説明

コンテンツ再生システム及びセンタ装置

【課題】コンテンツの不正な再生を防止しつつ、利用者が楽曲等のコンテンツを自由に再生することのできる技術を提供する。
【解決手段】センタ装置40のスピーカアドレス管理テーブルには、スピーカ端末10のそれぞれに割り当てられたIPアドレスとスピーカ端末10の設置位置との対応関係が記憶されている。管理者の操作に応じて、コンピュータ装置50は、時間帯、曲/ジャンル、及び店舗内位置の対応関係を示すリクエストデータをセンタ装置40へ送信する。センタ装置40は、リクエストデータを受信すると、その内容に基づいて、時間帯と配信先のアドレスに対応するコンテンツをそれぞれのスピーカ端末10へストリーミング配信する。スピーカ端末10は、ストリーミング配信されてくるコンテンツを受信し、受信したコンテンツにラベルデータが付加されている場合にはそのコンテンツを再生する一方、それ以外の場合にはコンテンツを再生しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを再生する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店や服飾店等の店舗では、有線放送によってバックグラウンドミュージック(以下「BGM」という)を流すのが一般的である。しかしながら、BGM再生に有線放送を利用するためには、有線放送の受信機器を設置する手間やコストが必要であるため、導入が容易でないという問題があった。また、有線放送では、どの曲を何時に放送するかなどのスケジュールは放送局側にゆだねられているから、利用者の好みでBGMを流すことはできなかった。
【0003】
そこで、特許文献1には、有線放送のように放送局側が作成したプログラムではなく、利用者が自ら作成したプログラムに基づいてBGMを流すことのできるBGM端末装置が提案されている。この装置によれば、利用者が自ら作成したプログラムに基づいてBGMを流すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−247105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、利用者が自身の所望する内容のBGMを流すことができるものの、著作物たる楽曲が、著作権者や原盤権者等の許諾を得ずに不正に再生される可能性があり、このような楽曲の不正な再生を防止することは困難であった。これは楽曲の再生に限らず、映像やプログラム等においても同様である。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、コンテンツの不正な再生を防止しつつ、利用者が楽曲等のコンテンツを自由に再生することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好適な態様であるコンテンツ再生システムは、センタ装置とコンテンツ再生端末とが通信可能に接続されたコンテンツ再生システムであって、前記センタ装置は、前記コンテンツ再生端末から受信されるコンテンツの一部又は全部を解析することにより得られる照合用データによって所定の照合装置を用いて該コンテンツを照合し、照合結果を示すラベルデータを前記照合装置から取得し、取得したラベルデータに基づいて、該コンテンツの再生を許可するか否かを示す再生可否データを前記コンテンツ再生端末へ送信する再生可否データ送信手段と、前記ラベルデータに基づいて課金処理を行う課金手段とを備え、前記コンテンツ再生端末は、コンテンツを取得するコンテンツ取得手段と、前記コンテンツ取得手段により取得されたコンテンツの一部または全部を前記センタ装置へ送信するとともに、前記再生可否データ送信手段により送信された再生可否データを受信し、受信した再生可否データが再生を許可する旨を示す場合には前記コンテンツを再生する一方、それ以外の場合には再生を行わないコンテンツ再生手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の好適な態様であるセンタ装置は、コンテンツ再生端末から受信されるコンテンツの一部又は全部を解析することにより得られる照合用データによって所定の照合装置を用いて該コンテンツを照合し、照合結果を示すラベルデータを前記照合装置から取得し、取得したラベルデータに基づいて、該コンテンツの再生を許可するか否かを示す再生可否データを前記コンテンツ再生端末へ送信する再生可否データ送信手段と、前記ラベルデータに基づいて課金処理を行う課金手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コンテンツの不正な再生を防止しつつ、利用者が楽曲等のコンテンツを自由に再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】店舗100におけるスピーカ端末10の設置の態様の一例を示す図である。
【図3】スピーカ端末10の構成の一例を示す図である。
【図4】センタ装置40の構成の一例を示す図である。
【図5】スピーカアドレス管理テーブルの内容の一例を示す図である。
【図6】コンテンツ配信管理テーブルの内容の一例を示す図である。
【図7】リクエストデータの内容の一例を示す図である。
【図8】楽曲使用条件テーブルの内容の一例を示す図である。
【図9】楽曲使用条件テーブルの内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<A:実施形態の構成>
まず、図1を参照して、本発明に係るコンテンツ再生システムについて説明する。図において、店舗100,100,…は、例えば飲食店や服飾店等であり、全国各地に開設されている。店舗100,100,…には、それぞれスピーカ端末10,10,…と、PLC専用アダプタ30とが設置されている。なお、図1においては、図面が煩雑になるのを防ぐため、ひとつの店舗100についてのみスピーカ端末10,10,…とPLC専用アダプタ30とが図示されているが、他の店舗100にも同様にスピーカ端末10,10,…とPLC専用アダプタ30とが設置されている。PLC専用アダプタ30とスピーカ端末10とは電力線1で接続されている。
【0011】
