説明

コンテキスト適応型ユーザインターフェイスシステム

【課題】グラフィック要素を含む画像データを提示するための方法及び装置を提供する。
【解決手段】装置の表示バッファから画像データを取得するステップと、画像データを分析して、画像データの能動領域及び受動領域を識別するステップと、受動領域にランク付けを行って、各受動領域の信頼基準を決定するステップと、装置上に表示する画像データを、ランク付けに基づいて受動領域内に提示されるグラフィック要素を含むように修正するステップとにより、表示するグラフィック要素を提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、電子装置及び表示アプリケーションに関し、より詳細には、画像データの表示に加えてグラフィック要素を提示するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイを有する多くのテレビ及び装置は、ユーザに情報を与えるための通知又はメッセージを提供する。これらのメッセージは、一時的に表示されることもあり、また場合によっては、ディスプレイからメッセージを消去するためのユーザインタラクションを必要とすることもある。多くのユーザは、これらのメッセージが有用であると感じている。しかしながら、これらのメッセージがコンテンツ又は表示テキストを遮ると、視聴者にとって重要な情報が失われる場合がある。典型的な従来技術の解決方法では、1又はそれ以上のグラフィック要素を非オーバーラップ表示するために、表示する画像データのスケールを縮小することによって画像データの表示を修正することができる。しかしながら、これらの方法は、ディスプレイが所望のストリームのコンテンツを最小化し、又はこれを見るのが困難になるという点で、コンテンツがオーバーラップするという欠点も同様に含む。ディスプレイ装置上にコンテンツを表示するための従来の装置及び方法の別の欠点として、重要でない領域にコンテンツを確定して表示できない点が挙げられる。従って、ディスプレイ装置及びアプリケーションによる、上述した欠点の1又はそれ以上を克服して有用な技術的解決策を提供する機能、及び視覚品位を改善できる機能が望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書では、画像データを提示するための方法及び装置を開示し、これについて特許請求する。1つの実施形態では、方法が、装置の表示バッファから画像データを取得するステップと、この画像データを分析して、画像データの能動領域と受動領域を識別するステップと、受動領域にランク付けを行って、各受動領域の信頼基準を決定するステップとを含む。この方法は、装置上に表示する画像データを、上記ランク付けに基づいて受動領域に提示されるグラフィック要素を含むように修正するステップをさらに含む。
【0004】
当業者には、以下の実施形態の詳細な説明に照らして、その他の態様、特徴、及び技法が明らかになるであろう。
【0005】
以下に示す詳細な説明を、全体を通じて同じ参照文字が対応する部分を示す図面とともに読めば、本開示の特徴、目的、及び利点がより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】1又はそれ以上の実施形態による、画像データを取得するグラフィック表現である。
【図2】1又はそれ以上の実施形態による、受動領域に表示されたグラフィック要素を含む画像データのグラフィック表現である。
【図3】1つの実施形態による装置の簡略ブロック図である。
【図4】1又はそれ以上の実施形態による、グラフィック要素を提示するためのプロセスを示す図である。
【図5A】1又はそれ以上の実施形態によって表示される画像データのグラフィック表現である。
【図5B】1又はそれ以上の実施形態によって表示される画像データのグラフィック表現である。
【図6A】1又はそれ以上の実施形態によって表示される画像データのグラフィック表現である。
【図6B】1又はそれ以上の実施形態によって表示される画像データのグラフィック表現である。
【図6C】1又はそれ以上の実施形態によって表示される画像データのグラフィック表現である。
【図6D】1又はそれ以上の実施形態によって表示される画像データのグラフィック表現である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
概観及び用語
本開示の1つの態様は、ビデオデータなどの画像データの表示とともにグラフィック要素を提示するための位置及び表示属性を決定することに関する。表示する画像データを動的に分析し、画像データのコンテンツに基づいて1又はそれ以上のグラフィック要素を提示するための方法及び装置を提供する。本明細書で説明する実施形態の1つの利点は、ユーザにとって重要な又は望ましいデータのオーバーレイを避けながら、表示された画像データにオーバーレイするグラフィック要素を提示する能力であると考えることができる。装置が表示するコンテンツに基づいて、装置コマンド、デジタルビデオ記録(DVR)、及び再生コマンド、チャネルリスト、番組ガイド及び放送情報へのアクセスなどのグラフィック要素を位置付けることができる。同様に、ソーシャル・ネットワーク・アプリケーション・メッセージ、eメール、ダイアログボックス、インスタントメッセージ・アプリケーション、ウェブログなどの1又はそれ以上のような、メッセージのためのグラフィック要素を提示することもできる。表示する画像データを分析することで、画像データの画面レイアウト及び特定のユーザインターフェイスの配置上へのオーバーレイを防ぐことができる。
