説明

コネクタ用接続端子およびそれを用いたコネクタ

【課題】コネクタおよび導通検査用プローブの製造が容易で、導通検査時に隣り合う接続端子に導通検査ピンが誤接触するのを防止できるコネクタ用接続端子およびそれを用いたコネクタを提供する
【解決手段】コネクタ10のベース11に固定される固定片21と、固定片21から上方に延在する連結部22と、連結部22から固定片21と対向する方向に延在する可動片23とを備え、ベース11に並設されるコネクタ用接続端子20であって、固定片21の端部に設けられた導通検査用の延在部26と、可動片23または連結部72のいずれか一方の上辺に設けられた導通検査用の突起34とを備えたコネクタ10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコネクタ用接続端子、特に、フレキシブルプリント基板を接続するためのコネクタ用接続端子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハウジング内部に圧入された接続端子の導通検査を行うため、導通検査部を備えた接続端子およびそれを用いたコネクタが提案されている。特に、このコネクタでは、フレキシブルプリント基板を挿入せずに、接続端子とこれを実装する外部基板との間の導通状態を検査している。
【0003】
例えば、特許文献1には、接続端子の上側アームに設けた1カ所の導通検査部が、受け部を介しハウジングの上面から突出するコネクタが記載されている。このコネクタでは、導通検査用プローブを導通検査部に直接、押圧接触させて導通検査を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平05−057763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のコネクタでは、接続端子に1カ所の導通検査部しか設けられていない。このため、接続端子をハウジングに例えば0.5mmピッチで並設すると、個々の接続端子に対応する針状の導通検査ピンを0.5mmピッチで設ける必要があった。この結果、精密な組立加工が必要となり、導通検査するための器具である導通検査用プローブの製造コストが増大すると共に、導通検査時に隣り合う接続端子に導通検査ピンが誤接触するという問題があった。
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたもので、コネクタおよび導通検査用プローブの製造が容易で、導通検査時に隣り合う接続端子に導通検査ピンが誤接触するのを防止できるコネクタ用接続端子およびそれを用いたコネクタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するため、
コネクタのベースに固定される固定片と、前記固定片から上方に延在する連結部と、前記連結部から前記固定片と対向する方向に延在する可動片と、を備え、前記ベースに並設されるコネクタ用接続端子であって、
前記固定片の端部に設けられた延在部と、
前記可動片または連結部のいずれか一方の上辺に設けられた突起と、
を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
上記構成により、導通検査用の延在部と導通検査用の突起との2カ所の少なくともどちらか一方で導通検査を行うことができる。これにより、導通検査を行う場所に対応させて2種類の接続端子を製造する必要がなく、接続端子を製造するために必要な金型のコストを削減できる。
【0009】
前記突起は、前記連結部と同一直線上に延在してもよい。
導通検査用の延在部を固定片の端部に設けると共に、導通検査用の突起を支持強度の高い連結部と同一直線上にそれぞれ設けることで、導通検査の際に荷重が負荷されても、接続端子の変形,破損を防止できる。
【0010】
前記可動片は、前記連結部の自由端部から両側に延在し、
前記突起を前記可動片または前記連結部のいずれか一方に設けてもよい。
これにより、ベースの上方からも導通検査を行うことができる。
【0011】
上記複数本のコネクタ用接続端子をベースに組み込んで並設すると共に、
前記ベースに、前記延在部が露出する第1受け部と、前記突起が露出する第2受け部と、を千鳥状に配設してもよい。
【0012】
