説明

コネクタ

【課題】開閉操作される加圧部材の外れ防止効果を高めたコネクタを提供すること。
【解決手段】開閉可能な加圧部材15により接続対象物18を2種類のコンタクト13、14に圧接させるコネクタ10である。コンタクトの各々は上腕部13b、14bと下腕部13c、14cとを有し、ハウジングに保持される。加圧部材は、上腕部に係合した回動可能なカム15cを有する。下腕部は接続対象物に接触するための接触部13d、14dを有する。2種類のうち一方の種類のコンタクト13の上腕部は、カムの回動を案内する回動案内端部16を有する。他方の種類のコンタクト14の上腕部は加圧部材のストッパーとして働くストッパー端部17を有し、加圧部材はストッパー端部に対向した係止部15dを有する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉可能な加圧部材を操作することによって接続対象物の接続を得るタイプのコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば液晶テレビの内部には、FPCやFFCと呼ばれる平型導体が多用されている。この平型導体のような接続対象物の接続には、開閉可能な加圧部材を備えたコネクタが用いられることがある。この種のコネクタは特許文献1に「平型導体用電気コネクタ」と題して開示されている。
【0003】
図12、図13A、及び図13Bを用いて、特許文献1に開示されているコネクタを簡単に説明する。
【0004】
図12から図13Bに示すコネクタは、絶縁性のハウジング1と、ハウジング1に保持された互いに離間する第1及び第2の端子2、3と、第1及び第2の端子2、3に平型導体Fを圧接させるための加圧部材4とを含んでいる。加圧部材4は第1及び第2の端子2、3に対応した溝部4a、4bを有し、これらの溝部4a、4bに軸部4c、4dがそれぞれ形成されている。一方の軸部4cは第1の端子2の回動支持部2aに回動可能に支持される。他方の軸部4dは、第2の端子3の二つの規制案内部3aの間に配置される。こうして、加圧部材4は軸部4c、4dを支点として回動操作を可能にされている。
【0005】
接続に際し、加圧部材開状態で平型導体Fをハウジング1の開口部1aに挿入し、第1及び第2の端子2、3の接触部2b、3bに対応するように位置付ける。しかる後に、加圧部材4を操作して加圧部材閉状態を得ることにより、平型導体Fを接触部2b、3bに圧接させる。
【0006】
また、加圧部材4を反対向きに操作して加圧部材開状態を得ると、平型導体Fをハウジング1の開口部1aから容易に離脱させることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4390821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図12から図13Bのコネクタにおいて、平型導体Fをハウジング1の開口部1aに挿入していない接続対象物未装着時に、加圧部材開状態にすることがある。この状態にあるときに、加圧部材4に負荷が掛かると、加圧部材4が外れてしまうことがある。また、接続対象物未装着時に、加圧部材閉状態にすることもある。この状態にあるときにも、加圧部材4に負荷が掛かると、同様に加圧部材4が外れてしまうことがある。
【0009】
具体的には、コネクタ検査時などのように接続対象物未装着時に加圧部材4を操作する所謂空操作を行うとき、加圧部材4の中央付近が弓形に撓んで、軸部4cが第1の端子2から離脱し、加圧部材4が外れる虞がある。
【0010】
加圧部材4が外れやすい原因は、第1の端子2の回動支持部2aのみによって加圧部材4を回動可能に支持し、第2の端子3が加圧部材4の外れ防止になんら寄与していないことにある。
【0011】
それ故に本発明の課題は、開閉操作される加圧部材の外れ防止効果を高めたコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様によれば、2種類のコンタクトと、前記コンタクトを保持するハウジングと、接続対象物を前記コンタクトに圧接させるための開閉可能な加圧部材とを有し、前記コンタクトの各々は上腕部と下腕部とを有し、前記加圧部材はカムと係止部とを有し、前記コンタクトの各々の下腕部は前記接続対象物に接触するための接触部を有し、前記2種類のうち一方の種類のコンタクトの上腕部は前記カムの一側に延在し、かつ、前記カムを受け入れた凹部を有し、前記2種類のうち他方の種類のコンタクトの上腕部は、前記カムから見て、前記一方の種類のコンタクトの上腕部とは反対側に延在し、かつ、前記係止部のストッパーとして働く突起を有することを特徴とするコネクタが得られる。
