説明

コラーゲン断片の測定によるタンパク質分解の評価

N末端ネオ−エピトープ及びC末端ネオ−エピトープ(各々がタンパク質のプロテアーゼによる切断により生成される)を含有するタンパク質の断片を生物学的試料において測定するアッセイの方法が、前記N末端ネオ−エピトープを第1の特異的抗体と結合させる、かつ、前記C末端ネオ−エピトープを第2の特異的抗体と結合させるステップと、前記抗体の双方の結合の程度を検出するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関節軟骨の分解の定量的評価のための、II型コラーゲンのタンパク質分解による切断により生成される、体液中の或る特定のペプチド断片の測定であって、上記ペプチド断片上に位置するネオ−エピトープを各々認識する2つの抗体を使用する測定に関する。
【背景技術】
【0002】
変形性関節症(Osteoarthrtis)は、世界中における身体障害の主要な原因の1つであり、高齢者人口の10%超が症候性疾患を有する(非特許文献1)。発症率は年齢とともに増大し、65歳までに80%がX線検査によるOAの兆候を有する(非特許文献2)。したがって変形性関節症は、蔓延しており、かつ患者及び社会にとって重度の負担である。しかしながら現在のところ、罹患した個体に対し、該疾患の予防又は初期段階での治療が提供されることはほとんどない。多くの患者にとって、人工股関節置換術又は人工膝関節置換術が、最終的には唯一の治療の選択肢である。
【0003】
現在のところ変形性関節症の病原性は十分には理解されていないが、この緩慢な慢性疾患における中心となる特徴が、骨、軟骨及び滑膜からなる関節における進行性の破壊であることは明らかである。特に軟骨は大きな注目を集めており、OARSIのワーキンググループにより、OA軟骨組織病理学の種々のグレード及び段階が近年詳細に記載されている(非特許文献3)。このシステムは、より進行したOA疾患におけるより深い軟骨層の病変による7つのグレード(又は重症度レベル)を包含しており、5段階で表現される軟骨の病変の程度と組み合わせると、0〜24の半定量的なスコア化システムがもたらされる。
【0004】
しかしながら、関節軟骨における重要な代謝プロセス及び組織の構造に対する該プロセスの影響を評価する、高感度、特異的かつ高速の分析法がないことが、OAにおける効果的な薬剤開発に対する主たる障壁である。
【0005】
特に、主たる努力は、軟骨のターンオーバーに関する新たなより良い生化学的マーカーの開発に割り当てられている。
【0006】
軟骨(関節軟骨を含む)は、大部分がII型コラーゲン(乾燥重量の60%〜70%)及びプロテオグリカン(乾燥重量の10%)から構成される。軟骨の分解は、MMP及び密接に関連するADAM−TS(トロンボスポンジンモチーフを有するディスインテグリン及びメタロプロテイナーゼ)により主に仲介されるが、II型コラーゲンがMMP活性に対して最も感受性が高い(非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6)。これらのプロテアーゼの作用は、様々な細胞外の断片放出をもたらし、これは、軟骨の分解のバイオマーカーとしての候補であり得ると考えられる。
【0007】
II型コラーゲンのタンパク質分解による切断が多数の研究において報告されており、II型コラーゲンの複数の種々の分解断片が、軟骨の変性疾患をモニタリングするのに有用であるとして示されている(非特許文献7、非特許文献8、非特許文献9)。
【0008】
II型コラーゲンのC−テロペプチド断片、すなわちCTX−IIは、MMP活性により生成され(非特許文献10、非特許文献11)、CTX−IIの測定が、軟骨の分解を評価する実験的な設定(非特許文献7)及びヒト(非特許文献12)において、II型コラーゲンの分解のモニタリングに関して報告されている。
【0009】
しかしながら、II型コラーゲン断片を検出する抗体の使用に関する最初の報告はBillinghurst及び共同研究者(非特許文献13)によって行われ、彼らはコラゲナーゼによる切断後のII型コラーゲンのより短い断片上におけるアミノ末端のネオエピトープの検出を記載した。
【0010】
長さが4分の3の断片のC末端におけるC2Cネオエピトープが、文献においてより十分に記載されている(非特許文献14、非特許文献15)。この試験は、アミノ酸配列EGPP(OH)GPQG(配列番号1)に対するモノクローナル抗体の結合に依存する(非特許文献15)。
【0011】
II型コラーゲン断片に関する他の試験はC1,2Cを含むが、これはI型及びII型の両方に見出されるアミノ酸配列GPP(OH)GPQG(配列番号2)に基づいている(非特許文献13(Billinghurts et al., 1997))。また、コラゲナーゼの作用により生成される別の断片はTIINE断片であり(非特許文献16)、ネオエピトープGly−Pro−Pro−Gly−Pro−Gln−Gly−COOH(配列番号3)を認識するモノクローナル抗体9A4を使用して検出することができる。捕捉抗体としてモノクローナル抗体5109(非特許文献17)と組み合わせると、サンドイッチ試験は、II型コラーゲン断片に対して特異的であると言える。モノクローナル抗体5109は内部アミノ酸配列GEPGDDAPS(配列番号20)と結合し、サンドイッチ試験はモノクローナル抗体5109の結合配列のN末端において可変長のコラーゲン断片を検出する。
【0012】
Zhen及び共同研究者(非特許文献18)は、II型コラーゲン断片を含む、ヒト関節軟骨のタンパク質分解によるペプチド生成物の同定及び特徴付けを開示している。
【0013】
II型コラーゲンのカテプシンKによる切断が幾つかの研究において報告されている。カテプシンKをII型コラーゲンの切断と関連付ける最初の研究は、非特許文献19により報告された。Kafienah及び共同研究者は、カテプシンKによるII型コラーゲンのヘリックス状の切断部位を記載し、1つの切断部位に関するアミノ酸配列、すなわち
PGDDGEAGKPG↓KSGERGPPG(ウシの配列)(配列番号5)
を提示した。
【0014】
10年後、Kefienah(非特許文献20)により報告されたカテプシンK切断部位、すなわち
PGDDGEAGKPG↓KAGERGPPG(配列番号6)
のC末端ネオエピトープ(C2K)に対するポリクローナル抗体に基づく酵素結合免疫吸着アッセイの開発が報告された。
【0015】
このエピトープのC末端の7アミノ酸、すなわちGEAGKPG(配列番号20)はI型コラーゲンにおいても同様に見出すことができるため、この試験は、カテプシンKの活性により生成されるI型コラーゲン断片とII型コラーゲンの断片とを識別しない。これに対し、本発明によれば、II型コラーゲン断片に対する特異性を増大させるために、このような配列は除外される。
【0016】
特許文献1(Saltarelli)は、II型コラーゲンが他のコラーゲン断片から識別されるように、捕捉抗体及び検出抗体の組み合わせを使用してII型コラーゲン断片に関して尿をモニタリングする方法を開示している。
【0017】
特許文献2(Otterness)は、コラゲナーゼによる切断により得られるII型コラーゲン断片を検出する抗体を開示している。特に、以下の配列が開示されている。
・ GPPGPQG(配列番号7)
・ GEPGDDGPSG(配列番号8)
・ APGEDGRPGPPGP(配列番号9)
・ GKVGPSGAPGEDGRPG(配列番号10)
