コンテンツ再生システム
【課題】 コンテンツ制作に参加したユーザにコンテンツの再生権利を与えるコンテンツ再生システムを提供すること。
【解決手段】 サーバ10は、コンテンツの制作に参加したユーザのユーザ識別情報に対応付けて、コンテンツ再生権利を管理するコンテンツ管理手段と、クライアント30からのコンテンツの送信要求に応じて、選択されたコンテンツをクライアント30に送信するコンテンツ送信手段とを有する。クライアント30は、再生権利を有するコンテンツの中からユーザ操作に応じて所望のコンテンツを選択する選択手段と、選択されたコンテンツの送信要求をサーバ10に送信する要求送信手段と、サーバ10から受信したコンテンツを再生する再生手段とを有する。
【解決手段】 サーバ10は、コンテンツの制作に参加したユーザのユーザ識別情報に対応付けて、コンテンツ再生権利を管理するコンテンツ管理手段と、クライアント30からのコンテンツの送信要求に応じて、選択されたコンテンツをクライアント30に送信するコンテンツ送信手段とを有する。クライアント30は、再生権利を有するコンテンツの中からユーザ操作に応じて所望のコンテンツを選択する選択手段と、選択されたコンテンツの送信要求をサーバ10に送信する要求送信手段と、サーバ10から受信したコンテンツを再生する再生手段とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク技術の向上、普及に伴い、動画をはじめとするファイルサイズの大きなコンテンツの配信が一般的に行われるようになってきている。動画コンテンツ配信は、ユーザの要求に対応するコンテンツが配信されることが一般的である。一方で、ユーザによるコンテンツの利用状況に基づいて、適切なコンテンツを自動的に選択し、配信する技術が提案されている。例えば、下記特許文献1には、映像データ又は音声データを含む講義パッケージを、受講者の受講履歴に基づいて自動的に選択し、配信するコンテンツ再生システムが記載されている。また、下記特許文献2にも、同様に、ユーザの嗜好に沿った講義コンテンツを自動的に抽出し、コンテンツを配信するコンテンツ再生システムが記載されている。
【0003】
しかし、これらの文献に記載されているシステムは、利用者の利用履歴を参照した上で、未利用のコンテンツの中から最適なコンテンツを抽出し、ユーザに提供することを目的としている。すなわち、利用済みのコンテンツの再利用、再配信を目的とするシステムではない。
【0004】
また、上記特許文献は、コンテンツの制作過程とユーザとは無関係となっている。一例として、音楽コンサート等のイベントを録画した映像データをコンテンツとする場合、コンテンツ配信の対象者をイベントへの参加者に特定したい場合に、上記特許文献のシステムではコンテンツの利用範囲を限定する手段を有していない点が問題となる。
【0005】
さらに、例えば複数のコンテンツ制作が同じ日時に別の場所で行われる場合、コンテンツ制作過程への参加者のみにコンテンツの再生権利を限定すると、複数のコンテンツ再生権利を同時に入手することができないという問題がある。
【0006】
下記特許文献3は、以下の内容を記載する。演奏の行われるコンサート等に行ったユーザにだけ、楽曲データを容易に取得できる特典を付与する。位置検出機能を具備した携帯端末機器10のユーザは、コンサート等で演奏された楽曲を録音し、録音に係る音データおよび検出した位置データをサーバ装置3へ送信する。サーバ装置3は、音要素データに対応付けた楽曲データを格納した楽曲データベースと、コンサートの敷地に応じた位置範囲データを楽曲データベースに対応付けて記憶する。サーバ装置3は、受信した位置データが位置範囲データに含まれる場合、受信した音データから音要素データを抽出し、抽出した音要素データで楽曲データベースを検索して、ヒットした音要素データに対応付けた楽曲データを携帯端末機器10へ配信する。しかしながら、この技術によると、ユーザ自らがコンサートで演奏された楽曲を録音する必要があり、不便である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−297011号公報
【特許文献2】特開2008−243007号公報
【特許文献3】特開2008−225008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の1つの目的は、コンテンツ制作に参加したユーザにコンテンツの再生権利を与えるコンテンツ再生システムを提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、コンテンツ再生権利を他のユーザと交換することができるコンテンツ再生システムを提供することである。
【0010】
本発明は、上記いずれか少なくとも一方の課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生システムは、サーバと、前記サーバに接続可能なクライアントとを備え、前記サーバが、コンテンツの制作に参加したユーザのユーザ識別情報に対応付けて、コンテンツの再生権利を管理するコンテンツ管理手段と、前記クライアントからのコンテンツの送信要求に応じて、選択されたコンテンツを前記クライアントに送信するコンテンツ送信手段とを有し、前記クライアントが、再生権利を有するコンテンツの中からユーザ操作に応じて所望のコンテンツを選択する選択手段と、選択されたコンテンツの送信要求を前記サーバに送信する要求送信手段と、前記サーバから受信したコンテンツを再生する再生手段とを有する。
【0012】
サーバがコンテンツの制作に参加したユーザのユーザ識別情報に対応付けて、コンテンツの再生権利を管理するので、コンテンツの制作に参加したユーザのクライアントのみにコンテンツを送信し、再生させることができる。
【0013】
好ましい実施形態においては、ユーザがコンテンツの制作に参加する際に、ユーザが所有する記憶媒体に前記コンテンツの再生権利の情報を記録する参加履歴取得端末をさらに備え、前記クライアントが、前記記憶媒体から、前記コンテンツの再生権利の情報を取得して、前記サーバに送信する手段をさらに有し、 前記コンテンツ管理手段が、前記クライアントから受信した前記コンテンツの再生権利の情報に基づいて、前記ユーザ識別情報に対応付けてコンテンツの再生権利を管理する。
【0014】
この場合、参加履歴取得端末とサーバとを通信させる必要がないので、システムの構築を簡易化することができる。
【0015】
好ましい実施形態においては、前記サーバが、前記ユーザ識別情報に対応付けて、他のユーザ識別情報のユーザに譲渡することを希望する交換元のコンテンツ再生権利と、他のユーザ識別情報のユーザから取得することを希望する交換先のコンテンツ再生権利とを管理する交換情報管理手段と、前記交換情報管理手段の管理内容に基づいて、複数のユーザ識別情報間でコンテンツ再生権利を交換するように、前記コンテンツ管理手段の管理内容を更新する交換手段とをさらに有する。
【0016】
この場合、制作に参加できなかったために再生権利を取得できなかったコンテンツの再生権利を、所有するコンテンツ再生権利と交換することによって取得することができる。
【0017】
好ましい実施形態においては、前記サーバが、前記ユーザ識別情報に対応付けて、他のコンテンツ再生権利と交換することを希望する交換元のコンテンツ再生権利を管理する交換情報管理手段と、前記交換元のコンテンツ再生権利と交換するためのコンテンツ再生権利を管理する交換可能権利管理手段と、前記交換情報管理手段によって管理されている交換元のコンテンツ再生権利と、前記交換可能権利管理手段によって管理されているコンテンツ再生権利とを交換するように、前記コンテンツ管理手段の管理内容を更新する交換手段とをさらに有する。
【0018】
この場合、制作に参加できなかったために再生権利を取得できなかったコンテンツの再生権利を、所有するコンテンツ再生権利と交換することによって取得することができる。
【0019】
本発明の別の好ましい実施形態によるコンテンツ再生システムは、サーバと、前記サーバに接続可能なクライアントとを備え、前記サーバが、ユーザのユーザ識別情報に対応付けて、コンテンツの再生権利を管理するコンテンツ管理手段と、前記クライアントからの指示に応じて、前記ユーザ識別情報に対応付けて、他のユーザ識別情報のユーザに譲渡することを希望する交換元のコンテンツ再生権利と、他のユーザ識別情報のユーザから取得することを希望する交換先のコンテンツ再生権利とを管理する交換情報管理手段と、前記交換情報管理手段の管理内容に基づいて、複数のユーザ識別情報間でコンテンツ再生権利を交換するように、前記コンテンツ管理手段の管理内容を更新する交換手段とを有し、前記クライアントが、前記交換元のコンテンツ再生権利と、前記交換先のコンテンツ再生権利とをユーザ操作に応じて、選択する選択手段と、選択された前記交換元のコンテンツ再生権利と、前記交換先のコンテンツ再生権利とを管理する指示を前記サーバに送信する指示手段とを有する。
【0020】
再生権利を取得できなかったコンテンツの再生権利を、所有するコンテンツ再生権利と交換することによって取得することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の好ましい実施形態によると、コンテンツ制作に参加したユーザにコンテンツの再生権利を与えるコンテンツ再生システムを提供することができる。
【0022】
本発明の別の好ましい実施形態によると、コンテンツ再生権利を他のユーザと交換することができるコンテンツ再生システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生システムを示すブロック図である。
【図2】コンテンツ管理テーブルを示す図である。
【図3】コンテンツ管理テーブルを示す図である。
【図4】コンテンツ再生システムの処理を示すフローチャートである。
