説明

コンクリートブロック

【課題】規格上のコンクリートブロックとの併用が可能で、水平力に強度のあるコンクリートブロック塀を実現する。
【解決手段】一面が斜めになっているコンクリートブロックであり、高さ190センチメートル、厚さ100ミリメートル、120ミリメートル、その他各種所定のサイズであり、空洞部分等の構成を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンクリートブロック塀など組積造による建築物に使用するコンクリートブロックに関するものである。又フェンス等設置の際の土台に使用するコンクリートブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のコンクリートブロックの組積造によるコンクリートブロック塀は、塀の長さが一定の寸法を超える場合、法令上必要とした控壁が設けられる。[ 図8 ]は、そのような構造を有する従来のコンクリートブロック塀の一例を示すものである。
同図において、(キ)は基礎を示し、(ウ)は規格上のコンクリートブロックを示す。塀本体は、(ウ)基本ブロックや横筋用ブロックや隅用ブロック等規格上の各種コンクリートブロックを所望の段数組積みして成り(図8では、4段積してある)、各コンクリートブロック(ウ)が横方向で隣接する位置と横筋用ブロックが設けられた位置に図示しない鉄筋が設けられる。
【0003】
[ 図8 ]の(セ)は、規格上のコンクリートブロック(ウ)であるが、控壁であることをしめす。控壁(セ)は、隅用ブロック(ウ)を塀本体の一側面に垂直な向きで所要の段数組積みして成り(図8では、3段積してある)、その各コンクリートブロック(ウ)の長手方向における一端面を塀本体の一側面にモルタルにて接着する。この控壁(セ)は、法令で定められた所定の間隔寸法以内で設けられる。
【0004】
従来の既製品フェンスを取付けする場合、従来のコンクリートブロックの組積造の縦鉄筋用の空洞を利用し、その空洞にフェンスの支柱を差込んで、モルタルで固定される。
[ 図9 ]は、そのような方法を有する従来のコンクリートブロック塀の一例を示すものである。同図において、(キ)は基礎を示し、(ウ)は規格上のコンクリートブロックを示し、(ケ)は支柱を示し、(ク)は既製品フェンス、又は目隠しパネルを示す。
(ク)フェンスを支える為、(ケ)支柱を、(ウ)コンクリートブロックの縦鉄筋用の空洞に差込んで固定するが、(ク)フェンスに(ア)方向、(イ)方向から加わる力によって、耐えうるように、(ウ)コンクリートブロックを横方向で連結し、(キ)基礎と(ウ)コンクリートブロックが縦鉄筋にて連結される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、以上の方法によれば、[ 図8で示す(ウ)で形成される ]塀本体と(セ)控壁はモルタルで接着されるだけであり、塀本体の高さによっては鉄筋が設けられることも無い。従って、(セ)控壁が、これを設けた側と反対側への耐水平力として機能することは殆ど無く、特に(イ)方向から加わる力に対しては塀本体の自重と縦鉄筋による剛性で持っているのが実情である。つまり、地震等による強い水平力を受けると、塀本体と(セ)控壁が離れ(セ)控壁の無い側へ転倒してしまうことが多い。(セ)控壁は、通常、当該敷地の内側に設けることが多い為、地震等による強い水平力で塀本体が倒れるのは、決まって(セ)控壁の反対側つまり道路側あり、極めて大きな問題がある。
【0006】
また、フェンスを設置する、[ 図9 ]の方法によれば、(ケ)支柱と(ケ)支柱の間に補強を主としたことを目的とする、(ウ)コンクリートブロックが必要となり、材料費及び工賃等がかさむという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、本発明組積造建築用のコンクリートブロックは規格上のコンクリートブロックと併用もでき、建築構造でいうところの、筋交いの原理を応用することを目的とする形状のコンクリートブロックである。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載したコンクリートブロックを利用し、フェンス取付けに必要な支柱の、箇所のみのコンクリートブロックで水平力に耐えうるコンクリートブロック組積造を可能にする形状のコンクリートブロックである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、建築構造でいうところの、筋交いの原理で、圧縮応力及び引っ張り応力を応用するので、強度的に強い控壁となる。又、フェンス取付け方法に関しては、工程短縮、費用削減となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【00010】
以下に、本発明の実施の形態に係るコンクリートブロックを図面に従って説明する。