【0008】
1つの実施形態では、グラフィック要素を提示する方法を提供し、この方法は、装置の表示バッファから画像データを取得するステップと、この画像データを分析して能動領域と受動領域を識別するステップとを含む。識別された受動領域にランク付けを行って、各受動領域の信頼基準を決定することができる。このランク付けに基づいて受動領域に提示されるグラフィック要素を含むように画像データを修正して、装置上に表示することができる。従来のグラフィック要素の表示方法とは対照的に、グラフィック要素の位置が特定の位置に固定されず、このグラフィック要素の提示を、画像データ要素を邪魔しないように位置付けることができる。
【0009】
別の実施形態では、表示バッファのコンテンツを分析し、表示バッファに記憶された画像データに基づいてグラフィック要素を提示するように構成できる装置を提供する。この装置は、ディスプレイを有する装置、又は表示する画像データを処理するように構成された装置に関連することができる。
【0010】
本明細書で使用する「1つの(英文不定冠詞)」という用語は、1又は1よりも多くを意味するものとする。「複数の」という用語は、2又は2よりも多くを意味するものとする。「別の」という用語は、第2の又はそれ以上の、と定義される。「含む(including)」及び/又は「有する(having)」という用語には(備える(comprising)と同様に)制限がない。本明細書で使用する「又は」という用語は包括的なものとして解釈すべきであり、すなわちいずれか1つ又はあらゆる組み合わせを意味する。従って、「A、B又はC」は、「A、B、C、AとB、AとC、BとC、AとBとC、のいずれか」を意味する。この定義に対する例外は、要素、機能、ステップ又は行為の組み合わせが何らかの点で本質的に互いに相容れない場合にのみ生じる。
【0011】
本明細書を通じて、「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「ある実施形態」、又は同様の用語への言及は、実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書を通じて至るところに出現するこのような語句は、必ずしも全てが同じ実施形態について言及するものではない。さらに、上記の特定の特徴、構造又は特性を、1又はそれ以上の実施形態にあらゆる好適な態様で制限なく組み合わせることができる。
【0012】
コンピュータプログラミングの当業者の手法に従って、以下、コンピュータシステム又は同様の電子システムにより実行される動作を参照しながら1又はそれ以上の実施形態について説明する。このような動作を、コンピュータ実行型と呼ぶこともある。なお、符号で表される動作として、中央処理装置などのプロセッサによるデータビットを表す電気信号の操作、及びシステムメモリなどの記憶場所におけるデータビットの保持、並びにその他の信号の処理が挙げられる。データビットを保持する記憶場所とは、データビットに対応する特定の電気的、磁気的、光学的、又は有機的特性を有する物理的場所のことである。
【0013】
ソフトウェアの形で実現される場合、基本的に本発明の要素は、必要なタスクを行うためのコードセグメントである。このコードセグメントを、情報を記憶できるあらゆる媒体を含むことができるプロセッサ可読媒体に記憶することができる。プロセッサ可読媒体の例として、電子回路、半導体メモリ装置、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ又はその他の不揮発性メモリ、フロッピー(登録商標)ディスケット、CD−ROM、光ディスク、ハードディスクなどが挙げられる。
【0014】
例示的な実施形態
ここで図を参照すると、図1に、1又はそれ以上の実施形態でグラフィック要素を提示するために使用できる画像データ取得のグラフィック表現を示している。図1は、装置のバッファに記憶された、装置が表示するコンテンツに関連できる画像データ100を含む。例えば、画像データ100は、装置による表示前にフレームバッファに記憶されたビデオ画像データに関連することができる。1つの実施形態によれば、1又はそれ以上のグラフィック要素を提示するために、画像データ100を動的に分析して、画像データの受動領域及び/又は能動領域を決定することができる。装置による画像データ100の分析に基づいて、画像データ100の既存のコンテンツとともに1又はそれ以上のグラフィック要素を提示することができる。
【0015】
