説明

コンテンツ受信装置及びコンテンツ再生装置

【課題】メインルームおよびサブルームから同一のコンテンツ再生装置のコンテンツを再生できる場合でも、適切なレジューム情報に基づいてコンテンツ再生装置を再生制御すること。
【解決手段】 コンテンツ再生装置が電源オン状態からスタンバイ状態に移行する際に、メインルーム及びサブルーム選択手段により選択されているコンテンツ再生装置のレジューム情報を取得してレジューム情報を登録する。コンテンツ再生装置がスタンバイ状態から電源オン状態に移行する際に、記憶されているレジューム情報を読み出して、選択されているコンテンツ再生装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ再生装置とコンテンツ受信装置とを備えるコンテンツ再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
AVアンプには、複数のコンテンツ再生装置(例えば、DVDプレーヤ、HDDレコーダ等)と、複数のディスプレイ装置と、複数のスピーカーとが接続可能である。例えば、図10に示すように、メインルームZONE1には、AVアンプ20、DVDプレーヤ10A、HDDレコーダ10B、ディスプレイ装置30A、スピーカー60A、リモコン受信器24Aが配置され、サブルームZONE2には、ディスプレイ装置30B、スピーカー60B、リモコン受信器24Bが配置される。AVアンプ20には、メインルーム用およびサブルーム用のセレクタ(DVDセレクタ、HDDセレクタ)が設けられており、メインルーム用セレクタ、サブルーム用セレクタをそれぞれ選択することによって、メインルームZONE1およびサブルームZONE2に映像及び音声を再生するコンテンツ再生装置を選択することができる。例えば、メインルーム用セレクタはDVDが選択され、サブルーム用セレクタはHDDが選択されている場合、メインルームZONE1ではDVDプレーヤ10Aの映像及び音声が再生され、サブルームZONE2ではHDDレコーダ10Bの映像及び音声が再生される。また、メインルーム用セレクタおよびサブルーム用セレクタは共にHDDが選択されている場合、メインルームZONE1及びサブルームZONE2では共にHDDレコーダ10Bの映像及び音声が再生される。
【0003】
ここで、DVDプレーヤ10A及びHDDレコーダ10Bにはレジューム機能が設けられており、(あるコンテンツの)ある再生位置(再生時間)で再生を停止した場合には、その再生位置をレジューム情報としてメモリに記憶しておき、次回再生指示が入力されたときに、記憶されているレジューム情報で特定される再生位置から再生を開始することができる。しかし、上記のように、メインルームZONE1及びサブルームZONE2で同じコンテンツ再生装置の映像データ及び音声データを再生できる場合、以下のような問題が生じる。すなわち、メインルームZONE1のユーザ操作によってDVDプレーヤ10Aが例えば10:00の再生位置で再生停止した場合に、DVDプレーヤ10Aは再生位置10:00をレジューム情報としてメモリに記憶する。次に、サブルームZONE2のユーザ操作によってDVDプレーヤ10Aが再生されると、DVDプレーヤ10Aはメモリ内のレジューム情報である再生位置10:00を消去する。そして、例えば20:00の再生位置で再生停止した場合に、DVDプレーヤ10Aは、再生位置20:00をレジューム情報として新たにメモリに記憶する。次に、メインルームZONE1のユーザ操作によって再度DVDプレーヤ10Aが再生されると、ユーザは10:00から再生開始すると理解しているにも関わらず、レジューム情報として再生位置20:00が記憶されているので、20:00から再生開始されてしまい、ユーザに違和感を与えてしまう。
【0004】
また、メインルームZONE1でDVDセレクタが選択され、DVDプレーヤ10Aが再生している際に、メインルームZONE1のセレクタがHDDセレクタに変更されたとき、DVDプレーヤ10Aは再生を継続する。従って、メインルームZONE1のセレクタを再度DVDセレクタに変更した際にはHDDセレクタに変更する前に再生していた位置からDVDプレーヤ10Aに再生を再開させることができない。メインルームZONE1のセレクタがHDDセレクタに変更される際に、ユーザ操作によってDVDプレーヤ10Aの再生を停止または一次停止すればよいが、サブルームZONE2のユーザ操作によってDVDプレーヤ10Aが再生開始されてしまうと、やはり、メインルームZONE1のセレクタを再度DVDセレクタに変更した際にはHDDセレクタに変更する前に再生していた位置からDVDプレーヤ10Aに再生を再開させることができない。
【0005】
また、メインルームZONE1でDVDセレクタが選択され、DVDプレーヤ10Aが再生している際に、AVアンプ20が電源オン状態からスタンバイ状態にされたとき、DVDプレーヤ10Aは再生を継続する。従って、AVアンプ20を再度スタンバイ状態から電源オン状態にした際には、DVDプレーヤ10Aにスタンバイ状態にする前に再生していた位置から再生を再開させることができない。AVアンプ20が電源オン状態からスタンバイ状態にされたとき、ユーザ操作によってDVDプレーヤ10Aの再生を停止または一次停止すればよいが、サブルームZONE2のユーザ操作によってDVDプレーヤ10Aが再生開始されてしまうと、やはり、AVアンプ20を再度スタンバイ状態から電源オン状態にした際には、DVDプレーヤ10Aにスタンバイ状態にする前に再生していた位置から再生を再開させることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−220212号公報