【図5】コンテンツ再生システムの処理を示すフローチャートである。
【図6】コンテンツ再生システムの処理を示すフローチャートである。
【図7】コンテンツ再生システムの処理を示すフローチャートである。
【図8】コンテンツ再生システムの処理を示すフローチャートである。
【図9】コンテンツ交換テーブルを示す図である。
【図10】コンテンツ交換テーブルを示す図である。
【図11】コンテンツ再生システムの処理を示すフローチャートである。
【図12】コンテンツ再生システムの処理を示すフローチャートである。
【図13】コンテンツ再生システムの処理を示すフローチャートである。
【図14】交換可能コンテンツリストを示す図である。
【図15】コンテンツ再生システムの処理を示すフローチャートである。
【図16】コンテンツ交換テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1は、本実施形態によるコンテンツ再生システムを示すブロック図である。コンテンツは、オーディオ(音楽、曲)データ、ビデオデータ等の総称である。コンテンツの制作に参加するとは、例えば、コンテンツがアーティストのコンサートの映像やTV番組の映像である場合には、当該コンサートやTV撮影に観覧者やスタッフとして参加することであり、コンテンツがラジオの録音データである場合には、当該ラジオの録音会場に観覧者やスタッフとして参加すること等を意味する。
【0025】
コンテンツ再生システムは、サーバ10と、参加履歴取得端末25と、クライアント30とを備える。サーバ10は、本サービスの事業者によって管理、運営される。参加履歴取得端末25は、コンテンツの制作現場に持ち込まれる端末である。クライアント30は、ユーザの自宅内に設置されるPC等の装置、又は、ユーザが所有する携帯電話等のモバイル機器である。少なくとも、サーバ10とクライアント30とは、インターネット等の任意の電気通信回線(ネットワーク)を介して接続可能である。
【0026】
サーバ10は、コンテンツの制作に参加したユーザのユーザ識別情報に対応付けて、コンテンツの再生権利を管理する。例えば、参加履歴取得端末25は、ユーザがコンテンツの制作に参加する際に、ユーザが所有する記憶媒体にコンテンツの再生権利の情報を記録する(書き込む)。記憶媒体は、例えば、ICカードであるが、ICカード自体は携帯電話や任意の食品容器、包装容器に内蔵されてもよい。クライアント30は、ICカードからコンテンツの再生権利の情報を取得して、ネットワーク経由でサーバ10に送信する。サーバ10は、クライアント30から受信したコンテンツの再生権利の情報に基づいて、ユーザ識別情報に対応付けてコンテンツの再生権利を管理する。
【0027】
クライアント30は、再生権利を有するコンテンツの中からユーザ操作に応じて所望のコンテンツを選択し、選択されたコンテンツの送信要求をサーバ10に送信する。サーバ10は、クライアント30からのコンテンツの送信要求に応じて、選択されたコンテンツをクライアント30に送信する。クライアント30は、サーバ10から受信したコンテンツを再生する。従って、コンテンツの制作に参加したユーザは、当該コンテンツをクライアント30にて再生することができる。
【0028】
以下、図面を参照して、詳細に説明する。サーバ10は、HDD等の任意の記憶部11と、制御部12と、ROM、RAM等のメモリ13と、通信部14とを概略備える。
【0029】
記憶部11には、1又は複数のコンテンツが蓄積されている。また、記憶部11には、記憶部11に蓄積されているコンテンツの情報の一覧であるコンテンツリストが保存されている。
【0030】
記憶部11には、図2、図3に示すコンテンツ管理テーブルが格納されている。コンテンツ管理テーブルは、ユーザ識別情報に対応付けて、コンテンツ再生権利と、再生履歴(再生日時)とを管理する。ユーザ識別情報は、ユーザを特定するための任意の情報であるが、ユーザが所有するICカードの識別情報が利用されてもよい。コンテンツ再生権利の欄には、コンテンツ識別情報、コンテンツ名、制作日時、制作場所、制作者等のコンテンツ情報が記述されるが、図では簡単のため、コンテンツA、コンテンツB等と表記する。図2、図3を参照すると、ユーザ識別情報aaa001のユーザがコンテンツAとコンテンツBの制作に参加し、コンテンツAとコンテンツBの再生権利が与えられていることを示している。なお、本例では、コンテンツの制作に参加することで、複数回(3回)の再生権利を与えるようにしているが、1回のみの再生権利を与えるようにしてもよい。再生履歴の欄には、再生権利を使用してクライアント30でコンテンツを再生した日時が登録される。再生履歴が登録されているコンテンツ再生権利は利用できないことを意味する。例えば、図3によると、一番上のコンテンツAは2010年9月23日20時30分に再生したので、コンテンツ再生権利は無効であることを示している。
【0031】
図1に戻って、制御部12は、メモリ13に格納されているプログラムに基づいて、サーバ10の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。制御部12は、クライアント30から受信した再生権利の情報に基づいて、コンテンツ管理テーブルを管理する。また、制御部12は、コンテンツ管理テーブルの内容に基づいて、クライアント30にコンテンツを送信するよう各部を制御する。通信部14は、クライアント30の通信部33とインターネット経由で通信し、各コマンドや情報を送受信する。
【0032】
参加履歴取得端末25は、制御部26と、ROM、RAM等のメモリ27と、ICカード処理部28とを概略備える。参加履歴取得端末25は、汎用のPCでも専用機器でもよい。制御部26は、メモリ27に格納されているプログラムに基づいて、参加履歴取得端末25の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。ICカード処理部28は、ユーザがコンテンツの制作に参加する際に、コンテンツ再生権利の情報をユーザが所有するICカードに記録する(書き込む)。なお、参加履歴取得端末25がサーバ10とネットワーク経由で通信可能である構成においては、参加履歴取得端末25が、ICカードからユーザ識別情報を取得し、ユーザ識別情報とコンテンツ再生権利の情報とをサーバ10に直接送信するようにしてもよい。この場合には、ユーザ操作によって、クライアント30からサーバ10にユーザ識別情報とコンテンツ再生権利の情報とを送信する必要がなくなる。
【0033】
クライアント30は、制御部31と、ROM、RAM等のメモリ32と、通信部33と、再生部34、ICカード処理部35とを概略備える。
【0034】
制御部31は、メモリ32に格納されているプログラムに基づいて、クライアント30の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。ICカード処理部35は、ICカードから、コンテンツ再生権利の情報を読み出す。また、ICカード処理部35は、サーバ10から受信したコンテンツ管理テーブルをICカードに記録する。制御部31は、ユーザ識別情報とコンテンツ再生権利の情報とをサーバ10に送信する。制御部31は、サーバ10からコンテンツ管理テーブルを受信し、図示しない表示部に表示させる。再生権利を有するコンテンツの中からユーザ操作によって所望のコンテンツが選択されると、制御部31は、選択されたコンテンツを送信するようにサーバ10に要求する。通信部33は、サーバ10の通信部14とインターネット経由で通信し、各コマンドや情報を送受信する。再生部34は、サーバ10から受信したコンテンツを再生する。
【0035】
以上の構成を有するコンテンツ再生システムについてその動作を説明する。図4は、参加履歴取得端末25の処理を示すフローチャートである。ユーザがコンテンツの制作に参加する場合に、ユーザが所有するICカードをICカード処理部29に接触又は近接させることによって、ICカード処理部29は、コンテンツ再生権利の情報をICカードに記録する(S101)。
【0036】
詳細には、ICカードにも、図2、図3に示すコンテンツ管理テーブルが記録されている。従って、参加履歴取得端末25は、ICカード内に記録されているコンテンツ管理テーブルに、コンテンツ再生権利の情報を新たに登録する。例えば、今回コンテンツBに参加した場合には、ユーザが所有するICカード内のコンテンツ管理テーブルにコンテンツBの再生権利(3回分の再生権利)が記録される。
【0037】
図5は、コンテンツ再生権利をサーバ10に登録する際のクライアント30の処理を示すフローチャートである。図6は、図5に対応するサーバ10の処理を示すフローチャートである。クライアント30のICカード処理部35は、ICカードを接触又は近接させることによって、ICカードと通信し、新たにコンテンツ管理テーブルに登録されているコンテンツ再生権利の情報を取得し、制御部31に受け渡す(S111)。
【0038】
例えば、図2のコンテンツ管理テーブルにおいてコンテンツBの再生権利が新たに登録されているのであれば、コンテンツBの再生権利の情報を取得する。新たに登録されたか否かは、メモリ32内に既にICカードから再生権利の情報を取得したコンテンツを記憶しておくことで判断することができる。制御部31は、サーバ10に接続し、予めメモリ32に記憶されているユーザ識別情報と、新たに登録されたコンテンツ再生権利の情報とをインターネット経由でサーバ10に送信する(S112)。
【0039】
サーバ10の制御部12は、クライアント30からユーザ識別情報と新たに登録されたコンテンツ識別情報とを受信する(201)。制御部12は、図2に示すように、コンテンツ管理テーブルに、受信したユーザ識別情報に対応付けて、新たに登録されたコンテンツ再生権利を登録する(S202)。これによって、ICカードに記録されているコンテンツ管理テーブルと、サーバ10に登録されているコンテンツ管理テーブルの内容を同期させることができる。なお、ICカードからコンテンツ管理テーブル全体が取得され、サーバ10に送信され、サーバ10が受信したコンテンツ管理テーブルを既存のコンテンツ管理テーブルに上書きしてもよい。
