説明

コップ類スタンド

【課題】各自のコップ類やタオル類を衛生的にかつ乾き易いように掛けておき、風邪やインフルエンザなどの感染防止にも適した、多用途型のコップ類スタンドに関する。
【解決手段】円周状上向きポールユニットと、吸水用若しくは乾燥用の布類又は紙類を拡げられる受け棚ユニットと、タオル、手拭い又はハンカチを掛けるタオル等掛け手段を放射状に設けたタオル等掛けユニットとを有しており、それぞれのハブに中心軸が挿通されているため、各人の使用するコップ類を個別に逆さに掛けられると共に、タオル等も各使用者ごとに別々に独立して掛けることができ、特に各タオル等掛け手段が放射状に配設されているので、他人のタオル等と接することがなく、衛生的で、インフルエンザなどの感染防止も確実となる。コップ類から滴下した水滴は、受け棚ユニット上の布類や紙類で受けて吸収されるので、下側に干してあるタオル等が濡れることはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水や清涼飲料、ビール、茶などを飲んだりするのに多用されるコップ、マグカップ、湯飲み茶碗、哺乳瓶などのような底の深い飲用容器すなわちコップ類を、洗浄後の水切れが良いように逆さに掛けたり、使用後に水切り状態で掛けたり、各自のコップ類やタオル類を衛生的にかつ乾き易いように掛けておき、風邪やインフルエンザなどの感染防止にも適した、多用途型のコップ類スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1において、マグカップやガラスコップの洗浄後の保持乾燥器具として、その図1のように、各カップ1をカップ内底2が下方に向いた状態でフック5に引掛け、吊り下げライン3の上端をキッチン用品吊り下げバー4に懸架してカップホルダー全体を保持するカップホルダーが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−259960
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような構造の場合、「(1)キッチンの机上面積を占有しない。(2)流し台の真上にセットすることができ炊事時の動線を短くする。(3)グラスやカップの気に入った装飾模様がキッチンの雰囲気を明るくする。」といった効果を奏するが、例えば業務用などのように、洗浄し乾燥させるコップ類が多数有る場合は、多数同時処理することができず、不便である。
特に、高齢者が病院や老人ホームなどで院内感染や集団感染するといった社会問題が発生しており、また新型インフルエンザの流行による大量死などの問題が恐れられているが、このような感染を防止する上でも、多人数で使用する大量のコップ類やフォーク、スプーン、箸などの食事用器具を洗浄乾燥する場合は、確実に洗浄しかつ迅速に乾燥させて、清潔にかつ衛生的に取り扱うことが必要となる。
【0005】
また、集団風邪による学級閉鎖や新型インフルエンザの大流行を未然に防止又は抑止する上では、各人が使用するコップ類やタオル等などを隔離することが有効であるが、特許文献1記載の構造では、不十分である。
本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、多数のコップ類を同時に洗浄し乾燥させるのに便利で、しかもフォークやスプーン、箸なども同時に洗浄・乾燥することが可能な洗浄乾燥用のコップ類スタンドを実現することにある。
また、特に感染防止にも有効なように、清潔かつ衛生的に迅速乾燥したり、取り扱うことができ、家庭用のように少人数用の場合は、各人が使用するコップ類やタオル等などを容易に隔離できると共に、各所有者の識別が容易で、かつ家庭の温かみや安らぎ、癒しを感じられるように、装飾機能も兼備可能な多機能型のコップ類スタンドを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、複数の上向きポール状体が円周状に配設されている円周状向きポールユニットのハブに中心軸を挿通してあり、
吸水用若しくは乾燥用の布類又は紙類を拡げられる受け棚ユニットと、
タオル、手拭い又はハンカチを掛けるタオル等掛け手段を放射状に設けたタオル等掛けユニットとを有しており、
