コインホッパのコイン出口装置
【課題】コインの投出口においてコインがジャムした場合、保留ボウルを取り外さずともジャム解消が可能なコインホッパの出偽値装置を提供する。
【解決手段】保留ボウル内にバラ積み状態で保留したコイン102を前記保留ボウルの底孔に配置した回転ディスクによって一枚ずつ送り出すようにしたコインホッパにおいて、出口270は、横長矩形の長辺を構成する長辺部材274のうち少なくとも一方の長辺部材274が他方の長辺部材274に対して離れる方向に移動可能に設けられ、移動可能に設けられた長辺部材は前記コインの厚み2枚未満の稼働時位置及び2枚以上の解除位置との間を移動可能であると共に、弾性体276によって前記稼働位置に所定の力で静止され、前記移動可能長辺部材は装置外面に露出して外面からの操作により前記解除位置へ移動可能であることを特徴とするコインホッパのコイン出口装置である。
【解決手段】保留ボウル内にバラ積み状態で保留したコイン102を前記保留ボウルの底孔に配置した回転ディスクによって一枚ずつ送り出すようにしたコインホッパにおいて、出口270は、横長矩形の長辺を構成する長辺部材274のうち少なくとも一方の長辺部材274が他方の長辺部材274に対して離れる方向に移動可能に設けられ、移動可能に設けられた長辺部材は前記コインの厚み2枚未満の稼働時位置及び2枚以上の解除位置との間を移動可能であると共に、弾性体276によって前記稼働位置に所定の力で静止され、前記移動可能長辺部材は装置外面に露出して外面からの操作により前記解除位置へ移動可能であることを特徴とするコインホッパのコイン出口装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コインを1個ずつ区分けして払い出すコインホッパにおけるコイン出口装置に関する。
詳しくは、払出通路に払い出されたコインが当該払出通路においてジャムした場合、容易に解消できるコイン出口装置に関する。
なお、本明細書で使用する「コイン」は、通貨であるコインの他、ゲーム機のメダルやトークン等の代用貨幣または類似のものを包含する。
【背景技術】
【0002】
コインホッパは例えばゲーム機に内蔵され、ゲームに入賞した場合、所定数のメダルを高速で払い出す。
この種装置における第1の従来技術として、底部に開口が形成され,
かつコインを貯留するコインホッパと、該コインホッパの底部の開口で回転円盤によりコインを外方に排出するコイン排出台とを備えてなるコイン払出し装置において、コインホッパとコイン排出台の接合境界面で両者の外方から両者に係合する排出ガイドを設け、該排出ガイドを介してコインホッパとコイン排出台を連結できるように構成したコイン払出し装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
第2の従来技術として、上部にメダル供給口を有し、下部にメダル排出口を有するホッパータンクと、このホッパータンクのメダル排出口に隣接し、メダルがはまり込む複数のメダル穴を有し、前記メダルを前記メダル排出口へ誘導するローターディスクと、このローターディスクを回転駆動することにより、遊技者に対してメダルを払い出すホッパーモータと、このホッパーモータを収容するホッパーシャーシとを備えた分割可能なホッパー装置であって、前記ホッパータンクとホッパーシャーシとは分割して取り外すことができ、前記ローターディスクは前記ホッパータンクに保持されていることを特徴とするホッパー装置が知られている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−141381(2頁〜4頁、図1〜図10)
【特許文献2】特許第3782043号(段落番号0016〜0085、図1〜図14)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の従来技術において、排出台とコインホッパとはそれらの接合境界面で両者の外方から両者に結合する係合具によって連結しているので、この係合具の取り外しだけで両者を分離できる。
具体的には、係合具はコインの出口が形成された排出ガイドによって構成されている。
このため、コイン詰まり等のトラブルに迅速対応が可能である。
しかし第1の従来技術においても、コインが排出ガイドの出口部で詰まった場合、排出ガイドを取り外すことができない場合があり、この解決が要望されていた。
【0006】
第2の従来技術においては、メダルがホッパー装置内で詰まった場合、ホッパー内のメダルを全て取りだした後、ホッパータンクを取り出す問題を解決することを目的とする。
そのため、ホッパータンクの底孔を回転ディスクで閉止し、ホッパーシャーシと分離してホッパータンクのみ着脱可能にしたものである。
第2の従来技術においても、ホッパータンクを取り外さねばならず、作業が煩雑である問題がある。
【0007】
本発明の第1の目的は、コインの出口においてコインがジャムした場合、保留ボウルを取り外さずともジャム解消が可能なコインホッパの出口装置を提供することである。
本発明の第2の目的は、第1の目的を達成できるコインホッパの出口装置を安価に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するため本発明のコインホッパの出口装置は、以下のように構成されている。
保留ボウル内にバラ積み状態で保留したコインを前記保留ボウルの底孔に配置した回転ディスクによって一枚ずつ区分けして前記回転ディスクの法線方向に延在する扁平な払出通路に送り出した後、その横長矩形の出口から送り出すようにしたコインホッパにおいて、前記出口は、横長矩形の長辺を構成する長辺部材のうち少なくとも一方の長辺部材が他方の長辺部材に対して離れる方向に移動可能に設けられ、前記移動可能に設けられた長辺部材は前記コインの厚み2枚未満の稼働時位置及び2枚以上の解除位置との間を移動可能であると共に、弾性体によって前記稼働位置に所定の力で静止され、前記移動可能長辺部材は装置外面に露出して外面からの操作により前記解除位置へ移動可能であることを特徴とするコインホッパのコイン出口装置である。
【0009】
更に本発明のコインホッパのコイン出口装置は、前記移動可能長辺部材は四角柱状であり、前記他方の長辺部材は他方の長辺を構成する下側長辺及びその両端に配置された短辺部材を有する固定部材、前記移動可能長辺部材を前記固定長辺に向かって付勢するバネ及び前記移動可能長辺部材の移動を規制する門形の規制体を含み、前記移動可能長辺部材は前記固定部材の短辺部材により構成した移動規制体により前記解除位置に移動可能であり、また前記規制体と前記移動可能長辺部材との間に配置された前記バネによって前記固定長辺に向かって所定の力で付勢されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
この構成によれば、高さは対面する長辺によりコインの厚みよりも僅かに大きく、また幅は対面する短辺によりコインの直径よりも僅かに大きい扁平矩形にコインの出口が形成される。
これにより、コインは一枚ずつ出口から払い出され、出口から器具を挿入することによる不正を抑制することができる。
そして、稼働時は出口を構成する長辺の少なくとも一方は対面する長辺間が広がる方向に微量に移動可能である。
したがって、コインが出口おいて詰まって身動き出来なくなり、コインジャムが発生した場合、移動可能長辺部材を外面から微量に移動させることにより、他方の長辺部材から僅かに離すことができる。
これにより、コイン間の密着度が軽減するためコインジャムを解消することができる。
【0011】
また、コイン出口装置は、前記移動可能長辺部材が四角柱状であり、前記他方の長辺部材が他方の長辺を構成する下側長辺及びその両端に配置された短辺部材を有する固定部材、前記移動可能長辺部材を固定短辺に向かって付勢するバネ及び前記移動可能長辺部材の移動を規制する門形の規制体を含み、前記移動可能長辺部材は前記固定部材の短辺部材により構成した移動規制体により前記長辺が接近及び離隔方向に移動可能であり、また前記規制体と前記移動可能長辺部材との間に配置された前記バネによって前記固定長辺に向かって付勢されると共に離れる方向の移動を規制される構成であるので、コイン出口装置の構成部品は四部品であり、さらに構造簡単であるので安価に構成できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のコインホッパのコイン出口装置は、保留ボウル内にバラ積み状態で保留したコインを前記保留ボウルの底孔に配置した回転ディスクによって一枚ずつ区分けして前記回転ディスクの法線方向に延在する扁平な払出通路に送り出した後、その横長矩形の出口から送り出すようにしたコインホッパにおいて、前記出口は、横長矩形の長辺を構成する長辺部材のうち少なくとも一方の長辺部材が他方の長辺部材に対して離れる方向に移動可能に設けられ、前記移動可能に設けられた長辺部材は前記コインの厚み2枚未満の稼働時位置及び2枚以上の解除位置との間を移動可能であると共に、弾性体によって前記稼働位置に所定の力で静止され、前記移動可能長辺部材は装置外面に露出して外面からの操作により前記解除位置へ移動可能であることを特徴とするコインホッパのコイン出口装置であり、前記移動可能長辺部材は四角柱状であり、前記他方の長辺部材は他方の長辺を構成する下側長辺及びその両端に配置された短辺部材を有する固定部材、前記移動可能長辺部材を固定短辺に向かって付勢するバネ及び前記移動可能長辺部材の移動を規制する門形の規制体を含み、前記移動可能長辺部材は前記固定部材の短辺部材により構成した移動規制体により前記長辺が接近及び離隔方向に移動可能であり、また前記規制体と前記移動可能長辺部材との間に配置された前記バネによって前記固定長辺に向かって付勢されると共に離れる方向の移動を規制されることを特徴とするものである。
【実施例】
【0013】
コインホッパ100は、バラ積み状態で保留された円板形のコイン102を一つずつ払い出す機能を有する。
コインホッパ100は、少なくともフレーム104、ホッパベース106、保留ボウル108、回転ディスク110、コイン102の周方向案内装置112、払出装置114、コイン通過検知装置116、不正防止装置118及びコイン出口装置120を含んでいる。
【0014】
まずフレーム104が図1を参照して説明される。
フレーム104はホッパベース106及び保留ボウル108を支持する機能を有し、樹脂で射出成型された矩形の筒状をしている。
フレーム104は、ベース122、及び、ベース122に固定された矩形筒形のサポート部124を含んでいる。
サポート部124の中空部には、制御基板や回転ディスク110の駆動のための電気モータが配置され、頭部126は斜めに形成されている。
【0015】
次にホッパベース106を図4を参照して説明する。