・ AEGPPGPQG(配列番号11)
・ GPPGPQGLAG(配列番号12)
・ GEPGDDGPS(配列番号13)
・ GEPGDDGPSGAEGPPG(配列番号14)
・ EKGEPGDDAPSGAEGPPGPQG(配列番号15)
・ GPPGPPGKPGDDGEAGKPGKA(配列番号16)
・ GPPGPRGRSGETGPAGPPGNP(配列番号17)
・ GAPGPQGFQGNPGEPGEPGVSY(配列番号18)
・ GEPGDDAGPSGAEGPPGPQG(配列番号19)
【0018】
一連の特許(特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15)(Eyre)は、II型コラーゲンのテロペプチド中のエピトープと結合する抗体を利用する軟骨再吸収アッセイのためのペプチド及び方法に関する。
【0019】
特許文献16(Robins)は、リジルピリジノリン又はヒドロキシリジルピリジノリンで架橋したコラーゲン断片を検出する方法を記載している。
【0020】
特許文献17(Reginster)は、II型コラーゲンのヘリックス領域に位置するアミノ酸配列HRGYPGLDG(配列番号23)中のエピトープと結合する抗体を使用してコラゲナーゼにより生成されるII型コラーゲンの断片を検出する方法を開示した。
【0021】
特許文献18(Poole)は、折りたたまれていない(未変性の(native))II型コラーゲン断片と結合せずコラゲナーゼによる切断により生成される断片のみと結合する抗体を使用して軟骨の分解を検出する方法を開示している。特に、II型コラーゲン由来の以下のアミノ酸配列が含まれる。
・ CGKVGPSGAPGEDGRPGPPGPQY(配列番号21)
・ APGEDGRPGPPGP(配列番号22)
・ GQPG(配列番号24)
・ GPPGPQG(配列番号7)
・ CGGEGPPGPQG(配列番号25)
・ GAEGPPGPQGLAGQRGIVG(配列番号26)
・ GAPGTPGPQGIAGQRGVVG(配列番号27)
・ GPPGTPGPQGLLGAPGILG(配列番号28)
・ GPPGAPGPLGIAGITGARG(配列番号29)
・ CGGEGPPGPQGL(配列番号30)
・ CGGEGPPGPQGLA(配列番号31)
・ CGGEGPPGPQ(配列番号32)
・ CGGEGPPGP(配列番号33)
・ CGPPGPQG(配列番号34)
【0022】
特許文献19(Welsch)は、II型コラーゲンの酵素による切断により得られるペプチドを同定及び定量化する質量分析の使用を記載している。該技法は、変形性関節症及び関節リウマチにおけるタンパク質分解酵素の活性を評価するための、生物学的試料におけるペプチドの同定及び定量化のために使用される。特に、ヒト由来の以下の配列が開示されている。
・ GPPGPQG(配列番号7)
・ LQGPAGPPGEKGEPGDDGPSGAEGPPGPQG(配列番号35)
・ PQG
・ PGPQG(配列番号36)
・ PPGPQG(配列番号37)
・ VLQGPAGPPGEKGEPGDDGPSGAEGPPGPQG(配列番号38)
・ KGARGDSGPPGRAGEPGLQGPAGPPGEKGEPGDDGPSGAEGPPGPQG(配列番号39)
・ ARGDSGPPGRAGEPGLQGPAGPPGEKGEPGDDGPSGAEGPPGPQG(配列番号40)
・ GPAGPPGEKGEPGDDGPSGAEGPPGPQG(配列番号41)
・ GPIGPPGERGAPGNRGFPGQDGLAGPKGAPGERGPSGLAGPKGANGDPGRPGEPGLPGARGLTGRPGDAGPQGKVGPSGAPGEDGRPGPPGPQGARGQPGVMGFPGPKGANGEPGKAGEKGLPGAPGLGLPGKDGETGAEGPPPA......(配列番号42)
【0023】
特許文献20(Cook)は、哺乳動物のII型コラーゲンのCBペプチド、特にCB10を使用するコラーゲンに対する抗体の検出を記載している。臭化シアンは、メチオニン残基のカルボキシル末端を切断することにより、CBペプチドを産生する。CB10ペプチドは以下の配列を有する。
・ MPGERGAAGIAGPKGDRGDVGEKGPEGAPGKDGGRGLTGPIGPPGPAGANGEKGEVGPPGPAGSAGARGAPGERGETGPPGTSGIAGPPGADGQPGAKGEQGEAGQKGDAGAPGPQGPSGAPGPQGPTGVTGPKGARGAQGPPGATGFPGAAGRVGPPGSNGNPGPPGPPGPSGKDGPKGARGDSGPPGRAGEPGLQGPAGPPGEKGEPGDDGPSGAEGPPGPQGLAGQRGIVGLPGQRGERGFPGLPGPSGEPGQQGAPGASGDRGPPGPVGPPGLTGPAGEPGREGSPGADGPPGRDGAAGVKGDRGETGAVGAPGAPGPPGSPGPAGPTGKQGDRGEAGAQGPM(配列番号43)
【0024】
特許文献21(Rosenquist)は、アミノ酸配列EKGPDP(配列番号44)に対して特異的な単一の抗体を使用してII型コラーゲンのテロペプチド断片を検出するサンドイッチイムノアッセイを開示している。
【0025】
特許文献22及び特許文献23(Fledelius)は、イソアスパラギン酸残基を含有するII型コラーゲンのアミノ酸配列と結合する抗体を使用してコラーゲンの分解の速度(rate)を測定する方法を開示している。また、イソアスパラギン酸残基を含有するII型コラーゲンのアミノ酸配列を有する合成ペプチドの使用も記載されている。特に、II型コラーゲン由来の以下の配列が記載されている。
・ GDIKDIV(配列番号45)
・ EKGPD(配列番号46)
ここで()は、異性化ペプチド結合を示す。
【0026】
特許文献24(Fledelius)は、D−アミノ酸を含有する断片とそのL−アミノ酸を含有する類似体とを区別することが可能な抗体を使用する、体液中のタンパク質のD−アミノ酸を含有する断片の量の決定を記載している。特に、その応用は、II型コラーゲン由来の以下のペプチド配列を含む。
・ GDIKDIV(配列番号47)
・ EKGPD(配列番号48)
【0027】
特許文献25及び特許文献26(Bonde)は、II型コラーゲンの分解を特徴付ける方法を記載している。異なる免疫学的結合パートナーを各々使用する少なくとも2つの相異なる免疫学的アッセイを使用し、アッセイの結果の差異を表す数値的指標を形成する。特に、以下のII型コラーゲン配列が開示されている。
・ EKGPDP(配列番号44)
・ EKGPD(配列番号48)
・ GVK
・ PGVKG(配列番号49)
・ PGPKGE(配列番号50)
・ GQKGEP(配列番号51)
・ GDIKDIV(配列番号47)
【0028】
特許文献27、特許文献28、特許文献29及び特許文献30(Qvist)は、コラーゲン断片を検出するための、合成ペプチドを認識する抗体の使用を記載している。特に、以下のアミノ酸配列が含まれる。
・ PGPKGE(配列番号50)
・ GQKGEP(配列番号51)
・ GDIKDIV(配列番号47)
・ EKGPD(配列番号48)
・ GVK
・ PGVKG(配列番号49)
【0029】
特許文献31(Te Koppele)は、コラーゲンテロペプチド架橋部位からの距離が最大165アミノ酸のコラーゲン分子上に存在するエピトープを対象とする第1の抗体と、架橋されたコラーゲン分子の別のエピトープを対象とする第2の抗体とを使用する、コラーゲンの分解を検出するサンドイッチイムノアッセイの使用を開示している。