【0013】
本発明の他の態様によれば、絶縁性のハウジング、前記ハウジングに保持された第1及び第2のコンタクト、及び接続対象物を前記第1及び第2のコンタクトに接触させるための可動な加圧部材を含み、前記第1及び第2のコンタクトの各々は、前記接続対象物を配置するための配置領域の両側に位置する上腕部及び下腕部を含み、前記加圧部材は、前記第1のコンタクトの上腕部に係合した回動可能なカムを含み、前記第1及び第2のコンタクトの各々の下腕部は、前記接続対象物に接触するための接触部を含み、前記第1のコンタクトの上腕部の端部に、前記カムを受け入れた凹部を有するU字状端部を設け、前記第2のコンタクトの上腕部の端部に、前記凹部の向きとは反対向きに突出した突起を設け、前記凹部と前記突起とで前記加圧部材の離脱を阻止したことを特徴とするコネクタが得られる。
【0014】
本発明のさらに他の態様によれば、2種類のコンタクトと、前記コンタクトを保持するハウジングと、接続対象物を前記コンタクトに圧接させるための開閉可能な加圧部材とを有し、前記コンタクトの各々は上腕部と下腕部とを有し、前記加圧部材は、前記上腕部に係合した回動可能なカムを有し、前記下腕部は前記接続対象物に接触するための接触部を有し、前記2種類のうち一方の種類のコンタクトの上腕部は、前記カムの回動を案内するU字状端部を有し、前記2種類のうち他方の種類のコンタクトの上腕部は、前記加圧部材のストッパーとして働くT字状端部を有し、前記加圧部材は、前記T字状端部に対向した係止部を有することを特徴とするコネクタが得られる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の上述した態様によると、開閉操作される加圧部材の外れ防止効果を高めたコネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るコネクタの加圧部材開状態の正面側からの斜視図。
【図2】図1のコネクタのA部拡大図。
【図3】図1のコネクタに含まれたホールドダウンの斜視図。
【図4】図1のコネクタの加圧部材開状態の背面側からの斜視図。
【図5】図1のコネクタに含まれた加圧部材の斜視図。
【図6A】図5の加圧部材の一部における横断面図。
【図6B】図5の加圧部材の他部における横断面図。
【図7A】図1のコネクタの加圧部材開状態の一部における横断面図。
【図7B】図1のコネクタの加圧部材開状態の他部における横断面図。
【図7C】図1のコネクタの加圧部材開状態において加圧部材が撓んだ状態を示す、図7Bと同様な横断面図。
【図8A】図1のコネクタの加圧部材を開状態から閉状態に向けて少し操作した状態における図7Aと同様な横断面図。
【図8B】図8Aの状態における図7Bと同様な横断面図。
【図9A】図1のコネクタの加圧部材を図8Aの状態からさらに閉状態に向けて少し操作した状態における図7Aと同様な横断面図。
【図9B】図9Aの状態における図7Bと同様な横断面図。
【図10A】図1のコネクタの加圧部材閉状態おける図7Aと同様な横断面図。
【図10B】図10Aの状態における図7Bと同様な横断面図。
【図10C】図1のコネクタの加圧部材閉状態において加圧部材が撓んだ状態を示す、図10Bと同様な横断面図。
【図11A】図1のコネクタに接続対象物を接続した状態における図10Aと同様な横断面図。
【図11B】図1のコネクタに接続対象物を接続した状態における図10Bと同様な横断面図。
【図12】特許文献1(特許第4390821号公報)に開示されているコネクタの斜視図。
【図13A】図12のコネクタの一部における横断面図。
【図13B】図12のコネクタの他部部における横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず図1から図4を参照して、本発明の実施形態に係るコネクタの全体構造について説明する。
【0018】
図示のコネクタ10は例えばプリント基板(図示せず)などに面実装されるのに適したものであり、第1の方向A1に細長くのびた形状を有するハウジング11を含んでいる。ハウジング11は、絶縁性の合成樹脂から作られたものである。ハウジング11の第1の方向A1における両端の各々には金属製のホールドダウン12が備えられている。ホールドダウン12は、実装対象となるプリント基板などに半田付けされる半田付け部12aを有している。