前記各ユニットのハブに前記中心軸が挿通されていることを特徴とするコップ類スタンドである。
このように、円周状上向きポールユニットと、吸水用若しくは乾燥用の布類又は紙類を拡げられる受け棚ユニットと、タオル、手拭い又はハンカチを掛けるタオル等掛け手段を放射状に設けたタオル等掛けユニットとを有しており、それぞれのハブに中心軸が挿通されているため、各人の使用するコップ類を個別に逆さに掛けられると共に、タオル等も各使用者ごとに別々に独立して掛けることができ、特に各タオル等掛け手段が放射状に配設されているので、他人のタオル等と接することがなく、衛生的で、インフルエンザなどの感染防止も確実となる。
また、ポール状体に掛けたコップ類から滴下した水滴は、受け棚ユニット上に拡げた布類や紙類などで受けて吸収されるので、下側のタオル等掛けユニットに干してあるタオル等が濡れることはない。なお、受け棚ユニット上に合成樹脂シートや新聞紙などを拡げてもよい。
【0007】
請求項2は、前記の受け棚ユニットを放射状の取付けバーで構成すると共に、下段のタオル等掛けユニットの各タオル等掛けバーの間に、前記の各取付けバーを位置させることによって、各取付けバーを利用して隔離シートを支持させ垂下可能としたことを特徴とする請求項1に記載のコップ類スタンドである。隔離シートは、例えばネットや布、合成樹脂シートなどで構成できる。
このように、前記の受け棚ユニットを放射状の取付けバーで構成すると共に、下段のタオル等掛けユニットの各タオル等掛けバーの間に、前記の各取付けバーを位置させることによって、各取付けバーを利用して隔離シートを支持させ垂下可能としたため、垂下状態の隔離シートは、下段の各タオル等掛けバーに支持されている各隣接タオル等との間に垂下することになる。
その結果、隣接する他人のタオル等との間に、垂下状態の隔離シートが介在することで、確実に隔離できるので、隣接する他人のタオル等と接して、インフルエンザなどが感染したりするのを防止でき、衛生的である。
【0008】
請求項3は、前記のタオル等掛けユニットにおける各タオル等掛けバーは、折り畳み可能な構造であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコップ類スタンドである。折り畳み構造は、実施形態に限られず、公知の各種の折り畳み構造を採用してもよい。
このように、前記のタオル等掛けユニットにおける各タオル等掛けバーは、折り畳み可能な構造であるため、タオル等掛けとして使用しない場合は、折り畳んでおくとコンパクトになり、不使用時の保管や運搬も簡便になる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1によると、各人の使用するコップ類を個別に逆さに掛けられると共に、タオル等も各使用者ごとに別々に独立して掛けることができ、特に各タオル等掛け手段が放射状に配設されているので、他人のタオル等と接することがなく、衛生的で、インフルエンザなどの感染防止も確実となる。また、ポール状体に掛けたコップ類から滴下した水滴は、受け棚ユニット上の布類や紙類で受けて吸収されるので、下側のタオル等掛けユニットに干してあるタオル等が濡れることはない。
【0010】
請求項2によると、各取付けバーから垂下状態の隔離シートは、下段の各タオル等掛けバーに支持されている各隣接タオル等の間に垂下することになるので、隣接する他人のタオル等との間に、垂下状態の隔離シートが介在することで、確実に隔離され、隣接する他人のタオル等と接して、インフルエンザなどが感染したりするのを防止でき、衛生的である。
【0011】
請求項3のように、タオル等掛けユニットの各タオル等掛けバーは、折り畳み構造であるため、タオル等掛けとして使用しない場合は、折り畳んでおくとコンパクトになり、不使用時の保管や運搬も簡便になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】円周状上向きポールユニットが複数段有り、上段ユニットが上下スライドする構造の斜視図である。
【図2】上段ユニットと下段ユニットが上下スライド不可能に固定された構造と着脱補助具を示す斜視図である。
