説明

コネクタ

【課題】コネクタが基板に搭載された状態においてハウジングと基板との位置的関係を容易に確認し得るようなコネクタを提供すること。
【解決手段】ハウジング120に対してコンタクト150とは別体の被モニタ部材160を取り付ける。被モニタ部材160には突出部166が設けられている。突出部166の先端には基板300に突き当てられる突き当て部168が形成されており、突き当て部168から上下方向(Z方向)において所定距離だけ離れた位置にはマーカー部170が形成されている。マーカー部170と基板300との位置的関係は、当該部分だけを拡大して画像認識検査で調べることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に搭載されるコネクタに関し、特に基板対基板コネクタ組立体に用いられるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
基板対基板コネクタ組立体としては、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されたものがある。いずれのコネクタ組立体も基板に搭載固定されたプラグ及びレセプタクルを備えている。プラグとレセプタクルとは、それらが搭載されている基板が平行になるように接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−237655号公報
【特許文献2】特許第3195293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ノートパソコンや携帯電話等の携帯電子機器の小型化・薄型化が進んでいる。これに伴い、携帯電子機器の内部に搭載される基板対基板コネクタには基板間距離に対する厳しい要求(例えば、要求される基板間距離が2〜3ミリ程度)を満たすことが求められている。この要求を満たすためには、基板に搭載されたコネクタのハウジングの高さが許容される範囲内に収まっているか否かの確認も重要になっている。
【0005】
かかる要求は、基板対基板コネクタ組立体に含まれるコネクタのみならず、例えば、基板に搭載された状態で薄型の携帯電子機器内に組み込まれるようなコネクタにも求められるものである。
【0006】
そこで、本発明は、コネクタが基板に搭載された状態においてハウジングと基板との位置的関係を容易に確認し得るようなコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1のコネクタとして、
基板に搭載されるコネクタであって、
複数のコンタクトと、前記コンタクトを保持するハウジングと、前記ハウジングに取り付けられた被モニタ部材とを備えており、
前記被モニタ部材は、前記コンタクトとは別体であり、且つ、上下方向に沿って前記コネクタが前記基板に搭載される際に前記基板に突き当てられる突き当て部と、マーカー部とを有しており、
前記突き当て部と前記マーカー部とは、前記上下方向において互いに所定距離だけ離れており、
前記マーカー部は、前記上下方向と直交する水平方向に沿って前記コネクタを見た場合に、視認可能である
コネクタを提供する。
【0008】
また、本発明は、第2のコネクタとして、第1のコネクタであって、
前記被モニタ部材は、前記ハウジングよりも熱膨張率の低い材料からなる
コネクタを提供する。
【0009】
また、本発明は、第3のコネクタとして、第2のコネクタであって、
前記熱膨張率の低い材料は、金属である
コネクタを提供する。
【0010】
また、本発明は、第4のコネクタとして、第1乃至第3のいずれかのコネクタであって、
前記被モニタ部材は、主部と、前記上下方向において前記主部から下向きに突出した突出部とを有しており、
前記突き当て部は、前記突出部の下端に位置しており、
前記マーカー部は、前記突出部の一部として設けられている
コネクタを提供する。
【0011】
また、本発明は、第5のコネクタとして、第4のコネクタであって、
前記主部が前記ハウジングの側面上に位置するように、前記被モニタ部材は前記ハウジングに保持されている
コネクタを提供する。
【0012】
また、本発明は、第6のコネクタとして、第4又は第5のコネクタであって、
前記主部は、前記上下方向と直交する面内において、前記ハウジングに保持された前記コンタクトの接点部の外側に位置している
コネクタを提供する。
【0013】
また、本発明は、第7のコネクタとして、第6のコネクタであって、
前記ハウジングに保持された前記コンタクトの接点部は、前記主部又は前記主部と他の部材とにより前記上下方向と直交する面内において囲まれている
コネクタを提供する。
【0014】
また、本発明は、第8のコネクタとして、第4乃至第7のいずれかのコネクタであって、
前記突出部は複数設けられており、
前記突き当て部と前記マーカー部も複数セット設けられている
コネクタを提供する。
【0015】
また、本発明は、第9のコネクタとして、第1乃至第8のいずれかのコネクタであって、
前記コンタクトのうちの特定の一つと前記突き当て部とは、前記水平方向に沿って前記コネクタを見た場合に、重なるように配置されている
