説明

コイル装置用ボビン及びコイル装置

【課題】分割コアの組み立てを容易にするコイル装置用ボビン及びコイル装置を提供する。
【解決手段】コイル130とコア111、112との間に配置されるコイル装置用ボビン121、122の胴部に、コア111、112を構成する複数のコア断片が胴部から抜け落ちるのを阻止する、中空部内に突出したコア係止部(ストッパ部121c、122c)を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル装置用ボビン、及びコイル装置用ボビンを備えたコイル装置(以下、「ボビン型コイル装置」という。)に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車や電気自動車の駆動システム等で使用される大容量のコイル装置(例えばリアクトル)の多くには、例えば特許文献1に記載されているようなボビンが使用されている。コイル装置用のボビンは、コアとコイルとの間に介在して、両者を電気的に絶縁する部材であり、一般に樹脂から成形されている。
【0003】
また、特に大容量のコイル装置では、磁気飽和を起こし難くするために、複数のコア断片を非磁性体のギャップ板又は空隙を介して配列した分割コアが使用されている。分割コアを使用したボビン型コイル装置においては、ボビンが分割コアの組み立て用の型枠として使用され、コアを構成する多数の部材(分割コア及びギャップ部材)がボビン内で積み上げられ、接着固定されることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−109437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ボビンにコイルを組み付けながら、ボビン内でコアを構成する多数の部材を一度に組み立てる作業は困難であり、長い作業時間を必要とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係るコイル装置用ボビンは、少なくとも一部がコイルとコアとの間に配置され、コイルとコアとを電気的に絶縁するコイル装置用ボビンであって、コイル内に挿入され、その中空部内にコアが挿入される、略筒状の胴部を有し、胴部は、コアを構成する複数のコア断片が胴部から抜け落ちるのを阻止する、中空部内に突出した、コア係止部を有する。
【0007】
この構成によれば、コイル装置用ボビンを組み立て用の型枠として分割コアを組み立てる際に、分割コア全体を一度に組み立てる必要が無くなり、例えば分割コアを構成する多数の部材(複数のコア断片及びギャップ部材)の半分ずつを積み重ねて固定する作業が可能になるため、コイル装置の組み立て作業の効率が向上する。
【0008】
コイル装置用ボビンが、胴部の軸方向中途において、第1ボビンと第2ボビンに分割されており、コア係止部が、第1ボビン及び第2ボビンの胴部の軸方向における一端から筒の内側へ突出するように形成されている構成としてもよい。
【0009】
この構成によれば、分割した第1及び第2ボビン毎にコアの組み立て作業を行うことができるため、より効率的かつ短時間にコイル装置の組み立てを行うことが可能になる。
【0010】
一端においてコイル装置用ボビンが分割されており、第1ボビン及び第2ボビンの各胴部の一端に複数のコア係止部が形成され、複数のコア係止部は、板状のギャップ部材を側方から挟み込んで、該ギャップ部材の板面と平行な方向への移動を規制するように形成された構成としてもよい。
【0011】
この構成によれば、ギャップ部材の位置決めを容易に、且つ正確に行うことが可能になる。
【0012】
胴部は、横断面が略矩形枠状の角筒状であり、コア係止部が、略L字板状を有し、胴部の軸方向他端の四隅にそれぞれ形成され、コア係止部の厚さが、ギャップ部材の厚さの半分以下である構成としてもよい。また、この場合、第1ボビンと第2ボビンは同一形状としてもよい。
【0013】
この構成によれば、第1ボビンと第2ボビンの胴部の形状を共通化することが可能になり、金型の設計や製作が容易になる。更に、第1ボビンと第2ボビンの全体を同一形状にすれば、同一の金型で第1ボビンと第2ボビンを成形することができるため、金型の製造コストが半減する。また、部材の共通化により、設計や製造のコストが減少し、必要な在庫量も削減することができる。
【0014】
第1ボビン及び第2ボビンのコア係止部は、第1ボビンと第2ボビンを組み立てたときに、互いに干渉しない位置に形成されている構成としてもよい。
【0015】
この構成によれば、コア係止部の厚さをギャップ部材より若干薄い程度まで厚くすることができるため、コア係止部に大きな強度を与えることができ、重量の大きなコアを使用するコイル装置にも適用可能になる。
【0016】