上記構成により、千鳥状に配置した第1受け部および第2受け部を介し、導通検査用の突起および導通検査用の延在部に導通検査ピンが当接するので、導通検査ピンを千鳥状に配置でき、隣り合う導通検査ピンの間隔を広くできる。このため、導通検査時に、接続端子と導通検査ピンの誤接触を防止できる。また、精密な組立加工を必要とせず、導通検査用プローブの製造が容易になり、製造コストを削減することができる。更に、ベースにフレキシブルプリント基板を挿入せずに、接続端子と外部基板との導通状態を検査できる。
【0013】
前記第1受け部を前記ベースの下方部に、前記第2受け部を前記ベースの上方部に、それぞれ設けてもよい
これにより、第1受け部と第2受け部との高さ位置が異なる。このため、第1受け部を介して導通検査用の延在部に導通する第1導通検査ピンと、第2受け部を介して導通検査用の突起に導通する第2導通検査ピンとの長さ寸法が異なる。この結果、第1導通検査ピンを第1受け部に、第2導通検査ピンを第2受け部に、それぞれ位置決めしやすくなる。
【0014】
前記第1および第2受け部の端部を、前記延在部または前記突起に当接する導通検査ピンの先端部と嵌合可能な表面形状としてもよい。
これにより、位置決め精度が向上し、導通検査ピンの位置ずれを防止できる。
【0015】
前記可動片が、前記ベースに回動可能に組み付けられた操作レバーによって操作され回動することで、前記可動片と前記固定片との間に挿入された扁平導線を狭持してもよい。
これにより、操作レバーを用いたコネクタにおいても、本発明の接続端子を用いることにより、導通検査用プローブの製造が容易になると共に、導通検査時に、接続端子と導通検査ピンの誤接触を防止できるという効果がある。
【0016】
コネクタのベースに固定される固定片と、前記固定片から上方に延在する連結部と、前記連結部の自由端部から前記固定片と対向する方向に延在する可動片と、を有するコネクタ用接続端子が、
前記固定片の端部に設けられた延在部と、
前記可動片または連結部のいずれか一方の上辺に設けられた突起と、
を備え、
複数本の前記コネクタ用接続端子を組み込んで並設する前記ベースに、前記延在部が露出する第1受け部と、前記突起が露出する第2受け部と、を千鳥状に配設し、
導通検査を行う第1導通検査ピンを前記第1受け部の端部に嵌合して前記延在部と当接し、
導通検査を行う第2導通検査ピンを前記第2受け部の端部に嵌合して前記突起と当接することで、導通検査を行うものである。
【0017】
上記方法により、導通検査ピンの位置決め精度が向上し、位置ずれを防止できる。従って、導通検査の作業効率を向上できる。
第1導通検査ピンを固定片の端部に設けられた延在部と当接し、第2導通検査ピンを固定片または可動片のいずれか一方の上辺に設けられた突起と当接するので、導通検査の際に荷重が負荷されても、接続端子の変形,破損を防止できる。
千鳥状に配置した第1受け部および第2受け部を介し、導通検査用の突起および導通検査用の延在部に導通検査ピンが当接するので、導通検査ピンを千鳥状に配置でき、隣り合う導通検査ピンの間隔を広くできる。このため、導通検査時に、接続端子と導通検査ピンの誤接触を防止できる。また、精密な組立加工を必要とせず、導通検査用プローブの製造が容易になり、製造コストを削減することができる。更に、ベースにフレキシブルプリント基板を挿入せずに、接続端子と外部基板との導通状態を検査できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1A,図1Bは本発明に係るコネクタ用接続端子を組み込んだコネクタを異なる角度から見た斜視図である。
【図2】図2Aは図1Aで示したコネクタの左側から奇数列の挿入孔に沿った断面斜視図、図2Bは図2Aの偶数列の挿入孔に沿った断面斜視図である。
【図3】図1で示したコネクタの分解斜視図である。
【図4】図4Aは図2Aで示したベースを前面側から見た断面斜視図、図4Bは図4Aのベースを背面側から見た断面斜視図である。
【図5】図5Aは図3で示した接続端子を前面側から見た斜視図、図5Bは図5Aの接続端子を背面側から見た斜視図である。
【図6】図6Aは図3で示した操作レバーを前面側から見た部分拡大斜視図、図6Bは図6Aの操作レバーを背面側から見た部分拡大斜視図である。
【図7】図7Aはコネクタに導通検査用プローブを導通する前の状態を示す斜視図、図7Bはコネクタに導通検査用プローブを導通している状態を示す斜視図である。
【図8】図8Aはコネクタにフレキシブルプリント基板を挿通する前の斜視図、図8Bはコネクタにフレキシブルプリント基板を挿通した状態の斜視図、図8Cはコネクタにフレキシブルプリント基板を挿通し固定した状態の斜視図である。
