コネクタ
【課題】簡易な構成で2つの流入部から流入される液体を1つの流出部に同時に供給し、
又は1つの流入部から流入される液体を1つの流出部に供給することのできるコネクタを
提供する。
【解決手段】頭部41には、他の輸液具51と連通部45とを連通する溝52が形成され、溝52は、頭部41が本体4の開口部31に挿入された状態で閉じられ、頭部41が他の輸液具51に押圧されて本体4の開口部31から大径部32に移動された状態で頭部41の弾性により開かれるよう形成されている。
又は1つの流入部から流入される液体を1つの流出部に供給することのできるコネクタを
提供する。
【解決手段】頭部41には、他の輸液具51と連通部45とを連通する溝52が形成され、溝52は、頭部41が本体4の開口部31に挿入された状態で閉じられ、頭部41が他の輸液具51に押圧されて本体4の開口部31から大径部32に移動された状態で頭部41の弾性により開かれるよう形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を流入する2つの流入部と、液体を流出する1つの流出部と、一方の流入部を選択的に塞いで液体の流入を阻止する弁体とを備えるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体を2つの流入部から流入させ、流入された液体を1つの流出部から流出させるコネクタが医療の分野で用いられている。このコネクタは、2つの流入部から流入される液体を1つの流出部に交互にあるいは同時に供給自在とするように形成されている。
【0003】
この種のコネクタにおいて、液体を流通させる2つの流入部及び1つの流出部と、2つの流入部及び1つの流出部と連通する液体流通空間とを備えるコネクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されているコネクタは、一方の流入部に当接することにより一方の流入部から液体流通空間に流入される液体を阻止するが他方の流入部から流出部への液体の流出を可能とする弁体を有する。
【0004】
この弁体は、筒状に形成され弾性変形する頭部と、この頭部と一体に形成され頭部の軸線方向に弾性変形する変形部とを備える。頭部頂部には連通口が備えられ、頭部の筒状周壁には開閉可能なスリットが形成され、このスリットが開口すると頭部内部と液体流通空間とが連通し、このスリットが閉口すると頭部内部と液体流通空間との連通が阻止される。
【0005】
このスリットは、頭部に外力が加えられていない状態では閉口しているが、外力が加えられて頭部が変形すると開口するように構成されている。そのため、雄ルアーコネクタを一方の流入部に挿入すると押圧されて頭部が変形してスリットが開口し、雄ルアーコネクタから流入される液体が弁体内部から液体流通空間を介して流出部に流出する。したがって、雄ルアーコネクタを一方の流入部に挿入したときは、一方の流入部と他方の流入部とから流入される液体が液体流通空間を介して流出部から流出される。
【0006】
一方、雄ルアーコネクタを一方の流入部から外すと変形している頭部は弾性材料の復元力によって元の形状となり、スリットが閉口する。このときは、雄ルアーコネクタによって押圧されていた頭部が解放され、変形部が頭部の軸線方向に延びて復元するため、頭部の位置は雄ルアーコネクタを弁体に向かって挿入する前の位置に戻る。そして、雄ルアーコネクタを一方の流入部から外したときは、他方の流入部から流入される液体が液体流通空間を介して流出部から流出される。
【0007】
以上より、雄ルアーコネクタを一方の流入部から外したときは他方の流入部から液体が流入されて流出部に流出され、雄ルアーコネクタを一方の流入部に挿入したときは一方の流入部及び他方の流入部から液体が流入されて流出部に流出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4378187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載のコネクタは、頭部頂部に連通口を備えると共に、頭部の筒状周壁に開閉可能なスリットが形成されているため、複雑な装置構成を有するという不都合がある。
【0010】
また、特許文献1のコネクタでは、雄ルアーコネクタを一方の流入部から外すと頭部のスリットが閉じるため、頭部の内腔部に液体が滞留するという不都合がある。
【0011】
本発明は、上記の不都合を解決するため、簡易な構成で2つの流入部から流入される液体を1つの流出部に同時に供給し、又は1つの流入部から流入される液体を1つの流出部に供給することのできるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、輸液ラインに接続され、前記輸液ラインに他の輸液具から側注可能なコネクタであって、天面に前記他の輸液具が接続可能な開口部が形成され、底面が閉塞された筒状の本体と、前記本体の内部に連通し、前記輸液ラインに接続される第1接続管及び第2接続管と、前記本体内に収納され、前記開口部を開閉自在に閉塞する弁体とを備え、前記本体は、前記開口部よりも底面側に前記開口部より大径の大径部が形成され、前記弁体は、前記本体の開口部に挿入される頭部と、前記頭部よりも前記本体の底面側に配置され前記本体内で第1接続管と第2接続管とを連通させる連通部と、前記頭部を前記本体の開口部に付勢する弾性部とを有し、前記頭部には、その天面と前記頭部の外側面とを連通する溝が形成され、前記溝は、前記頭部が前記本体の開口部に挿入された状態で閉じられ、前記頭部が前記他の輸液具に押圧されて前記本体の開口部から大径部に移動された状態で前記頭部の弾性により開かれるよう形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明のコネクタでは、本体の開口部に挿入された弁体の頭部が他の輸液具に押圧されるため、頭部が本体の開口部から大径部に移動する。大径部に移動した頭部の溝は頭部自身の弾性で開かれるため、他の輸液具から流入される輸液が溝を介して輸液ラインに流入される。
【0014】
一方で、輸液ラインに接続している第1接続管と第2接続管とは本体の底面側に配置されている連通部によって連通しているため、輸液ラインの輸液が第1接続管、本体の内部、及び第2接続管に流入している。
【0015】
以上より、本発明のコネクタは、本体の開口部に他の輸液具を挿入したときは2つの流入部(第1接続管、他の輸液具)から流入される輸液が1つの流出部(第2接続管)に同時に供給される。また、本体の開口部に他の輸液具を挿入していないときは1つの流入部(第1接続管)から流入される輸液が1つの流出部(第2接続管)に供給される。
【0016】
従って、本発明のコネクタによれば、簡易な構成で2つの流入部から流入される液体を1つの流出部に同時に供給し、又は1つの流入部から流入される液体を1つの流出部に供給することが可能となる。
【0017】
また、本発明のコネクタによれば、開口部に接続されている他の輸液具を取り外すことで、弁体が弾性部の付勢力を受けて天面側に移動する。溝は頭部の天面と外側面とを連通し、弁体の内部には連通していないため、他の輸液具を取り外したときに、輸液が弁体内に滞留することはない。従って、本体と連通部の間の液体は第1接続管と第2接続管の間の流れによっていずれかの接続管に流出する。
【0018】
また、前記本体の開口部は、その内周面が底面側から天面に向けて縮径する本体テーパー部を有し、前記弁体の頭部は、その外側面が前記テーパー部に対面し前記天面に向けて縮径する頭部テーパー部を有していることが好ましい。
【0019】
これによれば、開口部に接続されている他の輸液具を取り外すことによって、弁体の頭部が大径部から開口部に移動し、弁体の頭部が開口部に挿入される。このとき、弁体の頭部及び本体の開口部は天面に向けて縮小するテーパー状に形成されているため、挿入時の摩擦抵抗を減少させることができる。
【0020】