コネクタを提供する。
【0016】
また、本発明は、第10のコネクタとして、第9のコネクタであって、
前記水平方向に沿って前記コネクタを見た場合に、前記特定のコンタクトは、前記突き当て部よりも奥側に位置しており且つ前記突き当て部よりも幅広であるように構成されている
コネクタを提供する。
【0017】
また、本発明は、第11のコネクタとして、第9又は第10のコネクタであって、
前記基板にはグランドパターンが形成されており、
前記特定のコンタクトと前記突き当て部とは同一の前記グランドパターンに接続される
コネクタを提供する。
【0018】
また、本発明は、第12のコネクタとして、第1乃至第11のいずれかのコネクタであって、
前記被モニタ部材は、板状の母材を打ち抜いて形成された中間体を折り曲げ形成してなるものであり、
前記突き当て部は、前記中間体のエッジで構成されている
コネクタを提供する。
【0019】
また、本発明は、第13のコネクタとして、第12のコネクタであって、
前記コネクタは、前記基板とは異なる相手側基板に搭載された相手側コネクタと嵌合するためのものである
コネクタを提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、基板近傍にマーカー部を設けたことから、基板近傍を拡大して基板からマーカー部の位置を画像認識検査することによりハウジング高さを疑似的に測定することが可能であり、基板からレセプタクルハウジングの高さ頂点までを画像認識して測定する場合に比べて、高い測定精度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態によるコネクタ組立体を示す斜視図である。レセプタクル(コネクタ)とプラグ(相手側コネクタ)とは未嵌合状態にある。
【図2】図1のコネクタ組立体を示す正面図である。
【図3】図2のコネクタ組立体をIII--III線に沿って示す断面図である。
【図4】図2のコネクタ組立体をIV--IV線に沿って示す断面図である。
【図5】図1のコネクタ組立体に含まれるレセプタクル(コネクタ)を示す斜視図である。
【図6】図5のレセプタクルを示す上面図である。
【図7】図5のレセプタクルを示す正面図である。
【図8】図7のレセプタクルの一点鎖線円で囲まれた部分を拡大して示す図である。基板も図示されている。
【図9】図8の変形例を示す図である。
【図10】図5のレセプタクルに含まれるレセプタクルハウジング(ハウジング)を示す斜視図である。
【図11】図5のレセプタクルに含まれるレセプタクルコンタクト(コンタクト)を示す斜視図である。
【図12】図5のレセプタクルに含まれる被モニタ部材を示す斜視図である。
【図13】図12の被モニタ部材を示す正面図である。
【図14】図12の被モニタ部材を示す側面図である。
【図15】図5のレセプタクルに含まれるロック部材を示す斜視図である。
【図16】図1のコネクタ組立体に含まれるプラグ(相手側コネクタ)を示す斜視図である。
【図17】図16のプラグ(相手側コネクタ)を示す上面図である。
【図18】図16のプラグに含まれるプラグハウジング(相手側ハウジング)を示す斜視図である。
【図19】図16のプラグに含まれるプラグコンタクト(相手側コンタクト)を示す斜視図である。
【図20】図16のプラグに含まれるホールドダウンを示す斜視図である。
【図21】図20のホールドダウンを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態によるコネクタ組立体は、基板対基板コネクタ組立体であり、図1乃至図4に示されるように、レセプタクル(コネクタ)100とプラグ(相手側コネクタ)200とを備えている。
【0023】
図5乃至図7に示されるように、レセプタクル100は、絶縁体からなるレセプタクルハウジング(ハウジング)110と、金属製のレセプタクルコンタクト(コンタクト)150と、金属製の被モニタ部材160と、金属製のロック部材180とを備えている。
【0024】
図10に示されるように、レセプタクルハウジング110は、X方向及びY方向の中央に位置する島状部122と、島状部122の周囲に設けられた受容部124と、受容部124を取り囲む2つの長壁部126及び2つの短壁部128とを有している。島状部122は、Y方向に延びる直方体状の形状を有している。受容部124は、島状部122の上面と比較すると全体として−Z方向に凹んだ凹部であり、XY平面内において四角枠状の形状を有している。長壁部126は、X方向において受容部124及び島状部122を挟むようにして設けられている。長壁部126は、夫々、Y方向に延びている。短壁部128は、Y方向において受容部124及び島状部122を挟むようにして設けられている。短壁部128は、夫々、X方向に延びており、長壁部126のY方向の端部同士を連結している。
【0025】
図3及び図10を参照すると、島状部122には、複数の収容部130が形成されている。各収容部130は、X方向内側に向かって凹んでいる。各収容部130は、島状部122の+Z側端面(上面)までは達しておらず、従って、+Z側から見た場合には視認することができない。収容部130は、大きく2つのグループに分けられている。1つのグループの収容部130は、島状部122の+X側側面上においてY方向に並ぶように形成されている。他のグループの収容部130は、島状部122の−X側側面上においてY方向に並ぶように形成されている。
