説明

コネクタ付き低ESR電気化学コンデンサ

【課題】手付け半田を用いずに、またESRの禁止的な増加を伴わずにPCB上に装着することができる高電力電気化学DLCを提供すること。
【解決手段】PCB上に装着するように電気化学二重層コンデンサ(DLC)が構成される。第1のコネクタ要素がDLCコンデンサの各個別端子リードに配置される。第2のコネクタ要素が、PCB上に実装され、かつDLCリードとの電気的結合接触のためにいくつかの並列コネクタ素子を実装場所に含む。このコネクタ構成は、PCB上に装着されたときのコンデンサのESRの最少の増加をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電気化学コンデンサまたは二重層コンデンサ(DLC)は「スーパーコンデンサ」とも称され、特に高電圧、高電力、および高容量密度の特性の特有の組合せを提供するために従来技術で広く受け入れられてきた。DLCは、セラミックコンデンサ、タンタルコンデンサ、フィルムコンデンサなどの誘電体コンデンサと電池との優れた折衷物である。DLCは、GSM、GPRS Edge、およびPCSをベースとしたシステムなどで、一般に数ミリ秒間に数アンペアの電流を必要とする高電力、高パルスの用途に広く使用されている。DLCは一般に、高瞬時電流の要件を満たすために電池との組合せで使用され、電池が、総エネルギーの大部分をシステムに供給し、また高電流パルスが必要とされないときにDLCに細流充電を行なう。
【0002】
DLCは一般に、2つの制約を受ける。すなわち、非常に短い持続時間の電流パルスを供給するために使用される場合の、高いESR(等価直列抵抗)および高い容量損失である。コンデンサが短い電流パルスを供給するときに認められる瞬時電圧降下は、素子のESRに起因し、またそれに正比例する。パルスの持続時間全体にわたって継続する電圧降下は、利用可能な電荷、すなわち静電容量の関数になる。この組合せが総電圧降下をもたらし、これはいくつかの用途に素子を容認できなくすることがある。ある遮断電圧未満では回路が動作しなくなるので、回路内の電圧降下は重大である。デバイスのESRは、ある固有の値未満に低減させることができず、したがって総電圧降下を最小にするには高容量が必要とされる。容量がこのような大きい値であると、対応するESRが高くても総電圧降下が低くなる。電圧降下が低いと、伝導電磁妨害および放射電磁妨害が最少にもなる。
【0003】
従来の誘電体コンデンサは一般に、当業者によく知られた比較的高速の「ピックアンドプレース(pick and place)」工程を用いてPCB上に実装される。次いで素子は、赤外線リフローソルダリング技法、気相ソルダリング技法、またはウェーブソルダリング技法にかけられて、実装工程が完了する。一方、DLCは、半田ごてガン、抵抗ソルダリング装置、またはパルスソルダリング装置のどれかを使用する手付け半田方法によって、PCBに実装される。この手半田段階は、DLCを必要とする電子部品の効率的な製造にとって明らかな障害である。従来技術の通常の知識では、従来のリフローソルダリング工程および自動化ソルダリング工程によりリード内に高い熱応力が誘起されないようにするため、また実装済みの素子のESRを許容レベルに維持するために手付け半田段階が必要であると考えられている。DLCを装着するために使用できるかもしれない従来のコネクタ構成は、そのソケット/コネクタに使用される線およびトレース(trace)のために、ESRへの容認できない寄与を付加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、手付け半田を用いずに、またESRの禁止的な増加を伴わずにPCB上に装着することができる高電力電気化学DLCが、従来技術で必要とされている。本発明は、この必要性に対する解決策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的および利点は、一部には以下の説明の中で述べられ、あるいはその説明から明らかになり、あるいは本発明の実施によって知ることができる。
【0006】
本発明の態様によれば、DLCコンデンサは、そのそれぞれの端子リードのところに第1のコネクタ要素を用いて構成される。この第1のコネクタ要素は、従来の技法を使用してPCB上に実装された、対応する第2のコネクタ要素と結合する。このコネクタ構成は、第1と第2のコネクタ要素が結合するように、DLCがPCB上に容易に押し付けられることを可能にする。DLCをPCB上に電気的に装着するのに手付けまたはその他の半田付け技法を必要とせず、また、このコネクタ構成はESRを顕著に増加させない。
【0007】