【0019】
ハウジング11には、導電性の端子である多数のコンタクトが第1の方向A1に互いに一定間隔をおいて平行に配設されかつ固定保持されている。これらのコンタクトは、2種のコンタクト、即ち、第1のコンタクト13と第2のコンタクト14とを含んでいる。本実施形態では、第1のコンタクト13の2本と第2のコンタクトの1本とを第1の方向A1に交互に並べた配列形態を採っているが、これに限らず、他の様々な配列形態を採ることもできる。
【0020】
図示のコネクタ10は、後文にて詳述するように、さらに、第1のコンタクト13と第2のコンタクト14とを利用して開閉操作可能に備えられたアクチュエータとも呼ばれることのある加圧部材15を含んでいる。加圧部材15はハウジング11に沿って第1の方向A1に直線的にのびている。なお、図1及び図4は加圧部材15の開状態を示している。
【0021】
図5と共に図6A及び図6Bをも参照して、加圧部材15について説明する。
【0022】
加圧部材15はナイロン系プラスチックなどの可撓材料より作られた細長い板状のものであり、したがって第1の方向A1に対して少し撓み得る。特に、加圧部材15が板厚方向に撓みやすいことは容易に理解されるであろう。また、加圧部材15は板幅方向にも多少の撓みを許容するものである。
【0023】
加圧部材15は第1のコンタクト13と第2のコンタクト14とに一対一で対応した第1の溝部15a(図6A)と第2の溝部15b(図6B)とを有している。即ち、図6Aは第1の溝部15aの部分で切断した断面図であり、図6Bは第2の溝部15bの部分で切断した断面図である。加圧部材15は、第1の溝部15aに設けた軸部となるカム15cと、第2の溝部15bに設けた係止部15dと、を有している。
【0024】
カム15cは、断面楕円形にほぼ沿った断面形状をもち、第1の溝部15aの中間に配置されかつ第1の溝部15aを規定する対向壁面に両端を一体形成されている。係止部15dは、第2溝部15bの底面から突出しかつ第2の溝部15bを規定する対向壁面に一体形成されている。なお、カム15c及び係止部15dの形状及び寸法は、後述するコネクタの動作説明により明らかになる。
【0025】
図7A及び図7Bをも参照して、コネクタ10の全体構造の説明を続ける。図7A及び図7Bは接続対象物が未装着でかつ加圧部材15の開状態を示す。
【0026】
ハウジング11は、接続対象物を挿入するための、第1の方向A1に直交する第2の方向A2で前端(図では左端)の挿入口11a、及び挿入口11aに引き続く配置領域11bを有している。後で詳述するように、接続対象物は、その端部が挿入口11aを通して配置領域11bに配置された状態で、加圧部材15を操作して閉状態になすことにより、コネクタ10に接続される。
【0027】
第1のコンタクト13は、図7Aに示すように、ハウジング11に固定された固定部13aと、固定部13aから第2の方向A2で前方(図では左方)にのびて配置領域11bの上下両側に位置する上腕部13b及び下腕部13cを有している。上腕部13b及び下腕部13cの前端は自由端とされている。
【0028】
第1のコンタクト13の上腕部13bの端部、即ち、自由端の近傍部分には、加圧部材15のカム15cの回動を案内する回動案内端部(以下「U字状端部」という)16が設けられている。U字状端部16はカム15cを回動可能に受け入れた、第1及び第2の方向A1、A2に直交する第3の方向A3で下向きの凹部16aを有している。
【0029】
第1のコンタクト13の下腕部13cの端部、即ち、自由端の近傍部分には、接続対象物と電気的接触を得るための接触部13dが形成されている。接触部13dは、凹部16aにほぼ対向する位置において上方に向けて少し突出した形状を有している。
【0030】
第2のコンタクト14は、図7Bに示すように、ハウジング11に固定された固定部14aと、固定部14aから第2の方向A2で前方(図では左方)にのびて配置領域11bの上下両側に位置する上腕部14b及び下腕部14cを有している。上腕部14b及び下腕部14cの前端は自由端とされている。
【0031】
第2のコンタクト14の上腕部14bの端部、即ち、自由端の近傍部分には、加圧部材15のストッパーとして働くストッパー端部(以下「T字状端部」という)17が形成されている。T字状端部17は係止部15dに対向する位置に設けられ、カム15cに対しU字状端部16とは反対側に位置する直線部17aと、直線部17aから、凹部16aの向きとは反対向き、即ち、第3の方向A3で上向に突出した突起17bとを有している。