【図3】吊り下げタイプのコップ類スタンドの別の実施形態で、受け棚を最下段に有している斜視図である。
【図4】図3の受け棚ユニットの下段にタオル等掛けユニットを設けた実施形態の斜視図である。
【図5】(1)は、図4の受け棚ユニットと下段のタオル等掛けユニットの平面図、(2)は、(1)図の構造の使用状態を外側から見た展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に本発明によるコップ類スタンドが実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1は、円周状上向きポールユニットがU1、U2のように複数段有り、しかも上段のユニットU2が上下スライドでき、かつ矢印a2のように回転する構造であるのに対し、図2は上段のユニットU2と下段のユニットU1が相対的に上下スライド不可能に互いに固定された構造である。
Pはコップ類Cを掛けるポール状体であって、円周状に配設されており、しかも上向きに立った状態になっている。各ポールPの角度は任意であり、図1における下段のポールPは鉛直状にほぼ真っ直ぐに立っているのに対し、上段のポールPは、外角が45度程度に傾斜し、全体的に上向きに開いている。長さ(高さ)も任意であり、上段のポールPは一定に揃っているのに対し、下段のポールPは長短様々で、高さの低いポールPには、底の浅いコップC1を逆さにして被せるようにして支持してある。
高いポールPには、哺乳瓶Bのように深い容器を逆さに支持してある。Aは、コップ状の水切り容器で、図2のように、箸立てのように、箸やフォーク、スプーンなどの食事用器具を洗浄後に挿入し立てて乾燥させる際に使用する。従って、底部は複数の孔8が開いていて、底部の水が容易に流出可能にしてある。
【0014】
各ポールPは、直径Dの外リングR1に固定され、その外部から立ち上がっている。このように、上向きのポール状体P…が円周状に立った状態になっているので、円周状上向きポールユニットと呼ぶ。
大径の外リングR1の内側に同心円状に小径dの内リングR2が配設されていて、複数本のポールP…の取付け部3…が、大小のリングR1、R2に対し放射状に取付け固定されている。取付け手段は、圧接や溶接でも、ロウ付けやハンダ付けでもよく、特に限定されない。
パイプ状の中心軸1を挿通したハブ2に、前記の各ポールP…の取付け部3…の中心部を取付け固定してあり、下部にハブキャップ4を被せて固定してある
【0015】
下段のハブ2は、中心軸1に固定されているのに対し、上段のハブ2は、上下方向にスライド可能に、かつ矢印a2のように回転可能に、中心軸1が挿通されている。この上段ハブ2の下降位置を規定するためのストッパー5をパイプ状の中心軸1中に対し出没可能に取付けてある。
すなわち、ストッパー5は、中心軸1中に内蔵されているバネ手段で常時突出していて、上段のストッパー5のように、上段のユニットU2を下降しないように受け止めている。指でストッパー5を中心軸1中に押し込んで引っ込めると、上段ユニットU2が下降して、下段のストッパー5の上に支持される。下段のストッパー5も押し込むと、上段ユニットU2はさらに下降して、下段ユニットU1の上に重なる。その結果、最もコンパクトな状態となり、保管や運搬が容易になる。
【0016】
このコップ類スタンドの使用に際しては、中心軸1の上端のフックfを、通風性の良い又は熱風が吹き、食器類の乾燥に有利な位置に引っ掛けて全体を吊り下げた状態において、コップC、C1や哺乳瓶B、箸立て状の水切り容器Aなどを、上下のユニットU1、U2の各ポールP…の総てを利用し、被せるように支持させることによって、洗浄後の水切りと乾燥を行なう。なお、一部のポールPのみ使用状態を図示してある。
上段のユニットU2が高過ぎる場合は、ストッパー5を押し込んで、上段ユニットU2を下降させて、下段ユニットU1の上に重ねた状態で、上段ユニットU2の各ポールPにコップ類を掛けて支持した状態で、図示のように上段のストッパー5の上側まで押し上げることによって、高い位置で乾燥させることができる。また、上段ユニットU2を矢印a2方向に回転させて、作業し易いように手前に移動させた状態で、コップ類を掛けたり、取り外したりもできる。