ホッパベース106は、保留ボウル108、回転ディスク110、周方向案内装置112、払出装置114、コイン通過検知装置116及び不正防止装置118を所定の位置に保持する機能、及び、回転ディスク110によって移動されるコイン102を案内する機能を有する。
ホッパベース106は、矩形の厚板状を呈し、サポート部124の頂部に固定されている。
換言すれば、ホッパベース106は、所定の角度で傾斜している。
【0016】
図4に示すように、ホッパベース106は上面130の中央に位置する有底かつ円形のガイド穴132、上下端部に形成した保留ボウル108の第1取付部134A、134B、ガイド穴132の周面の一部を開口した払出開口138、コイン通過検知装置116の取付部140(図7参照)及び周方向案内装置112の取付部(図示せず)を含んでいる。
ガイド穴132の底部144は、大凡平面であり、中央に、回転ディスク110を取り付ける回転軸146が貫通する軸孔(図示せず)が形成されている。
【0017】
回転ディスク110の下面に突設した押動突起148によって押動されるコイン102は、その下面が底部144上を滑りつつ、かつ、その周面がガイド穴132の周壁150に案内されつつ移動する。
第1取付部134A、134Bに保留ボウル108の下部に形成した係止部(図示せず)を係止すると共に保留ボウル106の下端部に形成した板状のストッパプレート136(図1参照)をサポート部124の上部背面にあてがうことにより、保留ボウル108を簡単操作でホッパベース106に取付け及び取外しできるようにロック装置137によって固定されている。
払出開口138に臨んで後述の払出装置114が配置されている。
【0018】
次に、保留ボウル108が図1及び図2を参照して説明される。
保留ボウル108は、コイン102をバラ済み状態に貯留する機能を有する。
保留ボウル108の下端部152は、ガイド穴132とほぼ同一径の円筒状であって、ホッパベース106に対し直交方向に延びている。
換言すれば、下端部152は斜め上方に向かって伸びており、その上端部は四角形状に拡大する貯留部154が形成され、上端はコイン投入開口156になっている。
保留ボウル108の貯留部154と下端部152は傾斜壁157によって接続され、その上に乗ったコイン102は、重力によって自然滑落し、下方の回転ディスク110上に落下する。
【0019】
次に回転ディスク110が図4を参照して説明される。
回転ディスク110が回転体である。
回転ディスク110は、バラ積み状態に保留ボウル108に保留されるコイン102を一つずつ区分けし、払出装置114に送り出す機能を有する。
ガイド孔132内に円盤状の回転ディスク110が配置されている。
【0020】
回転ディスク110は、図示しない電気モータによって減速機を介して図4において時計方向に回転駆動される。
回転ディスク110には、等間隔に円形の通孔160が形成され、通孔160の上面側は、下向き錐形の導入部162が形成されている。
また、中央部には円錐形であって、かつ、回転軸146を取付ける中央凸部164が形成されている。
回転ディスク110は、ガイド穴132内にその周面が周壁150に対し僅かな隙間を空けて配置されている。
【0021】
回転ディスク110の通孔160を区画するリブ166の裏面には、コイン102を押し出すための押動突起148が下向きに突出形成されている。
押動突起148は、第1押出部168及び第2押出部170を含み、通孔160のそれぞれに相対して形成されている。
第1押出部168及び第2押出部170の第1押出し面172、及び第2押出面174は、回転ディスク110の中心部から伸びるインボリュート曲線上に位置している。
第1押出部168と第2押出部170との間には、後述の規制体178通過のための隙間176が形成されている。
【0022】
次に、周方向案内装置112が図4を参照して説明される。
周方向案内装置112は、第1押出面172、第2押出面174によって押動されるコイン102を、回転ディスク110の周方向に案内し、払出開口138に誘導する機能を有する。
具体的には、図4に示すようにホッパベース106を下側から上側に貫通し、回転ディスク110に向かって伸びる円柱ピン状の規制体178が配置されている。
換言すれば、規制体178はコイン102の移動経路182に突出している。
【0023】
規制体178は、ホッパベース106の裏面に取り付けた退避装置(図示せず)に取り付けられている。
なお、規制体178は、上記機能を満足すれば、二本以上であってもよい。
また、規制体178を用いずともコイン102が払出開口138に移動する場合、それらを配置する必要はない。
換言すれば、回転ディスク110の直径が大きく、第1押出部168及び第2押出部170によってのみでコイン102を回転ディスク110の周方向へ誘導できる場合、規制体178を配置する必要は無い。
【0024】
退避装置は、規制体178がコイン102から所定の横方向の力を受けた場合、規制体178を底穴144に形成した貫通孔内に退避させ、コイン102が回転ディスク110と共に移動できるようにする機能を有する。
退避装置は公知の所定の機構を採用することができる。
【0025】
次に払出開口138が図5を参照して説明される。
払出開口138は、底部144と同一平面内に位置する払出通路底部195、及び第1側壁198及び第2側壁200により断面矩形の溝状を呈している。
この溝状の払出開口138に払出装置114が配置されている。
【0026】
次に払出装置114が図4、図5及び図7を参照して説明される。
払出装置114は、回転ディスク110によって一枚ずつ区分けされて送り出されるコイン102をひとつずつ出口270へ向かって弾き出す機能を有する。
払出装置114は、第1ガイド186、第2ガイド188、付勢手段192及び通路規制ガイド194により画定される払出通路196を含んでいる。
【0027】
まず、第1ガイド186を説明する。
第1ガイド186は、コイン102が通過する払出通路196の一側壁を形成し、コイン102を所定の位置に案内する機能を有する。
第1ガイド186は、アングル形のプレート199であり、底部144の上面にスクリュー202によって固定される。
第1ガイド186は、プレート199のラウンド状に形成された折曲部によって構成される。
プレート199のガイド穴132側の第1側面204は大半径の弧状に形成され、ガイド穴132の一部を構成している。
第2側面206は、第1側壁198であり、払出通路196の一側面を構成する。
本実施例において第1ガイド186はプレート196であるが、固定軸に回転自在に取り付けたローラに変更することができる。
【0028】
次に、第2ガイド188を説明する。
第2ガイド188は、第1ガイド186との間に挟んだコイン102を弾き出す機能を有している。
第2ガイド188は、回転ディスク110及び第1ガイド186の側方に配置され、払出通路196の一側壁を構成している。
【0029】
第2ガイド188は、ホッパベース106の裏面側に固定された固定軸214にピボット運動可能に取り付けられた揺動レバ216の一端部に固定された支軸218に回転自在に取り付けられたローラ220である。
支軸218とホッパベース106の裏面に固定したピン222との間に付勢手段192、具体的にはスプリング224が掛止され、揺動レバ216を第1ガイド186に近づくよう付勢している。
【0030】
付勢手段192は、第2ガイド188を第1ガイド186に弾性的に近づける機能を有している。
通常、揺動レバ216は一体に形成された被係止部226がホッパベースの裏面に固定された弾性的な係止部228によって係止されることにより、第1ガイド186に対しコイン102の直径よりも小さい間隔で停止され、待機位置SB(図5参照)において静止している。
弾性的な係止部228を用いた場合、揺動レバ216が当接したときの打撃音を低減し、また、揺動レバ216の跳ね返りを防止することができる利点がある。
【0031】
コイン102が第1ガイド186と第2ガイド188との間に移動し、それらの最短距離にコイン102の直径部が位置し、第2ガイド188が払出位置DP(図5鎖線示)に移動された後、付勢手段192の弾発力でコイン102を弾き出す。
なお、第2ガイド188は揺動レバ216によってピボット運動を行うが、直線運動により第1ガイド186に対し接近、離隔するよう変更することができる。
また、付勢手段192は、スプリングの他、電磁アクチュエータ、空気アクチュエータ等同様の機能を有する装置に変更することができる。
第2ガイド188は、第1ガイド186と同様に非回転のガイドにすることができる。
【0032】
次に通路規制ガイド194が図6、8及び図12〜14を参照して説明される。
通路規制ガイド194は、払出通路196の上側を画定する機能を有し、ホッパベース106に固定された平板である。
したがって、払出通路196は底面195、第1側壁198、第2側壁200及び通路規制ガイド194により囲われた断面矩形の扁平通路である。
【0033】
次にコイン通過検知装置116が図7を参照して説明される。
コイン通過検知装置116は、コイン102による第2ガイド188の移動を直接的又は間接的に検知して検知信号を出力する機能を有する。
本実施例のコイン通過検知装置116は、第2ガイド188、第2ガイド188を支持する揺動レバ216、揺動レバ216に連動して移動する作用片230、及び作用片230の検知手段232を含んでいる。
【0034】
作用片230は、揺動レバ216と一体に形成された腕236の先端部に形成され、固定軸214を中心とする円弧上に位置する被検知部238である。
図7に示すように、ホッパベース106の裏面側に位置する揺動レバ216に対しほぼ直角をなして一体に腕236が固定されている。
【0035】
検知手段232は、被検知部238を検知した場合、オン又はオフの電気的な検知信号DSを出力する機能を有する。
実施例の検知手段232は、センサ244及び検知信号出力手段246を含んでいる。
センサ244は、門形の支柱248の一方に投光部250を配置し、他方の支柱に前記投光部250に相対して配置した受光部252を有する透過式光電センサである。
センサ244は、ホッパベース106の裏面側にブラケット256を介して固定されている。
【0036】
したがって、本実施例においてセンサ244はサポート部124で囲われたホッパベース106の下方に位置するので、センサ244に外部から不正にアクセスすることが極めて困難である。
コイン102によって第2ガイド188が払出位置DP(図5鎖線示参照)へ移動された場合、被検知部238が投光部250から受光部252への投射光を遮断する。
この遮断によって、センサ244の出力は「H」から「L」になる。
第2ガイド188が払出位置DPから待機位置SBへ位置する場合、被検知部238が投光部250と受光部252の間から外れるので、光電センサ244の出力は「L」から「H」になる。
【0037】
検知信号出力手段246は、センサ244の出力が「L」から「H」に変化したときに検知信号DSを出力する。
