説明

コロナ帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】大気汚染を防ぐとともに電子写真方式の画像形成装置に用いた際には、感光体の変質を防ぎ、帯電装置直下濃度ムラや像流れの発生を抑制することが可能なコロナ帯電装置及びこれを備えたプロセスカートリッジ並びに画像形成装置を提供する。
【解決手段】一辺に開口部2cを有する断面長方形状の金属製のシールドケース2bの中央部に、コロナ放電電極2aがシールドケース2bの両端に配設された保持部2e、2fに係止、引張されている。開口部2c上には、バイアス電圧が印加されてコロナ放電電極2aからの放電電位を制御する格子状の帯電グリッド2dが開口部2cを被覆するように係止されている。帯電グリッド2dの表面は、ゼオライト粉体と導電剤を含む導電性の多孔質の架橋性樹脂被膜で被覆されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部を有するシールドケースと、当該シールドケース内に配設されたコロナ放電電極と、当該コロナ放電電極と前記開口部との間に配設される帯電グリッドとを有するコロナ帯電装置に係り、特に、画像形成装置の帯電装置として好適なコロナ帯電装置及びこれを備えたプロセスカートリッジ並びに画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の電子写真方式の画像形成装置においては、一様に帯電された像担持体である感光体上に画像データにより変調された書込光を照射して、感光体上に静電潜像を形成し、この静電潜像の形成された感光体に現像装置によりトナーを供給してトナー画像を感光体上に形成して現像する。続いて、画像形成装置は、この感光体上のトナー画像を転写部で転写紙、或いは中間転写体等の転写材に転写する。そして、転写紙にトナー像が転写された場合には、直接、又、中間転写体に転写した場合には、2次転写部で中間転写体上のトナー像を転写紙に転写した後、定着装置で転写紙上に転写したトナー像を加熱・加圧して定着させる。その後、感光体表面に残留したトナーをクリーニング装置のクリーニングブレードにより掻き取る等の方法により回収する。画像形成装置は、以上のような画像形成プロセスが取られる。
【0003】
この場合に、感光体表面を一様に帯電する帯電手段としてコロナ帯電装置が用いられる場合がある。コロナ帯電装置で使用されるコロナ放電は、不均一な電界中で行われる局所的な空気の絶縁破壊によって生じる持続的な放電である。一般には、微小径のワイヤをアルミなどのシールドケース中に引張し、そのシールドケースの一辺を開放したような構造をしており、その開放された領域からコロナイオンが放出される構成となっている。コロナワイヤに印加する電圧を増加していくと、ワイヤの周囲に局所的な強い電場が形成され、部分的な空気の絶縁破壊が起こり、放電が持続する。これがコロナ放電である。
【0004】
コロナ放電の放電形態は、印加電圧の極性により大きく左右される。正コロナ放電の場合は、コロナワイヤ面に均一な放電が形成される。負コロナ放電の場合は、ストリーマ放電が点在する形の放電形態となる。正コロナ放電は帯電の均一性がかなり良いが、負コロナでは放電ムラが発生するため、正コロナより劣る。また、放電による発生するオゾンの量は負コロナのほうが正コロナよりも一桁程度多く、環境に対する負荷も大きい。
【0005】
次に、コロナ帯電装置として広く知られているコロトロン型コロナ帯電装置とスコロトロン型コロナ帯電装置について、図9及び図10に基づいて説明する。
【0006】
<コロナ帯電装置とその特徴>
(1)コロトロン型コロナ帯電装置
コロトロン型コロナ帯電装置2Aの概略構成とそれを用いた場合の帯電状態について図9に示す。図9(a)は、コロトロン型コロナ帯電装置の概略構成を示し、帯電装置2Aは直径50〜100umのタングステンワイヤ(コロナワイヤ)2aを1cm程度離して金属シールドケース2bでシールドした構成である。シールドケース2bの開口面2cを感光体1に対向して配置した状態で、コロナワイヤ2aに5〜10kVの高電圧を印加し、これによって発生した正または負イオンを感光体1の表面1aに移動させて帯電する。図9(b)は、帯電装置2Aの帯電時間と感光体1の表面電位との関係を示すグラフで、図9(b)に示すようにコロトロン型コロナ帯電装置2Aは一定量の電荷発生を行うので、感光体1の表面1aを均一に一定電位に帯電するまでに比較的長時間を要する。従って、感光体1の表面を短時間で一定電位にする帯電装置としては必ずしも得意ではない。しかし、構造が簡単であり、安価であるという利点がある。そのため、一定電荷を転写紙に与えることを目的とする転写用の帯電装置としては特に有効である。
【0007】
(2)スコロトロン型コロナ帯電装置
スコロトロン型コロナ帯電装置2Bは、感光体表面1aの帯電電位のムラを少なくするために考案されたものである。図10(a)は、コロトロン型コロナ帯電装置の概略構成を示し、帯電装置2Bは直径50〜100umのタングステンワイヤ2aを1cm程度離して金属シールドケース2bでシールドしている。さらに、図10(a)に示すように、コロトロンの開口面2cに数本のワイヤ或いはメッシュをグリッド電極2dとして配置した構成である。このスコロトロン型帯電装置の開口面2cを感光体1に対向させ、グリッド電極2dにバイアス電圧を印加する。
【0008】
スコロトロン型コロナ帯電装置2Bの帯電特性を図10(b)に示す。スコロトロン型コロナ帯電装置2の特徴は帯電時間が長くなってもグリッド電極に印加された電圧によって帯電電位が規制され、表面電位が飽和することである。この飽和値はグリッド印加電圧により制御できる。従って、比較的短時間で感光体14の表面を安定して所望の表面電位にすることができる利点を有する。しかし、スコロトロン型コロナ帯電装置2Bは、コロトロン型2Aに比べて構造が複雑で帯電効率も劣るが、帯電電位の均一性に優れ、広く使用される。電子写真方式の画像形成装置におけるグリッド電極2dは帯電グリッドと呼ばれる。
【0009】
このようなコロナ帯電装置を、画像形成装置の感光体の表面を一様に帯電する帯電手段として使用すると、放電による空気中の物質が反応して窒素酸化物等の放電生成物と呼ばれる物質が生成されることが知られている。このような放電生成物は、画像形成時に画像品質にも悪影響を与えることがあり、長時間放電後の放置によるコロナ帯電装置の直下の感光体において濃度ムラを発生する場合がある。このようなコロナ帯電装置で発生する窒素酸化物等による感光体表面の変質は、異常画像を生じる要因である。特にスコロトロン型コロナ帯電装置においては、長期に渡って使用されることでグリッド電極上に蓄積された放電生成物が、感光体上に降り注ぎ、感光体表面の変質を促進するという問題を有しており、放電生成物に起因する、異常画像の抑制に対し解決手段として様々な検討がなされてきた。
【0010】
特許文献1では、コロナ帯電装置をSUS材質の帯電グリッドにグラファイト粒子、ニッケル粒子、アルミニウム化合物粒子と有機樹脂バインダを含有する導電性塗料を塗布したもので構成し、放電生成物による帯電グリッドの腐食を抑止し、また、生成された放電生成物を導電性被膜が吸収することで感光体の汚染を抑制している。この方式では、被膜中の導電性微粒子が放電生成物を吸収する作用を利用しているが、吸収可能な量は粒子の吸着サイトの数で決まってしまうため、経時での使用によって吸着サイトが埋もれるのが早く、効果が薄れてしまう問題がある。
【0011】
また、特許文献2では、コロナ帯電装置の開口部に微細に区画された連通開口を設け、その連通開口内面にオゾン吸着粒子層を形成することによりオゾンの拡散を抑制している。オゾン吸着粒子にはゼオライト粉体および活性炭が用いられている。この発明によるとオゾンの拡散を抑制することは可能であるが、連通開口に形成されるオゾン吸着粒子層は、非導電性のため、コロナ帯電装置による感光体の帯電が不安定となる問題がある。
【0012】
また、特許文献3では、感光体表面に付着した放電生成物を吸着する生成物除去手段に加え、感光体表面に放電生成物を付着させ難くする生成物付着防止手段と、感光体表面に付着した放電生成物が低抵抗化するのを防止する低抵抗化防止手段と、被帯電体表面近傍での放電生成物の発生量を少なくする生成物発生防止手段のうちの少なくとも1つを設けた構成となっており、その一例として、ゼオライト粉体等の吸着剤からなる生成物吸着手段を感光体とコロナ帯電装置の間に配置させる例が提示されている。この例示のものでは、前記生成物吸着手段は、非導電性であり、吸着剤を感光体とコロナ帯電装置との間に配置させると感光体の帯電が不安定となる問題を招く。
