説明

コンテナとコンテナとを連結するための連結装置

【課題】信頼性高く良好に機能するコンテナ相互連結装置を提供する。
【解決手段】連結装置本体部が、該本体部の横方向の動きを可能にする及び/又は妨げると共にコンテナ40の垂直方向の力を受けるための回転するレバー状の第二固定部品5を有し、該第二固定部品5が直接的又は間接的に前記第一固定部品8と接し、第一固定部品が回転すると、第二固定部品も回転して固定モードと固定解除モードとを実現することができることを特徴とする連結装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナを相互に連結するために使用される、特に、貨物船においてコンテナを相互に連結するために使用される連結装置に関する。海上輸送に加えて、コンテナは陸上輸送にも使用される。
【0002】
従来から、船上では、船の傾斜の程度に応じて、積み重ねられたコンテナは片側に傾斜しやすいものである。このことは、あるコンテナの少なくとも2つの隅角、即ち、コンテナの一方の辺又は他方の辺は、当該コンテナの上にあるコンテナの重量によって生じた圧力を受けていることを意味する。
【0003】
他方、コンテナが持ち上げられるときには、4つの隅角全部が同時に上がるように持ち上げられる。この理由故に、コンテナの連結装置をいつ固定モードにしなければならないか、そして、いつ固定解除モードにしなければならないかが明確に定められる。公知の装置においては、垂直方向の力、即ち、コンテナを持ち上げる力は連結装置の中で横方向(水平方向)の力に変換され、この横方向の力は、持ち上げられているコンテナをその直下のコンテナに対して横方向に動かす。
【背景技術】
【0004】
コンテナを相互に連結するための様々な装置が従来技術から知られている。完全に人手によって操作される連結装置によってコンテナが相互に連結される装置が知られている。即ち、このような連結装置を使用するときには、固定段階と固定解除段階との両方において完全に人手によって連結がなされる。また、半自動及び全自動連結装置も知られている。ここに記載されている連結装置は完全自動式で動作する連結装置に関する。
【0005】
EP 1810938の明細書から、コンテナとコンテナとを連結するための連結装置が知られており、該装置は、持ち上げられるコンテナの重量を受けるカム状部品、及び固定モードと固定解除モードとを可能にする1つの回転可能な固定部材を有する。この固定部材は前記カム状部品の反対側に沿って動くことができるように配設される。
【0006】
完全自動動作式連結装置がWO 2006/137759 A1の明細書に記載されている。この明細書による連結装置はコンテナを相互に連結する装置であり、この連結装置は、垂直軸を中心として回転することによって、固定及び固定解除のための動作をする固定用部品に連結される本体部を有している。固定用部品には、非対称な複数の案内面が設けられており、これによって固定モードと固定解除モードとが提供される。
【0007】
従来技術による装置はある欠点を有している。公知の従来技術による装置は、非対称に動作する。具体的には、主として波によって生じた船の傾斜によって、一方の側の連結(固定)のみがそれより下側にあるコンテナに作用する。これ故に、このような連結装置の動作は信頼性がなく、非対称な固定によって生じた力によって連結装置の固定が外れることがあるので、危険な状況を作り出すことすらあり得る。コンテナに所定の寸法許容範囲からの望まない逸脱があると、このことは特に可能性があることとなる。既に安全な積載が行われていたとしても、荷重が片側に偏っているので、固定によってコンテナの隅角部材に永久的な変化を生じてしまうことがあり、これは非常に大きな不利益をもたらす。
【0008】
連結装置は、(固定バーなどの)他の部品も含むより大きな全体の一部であり、コンテナが船に連結されたり船が動いたりするときに生じる大きな荷重を受けなければならず、前記部品はコンテナを相互に、そして船と強固に連結することができなければならない。連結装置内での変位、即ち、連結装置がコンテナの隅角部材に取り付けられているときの連結装置の変位が大きくなり過ぎると、固定バーなどの連結部材以外の部材や部品が過度に大きい力を受けてシステムが過重負荷を受ける危険性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】EP 1 810 938 A
【特許文献2】WO 2006/137759 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、コンテナとコンテナとを相互に連結するための新規な連結装置を提供することである。この連結装置によって公知の装置の欠点を排除又は最小化することができ、信頼性高く良好に機能する連結装置装置を達成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を提供する。