上段のストッパー5では高過ぎる場合は、下段のストッパー5の位置まで下降させて、下段のストッパー5の高さで乾燥させることもでき、所望のストッパー5を選択試用できる。
【0017】
ポールPの本数が足りない場合は、鎖線P’のように、隣接するポールP・P間に補助ポールP’を増設して、大小のリングR1、R2に半径方向に取付け固定することもできる。このようにポールの本数が倍増すると、2倍のコップ類を乾せるし、隣接ポール間に直径方向にまな板や杓子などを挿入して挟んだ状態で乾燥させたりもできる。
下段のユニットU1のように、丈高のハブ2の上端と内リングR2との間にテーパ状に多数のワイヤーWを張設してあると、多数のワイヤーW…に鎖線で示す皿6を立てかけた状態で乾燥させることもできる。皿6の下端を外リングR1の内側に挿入すると、皿6両端は隣接する取付け部3・3間に位置決めされるので、安定よく保持される。
なお、下段ユニットU1も、中心軸1に対し上下スライドしたり、矢印a2方向に回転可能に構成することも可能である。
【0018】
箸やフォーク、スプーンなどの水切り容器Aが無い場合は、その代用が必要であるが、上段のユニットU2は、各上向きポール状体P…が上向きに開いているので、その上に布巾やキッチンペーパなどを敷けば、その上に、洗浄後の箸やフォーク、スプーンなどを載せて、水切りし乾燥させることもできる。洗浄後の箸置き、その他の小物を入れることもできる。
【0019】
図2は卓上載置タイプのコップ類スタンドで、下段ユニットU1の各ポールP1は、大径の外リングR1の位置から立ち上がり、上段ユニットU2はの各ポールP2は、小径の内リングR2の位置から立ち上がっている。そして、下段のポールP1と上段のポールP2とが、一体のポール状材(線材を含む)からなり、しかも上段の小径ポールP2は、下段の隣接大径ポールP1・P1の中間に位置するように、円周方向にずらした状態で、折り曲げ形成されている。従って上から見ると、上下のポールP2・P1が内外にジグザグ状にずれている。
このように、上段のポールP2…は下段のポールP1…の中間に配設され、かつ内外にもずれているので、大形のコップ類をポールに被せて支持する場合でも、互いに邪魔になることはない。なお、上段の小径ポールP2を、下段の大径ポールP1より外側で折り曲げて立ち上げることにより、内外にジグザグ状にずらすこともでき、下段の大径ポールP1と同径の位置で立ち上げることも可能(この場合はジグザグ状にならない)である。
図1のように、上段ユニットU2が上下スライドできる場合は、邪魔にならないように、下段ユニットU1との間隔を拡大できるので、特に支障は生じないが、図2の一体型では、上下のユニットU2・U1間の間隔の拡大は不可能である。その結果、全体的に小型化できる。
【0020】
上段ユニットU2の連結リングR2よりも下段ユニットU1の外リングR1が大径で、コップ類スタンド全体の安定性が良いため、テーブルや各種台や流しなどの上に載置して使用することもできる。
中心軸1の上端に鎖線で示すようにフックfを設けると、図1の場合と同様に吊り下げ式も可能である。
下段ポールP1と上段ポールP2との中間の取付け部3を、リングR3、R4、R5でハブ2に締め付け固定してあり、かつ要所を溶接やハンダ付け、ロウ付け固定してある。
中心軸1がハブ2中で上下スライドしたり回転可能にしておくと、吊り下げて使用する際に、ハブ2を押し上げてストッパー5を通過させ、ストッパー5の上に、上下段が一体型のコップ類スタンド全体を支持させることもできる。従って、コップ類スタンドの高さは任意に選定できる。
【0021】
使用に際しては、各ポールP1…P2…P…P’…にコップ類を被せるように支持させて洗浄後の乾燥ができるが、箸やフォーク、スプーンなどの食事用器具の乾燥もできる。
箸立て状の水切り容器Aは、外壁に固定した小径筒体7を有しており、小径筒体7を各ポールに被せると、その天井部71によって、水切り容器Aが支持されるので、コップ状の水切り容器A中に箸やフォーク、スプーンなどの食事用器具を挿入して乾燥させることもできる。
小径筒体7として、天井部71の無い、貫通型を用いて、各ポールを貫通させることも可能である。この場合は、各ポールの下部に小径筒体7を介して水切り容器Aが保持されることになる。