【0013】
【特許文献1】特開2005−227470号公報
【特許文献2】実開昭62−089660号公報
【特許文献3】特開2003−43894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、以上の事情に鑑み、大気汚染を防ぐとともに電子写真方式の画像形成装置に用いた際には、感光体の変質を防ぎ、帯電装置直下濃度ムラや像流れの発生を抑制することが可能なコロナ帯電装置及びこれを備えたプロセスカートリッジ並びに画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、開口部を有するシールドケースと、当該シールドケース内に配設されたコロナ放電電極と、当該コロナ放電電極と前記開口部との間に配設される帯電グリッドとを有するコロナ帯電装置において、前記帯電グリッドの表面に、少なくともゼオライト粉体と導電剤とを含む導電性の多孔質の架橋性樹脂被膜を被着させたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項2の発明は、請求項1記載のコロナ帯電装置において、前記多孔質の架橋性樹脂被膜は、架橋性の重合性モノマーバインダと相分離剤を混合し、前記重合性モノマーバインダを架橋させて樹脂被膜を形成後、当該樹脂被膜から相分離剤を除去させることによって形成された多孔質の架橋性樹脂膜であることを特徴とする。
【0017】
また、請求項3の発明は、請求項2記載のコロナ帯電装置において、前記重合性モノマーバインダが多官能のラジカル重合性化合物であることを特徴とする。
【0018】
また、請求項4発明は、請求項2又3記載のコロナ帯電装置において、前記相分離剤が前記重合性モノマーに非相溶性のポリマーであることを特徴とする。
【0019】
また、請求項5の発明は、請求項2乃至4のいずれか1項記載のコロナ帯電装置において、前記重合性モノマーバインダの架橋手段が紫外線照射であることを特徴とする。
【0020】
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載のコロナ帯電装置において、前記樹脂被膜中の樹脂の含有比率が、樹脂被膜100重量部に対して、10〜60重量部であることを特徴とする。
【0021】
また、請求項7の発明は、表面に静電潜像が形成される像担持体と、少なくとも当該像担持体の表面を一様に帯電させるコロナ帯電装置とを一体に連結して画像形成装置本体に脱着可能に設置されるプロセスカートリッジにおいて、前記コロナ帯電装置は、請求項1乃至6のいずれか1項記載のコロナ帯電装置であることを特徴とする。
【0022】
また、請求項8の発明は、表面に静電潜像が形成される像担持体と、少なくとも当該像担持体の表面を一様に帯電させるコロナ帯電装置とを備えた画像形成装置において、前記コロナ帯電装置は、請求項1乃至6のいずれか1項記載のコロナ帯電装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、帯電グリッドの表面に、少なくともゼオライト粉体粉体と導電剤とを含む導電性の多孔質の架橋性樹脂被膜を被着させたことによって、大気汚染を防ぐとともに電子写真方式の画像形成装置に用いた際には、感光体の変質を防ぎ、帯電装置直下濃度ムラや像流れの発生を抑制することが可能なコロナ帯電装置及びこれを備えたプロセスカートリッジ並びに画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明による一実施形態に係る電子写真方式の画像形成装置の概略構成を示す模式図である。本実施形態に係る画像形成装置は、像担持体であるドラム状の感光体1を中心としてその周囲に、感光体1の表面の後述する感光層を一様に帯電するコロナ帯電装置2、感光体1の感光層に画像データにより変調された書き込み光Lを照射して、静電潜像を形成する露光装置3、当該露光装置3によって形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像を感光体1の表面に形成する現像装置4を備えている。さらに、画像形成装置は、図示しない給紙装置から1枚ずつ搬送される転写紙Pに感光体1の表面に形成されたトナー像を転写する転写装置5、転写紙Pにトナー像を転写後に感光体1の表面に残存するトナーを感光体1の表面から除去するクリーニング装置6及び、クリーニング後に残存する感光体1の表面電荷を除電する除電装置7を備えている。
【0026】
また、画像形成装置は、図示しない給紙装置から1枚ずつ搬送される転写紙Pの搬送を停止し、所定のタイミングで転写紙Pを転写装置5と感光体1との間に搬送するレジストローラ8と、転写装置5で転写紙P上に転写されたトナー像を加熱、加圧して、転写紙P上にトナー像を定着する定着装置9とを備えている。
【0027】
このような画像形成装置によって転写紙P上に画像形成する方法について説明する。先ず、最初に、コロナ帯電装置2により感光体1の表面電位が(±)600〜1400Vになるように電荷を付与して感光体1の表面を一様に帯電する。このような電荷の付与(荷電)が行われた後、露光装置3により潜像形成が行われる。アナログ複写機の場合、露光ランプで照射された原稿像がミラーにより逆像の形で感光体1に可視光投影され結像されるが、デジタル複写機の場合にはCCD(電荷結合素子)で読み取られた原稿像はデジタル信号に変換されて、波長400〜780nmの光を発光するLDやLEDによって感光体上に結像される。従って、アナログとデジタルの波長域は異なる。結像によって後述する感光体1の感光層では電荷分離が行われ、感光体1に静電潜像が形成される。
【0028】
原稿に応じた静電潜像の形成が行われた感光体1は、現像装置4で現像剤により現像が行われ、原稿像は顕像化(トナー像)される。次に、感光体1上のトナー像は転写装置5に電圧を印加することにより転写紙Pに転写される。転写で印加される電圧は感光体1に流れる電流が一定となるよう定電流制御となっている。一方、感光体1は、転写後、クリーニングブラシ6a及び弾性ゴムクリーニングブレード6bを有するクリーニング装置6でトナー像が転写された後に感光体1上に残存ずるトナーが清掃され清浄化される。クリーニング後の感光体1にはトナー像を形成したあとの潜像(原稿像)が多少なりとも保持されているため、消去し均一化するために除電装置(一般に赤色光が使用される)7で除電された後、次の複写プロセスが繰り返される。
【0029】
上記、本実施形態に係る画像形成装置においては、感光体1と、コロナ帯電装置2、現像装置4、クリーニング装置6及び除電装置7を一体に連結し、画像形成装置本体に脱着可能に取り付けられたプロセスカートリッジを構成している。従って、このプロセスカートリッジを画像形成装置本体から引き出せば、これらの装置の保守、点検及び交換を容易且つ確実に行うことが可能となっている。コロナ帯電装置2、現像装置4、クリーニング装置6及び除電装置7は、それぞれ独立して画像形成装置本体に組み込んでも良いが、上記のように、プロセスカートリッジとする場合には、これらの装置の保守、点検及び交換を容易且つ確実に行うことが可能となるので好ましい。この場合に、プロセスカートリッジとしては、少なくとも感光体1とコロナ帯電装置2とを一体に連結したプロセスカートリッジであれば充分である。
【0030】
次に、コロナ帯電装置を使用した場合の問題点について説明する。
【0031】
[放電生成物が引き起こす課題]
<環境への影響>
負のコロナ放電を行うコロナ帯電装置を用いた場合、放電により空気中の物質が反応し、放電生成物と呼ばれる物質が生成されることが知られている。その中には酸素が酸化されたオゾン(O)や、オゾンによって窒素が酸化された一酸化窒素(NO)および二酸化窒素(NO)等の窒素酸化物(NOx)が含まれている。オゾンは0.1ppm程度で臭気を感じ、呼吸器系に悪影響を与える物質である。窒素酸化物は、その中でも二酸化窒素(NO)は、人の呼吸器に悪影響を与えるため、環境基準で一時間値の一日平均値が0.04〜0.06ppm以下と定められている。その上、窒素酸化物は、紫外線による光化学反応で光化学オキシダント(O)という物質に変化し、この物質も0.06ppm以下と環境基準が定められている。放電によるそれぞれの発生量は、オゾンが数10ppm、窒素酸化物が数ppmであり、現状の電子写真方式の画像形成装置においては活性炭等のフィルターを用いて装置外への排出量を削減している。