請求項1に記載の第一の手段は、コンテナを連結するための、特に貨物船で使用されるコンテナとコンテナとを連結して陸上輸送するための連結装置であって、該連結装置の本体部の上部に固定部材が形成され、該固定部材をその垂直軸を中心として回転することによって前記コンテナの隅角に取り付けられている隅角部材に前記本体部を固定することができ、これによって前記コンテナの隅角部材に前記固定部材が固定され、前記上部と前記本体部の下部との間に平坦な連結板が形成され、該本体部の動きを制御すると共にコンテナ間の垂直方向の力を実質的に受けるカム部品を前記本体部が有し、前記本体部が該本体部の動きを妨げ及び/又は解放するための回転するレバー状の第一固定部品を有する連結装置において、前記本体部が、該本体部の横方向の動きを可能にする及び/又は妨げると共にコンテナ間の垂直方向の力を受けるための回転するレバー状の第二固定部品を有し、該第二固定部品が直接的又は間接的に前記第一固定部品と接し、第一固定部品が回転すると、第二固定部品も回転して固定モードと固定解除モードとを実現することができることを特徴とする連結装置である。
請求項2に記載の第二の手段は、前記カム部品が面を有し、前記第二固定部品が第一の面を有し、該面と該第一の面とが隅角部材の2つの面とそれぞれ接すると、前記コンテナ間の垂直方向の動きが妨げられることを特徴とする、請求項1に記載の連結装置である。
請求項3に記載の第三の手段は、前記面が傾斜面であり、前記カム部品の該傾斜面と前記隅角部材の角部の面との接触と、前記第二固定部品の前記第一の面と該隅角部材の前記角部と対向する角部の面との接触とによって、前記コンテナ間の垂直方向の動きが妨げられることを特徴とする、請求項2に記載の連結装置である。
請求項4に記載の第四の手段は、前記第一及び/又は第二固定部品が前記本体部内に軸によって取り付けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の連結装置である。
請求項5に記載の第五の手段は、前記第一固定部品が第一の面を有し、前記第二固定部品が第二の面を有し、第一固定部品の該第一の面と該第二の面とが相互に接して、第一固定部品と第二固定部品との間の動きを可能にすることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の連結装置である。
請求項6に記載の第六の手段は、前記第一及び/又は第二固定部品が前記本体部の内部で部分的に又は完全に回転可能であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の連結装置である。
請求項7に記載の第七の手段は、前記第一及び第二固定部品が軸によって前記連結装置に取り付けられていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の連結装置である。
請求項8に記載の第八の手段は、前記コンテナとコンテナとの間の水平方向の動きを可能にし又は妨げて、固定又は固定解除モードを可能にするための、固定モードにおいて前記隅角部材と接することのできる複数の面を第一及び第二固定部品が有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の連結装置である。
請求項9に記載の第九の手段は、前記第一及び/又は第二固定部品がバネ状部材に固定されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の連結装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明による、ここまでに記載してきた連結装置は、公知の連結装置に比べて大きな利点を有する。
【0013】
ここに記載の発明によると、コンテナとコンテナとを相互に連結するために新しい種類の連結装置が提供され、これによって公知の連結装置の問題を排除することができ、容易に使用することができて、使用に際して信頼することのできる連結装置が確かに達成される。この連結装置によって、意図せずしてコンテナとコンテナとが相互に離れることなく、また、コンテナ間に垂直に働く力(そして他の方向に働く力)を連結装置が実質的に受けるように効果的に機能するようにコンテナとコンテナとを相互に連結することが可能である。コンテナ同士が連結されている状態では、連結装置は、該連結装置に向けられた応力に十分に耐えることができる。さらに、本発明による連結装置の製造は比較的簡単であり、高価ではない。
【0014】
図1〜6を参照して、例によって本発明を更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1aと1bとは、本発明による連結装置を示している。
【図2a】本発明による連結装置によって、2つのコンテナを相互に連結する様子を示している。
【図2b】本発明による連結装置によって、2つのコンテナを相互に連結する様子を示している。
【図2c】本発明による連結装置によって、2つのコンテナを相互に連結する様子を示している。
【図2d】本発明による連結装置によって、2つのコンテナを相互に連結する様子を示している。
