説明

コルゲートフィン切断方法及びコルゲートフィン切断装置

【課題】 高速切断を可能としつつ、装置の耐久性を高めると共に、機構の軽量簡略化及び制御の簡略化によるコストダウンが可能な、コルゲートフィン切断方法及びコルゲートフィン切断装置の提供。
【解決手段】 搬送手段2により波状に加工されたフィン材1を連続的に搬送すると共に該フィン材1の山数と谷部12の位置を規制し、搬送中のフィン材1の谷部12の底部を切断手段3で切断するようにしたコルゲートフィン切断方法であって、切断手段3は、固定刃4と該固定刃4に対して一方向に相対回転する回転刃6との間でフィン材1の12谷部の底部を切断するようにし、フィン材1の切断時に固定刃4の近傍において回転刃6の両面に摺接し、固定刃4に対する回転刃6の移動軌跡を確保しつつフィン材1を切断するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コルゲートフィン切断方法及びコルゲートフィン切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の走行速度で連続搬送されるコルゲートフィンを所定長さで切断するコルゲートフィンの切断装置において、駆動モータと、該駆動モータによって回転駆動するカムと、該カムの回転によってコルゲートフィンの走行方向と平行に往復移動する移動ヘッドと、該移動ヘッドにカムの回転軸心と平行な回転軸心をもって回転自在に支持されたカッタホルダと、該カッタホルダの外周部に取付けられたカッタと、カムとカッタホルダとを同期回転させる同期機構と、コルゲートフィンの走行速度に基づいて駆動モータの回転数を制御して移動ヘッドの移動速度を制御することで該コルゲートフィンの移動とカッタの移動とを同期させる制御手段とを備えたコルゲートフィン切断装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−151611号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来例のコルゲートフィン切断装置にあっては、コルゲートフィンに同期して搬送方向に移動する移動ヘッドとカッタホルダが、高速切断に対応する時、各手段が高速で往復移動する時に慣性力が妨げとなり、機構・制御の複雑化、軽量高剛性の機構材質の選定等、コストアップになると共に、耐久性が悪く、定期的な交換作業等の工程が益す要因になるという問題点があった。
【0004】
本発明の解決しようとする課題は、高速切断を可能としつつ、装置の耐久性を高めると共に、機構の軽量簡略化及び制御の簡略化によるコストダウンが可能な、コルゲートフィン切断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため請求項1記載のコルゲートフィン切断方法は、搬送手段により波状に加工されたフィン材を連続的に搬送すると共に該フィン材の山数と谷部の位置を規制し、搬送中の前記フィン材の谷部の底部を切断手段で切断するようにしたコルゲートフィン切断方法であって、上記切断手段は、固定刃と該固定刃に対して一方向に相対回転する回転刃との間でフィン材の谷部の底部を切断するようにしたこと特徴とする手段とした。
【0006】
請求項4記載のコルゲートフィン切断装置は、搬送手段により波状に加工されたフィン材を連続的に搬送すると共に該フィン材の山数と谷部の位置を規制し、搬送中の前記フィン材の谷部の底部を切断手段で切断するようにしたコルゲートフィン切断装置であって、上記切断手段は、固定刃と該固定刃に対し回転駆動手段により一方向に相対回転する回転刃との間で上記フィン材の谷部の底部を切断するように構成されていることを特徴とする手段とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、上述のように、搬送手段により波状に加工されたフィン材を連続的に搬送すると共に該フィン材の山数と谷部の位置を規制し、搬送中のフィン材の谷部の底部を切断手段で切断するようにしたコルゲートフィン切断方法であって、切断手段は、固定刃と該固定刃に対して一方向に相対回転する回転刃との間でフィン材の谷部の底部を切断するようにしたことで、回転刃は一方向に回転するだけであるため、切断手段全体がフィン材の搬送方向に往復移動する従来例におけるような慣性力が切断手段に作用することはない。
【0008】
従って、高速切断を可能としつつ、装置の耐久性を高めると共に、機構の軽量簡略化及び制御の簡略化によるコストダウンが可能になるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0010】