【特許文献2】特開2006−4489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、メインルームおよびサブルームから同一のコンテンツ再生装置のコンテンツを再生できる場合でも、適切なレジューム情報に基づいてコンテンツ再生装置を再生制御することができるコンテンツ再生システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、コンテンツを再生する複数のコンテンツ再生装置が接続可能であり、前記複数のコンテンツ再生装置からコンテンツを受信するコンテンツ受信装置であって、いずれかの前記コンテンツ再生装置からのコンテンツをメインルームに配置された機器に出力するメインルーム出力手段と、いずれかの前記コンテンツ再生装置からのコンテンツをサブルームに配置された機器に出力するサブルーム出力手段と、前記メインルーム出力手段がメインルームに配置された機器に出力するコンテンツを再生するコンテンツ再生装置を選択するメインルーム選択手段と、前記サブルーム出力手段がサブルームに配置された機器に出力するコンテンツを再生するコンテンツ再生装置を選択するサブルーム選択手段と、前記メインルーム選択手段によって選択可能な各コンテンツ再生装置に対してレジューム情報を記憶するためのメインルームレジューム記憶部と、前記サブルーム選択手段によって選択可能な各コンテンツ再生装置に対してレジューム情報を記憶するためのサブルームレジューム記憶部と、前記コンテンツ受信装置が電源オン状態からスタンバイ状態に移行する際に、前記メインルーム選択手段によって選択されているコンテンツ再生装置からレジューム情報を取得し、前記メインルームレジューム記憶部に前記メインルーム選択手段によって選択されているコンテンツ再生装置に対応付けて前記レジューム情報を登録し、前記サブルーム選択手段によって選択されているコンテンツ再生装置からレジューム情報を取得し、前記サブルームレジューム記憶部に前記サブルーム選択手段によって選択されているコンテンツ再生装置に対応付けて前記レジューム情報を登録するレジューム登録手段と、前記コンテンツ受信装置がスタンバイ状態から電源オン状態に移行する際に、前記メインルームレジューム記憶部から前記メインルーム選択手段によって選択されているコンテンツ再生装置に対応付けて記憶されているレジューム情報を読み出して、前記メインルーム選択手段によって選択されているコンテンツ再生装置に送信し、前記サブルームレジューム記憶部から前記サブルーム選択手段によって選択されているコンテンツ再生装置に対応付けて記憶されているレジューム情報を読み出して、前記サブルーム選択手段によって選択されているコンテンツ再生装置に送信する再生制御手段とを備える。
【0009】
また、本発明は、このようなコンテンツ受信装置に接続可能な前記コンテンツ再生装置であって、前記レジューム登録手段からの要求に応答して、レジューム情報を前記レジューム登録手段に送信するレジューム送信手段と、前記再生制御手段から前記レジューム情報を受信した際に、前記レジューム情報に基づいてコンテンツを再生する再生手段とを有する。
【発明の効果】
【0010】
メインルームおよびサブルームから同一のコンテンツ再生装置のコンテンツを再生できる場合でも、適切なレジューム情報に基づいてコンテンツ再生装置を再生制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生システムを示すブロック図である。
【図2】セレクタテーブルを示す図である。
【図3】レジューム情報テーブルを示す図である。
【図4】メインルームのセレクタを変更する際のAVアンプの処理を示すフローチャートである。
【図5】セレクタを変更する際のコンテンツ再生装置の処理を示すフローチャートである。
【図6】サブルームのセレクタを変更する際のAVアンプの処理を示すフローチャートである。
【図7】メインルームのセレクタを変更する際のAVアンプの処理を示すフローチャートである。
【図8】サブルームのセレクタを変更する際のAVアンプの処理を示すフローチャートである。
【図9】AVアンプを電源オン状態またはスタンバイ状態にする際の処理を示すフローチャートである。
【図10】従来のコンテンツ再生システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ再生装置(例えば、DVDプレーヤ、HDDレコーダ等)、コンテンツ受信装置(例えば、AVアンプ)を備えるコンテンツ再生システムついて、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0013】
図1は、本実施形態のコンテンツ再生システムを示すブロック図である。メインルームZONE1には、AVアンプ20と、AVアンプ20に接続されたDVDプレーヤ10Aと、HDDレコーダ10Bと、ディスプレイ装置30Aと、スピーカー60Aと、リモコン受信器24Aとが配置され、サブルームZONE2には、AVアンプ20に接続されたディスプレイ装置30Bと、スピーカー60Bと、リモコン受信器24Bとが配置されている。AVアンプ20と、DVDプレーヤ10A、HDDレコーダ10B及びディスプレイ装置30A,30Bとは、例えばHDMI規格に準拠し、HDMIケーブルを介して相互に接続されている。本実施形態において、コンテンツとは、映像(画像)データおよび/または音声データの総称である。
【0014】
[DVDプレーヤ10Aの構成]
