説明

コネクタ付き放電管、その放電管用コネクタ、並びにコネクタ付き放電管を取りつけた面光源装置

【課題】ガラス管の外周面との間に隙間を有し、長さ方向に合口部を備え合口部の幅が広がるように変形して筒状部を放電管の端部に取りつけたコネクタ付き放電管を、電源回路と電気的に接続されたホルダへと取り付ける際、合口部を構成する対向端部がホルダの開口部(差込口)に当たってしまい、口金付き放電管がホルダに取り付け難いという問題点がある。
【解決手段】
コネクタ付き放電管(50)は、ガラス管(7)と、ガラス管(7)の端部に取りつけられた筒状部(2)と、ガラス管(7)の長さ方向に延伸して筒状部(7)に設けた対向端部(8)を有するコネクタ(1)と、を有する放電管において、筒状部(2)の外面(2A)の断面形状は、対向端部(8)側において筒状部(2)の内側へ向かって形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ付き放電管、その放電管用コネクタ、並びにコネクタ付き放電管を取りつけた面光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放電管は、中空のガラス管と、ガラス管の中空内の両端側に設けられた電極と、電極からガラス管の外部に導出されたリードと、リードを封止する封止部と、ガラス管内に充填された少量の水銀(Hg)並びにヘリウム(He)などの放電用ガスと、ガラス管の壁面に塗布された蛍光体とを備える。電源回路から放電管への電力供給は、電源回路と電気的に接続されたハーネス線を放電管のリードへ取り付ける場合と、下記特許文献1のようなコネクタ付き放電管を電源回路と電気的に接続され且つ基板上に配設されたホルダ(導電性の保持具)へと取り付ける場合が知られている。特許文献1のコネクタ付き放電管は、ガラス管の両端に取り付けられた筒状部と、筒状部から導出された導出部と、導出部の先端にリードと接続された接続部とを備えた放電管用コネクタをガラス管の端部に設けたものである。ちなみに筒状部、導出部、接続部はともに金属など導電性材料で形成されている。さらに、特許文献1のコネクタ付き放電管は、ガラス管の外周面との間に隙間を設けるために形成された突出部と、ガラス管の長手方向に合口部を備えるように対向端部とを筒状部に配設した例が開示されている。
【0003】
このようなコネクタ付き放電管においては、放電管用コネクタとガラス管との間に隙間を設けることで放電管の部分的冷却を抑制する事ができる。さらに、放電管用コネクタは筒状部と接続部との間に導出部を介在させて筒状部と接続部とを電気的に接続し、筒状部とホルダとを電気的に接続することで、ホルダにコネクタ付き放電管を取りつけた際、放電管の自重は直接リードかからないので、コネクタ付き放電管のリードに加わる外力を緩和し、リードとガラス管との間からガラス管に割れが生じる事を抑制する事ができる。
【特許文献1】特開2008−226846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、筒状部に合口部を有する上記特許文献1に記載の面光源装置において、放電管用コネクタは断面略円形のガラス管の外周面に取りつけるため、筒状部の断面形状は略円形に形成される。また、引用文献1における放電管用コネクタの凸部と筒状部の中心までの距離は筒状部の径よりも小さく形成されており、放電管用コネクタを放電管に組み込む前に比べて、放電管に組み込んだ後では、放電管用コネクタの合口部が広がるように筒状部は変形する。すると、コネクタ付き放電管の筒状部を基板に配置されたホルダに挟持して組み込む際、筒状部の対向端部がホルダに傷を付け、または、対向端部がホルダの開口部(差込口)に当たってしまい、口金付き放電管がホルダに取り付け難いという問題点がある。また、この問題を生じないようにするためには、合口部の位置がホルダに当接しないように合口部の向きを考慮して、コネクタ付き放電管の筒状部を基板に配置されたホルダに挟持して差し込む必要がある。
【0005】