具体的な一実施形態では、各DLC端子に配置された第1のコネクタ要素は、単一の比較的幅広いフランジ様のリードを備える。他の実施形態では、複数の個別コネクタ素子を、コンデンサの1つの共通電極リードからの各DLC端子に並列に配置することができる。このDLCリード(単一リード、または複数の並列リード)は、ピンまたはブレードの形状を有する雄形コネクタ素子として配置することができる。DLCリードは、PCB上に実装された第2のコネクタ要素の、相補的な形状にされた並列コネクタ素子と、各コンデンサリードの共通リードで結合する。例えば、第2のコネクタ要素は、従来のピックアンドプレイスソルダリング技法を使用してPCB上に実装されたハウジングを含むことができ、このハウジングがその中のコネクタ素子スロットの数を定め、このスロットにDLCリードが収容される。この構成によって、個別の各DLCリードにおける(PCBに接続されたときの)全体の総抵抗Rは、個別の各コネクタ素子の並列抵抗(R、R、R、...)の関数となり、次式で示される。
【0008】
=(1/R+1/R+1/R+...)−1
DLCリードの寸法、ならびに第2のコネクタ要素の並列個別コネクタ素子の数およびタイプを変えることによって、各リードにおける総抵抗は精密に制御することができる。DLCリードおよび個別のコネクタ素子の数、寸法、および形状は、DLC端子リードにおける平均ESR増加が、5ミリΩ未満になるように、より好ましくは3ミリΩ未満になるように選択される。
【0009】
第2のコネクタ要素は、本発明での用途のために専用に設計することができる。例えば、第2のコネクタ要素は、DLCの端子リードに対応する実装場所でPCB上に実装される、専用に設計されたハウジングを含むことができる。しかし、望ましい実施形態では、PCB上に配置される第2のコネクタ要素は、一連のコネクタ素子スロットがその面全体に配置された、従来のカードエッジコネクタであればよい。DLCケースの寸法、およびDLCリードの間隔に応じて、例えば、24、27、またはその他のマルチポジション(multiple position)カードエッジコネクタを使用することができる。この実施形態では、コネクタ素子は、カードエッジコネクタのすべてのスロットに挿入する必要がなく、DLCリードと結合されるスロットのみに挿入すればよい。例えば、カードエッジコネクタ上の外側寄りの5つまたは3つのポジションのみが使用され、中間のポジションが未使用になっているということもある。これら中間のポジションはコネクタ素子を必要としない。
【0010】
DLCリードは、第2のコネクタ要素にある所望の数の並列コネクタ素子と接続するように、ある幅および厚さを有する。具体的な一実施形態では、各DLCリードは、第2のコネクタ要素のハウジング内に装着された5つの並列コネクタ素子と結合するように配置される。上述したように、このハウジングは、従来のマルチポジションカードエッジコネクタであればよい。
【0011】
第2のコネクタ要素は、従来のピックアンドプレース技法を使用して、PCB上に実装することができる。そのコネクタ素子は、半田末端、またはワイヤラップ末端を有することができる。様々な実装構造および実装形状が可能である。例えば、低背構造の場合、第2のコネクタ要素を、そのコネクタ素子によりDLCがPCBに対して平行な方向になるように実装することが望ましいことがある。カードエッジコネクタに関して、この構造はしばしば「平行ボードツーボード実装(parallel board−to−board mounting)」と呼ばれる。しかし、このような平行の方向はまた、DLCリードの構成によっても実現することができる。例えば、DLCリードは、垂直の「ドーターカードツーマザーボード(daughter card to motherboard)構成」の形で実装されたカードエッジコネクタと接続するように、直角のオフセットを有することができる。
【0012】
DLCは、DLCリードが押し付けられて第2のコネクタ要素のコネクタ素子と電気的に接触するように、(例えば、手または自動化技法によって)PCB上に設置される。DLCリードは、ケースから第2のコネクタ要素の挿入中心線に突き出るのが望ましい。この目的のためにDLCリードは、特にDLCケースがPCB表面とじかに接触して装着される場合、オフセットを必要とすることがある。さらにDLCをPCB上に固定するために、接着剤、または保持クリップなどの機械的デバイス、あるいはその他機械的デバイスが使用されることがある。例えば、一実施形態では、接着層がDLCケースとPCBの間に配置される。
【0013】
どんな数のコネクタ構成も、各DLC端子におけるESR寄与を最少化する望ましい設計基準を満足させながら、DLCコンデンサをPCBに装着するための本発明の範囲内および精神内にあることを理解されたい。
【0014】
本発明のその他の特徴および態様は、図面に示された1つまたは複数の実施形態を参照して以下でより詳細に説明される。
【0015】