【0026】
図10を参照すると、長壁部126の夫々には、複数の第1保持部132と、2つの第2保持部134と、2つの第3保持部136とが形成されている。第1保持部132は、長壁部126のX方向内側に形成されている。第1保持部132は、夫々、収容部130と対応している(図3も参照)。この第1保持部132は、長壁部126をZ方向(上下方向)に沿って貫通している。第2保持部134は、Y方向において第1保持部132の群を挟むようにして設けられている。第3保持部136は、長壁部126のX方向外側の面に形成されている。第3保持部136は、長壁部126の−Z側端近傍に位置しており、また、短壁部128との境界部分に近い位置に位置している。図4及び図10を参照すると、受容部124の短壁部128に近い位置には、受容部124の底部と長壁部126とに連続するようにして形成された貫通孔138が設けられている。
【0027】
図11を参照すると、レセプタクルコンタクト150は、接点部152と、被保持部154と、被固定部156とを有している。図11に示されたレセプタクルコンタクト150は、図5において−X側(手前側)に位置しているものである。図5において+X側(奥側)に位置しているレセプタクルコンタクト150も同様の構成を有している。図3、図5及び図6を参照すると、接点部152は、相手側コンタクト(後述)と接触する部位であり、レセプタクルハウジング110の底面側から挿入され、収容部130内に部分的に収容される。接点部152は弾性支持されており、主としてX方向に変位可能となっている。図3及び図5を参照すると、被保持部154は、レセプタクルハウジング110の底面側から第1保持部132に対して圧入保持されている。図3及び図5〜図8を参照すると、被固定部156は、基板300に搭載固定される部位であり、被保持部154の−Z側端部(下端)から長壁部126を超えてX方向外側に突出している。
【0028】
図5、図6及び図9から理解されるように、本実施の形態におけるレセプタクルコンタクト150の多くは、基板300に形成された導電パターン310に接続されるものであるが、レセプタクルコンタクト150にはグランドパターン320に接続されるグランドコンタクト(特定のコンタクト)150gも含まれている。本実施の形態において、グランドコンタクト150gは、一列に並んだレセプタクルコンタクト150の群毎に3個設けられている。即ち、計6個のグランドコンタクト150gがレセプタクルハウジング110には保持されている。これらグランドコンタクト150gは、他のレセプタクルコンタクト150と同様に、接点部152gと被固定部156gとを有している。但し、グランドコンタクト150gの被固定部156gは、他のレセプタクルコンタクト150の被固定部156と比較してX方向における長さが短い。
【0029】
図12乃至図14を参照すると、被モニタ部材160は、夫々、一枚の板状の母材を打ち抜いて形成された中間体を折り曲げ形成してなるものであり、Y方向に延びる細長い板状の主部162と、主部162のY方向両端に形成された被保持部164と、主部162から−Z方向(下方)に向かって突出した突出部166とを有している。なお、図12乃至図14に示される被モニタ部材160は、図5において−X側(手前側)に位置しているものである。図5において+X側(奥側)に位置している被モニタ部材160も同様の構成を有している。
【0030】
図6に示されるように、被保持部164は、第2保持部134に圧入保持されており、それによって、主部162は、図5及び図7に示されるように、レセプタクルハウジング110の長壁部126の外側面を覆うように配されている。即ち、図3及び図6から理解されるように、主部162は、Z方向(上下方向)と直交するYX平面内において、レセプタクルコンタクト150の接点部152の外側に位置している。このように主部162がレセプタクルコンタクト150の接点部152の外側に位置しているとシールド機能を発揮することができる。シールド機能を発揮するためには、主部162がレセプタクルコンタクト150の接点部152の外側に位置していればよく、レセプタクルハウジング110の長壁部126の外側面上に設けられていなくともよい。
【0031】
図7、図8及び図12などに示されているように、突出部166は、鉤状の形状を有している。図8に示されるように、突出部166の先端には基板300(詳しくは、基板300上に形成されたグランドパターン320)に突き当てられる突き当て部168が形成されており、突き当て部168からZ方向(上下方向)において所定距離だけ離れた位置にはマーカー部170が形成されている。即ち、突き当て部168は、突出部166の−Z側端部(下端)に位置しており、マーカー部170は、突出部166の一部として設けられている。また、図14から理解されるように、突き当て部168は、被モニタ部材160の母材を打ち抜いて形成された中間体のエッジにて構成されている。従って、本実施の形態においては、突き当て部168からマーカー部170までの距離は、X方向に沿って見た場合(主部162に直交する方向から見た場合)に、レセプタクルコンタクト150などのように基板300へ当接する部分が曲げ形成されたものと比較して変動しにくくなっている。また、本実施の形態によるマーカー部170は、Y方向に延びる面を有している。従って、基板300へ適切に搭載されているか否かをより認識し易くなっている。