本発明は、コネクタ付き放電管、その放電管用コネクタ、並びにコネクタ付き放電管を取りつけた面光源装置において、上記問題を解決することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるコネクタ付き放電管は、ガラス管と、ガラス管の端部に取りつけられた筒状部と、ガラス管の長さ方向に延伸して筒状部に設けた対向端部と、を有するコネクタと、を有する放電管において、筒状部の外面の断面形状は、対向端部側において筒状部の内側に向かって形成されていることを特徴とする。
さらに、本発明によるコネクタ付き放電管は、筒状部の内面には筒状部の内側に向かって突出する複数の突出部を有し、ガラス管の外周面との間に隙間が設けられていることが望ましい。
さらに、本発明によるコネクタ付き放電管は、筒状部の断面形状は略円形であって、筒状部の外面の対向端部と前記筒状部の中心軸までの距離は、筒状部の外面の径よりも小さいことが望ましい。
【0007】
本発明による放電管用コネクタは、ガラス管の端部に取りつけられる筒状部を有し、
筒状部の内面は、ガラス管の径よりも大きく形成され、筒状部の外面は、ガラス管の長さ方向に延伸する対向端部において、筒状部の内側に向かって形成されていることを特徴とする。
さらに、放電管用コネクタは、筒状部の内面には前記筒状部の内側に向かって突出する複数の突出部を有し、ガラス管の外周面との間に隙間が設けられていることが望ましい。
さらに、複数の突出部と筒状部の中心軸との距離はガラス管の径よりも小さいことが望ましい。
【0008】
本発明の面光源装置は、ガラス管と、ガラス管の端部に取りつけられた筒状部と、ガラス管の長さ方向に延伸して筒状部に設けた対向端部と、を有するコネクタと、を有するコネクタ付き放電管と、電源回路と電気的に接続され、筒状部を挟持して放電管を取りつけるためのホルダと、を有することを特徴とする。
さらに、本発明の面光源装置は、筒状部の内面には筒状部の内側に向かって突出する複数の突出部を有することが望ましい。
さらに、本発明の面光源装置は、筒状部の断面形状は略円形であって、筒状部の外面の対向端部と筒状部の中心軸までの距離は、筒状部の外面の径よりも小さいことが望ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のコネクタ付き放電管は、筒状部の外面の断面形状は、対向端部側において筒状部の内側に曲がるように形成されているので、合口部を有するコネクタをガラス管に配設したコネクタ付き放電管を、電源基板と電気的に接続されたホルダに挟持する際、ホルダを傷つけることなく、コネクタ付き放電管をホルダへ容易に取り付ける事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態として一実施例を図1〜図4に基づいて説明する。次に、図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なる。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、以下に示す実施の形態はこの発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0011】
図1は放電管用コネクタ1の一実施例の断面図、図2は放電管用コネクタ1を備えるコネクタ付放電管50の一実施例の断面図、図3は放電管用コネクタ1を備えるコネクタ付放電管50の一実施例の斜視図、図4はコネクタ付放電管50をホルダ102にはめ込んだ面光源装置100、を示したものである。
【0012】
(放電管用コネクタ)