【図9】図9Aはフレキシブルプリント基板を挿通する前の図2Aで示した奇数列の挿入孔に沿った断面図、図9Bは図9Aで示したフレキシブルプリント基板を挿通しコネクタに固定した状態を示す断面図である。
【図10】図10Aはフレキシブルプリント基板を挿通する前の図2Bで示した偶数列の挿入孔に沿った断面図、図10Bは図10Aで示したフレキシブルプリント基板を挿通しコネクタに固定した状態を示す断面図である。
【図11】図11Aは図5の接続端子の変形例を示す斜視図、図11Bは図11Aの接続端子の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る実施形態を図1ないし図10の添付図面に従って説明する。
本実施形態にかかるコネクタ10は、図1から図3に示すように、大略、ベース11と、接続端子20と、操作レバー40とからなるものである。なお、説明の便宜上、図1(A)中、手前側をコネクタ10の前面側、奥側を背面側という。そして、前記コネクタ10に、扁平導線を備えたフレキシブルプリント基板50が、前面側から背面側に向かって挿入される(図8(A)および図8(B)参照)。
【0020】
ベース11には、図4(A)および図4(B)に示すように、その両側端面の片側縁部から弾性腕部12が背面側に向かって平行にそれぞれ延在するように配置されている。前記弾性腕部12の内向面のうち、先端縁部にガイド用テーパ面12aを形成してあるとともに、その奧側に軸受け用凹部12bを形成してある。また、前記ベース11は、その前面側に後述するフレキシブルプリント基板50の先端部を挿入できる開口部13を有するとともに、前面から背面を貫通する挿入孔14を所定のピッチで並設してある。開口部13を形成する下方部15の前縁には、前記挿入孔14に連通する湾曲面からなる第1受け部16を設けてある。また、上方部17の背面側縁部には、挿入孔14に連通し、かつ、後述する接続端子20の挿入方向と同一方向に延びる第2受け部18を設けてある。第2受け部18の前面側端部には、湾曲面を形成してある。これら第1受け部16と第2受け部18とは、隣り合う挿入孔14,14に対して、交互に千鳥状に配設してある。
すなわち、図4(A)中、左側から数えて奇数列の挿入孔14と連通するように第1受け部16が、偶数列の挿入孔14と連通するように第2受け部18が、それぞれ設けてある。
さらに、図3に示すように、ベース11の前面側両端には、奥側に向かって延びる切欠き部19aが形成されている。この切欠き部19aには係合する断面コ字形の接続金具19bが挿入され、前記接続金具19bを介して前記ベース11が外部基板(図示せず)に固定される。
【0021】
接続端子20は、図5(A)および図5(B)に示すように、前記ベース11の挿入孔14に挿入して固定される固定片21と、前記固定片21の上辺に突設した連結部22と、前記連結部22の上端部から両側に前記固定片21と略平行に延在した可動片23とからなるものである。そして、前記接続端子20は、例えば、厚さ0.1mmを有し、前記ベース11に0.5mm間隔で並設される。
【0022】
前記固定片21には、前方に向かって延在する導通検査用延在部26と、背面側端部の下辺に、半田などにより外部基板に接続する半田接続部25とを設けてある。導通検査用延在部26の上辺には、後述する先端部29に向かって突出する固定用突起30を形成してある。また、半田接続部25の前面側には、前記ベース11の縁部に係止して位置決めするための係止用段部24を形成してある。さらに、固定片21の上辺には、前記連結部22よりも前面側に、上方に突出する下側接点28を設けてあると共に、前記連結部22よりも背面側に下方に凹んだ回動受け部27を設けてある。この下側接点28は、挿入されたフレキシブルプリント基板50を抜け止めするだけではなく、フレキシブルプリント基板50が下側接点28側に傾いた場合、接点として機能する。そして、前記下側接点28の下方を矩形状に切り抜いて先端部29を形成してある。
【0023】
前記連結部22は、前記固定片21と前記可動片23とを連結するとともに、前記可動片23を回動可能に支持している。
【0024】
前記可動片23は、その一端部に操作レバー40からの操作を受ける操作受け部32を設けてある。一方、その他端部に下方に突出する可動接点33を設けてある。そして、この可動接点33は、前記下側接点28の直上に配置されている。また、可動片23の上辺中央には、連結部22と同一直線上に延在する導通検査用の突起34が突出している。