【図3】図3a〜3dは、2つのコンテナの間の連結を解除する様子を示している。
【図4】2つコンテナが相互に連結された状態と、それらの間の回転動、即ち、コンテナを持ち上げる状態において、垂直軸を中心とする一方のコンテナの回転を示している。
【図5】コンテナの隅角に設けられる隅角部材を示している。
【図6】コンテナを連結する際に生じる垂直方向の力を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1a及び1bによると、本発明の連結装置は、本体部13において、該本体部13の上部に形成された固定部材2を有している。垂直方向の軸を中心として本体部2を回転することによって、コンテナ40の隅角に設けられた隅角部材26に、この固定部材によって本体部を固定することができる(図2a、図4参照。)。こうして、本体部の水平面10、11が垂直方向の力を受け、本体部の垂直面4、12が水平方向の力を受けるように、固定部材がコンテナの隅角部材に固定される。
【0017】
本体部の上部と下部との間には平坦な連結板3が形成され、該連結板は持ち上げられる2つのコンテナ40、41の間にあって(図4)コンテナとコンテナとの間に働く力、主に上側にあるコンテナ40の重量を受ける。連結板は、さらに、一方が他方の上に載置された2つのコンテナ40、41が相互に対して水平方向に動こうとするときに、それぞれのコンテナの重量から生じる摩擦力を受けて移動させる。
【0018】
本体部には、該本体部の動きを制御して垂直方向の力を受けるカム部品6があり、本体部には、また、該本体部の動きを妨げ及び/又は解放するための回転するレバー状の第一固定部品8が取り付けられている。
【0019】
本体部には、本体部の横方向の動きを可能にする及び/又は妨げる、そして垂直方向の力を受けるための回転するレバー状の第二固定部品5も取り付けられる。前記回転するレバー状の第一固定部品が回転すると、この回転するレバー状の第二固定部品も回転して連結装置が固定モードと固定解除モードとを取ることができるように(図2a〜2dに示されている)、回転するレバー状の第二固定部品は直接的又は間接的に回転するレバー状の第一固定部品8と接している。回転するレバー状の第二固定部品にはバネ状部材(本体部内に取り付けられているので図示されていない)が取り付けられており、このバネ状部材は、本体部内で第二固定部品を該本体部内の空間20に押し込む(又は引き込む)ために設けられている。このバネ状部材は、前記第一固定部品にも接続することができる。このようにして、第二固定部品は第一固定部品を本体部の外に押し出し、また、第二固定部品は、直接的又は間接的に第一固定部品に接している。第一固定部品に力が加わっていないときには、図1bで示される配置にあり、即ち、カム部品6から突出している面がある。第一固定部品は該カム部品の内部に部分的に又は完全に押し込まれることが可能であり、面17に圧力がかけられると、この面は軸7を中心として回転し、カム部品6の内部を動いて前記空間20に入る。
【0020】
図2a〜図2dは、本発明による連結装置1によって2つのコンテナ40、41を相互に連結する過程を示している。図2aに示される状態では、本体部の固定部材2によって連結装置が上側のコンテナ40の隅角部材26に固定され、該固定部材2の水平面及び垂直面4、10、11、12が隅角部材の対応する面21、22、23、24と接して係合し、連結装置を隅角部材の所定の位置に保持する。このようにして、連結装置は隅角部材の内部で水平方向にも垂直方向にも動けなくなる。図より理解されるように、下側の隅角部材27は動かず、連結装置1が固定されている上側の隅角部材26が下方に動く。図2aに示されている状態においては、カム部品6も2つの回転するレバー状の固定部品5、8のいずれも下側の隅角部材27に接していないので、上側の隅角部材と下側の隅角部材との間に横方向の動きは存在しない。
【0021】
図2bに示されている状態において、連結装置が固定されている上側のコンテナが下方に動かされるにつれ、下側の隅角部材27の面31と第二固定部品5の面19とが、また、下側の隅角部材の面32と第一の回転レバー状固定部品8の面19とが接するようになる。カム部品6の垂直面43が隅角部材の垂直面36と接して横方向の動きを妨げているので、この段階では、横方向の動きはまだ発生しない。
【0022】
図2cに示されているように、上側のコンテナ40が更に下げられると、カム部品6の傾斜面9と下側の隅角部材の角部の面33とが接し、さらに、該隅角部材の角部の面31が第二固定部品の面19と接することによって、第二固定部品5が隅角部材27と接するようになる。同様にして、第一固定部品が同じ隅角部材の第二の(前記角部に対向する)角部の面35と接する。さらに、第一固定部品と第二固定部品とのそれぞれの面15、16が相互に接するので、第一固定部品が第二固定部品を押す(前者が後者と合わさる)。また、上側の隅角部材26を下げると、第一固定部品8が反時計回りに回転し、同時に、第二固定部品5が時計回りに回転する。そして、上側の隅角部材が右方へ動くことができる。この過程で、カム部品の傾斜面9が隅角部材27の角部の面33と接して該傾斜面が動きを制御する。
