説明

コンテンツ再生装置

【課題】他のユーザによるコンテンツの視聴履歴を利用して自身が視聴するコンテンツを選択することのできるコンテンツ再生装置を提供する。
【解決手段】ユーザの指示に応じてコンテンツ再生処理を実行するコンテンツ再生装置であって、当該ユーザに関連づけられた関連ユーザが当該コンテンツ再生装置とは別のコンテンツ再生装置により視聴したコンテンツの視聴履歴情報を取得し、取得した視聴履歴情報をユーザに提示し、提示した視聴履歴情報をユーザが選択した場合に、当該選択された視聴履歴情報が示すコンテンツの再生処理を実行するコンテンツ再生装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが各種のコンテンツを視聴するためのコンテンツ再生装置、コンテンツ視聴管理システム、コンテンツ再生装置の制御方法、プログラム、及び情報記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
動画像、楽曲、静止画、電子書籍、ゲームなどのコンテンツをユーザが視聴するための各種のコンテンツ再生装置が知られている(例えば特許文献1参照)。このようなコンテンツ再生装置を使用することで、ユーザは、サーバから配信されるコンテンツ等を視聴することができる。さらに、ユーザが視聴したコンテンツの履歴情報をシステム内に記録しておくことで、ユーザは、この履歴情報が示すコンテンツの中から自身が視聴するコンテンツを選ぶこともできる。こうすれば、ユーザは、途中まで視聴したコンテンツの続きを視聴したり、過去に自分が視聴したコンテンツを再度視聴したりすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/118232号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述従来例のシステムでは、友人などの他のユーザがコンテンツを視聴した場合に、当該他のユーザがどのようなコンテンツをどのように視聴したかを知ることは難しかった。
【0005】
本発明は上記実情を考慮してなされたものであって、その目的の一つは、他のユーザによるコンテンツの視聴履歴を利用して自身が視聴するコンテンツを選択することのできるコンテンツ再生装置、当該コンテンツ再生装置を含むコンテンツ視聴管理システム、コンテンツ再生装置の制御方法、プログラム、及び情報記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るコンテンツ再生装置は、ユーザの指示に応じてコンテンツ再生処理を実行するコンテンツ再生装置であって、前記ユーザに関連づけられた関連ユーザが当該コンテンツ再生装置とは別のコンテンツ再生装置により視聴したコンテンツの視聴履歴情報を取得する視聴履歴情報取得手段と、前記視聴履歴情報取得手段が取得した、前記関連ユーザによるコンテンツの視聴履歴情報をユーザに提示する視聴履歴情報提示手段と、前記視聴履歴情報提示手段が提示した視聴履歴情報を前記ユーザが選択した場合に、当該選択された視聴履歴情報が示すコンテンツの再生処理を実行するコンテンツ再生手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
前記コンテンツ再生装置において、前記視聴履歴情報は、前記別のコンテンツ再生装置によるコンテンツの再生が中断された場合における、当該中断時点のコンテンツの再生状態を示す中断状態情報を含み、前記コンテンツ再生手段は、前記選択された視聴履歴情報に含まれる中断状態情報に応じて決まる状態から、前記コンテンツの再生を開始することとしてもよい。
【0008】
また、前記コンテンツ再生装置において、前記視聴履歴情報は、前記別のコンテンツ再生装置が再生したコンテンツを、前記関連ユーザとともに視聴した共同視聴ユーザの情報を含み、前記視聴履歴情報提示手段は、前記視聴履歴情報に含まれる、前記関連ユーザとともに前記コンテンツを視聴した共同視聴ユーザを示す情報を前記ユーザに提示することを特徴とする。
【0009】
さらに、前記コンテンツ再生装置において、前記視聴履歴情報は、前記共同視聴ユーザが、どのような態様で前記関連ユーザとともに前記コンテンツを視聴したかを示す視聴タイプ情報をさらに含み、前記視聴履歴情報提示手段は、前記視聴タイプ情報に応じて、前記共同視聴ユーザがどのような態様で前記関連ユーザとともに前記コンテンツを視聴したかを前記ユーザに提示することとしてもよい。
【0010】
また、本発明に係るコンテンツ視聴管理システムは、複数のコンテンツ再生装置と、当該複数のコンテンツ再生装置のそれぞれに接続される視聴履歴管理サーバと、を含むコンテンツ視聴管理システムであって、前記複数のコンテンツ再生装置のそれぞれは、ユーザの指示に応じてコンテンツの再生処理を実行するコンテンツ再生処理手段と、前記コンテンツの再生処理結果を示す視聴履歴情報を前記視聴履歴管理サーバに送信する視聴履歴情報送信手段と、前記視聴履歴管理サーバから視聴履歴情報を受信して、前記ユーザに提示する視聴履歴情報提示手段と、前記視聴履歴情報提示手段が提示した視聴履歴情報を前記ユーザが選択した場合に、当該選択された視聴履歴情報が示すコンテンツの再生処理を実行するコンテンツ再生手段と、を含み、前記視聴履歴管理サーバは、前記複数のコンテンツ再生装置から受信した複数の視聴履歴情報を記録する手段と、前記複数のコンテンツ再生装置の一つからの要求に応じて、当該要求を行ったコンテンツ再生装置を使用中のユーザに関連づけられた関連ユーザが当該要求を行ったコンテンツ再生装置とは別のコンテンツ再生装置により視聴したコンテンツの視聴履歴情報を、当該要求を行ったコンテンツ再生装置に送信する手段と、を含み、前記要求を行ったコンテンツ再生装置の前記視聴履歴情報提示手段は、前記視聴履歴管理サーバから受信した前記関連ユーザによるコンテンツの視聴履歴情報を、当該要求を行ったコンテンツ再生装置を使用中のユーザに提示することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るコンテンツ再生装置の制御方法は、ユーザの指示に応じてコンテンツ再生処理を実行するコンテンツ再生装置の制御方法であって、前記ユーザに関連づけられた関連ユーザが当該コンテンツ再生装置とは別のコンテンツ再生装置により視聴したコンテンツの視聴履歴情報を取得する視聴履歴情報取得ステップと、前記視聴履歴情報取得ステップで取得された、前記関連ユーザによるコンテンツの視聴履歴情報をユーザに提示する視聴履歴情報提示ステップと、前記視聴履歴情報提示ステップで提示された視聴履歴情報を前記ユーザが選択した場合に、当該選択された視聴履歴情報が示すコンテンツの再生処理を実行するコンテンツ再生ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るプログラムは、ユーザの指示に応じてコンテンツ再生処理を実行するコンテンツ再生装置を制御するためのプログラムであって、前記コンテンツ再生装置を、前記ユーザに関連づけられた関連ユーザが当該コンテンツ再生装置とは別のコンテンツ再生装置により視聴したコンテンツの視聴履歴情報を取得する視聴履歴情報取得手段、前記視聴履歴情報取得手段が取得した、前記関連ユーザによるコンテンツの視聴履歴情報をユーザに提示する視聴履歴情報提示手段、及び、前記視聴履歴情報提示手段が提示した視聴履歴情報を前記ユーザが選択した場合に、当該選択された視聴履歴情報が示すコンテンツの再生処理を実行するコンテンツ再生手段、として機能させるためのプログラムである。このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に記憶されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係るコンテンツ視聴管理システムの概要図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るコンテンツ再生装置の構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るコンテンツ再生装置の機能を示す機能ブロック図である。
【図4】視聴履歴情報の内容を模式的に示す図である。
【図5】視聴履歴情報の一覧をユーザに提示する画面の一例を示す図である。
【図6】視聴履歴情報の一覧をユーザに提示する画面の別の例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るコンテンツ視聴管理システムで実行される処理の流れの一例を示すフロー図である。
【図8】共同視聴ユーザの問い合わせ画面の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るコンテンツ視聴管理システムで実行される処理の流れの別の例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ視聴管理システム1の全体概要を示す概要図である。コンテンツ視聴管理システム1は、複数のコンテンツ再生装置10と、視聴履歴管理サーバ20と、を含んで構成される。また、本実施形態では、コンテンツ視聴管理システム1は、さらにコンテンツ配信サーバ30及びユーザ管理サーバ31を含んでいる。