【0030】
特許文献32(Barrach)は、II型コラーゲンと特異的に結合するがそのペプチドとは結合しない(又はその逆の)モノクローナル抗体を開示している。特に、以下のII型コラーゲン配列が含まれる。
・ GFQGL-Xaa-G-Xaa-Xaa-G-Xaa-Xaa-G(配列番号52)
・ GLQGL-Xaa-G-Xaa-Xaa-G-Xaa-SG(配列番号53)
【0031】
上で言及された特許のいずれも、各々が同じII型コラーゲン断片上のネオ−エピトープと結合する2つの抗体の使用を開示していない。
【0032】
特許文献1(Saltarelli)はサンドイッチ法において2つの抗体を使用しているが、該抗体のいずれもネオ−エピトープと特異的に結合することは必要とされていない。捕捉抗体はI型又はIII型のコラーゲン断片とのいかなる結合も実質的に排除されるようにII型コラーゲン断片と結合することが要求され、他の抗体(すなわち検出抗体)はコラゲナーゼにより生成されるコラーゲン断片と特異的に結合する必要がある。しかしながら、切断部位におけるアミノ酸配列、すなわちネオ−エピトープに対する特異性は必要とされていない。
【0033】
また、特許文献21(Rosenquist)はII型コラーゲンに対するサンドイッチイムノアッセイを開示しているが、それは単一の抗体を使用するものである。本発明によれば、異なるエピトープ特異性、すなわち各ネオ−エピトープに対する特異性を有する2つの抗体が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0034】
【特許文献1】米国特許第6,642,007号
【特許文献2】米国特許第6,030,792号
【特許文献3】米国特許第6,602,980号
【特許文献4】米国特許第6,566,492号
【特許文献5】米国特許第6,348,320号
【特許文献6】米国特許第6,255,056号
【特許文献7】米国特許第6,153,732号
【特許文献8】米国特許第6,143,511号
【特許文献9】米国特許第6,100,379号
【特許文献10】米国特許第5,919,634号
【特許文献11】米国特許第5,702,909号
【特許文献12】米国特許第5,688,652号
【特許文献13】米国特許第5,641,837号
【特許文献14】米国特許第5,641,687号
【特許文献15】米国特許第5,532,169号
【特許文献16】米国特許第5,283,197号
【特許文献17】米国特許第7,410,770号
【特許文献18】米国特許第6,132,976号
【特許文献19】米国特許第7,115,378号
【特許文献20】米国特許第6,706,490号
【特許文献21】米国特許第7,195,883号
【特許文献22】米国特許第6,420,125号
【特許文献23】米国特許第6,107,047号
【特許文献24】米国特許第6,300,083号
【特許文献25】米国特許第6,372,442号
【特許文献26】米国特許第6,210,902号
【特許文献27】米国特許第6,355,442号
【特許文献28】米国特許第6,342,361号
【特許文献29】米国特許第6,323,314号
【特許文献30】米国特許第6,110,689号
【特許文献31】米国特許第6,010,863号
【特許文献32】米国特許第5,541,295号
【非特許文献】
【0035】
【非特許文献1】Woolf & Pfleger, 2003
【非特許文献2】Lawrence et al., 1998
【非特許文献3】Pritzker et al., 2006
【非特許文献4】Dean et al., 1989
【非特許文献5】Reboul et al., 1996
【非特許文献6】Hui et al., 2003
【非特許文献7】Schaller et al., 2005
【非特許文献8】Sumer et al., 2006
【非特許文献9】Birmingham et al., 2006
【非特許文献10】Christgau et al., 2001
【非特許文献11】Mouritzen et al., 2003
【非特許文献12】Reijman et al., 2004
【非特許文献13】Billinghurst et al., 1997
【非特許文献14】Fraser et al., 2003
【非特許文献15】Poole et al., 2004
【非特許文献16】Otterness et al., 1997
【非特許文献17】Downs et al., 2001
【非特許文献18】Zhen et al., 2008
【非特許文献19】Kafienah et al. (1998)
【非特許文献20】Dejica et al. (2008)
【発明の概要】
【0036】
ここで本発明は、N末端ネオ−エピトープとC末端ネオ−エピトープとを含有するタンパク質断片を、生物学的試料において測定するステップを含むアッセイの方法であって、前記ネオ−エピトープは、各々前記タンパク質のプロテアーゼによる切断により生成されるアミノ酸配列であり、前記方法は、前記N末端ネオ−エピトープを該N末端ネオ−エピトープの存在に対して特異的な第1の免疫学的結合パートナーと結合させ、かつ、前記C末端ネオ−エピトープを該C末端ネオ−エピトープの存在に対して特異的な第2の免疫学的結合パートナーと結合させるステップと、前記結合パートナーの双方の(dual)結合の程度を検出するステップとを含む方法を提供する。
【0037】
生物学的試料は、特に体液試料であってもよく、血液、血清、血漿又は尿であってもよい。
【0038】
前記アッセイを、前記免疫学的結合パートナーの一方を固体支持体に固定化し、前記断片を前記固定化した抗体と結合させ、前記断片に対する前記免疫学的結合パートナーのもう一方の結合を検出するサンドイッチアッセイとして行うことができる。前記サンドイッチアッセイを、均一系サンドイッチアッセイとして、又は不均一系サンドイッチアッセイとして行うことができる。
【0039】
好ましくは、前記第1の免疫学的結合パートナーも前記第2の免疫学的結合パートナーも、前記断片が得られるインタクトなタンパク質と特異的に結合せず、好ましくは、前記第1の免疫学的結合パートナーも前記第2の免疫学的結合パートナーも、前記プロテアーゼの切断部位を越えて伸長した、そのそれぞれの前記ネオ−エピトープのアミノ酸配列を含有する前記タンパク質の断片と特異的に結合しない。
【0040】
好ましくは、前記ネオ−エピトープがII型コラーゲン由来のものであり、それにより前記アッセイが軟骨の変性の診断に関するものであってもよく、関節炎に関して診断用指標を提供するものであってもよい。
【0041】
前記ネオ−エピトープが、MMPによる又はカテプシンKによるII型コラーゲンの切断により産生され得る。
【0042】
好ましくは、前記第1の免疫学的結合パートナーが、以下のII型コラーゲン切断アミノ酸配列:
↓DQGVPG....(配列番号54);↓REGSPG....(配列番号55);LAGPKG....(配列番号56);及びLTGPAG....(配列番号57)
のうちの1つにより規定されるエピトープに対して特異的である。
【0043】
好ましくは、前記第2の免疫学的結合パートナーが、以下のII型コラーゲン切断アミノ酸配列:
....PKGARG↓(配列番号58);....GQPGPA↓(配列番号59);...EPGGVG↓(配列番号60);及び....RDGAAG↓(配列番号61)