画像データ100は、フレーム1051~nを含む形で示されている。フレーム1051~nは、放送データ、(ビデオディスク、Blu−ray(商標)などの)媒体から読み出されたデータ、及び装置が記憶しているデータなどの、ビデオデータのフレームとすることができる。1つの実施形態では、画像データ100の1又はそれ以上のフレームを取得して、この画像データを分析することができる。装置のバッファから1又はそれ以上のフレームを取得し、110として示す画像に変換し、この画像を使用して、画像データ100の能動領域及び/又は受動領域を識別することができる。1つの実施形態では、画像データ100の連続フレームを組み合わせて又は変換して画像110を生成することができる。別の実施形態では、画像データ110の非連続フレームを組み合わせて又は変換して画像110を生成することができる。画像110は、115として大まかに示すコンテンツを含み、これを画像データ100の主題とすることができる。コンテンツ115は、例示的なスポーツイベントのビデオ画像に関連し、これを主コンテンツとして記述することができる。画像データ100の主コンテンツに加え、画像データ100には、1又はそれ以上のグラフィック要素を含めることができる。一例として、画像110は、得点及び時間表示計に関するグラフィック要素120を含む。画像110は、テキスト表示を含むグラフィック要素125をさらに含む。画像データ100が放送ビデオデータに関連する場合、グラフィック要素120及び125は、放送局が画像データ100に加えるコンテンツに関連することができる。しかしながら、他のメディアタイプによって同様の形のコンテンツを提供することもできる。例えば、画像データ100が映画に関連する場合、この画像データは、主画像コンテンツにオーバーレイされた字幕用のグラフィック要素を含むことができる。装置は、画像110を生成してグラフィック要素120及び125などのグラフィック要素を考慮し、能動領域及び受動領域を識別することができる。
【0016】
図1には、画像110に基づいて装置が決定した受動領域1301~nを示している。受動領域1301~nは、画像データ100の、画面上の複数の重要な情報を遮る可能性が低い範囲とすることができる。例えば、受動領域は、テキストが存在する可能性の低い領域であってもよい。同様に、受動領域は、特定の色の頻度が高い、又は色の組が少ない領域であってもよい。本明細書で説明するように、1又はそれ以上の追加属性に基づいて受動領域を決定することもできる。以下で説明するような画像110の能動領域に基づいて受動領域を決定できるということも理解されたい。別の実施形態によれば、受動領域を識別してグラフィック要素の位置を決定することができる。
【0017】
ここで図2を参照すると、装置が表示できる画像データのグラフィック表現を示している。図2は、図1の画像データの分析に基づく装置のディスプレイウィンドウに関連することができる。一例として、(画像110などの)画像内の識別された(受動領域1301~nなどの)1又はそれ以上の受動領域に基づいて、装置は、画像データに加えてグラフィック要素を表示することができる。図2には、装置のディスプレイウィンドウ200を示している。装置による画像データ表示を大まかに205と呼び、この205はビデオデータ又は画像データに関連できるとともに、グラフィック要素210(例えば、グラフィック要素120)及びグラフィック要素215(例えば、グラフィック要素125)を含むことができる。1つの実施形態によれば、装置のバッファに記憶された画像データなどの、表示する画像データの分析に基づいて、装置が受動領域220を選択し、この受動領域220にグラフィック要素225を提示することができる。このように、画面上の画像データの重要な部分を遮らずにグラフィック要素225を提示することができる。また、装置により提示された画面レイアウトは変更することができ、使用中のアプリケーションに基づいて異なることができる。このように、画像データの分析に基づいてグラフィック要素225を提示することにより、ユーザ体験を向上させることができる。
【0018】
グラフィック要素225は、ユーザがメニューの1又はそれ以上の要素を選択して装置の動作を制御できるようにするためのユーザインターフェイスメニューとして示したものである。しかしながら、他の種類のグラフィック要素を提示することもできると理解されたい。例えば、グラフィック要素225を、デジタルビデオ記録(DVR)コマンド、チャネルリスト、番組ガイド、放送情報へのアクセスなどのような1又はそれ以上の選択可能な装置コマンドのために表示することもできる。別の実施形態によれば、グラフィック要素225を、1又はそれ以上のソーシャル・ネットワーキング・アプリケーション・メッセージ、Eメール、ダイアログボックス、インスタントメッセージ・アプリケーション、ウェブログなどのようなメッセージとすることができる。さらに、本明細書で説明するように、表示する画像データのコンテンツに基づいて、グラフィック要素225を位置付け及び/又は修正することができる。
【0019】
次に図3を参照すると、1つの実施形態による装置の簡略ブロック図を示している。装置300は、以下に限定されるわけではないが、ディスプレイ装置、パーソナル通信装置、メディアプレーヤなどを含む、画像データを表示するように構成された装置に関連することができる。いくつかの実施形態では、装置300が、セットトップボックス、メディアプレーヤなどの、ディスプレイ装置とインターフェイス接続するように構成された周辺装置に関連することができる。図3に示すように、装置300は、プロセッサ305、メモリ310、ディスプレイ315、入力/出力(I/O)インターフェイス320、及び表示バッファ325を含む。装置300の要素は、通信バス330によって通信及び相互運用するように構成することができる。プロセッサ305は、メモリ310に記憶された1又はそれ以上のコンピュータ実行可能命令に基づいて装置300の動作を制御するように構成することができる。1つの実施形態では、プロセッサ305を、画像コンテンツの表示を制御して複数のユーザ制御機能を提供するように構成することができる。メモリ310は、RAMメモリ及びROMメモリの一方に関連することができ、これを、1又はそれ以上のファイル、及び装置300を動作させるためのコンピュータ実行可能命令を記憶するように構成することができる。メモリ310は、単一のメモリユニットとして示しているが、内部装置メモリ及び取り外し可能メモリの1又はそれ以上に関連することができる。メモリ310は、1又はそれ以上の電子書籍及びブックマークファイルを記憶することができる。