【0016】
コンテンツ再生装置10は、ユーザが各種のコンテンツを視聴するために用いる情報処理装置であって、家庭用ゲーム機やデスクトップ型のパーソナルコンピュータ、ビデオレコーダー、家庭用テレビ受像機など、各種の据え置き型コンテンツ再生装置を含んでもよい。また、携帯型ゲーム機や携帯情報端末、音楽プレイヤー、電子書籍リーダーなど、各種の携帯型コンテンツ再生装置を含んでもよい。なお、本実施形態においてコンテンツ再生装置10が再生の対象とするコンテンツは、動画像、静止画像、音声データ、電子書籍、ゲームなど、各種のものであってよい。
【0017】
図2は、コンテンツ再生装置10の構成を示す構成ブロック図である。同図に示すように、コンテンツ再生装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を含んで構成される。また、コンテンツ再生装置10は、操作部14、表示部15及び音声再生部16と接続される。
【0018】
制御部11は、CPU等のプログラム制御デバイスであって、記憶部12に記憶されたプログラムに従って各種の情報処理を実行する。記憶部12は、RAMやROM等のメモリ素子を含んで構成され、制御部11が実行するプログラムや、このプログラムによる処理の対象となるデータを記憶する。特に本実施形態では、記憶部12には、コンテンツ再生装置10が再生対象とするコンテンツのデータが記憶される。また、記憶部12は制御部11のワークメモリとしても機能する。
【0019】
通信部13は、通信ネットワークを介して他の装置との間でデータを授受するためのインタフェースであって、コンテンツ再生装置10は、通信部13を経由して視聴履歴管理サーバ20、コンテンツ配信サーバ30及びユーザ管理サーバ31との間で情報の送受信を行う。なお、コンテンツ再生装置10は、インターネットやローカルエリアネットワーク、無線通信ネットワークなど、各種の通信ネットワーク経由で視聴履歴管理サーバ20やコンテンツ配信サーバ30、ユーザ管理サーバ31と接続されてよい。
【0020】
操作部14は、ユーザの操作入力を受け付けるデバイスであって、例えばキーボードやマウス、リモートコントローラなどであってよい。また、コンテンツ再生装置10の筐体表面に配置された操作ボタンやスイッチ等の操作部材を含んでもよい。ユーザは、操作部14に対して操作を行うことで、コンテンツ再生装置10に対して、再生するコンテンツの選択や、コンテンツ再生の開始/中断などの指示を行う。
【0021】
表示部15は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの画像表示デバイスであって、動画像や静止画像、電子書籍などのコンテンツに含まれる画像や、ユーザによる選択対象となる視聴履歴情報を表示する。音声再生部16は、ヘッドフォンやスピーカ等であって、コンテンツ再生装置10が再生対象とするコンテンツが音声データを含む場合に、当該音声データを再生する。なお、操作部14と同様に、表示部15や音声再生部16もコンテンツ再生装置10の筐体と一体的に形成されてもよい。
【0022】
コンテンツ再生装置10が再生対象とするコンテンツの中には、以下に説明するような3つの種類のコンテンツが含まれ得る。
【0023】
第1の種類のコンテンツは、動画像や音声データなど、時間とともに変化する内容を含んだ時系列データ(ストリームデータ)である。この種の時系列データは、一般的に再生時間が予め定められており、時間の経過とともに先頭位置から終了位置に向かって順次再生される。
【0024】
第2の種類のコンテンツは、静止画像のように、2次元又は3次元の空間的な広がりを持った内容を表す空間データである。このような空間データの内容は、2次元平面内における各位置の画素値や、3次元空間内における各位置に配置されたオブジェクトの形状や向きなどによって表される。コンテンツ再生装置10は、このような空間データの内容を、画像として表示装置に表示する。この場合、コンテンツ再生装置10は、ユーザの指示に応じて、空間データ内においてユーザが注目する特定の範囲だけを表示したり、特定の部分を拡大表示させたりしてもよい。
【0025】
第3の種類のコンテンツは、予め定められた順序で並んだ複数のコンテンツをコンポーネントとして含む順列データである。例えば電子書籍は、それぞれ書籍の1ページを表す複数のページデータ(テキストデータ、又は画像データ)を、予め定められた順序で含んだ順列データである。また、例えば複数話の動画像から構成されるシリーズのドラマなどのコンテンツも、順列データの一種である。これらの順列データは、通常、予め定められた順序で再生される。この種のコンテンツの再生方法としては、順列データを構成する一つのコンテンツの再生が終わると自動的に次のコンテンツの再生を始める場合もあれば、ユーザの指示を待って次のコンテンツの再生を始める場合もあり得る。
【0026】
なお、本実施形態に係るコンテンツ再生装置10が再生対象とするコンテンツは、以上説明した種類に限られるものではない。例えばコンテンツ再生装置10は、ゲームコンテンツを再生してもよい。この場合のゲームコンテンツは、ユーザの操作入力の内容等に応じて変化する映像及び音声によって構成される。
【0027】
視聴履歴管理サーバ20は、サーバコンピュータ等の情報処理装置であって、各コンテンツ再生装置10によって再生されたコンテンツの視聴履歴を管理する。具体的に、視聴履歴管理サーバ20は、各コンテンツ再生装置10から受信した視聴履歴を記憶し、所定のタイミングで、各コンテンツ再生装置10に対してその内容を送信する。この視聴履歴管理サーバ20を介することで、コンテンツ視聴管理システム1に属する複数のコンテンツ再生装置10同士は、直接的に通信接続を行わずとも、視聴履歴を共有することが可能になる。
【0028】
視聴履歴管理サーバ20は、図1に示すように、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、を含んで構成される。
【0029】
制御部21は、CPU等のプログラム制御デバイスであって、記憶部22に記憶されたプログラムに従って各種の情報処理を実行する。記憶部22は、RAMやROM等のメモリ素子、及びハードディスク等のディスクデバイスを含んで構成され、制御部21が実行するプログラムや、このプログラムによる処理の対象となるデータを記憶する。特に本実施形態では、記憶部22には、管理対象となるコンテンツの視聴履歴情報が記憶される。また、記憶部22は制御部21のワークメモリとしても機能する。
【0030】
通信部23は、通信ネットワークを介して他の装置との間でデータを授受するためのインタフェースであって、視聴履歴管理サーバ20は、通信部23を経由して各コンテンツ再生装置10との間で情報の送受信を行う。
【0031】
コンテンツ配信サーバ30は、サーバコンピュータ等の情報処理装置であって、各コンテンツ再生装置10が再生対象とするコンテンツを記憶し、各コンテンツ再生装置10からの要求に応じて配信する。コンテンツ配信サーバ30は、各コンテンツ再生装置10に対して時系列データやゲームの実行結果を示す映像データなどのストリーム配信(リアルタイム配信)を行ってもよいし、時系列データを含む各種のコンテンツをコンテンツ再生装置10にダウンロードさせてもよい。特に本実施形態において、コンテンツ配信サーバ30は、要求に応じて、複数のコンテンツ再生装置10に対して同時期に同一のコンテンツをリアルタイム配信する一斉配信機能を備えているものとする。なお、本実施形態ではコンテンツ配信サーバ30がコンテンツを配信することとしているが、本発明はこのようなものに限られず、例えばコンテンツはピアツーピア接続によっていずれかのコンテンツ再生装置10から他のコンテンツ再生装置10に配信されてもよい。
【0032】
ユーザ管理サーバ31は、サーバコンピュータ等の情報処理装置であって、本実施形態に係るコンテンツ視聴管理システム1を利用してコンテンツの視聴を行う複数のユーザを管理する。具体的に、ユーザ管理サーバ31は、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報、及び各ユーザの認証に用いられる照合対象情報などをユーザデータベースとして管理しており、コンテンツ再生装置10からの要求に応じてユーザの認証を行う。
【0033】
以下、本実施形態においてコンテンツ再生装置10が実現する機能について、説明する。図3は、コンテンツ再生装置10が実現する機能を示す機能ブロック図である。同図に示すように、コンテンツ再生装置10は、ユーザ認証部40と、コンテンツ再生処理部41と、視聴履歴送信部42と、視聴履歴表示制御部43と、を含んで構成される。これらの機能は、制御部11が記憶部12に格納されたプログラムを実行することで、実現される。このプログラムは、例えば光ディスク等のコンピュータ読み取り可能な各種の情報記憶媒体に格納されて提供されてよい。また、インターネット等の通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0034】