【0040】
図7は、コンテンツを再生する際のクライアント30の処理を示すフローチャートである。図8は、図7に対応するサーバ10の処理を示すフローチャートである。クライアント30の制御部31は、メモリ32に予め記憶されているユーザ識別情報をインターネット経由でサーバ10に送信する(S121)。サーバ10の制御部12は、ユーザ識別情報をクライアント30から受信すると(S211)、受信したユーザ識別情報に対応付けられているコンテンツ管理テーブルを記憶部11から読み出して、クライアント30にインターネット経由で送信する(S212)。
【0041】
クライアント30の制御部31は、コンテンツ管理テーブルを受信すると(S122)、コンテンツ管理テーブルに登録されているコンテンツの内、再生履歴が記述されていないコンテンツ(つまり、現時点で再生権利を有するコンテンツ)のリストを図示しない表示装置に表示させる(S123)。コンテンツリストに表示されるコンテンツの情報は、例えば、コンテンツの名称、制作日時、制作場所等を含む。
【0042】
クライアント30の制御部31は、ユーザ操作によってコンテンツリストの中から、再生を希望するコンテンツが選択されたか否かを判断している(S124)。コンテンツが選択された場合(S124でYES)、制御部31は、選択されたコンテンツの情報を含むコンテンツの送信要求をインターネット経由でサーバ10に送信する(S125)。
【0043】
サーバ10の制御部12は、クライアント30からコンテンツの送信要求を受信すると(S213)、選択されたコンテンツを記憶部11から読み出して、インターネット経由でクライアント30に送信する(S214)。このコンテンツ送信はストリーミング送信であり、クライアント30にコンテンツが永久的に保存されることはない。もしくは、再生回数の制限された(例えば、再生時にサーバから認証を受ける必要がある)ダウンロード形式でもよい。クライアント30は、サーバ10からコンテンツを受信すると(S216でYES)、再生部34がコンテンツを再生する(S127)。
【0044】
その後、サーバ10の制御部12は、クライアント30に送信したコンテンツの再生履歴(再生日時)をコンテンツ管理テーブルに登録する(S215)。例えば、図3に示すように、ユーザ識別情報aaa001のクライアント30がコンテンツAを再生した場合、コンテンツAの再生履歴が登録される。つまり、コンテンツAの再生権利は残り2回となる。制御部12は、更新後のコンテンツ管理テーブルをインターネット経由でクライアント30に送信する(S216)。クライアント30の制御部31は、コンテンツ管理テーブルを受信すると(S126でYES)、ICカード処理部35に受信したコンテンツ管理テーブルをICカードに記録させる(S129)。
【0045】
以上の処理によって、コンテンツ制作に参加したユーザはコンテンツの再生権利を取得し、再生権利を使用してコンテンツをクライアント30を使用して再生することができる。
【0046】
次に、本発明の別の好ましい実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一構成、同一処理について説明を省略して、援用する。
【0047】
クライアント30は、他のユーザ識別情報のユーザに譲渡することを希望する交換元のコンテンツ再生権利と、他のユーザ識別情報のユーザから取得することを希望する交換先のコンテンツ再生権利とをユーザ操作に応じて選択する。クライアント30は、選択された交換元のコンテンツ再生権利と、交換先のコンテンツ再生権利とを管理するように、サーバ10に要求する。
【0048】
サーバ10は、クライアント30からの要求に応じて、ユーザ識別情報に対応付けて、交換元のコンテンツ再生権利と、交換先のコンテンツ再生権利とを管理する。サーバ10は、上記の管理内容に基づいて、複数のユーザ識別情報間でコンテンツ再生権利を交換するように、コンテンツ管理テーブルの登録内容を更新する。
【0049】
記憶部11には、図9、図10に示すコンテンツ交換テーブルが格納されている。コンテンツ交換テーブルは、ユーザ識別情報に対応付けて、交換元のコンテンツ再生権利と、交換先のコンテンツ再生権利とを管理するテーブルである。コンテンツ交換テーブルは、ユーザ識別情報に対応付けて、コンテンツ再生権利の情報と、交換元のコンテンツ再生権利として選択するか否かの情報(丸印が交換元のコンテンツ再生権利であることを示す)とを含むテーブル(図9、図10の左側のテーブル)と、ユーザ識別情報に対応付けて、サーバ10に記録されている全コンテンツの情報と、交換先のコンテンツ再生権利として選択するか否かの情報(丸印が交換先のコンテンツ再生権利であることを示す)とを含むテーブル(図9、図10の右側のテーブル)とを含む。
【0050】
例えば、図9を参照すると、ユーザ識別情報aaa001のユーザは、コンテンツA、又は、コンテンツDの再生権利を、コンテンツE、又は、コンテンツGの再生権利に交換することを希望している。ユーザ識別情報bbb001のユーザは、コンテンツB、又は、コンテンツB、又は、コンテンツFの再生権利を、コンテンツE、又は、コンテンツGの再生権利に交換することを希望している。ユーザ識別情報ccc001のユーザは、コンテンツD、又は、コンテンツGの再生権利を、コンテンツAの再生権利に交換することを希望している。
【0051】
図11は、コンテンツ交換テーブルをユーザ操作によって登録する際のクライアント30の処理を示すフローチャートである。図12は、図11に対応するサーバ10の処理を示すフローチャートである。クライアント30の制御部31は、メモリ32に予め記憶されているユーザ識別情報をインターネット経由でサーバ10に送信する(S131)。サーバ10の制御部12は、クライアント30からユーザ識別情報を受信すると(S221)、受信したユーザ識別情報に対応するコンテンツ交換テーブルを記憶部11から読み出して、インターネット経由でクライアント30に送信する(S222)。例えば、ユーザ識別情報がaaa001であれば、図9の最上段のコンテンツ交換テーブルが送信される。
【0052】
クライアント30の制御部31は、コンテンツ交換テーブルを受信して、図示しない表示装置に表示させる(S132)。制御部31は、ユーザ操作によって、交換元のコンテンツ再生権利、および/または、交換先のコンテンツ再生権利が変更または登録されたか否かを判断している(S133)。変更または登録された場合(S133でYES)、制御部31は、コンテンツ交換テーブルを更新して、インターネット経由でサーバ10に送信する(S134)。
【0053】
サーバ10の制御部12は、変更後のコンテンツ交換テーブルを受信したか否かを判断しており(S223)、受信した場合(S223でYES)、制御部12は、受信したコンテンツ交換テーブルに既存のコンテンツ交換テーブルを上書き保存する(S224)。なお、上記の処理において、コンテンツ交換テーブル全体を送信するのではなく、変更部分の情報のみを送信してもよい。
【0054】
図13は、コンテンツ再生権利を交換するサーバ10の処理を示すフローチャートである。サーバ10の制御部12は、図9に示す各ユーザ識別情報に対応するコンテンツ交換テーブルにおいて、1つのユーザ識別情報を選択する(S231)。例えば、aaa001が選択される。制御部12は、選択されたユーザ識別情報に対応するコンテンツ交換テーブルにおいて、交換元のコンテンツ再生権利を1つ選択する(S232)。例えばコンテンツAの再生権利が選択される。さらに、制御部12は、交換先のコンテンツ再生権利を1つ選択する(S233)。例えばコンテンツEの再生権利が選択される。制御部12は、交換元のコンテンツ再生権利、及び、交換先のコンテンツ再生権利の双方を選択できたか否かを判断する(S234)。選択できなければ(S234でNO)、選択されたユーザ識別情報についてはコンテンツ再生権利を交換できないので、処理を終了する。
【0055】
選択できた場合(S234でYES)、制御部12は、他のユーザ識別情報に対応するコンテンツ交換テーブルを確認することによって、コンテンテ再生権利の交換相手となるユーザ識別情報が存在するか否かを判断する(S235)。つまり、S232で選択された交換元のコンテンツ再生権利が交換先として登録されており、S233で選択された交換先のコンテンツ再生権利が交換元として登録されているユーザ識別情報の有無を確認する。この例では、選択されている交換元がコンテンツAの再生権利、交換先がコンテンツEの再生権利であるが、交換元がコンテンツEの再生権利、交換先がコンテンツAの再生権利であるユーザ識別情報は存在しない(S235でNO)。
【0056】
従って、制御部12は、S233において全ての交換先のコンテンツ再生権利について選択し、S235で交換相手の存在有無を確認済みか否か判断する(S236)。ここでは、未だ全ての交換先のコンテンツ再生権利について確認していないので、S233に戻って、次の交換先のコンテンツ再生権利が選択される(S233)。例えば、コンテンツGの再生権利が選択される。この場合に、選択されている交換元がコンテンツAの再生権利、交換先がコンテンツGの再生権利であるが、交換元がコンテンツGの再生権利、交換先がコンテンツAの再生権利であるユーザ識別情報として、ccc001が存在する(S235でYES)。
【0057】