なお、水切り用容器Aの底部は複数の貫通孔8が開いていて、内部に水が溜まらないようにしてある。
【0022】
(2)図のような着脱補助具9を使用すると、フォークやスプーンなどを単独で各ポールに取付けたり、取り外したりできる。
着脱補助具9は、フォークやスプーンなどの首部nを挿入できる環状部91から伸びた両腕部に、各ポールを挟持する凹円弧状部92、93を有し、先端94、95はポールP1やP2、Pを挿入し易いように開いている。
使用に際しては、矢印a1方向からフォークやスプーンなどの首部nを環状部91中まで挿入した状態で、矢印a1方向から所望のポールP1やP2、Pが入るように押し込むと、凹円弧状部92、93間にポールP1やP2、Pを挟持することによって、フォークやスプーンなどが所望のポールに取付け支持される。
【0023】
このようにして着脱補助具9を使用すれは、各ポールにフォークやスプーンなどの首部nを取付け支持することによって、環状部91でフォークやスプーンなどを1個ずつ支持できるので、水切り容器Aを使用しないで、フォークやスプーンなどを1本ずつでも乾燥できて迅速乾燥できるし、フォークやスプーンなどの入った水切り容器Aでバランスを崩すのも防止できる。
図2(2)における着脱補助具9を、各ポールP1・P2・P・P’の下部に装着すれば、同一ポールにコップ類も被せて支持させ、併用もできるし、着脱補助具9を上下2〜3段に取付けることもできる。
また、単一の環状部91や凹円弧状部92、93間に、フォークやスプーンなどを複数本ずつ支持することも可能である。
【0024】
図2(2)における支持ポールP1とフォークやスプーンの首部nの挿入位置を逆にして、図2(3)のような使い方も可能である。この場合は、ポールP1を着脱補助具9’の奥の環状部91中まで挿入して取付け支持してから、フォークやスプーンなどの首部nを凹円弧状部92、93間に先端の開放部94、95間から挿入する。着脱補助具9・9’は、例えば5〜20mm程度の高さhが有った方が安定性が良い。なお、鎖線はスプーンを例示している。
着脱補助具9・9’は、合成樹脂製でも金属製(板金製)でも可能である。
【0025】
図3は、吊り下げタイプのコップ類スタンドの別の実施形態で、受け棚10を最下段に有している。
下段ユニットU1のポールP1と上段ユニットU2のポールP2とが一体の線材又はポール状材からなり、しかも上段のポールP2は、下段の隣接ポールP1・P1の中間に位置するように、円周方向にかつ内外にずらして配設されるように、折り曲げ形成されている点は、図2と同じである。
中心軸1の下端には受け棚10のハブ2を取付け固定してあるので、受け棚10の上に布巾やキッチンペーパ11、12などを拡げて置くと、上下の各ポールP2…、P1…にコップ類を被せて乾燥させる際に、水滴が滴下しても、受け棚10上の布巾やキッチンペーパ11、12などに吸水されるので、下を通過する人や床に水滴が滴下して、濡らすといった問題が防げる。
図示例では、受け棚10の左側半分に布巾11を載せ、右側半分に布巾12を載せてある。
【0026】
受け棚10は、図1、図2におけるポールの外リングR1より外側に突出した部分を切除した形状になっている。
この受け棚10は、各ポールに支持されたコップ類から滴下する水滴を確実に受けられるように、充分に広くすることは当然である。
コップ類の乾燥後は、布巾やキッチンペーパなどを敷く必要な無いので、受け棚10の内外のリングR1、R2を装飾品の吊り下げに兼用できる。例えば、使用しなくなったネックレスやブレスレットなどの鎖類をリングR1に吊り下げたり、ブローチやイヤリングなどを吊り下げたりして、家事をしながら眺めることによって、ゴージャスな雰囲気を楽しむことができる。
なお、布巾やキッチンペーパなどで確実に吸水できると、吊り下げてある装飾品が濡れることもないので、常時吊り下げておけることは言うまでもない。
【0027】
図2のような、箸やフォーク、スプーンなどの水切り容器Aが無い場合は、受け棚10上に敷いた布巾やキッチンペーパ11、12などの上に、洗浄後の箸やフォーク、スプーンなどを載せて、水切りし乾燥させることもでき、洗浄後の箸置き、その他の小物を載せて乾燥させることもできる。