ユーザ認証部40は、後述するコンテンツ再生処理部41が行うコンテンツ再生処理に先立って、当該コンテンツ再生装置10を使用するユーザの認証処理(ログイン処理)を行う。例えばユーザ認証部40は、コンテンツ再生装置10の起動時などのタイミングで、当該コンテンツ再生装置10のユーザからそのユーザを認証するための認証情報の入力を受け付ける。ユーザが入力する認証情報は、例えばパスワードや生体認証情報(指紋情報など)であってよい。ユーザ認証部40は、入力されたユーザの認証情報をユーザ管理サーバ31に送信する。ユーザ管理サーバ31は、コンテンツ再生装置10から送信された認証情報をユーザデータベースに格納された当該ユーザの照合対象情報と比較し、その照合結果をコンテンツ再生装置10に送信する。これにより、コンテンツ再生装置10は、当該コンテンツ再生装置10を使用してコンテンツの視聴を行おうとしているユーザを認証することができる。なお、以下ではユーザ認証部40による認証を受けたユーザを認証ユーザという。一旦ユーザ認証部40による認証が行われると、コンテンツ再生装置10は、当該認証ユーザが明示的にコンテンツ再生装置10の使用終了を指示する(ログアウトを行う)か、またはコンテンツ再生装置10の電源が切断されるまでの間、認証ユーザがそのコンテンツ再生装置10を使用しているものと想定する。
【0035】
コンテンツ再生処理部41は、操作部14に対するユーザの指示に応じて、コンテンツの再生処理を行う。前述したように、コンテンツ再生処理部41がコンテンツ再生処理を実行する際には、当該コンテンツの再生処理を指示するユーザはユーザ認証部40による認証を受けているものとする。そのためコンテンツ再生処理部41は、コンテンツの再生処理を指示するユーザが誰なのかを特定することができる。なお、コンテンツ再生処理部41がユーザからコンテンツ再生指示を受け付けた時点で当該ユーザの認証がまだ行われていない場合、ユーザ認証部40は、その時点で当該指示を行ったユーザの認証を実行してもよい。
【0036】
ここで、コンテンツ再生処理部41が実行する処理内容について説明する。まずコンテンツ再生処理部41は、認証ユーザから再生対象とするコンテンツの選択を受け付ける。一例として、コンテンツ再生処理部41は、予めコンテンツ配信サーバ30からダウンロードされてコンテンツ再生装置10内に記憶されたコンテンツや、コンテンツ配信サーバ30が配信可能なコンテンツなどを、再生対象となるコンテンツの選択肢として認証ユーザに提示する。そして、認証ユーザから、操作部14に対するコンテンツ選択の操作を受け付ける。あるいはコンテンツ再生処理部41は、後述する視聴履歴表示制御部43が複数の視聴履歴情報を表示部15に表示させた状態において、認証ユーザが選択した視聴履歴情報に対応するコンテンツを、再生対象とするコンテンツとして選択してもよい。この場合の具体例については、後述する。
【0037】
さらにコンテンツ再生処理部41は、認証ユーザからコンテンツ再生開始指示を受け付けると、選択されたコンテンツの再生処理を開始する。なお、コンテンツ再生処理部41は、前述したコンテンツ選択の操作を受け付けた時点で、直ちにコンテンツの再生処理を開始してもよい。具体的にコンテンツ再生処理部41は、再生対象のコンテンツが画像や映像のデータを含むコンテンツの場合、当該画像や映像を表示部15に表示させる。また、再生対象のコンテンツが音声のデータを含む場合、当該音声を音声再生部16に再生させる。これにより、認証ユーザは自身が選択したコンテンツを視聴できる。また、コンテンツ再生処理部41は、コンテンツの再生途中で操作部14に対する認証ユーザの中断指示があった場合には、コンテンツの再生処理を中断する。このときコンテンツ再生処理部41は、コンテンツの再生処理を中断した時点におけるコンテンツの再生状態を示す情報(以下、中断状態情報RIという)を、視聴履歴送信部42に対して出力する。
【0038】
視聴履歴送信部42は、コンテンツ再生処理部41がコンテンツの再生処理を実行した後、その実行結果を反映した視聴履歴情報VHを、視聴履歴管理サーバ20に対して送信する。視聴履歴管理サーバ20は、複数のコンテンツ再生装置10のそれぞれから受信した視聴履歴情報VHを記憶部22に記憶して、管理する。
【0039】
ここで、視聴履歴管理サーバ20が管理するコンテンツの視聴履歴情報VHの内容について説明する。図4は、視聴履歴情報VHに含まれる内容を模式的に示す図である。同図に示すように、コンテンツの視聴履歴情報VHには、当該コンテンツを視聴した認証ユーザを識別する認証ユーザ識別情報AUID、当該コンテンツを識別するコンテンツ識別情報CID、当該コンテンツを再生したコンテンツ再生装置10を識別する装置識別情報HID、当該視聴履歴情報VHが最後に更新された時期を示す最終更新日時情報LUが含まれる。さらに視聴履歴情報VHには、当該コンテンツを認証ユーザ識別情報AUIDによって識別される認証ユーザとともに視聴したユーザに関する共同視聴ユーザ情報VUが含まれる。また、視聴履歴情報VHには前述した中断状態情報RIが含まれる。さらに、視聴履歴情報VHには、ユーザのこれまでのコンテンツの視聴状況(当該コンテンツの総再生回数や当該コンテンツを最初に視聴した時期、最後に視聴した時期など)を示す情報が含まれてもよい。なお、最後に視聴した時期を示す情報は、コンテンツ再生処理部41によるコンテンツ再生処理が最後に正常終了された時期を示す情報であってもよいし、コンテンツが時系列データや順列データの場合には、ユーザが当該コンテンツを最後まで(時系列データの終了位置や順列データに含まれる最後のコンポーネントまで)視聴した時期を示す情報であってもよい。以下では、コンテンツの全体が最後まで視聴されたか否かに関わらず、コンテンツの再生処理が最後に終了した日時の情報を最終再生日時情報LPという。
【0040】
装置識別情報HIDは、予めコンテンツ再生装置10の記憶部12内に記憶されている、各コンテンツ再生装置10を一意に識別する情報である。また、認証ユーザ識別情報AUIDは、コンテンツの視聴を指示した認証ユーザを識別する情報である。本実施形態では、コンテンツ再生装置10を利用してコンテンツの視聴を行う可能性のあるユーザのそれぞれを識別するためのユーザ識別情報が、予めユーザ管理サーバ31記録されている。ユーザ認証部40は、認証に成功した場合、当該認証を受けた認証ユーザのユーザ識別情報をユーザ管理サーバ31から受信して、記憶部12内に記憶しておく。視聴履歴情報VHには、この認証ユーザのユーザ識別情報が認証ユーザ識別情報AUIDとして格納される。
【0041】
また、コンテンツ識別情報CIDは、コンテンツ視聴管理システム1によって視聴される各コンテンツを識別するための情報である。例えばコンテンツ識別情報CIDは、コンテンツの提供者又はコンテンツ配信サーバ30によってコンテンツに付与され、コンテンツのデータとともにコンテンツ配信サーバ30から配信される。なお、コンテンツ識別情報CIDは、例えばハッシュ値など、コンテンツのデータから所定のアルゴリズム(MD5など)に基づいて生成される情報であってよい。この場合、各コンテンツ再生装置10やコンテンツ配信サーバ30が互いに同じアルゴリズムでハッシュ値の演算をすることとすれば、各コンテンツ再生装置10及びコンテンツ配信サーバ30は、互いに独立に、同じコンテンツに対して同一のコンテンツ識別情報CIDを付与することができる。
【0042】
中断状態情報RIは、前述したように、コンテンツ再生処理部41によるコンテンツの再生処理が中断された場合における、当該中断時点のコンテンツの再生状態を示す情報である。なお、コンテンツの再生が中断されずに最後まで実行された場合には、中断時点の再生状態を示す情報に代えて、コンテンツの再生が最後まで完了したことを示す情報が中断状態情報RIに含まれてもよい。
【0043】
具体的に、コンテンツが動画像や音声などの時系列データの場合、中断状態情報RIは、コンテンツの再生が中断されたタイミングそのものを示す情報を含む。例えば、時系列データの中断状態情報RIは、先頭位置から中断時点までの再生時間を示す情報であってよい。また、コンテンツが複数のフレーム画像によって構成される動画像の場合には、中断時点で表示されているフレーム画像を先頭のフレーム画像から数えた番号(フレーム番号)を示す情報であってもよい。なお、コンテンツによっては、同じコンテンツに対して複数種類のデータフォーマットで生成された複数のコンテンツデータが存在する場合がある。例えば動画像であれば、一つのコンテンツにつき、高解像度、低解像度の2種類(あるいは互いに解像度の異なる3種類以上)のデータ形式が用意されることがある。この場合、各データに付加されるオプションデータ(例えばコマーシャルを表す動画像)の違いなどに起因して、同じコンテンツであっても、データ形式ごとに再生時間に差異が生じる可能性がある。このような場合、中断状態情報RIとしては、データ形式の違いに依存せずに中断時点で再生されていたコンテンツの内容を指し示す情報を用いることが望ましい。具体的には、各データに付加されるオプションデータを除いたコンテンツ本体の再生時間を示す情報や、コンテンツ本体のフレーム番号を示す情報を、中断状態情報RIとすればよい。
