説明

コンテナ

【課題】側壁から外方に開閉蓋が突出することなく、開閉蓋を開閉することのできる上面開放型のコンテナを提供する。
【解決手段】コンテナを、上部に開口部11を有するコンテナ本体10と、コンテナ本体10の側壁15の上縁を基端として回動し、側壁15の上方で起立又は開口部11に向かって倒伏することにより、開口部11の開閉を行う開閉蓋20とを備えたものとするとともに、側壁15の上方で起立した開閉蓋20をその姿勢のまま下方へ移動させることにより、開口部11の開放時に開閉蓋20を側壁15に沿って収容できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラック、鉄道、船舶又は航空機などの輸送手段を利用して荷物を輸送する際に用いるコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
トラック、鉄道、船舶又は航空機などの輸送手段を利用して荷物を輸送する際に用いるコンテナは多種多様であり、これまでに様々な形態のものが提案されている。輸送用のコンテナは、その後面に扉が設けられ、後方から荷積みできるようにした後面開放型のものが主流であったが、近年は、その上面に開閉蓋を設け、上方から荷積みできるようにした上面開放型のコンテナも頻繁に使用されるようになっている。
【0003】
例えば、特許文献1には、コンテナの上面を開閉する開閉蓋を備えたコンテナが記載されている。しかし、この種の上面開放型のコンテナは、開閉蓋の基端がコンテナの側壁の上縁に軸支され、該側壁の上縁を軸として開閉蓋が回動する構造のものであったため、開閉蓋を開閉する際に、開閉蓋がコンテナの側方から大きく突き出る構造となっていた。このため、コンテナのすぐ脇に建物の壁や他のコンテナなどの障害物がある場合には、開閉蓋を完全に開くことができないという問題があった。
【0004】
これに対し、例えば、特許文献2,3には、開閉蓋がコンテナの側壁の上縁に対してスライドしながら開閉するようにした上面開放型のコンテナが記載されている。特許文献2,3に記載されたコンテナは、特許文献1に記載されたコンテナと比較して、開閉蓋を開閉する際の開閉蓋の突出を抑えることができるものとはなっていたが、それでもやはり、コンテナの側壁から外方に開閉蓋が突き出ることに変わりはなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭62−058390号公報
【特許文献2】特開2007−131354号公報
【特許文献3】特開2004−244056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、コンテナの側壁から外方に開閉蓋が突き出ることなく、開閉蓋を開閉することのできる上面開放型のコンテナを提供するとともに、限られたスペースで荷積みを効率的に行うことも可能とするコンテナを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、上部に開口部を有するコンテナ本体と、前記コンテナ本体の側壁の上縁を基端として回動し、前記側壁の上方で起立又は前記開口部に向かって倒伏することにより、前記開口部の開閉を行う開閉蓋とを備えたコンテナであって、前記側壁の上方で起立した前記開閉蓋をその姿勢のまま下方へ移動させることにより、前記開口部の開放時に前記開閉蓋を前記側壁に沿って収容できるようにしたことを特徴とするコンテナを提供することによって解決される。本発明のコンテナは、開口部を覆う開閉蓋を側壁の上方で起立させた後、そのまま開閉蓋をコンテナ本体の側壁に沿って下降させる構造のものとなっているため、閉じられたコンテナを開いて収容するまでに亘って、開閉蓋がコンテナ本体の側壁から外方へ突き出ない構造となっている。収容されたコンテナを閉じる際も同様である。
【0008】
本発明のコンテナにおいて、前記側壁の上方で起立した前記開閉蓋を下方へ移動させるための機構は、特に限定されないが、前記側壁の上方で起立した開閉蓋を下方へ案内するための開閉蓋案内路を、前記側壁に上下方向に設けると好ましい。
【0009】
また、本発明のコンテナにおいては、前記開閉蓋を回動するための機構も、特に限定されないが、前記開閉蓋が起立又は倒伏する際に記開閉蓋に連動して起立又は倒伏することにより、前記開閉蓋を支持する開閉蓋支持アームと、前記開閉蓋支持アームを駆動して記開閉蓋支持アームを起立又は倒伏させる回動駆動手段とをさらに備え、前記開閉蓋を起立又は倒伏させる際には、前記回動駆動手段の駆動力が前記開閉蓋支持アームを介して前記開閉蓋に伝達されるとともに、前記開閉蓋を前記側壁の上方で起立した状態から下方へ移動させる際には、前記開閉蓋が前記開閉蓋支持アームに対してスライドし、前記開閉蓋支持アームが前記側壁の上方に残るようにすることが好ましい。これらの構成については、後で詳述する。以下においては、説明の便宜上、この種のコンテナを、前記開閉蓋の回動操作と上下動操作とが独立して行われることに着目して、「回動・上下動独立式のコンテナ」と呼ぶことがある。
【0010】