従って、制御部12は、図10に示すように、ユーザ識別情報aaa001が所有するコンテンツAの再生権利と、ユーザ識別情報ccc001が所有するコンテンツGの再生権利とが交換されるように、両者のコンテンツ交換テーブルを更新する(S238)。図10では、図9と比較して、ユーザ識別情報aaa001とccc001との間で、コンテンツAの再生権利とコンテンツGの再生権利と交換され、かつ、交換元および交換先のチェックが解除されている。
【0058】
そして、制御部12は、ユーザ識別情報aaa001、ccc001に対応するコンテンツ管理テーブルを更新する(S239)。つまり、ユーザ識別情報aaa001のコンテンツ管理テーブルにおいて、コンテンツAの再生権利が削除され、コンテンツGの再生権利が追加される。ユーザ識別情報ccc001のコンテンツ管理テーブルにおいて、コンテンツGの再生権利が削除され、コンテンツAの再生権利が追加される。その後、処理はS237に進む。
【0059】
S236で全ての交換先について確認済みであると判断された(つまり、S232で選択されたコンテンツ再生権利は交換できなかった)場合も(S236でYES)、S237に進む。S237では、制御部12は、S232にて全ての交換元のコンテンツ再生権利について選択し、S235で交換相手が存在するかを確認済みか判断する。未だ全ての交換元について確認されていない場合(S237でNO)、S232に戻って、次の交換元のコンテンツ再生権利が選択されて、上記と同じ処理が実行される。一方、全ての交換元のコンテンツ再生権利について確認済みである場合(S237でYES)、処理を終了する。
【0060】
以上の処理によって、ユーザ操作によって交換元のコンテンツ再生権利と、交換先のコンテンツ再生権利とがコンテンツ交換テーブルに登録されることによって、サーバ10は、ユーザ識別情報間でコンテンツ再生権利を自動的に交換し、コンテンツ管理テーブルに反映させることができる。
【0061】
次に、本発明の別の好ましい実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一構成、同一処理について説明を省略して、援用する。
【0062】
サーバ10は、ユーザ識別情報に対応付けて、他のコンテンツ再生権利と交換することを希望する交換元のコンテンツ再生権利を管理する。サーバ10は、交換元のコンテンツ再生権利と交換するためのコンテンツ再生権利を管理する。サーバ10は、交換元のコンテンツ再生権利と、サーバ10が管理するコンテンツ再生権利とを交換するようにコンテンツ管理テーブルの登録内容を更新する。
【0063】
記憶部11には、図14に示す交換可能コンテンツリストを格納している。交換可能コンテンツリストは、交換元のコンテンツ再生権利と交換するためのコンテンツ再生権利を管理するリストである。交換可能コンテンツリストは、サーバ10に記録されている全コンテンツについて交換可能個数が登録されている。例えば、図14の上側のリストを参照すると、コンテンツAの交換可能数は1であり、コンテンツBの交換可能数は2である。交換可能数は、コンテンツ再生権利の交換によって増減される。
【0064】
記憶部11には、図9に示すコンテンツ交換テーブルのうち、左側のテーブルのみが格納されている。本例では、交換元のコンテンツのみを管理していればよく、交換先のコンテンツを登録する必要がないからである。
【0065】
図15は、コンテンツ再生権利を交換するサーバ10の処理を示すフローチャートである。サーバ10の制御部12は、図9に示す各ユーザ識別情報に対応するコンテンツ交換テーブルにおいて、1つのユーザ識別情報を選択する(S241)。例えば、aaa001が選択される。制御部12は、選択されたユーザ識別情報に対応するコンテンツ交換テーブルにおいて、交換元のコンテンツ再生権利を1つ選択する(S242)。例えばコンテンツAの再生権利が選択される。
【0066】
制御部12は、図14に示す交換可能コンテンツリストの中から任意のコンテンツの再生権利を交換先のコンテンツ再生権利として選択する。詳細には、選択されたユーザ識別情報が所有していないコンテンツ再生権利が選択されるとよい。例えば、コンテンツAの再生権利の交換先として、コンテンツPの再生権利が選択される。なお、交換可能コンテンツリストにおいて交換可能数が少ないコンテンツの再生権利が人気のコンテンツ再生権利であるので、それを優先的に交換先として選択されるように、ユーザ設定可能でもよい。
【0067】
制御部12は、送信元のコンテンツ再生権利を、交換可能コンテンツリストの中から選択したコンテンツ再生権利に交換するように、選択されたユーザ識別情報のコンテンツ交換テーブルと、交換可能コンテンツリストとを更新する(S243)。例えば、図9の左上に記載のaaa001のコンテンツ交換テーブルにおいて、交換元であるコンテンツAの再生権利をコンテンツPの再生権利に交換し、交換元であるコンテンツDの再生権利をコンテンツQの再生権利に交換すると、コンテンツ交換テーブルは図16のように更新される。さらに、交換可能コンテンツリストは、図14の下側のように、コンテンツAの再生権利、及び、コンテンツDの再生権利の交換可能数が1増加され、コンテンツPの再生権利、及び、コンテンツQの再生権利の交換可能数が1減少される。
【0068】
制御部12は、全ての交換元のコンテンツ再生権利について確認したか否かを判断する(S244)。未だ全ての交換元について確認し終えていない場合(S244でNO)、次の交換元のコンテンツ再生権利が選択されて(S242)、上記と同様の処理が実行される。全ての交換元のコンテンツ再生権利について確認した場合(S244でYES)、制御部12は、選択されているユーザ識別情報に対応するコンテンツ管理テーブルを更新し(S245)、処理を終了する。
【0069】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。コンテンツを蓄積するコンテンツサーバと、各テーブルを管理する管理サーバとが別個に設けられてもよい。サーバ10、クライアント30の上記各動作をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびこれを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、コンテンツ再生システム等に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0071】
10 サーバ
25 参加履歴取得端末
30 クライアント
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク技術の向上、普及に伴い、動画をはじめとするファイルサイズの大きなコンテンツの配信が一般的に行われるようになってきている。動画コンテンツ配信は、ユーザの要求に対応するコンテンツが配信されることが一般的である。一方で、ユーザによるコンテンツの利用状況に基づいて、適切なコンテンツを自動的に選択し、配信する技術が提案されている。例えば、下記特許文献1には、映像データ又は音声データを含む講義パッケージを、受講者の受講履歴に基づいて自動的に選択し、配信するコンテンツ再生システムが記載されている。また、下記特許文献2にも、同様に、ユーザの嗜好に沿った講義コンテンツを自動的に抽出し、コンテンツを配信するコンテンツ再生システムが記載されている。
【0003】
しかし、これらの文献に記載されているシステムは、利用者の利用履歴を参照した上で、未利用のコンテンツの中から最適なコンテンツを抽出し、ユーザに提供することを目的としている。すなわち、利用済みのコンテンツの再利用、再配信を目的とするシステムではない。
【0004】
また、上記特許文献は、コンテンツの制作過程とユーザとは無関係となっている。一例として、音楽コンサート等のイベントを録画した映像データをコンテンツとする場合、コンテンツ配信の対象者をイベントへの参加者に特定したい場合に、上記特許文献のシステムではコンテンツの利用範囲を限定する手段を有していない点が問題となる。
【0005】
さらに、例えば複数のコンテンツ制作が同じ日時に別の場所で行われる場合、コンテンツ制作過程への参加者のみにコンテンツの再生権利を限定すると、複数のコンテンツ再生権利を同時に入手することができないという問題がある。
【0006】
下記特許文献3は、以下の内容を記載する。演奏の行われるコンサート等に行ったユーザにだけ、楽曲データを容易に取得できる特典を付与する。位置検出機能を具備した携帯端末機器10のユーザは、コンサート等で演奏された楽曲を録音し、録音に係る音データおよび検出した位置データをサーバ装置3へ送信する。サーバ装置3は、音要素データに対応付けた楽曲データを格納した楽曲データベースと、コンサートの敷地に応じた位置範囲データを楽曲データベースに対応付けて記憶する。サーバ装置3は、受信した位置データが位置範囲データに含まれる場合、受信した音データから音要素データを抽出し、抽出した音要素データで楽曲データベースを検索して、ヒットした音要素データに対応付けた楽曲データを携帯端末機器10へ配信する。しかしながら、この技術によると、ユーザ自らがコンサートで演奏された楽曲を録音する必要があり、不便である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−297011号公報
【特許文献2】特開2008−243007号公報
【特許文献3】特開2008−225008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の1つの目的は、コンテンツ制作に参加したユーザにコンテンツの再生権利を与えるコンテンツ再生システムを提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、コンテンツ再生権利を他のユーザと交換することができるコンテンツ再生システムを提供することである。
【0010】