この検知信号DSをカウントすることにより、払い出したコイン102の数を知ることができる。
したがって、検知手段232は、同様の機能を有する他の方式に変更することができ、センサ244は反射式光電センサ、金属センサ等他のセンサに変更することができる。
【0038】
さらに、揺動レバ216またはローラ220の移動を直接検知することによりコイン通過検知装置116を構成することができる。
また、検知手段232は検知信号出力手段246を設けることなく、センサ244の立ち上がり信号を検知することによっても代用することができる。
【0039】
次に不正防止装置118が図5及び図7を参照して説明される。
不正防止装置118は、第2ガイド188が外部から払出位置DPに移動された場合、コイン通過検知装置116が検知信号DSを出力することなくコイン102のみが払い出されることを防止する機能を有する。
不正防止装置118は、第2ガイド188に連動して払出装置114よりも下流の払出通路196において移動する邪魔手段260である。
本実施例において、邪魔手段260は揺動レバ216に対し固定軸214の反対側に伸びる第2レバ262の端部に固定した第2支軸264に取り付けた邪魔部材266である。
【0040】
邪魔部材266は、第2支軸264に対し回転自在に取り付けたローラ268であることが、耐久性等の面で好ましいが、ポール状の固定邪魔片に代えることができる。
邪魔部材266は、ホッパベース106に形成された凹部270を貫通して払出通路196に突出する。
第2ガイド188が待機位置SBに位置する場合、邪魔部材266は第1ガイド186の第1側壁198との間隔がコイン102の直径以上離れた解放位置FPに位置する。
【0041】
このとき作用片230は、投光部250からの投射光を遮る位置にある。
第2ガイド188が払出位置DPに位置する場合、邪魔部材266は第1ガイド186の第1側壁198との間隔がコイン102の直径以下になる邪魔位置OPに移動する。
したがって、コイン102が邪魔部材266と第1側壁198との間を通過する場合、邪魔部材266は解放位置FPへ移動される。
【0042】
邪魔部材266が解放位置FPに移動された場合、第2ガイド188は待機位置SBへ移動するので、作用片230は前記検知位置から非検知位置に移動する。
したがって、検知手段232の出力は「L」から「H」に変わるため、検知信号出力手段246は検知信号DSを出力する。
換言すれば、コイン102が出口270から払い出される場合、邪魔部材266が邪魔位置OPから解放位置FPに移動されるため、検知信号DSが検知信号出力手段246から出力される。
【0043】
次にコイン出口装置120が図3及び図9〜11を参照して説明する。
コイン出口装置120は、払出通路196に払い出されたコイン102をコイン出口270に案内する機能及びコイン出口270から挿入した器具によって第2ガイド188を不正に操作されないようにする機能、及び出口270においてジャムしたコインを容易に解除できるようにする機能を有する。
しかし、出口270においてジャムしたコインを容易に解除できるようにする機能が最も重要である。他の機能は、別装置等により解決可能であるが、出口通路におけるコインジャムは、コイン出口装置120によってのみ解除可能であるからである。
本実施例のコイン出口装置120は、固定部材272、移動可能長辺部材274、弾性体276及び移動規制体278を備えている。
【0044】
まず固定部材272が説明される。
固定部材272は、本実施例においてコイン出口270の一方の長辺284及びその長辺の左右に位置する第1短辺292、第2短辺294を画定する機能を有する。したがって、固定部材272は長辺部材273を兼用する。
本実施例において、固定部材272は矩形箱形であり、フレーム104に形成された矩形凹部275に嵌合された後固定されるが、フレーム104と一体に成型することもできる。
【0045】
固定部材272は、全体として矩形箱形であり、上端部に矩形凹状の出口形成凹部282が形成されている。
出口形成凹部282は、コイン出口270の下側長辺284、当該下側長辺284の両側から下側長辺284に対し直角に上方へ突出する第1短辺部材286及び第2短辺部材288の側面である第1短辺292及び第2短辺294により構成されている。
図10に示すように、固定部材272はその側面にそれぞれ形成された第1突条296及び第2突状298を有する。
出口形成凹部282の左右側壁にそれぞれ上下方向に延在する第1ほぞ溝302、第2ほぞ溝304が形成れている。
【0046】
前記第1突条296及び第2突状298は、対応する第1ほぞ溝302又は第2ほぞ溝304に上下方向に移動自在に嵌合されている。
固定部材272の下端が矩形凹部275の底に密接してセットされた場合、下側長辺284を構成する上向き面306は、払出通路196の底面195と同一平面内に位置するよう設定され、この位置において後述のように固定される。
上向き面306は図12に示すように、底面195側端部が底面195と面一になるように形成された第1上向面306Aと、その第1上向面306Aに連続してコイン出口270の下側長辺284に接続し、コイン出口270に向かって小角度の下向きに形成された第2上向面306Bとにより構成されている。
第2上向面306Bが下向きに傾斜しているのは、コイン出口270においてコインジャムを生じやすくするためである。
【0047】
次に移動可能長辺部材274を説明する。
移動可能長辺部材274はコイン出口270の上側長辺308を画定する機能を有する。
移動可能長辺部材274は四角柱状であり、左右端面に上下方向に延在する第3ほぞ突状312及び第4ほぞ突状314が形成されている。
これら第3ほぞ突状312及び第4ほぞ突状314は、第1短辺部材286及び第2短辺部材288の向かい合う内面にそれぞれ形成した第3ほぞ溝316、第4ほぞ溝318にそれぞれスライド自在に嵌合してある。
したがって、コイン出口270は下側長辺284、上側長辺308、第1短辺292及び第2短辺294によって高さがコイン102の3倍、幅はコイン102の直径よりも僅かに大きいコイン出口270を構成している。
【0048】
移動可能長辺部材274の下向面322は、第1上向面306Aに対し平行をなすよう形成されている。
下側長辺284と相対する上側長辺308の中央部には球面の一部をなすように凹部324が形成されている。
凹部324に指先等を引っかけ、移動可能長辺部材274を第3ほぞ溝316及び第4ほぞ溝318に沿って僅かに移動させるためである。
したがって、凹部324はコインホッパ100の外面に露出している。
これにより、上向面306と下向面322で構成されるコイン出口270までの出口通路320は、コイン出口270に向かって拡開するラッパ形に形成される。
移動可能長辺部材274は、第3ほぞ突状312及び第4ほぞ突状314が第3ほぞ溝316、第4ほぞ溝318の下端に当接することにより、第1上向面306Aと下向面322との間隔がコイン102の厚みの二枚分未満の間隔で相対するよう設定してある。
また、第1上向面306Aと下向面322の払出通路196側の端面はコイン102が係止されないよう面取りしてある。
【0049】
次に弾性体276が説明される。
弾性体276は、移動可能長辺部材274を上向面306に所定の力で近づける機能を有する。
本実施例において弾性体276は、コイルスプリング326である。
コイルスプリング326は、移動可能長辺部材274の上面327と移動規制体278との間に介設されている。
これにより、移動可能長辺部材274は、第3ほぞ突状312及び第4ほぞ突状314の下端が固定部材272の第3ほぞ溝316、第4ほぞ溝318の周囲のストッパ面346に当接し、第1上向面306Aと下向面322との間隔がコイン102の厚みの二枚分未満の間隔で相対する稼働位置OP2に保持される。
【0050】
次に移動規制体278が説明される。
移動規制体278は、本実施例においては移動可能長辺部材274の最大移動範囲を規制する機能及び弾性体276を保持する機能を有する。
移動規制体278は、板金製のチャンネル形であって、上側長辺308と相対する長縁部332、長縁部332の左右端部に連続して長縁部332に対し直角をなす第1短縁部334及び第2短縁部336及び第1短縁部334、第2短縁部334から外方へ長縁部332と平行に延在する第1取付部338及び第2取付部340を有している。
移動規制体278は、第1取付部338及び第2取付部340を貫通するスクリュウ342、344により固定部材272と共にフレーム104に固定されている。
移動可能長辺部材274は、第1短縁部334及び第2短縁部336との間であって、固定部材272と長縁部332の下面との間に挿入された状態で、上向面306から離れる方向に移動可能に配置される。
したがって、移動可能長辺部材274は、スプリング326によって上向面306に近づくよう所定の力で付勢される。
これにより、移動可能長辺部材274は固定部材272に段状に形成されたストッパ346によってコイン102の厚みを超え二枚未満の距離に規制される。
この位置が移動可能長辺部材274の稼働位置OP2である。
移動可能長辺部材274の上面が長縁部332に係止された場合、前記した下向面322と上向面306Aとの距離はコイン102の厚みの約3倍の位置にて停止される(図13の状態)。
【0051】
次に移動可能長辺部材274の移動規制体352を説明する。
移動規制体352は移動可能長辺部材274の稼働時に移動できる範囲を規制する機能を有する。
移動規制体352は本実施例において、保留ボウル108の下端から出口270側へ底面195と平行に伸びるカバ353である。
すなわち、カバ353の下面は保留ボウル108がホッパベース106に装着された状態において、移動可能長辺部材274の第1被係止上面363に対し僅かな隙間、例えば0.5ミリ程度を有する。
したがって、移動可能長辺部材274は稼働位置OP2から0.5ミリ程度押し上げられることができる。
換言すれば、移動可能長辺部材274の下向面322は上向面306から0.5ミリ更に離れることができる(図13参照)。
0.5ミリであっても、ジャムしたコイン102が動ことができる場合、コインジャムの解消が可能である。
換言すれば、コインジャムがコイン出口通路320において生じた場合であっても、移動可能長辺部材274の移動によってコイン102間の圧接力が急激に低下し、コインが移動可能になることからコインジャムを解消できる。
この場合、コインの保留ボウル108を取り外さずともコインジャムを解消できる利点がある。
さらに、保留ボウル108をホッパベース106から取り外すことにより、移動可能長辺部材274はその第2被係止上面365が移動規制体278の長縁部332の下面によって移動を阻止されるまで移動することができる。