この実施例1のコルゲートフィン切断装置は、請求項1、2、4〜8に記載の発明に対応する。
【0011】
まず、この実施例1のコルゲートフィン切断装置を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1はこの実施例1のコルゲートフィン切断装置を示す正面図、図2は実施例1のコルゲートフィン切断装置を示す側面図、図3は一対の回転刃位置決め用案内ガイドを示す詳細図、図4は回転刃を示す拡大図、図5は回転刃の刃部を示す詳細図、図6は図5のB矢視図、図7はコルゲートフィンの切断状態を示す詳細図、図8はコルゲートフィンの切断時を示す側面図、図9は回転刃によるコルゲートフィンの切断状態を示す説明図である。
【0013】
このコルゲートフィン切断装置は、図1、2、9に示すように、波状に加工されたフィン材1を搬送手段2で連続的に搬送すると共に該フィン材1の山部11と谷部12の位置を規制し、搬送中のフィン材1の谷部12の底部を切断手段3で切断するようにしたものである。
【0014】
さらに詳述すると、フィン材1は、図示を省略したが箔状のフィン材料が巻かれたロールから一対の歯車状成形ローラ間にフィン材1を送り込むことにより、図8、9に示すように、多数の山部11と谷部12とが連続する波状に加工されている。そして、フィン材1には、図5に示すように、ルーバ13が形成されている。
【0015】
搬送手段2は、波状に成形されたフィン材1をフィンガイド21に沿って搬送方向(図中矢印P方向)へ連続的に搬送すると共に、フィン材1の山部11と谷部12の位置を規制する役目をなす。
【0016】
即ち、この搬送手段2は、波状のフィン材1における山部11側の両肩部に各々係合して回転する右捩れウォーム2aと左捩れウォーム2bで構成されている。
【0017】
また、両ウォーム2a、2bは、ギア(図示せず)で互いに連結されてサーボモータで各々回転するようになっており、この回転数から搬送した波状のフィン材1の谷部12の数を計数できるようになっている。
即ち、計数ウォームとフィン材1の谷部12の切断位置決めの役目を兼ねている。
【0018】
切断手段3は、図1〜3、7、8に示すように、固定刃4と、回転アーム5と、回転刃6と、回転駆動モータ7と、一対の回転刃位置決め用案内ガイド8を備えている。
【0019】
固定刃4は、搬送手段2におけるフィン材1の搬送下流側近傍にフィンガイド21に固定された状態で備えられている。
【0020】
回転アーム5は、その基部がベース9に固定された回転駆動モータ7の回転軸7aに連結されている。これによって、回転アーム5は回転駆動モータ7の駆動によって高速回転可能に設けられている。
【0021】
なお、この実施例1では、図1に示す回転アーム5の待機位置(フィン材1の位置から180°回転した位置)から、フィン材1の搬送速度に同期させて該回転アーム5を高速で一回転させることにより、フィン材1を所定の位置で切断するようになっている。
【0022】
回転刃6は、回転アーム5の先端部に対し交換可能な状態に備えられていて固定刃4との間でフィン材1を切断する。
【0023】
この回転刃6は、図5、6、9に示すように、基端部が回転アーム5の先端部に交換可能に取り付けられた取付基台部61の先端部で回転アーム5の回転方向側縁部に、フィン材1の搬送下流側に傾斜面62aを有する刃部62が設けられている。
【0024】
そして、刃部62における傾斜面62aの両側にはルーバ13が形成されてないフィン材1の幅方向両側部に当接してルーバ13に対する刃部62の接触を回避する突条63、63が形成されている。
【0025】
また、この突条63、63の下端縁部にはフィン材1の谷部12に滑り込ませるための案内テーパ63aがそれぞれ形成されている。
【0026】
一対の回転刃位置決め用案内ガイド8は、図3、7、8に示すように、フィン材1の切断時に回転刃6における取付基台部61の両面にそれぞれ接触し、固定刃4に対する回転刃6の移動軌跡を確保する役目をなすもので、固定刃4の近傍に設けられている。
【0027】
一対の回転刃位置決め用案内ガイド8は、フィン材1の搬送上流側のガイド片81と、下流側のガイド片82とで構成されている。
【0028】
上流側のガイド片81は、その下端部が固定刃4につながる状態で固定刃4と一体に形成されている。
【0029】
また、下流側のガイド片82は、基台82aとの間に備えた圧縮バネ(付勢手段)82bによって上流側のガイド片81方向へ向けて押圧付勢された状態で設けられている。
【0030】
また、両ガイド片81、82の対向面上端部には、両ガイド片81、82間に回転刃6の取付基台部61を案内するためのテーパ面81a、82cが形成されている。