スピーカ端末10は、供給されるオーディオデータに応じて放音する機能を有するコンテンツ再生端末である。PLC専用アダプタ30は、電力線1を介してPLC(Power Line Communications)方式でデータを伝送するためのアダプタである。PLC専用アダプタ30は、ネットワーク2を介して受信されるデータを示す信号を商用電力に重畳させることによって、電力線1を介してスピーカ端末10に送信する。また、PLC専用アダプタ30は、電力線1を介して送信されてくる電力に重畳された信号を抽出し、この信号をネットワーク2を介してセンタ装置40に送信する。センタ装置40は、店舗100にバックグラウンドミュージック等の楽音を提供するための管理装置である。センタ装置40とPLC専用アダプタ30とは、インターネットや専用回線等のネットワーク2を介して通信可能に接続されており、センタ装置40は、ネットワーク2、PLC専用アダプタ30及び電力線1を介して、スピーカ端末10のそれぞれにオーディオデータを供給する。コンピュータ装置50は、店舗100にどのような楽音を流すかを要求するための装置であり、例えばパーソナルコンピュータである。なお、コンピュータ装置50は、店舗100内に設置されていてもよく、また、店舗100を統括する管理施設に設置されていてもよく、コンピュータ装置50の設置位置は任意である。
【0012】
照合装置60は、楽曲の楽曲名、ジャンル名、アーティスト名、アルバム名等の楽曲に関する基本情報をダウンロードすることが可能なデータベースを有する装置である。照合装置60のデータベースには、楽曲の基本情報(以下「ラベルデータ」という)と、楽曲のオーディオ信号の波形そのものを特定するための照合用データとが対応付けて格納されている。この実施形態では、照合用データとして、GraceNote社によって提案されているMusicIDと称される技術を用いて生成されたサウンド指紋情報を用いる。照合装置60は、他の装置から受信する照合用データをデータベースに記憶された照合用データと照合することによってコンテンツを特定し、特定したコンテンツのラベルデータを他の装置に送信する。
【0013】
次に、店舗100内におけるスピーカ端末10,10,…の設置態様の一例について、図2を参照しつつ説明する。図2において、店舗100は、売場X,売場Y,などの複数の売場を備えており、各売場に1又は複数のスピーカ端末10が設置されている。スピーカ端末10,10,…は、電力を供給する給電レール200に取り付けられており、この給電レール200から供給される電力によりスピーカ端末10,10,…の各部が駆動される。また、スピーカ端末10のそれぞれにはIPアドレスが割り当てられている。スピーカ端末10は、PLC方式で供給されるオーディオデータを受信する機能を有しており、電力線1を介して受信されるオーディオデータに基づいて放音する。
【0014】
次に、スピーカ端末10の構成の一例について、図3を参照しつつ説明する。図3は、スピーカ端末10の構成の一例を示すブロック図である。電源部101は、商用周波数の交流電力を直流電力に変換する。変換された直流電力は、スピーカ端末10の各部に供給される。PLC制御部102は、交流電力から信号を抽出すると共に、送受信部103から供給される信号を電力に重畳する。アドレス検出部104は、送受信部103により受信されたデータの宛先アドレスを検出する。CPU(Central Processing Unit)105は、ROM(Read Only Memory)107に記憶された各種プログラムを読み出して実行する。RAM(Random Access Memory)106は、CPU105のワークエリアとして用いられ、CPU105により実行されるプログラムや各種のデータを一時的に格納する。ROM107には、自端末を識別するIDが記憶されている。この実施形態では、端末を識別するIDとしてIPアドレスが用いられる。なお、この実施形態では、スピーカ端末10を識別するIDとしてIPアドレスを用いるが、IDとして用いられる識別情報はIPアドレスに限らず、スピーカ端末10を識別するものであればどのようなものであってもよい。表示部108は、例えば液晶ディスプレイであり、CPU105の制御の下、各種の画像を表示する。
【0015】
データバッファ109A,109Bは、電力線1を介して伝送されてくるデータを一時的に記憶するための記憶手段である。アドレス検出部104は、電力線1を介して伝送されてくるオーディオデータの宛先アドレスが自装置に割り当てられたIPアドレス(ID)と一致するか否かを判定し、一致するデータをデータバッファ109Aに出力する。また、CPU105は、データバッファ109Aに格納されたコンテンツにラベルデータが付与されているか否かを判定し、ラベルデータが付与されているコンテンツをデータバッファ109Bへ転送する。一方、ラベルデータが付与されていないコンテンツは破棄する。
【0016】
D/A(Digital / Analog)変換器110は、データバッファ109Bに格納されたデジタルデータをアナログ信号に変換する。オーディオ信号再生部111は、D/A変換器110から出力されるアナログ信号を増幅し、スピーカ112に供給することによってスピーカ112を駆動する。スピーカ112は、オーディオ信号再生部111から供給されるアナログ信号に応じて放音する放音手段である。
【0017】
次に、センタ装置40の構成について、図4を参照しつつ説明する。図4は、センタ装置40の構成を示すブロック図である。図において、制御部41は、CPUやROM、RAMを備え、ROM又は記憶部42に記憶されているコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、バスを介してセンタ装置40の各部を制御する。記憶部42は、制御部41によって実行されるコンピュータプログラムやその実行時に使用されるデータを記憶するための記憶手段であり、例えばハードディスク装置である。特に、この実施形態では、記憶部42は、コンテンツを複数記憶するコンテンツ記憶装置として機能する。表示部43は、液晶ディスプレイなどを備え、制御部41の制御の下で、センタ装置40を操作するためのメニュー画面等を表示する。操作部44は、利用者による操作に応じた操作信号を制御部41に出力する。通信部45は、例えばモデム等を備える通信手段であり、スピーカ端末10との間でネットワーク2、PLC専用アダプタ30及び電力線1を介して通信を行う。
