説明

コンテナ

【課題】ベンチレータの通気路と連通する内側壁部材の内側通気口が貨物により閉塞された場合でも、コンテナ内への通気作用を維持することのできるコンテナを提供する。
【解決手段】ベンチレータ4の通気路7を、内側壁部材3の内側通気口6とは別の経路を介して、コンテナ内と連通させるので、ベンチレータ4の通気路7と連通する内側壁部材3の内側通気口6が貨物により閉塞された場合でも、コンテナ内への通気作用を維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンチレータを備えたコンテナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンテナを構成する壁部の、コンテナ外に面する外側壁部材とコンテナ内に面する内側壁部材との間に、外側壁部材に設けた外側通気口と内側壁部材に設けた内側通気口とを蛇行する通気路で連通してなるベンチレータが備えられ、これにより、コンテナ内への通気作用を施したコンテナが用いられる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3911680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、貨物がコンテナ内の内側壁部材に接触した状態で積載され、貨物により内側壁部材の内側通気口が閉塞されてしまうと、コンテナ内への通気作用が失われコンテナ内が密封状態となる。この状態になると、コンテナ内に結露等が生じやすくなり、貨物の種類によっては不都合を生じることがある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、ベンチレータの通気路と連通する内側壁部材の内側通気口が貨物により閉塞された場合でも、コンテナ内への通気作用を維持することのできるコンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0007】
(1)コンテナ外に面する外側壁部材とコンテナ内に面する内側壁部材との間に、前記外側壁部材に設けた外側通気口と前記内側壁部材に設けた内側通気口とを蛇行する通気路で連通してなるベンチレータを備えたコンテナであって、前記ベンチレータの通気路を、前記内側壁部材の前記内側通気口とは別の経路を介して、前記コンテナ内と連通させる連通路を備えることを特徴とするコンテナ(請求項1相当)。
(1)項のコンテナでは、ベンチレータの通気路と連通する内側壁部材の内側通気口が貨物により閉塞された場合でも、外気は、ベンチレータの通気路から内側壁部材の内側通気口とは別の連通路を経由してコンテナ内へ流入するので、通気作用が失われることはない。
【0008】
(2)前記連通路は、前記ベンチレータを構成する壁部に、該ベンチレータの通気路を、前記外側壁部材と前記内側壁部材との間のベンチレータを除く内部空間に連通させる連通孔を設け、また、前記内側壁部材に、前記内部空間と前記コンテナ内とを連通させる連通孔を設けてなることを特徴とする(1)項に記載のコンテナ(請求項2相当)。
(2)項のコンテナでは、外気は、ベンチレータの通気路から外側壁部材と内側壁部材との間でベンチレータを除く内部空間に流入すると共に、該内部空間からコンテナ内に流入するようになる。
【0009】
(3)前記内側壁部材の内側通気口の一部が前記内部空間に臨むように形成されることを特徴とする(2)項に記載のコンテナ(請求項3相当)。
(3)項のコンテナによれば、仮に、内側壁部材の内側通気口が貨物で閉塞された場合であっても、ベンチレータの通気路から内側壁部材の内側通気口に至った外気は、貨物の表面と、内側通気口の内部空間に臨む部分との間に形成される内側壁部材の厚み分の空間を経由して内部空間内に流入するようになる。
【0010】
(4)前記内部空間を区分するように延び、前記外側壁部材及び前記内側壁部材に接続される補強部材を備え、該補強部材に、前記内部空間の空気の流れを許容して全域を連通させる切欠き部を設けたことを特徴とする(2)項または(3)項に記載のコンテナ(請求項4相当)。
(4)項のコンテナによれば、補強部材を配置したとしても、ベンチレータの通気路を、内側壁部材の内側通気口とは別の連通路を構成する前記内部空間を介して、コンテナ内に連通させることができる。
【0011】
(5)前記内側壁部材には、前記補強部材を跨いで、一部が前記内部空間に臨む貫通孔が形成されることを特徴とする(4)項に記載のコンテナ(請求項5相当)。
