説明

コミュニケーション機能を備えたアミューズメントシステム

【課題】商業用のゲーム機と個人用の端末装置との間でのコミュニケーションを実現したアミューズメントシステムを提供する。
【解決手段】ユーザの端末装置から送信されたコメントをサーバ装置を介してゲーム機で受信してゲーム画面110上に表示する。ゲーム機のユーザがコメントに対する返信を指示すると、ゲーム機からサーバ装置に対して、ユーザが予め指定した返信用コメントを、返信対象のコメントの送信元であるユーザに返信コメントとして送信するよう要求され、その要求に従ってサーバ装置が返信先のユーザの端末装置に返信用コメントを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商業用のゲーム機と、個人用の端末装置との間でユーザがコミュニケーションを行えるようにしたアミューズメントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介したユーザ同士のコミュニケーションを実現する仕組みとして、近年、SNS(ソーシャルネットワークサービスの略)に代表されるネットワークサービスが広く普及している。アミューズメントシステムの分野もその例外ではなく、例えばネットワークに接続された複数の家庭用ゲーム機間でメッセージ等を交換可能としたアミューズメントシステムが提案されている(例えば特許文献1参照)。ネットワーク接続された商業用のゲーム機間で、ゲーム状況に応じた適切な台詞を選択的に送受信して擬似的なコミュニケーションを実現するシステムも提案されている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−005306号公報
【特許文献2】特開2010−131082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステムは、家庭用ゲーム機、パーソナルコンピュータ、携帯端末(携帯型ゲーム機を含む。)といった個人用の通信端末装置同士、あるいは、商業用のゲーム機同士、といった限られた枠内でコミュニケーションを可能としたものに過ぎず、その枠を超えたユーザ同士のコミュニケーションを実現したものは見当たらない。また、通信端末間でのコミュニケーション手段としては、電子メール、ブログ、SNSといった多種多様な手段が提供され、それらは使い勝手といった面で日々進化を遂げているが、商業用のゲーム機を対象としたコミュニケーション機能は上述した擬似的コミュニケーションのような簡易なものに止まっている。その要因としては、商業用のゲーム機は、ゲームのプレイに対して課金する仕組みであるため、ゲームのプレイ頻度を高める必要があり、コミュニケーションに時間が割かれてプレイ頻度が低下することは望ましくないこと、またユーザもゲームのプレイに忙しく、文字列入力等を行う余裕がないことなどが挙げられる。
【0005】
そこで、本発明は、商業用のゲーム機に固有の事情に配慮しつつ、そのゲーム機と個人用の端末装置との間でのコミュニケーションを実現したアミューズメントシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ユーザによるプレイ料金の支払いと引き換えに該ユーザにゲームのプレイを許可する商業用のゲーム機(2)と、ユーザによる任意の文字列の入力が可能な個人用の端末装置(7)と、前記ゲーム機及び前記端末装置に対して、前記ゲームに関連付けられた所定のサービスを提供するサーバ装置(3)とが、ネットワーク(5)を介して相互に通信相手を指定して通信可能に接続され、前記サーバ装置は、前記端末装置及び前記ゲーム機との間でユーザの特定に必要な情報を交換して前記端末装置及び前記ゲーム機のユーザをそれぞれ特定可能とされたアミューズメントシステム(1)において、前記サーバ装置には、前記ユーザが、送信先の他のユーザを指定して送信したコメントを、該コメントの送信元のユーザの特定に必要な情報とともに記録したユーザ毎のコメントデータを記憶するサーバ用記憶装置(32)が接続され、前記端末装置には、当該端末装置のユーザが入力したコメントを、該コメントの送信先のユーザの特定に必要な情報とともに前記サーバ装置に送信するコメント送信手段(22、S121〜S123)と、当該端末装置のユーザに対応付けて前記サーバ用記憶装置に記録されているコメントデータ内のコメントを前記サーバ装置から受信して該端末装置のユーザに提示するコメント受信手段(S111〜S113)とが設けられ、前記サーバ装置には、前記端末装置から送信されたコメントの送信先となるべきユーザを特定して、当該コメントをその送信先のユーザに対応付けられたコメントデータに、送信元のユーザの特定に必要な情報とともに記録するコメントデータ記録手段(12、S221、S222)と、前記コメントデータ内に記録されたコメントのうち、送信先のユーザに送信されるべきコメントを当該コメントの送信先のユーザの端末装置に対して当該コメントの送信元の特定に必要な情報とともに送信するコメント配信手段(12、S211〜S212)とが設けられ、前記サーバ用記憶装置には、ユーザが予め設定した返信用コメントが当該ユーザの特定に必要な情報と対応付けて記録され、前記サーバ装置の前記コメント配信手段(11、12)は、ユーザが前記ゲーム機から前記サーバ装置にアクセスした場合に、該ユーザに対応付けて前記コメントデータに記録されているコメントのうち、当該ユーザに送信されるべきコメントを当該コメントの送信元の特定に必要な情報とともに当該ユーザのゲーム機に送信可能であり(S321〜S324、S211〜S212)、前記ゲーム機には、前記サーバ装置から当該ゲーム機のユーザを送信先として送信されたコメントを受信してユーザに提示するコメント受信手段(21、S412〜S414)と、前記ユーザからの指示に基づいて、前記ゲーム機上で提示されたコメントの送信元を送信先に指定して、該ゲーム機のユーザに対応付けられた返信用コメントを、前記送信先のユーザに返信コメントとして送信するように前記サーバ装置に要求する返信要求手段(21、S421〜426)と、が設けられ、前記サーバ装置の前記コメントデータ記録手段は、前記ゲーム機からの返信要求に従って、前記返信用コメントを、その送信先として指定されたユーザに対応付けられたコメントデータに、前記ゲーム機のユーザを送信元とするコメントとして記録する(S221〜S222)、ものである。
【0007】
本発明によれば、ユーザが端末装置からコメントを送信すると、そのコメントはサーバ装置のコメントデータ記録手段により、送信先のユーザのコメントデータに記録される。サーバ装置のコメント配信手段は、コメントデータに記録されたコメントのうち、送信先のユーザに送信すべきと判断されたコメントを、その送信元のユーザの特定に必要な情報とともに、送信先のユーザの端末装置に配信する。送信先のユーザの端末装置は、サーバ装置から送信されたコメントを受信してユーザに提示する。これにより、端末装置のユーザ同士がコメントを交換してコミュニケーションを図ることができる。加えて、ユーザがゲーム機からサーバ装置にアクセスすると、サーバ装置のコメント配信手段は、そのユーザに配信されるべきコメントをその送信元のユーザの特定に必要な情報とともに当該ゲーム機に送信し、ゲーム機はそのコメントを受信してユーザに提示する。これにより、ゲーム機でもユーザが自らに宛てられたコメントを確認することができる。そして、ユーザがゲーム機上でコメントに対する返信を指示すると、当該ユーザが予め設定した返信用コメントを返信コメントとして送信するように、ゲーム機からサーバ装置に要求が送られ、これを受けたサーバ装置は、その要求に従って、予め設定された返信用コメントを返信先のユーザに対応付けられたコメントデータに記録する。返信先のユーザは、そのコメントを端末装置で受信して内容を確認することができる。これにより、ゲーム機と端末装置との間でもユーザ同士のコミュニケーションを実現することができる。しかも、ユーザが予め設定した返信用コメントを、ゲーム機におけるユーザからの指示に従って返信先のユーザの端末装置に送信することができる。したがって、ゲームのプレイ中のように、ユーザが任意の文字列を入力する余裕がない場合でも、比較的容易にコミュニケーションを図ることができる。ゲーム機からコメントを返信するために必要な操作が比較的短時間で完了するため、ゲーム機のゲームのプレイ頻度に与える影響を削減し、又は排除することができる。
【0008】
なお、本発明において、「商業用のゲーム機」とは、事業者がハードウエア及びソフトウエアの全部又は一部の譲渡又は貸与を受け、それらを有償でユーザに利用させることを前提として構成されたゲーム機を意味する。一方、個人用の端末装置とは、主として個人の使用を前提としてユーザに譲渡され、あるいは貸与される端末装置であって、譲渡又は貸与が有償か無償で行われるかは問わず、任意の文字列の入力が可能であり、かつネットワークに接続可能であればその呼称は問わない。例えばパーソナルコンピュータ、家庭用ゲーム機、携帯電話(いわゆるスマートフォンも含む。)といった各種の個人向け情報通信端末装置を、本発明における個人用の端末装置として利用可能である。また、本発明において、「コメント」は、ユーザが視覚を通じてその意味内容を把握し、あるいは解釈できるものであれば足りる。コメントは、文字そのもののみで構成される例に限らず、絵文字、記号のような図形的要素を少なくともその一部に含むものでもよい。「文字列」の用語も、同様に狭義の文字のみで構成される例に限らず、文字そのもののみで構成される例に限らず、絵文字、記号のような図形的要素を少なくともその一部に含むものでもよい。ゲーム機におけるプレイ料金の支払いは、現金による支払い、仮想通貨による支払い、クレジットカードによる決済、その他の経済的価値をユーザがゲーム機の運用者に対して引き渡す限り、各種の形態で実現されてよい。ネットワークにおける通信相手の指定は、サーバ装置、端末装置及びゲーム機のそれぞれがネットワーク上で通信すべき相手先の機器のネットワーク上の場所を特定することを意味する。一方、ユーザの特定は、端末装置及びゲーム機を利用するユーザを、IDその他の識別情報を利用して一義的に特定することを意味する。