【0020】
ディスプレイ315は、ビデオデータなどの画像データを表示するために使用され、プロセッサ305が実行する1又はそれ以上のアプリケーションを表示することができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ315が、タッチスクリーンディスプレイに関連することができる。I/Oインターフェイス320は、表示するコンテンツの選択を制御すること、及び装置300の動作を制御することを含む、装置300の動作を制御するために使用することができる。I/Oインターフェイス320は、数字キー、音量調節、メニュー制御、ポインティングデバイス、トラックボール、モード選択ボタン、及び再生機能(再生、停止、一時停止、早送り、巻戻し、スロー再生など)などの、ユーザ入力のための1又はそれ以上のボタンを含むことができる。I/Oインターフェイス320のボタンは、ハードボタン及びソフトボタンを含むことができ、ソフトボタンの機能は、装置300上で実行される1又はそれ以上のアプリケーションに基づくことができる。I/Oインターフェイス320は、装置300が有線又は無線通信によって通信できるようにする1又はそれ以上の要素を含むことができる。I/Oインターフェイス320は、取り外し可能メモリのためのポートを含む、データ受信のための1又はそれ以上のポートを含むことができる。I/Oインターフェイス320は、以下に限定されるわけではないが、LAN、WAN、Wi−Fiなどを含む、ネットワークベースの通信を可能にするように構成することができる。
【0021】
表示バッファ325は、ディスプレイ315による画像データの表示を推進するように構成することができる。1つの実施形態では、表示バッファ325を、画像データを表示する前にこのデータを記憶するように構成することができる。いくつかの実施形態では、表示バッファ325を、最大10分間にわたる画像データを記憶するように構成することができる。しかしながら、表示バッファ325を、他の時間にわたってデータを保持するように構成することもできると理解されたい。別の実施形態によれば、表示バッファ325を、画像データを分析するために、バッファが記憶しているデータをプロセッサ305へ出力するように構成することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ305を、バッファ325が記憶している画像データを分析して受動領域及び能動領域をモニタするように構成することができる。このようにして、装置を、表示バッファ325で分析された画像データに基づいて、ユーザ入力を検出したときにグラフィック要素を提示するように構成することができる。
【0022】
次に図4を参照すると、1又はそれ以上の実施形態によるグラフィック要素を提示するためのプロセスを示している。プロセス400を使用して、表示するコンテンツを分析し、グラフィック要素をオーバーレイするための、表示されている画像データを邪魔する可能性が低くなる位置を決定することにより、グラフィック要素を動的に提示することができる。プロセス400は、図3の装置、ディスプレイ装置、マルチメディア装置、ディスプレイ装置のために画像データを処理するように構成された装置、コンピュータ装置、パーソナル通信装置、ゲームシステムなどにより使用することができる。
【0023】
プロセス400は、ブロック405において、表示する画像データを取得することにより開始することができる。ブロック405において取得した画像データは、装置の表示バッファ(表示バッファ325など)によって記憶することができる。ブロック405における画像データ取得ステップは、画像データをフレームなどの1又はそれ以上の画像データに細分化するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、装置が画像データを表示又は出力する前に、ブロック405において画像データを取得することができる。例えば、表示バッファに記憶された1又はそれ以上のフレームを表示する前に、これらをプロセッサに提供することができる。複数のフレームを取得した場合、一連の連続フレームを分析することができる。いくつかの実施形態では、ある時間間隔中に、各々が時間遅延によって分離した1又はそれ以上のフレームが選択された非連続フレームを分析することができる。他の実施形態では、装置による表示中に、ブロック405において画像データを取得することができる。例えば、表示バッファの出力を分析して、画像データの領域を特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、ブロック405において取得した画像データを、受動領域及び能動領域を分析するために単一の画像に変換することができる。ブロック405において、ビデオストリームから画像データを取得して、1又はそれ以上のグラフィック要素及びテキスト要素を含めることができる。
【0024】