(5)項のコンテナによれば、仮に、内側壁部材の貫通孔が貨物で閉塞された場合であっても、ベンチレータの通気路から内側壁部材の貫通孔に至った外気は、貨物の表面と、貫通孔との間に形成される内側壁部材の厚み分の空間を経由して内部空間内に流入するようになる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のコンテナによれば、ベンチレータの通気路と連通する内側壁部材の内側通気口が貨物により閉塞された場合でも、コンテナ内への通気作用を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係るコンテナを示し、両開き戸の正面図である。
【図2】図2(a)は、図1に示される両開き戸のベンチレータが配置されている部位をコンテナ内から見た図で、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図で、(c)は(a)のB−B線に沿う断面図である。
【図3】図3(a)は、図1に示される両開き戸の外側壁部材をコンテナ外から見た図で、(b)は(a)のC−C線に沿う断面図である。
【図4】図4は、図3(a)のD矢視図である。
【図5】図5は、図1に示される両開き戸の内側壁部材をコンテナ内から見た図である。
【図6】図6は、図1に示される両開き戸の壁部の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図6に基いて詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係るコンテナ1の壁部は、コンテナ1外に面する外側壁部材2と、コンテナ1内に面する内側壁部材3と、コンテナ1内への通気作用を施すための、外側壁部材2と内側壁部材3との間に配置されたベンチレータ4とから構成される。
なお、本実施の形態に係るコンテナ1では、図1に示す両開きする各開き戸のうち、片方の開き戸(本実施の形態では、左側の開き戸)の壁部構造に関して以下に詳細に説明するが、開き戸以外の壁部にベンチレータ4が備えられる場合であっても、同様の構造となる。
【0015】
ベンチレータ4は、図1に示すように、片方の開き戸に対して上下にそれぞれ配置され、図2に示すように、コンテナ1外に面する外側壁部材2に設けた外側通気口5と、コンテナ1内に面する内側壁部材3に設けた内側通気口6とを蛇行する通気路7で連通して構成される。なお、ベンチレータ4は、外側壁部材2及び内側壁部材3とは独立して形成される。
ベンチレータ4は、図2に示すように、板材を折り曲げて、四方を壁面で囲まれた凹部10が形成され、凹部10の上方に、外側壁部材3に固定された第1横補強部材46と固定するための取付フランジ部11が一体に形成される。一方、凹部10の下方に、内部に通気路7を形成するための箱状本体部12が一体に形成される。箱状本体部12の上壁部13には上壁開口部14が形成され、底部は開放21される。箱状本体部12の対向する壁部15、16のうち一方の壁部15内面には、上下端が内方に向かって斜め下方に折り曲げられた各ルーバ17、17を有するルーバ部材18が固定される。一方、箱状本体部12の他方の壁部16には、上下端が内方に向かって斜め下方に折り曲げられた各ルーバ17、17が形成され、上側のルーバ17の上方に、また、下側のルーバ17の下方に開口19、19がそれぞれ形成される。これら、箱状本体部12の一方の壁部15に備えたルーバ部材18の各ルーバ17と、箱状本体部12の他方の壁部16に設けた各ルーバ17とは、上下方向に沿って交互に配置される。
【0016】
そして、ベンチレータ4の箱状本体部12の下部を、後述する外側壁部材2の下端に設けたポケット部材20内に挿入し、箱状本体部12の他方の壁部16を外側壁部材2の内面に密着させることで、箱状本体部12の他方の壁部16に設けた上下の開口19、19が閉塞される。その結果、箱状本体部12内に蛇行する通気路7が形成され、箱状本体部12の上壁部13に設けた上壁開口部14と底部開口21とが蛇行する通気路7により連通するようになる。この蛇行する通気路7により、箱状本体部12の底部開口21から水が浸入した場合でも、箱状本体部12の上壁部13の上壁開口部14まで容易に水が到達しないようになっている。
なお、ベンチレータ4の凹部10と、取付フランジ部11および箱状本体部12との段差は、後述する外側壁部材2に備えた各補強部材42〜44及び46〜48(図3及び図6参照)に合わせて決定されている。すなわち、ベンチレータ4は、外側壁部材2に固定された状態で、外側壁部材2に備えた各補強部材42〜44及び46〜48の室内側への突出量とほぼ同等の突出量となるように構成され、コンテナ1の容積を侵食することを防いでいる。
【0017】
また、図2(c)に示すように、ベンチレータ4の凹部10に面し、凹部10の上側で幅方向(図視左右方向)に延びる壁部25には、ベンチレータ4の箱状本体部12内の通気路7を、外側壁部材2の凹部26(図3参照)と内側壁部材3との間のベンチレータ4を除く内部空間27に連通させる連通孔28が幅方向に沿って複数形成される(本実施の形態では4個)。