【0044】
コンテンツが静止画像などの空間データの場合、中断状態情報RIは、中断時点において、当該静止画像内のどの位置を中心に画像が表示されていたかを示す位置座標情報や、どの程度の拡大率で静止画像が表示されていたかを示す情報などを含んでよい。
【0045】
コンテンツが電子書籍などの順列データの場合、中断状態情報RIは、順列データに含まれる複数のコンポーネントのうち、何番目のコンポーネントを再生していたかを示す情報を含む。さらに、中断状態情報RIは、中断時点で再生中だったコンポーネントについて、前述した時系列データや空間データの場合と同様の中断時点における再生状態を示す情報を含んでもよい。具体例として、コンテンツが電子書籍の場合、中断状態情報RIは、中断時にユーザが視聴していた章・節などのセクションを示す情報や、視聴していたページ番号を示す情報を含む。さらに、このような情報によって特定されるページ画像のうち、どの部分をどの程度拡大表示していたかを示す位置座標情報や拡大率の情報を含んでもよい。また、ユーザが各ページ画像をスクロールさせたりカーソル移動させたりしながら閲覧する場合、中断状態情報RIは中断時点におけるスクロール量やカーソル位置、行などを示す情報(すなわち、一つのページ内でどの位置までユーザが閲覧したかに関する情報)を含んでもよい。
【0046】
また、コンテンツがゲームコンテンツの場合、中断状態情報RIは、コンテンツ再生処理部41としてのゲームプログラムによって生成される、ゲームの進行状況を示す情報であってよい。
【0047】
共同視聴ユーザ情報VUは、認証ユーザ識別情報AUIDによって識別される認証ユーザと一緒に、当該視聴履歴情報VHが示すコンテンツの視聴を行ったユーザ(以下、共同視聴ユーザという)に関する情報である。本実施形態では、複数のユーザが同じコンテンツを同時期に(一緒に)視聴することが想定されており、このような共同視聴に関する情報を共同視聴ユーザ情報VUとして視聴履歴情報VHに含めることとしている。これにより、視聴履歴情報VHは、誰がいつ何のコンテンツを視聴したかだけでなく、誰と一緒にコンテンツを視聴したかをも示す情報となっている。具体的に、コンテンツ再生処理部41は、コンテンツの再生処理を実行する際に当該コンテンツを認証ユーザとともに視聴する共同視聴ユーザを識別する共同視聴ユーザ識別情報VUIDを取得する。なお、共同視聴ユーザ識別情報VUIDの具体的な取得方法については、後述する。そして、視聴履歴送信部42は、この共同視聴ユーザ識別情報VUIDを共同視聴ユーザ情報VUに含めて視聴履歴情報VHを生成する。なお、本実施形態では、共同視聴ユーザもユーザ管理サーバ31によって管理されるユーザ(すなわち、当該ユーザ固有のユーザ識別情報がユーザ管理サーバ31に登録されたユーザ)であるものとする。共同視聴ユーザ識別情報VUIDは、認証ユーザ識別情報AUIDと同様に、ユーザ管理サーバ31によって管理されるユーザ識別情報であるものとする。
【0048】
また、共同視聴ユーザ情報VUは、共同視聴ユーザ識別情報VUIDによって識別される共同視聴ユーザのそれぞれについて、どのような態様で認証ユーザとともにコンテンツを視聴したかを示す情報(以下、視聴タイプ情報VTという)を含んでもよい。本実施形態では、共同視聴ユーザは、2通りの態様で認証ユーザと一緒にコンテンツを視聴することが想定されている。第1の態様は、例えば友人宅に遊びに行くなどして、認証ユーザが所有する1台のコンテンツ再生装置10を用いて認証ユーザと共同視聴ユーザとが同じ場所で一緒にコンテンツを視聴する態様である。以下では、このような態様での共同視聴をオフライン型という。また、第2の態様は、前述したようにコンテンツ配信サーバ30が複数のコンテンツ再生装置10(ここでは、認証ユーザが所有するコンテンツ再生装置10と共同視聴ユーザが所有するコンテンツ再生装置10)のそれぞれに対してコンテンツを一斉にリアルタイム配信することによって、認証ユーザ及び共同視聴ユーザがそれぞれ自身のコンテンツ再生装置10で同時期にコンテンツを視聴する態様である。以下では、このような態様での共同視聴をオンライン型という。なお、オフライン型の共同視聴とオンライン型の共同視聴は、同時に行われてもよい。具体例として、ユーザUaの所有するコンテンツ再生装置10aを用いてユーザUaとユーザUbが同じ場所で一緒にコンテンツC1を視聴するとともに、ユーザUcは自分自身が所有するコンテンツ再生装置10cで同じコンテンツC1を離れた場所で同時に視聴するパターンが考えられる。この場合、ユーザUaから見るとユーザUbはオフライン型の共同視聴、ユーザUcはオンライン型の共同視聴をしていることになる。一方、ユーザUcの視点では、ユーザUa及びユーザUbの双方が自分自身とともにオンライン型の共同視聴をしているとみなすことができる。
【0049】
次に、視聴履歴送信部42の処理内容について、説明する。本実施形態では、コンテンツ再生処理部41によってコンテンツ再生処理が行われると、視聴履歴送信部42は、当該コンテンツ再生処理の結果を反映した視聴履歴情報VHを生成し、視聴履歴管理サーバ20に送信する処理を行う。なお、同じコンテンツを2回目以降に認証ユーザが視聴する場合、既に当該認証ユーザの認証ユーザ識別情報AUID及び当該コンテンツのコンテンツ識別情報CIDを含む視聴履歴情報VHが生成され、視聴履歴管理サーバ20に送信されているはずである。そこで視聴履歴送信部42は、2回目以降のコンテンツ再生時には、当該コンテンツを認証ユーザが視聴した結果過去に生成された視聴履歴情報VHを視聴履歴管理サーバ20から受信して、この受信した視聴履歴情報VHを更新することとしてもよい。この場合、視聴履歴送信部42は、視聴履歴情報VHに含まれる装置識別情報HIDを自分自身の装置識別情報HIDで上書きするとともに、最終更新日時情報LUを当該更新処理の実行時点(すなわち、コンテンツの再生処理が終了した時点)を示す日時情報で上書きする。また、中断状態情報RIを、コンテンツ再生処理部41から受け付けた今回のコンテンツ再生処理が中断した際の再生状態を示す情報に置き換える。さらに、視聴履歴情報VHに過去の再生回数などの情報が含まれる場合、これらに対して1を加算するなどの更新を行ってもよい。なお、ここでは最終更新日時情報LUはコンテンツ再生装置10内で視聴履歴情報VHが更新された時期を示す情報であることとしたが、最終更新日時情報LUは、視聴履歴管理サーバ20内で視聴履歴情報VHが更新された時期を示す情報であってもよい。この場合、コンテンツ再生装置10は最終更新日時情報LUの更新は行わない。その代わりに、視聴履歴管理サーバ20がコンテンツ再生装置10から視聴履歴情報VHを受信して、自分自身が記憶している視聴履歴情報VHを当該受信した視聴履歴情報VHで更新する際に、視聴履歴情報VH内の最終更新日時情報LUを更新時点の日時情報に更新することとする。
【0050】
視聴履歴送信部42は、コンテンツ再生処理部41によるコンテンツの再生処理が終了した時点で、当該コンテンツの視聴履歴情報VHを直ちに更新し、自動的に視聴履歴管理サーバ20に対して送信してもよい。また、視聴履歴送信部42は、一定時間おきに視聴履歴管理サーバ20にアクセスして、それまでに更新した視聴履歴情報VHを視聴履歴管理サーバ20に送信してもよい。さらに、認証ユーザから視聴履歴情報VHを送信するよう明示の指示を受け付けてから、視聴履歴管理サーバ20に対して更新された視聴履歴情報VHを送信してもよい。
【0051】
さらに本実施形態では、コンテンツ再生処理部41は、ユーザが過去に視聴したことのあるコンテンツを再生する場合、視聴履歴管理サーバ20から受信した視聴履歴情報VHに含まれる中断状態情報RIに応じて決まる状態から、当該コンテンツの再生を開始することとしてもよい。この場合、コンテンツ再生処理部41は、コンテンツ再生処理に先立って視聴履歴管理サーバ20から受信した視聴履歴情報VHに含まれる中断状態情報RIを参照して、当該中断状態情報RIが示す状態(すなわち、前回のコンテンツ再生が中断された時点の再生状態)に対応する状態から、コンテンツの再生処理を開始する。なお、コンテンツ再生処理部41がコンテンツの再生を開始する際の状態は、必ずしも過去にコンテンツ再生が中断された時点の再生状態そのものでなくともよく、例えば中断時点から所定時間(例えば30秒)だけ過去の再生状態であってもよい。
【0052】
例えば再生対象のコンテンツが時系列データの場合、コンテンツ再生処理部41は、中断状態情報RIが示すタイミング、又は中断状態情報RIが示すタイミングより所定時間分だけ以前のタイミングから、それ以降の部分のコンテンツの再生を開始する。特にコンテンツ配信サーバ30からのストリーム配信を受けてコンテンツの再生を行う場合、コンテンツ再生処理部41は、中断状態情報RIに応じて決まるタイミング以降の部分を配信するようにコンテンツ配信サーバ30に要求する。これにより、ユーザは、前回動画像や音声の視聴を途中で中断した場合に、その続きから同じコンテンツを視聴することができる。
【0053】