【0009】
本発明において、サーバ装置のコメント配信手段は、コメントデータに新たなコメントが記録される毎にこれをユーザの端末装置に送信する、いわゆるプッシュ型配信手段として構成されてもよいし、端末装置からのユーザの要求に応じてコメントを送信する、いわゆるプル型の配信手段として構成されてもよい。コメント配信手段は、端末装置の種類、アクセス状況等に応じて、プッシュ型配信及びプル型配信を使い分けるように構成されてもよい。コメントデータ記録手段は、コメントを受け取ったときに、そのコメントの送信先として指定されたユーザに対応するコメントデータにコメントを記録するのみならず、コメントの送信元のユーザを特定して当該ユーザに対応付けられたコメントデータにもそのコメントを記録してもよい。つまり、コメントデータは、いわばWebメール、ブログ、SNSのように、ユーザ間でやり取りされたコメントを逐次記録するように構成されてもよい。この場合には、サーバ用記憶装置のコメントデータに、各ユーザが送信先として指定されたコメントを受信コメントとして記録し、各ユーザが送信元となるコメントを送信コメントして記録することができるので、サーバ装置から端末装置にそれらのコメントを送信すれば、端末装置上では各ユーザが自らの送信コメントと受信コメントとを確認することができる。ただし、送信コメントを端末装置上に保持しておけば、コメントデータに受信コメントのみを記録するだけでも、端末装置上で送信コメント及び受信コメントの双方を確認することが可能である。
【0010】
本発明の一形態において、前記端末装置には、ユーザが指定した文字列を前記返信用コメントとして記録するように前記サーバ装置に要求する返信用コメント記録要求手段(21、S101〜S102)が設けられ、前記サーバ装置には、前記端末装置からの前記返信用コメントの記録の要求に従って、前記ユーザが指定した文字列を、当該ユーザに対応付けられるべき返信用コメントとして前記サーバ用記憶装置に記録する返信用コメント記録手段(11、S301〜S302)が設けられてもよい。この形態によれば、返信用コメントをユーザ自らが指定することができるので、ユーザの意思により合致したコミュニケーションを実現することができる。
【0011】
上記の形態において、前記端末装置の前記返信用コメント記録要求手段は、ユーザが前記端末装置にて前記返信用コメントとして入力した文字列を、当該ユーザに対応する返信用コメントとして記録するように前記サーバ装置に要求し、前記サーバ装置の前記返信用コメント記録手段は、前記端末装置から前記ユーザが前記返信用コメントとして入力した文字列を、当該ユーザに対応付けられるべき返信用コメントとして前記サーバ用記憶装置に記録する、ものとしてもよい。この場合には、ユーザが予め端末装置から任意の文字列を入力して返信用コメントとして記録しておくことができるので、ユーザの意思にさらに合致したコミュニケーションを実現することができる。
【0012】
本発明の一形態において、前記サーバ装置には、ユーザが前記ゲーム機を利用する際に、当該ユーザに対応付けて記録されている返信用コメントを当該ゲーム機に送信する返信用コメント送信手段(3A、S311〜S314)が設けられ、前記ゲーム機には、前記サーバ装置から送信された返信用コメントを前記ユーザが前記ゲーム機を利用する間において記憶する返信用コメント記憶手段(一例としてゲーム2機の内部記憶装置)が設けられ、前記ゲーム機の前記返信要求手段は、前記送信先のユーザに前記返信コメントの送信を要求する際に、前記返信用コメント記憶手段が記憶する返信用コメントを前記サーバ装置に送信する、ものとしてもよい。
【0013】
この形態によれば、返信用コメントをゲーム機に呼び込み、ユーザがゲーム機から返信する場合には、そのゲーム機上に保持されている返信用コメントを送り出すことができる。したがって、サーバ装置では、ゲーム機から送信されたコメントを、端末装置から送信されたコメントと同様の手順で処理することが可能であり、サーバ装置に実装すべき機能の共通化を図ることができる。
【0014】
本発明の一形態においては、前記ゲーム機のユーザに提示可能なコメントの件数を、最新のコメントから一定範囲内に制限する件数制限手段をさらに備えてもよい。これによれば、ゲーム機で確認可能なコメントの件数を、ゲーム機でのゲームのプレイに支障がない範囲、あるいはゲーム機におけるプレイ頻度に影響がない範囲に制限することができる。
【0015】
本発明の一形態において、前記サーバ用記憶装置には、ユーザのグループを特定するために必要なグループ情報が記録され、前記ゲーム機には、ユーザがゲームで所定の状態に達したとき、前記サーバ装置に対してその状態を知らせるためのニュース情報を送信するニュース情報送信手段(21、S431〜S432)が設けられ、前記サーバ装置には、前記ゲーム機からニュース情報が送信された場合、前記所定の状態に達したユーザと同一グループに属するユーザを前記グループ情報に基づいて判別し、判別したユーザの端末装置に対して前記ニュース情報を送信するニュース情報配信手段(12、S231〜S233、S241〜S242)が設けられ、前記端末装置には、前記ニュース情報を受信してユーザに提示するニュース情報受信手段(22、S132〜S134)が設けられている、ものとしてもよい。
【0016】
この形態によれば、ユーザがゲーム機におけるゲームで所定の状態に達すると、その旨がグループ内のユーザに対してニュース情報として配信され、各ユーザが端末装置上でそのニュース情報を確認することができる。これにより、グループ内のユーザのゲームに関する情報の共有を可能とし、ユーザ同士の繋がり感を高めることができる。あるいは、グループ内の特定のユーザが高成績を挙げたといったように、ゲームに対する関心を高める作用を含んだ情報をニュース情報で配信して、グループ内のユーザにゲームへの参加を促すことも可能である。
【0017】
さらに、前記端末装置の前記コメント送信手段は、前記ニュース情報の提示に対応してユーザが入力した文字列を、前記所定の状態を達したユーザを送信先とするコメントとして前記サーバ装置に送信してもよい(22、S136、S221〜S222)。この場合には、ニュース情報を見たユーザがその発信源となるユーザに対して激励やお祝いのコメントを返信することができ、ユーザ間のコミュニケーションをさらに活性化、あるいは円滑化することができる。
【0018】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0019】
以上に説明したように、本発明のアミューズメントシステムによれば、ユーザが個人用端末装置のみならずゲーム機でも自らに宛てられたコメントを確認することができ、そのコメントに対する返信をゲーム機上で指示すれば、そのユーザが予め設定した返信用コメントが返信コメントとして送信されるようにしたので、ゲーム機と端末装置との間でもユーザ同士のコミュニケーションを実現し、それによりアミューズメントシステムの魅力を高めることができる。しかも、ゲームのプレイ中のように、ユーザが任意の文字列を入力する余裕がない場合でも、比較的容易にコミュニケーションを図ることができ、あるいは、ゲーム機からコメントを返信するために必要な操作が比較的短時間で完了するため、ゲーム機のゲームのプレイ頻度に与える影響を削減し、又は排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一形態に係るアミューズメントシステムの全体構成を示す図。
【図2】アミューズメントシステムにおけるコミュニケーションの概要を示す図。
【図3】アミューズメントシステムの要部における機能ブロック図。
【図4】プレイデータのデータ構造の一例を示す図。
【図5】コミュニティデータのデータ構造の一例を示す図。
【図6】プレイデータに返信用のコメントを記録するために実行される処理の手順を示すフローチャート。
【図7】ユーザがゲーム機にてゲームを開始する際に実行されるログイン処理の手順を示すフローチャート。
【図8】ユーザ端末上でコメントを受信するために実行される処理の手順を示すフローチャート。
【図9】ユーザ端末上でコメントを送信するために実行される処理の手順を示すフローチャート。
【図10】ゲーム機上でユーザがコメントを受信するために実行される処理の手順を示すフローチャート。
【図11】ゲーム機からユーザがコメントを送信するために実行される処理の手順を示すフローチャート。
【図12】仲間ニュースを更新するために実行される処理の手順を示すフローチャート。
【図13】ユーザ端末上で仲間ニュースを受信するために実行される処理の手順を示すフローチャート。