移動可能長辺部材274の更なる移動により、下向面322と上向面306との間隔がコイン102の厚みの6枚分程度に拡大されるため、ジャムしたコイン102間の接触力を急激に低減できるので、コインジャムを解消できる。
第1被係止上面363は、移動可能長辺部材274の出口270側端面から上向きに伸びる側壁の上面に形成され、第2被係止上面365は移動可能長辺部材274の反出口270側端面から上向きに伸びる側壁の上面に形成されている。
これにより、移動可能長辺部材274、移動規制体278及びカバー353とを巧みに組み合わせて移動規制体352を構成したので、安価に構成することができる。
【0052】
次に実施例の作用を説明する。
保留ボウル108がホッパベース106に固定された場合、移動可能長辺部材274はスプリング326の付勢力によってストッパ346によって係止され、稼働位置OP2に保持されている。
【0053】
コイン102の払出信号指示信号を受けた場合、モーター(図示せず)が回転し、図示しない減速機及び回転軸146を介して回転ディスク110が図4において時計方向に回転される。
回転ディスク110の回転により、コイン102は通孔160に落下し、第1押出部168により押されてその下面がガイド孔132の底部144上を滑り、かつ、周面は周壁150に案内されつつ規制体178に達する。
【0054】
コイン102は、規制体178によってガイド穴132の周方向に案内される。
このとき、規制体178には横方向から力が加わるが、規制体178は底部144に対しほぼ垂直状態を保つ。
【0055】
コイン102の回転ディスク110に対する周方向への移動により、コイン102は、第1ガイド186と第2ガイド188との間に達する。
コイン102は、第1押出部168によって、その後第2押出部170によってさらに周方向へ押され、かつ、第1ガイド186は固定であるので、第2ガイド188がコイン102によって図4の位置から右斜め上方へ移動される。
【0056】
これにより、揺動レバ216が固定軸214を中心に反時計方向へ回動される。
コイン102によって第2ガイド188が移動されるとき、揺動レバ216と一体にピボット運動する作用片230は、センサ244の投光部250からの投射光を遮るため、図15(A)に示すようにその出力は「H」から「L」に変化する。
また、邪魔部材266は第2レバ262を介して解放位置FPから邪魔位置OPへ移動される(図5)。
【0057】
コイン102は、その中心が第1ガイド186と第2ガイド188との間を通過した直後に付勢手段192によって第2ガイド188を介して弾き出され、払出通路196を通って出口270から払い出される。
これにより、第2ガイド188は待機位置SBに戻るので、邪魔部材266は連動して解放位置FPに戻る。
【0058】
したがって、第2ガイド188によって弾き出されたコイン102は邪魔部材266によって移動を阻止されることなく出口270から払い出される。
また、第2ガイド188の待機位置SBへの復帰動に連動して作用片230がセンサ244の検知域から外れるので、投光部250からの投射光が受光部252に受光されるようになる。
【0059】
これにより、センサ244の出力は図15(A)に示すように「L」から「H」に変化する。
この「L」から「H」への出力変化に基づいて検知信号出力手段246が検知信号DSを出力する(同(B))。
したがって、この検知信号DSをカウントすることにより出口270から払い出されたコイン102の数を計数することができる。
【0060】
次に第2ガイド188を棒状体により強制的に払出位置DPに移動させたケースを説明する。
この場合、第2ガイド188の移動に連動して邪魔部材266は邪魔位置OP2に保持される。
これによりコイン102は、払出通路196において邪魔部材266によって進行を阻止され、大凡、コイン102の後端がガイド孔132の外周に位置した状態で停止する。
回転ディスク110の継続する回転により、後続のコイン102は進行を阻止されたコイン102の後端によって案内され、規制体178を横方向に押す。
【0061】
この押動によって、規制体178は平面視ほぼ直交方向Dに働く大きな力を受ける(図5参照)。
これにより、規制体178は退避装置によって底面144の下方へ移動され、移動通路183から退避する。
【0062】
換言すれば、規制体178はコイン102の移動経路182から退出する。
これによって、コイン102は、規制体178に移動を阻止されず、回転ディスク110と共に回動される。
したがって、回転ディスク110の駆動モータ(図示せず)に過負荷を与えることがない利点を有する。
【0063】
また、第2ガイド188が払出位置DPに継続して保持されるので、作用片230は継続してセンサ244によって検知され続ける。
すなわち、図15(C)に示すようにセンサ244の出力は「L」のままであるから、検知信号DSが検知信号出力手段246から出力されることは無い。
換言すれば、コイン102が邪魔部材266によって払出を阻止されている場合、検知信号DSは出力されず、コイン102の払出の計数は行われない。
【0064】
第2ガイド188の継続保持を解除した場合、邪魔部材266によって移動を阻止されていたコイン102は付勢手段192による付勢力によって待機位置SBへ戻ろうとする第2ガイド188によって押される。
第2ガイド188の待機位置SBへの移動に連動して邪魔部材266は解放位置FPへ移動するため、前記コイン102は出口270から払い出される。
このとき、作用片230はセンサ244の投光部250からの投射光を遮断しなくなる。
【0065】
そのため、図15(C)において符号Eで示すように、センサ244の出力は「L」から「H」に変わる。
これにより、図15(D)に示すように検知信号出力手段246は検知信号DSを出力するので、検知信号DSはコイン102の払出数のカウントに用いられる。
したがって、コイン102が出口270から払い出される場合、必ず検知信号DSが出力されるため、カウントされずに払い出されるコイン102は存在しない。
換言すれば、コイン102の未カウント払い出しを防止することができる。
【0066】
次に払い出されたコイン102が投出口2706側から押し戻された場合の作用を説明する。
コイン出口270側からコイン102が押し戻された場合、後続のコイン102が払出装置114によって払い出されるので、コイン102の厚み二枚分以上の上向面306と下向面322との間で身動き出来なくなりコインジャムを生じる。
これにより、コイン102は払出通路196において身動き出来なくなり、結果として払出信号DSが所定時間連続して出力されないことを検知して電気モータが停止され、コイン102の払出が停止される(図12)。
【0067】
この状態において、第1被係止上面363とカバ353との間に僅かな隙間がある場合がある。
僅かに移動可能である場合、移動可能長辺部材274をドライバ等でその被係止上面363がカバ353の下面に阻止されるまで上方へ移動させる。
換言すれば、移動可能長辺部材274が通路規制ガイド194との間で僅かに移動可能である場合、移動可能長辺部材274を外面より移動させる。
これにより、コイン102の可動範囲が広がるのでコインジャムが解消できる場合がある。
【0068】
これによってコインジャムが解消しない場合、保留ヘッド108を取り外す。
これにより、移動可能長辺部材274の第2被係止上面365が移動規制体278の下面に当接されるまで移動可能である。
これにより移動可能長辺部材274の移動範囲はさらに拡大するので、コイン102の可動範囲が拡大し、コインジャムを解消できる。
この実施例によれば移動可能長辺部材274を移動させる構成であるので、構成簡単であり、安価に製造できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、本発明の実施例のコイン出口装置を備えたコインホッパの斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施例のコイン出口装置を備えたコインホッパの平面図である。
【図3】図3は、本発明の実施例のコイン出口装置を備えたコインホッパの保留ボウルを取り除き、かつコイン出口装置の分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明の実施例のコイン出口装置を備えたコインホッパのホッパベースの平面図である。
【図5】図5は、本発明の実施例のコイン出口装置を取り除いた払出装置部の拡大平面図である。
【図6】図6は、本発明の実施例のコイン出口装置を取り除いたコインホッパの払出装置部の拡大正面図である。
【図7】図7は、本発明の実施例のコイン出口装置を備えたコインホッパのホッパベースの拡大裏面図である。
【図8】図8は、図2におけるX―X線断面図である。
【図9】図8は、本発明の実施例のコイン出口装置の正面拡図である。
【図10】図10は、本発明の実施例のコイン出口装置部の拡大平面図ある。
【図11】図11は、図10におけるY―Y線断面図である。
【図12】図12は、本発明の実施例の作用説明用断面図(稼働位置)である。
【図13】図13は、本発明の実施例の作用説明用断面図(ジャム発生時)である。
【図14】図14は、本発明の実施例の作用説明用断面図(解除時)である。
【図15】図15は、本発明の実施例の作用説明用のタイミングチャート図である。
【符号の説明】
【0070】
108保留ボウル
102コイン
110回転ディスク
144底孔
196払出通路
286、288短辺部材
270出口
273、274長辺部材
278規制体
284下側長辺
326バネ
【技術分野】
【0001】
本発明は、コインを1個ずつ区分けして払い出すコインホッパにおけるコイン出口装置に関する。
詳しくは、払出通路に払い出されたコインが当該払出通路においてジャムした場合、容易に解消できるコイン出口装置に関する。
なお、本明細書で使用する「コイン」は、通貨であるコインの他、ゲーム機のメダルやトークン等の代用貨幣または類似のものを包含する。
【背景技術】
【0002】
コインホッパは例えばゲーム機に内蔵され、ゲームに入賞した場合、所定数のメダルを高速で払い出す。
この種装置における第1の従来技術として、底部に開口が形成され,
かつコインを貯留するコインホッパと、該コインホッパの底部の開口で回転円盤によりコインを外方に排出するコイン排出台とを備えてなるコイン払出し装置において、コインホッパとコイン排出台の接合境界面で両者の外方から両者に係合する排出ガイドを設け、該排出ガイドを介してコインホッパとコイン排出台を連結できるように構成したコイン払出し装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