本発明の最良の形態を含み、当業者を対象とする全面的で権能を付与する(enabling)本発明の開示は、添付の図を参照する本明細書の残りの部分でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の態様による、DLCコンデンサをPCBに装着するための適切なコネクタ構成の斜視図である。
【図2】PCB上に装着された配置での、図1のDLCを示す斜視図である。
【図3A】PCB上に実装された図1のPCBコネクタ要素の切断図である。
【図3B】図3AのPCBコネクタ要素の前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書および図面での繰り返し使用の参照文字は、本発明の同じまたは類似の、特徴または要素を表すものである。
【0018】
次に、本発明の様々な実施形態を詳細に参照し、その1つまたは複数の例を以下に説明する。各例は、本発明の限定としてではなく、説明として提供される。実際のところ、本発明の範囲および精神から逸脱することなく様々な修正および変形を本発明に加えることができることは、当業者には明らかになるであろう。例えば、一実施例の一部として示され、または説明された特徴は、別の実施形態に使用されてさらなる実施形態をもたらすことができる。したがって、本発明はそのような修正および変形を包含するものである。
【0019】
本発明の態様によれば、固有のコネクタ構成が、二重層電気化学コンデンサをプリント回路基板(PCB)に装着するために提供される。DLCは当業者には知られており、このコンデンサの詳細な説明は、本発明を理解するのに必要でない。上述したように、DLCコンデンサ(「電気化学コンデンサ」または「スーパーコンデンサ」とも称される)は、高電圧、高電力、および高容量密度の特有の組合せを提供するために電子技術で広く受け入れられてきた。DLCは一般に、GSM、GPRS、およびPCSをベースとしたシステムなど高電力、高パルスの用途に使用されている。米国サウスカロライナ州、Myrtle BeachのAVX Corporationは、BESTCAP Ultra−low ESRスーパーコンデンサと呼ばれるDLCコンデンサの商品ラインアップを提供している。このBESTCAPコンデンサは、15mFから560mFまでの容量範囲を備え、3.6Vから12Vまでの6つの電圧定格を含んでいる。AVX CorporationのBESTCAPコンデンサのいずれか1つでも、またはそのどの組合せでも本発明を実施するために利用することができる。DLCコンデンサはまた、NEC、CAP−XX、Cooper、およびNessを含む、その他の様々な会社から入手することもできる。
【0020】
本明細書で用いられているように、「DLCコンデンサ」という用語は、どんな種類の電気化学コンデンサも包含するものとされており、このコンデンサでは、電荷移動が電子およびイオンによって行なわれ、その陰イオンおよび陽イオンが電解質に含まれ、この電解質は液体(通常、水溶液または有機溶液)または固体であってよい。固体電解質は通常、導電性ポリマーである。DLCは、電極〜電解質の境界面全体にわたって形成される電荷分離を利用する。DLCは2つのタイプの電荷キャリア、すなわち電解質側のイオン種、および電極側の電子種を含む。本質的に、電気化学DLCは、電解質に浸漬された2つの電極から成る。この電極が荷電されているときに、電解質のイオンが電界の影響を受けて反対電荷の電極に向かって移動する。電極は通常、活性炭である。荷電された状態では、陰イオンおよび陽イオンは、活性炭電極内の過剰電荷と釣り合うように、各電極に隣接して位置する。したがって、炭素と電解質の間の界面全体にわたって、反対極性の過剰電荷からなる2つの層がある。これは「電気化学二重層」と呼ばれる。
【0021】
前に論じたように、従来のDLCの制約は等価直列抵抗(ESR)であり、これは、コンデンサが短電流パルスを供給するときに瞬時の電圧降下をもたらす。本発明によるコネクタ構成は、デバイスのESR定格を不利に増大せずに、DLCをPCB上に迅速かつ効率的に装着する固有の方法を提供する。
【0022】
図1から図3B全般を参照すると、DLCコンデンサ10が示されている。コンデンサ10は、陽極を画定するセルケース(cell case)12を含む。このDLCは、セルケース12の縁部14に沿って2本の端子リード16を含む。
【0023】
DLC 10は、端子リード16に配置され全体が18で示された第1のコネクタ要素を含む。この第1のコネクタ要素18は、任意の種類の雄形または雌形のコネクタ素子を備えてよい。図示の実施形態では、コネクタ要素18は、ケース12の縁部14から突き出る、単一のブレードまたはフランジ様のリード20によって画定されている。リード20は、ピン、バイオネットなどの様々な形状および寸法、あるいは他の任意の従来のコネクタ構造を有してもよいことを理解されたい。その他の実施形態では、リード20は、各端子リード16に配置される複数の個別並列コネクタ素子によって画定することができる。
