説明

コンクリート構造物の施工方法及びコンクリート構造物用型枠パネル

【課題】 埋め殺し状態で用いる型枠パネルにおいて、比較的簡単な手法で型枠パネルとコンクリート躯体との接合強度を高め、コンクリート構造物の面内剛性を向上することを目的とする。
【解決手段】 コンクリート構造物の形成時に型枠として機能し、形成後に埋め殺し状態で用いられる金属薄板から成る型枠パネル1であって、その長さ方向に伸びる複数の凸条11がその幅方向に互いに平行に並設され、この凸条11の上面18には、その上面18に対して垂直に立設する複数の押上げ片14が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート構造物の施工方法とコンクリート構造物に用いられる型枠パネルに関し、ことに薄板金属パネルを型枠パネルとして用いて埋め殺して用いるコンクリート構造物の施工方法とそれに用いられる型枠パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物工事でコンクリート壁を形成する際には、木製などの型枠パネルを用いて型枠を構築し、その型枠内にコンクリートを打設して養生・硬化させ、硬化後型枠パネルを取り外してコンクリート壁を形成していた。このような型枠は、通常、コンクリート壁面構築後取り外して再使用している。しかしながら、コンクリート型枠の構築並びに取外しは相当の手間を要し、コスト上昇の一因となっている。
これに対して近年では、工数を削減し且つ環境保護に資するために、金属薄板を角波形状に形成した金属製の型枠パネルを用いて型枠を構築し、その型枠パネルをコンクリート硬化後に埋め殺し状態で放置するようにする方法が提案されている。
【0003】
例えば、コンクリート壁形成時に形枠として機能し、形成後に埋め殺し状態で配設される角波板の型枠パネルであって、角波における凸条が外側に向けて断面幅が大きくなり凹溝が蟻溝形状となる形状に構成された型枠パネルと、これを用いた発泡合成樹脂層を備えたコンクリート壁構造が(特許文献1参照)、また、凹溝と凸条を交互に形成した波形パネルの内面に平坦な内面板を一体に接合した型枠パネルと、該型枠パネルの下端を受け入れるランナーと型枠パネルの上端を受け入れるキャップとからなるコンクリート型枠と、これを用いたコンクリート壁の施工方法(特許文献2参照)が報告されている。
さらに、間隔を設けて組立てられる構築用型枠内にコンクリートを打設し、構築用型枠とコンクリートを一体化するコンクリート建物外壁構造体の構築用型枠であって、断熱材により形成される構築用型枠パネル本体と、該構築用型枠パネル本体の一側面に対し、空隙を設けて形成される網目状部とを備えた構築用型枠パネルと、これを用いたコンクリート外壁の構築方法(特許文献3参照)が報告されている。
さらにまた、建造物の壁の高さに応じて高さ調整できるようにした断熱板に、該断熱板の大きさ及び形状に合わせて枠内に縦に1乃至複数の木桟を配設して外枠を形成した木桟枠を埋め込み、裏面より固着用台座を介在させて釘止めしてなり、前記木桟枠の埋め込み面を外面とする型枠を形成してコンクリートを打設し、釘の頭部を含む前記固着用台座をコンクリート躯体壁に埋め込み固着したコンクリート建造物の壁下地用型枠パネル(特許文献4参照)が報告されている。
【0004】
しかしながら、これら従来の壁用型枠パネルでは、そのパネルとコンクリート躯体との接合強度が必ずしも充分で無いという問題があった。パネルとコンクリート躯体との接着強度が充分で無いとコンクリートにひび割れができやすく、壁面構造に充分な面内剛性が得られないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−321893号公報
【特許文献2】特開2003−184211号公報
【特許文献3】特開2004−36333号公報
【特許文献4】実登3045801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上に述べたように、従来の型枠パネルを埋め殺し状態で用いたコンクリート構造物の例では、型枠パネルとコンクリート躯体との接合強度が必ずしも充分ではないという問題があった。
【0007】
