説明

コリル−L−リシンの製造方法

【課題】コリル−L−リシンの製造方法を提供すること
【解決手段】
以下の段階を含むコリル−L−リシンの製造方法。
(a)1種以上のアルカノールを含む溶媒中、触媒の存在下でN−ε−CBZ−コリル−L−リシンを水素源と反応させる段階、
(b)触媒を除去する段階、
(c)所望により、得られる反応混合物を水で希釈する段階、及び所望により、得られた反応混合物のpHを約4に等しいか又はそれ未満のpHに調整する段階、
(d)得られた混合物のアルカノールの含量が、残留混合物の約3%w/wより多く維持されるようにしながら、アルカノールの大部分を除去する段階、
(e)有機溶媒を用いて段階(d)から得られた混合物を抽出する段階、
(f)水層のpHを約4.5又はそれより高いpHに調整し、コリル−L−リシンを沈殿させる段階、
(g)沈殿物を単離する段階。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコリル−L−リシンの製造方法に関する。
【0002】
コリル−L−リシン(6−アミノ−2−((4R)−4−((3R,5S,7R,8R,9S,10S,12S,13R,17R)−3,7,12−トリヒドロキシ−10,13−ジメチルヘキサデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)ペンタンアミド)ヘキサン酸)は、フルオレセインリシコール(以前からコリル−リシルフルオレセイン又はCLF;N6−({3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソスピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9’−キサンテン]−5−イル}チオカルバモイル)−N2−(3,7,12−トリヒドロキシ−5−コラン−24−オイル)−L−シリンとして知られている)の合成における鍵中間体である。ヒト又は動物を対象にした肝機能の判定方法における蛍光胆汁酸誘導体、及び特にCLFの使用が、欧州特許第1,003,458号明細書(ノージン ヨーロッパ ビーブイ)に記載されている。
【0003】
シー.オー.ミルズ(C.O.Mills)らのバイオキミカ アンド バイオフィジカ アクタ(Biochimica & Biophysica Acta)1115(1991)151−156頁には、N−ε−CBZ−コリル−L−リシン(6−(ベンゾイルオキシカルボニルアミノ)−2−((4R)−4−((3R,5S,7R,8R,9S,10S,12S,13R,17R)−3,7,12−トリヒドロキシ−10,13−ジメチルヘキサデカヒドロ−1H−シクロペンタ[a]フェナントレン−17−イル)ペンタンアミド)ヘキサン酸)の移動水素化によるコリル−L−リシンの合成が記載されている。
しかしミルズらが記載している後処理工程は、ホルメート塩を含まない望ましい生成物を得るために、粗反応生成物を塩基(NaOH)次いで酸(HCl)で処理し、その後、粗反応混合物をクロマトグラフィー精製することが必要とされる。このような後処理工程は、両方とも費用がかかるものであり、そして、この中間体をキロの量での生産するまで反応の規模を拡大した場合、実現不可能及び不経済となる。
【0004】
コリル−L−リシンの合成は、国際公開第02/12267号パンフレット(ノージン
ヨーロッパ ビーブイ)にも記載されている。この場合、メタノールの反応混合物を約7倍の体積の水に注ぐことによる抽出処理工程が用いられる。その後、得られた酸性の水相を約2倍の体積の酢酸エチルで2回抽出し、有機不純物を除去する。得られた水溶液はpH4.5乃至5.0に調整され、そして冷却して望ましい生成物を沈殿させる。上述の例では、出発物質のN−ε−CBZ−コリル−L−リシン 190gは、後処理工程で22リットルを超える溶媒/水の使用を必要とした。
【0005】
要するに、どの先行技術の方法も規模の拡大が実現不可能であり、そして、キロ又は数キロのバッチのコリル−L−リシンの生産に安全及び経済的に用いることができ、長い反応時間も複雑な後処理工程も必要としない方法を提供するという長年の切実な要求が業界内にあった。
【0006】
本発明の主な目的は、高収率のコリル−L−リシン製造方法を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、比較的反応時間の短いコリル−L−リシン製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明の更にもう一つの目的は、複雑な後処理の手順が無く、そしてクロマトグラフィー精製の必要性が無い、実質的に純粋な形態のコリル−L−リシンを製造する方法を提供
することにある。
【0008】
本発明は、下記の反応スキームにより記載され得る。
【化1】