本実施形態の放電管用コネクタ1は、図1で示すように、断面がC字状の略円形を有している筒状部2と筒状部2から導出された導出部3と放電管50のリード52と接続される接続部5とを有する。筒状部2はガラス管7の外周面との間に隙間を形成するため、隙間形成手段として筒状部2の内側へ突出する突出部6を筒状部2の内面2Bに有し、突出部6と突出部6との間ではガラス管7と放電管用コネクタ1との間に中空の隙間を形成する。突出部6は、筒状部2の周方向において、筒状部2の中心軸Xを挟んで対向端部8と対向する筒状部2の内面2Bに1つ設けられ、そこを基準として筒状部2の中心軸Xから左右(周方向に)120度間隔をずらした筒状部2の内面2Bの位置に各々設けられている。ガラス管7の中心軸を筒状部2の中心軸Xとほぼ同一とするため、筒状部2の径方向に複数の突出部6を備えている事が望ましいが、1つの突出部6だけでも良い。さらに、放電管用コネクタ1とガラス管7との当接面積をできる限り少なくして、放電管用コネクタ1によるガラス管7の部分冷却を抑制するために、突出部6はできる限り点接触としてガラス管7との接触面積を狭くし、且つ突出部6はできるだけ少ない方が望ましい。ただし、ガラス管7の中心軸を筒状部2の中心軸Xとほぼ同一とするため、突出部6は筒状部2の周方向に等間隔であって周方向に合計で3つの突出部6を備えている事が望ましい。突出部6は筒状部2の外面2Aに窪みを形成して内面2Bに突出部を形成したものであっても良いが、筒状部2の一部に切り込み又は切り掛けにより形成した可動片(又は舌片)を筒状部2の径方向内側に向かうように片の一部を曲げ加工したものであっても良い。
【0013】
放電管用コネクタ1の突出部6はガラス管7と当接するが、放電管用コネクタ1がガラス管7に取り付けられる前の筒状部2において、突出部6のガラス管7と当接する部分と筒状部2の中心軸Xとの寸法(筒状部2の中心軸Xから突出部6の最小寸法)L1は放電管用コネクタ1が取りつけられるガラス管7の外周面の径Rよりも小さい。
平状の金属板を筒状に丸めて形成された筒状部2は、筒状部2の長さ方向(又はガラス管7の長さ方向)に延伸する対向端部8と、対向端部8の間の隙間である合口部9を有する。対向端部8は互いに溶接等によって固定されておらず、合口部9の間隔は力を加えると広がり、放電管用コネクタ1はその反作用で合口部9の間隔を縮める応力が生じ、放電管用コネクタ1はその応力によってガラス管7と固定される。なお、前述の可動片を筒状部2に設ける場合、可動片の弾性応力のみ、又は、前記合口部9の間隔を縮める応力の両方によって放電管用コネクタ1はガラス管7と固定される。
筒状部2の外面2Aは、筒状部2の長さ方向に延伸する対向端部8近傍において、筒状部2の内側へ曲げ加工又は外面2A表面を角取りして削られ、筒状部2の内側へ向かっている。放電管用コネクタ1がガラス管7に取り付けられる前の筒状部2において、筒状部2の中心軸Xから対向端部8の外面2Aまでの寸法L2が、筒状部2の中心軸Xから中心軸Xを挟んで対向端部8と対向する外面2Aまでの寸法L3より短くなっている事が望ましい。また、放電管用コネクタ1は筒状部2の対向端部8の内面2Bにおいて、外面2Aと同様に内側2Bにおいても同様に筒状部2の内側へ曲げ加工又は外面2A表面を角取りして削られ、筒状部2の内側へ向かっていても良い。この場合、筒状部2の中心軸Xから対向端部8に対応する箇所の寸法L4が、筒状部2の中心軸Xから中心軸Xを挟んで対向端部8と対向する内面2Aまでの寸法より短くしても良い。なお、放電管用コネクタ1をガラス管7に取り付ける際、筒状部2の内面2Bの対向端部8でガラス管7を傷つけないように、筒状部2の内面2Bの対向端部8と筒状部2の中心軸Xとの距離L4は放電管用コネクタ1が取りつけられるガラス管7の外周面の径Rより大きい。
【0014】
筒状部2の対向端部8と異なる端部2Cには、筒状部2の周方向の長さ以下であって筒状部2の端部から中心軸Xに向かって延伸している導出部3を介して放電管51のリード52と接続される接続部5を有する。接続部5は筒状部2の中心軸X方向に延伸し、容易に放電管51のリード52を半田や溶接等にて固定されることができる構造となっている。たとえば、放電管51のリード52に接続する前の接続部5は平板のまま、V字、U字、又はC字の断面形状を有している。リード52と半田や溶接で良好に接続するため、リード52の延伸する方向に接続部5が延伸している事が望ましい。