本発明は、この問題を解決して、埋め殺し状態で用いる型枠パネルにおいて、比較的簡単な手法で型枠パネルとコンクリート躯体との接合強度を高め、コンクリート構造物の面内剛性を向上するとともに、この型枠パネルを用いたコンクリート構造物の施工方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明のコンクリート構造物の施工方法は、コンクリート躯体と、そのコンクリート躯体の表面に埋め殺し状態で配設される型枠パネルとを備えたコンクリート構造物の施工方法であって、その長さ方向に伸びる複数の凸条が幅方向に互いに平行に並設され、この凸条の上面にはその上面に対して垂直に立設する複数の押上げ片が設けられた1対の前記型枠パネルを、その上面側を対向する前記型枠パネル側に向けてコンクリート構造物の厚みに相当する間隔をおいて配設し、この配設された1対の前記型枠パネル間にコンクリートを打設して前記型枠パネルを埋め殺し状態にして構成することを特徴とする。
【0009】
また、本発明のコンクリート構造物の施工方法は、コンクリート躯体と、そのコンクリート躯体の表面に埋め殺し状態で配設される型枠パネルとを備えたコンクリート構造物の施工方法であって、その長さ方向に伸びる複数の凸条が幅方向に互いに平行に並設された1対の前記型枠パネルを、その上面側を対向する前記型枠パネル側に向けてコンクリート構造物の厚みに相当する間隔をおいて配設し、この配設された1対の前記型枠パネル間にコンクリートを打設して前記型枠パネルを埋め殺し状態にして構成することを特徴とする。
【0010】
ここで、必要に応じて前記型枠パネルの両端部に、断面コの字型の補助部材を装着することを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の型枠パネルは、コンクリート構造物の形成時に型枠として機能し、形成後に埋め殺し状態で用いられる金属薄板から成る型枠パネルであって、その長さ方向に伸びる複数の凸条がその幅方向に互いに平行に並設され、この凸条の上面には、その上面に対して垂直に立設する複数の押上げ片が設けられていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の型枠パネルは、コンクリート構造物の形成時に型枠として機能し、形成後に埋め殺し状態で用いられる金属薄板から成る型枠パネルであって、その長さ方向に伸びる複数の凸条がその幅方向に互いに平行に並設されていることを特徴とする。
【0013】
ここで、前記凸条間には、さらにその高さが前記凸条の高さよりも低い複数のリブが前記凸条とほぼ平行にパネル幅方向に並設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上のようにすることにより、型枠パネルとコンクリート躯体との接合強度を従来のものに比べて飛躍的に高めることができ、両者を強力に一体化することができる。それによって、コンクリートの収縮ひび割れを低減することができるとともに、コンクリート構造物の面内剛性を高め、コンクリート構造物を強化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る型枠パネルの外観斜視図である。
【図2】図1に示す型枠パネルの断面図である。
【図3】本発明のコンクリート構造物の施工時の構成を示す断面図である。
【図4】図3に示すコンクリート構造物の施工に用いられる型枠パネルの平面図と断面図である。
【図5】従来型の型枠工法を用いて作成した試験用コンクリート梁の構成図である。
【図6】本発明に類似した型枠工法を用いて作成した参考例の試験用コンクリート梁の構成図である。
【図7】実測の参考例で用いられる型枠パネルの外観斜視図である。
【図8】従来型の試験用コンクリート梁と参考例の試験用コンクリート梁の荷重−変位曲線の実測値を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ本発明に係るコンクリート構造物の施工方法とコンクリート構造物に用いられる型枠パネルについて説明する。なお、以下の説明は発明をより深く理解するためのものであって、特許請求の範囲を限定するためのものではない。
【0017】
図1は、本発明の建築用の型枠パネル1の一実施の形態の外観を示す斜視図である。また、図2は、本実施の形態におけるその型枠パネル1の断面図であり、図1のA−A断面を表している。
以下、これらの図を用いて、本実施の形態における型枠パネル1の構成について説明する。
【0018】