【0009】
従って、以下の段階を含むコリル−L−リシンの製造方法が提供される。
(a)1種以上のアルカノールを含む溶媒中、触媒の存在下でN−ε−CBZ−コリル−L−リシンを水素源と反応させる段階、
(b)触媒を除去する段階、
(c)所望により、得られる反応混合物を水で希釈する段階、及び所望により、得られた反応混合物のpHを約4に等しいか又はそれ未満のpHに調整する段階、
(d)得られた混合物のアルカノールの含量が、残留混合物の約3%w/wより多く維持されるようにしながら、アルカノールの大部分を除去する段階、
(e)有機溶媒を用いて段階(d)から得られた混合物を抽出する段階、
(f)水層のpHを約4.5又はそれより高いpHに調整し、コリル−L−リシンを沈殿させる段階、
(g)沈殿物を単離する段階。
【0010】
我々は予期せず、段階(d)で得られた混合物中に一部のアルカノールが保持されるようにすることが、続く水の抽出処理の間の求められていない沈殿を防ぐことを見出した。
【0011】
段階(a)における好ましいアルカノールは、炭素原子数1乃至5の直鎖の又は分岐した鎖のアルカノールである。
【0012】
段階(a)で溶媒として使用される好ましいアルカノールは、メタノールである。
【0013】
更に好ましい態様において、段階(a)の溶媒は、エタノール及びメタノールの混合物である。エタノールは通常、水素化工程の開始時に触媒を湿潤させることに使用される。
【0014】
好ましくは、メタノールのエタノールに対する比率は、5:1v/v乃至20:1v/vの範囲内であり、より好ましくはメタノールのエタノールに対する比率は10:1v/vである。
【0015】
大部分のアルカノールを除去した後に得られた混合物のメタノール含量が約3%w/wを下回る場合、沈殿を形成する傾向がある。非常に微細な傾向であるこの沈殿の性質は、濾過を非常に困難で時間がかかるものにする。放置しておくと水層と溶媒層との界面が不明瞭になる。
【0016】
好ましくは、段階(d)で得られた混合物のアルカノール含量は、残留混合物の約5%
w/wに又はそれより多く維持される。
一部のアルカノールを除去した後の混合物の好ましいアルカノール含量は、3%乃至12%w/wの間であり、より好ましいアルカノール含量は、5%乃至10%w/wの間である。例えば、好ましくは、段階(d)で得られた混合物のアルカノール含量は、残留混合物の約5%w/wに又はそれより多く維持される。段階(a)の溶媒がエタノールとメタノールの混合物である場合、段階(d)で得られた混合物のメタノール含量は、好ましくは、残留混合物の約5%w/wに又はそれ以上に維持される。
【0017】
好ましくは、段階(d)で得られた混合物のアルカノール含量は、残留混合物の約5乃至10%w/wの範囲内に維持される。
約7%のアルカノールw/wは、特に好ましい濃度である。例えば、好ましくは、段階(d)で得られた混合物のメタノール含量は、残留混合物の約5乃至10%w/wの範囲に維持される。
【0018】
水素化後の、反応混合物からのアルカノールの、完全な除去ではない、部分的な除去はいくつかの利点をもたらす。
それは沈殿を防ぐ、又は実質的に減少させるだけではなく、抽出処理で使用する水及び有機溶媒の量を、可能であろう他の方法よりもかなり少なくすることができる。
【0019】
好ましくは、段階(a)の工程は、移動水素化工程である。移動水素化は、水素ガスを使用することよりも安全であると考えられる。
移動水素化工程は、メタノール中の蟻酸を使用することが好ましい。
【0020】
段階(a)の移動水素化工程は、約25℃乃至45℃で実施することが好ましく、そして、段階(a)の移動水素化工程は、約30℃乃至45℃で実施することよりが好ましく、特に好ましい温度範囲は35℃乃至45℃である。これらの温度範囲は、約3乃至4時間という短い反応時間を与え、そして追加の触媒を必要とせずに反応を完了させることも促進する。