さらに、本発明のコンテナは、上述した回動・上下動独立式のものではなく、以下の構造のものを採用することも好ましい。すなわち、上方に起立した前後一対の固定アームを有し、該前後一対の固定アームの高さ方向中間部で前記開閉蓋の基端を前方及び後方から回動可能かつ上下動可能な状態で保持する取付基体と、前記前後一対の固定アームの先端と前記開閉蓋における前後一対の側縁とをそれぞれ連結し、前記固定アーム及び前記開閉蓋に対して回動可能な状態で設けられるとともに、前記開閉蓋に対しては前記開閉蓋の側縁に沿ってスライド可能な状態で取り付けられた前後一対の回動アームとをさらに備え、前記取付基体を前記側壁に沿って下方へ移動させた際に、前記開閉蓋が前記開口部に向かって倒伏した状態から前記側壁の上方で起立した状態へと回動するようにしたコンテナである。これにより、前記取付基体を上下動させるだけで、前記開閉蓋の回動操作と上下動操作とを連動して行うことが可能になるため、前記開閉蓋に取り付ける駆動手段の数を減らすことが可能になる。すなわち、回動・上下動独立式のコンテナでは必要であった前記回動駆動手段を省略することができる。したがって、コンテナの製造コストを抑えるとともに、故障しにくく、メンテナンスも容易なものとすることが可能になる。以下においては、説明の便宜上、この種のコンテナを、前記開閉蓋の回動操作と上下動操作とが連動して行われることに着目して、「回動・上下動連動式のコンテナ」と呼ぶことがある。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によって、コンテナの側壁から外方に開閉蓋が突き出ることなく、開閉蓋を開閉することのできる上面開放型のコンテナを提供することが可能になる。したがって、限られたスペースで荷積みを効率的に行うことも可能とするコンテナを提供することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】倒伏した開閉蓋によって開口部が覆われた状態(開閉蓋倒伏状態)における本発明の回動・上下動独立式のコンテナを示した後方斜視図である。
【図2】開閉蓋をコンテナ本体の側壁の上方で起立させた状態(開閉蓋起立状態)における本発明の回動・上下動独立式のコンテナを示した後方斜視図である。
【図3】開閉蓋をコンテナ本体の側壁の上方で起立した状態(開閉蓋起立状態)から下方へ移動させている途中の状態(開閉蓋下降状態)における本発明の回動・上下動独立式のコンテナを示した後方斜視図である。
【図4】開閉蓋をコンテナ本体の側壁の上方で起立した状態(開閉蓋起立状態)から下方へ移動させ、開閉蓋をコンテナ本体の側壁に沿って収容し終えた状態(開閉蓋収容状態)における本発明の回動・上下動独立式のコンテナを示した後方斜視図である。
【図5】開閉蓋をコンテナ本体の側壁に沿って収容し終えた状態(開閉蓋収容状態)においてコンテナ本体の側壁の上方で起立したままの状態で残っていた開閉蓋支持アームをコンテナ本体の開口部に向かって倒伏させた状態(荷積み可能状態)における本発明の回動・上下動独立式のコンテナを示した後方斜視図である。
【図6】開閉蓋倒伏状態における本発明の回動・上下動連動式のコンテナにおける開閉蓋周辺を拡大した斜視図である。
【図7】開閉蓋倒伏状態における本発明の回動・上下動連動式のコンテナにおける開閉蓋周辺を側壁に垂直な面で切断して拡大した断面図である。
【図8】開閉蓋倒伏状態から開閉蓋がある程度起立して下方へ移動し始める状態(開閉蓋下降開始状態)における本発明の回動・上下動連動式のコンテナにおける開閉蓋周辺を拡大した斜視図である。
【図9】開閉蓋倒伏状態から開閉蓋がある程度起立して下方へ移動し始める状態(開閉蓋下降開始状態)における本発明の回動・上下動連動式のコンテナにおける開閉蓋周辺を側壁に垂直な面で切断して拡大した断面図である。
【図10】開閉蓋下降開始状態から開閉蓋がさらに起立して側壁の上方で完全に起立した状態(開閉蓋起立完了状態)における本発明の回動・上下動連動式のコンテナにおける開閉蓋周辺を拡大した斜視図である。
【図11】開閉蓋下降開始状態から開閉蓋がさらに起立して側壁の上方で完全に起立した状態(開閉蓋起立完了状態)における本発明の回動・上下動連動式のコンテナにおける開閉蓋周辺を側壁に垂直な面で切断して拡大した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.コンテナの概要
本発明のコンテナの好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。本発明のコンテナは、その好適な実施態様として、回動・上下動独立式のものと、回動・上下動連動式のものがある。
【0014】
2.回動・上下動独立式のコンテナ