導出部10は筒状部2への外からの力が放電管51のリード52に伝播してリード52と接するガラス管7の封止部にクラックが生じないように、少なくとも1つ、より好ましくは2箇所以上の異なる箇所で屈折部(又は湾曲部)を有していることが望ましく、筒状部2の端部から筒状部2の中心軸Xに向かって伸びるように屈折する部分と、筒状部2の中心軸Xと平行に延出する接続部5につながるように屈折する部分の少なくとも2個の屈折部(又は湾曲部)を有することが望ましい。
筒状部2、導出部3、接続部5は導電性材料で形成されており、筒状部2、導出部10、接続部5はNiメッキしたCu板やステンレス板などの一枚の金属平板から形成されていてもよい。また、筒状部2、導出部3、接続部5の少なくともいずれか1つを別の金属平板で形成し、互いに溶接などで固定しても良い。
【0015】
(コネクタ付き放電管)
本実施形態のコネクタ付き放電管50は、図2及び図3で示すように、前述の放電管用コネクタ1を中空のガラス管7の端部に取り付けたものである。ガラス管7の両端側にはガラス管7の中空内に配設された電極(図示せず)と、電極と一端が溶接されガラス管7の外部へと延出したリード52とを有している。放電管用コネクタ1の接続部5は環状、V字状、U字状、C字状の断面形状を有し、リード52に沿って延伸する延伸端部を有し、溶接とかしめと半田の少なくとも1つ、より好ましくはかしめと溶接を行なってリード52と接続する。
リード52に負荷をかけないため、リード52は曲げられておらず筒状部2の中心軸Xと平行に延伸している事が望ましい。リード52は環状、V字状、U字状、C字状の断面形状を有している放電管用コネクタ1の接続部5へと設けられている。リード52を接続部5で良好に接続するため、リード52の端部は接続部5よりも筒状部2から遠くまで延伸しており、リード52をカシメ加工で固定した時、リード52の先端が接続部5よりも筒状部2から遠い事が望ましい。カシメ加工又は半田又は溶接によって放電管用コネクタ1の接続部5と放電管51のリード52とが機械的及び電気的に良好に固定されている。なお、図2で示すように、接続部5はリードの全周に亘って形成された第1の部分(5a)と、第1の部分5aから連続して設けられ、且つ接続部の内面同士を接続した第2の端部5bとを有する事が望ましい。接続部の第2の端部(5b)を有する事で、確実にリード52と接続部5とを接続する事ができる。
【0016】
放電管用コネクタ1の筒状部2の内面2Bに設けられた突出部6がガラス管7の外壁面に当接し、筒状部2とガラス管7の外壁面との間に空間(隙間)が生じている。放電管用コネクタ1をガラス管7に取り付ける前、筒状部2の中心軸Xからガラス管7と当接する突出部6までの寸法L1がガラス管7の径Rよりも小さく形成されている。したがって、放電管用コネクタ1がガラス管7に取り付けられる際、筒状部2は合口部9の幅がより広がるように変形するとともに、合口部9の幅を狭める応力が生じる。また、筒状部2は環状又はC字状であるため、放電管51に取りつける前に比べて、ガラス管7に取り付けた筒状部2の外面2Aの対向端部8は、筒状部2の内(中空)側へと向かうように形成されており、断面形状が略円形又は楕円形の筒状部2において、例えばその中心軸Xから外面2Aの寸法の中で対向端部8は最も大きいものではない。
コネクタ付き放電管50において、筒状部2の内面2Bの対向端部8でガラス管7を傷つけないように、筒状部2の内面2Bの対向端部8と筒状部2の中心軸Xとの距離L4は放電管用コネクタ1が取りつけられるガラス管7の外周面の径Rより大きい。
また、コネクタ付き放電管50において、筒状部2の外面2Aの対向端部8は筒状部2の内側に向かっており、仮想的な略円筒形を有する筒状部2(図2の点線の筒状部)よりも筒状部2の外面2Aの対向端部8は内側に配置されている。
【0017】
(面光源装置)
本実施形態の面光源装置100は、図4で示すように、基板101と、基板101に取り付けられたホルダ102と、ホルダ102に筒状部2をはめ込んだ前述のコネクタ付き放電管50とを有する。