第2の従来技術として、上部にメダル供給口を有し、下部にメダル排出口を有するホッパータンクと、このホッパータンクのメダル排出口に隣接し、メダルがはまり込む複数のメダル穴を有し、前記メダルを前記メダル排出口へ誘導するローターディスクと、このローターディスクを回転駆動することにより、遊技者に対してメダルを払い出すホッパーモータと、このホッパーモータを収容するホッパーシャーシとを備えた分割可能なホッパー装置であって、前記ホッパータンクとホッパーシャーシとは分割して取り外すことができ、前記ローターディスクは前記ホッパータンクに保持されていることを特徴とするホッパー装置が知られている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−141381(2頁〜4頁、図1〜図10)
【特許文献2】特許第3782043号(段落番号0016〜0085、図1〜図14)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の従来技術において、排出台とコインホッパとはそれらの接合境界面で両者の外方から両者に結合する係合具によって連結しているので、この係合具の取り外しだけで両者を分離できる。
具体的には、係合具はコインの出口が形成された排出ガイドによって構成されている。
このため、コイン詰まり等のトラブルに迅速対応が可能である。
しかし第1の従来技術においても、コインが排出ガイドの出口部で詰まった場合、排出ガイドを取り外すことができない場合があり、この解決が要望されていた。
【0006】
第2の従来技術においては、メダルがホッパー装置内で詰まった場合、ホッパー内のメダルを全て取りだした後、ホッパータンクを取り出す問題を解決することを目的とする。
そのため、ホッパータンクの底孔を回転ディスクで閉止し、ホッパーシャーシと分離してホッパータンクのみ着脱可能にしたものである。
第2の従来技術においても、ホッパータンクを取り外さねばならず、作業が煩雑である問題がある。
【0007】
本発明の第1の目的は、コインの出口においてコインがジャムした場合、保留ボウルを取り外さずともジャム解消が可能なコインホッパの出口装置を提供することである。
本発明の第2の目的は、第1の目的を達成できるコインホッパの出口装置を安価に提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するため本発明のコインホッパの出口装置は、以下のように構成されている。
保留ボウル内にバラ積み状態で保留したコインを前記保留ボウルの底孔に配置した回転ディスクによって一枚ずつ区分けして前記回転ディスクの法線方向に延在する扁平な払出通路に送り出した後、その横長矩形の出口から送り出すようにしたコインホッパにおいて、前記出口は、横長矩形の長辺を構成する長辺部材のうち少なくとも一方の長辺部材が他方の長辺部材に対して離れる方向に移動可能に設けられ、前記移動可能に設けられた長辺部材は前記コインの厚み2枚未満の稼働時位置及び2枚以上の解除位置との間を移動可能であると共に、弾性体によって前記稼働位置に所定の力で静止され、前記移動可能長辺部材は装置外面に露出して外面からの操作により前記解除位置へ移動可能であることを特徴とするコインホッパのコイン出口装置である。
【0009】
更に本発明のコインホッパのコイン出口装置は、前記移動可能長辺部材は四角柱状であり、前記他方の長辺部材は他方の長辺を構成する下側長辺及びその両端に配置された短辺部材を有する固定部材、前記移動可能長辺部材を前記固定長辺に向かって付勢するバネ及び前記移動可能長辺部材の移動を規制する門形の規制体を含み、前記移動可能長辺部材は前記固定部材の短辺部材により構成した移動規制体により前記解除位置に移動可能であり、また前記規制体と前記移動可能長辺部材との間に配置された前記バネによって前記固定長辺に向かって所定の力で付勢されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
この構成によれば、高さは対面する長辺によりコインの厚みよりも僅かに大きく、また幅は対面する短辺によりコインの直径よりも僅かに大きい扁平矩形にコインの出口が形成される。
これにより、コインは一枚ずつ出口から払い出され、出口から器具を挿入することによる不正を抑制することができる。
そして、稼働時は出口を構成する長辺の少なくとも一方は対面する長辺間が広がる方向に微量に移動可能である。
したがって、コインが出口おいて詰まって身動き出来なくなり、コインジャムが発生した場合、移動可能長辺部材を外面から微量に移動させることにより、他方の長辺部材から僅かに離すことができる。
これにより、コイン間の密着度が軽減するためコインジャムを解消することができる。
【0011】
また、コイン出口装置は、前記移動可能長辺部材が四角柱状であり、前記他方の長辺部材が他方の長辺を構成する下側長辺及びその両端に配置された短辺部材を有する固定部材、前記移動可能長辺部材を固定短辺に向かって付勢するバネ及び前記移動可能長辺部材の移動を規制する門形の規制体を含み、前記移動可能長辺部材は前記固定部材の短辺部材により構成した移動規制体により前記長辺が接近及び離隔方向に移動可能であり、また前記規制体と前記移動可能長辺部材との間に配置された前記バネによって前記固定長辺に向かって付勢されると共に離れる方向の移動を規制される構成であるので、コイン出口装置の構成部品は四部品であり、さらに構造簡単であるので安価に構成できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のコインホッパのコイン出口装置は、保留ボウル内にバラ積み状態で保留したコインを前記保留ボウルの底孔に配置した回転ディスクによって一枚ずつ区分けして前記回転ディスクの法線方向に延在する扁平な払出通路に送り出した後、その横長矩形の出口から送り出すようにしたコインホッパにおいて、前記出口は、横長矩形の長辺を構成する長辺部材のうち少なくとも一方の長辺部材が他方の長辺部材に対して離れる方向に移動可能に設けられ、前記移動可能に設けられた長辺部材は前記コインの厚み2枚未満の稼働時位置及び2枚以上の解除位置との間を移動可能であると共に、弾性体によって前記稼働位置に所定の力で静止され、前記移動可能長辺部材は装置外面に露出して外面からの操作により前記解除位置へ移動可能であることを特徴とするコインホッパのコイン出口装置であり、前記移動可能長辺部材は四角柱状であり、前記他方の長辺部材は他方の長辺を構成する下側長辺及びその両端に配置された短辺部材を有する固定部材、前記移動可能長辺部材を固定短辺に向かって付勢するバネ及び前記移動可能長辺部材の移動を規制する門形の規制体を含み、前記移動可能長辺部材は前記固定部材の短辺部材により構成した移動規制体により前記長辺が接近及び離隔方向に移動可能であり、また前記規制体と前記移動可能長辺部材との間に配置された前記バネによって前記固定長辺に向かって付勢されると共に離れる方向の移動を規制されることを特徴とするものである。
【実施例】
【0013】
コインホッパ100は、バラ積み状態で保留された円板形のコイン102を一つずつ払い出す機能を有する。
コインホッパ100は、少なくともフレーム104、ホッパベース106、保留ボウル108、回転ディスク110、コイン102の周方向案内装置112、払出装置114、コイン通過検知装置116、不正防止装置118及びコイン出口装置120を含んでいる。
【0014】
まずフレーム104が図1を参照して説明される。
フレーム104はホッパベース106及び保留ボウル108を支持する機能を有し、樹脂で射出成型された矩形の筒状をしている。
フレーム104は、ベース122、及び、ベース122に固定された矩形筒形のサポート部124を含んでいる。
サポート部124の中空部には、制御基板や回転ディスク110の駆動のための電気モータが配置され、頭部126は斜めに形成されている。
【0015】
次にホッパベース106を図4を参照して説明する。
ホッパベース106は、保留ボウル108、回転ディスク110、周方向案内装置112、払出装置114、コイン通過検知装置116及び不正防止装置118を所定の位置に保持する機能、及び、回転ディスク110によって移動されるコイン102を案内する機能を有する。
ホッパベース106は、矩形の厚板状を呈し、サポート部124の頂部に固定されている。
換言すれば、ホッパベース106は、所定の角度で傾斜している。
【0016】
図4に示すように、ホッパベース106は上面130の中央に位置する有底かつ円形のガイド穴132、上下端部に形成した保留ボウル108の第1取付部134A、134B、ガイド穴132の周面の一部を開口した払出開口138、コイン通過検知装置116の取付部140(図7参照)及び周方向案内装置112の取付部(図示せず)を含んでいる。
ガイド穴132の底部144は、大凡平面であり、中央に、回転ディスク110を取り付ける回転軸146が貫通する軸孔(図示せず)が形成されている。
【0017】
回転ディスク110の下面に突設した押動突起148によって押動されるコイン102は、その下面が底部144上を滑りつつ、かつ、その周面がガイド穴132の周壁150に案内されつつ移動する。
第1取付部134A、134Bに保留ボウル108の下部に形成した係止部(図示せず)を係止すると共に保留ボウル106の下端部に形成した板状のストッパプレート136(図1参照)をサポート部124の上部背面にあてがうことにより、保留ボウル108を簡単操作でホッパベース106に取付け及び取外しできるようにロック装置137によって固定されている。
払出開口138に臨んで後述の払出装置114が配置されている。
【0018】
次に、保留ボウル108が図1及び図2を参照して説明される。
保留ボウル108は、コイン102をバラ済み状態に貯留する機能を有する。
保留ボウル108の下端部152は、ガイド穴132とほぼ同一径の円筒状であって、ホッパベース106に対し直交方向に延びている。
換言すれば、下端部152は斜め上方に向かって伸びており、その上端部は四角形状に拡大する貯留部154が形成され、上端はコイン投入開口156になっている。
保留ボウル108の貯留部154と下端部152は傾斜壁157によって接続され、その上に乗ったコイン102は、重力によって自然滑落し、下方の回転ディスク110上に落下する。
【0019】
次に回転ディスク110が図4を参照して説明される。
回転ディスク110が回転体である。
回転ディスク110は、バラ積み状態に保留ボウル108に保留されるコイン102を一つずつ区分けし、払出装置114に送り出す機能を有する。
ガイド孔132内に円盤状の回転ディスク110が配置されている。
【0020】
回転ディスク110は、図示しない電気モータによって減速機を介して図4において時計方向に回転駆動される。
回転ディスク110には、等間隔に円形の通孔160が形成され、通孔160の上面側は、下向き錐形の導入部162が形成されている。
また、中央部には円錐形であって、かつ、回転軸146を取付ける中央凸部164が形成されている。