のうちの1つにより規定されるエピトープに対して特異的である。
【0044】
好ましくは、前記第1の免疫学的結合パートナー及び前記第2の免疫学的結合パートナーが、組み合わせると、以下の配列:
LTGPAGEPGREGSPGADGPPGRDGAAG(配列番号62)
又は
REGSPGADGPPGRDGAAG(配列番号63)
のII型コラーゲンペプチド断片と特異的に反応性を有する。
【0045】
必要に応じて、被験体における関節炎進行の重症度が、健康な被験体において及び/又は病的な関節炎の活性を有する被験体において、上記アッセイにおいて測定される結合のレベルを過去に設定されたレベルと比較することにより評価される。
【0046】
本発明は、異性化アミノ酸残基を含有するエピトープに対して特異的な第1の免疫学的結合パートナーと、プロテアーゼにより生成されるネオ−エピトープに対して特異的な第2の免疫学的結合パートナーとを含む、免疫学的アッセイキットを含む。前記キットは、前記結合パートナーとの免疫反応性を有する少なくとも1つの校正基準、洗浄試薬、緩衝剤、前記第1の免疫学的結合パートナー又は前記第2の免疫学的結合パートナーと試料の成分との結合を明らかにするための二次的な免疫学的結合パートナー、酵素標識、酵素標識基質、停止試薬、及び前記キットを使用してアッセイを実施するための取扱説明書をさらに含んでいてもよい。
【0047】
本発明により有用なアッセイ形式は、不均一系サンドイッチアッセイ形式及び均一系サンドイッチアッセイ形式の両方を含む。
【0048】
均一系アッセイ形式は、それぞれのビーズと結合させた2つの異なる免疫学的結合パートナーの使用であって、該ビーズが、そのそれぞれの結合パートナー(両方が単一の断片分子上の部位と結合する)が該ビーズに接近すると活性化される検出可能な近接(proximity)シグナルを組み込む使用を含む。
【0049】
不均一系アッセイ形式は、前記免疫学的結合パートナーの一方を固体支持体に固定化し、前記断片を前記固定化した抗体と結合させ、前記断片に対する前記免疫学的結合パートナーのもう一方の結合を検出する形式を含む。
【0050】
本発明において使用する免疫学的結合パートナーは、抗体、特にモノクローナル抗体、及び特異的な結合親和性を有する抗体断片を含む。これらはFab又はF(ab’)等の結合断片を含む。
【0051】
本発明によるアッセイは、上記アッセイにおいて検出可能な断片の放出をもたらす病態に関する診断又は疾患の進行のモニタリングに有用である。示される疾患は、測定される断片に応じて異なる。変形性関節症の診断又はモニタリングに関して特別に関心が持たれるものは、II型コラーゲンである。軟骨の破壊を伴う他の疾患を、本発明による試験を用いて診断及びモニタリングすることもできると考えられる。このような疾患は、関節リウマチを含む。
【0052】
II型コラーゲンのタンパク質分解による切断により生じるネオエピトープの例は、カテプシンKにより生成されるネオエピトープ、及びMMPにより生成されるネオエピトープを含む。また、アグリカナーゼ、例えばADAM−TS4及びADAM−TS5によるII型コラーゲンのタンパク質分解による切断により生成される断片が含まれる。カテプシンKネオエピトープ及びMMP9ネオエピトープ(neopitopes)を保有するII型コラーゲン配列の同定を、以下に記載するように行うことができると考えられる。同様に、他のMMP又はアグリカナーゼにより生成されるネオエピトープを保有するII型コラーゲン配列を同定することもできると考えられ、又はMMPにより生成されるネオエピトープはヒト関節軟骨のMMPにより生成されるペプチド生成物に関する公的に利用可能な情報に基づき得ると考えられる(非特許文献18)。タンパク質及びプロテアーゼの特異性を確認するために、好ましい切断部位によるバイオマーカーネオエピトープを、以下のように選択することができる。
【0053】
ヒトII型コラーゲン(BIOCOL、BC−3001)を、10mMの酢酸中に溶解した(1mgのII型コラーゲンに400μlを添加した)。10μgのプロカテプシンK(Calbiochem、342001)を、10mM DTT及び5mMのEDTAを含有する200μlの100mM酢酸ナトリウム(pH3.9)を室温で40分間添加することにより活性化した。10μgのMMP9(Calbiochem、444231)を、1mMのAPMA/DMSO溶液200μlを37℃で2時間添加することにより活性化した。カテプシンKによる切断のために、60μlのII型コラーゲンを、20mMのL−システインを含有する120μlの50mM酢酸ナトリウム(pH5.5)及び24μlの活性化カテプシンKに、37℃で4時間添加した。MMP9による切断のために、60μlのII型コラーゲンを、120μlの100mM Tris−HCl、100mMの塩化ナトリウム、10mMの塩化カルシウム、2mM 塩化亜鉛(pH8.0)及び20μlのMMP9に、37℃で3日間添加した。得られたタンパク質分解による切断により生じる断片を、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)−タンデム質量分析(MS/MS)分析により特徴付けた。MS/MSスペクトルを、Sequest及びX!Tandemデータベース検索アルゴリズムを使用してタンパク質データベースに対して検索した。カテプシンKにより切断されたII型コラーゲンに関して、以下の断片の配列ヒットが見出された。
AQGPPGATGFPGAAGR(配列番号64)
ASGDRGPPGPV(配列番号65)
ASGDRGPPGPVGPPG(配列番号66)
GANGEKGEVGPPGPA(配列番号67)
GAPGEDGRPGPPGPQ(配列番号68)
GARGAPGERGETGPPGPA(配列番号69)
GDRGPPGPV(配列番号70)
GERGFPG(配列番号71)
GERGFPGER(配列番号72)
GESGSPGENGSPGPM(配列番号73)
GLPGPPGPPGEGGKPG(配列番号74)
GPIGPPGPA(配列番号75)
GPPGPPGKPGDDGEAGKPG(配列番号76)
GPPGPV(配列番号77)
GPPGPVGPA(配列番号78)
LPGPPGPPGEGGKPG(配列番号79)
NPGPPGPPGPPGPG(配列番号80)
PIGPP(配列番号81)
REGSPGADGPPGRDGAAGVK(配列番号82)
SNGNPGPPGPPGPS(配列番号83)
【0054】
同定されたカテプシンKにより生成された断片を、ヒトII型コラーゲンに関する配列(sp|P02458|CO2A1_HUAN Collagen alpha−1(II)chain)と整列させ、矢印により示すように切断部位を位置決めした。