再生対象のコンテンツが空間データの場合、コンテンツ再生処理部41は、中断状態情報RIによって示される、中断時にユーザが閲覧していた画像の表示態様(表示位置や拡大率)と同様の表示態様で、コンテンツの表示を行う。また、再生対象のコンテンツが複数のコンポーネントからなる順列データの場合、前回中断時に再生されていたコンポーネントを、前回中断時の再生状態と同様の状態で、再生する。
【0054】
このような処理によって、ユーザは、コンテンツの視聴を途中で中断した場合、後に、前回中断時の状態に対応する状態からコンテンツの視聴を再開することができる。しかも、本実施形態では、中断状態情報RIは、コンテンツ識別情報CIDだけでなく、認証ユーザ識別情報AUIDとも関連づけられて、視聴履歴情報VHの一部として視聴履歴管理サーバ20に送信される。そして、この視聴履歴情報VHは、視聴履歴管理サーバ20から同じユーザが使用する他のコンテンツ再生装置10にも送信される。そのため、ユーザは、例えば据え置き型のコンテンツ再生装置10で途中までコンテンツを視聴した後、その続きの部分を携帯型の別のコンテンツ再生装置10で視聴することもできる。さらに、この携帯型のコンテンツ再生装置10で視聴を行った結果生成される視聴履歴情報VHについても、再度視聴履歴管理サーバ20を経由して据え置き型のコンテンツ再生装置10に送信することができる。そのため、ユーザは、携帯型のコンテンツ再生装置10で視聴した続きの部分を再び据え置き型のコンテンツ再生装置10で視聴することもできる。
【0055】
視聴履歴表示制御部43は、視聴履歴管理サーバ20から複数の視聴履歴情報VHを受信し、受信した視聴履歴情報VHの一覧を表示部15に表示することによって、ユーザに提示する。本実施形態において、視聴履歴表示制御部43は、視聴履歴情報VHの一覧として2種類のリストを表示することとする。第1のリストは、認証ユーザ自身が視聴したコンテンツの視聴履歴だけを含むリストであって、第2のリストは、認証ユーザに関連づけられた他のユーザが視聴したコンテンツの視聴履歴を含むリストである。なお、以下では、認証ユーザに関連づけられたユーザを、関連ユーザという。第2のリストは、関連ユーザだけでなく認証ユーザ自身の視聴履歴情報VHも含むこととしてもよい。視聴履歴表示制御部43は、ユーザの指示に応じて、第1のリスト及び第2のリストを切り替えて表示してもよい。
【0056】
本実施形態では、ユーザ間の関連性に関する情報は、ユーザ管理サーバ31に記憶されているものとする。すなわち、ユーザ管理サーバ31は、どのユーザがどのユーザの関連ユーザなのかを示す情報を記憶している。各ユーザは、例えば公知のソーシャルネットワーク型のサービスと同様にして、自分の友人や知人を関連ユーザとして設定する。具体的に、例えばあるユーザUaがあるユーザUbを関連ユーザに設定したい場合、ユーザUaはユーザUbに対してメッセージを送信するなどして友人としての登録を申し込む。この申し込みに対してユーザUbが了承すると、両者の間に友人関係が設定され、ユーザUbはユーザUaの関連ユーザになるとともに、ユーザUaはユーザUbの関連ユーザになる。なお、ここではユーザ同士の関連性は双方向に設定されることとしたが、一方向にのみ設定されることとしてもよい。すなわち、上述した例において、ユーザUaの申し込み及びユーザUbの了承によって、ユーザUbはユーザUaの関連ユーザとなるが、ユーザUaはユーザUbの関連ユーザとはならないこととしてもよい。なお、ユーザ管理サーバ31だけでなく、各コンテンツ再生装置10も、当該コンテンツ再生装置10を使用するユーザの関連ユーザを特定する情報を予め保持しておくこととしてもよい。
【0057】
上述した第2のリストの表示を可能にするために、視聴履歴管理サーバ20は、通信ネットワークを介して接続された複数のコンテンツ再生装置10のそれぞれから視聴履歴情報VHを受信して記憶しておく。そして、あるコンテンツ再生装置10から要求があった場合には、当該コンテンツ再生装置10を使用中の認証ユーザの関連ユーザを特定する情報を取得し、当該情報により特定される関連ユーザの視聴履歴情報VHをコンテンツ再生装置10に対して送信する。これにより、コンテンツ再生装置10は、認証ユーザ自身が過去にコンテンツを視聴して生成された視聴履歴情報VHだけでなく、当該認証ユーザの関連ユーザが他のコンテンツ再生装置10を使用してコンテンツを視聴した結果生成された視聴履歴情報VHも取得することができる。なお、視聴履歴管理サーバ20は、視聴履歴情報VHの送信を要求するコンテンツ再生装置10自身から関連ユーザを特定する情報(関連ユーザのユーザ識別情報)を取得してもよいし、ユーザ管理サーバ31に問い合わせを行うことによって視聴履歴情報VHの送信を要求した認証ユーザの関連ユーザを特定してもよい。
【0058】
図5は、視聴履歴の第1のリストの表示画面の例を示す図である。この第1のリストは、認証ユーザ自身の視聴履歴情報VHからなるリストなので、当該リストの表示をユーザが指示した場合、視聴履歴送信部42は、認証ユーザ識別情報AUIDがリスト表示を指示した認証ユーザのユーザ識別情報に一致する視聴履歴情報VHを送信するよう視聴履歴管理サーバ20に要求する。そして、視聴履歴表示制御部43は、この要求に応じて視聴履歴管理サーバ20から送信される視聴履歴情報VHを受信し、一覧表示する。なお、この場合において、認証ユーザが複数回にわたってあるコンテンツを視聴したことによって生成された複数の視聴履歴情報VHが視聴履歴管理サーバ20に記録されていた場合、視聴履歴表示制御部43は、これらの視聴履歴情報VHのうち、最新のもの(最終更新日時情報LUが最も新しいもの)だけをリストに含めることとしてもよい。
【0059】
図5のリストにおいて、各視聴履歴情報VHに対応する表示項目は、コンテンツのタイトル、及びコンテンツの内容を示すサムネイル画像を含んでいる。また、中断状態情報RIによって特定されるコンテンツ視聴の中断状態を示す情報を含んでいる。図5では、コンテンツが時系列データの場合の表示例として、当該視聴履歴情報VHが生成された際に、全体の再生時間に対してどの程度の割合の時間が経過した時点でコンテンツの視聴が中断されたかを示すプログレスバー形式の画像Ibが表示されている。なお、コンテンツが映像データや画像をコンポーネントとする順列データの場合、前述したサムネイル画像は、前回のコンテンツ視聴中断時点におけるコンテンツの内容を示すフレーム画像やコンポーネント画像であってもよい。また、各表示項目は、コンテンツを視聴した日時の情報(最終再生日時情報LP)、コンテンツの再生を行ったコンテンツ再生装置10の装置名(装置識別情報HIDに対応する情報)などを含んでもよい。
【0060】
さらに、視聴履歴情報VHが共同視聴ユーザ情報VUを含む場合、リスト内の各表示項目は、認証ユーザとともにそのコンテンツを視聴した共同視聴ユーザを表す情報を含んでもよい。図5の例では、リスト内の表示項目のうち、共同視聴ユーザ情報VUを含む視聴履歴情報VHに対応する表示項目(上から2番目の表示項目)に、共同視聴ユーザを表象する共同視聴ユーザ表象画像Ivが表示されている。この共同視聴ユーザ表象画像Ivは、例えばユーザごとにユーザ管理サーバ31に登録されているアイコン画像であってもよいし、ユーザ名を表す文字列画像であってもよい。さらに、視聴履歴表示制御部43は、視聴タイプ情報VTによって特定される共同視聴ユーザそれぞれの視聴タイプをリスト内に表示してもよい。例えば視聴履歴表示制御部43は、視聴タイプごとに共同視聴ユーザ表象画像Ivの表示態様を変化させることにより、各共同視聴ユーザがどのような態様で共同視聴を行ったか(すなわち、オンライン型の共同視聴か、オフライン型の共同視聴か)を表示する。この場合に表示態様を変化させる方法は、例えば、共同視聴ユーザ表象画像Ivの色を変化させたり、共同視聴ユーザ表象画像Ivに視聴タイプごとに異なる所定のマークを付加したりするなどの方法であってよい。図5の例では、共同視聴ユーザ表象画像Ivとしてのアイコン画像の背景色を変化させることによって、二人の共同視聴ユーザが互いに異なる態様で認証ユーザと共同視聴を行ったことを示している。
【0061】
なお、視聴履歴表示制御部43は、ユーザの指示に応じて、上述した第1のリストに含まれる視聴履歴情報VHのうち、ユーザが指定する特定の関連ユーザのユーザ識別情報を共同視聴ユーザ識別情報VUIDとして含んだ視聴履歴情報VHだけを選択的にリスト表示してもよい。本実施形態では、視聴履歴情報VHに共同視聴ユーザ情報VUが含まれるため、認証ユーザが同じコンテンツを複数回視聴した場合であっても、この複数回の視聴のそれぞれについて、誰と一緒に視聴したかを示す共同視聴ユーザ情報VUを含んだ互いに異なる視聴履歴情報VHが記録されることになる。そこで視聴履歴表示制御部43は、認証ユーザ識別情報AUIDが認証ユーザのユーザ識別情報に一致する複数の視聴履歴情報VHから、ユーザが指定する共同視聴ユーザ識別情報VUIDをキーとして抽出を行うことによって、共同視聴ユーザごとの視聴履歴のリストを生成し、表示させることができる。これにより、認証ユーザは、自分が視聴した各種のコンテンツのうち、特定の関連ユーザと一緒に視聴したコンテンツだけを含んだリストを閲覧することができる。なお、認証ユーザは、共同視聴ユーザ識別情報VUIDだけでなく、視聴タイプ情報VTも指定することとし、視聴履歴表示制御部43は、指定された共同視聴ユーザ識別情報VUID及び視聴タイプ情報VTを含んだ視聴履歴情報VHを抽出してリスト表示してもよい。こうすれば、認証ユーザは、特定のユーザと特定の態様で共同視聴したコンテンツだけを含んだリストを閲覧することができる。