【0032】
図7A及び図7Bに示す状態では、加圧部材15の係止部15dが第2のコンタクト14の直線部17aの突起17bから見た一側、具体的には、固定部14a側で直線部17aに当接している。こうして、加圧部材15は第2のコンタクト14により開方向への動きを係止される。
【0033】
今、図7A及び図7Bに示すように接続対象物が未装着でかつ加圧部材15が開状態にあるときに、加圧部材15に第2の方向A2で前方への外力が働いたと仮定する。この場合、加圧部材15は可撓材料より作られているので、第1の方向A1(図1参照)における中間部が弓形に撓みつつ、第2の方向A2における前方へ動く。しかし、U字状端部16の凹部16aの側面を規定する壁部16bにカム15cが係合することに加え、図7Cに示すように、加圧部材15の係止部15dがT字状端部17の突起17bに係合することになるので、加圧部材15が第1及び第2のコンタクト13、14から離脱することは防止される。このように、凹部16aの側面を規定する壁部16bと突起17bとの両方によって、カム15cが第1のコンタクト13から外れるのを防止する。したがって、図7A及び図7Bに示す状態にあるときにも、加圧部材15の離脱がより確実に阻止される。
【0034】
加圧部材15を図8A及び図8Bに示す位置まで図中で反時計回りに回動させると、加圧部材15の係止部15dが第2のコンタクト14の上腕部14bから離間する。加圧部材15を図9A及び図9Bに示す位置まで図中で反時計回りにさらに回動させると、加圧部材15の係止部15dが第2のコンタクト14の突起17bの上方を通過する。
【0035】
加圧部材15を図10A及び図10Bに示す位置まで図中で反時計回りにさらに回動させると、加圧部材15の係止部15dが第2のコンタクト14の突起17bの反対側、即ち、上腕部14bの自由端側で直線部17aに当接する。したがって、加圧部材15は第2のコンタクト14により閉方向への動きを係止される。
【0036】
今、図10A及び図10Bに示すように接続対象物が未装着でかつ加圧部材15が閉状態にあるときに、加圧部材15に第2の方向A2で後方への外力が働いたと仮定する。この場合、加圧部材15は可撓材料より作られているので、第1の方向A1(図1参照)における中間部が弓形に撓みつつ、第2の方向A2における後方へ動く。しかし、U字状端部16の凹部16aの側面を規定する壁部16cにカム15cが係合することに加え、図10Cに示すように、加圧部材15の係止部15dが T字状端部17の突起17bに係合することになるので、加圧部材15が第1及び第2のコンタクト13、14から離脱することは防止される。このように、凹部16aの側面を規定する壁部16cと突起17bとの両方によって、カム15cが第1のコンタクト13から外れるのを防止する。したがって、図10A及び図10Bに示す状態にあるときに加圧部材15の離脱がより確実に阻止される。
【0037】
上述したように、コネクタ10は2種類のコンタクトで加圧部材15を挟持すると共に、加圧部材15に負荷が掛った際に、加圧部材15が弓形に撓んでコンタクトから外れることを防止するストッパー構造を有している。したがって、接続対象物未挿入時において加圧部材15の操作によるコンタクトからの加圧部材15の外れや加圧部材15に負荷を掛けた際のコンタクトからの加圧部材15の外れを防ぐことができる。このため、例えばコネクタ検査時などに加圧部材15を接続対象物の未装着状態で開閉する所謂空操作が行われても、加圧部材15の離脱が生じる虞は少ない。
【0038】
図11A及び図11Bに、コネクタ10にFPCやFFCと呼ばれる平型導体よりなる接続対象物18を接続した状態を示す。このとき、加圧部材15は閉状態にある。
【0039】
図11Aに示すように、加圧部材15のカム15cが第1のコンタクト13の上腕部13bを持ち上げるのに伴い、その反力により加圧部材15が接続対象物18を下方に押圧する。したがって、接続対象物18の下面の第1の接点部18aが第1のコンタクト13の接触部13dに圧接される。
【0040】
また図11Bに示すように、加圧部材15によって下方に押圧された接続対象物18の下面の第2の接点部18bは第2のコンタクト14の接触部14dにも圧接される。こうして、接続対象物18は第1及び第2のコンタクト13、14に電気的に接続される。なお、この状態においては、加圧部材15の係止部15dは第2のコンタクト14の上腕部14bから離間する。