ホルダ102は電源回路(図示せず)の出力端子と電気的に接続され、コネクタ付き放電管50の筒状部2と電源回路の出力端子との間を電気的に接続する機能、コネクタ付き放電管50の筒状部2を挟持し、電源回路が配置された基板との間に介在して機械的に固定する機能を有する。コネクタ付き放電管50を取り付ける前において、コネクタ付き放電管50の筒状部2を挟持するためにホルダ102は筒状部2の外面2Aの径より狭く、筒状部2の外面2Aと当接する当接部103を内側に有し、当接部103の一端に基板101に固着された固定部104と、当接部103の一端とは反対の他端に筒状部2をホルダ102にはめ込むための差込部105とを有する。
コネクタ付き放電管50をホルダ102に取り付けた際、ホルダ102の当接部103は変形してその反発力によりコネクタ付き放電管50の筒状部2を挟持する。ホルダ102に生じる反発力は筒状部2の縮径弾性力の外側から合口部9の間隔を狭める応力としても働き、ホルダ102が筒状部2とガラス管7とを良好に保持される。
筒状部2は外面2Aの対向端部8に向かって内側に曲げられており、外面2Aの対向端部8は外面2Aの中で筒状部2の中心軸からの寸法が最長でなく、筒状部2の外面2Aの中で最も外側に突出していない。従って、コネクタ付き放電管50を基板101上に配設したホルダ102に挟持する際、対向端部8でホルダ102を傷つけることなく、コネクタ付き放電管50をホルダ102へ容易に取り付ける事ができる。また、この時、筒状部2の内面2Bの対向端部8と筒状部2の中心軸Xとの距離L4は放電管用コネクタ1が取りつけられるガラス管7の外周面の径Rより大きい。従って、筒状部2の内面2Bでガラス管7の外周面を傷つける事はない。
【0018】
(第2の実施の形態)
本発明における第2の実施の形態のコネクタ付き放電管は、前述の第1の実施の形態のコネクタ付き放電管50において、放電管のリード52に取り付ける放電管用コネクタ1の接続部5及びリード52と接続部5との接続方法を代えた例を説明するものである。本発明における第2の実施形態の放電管用コネクタ1の接続部5がリード52に沿って延伸する平板の形状の場合、図5で示すように、溶接で溶融する事が可能なニッケル(Ni)メッキした銅(Cu)やステンレス等の金属材料からなる筒状の溶接部材4を用いて溶接にて接続部5とリード52を固定されてもよい。溶接部材4の中空の部分は、接続部5及びリード52を入れる事が可能であれば良く、溶接部材4を取り付けることによって接続部5とリード52が当接する又はわずかな隙間を有している形状であって円形でなくとも良い。このように筒状の溶接部材4を差し込むことによって導出部3の弾性によってリード52と接続部5とが離れることなく確実に接続部5とリード52溶接する事ができる。
【0019】
(第3の実施の形態)
本発明における第3の実施の形態のコネクタ付き放電管は、前述の第1の実施の形態のコネクタ付き放電管50において、放電管用コネクタ1の導出部3、放電管のリード52に取り付ける放電管用コネクタ1の接続部5並びにリード52と接続部5との接続方法を代えた例を説明するものである。本発明における第3の実施形態のコネクタ付き放電管50は、図6及び図7で示すように、筒状部2の端部からリード52に沿う方向ではなく筒状部2の周方向に延出し、そこからリード52の側面に向かう導出部3とリード53の側面に沿って曲げられて形成され、先端部がリードを越えて筒状部2から導出部3が導出される基端部側へ向かって形成された接続部5とを有する。本実施の形態によれば、カシメの方向に導出部3が弾性力を持って可動する事ができるので、コネクタ付き放電管50のリード52に加わる外力を緩和し、リード52とガラス管7との間からガラス管7に割れが生じる事を抑制する事ができる。なお、図6で示すように、筒状部2の端部から筒状部2の周方向に延出する前にリード52の方向へ導出する第1の部分を設け、第1の部分から筒状部2の周方向に延出する第2の部分としても良い。これにより、ガラス管7の端部が筒状部2の端部よりも接続部5の側へ所定以上に挿入されたとしても、導出部3又は接続部5でガラス管7に傷をつけることを防止する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明における放電管用コネクタ1の一実施例の断面図を示す。