胴部は、横断面が略矩形枠状の角筒状であり、コア係止部が、胴部の隣り合う2つの壁部同士を連結する帯状に形成され、連結する2つの壁部との間に空間を形成し、第1ボビンと第2ボビンを組み立てたときに、第1ボビンのコア係止部が形成する空間内に第2ボビンのコア係止部が収容される構成としてもよい。
【0017】
この構成によれば、コア係止部により胴部の強度が補強される。
【0018】
第1ボビン及び第2ボビンが、胴部の軸方向他端から該軸と垂直に外側へ突出し、コイルの両端にそれぞれ当接する、コイル係止部を更に備える構成としてもよい。
【0019】
この構成によれば、コイルを取り付けるための専用部材が不要になると共に、一つの作業でボビンの組み立てとコイルの取り付けを行うことができるため、更に作業効率も向上する。
【0020】
また、本発明の実施形態に係るコイル装置は、コイルと、複数のコア断片と複数のギャップ部材とを交互に貼り合わせたコアと、上記のいずれかのコイル装置用ボビンとを備える。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施形態の構成によれば、分割コア全体を一度に組み立てる必要が無くなり、コイル装置の組み立て作業の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係るコイルの全体斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態に係るコア及びボビンの分解斜視図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態に係るコイルの分解斜視図である。
【図4】図4(a)は本発明の第1の実施形態に係るコイルの断面図であり、図4(b)は図4(a)の拡大図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施形態に係るコア及びボビンの分解斜視図である。
【図6】第1ボビンの正面図である。
【図7】第2ボビンの正面図である。
【図8】図8(a)はセンターギャップ板を介して第1ボビンと第2ボビンを重ねた状態を示す図であり、図8(b)は図8(a)におけるB−B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るリアクトル100の全体斜視図である。
【0024】
図1に示されるように、リアクトル100は、コア110、ボビン120及びコイル130を備えている。コア110は全体として略長円形状を呈するリングコアである。また、コイル130は、共に平角エナメル線から形成された第1直線コイル部131及び第2直線コイル部132を平行に並べて、コイル連結部133により一端同士を連結したものである。コイル130とコア110とを接触させないようにするため、コイル130の第1直線コイル部131及び第2直線コイル部132は、第1ボビン121及び第2ボビン122を介して、夫々コア110の対向する二辺に取り付けられる。
【0025】
次に、コア110とボビン120の詳細な構成を説明する。図2は、コア110及びボビン120の分解斜視図である。
【0026】
図2に示されるように、コア110は、共に全体としてU字状のコアである第1コア部111及び第2コア部112、並びにセンターギャップ板113を有する。コア110は、第1コア部111と第2コア部112とを向かい合わせた状態で、センターギャップ板113を介して端面同士を接着することによって、全体として略長円状に形成されたリングコアである。
【0027】
第1コア部111は、略C字状のC型コア部111aの両端に、それぞれサイドギャップ板111cを介して略I字状(略直方体状)のI型コア部111bを接着することによって、全体として略U字状に形成されている。同様に、第2コア部112は、C型コア部112aの両端に、それぞれサイドギャップ板112cを介してI型コア部112bを接着することによって、全体として略U字状に形成されている。
【0028】
なお、本実施形態においては、C型コア部111a、112a及びI型コア部111b、112bには、それぞれダストコア、フェライトコア又は積層コア(積層ケイ素鋼板)等の各種磁心が適用される。また、センターギャップ板113及びサイドギャップ板111c、112cは、セラミック(例えばアルミナ)や樹脂などの絶縁性の材料にて形成される。
【0029】
ボビン120は、第1ボビン121と第2ボビン122に分かれている。第1ボビン121は、軸を平行にして並べられた一対の筒状部121aを有する。一対の筒状部121aは、その一端側でフランジ部121bにより連結され、第1ボビン121は上面側(図1における上側)から見て全体として略U字状に形成されている。フランジ部121bは、各筒状部121aから筒の外側に広がる板状の部分である。
【0030】
