説明

コネクティングロッドの分割加工装置

【課題】先破断と後破断とのタイムラグを極力縮小することが可能なコネクティングロッドの分割加工装置を提供することにある。
【解決手段】基台60上に固定された固定ステージ62と、該固定ステージ62と接近又は離間自在に設けられた可動ステージ64と、楔部材122の圧入方向に破断荷重を付与する荷重機構58と、第3ワーク支持部材130a、130bの端部を上方から押圧することによりキャップ部をクランプする第2油圧シリンダ146a、146bとを有し、前記第3ワーク支持部材130a、130b及び第2油圧シリンダ146a、146bは、それぞれ可動ステージ64に固定されて該可動ステージ64と一体的に変位可能に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両用のエンジン部品を構成するコネクティングロッドの分割加工装置に関し、一層詳細には、大端部と小端部とを有するコネクティングロッドを一体成形した後、大端部をキャップ部とロッド部に破断分割するコネクティングロッドの分割加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、車両用のエンジンには、ピストンピンとクランクピンとを連結するコネクティングロッドが広く用いられている。このコネクティングロッドは、前記クランクピンに連結される大端部と、前記ピストンピンに連結される小端部とを有しており、その製造工程では、コネクティングロッドの大端部から小端部までを、例えば、鍛造成形等によって一体成形した後、前記大端部をキャップ部とロッド部とに破断分割することが一般的に行われている。
【0003】
この種のコネクティングロッドを破断分割する方法として、例えば、特許文献1には、コネクティングロッドの軸受部の軸受孔に外方向への内圧を付与する内圧付与装置と前記軸受部に外圧を付与する一組の外圧付与装置とを設け、前記一組の外圧付与装置によって前記軸受部に外圧を付与すると共に前記内圧付与装置によって前記軸受部に内圧を付与し、内圧付与装置による内圧が軸受部を分割し得る内圧にあるときに前記外圧付与装置の外圧を瞬間的に開放し、前記内圧によって軸受部を瞬間的に分割する方法が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、コネクティングロッドを載置するパレットの基盤に互いに離反する方向に移動可能に配設され前記コネクティングロッドを水平に支持する第1及び第2の支持部材と、これらの第1及び第2の支持部材に垂設され各外周面がそれぞれ開口部内面に当接するマンドレル半部からなる半割形のマンドレルと、各マンドレル半部の対向する端面と当接する面がそれぞれテーパ面をなし各マンドレル半部を均等に離反拡張させる楔と、前記楔に荷重を付与するアクチュエータと、前記アクチュエータに初期荷重を付与して開口部内面に各マンドレル半部を当接させた後、破断荷重を加えて開口部を瞬間的に破断する制御回路とを備えたコネクティングロッドの破断装置が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平10−277848号公報
【特許文献2】特開2002−66998号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、コネクティングロッドの製造誤差によるバラツキに起因して、分割し得る内圧を検知し外圧付与装置の外圧を瞬間的に開放するタイミングを制御することが困難であるという問題がある。
【0007】
また、特許文献2では、大端部をキャップ部とロッド部に破断分割するときに発生する左右方向の振れを完全に抑制することができないおそれがあり、左右の何れか一側が先に破断する先破断と何れか他方が僅かに遅れて破断する後破断とのタイムラグを短縮することが困難であるという問題がある。
【0008】
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、外圧を開放するタイミングが不要であり、しかも、先破断と後破断とのタイムラグを極力縮小することが可能なコネクティングロッドの分割加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するために、本発明は、大端部と小端部とを有するコネクティングロッドを一体成形した後、前記大端部の結合孔を一組の拡張具にセットし、前記一組の拡張具間に楔部材を圧入して前記拡張具を拡張させることで、前記大端部をキャップ部とロッド部に破断分割するコネクティングロッドの分割加工装置であって、
基台上に固定された固定ステージと、前記固定ステージと対向配置され水平方向に沿って該固定ステージと接近又は離間自在に設けられた可動ステージとを有し、前記固定ステージに固定されたロッド部側の一方の拡張具と前記可動ステージに固定されて一体的に変位するキャップ部側の他方の拡張具とによって前記コネクティングロッドが所定位置に位置決めされた状態でセットされると共に、前記セットされたコネクティングロッドを保持するワーク位置決め保持機構と、
前記大端部を破断分割するために、前記楔部材の圧入方向に破断荷重を付与する荷重機構と、
を備え、
前記ワーク位置決め保持機構は、コネクティングロッドの大端部のキャップ部側の両肩部を小端部の方向に向かって押圧する第1支持手段と、前記コネクティングロッドと係合する端部と反対側の前記第1支持手段の端部を上方から押圧することにより該第1支持手段をクランプする第2支持手段とを含み、前記第1支持手段及び第2支持手段は、それぞれ可動ステージに固定されて該可動ステージと一体的に変位可能に設けられることを特徴とする。