【図14】仲間ニュースを表示するための画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るアミューズメントシステムの全体構成を説明する。アミューズメントシステム1は、複数のゲーム機2と、サーバ装置としてのサーバ群3とがルータ4を介してネットワーク5にそれぞれ接続されている。サーバ群3は、ゲームサーバ3AとWebサーバ3Bとを含む。ゲームサーバ3A及びWebサーバ3Bは、それぞれ独立した物理的なコンピュータ装置によって構成されてもよいし、一台の物理的なコンピュータ装置上にゲームサーバ3A及びWebサーバ3Bが論理的に構成されてもよい。あるいは、ゲームサーバ3A及びWebサーバ3Bの少なくともいずれか一方が、複数の物理的なコンピュータ装置の集合によって一台の論理的なサーバ3A又は3Bとして構成されてもよい。一例として、クラウドコンピューティングによりサーバ3A、3Bが構築されてもよい。
【0022】
ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するもので、典型的にはインターネットがネットワーク5として使用される。各ゲーム機2は、所定額のプレイ料金の支払いと引き換えに、ユーザに対して所定範囲のゲームのプレイを許可する商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。ゲーム機2は、店舗6等の商業施設に適当な台数ずつ設置される。ルータ4は各店舗6及びサーバ群3に対応付けて設置され、同一店舗のゲーム機2は共通のルータ4を介してネットワーク5に接続されている。ゲーム機2と店舗6のルータ4との間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機2がサーバ群3と通信可能に接続されてもよい。
【0023】
サーバ群3は、アミューズメントシステム1の運営者によって設置され、ネットワーク5を介した各種のサービスを、ゲーム機2又はそのゲーム機2のユーザ(プレイヤ)に対して提供する。一例として、ゲームサーバ3Aは、ゲーム機2を介したゲームプログラムあるいはデータの更新サービス、ゲーム機2のユーザを認証し、そのユーザのプレイ履歴、セーブデータ等を含んだプレイヤデータを保管するサービス、ネットワーク5を介してユーザ同士が対戦し、あるいは協力してゲームを進める際のユーザ間のマッチングサービス等を提供する。一方、Webサーバ3Bは、ネットワーク5を介してアクセスするユーザ端末7に各種のWebサービスを提供する。ユーザ端末7は、例えばパーソナルコンピュータ(以下、PCと略称する。)7a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)7bのように、ネットワーク接続が可能な個人用の通信端末装置として機能するコンピュータユニットであれば適宜にこれを利用してよい。
【0024】
なお、サーバ群3には、ゲーム機2又はユーザ端末7からアクセスしたユーザに対して、有償サービスを提供する対価としての料金を課金し、ユーザの操作に応じてその料金を徴収する課金サーバも設けられているが、その図示は省略した。課金サーバは、電子的情報の交換によって料金を徴収する。例えば、仮想通貨の引き落とし、クレジットカードによる決済といった手段によりサービス料金が徴収される。ゲーム機2におけるプレイ料金もその課金サーバによって課金され、徴収されてもよい。
【0025】
また、ゲーム機2及びサーバ3A、3Bには、ネットワーク5上でそれらを識別するためのユニークなIPアドレスが付されている。ゲーム機2同士あるいはゲーム機2とサーバ3A、3Bとの間の通信では、そのIPアドレスを利用して通信相手が特定される。ネットワーク5がインターネットのように公開性のあるネットワークの場合には、各ルータ4にネットワーク5上でユニークな固定アドレスが設定される。ゲーム機2には、その固定アドレスとの組み合わせによってネットワーク5上でゲーム機2を一意に識別するためのプライベートアドレスがIPアドレスとして設定される。この場合、ゲーム機2とサーバ3A、3Bとの間、あるいはゲーム機2同士の間には仮想プライベートネットワーク(VPN)が構築され、そのVPN上で各ゲーム機2がプライベートアドレスを用いて一意に特定される。ユーザ端末7にもネットワーク5上でユーザ端末7を一意に識別するためのユニークなIPアドレスが付与される。そのIPアドレスは、ネットワーク5への接続される毎に変化するいわゆる動的アドレスでもよいし、不変の固定アドレスであってもよい。以下では、ゲーム機2、サーバ3A、3B、ユーザ端末7をネットワーク5上で識別するための情報をアドレス情報と呼ぶ。ネットワーク5を介した通信では、特に断りのない限り、そのアドレス情報に基づいて通信すべき相手が特定されることを前提とする。
【0026】
次に、図2を参照して、アミューズメントシステム1のコミュニケーションの概要を説明する。このアミューズメントシステム1には、ユーザ同士がネットワーク上でコミュニティを形成し、そのコミュニティに属するユーザが、サーバ群3の提供するコミュニティサービスを通じて情報を共有し、ゲーム機2とユーザ端末7との間で、あるいはユーザ端末7同士の間でコメント(あるいはメッセージと表現されてもよい。)を交換するといったサービスを享受することが可能とされている。以下、これらのサービスを総称してコミュニティサービスと呼ぶ。図2は、そのコミュニティサービスを利用したコメント交換の様子を示している。ユーザ端末7上にはコメントの閲覧画面100が表示される。閲覧画面100は、ユーザが送信したコメント、受信したコメントをスレッド形式で表示するといったSNS等の公知のコミュニケーションサービスで利用される閲覧画面と同様である。一方、ゲーム機2のゲーム画面110上にはコメントウィンドウ111が表示され、そのウィンドウ111内にはユーザ端末7から送信されたコメントが表示される。ゲーム機2は入力装置としてゲーム画面110を覆うタッチパネルを備えており、ユーザがウィンドウ111に対してタッチ操作を行うと、予め登録されたコメントが、元のコメントを送信したユーザ宛に返信される。なお、ウィンドウ111は、ゲーム機2がコメントを取得したときにポップアップ表示される。図2では、麻雀ゲームを実行中のゲーム画面110を例示しているが、ゲーム機2で実行されるべきゲームは適宜に選択可能である。
【0027】
図3は、コミュニティサービスの実現に関わる部分を中心としたアミューズメントシステム1の機能ブロック図である。アミューズメントシステム1のゲームサーバ3A及びWebサーバ3Bのそれぞれには、コミュニティサービスを提供するためのコミュニティサービス管理部11、12がそれぞれ設けられている。コミュニティサービス管理部11、12は、いずれもサーバ群3を構成するコンピュータユニットとソフトウエアとの組合せによって実現される論理的装置である。また、ゲーム機2及びユーザ端末7には、サーバ群3のコミュニティサービス管理部11、12と協働して、コミュニティサービスを実現するためのコミュニティサービス処理部21、22が設けられている。コミュニティサービス処理部21、22は、いずれもゲーム機2及びユーザ端末7を構成するコンピュータユニットとソフトウエアとの組合せによって実現される論理的装置である。なお、Webサーバ3Bのコミュニティサービス管理部12及びユーザ端末7のコミュニティサービス処理部22は、SNS等の公知のコミュニケーションサービスで提供されるユーザ間の情報共有、コメント交換、仲間の形成といった各種のサービスを提供するものであって、それらの機能は、公知のコミュニケーションサービスにてWebサーバ及びユーザ端末のそれぞれに実装されるソフトウエアを利用して構成することができる。ただし、後述する仲間ニュースの機能はアミューズメントシステム1に固有の機能であり、当該機能の実現に関しては公知のソフトウエアに対する追加あるいは変更を要する。
【0028】
ゲームサーバ3A及びWebサーバ3Bには記憶装置31、32が設けられている。ゲームサーバ3Aに対する記憶装置31にはID管理データ33、及びプレイデータ34の群が記録される。Webサーバ3Bに対する記憶装置32には、ID管理データ35及びコミュニティデータ36の群が記録される。ID管理データ33、35は、ユーザを特定するために必要な情報として設定される各種のIDの対応関係を管理するデータである。IDの種類及びその管理方法は、ユーザが特定できる限りにおいて適宜に設定してよいが、一例を挙げれば以下の通りである。まず、ゲーム機2は、カード8を利用してユーザを特定する。カード8には、カード毎にユニークなカードIDが記録されている。ゲーム機2は、カード8に記録されたカードIDを読み取ってこれをゲームサーバ3Aに送信する機能を有している。一方、ゲームサーバ3Aは、ユーザ毎にユニークに付されたユーザIDを利用してユーザを特定している。ID管理データ33には、カードIDとユーザIDとの対応関係が記述されている。ゲームサーバ3Aはゲーム機2から送られたカードIDに対応するユーザIDをID管理データ33に基づいて特定する。
【0029】