【0018】
記憶部42は、図示のように、コンテンツデータベース記憶領域421と、スピーカアドレス管理テーブル記憶領域422と、コンテンツ配信管理テーブル記憶領域423とを有している。コンテンツデータベース記憶領域421には、楽曲等の音声を表すオーディオデータが複数記憶されている。なお、以下の説明では、説明の便宜上、コンテンツデータベース記憶領域421に記憶されたオーディオデータを「コンテンツ」と称して説明する。なお、本明細書にいう「音声」には、人間が発声した音声や楽器の演奏音といった種々の音響が含まれる。センタ装置40の制御部41は、コンテンツデータベース記憶領域421に記憶されたコンテンツ(オーディオデータ)を、各店舗100内に設置されたスピーカ端末10にストリーミング配信する。
【0019】
次に、記憶部42のスピーカアドレス管理テーブル記憶領域422には、スピーカ端末10のIPアドレスを管理するためのスピーカアドレス管理テーブルが記憶されている。図5は、スピーカアドレス管理テーブルの内容の一例を示す図である。図示のように、このテーブルは、「スピーカIPアドレス」と「契約店舗」と「店舗内位置」との各項目が互いに関連付けられたレコードが複数記憶されている。これらの項目のうち、「スピーカIPアドレス」の項目には、スピーカ端末10のそれぞれに割り当てられたIPアドレスが記憶されている。「契約店舗」の項目には、そのスピーカ端末10を管理する契約店舗の名称を示すデータが記憶されている。「店舗内位置」の項目には、そのスピーカ端末10が設置された店舗100の名称を示すデータとその店舗100内におけるそのスピーカ端末10の設置位置を示すデータが記憶されている。店舗100の管理者は、その店舗100内に設置されたスピーカ端末10のそれぞれについて、割り当てられたIPアドレス、契約店舗、店舗内設置位置を示すデータを、例えばコンピュータ装置50等を用いてセンタ装置40へ登録するための操作を行う。この場合、コンピュータ装置50は、操作された内容に応じたデータをセンタ装置40へ送信し、センタ装置40は、コンピュータ装置50から受信したデータをこのスピーカアドレス管理テーブルに登録する。
【0020】
コンテンツ配信管理テーブル記憶領域423には、各スピーカ端末10へのコンテンツの配信状況を管理するためのコンテンツ配信管理テーブルが記憶されている。図6は、コンテンツ配信管理テーブルの内容の一例を示す図である。この記憶領域には、「時間帯」と「店舗内位置」との各項目が互いに関連付けられたテーブルが、店舗毎に複数記憶されている。これらの項目のうち、「時間帯」の項目には、時間帯を示す情報が記憶される。「店舗内位置」の項目には、コンテンツの配信先となるスピーカ端末10の店舗100内における設置位置を示す情報が記憶される。センタ装置40は、このテーブルの内容に基づいて、各スピーカ端末10へコンテンツを配信する。
【0021】
次に、コンピュータ装置50の構成について説明する。コンピュータ装置50は、制御部、記憶部、表示部、操作部、通信部等を備え、操作された内容に応じたデータをセンタ装置40に送信する機能を備える。なお、コンピュータ装置50の各部の構成は、センタ装置40のそれと同様であり、ここではその詳細な説明を省略する。
【0022】
次に、照合装置60の構成について説明する。照合装置60は、制御部、記憶部、表示部、操作部、通信部等を備える。照合装置60の記憶部は照合用データベースを備えている。照合用データベースには、「照合用データ」と「ラベルデータ」との各項目が互いに関連付けられたレコードが複数記憶されている。これらの項目のうち、「照合用データ」の項目には、コンテンツの一部又は全部を解析することにより得られる照合用データが記憶されている。次に、「ラベルデータ」の項目には、コンテンツの楽曲名、ジャンル名、アーティスト名、アルバム名等の、そのコンテンツの基本情報を表すラベルデータが記憶されている。照合装置60は、他の装置から受信する照合用データを照合用データベースに記憶された照合用データと照合し、その一致度に基づいてコンテンツを特定し、特定したコンテンツのラベルデータを、受信された照合用データの応答としてその装置に送信する。
【0023】
<B:動作>
次に、この実施形態の動作について説明する。
<B−1:コンテンツ登録動作>
次に、このシステムのコンテンツ登録動作について説明する。この実施形態では、店舗100の管理者は、店舗100において再生したいコンテンツを、コンピュータ装置50を用いてコンテンツデータベースに登録することができる。管理者は、コンピュータ装置50の操作部を操作して、コンテンツの登録を要求するための操作を行う。操作部は、操作された内容に応じた操作信号を制御部へ出力する。制御部は、操作部から供給される操作信号に応じて、コンテンツをセンタ装置40へ送信する。
【0024】
センタ装置40は、コンピュータ装置50からコンテンツを受信すると、受信したコンテンツの一部又は全部を解析して照合用データを生成する。センタ装置40は生成した照合用データを照合装置60へ送信する。
【0025】
照合装置60は、センタ装置40から受信される照合用データを用いてコンテンツを特定し、特定したコンテンツのラベルデータを、受信された照合用データの応答としてセンタ装置40に送信する。このとき、照合装置60は、受信した照合用データがデータベースに登録されておらず、受信した照合用データと一致するものが検索されなかった場合には、その旨を示すデータをセンタ装置40に送信する。なお、この処理は、例えば、受信した照合用データと一致するものが検索されなかった旨を示すラベルデータを生成してセンタ装置40に送信するようにしてもよい。
【0026】
センタ装置40は、送信した照合用データの応答として照合装置60から送信されてくるラベルデータを受信する。センタ装置40の制御部41は、コンピュータ装置50から受信したコンテンツにラベルデータが付与されているか否かを判定する。コンテンツにラベルデータが付与されていないと判定された場合には、センタ装置40は、コンピュータ装置50から受信したコンテンツに対して、照合装置60から受信したラベルデータを付加し、ラベルデータを付加したコンテンツをコンテンツデータベース記憶領域421に格納する。一方、コンピュータ装置50から受信したコンテンツにラベルデータが付加されていると判定された場合には、制御部41は、コンテンツに付加されたラベルデータを、照合装置60から受信したラベルデータで更新し、ラベルデータを更新したコンテンツを、コンテンツデータベース記憶領域421に格納する。