【0032】
図8に示されるように、基板300とマーカー部170との位置関係を画像認識検査で調べる場合、基板300の近傍のみを拡大して行うことができる。従って、基板300を基準とした場合のレセプタクルハウジング110の高さを直接調べる場合と比較して検査精度を高めることができる。なお、この画像認識検査を可能とするため、少なくともマーカー部170は、X方向(水平方向)に沿ってレセプタクル100を見た場合に視認可能であることが必要とされる。
【0033】
特に、本実施の形態においては、突き当て部168及びマーカー部170は金属からなる被モニタ部材160の一部で構成されている。即ち、絶縁樹脂等からなるレセプタクルハウジング110と比べて、被モニタ部材160は熱膨張率の低い材料から構成されている。従って、画像認識の精度を更に高めることができる。被モニタ部材160を金属以外の材料で構成することとしてもよいが、前述の画像認識の精度を考慮すると、レセプタクルハウジング110よりも熱膨張率の低いことが好ましい。
【0034】
なお、マーカー部170は、図8に示されるような形状に限定されるわけではなく、突き当て部168とのZ方向(上下方向)における距離が一定である(所定距離だけ離れている)という条件を満たす限り、どのような形状であってもよい。例えば、図9に示されるように、主部162に設けた孔の一部(図示された例では略四角状の孔の底辺)をマーカー部172とすることとしてもよい。
【0035】
図5乃至図7から理解されるように、本実施の形態によるレセプタクル100において、突き当て部168と被固定部156gとは、一つの長壁部126毎に、3セット設けられている。各セットの突き当て部168と被固定部156gとは、図8に例示されているように、同一のグランドパターン320に接続されている。これにより、被モニタ部材160は、電気的にはグランドに落とされている。従って、被モニタ部材160は、グランドパターン320に必要とされる領域(ひいてはレセプタクル100の基板300上の占有面積)を増やすことなく、良好なシールド機能を発揮することができる。
【0036】
具体的には、図8に示されるように、本実施の形態による突き当て部168は、X方向(水平方向)に沿って見た場合に、対応するグランドコンタクト150gの被固定部156gと重なるように配置されている。特に、本実施の形態によるグランドコンタクト150gの被固定部156gは、突き当て部168よりも奥側(即ち、X方向内側)に位置している。上述したように、被固定部156gは他のレセプタクルコンタクト150の被固定部156と比較してX方向の長さが短いことから、被固定部156gと突き当て部168とが互いに干渉することなく前後に位置することができる。
【0037】
更に、図8から理解されるように、本実施の形態による突き当て部168は、X方向(水平方向)に沿って見た場合に、対応するグランドコンタクト150gの被固定部156gよりも幅狭である(Y方向のサイズが小さい)。換言すると、グランドコンタクト150gの被固定部156gは、対応する突き当て部168よりも幅広である(Y方向のサイズが大きい)。そのため、X方向に沿って見た場合に、グランドコンタクト150gの被固定部156gが対応する突き当て部168よりも奥側にあったとしても、被固定部156gを画像認識検査で調べることができる。
【0038】
図15を参照すると、ロック部材180は、Z方向に沿って見た場合にコの字状の形状を有している内側部182と、X方向及びY方向において内側部182の外側に位置する外側部184とを有している。内側部182の端部は、−Z方向に延びており、その途中にはX方向内側に突出したロック部186が形成されており、更に−Z側端部には接続部188が設けられている。外側部184の端部も−Z側に延びており、その先端には付加的突き当て部190が形成されている。また、外側部184の端部のZ方向の途中にはY方向に突出した被保持部192が形成されている。なお、図15に示されたロック部材180は、図5において+Y側(右下側)に位置しているものである。図5において−Y側(左上側)に位置しているロック部材180も同様の構成を有している。
【0039】