さらに、前記弁体の頭部テーパー部に、前記頭部テーパー部が前記本体テーパー部に押圧された際に前記溝を閉じる方向へ押圧する凸部が形成されていることが好ましい。これによれば、弁体の頭部が開口部に挿入される際に、凸部によって溝が閉じる方向に押圧されるため、溝を容易に閉じることができる。従って、開口部に接続されている他の輸液具を取り外す際の、開口部からの液漏れを防止することができる。
【0021】
また、前記本体及び前記弁体は、前記弁体が前記本体に対して相対的な回転を防止する位置決め機構を有し、前記弁体の頭部において前記溝の開口する外側面が、前記第1接続管又は前記第2接続管のうち下流側となる接続管の軸方向に向けて配置されていることが好ましい。これによれば、位置決め機構によって弁体の相対的な回転が防止されているため、溝の開口する外側面は、常に第1接続管又は前記第2接続管のうち下流側となる接続管の軸方向に向けて配置される。従って、他の輸液具から流入される輸液が、効率よく第1の接続管又は第2の接続管を介して輸液ラインに流入する。
【0022】
さらに、前記連通部は、前記弁体の胴部の外周が前記本体の内周よりも小径に形成されていてもよい。これによれば、第1接続管と第2接続管の間を流入する輸液を弁体の胴部の外周面を介して流入させることが可能となり、簡易な構成で輸液ラインの輸液を流入させる連通部を構成することができる。
【0023】
また、前記連通部は、前記弁体を貫通する貫通孔により形成されていてもよい。これによれば、第1接続管と第2接続管の間を流入する輸液を貫通孔を介して流入させることが可能となり、連通部を容易に構成することができる。
【0024】
また、前記弁体の弾性部は、前記連通部との境界部分の外周が前記本体の内周面に液密に当接するシール部を有していることが好ましい。これによれば、弾性部の弾性によって弁体の頭部が大径部から開口部に移動する際に、シール部が本体に流入されている輸液を押し上げるため、本体内部の輸液が陰圧となることを防止することができる。従って、他の輸液具を開口部から取り外す際に、輸液ラインからの逆流を防止することができる。
【0025】
また、前記弾性部は、その内部を空洞に形成した空洞部を有し、該弾性部は蛇腹状に形成されていてもよい。これによれば、簡易な構成で容易に伸縮する弾性部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1の実施形態のコネクタを示す平面図。
【図2】第1の実施形態の弁体を示す斜視図。
【図3】図1に示すコネクタの断面図。
【図4】第1の実施形態の挿入管を挿入したコネクタの断面図。
【図5】第2の実施形態のコネクタの断面図。
【図6】第2の実施形態の挿入管を挿入したコネクタの断面図。
【図7】第3の実施形態のコネクタの説明的断面図。
【図8】第3の実施形態の挿入管を挿入したコネクタの説明的断面図。
【図9】第4の実施形態のコネクタの断面図。
【図10】第4の実施形態の挿入管を挿入したコネクタの断面図。
【図11】第5の実施形態の弁体を示す斜視図。
【図12】第5の実施形態の本体及び第1、第2接続管の断面図。
【図13】第5の実施形態のコネクタの断面図。
【図14】第5の実施形態の挿入管を挿入したコネクタの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
「第1の実施形態」
本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、本実施形態の構成について、図1〜図3を用いて説明する。
【0028】
本実施形態のコネクタ1は、天面2が開口され底面3が閉塞された筒状の本体4と、本体4から延出する第1接続管5及び第2接続管6と、本体4に収納されている柱状の弁体7とを備えている。第1接続管5と第2接続管6は本体4の軸8に直交する方向であって互いに180°離間して直線状に延出されている。
【0029】
本体4は、筒状に形成された筒状体11と、この筒状体11に取り付けられる蓋部12とからなる。また、筒状体11と蓋部12によって囲まれた空間を空間部13とする。筒状体11の底面3側の側壁14には、段部15が筒状体11と一体に形成されている。
【0030】
蓋部12は、本体4の底面3に形成される蓋部底面21と、この蓋部底面21の周に対して立設されて一体に形成された側壁22とからなる。蓋部底面21の中心には、天面2に向かって突出する凸状部23が蓋部底面21と一体に形成されている。また、側壁22には、内向きに延びる爪部24が一体に形成されている。この爪部24が段部15に係合されることで、蓋部12が筒状体11に取り付けられ、筒状体11の底面が蓋部12によって閉塞される。
【0031】
空間部13は、天面2側に設けられた空間である開口部31と、開口部31の底面3側で隣接する空間である大径部32と大径部32の底面3側で隣接する空間である隙間部33を有している。開口部31は底面3側に設けられ円筒状に形成されている開口円筒部31aと天面2側に設けられテーパー状に形成されている開口テーパー部31bとからなる。この開口テーパー部31bは底面3側で縮径するテーパー状に形成されている。
【0032】
大径部32は開口円筒部31aよりも大径となるように形成されている。大径部32の開口部31側は天面2側で縮径するテーパー状に形成され、大径部32の底面3側は円筒状に形成されている。
【0033】
弁体7は、開口部31に挿入される略円柱状の頭部41と、頭部41よりも大径の略円筒状の胴部42と、本体4の軸8に沿った方向に伸縮可能な弾性部43とからなる。頭部41、胴部42及び弾性部43はシリコーンゴム等の弾性部材によって一体に形成されている。
【0034】
頭部41の天面41aは半球状に形成されている。また、頭部41の天面41aにはV字状の溝52が形成されている。溝52は、略円柱状に形成されている頭部41の径方向に形成されている。頭部41の底面3側には、外側面41bが設けられ、溝52は、天面2と外側面41bとを連通するように形成されている。また、この溝52は常開に形成されているが、弾性部材である頭部41に外力を加えて変形させることによって、この溝52を強制的に閉じることができる。
【0035】
胴部42は隙間部33よりも小径の円筒状に形成されている。また、弾性部43は胴部42との境界部分で、鍔部44を有する。鍔部44は円環状に形成されており、鍔部44の側壁は筒状体11の側壁14に密着する。従って、鍔部44は隙間部33に流入される輸液が底面側に流通しないよう液密にシールする機能を有している。
【0036】
また、胴部42は隙間部33よりも小径の円筒状に形成され、鍔部44はシール機能を有しているため、胴部42の外周側である胴部外周部45には第1接続管5と第2接続管6とを連通する空間が形成されている。この鍔部44が本発明のシール部に相当し、胴部外周部45が本発明の連通部に相当する。さらに、胴部42の内部には、空洞からなる空洞部46が形成されている。
【0037】
弾性部43は中空の蛇腹状に形成されている。また、蛇腹状に形成された弾性部43の凸部43aは筒状体11の側壁14に当接されている。弾性部43の内部には空洞からなる空洞部48が形成されており、かつその底面3側には空洞部48と連通する弁体開口部47が形成されている。
【0038】
この弁体開口部47は凸状部23と嵌合するように形成されており、この弁体開口部47に凸状部23が嵌合されることで、弁体7は蓋部12に支持されている。また、胴部42の空洞部46と弾性部43の空洞部48とは連通する。
【0039】
次に、図3、図4を用いて、本実施形態のコネクタ1の作動について説明する。図3には、開口部31に挿入管51等の他の輸液具を接続していない状態のコネクタ1が示されている。挿入管51が開口部31に接続されていないときは、頭部41が開口部31に密着しているため、開口部31は頭部41によって塞がれている。また、頭部41の溝52は開口部31からの押圧によって閉じられている。このとき、第1接続管5と第2接続管6は胴部外周部45を介して連通する。
【0040】