QMAGGFDEKAGGAQLGVMQGPMGPMGPRGPPGPAGAPGPQGFQGNPGEPGEPGVSGPMGPR↓GPPGPPGKPGDDGEAGKPG↓KAGERGPPGPQGARGFPGTPGLPGVKGHRGYPGLDGAKGEAGAPGVK↓GESGSPGENGSPGPM↓GPRGLPGERGRTGPAGAAGARGNDGQPGPA↓GPPGPV↓GPA↓GGPGFPGAPGAKGEAGPTGARGPEGAQGPRGEPGTPGSPGPAGASGNPGTDGIPGAKGSAGAPGIAGAPGFPGPRGPPGPQGATGPLGPKGQTGEPGIAGFKGEQGPKGEPGPAGPQGAPGPAGEEGKRGARGEPGGVG↓PIGPP↓GERGAPGNRGFPGQDGLAGPKGAPGERGPSGLAGPKGANGDPGRPGEPGLPGARGLTGRPGDAGPQGKVGPS↓GAPGEDGRPGPPGPQ↓GARGQPGVMGFPGPKGANGEPGKAGEKGLPGAPGLRGLPGKDGETGAAGPPGPAGPAGERGEQGAPGPSGFQ↓G↓LPGPPGPPGEGGKPG↓DQGVPGEAGAPGLVGPR↓GERGFPG↓ER↓GSPGAQGLQGPRGLPGTPGTDGPKGASGPAGPPGAQGPPGLQGMPGERGAAGIAGPKGDRGDVGEKGPEGAPGKDGGRGLT↓GPIGPPGPA↓GANGEKGEVGPPGPA↓GSA↓GARGAPGERGETGPPGPA↓GFAGPPGADGQPGAKGEQGEAGQKGDAGAPGPQGPSGAPGPQGPTGVTGPKGARG↓AQGPPGATGFPGAAGR↓VGPPG↓SNGNPGPPGPPGPS↓GKDGPKGARGDSGPPGRAGEPGLQGPAGPPGEKGEPGDDGPSGAEGPPGPQGLAGQRGIVGLPGQRGERGFPGLPGPSGEPGKQGAPG↓AS↓GDRGPPGPV↓GPPG↓LTGPAGEPG↓REGSPGADGPPGRDGAAGVK↓GDRGETGAVGAPGAPGPPGSPGPAGPTGKQGDRGEAGAQGPMGPSGPAGARGIQGPQGPRGDKGEAGEPGERGLKGHRGFTGLQGLPGPPGPSGDQGASGPAGPSGPRGPPGPVGPSGKDGANGIPGPIGPPGPRGRSGETGPAGPPG↓NPGPPGPPGPPGPG↓IDMSAFAGLGPREKGPDPLQYMRA(配列番号84)
【0055】
MMP9により切断されたII型コラーゲンに関して、以下の断片の配列ヒットが見出された:
AAGARGNDGQPGPAGPPGPVGPA(配列番号85)
AQGPRGEPGTPGSPGPAG(配列番号86)
ARGAPGERGETGPPGPAG(配列番号87)
ASGDRGPPGPV(配列番号88)
ASGDRGPPGPVG(配列番号89)
ATGPLGPKG(配列番号90)
DRGPPGPVGPPG(配列番号91)
ERGAPGNRGFPGQDGLAGPKGAPGERGPSG(配列番号92)
FQGLPGPPGPPGEGGKPGDQGVPGEAGAPGLVGPR(配列番号93)
FQGLPGPPGPPGEGGKPGDQGVPGEAGAPGLVGPRG(配列番号94)
FTGLQGLPGPPGPSG(配列番号95)
FTGLQGLPGPPGPSGDQGASGPAGPSGPRGPPGPVGPSG(配列番号96)
GANGEKGEVGPPGPA(配列番号97)
GAPGEDGRPGPPGPQ(配列番号98)
GAPGEDGRPGPPGPQG(配列番号99)
GAPGERGETGPPGPA(配列番号100)
GESGSPGENGSPGPM(配列番号101)
GPIGPPGPA(配列番号102)
GPPGPV(配列番号103)
GPPGPVGPPG(配列番号104)
GPRGPPGPAGAPGPQG(配列番号105)
GVMQGPMGPMGPRGPPGPAGAPGPQG(配列番号106)
IVGLPGQRGERGFPGLPGPSGEPGK(配列番号107)
KQGDRGEAGAQGPMGPSGPAG(配列番号108)
KVGPSGAPGEDGRPGPPGPQG(配列番号109)
LPGKDGETGAAGPPGPAGPAG(配列番号110)
LPGKDGETGAAGPPGPAGPAGERGEQGAPGPSG(配列番号111)
LQGLPGPPGPSGDQGASGPAGPSGPRGPPGPVGPSG(配列番号112)
LTGPAGEPGREGSPGAD(配列番号113)
LTGPAGEPGREGSPGADGPPGRDGAAG(配列番号62)
LTGPIGPPGPAG(配列番号115)
LTGRPGDAGPQGKVGPSGAPGEDGRPGPPGPQG(配列番号116)
QGPMGPMGPRGPPGPAGAPGPQG(配列番号117)
QGPRGLPGTPGTDGPKGASGPAGPPGAQGPP(配列番号118)
RSGETGPAGPPGNPGPPGPPGPPGPGID(配列番号119)
RVGPPGSNGNPGPPGPPGPSG(配列番号120)
SNGNPGPPGPPGPS(配列番号121)
SPGPMGPRG(配列番号122)
VKGESGSPGENGSPGPMGPRG(配列番号123)
【0056】
同定されたMMP9により生成された断片を、ヒトII型コラーゲンに関する配列(sp|P02458|CO2A1_HUAN Collagen alpha−1(II)chain)と整列させ、星印により示すように切断部位を位置決めした。
QMAGGFDEKAGGAQLGVMQGPMGPMGPRGPPGPAGAPGPQGFQGNPGEPGEPGVSGPMGPRGPPGPPGKPGDDGEAGKPGKAGERGPPGPQGARGFPGTPGLPGVKGHRGYPGLDGAKGEAGAPGVKGESGSPGENGSPGPMGPRGLPGERGRTGPAGAAGARGNDGQPGPAGPPGPVGPAGGPGFPGAPGAKGEAGPTGARGPEGAQGPRGEPGTPGSPGPAGASGNPGTDGIPGAKGSAGAPGIAGAPGFPGPRGPPGPQGATGPLGPKGQTGEPGIAGFKGEQGPKGEPGPAGPQGAPGPAGEEGKRGARGEPGGVGPIGPPGERGAPGNRGFPGQDGLAGPKGAPGERGPSGLAGPKGANGDPGRPGEPGLPGARGLTGRPGDAGPQGKVGPSGAPGEDGRPGPPGPQGARGQPGVMGFPGPKGANGEPGKAGEKGLPGAPGLRGLPGKDGETGAAGPPGPAGPAGERGEQGAPGPSGFQGLPGPPGPPGEGGKPGDQGVPGEAGAPGLVGPRGERGFPGERGSPGAQGLQGPRGLPGTPGTDGPKGASGPAGPPGAQGPPGLQGMPGERGAAGIAGPKGDRGDVGEKGPEGAPGKDGGRGLTGPIGPPGPAGANGEKGEVGPPGPAGSAGARGAPGERGETGPPGPAGFAGPPGADGQPGAKGEQGEAGQKGDAGAPGPQGPSGAPGPQGPTGVTGPKGARGAQGPPGATGFPGAAGRVGPPGSNGNPGPPGPPGPSGKDGPKGARGDSGPPGRAGEPGLQGPAGPPGEKGEPGDDGPSGAEGPPGPQGLAGQRGIVGLPGQRGERGFPGLPGPSGEPGKQGAPGASGDRGPPGPVGPPGLTGPAGEPGREGSPGADGPPGRDGAAGVKGDRGETGAVGAPGAPGPPGSPGPAGPTGKQGDRGEAGAQGPMGPSGPAGARGIQGPQGPRGDKGEAGEPGERGLKGHRGFTGLQGLPGPPGPSGDQGASGPAGPSGPRGPPGPVGPSGKDGANGIPGPIGPPGPRGRSGETGPAGPPGNPGPPGPPGPPGPGIDMSAFAGLGPREKGPDPLQYMRA(配列番号84)
【0057】
カテプシンKにより生成される部位に関して矢印により、及びMMP9により生成される部位に関して星印により示すように、切断部位を位置決めした。