【0041】
なお、本発明は上記実施形態に限られることはなく、またその一部又は全部は以下の付記のようにも記載され得るがそれらには限られない。
【0042】
(付記1)
2種類のコンタクト13、14と、前記コンタクトを保持するハウジング11と、接続対象物を前記コンタクトに圧接させるための開閉可能な加圧部材15とを有し、
前記コンタクトの各々は上腕部13b、14bと下腕部13c、14cとを有し、
前記加圧部材はカム15cと係止部15dとを有し、
前記コンタクトの各々の下腕部13c、14cは前記接続対象物に接触するための接触部13d、14dを有し、
前記2種類のうち一方の種類のコンタクトの上腕部13bは前記カムの一側に延在し、かつ、前記カムを受け入れた凹部16aを有し、
前記2種類のうち他方の種類のコンタクトの上腕部14bは、前記カムから見て、前記一方の種類のコンタクトの上腕部13bとは反対側に延在し、かつ、前記係止部のストッパーとして働く突起17bを有することを特徴とするコネクタ。
【0043】
(付記2)
前記加圧部材が開の状態及び閉の状態において外力が前記加圧部材に働いたときに、前記凹部と前記突起との両方が前記加圧部材を係止することを特徴とする、付記1に記載のコネクタ。
【0044】
(付記3)
他方の種類のコンタクトの上腕部は直線部17aを有し、前記突起は、前記直線部から前記凹部の向きとは反対向きに突出しており、前記直線部と前記突起との両方で、前記カムが前記凹部からの外れを防止することを特徴とする、付記2に記載のコネクタ。
【0045】
(付記4)
前記加圧部材が開の状態にあるとき及び閉の状態にあるときの各々において外力が前記加圧部材に働いたとき、前記係止部が前記突起に係合することにより前記加圧部材が前記コンタクトからの外れを防止することを特徴とする付記3に記載のコネクタ。
【0046】
(付記5)
前記接続対象物が未装着の状態において、前記加圧部材は、開の状態にあるとき前記直線部の前記突起から見た一側部分により開方向の動きを係止され、閉の状態にあるとき前記直線部の前記突起から見た他側部分により閉方向の動きを係止されることを特徴とする、付記3に記載のコネクタ。
【0047】
(付記6)
前記加圧部材が開の状態にあるとき及び閉の状態にあるときの各々において前記係止部が前記直線部に突き当ることで、前記加圧部材の開閉を制限する、ことを特徴とする付記3又は5に記載のコネクタ。
【0048】
(付記7)
絶縁性のハウジング11、前記ハウジングに保持された第1及び第2のコンタクト13、14、及び接続対象物18を前記第1及び第2のコンタクトに接触させるための可動な加圧部材15を含み、
前記第1及び第2のコンタクトの各々は、前記接続対象物を配置するための配置領域11bの両側に位置する上腕部13b、14b及び下腕部13c、14cを含み、
前記加圧部材は、前記第1のコンタクトの上腕部13bに係合した回動可能なカム15cを含み、
前記第1及び第2のコンタクトの各々の下腕部13c、14cは、前記接続対象物に接触するための接触部13d、14dを含み、
前記第1のコンタクトの上腕部13bの端部に、前記カムを受け入れた凹部16aを有するU字状端部16を設け、
前記第2のコンタクトの上腕部14bの端部に、前記凹部の向きとは反対向きに突出した突起17bを設け、
前記凹部と前記突起とで前記加圧部材の離脱を阻止したことを特徴とするコネクタ。
【0049】
(付記8)
前記加圧部材は、さらに、前記第2のコンタクトの上腕部14bの端部に対向した係止部15dを含み、前記第2のコンタクトの上腕部14bの端部に、さらに、前記カムに対し前記U字状端部とは反対側に位置する直線部17aを設け、前記突起と前記直線部とでT字状端部17を形成し、前記加圧部材は、さらに、前記T字状端部に対向した係止部15dを含む、付記7に記載のコネクタ。
【0050】
(付記9)
2種類のコンタクト13、14と、前記コンタクトを保持するハウジング11と、接続対象物18を前記コンタクトに圧接させるための開閉可能な加圧部材15とを有し、
前記コンタクトの各々は上腕部13b、14bと下腕部13c、14cとを有し、
前記加圧部材はカム15cを有し、
前記下腕部は前記接続対象物に接触するための接触部13d、14dを有し、
前記2種類のうち一方の種類のコンタクト13の上腕部13bは、前記カムの回動を案内するU字状端部16を有し、