従って、図示しない上流側の輸液ラインの下流端を第1接続管5に接続し、図示しない下流側の輸液ラインの上流端を第2接続管6に接続して、輸液を第1接続管5に流入すると、輸液は胴部外周部45と第2接続管6を介して輸液ラインの下流側に流出される。
【0041】
次に、図4に示すように、挿入管51を開口部31に接続すると、挿入管51が弁体7の頭部41に当接されて、頭部41を押圧する。そのため、弾性部43の付勢力に抗じて弾性部43が大きく収縮し、頭部41が開口部31から外れ、弁体7の頭部41及び胴部42が底面3側に移動する。また、頭部41が開口部31から解放されて大径部32を通過し隙間部33に移動し、頭部41の溝52が開く。
【0042】
この溝52が開くことによって、挿入管51と隙間部33とが連通するため、挿入管51から流入される輸液が溝52と隙間部33を介して第2接続管6に流出される。また、第1接続管5は、胴部外周部45を介して第2接続管6と連通しているため、第1接続管5から流入される輸液が胴部外周部45を介して第2接続管6に流出される。
【0043】
したがって、図示しない輸液ラインの上流側を第1接続管5に装着し、図示しない輸液チューブの下流側を第2接続管6に装着して、輸液ラインの上流側から輸液を流入すると、第1接続管5と挿入管51とから流入される液体が隙間部33で混合され、第2接続管6を介して輸液ラインの下流側に流出される。
【0044】
また、挿入管51を開口部31から取り外すと、図3に示すように弾性部43が付勢力によって伸びて復元し、頭部41が開口部31に挿入されて、開口部31を塞ぐ。このとき、第1接続管5は、胴部外周部45を介して第2接続管6と連通しているため、第1接続管5から流入される輸液が胴部外周部45を介して第2接続管6に流出される。また、鍔部44は側壁14と密着しているため、胴部外周部45に流入されている輸液は開口部31側に押し上げられる。
【0045】
以上のように、本実施形態のコネクタ1によれば、挿入管51が開口部31に接続されているときは溝52が開いて挿入管51が外側面41bと胴部外周部45を介して第2接続管6と連通し、挿入管51が開口部31から取り外されているときは溝52が閉じて天面2と外側面41bとの連通が塞がれる。
【0046】
従って、挿入管51を接続するか否かの動作のみによって、2つの流入部から流入される輸液を1つの流出部に同時に供給し、又は1つの流入部から流入される輸液を1つの流出部に供給することを可能とするコネクタを提供することができる。
【0047】
また、開口部31に接続されている挿入管51を取り外すことで、頭部41及び胴部42が弾性部43の付勢力を受けて天面2側に移動する。従って、挿入管51を取り外した時に、本体4の内部における輸液の流通部の体積が減少し、輸液が本体4に滞留することを防止することができる。
【0048】
また、弁体7の頭部41を開口部31に挿入することで溝52が閉じられ、頭部41の頂面が半球面状となるため、弁体7の頭部41を酒精綿等で容易に消毒することができる。
【0049】
また、頭部41が開口部31に挿入されると、頭部41が開口部31を構成する開口円筒部31aに密着するため、挿入管51を開口部31から取り外した時に挿入管51から流入した輸液が開口部31に残留することを防止できる。
【0050】
また、挿入管51を開口部31から取り外したときには、鍔部44が弾性部43の付勢力によって天面2側に移動する。その際、鍔部44が筒状体11の側壁14と密着しているため、胴部外周部45に流入されている輸液が押し上げられる。従って、本体4の輸液が陰圧となることを防止することができ、挿入管51を開口部31から取り外す際に、輸液ラインからの逆流を防止することができる。
【0051】
また、弾性部43の内部は空洞に形成されており、かつ蛇腹状に形成されているため、弾性部43が容易に伸縮する。そのため、簡易な構成で容易に伸縮する弾性部43を形成することができる。
【0052】
さらに、本体4は、筒状に形成されて空間部13を形成する筒状体11と蓋部12とからなり、弾性部43が蓋部12で支持されている。そのため、本体4に弁体7を挿入し蓋部12で閉じることで弁体7を装着することができ、コネクタ1を容易に組み立てることが可能となる。
【0053】
「第2の実施形態」
次に、第2の実施形態について、図5、図6を用いて説明する。本実施形態は、前記第1の実施形態と胴部42の一部の構成のみが相違する。このため、本実施形態の説明では、その相違点を中心に説明し、第1の実施形態と同一の事項については説明を省略する。
【0054】
本実施形態では、弁体7の胴部42に第1接続管5と第2接続管6を連通する貫通孔61が設けられている。この貫通孔61が、連通部に相当する。また、大径部32は開口部31側で縮径するテーパー状に形成されている。さらに、胴部42の内部に空洞部46は形成されていない。
【0055】
また、胴部42は隙間部33の径と同じ径の円筒状に形成され、胴部42が筒状体11の側壁14と密着している。そのため、胴部42の外周部には第1接続管5と第2接続管6を連通する空間は形成されていない。また、胴部42の弾性部43側の端部では鍔部44を有していない。
【0056】
本実施形態では、以上のような構成を有しているため、第1接続管5から流入された輸液は、貫通孔61と第2接続管6を介して輸液ラインの下流側に流出される。また、挿入管51を開口部31から取り外すと、弾性部43が伸びて復元し、胴部42が開口部31側に移動することによって、貫通孔61、大径部32及び隙間部33に流入されている輸液が開口部31側に押し上げられる。
【0057】
第1の実施形態と本実施形態では、以上の点が異なるものの、他の点については第1の実施形態と同様の構成を有しており、同様の作動を行う。従って、本実施形態でも、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、胴部42に貫通孔61を設けることで、第1接続管5と第2接続管6を連通させる連通部が構成されており、連通部を容易に構成することができる。
【0058】
「第3の実施形態」
次に、第3の実施形態について、図7、図8を用いて説明する。本実施形態は、前記第2の実施形態と胴部42の一部の構成のみが相違する。このため、本実施形態の説明では、その相違点を中心に説明し、第2の実施形態と同一の事項については説明を省略する。
【0059】
本実施形態では、胴部42の外周面62に外周溝63が形成されている。この外周溝63を介して、第1接続管5と第2接続管6が連通されており、この外周溝63が連通部に相当する。そして、本実施形態では、第1接続管5から流入された輸液は、外周溝63と第2接続管6を介して輸液ラインの下流側に流出される。
【0060】
第2の実施形態と本実施形態では、以上の点が異なるものの、他の点については第2の実施形態と同様の構成を有しており、同様の作動を行う。従って、本実施形態でも、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、胴部42に外周溝63を設けることで、第1接続管5と第2接続管6を連通させる連通部が構成されており、簡易な構成で輸液ラインの輸液を流入させる連通部を構成することができる。
【0061】
「第4の実施形態」
次に、第4の実施形態について、図9、図10を用いて説明する。本実施形態は、第1の実施形態と胴部42と弾性部43の一部の構成のみが相違する。このため、本実施形態の説明では、その相違点を中心に説明し、第1の実施形態と同一の事項については説明を省略する。
【0062】
本実施形態は、弾性部43に胴部42が包含される形態であり、蛇腹状の弾性部43の谷折り部近傍に輸液の流通可能な小径部71が形成され、第1接続管5と第2接続管6は小径部71を介して連通している。本実施形態では、小径部71が連通部に相当する。また、大径部32は天面2側で縮径するテーパー状に形成されている。
【0063】
また、胴部42は隙間部33の径と同じ径の円筒状に形成され、胴部42が側壁14と密着しているため、胴部42の外周部には第1接続管5と第2接続管6を連通する空間は形成されていない。また、胴部42の底面3側の端部には鍔部44は設けられていない。