まず、回動・上下動独立式のコンテナについて説明する。図1は、倒伏した開閉蓋20によって開口部が覆われた状態(開閉蓋倒伏状態)における本発明の回動・上下動独立式のコンテナを示した後方斜視図である。図2は、開閉蓋20をコンテナ本体10の側壁15の上方で起立させた状態(開閉蓋起立状態)における本発明の回動・上下動独立式のコンテナを示した後方斜視図である。図3は、開閉蓋20をコンテナ本体10の側壁15の上方で起立した状態(開閉蓋起立状態)から下方へ移動させている途中の状態(開閉蓋下降状態)における本発明の回動・上下動独立式のコンテナを示した後方斜視図である。図4は、開閉蓋20をコンテナ本体10の側壁15の上方で起立した状態(開閉蓋起立状態)から下方へ移動させ、開閉蓋20をコンテナ本体10の側壁15に沿って収容し終えた状態(開閉蓋収容状態)における本発明の回動・上下動独立式のコンテナを示した後方斜視図である。図5は、開閉蓋20をコンテナ本体15の側壁に沿って収容し終えた状態(開閉蓋収容状態)においてコンテナ本体10の側壁15の上方で起立したままの状態で残っていた開閉蓋支持アーム30をコンテナ本体10の開口部11に向かって倒伏させた状態(荷積み可能状態)における本発明の回動・上下動独立式のコンテナを示した後方斜視図である。本発明の回動・上下動独立式のコンテナは、図1〜5に示すように、上部に開口部11(図2〜4を参照)を有するコンテナ本体10と、開口部11の開閉を行う開閉蓋20とを備えたものとなっている。
【0015】
2−1.コンテナ本体
本実施態様の回動・上下動独立式のコンテナにおいて、コンテナ本体10は、コンテナの底面を形成する底板12(図1を参照)と、底板12の前端から上方に起立して設けられた前壁13(図3を参照)と、底板12の後端から上方に起立した状態に配された後壁14と、底板12の左右両端から上方に起立して設けられた一対の側壁15と、一対の側壁15の上端に架け渡された天板16とで構成された直方体状のものとなっている。天板16は、3箇所に設けられており、それぞれの天板16は、開口部11の前端部、中間部及び後端部を所定幅で覆うように配されている。このため、開口部11は、天板16によって前後に分断された状態となっている。
【0016】
図1〜5においては、図示の便宜上、側壁15の一部(図2の破線部で囲った部分)をくり抜いて示してあるが、実際には、コンテナの内部に収容した積荷がコンテナ外へ落ちないように、側壁15の内面に図示省略の裏宛材を配し、この裏宛材によって前記くり抜いて示した部分が塞がれる。この裏宛材は、連続する1枚の板材によって形成してもよいが、側壁15の強度などを考慮すると、上下に貫通孔を有する複数のブロック材を積み重ね、前記貫通孔にボルトを挿通して上下のブロック材を前記ボルトで連結することにより形成すると好ましい。この場合、水平方向に隣接するブロック材は、やはりボルトなどで連結してもよいが、それぞれのブロック材の両端に設けた凹凸を互いに嵌合することにより連結すると簡便である。また、裏宛材を複数のブロックで形成すると、隣接するブロック材の隙間に積荷が挟まるなどの不具合が発生するおそれがあるため、そのブロック材の内側に、連続する板材を宛がうと好ましい。ブロック材は、通常、金属で形成されるが、特にアルミニウムなどの軽金属で形成すると、コンテナの軽量化と強度向上を両立させることができる。
【0017】
2−2.開閉蓋
開閉蓋20は、図1と図2に示すように、コンテナ本体10の側壁15の上縁を基端として回動し、側壁15の上方で起立又は開口部11に向かって倒伏することにより、開口部11の開閉を行うためのものとなっている。本実施態様の回動・上下動独立式のコンテナにおいては、開閉蓋20の基端側に板状の取付基体30が接続されており、開閉蓋20は、ヒンジ31(図3を参照)などの回動連結手段を介して取付基体30に取り付けられている。
【0018】
開閉蓋20は、1つのコンテナに対して1箇所のみに設け、片開きタイプのものとしてもよいが、本実施態様の回動・上下動独立式のコンテナにおいては、図1に示すように、開口部11の前部右半分を覆う右前開閉蓋21と、開口部11の前部左半分を覆う左前開閉蓋22と、開口部11の後部右半分を覆う右後開閉蓋23と、開口部11の後部左半分を覆う左後開閉蓋24とで構成している。右前開閉蓋21と左前開閉蓋22、及び右後開閉蓋23と左後開閉蓋24は、それぞれ両開きタイプの蓋を形成している。このように、開閉蓋20を複数個所に設けることにより、積荷の積載態様に応じて開く開閉蓋20を選択することが可能になる。また、開閉蓋20を両開きタイプのものとすることにより、後述するように、開閉蓋20を側壁15に沿って収容した場合(図5を参照)の開閉蓋20の上端の高さを低くして、開口部11から積荷を積載しやすくすることもできる。
【0019】
それぞれの開閉蓋20は、側壁15の上方で起立した開閉蓋起立状態(図2を参照)から、その起立した姿勢のまま、側壁15の外面に沿って下方へ移動させることができるようになっており(図3を参照)、開口部11の開放時に開閉蓋20を側壁15に沿って収容できるようになっている(図4を参照)。開閉蓋20をどのような構造で収容できるようにするかは特に限定されない。本実施態様の回動・上下動独立式のコンテナにおいては、図3に示すように、上下方向の開閉蓋案内路15aを側壁15に設けており、側壁15の上方で起立した開閉蓋20の側縁(前縁)を開閉蓋案内路15aによって上下方向に案内することができるようにしている。開閉蓋案内路15aの形態は、開閉蓋20を上下方向に案内できるものであれば特に限定されないが、本実施態様の回動・上下動独立式のコンテナにおいては、開閉蓋20の側縁を保持することができるように、開閉蓋20の板厚と略同じ溝幅を有する溝状としている。
【0020】