【0010】
この場合、前記第2支持手段は、ピストン及びピストンロッドを有する油圧シリンダからなり、前記ピストンロッドの先端部には、前記第1支持手段の傾斜面に係合する押圧面が形成されたブロック体が連結されるとよい。
【0011】
また、前記大端部の結合孔の内面に一組の拡張具を略圧着させるために、楔部材の圧入方向に予備荷重を付与する予備荷重付与機構が設けられ、前記予備荷重付与機構によって予備荷重が付与された後、前記第2支持手段が付勢されて第1支持手段をクランプするとよい。
【0012】
本発明によれば、先ず、固定ステージに固定されたロッド部側の一方の拡張具と可動ステージに固定されて一体的に変位するキャップ部側の他方の拡張具との間にコネクティングロッドがセットされた後、第1支持手段が付勢されてコネクティングロッドの大端部のキャップ部側の両肩部が小端部の方向に向かって押圧される。すなわち、第1支持手段によってキャップ部の両肩部が押圧されて、その押圧力は可動ステージに固定されたキャップ部側の他方の拡張具で受容する。
【0013】
続いて、第2支持手段が付勢されて、前記コネクティングロッドと係合する端部と反対側の前記第1支持手段の端部が上方から押圧されることにより該第1支持手段がクランプされる。従って、第2支持手段によって第1支持手段が押圧方向に向かってさらに押圧されることにより、破断分割前のコネクティングロッドのキャップ部は、第1支持手段と可動ステージ側の他方の拡張具との間で強固に固定される。
【0014】
このようにコネクティングロッドが位置決め保持された状態において、荷重機構が付勢されて楔部材に対して破断荷重が付与されることにより一方の拡張具と他方の拡張具との間に前記楔部材が圧入される。この結果、前記大端部のロッド部が固定ステージ側で固定され、大端部のキャップ部が第1支持手段及び第2支持手段によって強固に固定された状態で可動ステージと一体的に変位することにより、大端部がロッド部とキャップ部とに破断分割される。
【0015】
本発明では、コネクティングロッドの大端部のロッド部側を固定ステージに固定する一方、キャップ部側を第1支持手段及び第2支持手段によって可動ステージ側に強固に固定している。このような状態において、前記コネクティングロッドの大端部をロッド部とキャップ部とに破断分割したとき、前記キャップ部のみが可動ステージと共に変位させるように構成しているため、ロッド部とキャップ部との破断面における先破断と後破断とのタイムラグを極力抑制することができる。
【0016】
この結果、本発明では、先破断と後破断のタイムラグによってロッド部側に対して変形等の悪影響を及ぼすことを好適に阻止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、外圧を開放するタイミングが不要であり、しかも、先破断と後破断とのタイムラグを極力縮小することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係るコネクティングロッドの分割加工装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0019】
図1Aは、本発明が適用される被加工物としてのコネクティングロッド30の斜視図であり、図1Bは、コネクティングロッド30がキャップ部32とロッド部34に破断分割された状態を示す斜視図である。
【0020】
コネクティングロッド30は、略円形状の結合孔36を介してキャップ部32とロッド部34とが一体的に形成された大端部38と、大端部38とは反対側に配置される小端部40とを有する。このコネクティングロッド30は、例えば、鋳造又は鍛造等によって一体成形される。
【0021】
また、コネクティングロッド30の大端部38の両側には、ドリル等の図示しない穿孔手段によってボルト孔42a、42bがそれぞれ形成される。これらのボルト孔42a、42bには、例えば、エンジン等の組立工程において、図示しないボルトがキャップ部32側からそれぞれ螺入され、キャップ部32がロッド部34に締め付けられる。このようにして、破断分割されたキャップ部32をロッド部34に締結することにより、コネクティングロッド30の大端部38が前記エンジンのクランクピンに連結される。
【0022】
なお、図1A中、参照符号44は、大端部38におけるキャップ部32とロッド部34との境界部位となる分割部を示す。この分割部44は、大端部38の両側において、結合孔36を中心に対向した部位に設定される。
【0023】
次に、本発明の実施形態に係るコネクティングロッドの分割加工装置50を図2〜4に示す。図2は、前記分割加工装置50の一部分解斜視図、図3は、前記図2の平面図、図3は、図2の軸線方向に沿った縦断面図である。
【0024】
この分割加工装置50は、コネクティングロッド30が所定位置に位置決めされた状態でセットされると共に、前記セットされたコネクティングロッド30を保持するワーク位置決め保持機構52と、コネクティングロッド30の大端部38を破断分割するための破断分割機構54と、前記破断分割機構54に予備荷重(プリロード)を付与する予備荷重付与機構56と、おもり(重量物)57を落下させることによって破断分割機構54に衝撃荷重を付与する荷重機構58とを有する。