【0064】
従って、本実施形態では、第1接続管5から流入された輸液は、小径部71と第2接続管6を介して輸液ラインの下流側に流出される。また、挿入管51を開口部31から取り外すと、弾性部43が伸びて復元し、胴部42が開口部31側に移動することによって、大径部32、隙間部33及び小径部71に流入されている輸液が開口部31側に押し上げられる。
【0065】
第1の実施形態と本実施形態では、以上の点が異なるものの、他の点については第1の実施形態と同様の構成を有しており、同様の作動を行う。従って、本実施形態でも、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、蛇腹状に形成された弾性部43の小径部71を介して、第1接続管5と第2接続管6を連通ことができるため、第1接続管5と第2接続管6を連通させるための加工を弁体7に施す必要がなく、第1接続管5と第2接続管6との連通を容易に可能とすることができる。
【0066】
「第5の実施形態」
次に、第5の実施形態について、図11〜図14を用いて説明する。本実施形態は、第1の実施形態と頭部41、胴部42と本体4の一部の構成が相違する。このため、本実施形態の説明では、その相違点を中心に説明し、第1実施形態と同一の事項については説明を省略する。
【0067】
本実施形態では、開口部81は天面2側に設けられ円筒状に形成されている開口円筒部81aと底面3側に設けられテーパー状に形成されている本体テーパー部81bとからなる。また、大径部82は開口部81側で縮径するテーパー状に形成されている。従って、大径部82を形成する本体4の内壁83は、開口部31側で縮径するテーパー状に形成されている。また、本体4の内壁83の一部を平坦にした内壁平坦面84が、第1接続管5と第2接続管6の軸方向に沿って形成されている。
【0068】
頭部41には、天面2側で縮径するテーパー状の頭部テーパー部91が形成されており、その先端側には平坦に形成された天面91aを有している。頭部テーパー部91の外側面91bの一部には溝52が切り込まれ、この切り込みに近接する外側面91bには凸部92が形成されている。
【0069】
頭部テーパー部91及び凸部92は、挿入管51を挿入していない状態で、本体テーパー部81bと密着する。このとき、頭部41の天面41aは、開口部81の天面81cと面一に形成されている。また、頭部テーパー部91は本体テーパー部81bに押圧されており、凸部92は溝52を閉じる方向に押圧されている。また、胴部42は頭部41側で径が大きくなり、隙間部33よりも小さな径の略円筒状に形成され、溝52に対して平行に平坦な胴部平坦面94が形成されている。
【0070】
弁体7は、頭部テーパー部91と本体テーパー部81bが密着する状態で胴部平坦面94が内壁平坦面84と対向するように、蓋部12に支持される。この胴部平坦面94と内壁平坦面84は当接されているため、弁体7の回転が阻止される。この胴部平坦面94及び内壁平坦面84が本発明の位置決め機構に相当する。
【0071】
挿入管51が開口部31に接続されていないときは、頭部テーパー部91と本体テーパー部93とが密着しており、開口部81は栓をされた状態となっている。この状態から、図示しない上流側の輸液ラインの下流端を第1接続管5に接続し、図示しない下流側の輸液ラインの上流端を第2接続管6に接続して、輸液を第1接続管5に流入すると、輸液は胴部外周部45と第2接続管6を介して輸液ラインの下流側に流出される。
【0072】
次に、挿入管51を開口部31に接続すると、頭部41及び胴部42が底面3側に移動し、頭部41が開口部81から解放されて大径部82に移動するため、溝52が開く。このとき、弁体7は、溝52の他端52bが第2接続管6側を向くように、蓋部12に支持されているため、挿入管51から流入される輸液が溝52を介して第2接続管6に流入される。従って、挿入管51から流入される輸液が、効率よく第2接続管6を介して図示しない輸液ラインに流入する。
【0073】
なお、弾性部43は蛇腹状に形成され、内部に空洞からなる空洞部48が形成されているが、代わりにコイルばねを用いてもよい。この場合には、コイルばねの一端は胴部42に取り付けられ、コイルばねの他端は蓋部底面21に取り付けられる。
【0074】
以上のように、第1〜第5の実施形態で説明したように、この発明に係るコネクタ1によれば、弾性部43を備えた弁体7を本体4に収納し、頭部41の表面に設けられた溝52を有する弁体7を開口部31,81に挿入自在とする簡易な構成で、第1接続管5と挿入管51から流入される液体を第2接続管6に同時に供給し、又は第1接続管5から流入される液体を第2接続管6に供給することができる。
【符号の説明】
【0075】
1…コネクタ、2…天面、3…底面、4…本体、5…第1接続管、6…第2接続管、31…開口部、32…大径部、41…頭部、43…弾性部、45…連通部(胴部外周部)、51…他の輸液具(挿入管)、52…溝。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を流入する2つの流入部と、液体を流出する1つの流出部と、一方の流入部を選択的に塞いで液体の流入を阻止する弁体とを備えるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体を2つの流入部から流入させ、流入された液体を1つの流出部から流出させるコネクタが医療の分野で用いられている。このコネクタは、2つの流入部から流入される液体を1つの流出部に交互にあるいは同時に供給自在とするように形成されている。
【0003】
この種のコネクタにおいて、液体を流通させる2つの流入部及び1つの流出部と、2つの流入部及び1つの流出部と連通する液体流通空間とを備えるコネクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されているコネクタは、一方の流入部に当接することにより一方の流入部から液体流通空間に流入される液体を阻止するが他方の流入部から流出部への液体の流出を可能とする弁体を有する。
【0004】
この弁体は、筒状に形成され弾性変形する頭部と、この頭部と一体に形成され頭部の軸線方向に弾性変形する変形部とを備える。頭部頂部には連通口が備えられ、頭部の筒状周壁には開閉可能なスリットが形成され、このスリットが開口すると頭部内部と液体流通空間とが連通し、このスリットが閉口すると頭部内部と液体流通空間との連通が阻止される。
【0005】
このスリットは、頭部に外力が加えられていない状態では閉口しているが、外力が加えられて頭部が変形すると開口するように構成されている。そのため、雄ルアーコネクタを一方の流入部に挿入すると押圧されて頭部が変形してスリットが開口し、雄ルアーコネクタから流入される液体が弁体内部から液体流通空間を介して流出部に流出する。したがって、雄ルアーコネクタを一方の流入部に挿入したときは、一方の流入部と他方の流入部とから流入される液体が液体流通空間を介して流出部から流出される。
【0006】
一方、雄ルアーコネクタを一方の流入部から外すと変形している頭部は弾性材料の復元力によって元の形状となり、スリットが閉口する。このときは、雄ルアーコネクタによって押圧されていた頭部が解放され、変形部が頭部の軸線方向に延びて復元するため、頭部の位置は雄ルアーコネクタを弁体に向かって挿入する前の位置に戻る。そして、雄ルアーコネクタを一方の流入部から外したときは、他方の流入部から流入される液体が液体流通空間を介して流出部から流出される。
【0007】
以上より、雄ルアーコネクタを一方の流入部から外したときは他方の流入部から液体が流入されて流出部に流出され、雄ルアーコネクタを一方の流入部に挿入したときは一方の流入部及び他方の流入部から液体が流入されて流出部に流出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4378187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載のコネクタは、頭部頂部に連通口を備えると共に、頭部の筒状周壁に開閉可能なスリットが形成されているため、複雑な装置構成を有するという不都合がある。