【0031】
一方、両ガイド片81、82の対向面と摺接する取付基台部61の下端縁部61aが先細り状に形成されている。
【0032】
また、両ガイド片81、82と摺接する取付基台部61の摺接面61bにはイオン窒化処理装置を用い、窒化物、炭化物、炭窒化物等の硬質皮膜を2〜3μmの均一な厚みでコーティングしている。
【0033】
また、下流側のガイド片82におけるテーパ部82cの下方には、回転刃6の取付基台部61に当接して回転する回転ローラ82dが設けられている。
【0034】
なお、図7に示すように、刃部62の刃先が谷部12の底部に対し所定の傾斜角度(切断時シャー角)αを持って切断するように、フィン材1と刃部62との位置関係が設定されている。
【0035】
次に、この実施例1の作用・効果を説明する。
【0036】
この実施例1のコルゲートフィン切断装置では、上述のように構成されるため、図1に示す回転アーム5の待機位置(フィン材1の位置から180°回転した位置)から、フィン材1の搬送速度に同期させて該回転アーム5を高速で一回転させる。
【0037】
すると、図7、8に示すように、回転刃6がフィン材1に到達する直前に、回転刃6の取付基台部61が両ガイド片81、82間の隙間に進入し、該取付基台部61が両ガイド片81、82の対向面に沿って固定刃4まで案内されることにより、固定刃4に対する回転刃6の移動軌跡が確保された状態でフィン材1の谷部12の底部が刃部62で切断される。
【0038】
この実施例1のコルゲートフィン切断装置では、上述のように、切断手段3は、フィン材1の搬送中に、固定刃4と該固定刃4に対して一方向に相対回転する回転刃6との間でフィン材1の谷部12の底部を切断するようにしたことで、回転刃6は一方向に回転するだけであるため、切断手段3全体がフィン材1の搬送方向に往復移動する従来例におけるような慣性力が切断手段に作用することはない。
【0039】
従って、高速切断を可能としつつ、装置の耐久性を高めると共に、機構の軽量簡略化及び制御の簡略化によるコストダウンが可能になるという効果が得られる。
【0040】
また、少なくともフィン材1の切断時に固定刃4の近傍において回転刃6の両面に摺接し、固定刃4に対する回転刃6の移動軌跡を確保しつつフィン材1を切断するようにしたことで、高速切断を可能としつつ切断位置精度を高めることができるようになる。
【0041】
また、上流側のガイド片81は、その下端部が固定刃4につながる状態で固定刃4と一体に形成され、下流側のガイド片82は、基台82aとの間に備えた圧縮バネ(付勢手段)82bによって上流側のガイド片81方向へ向けて押圧付勢された状態で設けられることにより、固定刃4と回転刃6とのクリアランス調整作業が不要で、フィン材1の切断不良を生じさせる虞がない。
【0042】
また、両ガイド片81、82の対向面上端部には、両ガイド片81、82間に回転刃6の取付基台部61を案内するためのテーパ面81a、82cが形成される一方、両ガイド片81、82の対向面と摺接する取付基台部61の下端縁部61aが先細り状に形成されることにより、両ガイド片81、82間の隙間に回転刃6の取付基台部61をスムーズに進入させることができるようになる。
【0043】
また、両ガイド片81、82と摺接する取付基台部61の摺接面61bを硬質皮膜でコーティングすることにより、ガイド片81、82と取付基台部61との焼き付きを防止することができるようになる。
【0044】
また、下流側のガイド片82におけるテーパ部82cの下方には、回転刃6の取付基台部61に当接して回転する回転ローラ82dが設けられることにより、ガイド片82との摺動抵抗を低減させ、取付基台部61をスムーズに通過させることができるようになる。
【0045】
また、刃部62における傾斜面61aの両側にはルーバ13が形成されてないフィン材1の幅方向両側部に当接してルーバ13に対する刃部61の接触を回避する突条62、62が形成されることにより、誤ってルーバ13を傷つけることを防止することができるようになる。
【0046】
なお、図7に示すように、刃部62の刃先が谷部12の底部に対し所定の傾斜角度(切断時シャー角)αを持って切断するように、フィン材1と刃部62との位置関係が設定されることで、フィン材1の切れ味を良くすることができるようになる。
【0047】
また、回転刃6は、回転アーム5に対し交換可能な状態に備えられることで、ランニングコストを低減することができる。
【実施例2】
【0048】
次に、実施例2について説明する。この他の実施例2の説明にあたっては、前記実施例1と同様の構成部分については図示を省略し、もしくは同一の符号を付けてその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【0049】