【0025】
操作レバー40は、図6(A)および図6(B)に示すように、両側端面に外方に向かって突出する回動用嵌合部41,41を同一軸心上に設けてある。これら一対の回動用嵌合部41,41を繋ぐように長手方向に向かって延び、かつ、円弧面を備えた回動軸部42が形成されている。
【0026】
なお、本実施形態にかかるコネクタ10に接続されるフレキシブルプリント基板50は、その先端縁部の上面にプリント配線した接続パッド51(図8(A)参照)を並設してある。
【0027】
また、本実施形態にかかるコネクタ10の導通検査を行う導通検査用プローブ60は、図7(A)に示すように、基台61と、基台61から突出する第1および第2導通検査ピン62,63とを備えている。第1および第2導通検査ピン62,63は、先端部が球面に形成された針形状であり、第1導通検査ピン62は第2導通検査ピン63よりも長い。そして、これら導通検査ピン62,63は基台61に、正面視で千鳥状に配置されている。
【0028】
前述の構成部品の組立方法について説明する。
まず、図3に示すように、前記ベース11の挿入孔14に、接続端子20の導通検査用延在部26を背面側から挿入する。そして、接続端子20に設けた固定用突起30がベース11の下方部15の天井面に係止するとともに、係止用段部24がベース11の縁部に係止し、位置決めされる(図2参照)。このとき、図2(A)に示すように、左側から奇数列に配設された接続端子20の導通検査用延在部26が、ベース11の第1受け部16から露出している。一方、図2(B)に示すように、左側から偶数列に配設された接続端子20の導通検査用突起34が、ベース11の第2受け部16から露出している。
【0029】
ついで、操作レバー40の回動用嵌合部41をベース11の背面側から弾性腕部12のガイド用テーパ面12aに沿って圧入し、回動用嵌合部41を軸受け用凹部12bに嵌合する。更に、回動軸部42を接続端子20の回動受け部27に位置決めすることで、操作レバー40が回動軸部42を中心として回動可能に支持される。
【0030】
図示しない外部基板にコネクタ10を実装した後、接続端子20が、半田接続部25を介して外部基板と導通していることを確認するため、導通検査を行う。
具体的には、図7(A)に示すように、第1導通検査ピン62の先端部が第1受け部16を介して導通検査用延在部26と、第2導通検査ピン63の先端部が第2受け部18を介して導通検査用突起34と当接するように、導通検査用プローブ60を位置決めする。
【0031】
そして、図7(B)に示すように、導通検査用プローブ60を下降させることにより、第1導通検査ピン62の先端が第1受け部16の端部に嵌合し、第2導通検査ピン63の先端が第2受け部18の端部に嵌合する。従って、第1導通検査ピン62が導通検査用延在部26に当接すると共に、第2導通検査ピン63が導通検査用突起34に当接することにより導通しているか否かを検査する。これにより、接続端子20が、半田接続部25を介し外部基板と確実に導通していることを確認できる。
【0032】
次に、前記コネクタ10に前記フレキシブルプリント基板50を接続,固定する方法を図8から図10に基づいて説明する。
図9(A)および図10(A)に示す操作レバー40のアンロック状態において、図8(A)および図8(B)に示すように、前記ベース11の開口部13からフレキシブルプリント基板50を挿入する。ついで、操作レバー40を回動軸部42の軸心を中心に回動して押し倒す(図8(C)参照)と、図9(B)および図10(B)に示すように、操作面44が接続端子20の操作受け部32を押し上げ、ロック状態になる。このため、連結部22を支点として可動片23が傾き、可動接点33がフレキシブルプリント基板50の接続パッド51に圧接して導通する。
【0033】
本実施形態においては、可動接点33がフレキシブルプリント基板50を押し下げて湾曲させるだけでなく、可動接点33と下側接点28とがそれぞれ前記フレキシブルプリント基板50の表裏面に食い込んで抜け止めするので、高い接触信頼性を確保できる。
【0034】
一方、前記フレキシブルプリント基板50を前記コネクタ10から取り外す場合には、前記操作レバー40を逆方向に回動させることにより、接続端子20の操作受け部32への曲げモーメントを解除すると共に、フレキシブルプリント基板50に対する可動接点33の接続状態を解除する。その後、前記フレキシブルプリント基板50を引き出す。
【0035】