【0062】
図6は、視聴履歴の第2のリストの表示画面の例を示す図である。この例では、第2のリストは認証ユーザ及び関連ユーザ双方の視聴履歴情報VHの一覧であることとする。この図に示されるように、第2のリスト内の各表示項目は、図5で示した第1のリストで表示された内容に加えて、当該視聴履歴情報VHの認証ユーザ識別情報AUIDによって特定される認証ユーザを表象する認証ユーザ表象画像Iaを含む。認証ユーザ表象画像Iaは、共同視聴ユーザ表象画像Ivと同様、ユーザごとに設定されたアイコン画像やユーザ名を表す文字列画像であってよい。
【0063】
視聴履歴表示制御部43が視聴履歴情報VHのリストを表示した状態において、ユーザが操作部14に対する指示操作を行うことによってリストに含まれるいずれかの視聴履歴情報VHを選択した場合、コンテンツ再生処理部41は、当該選択された視聴履歴情報VHに対応するコンテンツ(すなわち、当該視聴履歴情報VH内のコンテンツ識別情報CIDによって識別されるコンテンツ)の再生処理を実行する。さらにこの場合において、コンテンツ再生処理部41は、当該選択された視聴履歴情報VH内の中断状態情報RIが示す中断状態に対応する状態から、コンテンツ再生処理を開始してもよい。これにより、認証ユーザは、自分自身が過去に視聴したコンテンツを選択して、前回視聴を中断したときの続きからコンテンツを視聴することもできるし、自分自身は視聴したことのないコンテンツであっても、自分の関連ユーザが視聴したコンテンツを第2のリストから選択して視聴することもできる。また、関連ユーザがコンテンツの特に注目すべき箇所(映像コンテンツにおける特定のシーンや電子書籍コンテンツにおける特定のページなど)に対応する状態でコンテンツの視聴を中断して視聴履歴情報VHを作成しておけば、認証ユーザは、そのような中断状態から当該コンテンツの視聴を開始することもできる。これにより、ユーザ間で単にコンテンツの視聴履歴を共有するだけでなく、コンテンツ内の特定のシーンやページなどに関する情報を容易に共有することができる。このような情報の共有を促進するために、各ユーザは、自身がコンテンツを視聴したことによって生成される視聴履歴情報VHに、コメントを付加することができてもよい。このコメントは、他の情報とともに視聴履歴表示制御部43が表示するリスト内に表示される。こうすれば、認証ユーザは、関連ユーザが付加したコメントを参照しながら、当該関連ユーザの視聴履歴の中から自分が視聴したいコンテンツを選択することができる。
【0064】
なお、あるユーザUaが関連ユーザUbとともに共同視聴を行った場合、これら二人のユーザそれぞれの識別情報を認証ユーザ識別情報AUIDとして含む二つの視聴履歴情報VHが生成され、視聴履歴管理サーバ20に記録される場合がある。この場合、第2のリストに同じコンテンツの視聴履歴が重複して表示されないように、視聴履歴表示制御部43は、関連ユーザの視聴履歴情報VHのうち、共同視聴ユーザ情報VU内に共同視聴ユーザ識別情報VUIDとして認証ユーザのユーザ識別情報を含む視聴履歴情報VHを抽出し、このような視聴履歴情報VHをリスト表示の対象から除外することとしてもよい。
【0065】
ここで、実際に各ユーザが本実施形態に係るコンテンツ視聴管理システム1を利用して視聴履歴を共有する際に各装置が実行する処理の流れの具体例について、図7のフロー図を用いて説明する。ここでは、ユーザUaがコンテンツ再生装置10aを、ユーザUbがコンテンツ再生装置10bを、それぞれ所有しており、ユーザUaはユーザUbの関連ユーザとして設定されているものとする。
【0066】
この例では、まずユーザUaがコンテンツ再生装置10aのユーザ認証部40による認証を受けて認証ユーザとなり(S1)、再生するコンテンツ(ここではコンテンツC1とする)を選択する指示を行う(S2)。ここで、コンテンツ再生装置10aのコンテンツ再生処理部41は、コンテンツの再生開始に先立って、当該コンテンツを一緒に視聴する共同視聴ユーザの情報を取得する(S3)。一例として、コンテンツ再生処理部41は、認証ユーザUaの関連ユーザの一覧を表示部15に表示して、今から誰と一緒にコンテンツC1を視聴するのかを認証ユーザUaに問い合わせる。図8は、このような共同視聴ユーザの問い合わせ画面の表示例を示している。ここではユーザUaは自宅でユーザUbとともにコンテンツC1を視聴することとし、図8の画面においてユーザUaはユーザUbを共同視聴ユーザとして選択する。
【0067】
その後、コンテンツ再生装置10aのコンテンツ再生処理部41は、S2で選択されたコンテンツC1の配信をコンテンツ配信サーバ30に要求し、配信されるコンテンツの再生処理を実行する(S4)。コンテンツC1の再生途中でユーザUaの指示によりコンテンツの再生処理が終了すると、コンテンツ再生処理部41は、前述したようにそのときの中断状態を示す中断状態情報RIを視聴履歴送信部42に対して出力する。これを受けて視聴履歴送信部42は、S4のコンテンツ再生処理についての視聴履歴情報VHを生成し、視聴履歴管理サーバ20に送信する(S5)。ここで、S5で送信される視聴履歴情報VHには、S4の処理によってコンテンツ再生処理部41が出力した中断状態情報RIが含まれる。また、S3で取得されたユーザUbのユーザ識別情報を、共同視聴ユーザ識別情報VUIDとして含んでいる。さらに、この共同視聴ユーザ識別情報VUIDに関連づけられた視聴タイプ情報VTは、オフライン型の共同視聴であることを示すものとなっている。
【0068】
その後、ユーザUbは、S4でユーザUaとともに視聴したコンテンツの続きを、コンテンツ再生装置10bを用いて自分一人で視聴しようとしたとする。このとき、まずコンテンツ再生装置10bのユーザ認証部40は、ユーザUbの認証を行う(S6)。ここでは、ユーザUbの認証が行われた段階で、コンテンツ再生装置10bは未登録の視聴履歴情報VHの登録処理を行うものとする。
【0069】
この登録処理は、他のユーザが自分自身を共同視聴ユーザとしてコンテンツを視聴した結果生成された視聴履歴情報VHを、自分自身の視聴履歴情報VHとして登録する処理である。具体的に、まずコンテンツ再生装置10bは、視聴履歴管理サーバ20に対して、認証ユーザのユーザ識別情報を共同視聴ユーザ識別情報VUIDとして含む未登録の視聴履歴情報VHが存在するか否かを問い合わせる。この問い合わせを受けて、視聴履歴管理サーバ20は、問い合わせの対象となったユーザ(ここではユーザUb)のユーザ識別情報を共同視聴ユーザ識別情報VUIDとして含み、かつ未登録の視聴履歴情報VHを検索する。そして、検索の結果抽出された視聴履歴情報VHについて、受け入れの可否をコンテンツ再生装置10bに問い合わせる(S7)。ここでは、S5でコンテンツ再生装置10aから視聴履歴管理サーバ20に送信された視聴履歴情報VHが検索条件に合致するため、当該視聴履歴情報VHの受け入れ可否について、コンテンツ再生装置10bに問い合わせが行われる。この問い合わせを受けて、ユーザUbは、当該視聴履歴情報VHの受け入れを行うか否かを指示する(S8)。ユーザUbが受け入れを拒絶する場合には、視聴履歴管理サーバ20は当該視聴履歴情報VHに基づくユーザUbの視聴履歴情報VHの生成処理は行わない。一方、受け入れが許可された場合、視聴履歴管理サーバ20はS5で受信した視聴履歴情報VHに基づいて、ユーザUb向けの視聴履歴情報VHを生成する。すなわち、視聴履歴管理サーバ20は、認証ユーザ識別情報AUIDとしてユーザUbのユーザ識別情報を含み、共同視聴ユーザ識別情報VUIDとして、ユーザUbの代わりに元の視聴履歴情報VHの認証ユーザ識別情報AUIDとして記録されていたユーザUaのユーザ識別情報を含んだ新たな視聴履歴情報VHを生成する。要するに、視聴履歴管理サーバ20は、元の視聴履歴情報VHから、ユーザUaのユーザ識別情報とユーザUbのユーザ識別情報とを入れ替えた視聴履歴情報VHを作成する。こうすると、ユーザUbは自分自身が認証ユーザとなった状態ではコンテンツC1の視聴を行っていないにも関わらず、認証ユーザとしてコンテンツC1の視聴を行ったのと同様の視聴履歴情報VHを視聴履歴管理サーバ20内に記憶させることができる。すなわち、他のユーザのコンテンツ再生装置10を使用して共同視聴を行った際の視聴履歴を、あたかも自分自身が所有するコンテンツ再生装置10bで視聴したかのような視聴履歴情報VHを生成して、他の視聴履歴情報VHとともに管理することができる。
【0070】