Webサーバ3BもまたユーザIDを利用してユーザを管理するが、コミュニティサービスに関しては、ユーザIDとは別に発行されるコミュニティIDと対応付けてユーザを管理する。ID管理データ35には、そのユーザIDとコミュニティIDとの対応関係が記述されている。Webサーバ3Bは、ID管理データ35を参照することにより、コミュニティIDに対応するユーザIDを特定し、あるいはユーザIDに対応するコミュニティIDを特定することができる。このように、全てのIDは、ID管理データ33、35を適宜に参照することで相互に対応関係を特定することができる。なお、カードIDとユーザIDとの対応関係、ユーザIDとコミュニティIDとの対応関係は、ユーザ端末7からWebサーバ3Bのユーザ管理サイトにアクセスすることにより新規に設定し、変更することが可能である。なお、これらのID間にはさらに別のIDが介在してもよい。ユーザIDは一人のユーザに対して一つのみ発行されるが、カードID及びコミュニティIDは、一人のユーザに対してそれぞれ複数発行されてもよい。この場合、ユーザIDに対して有効な一つのカードID及び一つのコミュニティIDをユーザに指定させることにより、カードID、ユーザID及びコミュニティIDのいずれか一つが判別すれば、他のIDも一義的に定まる対応関係を維持することができる。以下の説明では、ユーザIDに対してそれぞれ単一のカードID及びコミュニティIDが対応付けられているものとする。なお、ユーザID及びコミュニティIDには、それぞれユーザのニックネームを設定することが可能であり、ID管理データ33、35にはそれらのIDに対応付けられたニックネームも併せて登録される。ユーザIDにはさらにユーザの名称、住所といった個人情報が対応付けられる。
【0030】
プレイデータ34は、ユーザがゲーム機2にてゲームをプレイする際に参照されるべき各種の情報を記録したデータである。コミュニティデータ36は、ユーザがコミュニティサービスを利用する際に参照されるべき各種の情報を記録したデータである。データ34、36の概略構造の一例を図4及び図5に示す。図4に示したように、プレイデータ34は、ユーザID毎に作成されるデータであって、対象となるユーザのゲームデータ、登録コメント、受信コメントデータ、出来事リストといった情報をそのユーザのユーザIDと対応付けて記録した構造を有している。ゲームデータは、ユーザがゲーム機2でプレイしたゲームのセーブデータ、及び、ゲームのプレイ回数、成績、評価、獲得ポイントといったゲームのプレイと関連付けられた様々な結果を記録したデータである。登録コメントは、ユーザがゲーム機2からコメントとして他のユーザに送信すべき文字列を記録したデータである。登録コメントとして保存できる文字列の件数は少なくとも1件である。複数件のコメントを登録可能としてもよい。1件の登録コメントのデータサイズが制限されてもよい。
【0031】
受信コメントデータは、ユーザが他のユーザから受信したコメントを記録したデータである。受信コメントデータの保存件数は、最新のものから一定範囲に制限される。例えば、コメントデータに10件のコメントが保存可能とされ、受信コメントが11件以上存在する場合には、11件目以降の古いコメントが受信コメントデータから削除される。受信コメントデータは、コメント毎に、コメントの種別、コメントの送信元のユーザ情報(コミュニティID及びニックネーム)、コメントの受信日時、ステータス、及びコメントの本文を含む。コメントの種別は、コメントの内容を識別するための情報を含む。例えば、コメントが「激励」、「お祝い」、「お返し」のいずれに該当するかを識別するための情報がコメント種別に付加される。ステータスは、受信コメントが既読か否か、及び返信済か否かを示す情報である。コメント本文は、コメント本文のテキストデータである。
【0032】
出来事リストは、ゲーム機2のゲームにおいてユーザが予め定められた出来事(イベント)を体験したとき、言い換えれば、ユーザが予め定めた状態に達したときに自動的に記録されるデータである。例えば、麻雀ゲームでユーザが役満を和了したとき、その旨が出来事リストに記録される。出来事リストには、その出来事の発生日時と、出来事の内容を記述するテキストデータとが対応付けて記録される。テキストデータは出来事毎に予め定められた文字列にて構成される。
【0033】
図5に示すように、コミュニティデータ36は、コミュニティID毎に作成されるデータであって、対象となるユーザのコメントデータ、コミュニティポイント、コメントデータ、仲間データ、仲間ニュースといった情報をそのユーザのコミュニティIDと対応付けて記録した構造を有している。コメントデータは、ユーザが他のユーザに送信したコメント、他のユーザから受信したコメントを記録したデータである。そのコメントデータの内部構造は図4に示したプレイデータ34内の受信コメントデータとは異なる。つまり、コミュニティデータ36におけるコメントデータは、コメント毎に、コメントの種別、コメントの相手、つまり送信元又は送信先のユーザ情報(コミュニティID及びニックネームを含む。)、送受信日時、ステータス、及びコメントの本文を含む。コメントの種別は、ユーザが受信したコメント(受信コメント)かユーザが送信したコメント(送信コメント)かを識別する情報を含み、さらに、上述したコメントの内容を識別するための情報が付加される。ステータスは、受信コメントがユーザによって既に読まれたか否か、及び返信済か否かを判別する情報である。コメント本文は、コメント本文のテキストデータである。
【0034】
コメントデータの保存件数は適宜に制限されるが、それらの上限値はプレイデータ34における受信コメントデータの上限値よりも十分に大きく設定される。ゲーム機2では、ゲームのプレイ中における限られた期間内でコメントを表示すれば足りるため、受信コメントデータの保存件数等を小さく制限しても差し支えがない。一方、個人用のユーザ端末7では、ユーザによる随時のコメント閲覧が可能なため、過去の相当期間に遡って送受信コメントを保存してユーザの閲覧に供することが要求される。そこで、コミュニティデータ36のコメントデータの保存件数の上限値は、一般的なコミュニティサービスのそれと同様に相当に大きく設定される。なお、保存件数の制限は、件数それ自体によるものでもよいし、保存可能なデータサイズを制限することにより実現されてもよい。
【0035】
コミュニティポイントは、コミュニティサービスの利用度に応じてユーザに特典として付与されるポイントである。そのポイントは、例えばWebサーバ3Bの有償サービスを利用する際に、料金の一部として充当し、あるいはゲーム機2にて提供されるゲームにて何らかの特典を受けるために消費することができる。アミューズメントシステム1では、ユーザがコミュニティ機能を利用してコメントを送信し、受信するとコミュニティポイントが付与される。ただし、一日一回限りといった制限がポイント付与に対して設定されてもよい。
【0036】
仲間データには、ユーザが仲間として登録した他のユーザのコミュニティID及びニックネームが格納される。仲間の登録は、一般的なコミュニティサービスのそれと同様に、招待又は申請等を利用して処理すれば足りる。仲間の登録手順については詳細を省略する。仲間ニュースは、仲間データに登録されたユーザの出来事リストのうち、新規に登録された出来事のテキストデータがコピーされたデータである。なお、仲間ニュースの記録は、ゲーム機2における出来事リストの更新をトリガとして実行されてもよいし、所定のスケジュールに従ってサーバ群3が自動的に実行してもよい。
【0037】
なお、ユーザはユーザ端末7でコミュニティサービスを受けるために必要なプログラムを起動し、自らのユーザID又はこれに対応付けられたコミュニティIDをユーザ端末7に入力してWebサーバ3Bにログインすることにより、自らのコミュニティIDに対応したコミュニティデータ36をユーザ端末7に随時ダウンロードすることができる。ただし、コメントデータに関しては最新のものから所定範囲に限ってダウンロードされ、ユーザがさらに古いコメントデータのダウンロードを要求すると、次の範囲のコメントデータがダウンロードされるように設定されてもよい。ゲームサーバ3A及びWebサーバ3Bには、上記以外にも各種のサービスを実現するための論理的装置が設けられ、それらの記憶装置31、32にも各種のデータが記録されるが、それらの図示は省略した。
【0038】
次に、アミューズメントシステム1にて実行される各種の処理を、ユーザ間のコミュニケーションの実現に関わる部分を中心として説明する。なお、ユーザ間のコミュニケーション機能は、主として、ゲームサーバ3Aのコミュニティサービス管理部11、Webサーバ3Bのコミュニティサービス管理部12と、ゲーム機2及びユーザ端末7のコミュニティサービス処理部21、22とが協働して実現されるものであるが、以下では説明の簡略化のため、実行主体をサーバ3A、3B、ゲーム機2及びユーザ端末7として表現することがある。
【0039】
図6は、プレイデータ34に、ゲーム機2からの返信用のコメント(登録コメント)を登録するために実行される処理を示す。コメントの登録は、ユーザがユーザ端末7上でコメント登録処理の開始を指示することをトリガとして開始される。その指示を受けて、ユーザ端末7は所定のコメント作成画面を表示し、ユーザによるコメントの作成(入力)を受け付ける(ステップS101)。ここで、ユーザによるコメントの作成は、ユーザ端末7における文字列の入力機能を利用して任意の文字列を入力させることにより実現されてもよいし、ユーザ端末7に予め記録された定型文からコメントを選択することにより実現されてもよい。
【0040】