【0032】
<印刷品質に関わる影響>
(雨だれ状ムラ)
コロナ放電を行うスコロトロン帯電装置を用いた画像形成装置では、出力画像に雨だれ状のムラが発生することがある。これは、帯電装置による感光体の帯電において、小さな範囲で帯電量に大きなムラが存在することによるものである。このムラが生じるのは例えば帯電ワイヤに付着したトナーやその添加剤であるシリカや放電生成物の局部的な付着による放電不良や、帯電グリッドに同様の電気抵抗の高い物質が付着し、放電され発生した電荷がグリッドを流れず感光体への移動量が増加した、または静電容量が高くなった帯電グリッド自体が帯電し、帯電グリッドに印加した電圧以上に感光体表面電位が局所的に上がってしまうことが考えられる。
【0033】
(コロナ帯電装置直下濃度ムラ)
コロナ帯電装置から発生する放電生成物により起こる課題としてはまず長時間放電後の放置によるコロナ帯電装置直下濃度ムラがある。これは作像動作中の放電時に発生し、コロナ帯電装置の内壁に付着した放電生成物が、画像形成装置が停止している間に徐々に被帯電体である感光体を汚染し、コロナ帯電装置直下部とそれ以外の部分での表面電位に差が生じ、結果として画像濃度ムラが発生するという現象である。この現象は20%RH程度の低湿環境下でより顕著に発生し、常温常湿環境下に置かれることで次第に回復する。感光体表面が放電生成物と可逆的に反応し、静電容量が増大または抵抗が低下しているために電位差が生じることが確認されている。いずれの感光体においても発生が確認されているが、特に保護層として表面に架橋性の硬化膜を設けた感光体での発生が顕著である。
【0034】
図2(a)は、コロナ帯電装置直下濃度ムラが生じた場合の画像の様子を示す図であり、図2(b)は、該画像に対応する感光体表面電位を示す図である。この図2(a)から明らかなように、転写紙Pの搬送方向(通紙方向)において、所定間隔で画像濃度が異なるライン状の異常画像APが発生し、図2(b)に示すように、この異常画像が発生した個所の感光体1の表面電位が上昇した凹部Xが発生していることが理解される。
【0035】
(画像流れ[画像ボケ])
複写機などの電子写真法を使用した画像形成装置では、放電を伴う帯電方式を使用している限り大なり小なり画像流れ(又は像流れ、画像ボケなど)による解像度低下が生じる。画像流れは、紙粉付着や使用環境にも依存するが、主たる要因は放電生成物であり、画像流れから解放されるためには、オゾン、NOx等を排出しない帯電方法(注入帯電法でも画像流れ有り)を行わない限り現在では不可能に近い。前記要因で起こる画像流れは、感光体表面を必要最小限に研磨して感光体表面に付着した画像流れの原因物質である放電生成物を除去したり、研磨できない場合には感光体を加熱することによって改善する事が出来るが、感光体の寿命の低下、電力やスペース、制御手段などが課題となる。感光体表面を積極的に削ることで画像ボケの発生を抑制されることから、像流れの抑制には表面に付着した放電生成物を除去する必要があるが、近年開発が進められている高耐久感光体では磨耗量が少ないため、原因物質の除去が困難である。画像流れを改善するためには状況に応じた手を打つ必要が有るが、それには画像流れの状況を把握して、適切な手段を行う事によって解決を図る事が重要である。
【0036】
放電生成物は、最初、点状(しみ状)に付着し、次第に全面に拡張してゆく。付着しても初期には画像流れは起こらないが、除去されないと次第に付着面積が広がり、感光体表面には吸湿性の低抵抗層が形成される。画像流れ(又は画像ボケ)現象は、画像形成中の電荷が感光体表面もしくはその近傍で拡散して正常な静電潜像が形成されず、エッジが不鮮明でぼやけた画像になる現象である。すなわち、静電潜像が形成される際に、感光体表層又は層中に低抵抗層が有るとその領域で電荷の歪みが生じ、静電潜像が乱される事によって起こる現象である。図3に画像流れ現象を説明する模式図を示す。
【0037】
感光体表層にマイナス帯電後、画像露光を行うと電荷発生層中で正孔−電子対が形成され、電子(−)は導電性支持体側へ、正孔(+)は表層のマイナス電荷に向かって移動するが、移動の途中で低抵抗層が有ると正孔は表面層まで直進せず横方向にリークするか、表層が低抵抗化している場合には自由表面上で横方向へ移動する。したがって、電荷の拡散、散逸が起こり正常な静電潜像が形成され難くなる。抵抗値の変化が少ないほど電荷の移動が抑えられる為、解像度低下は小さい。抵抗値の変化が大きく、体積抵抗率が1012Ω・cm以下になると解像度が崩れ明らかな画像流れとなり、最終的には全く画像を消失する。この時、電位的には矩形波の電位パターン(点線)とならず、図3に示すように、なまった電位パターンとなり、帯電々位の低下、画像部電位の上昇が起こり、コントラスト電位の低い電位パターン(実線)を示す。これらの現象は時間経過と共に悪くなり、また湿度の上昇と共に悪化傾向にある。すなわち、高解像度画像を形成するためには、少なくとも感光体の体積抵抗率は1013(Ω・cm)オーダー以上、表面抵抗率は1015(Ω・cm)オーダー以上であることが必要である。
【0038】
(コロナ帯電装置直下の課題)
機外に排出する放電生成物を削減するには排出までの経路にフィルター等に担持させた形態で効果を発揮するが、放電生成物により最も汚染されるのはコロナ帯電装置直下にある被帯電体(感光体)であり、コロナ帯電装置と被帯電体間は安定した帯電が行われるために1〜2mm程度の一定間隔を設けて固定されていることが多い。そのため放電生成物による被帯電体の汚染を抑制するためには、放電後コロナ帯電装置と被帯電体間に遮蔽物を入れる、またはコロナ帯電装置および被帯電体を移動させるといった複雑な機構が必要である。本発明ではゼオライト粉体を帯電グリッドに保持することで上記機構の必要無しに被帯電体汚染の抑制を目的としている。
【0039】
(ゼオライト粉体を帯電グリッドに保持する際の課題)
前述のように、コロナ帯電装置はコロナ放電時に、放電生成物を発生し、そのうちOやNOx等の反応性ガスは、経時での使用において、帯電グリッドにゼオライト粉体を含む樹脂材料が塗工してあるものでは、樹脂材料の劣化を進行させる。それにより、帯電グリッド上のゼオライト粉体の剥離が発生し、放電生成物の除去ができなくなる問題を有していた。
【0040】
このような問題に対応するために、コロナ帯電装置として、スコロトロン型コロナ帯電装置を使用し、このスコロトロン型コロナ帯電装置の帯電グリッド上にゼオライト粉体と導電剤とを含む導電性の多孔質の架橋性樹脂皮膜を形成したものである。図4は、本発明による一実施形態に係るスコロトロン型コロナ帯電装置の斜視図である。図5は、図4のA−A線上で切断した断面図である。図6は、図5のY部の拡大断面図である。
【0041】
本実施形態に係るスコロトロン型コロナ帯電装置2Bは、図4及び図5に示すように、一辺に開口部2cを有する断面長方形状の金属製のシールドケース2bの中央部に、直径50μm〜100μmのタングステンワイヤからなるコロナ放電電極2aがシールドケース2bの両端に配設された保持部2e、2fに係止、引張されている。そして、開口部2c上には、バイアス電圧が印加されてコロナ放電電極2aからの放電電位を制御する格子状の帯電グリッド2dが開口部2cを被覆するように係止部2g及び2h1で取り付け係止されている。さらに、帯電グリッド2dには、図6に示すように、後述するゼオライト粉体と導電剤を含む導電性の多孔質の架橋性樹脂被膜2iが被着され、グリッド電極2d1が被覆されている。このコロナ帯電装置2Bでは、図示しない電極からコロナ放電電極2aに高圧電圧が印加されてコロナ放電電極2aからコロナ放電が発生し、開口部2cと対向して配設される被帯電体、例えば、感光体1の表面を帯電する。この場合に、帯電グリッド2dに電極2hからバイアス電圧が印加され、所定の電位となるように被帯電体の表面電位が制御される。
【0042】
[コロナ帯電装置の帯電グリッド]
<帯電グリッド基材>