この溝状の開閉蓋案内路15aは、開閉蓋20における少なくとも一方の側縁のみを案内できるように設けていればよいが、本実施態様の回動・上下動独立式のコンテナにおいては、1枚の開閉蓋20につき、前後方向に対向する一対の溝状の開閉蓋案内路15aを、それぞれの開閉蓋20の幅(コンテナの前後方向での幅)に対応する間隔で設けており、該一対の開閉蓋案内路15aによってそれぞれの開閉蓋20の両方の側縁(前縁及び後縁)を案内できるようにしている。これにより、それぞれの開閉蓋20をぐらつかないように安定して上下方向にスライドさせることが可能となっている。
【0021】
ところで、本実施態様の回動・上下動独立式のコンテナにおいては、取付基体30の板厚も開閉蓋20の板厚に略一致させており、開閉蓋20を開閉蓋案内路15aで案内する際には、図3に示すように、取付基体30も一緒に開閉蓋案内路15aで案内されるようになっている。側壁15の下部には、開閉蓋20が下限位置まで移動した際(図4を参照)に、取付基体30の下縁を保持するための上向溝15b(図3を参照)を前後方向に設けている。これにより、側壁15に沿って収容された開閉蓋20及び取付基体30をさらに安定させることが可能となっている。
【0022】
開閉蓋20の上下動操作は、人力で行ってもよいが、開閉蓋20の寸法が大きくなると、人力で開閉蓋20の上下動操作を行うことは難しい。また、コンテナとは別体のクレーンなどで開閉蓋20の上下動操作することも煩わしい。このため、コンテナに油圧や電力などの人力以外の動力によって駆動される上下動駆動手段を組み込んでおき、この上下動駆動手段によって開閉蓋20の上下動操作を行うようにすると好ましい。ここで、開閉蓋20の上下動操作とは、側壁15の上方で起立した状態の開閉蓋20を下方へ移動させる操作(開閉蓋20を図2に示す状態から図4に示す状態とする操作)、及び側壁15に沿って収容された開閉蓋20を上方へ移動させる操作(開閉蓋20を図4に示す状態から図2に示す状態とする操作)を指している。本実施態様の回動・上下動独立式のコンテナにおいては、油圧によって駆動される上下動駆動手段(図示省略)をコンテナ本体10に設け、該上下動駆動手段によって取付基体30の上下動操作を行うようにしている。したがって、前記上下動駆動手段によって取付基体30が上下動操作されると、取付基体30に連動して開閉蓋20も上下動操作されるようになっている。
【0023】
一方、開閉蓋20の回動操作も、人力や、コンテナとは別体のクレーンなどで行ってもよいが、前記上下動操作と同様の問題がある。このため、コンテナに油圧や電力などの人力以外の動力によって駆動される回動駆動手段を組み込んでおき、この回動駆動手段によって開閉蓋20の回動操作を行うようにすると好ましい。ここで、開閉蓋20の回動操作とは、コンテナ本体10の開口部11に向かって倒伏した状態の開閉蓋20をコンテナ本体10の側壁15の上方で起立した状態とする操作(開閉蓋20を図1に示す状態から図2に示す状態とする操作)、及びコンテナ本体10の側壁15の上方で起立した状態の開閉蓋20をコンテナ本体10の開口部11に向かって倒伏した状態とする操作(開閉蓋20を図1に示す状態から図2に示す状態とする操作)を指している。本実施態様の回動・上下動独立式のコンテナにおいては、油圧によって駆動される回動駆動手段(図示省略)をコンテナ本体10に設け、該回動駆動手段によって開閉蓋20の回動操作を行うようにしている。
【0024】
ところで、開閉蓋20の回動操作を前記回動駆動手段によって行う場合には、前記回動駆動手段を設ける場所が問題となる。というのも、本発明の回動・上下動独立式のコンテナにおいて、開閉蓋20は、回動操作だけでなく上下動操作もなされるため、前記回動駆動手段を構成するシリンダなどのアクチュエータを開閉蓋20に直接的に固定すると、該アクチュエータが開閉蓋20の上下動操作に干渉するようになるからである。このため、開閉蓋20が回動操作される場合には、前記回動駆動手段と開閉蓋20とが一体的に動作し、開閉蓋20が上下動操作される場合には、前記回動駆動手段と開閉蓋20とが別個に動作するようにしておくことが好ましい。例えば、前記回動駆動手段のアクチュエータを開閉蓋20に対して分離可能な状態で固定するなどの方法が考えられる。
【0025】
この点、本実施態様の回動・上下動独立式のコンテナにおいては、図1,2に示すように、それぞれの開閉蓋20の両脇に、開閉蓋20の側縁(前縁及び後縁)を支持するための開閉蓋支持アーム40を設けており、前記回動駆動手段を開閉蓋20ではなく開閉蓋支持アーム40に対して固定している。それぞれの開閉蓋支持アーム40の基端は、ヒンジなどの回動連結手段(図示省略)を介して、コンテナ本体10の側壁15の上縁近傍に対して回動自在な状態で固定されている。回動蓋支持アーム40の回動軸は、開閉蓋20が回動操作を行う際の回動軸と一致している。このため、開閉蓋20が回動操作される際には、開閉蓋支持アーム40も連動して回動操作されるようになっている。逆にいえば、開閉蓋支持アーム40が回動操作される際には、それに支持される開閉蓋20も回動操作されるようになっている。換言すると、前記回動駆動手段を駆動して開閉蓋20を起立又は倒伏させる際には、前記回動駆動手段の駆動力が開閉蓋支持アーム40を介して開閉蓋20に伝達され、開閉蓋20も起立又は倒伏するようになっている。