【0021】
段階(a)の移動水素化工程が完了していない場合には、触媒は除去され、完全な転換が観測されるまで未使用の触媒を添加し、必要に応じて触媒を再投入する。
好ましくは、段階(e)での抽出工程で使用する有機溶媒は酢酸エチルである。
【0022】
該水素化反応において使用される反応及び抽出条件に関する重要な特徴は、移動水素化反応の後及び蒸発処理の間、得られた混合物中のアルカノールを最小濃度に維持しながら、大部分のアルカノールを除去するための蒸発処理を含む。アルカノールがメタノールである例を以下に示す。メタノール除去の間、生成物の熱分解を引き起こさないように50℃より低い温度に維持される。蒸発は2時間に限定され、このとき工程内検査で、得られた溶液のメタノール含量が5乃至10質量%の間であることを確認する。
【0023】
移動水素化の後処理工程の間、メタノールの反応混合物は水で希釈され、そして減圧下でメタノールが除去され、酢酸エチルで有機不純物が抽出される生成物を含む水溶液が作られる。しかしながら、我々は後処理の酢酸エチル抽出分離の局面の間、大量の沈殿の形成を観測した。この沈殿は、固体が有機及び水相の分離を妨げるため、処理の遷延の原因となる。相の分離を達成するために、固体を濾過により除去し後処理を続けた。濾過の遅い性質のため、沈殿の形成は後処理のために掛かる時間を著しく増大させ、また、生成物の収率への不利な影響を潜在的に与える。
【0024】
蒸発後の混合物中に存在するメタノールの残存量を残しておくことにより、反応の後処理を格段に早く進めることができ、そして、水/酢酸エチルの界面に堆積する固体が、実
質上全てのメタノールが除去された場合の反応の後処理の間に観測されるよりも少ない、ということを予期せず見出した。
通常の蒸発処理は、得られた混合物のメタノール含量が0.02%w/w乃至0.2%w/wの範囲内になる。
【0025】
試験的な反応が行われ、蒸留処理後のメタノール濃度が約3%w/wより大きいことが水/酢酸エチルでの抽出の間における沈殿の形成を著しく減少させる、ということが示された。
メタノール濃度は約5%より大きいことがより好ましい。
約5%乃至10%w/wのメタノール濃度が許容でき、約7%のメタノールw/wは特に好ましい濃度である。
【0026】
蒸発の後、メタノール濃度が望ましい値よりも少ない場合、望ましいw/w%濃度が達成されるまで追加のメタノールを添加し得る。
【0027】
当然のことながら、酢酸エチルは、この抽出処理で使用され得る有機溶媒の範囲の1種でしかない。例えば、ジクロロメタンが使用され得、そしてこれは所望する生成物が上の水層に存在し、抽出工程が単純化するという利点がある。
【0028】
移動水素化工程を実施する反応条件は、反応を完了させるために掛かる時間と重要な関係を有する。特に、反応温度は重要な要因である。
【0029】
50乃至60℃の温度範囲内で実施される水素化反応は、完了前に失速することが観測される。これは出発物質の転換が完全ではないことよる生成物の単離収率の悪さをもたらす。これらの反応に触媒及び蟻酸を再投入することにより反応が促進したことは注目すべきである。しかしながら、触媒のみの再投入は反応を促進しなかった。これは、高温で蟻酸は出発物質の水素化に関与しないで消費され得ることを示唆する。
【0030】
反応温度の範囲を30乃至40℃に引き下げることについての調査は、出発物質の完全な消費によって決定される反応の完了が3時間未満で観測されるという結果であった。この反応の規模を拡大し、50gの出発物質に基づく反応を実施した。この反応は、最初の3時間にわたって注意深く観察されて反応の進行が追跡され、そして、その結果を表1に示す。反応が1.5乃至2時間以内に完了したことがわかる(UV検出を使用)。
【表1】