ブロック410において、ブロック405で取得した画像データを分析して、能動領域及び受動領域を決定することができる。プロセッサは、コーナー検出及び変動ウィンドウヒストグラム解析を使用して画像データを分析し、能動領域及び受動領域を決定することができる。コーナー検出は、2つのエッジの交点、すなわち、ある局所近傍で2つの際立った異なるエッジ方向の点が画像データ内に存在するような点の検出を含むことができる。変動ウィンドウヒストグラム(スライディングウィンドウヒストグラムなど)は、個々の位置に対する視覚データのヒストグラム生成するために画像全体にわたるデータウィンドウの生成を含むことができる。このように、画像データの画素を様々なクラスに分類して、画像データの要素の異なる領域を識別することができる。画像データの特徴に基づいて、画像データに基づくグラフィック要素を表示できるように領域を選択することができる。上述したように、受動領域は、特定の色又は特定の色の組の頻度が高い領域であってもよい。一般に、受動領域では、テキストが表示される確率が低く、ヒストグラムウィンドウの値が変化する。能動領域は、テキストが表示される確率が高く、ヒストグラムウィンドウが平坦な領域とすることができる。いくつかの実施形態では、カスケードフィルタを使用して画像データのテキスト分析を実行し、周波数領域の値が高い1又はそれ以上の色を含む特徴集合ヒストグラムウィンドウを作成することができる。
【0025】
プロセス400は、ブロック415において受動領域にランク付けするステップに進むことができる。例えば、領域を0から1のスケールで特徴付ける信頼基準で受動領域にランク付けすることができる。領域は、グラフィック要素が重要な情報を覆い隠す可能性に基づいてランク付けすることができ、表示されるグラフィック要素の1又はそれ以上の属性にさらに基づくことができる。例えば、グラフィック要素がテキスト又はメッセージボックスに関連する場合、領域にランク付けする際に、メッセージボックスの表示サイズなどのメッセージボックスの表示属性を考慮することができる。
【0026】
ブロック420において、ディスプレイの画像データを、グラフィック要素を含むように修正することができる。例えば、グラフィック要素を表示できる最も大きな隣接する受動領域を選択することができる。その後、グラフィック要素の表示中に、このグラフィック要素を、選択した受動領域に位置付けることができる。いくつかの実施形態では、グラフィック要素のサイズを、画像データの受動領域と一致するように変更することができる。
【0027】
次に図5A〜図5Bを参照すると、1又はそれ以上の実施形態による、グラフィック要素を含む装置のディスプレイウィンドウのグラフィック表現を示している。装置は、1又はそれ以上の能動領域及び受動領域を決定するための画像データの分析に基づいてディスプレイウィンドウ500を表示することができる。ディスプレイウィンドウ500内に表示される画像データは、ビデオデータの主題505、並びにロゴ510及びスクロールするテキスト表示515などの、1又はそれ以上のグラフィック要素を含むことができる。装置は、ユーザコマンドに基づいてグラフィック要素を表示するように構成することができる。装置は、ディスプレイウィンドウ500の画像データを分析し、受動領域を決定することができる。図5Aに示すように、グラフィック要素525を表示するための受動領域520を選択することができる。記録したビデオデータを制御するための方向制御のグラフィック要素525を示している。ユーザコマンドに少なくとも部分的に基づいて、図示のようにディスプレイウィンドウの上部領域にグラフィック要素525を表示することができる。画像データをモニタするように装置を構成し、表示された画像データの変化に基づいて、グラフィック要素525の位置及び/又はサイズを変更することができる。
【0028】
次に図5Bを参照すると、図5Aの画像データをグラフィック要素535の表示を含むように修正したディスプレイウィンドウ525を示している。1つの実施形態によれば、ディスプレイに対する要素の変化に基づいて、グラフィック要素525の位置を、図5Bに示すような受動領域540に変更することができる。
【0029】
次に図6A〜図6Bを参照すると、1又はそれ以上の受動領域及び能動領域を決定するためのディスプレイウィンドウ及び領域分析のグラフィック表現を示している。まず図6Aを参照すると、画像データのコンテンツを分析するための画像の細分化のグラフィック表現を示している。画像データ600をグリッド方式によって細分化し、605として示す各ブロックに関連する画素を分析することができる。いくつかの実施形態では、グリッドの一部を全体のグリッドから切り離して分析して、処理する画像データ量を削減することができる。例えば、領域610a〜610dを、画像データ600の他のブロックよりも前に、又はこれらのブロックとともに分析して、1又はそれ以上の受動領域を決定することができる。
【0030】
別の実施形態によれば、画像データの分析を、ユーザがグラフィック要素を見慣れているディスプレイウィンドウの所定の領域に制限することができる。図6Bに示すように、領域620a〜620bを基準として画像データ615を分析することができる。特定の領域の分析は、各領域620a〜620b内の小領域の分析を含むことができる。グラフィック要素を表示するために、領域620a〜620bの1つを選択することができる。
【0031】