【0025】
ワーク位置決め保持機構52は、上方から見て略長方形状に形成された基台60と、前記基台60上に固定された固定ステージ62と、前記固定ステージ62と対向配置され該固定ステージ62に対して前記基台の軸線方向に沿った水平方向において接近又は離間自在に設けられた可動ステージ64と、前記基台60の軸線方向の外方に向かって突出するように該基台60の両端部にそれぞれ固定された第1ブラケット66及び第2ブラケット68とを備える。
【0026】
前記固定ステージ62は、第1ブラケット66を介して基台60に固定された固定テーブル70と、前記固定テーブル70に固設された第1油圧シリンダ72と、前記第1油圧シリンダ72のピストンロッド72aの先端部に連結され、ガイドレール74に沿ってコネクティングロッド30の軸線方向に沿って進退自在に設けられた可動ブロック76と、前記可動ブロック76の端部から所定長だけ突出するように前記可動ブロック76の溝部に固定され、前記第1油圧シリンダ72の駆動作用下にコネクティングロッド30の小端部40に係合して該小端部40を軸線方向に沿った大端部38側に向かって押圧する第1ワーク支持部材78とを含む。
【0027】
なお、前記第1ワーク支持部材78の先端部には、図2に示されるように、コネクティングロッド30の小端部40に係合する断面v字状に窪んだテーパ状の係合部80が形成される。
【0028】
さらに、前記固定ステージ62は、前記可動ブロック76を間にして固定テーブル70上に略平行に固定された一組のガイド部材82a、82bと、前記ガイド部材82a、82bに沿って摺動する一組のガイドブロック84を介してコネクティングロッド30に対して進退自在に設けられたスライダ86と、前記固定テーブル70に固設され前記スライダ86を進退動作させる第1エアシリンダ88とを有する。
【0029】
前記スライダ86には、一組の軸受ブロック90a、90bに軸着された第1ピン92を支点として所定角度だけ回動自在に設けられた第2エアシリンダ94と、二股の分岐部を有し前記第2エアシリンダ94のピストンロッド94aに連結されたジョイント部材96と、一端部が第2ピン98を介して前記ジョイント部材96の分岐部の間に軸着され中央部が第3ピン100を介して前記スライダ86の連結プレート102に軸支された第2ワーク支持部材104とが設けられる。
【0030】
前記第2ワーク支持部材104の先端部には略Y字状を呈する押圧部104aが設けられ、前記押圧部104aは、前記第2エアシリンダ94の駆動作用下に前記第3ピン100を回動支点として所定角度揺動(回動)することにより、コネクティングロッド30の大端部38(ロッド部34)の上面部を下方に向かって押圧して該コネクティングロッド30を保持する機能を有する。
【0031】
前記固定テーブル70に近接する基台60上には、断面矩形状の凹部106を間にして上方に向かって二股状に突出した固定ブロック108が固定され、前記固定ブロック108の凹部106には、小端部40の孔部を貫通してコネクティングロッド30の端部を位置決めすると共に保持する位置決め固定ピン110が設けられる。
【0032】
この場合、前記固定ブロック108の断面矩形状の凹部106に沿って第1ワーク支持部材78が水平方向から進入することにより、前記第1ワーク支持部材78とコネクティングロッド30との軸線が一致した状態で該第1ワーク支持部材78の先端部に形成された係合部80がコネクティングロッド30の小端部40に対して確実に係合するように案内される。
【0033】
さらに、前記固定ブロック108と可動ステージ64との間には、基台60に固定された保持ブロック112が設けられる。前記保持ブロック112上には、大端部38の開口部に接触する半円状の凸部114aを有する第1マンドレル114が固定される。
【0034】
基台60上には、コネクティングロッド30の軸線方向に沿って可動ステージ64を案内する一組の第1ガイド要素116a、116bが略平行に固定される。前記一組の第1ガイド要素116a、116bには基台60の上面との間で軸線方向に沿って延在する長溝がそれぞれ形成され、前記長溝に対してスライドブロック118のフランジ部118aが摺動するように設けられる。
【0035】
前記スライドブロック118の上面には、大端部38の開口部に接触する半円状の凸部120aを有する第2マンドレル120が固定され、前記第2マンドレル120が可動ステージ64と一体的に変位することにより、固定ステージ62側の第1マンドレル114に対して所定距離だけ接近又は離間可能に設けられる。なお、前記第1及び第2マンドレル114、120は、一組の拡張具として機能するものである。
【0036】
前記第1及び第2マンドレル114、120の半円状の凸部114a、120aの合わせ面には、それぞれ、断面矩形状の凹部114b、120bが形成され、前記凹部114b、120bを合わせることにより鉛直方向に沿って貫通孔が形成される。前記貫通孔には、断面矩形状の楔部材122が係合するように設けられる。この場合、第1及び第2マンドレル114、120の各半円状の凸部114a、120aがそれぞれ合体して円形状の凸部となり、前記円形状の凸部に対してコネクティングロッド30の大端部38の結合孔36がセットされる。
【0037】