続いて、ユーザ端末7は、ユーザが作成したコメントをWebサーバ3Bに送信してその登録を要求する(ステップS102)。このとき、Webサーバ3B上でユーザの認証が必要となるが、その認証で使用するIDはユーザIDでもよいし、コミュニティIDでもよい。Webサーバ3BがカードIDを判別する機能を有している場合には、ユーザ端末7からカードIDを入力させ、そのカードIDをWebサーバ3Bからゲームサーバ3Aに渡してユーザIDを特定するようにしてもよい。なお、ステップS101のコメント作成に先行してユーザ認証が行われてもよい。
【0041】
Webサーバ3Bは、ユーザ端末7からのコメント登録要求を受け取ると、そのサーバ3B用のコメント登録処理を開始し、まずユーザ端末7から送られた要求の内容、ここではユーザを特定するIDとコメントの内容を判別する(ステップS201)。続いて、Webサーバ3Bはユーザ端末7からの登録要求をゲームサーバ3Aに転送する(ステップS202)。なお、Webサーバ3Bにおけるユーザ認証がコミュニティIDにて行われている場合には、そのコミュニティIDに対応するユーザIDがID管理データ35から取得され、そのユーザIDがゲームサーバ3Aに要求の一部として通知される。Webサーバ3Bからの登録要求を受け取ったゲームサーバ3Aは、ゲームサーバ3Aのコメント登録処理を開始し、まず要求の内容、ここではユーザIDとコメントの内容を判別する(ステップS301)。続いて、ゲームサーバ3Aは、ユーザIDに対応付けられたプレイデータ34を抽出し、そのプレイデータ34の登録コメントに、Webサーバ3Bから受け取ったコメントを登録する(ステップS302)。登録後、ゲームサーバ3AはWebサーバ3Bに対して登録結果を送信する(ステップS303)。Webサーバ3Bは、ゲームサーバ3Aからの処理結果を受信し(ステップS203)、その処理結果をユーザ端末7に対して送信する(ステップS204)。ユーザ端末7はWebサーバ3Bからの処理結果を受信し(ステップS103)、その処理結果をユーザに表示する(ステップS104)。以上により、コメント登録が完了する。
【0042】
図7は、ユーザがゲーム機2にてゲームを開始する際に実行されるログイン処理を示している。ユーザがゲーム機2に対してログイン処理の開始を指示すると、ゲーム機2はそのログイン処理を開始し、まずユーザにカード8の読み取り操作を要求し、これに対応する読み取り操作を検出してログインに必要な情報(ログイン情報)をカード8から取得する(ステップS401)。ログインに必要な情報には少なくともカードIDが含まれる。続いて、ゲーム機2は、取得したログイン情報をゲームサーバ3Aに送信してユーザのログイン処理を要求する(ステップS402)。これを受けて、ゲームサーバ3Aもログイン処理を開始し、まずゲーム機2から送られたログイン情報を取得する(ステップS311)。続いて、ゲームサーバ3AはID管理データ33を参照してログイン情報に含まれるカードIDに対応するユーザIDを判別する(ステップS312)。次に、ゲームサーバ3Aは、ユーザIDに対応するプレイデータ34を抽出する。その後、ゲームサーバ3Aは、抽出したプレイデータ34を、ログイン要求を送信したゲーム機2に対して送信する(ステップS314)。ゲーム機2は、ゲームサーバ3Aから送られたプレイデータ34を受信し、これをゲーム機2の内部記憶装置に記録する(ステップS404)。以上によりログイン処理が終了する。ログイン処理が行われることにより、ユーザはゲーム機2上で前回の続きからゲームをプレイすることが可能となるが、それに加えて、ユーザが返信用として登録したコメント、受信コメントデータもゲーム機2上に保持される。
【0043】
次に、図8及び図9を参照して、ユーザ端末7上でコメントを送受信するための処理を説明する。図8は、ユーザ端末7上でコメントを受信する際に実行される処理を示している。なお、図8の処理は、ユーザがユーザ端末7でコミュニティサービスに既にログインし、ユーザ端末7にコミュニティデータ36が読み込まれている状態で、コメントデータを更新するために行われる処理である。ユーザ端末7で所定のトリガによってコメント受信処理が開始されると、そのユーザ端末7は、Webサーバ3Bに対してコメントデータの送信を要求する(ステップS111)。この場合、ユーザ端末7からWebサーバ3Bに対してユーザのユーザID又はコミュニティIDも送られる。ユーザ端末7上でのコメント受信処理は、ユーザによる受信操作をトリガとして開始されてもよいし、コミュニティサービス処理部22により一定周期で自動的に開始されてもよい。前者はユーザの操作に基づいて受信を開始する典型的なプル型配信である。後者もプル型配信の一種ではあるが、受信処理の周期を短く設定することにより、擬似的なプッシュ型のコメント配信を実現することができる。
【0044】
Webサーバ3Bはユーザ端末7からのコメントデータ要求を受け取ると、コメント送信処理を開始する。そのコメント送信処理において、Webサーバ3Bは、まずユーザ端末7から送られたコミュニティIDを判別する(ステップS211)。ユーザ端末7からユーザIDが送られている場合には、そのユーザIDに対応したコミュニティIDがID管理データ35から取得され、ユーザ端末7からコミュニティIDが送られている場合にはその送られたIDがそのまま取得される。続いて、Webサーバ3Bは、判別したコミュニティIDに対応するコミュニティデータ36を抽出し、そこに含まれているコメントデータをユーザ端末7に送信する(ステップS212)。この場合、最新のものから所定範囲に限ってコメントデータが送信され、ユーザがさらに古いコメントデータの送信を要求すると、次の範囲のコメントデータが送られる、といったように、コメントデータを分割して送受信できるように処理手順が設定されてもよい。一回に送るべきコメントデータの件数又はサイズは、ユーザ端末7の種類に応じて変更されてもよい。例えば、Webサーバ3Bに、ユーザ端末7の種類を判別する機能を付加し、処理能力が比較的高いPCの場合には一回の送信範囲を相対的に大きく設定し、携帯型端末(携帯電話あるいはスマートフォン)の場合には一回の送信範囲を相対的に小さく設定してもよい。
【0045】
コメントデータの送信後、Webサーバ3Bは、ユーザ端末7に送ったコメントが既読となるようにコメントデータのステータスを更新するとともに、コメントを受け取ったユーザのコミュニティポイントに所定数を加算する(ステップS213)。この場合のポイント加算も一日一回といった制限が設定されてもよい。一方、ユーザ端末7は、Webサーバ3Bから送られるコメントデータを受信し(ステップS112)、自らが保持するコメントデータを新たなデータに置き換えてその内容に基づくコメント閲覧画面100(図2参照)を表示する(ステップS113)。これにより、最新のコメントデータに基づく閲覧画面100がユーザ端末7上に表示され、Webサーバ3B上に保管されていた未読コメントをユーザが閲覧することが可能となる。以上によりユーザ端末7におけるコメントの受信に必要な処理が完了する。
【0046】
図9は、ユーザ端末7上でコメントを送信する際に実行される処理を示している。なお、図9の処理も、ユーザがユーザ端末7でコミュニティサービスに既にログインし、ユーザ端末7にコミュニティデータ36が読み込まれている状態で行われる処理である。つまり、ユーザ端末7上でのコメントの送信及び受信は、ユーザがコミュニティIDを利用してWebサーバ3Bのコミュニティサービスにログインした状態で行われる。
【0047】
ユーザ端末7で所定のトリガによってコメント送信処理が開始されると、そのユーザ端末7は、ユーザに送信相手を選択させる(ステップS111)。ユーザ端末7上でのコメント送信処理は、ユーザが閲覧画面100から返信対象のコメントを選択したことをトリガとして開始されてもよいし、それとは別に、ユーザがユーザ端末7上でコメント作成操作を行ったことをトリガとして開始されてもよい。前者の場合、送信相手は返信対象コメントの送信元となるユーザとなる。後者の場合、送信相手は、仲間データに記録されているコミュニティIDのいずれか、言い換えれば、ユーザが仲間として登録している他のユーザのいずれかに制限される。続いて、ユーザ端末7は、ユーザから送信すべきコメントの内容(文字列)を取得する(ステップS122)。この場合、コメントの作成は、返信用のコメントの登録時と同様に、ユーザ端末7における文字列の入力機能を利用して任意の文字列を入力させることにより実現されてもよいし、ユーザ端末7に予め記録された定型文からコメントを選択することにより実現されてもよい。
【0048】
コメント取得後、ユーザ端末7は、Webサーバ3Bに対してコメントを送信する(ステップS123)。その送信情報には、コメント本文の他に、送信相手のコミュニティID、送信元のコミュニティID、コメントの内容を識別する情報等が含まれる。コメントの内容を識別する情報は、上述したように、コメントが「激励」、「お祝い」又は「お返し」のいずれに該当するかを区別するための情報である。その指定はユーザに委ねられてもよいし、ユーザ端末7が自動的に判別してもよい。例えば、ユーザが閲覧画面100内の受信コメントを選択して送信相手(送信先)を選んだ場合には、自動的に「お返し」が選択され、後述する仲間ニュースの表示に対してコメント送信をユーザが指示した場合には「お祝い」が選択され、それ以外は「激励」が選択されるようにしてもよい。Webサーバ3Bは、ユーザ端末7からコメントの送信を受けるとコメント受信処理を開始し、まず送られたコメントの送信先及び送信元のそれぞれのコミュニティIDを判別する(ステップS221)。続いて、Webサーバ3Bは、受け取ったコメント(図4及び図5に示した種別等も含む。)を、送信相手のコミュニティデータ36のコメントデータに受信コメントとして記録し、かつ送信元のコミュニティデータ36のコメントデータに送信コメントとして記録する(ステップS222)。次に、Webサーバ3Bは、送信元のコミュニティデータ36のコミュニティポイントに所定数を加算する(ステップS223)。この場合のポイント加算も一日一回といった制限が設定されてもよい。また、Webサーバ3Bは、ステップS223において、ユーザが送信したコメントが、他のユーザからのコメントに対する返信であった場合には、その返信対象のコメントのステータスを返信済となるように更新する。以上により、コメントの送信に必要な処理が完了する。