DVDプレーヤ10Aは、再生部11と、HDMI送信部13と、システム制御部14と、操作表示部15と、メモリ16と、コネクタ部17とを有している。
【0015】
再生部11は、DVDディスク(以下、単にディスクという。)に記録されている映像データ及び音声データをディスクから読み出して、HDMI送信部13に供給する。再生部11は、図示しない光ピックアップ、サーボ回路、MPEGデコーダ、音声デコーダ等を含む。
【0016】
HDMI送信部13は再生部11から供給された映像データおよび音声データを、システム制御部14からのコマンドにより、HDMI規格のデータ(以下、HDMIデータ)に変換する。HDMI送信部13は、HDMIデータをコネクタ部17を介してAVアンプ20に送信する。HDMI送信部13は、HDMIデータを送受信するTMDSラインおよび接続の有無を判断するためのホットプラグを介して、AVアンプ20のHDMI受信部21に接続される。
【0017】
システム制御部14は、内蔵又は接続されたメモリに格納されているDVDプレーヤの動作プログラムに基づいて、再生部11、HDMI送信部13、操作表示部15、メモリ16等を制御するものであり、例えば、マイクロコンピュータやCPU等である。システム制御部14は、操作表示部15からの操作入力または各部からの制御信号およびデータに基づいて各種処理を実行する。
【0018】
システム制御部14は、CECラインを介してAVアンプ20のシステム制御部23に接続され、システム制御部23とコマンドおよび/またはデータを送受信する。システム制御部14は、システム23からセレクタ解除通知又はスタンバイ通知を受信したとき、再生部11から現在再生している再生位置の情報を取得して、再生位置(または再生時間)をレジューム情報としてAVアンプ20のシステム制御部23に送信する。また、システム制御部14は、AVアンプ20のシステム制御部23からレジューム情報を受信したとき、レジューム情報で特定される再生位置からコンテンツを再生するように再生部11を制御する。なお、DVDプレーヤがDVDチェンジャである場合には、レジューム情報にはディスクを特定するためのディスク情報が含まれているとよい。
【0019】
[HDDレコーダ10Bの構成]
HDDレコーダ10Bの構成は、上記のDVDプレーヤ10Aの構成と類似するので異なる点のみを記載する。HDDレコーダ10Bは、コンテンツ記憶部であるHDD(ハードディスクドライブ)12をさらに備えている。HDD12には複数のコンテンツ(映像ファイルまたは音楽ファイル)が記録されている。HDDレコーダ10Bのレジューム情報は、複数のコンテンツの中から1つのコンテンツを特定するためのコンテンツ特定情報と、そのコンテンツの再生位置(再生時間やアドレス等)とを含む。コンテンツ特定情報は、コンテンツに対して一意に付与されるコンテンツIDでもよく、複数のメタデータ(例えばアーティスト名と曲名と)の組合せであってもよい。
【0020】
[AVアンプの構成]
AVアンプ20は、HDMI受信部21と、HDMI送信部22と、システム制御部23と、リモコン受信器24A,24Bと、操作表示部25と、音声処理部26と、コネクタ部27a,27bと、メモリ(ROM,RAM等)28とを有している。
【0021】
HDMI受信部21は、DVDプレーヤ10AおよびHDDレコーダ10Bから送信されたHDMIデータを受信して、受信したHDMIデータから元の映像データ(HDMI変換前の映像データ)を生成して、HDMI送信部22に供給する。また、HDMI受信部21は、受信したHDMIデータから元の音声データを生成して、音声処理部26に供給する。
【0022】
また、HDMI受信部21は、セレクタ回路としての機能を有している。本例では、セレクタは、メインルームZONE1、サブルームZONE2毎に、DVDセレクタとHDDセレクタとを有する。DVDセレクタにはDVDプレーヤ10Aが接続されるコネクタ27aが割り当てられており、DVDセレクタが選択されると、DVDプレーヤ10AからのHDMIデータに含まれるコンテンツがHDMI受信部21で処理される。同様に、HDDセレクタにはHDDレコーダ10Bが接続されるコネクタ27bが割り当てられており、HDDセレクタが選択されると、HDDレコーダ10BからのHDMIデータに含まれるコンテンツがHDMI受信部21で処理される。現在選択されているセレクタは、図2に示すようにセレクタテーブルとしてメモリ28に記憶されている。
【0023】
例えば、図2(a)に示すように、メインルーム用セレクタはDVDが選択され、サブルーム用セレクタはHDDが選択されている場合、HDMI受信部21は、メインルームZONE1に対してはDVDプレーヤ10Aからの映像データ及び音声データを受信し、メインルームZONE1に配置されたディスプレイ装置30A及びスピーカー60Aに出力するように動作し、サブルームZONE2に対してはHDDレコーダ10Bからの映像データ及び音声データを受信し、サブルームZONE2に配置されたディスプレイ装置30B及びスピーカー60Bに出力するように動作する。また、図2(b)に示すように、メインルーム用セレクタおよびサブルーム用セレクタは共にHDDが選択されている場合、メインルームZONE1及びサブルームZONE2に対して共にHDDレコーダ10Bからの映像データ及び音声データを受信し、各ルームに配置されたディスプレイ装置30A,30B、スピーカー60A,60Bに出力するように動作する(但し、この場合、図1のハードウェア構成においては、メインルームZONE1とサブルームZONE2とで再生されるコンテンツの再生位置を異ならせることができない)。