第1ボビン121は、第1コア部111の組み立て時に、組み立て用の型枠として機能する。第1コア部111の組み立ては、次のようにして行われる。先ず、第1コア部111のI型コア部111b及びサイドギャップ板111cが、第1ボビン121のフランジ部121b側から筒状部121a内に順次挿入される。なお、I型コア部111bのサイドギャップ板111cと対向する面には、予め接着剤が塗布される。次に、C型コア部111aの端面に接着剤が塗布され、C型コア部111aの先端部が第1ボビン121の各筒状部121a内に差し込まれる。この状態で第1コア部111が一体に接着固定される。このようにして、第1ボビン121内で第1コア部111が組み立てられる。
【0031】
第2ボビン122は第1ボビン121と同一形状の部材である。すなわち、第2ボビン122は、一対の筒状部122aを有すると共に、一対の筒状部122aがその一端側でフランジ部122bにより連結され、上面側から見て全体としてU字状に形成されている。また、第2ボビン122も、第1ボビン121と同様に、第2コア部112の組み立て時に、組み立て用の型枠として機能する。
【0032】
図2に示されるように、筒状部121a、122aの軸方向他端側(すなわち、フランジ部121b、122bが位置する端部とは反対側)には、筒の内側に向かって広がるストッパ部121c、122cが形成されている。ストッパ部121c、122cは、それぞれI型コア部111b、112bを筒状部121a、122a内に差し込んだときに、I型コア部111b、112bが筒状部121a、122aの他端側から飛び出さないように保持するストッパとしての機能を有する。
【0033】
また、各筒状部121a、122aの内周には、軸方向に延びる複数の突起であるスペーサ部121d、122dが形成されている。スペーサ部121d、122dは、I型コア部111b、112bを、その軸に直交する方向に位置決めする位置決め手段としての機能を有する。
【0034】
次に、リアクトル100を組み立てる手順を説明する。図3は、リアクトル100の分解斜視図である。最初に、第1ボビン121の各筒状部121a内に、第1コア部111を構成する各部材を順次差し込み、接着剤で固定する。具体的には、先ずI型コア部111bを筒状部121a内に挿入し、次いでサイドギャップ板111cを筒状部121a内に挿入する。なお、I型コア部111bのサイドギャップ板111cと接する面には、予め接着剤が塗布される。次に、C型コア部111aの端面に接着剤が塗布され、C型コア部111aの先端が第1ボビン121の各筒状部121a内に差し込まれる。この状態で第1コア部111を一体に接着固定する。同様に、第2ボビン122の筒状部122a内に、ギャップ面に接着剤を塗布したI型コア部112b、サイドギャップ板112c、及びC型コア部112aの両端部を順番に差し込み、第2コア部112を一体化する。次に、第2ボビン122の先端から露出したI型コア部112bのギャップ面にセンターギャップ板113を接着する。次に、第2ボビン122の各筒状部122aを、コイル130のコイル連結部133とは反対側から第1直線コイル部131及び第2直線コイル部132にそれぞれ差し込む。最後に、第1コア部111が組み込まれた第1ボビン121の各筒状部121aを、コイル連結部133側から第1直線コイル部131及び第2コイル部132に差し込み、センターギャップ板113を介して第1コア部111と第2コア部112とを接着する。
【0035】
なお、図2に示されるように、ストッパ部121c、122cの夫々には、開口121e、122eが形成されている。開口121e、122eの寸法は、センターギャップ板113よりもわずかに大きく形成されているので、センターギャップ板113は、ストッパ部121c、122cと干渉することなく第1コア部111のI型コア部111bと第2コア部112のI型コア部112bとの間に取り付けられる。また、センターギャップ板113が開口121e、122eに略隙間なく収容されることで、センターギャップ板113は開口121e、122eにより面内(筒状部121aの軸と垂直な面内)で位置決めされる。
【0036】
図4(a)は本実施形態に係るコイル130の断面図であり、図4(b)は図4(a)における領域Aの拡大図である。図4(b)に示されるように、センターギャップ板113が確実に第1コア部111のI型コア部111bと第2コア部112のI型コア部112bの双方に接着されるよう、第1ボビン121のストッパ部121cの厚さdと、第2ボビン122のストッパ部122cの厚さdの和は、センターギャップ板113の厚さdよりも小さく設定されている。
【0037】
