記コイルアンテナ本体の前記一表面と平行な平坦面をもつ押え付け部材によって前記金属層を前記コイルアンテナ本体側へ押え付けることによって、前記コイルアンテナ本体の一表面の上に前記コイル線を覆い、かつ前記コイルアンテナ本体とは反対側の表面が平坦な絶縁性接着剤からなる絶縁層と、前記絶縁層の平坦面の上に配置された平坦な金属層とを形成する金属層配置工程と、を含むことを特徴とするコイルアンテナの製造方法。
【請求項11】
前記接着剤滴下工程及び前記金属層配置工程を、前記コイルアンテナ本体の前記一表面とは反対側の面である裏面に対しても行なう請求項10に記載のコイルアンテナの製造方法。
【請求項12】
磁性体を含む板状のコイルアンテナ本体と、前記コイルアンテナ本体に巻かれたコイル線とを備えたコイルアンテナと、そのコイルアンテナが実装される実装基材と、を備えたコイルアンテナ実装体の製造方法において、
請求項5〜8又は10のいずれか一項に記載のコイルアンテナの製造方法によって形成された前記金属層をもつ前記コイルアンテナと、コイルアンテナの実装位置に設けられた平坦なアンテナ用金属層パターンをもつ実装基材と、を用い、
前記金属層が配置された前記一表面とは反対側の前記コイルアンテナ本体の裏面を前記アンテナ用金属層パターンに対向させて、前記コイルアンテナを前記実装基材に実装することを特徴とするコイルアンテナ実装体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−98927(P2013−98927A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242592(P2011−242592)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)