【0024】
図1に戻り、音声処理部26は、HDMI受信部21から供給された音声データをデコードし、遅延処理、イコライザ処理、D/A変換処理、音量調整処理、増幅処理等の各処理を実行し、外部に接続されたスピーカー60A,または、60Bに音声信号を供給する。音声信号をメインルームZONE1に配置されたスピーカー60Aに出力するか、サブルームZONE2に配置されたスピーカー60Bに出力するか、又は、両方のスピーカー60A,60Bに出力するかは図2のセレクタテーブルを参照して特定される。
【0025】
HDMI送信部22は、HDMI受信部21から供給された映像データを、HDMIデータに変換する。HDMI送信部22は、変換したHDMIデータをディスプレイ装置30A,30Bに送信し、ディスプレイ装置30A,30Bに映像を表示させる。映像データを含むHDMIデータをメインルームZONE1に配置されたディスプレイ装置30Aに出力するか、サブルームZONE2に配置されたディスプレイ装置30Bに出力するか、又は、両方のディスプレイ装置30A,30Bに出力するかは図2のセレクタテーブルを参照して特定される。
【0026】
リモコン受信器24Aは、メインルームZONE1のユーザ操作によってリモコン信号を受信し、システム制御部23にリモコン信号を供給する。リモコン受信器24Bは、サブルームZONE2のユーザ操作によってリモコン信号を受信し、システム制御部23にリモコン信号を供給する。これらのリモコン信号は、例えば、各ルーム用のセレクタを変更する指示、再生開始する指示、AVアンプ20をスタンバイ状態にする指示、AVアンプ20を電源オン状態にする指示等である。操作表示部25は、メインルームZONE1のユーザ操作によって操作信号が入力され、システム制御部23に操作信号を供給するものであり、AVアンプ20のフロントパネルに設けられた操作スイッチである。この操作信号は、同様に、各ルーム用のセレクタを変更する指示、再生開始する指示、AVアンプ20をスタンバイ状態にする指示、AVアンプ20を電源オン状態にする指示等である。
【0027】
システム制御部23は、内蔵又は接続されたメモリに記憶されているAVアンプの動作プログラムに基づいて、HDMI受信部21、HDMI送信部22、操作表示部25、音声処理部26、メモリ28等を制御するものであり、例えば、マイクロコンピュータやCPU等である。システム制御部23は、操作表示部25、リモコン受信器24A,24Bからの操作入力または各部からの制御信号およびデータに基づいて各種処理を実行する。システム制御部23は、CECラインを介してDVDプレーヤ10のシステム制御部14に接続され、システム制御部14とコマンドおよびデータを送受信する。
【0028】
システム制御部23は、メインルームZONE1またはサブルームZONE2のセレクタを変更する指示が入力された場合、現在選択されているセレクタ(変更前のセレクタ)に対応するコンテンツ再生装置からレジューム情報を要求して取得する。取得したレジューム情報は、メモリ28に保存される図3に示すレジューム情報テーブルに記憶される。
【0029】
レジューム情報テーブルは、各ルームの各セレクタに対してレジューム情報を記憶できるようになっている。図3に示すように、メインルームZONE1のDVDセレクタにはDVDプレーヤ10Aのレジューム情報REDVD1が、メインルームZONE1のHDDセレクタにはHDDレコーダ10Bのレジューム情報REHDD1が、サブルームZONE2のDVDセレクタにはDVDプレーヤ10Aのレジューム情報REDVD2が、サブルームZONE2のHDDセレクタにはHDDレコーダ10Bのレジューム情報REHDD2が、それぞれ記憶される。
【0030】
すなわち、メインルームZONE1のセレクタを(DVDセレクタから)HDDセレクタに変更する指示が入力されると、システム制御部23はDVDプレーヤ10Aのレジューム情報を取得して図3のメインルームZONE1のDVDセレクタのフィールドに登録する。サブルームZONE2のセレクタを(HDDセレクタから)DVDセレクタに変更する指示が入力されると、システム制御部23はHDDレコーダ10Bのレジューム情報を取得して図3のサブルームZONE2のHDDセレクタのフィールドに登録する。
【0031】
システム制御部23は、メインルームZONE1またはサブルームZONE2のセレクタを変更する指示が入力された場合、図3のレジューム情報テーブルに、変更後のセレクタのレジューム情報が記憶されているかを確認し、記憶されている場合にはそのレジューム情報を読み出して、コンテンツ再生装置に送信する。例えば、メインルームZONE1についてセレクタを(DVDセレクタから)HDDセレクタに変更する指示が入力されると、システム制御部23は、レジューム情報テーブルのメインルームZONE1のHDDセレクタのフィールドにレジューム情報が記憶されていれば、そのレジューム情報をHDDレコーダ10Bに送信する。
【0032】
また、サブルームZONE2についてセレクタを(HDDセレクタから)DVDセレクタに変更する指示が入力されると、システム制御部23は、レジューム情報テーブルのサブルームZONE2のDVDセレクタのフィールドにレジューム情報が記憶されていれば、そのレジューム情報をDVDプレーヤ10Aに送信する。
【0033】