本発明は、上記いずれか少なくとも一方の課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生システムは、サーバと、前記サーバに接続可能なクライアントとを備え、前記サーバが、コンテンツの制作に参加したユーザのユーザ識別情報に対応付けて、コンテンツの再生権利を管理するコンテンツ管理手段と、前記クライアントからのコンテンツの送信要求に応じて、選択されたコンテンツを前記クライアントに送信するコンテンツ送信手段とを有し、前記クライアントが、再生権利を有するコンテンツの中からユーザ操作に応じて所望のコンテンツを選択する選択手段と、選択されたコンテンツの送信要求を前記サーバに送信する要求送信手段と、前記サーバから受信したコンテンツを再生する再生手段とを有する。
【0012】
サーバがコンテンツの制作に参加したユーザのユーザ識別情報に対応付けて、コンテンツの再生権利を管理するので、コンテンツの制作に参加したユーザのクライアントのみにコンテンツを送信し、再生させることができる。
【0013】
好ましい実施形態においては、ユーザがコンテンツの制作に参加する際に、ユーザが所有する記憶媒体に前記コンテンツの再生権利の情報を記録する参加履歴取得端末をさらに備え、前記クライアントが、前記記憶媒体から、前記コンテンツの再生権利の情報を取得して、前記サーバに送信する手段をさらに有し、 前記コンテンツ管理手段が、前記クライアントから受信した前記コンテンツの再生権利の情報に基づいて、前記ユーザ識別情報に対応付けてコンテンツの再生権利を管理する。
【0014】
この場合、参加履歴取得端末とサーバとを通信させる必要がないので、システムの構築を簡易化することができる。
【0015】
好ましい実施形態においては、前記サーバが、前記ユーザ識別情報に対応付けて、他のユーザ識別情報のユーザに譲渡することを希望する交換元のコンテンツ再生権利と、他のユーザ識別情報のユーザから取得することを希望する交換先のコンテンツ再生権利とを管理する交換情報管理手段と、前記交換情報管理手段の管理内容に基づいて、複数のユーザ識別情報間でコンテンツ再生権利を交換するように、前記コンテンツ管理手段の管理内容を更新する交換手段とをさらに有する。
【0016】
この場合、制作に参加できなかったために再生権利を取得できなかったコンテンツの再生権利を、所有するコンテンツ再生権利と交換することによって取得することができる。
【0017】
好ましい実施形態においては、前記サーバが、前記ユーザ識別情報に対応付けて、他のコンテンツ再生権利と交換することを希望する交換元のコンテンツ再生権利を管理する交換情報管理手段と、前記交換元のコンテンツ再生権利と交換するためのコンテンツ再生権利を管理する交換可能権利管理手段と、前記交換情報管理手段によって管理されている交換元のコンテンツ再生権利と、前記交換可能権利管理手段によって管理されているコンテンツ再生権利とを交換するように、前記コンテンツ管理手段の管理内容を更新する交換手段とをさらに有する。
【0018】
この場合、制作に参加できなかったために再生権利を取得できなかったコンテンツの再生権利を、所有するコンテンツ再生権利と交換することによって取得することができる。
【0019】
本発明の別の好ましい実施形態によるコンテンツ再生システムは、サーバと、前記サーバに接続可能なクライアントとを備え、前記サーバが、ユーザのユーザ識別情報に対応付けて、コンテンツの再生権利を管理するコンテンツ管理手段と、前記クライアントからの指示に応じて、前記ユーザ識別情報に対応付けて、他のユーザ識別情報のユーザに譲渡することを希望する交換元のコンテンツ再生権利と、他のユーザ識別情報のユーザから取得することを希望する交換先のコンテンツ再生権利とを管理する交換情報管理手段と、前記交換情報管理手段の管理内容に基づいて、複数のユーザ識別情報間でコンテンツ再生権利を交換するように、前記コンテンツ管理手段の管理内容を更新する交換手段とを有し、前記クライアントが、前記交換元のコンテンツ再生権利と、前記交換先のコンテンツ再生権利とをユーザ操作に応じて、選択する選択手段と、選択された前記交換元のコンテンツ再生権利と、前記交換先のコンテンツ再生権利とを管理する指示を前記サーバに送信する指示手段とを有する。
【0020】
再生権利を取得できなかったコンテンツの再生権利を、所有するコンテンツ再生権利と交換することによって取得することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の好ましい実施形態によると、コンテンツ制作に参加したユーザにコンテンツの再生権利を与えるコンテンツ再生システムを提供することができる。
【0022】
本発明の別の好ましい実施形態によると、コンテンツ再生権利を他のユーザと交換することができるコンテンツ再生システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生システムを示すブロック図である。
【図2】コンテンツ管理テーブルを示す図である。
【図3】コンテンツ管理テーブルを示す図である。
【図4】コンテンツ再生システムの処理を示すフローチャートである。
【図5】コンテンツ再生システムの処理を示すフローチャートである。
【図6】コンテンツ再生システムの処理を示すフローチャートである。
【図7】コンテンツ再生システムの処理を示すフローチャートである。
【図8】コンテンツ再生システムの処理を示すフローチャートである。
【図9】コンテンツ交換テーブルを示す図である。
【図10】コンテンツ交換テーブルを示す図である。
【図11】コンテンツ再生システムの処理を示すフローチャートである。
【図12】コンテンツ再生システムの処理を示すフローチャートである。
【図13】コンテンツ再生システムの処理を示すフローチャートである。
【図14】交換可能コンテンツリストを示す図である。
【図15】コンテンツ再生システムの処理を示すフローチャートである。
【図16】コンテンツ交換テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1は、本実施形態によるコンテンツ再生システムを示すブロック図である。コンテンツは、オーディオ(音楽、曲)データ、ビデオデータ等の総称である。コンテンツの制作に参加するとは、例えば、コンテンツがアーティストのコンサートの映像やTV番組の映像である場合には、当該コンサートやTV撮影に観覧者やスタッフとして参加することであり、コンテンツがラジオの録音データである場合には、当該ラジオの録音会場に観覧者やスタッフとして参加すること等を意味する。
【0025】
コンテンツ再生システムは、サーバ10と、参加履歴取得端末25と、クライアント30とを備える。サーバ10は、本サービスの事業者によって管理、運営される。参加履歴取得端末25は、コンテンツの制作現場に持ち込まれる端末である。クライアント30は、ユーザの自宅内に設置されるPC等の装置、又は、ユーザが所有する携帯電話等のモバイル機器である。少なくとも、サーバ10とクライアント30とは、インターネット等の任意の電気通信回線(ネットワーク)を介して接続可能である。
【0026】
サーバ10は、コンテンツの制作に参加したユーザのユーザ識別情報に対応付けて、コンテンツの再生権利を管理する。例えば、参加履歴取得端末25は、ユーザがコンテンツの制作に参加する際に、ユーザが所有する記憶媒体にコンテンツの再生権利の情報を記録する(書き込む)。記憶媒体は、例えば、ICカードであるが、ICカード自体は携帯電話や任意の食品容器、包装容器に内蔵されてもよい。クライアント30は、ICカードからコンテンツの再生権利の情報を取得して、ネットワーク経由でサーバ10に送信する。サーバ10は、クライアント30から受信したコンテンツの再生権利の情報に基づいて、ユーザ識別情報に対応付けてコンテンツの再生権利を管理する。
【0027】
クライアント30は、再生権利を有するコンテンツの中からユーザ操作に応じて所望のコンテンツを選択し、選択されたコンテンツの送信要求をサーバ10に送信する。サーバ10は、クライアント30からのコンテンツの送信要求に応じて、選択されたコンテンツをクライアント30に送信する。クライアント30は、サーバ10から受信したコンテンツを再生する。従って、コンテンツの制作に参加したユーザは、当該コンテンツをクライアント30にて再生することができる。
【0028】
以下、図面を参照して、詳細に説明する。サーバ10は、HDD等の任意の記憶部11と、制御部12と、ROM、RAM等のメモリ13と、通信部14とを概略備える。
【0029】
記憶部11には、1又は複数のコンテンツが蓄積されている。また、記憶部11には、記憶部11に蓄積されているコンテンツの情報の一覧であるコンテンツリストが保存されている。
【0030】
記憶部11には、図2、図3に示すコンテンツ管理テーブルが格納されている。コンテンツ管理テーブルは、ユーザ識別情報に対応付けて、コンテンツ再生権利と、再生履歴(再生日時)とを管理する。ユーザ識別情報は、ユーザを特定するための任意の情報であるが、ユーザが所有するICカードの識別情報が利用されてもよい。コンテンツ再生権利の欄には、コンテンツ識別情報、コンテンツ名、制作日時、制作場所、制作者等のコンテンツ情報が記述されるが、図では簡単のため、コンテンツA、コンテンツB等と表記する。図2、図3を参照すると、ユーザ識別情報aaa001のユーザがコンテンツAとコンテンツBの制作に参加し、コンテンツAとコンテンツBの再生権利が与えられていることを示している。なお、本例では、コンテンツの制作に参加することで、複数回(3回)の再生権利を与えるようにしているが、1回のみの再生権利を与えるようにしてもよい。再生履歴の欄には、再生権利を使用してクライアント30でコンテンツを再生した日時が登録される。再生履歴が登録されているコンテンツ再生権利は利用できないことを意味する。例えば、図3によると、一番上のコンテンツAは2010年9月23日20時30分に再生したので、コンテンツ再生権利は無効であることを示している。