【0027】
このように、この実施形態では、コンテンツにラベルデータが予め付加されている場合であっても、照合装置60から受信されるラベルデータで更新する。このようにすることよって、例えば、悪意の第三者が意図的に誤ったラベルデータをコンテンツに付加した場合であっても、コンテンツの正しい基本情報(ラベルデータ)をコンテンツに付加することができ、著作物たるコンテンツが不正にアップロードされるのを防止することができる。具体的には、例えば、著名なアーティストの著作物であるにも関わらず、悪意の第三者があたかも自身の著作物であるかのように、コンテンツに偽造したラベルを付加してサーバにアップロードするのを防ぐことができる。
【0028】
また、センタ装置40の制御部41は、照合装置60から、一致する照合用データが検索されなかった旨を示すデータを受信した場合には、コンピュータ装置50に対して、その旨を示すデータ(以下「未登録データ」という)を送信する。コンピュータ装置50は、センタ装置40から未登録データを受信すると、コンテンツにラベルデータを付加するか否かを操作者が選択するための画面を、表示部に表示させる。具体的には、例えば、「アップロードしたコンテンツはデータベースに未登録です。ラベルを付加してサーバに保存しますか?」といった、ラベルデータを付加するか否かを選択するためのメッセージを表示部に表示するようにしてもよい。
【0029】
コンピュータ装置50の操作者は、コンピュータ装置50の操作部を操作して、コンテンツにラベルを付加してセンタ装置40のデータベースに登録するか否かを選択するための操作を行う。データベースに登録しない旨を選択する操作が行われた場合には、コンピュータ装置50はその旨を示すデータをセンタ装置40に送信する。センタ装置40は、コンテンツをデータベースに登録せずに、そのまま処理を終了する。
【0030】
一方、コンテンツをデータベースに登録する旨を選択する操作が行われた場合には、コンピュータ装置50は、コンテンツ名、アーティスト名、アルバム名等のコンテンツの基礎情報の入力を促す画面を表示部に表示させる。操作者は、コンピュータ装置50の操作部を操作して、コンテンツの基礎情報を入力する。基礎情報が入力されると、コンピュータ装置は、入力された基礎情報をラベルデータとしてセンタ装置40に送信する。センタ装置40は、コンピュータ装置50からラベルデータを受信すると、受信したラベルデータをコンテンツに付加して、コンテンツをコンテンツデータベースに登録する。
【0031】
<B−2:コンテンツ配信管理テーブル登録動作>
次に、コンテンツ配信管理テーブルの登録動作について説明する。店舗100の管理者は、コンピュータ装置50の操作部を操作して、どのスピーカ端末10でどの楽曲を流すかを要求するためのデータ(以下「リクエストデータ」)を、センタ装置40に送信するための操作を行う。
【0032】
図7は、リクエストデータの内容の一例を示す図である。図示のように、リクエストデータは、「時間帯」と「曲名・ジャンル」と「店舗内位置」との各項目が互いに関連付けて構成されている。これらの項目のうち、「時間帯」の項目には、例えば「10:00〜12:00」,「18:00〜18:05」といった、コンテンツを配信する時間帯を示す情報が格納される。「曲名・ジャンル」の項目には、例えば「開店の曲」,「昼の客層向け」といった、コンテンツの曲名を示す情報や、コンテンツのジャンルを示す情報が格納される。「店舗内位置」の項目には、例えば「全店舗全グループ」,「A店 X売場 スピーカ」といった、配信先となるスピーカ端末10の設置位置を示すデータが格納される。なお、リクエストデータのデータ構造はこれに限定されるものではなく、要するに、スピーカ端末10,時間帯及びコンテンツの対応関係を示すものであればよい。
【0033】
コンピュータ装置50の操作部は、店舗100の管理者によって操作された内容に応じた操作信号を制御部に出力する。コンピュータ装置50の制御部は、操作部から供給される信号に応じて、リクエストデータを生成し、生成したリクエストデータを通信部45を介してセンタ装置40に送信する。
【0034】
センタ装置40は、コンピュータ装置50からリクエストデータを受信すると、受信したリクエストデータの内容に基づいて、コンテンツ配信管理テーブルの内容を更新する。各店舗100の管理者が、コンピュータ装置50を操作してリクエストデータを送信することによって、センタ装置40のコンテンツ配信管理テーブルには、各店舗100に設置されたスピーカ端末10のそれぞれに配信するコンテンツを示すデータが格納される。
【0035】
<B−3:コンテンツ配信動作>
次に、このシステムのコンテンツ配信動作について説明する。センタ装置40は、コンテンツ配信管理テーブルの内容に基づいて、スピーカ端末10のそれぞれにコンテンツを配信する。すなわち、センタ装置40は、コンピュータ装置50から受信したリクエストデータの内容に基づいて、それぞれの時間帯に対応するコンテンツを、コンテンツデータベース記憶領域421から読み出し、読み出したコンテンツを、リクエストデータによって指定されたIPアドレスへストリーミング配信する。具体的には、例えば、配信管理テーブルの内容が図6に示すものである場合には、「A店X売場」のスピーカ端末10に対しては、「10:00〜11:00」の時間帯には「楽曲01」のコンテンツが配信され、「11:00〜11:10」の時間帯においては「楽曲02」のコンテンツが配信され、…といったように、それぞれの時間帯において、それぞれリクエストデータによって指示されたジャンルのコンテンツまたは指示されたコンテンツが、それぞれのスピーカ端末10に配信される。このとき、コンテンツが指定されている場合には、センタ装置40の制御部41は、指定されたコンテンツをコンテンツデータベースから検索し、検索されたコンテンツをストリーミング配信する。一方、ジャンルが指定されている場合には、制御部41は、指定されたジャンルのジャンル識別情報を有するコンテンツを検索し、検索されたコンテンツをストリーミング配信する。