【0026】
また、それぞれの開閉蓋支持アーム40は、図1に示すように、鉛直方向に対して傾斜している際には、開閉蓋40の側縁をその板厚方向(開閉蓋20の法線方向)に支持し、図2〜4に示すように、側壁15の上方で鉛直方向に起立した際には、開閉蓋20の高さ方向(開閉蓋支持アーム40の長手方向)への開閉蓋40のスライド移動を許容するものとなっている。このため、開閉蓋20を側壁15の上方で起立した状態(図2を参照)から下方へ移動させる際には、開閉蓋20が開閉蓋支持アーム40に対してスライドし(図3を参照)、開閉蓋支持アーム40が側壁15の上方に残るようになっている(図4を参照)。
【0027】
コンテナへ積荷を収容する作業は、図4に示すように、開閉蓋支持アーム40が側壁15の上方で起立したままの状態で行ってもよいが、この場合には、開閉蓋支持アーム40が作業の邪魔になるおそれがある。このため、コンテナへ積荷を収容する作業は、前記回動駆動手段を駆動し、図5に示すように、開閉蓋支持アーム40をコンテナ本体10の開口部11に向かって倒伏させた状態で行うと好ましい。このように、本発明の回動・上下動独立式のコンテナは、開閉蓋20が回動操作と上下動操作という別種の操作をされるものでありながら、前記回動駆動手段と前記上下動駆動手段とが互いに干渉することのないようになっている。
【0028】
開閉蓋支持アーム40に対する開閉蓋20の支持構造は、特に限定されず、例えば、開閉蓋20をその裏面(内向面)側からのみ支持するようなものであってもよい。しかし、この場合には、開閉蓋20を別途固定などしておかないと、コンテナの輸送時などに開閉蓋20が浮き上がるおそれがある。このため、本実施態様の回動・上下動独立式のコンテナにおいては、図3に示すように、開閉蓋支持アーム40の端面に、開閉蓋支持アーム40の長手方向に沿って挟持溝41を設け、この挟持溝41に開閉蓋20の側縁を挿入することにより、開閉蓋20をその裏面側からだけでなく表面側からも支持することができるようにしている。
【0029】
2−3.その他
本実施態様の回動・上下動独立式のコンテナにおいて、後壁14は、側壁15の後縁に対して回動自在に取り付けられており、左右に開く両開きタイプの扉によって形成されている。このため、コンテナの内部に収容した積荷は、コンテナの後方からも取り出すことができるようになっている。また、本実施態様の回動・上下動独立式のコンテナにおいて、コンテナ本体10の内部には、コンテナ本体10の前方から後方に移動する起立板からなる積荷押出し手段(図示省略)を設けている。このため、この積荷押出し手段における起立板をコンテナ本体10の前方から後方へ移動させることにより、コンテナ本体10の内部の積荷をコンテナの後方から押し出すことができるようになっている。この構成は、積荷がプラスチック片や金属片などの細片物である場合、土や砂などの粉粒物である場合、汚泥などの粘土状物である場合などに好適に採用できる。
【0030】
2−4.回動・上下動独立式のコンテナの駆動方法
図1〜5で述べた回動・上下動独立式のコンテナの駆動方法について説明する。図1に示すように、コンテナ本体10の開口部11(図2〜4を参照)が開閉蓋20で覆われたコンテナに積荷を収容する際には、まず、前記回動駆動手段を駆動し、開閉蓋20を図1の太矢印の向きに回動させて起立させる。図2に示すように、開閉蓋20が側壁15の上方で起立した状態となると、前記回動駆動手段を止めて、前記上下動駆動手段を駆動し、図3に示すように、開閉蓋20を図3の太矢印の向きに下降させる。図4に示すように、開閉蓋20を下限位置まで到達させ、開閉蓋20の上縁が側壁15の上縁よりも低くなり、開閉蓋20が側壁15に沿って収容された状態となると、前記上下動駆動手段を止める。続いて、前記回動駆動手段を再度駆動して、側壁15の上方で起立したままの状態で残っていた開閉蓋支持アーム15(図4を参照)を、図4の太矢印の向きに回動させ、図5に示すように、コンテナ本体10の開口部11に向かって倒伏させる。この図5に示す荷積み可能状態において、コンテナ本体10の開口部11からコンテナの内部へ積荷を収容する。積荷を収容し終えると、以上で述べた手順を逆に実行し、コンテナ本体10の開口部11を開閉蓋20で覆う(図1を参照)。
【0031】
本発明の回動・上下動独立式のコンテナは、以上で述べた手順で使用するものであるから、[1]開閉蓋20を開く際(開閉蓋20を図1の状態から図2の状態とする際)、開閉蓋20を下降させる際(開閉蓋20を図2の状態から図4の状態とする際)、[2]開閉蓋支持アーム40を倒伏させる際(開閉蓋支持アーム40を図4に示す状態から図5に示す状態とする際)、[3]開閉蓋支持アーム40を起立させる際(開閉蓋支持アーム40を図5に示す状態から図4に示す状態とする際)、[4]開閉蓋20を上昇させる際(開閉蓋20を図4に示す状態から図2に示す状態とする際)、[5]開閉蓋20を閉じる際(開閉蓋20を図2に示す状態から図1に示す状態とする際)のいずれにおいても、開閉蓋20がコンテナ本体10の側壁15から外方に突き出ないようになっている。したがって、本発明の回動・上下動独立式のコンテナは、コンテナの側方にスペースがない場合であっても、開閉蓋20の開閉を行うことができるものとなっており、限られた狭いスペースにおいても、荷積み作業を行うことができるものとなっている。