この実施例2の装置は、請求項1、3、9〜12に記載の発明に対応する。
まず、この実施例1のコルゲートフィン切断装置を図面に基づいて説明する。
【0050】
図10はこの実施例2のコルゲートフィン切断装置を示す正面図、図11は実施例2のコルゲートフィン切断装置を示す側面図、図12は回転刃を示す拡大正面図、図13は回転刃の刃部を示す拡大側面図、図14はフィン材の切断状態を示す要部拡大側面図、図15は回転刃によるコルゲートフィンの切断状態を示す正面図、図16は回転刃によるコルゲートフィンの切断状態を示す側面図である。
【0051】
この実施例2のコルゲートフィン切断装置は、以下の点で実施例1とは相違したものである。
【0052】
即ち、切断手段3は、図10〜13に示すように、固定刃4と、回転アーム5と、回転刃60と、回転駆動モータ7と、フィン位置決め用ガイド部10を備えている。
【0053】
回転刃60は、回転アーム5の先端部に対し交換可能な状態に備えられていて固定刃4との間でフィン材1を切断する。
【0054】
この回転刃60は、図12、13に示すように、基端部が回転アーム5の先端部に2個のボルトB1の着脱により交換可能に取り付けられた取付基台部60aの先端部で回転アーム5の回転方向側縁部に、フィン材1の搬送下流側に傾斜面60bを有する刃部60cが設けられている。
【0055】
そして、図10に示すように、回転刃60側が回転アーム7の回転軸7aより下方へ向けて傾斜した回転位置でフィン材1の谷部12の底部を切断するように回転アーム7の回転軸7aの位置が固定刃4より高い位置に配置されている。
なお、切断時における回転アーム7の傾斜角度としては30°〜45°とするのが望ましい。
【0056】
また、回転刃60は、その刃部60cの刃先がフィン材1の谷部12の底部を所定の傾斜角度(切断時シャー角度)βをもって切断するようにフィン材1と刃部60cとの位置関係が設定されている。
この傾斜角度βは、図15に示すように、刃部60cの先端側が開く方向の傾斜となっている。なお、傾斜角度βは2°〜15°とするのが望ましい。
【0057】
また、フィン位置決め用ガイド部10は、図15に示すように、フィン材1の谷部12への進入に先立って谷部12の端部に進入して谷部12を通過することにより、回転刃60に対するフィン材1の谷部12の位置を位置決めする役目をなすものである。
【0058】
このため、フィン位置決め用ガイド部10は、図12、13にも示すように、回転アーム7の先端で回転方向側端部を刃部60cの刃先基部側より僅かに突出させた状態で設けられている。
そして、このフィン位置決め用ガイド部10は、フォン材1の谷部12への進入側に面取りされたR形状が形成されると共に、その板厚が回転刃60の板厚よりフィン材1の搬送方向上流側に突出する方向に厚く形成されることにより、回転刃60でルーバ13を傷つけるのを防止するようにしている。
【0059】
また、図14に示すように、固定刃4と切断された後のフィン材1の移送をガイドするフィンガイド21との間に形成される隙間W1が回転刃60の刃厚W2より広くフィン材1の山ピッチW3未満に設定されている。
【0060】
次に、この実施例2の作用・効果を説明する。
【0061】
この実施例2のコルゲートフィン切断装置では、上述のように構成されるため、図10の破線で示す回転アーム5の待機位置(フィン材1の位置から180°回転した位置)から、フィン材1の搬送速度に同期させて該回転アーム5を高速で一回転させる。
【0062】
すると、図15、16に示すように、回転刃60の刃部60cがフィン材1の谷部12内に進入する直前にフィン位置決め用ガイド部10が谷部12の端部に進入することにより、回転刃60がフィン材1の谷部12内に確実に進入し、その後フィン位置決め用ガイド部10が谷部12の端部を通過すると共に回転刃60の刃部60cが谷部12の底部を切断する。
【0063】
この実施例2のコルゲートフィン切断装置では、上述のように、切断手段3は、フィン材1の搬送中に、固定刃4と該固定刃4に対して一方向に相対回転する回転刃60との間でフィン材1の谷部12の底部を切断するようにしたことで、回転刃60は一方向に回転するだけであるため、切断手段3全体がフィン材1の搬送方向に往復移動する従来例におけるような慣性力が切断手段に作用することはない。
【0064】
従って、高速切断を可能としつつ、装置の耐久性を高めると共に、機構の軽量簡略化及び制御の簡略化によるコストダウンが可能になるという効果が得られる。
【0065】