【0010】
また、特許文献1のコネクタでは、雄ルアーコネクタを一方の流入部から外すと頭部のスリットが閉じるため、頭部の内腔部に液体が滞留するという不都合がある。
【0011】
本発明は、上記の不都合を解決するため、簡易な構成で2つの流入部から流入される液体を1つの流出部に同時に供給し、又は1つの流入部から流入される液体を1つの流出部に供給することのできるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、輸液ラインに接続され、前記輸液ラインに他の輸液具から側注可能なコネクタであって、天面に前記他の輸液具が接続可能な開口部が形成され、底面が閉塞された筒状の本体と、前記本体の内部に連通し、前記輸液ラインに接続される第1接続管及び第2接続管と、前記本体内に収納され、前記開口部を開閉自在に閉塞する弁体とを備え、前記本体は、前記開口部よりも底面側に前記開口部より大径の大径部が形成され、前記弁体は、前記本体の開口部に挿入される頭部と、前記頭部よりも前記本体の底面側に配置され前記本体内で第1接続管と第2接続管とを連通させる連通部と、前記頭部を前記本体の開口部に付勢する弾性部とを有し、前記頭部には、その天面と前記頭部の外側面とを連通する溝が形成され、前記溝は、前記頭部が前記本体の開口部に挿入された状態で閉じられ、前記頭部が前記他の輸液具に押圧されて前記本体の開口部から大径部に移動された状態で前記頭部の弾性により開かれるよう形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明のコネクタでは、本体の開口部に挿入された弁体の頭部が他の輸液具に押圧されるため、頭部が本体の開口部から大径部に移動する。大径部に移動した頭部の溝は頭部自身の弾性で開かれるため、他の輸液具から流入される輸液が溝を介して輸液ラインに流入される。
【0014】
一方で、輸液ラインに接続している第1接続管と第2接続管とは本体の底面側に配置されている連通部によって連通しているため、輸液ラインの輸液が第1接続管、本体の内部、及び第2接続管に流入している。
【0015】
以上より、本発明のコネクタは、本体の開口部に他の輸液具を挿入したときは2つの流入部(第1接続管、他の輸液具)から流入される輸液が1つの流出部(第2接続管)に同時に供給される。また、本体の開口部に他の輸液具を挿入していないときは1つの流入部(第1接続管)から流入される輸液が1つの流出部(第2接続管)に供給される。
【0016】
従って、本発明のコネクタによれば、簡易な構成で2つの流入部から流入される液体を1つの流出部に同時に供給し、又は1つの流入部から流入される液体を1つの流出部に供給することが可能となる。
【0017】
また、本発明のコネクタによれば、開口部に接続されている他の輸液具を取り外すことで、弁体が弾性部の付勢力を受けて天面側に移動する。溝は頭部の天面と外側面とを連通し、弁体の内部には連通していないため、他の輸液具を取り外したときに、輸液が弁体内に滞留することはない。従って、本体と連通部の間の液体は第1接続管と第2接続管の間の流れによっていずれかの接続管に流出する。
【0018】
また、前記本体の開口部は、その内周面が底面側から天面に向けて縮径する本体テーパー部を有し、前記弁体の頭部は、その外側面が前記テーパー部に対面し前記天面に向けて縮径する頭部テーパー部を有していることが好ましい。
【0019】
これによれば、開口部に接続されている他の輸液具を取り外すことによって、弁体の頭部が大径部から開口部に移動し、弁体の頭部が開口部に挿入される。このとき、弁体の頭部及び本体の開口部は天面に向けて縮小するテーパー状に形成されているため、挿入時の摩擦抵抗を減少させることができる。
【0020】
さらに、前記弁体の頭部テーパー部に、前記頭部テーパー部が前記本体テーパー部に押圧された際に前記溝を閉じる方向へ押圧する凸部が形成されていることが好ましい。これによれば、弁体の頭部が開口部に挿入される際に、凸部によって溝が閉じる方向に押圧されるため、溝を容易に閉じることができる。従って、開口部に接続されている他の輸液具を取り外す際の、開口部からの液漏れを防止することができる。
【0021】
また、前記本体及び前記弁体は、前記弁体が前記本体に対して相対的な回転を防止する位置決め機構を有し、前記弁体の頭部において前記溝の開口する外側面が、前記第1接続管又は前記第2接続管のうち下流側となる接続管の軸方向に向けて配置されていることが好ましい。これによれば、位置決め機構によって弁体の相対的な回転が防止されているため、溝の開口する外側面は、常に第1接続管又は前記第2接続管のうち下流側となる接続管の軸方向に向けて配置される。従って、他の輸液具から流入される輸液が、効率よく第1の接続管又は第2の接続管を介して輸液ラインに流入する。
【0022】
さらに、前記連通部は、前記弁体の胴部の外周が前記本体の内周よりも小径に形成されていてもよい。これによれば、第1接続管と第2接続管の間を流入する輸液を弁体の胴部の外周面を介して流入させることが可能となり、簡易な構成で輸液ラインの輸液を流入させる連通部を構成することができる。
【0023】
また、前記連通部は、前記弁体を貫通する貫通孔により形成されていてもよい。これによれば、第1接続管と第2接続管の間を流入する輸液を貫通孔を介して流入させることが可能となり、連通部を容易に構成することができる。
【0024】
また、前記弁体の弾性部は、前記連通部との境界部分の外周が前記本体の内周面に液密に当接するシール部を有していることが好ましい。これによれば、弾性部の弾性によって弁体の頭部が大径部から開口部に移動する際に、シール部が本体に流入されている輸液を押し上げるため、本体内部の輸液が陰圧となることを防止することができる。従って、他の輸液具を開口部から取り外す際に、輸液ラインからの逆流を防止することができる。
【0025】
また、前記弾性部は、その内部を空洞に形成した空洞部を有し、該弾性部は蛇腹状に形成されていてもよい。これによれば、簡易な構成で容易に伸縮する弾性部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1の実施形態のコネクタを示す平面図。
【図2】第1の実施形態の弁体を示す斜視図。
【図3】図1に示すコネクタの断面図。
【図4】第1の実施形態の挿入管を挿入したコネクタの断面図。
【図5】第2の実施形態のコネクタの断面図。
【図6】第2の実施形態の挿入管を挿入したコネクタの断面図。
【図7】第3の実施形態のコネクタの説明的断面図。
【図8】第3の実施形態の挿入管を挿入したコネクタの説明的断面図。
【図9】第4の実施形態のコネクタの断面図。
【図10】第4の実施形態の挿入管を挿入したコネクタの断面図。
【図11】第5の実施形態の弁体を示す斜視図。
【図12】第5の実施形態の本体及び第1、第2接続管の断面図。
【図13】第5の実施形態のコネクタの断面図。
【図14】第5の実施形態の挿入管を挿入したコネクタの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
「第1の実施形態」
本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、本実施形態の構成について、図1〜図3を用いて説明する。
【0028】
本実施形態のコネクタ1は、天面2が開口され底面3が閉塞された筒状の本体4と、本体4から延出する第1接続管5及び第2接続管6と、本体4に収納されている柱状の弁体7とを備えている。第1接続管5と第2接続管6は本体4の軸8に直交する方向であって互いに180°離間して直線状に延出されている。
【0029】
本体4は、筒状に形成された筒状体11と、この筒状体11に取り付けられる蓋部12とからなる。また、筒状体11と蓋部12によって囲まれた空間を空間部13とする。筒状体11の底面3側の側壁14には、段部15が筒状体11と一体に形成されている。