【0032】
3.回動・上下動連動式のコンテナ
続いて、回動・上下動連動式のコンテナについて説明する。図6は、開閉蓋倒伏状態における本発明の回動・上下動連動式のコンテナの開閉蓋20周辺を拡大した斜視図である。図7は、開閉蓋倒伏状態における本発明の回動・上下動連動式のコンテナの開閉蓋20周辺を側壁15に垂直な面で切断して拡大した断面図である。図8は、開閉蓋倒伏状態から開閉蓋20がある程度起立して下方へ移動し始める状態(開閉蓋下降開始状態)における本発明の回動・上下動連動式のコンテナの開閉蓋20周辺を拡大した斜視図である。図9は、開閉蓋下降開始状態における本発明の回動・上下動連動式のコンテナの開閉蓋20周辺を側壁15に垂直な面で切断して拡大した断面図である。図10は、開閉蓋下降開始状態から開閉蓋20がさらに起立して側壁15(図11を参照)の上方で完全に起立した状態(開閉蓋起立完了状態)における本発明の回動・上下動連動式のコンテナの開閉蓋20周辺を拡大した斜視図である。図11は、開閉蓋起立完了状態における本発明の回動・上下動連動式のコンテナの開閉蓋20周辺を側壁に垂直な面で切断して拡大した断面図である。以下においては、説明の便宜上、既に述べた回動・上下動独立式のコンテナと異なる部分について説明する。回動・上下動連動式のコンテナで特に説明しない構成については、回動・上下動独立式のコンテナと同様の構成を採用することができる。
【0033】
3−1.開閉蓋
本実施態様の回動・上下動連動式のコンテナは、図6〜11に示すように、開閉蓋20の基端側に配された取付基体30と、取付基体30と開閉蓋20とを連結する回動アーム50とを用いて、開閉蓋20の回動操作と上下動操作とを連動して行うことができるものとなっている。取付基体30の前端及び後端には、図6に示すように、上方に起立した前後一対の固定アーム31が設けられている。それぞれの固定アーム31の高さ方向中間部には、固定アーム31を前後方向に貫通するガイド孔31aが上下方向に設けられている。このガイド孔31aには、開閉蓋20の基端に沿って固定された軸部25の両端(前端及び後端)が挿入される。このため、前後一対の固定アーム31は、その高さ方向中間部で、開閉蓋20の軸部25を前方及び後方から回動可能かつ上下動可能な状態で保持することができるものとなっている。
【0034】
前後一対の固定アーム31のそれぞれの先端には、図6に示すように、前後一対の回動アーム50におけるそれぞれの基端が取り付けられている。固定アーム31の先端と回動アーム50の基端は、軸部51を介して互いに回動可能な状態で連結されている。一方、前後一対の回動アーム50におけるそれぞれの先端は、前後一対の側縁(前縁及び後縁)に取り付けられている。回動アーム50の側縁と開閉蓋20の先端は、軸部52を介して互いに回動可能な状態で連結されている。また、開閉蓋20の前後一対の側縁には、それぞれの側縁に沿ってガイド溝26が設けられており、開閉蓋20の側縁に沿った端面(前向の端面及び後向の端面)には、該端面からガイド溝26までを貫通するガイド孔27が設けられている。ガイド孔27には、軸部52がガイド孔27の長手方向(開閉蓋20の側縁)に沿ってスライド可能な状態で挿入されている。軸部52の一端(回動アーム50に連結されていない方の端部)には、軸部52を拡径したガイド体60が固定されている。ガイド体60は、ガイド溝26の長手方向(開閉蓋20の側縁)に沿ってスライド可能な状態でガイド溝26の内部に収容されている。このため、回動アーム50の先端は、開閉蓋20に対して回動可能であるだけでなく、開閉蓋20の側縁に沿ってスライド可能な状態で、開閉蓋20の側縁に取り付けられている。
【0035】
本実施態様の回動・上下動連動式のコンテナにおいて、開閉蓋20のそれぞれの側縁におけるどの区間にガイド溝26及びガイド孔27を設けるかは、特に限定されない。しかし、ガイド溝26及びガイド孔27を開閉蓋20の基端に近い場所に設けると、開閉蓋20に作用する回転モーメントを大きくすることが困難になり、開閉蓋20の開閉に大きな力が必要となる。このため、ガイド溝26及びガイド孔27は、開閉蓋20の基端からある程度離れた場所に設けると好ましい。具体的には、開閉蓋20の基端から先端までの開閉蓋20の側縁に沿った距離をLとし、開閉蓋20の基端からガイド溝26及びガイド孔27の下端までの開閉蓋20の側縁に沿った距離をLとした場合に、L/Lが0.1以上となるようにすると好ましい。L/Lは、0.2以上であるとより好ましく、0.3以上であるとさらに好ましい。
【0036】
一方、ガイド溝26及びガイド孔27を開閉蓋20の先端に近くしすぎると、開閉蓋20に作用する回転モーメントを大きく確保するためには、取付基体30における固定アーム31を高くしなければならなくなり、固定アーム31が側壁15の上端から大きく突き出さなければならなくなる。このため、開閉蓋20の先端からガイド溝26及びガイド孔27の上端までの開閉蓋20の側縁に沿った距離をLとした場合に、L/Lが0.1以上となるようにすると好ましい。L/Lは、0.2以上であるとより好ましく、0.3以上であるとさらに好ましい。固定アーム31の高さは、特に限定されるものではないが、通常、開閉蓋20の側縁の長さの0.05〜1倍、好ましくは、0.1〜0.7倍、より好ましくは、0.2〜0.5倍とされる。