かかるロック部材180は、図4乃至図7に示されるように、XY平面内において短壁部128の外側を覆うようにレセプタクルハウジング110に取り付けられている。また、ロック部材180は、長壁部126上においても被モニタ部材160の主部162近傍まで延びている。即ち、図5及び図6から理解されるように、本実施の形態による被モニタ部材160の主部162とロック部材180とは、XY平面内においてレセプタクルコンタクト150の接点部152を囲んでいる。本実施の形態においては、被モニタ部材160とロック部材180とは直接的には接続されていないが、ロック部材180の付加的突き当て部190は基板300に形成されたグランド部(図示せず)に当接されるため、ロック部材180は電気的にはグランドに落とされる。従って、強固なシールド機能が得られている。但し、本発明はこれに限定されるわけではなく、被モニタ部材160とロック部材180とを直接的に接続することとしてもよい。
【0040】
図5、図10及び図15から理解されるように、被保持部192を第3保持部136に圧入保持させることにより、ロック部材180がレセプタクルハウジング110に取り付けられている。図4乃至図6に示されるように、内側部182の端部は貫通孔138内に位置しており、ロック部186及び接続部188は受容部124内に位置している。
【0041】
図16及び図17を参照すると、プラグ200は、絶縁体からなるプラグハウジング(相手側ハウジング)210と、金属製のプラグコンタクト(相手側コンタクト)250と、4つの金属製のホールドダウン260とを備えている。
【0042】
図18に示されるように、プラグハウジング210は、X方向及びY方向の中央に凹部212と、凹部212をX方向において挟むようにして設けられた長壁部216と、凹部212をY方向において挟むようにして設けられた端部ブロック218とを有している。長壁部216の夫々は、Y方向に延びる長細い板状の形状を有している。端部ブロック218の夫々は、長壁部216の端部同士を接続している。
【0043】
図19に示されるように、プラグコンタクト250は、レセプタクルコンタクト150の接点部152と接触する接点部252と、プラグ200が搭載される相手側基板(図示せず)に接続固定される被固定部256とを有している。このプラグコンタクト250は、レセプタクルコンタクト150と同数設けられており、図16及び図17に示されるように、被固定部256がX方向外側に向くように、長壁部216に保持されている。図16に示されるように、接点部252は、長壁部216のX方向内側面上に露出している。
【0044】
図20及び図21に示されるように、ホールドダウン260は、L字状の形状を有する2つの埋設部262と、−Z側に位置するX方向端部からなる接続部264と、+Z側において+X側に延びる被固定部266とを有している。なお、図20及び図21に示されるホールドダウン260は、図16において+X側に(手前側)に位置しているものである。図16において−X側(奥側)に位置している2つのホールドダウン260も同様の構成を有している。
【0045】
図16及び図18から理解されるように、ホールドダウン260は、端部ブロック218に2つずつ保持されている。具体的には、各ホールドダウン260は、モールドイン法により、プラグハウジング210の成型時にプラグハウジング210に組み込まれている。特に、埋設部262はプラグハウジング210に埋設されてしまっており、プラグ200の外側からは視認できない。このように埋設部262がプラグハウジング210内に埋設されていることから、ホールドダウン260は、プラグハウジング210に強固に保持されている。なお、ホールドダウン260がプラグハウジング210に保持された状態において、接続部264は、端部ブロック218の−Z側且つX方向外側の角部上に露出しており、被固定部266は端部ブロック218の+Z側端部からX方向外側に突出している。
【0046】
このような構成を備えるレセプタクル100とプラグ200とを嵌合すると、レセプタクル100の島状部122がプラグ200の凹部212内に収容され、且つ、プラグ200の長壁部216や端部ブロック218がレセプタクル100の受容部124に受容される。この際、図3から予想されるように、プラグコンタクト250の接点部252はレセプタクルコンタクト150の接点部152をX方向内側に押圧し、その反力によりプラグコンタクト250の接点部252とレセプタクルコンタクト150の接点部152との接続が維持される。また、この嵌合接続の過程において、図4から予想されるように、ホールドダウン260の接続部264はロック部材180の内側部182の端部を外側に押圧するがロック部186を越えると内側部182は元の状態を復元しようとする。この復元の途中、接続部188と接続部264とが接続することとなり、両者の電気的接続(グランド)が強固に確立される。
【0047】
上述した実施の形態においては、被モニタ部材160はレセプタクル100のみに設けられていたが、本発明はこれに制限されない。例えば、被モニタ部材160と同様の部材をプラグ200に設け、プラグ200側でも基板への搭載精度の検査を行うこととしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、上述した実施の形態の基板対基板コネクタ組立体に含まれるコネクタに加え、低背化の要求のある他の基板搭載コネクタに適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
100 レセプタクル(コネクタ)