【0030】
蓋部12は、本体4の底面3に形成される蓋部底面21と、この蓋部底面21の周に対して立設されて一体に形成された側壁22とからなる。蓋部底面21の中心には、天面2に向かって突出する凸状部23が蓋部底面21と一体に形成されている。また、側壁22には、内向きに延びる爪部24が一体に形成されている。この爪部24が段部15に係合されることで、蓋部12が筒状体11に取り付けられ、筒状体11の底面が蓋部12によって閉塞される。
【0031】
空間部13は、天面2側に設けられた空間である開口部31と、開口部31の底面3側で隣接する空間である大径部32と大径部32の底面3側で隣接する空間である隙間部33を有している。開口部31は底面3側に設けられ円筒状に形成されている開口円筒部31aと天面2側に設けられテーパー状に形成されている開口テーパー部31bとからなる。この開口テーパー部31bは底面3側で縮径するテーパー状に形成されている。
【0032】
大径部32は開口円筒部31aよりも大径となるように形成されている。大径部32の開口部31側は天面2側で縮径するテーパー状に形成され、大径部32の底面3側は円筒状に形成されている。
【0033】
弁体7は、開口部31に挿入される略円柱状の頭部41と、頭部41よりも大径の略円筒状の胴部42と、本体4の軸8に沿った方向に伸縮可能な弾性部43とからなる。頭部41、胴部42及び弾性部43はシリコーンゴム等の弾性部材によって一体に形成されている。
【0034】
頭部41の天面41aは半球状に形成されている。また、頭部41の天面41aにはV字状の溝52が形成されている。溝52は、略円柱状に形成されている頭部41の径方向に形成されている。頭部41の底面3側には、外側面41bが設けられ、溝52は、天面2と外側面41bとを連通するように形成されている。また、この溝52は常開に形成されているが、弾性部材である頭部41に外力を加えて変形させることによって、この溝52を強制的に閉じることができる。
【0035】
胴部42は隙間部33よりも小径の円筒状に形成されている。また、弾性部43は胴部42との境界部分で、鍔部44を有する。鍔部44は円環状に形成されており、鍔部44の側壁は筒状体11の側壁14に密着する。従って、鍔部44は隙間部33に流入される輸液が底面側に流通しないよう液密にシールする機能を有している。
【0036】
また、胴部42は隙間部33よりも小径の円筒状に形成され、鍔部44はシール機能を有しているため、胴部42の外周側である胴部外周部45には第1接続管5と第2接続管6とを連通する空間が形成されている。この鍔部44が本発明のシール部に相当し、胴部外周部45が本発明の連通部に相当する。さらに、胴部42の内部には、空洞からなる空洞部46が形成されている。
【0037】
弾性部43は中空の蛇腹状に形成されている。また、蛇腹状に形成された弾性部43の凸部43aは筒状体11の側壁14に当接されている。弾性部43の内部には空洞からなる空洞部48が形成されており、かつその底面3側には空洞部48と連通する弁体開口部47が形成されている。
【0038】
この弁体開口部47は凸状部23と嵌合するように形成されており、この弁体開口部47に凸状部23が嵌合されることで、弁体7は蓋部12に支持されている。また、胴部42の空洞部46と弾性部43の空洞部48とは連通する。
【0039】
次に、図3、図4を用いて、本実施形態のコネクタ1の作動について説明する。図3には、開口部31に挿入管51等の他の輸液具を接続していない状態のコネクタ1が示されている。挿入管51が開口部31に接続されていないときは、頭部41が開口部31に密着しているため、開口部31は頭部41によって塞がれている。また、頭部41の溝52は開口部31からの押圧によって閉じられている。このとき、第1接続管5と第2接続管6は胴部外周部45を介して連通する。
【0040】
従って、図示しない上流側の輸液ラインの下流端を第1接続管5に接続し、図示しない下流側の輸液ラインの上流端を第2接続管6に接続して、輸液を第1接続管5に流入すると、輸液は胴部外周部45と第2接続管6を介して輸液ラインの下流側に流出される。
【0041】
次に、図4に示すように、挿入管51を開口部31に接続すると、挿入管51が弁体7の頭部41に当接されて、頭部41を押圧する。そのため、弾性部43の付勢力に抗じて弾性部43が大きく収縮し、頭部41が開口部31から外れ、弁体7の頭部41及び胴部42が底面3側に移動する。また、頭部41が開口部31から解放されて大径部32を通過し隙間部33に移動し、頭部41の溝52が開く。
【0042】
この溝52が開くことによって、挿入管51と隙間部33とが連通するため、挿入管51から流入される輸液が溝52と隙間部33を介して第2接続管6に流出される。また、第1接続管5は、胴部外周部45を介して第2接続管6と連通しているため、第1接続管5から流入される輸液が胴部外周部45を介して第2接続管6に流出される。
【0043】
したがって、図示しない輸液ラインの上流側を第1接続管5に装着し、図示しない輸液チューブの下流側を第2接続管6に装着して、輸液ラインの上流側から輸液を流入すると、第1接続管5と挿入管51とから流入される液体が隙間部33で混合され、第2接続管6を介して輸液ラインの下流側に流出される。
【0044】
また、挿入管51を開口部31から取り外すと、図3に示すように弾性部43が付勢力によって伸びて復元し、頭部41が開口部31に挿入されて、開口部31を塞ぐ。このとき、第1接続管5は、胴部外周部45を介して第2接続管6と連通しているため、第1接続管5から流入される輸液が胴部外周部45を介して第2接続管6に流出される。また、鍔部44は側壁14と密着しているため、胴部外周部45に流入されている輸液は開口部31側に押し上げられる。
【0045】
以上のように、本実施形態のコネクタ1によれば、挿入管51が開口部31に接続されているときは溝52が開いて挿入管51が外側面41bと胴部外周部45を介して第2接続管6と連通し、挿入管51が開口部31から取り外されているときは溝52が閉じて天面2と外側面41bとの連通が塞がれる。
【0046】
従って、挿入管51を接続するか否かの動作のみによって、2つの流入部から流入される輸液を1つの流出部に同時に供給し、又は1つの流入部から流入される輸液を1つの流出部に供給することを可能とするコネクタを提供することができる。
【0047】
また、開口部31に接続されている挿入管51を取り外すことで、頭部41及び胴部42が弾性部43の付勢力を受けて天面2側に移動する。従って、挿入管51を取り外した時に、本体4の内部における輸液の流通部の体積が減少し、輸液が本体4に滞留することを防止することができる。
【0048】
また、弁体7の頭部41を開口部31に挿入することで溝52が閉じられ、頭部41の頂面が半球面状となるため、弁体7の頭部41を酒精綿等で容易に消毒することができる。
【0049】
また、頭部41が開口部31に挿入されると、頭部41が開口部31を構成する開口円筒部31aに密着するため、挿入管51を開口部31から取り外した時に挿入管51から流入した輸液が開口部31に残留することを防止できる。
【0050】
また、挿入管51を開口部31から取り外したときには、鍔部44が弾性部43の付勢力によって天面2側に移動する。その際、鍔部44が筒状体11の側壁14と密着しているため、胴部外周部45に流入されている輸液が押し上げられる。従って、本体4の輸液が陰圧となることを防止することができ、挿入管51を開口部31から取り外す際に、輸液ラインからの逆流を防止することができる。
【0051】
また、弾性部43の内部は空洞に形成されており、かつ蛇腹状に形成されているため、弾性部43が容易に伸縮する。そのため、簡易な構成で容易に伸縮する弾性部43を形成することができる。
【0052】
さらに、本体4は、筒状に形成されて空間部13を形成する筒状体11と蓋部12とからなり、弾性部43が蓋部12で支持されている。そのため、本体4に弁体7を挿入し蓋部12で閉じることで弁体7を装着することができ、コネクタ1を容易に組み立てることが可能となる。