QMAGGFDEKAGGAQLGVMQGPMGPMGPRGPPGPAGAPGPQGFQGNPGEPGEPGVSGPMGPR↓GPPGPPGKPGDDGEAGKPG↓KAGERGPPGPQGARGFPGTPGLPGVKGHRGYPGLDGAKGEAGAPGVK↓GESGSPGENGSPGPM↓GPRGLPGERGRTGPAGAAGARGNDGQPGPA↓GPPGPV↓GPA↓GGPGFPGAPGAKGEAGPTGARGPEGAQGPRGEPGTPGSPGPAGASGNPGTDGIPGAKGSAGAPGIAGAPGFPGPRGPPGPQGATGPLGPKGQTGEPGIAGFKGEQGPKGEPGPAGPQGAPGPAGEEGKRGARGEPGGVG↓PIGPP↓GERGAPGNRGFPGQDGLAGPKGAPGERGPSGLAGPKGANGDPGRPGEPGLPGARGLTGRPGDAGPQGKVGPS↓GAPGEDGRPGPPGPQ↓GARGQPGVMGFPGPKGANGEPGKAGEKGLPGAPGLRGLPGKDGETGAAGPPGPAGPAGERGEQGAPGPSGFQ↓G↓LPGPPGPPGEGGKPG↓DQGVPGEAGAPGLVGPR↓GERGFPG↓ER↓GSPGAQGLQGPRGLPGTPGTDGPKGASGPAGPPGAQGPPGLQGMPGERGAAGIAGPKGDRGDVGEKGPEGAPGKDGGRGLT↓GPIGPPGPA↓GANGEKGEVGPPGPA↓GSA↓GARGAPGERGETGPPGPA↓GFAGPPGADGQPGAKGEQGEAGQKGDAGAPGPQGPSGAPGPQGPTGVTGPKGARG↓AQGPPGATGFPGAAGR↓VGPPG↓SNGNPGPPGPPGPS↓GKDGPKGARGDSGPPGRAGEPGLQGPAGPPGEKGEPGDDGPSGAEGPPGPQGLAGQRGIVGLPGQRGERGFPGLPGPSGEPGKQGAPG↓AS↓GDRGPPGPV↓GPPG↓LTGPAGEPG↓REGSPGADGPPGRDGAAGVK↓GDRGETGAVGAPGAPGPPGSPGPAGPTGKQGDRGEAGAQGPMGPSGPAGARGIQGPQGPRGDKGEAGEPGERGLKGHRGFTGLQGLPGPPGPSGDQGASGPAGPSGPRGPPGPVGPSGKDGANGIPGPIGPPGPRGRSGETGPAGPPG↓NPGPPGPPGPPGPG↓IDMSAFAGLGPREKGPDPLQYMRA(配列番号84)
【0058】
II型コラーゲンのタンパク質分解による切断により生じるさらなるネオエピトープは、ヒト関節軟骨のプロテアーゼにより生成されるペプチド生成物に関する公的に利用可能な情報に基づき得ると考えられる(非特許文献18)。
【0059】
考え得る生成される断片のいずれもが、バイオマーカーを構成することができると考えられる。バイオマーカーは、断片のN末端及びC末端に切断部位を有しかつ中間には他の切断部位を有していなくてもよいと考えられ、又はバイオマーカーは、N末端及びC末端に切断部位を有し、かつ、中間に1つ又は複数の考え得る切断部位を有していてもよいと考えられる。
【0060】
2つのネオエピトープを保有する好ましいII型コラーゲン配列は、以下のように選択された。
【0061】
好ましいバイオマーカーネオエピトープを、タンパク質特異性に基づき選択した。切断部位のタンパク質特異性を、切断部位のいずれかの部位上における6アミノ末端残基又は6カルボキシ末端残基の同一性検索により評価した。公的に利用可能なプログラム「Pattinprot」を、UNIPROT/SWISSPROTデータバンクの検索に使用した。カテプシンK切断部位(矢印)及び/又はMMP切断部位(星印)の好ましいバイオマーカーネオエピトープを、下線を付した配列により示す。
QMAGGFDEKAGGAQLGVMQGPMGPMGPRGPPGPAGAPGPQGFQGNPGEPGEPGVSGPMGPRGPPGPPGKPGDDGEAGKPGKAGERGPPGPQGARGFPGTPGLPGVKGHRGYPGLDGAKGEAGAPGVKGESGSPGENGSPGPMGPRGLPGERGRTGPAGAAGARGNDGQPGPA↓GPPGPVGPAGGPGFPGAPGAKGEAGPTGARGPEGAQGPRGEPGTPGSPGPAGASGNPGTDGIPGAKGSAGAPGIAGAPGFPGPRGPPGPQGATGPLGPKGQTGEPGIAGFKGEQGPKGEPGPAGPQGAPGPAGEEGKRGARGEPGGVG↓PIGPPGERGAPGNRGFPGQDGLAGPKGAPGERGPSGLAGPKGANGDPGRPGEPGLPGARGLTGRPGDAGPQGKVGPSGAPGEDGRPGPPGPQGARGQPGVMGFPGPKGANGEPGKAGEKGLPGAPGLRGLPGKDGETGAAGPPGPAGPAGERGEQGAPGPSGFQGLPGPPGPPGEGGKPG↓DQGVPGEAGAPGLVGPRGERGFPGERGSPGAQGLQGPRGLPGTPGTDGPKGASGPAGPPGAQGPPGLQGMPGERGAAGIAGPKGDRGDVGEKGPEGAPGKDGGRGLTGPIGPPGPAGANGEKGEVGPPGPAGSAGARGAPGERGETGPPGPAGFAGPPGADGQPGAKGEQGEAGQKGDAGAPGPQGPSGAPGPQGPTGVTGPKGARG↓AQGPPGATGFPGAAGRVGPPGSNGNPGPPGPPGPSGKDGPKGARGDSGPPGRAGEPGLQGPAGPPGEKGEPGDDGPSGAEGPPGPQGLAGQRGIVGLPGQRGERGFPGLPGPSGEPGKQGAPGASGDRGPPGPVGPPGLTGPAGEPG↓REGSPGADGPPGRDGAAGVKGDRGETGAVGAPGAPGPPGSPGPAGPTGKQGDRGEAGAQGPMGPSGPAGARGIQGPQGPRGDKGEAGEPGERGLKGHRGFTGLQGLPGPPGPSGDQGASGPAGPSGPRGPPGPVGPSGKDGANGIPGPIGPPGPRGRSGETGPAGPPGNPGPPGPPGPPGPGIDMSAFAGLGPREKGPDPLQYMRA(配列番号84)
【0062】
好ましいバイオマーカー断片に関する付加的な要件は切断部位の位置が互いに近接していることであり、すなわち標的断片は、好ましくは最大で、50アミノ酸残基、より好ましくは40アミノ酸残基以下、より好ましくは30アミノ酸残基以下の長さを有する必要がある。好ましいバイオマーカー断片の例は以下の通りである。
1 LTGPAGEPGREGSPGADGPPGRDGAAG(配列番号62)
2 REGSPGADGPPGRDGAAG(配列番号63)
【0063】
断片1に関しては、免疫学的結合パートナーは好ましくは、LTGPAG...(配列番号57)のN末端ネオエピトープ、及び...RDGAAG(配列番号61)のC末端ネオエピトープに対する特異的な結合親和性を有する必要がある。
【0064】
断片2に関しては、免疫学的結合パートナーは好ましくは、REGSPG...(配列番号55)のN末端ネオエピトープ、及び...RDGAAG(配列番号61)のC末端ネオエピトープに対する特異的な結合親和性を有する必要がある。
【0065】
他のタンパク質の関連する断片を、同様に規定することができる。本発明を、生物学的試料における他のタンパク質の分解生成物の検出に適用することができる。
【0066】