【0023】
図2dの状態において、上側のコンテナが下側のコンテナの上に載るまで下ろされると、連結板3の下面42が下側のコンテナの隅角部材27の面44に接するので、上側のコンテナの重量が連結板3を経て下側のコンテナを押してこれらの間に摩擦力が生じる。
【0024】
この図に示されている状態で、隅角部材26と隅角部材27とは完全に一直線上に配置されている。そして、第一固定部品8が本体部の内側にあり、その面17が隅角部材の(垂直)面36にのみ接し、第二固定部品が、その傾斜面18と略垂直面19との間にある角接続部と該略垂直面19とによって隅角部材の面37と接するという、それぞれの極位置に来るように第一及び第二固定部品が回転する。こうして第一及び第二固定部品によってコンテナの水平方向の動きが妨げられると、第二固定部品の面19と面18との間の角接続部が隅角部材の角部の面38と接し、カム部品の面9が隅角部材の角部の面36と接するので、上側のコンテナの垂直方向の動きも妨げられる。これらの接触によって、連結装置1が上方に動くのが妨げられる。
【0025】
図3a〜3dは、上側のコンテナがリフター又は他の揚上装置によって持ち上げられるときの2つのコンテナの間の連結が解除される過程を示している。
【0026】
図の3aに示されているように、上側のコンテナ40は連結板3上に載置され、上側のコンテナの重量は、上側のコンテナと連結板の上面との間に摩擦を生じる。この重量は下側のコンテナ41にも掛かり、その結果、連結板3の下面と下側のコンテナとの間にも摩擦が生じる。これらの摩擦によって、コンテナ40とコンテナ41とが相互に水平方向に動くのが妨げられる。
【0027】
コンテナ同士が相互に連結されると、これらの間の垂直方向の動きが連結装置1によって妨げられ、カム部品の角部の面36と隅角部材の角部の面33とが接し、同様に、第二固定部品の面18が隅角部材の角部の面38と接している。図より理解されるように、第二固定部品5は面18と面19との間に先に記載した角接続部を有するように形成されている。この角接続部は隅角部材27の角部の面38と係合しており、これによって垂直方向の動きを妨げている。
【0028】
図の3bに示されているように、上側のコンテナの揚上が開始されると、連結板と下側のコンテナとの間に摩擦が生じ、連結装置1(複数個の連結装置)によって上側のコンテナと下側のコンテナとの間に水平方向の動きが生じ、カム部品の傾斜面9が水平方向の動きを制御する。そして、第一及び第二固定部品5、8は隅角部材27の複数の面と接して制御可能に回転することができる。
【0029】
図の3cに示されているように、上側のコンテナがさらに持ち上げられると、カム部品の傾斜面9が隅角部材27に接しなくなるまで、水平方向にも動き続ける。
【0030】
図の3dから理解されるように、第二固定部品5とカム部品6とが垂直方向の動きを妨げなくなると、連結装置1を下側の隅角部材27から抜いて持ち上げることができる。すると、第二固定部品5は完全に、又はほぼ完全に内部で回転して図1に示されている空間20に入り込む。
【0031】
図4は、2つのコンテナ40と41とが相互に連結されている状態を示しており、この状態で2つのコンテナの隅角(2つの隅角部材26、27)は完全に一直線状に配列されている。上側のコンテナ40は、その各隅角が連結装置(図4には示されていない)によって、コンテナに設けられた隅角部材を介して下側のコンテナ41に固定されている。この図は回転の方向、即ち、上側のコンテナの揚上が開始されるとどちらの方向に上側のコンテナを回転させることができるかを示している。そして、上側のコンテナを持ち上げると、下側のコンテナの上に掛かる上側のコンテナの重量によって生じる、コンテナ間の摩擦がなくなり、わずかな回転動、即ち、2つのコンテナの垂直軸を中心として生じる動きがコンテナ間に生じるのと同時に、図の3aと3bとに示されているように連結装置による連結を解除することができる。コンテナの一方の側に装着されている2つの連結装置は、上側のコンテナの揚上が開始された状態で、コンテナの反対側に装着されている連結装置とは反対の方向に動くことができ、正にこのことによって、連結装置の動作が可能になる。
【0032】
図5は、コンテナの隅角に装着されている隅角部材を示している。この図によると、隅角部材は直方体の部材であり、その上面44には連結用開口部28が形成されている。隅角部材の側面には、吊上フック又は他の部材で揚上を行うための、また、支持部材を固定するための更なる開口部29、30がある。
【0033】
図6に示されているように、隅角部材26を有するコンテナと隅角部材27を有するコンテナとが連結装置1によって連結され、相互に連結されたコンテナが左に傾くと、上側のコンテナ40の重量によって生じた押圧力(矢印で表示)が下側のコンテナの左側の隅角45に掛かる。そしてこの押圧力は、さらに、下側のコンテナ41の左側、即ち、隅角45を押す。同時に、右側の隅角46には、下側のコンテナの対応する隅角から隅角46を引いて離そうとする牽引力が生じる。相互に連結されたコンテナが左に傾くと、該コンテナの右側の隅角に取り付けられた連結装置1は、このように引張応力を受ける。