また、図1の上段ユニットU2のように、上向きポール状体が外側に倒れていて、全体的に上向きに開いている場合は、その中に布巾やキッチンペーパなどの吸水性のシート状体を敷いておくと、図3の受け棚10の代用となり、洗浄後の箸やフォーク、スプーン、箸置き等を入れて乾燥させることもできる。外リングR1に、使用しなくなったネックレスやブレスレットなどの鎖類、ブローチやイヤリングなどを吊り下げたりもできることは、受け棚10の場合と同様である。
なお、図1の上下のユニットU2とU1を入れ替えて、上向きに開いたユニットを下段に配置することも可能である。
【0028】
各ポールP1、P2間の取付け部3を取付け支持するハブ2は、中心軸1に対し上下スライド可能な構造でも、固定構造でも可能である。上下スライドする構造の場合は、同時に回転も可能にすると、常に手前の位置でコップ類を着脱できるように、着脱されるポールを図1の矢印a2のように手前側に回転させることもでき、着脱操作が簡便になる。
台や卓上に載置する場合は、植木鉢用や食器用などの各種の受け皿の上に載置すれば、布巾類を敷く必要は無い。
なお、図1〜図3における中心軸1を、伸縮可能な構造とすることによって、フックfをより高い位置に着脱したり、各段のユニットU1、U2の高さを自由に設定でき、取り扱いが簡便になる。
【0029】
図4は、図3の受け棚10の下側の段に、タオル等掛けユニットTを配設して、そのハブ2に中心軸1を挿通してある。このタオル等掛けユニットTは、バー状や幅細板状、平行バー状などのタオル等掛けバー13を放射状に配置して、それぞれの根元部をハブ2に取付け固定又は回転可能に取付け支持してある。
各タオル等掛けバー13は、1本の太めの針金などのバー状体でも足りるが、図示のように間隔をおいて2本平行に配設し、先端はU字状に折り曲げ形成すると、タオル等を掛けた際に、隙間ができて通風性が良くなるので、乾燥が速い。
各タオル等掛けバー13の中間位置と下側の支持ハブ21との間に斜めのつっかいバー14を取付けておくと、濡れたタオル等を干した際に重みでタオル等掛けバー13が曲がったりするのを防止できる。
【0030】
つっかいバー14は、図示状態に常時固定しておくと共に、小径リングR2に各タオル等掛けバー13…も固定しておくと、堅牢になる。
あるいは、支持ハブ21を上下スライドさせることによって、つっかいバー14を折り畳んだり、図示のように斜めに組み立てたりもできる。このような折り畳み構造の場合は、つっかいバー14の上下両端は、支軸を介して、回転可能に構成されていることは言うまでもない。各タオル等掛けバー13…と小径リングR2とも固定せずに、分離可能にしておく。
前記の円周状上向きポールユニットU1、受け棚ユニット10、タオル等掛けユニットTの中心のハブ2と支持ハブ21は、出没構造の各ストッパー5…の上に支持してある。従って、ストッパー5を押し込んで引っ込めると、支持ハブ21を下向きにスライドさせて、つっかいバー14とタオル等掛けバー13を折り畳むことができる。
このようにしてストッパー5を引っ込めると、ハブ2と共に円周状上向きポールユニットU1、受け棚ユニット10、タオル等掛けユニットTを中心軸1から抜き取って、上下位置を交換したりもできる。
中心軸1中に配線コード15を挿通して、中心軸1下端に豆電球などの小型ランプ16を取付け、中心軸1上端から引き出しコードにコンセント17を接続しておけば、中心軸1下方の狭い範囲の照明が可能となり、洗面所や厨房の全体を照明する必要がなくなるので、節電にもなる。
【0031】
風邪やインフルエンザが流行っている場合は、各タオル等掛けバー13に掛けてある自分のタオルやハンカチが他人用と接すると感染の恐れがあるので、図5のように、隣接するタオル等との間に隔離シートを垂下させておくと万全である。
図5(1)は、図4の受け棚ユニット10と下段のタオル等掛けユニットTの平面図で、各タオル等掛けバー13の間に受け棚ユニット10を構成する放射状の取付けバー31が位置している。ネットや合成樹脂シートなどから成る隔離シートSは、隣接する2本の取付けバー31・31の上に跨がる状態で掛けておく。放射状の取付けバー31に隔離シートSを掛けられるように、大径の外リングR1は省いてある。なお、ネットでは空気感染の恐れがある場合は、空気の通過しない合成樹脂シートが良い。布製のシートやカーテンなどは中間の効果がある。