【0036】
また、センタ装置40は、コンテンツ配信管理テーブルに記憶されたデータ(管理情報)を、例えば表示部43に表示する。なお、データの出力先は、表示部43に限らず、例えば、コンピュータ装置50等であってもよく、出力先は任意である。
また、このとき、センタ装置40は、スピーカ端末10に配信するコンテンツに付加されたラベルデータに基づいて課金処理を行う。
【0037】
次に、センタ装置40から配信されたコンテンツを受信するスピーカ端末10の動作について説明する。スピーカ端末10は、給電レール200によって供給される電力により、その各部が駆動される。スピーカ端末10のアドレス検出部104は、給電レール200を介して伝送されてくるデータの宛先アドレスを検出し、宛先アドレスが自装置に割り当てられたIPアドレスであるデータを、データバッファ109Aに供給する。このようにして、スピーカ端末10は、センタ装置40からストリーミング配信されてくるコンテンツを受信する。
【0038】
CPU105は、データバッファ109Aに格納されたコンテンツにラベルが付加されているか否かを判定し、ラベルが付加されている場合には、データバッファ109Aに格納されたデータをデータバッファ109Bに転送する。D/A変換器110は、データバッファ109Bに格納されたデータをデジタルデータからアナログ信号に変換し、オーディオ信号再生部111に供給する。オーディオ信号再生部111は、オーディオ信号を所定量増幅させ、スピーカ112に供給する。スピーカ112は、供給されるオーディオ信号に応じて放音する。これにより、スピーカ端末10からは、センタ装置40からそのスピーカ端末10に対して配信されたコンテンツの示す音が放音される。
【0039】
一方、データバッファ109Aに格納されたコンテンツにラベルが付加されていない場合には、CPU105は、データバッファ109Aに格納されたデータ(すなわち受信したコンテンツの一部又は全部)を自装置のIDと共に、予めRAM又はROMに記憶されているセンタ装置40のアドレスへ送信する。
【0040】
センタ装置40は、スピーカ端末10からコンテンツの一部又は全部を受信すると、受信したコンテンツを解析して照合用データを生成し、生成した照合用データを用いてこのコンテンツを照合装置60によって照合し、照合結果を示すラベルデータを照合装置60から取得する。センタ装置40は、照合装置60から受信されるラベルデータに基づいて、コンテンツの再生を許可するか禁止するかを判定する。この判定は、例えば、照合装置60からラベルデータを取得した場合にはコンテンツの再生を許可する一方、コンテンツが照合用データベースに未登録でありその旨を示すデータが照合装置60から取得された場合には再生を禁止するようにしてもよい。センタ装置40は、判定結果を示す再生可否データを、スピーカ端末10へ送信する。
【0041】
スピーカ端末10は、センタ装置40から再生可否データを受信すると、受信した再生可否データが再生を許可する旨を示す場合にはコンテンツを再生する。すなわち、スピーカ端末10は、データバッファ109Aに格納されたデータをデータバッファ109Bに転送し、転送されたデータはD/A変換され、増幅された後、スピーカ112で音として出力される。
【0042】
一方、受信した再生可否データが再生を禁止する旨を示す場合には、スピーカ端末10はコンテンツを再生しない。すなわち、この場合は、スピーカ端末10のCPU105は、データバッファ109Aに格納されたデータをそのまま破棄する。
【0043】
このようにこの実施形態では、センタ装置40が、照合装置60による照合結果に基づいてコンテンツにラベルを付加する。このようにすることにより、例えば、悪意の第三者が、他人の著作物を自身の著作物としてセンタ装置40にアップロードすることを防ぐことができる。
【0044】
また、この実施形態では、センタ装置40がコンテンツに付加されたラベルデータに基づいて課金処理を行うとともに、ラベルデータが付加されていないコンテンツはスピーカ端末10で再生しないから、スピーカ端末10で再生されるコンテンツに対して課金処理を行うことができる。すなわち、この実施形態では、課金を逃れて不正にコンテンツが再生されることがない。
【0045】
<C:変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。以下にその一例を示す。なお、以下の各態様を適宜に組み合わせてもよい。
(1)上述の実施形態において、コンテンツの再生を許可するか否かをコンテンツ毎に判定するようにしてもよい。この具体例について以下に説明する。
なお、この態様が上述の実施形態と異なる点は、照合装置60の記憶部に楽曲使用条件テーブルが記憶されている点と、センタ装置40及び照合装置60が行う処理の内容が異なる点であり、他の構成要素や動作については上述の実施形態と同様である。そのため、以下の説明においては、上述した実施形態と異なる点について説明し、上述の実施形態と同様の構成要素や動作についてはその説明を省略する。
図8は、この態様において、照合装置60の記憶部に記憶される楽曲使用条件テーブルの内容の一例を示す図である。図示のように、このテーブルには、「曲番号ID」と「曲名」と「著作権情報」と「禁止情報」と「使用条件」と「販促情報」との各項目が互いに関連付けられたレコードが複数記憶されている。これらの項目のうち、「曲番号ID」の項目には、コンテンツを識別する識別情報、例えば曲コードが記憶される。「曲名」の項目には、コンテンツ名を示すテキストデータが記憶される。「著作権情報」の項目には、そのコンテンツの著作権者を示すテキストデータが記憶される。「禁止情報」の項目にはそのコンテンツを公に再生することを許可するか否か(「許可」又は「禁止」)を示すデータが記憶される。「使用条件」の項目には、そのコンテンツの使用条件を示すデータが記憶される。「販促情報」の項目には、そのコンテンツが販売促進の対象であるか否か(「販促無し」又は「販促あり」)を示すデータが記憶される。
【0046】