【0034】
コンテナが傾いて、下側のコンテナ41の上にある上側のコンテナ40が左側に動こうと(滑ろうと)すると、コンテナとコンテナとの間には水平方向の力も生じる。固定モードにおいては、例えば図2aが示すように、隅角部材に配置されている連結装置はコンテナとコンテナとの間の水平方向の動きを妨げる。
【0035】
本発明の様々な態様が前記例にのみに限定されることはなく、添付の請求項の範囲内で変更することができることは、当業者にはよく知られていることである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ(40、41)を連結するための、特に貨物船で使用されるコンテナとコンテナとを連結して陸上輸送するための連結装置であって、該連結装置の本体部(13)の上部に固定部材(2)が形成され、該固定部材をその垂直軸を中心として回転することによって前記コンテナ(40)の隅角に取り付けられている隅角部材(26)に前記本体部を固定することができ、これによって前記コンテナの隅角部材(26)に前記固定部材が固定され、前記上部と前記本体部の下部との間に平坦な連結板(3)が形成され、該本体部の動きを制御すると共にコンテナ(40、41)間の垂直方向の力を実質的に受けるカム部品(6)を前記本体部が有し、前記本体部が該本体部の動きを妨げ及び/又は解放するための回転するレバー状の第一固定部品(8)を有する連結装置において、前記本体部が、該本体部の横方向の動きを可能にする及び/又は妨げると共にコンテナ(40、41)間の垂直方向の力を受けるための回転するレバー状の第二固定部品(5)を有し、該第二固定部品(5)が直接的又は間接的に前記第一固定部品(8)と接し、第一固定部品が回転すると、第二固定部品も回転して固定モードと固定解除モードとを実現することができることを特徴とする連結装置。
【請求項2】
前記カム部品(6)が面(9)を有し、前記第二固定部品(5)が第一の面(18)を有し、該面(9)と該第一の面(18)とが隅角部材(27)の2つの面(33、38)とそれぞれ接すると、前記コンテナ(40、41)間の垂直方向の動きが妨げられることを特徴とする、請求項1に記載の連結装置。
【請求項3】
前記面が傾斜面(9)であり、前記カム部品の該傾斜面(9)と前記隅角部材の角部の面(33)との接触と、前記第二固定部品の前記第一の面(18)と該隅角部材の前記角部と対向する角部の面(38)との接触とによって、前記コンテナ(40、41)間の垂直方向の動きが妨げられることを特徴とする、請求項2に記載の連結装置。
【請求項4】
前記第一及び/又は第二固定部品が前記本体部内に軸(7、25)によって取り付けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項5】
前記第一固定部品が第一の面(16)を有し、前記第二固定部品が第二の面(15)を有し、第一固定部品の該第一の面と該第二の面とが相互に接して、第一固定部品と第二固定部品(5、8)との間の動きを可能にすることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項6】
前記第一及び/又は第二固定部品が前記本体部の内部で部分的に又は完全に回転可能であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項7】
前記第一及び第二固定部品が軸によって前記連結装置に取り付けられていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項8】
前記コンテナとコンテナとの間の水平方向の動きを可能にし又は妨げて、固定又は固定解除モードを可能にするための、固定モードにおいて前記隅角部材(27)と接することのできる複数の面(17、18、19)を第一及び第二固定部品が有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項9】
前記第一及び/又は第二固定部品がバネ状部材に固定されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の連結装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−70263(P2010−70263A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−210132(P2009−210132)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(509255820)
【氏名又は名称原語表記】CARGOTEC FINLAND OY
【住所又は居所原語表記】Hallimestarinkatu 6, FI−20780 Kaarina, Finland
【Fターム(参考)】