【0049】
次に、ゲーム機2でコメントを受信し、又は送信する際の処理を説明する。図10は、ゲーム機2でユーザがコメントを受信する際の処理を示している。なお、この処理は、図7に示したログイン処理が既に行われた後に実行される処理である。ゲーム機2で所定のトリガによってコメント受信処理が開始されると、そのゲーム機2は、ゲームサーバ3Aに対してコメントデータの送信を要求する(ステップS411)。この場合、ユーザを特定する情報としてカードIDがゲームサーバ3Aに送られる。ログイン処理によりゲーム機2がユーザIDを取得している場合には、そのユーザIDがゲームサーバ3Aに送られてもよい。また、ゲーム機2におけるコメント受信処理は、ユーザによる受信操作をトリガとして開始されてもよいし、コミュニティサービス処理部21により一定周期で自動的に開始されてもよい。ただし、ゲーム機2におけるプレイ中に受信操作を行うことが困難な場合には、ゲーム機2が一定周期で自動的にコメント受信処理を開始することが好ましい可能性がある。また、ゲーム機2におけるゲームのプレイ時間は限られているため、受信処理の周期を短く設定して擬似的なプッシュ型のコメント配信を実現することが好ましい場合もある。
【0050】
ゲーム機2からコメントデータの送信が要求されると、ゲームサーバ3Aはコメント転送処理を開始する。そのコメント転送処理において、ゲームサーバ3Aは、ゲーム機2のユーザのユーザIDを判別する(ステップS321)。この場合、カードIDがゲーム機2から送られているときはID管理データ33を参照して対応するユーザIDが取得される。ゲーム機2からユーザIDが送られている場合にはそのIDが取得される。続いて、ゲームサーバ3Aは、コメントデータの送信をWebサーバ3Bに要求する(ステップS322)。この要求にはユーザIDが含まれる。ゲームサーバ3Aからの要求を受けて、Webサーバ3Bはコメント送信処理を開始する。そのコメント送信処理は、図8に示したWebサーバ3Bのコメント送信処理と同じである。つまり、ゲームサーバ3AからはユーザIDを指定して、そのユーザIDに対応するコミュニティデータ36の送信が要求されるので、Webサーバ3Bは、ユーザIDに対応するコミュニティIDをID管理データ35から取得し(ステップS211)、そのコミュニティIDに対応するコミュニティデータ36を要求元、この場合にはゲームサーバ3Aに送信し(ステップS212)、そのコミュニティデータ36に対するステータスの更新処理及びコミュニティポイントの加算処理を行う(ステップS213)。
【0051】
ゲームサーバ3Aはコメントデータを受信し(ステップS323)、これをゲーム機2に送信する(ステップS324)。ゲーム機2は、ゲームサーバ3Aからのコメントデータを受信する(ステップS412)。次に、ゲーム機2は、受信したコメントデータに含まれる受信コメントと、自らが保持するプレイデータ34内の受信コメントとを比較して新着コメントを選別し、その新着コメントのデータをプレイデータ34中の受信コメントデータに記録する(ステップS413)。新着コメントは、プレイデータ34に保持されている最新の受信コメントよりも受信日付が新しく、かつステータス上で未読とされている受信コメントである。未読に限った理由は、プレイデータ34には存在しなくても既にユーザ端末7上で閲覧済の受信コメントが存在する可能性があるためである。新着コメントの記録により、プレイデータ34内における受信コメントデータの件数の制限を超える場合には、既に記録されている受信コメントデータを必要件数削除する。新着コメントそれ自体が制限を超えている場合には最新のコメントを優先し、制限を超える古いコメントは新着コメントであってもプレイデータ34に登録しない。なお、新着コメントの記録に併せて、その新着コメントのデータに含まれている種別、送信元情報といった各種の情報も記録される。
【0052】
次に、ゲーム機2は、記録された新着コメントをゲーム画面110のコメントウィンドウ111に表示する(ステップS414)。複数の新着コメントが存在する場合には、最新のコメントをウィンドウ111に表示する(図2参照)。次に、ゲーム機2はコメント返信処理を開始させる(ステップS415)。以上により、ゲーム機2にてコメントを受信するために必要な処理が完了する。なお、上記では、新着コメントの選別と記録とをゲーム機2で行うものとしたが、ゲームサーバ3A上にもプレイデータ34が存在するため、ゲームサーバ3Aにて新着コメントの選別と記録とを実行し、更新後の受信コメントデータをゲーム機2に送ってもよい。
【0053】
図11は、ゲーム機2からユーザがコメントを送信する際の処理を示している。上述した図10のステップS415をトリガとしてゲーム機2ではコメント返信処理が開始される。そのコメント返信処理において、ゲーム機2は、まずウィンドウ111に表示されているコメント(初回は最新の受信コメントである。)が「お返し」のコメントであるか否かをその受信コメントの種別に基づいて判別する(ステップS421)。「お返し」のコメントでなければ、ゲーム機2はユーザが返信を指示したか否かを判別する(ステップS422)。図2において説明したように、コメントの返信は、ウィンドウ111をタッチ操作することにより指示される。返信指示があった場合、ゲーム機2はプレイデータ34に保持されている登録コメントをコメント本文とする送信コメントデータをゲームサーバ3Aに送信する(ステップS423)。このとき、登録コメントの送信元のユーザID及びコメントの送信先となるべきユーザのコミュニティIDもデータに含めて送信される。そのコミュニティIDは、ウィンドウ111に表示されている新着コメントのデータに含まれている送信元情報(図4参照)から判別することができる。
【0054】
なお、プレイデータ34に複数件の登録コメントを登録可能とした場合には、送信対象の一つの登録コメントを選択する処理が必要である。その選択は、例えば登録されたコメントの一覧を表示してユーザに一つの登録コメントを選択させることにより実現することができる。ユーザからの指示に依存することなく、ゲーム機2が複数件の登録コメントからいずれか一つの登録コメントを所定の手順に従って選択してもよい。例えば、登録コメントを登録する際に、各登録コメントに選択情報を設定し、その選択情報を参照してゲーム機2が適当な登録コメントを選択してもよい。選択情報としては、例えば返信対象のコメントの種別(「激励」又は「お祝い」)、選択に適した時間帯、日時等を適宜に設定してよい。ユーザの指示とゲーム機2の選択制御との組み合わせによって登録コメントが選択されてもよい。
【0055】
ステップS423の処理後、ゲーム機2は、返信を指示したコメントのデータ、つまりウィンドウ111に表示されているコメントに対応する受信コメントデータのステータスが返信済となるようにプレイデータ34を更新し(ステップS424)、続いて、プレイデータ34に保持されている全ての未返信コメントについて表示が完了したか否かを判別する(ステップS425)。なお、ステップS421が肯定され、あるいはステップS422が否定された場合、ゲーム機2はステップS425の処理に進む。ステップS425で未返信コメントが残っている場合、ゲーム機2は次の未返信コメントをウィンドウ111に表示させ(ステップS426)、その後、ステップS421へと戻る。
【0056】
ゲームサーバ3Aは、ゲーム機2から送られた登録コメントのデータを受け取るとコメント転送処理を開始し、ゲーム機2から受け取ったコメントデータをWebサーバ3Bに送信する(ステップS331)。これを受け取ったWebサーバ3Bは、図9のコメント受信処理と同様の処理を実行する。すなわち、ゲームサーバ3Aから転送されたコメントデータに含まれている送信元のユーザIDに対応するコミュニティIDをID管理データ35から取得し、かつコメントデータに含まれている送信先のコミュニティIDを取得する(ステップS221)。次いで、Webサーバ3Bは、受け取ったコメントデータを、送信相手のコミュニティデータ36のコメントデータに受信コメントのデータとして記録し、かつ送信元のコミュニティデータ36のコメントデータに送信コメントのデータとして記録する(ステップS222)。次に、Webサーバ3Bは、送信元のコミュニティデータ36のコミュニティポイントに所定数を加算する(ステップS223)。この場合のポイント加算も一日一回といった制限が設定されてもよい。また、Webサーバ3Bは、ステップS223において、ユーザが送信したコメントが、他のユーザからのコメントに対する返信であった場合には、その返信対象のコメントのステータスを返信済となるように更新する。以上により、ゲーム機2からのコメントの送信に必要な処理が完了する。