[ 図5 ][ 図6 ]は本発明を適用したコンクリートブロックを示すものである。この2種類のコンクリートブロックを[ 図2 ]のように組積することで利用できる形状である。従来からある規格上の基本ブロックと同一の製造方法で形成するが、形状が図で示すよう一面が斜めになっている。基本ブロックと併用して利用するため、高さは190ミリメートルであり、厚さは100ミリメートル、120ミリメートル、その他各種所定のサイズになっており、空洞部分(オ−c)及び(カ−c)等を備える。
【00011】
次に、本発明コンクリートブロック(オ)、(カ)、等を使用したコンクリートブロック塀の一例を説明する[ 図1参照 ]。[ 図1 ]で示すように(ウ)規格の基本ブロックで組積されたコンクリートブロック塀の法令で定めた所定の間隔寸法毎に、(オ)、(カ)等のコンクリートブロックを挟んで使用する。各コンクリートブロックは、 [ 図2 ][ 図4 ]が示すようにモルタル(シ)又はコンクリートと鉄筋(サ−a)(サ−b)(サ−c)(サ−d)にて接合する。[ 図1 ]の(エ)部分は規格の半切ブロックを示す。
【00012】
[ 図4 ]で示すように(図4では4段積みしてある)斜めの鉄筋(サ−a)を本発明コンクリートブロックの[ 図5 ][ 図6 ]に示す(オ−b)(カ−b)のくぼみの部分に挿入させ、モルタル又はコンクリートでくぼみを伏せるように挿入し接着すれば、引っ張り応力を発揮し、[ 図1 ]で示す(イ)方向の水平力に耐水平力として機能する。
正、組積されたコンクリートブロックの数分、斜め鉄筋は連結し(キ)基礎部分に埋設する鉄筋とも連結されていることが必要である。
【00013】
同じ原理にて、[ 図7 ]に示すように既製品フェンス(ク)及び目隠しパネルを取付ける際使用される支柱(ケ)の取付けの為のコンクリートブロックとしても利用できる。
【00014】
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、強度のある控壁を形成でき、又、フェンス取付け用としては、コンクリートブロックの数量を[ 図7 ]で示す(ス)の距離分、従来の方法時より削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【00015】
【図1】本発明の実施の形態に係るコンクリートブロックを使用したコンクリートブロック塀の一例を示す斜視図である。
【図2】[ 図1 ]に示す斜視図を上部から示したコンクリートブロック塀の組積向きと背筋方法を示す図である。
【図3】[ 図1 ]に示す斜視図の控壁部分の組積方法の一例を示す図である。
【図4】[ 図3 ]に示す控壁の組積方法のコンクリートブロック内を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るコンクリートブロックを示す展開図と斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係るコンクリートブロックのサイズ的変形を示す展開図と斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係るコンクリートブロックを使用した既製品フェンスの支柱取付け方法の一例を示す斜視図である。
【図8】従来のコンクリートブロック塀の一例を示す要部斜視図である。
【図9】従来のコンクリートブロックを使用した既製品フェンスの支柱取付け方法の一例を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
【0016】
(ア)水平力方向 (イ)水平力方向 (ウ)規格の基本コンクリートブロック (エ)規格の半切コンクリートブロック (オ)本発明コンクリートブロックの短いサイズ (オ−a)一側面 (オ−b)斜め鉄筋を挿入する面 (オ−c)空洞部分 (カ)本発明コンクリートブロックの長いサイズ (カ−a)一側面 (カ−b)斜め鉄筋を挿入する面 (カ−c)空洞部分 (キ)基礎 (ク)既製品フェンス (ケ)支柱 (コ)地盤面 (サ−a)斜め鉄筋 (サ−b)横鉄筋 (サ−c)縦鉄筋 (サ−d)連結用鉄筋 (シ)モルタル又はコンクリート (ス)コンクリートブロックとコンクリートブロックとの距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組積造建築物用のコンクリートブロックであって、規格上のコンクリートブロックと併用して利用でき、水平力に対し強度のあるコンクリートブロック塀を形成できることを特徴とするコンクリートブロック。
【請求項2】
請求項1に記載したコンクリートブロックにおいて、既製品のフェンスや目隠しパネル等を設置する場合、本体部そのもので土台を形成できることを特徴とするコンクリートブロック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−16945(P2006−16945A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−222633(P2004−222633)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(504290413)