【0018】
図2に示すように、ベンチレータ4の凹部10には、箱状本体部12の上壁部13に設けた上壁開口部14を塞ぐ蓋部材29と、蓋部材29を箱状本体部12の上壁部13へ付勢するバネ等の付勢手段30と、付勢手段30の付勢力に対抗して、蓋部材29を箱状本体部12の上壁部13から離間した位置に固定する固定手段31とが備えられている。図2(b)では、上壁開口部14を蓋部材29で閉じた状態を実線で、蓋部材29を開いた状態を2点鎖線で、各々示している。
【0019】
そして、蓋部材29は、付勢手段30の付勢力によって常時下方に付勢され、蓋部材29のシール部29aが箱状本体部12の上壁部13に密着されて、該上壁部13に設けた上壁開口部14が閉塞される。一方、箱状本体部12の上壁部13の上壁開口部14を開放する際には、作業者が取手32を持上げ、付勢手段30の付勢力に対抗して蓋部材29を箱状本体部12の上壁部13から離間させ、固定手段31としての取手32に固定した係止プレート33の係止穴34に、可動ノブ35の係止爪36を噛合わせることにより、蓋部材29が付勢手段30の付勢力に対抗してこの位置に固定される。さらに、再び蓋部材29にて箱状本体部12の上壁開口部14を閉じる際には、作業者はスライドラッチの固定ノブ37および可動ノブ35を握り、可動ノブ35を支点を中心に回動させることで、係止爪36を係止プレート33の係止穴34から外し、蓋部材29の位置固定を解除する。この操作により、蓋部材29は下降すると共に、付勢手段30の付勢力を利用して蓋部材29のシール部29aが箱状本体部12の上壁部13に密着されて、該上壁部13の上壁開口部14が閉塞される。
【0020】
図3及び図6に示すように、外側壁部材2の内面には、その上下端に断面ロ字状の横枠40が幅方向略全域に亘ってそれぞれ形成され、その幅方向両端に断面ロ字状の縦枠41が上下方向全域に亘ってそれぞれ形成される。また、外側壁部材2の内面には、その幅方向略中央から一端部(図視右端部)に亘って、上下方向に延びる第1〜第3縦補強部材42〜44が間隔を置いて固定され、それぞれが上下の各横枠40に連結される。これにより、外側壁部材2の内面で、第1縦補強部材42の側方(図視左側方)には、上下の横枠40、縦枠41及び第1縦補強部材42で囲まれた凹部26が形成される。
【0021】
また、外側壁部材2には、前記凹部26の範囲内の上下に、各ベンチレータ4の箱状本体部12の底部開口21に連通する略矩形状の外側通気口5がそれぞれ形成される。外側壁部材2には、図6に示すように、各外側通気口5の下端から内方に向けて略L字状で突設するポケット部材20が固定される。また、図3及び図6に示すように、外側壁部材2の内面には、各外側通気口5から上方の所定位置に、各ベンチレータ4の取付フランジ部11と固定される断面クランク状の第1横補強部材46が幅方向に沿ってそれぞれ固定される。なお、各第1横補強部材46の幅方向両端と、第1縦補強部材42及び縦枠41との間には間隔が設けてある。さらに、外側壁部材2の内面には、下側のベンチレータ4の第1横補強部材46と、上側のベンチレータ4の外側通気口5との間に、断面クランク状の第2横補強部材47が上下方向に間隔をおいてそれぞれ幅方向に沿って固定されると共に、第1縦補強部材42及び縦枠41に連結される。上下の第2横補強部材47は、その幅方向略中央の位置で上下方向に延びる断面クランク状の第4縦補強部材48により連結される。
【0022】
また、図4に示すように、各第2横補強部材47の幅方向両端には切欠き部50がそれぞれ形成され、該切欠き部50により、外側壁部材2の各横枠40、縦枠41及び第1縦補強部材42で囲まれた凹部26内(各ベンチレータ4を除く)の空気の流れが許容され、凹部26内が全域で連通される。
なお、各第1横補強部材46及び各外側通気口5の幅方向(図3の左右方向)の長さは略同一であり、上述した第1〜第4縦補強部材42〜44、48及び第1〜第2横補強部材46、47の、外側壁部材2の内面からの突出量は略同じである。
図3及び図6の符号51は、内側壁部材3を受ける、断面クランク状の受け部材である。
【0023】