(2)図は、(1)図のタオル等掛けユニットの使用状態を外側から見た状態を展開して示した側面図で、タオル等掛けバー13に掛けた各自のタオルtを囲うように、上段の受け棚ユニット10の隣接する2本の取付けバー31・31の上に跨がるように隔離シートSを掛けてある。
この場合は、図示のように、すべてのタオル等掛けバー13を隔離シートSで囲う必要はなく、一つおきで足りる。取付けバー31は2本一組で隔離シートSを掛けるので、隔離シートSで囲われないタオル等掛けバー13は、隣接する隔離シートSの垂下部によって、隣接するタオルtと隔離され、特に問題はない。ただし、上側は隔離シートSで囲われないが、隣接タオルtとの間は遮断されるので、感染防止の効果は損なわれない。なお、各タオルtと隔離シートSとの間には充分な間隔が有って通風性が良いので、タオルtの乾燥には問題無い。
【0032】
各取付けバー31がタオル等掛けバー13の中間位置に来るように位置決めする必要があるが、受け棚ユニット10のハブ2とタオル等掛けユニットTのハブ2の下面に、ストッパー5の上端が入る凹溝を形成しておくだけで足りる。すなわち、ハブ2下面の凹溝にストッパー5上端が嵌入すると、ハブ2は回転できず、位置決めが固定されるので、タオル等掛けバー13と取付けバー31とが互い違いになるように、凹溝の位置を設定しておくだけで足りる。
取付けバー31で隔離シートSを支持し垂下させる場合は、隔離シートSを装着した後に、布巾やキッチンペーパ12、13を被せて敷けば足りるので、受け棚ユニットとしての機能が損なわれることはない。この場合、取付けバー31…の上に金網等を載せて、その上に布類や紙類12、13を拡げれば、安定性が良くなる。布類や紙類12、13に代えて合成樹脂シートや新聞紙などを載せてもよい。
【0033】
図4の変形例として、図示の受け棚ユニット10を下降させて、タオル等掛けユニットTの上に直接重ねて使用することもできる。あるいは、鎖線のようにストッパー5を中間にも多数設けておけば、受け棚ユニット10とタオル等掛けユニットTとの間隔を自由に設定できる。
また、受け棚ユニット10の取付けバー31を兼用しないで、タオル等掛けユニットTのハブ2の上に、別のハブを重ねるか、ハブ2自体を高くすると共に、隔離シート専用の取付けバー31を装備しておくことによって、タオル等掛けユニットTと隔離シート取付けユニットを一体化またはセットにすることも可能である。
この場合、タオル等掛けバー13に対するタオル等の掛け外しが不便になる恐れがあるので、タオル等掛けユニットTと各取付けバー31との間隔が大きくなるように寸法設定しておく必要がある。
なお、2本の取付けバー31・31の上に跨がるように隔離シートSを掛ける代わりに、各取付けバー31ごとに隔離シートSの上端を取付けて垂下させることもできる。以上の隔離シートSを掛けない場合は、図3のように、各放射状の取付けバー31の外端寄りを大径の外リングR1と固定して安定化させるのがよい。
【0034】
以上の実施形態において、上向きのポール状体P1・P2・P・P’は、コップ類Cを逆さに掛けられるような強度が有り、コップ類を掛けやすいように上向きのポール状(棒状やバー状、スティック状を含む)をしておれば足りる。太めの針金などのような、断面形状が円形の線材が多いが、多角形状でも差し支えない。強度的には、金属製が適しているが、太めにすれば、合成樹脂製でも可能である。必ずしも直線状である必要はなく、湾曲状や折れ曲がっていても差し支えない。
各ポール状体P1・P2・P・P’の上端には球状体を設けて、球面に形成してあるので、コップ類を被せても、内面が傷つくことはない。美観にも優れている。なお、製法は、各ポール状体と一体成型してもよいが、別体の合成樹脂製の球体を取付けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上のように、本発明によると、多数のコップ類を同時に洗浄し乾燥させることができ、しかもフォークやスプーン、箸なども同時に洗浄・乾燥することも可能である。低い位置でコップ類を円周状上向きポールユニットの各ポールに取付けてから、乾燥時にはより高い位置など、所望の位置にセッティングでき、回転させることによって常に手前でコップ類を着脱することもできる。