回転ディスク110は、ガイド穴132内にその周面が周壁150に対し僅かな隙間を空けて配置されている。
【0021】
回転ディスク110の通孔160を区画するリブ166の裏面には、コイン102を押し出すための押動突起148が下向きに突出形成されている。
押動突起148は、第1押出部168及び第2押出部170を含み、通孔160のそれぞれに相対して形成されている。
第1押出部168及び第2押出部170の第1押出し面172、及び第2押出面174は、回転ディスク110の中心部から伸びるインボリュート曲線上に位置している。
第1押出部168と第2押出部170との間には、後述の規制体178通過のための隙間176が形成されている。
【0022】
次に、周方向案内装置112が図4を参照して説明される。
周方向案内装置112は、第1押出面172、第2押出面174によって押動されるコイン102を、回転ディスク110の周方向に案内し、払出開口138に誘導する機能を有する。
具体的には、図4に示すようにホッパベース106を下側から上側に貫通し、回転ディスク110に向かって伸びる円柱ピン状の規制体178が配置されている。
換言すれば、規制体178はコイン102の移動経路182に突出している。
【0023】
規制体178は、ホッパベース106の裏面に取り付けた退避装置(図示せず)に取り付けられている。
なお、規制体178は、上記機能を満足すれば、二本以上であってもよい。
また、規制体178を用いずともコイン102が払出開口138に移動する場合、それらを配置する必要はない。
換言すれば、回転ディスク110の直径が大きく、第1押出部168及び第2押出部170によってのみでコイン102を回転ディスク110の周方向へ誘導できる場合、規制体178を配置する必要は無い。
【0024】
退避装置は、規制体178がコイン102から所定の横方向の力を受けた場合、規制体178を底穴144に形成した貫通孔内に退避させ、コイン102が回転ディスク110と共に移動できるようにする機能を有する。
退避装置は公知の所定の機構を採用することができる。
【0025】
次に払出開口138が図5を参照して説明される。
払出開口138は、底部144と同一平面内に位置する払出通路底部195、及び第1側壁198及び第2側壁200により断面矩形の溝状を呈している。
この溝状の払出開口138に払出装置114が配置されている。
【0026】
次に払出装置114が図4、図5及び図7を参照して説明される。
払出装置114は、回転ディスク110によって一枚ずつ区分けされて送り出されるコイン102をひとつずつ出口270へ向かって弾き出す機能を有する。
払出装置114は、第1ガイド186、第2ガイド188、付勢手段192及び通路規制ガイド194により画定される払出通路196を含んでいる。
【0027】
まず、第1ガイド186を説明する。
第1ガイド186は、コイン102が通過する払出通路196の一側壁を形成し、コイン102を所定の位置に案内する機能を有する。
第1ガイド186は、アングル形のプレート199であり、底部144の上面にスクリュー202によって固定される。
第1ガイド186は、プレート199のラウンド状に形成された折曲部によって構成される。
プレート199のガイド穴132側の第1側面204は大半径の弧状に形成され、ガイド穴132の一部を構成している。
第2側面206は、第1側壁198であり、払出通路196の一側面を構成する。
本実施例において第1ガイド186はプレート196であるが、固定軸に回転自在に取り付けたローラに変更することができる。
【0028】
次に、第2ガイド188を説明する。
第2ガイド188は、第1ガイド186との間に挟んだコイン102を弾き出す機能を有している。
第2ガイド188は、回転ディスク110及び第1ガイド186の側方に配置され、払出通路196の一側壁を構成している。
【0029】
第2ガイド188は、ホッパベース106の裏面側に固定された固定軸214にピボット運動可能に取り付けられた揺動レバ216の一端部に固定された支軸218に回転自在に取り付けられたローラ220である。
支軸218とホッパベース106の裏面に固定したピン222との間に付勢手段192、具体的にはスプリング224が掛止され、揺動レバ216を第1ガイド186に近づくよう付勢している。
【0030】
付勢手段192は、第2ガイド188を第1ガイド186に弾性的に近づける機能を有している。
通常、揺動レバ216は一体に形成された被係止部226がホッパベースの裏面に固定された弾性的な係止部228によって係止されることにより、第1ガイド186に対しコイン102の直径よりも小さい間隔で停止され、待機位置SB(図5参照)において静止している。
弾性的な係止部228を用いた場合、揺動レバ216が当接したときの打撃音を低減し、また、揺動レバ216の跳ね返りを防止することができる利点がある。
【0031】
コイン102が第1ガイド186と第2ガイド188との間に移動し、それらの最短距離にコイン102の直径部が位置し、第2ガイド188が払出位置DP(図5鎖線示)に移動された後、付勢手段192の弾発力でコイン102を弾き出す。
なお、第2ガイド188は揺動レバ216によってピボット運動を行うが、直線運動により第1ガイド186に対し接近、離隔するよう変更することができる。
また、付勢手段192は、スプリングの他、電磁アクチュエータ、空気アクチュエータ等同様の機能を有する装置に変更することができる。
第2ガイド188は、第1ガイド186と同様に非回転のガイドにすることができる。
【0032】
次に通路規制ガイド194が図6、8及び図12〜14を参照して説明される。
通路規制ガイド194は、払出通路196の上側を画定する機能を有し、ホッパベース106に固定された平板である。
したがって、払出通路196は底面195、第1側壁198、第2側壁200及び通路規制ガイド194により囲われた断面矩形の扁平通路である。
【0033】
次にコイン通過検知装置116が図7を参照して説明される。
コイン通過検知装置116は、コイン102による第2ガイド188の移動を直接的又は間接的に検知して検知信号を出力する機能を有する。
本実施例のコイン通過検知装置116は、第2ガイド188、第2ガイド188を支持する揺動レバ216、揺動レバ216に連動して移動する作用片230、及び作用片230の検知手段232を含んでいる。
【0034】
作用片230は、揺動レバ216と一体に形成された腕236の先端部に形成され、固定軸214を中心とする円弧上に位置する被検知部238である。
図7に示すように、ホッパベース106の裏面側に位置する揺動レバ216に対しほぼ直角をなして一体に腕236が固定されている。
【0035】
検知手段232は、被検知部238を検知した場合、オン又はオフの電気的な検知信号DSを出力する機能を有する。
実施例の検知手段232は、センサ244及び検知信号出力手段246を含んでいる。
センサ244は、門形の支柱248の一方に投光部250を配置し、他方の支柱に前記投光部250に相対して配置した受光部252を有する透過式光電センサである。
センサ244は、ホッパベース106の裏面側にブラケット256を介して固定されている。
【0036】
したがって、本実施例においてセンサ244はサポート部124で囲われたホッパベース106の下方に位置するので、センサ244に外部から不正にアクセスすることが極めて困難である。
コイン102によって第2ガイド188が払出位置DP(図5鎖線示参照)へ移動された場合、被検知部238が投光部250から受光部252への投射光を遮断する。
この遮断によって、センサ244の出力は「H」から「L」になる。
第2ガイド188が払出位置DPから待機位置SBへ位置する場合、被検知部238が投光部250と受光部252の間から外れるので、光電センサ244の出力は「L」から「H」になる。
【0037】
検知信号出力手段246は、センサ244の出力が「L」から「H」に変化したときに検知信号DSを出力する。
この検知信号DSをカウントすることにより、払い出したコイン102の数を知ることができる。
したがって、検知手段232は、同様の機能を有する他の方式に変更することができ、センサ244は反射式光電センサ、金属センサ等他のセンサに変更することができる。
【0038】
さらに、揺動レバ216またはローラ220の移動を直接検知することによりコイン通過検知装置116を構成することができる。
また、検知手段232は検知信号出力手段246を設けることなく、センサ244の立ち上がり信号を検知することによっても代用することができる。
【0039】
次に不正防止装置118が図5及び図7を参照して説明される。
不正防止装置118は、第2ガイド188が外部から払出位置DPに移動された場合、コイン通過検知装置116が検知信号DSを出力することなくコイン102のみが払い出されることを防止する機能を有する。
不正防止装置118は、第2ガイド188に連動して払出装置114よりも下流の払出通路196において移動する邪魔手段260である。
本実施例において、邪魔手段260は揺動レバ216に対し固定軸214の反対側に伸びる第2レバ262の端部に固定した第2支軸264に取り付けた邪魔部材266である。
【0040】
邪魔部材266は、第2支軸264に対し回転自在に取り付けたローラ268であることが、耐久性等の面で好ましいが、ポール状の固定邪魔片に代えることができる。
邪魔部材266は、ホッパベース106に形成された凹部270を貫通して払出通路196に突出する。
第2ガイド188が待機位置SBに位置する場合、邪魔部材266は第1ガイド186の第1側壁198との間隔がコイン102の直径以上離れた解放位置FPに位置する。
【0041】
このとき作用片230は、投光部250からの投射光を遮る位置にある。
第2ガイド188が払出位置DPに位置する場合、邪魔部材266は第1ガイド186の第1側壁198との間隔がコイン102の直径以下になる邪魔位置OPに移動する。
したがって、コイン102が邪魔部材266と第1側壁198との間を通過する場合、邪魔部材266は解放位置FPへ移動される。
【0042】
邪魔部材266が解放位置FPに移動された場合、第2ガイド188は待機位置SBへ移動するので、作用片230は前記検知位置から非検知位置に移動する。
したがって、検知手段232の出力は「L」から「H」に変わるため、検知信号出力手段246は検知信号DSを出力する。
換言すれば、コイン102が出口270から払い出される場合、邪魔部材266が邪魔位置OPから解放位置FPに移動されるため、検知信号DSが検知信号出力手段246から出力される。
【0043】
次にコイン出口装置120が図3及び図9〜11を参照して説明する。