また、回転刃60がその回転中心より下方へ向けて傾斜した回転位置でフィン材1の谷部12の底部を切断するように構成され、回転刃60の刃部60c付近にフィン材1の谷部12への進入に先立って谷部12の端部に進入して谷部12を通過するフィン位置決め用ガイド部10が備えられている構成としたことで、回転刃60をフィン材1の谷部12内に確実に進入させ、これにより、高速切断を可能としつつ切断位置精度を高めることができるようになる。
【0066】
また、フィン位置決め用ガイド部10は、フォン材1の谷部12への進入側に面取りされたR形状が形成されることにより、谷部12内にスムーズに進入させることができるようになる。
また、フィン位置決め用ガイド部10の板厚が回転刃60の板厚よりフィン材1の搬送方向上流側に突出する方向に厚く形成されることにより、回転刃60で誤ってルーバ13を傷つけるのを防止することができる。
【0067】
また、固定刃4と切断された後のフィン材1の移送をガイドするフィンガイド21との間に形成される隙間W1が回転刃60の刃厚W2より広くフィン材1の山ピッチW3未満に設定されることにより、以下のような効果が得られる。
即ち、回転刃60がフィン材1の谷部12の底部を切断するとき、回転刃60の刃厚でフィン材1を下側に変形させる力が作用するが、隙間W1を狭くすることで、図16に示すように、切断する谷部12の底部の一つ下流側の谷部12の底部がフィンガイド21に支えられた状態となるため、フィン材1の変形を防止することができるようになる。
【0068】
また、回転刃6は、回転アーム5に対し交換可能な状態に備えられることで、ランニングコストを低減することができる。
【0069】
以上本実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
【0070】
例えば、実施例1では、回転アーム5に回転刃6を1つだけ備えたが、図17、18に示すように、回転軸7aを中心として回転アーム5を一文字や十字状とし、回転刃6を複数備えるようにしてもよい。 なお、実施例2についても同様である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】実施例1のコルゲートフィン切断装置を示す正面図である。
【図2】実施例1のコルゲートフィン切断装置を示す側面図である。
【図3】一対の回転刃位置決め用案内ガイドを示す詳細図である。
【図4】回転刃を示す拡大図である。
【図5】回転刃の刃部を示す詳細図である。
【図6】図5のB矢視図である。
【図7】コルゲートフィンの切断状態を示す詳細図である。
【図8】コルゲートフィンの切断時を示す側面図である。
【図9】回転刃によるコルゲートフィンの切断状態を示す説明図である。
【図10】実施例2のコルゲートフィン切断装置を示す正面図である。
【図11】実施例2のコルゲートフィン切断装置を示す側面図である。
【図12】回転刃を示す拡大正面図である。
【図13】回転刃の刃部を示す拡大側面図である。
【図14】フィン材の切断状態を示す要部拡大側面図である。
【図15】回転刃によるコルゲートフィンの切断状態を示す正面図である。
【図16】回転刃によるコルゲートフィンの切断状態を示す側面図である。
【図17】実施例1における切断手段の他の実施例を示す正面図である。
【図18】実施例1における切断手段の他の実施例を示す正面図である。
【符号の説明】
【0072】
1 波状のフィン材
11 山部
12 谷部
13 ルーバ
2 搬送手段
2a 右捩れウォーム
2b 左捩れウォーム
21 フィンガイド
3 切断手段
4 固定刃
5 回転アーム
6 回転刃
60 回転刃
60a 取付基台部
60b 傾斜面
60c 刃部
61 取付基台部
61a 下端縁部
61b 摺接面
62 刃部
62a 傾斜面
63 突条
63a 案内テーパ
7 回転駆動モータ
7a 回転軸
8 一対の回転刃位置決め用案内ガイド
81 上流側のガイド片
81a テーパ面
82 下流側のガイド片
82a 基台
82b 圧縮バネ(付勢手段)
82c テーパ面
82d ローラ
9 ベース
10 フィン位置決め用ガイド部
B1 ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送手段により波状に加工されたフィン材を連続的に搬送すると共に該フィン材の山数と谷部の位置を規制し、搬送中の前記フィン材の谷部の底部を切断手段で切断するようにしたコルゲートフィン切断方法であって、
前記切断手段は、固定刃と該固定刃に対して一方向に相対回転する回転刃との間で前記フィン材の谷部の底部を切断するようにしたことを特徴とするコルゲートフィン切断方法。