コロナ帯電装置2Bの制御電極である帯電グリッド2dの基材としては、従来使用されているものを用いることができる。帯電グリッド2dの材質としては、電極として機能するため導電体である金属が用いられる。電極としての機能としては、金属であるアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属のほとんどが使用できる。しかし、帯電装置2Bは、コロナ放電により発生するオゾンやNOx等に曝露されるため、耐蝕性の高い金属が好ましく、クロムやニッケルを含んだステンレス等が用いられている。形状としてはコロナ放電で発生した電荷を感光体1上へ移動させ、かつ制御電極としての機能を有する必要性から金属薄板にパンチング、エッチング等により開口部を設けたもの、または金属ワイヤを並べたものが通常用いられる。今回用いた制御電極用の基材としては、厚さ0.1mm、長さ285mm、幅40mmのSUS304製板を用い、開口部2cの長さ250mm、幅36mm部分に0.1mmの格子を45度の角度で0.5mm間隔で配したものを用いた。
【0043】
<帯電グリッド塗工膜について>
(ゼオライト粉体)
本発明では放電生成物除去にゼオライト粉体を利用している。ゼオライト粉体は水晶のような結晶で、主にアルミニウムとケイ素から構成されている。結晶は非常に小さく、目視では形や大きさを見ることはできない。拡大して見ると、細孔と呼ばれる孔が多く存在することが確認できる。この独自の構造を持つゼオライト粉体は、今まで自然界に40種類以上発見されている。下記のような吸着・分解機能に代表されるゼオライト粉体の特徴をさらに活かすため、工業的に作られたものを合成ゼオライト粉体と呼ぶ。合成ゼオライト粉体は、能力が高く天然ゼオライト粉体にはない種類のものが多数存在するが、コストが高いことが欠点である。第3のゼオライト粉体として登場したのが人工ゼオライト粉体である。石炭灰などの廃棄物と考えられていた物質を処理することで、地球と人類に有益なゼオライト粉体に変える。しかも低コストであるため、現在、大きな注目を集めている材料である。
【0044】
・吸着機能
ゼオライト粉体は様々なものを吸着する働きがあり、そのメカニズムは脱臭剤や乾燥剤と類似している。この機能を活かすことで、有害物質の吸着や悪臭の除去が可能である。
・陽イオン交換機能
ゼオライト粉体は天然ゼオライト粉体の約2〜3倍という高い陽イオン交換機能を持っており、この機能を活かすことで、酸性を中和する土壌改良や汚水・排水中のアンモニウムイオンの除去などが可能である。
・触媒機能
ゼオライト粉体には触媒としての機能があり、この機能を利用して、窒素酸化物(NOx)の分解等が研究されている。
【0045】
本発明に用いられるゼオライト粉体の種類は問わないが、ゼオライト粉体は結晶形と陽イオンの種類により細孔の大きさが変化するため吸着できる分子が異なる。そのため目的物質により結晶形と陽イオン種を選択すると効果的な除去が可能である。結晶形にはA型・X型・Y型・L型・モルデナイト型・フェリエライト型・ZSM−5型・ベータ型などがあり、陽イオン種にはカリウム・ナトリウム・カルシウム・アンモニウム・水素などがある。また、ゼオライト粉体を構成するアルミニウムとケイ素の比率により吸着能や触媒能は変化し、最適な比率とすることで目的物質の除去が効率的に行うことができる。ゼオライト粉体の含有量としては、少なくともゼオライト粉体と導電剤とを含む導電性の多孔質の架橋性樹脂被膜の全重量に対して、30〜70質量%、より好ましくは、40〜60質量%の範囲が好ましい。ゼオライト粉体の含有量が30質量%よりも少ない場合には、放電生成物の除去能力が不十分となる場合がある。一方、70質量%を越える場合には、帯電グリッド2dの抵抗値が高くなり過ぎるために表面電位の制御能力が不足し、均一な帯電ができない場合がある。
【0046】
(バインダ樹脂)
ゼオライト粉体および導電剤を帯電グリッド2d上に保持するためにはバインダ樹脂が必要となる。本発明ではバインダ樹脂が、多孔質の樹脂被膜であることを特徴としている。バインダ樹脂被膜を多孔質膜とすることで、樹脂被膜中に分散するゼオライト粉体の表面積が増大し、吸着サイトが多くなるため、放電生成物の除却能力が向上する。多孔質のバインダ樹脂被膜は架橋性の重合性モノマーと相分離剤を混合し、重合性モノマーを架橋させて樹脂被膜を形成後、樹脂被膜から相分離剤を除去することにより形成することができる。重合性モノマーと相分離剤を混合し架橋した樹脂被膜は、ミクロ的な相分離が生じるため、重合性モノマーが重合した樹脂被膜中に相分離剤が点在した被膜となる。このような状態の架橋樹脂被膜から相分離剤を取り除くことにより多孔質の架橋性樹脂被膜が形成される。相分離剤は重合性モノマーに非相溶のポリマーや重合性モノマーの貧溶媒などが使用される。重合性モノマーの架橋手段としては、熱もしくは紫外線照射による架橋方法が挙げられるが、紫外線照射による硬化反応は硬化速度が速く、より細かな細孔を形成できるため好ましい。
【0047】
この場合、少なくともゼオライト粉体と導電剤とを含む導電性の多孔質の架橋性樹脂被膜中のバインダ樹脂の含有量は、少なくともゼオライト粉体と導電剤とを含む導電性の多孔質の架橋性樹脂被膜100重量部に対して、10重量部〜60重量部が好適である。樹脂の含有量が10重量部未満であると、ゼオライト粉体や導電剤を帯電グリッド2dに保持することが困難となり、長期間の使用において、帯電グリッドの良好な機能を維持することが困難となる場合がある。一方、樹脂の含有量が60重量部を超えると、ゼオライト粉体や導電剤の含有量が不足して、長期間の使用において高い信頼性を維持することが困難となる。
【0048】
重合性モノマーはいかなるものでも構わないが、硬化速度を速くするため、多官能のものが好ましく、3官能以上のものがより好ましい。以下に重合性モノマーの例を示したが、これらの化合物に限定されるものではない。重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、EO変性(エチレンオキシ変性)トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性(プロピレンオキシ変性)トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、などが挙げられる。これらは、単独又は2種類以上を併用しても構わない。
【0049】
相分離剤としては重合性モノマーに非相溶のポリマーや重合性モノマーの貧溶媒などが用いられる。相分離剤としてポリマーとしての熱可塑性のものが使用される。以下のものが例示されるが、これらのポリマーに限定されるものではない。例えば、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、などが挙げられる。これらは2種類以上を混合して用いても良い。相分離剤として重合性モノマーの貧溶媒が使用される場合、重合性モノマーにより適切な溶媒を選択する必要がある。貧溶媒としては主に水や水溶性有機溶媒などが用いられる。相分離剤の含有量によりバインダ樹脂の多孔質性は異なり、相分離剤が多いほど多孔質になる。そのため相分離剤は多い方が放電生成物の除去能力は向上するが、ゼオライト粉体や抵抗制御剤が剥がれやすくなる。本発明では放電生成物除去能力と膜の耐久性の兼ね合いから、相分離剤の含有量は重合性モノマーに対し、5〜150重量%、好ましくは20〜100重量%である。
【0050】
また、必要に応じてこの架橋反応を効率よく進行させるために該溶媒溶液組成物中に重合開始剤(例えば熱重合開始剤や光重合開始剤)を使用してもよい。熱重合開始剤としては、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルベルオキサイド、t−ブチルヒドロベルオキサイド、クメンヒドロベルオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草酸などのアゾ系開始剤が挙げられる。
【0051】
光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、などのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、などのベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン、などのベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、などのチオキサントン系光重合開始剤、その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物、が挙げられる。これらの重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、重合性モノマー100重量部に対し、0.5〜40重量部、好ましくは1〜20重量部である。