このときに、メインルームZONE1でもDVDプレーヤ10Aのコンテンツを再生しているとき、サブルームZONE2のDVDセレクタのフィールドに記憶されているレジューム情報をDVDプレーヤ10Aに送信すると、DVDプレーヤ10Aの再生位置が、送信されたサブルームZONE2用のレジューム情報で特定される再生位置に変更される。すると、メインルームZONE1でDVDプレーヤ10Aのコンテンツを再生しているユーザに不快感を与える。そこで、一例として、メインルームZONE1の再生位置を優先し、後からサブルームZONE2のレジューム情報をDVDプレーヤ10Aに送信する前に、メインルームZONE1のセレクタが同じセレクタ(DVDセレクタ)になっている場合には、サブルームZONE2のレジューム情報をDVDプレーヤ10Aに送信しないようにすることで、この問題を解決できる。一方、後からメインルームZONE1のレジューム情報を送信する際には、サブルームZONE2のセレクタに関係なく、無条件で、DVDプレーヤ10Aに送信するとよい。
【0034】
以下、本実施形態のコンテンツ再生システムの動作を説明する。
[メインルームZONE1のセレクタ変更処理]
図4はAVアンプ20のシステム制御部23の処理を示すフローチャート、図5はDVDプレーヤ10A又はHDDレコーダ10Bのシステム制御部14の処理を示すフローチャートである。本例では、メインルームZONE1のセレクタがDVDセレクタからHDDセレクタに変更される場合を例に説明する。
【0035】
図4に示すように、システム制御部23はメインルームZONE1のセレクタ変更指示がユーザ操作によって入力されたか否かを監視しており(S1)、DVDセレクタからHDDセレクタに変更する指示が入力されると(S1でYES)、システム制御部23は、現在選択されているセレクタのコンテンツ再生装置(DVDプレーヤ10A)のシステム制御部14にセレクタ解除通知をCECラインを介して送信する(S2)。図5に示すように、DVDプレーヤ10Aのシステム制御部14は、セレクタ解除通知の受信を監視しており(S41)、セレクタ解除通知を受信すると(S41でYES)、再生部11における現在のコンテンツの再生位置をレジューム情報として、AVアンプ20のシステム制御部23にCECラインを介して送信する(S42)。なお、再生部11が再生停止している場合でも、メモリに再生停止位置を記憶している場合にはその再生停止位置をレジューム情報として送信すればよい。図4に示すように、AVアンプ20のシステム制御部23は、DVDプレーヤ10Aのシステム制御部14からレジューム情報を受信すると、レジューム情報テーブルのメインルームZONE1のDVDセレクタのフィールドに受信したレジューム情報を登録する(S3)。なお、既にレジューム情報が記憶されている場合は、記憶されているレジューム情報を消去して、今回取得したレジューム情報を登録する(上書きする)。
【0036】
続いて、システム制御部23は、現在選択されているセレクタ(DVDセレクタ)は、サブルームZONE2でも選択されているか否かを図2のセレクタテーブルを参照して判断する(S4)。すなわち、現在、メインルームZONE1とサブルームZONE2とで同じコンテンツ再生装置のコンテンツを再生しているか否かが判断される。サブルームZONE2のセレクタがメインルームZONE1と同じくDVDセレクタである場合(S4でYES)、S6に進む。一方、サブルームZONE2のセレクタがメインルームZONE1と異なりHDDセレクタである場合(S4でNO)、DVDプレーヤ10AからのコンテンツはメインルームZONE1にもサブルームZONE2にも出力されないことになるので、システム制御部23は、CECラインを介してDVDプレーヤ10Aのシステム制御部14に電源オフコマンドを送信する(S5)。図5に示すように、DVDプレーヤ10Aのシステム制御部14は、電源オフコマンドの受信を監視しており(S50)、電源オフコマンドを受信すると(S50でYES)、スタンバイ状態であることをAVアンプ20のシステム制御部23に通知した後、電源オン状態からスタンバイ状態になる(S51)。AVアンプ20のシステム制御部23は、DVDプレーヤ10A、HDDレコード10Bが電源オン状態であるか、スタンバイ状態であるかをメモリ上で管理している。
【0037】
ここで、AVアンプ20およびコンテンツ再生装置10は、装置全体に電源電圧を供給する主電源回路と、システム制御部及びその周辺回路のみに電源電圧を供給するスタンバイ電源回路とを備えており、電源オン状態においては主電源回路及びスタンバイ電源回路が共にオン状態にされ、スタンバイ状態においては主電源回路がオフ状態、スタンバイ電源回路がオン状態にされている。電源オン状態では、コンテンツの再生、コンテンツの送受信およびその他の処理を実行することができる。スタンバイ状態では、コンテンツの再生、コンテンツの送受信およびその他の処理を実行することはできないが、リモコン信号や電源オンコマンド等によって電源オン状態に移行することができる。
【0038】
図4に示すように、AVアンプ20のシステム制御部23は、メインルームZONE1のセレクタをDVDセレクタからHDDセレクタに変更する(S6)。すなわち、システム制御部23は、メインルームZONE1に出力するコンテンツとしてHDDレコーダ10BからのHDMIデータを選択するようにHDMI受信部21を制御する。また、システム制御部23は、図2のセレクタテーブルのメインルームZONE1のフィールドを、変更後のセレクタであるHDDセレクタに書き換える。
【0039】