【0024】
DLCリード20が図1に示したようにそれぞれ単一のブレードまたはフランジである具体的な一実施形態では、このリードは、PCB 22上に実装された第2のコネクタ要素28の、所望の数の並列コネクタ素子と結合するように、ある厚さと幅を有することができる。以下でより詳細に論じるように、第2のコネクタ要素28は、例えば0.2mmの業界標準厚さ、あるいはその他の業界標準厚さのコネクタの受入れ用に設計されたカードエッジコネクタであってもよい。この実施形態では、DLCリードは、0.2mmの厚さと、カードエッジコネクタ内の所望の数のコネクタ素子と結合するように選択された幅とを有する。例えば、このリードは、カードエッジコネクタ内の5つのコネクタ素子と結合するものである場合には、約2.5mmの幅があればよく、あるいは2つまたは3つのコネクタ素子と結合するものである場合には、約1.4mmの幅があればよい。しかし、各DLC端子におけるESRの増加が所望の最小限になる限り、その他の構成の並列コネクタが本発明の範囲内および精神内にあることを理解されたい。
【0025】
具体的に図1および図2を参照すると、第2のコネクタ要素28が、従来のピックアンドプレース技法を使用してPCB 22の上面24に実装される。要素28は、適切な従来の任意の方法を使用してPCB 22に固定される。図示の実施形態では、第2のコネクタ要素28は絶縁ハウジング38を含み、このハウジングは、DLC 10の端子リードに位置および寸法が対応する端子パッド26を含む所望の実装場所で、PCB 22上に直接実装される。ハウジング38は、従来のピックアンドプレース技法および半田技法を使用して第2のコネクタ要素28をPCB 22上に実装するために、その長手方向の各端部に取付板42を含んでもよい。要素28は、それぞれのコネクタ素子の半田末端、またはワイヤラップ構造を含むことができる。上記で論じたように、第2のコネクタ要素28は、DLC端子のところのリード20と結合する並列コネクタ素子30を有する、カードエッジコネクタであってもよい。この目的のために、任意の数のコネクタデバイスまたはコネクタ要素が利用できることを理解されたい。
【0026】
カードエッジコネクタの場合のように、ハウジング38は、ハウジングの1つの面の両端間の位置に画定される複数の個別スロット40を画定することができ、その面はDLCリード20を受け入れる方向に向けられる。そのソケットは、ある形状と寸法を有する複数の個別コネクタ素子30を含み、したがってその複数の素子が、端子リード16それぞれにあるDLCリード20と電気的に結合する。例えば、図に示した実施形態では、コネクタ素子30は、かかり34をその端部にもつ傾きをつけたアーム32によって画定される。アーム32は、DLCリード20がその中へ突き出るV字形またはU字形のスロットを画定する。各リード20は、複数の素子30の両端間にまたがる。図示の実施形態では、各リード20は5つのコネクタ素子30にまたがる。図3に示したように、各コネクタ素子30は、基板22上の端子パッド26に半田付けされる末端36を含むことができる。
【0027】
ハウジング38は、特に第2のコネクタ要素28がカードエッジコネクタである場合に、その面全体にわたって各スロット40を含むことができる。この場合、コネクタ素子30は、DLCリード20と結合接触するのに必要なソケットだけに配置すればよい。例えば、ハウジング38は、27または24のスロット位置を含むことができ、各端部にある外側寄りの5つのスロット40だけがDLCリード20と結合するために使用される。
【0028】
好ましくは、DLCリードは、第2のコネクタ要素28のスロット40の挿入中心線に突き出るような方向に向けられる。この目的のために、特にDLCをPCB 22にじかに接触して装着することが望まれる場合、DLCケース20の厚さ、およびその他の変数に応じて、あるオフセットをもたせてリード20を形成することが必要になることがある。
【0029】
適切などんな種類のコネクタ構成でも本発明の精神の範囲内で利用できること、および図に示された構成が1つの適切な構成の一例であることを、当業者は理解されたい。
【0030】
本発明者らは、個別の並列コネクタ素子を各DLC端子に設けると、デバイスの総ESR増加を最少にしながら、十分な接触強度および接触表面積がもたらされることを見出した。この結合コネクタ要素は、いかなる種類の半田付けも用いないで、PCB 22上へのDLC 10の安定した電気的装着を可能にする。DLC端子16、および付随するリード20は、自動化リフローソルダリング工程の高い熱応力を受けることがない。DLC 10の電力定格および容量定格に応じ、DLCリードおよび個別コネクタ素子の数、寸法、および構造を変えて、端子リードにおける最少の許容ESR増加を実現することができる。具体的な望ましい実施形態では、そのリード/コネクタ構造による総ESR増加は5ミリΩ未満であり、好ましくは3ミリΩ未満である。