特に、フォークやスプーン、箸などは、水切り容器に入れないで、1本ずつ各ポールに支持して通気性と乾燥性を良くすることで、短時間に乾燥させることもできる。以上のように、大量のコップ類や食事用器具を洗浄後に迅速に乾燥させ、衛生的に取り扱うことができ、感染防止にも有効である。
洗浄後に限らず、各人が水飲みやうがいなどに使用後に、自分専用のコップ類を水切り状態に掛けておいたり、各自専用のタオル類やハンカチなども使用後に、他人のタオル等と接しないように、衛生的に隔離して掛けておくことによって、風邪やインフルエンザなどの感染を未然に防止することもできる。従って、飲食店の厨房や食品製造所などの洗面所などでも重宝される。
また、業務用では装飾を省いて機能性を重視し、大量処理に適した構造とし、家庭用の場合は、洗浄乾燥したり、水飲みやうがい、歯磨きをするコップ類が少ないので、装飾を多くして、シャンデアリ風にすることによって、ゴージャスな雰囲気を楽しむこともできる。なお、図4の上向きポールP1、P2に図1のコップ状の水切り容器Aを取付けて、自分の歯ブラシを入れておくこともできる。
仕舞い込んである使い古しのネックレスなどの装身具を、各人専用のコップ類やタオル等の掛けバー13の根元や上向きポール状体Pの下端やその取付け部3、31の根元などに取付けておくと、名札代わりとなり、他人のコップ類やタオル等との区別が容易になって衛生的で、間違えることによる感染などをより確実に防止でき、かつ装飾も兼ねることができる。従って、洗面所などに装備しておくと、衛生目的でありながら、家庭の温かみや潤い、癒しを演出することもできる。
飲食店や食品製造所などの職場では、高価な装身具などを取付けることは適しないので、名札等で自他のコップ類やタオルを区別することになるが、このように区別可能になれば、紙コップやプラスチックコップなども繰り返し使用することで省資源が可能となり、ペーパータオルなどの消費も節減でき、自然環境保全や二酸化炭素の排出削減にもつながる。
【符号の説明】
【0036】
U1・U2 円周状上向きポールユニット
P1・P2・P・P’ 上向きのポール状体
A コップ状の水切り容器
R1 大径の外リング
R2 小径の内リング
1 中心軸
2 ハブ
3 放射状の取付け部
5 ス1ッパー
C・C1 コップ
f フック
7 小径筒体
9・9’ 着脱補助具
10 受け棚
11・12 布巾やキッチンペーパ
T タオル等掛けユニット
31 取付けバー
13 タオル等掛けバー
14 つっかいバー
21 支持ハブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の上向きポール状体が円周状に配設されている円周状向きポールユニットのハブに中心軸を挿通してあり、
吸水用若しくは乾燥用の布類又は紙類を拡げられる受け棚ユニットと、
タオル、手拭い又はハンカチを掛けるタオル等掛け手段を放射状に設けたタオル等掛けユニットとを有しており、
前記各ユニットのハブに前記中心軸が挿通されていることを特徴とするコップ類スタンド。
【請求項2】
前記の受け棚ユニットを放射状の取付けバーで構成すると共に、下段のタオル等掛けユニットの各タオル等掛けバーの間に、前記の各取付けバーを位置させることによって、各取付けバーを利用して隔離シートを支持させ垂下可能としたことを特徴とする請求項1に記載のコップ類スタンド。
【請求項3】
前記のタオル等掛けユニットにおける各タオル等掛けバーは、折り畳み可能な構造であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコップ類スタンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−187715(P2010−187715A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32079(P2009−32079)
【出願日】平成21年2月14日(2009.2.14)
【出願人】(506152807)
【Fターム(参考)】