【0031】
本発明のコリル−L−リシンは、多くの用途を有する。例えば、フルオレセイン−5−イソチオシアナート(FITC:3’,6’−ジヒドロキシ−5−イソチオシアナト−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−3−オン)と共に、下記のス
キーム1に従うフルオレセインリシコール(コリル−リシルフロオレセイン又はCLFとして以前から知られる)の合成に使用され得る。
【化2】

【0032】
実施例1
N−ε−CBZ−コリル−L−リシンの製造
【化3】

【0033】
反応容器1
アセトン(1.1L)を5Lのフラスコに加え、そして撹拌を始めた。室温にて、その溶液に塩酸(146g)を加え、その後トリエチルアミン(70ml)を加えた。30分後、フラスコの中身を5乃至15°Cに冷却し、内部の温度を20乃至25℃に調整しながらクロロ蟻酸エチル(34ml)を20分間かけて滴下した。溶液を更に85乃至95分間撹拌した。
【0034】
反応容器2
水(800ml)を2Lのフラスコに加え、そして撹拌を始めた。水酸化ナトリウム(15g)をそのフラスコに加え、10分間撹拌した。N−ε−CBZ−L−リシン(100g)をその容器に加え、そして更にこの反応を60分間撹拌した。
容器2の中身をできるだけ迅速に容器1へ加え、更に2乃至4時間撹拌した。1Mの塩酸を使用して、滴下速度を制御することにより30℃未満の温度に維持しながら、反応混合物のpHを2.0乃至2.5に調整した。
容器1の内容物を、適切な分液漏斗に移し、酢酸エチル(1.0L)を加え、そして、溶液を5分間強く撹拌した。2つの層を分離し、そして、下の水層を分液漏斗に再度加えた。酢酸エチル(1.0L)を加え、そして、抽出手順を繰り返した。
【0035】
酢酸エチルの層を組合せ分液漏斗に再度加えた。水(5.0L)を分液漏斗に加え、そして、溶液を5分間強く撹拌した。2つの層を分離し、そして、上の有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。該溶液を濾過し、濾過パッド(filter pad)を酢酸エチル(1.0L)で洗浄し、そして、溶液をロータリーエバポレーター(温度35乃至50℃)で除去し、N−ε−CBZ−コリル−L−リシンを白色の結晶として与えた。

m/z=371.6(M+1)
m.p.=110乃至114°C
TLC(シリカゲル60)Rf =0.15(20%メタノール/ジクロロメタン)
IR (KBr)3340,2922,2853,1703,1537,1460,13
76,1252 cm−1
【0036】
実施例 2
コリル−L−リシンの製造
【化4】