前記2種類のうち他方の種類のコンタクト14の上腕部14bは、前記加圧部材のストッパーとして働くT字状端部17を有し、
前記加圧部材は、前記T字状端部に対向した係止部15dを有することを特徴とするコネクタ。
【0051】
(付記10)
前記加圧部材が開の状態において外力が前記加圧部材に働いたときに、前記U字状端部と前記T字状端部との両方が前記カムの離脱方向の動きを係止することを特徴とする、付記9に記載のコネクタ。
【0052】
(付記11)
前記U字状端部は、前記カムを受け入れた凹部16aを有し、前記T字状端部は、前記カムに対し前記U字状端部とは反対側に位置する直線部17aと、前記直線部から前記凹部の向きとは反対向きに突出した突起17bを有し、前記凹部の側面を規定する壁部16b、16cと前記突起との両方で、前記カムが前記コンタクトから外れるのを防止することを特徴とする、付記10に記載のコネクタ。
【0053】
(付記12)
前記加圧部材が開の状態及び閉の状態において外力が前記加圧部材に働いたとき、前記突起に係合することにより前記加圧部材が前記コンタクトから外れるのを防止することを特徴とする付記11に記載のコネクタ。
【0054】
(付記13)
前記接続対象物が未装着の状態において、前記加圧部材は、開の状態にあるとき前記直線部の前記突起から見た一側部分により開方向の動きを係止され、閉の状態にあるとき前記直線部の前記突起から見た他側部分により閉方向の動きを係止されることを特徴とする、付記11に記載のコネクタ。
【0055】
(付記14)
前記加圧部材は、さらに、前記T字状端部に対向した係止部15dを有し、前記加圧部材が開の状態にあるときに及び閉の状態にあるときの各々において前記係止部が前記直線部に突き当ることで、前記加圧部材の開閉を制限する、ことを特徴とする付記11又は13に記載のコネクタ。
【符号の説明】
【0056】
1 ハウジング
1a 開口部
2 第1の端子
2a 回動支持部
2b 接触部
3 第2の端子
3a 規制案内部
3b 接触部
4 加圧部材
4a、4b 溝部
4c、4d 軸部
10 コネクタ
11 ハウジング
11a 挿入口
11b 配置領域
12 ホールドダウン
12a 半田付け部
13 第1のコンタクト
13a 固定部
13b 上腕部
13c 下腕部
13d 接触部
14 第2のコンタクト
14a 固定部
14b 上腕部
14c 下腕部
14d 接触部
15 加圧部材
15a 第1の溝部
15b 第2の溝部
15c カム
15d 係止部
16 回動案内端部(U字状端部)
16a 凹部
16b 壁部
17 ストッパー端部(T字状端部)
17a 直線部
17b 突起
18 接続対象物
18a 第1の接点部
18b 第2の接点部
A1 第1の方向
A2 第2の方向
A3 第3の方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2種類のコンタクトと、前記コンタクトを保持するハウジングと、接続対象物を前記コンタクトに圧接させるための開閉可能な加圧部材とを有し、
前記コンタクトの各々は上腕部と下腕部とを有し、
前記加圧部材はカムと係止部とを有し、
前記コンタクトの各々の下腕部は前記接続対象物に接触するための接触部を有し、
前記2種類のうち一方の種類のコンタクトの上腕部は前記カムの一側に延在し、かつ、前記カムを受け入れた凹部を有し、
前記2種類のうち他方の種類のコンタクトの上腕部は、前記カムから見て、前記一方の種類のコンタクトの上腕部とは反対側に延在し、かつ、前記係止部のストッパーとして働く突起を有することを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記加圧部材が開の状態及び閉の状態において外力が前記加圧部材に働いたときに、前記凹部と前記突起との両方が前記加圧部材を係止することを特徴とする、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