本発明を、添付の図面を参照して、以下の実施例によりさらに説明及び例示する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施例1において検討された血清における抗体の結合を示す図である。
【図2】実施例1において観察されたモノクローナル抗体の結合を示す図である。
【実施例】
【0068】
実施例1
<ネオエピトープを認識するモノクローナル抗体の生成>
合成ペプチドを、標準的な技法により調製した。免疫原性を増大させるために、ペプチド(LTGPAGGGGC(配列番号124))をそのC末端で、システインを介する部位特異的結合技術を使用してキャリアタンパク質KLHと結合させた。免疫化の前に、免疫原をフロイント不完全アジュバントと1:1の比で混合し、混合物をBalb/cマウスに皮下注射した。免疫化は2週間毎に2ヶ月間繰り返し(4回免疫)、その後各免疫化の間隔を4週間として継続した。免疫化を開始する前及び各免疫化の1週間後に、マウスから血液を取得した。C末端をビオチン化した合成ペプチド(LTGPAGEPGK−ビオチン(配列番号125))に対するマウス免疫血清の結合反応性を試験することにより、免疫応答を評価した。マウス免疫血清の結合反応性に関する試験は、ストレプトアビジンでコーティングしたマイクロタイタープレートの表面と結合させたビオチン化合成ペプチドに対する免疫血清の結合に基づくものとした。インキュベーション及び洗浄の後、結合した抗体を、セイヨウワサビペルオキシダーゼと複合体形成した抗マウスIgGとのインキュベーション、洗浄、及び色素原TMBの添加により実証した(図1)。
【0069】
上で言及したスクリーニング試験において十分な免疫血清の力価を達成した後、選択したマウスを少なくとも4週間休ませ、アジュバントを含まない免疫原を用いて腹腔内に追加免疫した。3日後脾臓を取り出し、標準的な技法を使用する骨髄腫細胞との融合に使用した。増殖中のハイブリドーマから得た抗体を、上で記載したようなアッセイにおけるビオチン化合成ペプチドに対するその結合反応性により評価した。さらに抗体の切断特異性を、1残基伸長させたコーター(coater)ペプチド(GLTGPAGEPGK−ビオチン(配列番号126))に対する結合反応性が極めて小さいこと、及び非類似のコーターペプチド(ビオチン−KGATGPLGPK(配列番号127))に対して結合しないことにより実証した(図2)。
【0070】
実施例2
<2つのネオ−エピトープを保有するコラーゲン断片を検出するイムノアッセイの開発>
上で記載したようなアミノ酸配列LTGPAGGGGC(配列番号124)のN末端と結合する1つのモノクローナル抗体を、標準的な手順に従ってビオチン化し、サンドイッチELISAにおいて捕捉抗体として使用した。アミノ酸配列CGGGRDGAAG(配列番号128)のC末端と結合する検出抗体を、標準的な技法に従ってセイヨウワサビペルオキシダーゼで標識した。これらの2つの試薬、及びストレプトアビジンでコーティングしたマイクロタイタープレートを使用して、抗体をウシ血清アルブミン(1%)及びTween20(0.1%)を含む10mM リン酸緩衝溶液(PBS)(総体積100μL)で予備希釈し、その後マイクロタイタープレート中で50μLのヒト血清試料と共にインキュベートした。N末端ネオ−エピトープ及びC末端ネオ−エピトープの両方を含有するアミノ酸配列LTGPAGEPGREGSPGADGPPGRDGAAG(配列番号62)を有する合成ペプチドを、較正物質として使用した。2時間のインキュベーション後、ウェルを洗浄し、色素原(TMB)と共に15分間インキュベートした。その後、発色反応を0.18Mの硫酸の添加により停止した。
【0071】
異化条件及び同化条件で培養したヒト関節軟骨からの断片の放出の測定により、アッセイの固有の(native)反応性を試験した。図3は、異化条件が軟骨からの断片の放出を増大させるが、同化条件は断片の放出を減少させることを示す。これにより、この断片が軟骨のターンオーバーのマーカーであることが示される。
【0072】
上で記載したELISAにおけるOA患者由来の20個のヒト尿試料、及び健康な被験体由来の20個の試料の測定により、疾患を有する被験体におけるII型コラーゲン断片の濃度の50%超の増大(p<0.05)が実証された(図4)。
【0073】
実施例3
<1つのネオ−エピトープを保有するコラーゲン断片を検出するイムノアッセイの開発−当該切断が本来のMMP切断部位であるか否かに関する試験。>
上で記載したようなアミノ酸配列LTGPAGGGGC(配列番号124)のN末端と結合する1つのモノクローナル抗体を、標準的な手順に従ってペルオキシダーゼ標識し、競合ELISAにおいてビオチン化コーターペプチドと共に使用した。
【0074】
コーターペプチド(LTGPAGGGGC−ビオチン(配列番号124))及び抗体を、ウシ血清アルブミン(1%)及びTween20(0.1%)を含む10mMのリン酸緩衝溶液(PBS)(総体積100μL)で予備希釈し、その後マイクロタイタープレート中で20μLのヒト血清試料と共にインキュベートした。N末端ネオ−エピトープ及びC末端ネオ−エピトープの両方を含有するアミノ酸配列LTGPAGEPGREGSPGADGPPGRDGAAG(配列番号62)を有する合成ペプチドを、較正物質として使用した。2時間のインキュベーション後、ウェルを洗浄し、色素原(TMB)と共に15分間インキュベートした。その後、発色反応を0.18Mの硫酸の添加により停止した。
【0075】
これが実際にMMP由来のものであるか否かを試験するために、種々の阻害剤を軟骨移植片培養物に添加し、培地への断片(LTGPAGGGGC(配列番号124))の放出を測定した。図5は、プロテアーゼ阻害剤を添加したときの断片のレベルに対する効果を示す。使用した阻害剤は以下である:メタロプロテイナーゼ阻害剤(GM6001)、システインプロテアーゼ阻害剤(E64)、アスパルチルペプチダーゼ阻害剤ペプスタチンA(Pep.A)及びセリンプロテアーゼ阻害剤アプロチニン(Aprotenin)(apro.)。全ての条件に対して異化サイトカインを添加することにより放出を刺激した。GM6001のみが断片の放出を阻止することができ、これが真のMMP由来の断片であることが示されたが、MMPを間接的に阻害するセリンプロテアーゼ阻害剤も或る程度放出を阻害することができた(図5)。これにより、断片が真にMMP由来の断片であることが確認される。
【0076】
実施例4
<1つのネオ−エピトープを保有するコラーゲン断片を検出するイムノアッセイの開発−当該切断が本来のMMP切断部位であるか否かに関する試験。>
上で記載したようなアミノ酸配列GPPGRDGAAG(配列番号114)のC末端と結合する1つのモノクローナル抗体を、標準的な手順に従ってペルオキシダーゼ(peroxidise)標識し、競合ELISAにおいてビオチン化コーターペプチドと共に使用した。
【0077】
コーターペプチド(ビオチン−GPPGRDGAAG(配列番号114))及び抗体をウシ血清アルブミン(1%)及びTween20(0.1%)を含む10mM リン酸緩衝溶液(PBS)(総体積100μL)で予備希釈し、その後マイクロタイタープレート中で20μLのヒト血清試料と共にインキュベートした。N末端ネオ−エピトープ及びC末端ネオ−エピトープの両方を含有するアミノ酸配列LTGPAGEPGREGSPGADGPPGRDGAAG(配列番号62)を有する合成ペプチドを、較正物質として使用した。2時間のインキュベーション後、ウェルを洗浄し、色素原(TMB)と共に15分間インキュベートした。その後、発色反応を0.18Mの硫酸の添加により停止した。