図に示すように、型枠パネル1は、鋼製の板形状の材質を、正面略方形状かつ断面略角波形状に折り曲げ、切断加工して成形した埋め殺し型の型枠パネルである。
例えば、この型枠パネル1の完成品の大きさは、長さ300〜7000mm、幅600mm、厚さ0.3〜0.4mm程度である。
【0019】
このように、パネル鋼板を断面略角波形状に折り曲げることで、型枠パネル1には、互いに平行な複数の凸条11が所定間隔で並設され、パネル1自体の強度を補強している。
また、パネル断面を等辺角波型に成形することで、特に表面又は裏面側からの力に対して優れた強度を発揮する。
なお、本実施の形態においては、この凸条11の形成方向を型枠パネル1の「長さ方向」とし、型枠パネル1においてその長さ方向に垂直な方向を「幅方向」とする。
【0020】
図に示すように、その凸条11は、上面18と、この上面18の両幅方向に連設されている2面の側面19とにより構成されている。
この上面18の幅方向の長さ及び側面19の幅方向(奥行き方向)の長さは、10〜20mm程度である。
また、互いに隣接する凸条11の幅方向の間隔は、10〜50mm程度である。
【0021】
また、各凸条11間の凹面には、所定間隔ごとに、複数の幅方向の断面凸状のリブ12と、幅方向の断面凹状の溝部16が、凸条11に平行に繰り返し形成されている。
本実施の形態では、幅方向に凸条11→溝部16→リブ12→溝部16→リブ12→……→溝部16→凸条11→……というように設けられており、凸条11の幅方向の両側には、溝部16が連設されている。
このリブ12は、幅8〜20mm程度、高さ3〜10mm程度で、その幅方向断面が例えば半円弧状に形成されている。
また、溝部16は、幅2〜10mm程度に形成されている。
【0022】
さらに、凸条11のパネル幅方向の両端、すなわち、リブ12とそのリブ12に隣接する溝部16との間の境界線上には、所定長の切込み13が、所定間隔で凸条11と平行に破線状に設けられている。
この破線状の切込み13列に沿って型枠パネル1を所定の角度に折り曲げることにより、型枠のコーナー部分を形成することができるようになっている。
また、この破線状の切込み13列に沿って、型枠パネル1を、正逆方向に数回繰り返し折り曲げることにより、型枠パネル1を所望のサイズに容易に切断することができるようになっている。
【0023】
また、その切込み13は、微小幅、所定長の型枠パネル1の表裏に貫通した切込みであり、コンクリートやモルタルを打設後に、その切込み13から液状のコンクリートやモルタルが漏出しないように形成されている。また、そのコンクリートやモルタルに含まれる余分な水分が排出可能な程度に、その切込み13の幅が形成されている。
例えば、この切込み13は、幅が0.3〜1mm程度、長さが10〜50mm程度であり、その切込み13の長さ方向の間隔が10〜30mm程度の破線状に形成される。
【0024】
また、切込み13列の幅方向の間隔は、実質的に凸条11の幅方向の間隔、又は凸条11の上面18の幅方向の長さであるので、この凸条11のパネル幅方向の形成間隔又は上面18の幅を適宜調整することにより、切込み13列の幅方向の間隔を10〜50mm程度の任意な間隔に容易に調整することができる。
このことにより、型枠パネル1の折り曲げ位置を所望の位置に自在に設計することが可能となり、型枠施工時の設計の自由度を大幅に向上させることが可能となる。
さらに凸条11を重ね合わせて幅方向に重ねて広げ、あるいは、長さ方向にずらすことによって、型枠パネル1を自由な大きさに広げて必要なサイズを実現することができる。
【0025】
また、凸条11の上面18側には、複数の押上げ片14が設けられている。この押上げ片14は、正方形の一辺を残して表裏に貫通した切込み21と、その切込み21を設けずに残した正方形の一辺である折返部22とで形成され、この折返部22に沿って押上げ片14を折り返すことにより、押上げ片14が開蓋状態になり、セパレータ挿入孔15が形成される。本実施の形態では、押上げ片14はすべて押し上げられて開蓋状態にある。
前述したように、施工時には、型枠パネル1を押上げ片14のある上面18側を対向する型枠パネル1側に向けて立設させ、型枠を構成する。そうして、そのセパレータ挿入孔15にセパレータ33を挿入して締め金具(商品名:フォームタイ)31で固定することにより、この対向した型枠パネル1同士を所定の間隔をおいて連結することができる。