【0031】
図1に戻って、制御部12は、メモリ13に格納されているプログラムに基づいて、サーバ10の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。制御部12は、クライアント30から受信した再生権利の情報に基づいて、コンテンツ管理テーブルを管理する。また、制御部12は、コンテンツ管理テーブルの内容に基づいて、クライアント30にコンテンツを送信するよう各部を制御する。通信部14は、クライアント30の通信部33とインターネット経由で通信し、各コマンドや情報を送受信する。
【0032】
参加履歴取得端末25は、制御部26と、ROM、RAM等のメモリ27と、ICカード処理部28とを概略備える。参加履歴取得端末25は、汎用のPCでも専用機器でもよい。制御部26は、メモリ27に格納されているプログラムに基づいて、参加履歴取得端末25の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。ICカード処理部28は、ユーザがコンテンツの制作に参加する際に、コンテンツ再生権利の情報をユーザが所有するICカードに記録する(書き込む)。なお、参加履歴取得端末25がサーバ10とネットワーク経由で通信可能である構成においては、参加履歴取得端末25が、ICカードからユーザ識別情報を取得し、ユーザ識別情報とコンテンツ再生権利の情報とをサーバ10に直接送信するようにしてもよい。この場合には、ユーザ操作によって、クライアント30からサーバ10にユーザ識別情報とコンテンツ再生権利の情報とを送信する必要がなくなる。
【0033】
クライアント30は、制御部31と、ROM、RAM等のメモリ32と、通信部33と、再生部34、ICカード処理部35とを概略備える。
【0034】
制御部31は、メモリ32に格納されているプログラムに基づいて、クライアント30の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。ICカード処理部35は、ICカードから、コンテンツ再生権利の情報を読み出す。また、ICカード処理部35は、サーバ10から受信したコンテンツ管理テーブルをICカードに記録する。制御部31は、ユーザ識別情報とコンテンツ再生権利の情報とをサーバ10に送信する。制御部31は、サーバ10からコンテンツ管理テーブルを受信し、図示しない表示部に表示させる。再生権利を有するコンテンツの中からユーザ操作によって所望のコンテンツが選択されると、制御部31は、選択されたコンテンツを送信するようにサーバ10に要求する。通信部33は、サーバ10の通信部14とインターネット経由で通信し、各コマンドや情報を送受信する。再生部34は、サーバ10から受信したコンテンツを再生する。
【0035】
以上の構成を有するコンテンツ再生システムについてその動作を説明する。図4は、参加履歴取得端末25の処理を示すフローチャートである。ユーザがコンテンツの制作に参加する場合に、ユーザが所有するICカードをICカード処理部29に接触又は近接させることによって、ICカード処理部29は、コンテンツ再生権利の情報をICカードに記録する(S101)。
【0036】
詳細には、ICカードにも、図2、図3に示すコンテンツ管理テーブルが記録されている。従って、参加履歴取得端末25は、ICカード内に記録されているコンテンツ管理テーブルに、コンテンツ再生権利の情報を新たに登録する。例えば、今回コンテンツBに参加した場合には、ユーザが所有するICカード内のコンテンツ管理テーブルにコンテンツBの再生権利(3回分の再生権利)が記録される。
【0037】
図5は、コンテンツ再生権利をサーバ10に登録する際のクライアント30の処理を示すフローチャートである。図6は、図5に対応するサーバ10の処理を示すフローチャートである。クライアント30のICカード処理部35は、ICカードを接触又は近接させることによって、ICカードと通信し、新たにコンテンツ管理テーブルに登録されているコンテンツ再生権利の情報を取得し、制御部31に受け渡す(S111)。
【0038】
例えば、図2のコンテンツ管理テーブルにおいてコンテンツBの再生権利が新たに登録されているのであれば、コンテンツBの再生権利の情報を取得する。新たに登録されたか否かは、メモリ32内に既にICカードから再生権利の情報を取得したコンテンツを記憶しておくことで判断することができる。制御部31は、サーバ10に接続し、予めメモリ32に記憶されているユーザ識別情報と、新たに登録されたコンテンツ再生権利の情報とをインターネット経由でサーバ10に送信する(S112)。
【0039】
サーバ10の制御部12は、クライアント30からユーザ識別情報と新たに登録されたコンテンツ識別情報とを受信する(201)。制御部12は、図2に示すように、コンテンツ管理テーブルに、受信したユーザ識別情報に対応付けて、新たに登録されたコンテンツ再生権利を登録する(S202)。これによって、ICカードに記録されているコンテンツ管理テーブルと、サーバ10に登録されているコンテンツ管理テーブルの内容を同期させることができる。なお、ICカードからコンテンツ管理テーブル全体が取得され、サーバ10に送信され、サーバ10が受信したコンテンツ管理テーブルを既存のコンテンツ管理テーブルに上書きしてもよい。
【0040】
図7は、コンテンツを再生する際のクライアント30の処理を示すフローチャートである。図8は、図7に対応するサーバ10の処理を示すフローチャートである。クライアント30の制御部31は、メモリ32に予め記憶されているユーザ識別情報をインターネット経由でサーバ10に送信する(S121)。サーバ10の制御部12は、ユーザ識別情報をクライアント30から受信すると(S211)、受信したユーザ識別情報に対応付けられているコンテンツ管理テーブルを記憶部11から読み出して、クライアント30にインターネット経由で送信する(S212)。
【0041】
クライアント30の制御部31は、コンテンツ管理テーブルを受信すると(S122)、コンテンツ管理テーブルに登録されているコンテンツの内、再生履歴が記述されていないコンテンツ(つまり、現時点で再生権利を有するコンテンツ)のリストを図示しない表示装置に表示させる(S123)。コンテンツリストに表示されるコンテンツの情報は、例えば、コンテンツの名称、制作日時、制作場所等を含む。
【0042】
クライアント30の制御部31は、ユーザ操作によってコンテンツリストの中から、再生を希望するコンテンツが選択されたか否かを判断している(S124)。コンテンツが選択された場合(S124でYES)、制御部31は、選択されたコンテンツの情報を含むコンテンツの送信要求をインターネット経由でサーバ10に送信する(S125)。
【0043】
サーバ10の制御部12は、クライアント30からコンテンツの送信要求を受信すると(S213)、選択されたコンテンツを記憶部11から読み出して、インターネット経由でクライアント30に送信する(S214)。このコンテンツ送信はストリーミング送信であり、クライアント30にコンテンツが永久的に保存されることはない。もしくは、再生回数の制限された(例えば、再生時にサーバから認証を受ける必要がある)ダウンロード形式でもよい。クライアント30は、サーバ10からコンテンツを受信すると(S216でYES)、再生部34がコンテンツを再生する(S127)。
【0044】
その後、サーバ10の制御部12は、クライアント30に送信したコンテンツの再生履歴(再生日時)をコンテンツ管理テーブルに登録する(S215)。例えば、図3に示すように、ユーザ識別情報aaa001のクライアント30がコンテンツAを再生した場合、コンテンツAの再生履歴が登録される。つまり、コンテンツAの再生権利は残り2回となる。制御部12は、更新後のコンテンツ管理テーブルをインターネット経由でクライアント30に送信する(S216)。クライアント30の制御部31は、コンテンツ管理テーブルを受信すると(S126でYES)、ICカード処理部35に受信したコンテンツ管理テーブルをICカードに記録させる(S129)。
【0045】
以上の処理によって、コンテンツ制作に参加したユーザはコンテンツの再生権利を取得し、再生権利を使用してコンテンツをクライアント30を使用して再生することができる。
【0046】
次に、本発明の別の好ましい実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一構成、同一処理について説明を省略して、援用する。
【0047】
クライアント30は、他のユーザ識別情報のユーザに譲渡することを希望する交換元のコンテンツ再生権利と、他のユーザ識別情報のユーザから取得することを希望する交換先のコンテンツ再生権利とをユーザ操作に応じて選択する。クライアント30は、選択された交換元のコンテンツ再生権利と、交換先のコンテンツ再生権利とを管理するように、サーバ10に要求する。
【0048】
サーバ10は、クライアント30からの要求に応じて、ユーザ識別情報に対応付けて、交換元のコンテンツ再生権利と、交換先のコンテンツ再生権利とを管理する。サーバ10は、上記の管理内容に基づいて、複数のユーザ識別情報間でコンテンツ再生権利を交換するように、コンテンツ管理テーブルの登録内容を更新する。
【0049】
記憶部11には、図9、図10に示すコンテンツ交換テーブルが格納されている。コンテンツ交換テーブルは、ユーザ識別情報に対応付けて、交換元のコンテンツ再生権利と、交換先のコンテンツ再生権利とを管理するテーブルである。コンテンツ交換テーブルは、ユーザ識別情報に対応付けて、コンテンツ再生権利の情報と、交換元のコンテンツ再生権利として選択するか否かの情報(丸印が交換元のコンテンツ再生権利であることを示す)とを含むテーブル(図9、図10の左側のテーブル)と、ユーザ識別情報に対応付けて、サーバ10に記録されている全コンテンツの情報と、交換先のコンテンツ再生権利として選択するか否かの情報(丸印が交換先のコンテンツ再生権利であることを示す)とを含むテーブル(図9、図10の右側のテーブル)とを含む。