【0052】
塗工液の溶媒は、重合性モノマーと相分離剤が溶解する溶媒であればいかなるものでもよい。例として以下のものが例示されるが、これらの溶媒に限定されるものではない。例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテルなどのエーテル系、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ系などが挙げられる。これらの溶媒は単独または2種以上を混合して用いてもよい。塗工液の固形分濃度は塗工方法により自由に選択できるが、5〜40重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。
【0053】
(導電剤)
ワイヤ又は金属板の加工品からなる帯電グリッド2dの基材は本来導電性を有するが、ゼオライト粉体とバインダ樹脂に覆われるため電気抵抗が大きくなり、表面電位制御の役割を果たさない。そのため導電性を付与させる目的で、導電剤をバインダ樹脂中に分散させている。ここで導電剤には、グラファイト、ニッケル、銅、銀等の金属微粒子の類やアンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ、アンチモン酸亜鉛等の金属酸化物の類や活性炭といった導電性の粒子を用いることができる。導電剤の含有量としては、樹脂被膜の全重量に対して10〜50質量%、より好ましくは、20〜40質量%の範囲で良好に用いることができる。導電剤の含有量が10質量%未満の場合は、帯電グリッド2dの抵抗値を充分に低く制御することが困難となり、表面電位の制御を充分に行うことが困難となる。一方、導電剤の含有量が50質量%を越える場合には、含有するゼオライト粉体の量が不足し、放電生成物の除去能力が不十分となる場合がある。
【0054】
帯電グリッドは使用中常に放電下に置かれるため、用いる材料は放電に対する耐久性が求められ、グラファイトやニッケル等の金属、および酸化スズ、アンチモン酸亜鉛のような非ドーピング型金属酸化物が経時使用および環境変動に対して安定しており好ましい。また、導電剤は含有率が少ないほど、他の機能である膜の密着性や放電生成物除去機能を阻害しないため、粒子自体の導電性は高く、粒径は小さいほうが好ましい。本発明では粒径0.01mm〜15mmの範囲の導電性微粒子を使用した。また導電性を示すバインダ樹脂も導電剤として用いることができる。場合により2種類の導電剤を用いることもできる。
【0055】
(帯電グリッドへの塗工法)
塗工液は、まずバインダ樹脂を溶媒に対して比率5〜10wt%程度となるように作成し、攪拌している中にゼオライト粉体粒子および導電剤を加えることにより作成した。スプレー塗工の際には塗工液固形分濃度は30wt%以下とした。作成した液を帯電グリッドへ塗工する方法としては、ディッピング方式、ローラ塗工、電気泳動電着法等があるが、今回最も塗工ムラの少ないスプレー方式を用いた。帯電グリッドを長軸方向両端からテンションを張り直径30mmの円筒状の基材の長手方向に設置し、円筒を周方向に170rpmの速度で回転させているところを水平方向にスプレーを10mm/sec.の速度で走査させることにより塗工を行った。両面を塗工するために3mm程度基材から浮かせて帯電グリッドを設置した。塗布膜は最終的な膜厚が10〜100μm、好ましくは30〜70μmとなるように、表裏面に塗工するのが好ましい。
【0056】
(塗布膜の架橋方法)
スプレー塗工後は塗布膜を熱または紫外線照射により架橋させる。熱により架橋を行う場合、スプレー塗工により塗布した帯電グリッドを80〜200℃で10分〜60分程度加熱することにより架橋させる。紫外線照射により架橋を行う場合、スプレー塗工により塗布した帯電グリッドに紫外線を照射させることによって架橋を行う。紫外線ランプとしては高圧水銀灯やメタルハライドランプなどが利用できるが、重合性モノマーや光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。照射光量は500mW/cm以上、好ましくは1000mW/cm以上である。1000mW/cmより強い照度の照射光を用いることで、重合反応の進行速度が大幅に大きくなり、良好な多孔質膜を形成することが可能となる。照射時間は10秒から5分が好ましく、10秒から60秒がより好ましい。
【0057】
熱または紫外線照射により架橋した後は、架橋樹脂膜中にある相分離剤の除去を行う。相分離剤としてポリマーを使用している場合には、架橋後、ポリマーの良溶媒に浸し、ポリマーを溶解させることで取り除くことができる。ポリマー溶解後は乾燥により残留溶媒の除去を行う。相分離剤として貧溶媒を使用している場合には、加熱乾燥などにより貧溶媒を除去する。以上のようにして、帯電グリッドに導電性の多孔質の架橋性樹脂被膜を被着させたコロナ帯電装置を調製した。
【0058】
また、本発明において好適に使用される像担持体としての感光体としては、次のような構成のものが好適である。
【0059】
[感光体の構成]
次に、本発明による一実施形態に係る画像形成装置で使用される電子写真感光体の部分について図面に基づいて説明する。図7は、本発明で用いる一実施形態に係る電子写真感光体を表わす断面図である。図7は、導電性支持体31上に、中間層33、電荷発生機能を有する電荷発生層35と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層37が積層された積層構造の感光体の断面構造を示している。図8は、本発明で用いる他の実施形態に係る電子写真感光体を表わす断面図である。図8は図7で示す感光体の電荷輸送層37上に保護層39が積層された感光体の断面構造を示している。
【0060】
<導電性支持体について>
導電性支持体31としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭58−86547号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体31として用いることができる。この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、導電性支持体31として用いることができる。
【0061】
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
【0062】
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、導電性支持体31として良好に用いることができる。
【0063】
<中間層について>
導電性支持体31上から感光層への電荷注入の防止や、干渉縞防止の目的のために設けることができる中間層33の構成は、結着樹脂や結着樹脂中に粒子を分散したものが用いられ、結着樹脂としてはポリビニルアルコール、ニトロセルロース、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂、ポリウレタン、アルキッド−メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂などを利用することができる。中間層に分散させる粒子としては酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、シリカ及びそれらの表面処理品が用いられ、酸化チタンが分散性、電気的特性においてより好ましく、ルチル型とアナターゼ型いずれのものも用いることが可能である。中間層を形成するには、例えば上述の結着樹脂を有機溶剤中に溶解し、その溶液中に上述の粒子をボールミル、サンドミル等の手段で分散し、支持体上に塗布、乾燥すれば良い。中間層33の厚みは10μm以下、好ましくは0.1〜6μmである。
【0064】
<感光層について>
(電荷発生層)
電荷発生層35は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダ樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
