説明

コケもしくは匍匐植物の育成具

【課題】本願発明は、屋上など風当たりの強い場所でも育成可能な植物の育成具を提供することにある。
【解決手段】本発明は、縦横に連結可能な連結部を有するプランター内に培養土を充填し、当該プランター上部を風除け部材にて覆い、植物培養基材とコケもしくは/および匍匐植物と水分とを混合し粘土状とし、当該粘土状とした混合物をプランター内培養土に散布した植物の育成具である。コケあるいは匍匐植物の生育のため、風の強い場所でも水分の蒸発を抑え、吹き飛ばされないよう、風除けを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コケおよび/もしくは匍匐植物を利用する緑化用の植物の育成具の技術に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、緑化方法は芝などの植物を利用する方法が一般的であるが、屋上、壁面など通常の植物が育成しにくい場所ではコケを用いた緑化方法が提案されている。
特開2004-141030には、基盤材料として焼成珪藻土粉末とバインダーとしてのセメントからなり基盤材料の固化前に生ゴケを載置して一体化させたものを屋上に敷設する方法が開示されている。
特開2005-21026には、セダムシュートとコケ配偶体とを組み合わせ水分と調整、客土の流出を防ぐ方法が開示されている。
特開2006-304710には、切断したコケとパーキュムライトなどの土状粒子と接着剤と水とを混合しスラリー状とし岩盤に噴霧して岩盤に保持させ、緑化する方法が開示されている。
特にコケによる屋上の緑化ではコケの根は他の植物と異なり、根の発育が劣る。そのため風の影響を強く受け、乾燥したりすると土壌ごと吹き飛ばされることも起こり十分な生育が得られない。
【特許文献1】特開2004-141030
【特許文献2】特開2005-21026
【特許文献3】特開2006-304710
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願発明は、屋上・壁面など風当たりの強い場所でも育成可能な植物の育成具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本第1の発明は、縦横に連結可能な連結部を有するプランター内に培養土を充填し、当該プランター上部を風除け部材にて覆い、コケ培養基材とコケと水分とを混合し粘土状とし、当該粘土状とした混合物をプランター内培養土に散布したコケの育成具である。
本第2の発明は、縦横に連結可能な連結部を有するプランター内に培養土を充填し、当該プランター上部を風除け部材にて覆い、匍匐植物培養基材と匍匐植物と水分とを混合し粘土状とし、当該粘土状とした混合物をプランター内培養土に散布した匍匐植物の育成具である。
コケあるいは匍匐植物の生育のため、風の強い場所でも水分の蒸発を抑え、吹き飛ばされないよう、風除けを設けた。
【発明の効果】
【0005】
風除け部があるため、屋上・壁面など風の強い場所でも乾燥及び培養土の吹出が防げるため、コケあるいは匍匐植物の生育が妨げられない。植物培養基材とコケあるいは匍匐植物と水分とを混合し粘土状とし、当該粘土状とした混合物をプランター内培養土に散布したため根の生育するまで乾燥が防げるためコケおよび匍匐植物の育成が促進される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下本第1の発明であるコケの育成具につき、図を用いて、より詳細に説明する。
図1は、コケの育成具の一例をその平面図および断面図でしめしたものである。図に示したように本コケの育成具は下部がプランター部であり、上部が風除け部である。図2は本コケの育成具にコケが成長した状態を示す。
【0007】
プランター部にはコケの培養土が充填され、コケ培養基材とコケと水分とを混合し、粘土状とし、小さな粒状あるいはフレイク状としてコケの培養土上に散布する。散布したコケの育成具を所定の屋上あるいは壁面に連結してコケの育成を待つ。
プランター部には左右前後に連結するための連結具を設けておくことが好ましい。連結具は雄雌継ぎ手など既存の技術が使用できる。
【0008】
風除け部はプランター部上に載置・連結され、図では格子状に構成されている。
育成するコケの種類に応じて風除け部の高さは調整できる。風除け部はコケの基部に直接風が当たらないようにするものならその形状は問わない。
【0009】
コケ培養基材はパーク、土、保水材などを適宜混合して使用する。コケの培養土は、その表面にコケが育成できるものなら砂利、軽石、パーキュムライト、パーライト、ゼオライト、珪藻土など各種の軽量土あるいは鹿沼土、赤玉土の塊が適宜使用される。
【0010】
芝などの匍匐植物を対象とする場合においても上記と同様である。
プランターには匍匐植物用の培養土が充填され、匍匐植物培養基材と芝をばらばらにほぐした状態で水分と混合し、粘土状とした後、適宜粒状あるいはフレイク状として、培養土壌に散布した後、所定の場所に連結して設置する。匍匐植物の培養基材、培養土なども上記と同様匍匐植物にあわせ既存の土壌、人工培養度などから選択使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】は、本発明のコケ及び匍匐植物育成具を示す概念図である。
【図2】は、本発明のコケ及び匍匐植物育成具にコケが生育した状態を示す概念図である。
【符号の説明】
【0012】
1 コケ及び匍匐植物の育成具
2 プランター
3 風除け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦横に連結可能な連結部を有するプランター内に培養土を充填し、当該プランター上部を風除け部材にて覆い、コケ培養基材とコケと水分とを混合し粘土状とし、当該粘土状とした混合物をプランター内培養土に散布したコケの育成具。
【請求項2】
縦横に連結可能な連結部を有するプランター内に培養土を充填し、当該プランター上部を風除け部材にて覆い、匍匐植物培養基材と匍匐植物と水分とを混合し粘土状とし、当該粘土状とした混合物をプランター内培養土に散布した匍匐植物の育成具。

【図1】
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【図2】
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