続いて、システム制御部23は、変更後のセレクタのコンテンツ再生装置(HDDレコーダ10B)が電源オン状態であるか否かを判断する(S7)。HDDレコーダ10Bが電源オン状態である場合には(S7でYES)、S9に進む。一方、HDDレコーダ10Bがスタンバイ状態である場合には(S7でNO)、システム制御部23は、CECラインを介してHDDレコーダ10Bのシステム制御部14bに電源オンコマンドを送信する(S8)。図5に示すように、HDDレコーダ10Bのシステム制御部14bは、電源オンコマンドを受信したか否かを監視しており(S43)、電源オンコマンドを受信すると(S43でYES)、スタンバイ状態から電源オン状態に移行する(S44)。
【0040】
続いて、システム制御部23は、変更後のセレクタのコンテンツ再生装置(HDDレコーダ10B)について、ユーザ操作によって再生指示が入力されたか否かを監視しており(S9)、再生指示が入力された場合(S9でYES)、システム制御部23は、HDDレコーダ10Bのシステム制御部14bに再生コマンドを送信する(S10)。さらに、システム制御部23は、変更後のセレクタのコンテンツ再生装置(HDDレコーダ10B)についてレジューム情報が記憶されているかを判断する(S11)。つまり、システム制御部23は、レジューム情報テーブルのメインルームZONE1のHDDセレクタのフィールドにレジューム情報が記憶されているかを判断する。当該レジューム情報がレジューム情報テーブルに記憶されている場合(S11でYES)、システム制御部14は、レジューム情報テーブルから当該レジューム情報を読み出して、CECラインを介して、HDDレコーダ10Bのシステム制御部14bに送信する(S12)。
【0041】
図5に示すように、HDDレコーダ10Bのシステム制御部14bは、再生コマンドの受信を監視しており(S45)、再生コマンドを受信すると(S45でYES)、レジューム情報をシステム制御部23から受信したかを判断する(S46)。レジューム情報を受信した場合(S46でYES)、システム制御部14bはレジューム情報に含まれている再生位置からコンテンツを再生開始する。詳細には、例えばレジューム情報にはコンテンツを特定するコンテンツIDと再生開始位置(再生時間、再生開始アドレス)が含まれているので、再生部11bは、コンテンツIDで特定されるコンテンツの再生開始位置で特定される位置から再生開始する。
【0042】
[サブルームZONE2のセレクタ変更処理]
図6は、AVアンプ20のシステム制御部23による、サブルームZONE2のセレクタ変更処理を示すフローチャートである。なお、サブルームZONE2のセレクタ変更処理は、図4で説明したメインルームZONE1のセレクタ変更処理と略同じであり、図4に記載の「メインルーム」と「サブルーム」という用語を入れ替えたものである。なお、サブルームZONE2のセレクタがDVDセレクタからHDDセレクタに変更され、S31で、レジューム情報テーブルのサブルームZONE2のHDDセレクタのフィールドにレジューム情報が記憶されていると判断されると(S31でYES)、システム制御部23は、変更後のセレクタ(HDDセレクタ)は、現在のメインルームZONE1のセレクタと同じであるか否かを、セレクタテーブルを参照して判断する(S32)。変更後のサブルームZONE2のセレクタ(HDDセレクタ)が現在のメインルームZONE1のセレクタと同じである場合(S32でYES)、システム制御部23はHDDレコーダ10Bのシステム制御部14bにレジューム情報を送信しない。図5に示すように、HDDレコーダ10Bのシステム制御部14bは、例えば所定時間以内にレジューム情報を受信しない場合(S46でNO)、現在コンテンツを再生中(つまり、メインルームZONE1に対してコンテンツを再生中)であるか否かを判断する(S48)。再生中であれば(S48でYES)、そのままの再生位置で再生を継続するので、メインルームZONE1のユーザに不快感を与えることはない。再生中でなければ(S48でNO)、例えばユーザ操作によって新たに指定されたコンテンツの再生位置から再生開始する、又は、最初のコンテンツの最初の位置から再生を開始する(S49)。最初のコンテンツとは、例えば、プレイリスト内の最初のコンテンツ、又は、記録されている全コンテンツのうち最初のコンテンツIDで特定されるコンテンツ等である。
【0043】
以上のように、本実施形態によると、各ルームの各セレクタに対応付けてレジューム情報を記憶しているので、各ルーム毎にセレクタが変更されたときにレジューム情報で特定される再生位置からコンテンツを再生することができる。なお、S9の処理を省略して、自動的に再生コマンドを送信するようにしてもよい。
【0044】
[別の実施形態1]
次に、本発明の別の好ましい実施形態を説明する。図7は本例におけるAVアンプ20のメインルームZONE1のセレクタ変更処理を示すフローチャートであり、図4と同一処理には同一符号を付ける。図8は本例におけるAVアンプ20のサブルームZONE2のセレクタ変更処理を示すフローチャートであり、図6と同一処理には同一符号を付ける。
【0045】
本例では、図7に示すように、S11でメインルームZONE1について、変更後のセレクタに対応するレジューム情報がレジューム情報テーブルに記憶されていると判断されると(S11でYES)、システム制御部23は、メインルームZONE1についてユーザ操作によってレジューム再生許可指示が入力されているか否かを判断する(S13)。例えば、メインルームZONE1に配置されたディスプレイ装置に30Aに「レジューム再生しますか」という質問を表示し、レジューム再生を許可するか否かをユーザ操作によって入力させてもよく、事前にユーザ操作によってレジューム再生の許可/不可がメニュー画面等から設定可能であってもよい。
【0046】