コイン出口装置120は、払出通路196に払い出されたコイン102をコイン出口270に案内する機能及びコイン出口270から挿入した器具によって第2ガイド188を不正に操作されないようにする機能、及び出口270においてジャムしたコインを容易に解除できるようにする機能を有する。
しかし、出口270においてジャムしたコインを容易に解除できるようにする機能が最も重要である。他の機能は、別装置等により解決可能であるが、出口通路におけるコインジャムは、コイン出口装置120によってのみ解除可能であるからである。
本実施例のコイン出口装置120は、固定部材272、移動可能長辺部材274、弾性体276及び移動規制体278を備えている。
【0044】
まず固定部材272が説明される。
固定部材272は、本実施例においてコイン出口270の一方の長辺284及びその長辺の左右に位置する第1短辺292、第2短辺294を画定する機能を有する。したがって、固定部材272は長辺部材273を兼用する。
本実施例において、固定部材272は矩形箱形であり、フレーム104に形成された矩形凹部275に嵌合された後固定されるが、フレーム104と一体に成型することもできる。
【0045】
固定部材272は、全体として矩形箱形であり、上端部に矩形凹状の出口形成凹部282が形成されている。
出口形成凹部282は、コイン出口270の下側長辺284、当該下側長辺284の両側から下側長辺284に対し直角に上方へ突出する第1短辺部材286及び第2短辺部材288の側面である第1短辺292及び第2短辺294により構成されている。
図10に示すように、固定部材272はその側面にそれぞれ形成された第1突条296及び第2突状298を有する。
出口形成凹部282の左右側壁にそれぞれ上下方向に延在する第1ほぞ溝302、第2ほぞ溝304が形成れている。
【0046】
前記第1突条296及び第2突状298は、対応する第1ほぞ溝302又は第2ほぞ溝304に上下方向に移動自在に嵌合されている。
固定部材272の下端が矩形凹部275の底に密接してセットされた場合、下側長辺284を構成する上向き面306は、払出通路196の底面195と同一平面内に位置するよう設定され、この位置において後述のように固定される。
上向き面306は図12に示すように、底面195側端部が底面195と面一になるように形成された第1上向面306Aと、その第1上向面306Aに連続してコイン出口270の下側長辺284に接続し、コイン出口270に向かって小角度の下向きに形成された第2上向面306Bとにより構成されている。
第2上向面306Bが下向きに傾斜しているのは、コイン出口270においてコインジャムを生じやすくするためである。
【0047】
次に移動可能長辺部材274を説明する。
移動可能長辺部材274はコイン出口270の上側長辺308を画定する機能を有する。
移動可能長辺部材274は四角柱状であり、左右端面に上下方向に延在する第3ほぞ突状312及び第4ほぞ突状314が形成されている。
これら第3ほぞ突状312及び第4ほぞ突状314は、第1短辺部材286及び第2短辺部材288の向かい合う内面にそれぞれ形成した第3ほぞ溝316、第4ほぞ溝318にそれぞれスライド自在に嵌合してある。
したがって、コイン出口270は下側長辺284、上側長辺308、第1短辺292及び第2短辺294によって高さがコイン102の3倍、幅はコイン102の直径よりも僅かに大きいコイン出口270を構成している。
【0048】
移動可能長辺部材274の下向面322は、第1上向面306Aに対し平行をなすよう形成されている。
下側長辺284と相対する上側長辺308の中央部には球面の一部をなすように凹部324が形成されている。
凹部324に指先等を引っかけ、移動可能長辺部材274を第3ほぞ溝316及び第4ほぞ溝318に沿って僅かに移動させるためである。
したがって、凹部324はコインホッパ100の外面に露出している。
これにより、上向面306と下向面322で構成されるコイン出口270までの出口通路320は、コイン出口270に向かって拡開するラッパ形に形成される。
移動可能長辺部材274は、第3ほぞ突状312及び第4ほぞ突状314が第3ほぞ溝316、第4ほぞ溝318の下端に当接することにより、第1上向面306Aと下向面322との間隔がコイン102の厚みの二枚分未満の間隔で相対するよう設定してある。
また、第1上向面306Aと下向面322の払出通路196側の端面はコイン102が係止されないよう面取りしてある。
【0049】
次に弾性体276が説明される。
弾性体276は、移動可能長辺部材274を上向面306に所定の力で近づける機能を有する。
本実施例において弾性体276は、コイルスプリング326である。
コイルスプリング326は、移動可能長辺部材274の上面327と移動規制体278との間に介設されている。
これにより、移動可能長辺部材274は、第3ほぞ突状312及び第4ほぞ突状314の下端が固定部材272の第3ほぞ溝316、第4ほぞ溝318の周囲のストッパ面346に当接し、第1上向面306Aと下向面322との間隔がコイン102の厚みの二枚分未満の間隔で相対する稼働位置OP2に保持される。
【0050】
次に移動規制体278が説明される。
移動規制体278は、本実施例においては移動可能長辺部材274の最大移動範囲を規制する機能及び弾性体276を保持する機能を有する。
移動規制体278は、板金製のチャンネル形であって、上側長辺308と相対する長縁部332、長縁部332の左右端部に連続して長縁部332に対し直角をなす第1短縁部334及び第2短縁部336及び第1短縁部334、第2短縁部334から外方へ長縁部332と平行に延在する第1取付部338及び第2取付部340を有している。
移動規制体278は、第1取付部338及び第2取付部340を貫通するスクリュウ342、344により固定部材272と共にフレーム104に固定されている。
移動可能長辺部材274は、第1短縁部334及び第2短縁部336との間であって、固定部材272と長縁部332の下面との間に挿入された状態で、上向面306から離れる方向に移動可能に配置される。
したがって、移動可能長辺部材274は、スプリング326によって上向面306に近づくよう所定の力で付勢される。
これにより、移動可能長辺部材274は固定部材272に段状に形成されたストッパ346によってコイン102の厚みを超え二枚未満の距離に規制される。
この位置が移動可能長辺部材274の稼働位置OP2である。
移動可能長辺部材274の上面が長縁部332に係止された場合、前記した下向面322と上向面306Aとの距離はコイン102の厚みの約3倍の位置にて停止される(図13の状態)。
【0051】
次に移動可能長辺部材274の移動規制体352を説明する。
移動規制体352は移動可能長辺部材274の稼働時に移動できる範囲を規制する機能を有する。
移動規制体352は本実施例において、保留ボウル108の下端から出口270側へ底面195と平行に伸びるカバ353である。
すなわち、カバ353の下面は保留ボウル108がホッパベース106に装着された状態において、移動可能長辺部材274の第1被係止上面363に対し僅かな隙間、例えば0.5ミリ程度を有する。
したがって、移動可能長辺部材274は稼働位置OP2から0.5ミリ程度押し上げられることができる。
換言すれば、移動可能長辺部材274の下向面322は上向面306から0.5ミリ更に離れることができる(図13参照)。
0.5ミリであっても、ジャムしたコイン102が動ことができる場合、コインジャムの解消が可能である。
換言すれば、コインジャムがコイン出口通路320において生じた場合であっても、移動可能長辺部材274の移動によってコイン102間の圧接力が急激に低下し、コインが移動可能になることからコインジャムを解消できる。
この場合、コインの保留ボウル108を取り外さずともコインジャムを解消できる利点がある。
さらに、保留ボウル108をホッパベース106から取り外すことにより、移動可能長辺部材274はその第2被係止上面365が移動規制体278の長縁部332の下面によって移動を阻止されるまで移動することができる。
移動可能長辺部材274の更なる移動により、下向面322と上向面306との間隔がコイン102の厚みの6枚分程度に拡大されるため、ジャムしたコイン102間の接触力を急激に低減できるので、コインジャムを解消できる。
第1被係止上面363は、移動可能長辺部材274の出口270側端面から上向きに伸びる側壁の上面に形成され、第2被係止上面365は移動可能長辺部材274の反出口270側端面から上向きに伸びる側壁の上面に形成されている。
これにより、移動可能長辺部材274、移動規制体278及びカバー353とを巧みに組み合わせて移動規制体352を構成したので、安価に構成することができる。
【0052】
次に実施例の作用を説明する。
保留ボウル108がホッパベース106に固定された場合、移動可能長辺部材274はスプリング326の付勢力によってストッパ346によって係止され、稼働位置OP2に保持されている。
【0053】
コイン102の払出信号指示信号を受けた場合、モーター(図示せず)が回転し、図示しない減速機及び回転軸146を介して回転ディスク110が図4において時計方向に回転される。
回転ディスク110の回転により、コイン102は通孔160に落下し、第1押出部168により押されてその下面がガイド孔132の底部144上を滑り、かつ、周面は周壁150に案内されつつ規制体178に達する。
【0054】
コイン102は、規制体178によってガイド穴132の周方向に案内される。
このとき、規制体178には横方向から力が加わるが、規制体178は底部144に対しほぼ垂直状態を保つ。
【0055】
コイン102の回転ディスク110に対する周方向への移動により、コイン102は、第1ガイド186と第2ガイド188との間に達する。
コイン102は、第1押出部168によって、その後第2押出部170によってさらに周方向へ押され、かつ、第1ガイド186は固定であるので、第2ガイド188がコイン102によって図4の位置から右斜め上方へ移動される。
【0056】
これにより、揺動レバ216が固定軸214を中心に反時計方向へ回動される。
コイン102によって第2ガイド188が移動されるとき、揺動レバ216と一体にピボット運動する作用片230は、センサ244の投光部250からの投射光を遮るため、図15(A)に示すようにその出力は「H」から「L」に変化する。
また、邪魔部材266は第2レバ262を介して解放位置FPから邪魔位置OPへ移動される(図5)。
【0057】
コイン102は、その中心が第1ガイド186と第2ガイド188との間を通過した直後に付勢手段192によって第2ガイド188を介して弾き出され、払出通路196を通って出口270から払い出される。
これにより、第2ガイド188は待機位置SBに戻るので、邪魔部材266は連動して解放位置FPに戻る。
【0058】
したがって、第2ガイド188によって弾き出されたコイン102は邪魔部材266によって移動を阻止されることなく出口270から払い出される。