【0050】
例えば、図9を参照すると、ユーザ識別情報aaa001のユーザは、コンテンツA、又は、コンテンツDの再生権利を、コンテンツE、又は、コンテンツGの再生権利に交換することを希望している。ユーザ識別情報bbb001のユーザは、コンテンツB、又は、コンテンツB、又は、コンテンツFの再生権利を、コンテンツE、又は、コンテンツGの再生権利に交換することを希望している。ユーザ識別情報ccc001のユーザは、コンテンツD、又は、コンテンツGの再生権利を、コンテンツAの再生権利に交換することを希望している。
【0051】
図11は、コンテンツ交換テーブルをユーザ操作によって登録する際のクライアント30の処理を示すフローチャートである。図12は、図11に対応するサーバ10の処理を示すフローチャートである。クライアント30の制御部31は、メモリ32に予め記憶されているユーザ識別情報をインターネット経由でサーバ10に送信する(S131)。サーバ10の制御部12は、クライアント30からユーザ識別情報を受信すると(S221)、受信したユーザ識別情報に対応するコンテンツ交換テーブルを記憶部11から読み出して、インターネット経由でクライアント30に送信する(S222)。例えば、ユーザ識別情報がaaa001であれば、図9の最上段のコンテンツ交換テーブルが送信される。
【0052】
クライアント30の制御部31は、コンテンツ交換テーブルを受信して、図示しない表示装置に表示させる(S132)。制御部31は、ユーザ操作によって、交換元のコンテンツ再生権利、および/または、交換先のコンテンツ再生権利が変更または登録されたか否かを判断している(S133)。変更または登録された場合(S133でYES)、制御部31は、コンテンツ交換テーブルを更新して、インターネット経由でサーバ10に送信する(S134)。
【0053】
サーバ10の制御部12は、変更後のコンテンツ交換テーブルを受信したか否かを判断しており(S223)、受信した場合(S223でYES)、制御部12は、受信したコンテンツ交換テーブルに既存のコンテンツ交換テーブルを上書き保存する(S224)。なお、上記の処理において、コンテンツ交換テーブル全体を送信するのではなく、変更部分の情報のみを送信してもよい。
【0054】
図13は、コンテンツ再生権利を交換するサーバ10の処理を示すフローチャートである。サーバ10の制御部12は、図9に示す各ユーザ識別情報に対応するコンテンツ交換テーブルにおいて、1つのユーザ識別情報を選択する(S231)。例えば、aaa001が選択される。制御部12は、選択されたユーザ識別情報に対応するコンテンツ交換テーブルにおいて、交換元のコンテンツ再生権利を1つ選択する(S232)。例えばコンテンツAの再生権利が選択される。さらに、制御部12は、交換先のコンテンツ再生権利を1つ選択する(S233)。例えばコンテンツEの再生権利が選択される。制御部12は、交換元のコンテンツ再生権利、及び、交換先のコンテンツ再生権利の双方を選択できたか否かを判断する(S234)。選択できなければ(S234でNO)、選択されたユーザ識別情報についてはコンテンツ再生権利を交換できないので、処理を終了する。
【0055】
選択できた場合(S234でYES)、制御部12は、他のユーザ識別情報に対応するコンテンツ交換テーブルを確認することによって、コンテンテ再生権利の交換相手となるユーザ識別情報が存在するか否かを判断する(S235)。つまり、S232で選択された交換元のコンテンツ再生権利が交換先として登録されており、S233で選択された交換先のコンテンツ再生権利が交換元として登録されているユーザ識別情報の有無を確認する。この例では、選択されている交換元がコンテンツAの再生権利、交換先がコンテンツEの再生権利であるが、交換元がコンテンツEの再生権利、交換先がコンテンツAの再生権利であるユーザ識別情報は存在しない(S235でNO)。
【0056】
従って、制御部12は、S233において全ての交換先のコンテンツ再生権利について選択し、S235で交換相手の存在有無を確認済みか否か判断する(S236)。ここでは、未だ全ての交換先のコンテンツ再生権利について確認していないので、S233に戻って、次の交換先のコンテンツ再生権利が選択される(S233)。例えば、コンテンツGの再生権利が選択される。この場合に、選択されている交換元がコンテンツAの再生権利、交換先がコンテンツGの再生権利であるが、交換元がコンテンツGの再生権利、交換先がコンテンツAの再生権利であるユーザ識別情報として、ccc001が存在する(S235でYES)。
【0057】
従って、制御部12は、図10に示すように、ユーザ識別情報aaa001が所有するコンテンツAの再生権利と、ユーザ識別情報ccc001が所有するコンテンツGの再生権利とが交換されるように、両者のコンテンツ交換テーブルを更新する(S238)。図10では、図9と比較して、ユーザ識別情報aaa001とccc001との間で、コンテンツAの再生権利とコンテンツGの再生権利と交換され、かつ、交換元および交換先のチェックが解除されている。
【0058】
そして、制御部12は、ユーザ識別情報aaa001、ccc001に対応するコンテンツ管理テーブルを更新する(S239)。つまり、ユーザ識別情報aaa001のコンテンツ管理テーブルにおいて、コンテンツAの再生権利が削除され、コンテンツGの再生権利が追加される。ユーザ識別情報ccc001のコンテンツ管理テーブルにおいて、コンテンツGの再生権利が削除され、コンテンツAの再生権利が追加される。その後、処理はS237に進む。
【0059】
S236で全ての交換先について確認済みであると判断された(つまり、S232で選択されたコンテンツ再生権利は交換できなかった)場合も(S236でYES)、S237に進む。S237では、制御部12は、S232にて全ての交換元のコンテンツ再生権利について選択し、S235で交換相手が存在するかを確認済みか判断する。未だ全ての交換元について確認されていない場合(S237でNO)、S232に戻って、次の交換元のコンテンツ再生権利が選択されて、上記と同じ処理が実行される。一方、全ての交換元のコンテンツ再生権利について確認済みである場合(S237でYES)、処理を終了する。
【0060】
以上の処理によって、ユーザ操作によって交換元のコンテンツ再生権利と、交換先のコンテンツ再生権利とがコンテンツ交換テーブルに登録されることによって、サーバ10は、ユーザ識別情報間でコンテンツ再生権利を自動的に交換し、コンテンツ管理テーブルに反映させることができる。
【0061】
次に、本発明の別の好ましい実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一構成、同一処理について説明を省略して、援用する。
【0062】
サーバ10は、ユーザ識別情報に対応付けて、他のコンテンツ再生権利と交換することを希望する交換元のコンテンツ再生権利を管理する。サーバ10は、交換元のコンテンツ再生権利と交換するためのコンテンツ再生権利を管理する。サーバ10は、交換元のコンテンツ再生権利と、サーバ10が管理するコンテンツ再生権利とを交換するようにコンテンツ管理テーブルの登録内容を更新する。
【0063】
記憶部11には、図14に示す交換可能コンテンツリストを格納している。交換可能コンテンツリストは、交換元のコンテンツ再生権利と交換するためのコンテンツ再生権利を管理するリストである。交換可能コンテンツリストは、サーバ10に記録されている全コンテンツについて交換可能個数が登録されている。例えば、図14の上側のリストを参照すると、コンテンツAの交換可能数は1であり、コンテンツBの交換可能数は2である。交換可能数は、コンテンツ再生権利の交換によって増減される。
【0064】
記憶部11には、図9に示すコンテンツ交換テーブルのうち、左側のテーブルのみが格納されている。本例では、交換元のコンテンツのみを管理していればよく、交換先のコンテンツを登録する必要がないからである。
【0065】
図15は、コンテンツ再生権利を交換するサーバ10の処理を示すフローチャートである。サーバ10の制御部12は、図9に示す各ユーザ識別情報に対応するコンテンツ交換テーブルにおいて、1つのユーザ識別情報を選択する(S241)。例えば、aaa001が選択される。制御部12は、選択されたユーザ識別情報に対応するコンテンツ交換テーブルにおいて、交換元のコンテンツ再生権利を1つ選択する(S242)。例えばコンテンツAの再生権利が選択される。
【0066】
制御部12は、図14に示す交換可能コンテンツリストの中から任意のコンテンツの再生権利を交換先のコンテンツ再生権利として選択する。詳細には、選択されたユーザ識別情報が所有していないコンテンツ再生権利が選択されるとよい。例えば、コンテンツAの再生権利の交換先として、コンテンツPの再生権利が選択される。なお、交換可能コンテンツリストにおいて交換可能数が少ないコンテンツの再生権利が人気のコンテンツ再生権利であるので、それを優先的に交換先として選択されるように、ユーザ設定可能でもよい。
【0067】
制御部12は、送信元のコンテンツ再生権利を、交換可能コンテンツリストの中から選択したコンテンツ再生権利に交換するように、選択されたユーザ識別情報のコンテンツ交換テーブルと、交換可能コンテンツリストとを更新する(S243)。例えば、図9の左上に記載のaaa001のコンテンツ交換テーブルにおいて、交換元であるコンテンツAの再生権利をコンテンツPの再生権利に交換し、交換元であるコンテンツDの再生権利をコンテンツQの再生権利に交換すると、コンテンツ交換テーブルは図16のように更新される。さらに、交換可能コンテンツリストは、図14の下側のように、コンテンツAの再生権利、及び、コンテンツDの再生権利の交換可能数が1増加され、コンテンツPの再生権利、及び、コンテンツQの再生権利の交換可能数が1減少される。