次に、この態様における動作の一例について説明する。この態様においては、照合装置60は、センタ装置40から照合用データを受信すると、受信した照合用データをキーにして照合用データベースを検索し、検索結果に基づいてコンテンツの基本情報を特定する。なお、この態様においては、特定される基本情報に曲番号IDが含まれる。次いで、照合装置60は、特定したコンテンツの曲番号IDをキーにして楽曲使用条件テーブルから一致するものを検索し、検索されたレコードを参照して、そのコンテンツの使用条件に基づいて、コンテンツの再生を許可するか否かを示す再生可否データをラベルデータに付加して、センタ装置40へ送信する。
また、センタ装置40は、端末IDと曲番号IDの集計(ログ)を行う。
【0047】
センタ装置40は、照合装置60からラベルデータを受信すると、受信したラベルデータに付加された再生可否データに基づいてコンテンツの再生を許可するか否かを判定する。コンテンツの再生を許可すると判定した場合には、センタ装置40は、コンテンツをスピーカ端末10へ配信する。一方、再生を禁止すると判定した場合には、センタ装置40は、コンテンツを配信しない。
【0048】
この態様によれば、コンテンツの種類に応じて、演奏・再生の許可・禁止が制御できるから、著作権者の柔軟な意思を反映することができる。また、コンテンツにラベルを付加してスピーカ端末10へ送信するから、スピーカ端末10側で確認処理等を行う必要がなく、時間・手間・付加をかけずにコンテンツを再生することが可能である。
【0049】
なお、上述の実施形態においては、照合装置60の記憶部に楽曲使用条件テーブルが記憶されている構成としたが、これに代えて、センタ装置40の記憶部42に楽曲使用条件テーブルを記憶するようにしてもよい。この場合は、照合装置60はコンテンツの照合処理のみを行い、センタ装置40が楽曲使用条件テーブルの内容に基づいてコンテンツの再生を許可するか否かを判定する。
【0050】
(2)上述の態様において、スピーカ端末10が個人使用される端末であるか公に使用される端末であるかによって、コンテンツの再生を許可するか否かを判定するようにしてもよい。具体的には、例えば、センタ装置40の記憶部42に、スピーカ端末10が個人使用されるものであるか否かを示すフラグをスピーカ端末10毎に記憶させておき、センタ装置40が、照合装置60からコンテンツの再生を禁止する旨を通知された際に、配信先のスピーカ端末10のフラグを参照し、個人使用されるスピーカ端末10でない場合にはコンテンツの再生を禁止する一方、個人使用されるスピーカ端末10の場合にはコンテンツの再生を許可するようにしてもよい。
【0051】
また、他の例として、コンテンツの再生を許可するか否かをスピーカ端末10毎に判定するようにしてもよい。この場合は、照合装置60の記憶部(又はセンタ装置40の記憶部42)に、図8に示した楽曲使用条件テーブルをスピーカ端末毎に記憶させておく(図9参照)。この場合は、センタ装置40は、コンテンツの配信先のスピーカ端末10に対応する楽曲使用条件テーブルの内容に基づいてコンテンツの再生を許可するか否かを判定する。
【0052】
ところで、従来においては、端末の種別(私用、営業)に応じて、配信・送信を制御するという仕組みは無かった。これに対し本態様においては、例えば公共の場で演奏・再生が禁止されている音楽の再生制御等を行うことができる。また、この態様においては、端末IDに応じて、演奏・再生の許可・禁止が制御できるため、著作権者の柔軟な意思(例えば、公共の場ではここの場所でしか演奏・再生できない、等)を反映することができる。
また、この実施形態では、コンテンツにラベルデータを付与してスピーカ端末10へストリーミング配信するため、スピーカ端末10側でコンテンツの再生の可否を確認する必要がない。そのため、時間・手間・負荷をかけずにコンテンツを再生することが可能となる。
【0053】
(3)上述の実施形態において、スピーカ端末10が、PCL経由でのオーディオ信号の衝突を制御するようにしてもよい。この具体的な一例について以下に説明する。スピーカ端末10がオーディオストリームを受信した際に、スピーカ端末10のCPU105が、データバッファ109Aが空であるか否かを判定し、空である場合にはそのオーディオストリームの送信元に対してACK信号を返信する。この場合、スピーカ端末10は、受信されるオーディオ信号をデータバッファ109Aに蓄積し、上述の実施形態と同様にしてスピーカ112から音として出力させる。一方、オーディオストリームを受信した際にデータバッファ109Aが空でない場合には、送信元に対してBUSY信号を返信し、受信したオーディオ信号はデータバッファ109Aに蓄積せずに破棄する。
【0054】
(4)上述した実施形態では、コンテンツとして楽曲の音声を表すデータを用いたが、コンテンツはこれに限定されるものではなく、楽曲データ以外にも、例えば、動画像を表す動画像データや、静止画像を表す画像データ、コンピュータプログラム等であってもよい。
また、上述した実施形態では、コンテンツを再生するコンテンツ再生端末として、オーディオデータを再生するスピーカ端末10を用いて説明した。コンテンツ再生端末はスピーカ端末に限らず、例えば、動画像を再生して出力する表示機器(液晶ディスプレイ等)を備えた装置や、ゲームプログラムを実行するコンピュータ装置等であってもよい。要するに、オーディオデータ、動画像データ、静止画像データ、コンピュータプログラム等のコンテンツを再生する装置であればどのようなものであってもよい。
【0055】
(5)上述した実施形態では、コンテンツ配信管理テーブル記憶領域423を設け、リクエストデータの内容に応じてこのテーブルを更新するようにした。これに限らず、例えば、センタ装置40が、コンテンツ再生端末からコンテンツの取得要求を示すリクエストデータを受信し、受信されたリクエストデータに対応するコンテンツをコンテンツデータベースから読み出し、リクエストデータの応答として、読み出したコンテンツをコンテンツ再生端末に送信するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、コンピュータ装置50がセンタ装置40へリクエストデータを送信するようにしたが、スピーカ端末10等のコンテンツ再生端末がセンタ装置へリクエストデータを送信するようにしてもよい。
【0056】