上面18の幅方向の長さを10〜20mm程度とすると、押上げ片14の一辺の長さは5〜15mm程度である。
【0026】
ここで、この型枠パネル1を用いたコンクリート構造物の施工方法について説明する。
図3に、本発明のコンクリート構造物としての壁面の施工時の構成を示す断面図である。
図に示すように、1対の型枠パネル1を所定の間隔をおいて立設する。押上げ片14を押し上げた後のセパレータ挿入孔15を用いて、相互の型枠パネル1間にセパレータ33を通してセパレータ座金34で固定し、更に締め金具31で2本の補強パイプ32を抱えるようにしてナット等で位置決めし固定する。これによって、1対の型枠パネル1同士を相互に固定するとともに、対向する型枠パネル1間の間隔、すなわち壁厚を決めて保持することができる。
【0027】
このとき、型枠パネル1の押上げ片14がある側が、コンクリートを打設する側、すなわち対向する型枠パネル1側になるように両方の型枠パネル1を配置する。また、締め金具31は、補強パイプ32を水平方向に保持し、型枠パネル1の変形や型崩れを防止する役割を果たす。
さらに、必要に応じてこの併設された型枠パネル1の上端に、型枠パネル1と同様な薄板金属で形成した断面コの字型のキャップを、その下端には断面コの字型のランナーなどの補助部材を装着するようにしても良い。
【0028】
このように、型枠パネル1が設置された後に、型枠パネル1で区画される空間内にコンクリートを打設し、養生させ、コンクリートを硬化した後、締め金具31と補強パイプ32とを取り外してコンクリート構造物である壁面を形成する。
このように、型枠パネル1を埋め殺し状態で用いることにより、コンクリート躯体と型枠パネル1とが一体化され、構造物全体の数十%程度までの応力負担を型枠パネル1に負わせることが可能になり、せん断強度、曲げ強度、軸方向耐力、耐震強度を向上することができる。また、コンクリート躯体の硬化時に起きる収縮ひび割れを低減する効果がある。
【0029】
図4に、コンクリート構造物の施工に用いられる型枠パネル1の一例の平面図と断面図とを示す。
この型枠パネル1の実施例では、押上げ片14の一辺の長さが7.5mmで、セパレータ挿入孔15は7.5×7.5mmの正方形であり、凸条11の間隔が50mmであるのに合わせて、セパレータ挿入孔15の相互間隔は、50×50mmにしている。この孔の寸法はさほど大きなものではなく、開口率は2.3%に過ぎないので、コンクリートのノロの漏出がほとんど無いことが確認できた。一方、水分は充分に通過するので、コンクリートの養生、硬化時に水抜き穴としての効果を備え、コンクリート内の湿気を取り除くことが可能になる。また、型枠パネル1を形成する薄肉金属板の厚みは0.3〜0.4mmと薄く構成した。
【0030】
次に、本発明に類似した参考例による対荷重変形の実測結果を示す。
図5(a)および(b)に比較例として用いた従来型の型枠工法によって作成した試験用コンクリート梁の構成を、図6に本発明に類似した工法によって作成した参考例の試験用コンクリート梁の構成を示す。
いずれも、断面が120×200mm、長さ2,000mmの梁であり、長さ方向に伸びる4本の10mmφの丸パイプを80×160mmに配置して軸にし、4mmφの鉄筋をこの軸に巻きつけて配筋構成とした。そうして、この配筋構成を囲むように型枠を設けてコンクリートを打設し、養生させ、コンクリート硬化後、型枠を除いて試験用梁を構成した。
【0031】
ここで、図5(a)に示す試験梁(従来例1)では、丸パイプに巻きつけた鉄筋の間隔を50mmに採り、図5(b)に示す試験梁(従来例2)では、鉄筋の間隔を100mmに採っている。
また、図6に示す参考例の試験梁では、図5(b)に示す試験梁(従来例2)と同じく鉄筋の間隔を100mmに採った配筋構成に対して、図7に示すような、図1に示した本発明の型枠パネル1で押上げ片14を設けない構成の型枠パネル2を埋め込み型枠として用い、さらに底面側に同じ型枠パネル2を底面のライナーとして用いてコンクリートを打設し、養生させて試験梁(参考例)を構成した。
【0032】
この3例の試験梁に、図5及び6で矢印で示した位置に荷重P(kN)を加え、試験梁の底面側の変位量δ(mm)を計測した結果を図8に示す。
図8の図表から分かるように、図5に示した従来型の試験梁(従来例1)では、変位50mmで、試験梁(従来例2)では変位38mmで、コンクリート躯体部分に亀裂が入った時点で梁としての構成が崩壊してしまっている。