本実施形態によれば、導通検査用延在部26と導通検査用突起34との少なくともどちらか一方で半田接続部25,25の導通検査を同時に行うことができる。これにより、導通検査を行う場所に応じて2種類の接続端子を製造する必要がなく、接続端子を製造する金型のコストを削減できる。
また、導通検査用延在部26を固定片21の半田接続部25とは反対側に設けてあるので、導通検査時に第1導通検査ピン62の荷重が半田接続部25に負荷されない。このため、導通検査を行う際、半田接続部25と図示しない外部基板との間に半田付け不良があっても、半田接続部25に荷重が負荷されないので誤検知を防止できる。
更に、導通検査用突起34を支持強度の高い連結部22と同一直線上に設けてあるので、導通検査の際に第2導通検査ピン63の大きな荷重が負荷されても、接続端子20の変形,破損を防止できる。そして、導通検査用突起34は半田接続部25とベース11の奥行きに対しずれているので、半田接続部25に導通検査時の荷重が負荷されず誤検知を防止できる。
【0036】
従来、例えば、0.5mmピッチで並設された接続端子に対応するように、導通検査用プローブの導通検査ピンを0.5mmピッチで配置するには、精密な加工が必要となり、導通検査用プローブの製造コストが増大していた。また、導通検査時に、隣り合う接続端子に導通検査ピンが誤接触する問題があった。
しかし、本実施形態では、第1および第2導通検査ピン62,63を千鳥状に配置することにより、隣り合う第1導通検査ピン62および第2導通検査ピン63の間隔を、1.0mmに広げることができる。このため、導通検査用プローブ60の製造が容易になり製造コストを削減できると共に、導通検査時に、接続端子20と第1導通検査ピン62および第2導通検査ピン63との誤接触を防止できる。そして、第1受け部16と第2受け部18とを介して導通検査を行うので、ベース11にフレキシブルプリント基板50を挿入しなくても、接続端子20と外部基板との導通検査を行うことができる。
【0037】
第1受け部16をベース11の下方部15に、第2受け部18をベース11の上方部17に、それぞれ設けることで、第1受け部16と第2受け部18との高さ位置が異なる。これにより、第1導通検査ピン62と、第2導通検査ピン63との長さを変えることができる。このため、第1導通検査ピン62を第1受け部16に、第2導通検査ピン63を第2受け部18に、それぞれ位置決めしやすくなる。
【0038】
第1および第2受け部16,18の端部に、第1および第2導通検査ピン62,63の先端部がそれぞれ嵌合するので、導通検査をする際に、これら導通検査ピン62,63の位置ずれを防止できる。
【0039】
本発明は前記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。
接続端子に関しては、略H形に限定されず、例えば、図11に示す略コ字形のスライドロック式コネクタに用いる接続端子70を採用してもよい。接続端子70は、前記ベース11の挿入孔14に挿入して固定される固定片71と、前記固定片71の上辺に突設した連結部72と、前記連結部72の上端部から片側に前記固定片71に対して略平行に延在した支持片73と、前記連結部72の固定片71と支持片73との間から片側に前記固定片71と略平行に延在した支持片74と、からなるものである。
【0040】
前記固定片71には、前方に向かって延在する導通検査用延在部76と、背面側端部の下辺に、半田などにより外部基板に接続する半田接続部77とを設けてある。また、半田接続部77の前面側には、前記ベース11の縁部に係止して位置決めするための係止用段部78を形成してある。前記連結部72の上辺には、導通検査用突起79が設けられている。支持片73は、接続端子70が挿入孔14に挿入された状態で上方部17と当接することで、ベース11に支持されている。前記可動片74は、その先端部に上方に突出する可動接点81を設けてある。これら支持片73と可動片74との間にフレキシブルプリント基板50を挿入し、くさび状の操作部を有する操作レバー(図示せず)を介して、フレキシブルプリント基板50の接続パッド51と可動接点81とが導通する。
【0041】
上記構成の接続端子70においても、導通検査用の延在部76と導通検査用の突起79との少なくともどちらか一方で導通検査を行うことができるので、接続端子70の製造コストを削減できる。