次に図6Cを参照すると、画像データ625のグラフィック表現を示している。画像データ625を分析して、能動領域及び受動領域を決定することができる。プロセッサは、複数のフレームに関する画像データの変化に基づいて、能動領域及び受動領域を決定することができる。変化に基づいて、プロセッサは、図6C内の640及び645として示す長方形オブジェクトによって示す能動領域に関連する変化濃度を決定することができる。画像コンテンツが実質的に同じ状態のままである画像データの領域に基づいて、受動領域630及び635などの受動領域を決定することができる。受動領域の決定は、重要な画像データのグラフィック要素を表すことができるテキストデータの分析をさらに含むことができる。たとえ領域の画素データが実質的に同じであっても、これらの部分を能動領域として示すことができる。
【0032】
別の実施形態によれば、画像データを分析して、活動性の高い特定の領域を決定することができる。例えば、画像データが映画に関連し、ディスプレイウィンドウの中心領域が能動領域に関連することがある。図6Dに、能動領域665が画像データの特定の領域内に集中しているディスプレイウィンドウを示す。1つの実施形態によれば、画像データ650とともに複数のグラフィック要素を表示し、あるグラフィック要素を第1の受動領域655内に、第2のグラフィック要素を第2の受動領域660内に表示することができる。一例として、第1及び第2の受動領域は、方向コマンドを含むことができる。或いは、受動領域655及び660を使用して、異なる種類のグラフィック要素を表示することもできる。
【0033】
例示的な実施形態を参照しながら本開示を具体的に示し説明したが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に含まれる実施形態の範囲から逸脱することなく、形状及び詳細に様々な変更を行うことができると理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示するグラフィック要素を提示する方法であって、
装置の表示バッファから画像データを取得するステップと、
前記画像データを分析して、前記画像データの能動領域及び受動領域を識別するステップと、
前記受動領域にランク付けを行って、各受動領域の信頼基準を決定するステップと、
前記装置上に表示する前記画像データを、前記ランク付けに基づいて受動領域内に提示されるグラフィック要素を含むように修正するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記画像データが、前記装置のフレームバッファから取得される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像データを取得するステップが、前記画像データを1又はそれ以上の画像に細分化するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記画像データが、前記装置による表示前に取得される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記画像データが、前記装置による表示中に取得される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記画像データが、バッファに記憶されたビデオデータであり、グラフィック要素及びテキストデータの少なくとも一方を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記画像データが、モバイル装置、ディスプレイ装置、及びメディアプレーヤの少なくとも1つにユーザインターフェイスとして表示される画像データである、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記画像データを分析するステップが、能動領域及び受動領域を識別するためのコーナー検出及び変動ウィンドウヒストグラム解析の少なくとも一方を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記画像データを分析するステップが、前記画像データの連続フレーム及び非連続フレームの一方をサンプリングするステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記能動領域が、様々な度合の色成分のばらつきを示すテキスト及び画像データの可能性が高い1又はそれ以上の画像データを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記受動領域が、特定の色成分との高い相関関係を示すテキスト及び画像データの可能性が低い1又はそれ以上の画像データを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記受動領域にランク付けするステップが、画像領域のカスケードフィルタリングを行って、前記領域の色勾配及び平均勾配値を作成するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記表示する画像データを修正するステップが、前記表示の出力に1又はそれ以上のグラフィック要素を追加するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記受動領域の特性に基づいて、グラフィック要素の1又はそれ以上の形状及び提示サイズを修正するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