110 レセプタクルハウジング(ハウジング)
122 島状部
124 受容部
126 長壁部
128 短壁部
130 収容部
132 第1保持部
134 第2保持部
136 第3保持部
138 貫通孔
150 レセプタクルコンタクト(コンタクト)
150g グランドコンタクト(特定のコンタクト)
152,152g 接点部
154 被保持部
156,156g 被固定部
160 被モニタ部材
162 主部
164 被保持部
166 突出部
168 突き当て部
170 マーカー部
172 マーカー部
180 ロック部材
182 内側部
184 外側部
186 ロック部
188 接続部
190 付加的突き当て部
192 被保持部
200 プラグ(相手側コネクタ)
210 プラグハウジング(相手側ハウジング)
212 凹部
216 長壁部
218 端部ブロック
250 プラグコンタクト(相手側コンタクト)
252 接点部
256 被固定部
260 ホールドダウン
262 埋設部
264 接続部
266 被固定部
300 基板
310 導電パターン
320 グランドパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に搭載されるコネクタであって、
複数のコンタクトと、前記コンタクトを保持するハウジングと、前記ハウジングに取り付けられた被モニタ部材とを備えており、
前記被モニタ部材は、前記コンタクトとは別体であり、且つ、上下方向に沿って前記コネクタが前記基板に搭載される際に前記基板に突き当てられる突き当て部と、マーカー部とを有しており、
前記突き当て部と前記マーカー部とは、前記上下方向において互いに所定距離だけ離れており、
前記マーカー部は、前記上下方向と直交する水平方向に沿って前記コネクタを見た場合に、視認可能である
コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタであって、
前記被モニタ部材は、前記ハウジングよりも熱膨張率の低い材料からなる
コネクタ。
【請求項3】
請求項2記載のコネクタであって、
前記熱膨張率の低い材料は、金属である
コネクタ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のコネクタであって、
前記被モニタ部材は、主部と、前記上下方向において前記主部から下向きに突出した突出部とを有しており、
前記突き当て部は、前記突出部の下端に位置しており、
前記マーカー部は、前記突出部の一部として設けられている
コネクタ。
【請求項5】
請求項4記載のコネクタであって、
前記主部が前記ハウジングの側面上に位置するように、前記被モニタ部材は前記ハウジングに保持されている
コネクタ。
【請求項6】
請求項4又は請求項5記載のコネクタであって、
前記主部は、前記上下方向と直交する面内において、前記ハウジングに保持された前記コンタクトの接点部の外側に位置している
コネクタ。
【請求項7】
請求項6記載のコネクタであって、
前記ハウジングに保持された前記コンタクトの接点部は、前記主部又は前記主部と他の部材とにより前記上下方向と直交する面内において囲まれている
コネクタ。
【請求項8】
請求項4乃至請求項7のいずれかの記載のコネクタであって、
前記突出部は複数設けられており、
前記突き当て部と前記マーカー部も複数セット設けられている
コネクタ。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のコネクタであって、
前記コンタクトのうちの特定の一つと前記突き当て部とは、前記水平方向に沿って前記コネクタを見た場合に、重なるように配置されている
コネクタ。
【請求項10】
請求項9記載のコネクタであって、
前記水平方向に沿って前記コネクタを見た場合に、前記特定のコンタクトは、前記突き当て部よりも奥側に位置しており且つ前記突き当て部よりも幅広であるように構成されている
コネクタ。
【請求項11】
請求項9又は請求項10記載のコネクタであって、
前記基板にはグランドパターンが形成されており、
前記特定のコンタクトと前記突き当て部とは同一の前記グランドパターンに接続される
コネクタ。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれかに記載のコネクタであって、
前記被モニタ部材は、板状の母材を打ち抜いて形成された中間体を折り曲げ形成してなるものであり、
前記突き当て部は、前記中間体のエッジで構成されている
コネクタ。
【請求項13】
請求項12記載のコネクタであって、
前記コネクタは、前記基板とは異なる相手側基板に搭載された相手側コネクタと嵌合するためのものである
コネクタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2013−20707(P2013−20707A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150664(P2011−150664)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】