【0065】
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
【0066】
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0067】
電荷発生層35に必要に応じて用いられるバインダ樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。これらのバインダ樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また、電荷発生層のバインダ樹脂として上述のバインダ樹脂の他に、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質、例えば、アリールアミン骨格やベンジジン骨格やヒドラゾン骨格やカルバゾール骨格やスチルベン骨格やピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料やポリシラン骨格を有する高分子材料等を用いることができる。
【0068】
また、電荷発生層35には低分子電荷輸送物質を含有させることができる。電荷発生層35に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0069】
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。正孔輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0070】
電荷発生層35を形成する方法には、真空薄膜作製法や溶液分散系からのキャスティング法等が挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
【0071】
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダ樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行うことができる。以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
【0072】
(電荷輸送層)
電荷輸送層37は電荷輸送機能を有する層で、電荷輸送機能を有する電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層35上に塗布、乾燥することにより形成させる。電荷輸送物質としては、前記電荷発生層35で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質を用いることができる。
【0073】
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0074】
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。但し、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独でも結着樹脂との併用も可能である。電荷輸送層の塗工に用いられる溶媒としては前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、電荷輸送物質及び結着樹脂を良好に溶解するものが適している。これらの溶剤は単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。また、電荷輸送層37の形成には電荷発生層35と同様な塗工法が可能である。
【0075】
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。
電荷輸送層に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。電荷輸送層に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。電荷輸送層の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。
【0076】
(保護層)
電荷輸送層上に保護層39を設けることで耐磨耗性や傷に対する耐久性を向上させることができる。保護層は導電性微粒子を分散させたものや、フッ素含有樹脂、アクリル樹脂等の潤滑性微粒子を分散させたものや、機械的強度に優れた架橋膜によるものがある。この樹脂の例としてはフェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、硬化性アクリル樹脂、シロキサン系樹脂等が好ましい。更に保護層にはその電気特性を向上させるために、電荷輸送材料を含有させることが好ましい。尚、電荷輸送材料としては、例えば上記電荷輸送層の構成材料として挙げられたものを使用できる。
【0077】
また、本実施形態においては、像担持体として、ドラム状の感光体を使用しているが、無端状の感光体ベルトを使用し、この感光体ベルトを張架し、移送駆動する支持ローラに前記エンコーダディスクス11や光センサ12を取り付けて感光体ベルトの移送距離を検知するものであっても良い。
【実施例】
【0078】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、感光体作製例中において使用する「部」は、すべて重量部を表わす。
【0079】
<感光体作製例>
直径100mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、22μmの電荷輸送層を形成した。
【0080】
〔下引き層用塗工液〕
アルキド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業社製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業社製)
酸化チタン 40部
(CR−EL、石原産業社製)
メチルエチルケトン 50部
【0081】
〔電荷発生層用塗工液〕
Y型チタニルフタニルフタロシアニン 4部
ポリビニルブチラール 2部
(エスレックBM−S、積水化学工業社製)
メチルエチルケトン 150部
【0082】
〔電荷輸送層用塗工液〕
電荷輸送物質(下記構造式A) 10部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
テトラヒドロフラン 80部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50、信越化学工業社製)
【0083】
【化1】

【0084】
続いて、上記電荷輸送層上に下記組成の架橋型電荷輸送層用塗工液をスプレー塗工し、紫外線照射装置Fusion製UVランプシステムにて、紫外線ランプと感光体との距離を50mm、照射強度を500mW/cm2とし、60秒間の紫外線照射を行い、塗布膜を架橋させた。更に130℃で20分乾燥を行い、5μmの架橋型電荷輸送層を設け感光体を作製した。以下各実施例及び比較例の評価にはこの感光体を使用した。
【0085】
〔架橋型電荷輸送層用塗工液〕
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬社製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(下記構造式B) 10部
光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
テトラヒドロフラン 100部
【0086】
【化2】

【0087】
〔実施例1〕
以下に示す材料を用いて塗工液を調製し、コロナ帯電装置の帯電グリッド上にスプレーにより塗工した。最終的な膜厚が50μmとなるように塗工した。
【0088】
触媒・・・β型ゼオライト(980HOA 東ソー社製) 20部
導電剤・・アンチモン酸亜鉛(セルナックス CX−Z210IP日産化学工業製) 8部
重合性モノマー・・・トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA 日本化薬社製) 6部
相分離剤・・・ポリスチレン 4部