さらに、前記スライドブロック118の端部には鉛直方向に沿って立設する連結プレート124が固定され、前記連結プレート124には一組の第3エアシリンダ126a、126bが水平方向に沿って所定間隔離間して連結される。前記第3エアシリンダ126a、126bのピストンロッドの先端部には、シャフト128を介して、一組の第3ワーク支持部材(第1支持手段)130a、130bが連結される。一組の第3ワーク支持部材130a、130bは、それぞれ、一組の第3エアシリンダ126a、126bの駆動作用下にコネクティングロッド30の軸線方向に沿って第2マンドレル120の平面上を進退自在に設けられる。
【0038】
前記一組の第3ワーク支持部材130a、130bの軸線方向に沿った一端部には、コネクティングロッド30の大端部38のキャップ部32に当接し、該コネクティングロッド30を大端部38から小端部40側に向かって軸線方向と平行に押圧する一組の突起部132が設けられる。前記突起部132と反対側の第3ワーク支持部材130a、130bの他端部には、後述する第4ワーク支持部材134a、134bの押圧面136に係合する傾斜面138が設けられる。
【0039】
この場合、前記一組の第3ワーク支持部材130a、130bは、第2マンドレル120の平面部の上面に略平行に固定された二組の第2ガイド要素140a〜140dの案内作用によってコネクティングロッド30の軸線方向に沿って直線状に変位するように設けられる。
【0040】
さらにまた、スライドブロック118の上面には固定板141が設けられ、前記固定板141の上方には支持部142によって支持された天板144を介して一組の第2油圧シリンダ(第2支持手段)146a、146bが固定される。前記一組の第2油圧シリンダ146a、146bのピストンロッドの先端部には、略立方体状のブロック体からなる一組の第4ワーク支持部材134a、134bが連結され、前記第4ワーク支持部材134a、134bは鉛直上下方向に沿って変位自在に設けられる。
【0041】
前記第4ワーク支持部材134a、134bの一側面には、第3ワーク支持部材130a、130bの傾斜面138に係合して該第3ワーク支持部材130a、130bをコネクティングロッド30側に向かって押圧する押圧面136が形成される。
【0042】
前記支持部142は、前記固定板141の上面に立設して固定され、所定間隔離間してコネクティングロッド30の軸線と略平行に延在する一組の第1支持板142a、142bと、前記一組の第1支持板142a、142bの上部側壁に略水平方向に沿って横架されるように連結された第2支持板142cと、前記第2支持板142cの鉛直面に沿って略平行に連結された一組の第3支持板142d、142eとによって構成される。
【0043】
前記第3支持板142d、142eには鉛直方向に沿って略平行に延在する一組の凸部148が形成され、前記第4ワーク支持部材134a、134bにそれぞれ形成された凹部150と前記凸部148とが係合することにより、該第4ワーク支持部材134a、134bが鉛直方向に沿って円滑に案内される。また、第4ワーク支持部材134a、134bの押圧面136が第3ワーク支持部材130a、130bの傾斜面138に係合して該第3ワーク支持部材130a、130bを押圧したときの反力は、鉛直方向に沿って立設する第1支持板142a、142bを介して一組の第3支持板142d、142eによって好適に支持される。
【0044】
基台60から外方に向かって突出する第2ブラケット68の第1側壁部68aには、第1ピストンロッド152aの先端部が連結プレート124に連結されて可動ステージ64全体をコネクティングロッド30の軸線方向に沿って変位させる第4エアシリンダ152が固定される。前記第4エアシリンダ152は、シリンダチューブの軸線方向に沿った両端部から第1ピストンロッド152a及び第2ピストンロッド152bのそれぞれが突出する両ロッドタイプによって構成される。この場合、第1ピストンロッド152aは、スライドブロック118に連結された連結プレート124に固定され、第2ピストンロッド152bは自由端として設けられる。
【0045】
第2ブラケット68の第2側壁部68bには第5エアシリンダ154が固定され、前記第5エアシリンダ154のピストンロッド154aの端部は、第4エアシリンダ152の第2ピストンロッド152bに臨んで当接可能に設けられる。この第5エアシリンダ154を駆動させてピストンロッド154aを伸長させることにより前記第4エアシリンダ152の第2ピストンロッド152bに当接し、可動ステージ64全体を押圧して変位させることができる。
【0046】
破断分割機構54は、大端部38の結合孔36がセットされる一対の半円状の凸部114a、120aを有する第1及び第2マンドレル114、120と、この第1及び第2マンドレル114、120を相互に離間する方向に拡張させるために圧入される楔部材122とを備えている。
【0047】
第1及び第2マンドレル114、120の半円状の凸部114a、120aには、楔部材122が嵌挿される凹部114b、120bが形成され、固定ステージ62側の第1マンドレル114の凹部114bの壁面は概ね鉛直方向に沿って形成され、可動ステージ64側の第2マンドレル120の凹部120bの壁面は、上方側に指向して外方に傾斜するテーパ状に形成されている(図4及び図6参照参照)。
【0048】
楔部材122は、その先端部に指向して拡幅するテーパ面122aを有する。このテーパ面122aが前記第2マンドレル120の壁面に摺接するようにして、楔部材122が凹部114b、120bに嵌挿される。従って、楔部材122が図4中、下方側に付勢されると、テーパ面122aと壁面との摺動作用によって、第1マンドレル114と第2マンドレル120とがスライドしながら相互に離間する方向に拡張されることになる。
