説明

コルク床材及びその製造方法

【課題】コルク床材の特有の歩行感や温もりを維持しながら、麦飯石の特性を発揮させ、且つ剛性及び断熱性等に優れた新規なコルク床材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】麦飯石粒1…を含みバインダー樹脂で固形化された麦飯石含有基材層4と、多数のコルク粒をバインダー樹脂で固形化したコルク板層5とが積層固着一体とされてなることを特徴とするコルク床材Aである。このコルク床材Aは、麦飯石粒1…、加硫ゴムチップ2及びコルク粒3の内の少なくとも麦飯石粒1とバインダー樹脂とを混練して麦飯石含有基材40を調製する工程と、多数のコルク粒をバインダー樹脂と共に圧縮成型してなるコルク成型ブロック51を所定の厚みにスライスしてコルク板52を調製する工程と、上記麦飯石含有基材とコルク板とを積層し、該麦飯石含有基材中のバインダー樹脂が未硬化の段階でこの積層体を加熱・加圧して積層固着一体とする工程とにより製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、麦飯石粒を含むコルク床材とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コルク床材としては、コルク原木を砕いた多数のコルク粒をバインダー樹脂で固めて形成したコルク板に、合板やゴム板等の剛性材を貼り合わせたもの、或いは軽量化の為に発泡材を積層したもの等が汎用されている。これらのコルク床材は、その特有の弾力性と温かみのある風合、更には衝撃緩和性等により、一般家屋、老人施設或いは保育・幼児施設等の床に広く用いられている。また、近時、マイナスイオンや遠赤外線を発する等の特性を有することで知られる麦飯石(正式鉱物名、花崗斑岩)が、様々な分野で用いられようになった。特許文献1乃至3には、床構成材の一部に麦飯石を含有する床材或いはパネル盤が開示されている。
【特許文献1】特開2003−314043号公報
【特許文献2】特開2006−263402号公報
【特許文献3】特開2006−266658号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように合板やゴム板等の剛性材を貼り合わせたコルク床材は、重量が大となる為、搬送性や施工性で難点がある。ゴム板を張り合わせたコルク床材の場合、コルク板に未加硫のゴムシートを重ね合わせ、これを圧縮加熱してコルク板にゴム板を加硫接着一体とする製法も採用されているが、この加硫の際の温度が高い為、コルク板の色調や物性に悪影響が生じることがある。また、発泡材を積層したコルク床材は、剛性が不足し、コルク床材特有の歩行感も損なわれる。更には、衝撃により凹み易く、収縮による反りや剥がれも生じ易く、その為、厚みを厚くする必要がある。
【0004】
上記特許文献に開示された床材或いはパネル盤は、床構成材の一部に麦飯石が含有されることから、オンドル(床暖房)用等の床材として施工すると、麦飯石が発するマイナスイオンや遠赤外線により、居住者や利用者の人体に対する温熱作用等の健康上の利点がもたらされるとされている。しかし、歩行感や風合い等について特に考慮さていない為、一般家屋、老人施設或いは保育施設等の床材としての適性を十分に備えているとは言えなかった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、コルク床材の特有の歩行感や温もりを維持しながら、麦飯石の特性を発揮させ、且つ剛性及び断熱性等に優れた新規なコルク床材及びその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係るコルク床材は、麦飯石粒を含みバインダー樹脂で固形化された麦飯石含有基材層と、多数のコルク粒をバインダー樹脂で固形化したコルク板層とが積層固着一体とされてなることを特徴とする。
【0007】
本発明において、前記コルク板層が前記麦飯石含有基材層の両面に積層固着一体とされていても良い。また、前記麦飯石含有基材層としては、更に加硫ゴムチップを含んで固形化されたものや、更にコルク粒を含んで固形化されたものであっても良い。
【0008】