【0037】
本実施態様の回動・上下動連動式のコンテナにおいて、開閉蓋20の上下動操作は、人力で行ってもよいが、開閉蓋20の寸法が大きくなると、人力で開閉蓋20の上下動操作を行うことは難しい。また、コンテナとは別体のクレーンなどで開閉蓋20の上下動操作することも煩わしい。このため、コンテナに油圧や電力などの人力以外の動力によって駆動される上下動駆動手段を組み込んでおき、この上下動駆動手段によって開閉蓋20の上下動操作を行うようにすると好ましい。本実施態様の回動・上下動連動式のコンテナにおいては、既に述べた回動・上下動独立式のコンテナと同様、油圧によって駆動される上下動駆動手段(図示省略)をコンテナ本体10に設け、該上下動駆動手段によって取付基体30の上下動操作を行うようにしている。したがって、前記上下動駆動手段によって取付基体30が上下動操作されると、取付基体30に連動して開閉蓋20も上下動操作されるようになっている。
【0038】
ところで、既に述べた回動・上下動独立式のコンテナにおいては、開閉蓋20の回動操作は、前記上下動駆動手段とは別個の前記回動駆動手段によって行われていた。しかし、回動・上下動連動式のコンテナにおいては、後述するように、回動操作と上下動操作とが連動して行われるため、前記回動駆動手段を要しない(前記上下動駆動手段が前記回動駆動手段としても機能する。)。このため、本実施態様の回動・上下動連動式のコンテナにおいては、回動・上下動独立式のコンテナにおける前記回動駆動手段に相当する駆動手段を別途設けていない。
【0039】
3−2.回動・上下動独立式のコンテナの駆動方法
図6〜11に示した本実施態様の回動・上下動連動式のコンテナの駆動方法について説明する。開閉蓋20が倒伏した開閉蓋倒伏状態において、コンテナは、図6,7に示す状態となっている。この開閉蓋倒伏状態において、開閉蓋20の基端近傍の下面は、図6に示すように、側壁15を形成する内板15dの上端に当接した状態となっている。また、軸部52の外周は、ガイド孔27の基端(開閉蓋20の基端側の端部)に当接した状態となっており、軸部52は、それ以上開閉蓋20の基端側へ移動できない状態となっている。また、取付基体30は、開閉蓋20の基端に固定された軸部25の外周がガイド孔31aの下端に当接する位置(取付基体30の上限位置)まで上昇した状態となっており、それ以上上昇できない状態となっている。
【0040】
図6,7に示した開閉蓋倒伏状態から、前記上下動駆動手段を駆動して取付基体30を太矢印の向きに下降させると、まず、取付基体30がその固定アーム31とともに下降を開始し、軸部25がガイド溝31aの内部を相対的に上方に移動し始める。回動アーム50の基端は、固定アーム31の先端に下向きに引っ張られるものの、回動アーム50の基端と固定アーム31の先端とが互いに回動可能な状態で連結されているため、回動アーム50は、固定アーム31に対して回動を始める。しかし、回動アーム50の先端と開閉蓋20の側縁とが互いに回動可能でかつスライド可能な状態で連結されているため、回動アーム50の先端(軸部52)は、開閉蓋20の側縁(ガイド孔27)に沿って上方(開閉蓋20の先端側)に移動するだけであるため、この段階においては、開閉蓋20は回動操作を開始しない。
【0041】
図6,7に示す開閉蓋倒伏状態から、取付基体30がある程度下降すると、図8,9に示すように、開閉蓋20の基端に固定された軸部25の外周がガイド孔31aの上端に当接する。軸部25の外周がガイド孔31aの上端に当接した状態にあっては、軸部25がガイド孔31aの内部を相対的に上方へ移動できなくなる。この状態から取付基体30をさらに下降させると、軸体25は、取付基体30から下向きの外力を受けるようになり、開閉蓋20の基端は、取付基体30によって下向きに引っ張られるようになる。したがって、開閉蓋20は下降を開始する(開閉蓋下降開始状態)。この際、開閉蓋20は、側壁15の内板15dの上端を支点として図9の太矢印の向きに回動を開始し、起立し始める。軸部52は、ガイド孔27に案内されながら開閉蓋20の先端側に向かって移動を続けるため、回動アーム50も回動を続ける。
【0042】
図8,9に示す開閉蓋下降開始状態から、取付基体30をさらに下降させると、図10,11に示すように、開閉蓋20は、側壁15の上方で完全に起立した状態となる(開閉蓋起立完了状態)。このとき、起立する開閉蓋20に勢いがついていると、開閉蓋20が鉛直に起立した位置で止まらず、側壁15よりも外方に倒れるおそれがある。この点、本実施態様の回動・上下動連動式のコンテナにおいては、図11に示すように、側壁15を形成する外板15cを内板15dよりも高くしており、起立する開閉蓋20に勢いがついていたとしても、外板15cで開閉蓋20を受け止め、開閉蓋20が側壁15よりも外方へ倒れることのないようにしている。この開閉蓋起立完了状態においては、回動アーム50も、鉛直となる位置まで起立している。軸部52は、ガイド孔27に案内されて開閉蓋20の先端側へ移動し、ガイド孔27における上端付近まで移動している。