他方の種類のコンタクトの上腕部は直線部を有し、前記突起は、前記直線部から前記凹部の向きとは反対向きに突出しており、前記直線部と前記突起との両方で、前記カムが前記凹部からの外れを防止することを特徴とする、請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記加圧部材が開の状態にあるとき及び閉の状態にあるときの各々において外力が前記加圧部材に働いたとき、前記係止部が前記突起に係合することにより前記加圧部材が前記コンタクトからの外れを防止することを特徴とする請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記接続対象物が未装着の状態において、前記加圧部材は、開の状態にあるとき前記直線部の前記突起から見た一側部分により開方向の動きを係止され、閉の状態にあるとき前記直線部の前記突起から見た他側部分により閉方向の動きを係止されることを特徴とする、請求項3に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記加圧部材が開の状態にあるとき及び閉の状態にあるときの各々において前記係止部が前記直線部に突き当ることで、前記加圧部材の開閉を制限する、ことを特徴とする請求項3又は5に記載のコネクタ。
【請求項7】
絶縁性のハウジング、前記ハウジングに保持された第1及び第2のコンタクト、及び接続対象物を前記第1及び第2のコンタクトに接触させるための可動な加圧部材を含み、
前記第1及び第2のコンタクトの各々は、前記接続対象物を配置するための配置領域の両側に位置する上腕部及び下腕部を含み、
前記加圧部材は、前記第1のコンタクトの上腕部に係合した回動可能なカムを含み、
前記第1及び第2のコンタクトの各々の下腕部は、前記接続対象物に接触するための接触部を含み、
前記第1のコンタクトの上腕部の端部に、前記カムを受け入れた凹部を設け、
前記第2のコンタクトの上腕部の端部に、前記凹部の向きとは反対向きに突出した突起を設け、
前記凹部と前記突起とで前記加圧部材の離脱を阻止したことを特徴とするコネクタ。
【請求項8】
前記加圧部材は、さらに、前記第2のコンタクトの上腕部の端部に対向した係止部を含み、前記第2のコンタクトの上腕部の端部に、さらに、前記カムから見て前記1のコンタクトの上腕部の端部とは反対側に位置する直線部を設け、前記加圧部材に、さらに、前記突起及び前記直線部に対向した係止部を設けた、請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
2種類のコンタクトと、前記コンタクトを保持するハウジングと、接続対象物を前記コンタクトに圧接させるための開閉可能な加圧部材とを有し、
前記コンタクトの各々は上腕部と下腕部とを有し、
前記加圧部材はカムを有し、
前記下腕部は前記接続対象物に接触するための接触部を有し、
前記2種類のうち一方の種類のコンタクトの上腕部は、前記カムの回動を案内するU字状端部を有し、
前記2種類のうち他方の種類のコンタクトの上腕部は、前記加圧部材のストッパーとして働くT字状端部を有し、
前記加圧部材は、前記T字状端部に対向した係止部を有することを特徴とするコネクタ。
【請求項10】
前記加圧部材が開の状態及び閉の状態において外力が前記加圧部材に働いたときに、前記U字状端部と前記T字状端部との両方が前記カムの離脱方向の動きを係止することを特徴とする、請求項9記載のコネクタ。
【請求項11】
前記U字状端部は、前記カムを受け入れた凹部を有し、前記T字状端部は、前記カムに対し前記U字状端部とは反対側に位置する直線部と、前記直線部から前記凹部の向きとは反対向きに突出した突起を有し、前記凹部の側面を規定する壁部と前記突起との両方で、前記カムが前記コンタクトから外れるのを防止することを特徴とする、請求項10記載のコネクタ。
【請求項12】
前記加圧部材が開の状態及び閉の状態において外力が前記加圧部材に働いたとき、前記突起に係合することにより前記加圧部材が前記コンタクトから外れるのを防止することを特徴とする請求項11に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記接続対象物が未装着の状態において、前記加圧部材は、開の状態にあるとき前記直線部の前記突起から見た一側部分により開方向の動きを係止され、閉の状態にあるとき前記直線部の前記突起から見た他側部分により閉方向の動きを係止されることを特徴とする、請求項11に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記加圧部材が開の状態にあるとき及び閉の状態にあるときの各々において前記係止部が前記直線部に突き当ることで、前記加圧部材の開閉を制限する、ことを特徴とする請求項11又は13に記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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