ここではユーザUbは、S8の処理において視聴履歴情報VHの受け入れを指示したものとする。その後、視聴履歴表示制御部43は、ユーザの要求に応じて視聴履歴情報VHの一覧表示を行う(S9)。前述したようにS4のコンテンツ視聴に対してユーザUbのユーザ識別情報を認証ユーザ識別情報AUIDとして含んだ視聴履歴情報VHがS8で生成されているので、視聴履歴表示制御部43は、第2のリストだけでなく、第1のリストにも、ユーザUbによるコンテンツ視聴の履歴としてS4のコンテンツ視聴に対応する視聴履歴情報VHを含めることができる。そのため、ユーザUbは、この視聴履歴情報VHを選択することによって、コンテンツC1の再生を指示することができる(S10)。
【0071】
S10の指示を受けて、コンテンツ再生装置10bのコンテンツ再生処理部41は、コンテンツC1の再生処理を開始する(S11)。しかも、S10で選択された視聴履歴情報VHに含まれる中断状態情報RIを参照することによって、コンテンツ再生処理部41は、S4でコンテンツ再生が中断された際の中断状態に対応する状態から、コンテンツの再生を開始する。これにより、ユーザUbは、ユーザUaとともに視聴したコンテンツの続きを、自分が所有するコンテンツ再生装置10bを利用して容易に視聴することができる。S11のコンテンツ再生処理が終了すると、コンテンツ再生装置10bの視聴履歴送信部42は、当該コンテンツ再生処理の中断状態を示す中断状態情報RIを含んだ新たな視聴履歴情報VHを生成し、視聴履歴管理サーバ20に送信する(S12)。
【0072】
なお、以上の説明では、関連ユーザのリストの中から共同視聴ユーザを選択する操作入力を認証ユーザから受け付けることによって、コンテンツ再生装置10は共同視聴ユーザの情報を取得することとしている。しかしながら、コンテンツ再生装置10は、その他の方法で共同視聴ユーザを特定してもよい。例えばコンテンツ再生装置10にカメラが接続されており、そのカメラによって表示部15を閲覧している人物を撮像することができる場合、当該カメラによって撮像された画像に対して顔認識の処理を行って、表示部15を閲覧中の人物を特定してもよい。ここで、関連ユーザの顔の特徴に関する情報が予めコンテンツ再生装置10内に記憶されていれば、コンテンツ再生装置10はカメラに写っている人物が誰なのかを照合することができる。また、各ユーザが自分自身を特定する識別情報を発信することのできる携帯端末を所持している場合、このような携帯端末から無線通信などによって受信した情報に基づいて、コンテンツ再生装置10は当該装置の近傍にいるユーザを共同視聴ユーザとして特定してもよい。
【0073】
次に、オフライン型の共同視聴とオンライン型の共同視聴が混在して行われる場合に各装置が実行する処理の流れの具体例について、図9のフロー図を用いて説明する。ここでは、ユーザUaがコンテンツ再生装置10aを、ユーザUbがコンテンツ再生装置10bを、ユーザUcがコンテンツ再生装置10cを、それぞれ所有しており、ユーザUa、ユーザUb、及びユーザUcの三者は相互に関連ユーザとして設定されているものとする。また、ユーザUaとユーザUbは図7のフローの例と同様にコンテンツ再生装置10aを用いて一緒にコンテンツC1を視聴することとし、これと同時にユーザUcは自身のコンテンツ再生装置10cを用いてコンテンツC1を視聴することとする。
【0074】
まずユーザUaは、S1と同様に、ユーザ認証部40の認証を受け(S21)、再生対象のコンテンツC1を選択する(S22)。次いでユーザUaは、一緒に視聴するユーザとして、ユーザUbを選択し(S23)、さらにユーザUcに対して共同視聴の招待メッセージを送信する(S24)。ここで、ユーザ管理サーバ31は各ユーザのログイン状況を管理していることとする。すなわち、各コンテンツ再生装置10のユーザ認証部40からユーザ認証の要求を受けて、当該認証に成功した旨の返信を行う場合、ユーザ管理サーバ31は、当該認証されたユーザがログイン状態になったことを示す状態情報を記録しておく。そして、他のコンテンツ再生装置10から関連ユーザがログイン状態になっているか否かの問い合わせを受けたときには、この状態情報を参照して回答を行う。これにより、各コンテンツ再生装置10は、認証ユーザの関連ユーザがログイン状態にあるか否かを示す情報を取得することができる。なお、各コンテンツ再生装置10は、認証ユーザが当該装置の使用を終了する旨の指示を行った場合、ログイン状態が解除された旨をユーザ管理サーバ31に対して送信し、これを受けてユーザ管理サーバ31は状態情報を更新することとする。以上のような処理により、各コンテンツ再生装置10は、認証ユーザの関連ユーザがログイン状態にあるか否かを知ることができるので、認証ユーザは、ログイン状態にある関連ユーザの中から任意のユーザを選んで、共同視聴の招待メッセージを送信することができる。ここでは、S24のメッセージ送信に先立って、ユーザUcはコンテンツ再生装置10cによるユーザ認証を受けてログイン状態になっているものとする(S25)。なお、S24で送信される招待メッセージには、ユーザUbがユーザUaとともにコンテンツを視聴しようとしていることを知らせる情報が含まれてもよい。これにより、ユーザUcは、コンテンツ再生装置10aの認証ユーザUaだけでなく、その関連ユーザであるユーザUbも一緒にコンテンツを視聴しようとしていることを知ることができる。
【0075】
ユーザUcが使用するコンテンツ再生装置10cは、S24の招待メッセージを受信すると、当該メッセージを表示してユーザUcに対して招待を受けるか否かを問い合わせる。これに対してユーザUcが招待を受ける旨のメッセージを返信した場合、オンライン型の共同視聴が成立する(S26)。なお、このコンテンツ再生装置10同士のメッセージの送受信は、ユーザ管理サーバ31を介して実行されることとしてもよい。この場合、ユーザ管理サーバ31は、招待メッセージに対して承諾する旨のメッセージをコンテンツ再生装置10cから受信すると、コンテンツ再生装置10aに対してユーザUcの承諾が得られた旨のメッセージを送信するとともに、コンテンツ配信サーバ30に対してコンテンツC1の一斉配信を指示する。なお、コンテンツ配信サーバ30への配信指示は、コンテンツ再生装置10aから行われてもよい。
【0076】
上記配信指示を受けて、コンテンツ配信サーバ30は、コンテンツ再生装置10a及び10cの双方に対して、コンテンツC1のリアルタイム配信を開始する(S27)。これにより、ユーザUa及びユーザUbはコンテンツ再生装置10aを用いて、ユーザUcはコンテンツ再生装置10cを用いて、それぞれコンテンツC1を同時期に視聴することができる。また、このコンテンツ再生処理の実行中、ユーザUaとユーザUcとはチャットメッセージの交換を行うことができてもよい。このコンテンツC1の再生処理がいずれかのユーザの中断指示等によって終了すると、コンテンツ再生装置10a及び10cのそれぞれは、当該コンテンツ再生の視聴履歴情報VHを生成して、視聴履歴管理サーバ20に送信する(S28)。ここで、コンテンツ再生装置10aが生成する視聴履歴情報VHは、ユーザUaのユーザ識別情報を認証ユーザ識別情報AUIDとして含み、共同視聴ユーザ情報VUとして、ユーザUb及びユーザUcそれぞれのユーザ識別情報、及びユーザUbがオフライン型、ユーザUcがオンライン型の共同視聴であることを示す視聴タイプ情報VTを含んでいる。また、コンテンツ再生装置10cが生成する視聴履歴情報VHは、ユーザUcのユーザ識別情報を認証ユーザ識別情報AUIDとして含み、共同視聴ユーザ情報VUとして、ユーザUa及びユーザUbそれぞれのユーザ識別情報、及びユーザUa,ユーザUbの双方ともオンライン型の共同視聴であることを示す視聴タイプ情報VTを含んでいる。
【0077】
その後は、ユーザUa及びユーザUcは、それぞれS28で視聴履歴管理サーバ20に記録された視聴履歴情報VHを利用して、S27で視聴したコンテンツC1の続きを視聴することができる。また、図6のS6以降の処理と同様の処理を行うことによって、ユーザUbも、ユーザUa及びユーザUcを共同視聴ユーザとする自分自身の視聴履歴情報VHを生成し、当該視聴履歴情報VHを利用してコンテンツC1の続きを視聴することができる。
【0078】
以上説明した本実施形態に係るコンテンツ視聴管理システム1によれば、各ユーザは、自分の関連ユーザの視聴履歴情報VHを取得して一覧表示させ、その中から自分の視聴したい視聴履歴情報VHを選択することによって、自分の友人が視聴しているコンテンツを容易に選択し、視聴することができる。また、この視聴履歴情報VHには、誰と一緒にどのような態様でコンテンツを共同視聴したかを示す共同視聴ユーザ情報VUが含まれる。当該情報を参照することで、例えば自分自身のコンテンツ再生装置10を使用するのではなく友人と一緒に他のコンテンツ再生装置10でコンテンツの視聴を行ったユーザも、当該友人と一緒に視聴したコンテンツを容易に選択し、自分のコンテンツ再生装置10で視聴することができる。
【0079】