【0043】
図10,11に示す開閉蓋起立完了状態から、取付基体30をさらに下降させると、開閉蓋20は、取付基体30とともに下降し、その側縁を開閉蓋案内路15aに案内されて、側壁15に沿って完全に収容される位置まで移動する。このとき、コンテナ本体10(図5を参照)の開口部11(図5を参照)は、開放された状態となっており、その内部に積荷を収容することが可能な状態となっている。積荷を収容し終えると、以上で述べた手順を逆に実行し、コンテナ本体10の開口部11を開閉蓋20で覆う。
【0044】
本発明の回動・上下動連動式のコンテナは、以上で述べた手順で使用するものであるから、回動・上下動独立式のコンテナと同様、開閉蓋20が倒伏した状態から起立して下降し側壁15に沿って収容されるまでの間と、開閉蓋20が側壁15に収容された状態から上昇して倒伏するまでの間のいずれにおいても、開閉蓋20が側壁15から外方に突き出ないようになっている。したがって、本発明の回動・上下動連動式のコンテナも、コンテナの側方にスペースがない場合であっても、開閉蓋20の開閉を行うことができるものとなっており、限られた狭いスペースにおいても、荷積み作業を行うことができるものとなっている。
【0045】
4.用途
本発明のコンテナは、回動・上下動独立式であるか回動・上下動連動式であるかにかかわらず、その用途を限定されるものではなく、各種コンテナとして採用することができる。なかでも、トラック、鉄道、船舶又は航空機などの輸送手段を利用して荷物を輸送する際に用いるコンテナとして好適に使用することができる。これらの輸送手段を介して輸送されるコンテナは、他の輸送手段でも輸送することを考慮して、規格化された形態のものが多い。このため、本発明のコンテナは、国際標準化機構(ISO)が規定した国際規格に準拠したコンテナとして好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0046】
10 コンテナ本体
11 開口部(図2〜4を参照)
12 底板(図1を参照)
13 前壁(図3を参照)
14 後壁
15 側壁
15a 開閉蓋案内路
15b 上向溝
15c 外板
15d 内板
16 天板
20 開閉蓋
21 取付基体
21 右前開閉蓋(開閉蓋)
22 左前開閉蓋(開閉蓋)
23 右後開閉蓋(開閉蓋)
24 左後開閉蓋(開閉蓋)
25 軸部
26 ガイド溝
27 ガイド孔
30 取付基体
31 固定アーム
31a ガイド孔
40 開閉蓋支持アーム
41 挟持溝
50 回動アーム
51 軸部
52 軸部
60 ガイド体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開口部を有するコンテナ本体と、
前記コンテナ本体の側壁の上縁を基端として回動し、前記側壁の上方で起立又は前記開口部に向かって倒伏することにより、前記開口部の開閉を行う開閉蓋と
を備えたコンテナであって、
前記側壁の上方で起立した前記開閉蓋をその姿勢のまま下方へ移動させることにより、前記開口部の開放時に前記開閉蓋を前記側壁に沿って収容できるようにしたことを特徴とするコンテナ。
【請求項2】
前記側壁の上方で起立した開閉蓋を下方へ案内するための開閉蓋案内路が、前記側壁に上下方向に設けられた請求項1記載のコンテナ。
【請求項3】
前記開閉蓋が起立又は倒伏する際に記開閉蓋に連動して起立又は倒伏することにより、前記開閉蓋を支持する開閉蓋支持アームと、
前記開閉蓋支持アームを駆動して記開閉蓋支持アームを起立又は倒伏させる回動駆動手段と
をさらに備え、
前記開閉蓋を起立又は倒伏させる際には、前記回動駆動手段の駆動力が前記開閉蓋支持アームを介して前記開閉蓋に伝達されるとともに、
前記開閉蓋を前記側壁の上方で起立した状態から下方へ移動させる際には、前記開閉蓋が前記開閉蓋支持アームに対してスライドし、前記開閉蓋支持アームが前記側壁の上方に残るようにした請求項1又は2記載のコンテナ。
【請求項4】
上方に起立した前後一対の固定アームを有し、該前後一対の固定アームの高さ方向中間部で前記開閉蓋の基端を前方及び後方から回動可能かつ上下動可能な状態で保持する取付基体と、
前記前後一対の固定アームの先端と前記開閉蓋における前後一対の側縁とをそれぞれ連結し、前記固定アーム及び前記開閉蓋に対して回動可能な状態で設けられるとともに、前記開閉蓋に対しては前記開閉蓋の側縁に沿ってスライド可能な状態で取り付けられた前後一対の回動アームと
をさらに備え、
前記取付基体を前記側壁に沿って下方へ移動させた際に、前記開閉蓋が前記開口部に向かって倒伏した状態から前記側壁の上方で起立した状態へと回動するようにした請求項1又は2記載のコンテナ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−195189(P2011−195189A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−66564(P2010−66564)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(508293678)
【出願人】(508293003)朝倉運輸株式会社 (4)
【Fターム(参考)】