【0057】
なお、図10及び図11に示した処理では、ゲーム機2とWebサーバ3Bとの間にゲームサーバ3Aを介在させたが、これを省略して、ゲーム機2がWebサーバ3Bに直接アクセスして、コメントの送受信を行うように処理手順を変更してもよい。
【0058】
次に、図12〜図14を参照して、仲間ニュースの配信に関する処理を説明する。図12は、ゲーム機2における出来事リストの更新をトリガとして、Webサーバ3Bがコミュニティデータ36の仲間ニュース(ニュース情報)を更新する処理を示している。ゲーム機2は、一定周期で出来事リストの更新処理を実行する。その処理において、ゲーム機2はまず自らが保持するプレイデータ34内の出来事リストが更新されたか否かを判別する(ステップS431)。更新されていなければ、ゲーム機2は今回の出来事リスト処理を終了する。一方、出来事リストが更新された場合、ゲーム機2は、更新後の出来事リストを、プレイデータ34に保持されているユーザIDとともにゲームサーバ3Aに送信する(ステップS432)。その送信を受けたゲームサーバ3Aは、送られた出来事リストをユーザIDとともにWebサーバ3Bに送信し(ステップS341)、続いて、ゲーム機2から取得したユーザIDに対応付けられたプレイデータ34の出来事リストを、新たに取得した出来事リストにて更新する(ステップS342)。
【0059】
出来事リストの送信を受けたWebサーバ3Bは、仲間ニュース更新処理を開始する。その処理において、Webサーバ3Bは、ゲームサーバ3Aから受け取ったユーザIDに対応するコミュニティIDをID管理データ35から取得し(ステップS231)、続いてそのコミュニティIDに対応するコミュニティデータ36を参照して、当該コミュニティIDに対応付けられた仲間データのコミュニティIDを判別する(ステップS232)。さらに、Webサーバ3Bは、取得した仲間のコミュニティIDに対応付けられた全てのコミュニティデータ36を抽出し、それらに含まれている仲間ニュースを、ゲームサーバ3Aから送られてきた出来事リストに基づいて更新する(ステップS233)。この場合、出来事リストに含まれている発生日時及びテキストデータと、その出来事リストのユーザIDに対応付けられたコミュニティID及びニックネームとが仲間ニュースに記録される。以上により、出来事リストが更新される毎に、コミュニティデータ36の仲間ニュースが更新される。
【0060】
なお、図12の処理においても、ゲーム機2がWebサーバ3Bに直接アクセスして、出来事リストを直接的に送信するように処理手順を変更してもよい。その場合、ゲームサーバ3A上に保持されているプレイデータ34の出来事リストが更新されないが、プレイデータ34の全体は適当なタイミング(例えば、一回のゲームの終了時)にてゲーム機2からゲームサーバ3Aに送られて適宜に更新されるので、格別の問題は生じない。
【0061】
図13は、ユーザ端末7にて仲間ニュースを受信するための処理を示している。なお、図13の処理は、ユーザがユーザ端末7でコミュニティサービスに既にログインし、ユーザ端末7にコミュニティデータ36が読み込まれている状態で、仲間ニュースを更新するために行われる処理である。ユーザ端末7で所定のトリガによって仲間ニュース受信処理が開始されると、そのユーザ端末7はWebサーバ3Bに対して仲間ニュースの送信を要求する(ステップS131)。この場合、ユーザ端末7からWebサーバ3Bに対してユーザのユーザID又はコミュニティIDも送られる。ユーザ端末7上での仲間ニュース受信処理は、ユーザの受信操作をトリガとして開始されてもよいし、コミュニティサービス処理部22により一定周期で自動的に開始されてもよい。前者はユーザの操作に基づいて受信を開始する典型的なプル型配信である。後者もプル型配信の一種ではあるが、受信処理の周期を短く設定することにより、擬似的なプッシュ型のコメント配信を実現することができる。
【0062】
Webサーバ3Bはユーザ端末7からの仲間ニュース要求を受け取ると、仲間ニュース送信処理を開始する。その仲間ニュース送信処理において、Webサーバ3Bは、まずユーザ端末7から送られたコミュニティIDを判別する(ステップS241)。ユーザ端末7からユーザIDが送られている場合には、そのユーザIDに対応したコミュニティIDがID管理データ35から取得され、ユーザ端末7からコミュニティIDが送られている場合にはその送られたIDがそのまま取得される。続いて、Webサーバ3Bは、判別したコミュニティIDに対応するコミュニティデータ36を抽出し、そこに含まれている仲間ニュースをユーザ端末7に送信する(ステップS242)。
【0063】
ユーザ端末7は、Webサーバ3Bから送られる仲間ニュースを受信し(ステップS132)、その仲間ニュースに記録されている発生日時を参照して新着ニュースが存在するか否かを判別する(ステップS133)。この場合、ユーザ端末7には既にコミュニティデータ36が保持されているので、そのコミュニティデータ36に記録されている仲間ニュースの発生日時と新たに取得した仲間ニュースの発生日時とを比較すれば、新着ニュースか否かを判別することができる。新着ニュースがなければゲーム機2は今回の仲間ニュース受信処理を中止する。新着ニュースがある場合、ユーザ端末7は、その新着の仲間ニュースをユーザ端末7の表示装置上に表示する(ステップS134)。仲間ニュースを表示する画面の一例を図14に示す。このニュース画面120は、仲間ニュースの内容がテキストで表示されるニュース表示領域121と、ユーザが「お祝い」のコメントを入力するテキストボックス122と、送信指示ボタン123とが含まれている。
【0064】
図13に戻って、ニュース画面120の表示後、ユーザ端末7は、ユーザがお祝いコメントの作成を選択したか否かを判別する(ステップS135)。例えば、ニュース画面120の表示後、一定時間内にユーザがニュース画面120上のテキストボックス122を選択して、お祝いコメントの入力を開始した場合、あるいは、ユーザが所定のキャンセル操作を行わない場合、コメント作成が選択されたものと判断される。コメント作成が選択された場合、ユーザ端末7はコメント送信処理を開始させる(ステップS136)。以上により、仲間ニュースの配信に関わる処理が完了する。
【0065】
図13のステップS136をトリガとして開始されるコメント送信処理は、図9に示したものと同様の手順である。ただし、この場合、ステップS121では、送信相手として、仲間ニュースの配信元、つまり図12のステップS231で判別されたユーザのコミュニティIDが選択され、ステップS122ではテキストボックス122に入力されたコメントが取得される。さらに、ステップS123では、送信されるべきコメントの種別として「お祝い」が設定される。
【0066】
なお、上記の例では、ユーザがゲーム機2で所定の成績を挙げたときに仲間ニュースが配信されるものとしたが、これに限らず、例えばユーザがゲーム機2のゲームで各種の状態に達したときにニュース情報が配信されるようにしてもよい。例えば、ユーザのステータス(階級や段位など)が上昇したときにニュース情報が配信され、あるいは、ユーザが降格した、ピンチに陥ったとき等もニュース情報が配信されてもよい。この場合にはユーザが激励コメントを返信できるようにすればよい。
【0067】
以上に説明したように、アミューズメントシステム1においては、ゲーム機2とユーザ端末7との間でもコメントが送受信できるので、ユーザ間のコミュニケーションの場や機会を拡大し、コミュニケーションを通じたユーザの繋がり感を昂揚させてアミューズメントシステムの魅力を高め、ひいてはゲーム機それ自体の魅力も高めることができる。ゲーム機2における返信は、予め登録した返信用コメントを返すものとしたので、返信のためにプレイを中断するといった不都合の発生も抑えられる。さらに、仲間ニュースの配信により、ゲームをプレイしていないユーザのゲームへの関心を高め、ゲーム機でゲームをプレイするモチベーションを付与することができる。
【0068】
上述した形態では、ユーザ端末7のコミュニティサービス処理部22は、図9のステップS121〜S123の処理を実行することにより端末装置のコメント送信手段として機能し、図8のステップS111〜S113の処理を実行することにより端末装置のコメント受信手段として機能する。Webサーバ3Bに設けられたコミュニティサービス管理部12は、図9のステップS221及びS222の処理を実行することによりサーバ装置のコメントデータ記録手段として機能し、図8のステップS211及びS212の処理を実行することにより端末装置に対するコメント配信手段として機能し、ゲームサーバ3Aのコミュニティサービス管理部11及びWebサーバ3Bのコミュニティサービス管理部12は、図10のステップS321〜S324の処理、及びステップS211〜S212を実行することにより、ゲーム機に対するコメント配信手段として機能する。さらに、ゲーム機2のコミュニティサービス処理部21は、図10のステップS412〜S414の処理を実行することによりゲーム機におけるコメント受信手段として機能し、図11のステップS421〜S426の処理を実行することにより、返信要求手段として機能する。
【0069】