第2の発明に係るコルク床材の製造方法は、麦飯石粒、加硫ゴムチップ及びコルク粒の内の少なくとも麦飯石粒とバインダー樹脂とを混練して麦飯石含有基材を調製する工程と、多数のコルク粒をバインダー樹脂と共に成型固形化してなるコルク成型ブロックを所定の厚みにスライスしてコルク板を調製する工程と、上記麦飯石含有基材とコルク板とを積層し、該麦飯石含有基材中のバインダー樹脂が未硬化の段階でこの積層体を加熱・加圧して積層固着一体とする工程とよりなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るコルク床材は、コルク板層が上面となるよう床施工される。従って、コルク特有の弾力性と温もりのある風合いがマッチングし、使用者(居住者)に対して心地よい歩行感が付与される。しかも、麦飯石含有基材層がその下に積層一体とされているから、石材の持つソリッド感も付与されると共に剛性も得られ、衝撃によって凹むこともない。また、麦飯石は無数の微細孔を含む天然岩石であるので軽量であり、重量が大となることもなく、従って、輸送性や施工性にも優れる。加えて、多数の空孔を含むコルク板層と麦飯石のこの構造的特性とが相乗して、優れた断熱性が得られる。そして、麦飯石はマイナスイオンや遠赤外線を発することでも知られており、居住空間が常時このようなマイナスイオンや遠赤外線の放射環境下となる為、居ながらにしてその効能を享受することができ、コルク板層の上記特性とも相俟って、一般家屋、老人施設或いは保育・幼児施設等の床材として有用価値が頗る大となる。更に、麦飯石の他の薬効性(例えば、雑菌吸着性等)について、各方面で研究が進められており、このような観点から、将来優れた室内環境改善床材としても期待されるところである。
【0010】
コルク板層を麦飯石含有基材層の両面に積層固着一体とした場合は、床施工状態で上下に位置する両コルク板層の弾力性によって一層歩行感が良好となると共に、その中間に位置する麦飯石含有基材層によってソリッド感が付与され、衝撃に対する耐凹み性も向上する。
【0011】
麦飯石含有基材層が、更に加硫ゴムチップ及び/若しくはコルク粒を含んで固形化されたものである場合、麦飯石含有基材層自体にも加硫ゴムチップ及び/若しくはコルク粒による弾力性が付与されることになるから、歩行感がより良好なものとなる。特に、加硫ゴムチップ及びコルク粒の両方を含むものとすれば、夫々の持つ特有の弾性が錯綜すると共に麦飯石粒のソリッド感を緩和して一種独特の歩行感が得られる。
【0012】
第2の発明のコルク床材の製造方法においては、コルク板はコルク成型ブロックを所定の厚みにスライスして得られるから、コルク板の為の型を別途準備する必要がない。コルク成型ブロックは他の用途にも使用可能に調製することができるから、既存の金型やスライス装置をそのまま充当することができ、製造の合理化が図られる。また、麦飯石含有基材は麦飯石粒とバインダー樹脂とを適宜配合し混練して調製され、その後コルク板と積層固着一体とされるから、ここではカッティングやスライス工程が関与せず、麦飯石による刃こぼれが生じる懸念がない。更に、麦飯石含有基材とコルク板との積層固着一体化は、麦飯石含有基材中のバインダー樹脂が未硬化の段階で加熱・加圧することによってなされるから、別途接着剤を用いることなく、その積層固着は強固になされる。また、加熱温度は比較的低い温度で十分であるから、コルク板層の色調や物性に悪影響を及ぼす懸念もない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明の最良の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態のコルク床材を概念的に示す断面図、図2は他の実施形態のコルク床材を示す図1と同様図、図3(a)(b)(c)は同コルク床材の製造方法の一例を概念的に示す断面図、図4は本発明によるコルク床材からのマイナスイオンの発生状況を計測した結果を示す図、図5(a)は更に他の実施形態のコルク床材を示す図1と同様図、(b)は同コルク床材に用いられるコルク枠体の斜視図、図6は同コルク床材の変形例を示し、(a)は斜視図であり、(b)は(a)におけるX−X線矢視断面図、(c)は(a)におけるY−Y線矢視断面図である。
【0014】