【0049】
図7に示されるように、予備荷重付与機構56には、楔部材122に付与する予備荷重を発生させる第3油圧シリンダ156が備えられている。この第3油圧シリンダ156は、連結ピン158等から構成される連結手段160を介して楔部材122の端部に連結されるピストンロッド(荷重伝達具)162と、ピストンロッド162に形成された環状の段差面162aに係合する段部164aを有するピストン164を備えている。
【0050】
ピストンロッド162は、ピストン164の中央部を貫通し、ピストン164に対して摺動自在に設けられている。従って、第3油圧シリンダ156のピストン164は、ピストンロッド162に対して楔部材122の圧入方向に向かって一体的に変位すると共に、楔部材122の圧入方向とは反対方向に離間可能に設けられている。換言すると、第3油圧シリンダ156は、ピストン164を介して、ピストンロッド162の一方向(鉛直下方向)にのみ前記予備荷重を付与することが可能である。
【0051】
予備荷重付与機構56と荷重機構58には、ピストンロッド162を介して楔部材122に連結される共通の荷重伝達用のシャフト(荷重伝達具)166が備えられている。このシャフト166は、前記段差面162a側において、ピストンロッド162と一体的に形成されている。また、シャフト166の他端側には、フランジ部166aが設けられており、このフランジ部166aは、シャフト166の軸方向に位置調節可能である。
【0052】
荷重機構58には、おもり57を載置すると共に、前記フランジ部166aに上方側から当接することにより、シャフト166を介して楔部材122に付与する衝撃荷重を発生させる昇降テーブル168と、前記昇降テーブル168を鉛直上下方向に沿って摺動自在に支持する一組のガイド部材170a、170bと、前記落下する昇降テーブル168の衝撃を緩和する一組の緩衝部材172a、172bとが備えられている。
【0053】
なお、荷重機構58には、前記昇降テーブル168の落下ストロークの下限位置が調節可能な図示しないストッパ機構と、落下した昇降テーブル168を上方側の落下待機位置に復帰させる図示しない昇降テーブル復帰機構と、大端部の破断分割時に下方側に向かって変位した楔部材を初期位置に復帰させる図示しない復帰用シリンダとが備えられている。
【0054】
本発明の実施の形態に係るコネクティングロッドの分割加工装置50は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果を図11に示されるフローチャートに基づいて以下詳細に説明する。
【0055】
先ず、一体成形されたコネクティングロッド30がワーク位置決め保持機構52にセットされる(図4参照)。その際、コネクティングロッド30は、位置決め固定ピン110によって小端部40側が位置決めされると共に、大端部38の結合孔36が第1及び第2マンドレル114、120の合わされた円形状の凸部114a、120aに嵌め込むようにセットされる(ステップS1)。
【0056】
このようにしてセットされたコネクティングロッド30は、ワーク位置決め保持機構52を介して所定位置に保持される。すなわち、第1油圧シリンダ72を駆動させることにより、ピストンロッド72aの先端部に連結された可動ブロック76がガイドレール74の案内作用下にコネクティングロッド30側に向かって変位する。前記可動ブロック76の溝部に固定された第1ワーク支持部材78がコネクティングロッド30の小端部40に係合して該小端部40を軸線方向に沿った大端部38側に向かって押圧する(ステップS2)。
【0057】
この場合、図5に示されるように、固定ブロック108の二股状に分岐した断面矩形状の凹部106に沿って第1ワーク支持部材78が水平方向に沿って前進することにより、前記第1ワーク支持部材78の先端部に形成された断面v字状の係合部80がコネクティングロッド30の小端部40に対して軸線方向に沿った同軸の状態で係合するように案内される。
【0058】
続いて、一組の第3エアシリンダ126a、126bをそれぞれ駆動させることにより、シャフト128を介してピストンロッドの先端部に連結された一組の第3ワーク支持部材130a、130bが、第2ガイド要素140a〜140dの案内作用下にコネクティングロッド30の軸線方向に沿って摺動変位する。従って、前記一組の第3ワーク支持部材130a、130bの突起部132がコネクティングロッド30のキャップ部32の両肩部に当接し、該コネクティングロッド30を大端部38から小端部40側に向かって軸線方向に沿って押圧することにより、キャップ部32の両肩部が横方向(水平方向)から支持される(ステップS3)。
【0059】
この場合、前記第3ワーク支持部材130a、130bの突起部132がコネクティングロッド30のキャップ部32の両肩部に当接することにより、前記コネクティングロッド30の傾き(軸線)を予め設定された位置決め方向と一致させる(コネクティングロッド30の軸線方向に対する矯正)程度の軽度の押圧がなされる。
【0060】
続いて、第2エアシリンダ94を駆動させジョイント部材96に連結されたピストンロッド94aを伸長させることにより、第2ワーク支持部材104が第3ピン100を回動支点として下方側に向かって所定角度だけ回動する。前記第2ワーク支持部材104が所定角度だけ回動することにより、略Y字状からなる押圧部104aの先端部がコネクティングロッド30の結合孔36近傍の大端部38上面と2点で接触し、前記大端部38を下方側に向かって押圧する(ステップS4)。