画像データを提示するためのコンピュータ実行可能コードを含む、コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータプログラム製品であって、
装置の表示バッファから画像データを取得するためのコンピュータ可読コードと、
前記画像データを分析して、前記画像データの能動領域及び受動領域を識別するためのコンピュータ可読コードと、
前記受動領域にランク付けを行って、各受動領域の信頼基準を決定するためのコンピュータ可読コードと、
前記装置上に表示する前記画像データを、前記ランク付けに基づいて受動領域内に提示されるグラフィック要素を含むように修正するためのコンピュータ可読コードと、
を含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項16】
前記画像データが、前記装置のフレームバッファから取得される、
ことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
前記画像データを取得するステップが、前記画像データを1又はそれ以上の画像に細分化するステップを含む、
ことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
前記画像データが、前記装置による表示前に取得される、
ことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
前記画像データが、前記装置による表示中に取得される、
ことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
前記画像データが、バッファに記憶されたビデオデータであり、グラフィック要素及びテキストデータの少なくとも一方を含む、
ことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項21】
前記画像データが、モバイル装置、ディスプレイ装置、及びメディアプレーヤの少なくとも1つにユーザインターフェイスとして表示される画像データである、
ことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項22】
前記画像データを分析するステップが、能動領域及び受動領域を識別するためのコーナー検出及び変動ウィンドウヒストグラム解析の少なくとも一方を含む、
ことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項23】
前記画像データを分析するステップが、前記画像データの連続フレーム及び非連続フレームの一方をサンプリングするステップを含む、
ことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項24】
前記能動領域が、様々な度合の色成分のばらつきを示すテキスト及び画像データの可能性が高い1又はそれ以上の画像データを含む、
ことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項25】
前記受動領域が、特定の色成分との高い相関関係を示すテキスト及び画像データの可能性が低い1又はそれ以上の画像データを含む、
ことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項26】
前記受動領域にランク付けするステップが、画像領域のカスケードフィルタリングを行って、前記領域の色勾配及び平均勾配値を作成するステップを含む、
ことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項27】
前記表示する画像データを修正するステップが、前記表示の出力に1又はそれ以上のグラフィック要素を追加するステップを含む、
ことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項28】
前記受動領域の特性に基づいて、グラフィック要素の1又はそれ以上の形状及び提示サイズを修正するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項29】
表示バッファと、
前記表示バッファに結合されたプロセッサと、
を備え、前記プロセッサが、
表示バッファから画像データを取得し、
前記画像データを分析して、前記画像データの能動領域及び受動領域を識別し、
前記受動領域にランク付けを行って、各受動領域の信頼基準を決定し、
前記装置上に表示する前記画像データを、前記ランク付けに基づいて受動領域内に提示されるグラフィック要素を含むように修正する。
【請求項30】
前記装置が、ディスプレイ装置、パーソナル通信装置、ハンドヘルドコンピュータ装置、及び一般的コンピュータ装置の1又はそれ以上に関する、
ことを特徴とする請求項29に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【公開番号】特開2013−33471(P2013−33471A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−160949(P2012−160949)
【出願日】平成24年7月2日(2012.7.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】