(6)上述した実施形態では、センタ装置40が、コンテンツの一部又は全部を解析して照合用データを生成した。これに代えて、照合装置60がコンテンツの一部又は全部を解析して照合用データを生成してもよい。この場合は、センタ装置40は、コンテンツとそのコンテンツの登録要求を受信すると、受信したコンテンツの一部又は全部をそのまま照合装置60へ送信する。照合装置60は、受信したコンテンツを解析して照合用データを生成し、データベースを用いて照合することによってコンテンツを特定する。
【0057】
また、他の例として、スピーカ端末等のコンテンツ再生端末が照合用データを生成するようにしてもよい。この場合は、コンテンツ再生端末が、コンテンツを受信した場合に、受信したコンテンツを解析して照合用データを生成し、生成した照合用データを照合装置に送信する。照合装置は、受信した照合用データを用いてコンテンツを特定し、特定したコンテンツを示すデータをセンタ装置40に送信する。センタ装置40は、受信したラベルデータに基づいてコンテンツの再生を許可するか否かを判定し、判定結果を示すデータをスピーカ端末10に送信する。スピーカ端末10は、センタ装置40から送信されてくるデータが再生を許可する旨を示すものである場合には、コンテンツを再生する一方、それ以外の場合には、コンテンツの再生を行わず、受信したコンテンツをそのまま破棄する。
この場合、スピーカ端末10は、照合装置による照合処理が終了するまでの間、受信されるコンテンツを所定のバッファ領域にバッファリングすることが好ましい。
【0058】
(7)上述した実施形態では、スピーカ端末10は、コンテンツにラベルデータが付加されているか否かを判定し、ラベルデータが付加されているコンテンツを再生する一方、コンテンツにラベルデータが付加されていない場合には、コンテンツの一部又は全部をセンタ装置40に送信し、センタ装置40がコンテンツの一部又は全部を解析してそのコンテンツから照合用データを用いて照合装置60にコンテンツの照合を問い合わせるようした。コンテンツにラベルデータが付加されていない場合にスピーカ端末10がコンテンツの一部又は全部をセンタ装置40に送信するに代えて、スピーカ端末10が、照合用データを生成し、生成した照合用データを照合装置60に送信するようにしてもよい。すなわち、コンテンツにラベルが付加されていないと判定された場合に、スピーカ端末10がコンテンツを解析して照合用データを生成し、生成した照合用データを照合装置60に送信し、送信した照合用データの応答として照合装置60から送信されてくるラベルデータを受信し、受信したラベルデータに応じて再生するか否かを判定するようにしてもよい。
【0059】
また、ラベルデータが付加されていない場合にコンテンツの一部又は全部をスピーカ端末10がセンタ装置40に送信するに代えて、スピーカ端末10が、ラベルデータが付加されていないコンテンツを再生しないようにしてもよい。この場合は、スピーカ端末10は、受信したコンテンツにラベルデータが付加されているか否かを判定し、ラベルデータが付加されているコンテンツを再生する一方、ラベルデータが付加されていないコンテンツは再生しない。
【0060】
(8)上述した実施形態では、コンテンツを照合する方法として、GraceNote社によって提案されているMusicIDと称される技術を用いたが、コンテンツを照合する方法はこれに限定されるものではない。要するに、コンテンツの一部又は全部を解析することにより得られる照合用データによって所定の照合装置を用いてコンテンツを照合するものであればよい。
【0061】
(9)上述した実施形態では、スピーカ端末10が、コンテンツにラベルデータが付加されているか否かを判定し、判定結果に基づいてコンテンツを再生するか否かを選択した。これに代えて、スピーカ端末10が、コンテンツにラベルデータが付加されているか否かを判定しないようにしてもよい。この場合は、スピーカ端末10は、センタ装置40から受信されるコンテンツを全て再生するようにすればよい。
【0062】
また、スピーカ端末10が、受信されるコンテンツの送信元を判定し、送信元がセンタ装置40である場合にはコンテンツを再生する一方、送信元がセンタ装置40以外である場合にはコンテンツを再生しないようにしてもよい。このようにすることによって、センタ装置40の課金を免れてコンテンツがスピーカ端末10で不正に再生されるのを防ぐことができる。
【0063】
(10)上述した実施形態では、センタ装置40のコンテンツデータベース記憶領域421にコンテンツが記憶されている構成とした。これに代えて、コンテンツを記録するコンテンツデータベースと、センタ装置40とが通信可能に接続されている構成であってもよい。この場合は、センタ装置40が、スピーカ端末10に供給するコンテンツをコンテンツデータベースから取得し、取得したコンテンツをスピーカ端末10へ配信すればよい。
【0064】
(11)上述した実施形態では、センタ装置40は、コンピュータ装置50から送信されてくるリクエストデータを受信することによってリクエストデータを取得したが、リクエストデータを取得する態様はこれに限定されるものではなく、例えば、センタ装置40の操作部44をユーザが操作することによってリクエストデータを入力してもよい。この場合は、操作部44は、操作された内容に応じた操作信号を制御部41へ出力し、制御部41は、操作部44から供給される操作信号に応じて、リクエストデータを取得する。要するに、制御部41にリクエストデータが入力される態様であればどのようなものであってもよい。
【0065】
また、上述した実施形態では、リクエストデータは、「時間帯」と「曲名・ジャンル」と「店舗内位置」との各項目が互いに関連付けられて構成されていたが、これに代えて、例えば、1台のスピーカ端末10のみが設置されている店舗100の場合には、「時間帯」と「店舗」との各項目が互いに関連付けられて構成されたリクエストデータを用いてもよい。要は、テーブルを1又は複数参照することによって配信先となるスピーカ端末10が特定されるものであればよい。
【0066】
(12)上述した実施形態では、センタ装置40とスピーカ端末10とが、ネットワーク2、PLC専用アダプタ30及び電力線1を介して通信可能に接続されている構成としたが、これに代えて、センタ装置40とスピーカ端末10とが電力線を介して通信可能に接続されている構成としてもよい。この場合は、センタ装置40がオーディオデータをPLC方式で電力線を介してスピーカ端末10に送信し、センタ装置40から送信されてくるオーディオデータをスピーカ端末10が受信する。この場合は、センタ装置40とスピーカ端末10とが電力線を介して直接データの授受を行うから、PLC専用アダプタ30は必要ない。このように、センタ装置40とスピーカ端末10とは、電力線で通信可能に接続されていてもよく、また、インターネット等のネットワークで接続されていてもよく、要するに、センタ装置40とスピーカ端末10とが通信可能に接続されていればよい。