【0078】
この断片が実際にMMP由来のものであるか否かを試験するために、種々の阻害剤を軟骨移植片培養物に添加し、培地への断片(GPPGRDGAAG(配列番号114))の放出を測定した。図6は、プロテアーゼ阻害剤を添加したときの断片のレベルに対する効果を示す。使用した阻害剤は以下である:メタロプロテイナーゼ阻害剤(GM6001)、システインプロテアーゼ阻害剤(E64)、アスパルチルペプチダーゼ阻害剤ペプスタチンA(Pep.A)及びセリンプロテアーゼ阻害剤アプロチニン(apro.)。全ての条件に対して異化サイトカインを添加することにより放出を刺激した。GM6001のみが断片の放出を阻止することができ、これが真のMMP由来の断片であることが示された。MMPを間接的に阻害するセリンプロテアーゼ阻害剤も、有意にではないが或る程度放出を阻害することができた(図6)。これにより、断片が真にMMP由来の断片であることが確認される。
【0079】
本明細書では、他に明示的に示されぬ限り、「又は(or)」という単語は、記載される条件のうちの1つだけが満たされることを要求する「排他的な『又は』(exclusive or)」という作用素(operator:演算子)に対立するものとして、該条件のいずれか又は両方が満たされる場合に真の値を返す作用素の意味で使用される。「を含む(comprising)」という単語は、「からなる(consisting of)」を意味するというよりも「を含む(including)」の意味で使用される。上で確認した全ての過去の教示は、参照により本明細書に援用される。本明細書における過去に公開された文献のいずれについての確認も、その教示がこの日付においてオーストラリア又は他の場所で一般的な周知の知識であったことの承認又は表明であると解釈すべきではない。
【0080】
<文献>
【表1A】

【表1B】

【表1C】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
N末端ネオ−エピトープと、C末端ネオ−エピトープとを含有するタンパク質の断片を生物学的試料において測定するステップを含むアッセイの方法であって、前記ネオ−エピトープは、各々前記タンパク質のプロテアーゼによる切断により生成されるアミノ酸配列であり、前記方法は、前記N末端ネオ−エピトープを該N末端ネオ−エピトープの存在に対して特異的な第1の免疫学的結合パートナーと結合させ、かつ、前記C末端ネオ−エピトープを該C末端ネオ−エピトープの存在に対して特異的な第2の免疫学的結合パートナーと結合させるステップと、並びに前記結合パートナーの双方の結合の程度を検出するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記免疫学的結合パートナーの一方を固体支持体に固定化し、前記断片を前記固定化した抗体と結合させ、前記断片に対する前記免疫学的結合パートナーのもう一方の結合を検出するサンドイッチアッセイとして前記アッセイを行う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アッセイを均一系サンドイッチアッセイとして行う、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の免疫学的結合パートナーも前記第2の免疫学的結合パートナーもいずれも、前記断片の基となるインタクトなタンパク質と特異的に結合しない、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の免疫学的結合パートナーも前記第2の免疫学的結合パートナーもいずれも、前記プロテアーゼの切断部位を越えて伸長した、各ネオ−エピトープのアミノ酸配列を含有する前記タンパク質の断片と特異的に結合しない、請求項5に記載の方法。
【請求項6】
前記ネオ−エピトープがII型コラーゲン由来のものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ネオ−エピトープが、MMPによる又はカテプシンKによるII型コラーゲンの切断により産生される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の免疫学的結合パートナーが、以下のII型コラーゲン切断アミノ酸配列:
↓DQGVPG....(配列番号54);↓REGSPG....(配列番号55);LAGPKG....(配列番号56);及び↓LTGPAG....(配列番号57)
のうちの1つにより規定されるエピトープに対して特異的である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の免疫学的結合パートナーが、以下のII型コラーゲン切断アミノ酸配列:
....PKGARG↓(配列番号58);....GQPGPA↓(配列番号59);...EPGGVG↓(配列番号60);及び....RDGAAG↓(配列番号61)
のうちの1つにより規定されるエピトープに対して特異的である、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の免疫学的結合パートナーと前記第2の免疫学的結合パートナーとを併用すると、以下の配列:
LTGPAGEPGREGSPGADGPPGRDGAAG(配列番号62)
又は
REGSPGADGPPGRDGAAG(配列番号63)
のII型コラーゲンペプチド断片と特異的に反応性を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
指定された切断部位を過ぎて伸びている場合、前記免疫学的結合パートナーが請求項7において規定されるような配列と特異的に結合しない、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
異性化アミノ酸残基を含有するエピトープに対して特異的な第1の免疫学的結合パートナーと、プロテアーゼにより生成されるネオ−エピトープに対して特異的な第2の免疫学的結合パートナーとを含む、免疫学的アッセイキット。
【請求項13】
前記キットが、前記結合パートナーとの免疫反応性を有する少なくとも1つの校正基準、洗浄試薬、緩衝剤、前記第1の免疫学的結合パートナー又は前記第2の免疫学的結合パートナーと試料の成分との間の結合を明らかにするための二次的な免疫学的結合パートナー、酵素標識、酵素標識基質、停止試薬、及び前記キットを使用してアッセイを実施するための取扱説明書をさらに含む、請求項13に記載のキット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2012−508872(P2012−508872A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536002(P2011−536002)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064997
【国際公開番号】WO2010/055064
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(503259129)ノルディック・ビオサイエンス・エー/エス (10)
【氏名又は名称原語表記】NORDIC BIOSCIENCE A/S
【Fターム(参考)】