レジューム再生許可指示が入力されている場合(S13でYES)、システム制御部23は、変更後のセレクタに対応するレジューム情報を読み出して、変更後のセレクタのコンテンツ再生装置のシステム制御部に送信する(S12)。一方、レジューム再生不可指示が入力されている場合(S13でNO)、システム制御部23は、変更後のセレクタに対応するレジューム情報をコンテンツ再生装置に送信しない。
【0047】
同様に、図8に示すように、S31でサブルームZONE2について、変更後のセレクタに対応するレジューム情報がレジューム情報テーブルに記憶されていると判断されると(S31でYES)、システム制御部23は、サブルームZONE2についてユーザ操作によってレジューム再生許可指示が入力されているか否かを判断する(S34)。レジューム再生許可指示が入力されている場合(S34でYES)、システム制御部23は、変更後のセレクタに対応するレジューム情報を読み出して、変更後のセレクタのコンテンツ再生装置のシステム制御部に送信する(S33)。一方、レジューム再生不可指示が入力されている場合(S34でNO)、システム制御部23は、変更後のセレクタに対応するレジューム情報をコンテンツ再生装置に送信しない。
【0048】
[別の実施形態2]
次に、本発明のさらに別の好ましい実施形態を説明する。本例では、図7及び図8のようにAVアンプ20側でユーザ操作によってレジューム再生許可指示/レジューム再生不可指示が入力されるのではなく、コンテンツ再生装置側でユーザ操作によってレジューム再生許可指示/レジューム再生不可指示が入力される。例えば、AVアンプ20のメインルームZONE1のセレクタ変更処理は図4と同じであり、AVアンプ20のサブルームZONE2のセレクタ変更処理は図8においてS34が省略されたものとなる。すなわち、AVアンプ20はレジューム情報が記憶されている限り無条件でコンテンツ再生装置にレジューム情報を送信する。コンテンツ再生装置の処理は、図5においてS46でYESと判断された後に、ユーザ操作によってレジューム再生許可指示が入力されているか否かを判断する。レジューム再生許可指示が入力されている場合、S47に進み、レジューム情報に基づいて再生するが、レジューム再生不可指示が入力されている場合、S48に進み、レジューム情報に基づいて再生しない。
【0049】
[別の実施形態3]
次に、本発明のさらに別の好ましい実施形態を説明する。図9は、AVアンプ20がスタンバイ状態から電源オン状態に移行する際のレジューム再生処理を示すフローチャートである。
【0050】
システム制御部23は、主電源回路をオフ状態に制御して、AVアンプ20を電源オン状態からスタンバイ状態に移行させる際に(S61でYES)、現在、メインルームZONE1のセレクタに選択されているコンテンツ再生装置、及び、サブルームZONE2のセレクタに選択されているコンテンツ再生装置に、AVアンプ20がスタンバイ状態に移行することを示すスタンバイ通知を送信する(S62)。例えば、メインルームZONE1のセレクタがDVDセレクタであれば、システム制御部23はDVDプレーヤ10Aのシステム制御部14にスタンバイ通知を送信する。サブルームZONE2のセレクタがHDDセレクタであれば、システム制御部23はHDDレコーダ10Bのシステム制御部14bにスタンバイ通知を送信する。図5において、S41を「スタンバイ通知受信」に読み替えて、スタンバイ通知を受信したコンテンツ再生装置のシステム制御部14は、スタンバイ通知に応答して現在の再生位置をレジューム情報としてAVアンプ20のシステム制御部23に送信する(S42)。システム制御部23は、レジューム情報を受信すると、メインルームZONE1、サブルームZONE2の現在の各セレクタに対応付けてレジューム情報をレジューム情報テーブルに登録する(S63)。つまり、レジューム情報テーブルにおいて、メインルームZONE1のDVDセレクタ10AのフィールドにDVDプレーヤ10Aのレジューム情報を登録し、サブルームZONE2のHDDセレクタ10BのフィールドにHDDレコーダ10Bのレジューム情報を登録する。その後、システム制御部23は、電源オン状態からスタンバイ状態に移行させる。
【0051】
一方、システム制御部23は、主電源回路をオン状態に制御して、AVアンプ20を電源オン状態に移行するとき(S64でYES)、メインルームZONE1の選択されているセレクタに対応付けて、レジューム情報がレジューム情報テーブルに記憶されているか否かを判断する(S65)。例えば、メインルームZONE1のセレクタがDVDセレクタであれば、メインルームZONE1のDVDセクタのレジューム情報が記憶されているかを判断する。レジューム情報が記憶されている場合(S65でYES)、システム制御部23は、メインルームZONE1の選択されているセレクタのコンテンツ再生装置(DVDプレーヤ10A)に、レジューム情報テーブルからレジューム情報を読み出して送信する(S66)。レジューム情報が記憶されていない場合(S65でNO)、メインルームZONE1の選択されているセレクタのコンテンツ再生装置にレジューム情報を送信せずにS67に進む。
【0052】
続いて、システム制御部23はサブルームZONE2設定がオン状態になっているか否かを判断する(S67)。サブルームZONE2設定とは、AVアンプ20がサブルームZONE2にコンテンツを出力するか否かをユーザ操作によって事前に設定する機能である。サブルームZONE2設定のオンオフは例えばメモリ内のフラグ等によって管理されている。
【0053】