【請求項2】
請求項1記載のコルゲートフィン切断方法において、
前記切断手段は、少なくとも前記フィン材の切断時に前記固定刃の近傍において前記回転刃の両面に摺接し、前記固定刃に対する回転刃の移動軌跡を確保しつつ前記フィン材を切断するようにしたことを特徴とするコルゲートフィン切断方法。
【請求項3】
請求項1記載のコルゲートフィン切断方法において、
前記回転刃がその回転中心より下方へ向けて傾斜した回転位置で前記フィン材の谷部の底部を切断するようにし、
前記回転刃の刃部付近に備えた位置決め用ガイド部を前記フィン材の谷部への進入に先立って谷部の端部に進入して谷部を通過させるようにしたことを特徴とするコルゲートフィン切断方法。
【請求項4】
搬送手段により波状に加工されたフィン材を連続的に搬送すると共に該フィン材の山数と谷部の位置を規制し、搬送中の前記フィン材の谷部の底部を切断手段で切断するようにしたコルゲートフィン切断装置であって、
前記切断手段は、固定刃と該固定刃に対し回転駆動手段により一方向に相対回転する回転刃との間で前記フィン材の谷部の底部を切断するように構成されていることを特徴とするコルゲートフィン切断装置。
【請求項5】
請求項4記載のコルゲートフィン切断装置において、
前記切断手段は、少なくとも前記フィン材の切断時に前記回転刃の両面にそれぞれ接触し、前記固定刃に対する回転刃の移動軌跡を確保する一対の回転刃位置決め用案内ガイドが前記固定刃の近傍に設けられていることを特徴とするコルゲートフィン切断装置。
【請求項6】
請求項5記載のコルゲートフィン切断装置において、
前記一対の回転刃位置決め用案内ガイドにおける前記フィン材の搬送上流側のガイド片が前記固定刃に固定状態で設けられ、
前記一対の回転刃位置決め用案内ガイドにおける前記フィン材の搬送下流側のガイド片に該ガイド片を前記フィン材の搬送上流側のガイド片方向へ向けて押圧付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とするコルゲートフィン切断装置。
【請求項7】
請求項5または6記載のコルゲートフィン切断装置において、
前記フィン材の幅方向両側部を除いてルーバが形成され、
前記回転刃における前記フィン材の搬送下流側の面に前記ルーバが形成されてない前記フィン材の幅方向両側部に当接して前記ルーバに対する前記回転刃の接触を回避する突条が形成されていることを特徴とするコルゲートフィン切断装置。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか1項に記載のコルゲートフィン切断装置において、
前記一対の回転刃位置決め用案内ガイドにおける前記フィン材の搬送下流側のガイド片の摺接面に回転ローラを備えていることを特徴とするコルゲートフィン切断装置。
【請求項9】
請求項4記載のコルゲートフィン切断装置において、
前記回転刃がその回転中心より下方へ向けて傾斜した回転位置で前記フィン材の谷部の底部を切断するように構成され、
前記回転刃の刃部付近に該は部の前記フィン材の谷部への進入に先立って谷部の端部に進入して谷部を通過するフィン位置決め用ガイド部が備えられていることを特徴とするコルゲートフィン切断装置。
【請求項10】
請求項9記載のコルゲートフィン切断装置において、
前記フィン位置決め用ガイド部は、前記フォン材の谷部への進入側に面取りされたR形状が形成されていることを特徴とするコルゲートフィン切断装置。
【請求項11】
請求項9または10記載のコルゲートフィン切断装置において、
前記回転刃の刃部の刃先が前記フィン材の谷部の底部を所定の傾斜角度をもって切断するように前記フィン材と刃部との位置関係が設定されていることを特徴とするコルゲートフィン切断装置。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか1項に記載のコルゲートフィン切断装置において、
前記固定刃と切断された後のフィン材の移送をガイドするフィンガイドとの間に形成される隙間が前記回転刃の刃厚より広く前記フィン材の山ピッチ未満に設定されていることを特徴とするコルゲートフィン切断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−220264(P2009−220264A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−109667(P2008−109667)
【出願日】平成20年4月19日(2008.4.19)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】