【0061】
この場合、コネクティングロッド30の大端部38側の結合孔36に対して第1及び第2マンドレル114、120の凸部114a、120aが係合すると共に、小端部40側の孔部に位置決め固定ピン110が係合し、且つ第1マンドレル114の上面の平面部に対してコネクティングロッド30が着座したことを図示しない着座確認手段によって確認する(ステップS5)。
【0062】
具体的には、例えば、着座確認手段として第1マンドレル114の上面の平面部にエア吐出孔を設け、該コネクティングロッド30が第1マンドレル114の平面部に着座して前記エア吐出孔が閉塞されてエアの吐出流量が減少したこと(エア吐出孔からのエアの吐出圧力が減少したこと)を図示しないセンサによって検知することにより、コネクティングロッド30が確実に着座したことが確認される。
【0063】
次に、予備荷重付与機構56の第3油圧シリンダ156を駆動させることによりピストン164が下方側に向かって付勢され、このピストン164の下降動作に伴って、段部164aに係合されている段差面162aを介してピストンロッド162が同様に下方に作動される(図7参照)。これと同時に、ピストンロッド162に連結された楔部材122が下方に付勢され、前記楔部材122に予備荷重が付与される(ステップS6)。
【0064】
これにより、前記楔部材122が第1及び第2マンドレル114、120の各凹部114b、120bの間に挟まれて圧入され、前記第2マンドレル120のテーパ状の凹部120bの壁面と楔部材122のテーパ面122aとの摺動作用下に、スライドしながら僅かに拡張される。そして、第1マンドレル114の凸部114aと第2マンドレル120の凸部120aとが相互に水平方向に沿って所定距離だけ離間して前記凸部114a、120aが結合孔36の内面に略圧着される。
【0065】
この場合、楔部材122に付与される予備荷重は、前記凸部114a、120aが大端部38の結合孔36の内面に接触しても、大端部38が破断されない程度、すなわち、大端部38の弾性変形可能な範囲内に設定されている。これにより、大端部38と第1及び第2マンドレル114、120の凸部114a、120aとの間にがたつきを生じることがなく、被加工物であるコネクティングロッド30が第1及び第2マンドレル114、120の一組の凸部114a、120aによって確実に保持される。
【0066】
このようにしてコネクティングロッド30の大端部38の結合孔36に対して予備荷重が付与された状態において、一組の第2油圧シリンダ146a、146bを駆動させてブロック体からなる第4ワーク支持部材134a、134bを鉛直下方向に向かって変位させる。この場合、支持部142の一組の第3支持板142d、142eに形成された凸部148と、前記第3支持板142d、142eに対向する第4ワーク支持部材134a、134bの側面に形成された凹部150とが係合することにより鉛直下方向に対するガイド作用が営まれる(図3参照)。
【0067】
前記第4ワーク支持部材134a、134bが下降することにより、該第4ワーク支持部材134a、134bの押圧面136と第3ワーク支持部材130a、130bの端部に形成された傾斜面138とが相互に係合して一組の第3ワーク支持部材130a、130bをコネクティングロッド30のキャップ部32側に向かって押圧する(ステップS7)。
【0068】
この結果、前記コネクティングロッド30のキャップ部32は、一組の第4ワーク支持部材134a、134bの鉛直下方向に対する押圧作用下に、該キャップ部32の両肩部を支持する一組の第3ワーク支持部材130a、130bと、該キャップ部32の両肩部間の第2マンドレル120の凸部120aとの間に完全に固定されたロック状態となる。
【0069】
このようにコネクティングロッド30のキャップ部32が強固にロックされた状態において、昇降テーブル168に対するストッパが解除された後、おもり57と共に昇降テーブル168が、ガイド部材170a、170bの案内作用下に落下する。従って、落下した前記昇降テーブル168がシャフト166のフランジ部166aに当接することによって、シャフト166が下方側に向かって付勢されて楔部材122に衝撃荷重が付与される(図8参照)(ステップS8)。その際、第3油圧シリンダ156のピストン164が、シャフト166に対して楔部材122の圧入方向、すなわち前記衝撃荷重の方向とは反対方向に離間可能であるため、この衝撃荷重が第3油圧シリンダ156によって減衰されることがなく、楔部材122に所定の衝撃荷重が確実に付与される。
【0070】
そして、楔部材122が第1及び第2マンドレル114、120の各凹部114b、120b内にさらに圧入されて、前記第2マンドレル120のテーパ状の凹部120bの壁面と楔部材122のテーパ面122aとの摺動作用下に、スライドしながらさらに拡張される。第1マンドレル114と第2マンドレル120とが略水平方向に沿ってさらに離間することにより、大端部38は、その弾性変形可能な限界を超えて、応力が集中された分割部44を境界にキャップ部32とロッド部34とに破断分割される(図9及び図10参照)(ステップS9)。その際、キャップ部32は、第2油圧シリンダ146a、146bの付勢作用下に第3ワーク支持部材130a、130bの突起部132によって保持されているため、破断分割されたキャップ部32の飛散が確実に阻止される。