【0053】
「第2の実施形態」
次に、第2の実施形態について、図5、図6を用いて説明する。本実施形態は、前記第1の実施形態と胴部42の一部の構成のみが相違する。このため、本実施形態の説明では、その相違点を中心に説明し、第1の実施形態と同一の事項については説明を省略する。
【0054】
本実施形態では、弁体7の胴部42に第1接続管5と第2接続管6を連通する貫通孔61が設けられている。この貫通孔61が、連通部に相当する。また、大径部32は開口部31側で縮径するテーパー状に形成されている。さらに、胴部42の内部に空洞部46は形成されていない。
【0055】
また、胴部42は隙間部33の径と同じ径の円筒状に形成され、胴部42が筒状体11の側壁14と密着している。そのため、胴部42の外周部には第1接続管5と第2接続管6を連通する空間は形成されていない。また、胴部42の弾性部43側の端部では鍔部44を有していない。
【0056】
本実施形態では、以上のような構成を有しているため、第1接続管5から流入された輸液は、貫通孔61と第2接続管6を介して輸液ラインの下流側に流出される。また、挿入管51を開口部31から取り外すと、弾性部43が伸びて復元し、胴部42が開口部31側に移動することによって、貫通孔61、大径部32及び隙間部33に流入されている輸液が開口部31側に押し上げられる。
【0057】
第1の実施形態と本実施形態では、以上の点が異なるものの、他の点については第1の実施形態と同様の構成を有しており、同様の作動を行う。従って、本実施形態でも、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、胴部42に貫通孔61を設けることで、第1接続管5と第2接続管6を連通させる連通部が構成されており、連通部を容易に構成することができる。
【0058】
「第3の実施形態」
次に、第3の実施形態について、図7、図8を用いて説明する。本実施形態は、前記第2の実施形態と胴部42の一部の構成のみが相違する。このため、本実施形態の説明では、その相違点を中心に説明し、第2の実施形態と同一の事項については説明を省略する。
【0059】
本実施形態では、胴部42の外周面62に外周溝63が形成されている。この外周溝63を介して、第1接続管5と第2接続管6が連通されており、この外周溝63が連通部に相当する。そして、本実施形態では、第1接続管5から流入された輸液は、外周溝63と第2接続管6を介して輸液ラインの下流側に流出される。
【0060】
第2の実施形態と本実施形態では、以上の点が異なるものの、他の点については第2の実施形態と同様の構成を有しており、同様の作動を行う。従って、本実施形態でも、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、胴部42に外周溝63を設けることで、第1接続管5と第2接続管6を連通させる連通部が構成されており、簡易な構成で輸液ラインの輸液を流入させる連通部を構成することができる。
【0061】
「第4の実施形態」
次に、第4の実施形態について、図9、図10を用いて説明する。本実施形態は、第1の実施形態と胴部42と弾性部43の一部の構成のみが相違する。このため、本実施形態の説明では、その相違点を中心に説明し、第1の実施形態と同一の事項については説明を省略する。
【0062】
本実施形態は、弾性部43に胴部42が包含される形態であり、蛇腹状の弾性部43の谷折り部近傍に輸液の流通可能な小径部71が形成され、第1接続管5と第2接続管6は小径部71を介して連通している。本実施形態では、小径部71が連通部に相当する。また、大径部32は天面2側で縮径するテーパー状に形成されている。
【0063】
また、胴部42は隙間部33の径と同じ径の円筒状に形成され、胴部42が側壁14と密着しているため、胴部42の外周部には第1接続管5と第2接続管6を連通する空間は形成されていない。また、胴部42の底面3側の端部には鍔部44は設けられていない。
【0064】
従って、本実施形態では、第1接続管5から流入された輸液は、小径部71と第2接続管6を介して輸液ラインの下流側に流出される。また、挿入管51を開口部31から取り外すと、弾性部43が伸びて復元し、胴部42が開口部31側に移動することによって、大径部32、隙間部33及び小径部71に流入されている輸液が開口部31側に押し上げられる。
【0065】
第1の実施形態と本実施形態では、以上の点が異なるものの、他の点については第1の実施形態と同様の構成を有しており、同様の作動を行う。従って、本実施形態でも、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、蛇腹状に形成された弾性部43の小径部71を介して、第1接続管5と第2接続管6を連通ことができるため、第1接続管5と第2接続管6を連通させるための加工を弁体7に施す必要がなく、第1接続管5と第2接続管6との連通を容易に可能とすることができる。
【0066】
「第5の実施形態」
次に、第5の実施形態について、図11〜図14を用いて説明する。本実施形態は、第1の実施形態と頭部41、胴部42と本体4の一部の構成が相違する。このため、本実施形態の説明では、その相違点を中心に説明し、第1実施形態と同一の事項については説明を省略する。
【0067】
本実施形態では、開口部81は天面2側に設けられ円筒状に形成されている開口円筒部81aと底面3側に設けられテーパー状に形成されている本体テーパー部81bとからなる。また、大径部82は開口部81側で縮径するテーパー状に形成されている。従って、大径部82を形成する本体4の内壁83は、開口部31側で縮径するテーパー状に形成されている。また、本体4の内壁83の一部を平坦にした内壁平坦面84が、第1接続管5と第2接続管6の軸方向に沿って形成されている。
【0068】
頭部41には、天面2側で縮径するテーパー状の頭部テーパー部91が形成されており、その先端側には平坦に形成された天面91aを有している。頭部テーパー部91の外側面91bの一部には溝52が切り込まれ、この切り込みに近接する外側面91bには凸部92が形成されている。
【0069】
頭部テーパー部91及び凸部92は、挿入管51を挿入していない状態で、本体テーパー部81bと密着する。このとき、頭部41の天面41aは、開口部81の天面81cと面一に形成されている。また、頭部テーパー部91は本体テーパー部81bに押圧されており、凸部92は溝52を閉じる方向に押圧されている。また、胴部42は頭部41側で径が大きくなり、隙間部33よりも小さな径の略円筒状に形成され、溝52に対して平行に平坦な胴部平坦面94が形成されている。
【0070】
弁体7は、頭部テーパー部91と本体テーパー部81bが密着する状態で胴部平坦面94が内壁平坦面84と対向するように、蓋部12に支持される。この胴部平坦面94と内壁平坦面84は当接されているため、弁体7の回転が阻止される。この胴部平坦面94及び内壁平坦面84が本発明の位置決め機構に相当する。
【0071】
挿入管51が開口部31に接続されていないときは、頭部テーパー部91と本体テーパー部93とが密着しており、開口部81は栓をされた状態となっている。この状態から、図示しない上流側の輸液ラインの下流端を第1接続管5に接続し、図示しない下流側の輸液ラインの上流端を第2接続管6に接続して、輸液を第1接続管5に流入すると、輸液は胴部外周部45と第2接続管6を介して輸液ラインの下流側に流出される。
【0072】
次に、挿入管51を開口部31に接続すると、頭部41及び胴部42が底面3側に移動し、頭部41が開口部81から解放されて大径部82に移動するため、溝52が開く。このとき、弁体7は、溝52の他端52bが第2接続管6側を向くように、蓋部12に支持されているため、挿入管51から流入される輸液が溝52を介して第2接続管6に流入される。従って、挿入管51から流入される輸液が、効率よく第2接続管6を介して図示しない輸液ラインに流入する。
【0073】