一方、参考例の試験梁では、埋め込み型枠パネル2の働きによって、コンクリート躯体部分に亀裂が入った後も変位70mmまで荷重応力に耐えて梁としての構成が維持される。
これにより、この参考例は、例えば地震などに遭遇した際に構造物が完全に崩壊することを防ぐ耐性があることを示す。
本発明の型枠パネル1を用いたコンクリート構造物では、さらに押上げ片14がコンクリート内に固定される分、さらこの参考例よりも強度、耐力が増えるものと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、以上に述べたように、比較的簡単な構成で、型枠パネルとコンクリート躯体との接合強度を高め、コンクリート構造物の面内剛性を向上し、せん断強度、曲げ強度、軸方向耐力、耐震強度を向上することができる。
以上の説明では、コンクリート構造物として壁面について述べたが、柱、梁、床面などの構造物についても同様に施工することができるのはいうまでも無い。
したがって、土木・建設の広範な分野で広く利用される可能性を有している。
【符号の説明】
【0034】
1、2 型枠パネル
11 突条
12 リブ
13 切込み
14 押上げ片
15 セパレータ挿入孔
16 溝部
18 上面
19 側面
21 切込み
22 折返部
31 締め金具
32 補強パイプ
33 セパレータ
34 セパレータ座金

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート躯体と、そのコンクリート躯体の表面に埋め殺し状態で配設される型枠パネルとを備えたコンクリート構造物の施工方法であって、
その長さ方向に伸びる複数の凸条が幅方向に互いに平行に並設され、この凸条の上面にはその上面に対して垂直に立設する複数の押上げ片が設けられた1対の前記型枠パネルを、その上面側を対向する前記型枠パネル側に向けてコンクリート構造物の厚みに相当する間隔をおいて配設し、この配設された1対の前記型枠パネル間にコンクリートを打設して前記型枠パネルを埋め殺しして構成することを特徴とするコンクリート構造物の施工方法。
【請求項2】
コンクリート躯体と、そのコンクリート躯体の表面に埋め殺し状態で配設される型枠パネルとを備えたコンクリート構造物の施工方法であって、
その長さ方向に伸びる複数の凸条が幅方向に互いに平行に並設された1対の前記型枠パネルを、その上面側を対向する前記型枠パネル側に向けてコンクリート構造物の厚みに相当する間隔をおいて配設し、この配設された1対の前記型枠パネル間にコンクリートを打設して前記型枠パネルを埋め殺しして構成することを特徴とするコンクリート構造物の施工方法。
【請求項3】
必要に応じて前記型枠パネルの両端部に、断面コの字型の補助部材を装着することを特徴とする請求項1又は2記載のコンクリート構造物の施工方法。
【請求項4】
コンクリート構造物の形成時に型枠として機能し、形成後に埋め殺し状態で用いられる金属薄板から成る型枠パネルであって、
その長さ方向に伸びる複数の凸条がその幅方向に互いに平行に並設され、この凸条の上面には、その上面に対して垂直に立設する複数の押上げ片が設けられていることを特徴とするコンクリート構造物用型枠パネル。
【請求項5】
コンクリート構造物の形成時に型枠として機能し、形成後に埋め殺し状態で用いられる金属薄板から成る型枠パネルであって、
その長さ方向に伸びる複数の凸条がその幅方向に互いに平行に並設されていることを特徴とするコンクリート構造物用型枠パネル。
【請求項6】
前記凸条間には、さらにその高さが前記凸条の高さよりも低い複数のリブが前記凸条とほぼ平行にパネル幅方向に並設されていることを特徴とする請求項4又は5記載のコンクリート構造物用型枠パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−168828(P2010−168828A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13207(P2009−13207)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(505204446)日本環境製造株式会社 (12)
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)