光重合開始剤・・・イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ) 0.05部
溶媒・・・テトラヒドロフラン 140部
【0089】
スプレー塗工後は、紫外線照射装置Fusion製UVランプシステムにて、紫外線ランプと帯電グリッドとの距離を50mm、照射強度を1000mW/cm2とし、30秒間の紫外線照射を行い、塗布膜を架橋させた。架橋後は帯電グリッドをテトラヒドロフランに24時間浸して相分離剤を塗布膜から溶出し、130℃、30分の乾燥を経て、帯電グリッド上に導電性の多孔質の架橋性樹脂被膜を形成し、コロナ帯電装置を得た。
【0090】
〔実施例2〕
実施例1において使用した帯電グリッドの塗工液のうち、重合性モノマー6部及び相分離剤4部を以下のように変更した以外は全て実施例1と同様にしてコロナ帯電装置を作製し、評価を行った。
【0091】
重合性モノマー・・・トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬)5部
相分離剤・・・ポリスチレン 5部
【0092】
〔実施例3〕
実施例1において使用した帯電グリッドの塗工液のうち、重合性モノマー6部及び相分離剤4部を以下のように変更した以外は全て実施例1と同様にしてコロナ帯電装置を作製し、評価を行った。
【0093】
重合性モノマー・・・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬、KAYARAD DPHA) 8部
相分離剤・・・ポリスチレン 2部
【0094】
〔実施例4〕
実施例1において使用した帯電グリッドの塗工液のうち、重合性モノマー6部及び相分離剤4部を以下のように変更した以外は全て実施例1と同様にしてコロナ帯電装置を作製し、評価を行った。
【0095】
重合性モノマー・・・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製、KAYARAD DPCA−120) 5部
相分離剤・・・ポリカーボネート 3部
【0096】
〔実施例5〕
実施例1において使用した帯電グリッドの塗工液のうち、相分離剤4部を以下のように変更した以外は全て実施例1と同様にしてコロナ帯電装置を作製し、評価を行った。
【0097】
相分離剤・・・ポリビニルアルコール 3部
【0098】
〔実施例6〕
実施例1において使用した帯電グリッドの塗工液のうち、重合性モノマー6部及び相分離剤4部を以下のように変更した以外は全て実施例1と同様にしてコロナ帯電装置を作製し、評価を行った。
【0099】
重合性モノマー・・・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬社製、KAYARAD DPCA−120) 6部
相分離剤・・・ポリカーボネート 4部
【0100】
〔実施例7〕
実施例1において使用した帯電グリッドの塗工液のうち、重合性モノマー6部及び相分離剤4部を以下のように変更した。紫外線照射後は、テトラヒドロフランへの浸漬は行わずに130℃、30分の乾燥を行った。それ以外は全て実施例1と同様にしてコロナ帯電装置を作製し、評価を行った。
【0101】
重合性モノマー・・・トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬社製)7部
相分離剤・・・水 3部
【0102】
〔実施例8〕
実施例1において使用した帯電グリッドの塗工液のうち、光重合開始剤0.05部を以下のように変更し、加熱による架橋を行った。スプレー塗工後は、150℃で30分加熱し架橋を行った。架橋後はテトラヒドロフランに24時間浸し、130℃、30分の乾燥を行った。それ以外は全て実施例1と同様にしてコロナ帯電装置を作製し、評価を行った。
【0103】
熱重合開始剤・・・2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシ)プロパン(パーカドックス 12−EB20 化薬アクゾ製) 0.05部
【0104】
〔比較例1〕
実施例1において使用した帯電グリッドの塗工液に重合性モノマー、相分離剤、光重合開始剤を入れず、重合性モノマー6部の替わりにバインダ樹脂であるポリビニルブチラール樹脂10部、溶媒であるテトラヒドロフラン140部の替わりにメタノール140部を使用して塗工液を調整し、スプレーにより帯電グリッド上に塗工した。塗工後は130℃、30分の乾燥を行い、帯電グリッドを得た。この帯電グリッドを用いてコロナ帯電装置を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
【0105】
〔比較例2〕
実施例1において使用した帯電グリッドの塗工液に重合性モノマー、相分離剤、光重合開始剤を入れず、重合性モノマー6部の替わりにバインダ樹脂であるバインダ樹脂としてポリカーボネート10部を使用して塗工液を調整し、スプレーにより帯電グリッド上に塗工した。塗工後は130℃、30分の乾燥を行い帯電グリッドを得た。この帯電グリッドを用いてコロナ帯電装置を作製し、実施例1と同様に評価を行った。
【0106】
〔比較例3〕
実施例1において使用した帯電グリッドの塗工液に重合性モノマー、分離剤、光重合開始剤を入れず、重合性モノマー6部の替わりにバインダ樹脂であるポリスチレン8部を使用して塗工液を調整し、スプレーにより帯電グリッド上に塗工した。塗工後は130℃30分の乾燥を行って帯電グリッドを得た。この帯電グリッドを用いてコロナ帯電装置を作製し、それ以外は実施例1と同様に評価を行った。
【0107】
〔比較例4〕
実施例1において触媒であるゼオライトを入れずに、重合性モノマーおよび相分離剤を下記の配合比にして塗工液を調整し、スプレーにより帯電グリッド上に塗工した。それ以外は実施例1と同様に評価を行った。
【0108】
触媒・・・なし
導電剤・・アンチモン酸亜鉛(セルナックス CX−Z210IP日産化学工業製)8部
重合性モノマー・・・トリメチロールプロパントリアクリレート 28部
相分離剤・・・ポリスチレン 10部
光重合開始剤・・・イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ)0.05部
溶媒・・・テトラヒドロフラン 140部
【0109】
〔比較例5〕
実施例1において導電剤を入れずに、触媒、重合性モノマーおよび相分離剤を下記の配合比にして塗工液を調整し、スプレーにより帯電グリッド上に塗工した。それ以外は実施例1と同様に評価を行った。
【0110】
触媒・・・β型ゼオライト(980HOA 東ソー社製) 20部
導電剤・・・なし
重合性モノマー・・・トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬社製) 5部
相分離剤・・・ポリスチレン 3部
光重合開始剤・・・イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ) 0.01部
溶媒・・・テトラヒドロフラン 140部
【0111】
〔比較例6〕
帯電グリッドに塗膜を形成せず、そのまま使用して実施例1と同様に評価を行った。
【0112】
なお、上記コロナ帯電装置の評価は、下記に示すようにして膜密着性、帯電制御性及び放電生成物除去機能について行った。
【0113】
(膜密着性評価)
帯電グリッドに塗工された膜の密着度合いが実使用に耐えられるかを、力を入れて強く擦ったときと指を乗せる程度の負荷で塗工面をウエスで10回拭いたときの剥がれの程度で評価した。また耐久性評価として200時間コロナ帯電装置を放電させた後にも同様に評価を行った。以下にそれぞれの記号の程度を示す。
【0114】
◎ ・・・強く擦ってもウエスに付着せず。
○ ・・・強く擦ると微量にウエスに付着するが実使用に耐えられる。
○△・・・普通に擦ると微量にウエスに付着するが実使用に耐えられる。
× ・・・普通に擦ると多量にウエスに付着し、実使用に耐えられない。
【0115】
(帯電制御性評価)
帯電グリッドを10℃、15%RH環境下に置いたプロセスカートリッジを有するリコー社製の画像形成装置(imagio Neo 1050pro)に取り付けた。帯電ワイヤに一定電流が流れるように電圧を印加することでコロナ放電を行い、帯電グリッドに−900Vを印加した際の被帯電体である感光体の表面電位を測定した。その後中間調(ハーフトーン)画像を出力し、局所的な帯電不良時に発生する雨だれ状のムラの有無を確認した。また耐久性評価として200時間および300時間コロナ帯電装置を放電させた後にも、雨だれ状のムラの有無を確認した。