なお、本発明の実施の形態は以上説明したものに限られない。例えば以上の説明では、オンライン型の共同視聴を行う場合、予め当該共同視聴を行うユーザ間で承諾を得てから一斉にコンテンツの視聴を開始することとしている。しかしながら、これに限らず、例えばあるユーザがコンテンツの視聴を行っている最中に当該コンテンツの視聴状況に関する情報をログイン状態にある当該ユーザの関連ユーザに通知することとし、関連ユーザは、このコンテンツ視聴に参加する旨の意思表示をコンテンツ配信サーバ30又はユーザ管理サーバ31に対して行うことによって、当該コンテンツのリアルタイム配信をコンテンツ配信サーバ30から受け付けることとしてもよい。この場合も、コンテンツ配信サーバ30又はユーザ管理サーバ31が共同視聴に参加したユーザの情報を各コンテンツ再生装置10に送信することによって、各コンテンツ再生装置10は共同視聴に参加した関連ユーザのユーザ識別情報を共同視聴ユーザ識別情報VUIDとして含む視聴履歴情報VHを生成し、視聴履歴管理サーバ20に登録することができる。
【0080】
また、以上の説明では、各コンテンツ再生装置10はコンテンツ再生処理の実行前にコンテンツ再生を指示するユーザを特定するために必ず認証処理を行うこととしたが、当該コンテンツ再生装置10を使用するのが常に一人のユーザだけである場合には、ユーザ認証部40によるユーザ認証は行わずともよい。この場合、コンテンツ再生装置10は、自分自身を使用する使用ユーザを識別するユーザ識別情報を記録しておき、コンテンツ再生を実行した際には、当該ユーザ識別情報を認証ユーザ識別情報AUIDとして含む視聴履歴情報VHを生成する。
【0081】
また、視聴履歴情報VHには、中断状態情報RIの代わりに、ユーザが任意に設定可能な再生開始位置や再生終了位置を示す情報を含んでもよい。こうすれば、各ユーザは、自分を関連ユーザとする他のユーザに対して、任意に視聴させたい個所を選んで設定された視聴履歴情報VHを提供することができる。
【0082】
また、以上の説明では、各コンテンツ再生装置10は、認証ユーザに対して直接友人として関連づけられた関連ユーザの視聴履歴情報VHを取得することとしたが、さらに関連ユーザの関連ユーザとして設定されたユーザ(すなわち、認証ユーザの友人の友人)など、さらに広い範囲のユーザを関連ユーザとして、その視聴履歴情報VHを取得してもよい。
【0083】
また、以上の説明においては、各コンテンツ再生装置10は他のコンテンツ再生装置10が生成した視聴履歴情報VHを常に視聴履歴管理サーバ20を介して取得することとしたが、各コンテンツ再生装置10は、場合によっては、他のコンテンツ再生装置10から直接的に視聴履歴情報VHを取得してもよい。具体的には、例えば認証ユーザが指示を行うことにより、コンテンツ再生装置10は、自分自身を関連ユーザとする他のユーザが使用する他のコンテンツ再生装置10に対して、直接視聴履歴情報VHを送信する。こうすれば、各コンテンツ再生装置10は、視聴履歴管理サーバ20の動作が停止している場合や、視聴履歴管理サーバ20との通信接続が確立できない場合、またそもそも視聴履歴管理サーバ20が存在しない場合であっても、他のコンテンツ再生装置10の視聴履歴情報VHを取得して、ユーザに提示することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 コンテンツ視聴管理システム、10 コンテンツ再生装置、11,21 制御部、12,22 記憶部、13,23 通信部、14 操作部、15 表示部、16 音声再生部、20 視聴履歴管理サーバ、30 コンテンツ配信サーバ、31 ユーザ管理サーバ、40 ユーザ認証部、41 コンテンツ再生処理部、42 視聴履歴送信部、43 視聴履歴表示制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの指示に応じてコンテンツ再生処理を実行するコンテンツ再生装置であって、
前記ユーザに関連づけられた関連ユーザが当該コンテンツ再生装置とは別のコンテンツ再生装置により視聴したコンテンツの視聴履歴情報を取得する視聴履歴情報取得手段と、
前記視聴履歴情報取得手段が取得した、前記関連ユーザによるコンテンツの視聴履歴情報をユーザに提示する視聴履歴情報提示手段と、
前記視聴履歴情報提示手段が提示した視聴履歴情報を前記ユーザが選択した場合に、当該選択された視聴履歴情報が示すコンテンツの再生処理を実行するコンテンツ再生手段と、
を含むことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ再生装置において、
前記視聴履歴情報は、前記別のコンテンツ再生装置によるコンテンツの再生が中断された場合における、当該中断時点のコンテンツの再生状態を示す中断状態情報を含み、
前記コンテンツ再生手段は、前記選択された視聴履歴情報に含まれる中断状態情報に応じて決まる状態から、前記コンテンツの再生を開始する
ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコンテンツ再生装置において、
前記視聴履歴情報は、前記別のコンテンツ再生装置が再生したコンテンツを、前記関連ユーザとともに視聴した共同視聴ユーザの情報を含み、
前記視聴履歴情報提示手段は、前記視聴履歴情報に含まれる、前記関連ユーザとともに前記コンテンツを視聴した共同視聴ユーザを示す情報を前記ユーザに提示する
ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項4】
請求項3に記載のコンテンツ再生装置において、
前記視聴履歴情報は、前記共同視聴ユーザが、どのような態様で前記関連ユーザとともに前記コンテンツを視聴したかを示す視聴タイプ情報をさらに含み、
前記視聴履歴情報提示手段は、前記視聴タイプ情報に応じて、前記共同視聴ユーザがどのような態様で前記関連ユーザとともに前記コンテンツを視聴したかを前記ユーザに提示する
ことを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項5】
複数のコンテンツ再生装置と、当該複数のコンテンツ再生装置のそれぞれに接続される視聴履歴管理サーバと、を含むコンテンツ視聴管理システムであって、
前記複数のコンテンツ再生装置のそれぞれは、
ユーザの指示に応じてコンテンツの再生処理を実行するコンテンツ再生処理手段と、
前記コンテンツの再生処理結果を示す視聴履歴情報を前記視聴履歴管理サーバに送信する視聴履歴情報送信手段と、
前記視聴履歴管理サーバから視聴履歴情報を受信して、前記ユーザに提示する視聴履歴情報提示手段と、
前記視聴履歴情報提示手段が提示した視聴履歴情報を前記ユーザが選択した場合に、当該選択された視聴履歴情報が示すコンテンツの再生処理を実行するコンテンツ再生手段と、
を含み、
前記視聴履歴管理サーバは、
前記複数のコンテンツ再生装置から受信した複数の視聴履歴情報を記録する手段と、
前記複数のコンテンツ再生装置の一つからの要求に応じて、当該要求を行ったコンテンツ再生装置を使用中のユーザに関連づけられた関連ユーザが当該要求を行ったコンテンツ再生装置とは別のコンテンツ再生装置により視聴したコンテンツの視聴履歴情報を、当該要求を行ったコンテンツ再生装置に送信する手段と、
を含み、
前記要求を行ったコンテンツ再生装置の前記視聴履歴情報提示手段は、前記視聴履歴管理サーバから受信した前記関連ユーザによるコンテンツの視聴履歴情報を、当該要求を行ったコンテンツ再生装置を使用中のユーザに提示する
ことを特徴とするコンテンツ視聴管理システム。
【請求項6】
ユーザの指示に応じてコンテンツ再生処理を実行するコンテンツ再生装置の制御方法であって、
前記ユーザに関連づけられた関連ユーザが当該コンテンツ再生装置とは別のコンテンツ再生装置により視聴したコンテンツの視聴履歴情報を取得する視聴履歴情報取得ステップと、
前記視聴履歴情報取得ステップで取得された、前記関連ユーザによるコンテンツの視聴履歴情報をユーザに提示する視聴履歴情報提示ステップと、
前記視聴履歴情報提示ステップで提示された視聴履歴情報を前記ユーザが選択した場合に、当該選択された視聴履歴情報が示すコンテンツの再生処理を実行するコンテンツ再生ステップと、
を含むことを特徴とするコンテンツ再生装置の制御方法。
【請求項7】
ユーザの指示に応じてコンテンツ再生処理を実行するコンテンツ再生装置を制御するためのプログラムであって、前記コンテンツ再生装置を、
前記ユーザに関連づけられた関連ユーザが当該コンテンツ再生装置とは別のコンテンツ再生装置により視聴したコンテンツの視聴履歴情報を取得する視聴履歴情報取得手段、
前記視聴履歴情報取得手段が取得した、前記関連ユーザによるコンテンツの視聴履歴情報をユーザに提示する視聴履歴情報提示手段、及び、
前記視聴履歴情報提示手段が提示した視聴履歴情報を前記ユーザが選択した場合に、当該選択された視聴履歴情報が示すコンテンツの再生処理を実行するコンテンツ再生手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記憶した、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−248960(P2012−248960A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117311(P2011−117311)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】