内側壁部材3は、ラワン合板材で構成され、図5及び図6に示すように、内側壁部材3の上下部の、外側壁部材2に設けた凹部26に臨む部位に、幅方向(図5の左右方向)に間隔を置いて複数の縦長孔(連通孔)52が形成される。本実施の形態では、内側壁部材3の上部には6個の縦長孔52が、下部には4個の縦長孔52が形成される。また、内側壁部材3には、上下に位置する各縦長孔52の間に、各ベンチレータ4の通気路7と連通する内側通気口6がそれぞれ形成される。各内側通気口6は、ベンチレータ4の幅方向の長さより若干長く形成される横長孔55と、該横長孔55の幅方向中央から上方に延びる縦長孔56とからなる逆T字状に形成される。内側通気口6の横長孔55は、その下端がベンチレータ4の箱状本体部12の上壁部13と上下方向略同じ位置に形成され、ベンチレータ4の幅方向の長さより若干長く形成されることで、その両端部55a、55aがベンチレータ4外の外側壁部材2の凹部26に臨むようになる。一方、内側通気口6の縦長孔56の左右方向の開口幅は、横長孔55の上下方向の開口幅よりも幅広に設定され、縦長孔56の上端が、ベンチレータ4の構成である凹部10に臨む壁部25と上下方向略同じ位置に形成される。
【0024】
また、内側壁部材3には、上下に位置する各内側通気口6の間に縦長孔(貫通孔)57が幅方向に沿って間隔をおいて複数形成される。各縦長孔57は、外側壁部材2に備えた各第2横補強部材47を跨ぎ、その両端部57a、57aが外側壁部材2の凹部26に臨む位置に形成される。本実施の形態では、1つの第2横補強部材47に対して4個の縦長孔57が形成される。
なお、内側壁部材3には、外側壁部材2に設けた各横枠40、各縦枠41、第1〜第3縦補強部材42〜44及び第1〜第2横補強部材46、47との固定ボルトを挿通するための小孔が多数形成される。
【0025】
そして、上述したように、ベンチレータ4の箱状本体部12の下部を、外側壁部材2の下端に設けられたポケット部材20内に挿入し、箱状本体部12の他方の壁部25を外側壁部材2の内面に密着させるように固定して、外側壁部材2にベンチレータ4を固定する。その後、外側壁部材2の各補強部材42〜44及び46〜48側から内側壁部材3を重ねるように所定位置に位置決めして、内側壁部材3と、外側壁部材2の各横枠40、各縦枠41、第1〜第3縦補強部材42〜44、各第1〜第2横補強部材46、47及び受け部材51とがボルト固定されることにより、片方の開き戸が完成する。
その結果、外側壁部材2の各外側通気口5は、各ベンチレータ4の通気路7を介して内側壁部材3の各内側通気口6に連通する。
しかも、各ベンチレータ4の凹部10の上側で幅方向に延びる壁部25に設けた複数の連通孔28(図2(c))と、各第2横補強部材47の両端部に設けた各切欠き部50(図4)とにより、ベンチレータ4の通気路7は、外側壁部材2の凹部26と内側壁部材3との間でベンチレータ4を除く内部空間27(図3及び図5の該当部分をグレーで示す)の全域に連通する。
さらに、内側壁部材3の上下端部に設けられた、外側壁部材2の凹部26に臨む各縦長孔(連通孔)52と、内側壁部材3に設けられた、外側壁部材2に備えた各第2横補強部材47を跨ぎ、外側壁部材2の凹部26に臨む位置に形成される各縦長孔(貫通孔)57とにより、内部空間27とコンテナ1内とが連通するようになる。
【0026】
次に、本発明の実施の形態に係るコンテナ1の壁部において、外気の流れを説明する。
以下の説明では、ベンチレータ4の蓋部材29は、付勢手段30の付勢力に対抗して箱状本体部12の上壁部13から離間された位置で固定されており、ベンチレータ4の上壁部13の上壁開口部14が開放された状態となっている。
そして、図2及び図5に示すように(なお、図2(a)及び図5において、ベンチレータ4の通気路7及び内部空間27内を流動する外気を点線の矢印で示し、コンテナ1内に流入する外気を実線の矢印で示している。)、外側壁部材2に設けた上下の外側通気口5から流入した外気は、各ベンチレータ4の通気路7に流入し、一部は各通気路7から内側壁部材3に設けた各内側通気口6を経由してコンテナ1内に流入する。また、各ベンチレータ4の通気路7内に流入した外気の一部は、各ベンチレータ4の凹部10の上側で幅方向に延びる壁部25に設けた複数の連通孔28から、外側壁部材2の凹部26と内側壁部材3との間でベンチレータ4を除く内部空間27に流入する。
【0027】
その後、該内部空間27に流入した外気は、上下に位置する第2横補強部材47の両端部に設けた各切欠き部50を経て内部空間27の全域に流動し、内側壁部材3の、外側壁部材2に設けた各第2横補強部材47を跨る位置に形成した各縦長孔57から、また、内側壁部材3の上下端部に設けた各縦長孔52からコンテナ1内に流入する。当然ながら、コンテナ1内に流入した外気は、コンテナ1内からコンテナ1外へも上述した経路に沿って流動する。
なお、内側壁部材3の各内側通気口6または各縦長孔57が貨物で閉塞された場合であっても、各ベンチレータ4の通気路7から内側壁部材3の各内側通気口6または各縦長孔57に至った外気は、貨物の表面と、各内側通気口6の横長孔55の両端部55a、55aまたは各縦長孔57の両端部57a、57aとの間に形成される内側壁部材3の厚み分の空間を経由して内部空間27内に流入するようになるので、空気の流れが滞ることなく、貨物により閉鎖されていないいずれかの内側通気口6または各縦長孔52、57を介してコンテナ1内への流れ込む。