また、導通検査用延在部76を固定片71の半田接続部77とは反対側に設けてあるので、導通検査時に第1導通検査ピン62の荷重が半田接続部77に負荷されない。このため、導通検査を行う際、半田接続部77と図示しない外部基板との間に半田付け不良があっても、半田接続部77に荷重が負荷されないので誤検知を防止できる。
更に、導通検査用突起79を支持強度の高い連結部72の上辺に設けてあるので、導通検査の際に大きな荷重が負荷されても、接続端子70の変形,破損を防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係るコネクタの第1および第2受け部の形状は、接続端子の導通検査用延在部および導通検査用突起を露出する限り特に限定されない。例えば、ベースを貫通し導通検査用延在部および導通検査用突起が露出する円形または矩形の検査孔であってもよい。
また、本発明の接続端子をバックロック方式およびスライドロック方式のコネクタに採用したが、例えばフロントロック方式のコネクタに採用してもよい。
【符号の説明】
【0043】
10 コネクタ
11 ベース
15 下方部
16 第1受け部
17 上方部
18 第2受け部
20 接続端子
21,71 固定片
22,72 連結部
23,74 可動片
25 半田接続部
26,76 導通検査用延在部
34,79 導通検査用突起
40 操作レバー
50 フレキシブルプリント基板(扁平導線)
62 第1導通検査ピン
63 第2導通検査ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタのベースに固定される固定片と、前記固定片から上方に延在する連結部と、前記連結部から前記固定片と対向する方向に延在する可動片と、を備え、前記ベースに並設されるコネクタ用接続端子であって、
前記固定片の端部に設けられた延在部と、
前記可動片または連結部のいずれか一方の上辺に設けられた突起と、
を備えたことを特徴とするコネクタ用接続端子。
【請求項2】
前記突起は、前記連結部と同一直線上に延在することを特徴とする請求項1に記載のコネクタ用接続端子。
【請求項3】
前記可動片は、前記連結部の自由端部から両側に延在し、
前記突起を前記可動片または前記連結部のいずれか一方に設けたことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ用接続端子。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の複数本のコネクタ用接続端子をベースに組み込んで並設すると共に、
前記ベースに、前記延在部が露出する第1受け部と、前記突起が露出する第2受け部と、を千鳥状に配設したことを特徴とするコネクタ。
【請求項5】
前記第1受け部を前記ベースの下方部に、前記第2受け部を前記ベースの上方部に、それぞれ設けたことを特徴とする請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記第1および第2受け部の端部を、前記延在部または前記突起に当接する導通検査ピンの先端部と嵌合可能な表面形状とすることを特徴とする請求項4または5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記可動片が、前記ベースに回動可能に組み付けられた操作レバーによって操作され回動することで、前記可動片と前記固定片との間に挿入された扁平導線を狭持することを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項8】
コネクタのベースに固定される固定片と、前記固定片から上方に延在する連結部と、前記連結部から前記固定片と対向する方向に延在する可動片と、を備え、前記ベースに並設されるコネクタ用接続端子であって、
前記固定片の端部に設けられた延在部と、
前記可動片または前記連結部のいずれか一方の上辺に設けられた突起と、
を備え、
複数本の前記コネクタ用接続端子を組み込んで並設する前記ベースに、前記延在部が露出する第1受け部と、前記突起が露出する第2受け部と、を千鳥状に配設し、
導通検査を行う第1導通検査ピンを前記第1受け部の端部に嵌合して前記延在部と当接し、
導通検査を行う第2導通検査ピンを前記第2受け部の端部に嵌合して前記突起と当接することで、導通検査を行うことを特徴とするコネクタの導通検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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