図1に示すコルク床材Aは、麦飯石粒1…、加硫ゴムチップ2…及びコルク粒3…をバインダー樹脂で固形化した麦飯石含有基材層4の片面に多数のコルク粒をバインダー樹脂で固形化したコルク板層5を積層固着一体化し、更にコルク板層5の表面にクリヤ塗料によるコーティング保護層6を形成したものである。この実施形態のコルク床材Aを用いて床施工する場合は、コルク板層5を表面側とし、麦飯石含有基材層4の下面を床ベース(不図示)上に接着剤によって固着することによってなされる。麦飯石粒1は麦飯石を砕いたものであり、粒径が1.0〜3.0mmのものが用いられる。麦飯石粒1の粒径が1.0mm未満の場合、硬度が大きくなって床材としての弾性が低下すると共に、微細孔が減少する為その特有の薬効が薄れる傾向となる。粒径が3.0mmを超えると、コルク板層5を通して麦飯石粒1のコロコロ感が知覚され、歩行性等が悪くなる傾向となる。また、麦飯石粒1の配合量は、1m当たり50〜60gとなるよう設定され、50g未満の場合は、上記薬効が薄れる傾向となり、60gを超えるとソリッド感が強すぎ、歩行性が悪くなる傾向となる。
【0015】
加硫ゴムチップ2は、FKM、NBR、H−NBR、EPDM、CR、ACM、AEM、VMQ及びFVMQ等の加硫ゴム材を砕いたものであり、その望ましい粒径範囲は3.0〜5.0mmとされる。加硫ゴムチップ2の粒径が3.0mm未満の場合は、弾性が減少する傾向となり、5.0mmを超えると弾性が過剰となり耐衝撃性が低下する傾向となる。また、コルク粒3は、コルク板層5を構成するコルク粒と同じであって、コルク原木を砕いて粒状にしたものである。コルク粒3の粒径範囲は、弾性と強度から鑑み、2.0〜3.0mmであることが望ましい。麦飯石含有基材層4のバインダー樹脂としては、湿式硬化型一液ウレタン接着剤やラテックス系接着剤等が望ましく用いられる。
【0016】
図2のコルク床材Bは、麦飯石含有基材層4の両面にコルク板層5,5Aを積層固着一体とし、更にコルク板層5の表面に、上記と同様にクリヤ塗料によるコーティング保護層6を形成したものである。この実施形態のコルク床材Bを用いて床施工する場合は、コルク板層5を表面側とし、コルク板層5Aの下面を床ベース(不図示)上に接着剤によって固着することによってなされる。
【0017】
本発明のコルク床材の製造方法の一例を、第2の実施形態であるコルク床材Bを例に採って説明する。図3(a)に示すように、金型7のキャビティ内に多数のコルク粒とバインダー樹脂(例えばウレタン樹脂、エポキシ樹脂等)との混練物50を装填し、上下金型7よって圧縮しながら高周波加熱し、(b)に示すようにコルク成型ブロック51を得る。このコルク成型ブロック51は、他の用途にも用いられるものであり、所定の厚み(例えば、1.5mmと2mmの2種)にスライスしてコルク板52を調製する。一方、図3(c)に示すように、混練機8において、バインダー樹脂と、麦飯石粒と、加硫ゴムチップと、コルク粒とを適宜配合割合で混練して麦飯石含有基材40を得る。この配合割合は、例えば、バインダー樹脂5重量部、麦飯石粒1.8重量部、加硫ゴムチップ80重量部、コルク粒15重量部とされるが、これに限定されるものではない。
【0018】
次いで、図3(d)に示すように、所定の大きさに調整された圧縮成型機9内に、厚みが2mmの上記コルク板52を配置し、その上に麦飯石含有基材40を流し込み、更にその上に厚みが1.5mmの上記コルク板52を重ねて配置し、これらを加熱・加圧する。この加熱・加圧は、麦飯石含有基材40が未硬化の段階でなされ、加熱・加圧に伴いバインダー樹脂が硬化し、図2に示すように、麦飯石粒1…、加硫ゴムチップ2…及びコルク粒3…がバインダー樹脂によって固定され固形化した麦飯石含有基材層4が形成されると共に、この麦飯石含有基材層4の両面にコルク板層5,5Aが積層固着一体とされる。脱型後、コルク板層5の表面にはクリヤ塗料を塗布してコーティング保護層6を形成する。また、コルク板層5Aの下面にはサンダかけを施し、床施工の際の床ベースとの接着性を確保するようにしている。下側に配置されるコルク板52の厚みを2mmとしたのは、このサンダかけによる薄層化を見越したものである。麦飯石含有基材層4の厚みは、1.5〜8.5mmとされ、これら各層の厚みは、目的・用途等に応じて適宜設計的に定められる。
【0019】
図1に示すコルク床材Aを製造する場合は、圧縮成型機9に直接麦飯石含有基材40を流し込み、その上にコルク板52を重ねて配置し、これらを上記同様に加熱・加圧して、麦飯石含有基材層4の片面にコルク板層5を積層固着一体とし、脱型後、コルク板層5の表面にクリヤ塗料を塗布してコーティング保護層6を形成する。
【0020】