なお、本実施形態においては、上記のようにセンターギャップ板113を用いて第1コア部111と第2コア部112との間にギャップを形成している。しかしながら、本発明においては上記の構成に限定されるものではなく、センターギャップ板113を使用しない構成としてもよい。この場合は、第1ボビン121のストッパ部121cと第2ボビン122のストッパ部122cとが突き合わされた状態となり、厚さdとdの和に等しい厚さのエアギャップが形成される。
【0038】
以上説明した本発明の第1の実施形態においては、第2コア部112に第2ボビン122を夫々取り付けた後、第2コア部112にセンターギャップ板113を接着する構成となっている。しかしながら、本発明は上記の構成に限定されるものではなく、次に説明する本発明の第2の実施形態のような構成とすることも可能である。
【0039】
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係るコア及びボビンの分解斜視図である。本実施形態の構成は、第1の実施形態における第2ボビン122及びセンターギャップ板113の代わりに、樹脂から形成されたギャップ板を備えた第2ボビン122´を使用するものである。本実施形態の他の構成については第1の実施形態と同様であるため、詳しい説明は省略する。
【0040】
図5に示されるように、第2ボビン122´は、第1の実施形態の第2ボビン122(図2)の開口122dに相当する領域が、センターギャップ板122fによって塞がれているという点を除き、第1の実施形態の第2ボビン122と同一形状となっている。なお、センターギャップ板122fは、樹脂の射出成形により、第2ボビン122と一体に形成されている。
【0041】
このように本実施形態は、センターギャップ板122fが第2ボビン122´と一体に形成されているものであるため、第1の実施形態と比べて、コイルを組み立てる際の工数を減少させることができるという効果を有する。
【0042】
なお、本実施形態においては一対のセンターギャップ板122fの双方が第2ボビン122´と一体に形成されたものであるが、本発明は上記の構成に限定されるものではない。例えば、第1ボビンと第2ボビンの双方の夫々に1枚のセンターギャップ板が形成される構成としてもよい。このような構成とすると、第1ボビンと第2ボビンとが同一形状となるため、コイルの製造コストを低下させることが可能であり、また、組み立て時に第1ボビンと第2ボビンを取り違えるといったエラーが防止される。
【0043】
(第3実施形態)
上述した第1の実施形態では、第1ボビン121と第2ボビン122が同一形状を有しており、第1ボビン121と第2ボビン122を組み立てると、各ストッパ部121c、122cが各筒状部121a、122aの軸方向に重なり合うように構成されている。そのため、第1ボビン121のストッパ部121cの厚さdと、第2ボビン122のストッパ部122cの厚さdの和を、センターギャップ板113の厚さdよりも小さくする必要がある。以下に説明する第3の実施形態(図6〜図8)は、第1ボビンと第2ボビンを組み立てた際に、各ボビンのストッパ部が互いに干渉しないように、第1ボビン221と第2ボビン222に異なる形状のストッパ部221c、222cを設けたものである。なお、第3の実施形態は、第1ボビン221及び第2ボビン222のストッパ部221c、222c及びセンターギャップ板213の形状を除いては、第1の実施形態と同様の構成を有している。以下の第3の実施形態の説明においては、第1の実施形態と共通する構成については、詳しい説明は省略する。
【0044】
図6及び図7は、それぞれ第1ボビン221及び第2ボビン222を筒状部221a、222aの他端側(センターギャップ板213が配置される側)から見た正面図である。また、図8(a)は、センターギャップ板213を介して第1ボビン221と第2ボビン222を重ねた状態を第1ボビン221の一端側(フランジ部221b側)から見た図であり、図8(b)は、図8(a)におけるB−B断面図である。各筒状部221a及び222aの他端の四隅には、ストッパ部の代わりに、各筒状部221a、222aの隣接する筒壁を斜めに連結する長板状のストッパ部221c及び222cがそれぞれ形成されている。第1ボビン221のストッパ部221cは、第2ボビン222のストッパ部222cよりも長く、筒状部221aの中心軸寄りに配置されている。そのため、ストッパ部221cと筒状部221aの隅とで囲まれた比較的に広い空間221sが形成される。図8に示されるように、第1ボビン221と第2ボビン222を重ね合わせると、空間221sには第2ボビン222のストッパ部222cが収容されるようになっている。この構成により、ストッパ部221c及びストッパ部222cの厚さをセンターギャップ板213の厚さ以下に形成すれば、第1ボビン221と第2ボビン222とを重ね合わせる際に、ストッパ部221cとストッパ部222cが互いに干渉することはない。従って、ストッパ部221c及びストッパ部222cを十分に厚く形成することができるため、組み立て作業中にストッパ部221c及び222cが破損することが防止される。また、筒状部221a、222aの剛性を向上させることができる。