5%のパラジウム炭素触媒(23g)を5Lのフラスコに室温で加えた。エタノール(230ml)をその容器にゆっくりと加えた。N−ε−CBZ−コリル−L−リシン(0.23kg)を6Lの蒸発フラスコに入れ、メタノール(2.3L)をその6Lの蒸発フラスコに加え、そして、撹拌を開始し出発物質を溶解した。6Lのフラスコの中身を5Lのフラスコに室温で移し、撹拌を続けた。蟻酸(0.35L)をその容器に一度に加え、5乃至15分間液面下を窒素パージした。反応の内容物を内部温度が35乃至45℃になるまで加熱し、そして撹拌を3乃至3.5時間続け、そして、工程内分析のために反応のサンプリングがされた。
【0037】
このとき、もし反応が完了していないようであれば、反応混合物を濾過し触媒を除去し、反応混合物を未使用の分の触媒と共に反応容器に再度加え、そして反応を更に1時間続け、再び工程内分析のために反応のサンプリングをする。セライトを触媒の濾過が行える高さまでフリットの漏斗に加えた。反応が完了したことが示された時点で、反応容器の内容物をセライトを通して5Lの濾過フラスコへ吸引濾過した。反応容器をメタノール(0.74L)で濯ぎ、この洗浄液をセライトケーキを通して濾過した。この有機濾液を組合せ、そしてその後水(5.75L)に注いだ。メタノールはロータリーエバポレーターで(30乃至50℃の温度で)2時間かけて真空で除去された。得られた溶液のメタノール含量が5乃至10%の範囲内であることを確認するための工程内検査に続いて、残った溶液を20Lのフラスコに加え、そして水(8.05L)を加えた。溶液のpHを検査し、必要であれば調整する(pH2.0乃至2.5が好ましい)。pHの調整の目的は、後に続く抽出工程の間、生成物を水層に残すようにするために、生成物中の一級アミノ基をプロトン化するためである。
【0038】
酢酸エチル(2.3L)を該溶液に加え、そしてその混合物を5分間強く撹拌した。2つの層を分離し、そして、下の水層を再度分離漏斗に加えた。未使用の酢酸エチル(2.3L)をその溶液に加え、そしてその混合物を5分間強く撹拌した。2つの層を分離し、そして、水層を20Lの反応容器に移動した。新たに製造された2.5Mの水酸化ナトリウム水溶液の溶液を水層に加え、pHを調整した(pH4.5乃至5.0が好ましい)。溶液を14乃至20時間かけて0乃至10℃に冷却し、得られる沈殿を、フリットの漏斗を通して吸引濾過した。その反応容器を水ですすぎ、そしてその洗浄液をフリットの漏斗を通して濾過した。得られた湿気を帯びた固体を乾燥トレーに移動し、そして、真空オーブンで40乃至50℃で4時間、又は一定の質量が得られるまで乾燥させ、コリル−L−リシンを白色の固体として得た。

m/z=537.6(M+1)
m.p.=216乃至219°C
IR(KBr)3261,2922,2854,1619,1569,1461,1378cm−1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の段階を含むコリル−L−リシンの製造方法。
(a)1種以上のアルカノールを含む溶媒中、触媒の存在下でN−ε−CBZ−コリル−L−リシンを水素源と反応させる段階、
(b)触媒を除去する段階、
(c)所望により、得られる反応混合物を水で希釈する段階、及び所望により、得られた反応混合物のpHを約4に等しいか又はそれ未満のpHに調整する段階、
(d)得られた混合物のアルカノールの含量が、残留混合物の約3%w/wより多く維持されるようにしながら、アルカノールの大部分を除去する段階、
(e)有機溶媒を用いて段階(d)から得られた混合物を抽出する段階、
(f)水層のpHを約4.5又はそれより高いpHに調整し、コリル−L−リシンを沈殿させる段階、
(g)沈殿物を単離する段階。
【請求項2】
前記アルカノールがメタノールである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
段階(a)の溶媒が、エタノール及びメタノールの混合物である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
メタノールのエタノールに対する比率が5:1v/v乃至20:1v/vの範囲内である請求項3に記載の方法。
【請求項5】
メタノールのエタノールに対する比率がほぼ10:1v/vである請求項4に記載の方法。
【請求項6】
段階(d)で得られた混合物のアルカノール含量が、残留混合物の約5%w/wに又はそれより多く維持される、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
段階(d)で得られた混合物のアルカノール含量が、残留混合物の約5乃至10%w/wの範囲内に維持される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
段階(a)の水素化工程が移動水素化工程である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記移動水素化工程がメタノール中の蟻酸を利用する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記移動水素化工程が約25℃乃至45℃で実施される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
段階(a)における移動水素化工程が約30℃乃至45℃で実施される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
段階(a)における移動水素化工程が約35℃乃至45℃で実施される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記移動水素化工程が完了していない場合には、前記触媒を除去し、そして完全に転換したことが観測されるまで未使用の触媒を添加し、必要に応じて触媒を再投入する請求項8乃至12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
段階(e)における抽出工程で使用される有機溶媒が酢酸エチルである、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
実質的にここに記載されている通りのコリル−L−リシンの製造方法。


【公表番号】特表2012−517463(P2012−517463A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549667(P2011−549667)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050205
【国際公開番号】WO2010/092381
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(509286307)ノージーン ビーブイ (4)
【Fターム(参考)】