【図2】本発明における放電管用コネクタ1を備えるコネクタ付放電管50の一実施例の断面図を示す。
【図3】本発明における放電管用コネクタ1を備えるコネクタ付放電管50の一実施例の斜視図を示す。
【図4】本発明におけるコネクタ付放電管50をホルダ102にはめ込んだ面光源装置の断面図を示す。
【図5】本発明におけるリング状の金属製の溶接材料4を用いてリード52と接続部5を溶接したコネクタ付き放電管50の第2の実施形態の側面図を示す。
【図6】コネクタ付き放電管50の第3の実施形態の側面図を示す。
【図7】コネクタ付き放電管50の第3の実施形態の断面図を示す。
【符号の説明】
【0021】
1、放電管用コネクタ
2、筒状部
3、導出部
4、溶接部材
5、接続部
6、突出部
7、ガラス管
8、対向端部
9、合口部
50、コネクタ付き放電管
100、面光源装置
101、基板
102、ホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス管と、
前記ガラス管の端部に取りつけられた筒状部と、前記ガラス管の長さ方向に延伸して該筒状部に設けた対向端部と、を有するコネクタと、
を有する放電管において、
前記筒状部の外面の断面形状は、前記対向端部側において前記筒状部の内側に向かって形成されていることを特徴とするコネクタ付き放電管。
【請求項2】
前記筒状部の内面には前記筒状部の内側に向かって突出する複数の突出部を有し、前記ガラス管の外周面との間に隙間が設けられていることを特徴とする請求項1のコネクタ付き放電管。
【請求項3】
前記筒状部の断面形状は略円形であって、前記筒状部の外面の前記対向端部と前記筒状部の中心軸までの距離は、前記筒状部の外面の径よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2のコネクタ付き放電管。
【請求項4】
ガラス管の端部に取りつけられる筒状部を有し、
前記筒状部の内面は、前記ガラス管の径よりも大きく形成され、
前記筒状部の外面は、前記ガラス管の長さ方向に延伸する対向端部において、前記筒状部の内側に向かって形成されていることを特徴とする放電管用コネクタ。
【請求項5】
前記筒状部の内面には前記筒状部の内側に向かって突出する複数の突出部を有し、前記ガラス管の外周面との間に隙間が設けられていることを特徴とする請求項4の放電管用コネクタ。
【請求項6】
前記複数の突出部と前記筒状部の中心軸との距離は前記ガラス管の径よりも小さいことを特徴とする請求項5の放電管用コネクタ。
【請求項7】
ガラス管と、
前記ガラス管の端部に取りつけられた筒状部と、前記ガラス管の長さ方向に延伸して該筒状部に設けた対向端部と、を有するコネクタと、
を有するコネクタ付き放電管と、
電源回路と電気的に接続され、前記筒状部を挟持して前記放電管を取りつけるためのホルダと、
を有する面光源装置。
【請求項8】
前記筒状部の内面には前記筒状部の内側に向かって突出する複数の突出部を有し、前記ガラス管の外周面との間に隙間を設けられていることを特徴とする請求項7の面光源装置。
【請求項9】
前記筒状部の断面形状は略円形であって、前記筒状部の外面の前記対向端部と前記筒状部の中心軸までの距離は、前記筒状部の外面の径よりも小さいことを特徴とする請求項7又は8の面光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−103070(P2010−103070A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−276184(P2008−276184)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(000106276)サンケン電気株式会社 (982)
【Fターム(参考)】