【0071】
すなわち、固定ステージ62側に設けられた第1マンドレル114が固定された状態において、楔部材122に所定の衝撃荷重が付与されることにより、可動ステージ64側に設けられた第2マンドレル120が、第1ガイド要素116a、116bのガイド作用下にスライドブロック118と一体的に基台60上を摺動変位する。
【0072】
従って、コネクティングロッド30のロッド部34が第1マンドレル114、位置決め固定ピン110及び第1ワーク支持部材78によって固定ステージ62側に固定された状態において、キャップ部32が一組の第4ワーク支持部材134a、134b、第3ワーク支持部材130a、130b及び第2マンドレル120によって強固にロックされた状態を保持しながら、可動ステージ64側の第2マンドレル120及びスライドブロック118が前記固定ステージ62から離間する方向に向かって基台60上を摺動変位することにより、前記コネクティングロッド30がキャップ部32とロッド部34とに破断分割される。
【0073】
コネクティングロッド30の大端部38がキャップ部32とロッド部34とに破断分割された後、図示しない復帰用シリンダを駆動させて楔部材122を上昇させて初期位置に復帰させる。また、第2ブラケット68を介して可動ステージ64に固定された第4エアシリンダ152を駆動し、第1ピストンロッド152aを伸長させて可動ステージ64を固定ステージ62側に向かって変位させることにより、大端部38のキャップ部32とロッド部34との破断面間のクリアランスを約2mmあけた状態で停止させる。
【0074】
続いて、第1油圧シリンダ72、第2油圧シリンダ146a、146b、第2エアシリンダ94及び第3エアシリンダ126a、126bを、それぞれ駆動させることにより、第1〜第4ワーク支持部材78、104、130a、130b、134a、134bが略同時に初期位置に復帰する(ステップS10)。
【0075】
このようにして破断分割されたコネクティングロッド30のキャップ部32とロッド部34とをそれぞれ拘束する部材が初期位置に復帰してコネクティングロッド30が開放された後、図示しない多軸ロボットのアームに装着された一組のチャック機構によってキャップ部32とロッド部34とをそれぞれ把持し、前記キャップ部32とロッド部34とが次工程に移送される。最後に、第5エアシリンダ154を駆動させて可動ステージ64全体が変位し、該可動ステージ64が初期位置に復帰する。
【0076】
例えば、図12に示されるように、従来技術に係る図示しない破断分割装置を用いて大端部をキャップ部とロッド部とに破断分割する際、先破断(部位)と後破断(部位)との間で僅かなタイムラグが発生すると、先破断の応力がロッド部に作用して該ロッド部を後破断部位側に向かって変形させる力が付与される。この結果、図12中の二点鎖線で示すようにロッド部を変形させると共に、小端部の孔部を変形させるという悪影響が発生するおそれがある。なお、コネクティングロッド30では、その製品として特性からロッド部及び小端部の孔部の形状に高い寸法精度が要求される。
【0077】
換言すると、一体成形されたコネクティングロッド30をキャップ部32とロッド部34との二つの部品に分割する際、その分割部分の一部に曲げ応力が作用する結果、分割面の一部に歪みが生じたり、部品精度に悪影響を及ぼす場合が生じる。すなわち、前記二つの部品は分割によってそれぞれ二股状の脚部を有することとなるが、分割時には、両脚部での分割が全く同時に進行するわけではなく、通常、何れか一方の脚部での分割が先行し、他方の脚部ではこれに対して多少の時間遅れを伴って分割が進行することとなる。従って、先に破断する一方の脚部の分割が終了した時点では、後に破断する他方の脚部での分割がまだ進行中であり、この他方の脚部の分割の遅くとも終期には、先行して分割された前記一方の脚部側では両部品間の離間が始まるからである。
【0078】
これに対して、本実施の形態では、コネクティングロッド30の大端部38のロッド部34側を固定ステージ62に固定する一方、キャップ部32側を一組の第3ワーク支持部材130a、130b及び該第3ワーク支持部材130a、130bをロックする一組の第2油圧シリンダ146a、146bによって可動ステージ64側に強固に固定している。このような状態において、本実施の形態では、前記コネクティングロッド30の大端部38をキャップ部32とロッド部34とに破断分割したとき、前記キャップ部32のみが可動ステージ64と共に一体的に変位するように構成しているため、前記キャップ部32とロッド部34との破断面における先破断と後破断とのタイムラグを極力抑制することができる。
【0079】
この結果、本実施の形態では、従来技術のように外圧を開放するタイミングが不要となると共に、先破断と後破断とのタイムラグを極力縮小することができる。
【0080】
さらに、本実施の形態では、重量物の落下による衝撃荷重に基づいてコネクティングロッド30を破断分割するように説明しているが、これに限定されるものではなく、例えば、図13の他の実施の形態に係る分割加工装置に示されるように、単一の油圧シリンダ156の駆動力のみによって楔部材122を下方側に向かって引張し該楔部材122に対して破断荷重を付与するようにしてもよい。
【0081】