【0067】
(13)上述した実施形態において、センタ装置40が、コンテンツ配信管理テーブルに記憶された管理情報又は送信実績に基づいて課金処理を行うようにしてもよい。
具体的には、例えば、センタ装置40は、予め定められた日時(例えば、月末、週末、等)になったことを検知すると、配信管理テーブルに記憶された管理情報又は送信ログに基づいて、コンテンツに対する課金料を算出する。センタ装置40は、算出した課金料を示すデータを、例えばコンピュータ装置50へ出力する。コンピュータ装置50の管理者は、センタ装置40から送信されてくる課金料情報を確認することで、コンテンツの課金料を確認することができる。すなわち、この態様によれば、センタ装置40が、コンテンツの配信処理とともに課金料の算出処理を行うから、システムの利用者は、コンテンツの課金料をそれぞれ算出する必要がなく、煩雑な作業を行う必要がない。
【0068】
また、センタ装置40が、コンテンツの送信実績やコンテンツの課金料を、顧客毎に集計してもよい。具体的には、例えば、上述の実施形態で図5に示した「契約店舗」毎に、配信したコンテンツの課金料を算出してもよい。なお、コンテンツの送信実績やコンテンツの課金料の集計処理は、契約店舗を単位として行ってもよく、また、例えば、スピーカ単位で行ってもよい。
【0069】
(14)上述した実施形態に係るセンタ装置40は、2以上の装置が通信ネットワークで接続されて構成されていてもよい。例えば、コンテンツを配信する機能等を備える専用のセンタ装置と、コンテンツの課金料を算出する専用の課金装置とが通信可能に接続されたシステムとして構成されていてもよい。
また、上述の実施形態に係るセンタ装置40と照合装置60とが一体となって構成されていてもよい。
【0070】
(15)上述したセンタ装置40の制御部41又はスピーカ端末10のCPU105によって実行されるプログラムは、磁気テープ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光記録媒体、光磁気記録媒体、RAM、ROM等の記録媒体に記録した状態で提供し得る。また、インターネットのようなネットワーク経由でセンタ装置40にダウンロードさせることも可能である。
【0071】
(16)上述した実施形態では、コンテンツに添付されたラベルの有無を判断することによって、承認済みか否かを判定した。承認済みか否かを判定するためのものは、上述した実施形態に係るラベルデータに限らない。例えば、コンテンツに承認済みか否かを示すフラグを付与するようにしてもよい。また、所定の暗号化アルゴリズムで暗号化されたラベルデータをコンテンツに付与することによって、ラベルの情報を秘匿化し、悪意の第三者がラベルデータを容易に作成することができないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1…電力線、2…ネットワーク、10…スピーカ端末、30…PLC専用アダプタ、40…センタ装置、41…制御部、42…記憶部、43…表示部、44…操作部、45…通信部、50…コンピュータ装置、60…照合装置、100…店舗、101…電源部、102…PLC制御部、103…送受信部、104…アドレス検出部、105…CPU、106…RAM、107…ROM、108…表示部、110…D/A変換器、111…オーディオ信号再生部、112…スピーカ、200…給電レール、421…コンテンツデータベース記憶領域、422…スピーカアドレス管理テーブル記憶領域、423…コンテンツ配信管理テーブル記憶領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センタ装置とコンテンツ再生端末とが通信可能に接続されたコンテンツ再生システムであって、
前記センタ装置は、
前記コンテンツ再生端末から受信されるコンテンツの一部又は全部を解析することにより得られる照合用データによって所定の照合装置を用いて該コンテンツを照合し、照合結果を示すラベルデータを前記照合装置から取得し、取得したラベルデータに基づいて、該コンテンツの再生を許可するか否かを示す再生可否データを前記コンテンツ再生端末へ送信する再生可否データ送信手段と、
前記ラベルデータに基づいて課金処理を行う課金手段と
を備え、
前記コンテンツ再生端末は、
コンテンツを取得するコンテンツ取得手段と、
前記コンテンツ取得手段により取得されたコンテンツの一部または全部を前記センタ装置へ送信するとともに、前記再生可否データ送信手段により送信された再生可否データを受信し、受信した再生可否データが再生を許可する旨を示す場合には前記コンテンツを再生する一方、それ以外の場合には再生を行わないコンテンツ再生手段と
を具備することを特徴とするコンテンツ再生システム。
【請求項2】
コンテンツ再生端末から受信されるコンテンツの一部又は全部を解析することにより得られる照合用データによって所定の照合装置を用いて該コンテンツを照合し、照合結果を示すラベルデータを前記照合装置から取得し、取得したラベルデータに基づいて、該コンテンツの再生を許可するか否かを示す再生可否データを前記コンテンツ再生端末へ送信する再生可否データ送信手段と、
前記ラベルデータに基づいて課金処理を行う課金手段と
を具備することを特徴とするセンタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−65047(P2013−65047A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−282460(P2012−282460)
【出願日】平成24年12月26日(2012.12.26)
【分割の表示】特願2007−162933(P2007−162933)の分割
【原出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)