また、第2ガイド188の待機位置SBへの復帰動に連動して作用片230がセンサ244の検知域から外れるので、投光部250からの投射光が受光部252に受光されるようになる。
【0059】
これにより、センサ244の出力は図15(A)に示すように「L」から「H」に変化する。
この「L」から「H」への出力変化に基づいて検知信号出力手段246が検知信号DSを出力する(同(B))。
したがって、この検知信号DSをカウントすることにより出口270から払い出されたコイン102の数を計数することができる。
【0060】
次に第2ガイド188を棒状体により強制的に払出位置DPに移動させたケースを説明する。
この場合、第2ガイド188の移動に連動して邪魔部材266は邪魔位置OP2に保持される。
これによりコイン102は、払出通路196において邪魔部材266によって進行を阻止され、大凡、コイン102の後端がガイド孔132の外周に位置した状態で停止する。
回転ディスク110の継続する回転により、後続のコイン102は進行を阻止されたコイン102の後端によって案内され、規制体178を横方向に押す。
【0061】
この押動によって、規制体178は平面視ほぼ直交方向Dに働く大きな力を受ける(図5参照)。
これにより、規制体178は退避装置によって底面144の下方へ移動され、移動通路183から退避する。
【0062】
換言すれば、規制体178はコイン102の移動経路182から退出する。
これによって、コイン102は、規制体178に移動を阻止されず、回転ディスク110と共に回動される。
したがって、回転ディスク110の駆動モータ(図示せず)に過負荷を与えることがない利点を有する。
【0063】
また、第2ガイド188が払出位置DPに継続して保持されるので、作用片230は継続してセンサ244によって検知され続ける。
すなわち、図15(C)に示すようにセンサ244の出力は「L」のままであるから、検知信号DSが検知信号出力手段246から出力されることは無い。
換言すれば、コイン102が邪魔部材266によって払出を阻止されている場合、検知信号DSは出力されず、コイン102の払出の計数は行われない。
【0064】
第2ガイド188の継続保持を解除した場合、邪魔部材266によって移動を阻止されていたコイン102は付勢手段192による付勢力によって待機位置SBへ戻ろうとする第2ガイド188によって押される。
第2ガイド188の待機位置SBへの移動に連動して邪魔部材266は解放位置FPへ移動するため、前記コイン102は出口270から払い出される。
このとき、作用片230はセンサ244の投光部250からの投射光を遮断しなくなる。
【0065】
そのため、図15(C)において符号Eで示すように、センサ244の出力は「L」から「H」に変わる。
これにより、図15(D)に示すように検知信号出力手段246は検知信号DSを出力するので、検知信号DSはコイン102の払出数のカウントに用いられる。
したがって、コイン102が出口270から払い出される場合、必ず検知信号DSが出力されるため、カウントされずに払い出されるコイン102は存在しない。
換言すれば、コイン102の未カウント払い出しを防止することができる。
【0066】
次に払い出されたコイン102が投出口2706側から押し戻された場合の作用を説明する。
コイン出口270側からコイン102が押し戻された場合、後続のコイン102が払出装置114によって払い出されるので、コイン102の厚み二枚分以上の上向面306と下向面322との間で身動き出来なくなりコインジャムを生じる。
これにより、コイン102は払出通路196において身動き出来なくなり、結果として払出信号DSが所定時間連続して出力されないことを検知して電気モータが停止され、コイン102の払出が停止される(図12)。
【0067】
この状態において、第1被係止上面363とカバ353との間に僅かな隙間がある場合がある。
僅かに移動可能である場合、移動可能長辺部材274をドライバ等でその被係止上面363がカバ353の下面に阻止されるまで上方へ移動させる。
換言すれば、移動可能長辺部材274が通路規制ガイド194との間で僅かに移動可能である場合、移動可能長辺部材274を外面より移動させる。
これにより、コイン102の可動範囲が広がるのでコインジャムが解消できる場合がある。
【0068】
これによってコインジャムが解消しない場合、保留ヘッド108を取り外す。
これにより、移動可能長辺部材274の第2被係止上面365が移動規制体278の下面に当接されるまで移動可能である。
これにより移動可能長辺部材274の移動範囲はさらに拡大するので、コイン102の可動範囲が拡大し、コインジャムを解消できる。
この実施例によれば移動可能長辺部材274を移動させる構成であるので、構成簡単であり、安価に製造できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、本発明の実施例のコイン出口装置を備えたコインホッパの斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施例のコイン出口装置を備えたコインホッパの平面図である。
【図3】図3は、本発明の実施例のコイン出口装置を備えたコインホッパの保留ボウルを取り除き、かつコイン出口装置の分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明の実施例のコイン出口装置を備えたコインホッパのホッパベースの平面図である。
【図5】図5は、本発明の実施例のコイン出口装置を取り除いた払出装置部の拡大平面図である。
【図6】図6は、本発明の実施例のコイン出口装置を取り除いたコインホッパの払出装置部の拡大正面図である。
【図7】図7は、本発明の実施例のコイン出口装置を備えたコインホッパのホッパベースの拡大裏面図である。
【図8】図8は、図2におけるX―X線断面図である。
【図9】図8は、本発明の実施例のコイン出口装置の正面拡図である。
【図10】図10は、本発明の実施例のコイン出口装置部の拡大平面図ある。
【図11】図11は、図10におけるY―Y線断面図である。
【図12】図12は、本発明の実施例の作用説明用断面図(稼働位置)である。
【図13】図13は、本発明の実施例の作用説明用断面図(ジャム発生時)である。
【図14】図14は、本発明の実施例の作用説明用断面図(解除時)である。
【図15】図15は、本発明の実施例の作用説明用のタイミングチャート図である。
【符号の説明】
【0070】
108保留ボウル
102コイン
110回転ディスク
144底孔
196払出通路
286、288短辺部材
270出口
273、274長辺部材
278規制体
284下側長辺
326バネ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保留ボウル(108)内にバラ積み状態で保留したコイン(102)を前記保留ボウルの底孔(144)に配置した回転ディスク(110)によって一枚ずつ区分けして前記回転ディスクの法線方向に延在する扁平な払出通路(196)に送り出した後、その横長矩形の出口(270)から送り出すようにしたコインホッパにおいて、
前記出口は、横長矩形の長辺を構成する長辺部材(273、274)のうち少なくとも一方の長辺部材が他方の長辺部材に対して離れる方向に移動可能に設けられ、
前記移動可能に設けられた長辺部材(274)は前記コインの厚み2枚未満の稼働時位置及び2枚以上の解除位置との間を移動可能であると共に、弾性体(276)によって前記稼働位置に所定の力で静止され、前記移動可能長辺部材は装置外面に露出して外面からの操作により前記解除位置へ移動可能であることを特徴とするコインホッパのコイン出口装置。
【請求項2】
請求項1のコインホッパのコイン出口装置において、前記移動可能長辺部材は四角柱状であり、前記他方の長辺部材は他方の長辺を構成する下側長辺(284)及びその両端に配置された短辺部材(286、288)を有する固定部材(272)、前記移動可能長辺部材を前記固定長辺(284)に向かって付勢するバネ(326)及び前記移動可能長辺部材の移動を規制する門形の規制体(278)を含み、前記移動可能長辺部材は前記固定部材の短辺部材により構成した移動規制体(362)により前記解除位置に移動可能であり、また前記規制体と前記移動可能長辺部材との間に配置された前記バネによって前記固定長辺に向かって所定の力で付勢されることを特徴とする。
【請求項1】
保留ボウル(108)内にバラ積み状態で保留したコイン(102)を前記保留ボウルの底孔(144)に配置した回転ディスク(110)によって一枚ずつ区分けして前記回転ディスクの法線方向に延在する扁平な払出通路(196)に送り出した後、その横長矩形の出口(270)から送り出すようにしたコインホッパにおいて、
前記出口は、横長矩形の長辺を構成する長辺部材(273、274)のうち少なくとも一方の長辺部材が他方の長辺部材に対して離れる方向に移動可能に設けられ、
前記移動可能に設けられた長辺部材(274)は前記コインの厚み2枚未満の稼働時位置及び2枚以上の解除位置との間を移動可能であると共に、弾性体(276)によって前記稼働位置に所定の力で静止され、前記移動可能長辺部材は装置外面に露出して外面からの操作により前記解除位置へ移動可能であることを特徴とするコインホッパのコイン出口装置。
【請求項2】
請求項1のコインホッパのコイン出口装置において、前記移動可能長辺部材は四角柱状であり、前記他方の長辺部材は他方の長辺を構成する下側長辺(284)及びその両端に配置された短辺部材(286、288)を有する固定部材(272)、前記移動可能長辺部材を前記固定長辺(284)に向かって付勢するバネ(326)及び前記移動可能長辺部材の移動を規制する門形の規制体(278)を含み、前記移動可能長辺部材は前記固定部材の短辺部材により構成した移動規制体(362)により前記解除位置に移動可能であり、また前記規制体と前記移動可能長辺部材との間に配置された前記バネによって前記固定長辺に向かって所定の力で付勢されることを特徴とする。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−48800(P2011−48800A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199057(P2009−199057)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000116987)旭精工株式会社 (210)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000116987)旭精工株式会社 (210)
【Fターム(参考)】
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