この場合、図14に示されるように、楔部材122に対して予備荷重(プリロード)を付与することがなく、油圧シリンダ156の駆動力(引張力)を徐々に上昇させることにより、大端部38をキャップ部32とロッド部34とに破断分割することができる(ステップS7参照)。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1Aは、本発明が適用されるコネクティングロッドの斜視図であり、図1Bは、前記コネクティングロッドがキャップ部とロッド部に破断分割された状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る分割加工装置の一部分解斜視図である。
【図3】図2に示す分割加工装置の平面図である。
【図4】図3に示す分割加工装置の軸線方向に沿った縦断面図である。
【図5】図2に示す分割加工装置の一部断面拡大斜視図である。
【図6】図4に示す分割加工装置の部分拡大縦断面図である。
【図7】前記分割加工装置における予備荷重付与機構により予備荷重が付与された状態を示す一部断面正面図である。
【図8】前記予備荷重付与機構により衝撃荷重が付与された状態を示す一部断面正面図である。
【図9】コネクティングロッドがキャップ部とロッド部とに破断された状態を示す部分拡大斜視図である。
【図10】コネクティングロッドがキャップ部とロッド部とに破断された状態を示す部分拡大斜視図である。
【図11】図2の分割加工装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】キャップ部とロッド部との破断される際、先破断と後破断との間でタイムラグがある場合の悪影響の説明に供される図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係る分割加工装置の縦断面図である。
【図14】図13の分割加工装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
30…コネクティングロッド 32…キャップ部
34…ロッド部 36…結合孔
38…大端部 40…小端部
50…分割加工装置 52…ワーク位置決め保持機構
54…破断分割機構 56…予備荷重付与機構
57…おもり 58…荷重機構
60…基台 62…固定ステージ
64…可動ステージ 70…固定テーブル
72…第1油圧シリンダ 74…ガイドレール
76…可動ブロック 78…第1ワーク支持部材
80…係合部 88…第1エアシリンダ
94…第2エアシリンダ 104…第2ワーク支持部材
108…固定ブロック 110…位置決め固定ピン
114…第1マンドレル 120…第2マンドレル
122…楔部材 126a、126b…第3エアシリンダ
130a、130b…第3ワーク支持部材
134a、134b…第4ワーク支持部材
146a、146b…第2油圧シリンダ
152…第4エアシリンダ 154…第5エアシリンダ
156…第3油圧シリンダ 166…シャフト
168…昇降テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大端部と小端部とを有するコネクティングロッドを一体成形した後、前記大端部の結合孔を一組の拡張具にセットし、前記一組の拡張具間に楔部材を圧入して前記拡張具を拡張させることで、前記大端部をキャップ部とロッド部に破断分割するコネクティングロッドの分割加工装置であって、
基台上に固定された固定ステージと、前記固定ステージと対向配置され水平方向に沿って該固定ステージと接近又は離間自在に設けられた可動ステージとを有し、前記固定ステージに固定されたロッド部側の一方の拡張具と前記可動ステージに固定されて一体的に変位するキャップ部側の他方の拡張具とによって前記コネクティングロッドが所定位置に位置決めされた状態でセットされると共に、前記セットされたコネクティングロッドを保持するワーク位置決め保持機構と、
前記大端部を破断分割するために、前記楔部材の圧入方向に破断荷重を付与する荷重機構と、
を備え、
前記ワーク位置決め保持機構は、コネクティングロッドの大端部のキャップ部側の両肩部を小端部の方向に向かって押圧する第1支持手段と、前記コネクティングロッドと係合する端部と反対側の前記第1支持手段の端部を上方から押圧することにより該第1支持手段をクランプする第2支持手段とを含み、前記第1支持手段及び第2支持手段は、それぞれ可動ステージに固定されて該可動ステージと一体的に変位可能に設けられることを特徴とするコネクティングロッドの分割加工装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
前記第2支持手段は、ピストン及びピストンロッドを有する油圧シリンダからなり、前記ピストンロッドの先端部には、前記第1支持手段の傾斜面に係合する押圧面が形成されたブロック体が連結されることを特徴とするコネクティングロッドの分割加工装置。
【請求項3】
請求項1記載の装置において、
前記大端部の結合孔の内面に一組の拡張具を略圧着させるために、楔部材の圧入方向に予備荷重を付与する予備荷重付与機構が設けられ、前記予備荷重付与機構によって予備荷重が付与された後、前記第2支持手段が付勢されて前記第1支持手段をクランプすることを特徴とするコネクティングロッドの分割加工装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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