【0028】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係るコンテナ1では、ベンチレータ4の凹部10の上側で幅方向に延びる壁部25に設けた各連通孔28と、第2横補強部材47の両端部に設けた各切欠き部50とを備えているので、ベンチレータ4の通気路7が外側壁部材2の凹部26と内側壁部材3との間でベンチレータ4を除く内部空間27の全域に連通する連通路(あるいはバイパス路)が構成される。また、内側壁部材3は、その上下端部に設けられた、外側壁部材2の凹部26(前記内部空間27)に臨む各縦長孔52(連通孔)と、外側壁部材2に備えた各第2横補強部材47を跨ぎ、外側壁部材2の凹部26(前記内部空間27)に臨む位置に形成される各縦長孔(貫通孔)57とを備えているので、これらによっても、前記内部空間27とコンテナ1内とが連通される連通路が構成される。さらに、内側通気口6を構成する横長孔55または各縦長孔57の、外側壁部材2の凹部26(前記内部空間27)に臨む両端部55a、55aまたは57a、57aにおいても、ベンチレータ4の通気路17が前記内部空間27と連通する連通路として構成されるようになる。
【0029】
これにより、外気は、ベンチレータ4の通気路7から内側壁部材3の内側通気口6とは別の経路、すなわち、ベンチレータ4の通気路7から内部空間27、内側壁部材3の各縦長孔52または各縦長孔57により構成される連通路を介してコンテナ1内に流入するので、通気作用を常時維持することができる。
しかも、内側壁部材3の内側通気口6または各縦長孔57が貨物で閉塞された場合でも、ベンチレータ4の通気路7から内側壁部材3の内側通気口6または各縦長孔57に至った外気は、貨物の表面と、内側通気口6の横長孔55の両端部55a、55aまたは各縦長孔57の両端部57a、57aとの間に形成される内側壁部材3の厚み分の空間を経由して内部空間27内に流入することができるので、効率良く通気作用を維持することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 コンテナ,2 外側壁部材,3 内側壁部材,4 ベンチレータ,5 外側通気口,6 内側通気口,7 通気路,25 壁部,26 凹部,27 内部空間,28 連通孔,47 第2横補強部材(補強部材),50 切欠き部,52 縦長孔(連通孔),55 横長孔,55a 両端部,57 縦長孔(貫通孔),57a 両端部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ外に面する外側壁部材とコンテナ内に面する内側壁部材との間に、前記外側壁部材に設けた外側通気口と前記内側壁部材に設けた内側通気口とを蛇行する通気路で連通してなるベンチレータを備えたコンテナであって、
前記ベンチレータの通気路を、前記内側壁部材の前記内側通気口とは別の経路を介して、前記コンテナ内と連通させる連通路を備えることを特徴とするコンテナ。
【請求項2】
前記連通路は、前記ベンチレータを構成する壁部に、該ベンチレータの通気路を、前記外側壁部材と前記内側壁部材との間のベンチレータを除く内部空間に連通させる連通孔を設け、また、前記内側壁部材に、前記内部空間と前記コンテナ内とを連通させる連通孔を設けてなることを特徴とする請求項1に記載のコンテナ。
【請求項3】
前記内側壁部材の内側通気口の一部が前記内部空間に臨むように形成されることを特徴とする請求項2に記載のコンテナ。
【請求項4】
前記内部空間を区分するように延び、前記外側壁部材及び前記内側壁部材に接続される補強部材を備え、該補強部材に、前記内部空間の空気の流れを許容して全域を連通させる切欠き部を設けたことを特徴とする請求項2または3に記載のコンテナ。
【請求項5】
前記内側壁部材には、前記補強部材を跨いで、一部が前記内部空間に臨む貫通孔が形成されることを特徴とする請求項4に記載のコンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図3】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−195465(P2010−195465A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−46018(P2009−46018)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000003377)東急車輛製造株式会社 (332)
【Fターム(参考)】