これら実施形態のコルク床材A,Bにおいては、麦飯石含有基材層4が麦飯石粒1…を含んでいるから、これらコルク床材A,Bが施工された床上の居住空間は、マイナスイオン或いは遠赤外線の放射環境下となる為、居住者は居ながらにしてその効能を享受することができる。図4は、床暖房設置の木質フロアに上記コルク床材Bを敷詰め施工し、床暖房なし(非通電)及び床暖房あり(通電)の場合のマイナスイオンの発生状況を計測した結果を示している。尚、マイナスイオンを発生する時は、同時にプラスイオンを発生しており、マイナスイオンの発生とはマイナスイオンがプラスイオンより多く発生していることを意味する。図4に示すように、いずれもマイナスイオンが多く発生しており、特に床暖房ありの場合に顕著であり、床暖房設置の床においては冬場にその効能の享受が効果的になされると言うことができる。
【0021】
これら実施形態のコルク床材A,Bにおいては、麦飯石含有基材層4が、麦飯石粒1…、加硫ゴムチップ2…及びコルク粒3…を含んでバインダー樹脂によって固形化されたもので、加硫ゴムチップ2…及びコルク粒3…の存在により麦飯石含有基材層4が弾性を備え、これとコルク板52の特有の弾性とが相乗し、麦飯石粒1…によってソリッド感が付与されると共に、過剰なソリッド感(コロコロ感)が緩和され、極めて歩行感に優れたコルク床材A,Bとされる。特に、老人施設や保育施設或いは幼稚園等の床に施工した場合は、床上で転んだ際等の衝撃が緩和され、擦傷等を未然に防止することができ、これらの用途での適性は極めて大である。
尚、麦飯石粒1…のみ、麦飯石粒1…と加硫ゴムチップ2との組合せ、或いは麦飯石粒1…とコルク粒3…との組合せであっても良く、これらは、目的・用途に応じて適宜選択採用される。
【0022】
図5(a)は、更に他の実施形態のコルク床材Cを示している。一般にコルク床材は、定型の大きさに成型され、これを床ベース上に敷詰めるように施工されるが、被施工場所の形状や大きさによっては、その端部や隅部で、コルク床材を適宜大きさにカットして施工することが必要とされる。上記実施形態に示すコルク床材A,Bの場合、麦飯石含有基材層4も含んで現場作業でカットすることになる為、該麦飯石含有基材層4に含有される麦飯石粒1…によってカットがスムースになされなかったり、カッターの刃こぼれを生じたりすることがある。本実施形態のコルク床材Cは、このような点に鑑みなされたものである。即ち、このコルク床材Cは、コルク板52(図3参照)の上に、コルク板を格子状に打抜くことによって成形された図5(b)に示すようなコルク枠体10を載せ、このコルク枠体10の各格子枠部分10a間空所10bに前記麦飯石含有基材40(図3参照)を装填し、更にコルク板52(同上)を載せ、これらを前記と同様に加熱・加圧して、コルク枠体10を含む麦飯石含有基材層4の両面にコルク板層5,5Aを積層固着一体とし、コルク板層5の表面にクリヤ塗料によるコーティング保護層6を形成して得られる。図例では、コルク板層5の表面に、加熱・加圧の際にコルク枠体10の格子に沿った表面模様を兼ねる凹溝5aが形成された例が示されているが、この凹溝5aはコルク板層5A側に設けても良い。
【0023】
上述の床施工の際に、コルク床材Cをカットする必要が生じた場合、必要な大きさに対応する凹溝5aに沿ってカットするようにすれば、カット箇所にはコルク枠体10の格子枠部分10aが存在し、麦飯石粒が含まれないから、カットが支障なくなされ、またカッターの刃こぼれを生じる懸念がない。従って、カット必要箇所の種々の態様にできるだけ対応できるよう、コルク枠体10の格子間隔を大小取り混ぜたものとすることが望ましく、また打抜き形状は図例のような方形に限らず、円形或いは他の多角形とすることもできる。
【0024】
図6(a)(b)(c)のコルク床材Dは、上記コルク床材Cの変形例を示すものである。即ち、コルク枠体11の格子枠部分11aの一部がコルク板層5の表面に露出するような形状に形成され、格子空間11bには上記同様の麦飯石含有基材40(図3参照)が装填され、装填された麦飯石含有基材40の上面とコルク枠体11の格子枠部分11aとによる区画空間には、該区画空間に符合する形状に形成されたコルク板52(図3参照)が嵌め合され、これらを加熱・加圧することにより、コルク板層5Aの上に、麦飯石含有基材層4、コルク枠体11及びコルク板層5が図に示すように互いに噛み合うような状態で積層固着一体とされる。そして、コルク板層5の表面には、上記同様クリヤ塗料によるコーティング保護層6を形成してコルク床材Dが得られる。この場合、コルク板層5とコルク板層5Aとを天地逆とし、コルク板層5Aの表面に上記同様クリヤ塗料によるコーティング保護層6を形成してコルク床材Dとしたものでも良い。