【0045】
また、センターギャップ板213が配置される筒状部221a、222aの他端には、四隅にストッパ部221c、222cが設けられているため、第1の実施形態のような長方形状のセンターギャップ板113を配置することができない。そこで、第3の実施形態では、ストッパ部221c、222cと干渉しないように、長方形の四隅を斜め45°に切り落とした形状のセンターギャップ板213が使用される。
【符号の説明】
【0046】
100 コイル装置
110 コア
111 第1コア部
111a、112a C型コア部
111b、112b I型コア部
111c、112c サイドギャップ板
113、122f センターギャップ板
121 第1ボビン
121a、122a、221a、222a 筒状部
121b、122b フランジ部
121c、122c、221c、222c ストッパ部
121d、122d スペーサ部
121e、122e 開口
122、122´ 第2ボビン
130 コイル
131 第1直線コイル部
132 第2直線コイル部
133 コイル連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部がコイルとコアとの間に配置され、前記コイルと前記コアとを電気的に絶縁するコイル装置用ボビンであって、
前記コイル内に挿入され、その中空部内に前記コアが挿入される、略筒状の胴部を有し、
前記胴部は、前記コアを構成する複数のコア断片が前記胴部から抜け落ちるのを阻止する、前記中空部内に突出した、コア係止部を有する、コイル装置用ボビン。
【請求項2】
前記コイル装置用ボビンが、前記胴部の軸方向中途において、第1ボビンと第2ボビンに分割されており、
前記コア係止部が、前記第1ボビン及び前記第2ボビンの前記胴部の軸方向における一端から筒の内側へ突出するように形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のコイル装置用ボビン。
【請求項3】
前記一端において前記コイル装置用ボビンが分割されており、
前記第1ボビン及び前記第2ボビンの各胴部の前記一端に複数の前記コア係止部が形成され、
前記複数のコア係止部は、板状のギャップ部材を側方から挟み込んで、該ギャップ部材の板面と平行な方向への移動を規制するように形成されている、ことを特徴とする請求項2に記載のコイル装置用ボビン。
【請求項4】
前記胴部は、横断面が略矩形枠状の角筒状であり、
前記コア係止部が、略L字板状を有し、前記胴部の軸方向他端の四隅にそれぞれ形成され、
前記コア係止部の厚さが、前記ギャップ部材の厚さの半分以下である、ことを特徴とする請求項3に記載のコイル装置用ボビン。
【請求項5】
前記第1ボビンと前記第2ボビンは同一形状である、ことを特徴とする請求項4に記載のコイル装置用ボビン。
【請求項6】
前記第1ボビン及び前記第2ボビンの前記コア係止部は、前記第1ボビンと前記第2ボビンを組み立てたときに、互いに干渉しない位置に形成されている、ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のコイル装置用ボビン。
【請求項7】
前記胴部は、横断面が略矩形枠状の角筒状であり、
前記コア係止部が、前記胴部の隣り合う2つの壁部同士を連結する帯状に形成され、連結する前記2つの壁部との間に空間を形成し、
前記第1ボビンと前記第2ボビンを組み立てたときに、前記第1ボビンのコア係止部が形成する空間内に前記第2ボビンのコア係止部が収容される、ことを特徴とする請求項6に記載のコイル装置用ボビン。
【請求項8】
前記第1ボビン及び前記第2ボビンが、前記胴部の軸方向他端から該軸と垂直に外側へ突出し、前記コイルの両端にそれぞれ当接する、コイル係止部を更に備える、ことを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか一項に記載のコイル装置用ボビン。
【請求項9】
コイルと、
複数のコア断片と複数のギャップ部材とを交互に貼り合わせたコアと、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載されたコイル装置用ボビンと
を備えたコイル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−253289(P2012−253289A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126788(P2011−126788)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(390005223)株式会社タムラ製作所 (526)