また、ゲーム機2のコミュニティサービス管理部21は、図6のステップS101〜S102の処理を実行することにより、返信用コメント記録要求手段として機能し、ゲームサーバ3Aのコミュニティサービス管理部11が図6のステップS301及びS302の処理を実行することにより、返信用コメント記録手段として機能する。さらに、ゲームサーバ3Aは、図7のステップS311〜S314の処理を実行することにより、返信用コメント送信手段として機能する。また、ゲーム機2のコミュニティサービス処理部21は、図12のステップS431及びS432の処理を実行することにより、ニュース情報送信手段として機能し、Webサーバ3Bのコミュニティサービス管理部12は、図12のステップS231〜S233、及び図13のステップS241〜S242の処理を実行することにより、ニュース情報配信手段として機能する。ユーザ端末7のコミュニティサービス処理部22は、図13のステップS132〜S134の処理を実行することにより、ニュース情報受信手段として機能し、さらに、同図のステップS136、及びこれをトリガとして図11のステップS221〜S223の処理を実行することにより、ニュース情報に対するコメント送信手段として機能する。
【0070】
本発明は上述した形態に限らず、種々の変形が可能である。例えば、上記の形態では、Webサーバ用記憶装置32のコメントデータに、各ユーザの送信コメント及び受信コメントを記録したが、送信コメントをユーザの端末装置にて保存することにより、コメントデータには受信コメントのみを記録するものとしてもよい。上記の例では、ユーザが受信すべきコメントをサーバ側のコメントデータに一旦記録し、端末装置及びゲーム機がこれを適宜に参照する、いわゆるプル型配信、あるいは擬似的なプッシュ型配信を例として本発明を説明したが、プッシュ型配信としてシステムを構成することも可能である。サーバ装置の構成もあくまで一例であり、ゲーム機用のゲームサーバと、端末装置用のWebサーバとに区別してサーバ機能を構築することは本発明において必須ではない。ゲーム機がWebサーバへ直接アクセスしてコミュニティサービスを受けられるようにしてもよいことは勿論である。また、データ構造もあくまで一例であり、プレイデータとコミュニティデータを統合してもよいし、さらにこれらのデータを分割して適当なIDで関連付けるといった変形が可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 アミューズメントシステム
2 商業用のゲーム機
3 サーバ群(サーバ装置)
3A ゲームサーバ
3B Webサーバ
5 ネットワーク
6 店舗
7 ユーザ端末(個人用の端末装置)
11、12 コミュニティサービス管理部
21、22 コミュニティサービス処理部
31 ゲームサーバ用記憶装置
32 Webサーバ用記憶装置
33、35 ID管理データ
34 プレイデータ
34 受信コメントデータ
36 コミュニティデータ
100 コメント閲覧画面
110 ゲーム画面
111 コメントウィンドウ
120 ニュース画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによるプレイ料金の支払いと引き換えに該ユーザにゲームのプレイを許可する商業用のゲーム機と、ユーザによる任意の文字列の入力が可能な個人用の端末装置と、前記ゲーム機及び前記端末装置に対して、前記ゲームに関連付けられた所定のサービスを提供するサーバ装置とが、ネットワークを介して相互に通信相手を指定して通信可能に接続され、前記サーバ装置は、前記端末装置及び前記ゲーム機との間でユーザの特定に必要な情報を交換して前記端末装置及び前記ゲーム機のユーザをそれぞれ特定可能とされたアミューズメントシステムにおいて、
前記サーバ装置には、前記ユーザが、送信先の他のユーザを指定して送信したコメントを、該コメントの送信元のユーザの特定に必要な情報とともに記録したユーザ毎のコメントデータを記憶するサーバ用記憶装置が接続され、
前記端末装置には、当該端末装置のユーザが入力したコメントを、該コメントの送信先のユーザの特定に必要な情報とともに前記サーバ装置に送信するコメント送信手段と、当該端末装置のユーザに対応付けて前記サーバ用記憶装置に記録されているコメントデータ内のコメントを前記サーバ装置から受信して該端末装置のユーザに提示するコメント受信手段とが設けられ、
前記サーバ装置には、前記端末装置から送信されたコメントの送信先となるべきユーザを特定して、当該コメントをその送信先のユーザに対応付けられたコメントデータに、送信元のユーザの特定に必要な情報とともに記録するコメントデータ記録手段と、前記コメントデータ内に記録されたコメントのうち、送信先のユーザに送信されるべきコメントを当該コメントの送信先のユーザの端末装置に対して当該コメントの送信元の特定に必要な情報とともに送信するコメント配信手段とが設けられ、
前記サーバ用記憶装置には、ユーザが予め設定した返信用コメントが当該ユーザの特定に必要な情報と対応付けて記録され、
前記サーバ装置の前記コメント配信手段は、ユーザが前記ゲーム機から前記サーバ装置にアクセスした場合に、該ユーザに対応付けて前記コメントデータに記録されているコメントのうち、当該ユーザに送信されるべきコメントを当該コメントの送信元の特定に必要な情報とともに当該ユーザのゲーム機に送信可能であり、
前記ゲーム機には、前記サーバ装置から当該ゲーム機のユーザを送信先として送信されたコメントを受信してユーザに提示するコメント受信手段と、前記ユーザからの指示に基づいて、前記ゲーム機上で提示されたコメントの送信元を送信先に指定して、該ゲーム機のユーザに対応付けられた返信用コメントを、前記送信先のユーザに返信コメントとして送信するように前記サーバ装置に要求する返信要求手段と、が設けられ、
前記サーバ装置の前記コメントデータ記録手段は、前記ゲーム機からの返信要求に従って、前記返信用コメントを、その送信先として指定されたユーザに対応付けられたコメントデータに、前記ゲーム機のユーザを送信元とするコメントとして記録する、
アミューズメントシステム。
【請求項2】
前記端末装置には、ユーザが指定した文字列を前記返信用コメントとして記録するように前記サーバ装置に要求する返信用コメント記録要求手段が設けられ、
前記サーバ装置には、前記端末装置からの前記返信用コメントの記録の要求に従って、前記ユーザが指定した文字列を、当該ユーザに対応付けられるべき返信用コメントとして前記サーバ用記憶装置に記録する返信用コメント記録手段が設けられている、請求項1に記載のアミューズメントシステム。
【請求項3】
前記端末装置の前記返信用コメント記録要求手段は、ユーザが前記端末装置にて前記返信用コメントとして入力した文字列を、当該ユーザに対応する返信用コメントとして記録するように前記サーバ装置に要求し、
前記サーバ装置の前記返信用コメント記録手段は、前記端末装置から前記ユーザが前記返信用コメントとして入力した文字列を、当該ユーザに対応付けられるべき返信用コメントとして前記サーバ用記憶装置に記録する、請求項2に記載のアミューズメントシステム。
【請求項4】
前記サーバ装置には、ユーザが前記ゲーム機を利用する際に、当該ユーザに対応付けて記録されている返信用コメントを当該ゲーム機に送信する返信用コメント送信手段が設けられ、
前記ゲーム機には、前記サーバ装置から送信された返信用コメントを前記ユーザが前記ゲーム機を利用する間において記憶する返信用コメント記憶手段が設けられ、
前記ゲーム機の前記返信要求手段は、前記送信先のユーザに前記返信コメントの送信を要求する際に、前記返信用コメント記憶手段が記憶する返信用コメントを前記サーバ装置に送信する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアミューズメントシステム。
【請求項5】
前記ゲーム機のユーザに提示可能なコメントの件数を、最新のコメントから一定範囲内に制限する件数制限手段をさらに備えた請求項1〜4のいずれか一項に記載のアミューズメントシステム。
【請求項6】
前記サーバ用記憶装置には、ユーザのグループを特定するために必要なグループ情報が記録され、
前記ゲーム機には、ユーザがゲームで所定の状態に達したとき、前記サーバ装置に対してその状態を知らせるためのニュース情報を送信するニュース情報送信手段が設けられ、
前記サーバ装置には、前記ゲーム機からニュース情報が送信された場合、前記所定の状態に達したユーザと同一グループに属するユーザを前記グループ情報に基づいて判別し、判別したユーザの端末装置に対して前記ニュース情報を送信するニュース情報配信手段が設けられ、
前記端末装置には、前記ニュース情報を受信してユーザに提示するニュース情報受信手段が設けられている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアミューズメントシステム。
【請求項7】
前記端末装置の前記コメント送信手段は、前記ニュース情報の提示に対応してユーザが入力した文字列を、前記所定の状態を達したユーザを送信先とするコメントとして前記サーバ装置に送信する請求項6に記載のアミューズメントシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−22125(P2013−22125A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157884(P2011−157884)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】