【0068】
制御部12は、全ての交換元のコンテンツ再生権利について確認したか否かを判断する(S244)。未だ全ての交換元について確認し終えていない場合(S244でNO)、次の交換元のコンテンツ再生権利が選択されて(S242)、上記と同様の処理が実行される。全ての交換元のコンテンツ再生権利について確認した場合(S244でYES)、制御部12は、選択されているユーザ識別情報に対応するコンテンツ管理テーブルを更新し(S245)、処理を終了する。
【0069】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。コンテンツを蓄積するコンテンツサーバと、各テーブルを管理する管理サーバとが別個に設けられてもよい。サーバ10、クライアント30の上記各動作をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびこれを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、コンテンツ再生システム等に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0071】
10 サーバ
25 参加履歴取得端末
30 クライアント
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、前記サーバに接続可能なクライアントとを備え、
前記サーバが、
コンテンツの制作に参加したユーザのユーザ識別情報に対応付けて、コンテンツ再生権利を管理するコンテンツ管理手段と、
前記クライアントからのコンテンツの送信要求に応じて、選択されたコンテンツを前記クライアントに送信するコンテンツ送信手段とを有し、
前記クライアントが、
再生権利を有するコンテンツの中からユーザ操作に応じて所望のコンテンツを選択する選択手段と、
選択されたコンテンツの送信要求を前記サーバに送信する要求送信手段と、
前記サーバから受信したコンテンツを再生する再生手段とを有する、コンテンツ再生システム。
【請求項2】
ユーザがコンテンツの制作に参加する際に、ユーザが所有する記憶媒体に前記コンテンツ再生権利の情報を記録する参加履歴取得端末をさらに備え、
前記クライアントが、前記記憶媒体から、前記コンテンツ再生権利の情報を取得して、前記サーバに送信する手段をさらに有し、
前記コンテンツ管理手段が、前記クライアントから受信した前記コンテンツ再生権利の情報に基づいて、前記ユーザ識別情報に対応付けてコンテンツ再生権利を管理する、請求項1に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項3】
前記サーバが、
前記ユーザ識別情報に対応付けて、他のユーザ識別情報のユーザに譲渡することを希望する交換元のコンテンツ再生権利と、他のユーザ識別情報のユーザから取得することを希望する交換先のコンテンツ再生権利とを管理する交換情報管理手段と、
前記交換情報管理手段の管理内容に基づいて、複数のユーザ識別情報間でコンテンツ再生権利を交換するように、前記コンテンツ管理手段の管理内容を更新する交換手段とをさらに有する、請求項1または2に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項4】
前記サーバが、
前記ユーザ識別情報に対応付けて、他のコンテンツ再生権利と交換することを希望する交換元のコンテンツ再生権利を管理する交換情報管理手段と、
前記交換元のコンテンツ再生権利と交換するためのコンテンツ再生権利を管理する交換可能権利管理手段と、
前記交換情報管理手段によって管理されている交換元のコンテンツ再生権利と、前記交換可能権利管理手段によって管理されているコンテンツ再生権利とを交換するように、前記コンテンツ管理手段の管理内容を更新する交換手段とをさらに有する、請求項1または2に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項5】
サーバと、前記サーバに接続可能なクライアントとを備え、
前記サーバが、
ユーザのユーザ識別情報に対応付けて、コンテンツ再生権利を管理するコンテンツ管理手段と、
前記クライアントからの指示に応じて、前記ユーザ識別情報に対応付けて、他のユーザ識別情報のユーザに譲渡することを希望する交換元のコンテンツ再生権利と、他のユーザ識別情報のユーザから取得することを希望する交換先のコンテンツ再生権利とを管理する交換情報管理手段と、
前記交換情報管理手段の管理内容に基づいて、複数のユーザ識別情報間でコンテンツ再生権利を交換するように、前記コンテンツ管理手段の管理内容を更新する交換手段とを有し、
前記クライアントが、
前記交換元のコンテンツ再生権利と、前記交換先のコンテンツ再生権利とをユーザ操作に応じて選択する選択手段と、
選択された前記交換元のコンテンツ再生権利と、前記交換先のコンテンツ再生権利とを管理する指示を前記サーバに送信する指示手段とを有する、コンテンツ再生システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のコンテンツ再生システムにおける前記サーバ。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載のコンテンツ再生システムにおける前記クライアント。
【請求項1】
サーバと、前記サーバに接続可能なクライアントとを備え、
前記サーバが、
コンテンツの制作に参加したユーザのユーザ識別情報に対応付けて、コンテンツ再生権利を管理するコンテンツ管理手段と、
前記クライアントからのコンテンツの送信要求に応じて、選択されたコンテンツを前記クライアントに送信するコンテンツ送信手段とを有し、
前記クライアントが、
再生権利を有するコンテンツの中からユーザ操作に応じて所望のコンテンツを選択する選択手段と、
選択されたコンテンツの送信要求を前記サーバに送信する要求送信手段と、
前記サーバから受信したコンテンツを再生する再生手段とを有する、コンテンツ再生システム。
【請求項2】
ユーザがコンテンツの制作に参加する際に、ユーザが所有する記憶媒体に前記コンテンツ再生権利の情報を記録する参加履歴取得端末をさらに備え、
前記クライアントが、前記記憶媒体から、前記コンテンツ再生権利の情報を取得して、前記サーバに送信する手段をさらに有し、
前記コンテンツ管理手段が、前記クライアントから受信した前記コンテンツ再生権利の情報に基づいて、前記ユーザ識別情報に対応付けてコンテンツ再生権利を管理する、請求項1に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項3】
前記サーバが、
前記ユーザ識別情報に対応付けて、他のユーザ識別情報のユーザに譲渡することを希望する交換元のコンテンツ再生権利と、他のユーザ識別情報のユーザから取得することを希望する交換先のコンテンツ再生権利とを管理する交換情報管理手段と、
前記交換情報管理手段の管理内容に基づいて、複数のユーザ識別情報間でコンテンツ再生権利を交換するように、前記コンテンツ管理手段の管理内容を更新する交換手段とをさらに有する、請求項1または2に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項4】
前記サーバが、
前記ユーザ識別情報に対応付けて、他のコンテンツ再生権利と交換することを希望する交換元のコンテンツ再生権利を管理する交換情報管理手段と、
前記交換元のコンテンツ再生権利と交換するためのコンテンツ再生権利を管理する交換可能権利管理手段と、
前記交換情報管理手段によって管理されている交換元のコンテンツ再生権利と、前記交換可能権利管理手段によって管理されているコンテンツ再生権利とを交換するように、前記コンテンツ管理手段の管理内容を更新する交換手段とをさらに有する、請求項1または2に記載のコンテンツ再生システム。
【請求項5】
サーバと、前記サーバに接続可能なクライアントとを備え、
前記サーバが、
ユーザのユーザ識別情報に対応付けて、コンテンツ再生権利を管理するコンテンツ管理手段と、
前記クライアントからの指示に応じて、前記ユーザ識別情報に対応付けて、他のユーザ識別情報のユーザに譲渡することを希望する交換元のコンテンツ再生権利と、他のユーザ識別情報のユーザから取得することを希望する交換先のコンテンツ再生権利とを管理する交換情報管理手段と、
前記交換情報管理手段の管理内容に基づいて、複数のユーザ識別情報間でコンテンツ再生権利を交換するように、前記コンテンツ管理手段の管理内容を更新する交換手段とを有し、
前記クライアントが、
前記交換元のコンテンツ再生権利と、前記交換先のコンテンツ再生権利とをユーザ操作に応じて選択する選択手段と、
選択された前記交換元のコンテンツ再生権利と、前記交換先のコンテンツ再生権利とを管理する指示を前記サーバに送信する指示手段とを有する、コンテンツ再生システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のコンテンツ再生システムにおける前記サーバ。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載のコンテンツ再生システムにおける前記クライアント。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−90222(P2012−90222A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237334(P2010−237334)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]