【0025】
このコルク床材Dの場合、コルク枠体11の格子枠部分11aの一部がコーティング保護層6を通して露見されるから、これが模様的効果を奏する。また、上記のように床施工の際にカットする必要が生じた場合は、この露見される格子枠部分11aに沿ってカットするようにすれば、上記同様このカット部分には麦飯石粒が存在しないから、その影響を受けずカットがスムースになされると共に、カッターの刃こぼれが生じる懸念も生じない。
【0026】
尚、上記コルク床材の製造方法では、バインダー樹脂が未硬化の段階の麦飯石含有基材とコルク板とを積層して、これらを加熱・加圧することにより、積層固着一体としたが、麦飯石含有基材を板状に成型し、これにコルク板を貼り合わせることによって積層固着一体としても良い。また、麦飯石がマイナスイオンを発する点については、実験的に検証した結果を示したが、床暖房を並設した場合は遠赤外線を多く発することも実証されている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態のコルク床材を概念的に示す断面図である。
【図2】他の実施形態のコルク床材を示す図1と同様図である。
【図3】(a)(b)(c)は同コルク床材の製造方法の一例を概念的に示す断面図である。
【図4】本発明によるコルク床材からのマイナスイオンの発生状況を計測した結果を示す図である。
【図5】(a)は更に他の実施形態のコルク床材を示す図1と同様図であり、(b)は同コルク床材に用いられるコルク枠の斜視図である。
【図6】同コルク床材の変形例を示し、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるX−X線矢視断面図、(c)は(a)におけるY−Y線矢視断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 麦飯石粒
2 加硫ゴムチップ
3 コルク粒
4 麦飯石含有基材層
40 麦飯石含有基材
5 コルク板層
5A コルク板層
51 コルク成型ブロック
52 コルク板
A,B,C,D コルク床材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
麦飯石粒を含みバインダー樹脂で固形化された麦飯石含有基材層と、多数のコルク粒をバインダー樹脂で固形化したコルク板層とが積層固着一体とされてなることを特徴とするコルク床材。
【請求項2】
請求項1に記載のコルク床材において、
前記コルク板層が前記麦飯石含有基材層の両面に積層固着一体とされていることを特徴とするコルク床材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコルク床材において、
前記麦飯石含有基材層は、更に加硫ゴムチップを含んで固形化されたものであることを特徴とするコルク床材。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のコルク床材において、
前記麦飯石含有基材層は、更にコルク粒を含んで固形化されたものであることを特徴とするコルク床材。
【請求項5】
麦飯石粒、加硫ゴムチップ及びコルク粒の内の少なくとも麦飯石粒とバインダー樹脂とを混練して麦飯石含有基材を調製する工程と、多数のコルク粒をバインダー樹脂と共に圧縮成型してなるコルク成型ブロックを所定の厚みにスライスしてコルク板を調製する工程と、上記麦飯石含有基材とコルク板とを積層し、該麦飯石含有基材中のバインダー樹脂が未硬化の段階でこの積層体を加熱・加圧して積層固着一体とする工程とよりなることを特徴とするコルク床材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−167763(P2009−167763A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−10250(P2008−10250)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【出願人】(000225359)内山工業株式会社 (204)
【出願人】(596108368)東亜コルク株式会社 (3)
【Fターム(参考)】