なお、弾性部43は蛇腹状に形成され、内部に空洞からなる空洞部48が形成されているが、代わりにコイルばねを用いてもよい。この場合には、コイルばねの一端は胴部42に取り付けられ、コイルばねの他端は蓋部底面21に取り付けられる。
【0074】
以上のように、第1〜第5の実施形態で説明したように、この発明に係るコネクタ1によれば、弾性部43を備えた弁体7を本体4に収納し、頭部41の表面に設けられた溝52を有する弁体7を開口部31,81に挿入自在とする簡易な構成で、第1接続管5と挿入管51から流入される液体を第2接続管6に同時に供給し、又は第1接続管5から流入される液体を第2接続管6に供給することができる。
【符号の説明】
【0075】
1…コネクタ、2…天面、3…底面、4…本体、5…第1接続管、6…第2接続管、31…開口部、32…大径部、41…頭部、43…弾性部、45…連通部(胴部外周部)、51…他の輸液具(挿入管)、52…溝。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸液ラインに接続され、前記輸液ラインに他の輸液具から側注可能なコネクタであって、
天面に前記他の輸液具が接続可能な開口部が形成され、底面が閉塞された筒状の本体と、
前記本体の内部に連通し、前記輸液ラインに接続される第1接続管及び第2接続管と、
前記本体内に収納され、前記開口部を開閉自在に閉塞する弁体とを備え、
前記本体は、前記開口部よりも底面側に前記開口部より大径の大径部が形成され、
前記弁体は、前記本体の開口部に挿入される頭部と、前記頭部よりも前記本体の底面側に配置され前記本体内で第1接続管と第2接続管とを連通させる連通部と、前記頭部を前記本体の開口部に付勢する弾性部とを有し、
前記頭部には、その天面と前記頭部の外側面とを連通する溝が形成され、
前記溝は、前記頭部が前記本体の開口部に挿入された状態で閉じられ、前記頭部が前記他の輸液具に押圧されて前記本体の開口部から大径部に移動された状態で前記頭部の弾性により開かれるよう形成されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタにおいて、
前記本体の開口部は、その内周面が底面側から天面に向けて縮径する本体テーパー部を有し、
前記弁体の頭部は、その外側面が前記テーパー部に対面し前記天面に向けて縮径する頭部テーパー部を有していることを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
請求項2に記載のコネクタにおいて、
前記弁体の頭部テーパー部に、前記頭部テーパー部が前記本体テーパー部に押圧された際に前記溝を閉じる方向へ押圧する凸部が形成されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のコネクタにおいて、
前記本体及び前記弁体は、前記弁体が前記本体に対して相対的な回転を防止する位置決め機構を有し、前記弁体の頭部において前記溝の開口する外側面が、前記第1接続管又は前記第2接続管のうち下流側となる接続管の軸方向に向けて配置されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のコネクタにおいて、
前記連通部は、前記弁体の胴部の外周が前記本体の内周よりも小径に形成されてなることを特徴とするコネクタ。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のコネクタにおいて、
前記連通部は、前記弁体を貫通する貫通孔により形成されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のコネクタにおいて、
前記弁体の弾性部は、前記連通部との境界部分の外周が前記本体の内周面に液密に当接するシール部を有していることを特徴とするコネクタ。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載のコネクタにおいて、
前記弾性部は、その内部を空洞に形成した空洞部を有し、該弾性部は蛇腹状に形成されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項1】
輸液ラインに接続され、前記輸液ラインに他の輸液具から側注可能なコネクタであって、
天面に前記他の輸液具が接続可能な開口部が形成され、底面が閉塞された筒状の本体と、
前記本体の内部に連通し、前記輸液ラインに接続される第1接続管及び第2接続管と、
前記本体内に収納され、前記開口部を開閉自在に閉塞する弁体とを備え、
前記本体は、前記開口部よりも底面側に前記開口部より大径の大径部が形成され、
前記弁体は、前記本体の開口部に挿入される頭部と、前記頭部よりも前記本体の底面側に配置され前記本体内で第1接続管と第2接続管とを連通させる連通部と、前記頭部を前記本体の開口部に付勢する弾性部とを有し、
前記頭部には、その天面と前記頭部の外側面とを連通する溝が形成され、
前記溝は、前記頭部が前記本体の開口部に挿入された状態で閉じられ、前記頭部が前記他の輸液具に押圧されて前記本体の開口部から大径部に移動された状態で前記頭部の弾性により開かれるよう形成されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタにおいて、
前記本体の開口部は、その内周面が底面側から天面に向けて縮径する本体テーパー部を有し、
前記弁体の頭部は、その外側面が前記テーパー部に対面し前記天面に向けて縮径する頭部テーパー部を有していることを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
請求項2に記載のコネクタにおいて、
前記弁体の頭部テーパー部に、前記頭部テーパー部が前記本体テーパー部に押圧された際に前記溝を閉じる方向へ押圧する凸部が形成されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のコネクタにおいて、
前記本体及び前記弁体は、前記弁体が前記本体に対して相対的な回転を防止する位置決め機構を有し、前記弁体の頭部において前記溝の開口する外側面が、前記第1接続管又は前記第2接続管のうち下流側となる接続管の軸方向に向けて配置されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のコネクタにおいて、
前記連通部は、前記弁体の胴部の外周が前記本体の内周よりも小径に形成されてなることを特徴とするコネクタ。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載のコネクタにおいて、
前記連通部は、前記弁体を貫通する貫通孔により形成されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載のコネクタにおいて、
前記弁体の弾性部は、前記連通部との境界部分の外周が前記本体の内周面に液密に当接するシール部を有していることを特徴とするコネクタ。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載のコネクタにおいて、
前記弾性部は、その内部を空洞に形成した空洞部を有し、該弾性部は蛇腹状に形成されていることを特徴とするコネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−24565(P2012−24565A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138641(P2011−138641)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(390029676)株式会社トップ (106)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(390029676)株式会社トップ (106)
【Fターム(参考)】
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