【0116】
◎・・・雨だれ状ムラは発生せず。
○・・・雨だれ状ムラは若干発生するが、許容レベル。
×・・・雨だれ状ムラ発生。
【0117】
(放電生成物除去機能評価)
帯電グリッドを10℃、15%RH環境下に置いたプロセスカートリッジを有するimagio Neo 1050proに取り付けた。作像動作を行うことでコロナ帯電装置を3時間放電後機械の電源を切り15時間放置した。その後、再度機械の電源を入れ、中間調(ハーフトーン)画像出力、及び全面文字画像の出力によりコロナ帯電装置直下の濃度ムラ、像流れの発生有無を確認した。また耐久性評価として200時間および300時間コロナ帯電装置を放電させた後にも、濃度ムラ、像流れの有無を確認した。
【0118】
◎・・・コロナ帯電装置直下濃度ムラ発生せず。
○・・・コロナ帯電装置直下濃度ムラが発生するが、許容レベル。
×・・・コロナ帯電装置直下濃度ムラがくっきり発生し、許容できないレベル。
【0119】
各実施例及び比較例で調製されたコロナ帯電装置についての評価結果を表1に示す。
【0120】
【表1】


【0121】
上記表1の結果から明らかなように、比較例1で示す非多孔性の樹脂被膜で被覆した帯電グリッドを使用したコロナ帯電装置においては、雨だれ状のムラの発生を抑制することができるが、放電生成物除去機能が使用時間と共に低下し、300時間使用後では、使用に耐えることができなかった。しかも、像流れが発生した。
【0122】
比較例2及び3で示す非多孔性のポリカーボネート被膜及びポリスチレン被膜を使用したものでは、グリッド電圧が高く、雨だれ状ムラが発生して帯電制御機能が低下しているだけでなく、コロナ帯電装置直下濃度ムラ及び像流れが発生して放電生成物除去機能が低下している。また、比較例4で示すゼオライト粉体を含有しない導電性の多孔質の架橋性樹脂被膜を使用したものでは、帯電制御機能は、十分に発揮できるものの放電生成物除去機能が低下している。また、比較例5で示す導電剤を含まない多孔質の架橋性樹脂被膜を使用したものでは、放電生成物除去機能は、僅かに改善されるものの帯電制御機能が低下している。また、比較例6で示すゼオライト、導電剤を含有した導電性の多孔質の架橋性樹脂被膜で使用しない帯電グリッドを使用した場合には、放電生成物除去機能が低下していることが明らかである。
【0123】
これに対し、本発明によるゼオライト、導電剤を含有した導電性の多孔質の架橋性樹脂被膜で被覆した帯電グリッドを使用した実施例1〜8は、帯電制御機能の低下がなく、放電生成物の除去が適切に行われている。しかも、300時間使用後のコロナ帯電装置においても雨だれ状ムラ、コロナ発生器直下濃度ムラともに発生がなく、良好な画像が得られている。したがって、本発明の絶縁性の端部とその間に支持されているコロナ放電に用いられる少なくとも1本の細い導電性のワイヤ電極と、自身に印加される電圧により被帯電体の表面電位を規制可能な帯電グリッドを有するコロナ帯電装置において、帯電グリッドが少なくともゼオライト、導電剤、バインダ樹脂を混合した組成物を塗布した帯電グリッドであって、該バインダ樹脂が多孔質の架橋性樹脂膜であるコロナ帯電装置を使用したとき、作像プロセス時コロナ帯電装置から発生する放電生成物を低減し、コロナ帯電装置直下濃度ムラを抑制できることがわかった。また本発明のコロナ帯電装置を用いた画像形成装置用プロセスカートリッジ、画像形成装置は高性能、高信頼性を有していることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明による一実施形態に係る電子写真方式の画像形成装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】従来の画像形成装置で発生する濃度ムラを示す図で、(a)はコロナ帯電装置直下濃度ムラが生じた場合の画像の様子を示す図、(b)は該画像に対応する感光体表面電位を示す図である。
【図3】従来の画像形成装置で発生する画像流れ現象を説明するための感光体表面電位の波形図である。
【図4】本発明による一実施形態に係るスコロトロン型コロナ帯電装置の斜視図である。
【図5】図4のA−A線上で切断した断面図である。
【図6】図5のY部の拡大断面図である。
【図7】本発明で用いる一実施形態に係る電子写真感光体を表わす断面図である。
【図8】本発明で用いる他の実施形態に係る電子写真感光体を表わす断面図である。
【図9】コロトロン型コロナ帯電装置の概略構成とそれを用いた場合の帯電状態について示す図で、(a)は、コロトロン型コロナ帯電装置の概略構成を示し、(b)は、帯電装置2Aの帯電時間と感光体1の表面電位との関係を示すグラフ図である。
【図10】スコロトロン型コロナ帯電装置の概略構成とそれを用いた場合の帯電状態について示す図で、(a)は、スコロトロン型コロナ帯電装置の概略構成を示し、(b)は、帯電装置の帯電時間と感光体の表面電位との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0125】
1 感光体
1a 表面
2 コロナ帯電装置
2a コロナワイヤ(帯電ワイヤ)
2b シールドケース
2c 開口部
2d 帯電グリッド
2d1 グリッド電極
2e、2f 保持部
2i 導電性多孔質架橋性樹脂被膜
2B スコロトロン型コロナ帯電装置
3 露光装置
4 現像装置
6 クリーニング装置
9 定着装置
31 導電性支持体
33 中間層(下引き層)
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有するシールドケースと、当該シールドケース内に配設されたコロナ放電電極と、当該コロナ放電電極と前記開口部との間に配設される帯電グリッドとを有するコロナ帯電装置において、
前記帯電グリッドの表面に、少なくともゼオライト粉体と導電剤とを含む導電性の多孔質の架橋性樹脂被膜を被着させたことを特徴とするコロナ帯電装置。
【請求項2】
請求項1記載のコロナ帯電装置において、
前記多孔質の架橋性樹脂被膜は、架橋性の重合性モノマーバインダと相分離剤を混合し、前記重合性モノマーバインダを架橋させて樹脂被膜を形成後、当該樹脂被膜から相分離剤を除去させることによって形成された多孔質の架橋性樹脂膜であることを特徴とするコロナ帯電装置。
【請求項3】
請求項2記載のコロナ帯電装置において、
前記重合性モノマーバインダが多官能のラジカル重合性化合物であることを特徴とするコロナ帯電装置。
【請求項4】
請求項2又3記載のコロナ帯電装置において、
前記相分離剤が前記重合性モノマーに非相溶性のポリマーであることを特徴とするコロナ帯電装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項記載のコロナ帯電装置において、
前記重合性モノマーバインダの架橋手段が紫外線照射であることを特徴とするコロナ帯電装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項記載のコロナ帯電装置において、
前記樹脂被膜中の樹脂の含有比率が、樹脂被膜100重量部に対して、10〜60重量部であることを特徴とするコロナ帯電装置。
【請求項7】
表面に静電潜像が形成される像担持体と、少なくとも当該像担持体の表面を一様に帯電させるコロナ帯電装置とを一体に連結して画像形成装置本体に脱着可能に設置されるプロセスカートリッジにおいて、
前記コロナ帯電装置は、請求項1乃至6のいずれか1項記載のコロナ帯電装置であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項8】
表面に静電潜像が形成される像担持体と、少なくとも当該像担持体の表面を一様に帯電させるコロナ帯電装置とを備えた画像形成装置において、
前記コロナ帯電装置は、請求項1乃至6のいずれか1項記載のコロナ帯電装置であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−66536(P2010−66536A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−232940(P2008−232940)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】