【0031】
DLC 10が、その電子構成要素のあらゆる動作環境においてPCB 22に取り付けられた状態に留まることを確実にするために、追加の手段を利用してDLCケース12をPCB 22に固定することができる。例えば、図1を参照すると、粘着物46をケース12の底面とPCB 22の間に配置することができる。この粘着物は、DLC 10の装着の前に剥ぎ取られる取り外しライナー48によって保護することができる。粘着物は、図1に示すように所望の実装場所の位置でPCB 22上に設けられても、あるいはDLCケース12の下面に設けられてもよい。別の実施形態では、DLC 10をPCB 22に対してさらに固定するために、従来の機械的取付けデバイスを利用することができ、このようなデバイスは、クリップ、ねじ、雄/雌係合デバイスなどを含み得る。
【0032】
図2は、第2のコネクタ要素のハウジング38全体にじかに接触しているDLCケース12を示す。他の実施形態では、ケース12がハウジング38から間隔をおくことができ、コネクタ素子20が各要素間の隙間を橋絡する。この実施形態は、要素ハウジング38に対してある角度でDLCコネクタ素子を挿入することを可能にし、これは低背コネクタ構成の場合に必要なことがある。
【0033】
テストデータESRの増加値を求めるために、AVX CorporationのBESTCAP DLCコンデンサを利用し、コンデンサの2つの端子リードそれぞれに5並列コネクタ構成を用いて試験を行なった。試験したコンデンサは、部品番号BZ05、定格5.5Vであった。このコンデンサには、厚さ0.2mm、幅2.5mmのブレード型リードが各端子に配置された。1つのカードエッジコネクタが、各DLCリードによって5つのコネクタ素子がコネクタの長手方向の各端部で係合されるように、PCB上に配置された。最初の試験では、カードエッジコネクタは、24ポジションコネクタであった(ハウジングの中間の14ポジションはコネクタ素子を含まず、使用されなかった)。2番目の試験では、カードエッジコネクタは27ポジションコネクタで、ハウジングの中間の17ポジションは使用されなかった。
【0034】
5個の異なるコンデンサが、各コネクタ構成を用いて試験された。各コンデンサは10回試験された。各試験は、非接続状態(PCBに電気的に結合されない)でコンデンサのESRを測定することから成った。次いでコンデンサは、PCB上でコネクタハウジングと結合され、結合された構成でのESRが求められた。2つの測定間のESR値の相違は、そのコネクタ構成に起因すると考えられる。この手順は、各コンデンサについて合計10回実施された。
【0035】
24ポジションコネクタを用いて試験されたコンデンサの場合、ESRの平均増加は1.9ミリΩ(標準偏差1.7)であった。27ポジションコネクタを用いて試験されたコンデンサの場合、ESRの平均増加は2.1ミリΩ(標準偏差1.8)であった。
【0036】
本発明をその具体的な実施形態に関して詳細に説明してきたが、以上の説明を理解すれば、当業者は、これらの実施形態の変更形態、変形形態および等価物を容易に思い付くことができることを理解されたい。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によるもの、およびそのあらゆる等価物の範囲であると査定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PCB上に装着するように構成されたDLCコンデンサであって、前記DLCコンデンサの各個別端子リードに配置され、半田付けを用いずにPCB上の第2のコネクタ要素に電気的に結合するための形状および構造を有する、第1のコネクタ要素を含むことを特徴とするDLCコンデンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【公開番号】特開2013−102224(P2013−102224A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−22571(P2013−22571)
【出願日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【分割の表示】特願2006−297897(P2006−297897)の分割
【原出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(500047848)エイブイエックス コーポレイション (14)
【Fターム(参考)】