サブルームZONE2設定がオフ状態であれば処理を終了するが、サブルームZONE2設定がオン状態である場合(S67でYES)、システム制御部23は、サブルームZONE2の選択されているセレクタに対応付けて、レジューム情報がレジューム情報テーブルに記憶されているか否かを判断する(S68)。サブルームZONE2のセレクタがHDDである場合には、サブルームZONE2のHDDセレクタのレジューム情報が記憶されているかを判断する。レジューム情報が記憶されていなければ処理を終了するが、レジューム情報が記憶されている場合(S68でYES)、例えば、システム制御部23は、サブルームZONE2のセレクタが、メインルームZONE1のセレクタと同じであるか否かを判断する(S69)。同じであればメインルームZONE1のレジューム情報を優先するために処理を終了する。一方、同じでない場合(S69でNO)、サブルームZONE2の選択されているセレクタのコンテンツ再生装置に、レジューム情報テーブルからレジューム情報を読み出して送信する(S70)。
【0054】
以上の処理によって、AVアンプが電源オン状態に移行する際にも、スタンバイ状態に移行する際に記憶したレジューム情報に基づいてコンテンツ再生装置を再生させることができる。なお、S64〜S70の電源オン時のレジューム再生処理を、図4〜図8で示したセレクタ変更時にレジューム情報テーブルに記憶したレジューム情報に基づいて実行したも良い。
【0055】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。例えば、再生部11は2つの光ピックアップを備える等ハードウェア構成を変更することにより、同時に同一のコンテンツ再生装置のコンテンツをメインルームZONE1及びサブルームZONE2に出力する場合でも、メインルームZONE1に対する再生開始位置と、サブルームZONE2に対する再生開始位置とを異ならせることができる。この場合には、上記実施形態のようにメインルームZONE1のレジューム情報を優先することや、ユーザ操作によってレジューム再生許可指示/レジューム再生不可指示の入力を判断することが不要となる。また、サブルームは、1つに限られず複数のサブルームZONE3、ZONE4にも適用可能である。また、AVアンプに送信されるコンテンツは、HDMIケーブルを介して送信されるのではなく、光デジタルケーブル等で送信されてもよい。この場合、別途他の通信ケーブルを介して各コマンドが送信されるとよい。また、AVアンプおよびコンテンツ再生装置の上記動作をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびこれを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。また、AVアンプの上記動作の一部のみのプログラムを、AVアンプにファームウェアアップデートという形態で提供されてもよい。さらには、AVアンプの上記動作の一部のみのプログラムが格納されたCPU、マイコンなどの電子部品という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、AVアンプおよびDVDプレーヤ等に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0057】
10A DVDプレーヤ
10B HDDレコーダ
20 AVアンプ
21 HDMI受信部
22 HDMI送信部
23 システム制御部
26 音声処理部
30A,30B ディスプレイ装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを再生する複数のコンテンツ再生装置が接続可能であり、前記複数のコンテンツ再生装置からコンテンツを受信するコンテンツ受信装置であって、
いずれかの前記コンテンツ再生装置からのコンテンツをメインルームに配置された機器に出力するメインルーム出力手段と、
いずれかの前記コンテンツ再生装置からのコンテンツをサブルームに配置された機器に出力するサブルーム出力手段と、
前記メインルーム出力手段がメインルームに配置された機器に出力するコンテンツを再生するコンテンツ再生装置を選択するメインルーム選択手段と、
前記サブルーム出力手段がサブルームに配置された機器に出力するコンテンツを再生するコンテンツ再生装置を選択するサブルーム選択手段と、
前記メインルーム選択手段によって選択可能な各コンテンツ再生装置に対してレジューム情報を記憶するためのメインルームレジューム記憶部と、
前記サブルーム選択手段によって選択可能な各コンテンツ再生装置に対してレジューム情報を記憶するためのサブルームレジューム記憶部と、
前記コンテンツ受信装置が電源オン状態からスタンバイ状態に移行する際に、前記メインルーム選択手段によって選択されているコンテンツ再生装置からレジューム情報を取得し、前記メインルームレジューム記憶部に前記メインルーム選択手段によって選択されているコンテンツ再生装置に対応付けて前記レジューム情報を登録し、前記サブルーム選択手段によって選択されているコンテンツ再生装置からレジューム情報を取得し、前記サブルームレジューム記憶部に前記サブルーム選択手段によって選択されているコンテンツ再生装置に対応付けて前記レジューム情報を登録するレジューム登録手段と、
前記コンテンツ受信装置がスタンバイ状態から電源オン状態に移行する際に、前記メインルームレジューム記憶部から前記メインルーム選択手段によって選択されているコンテンツ再生装置に対応付けて記憶されているレジューム情報を読み出して、前記メインルーム選択手段によって選択されているコンテンツ再生装置に送信し、前記サブルームレジューム記憶部から前記サブルーム選択手段によって選択されているコンテンツ再生装置に対応付けて記憶されているレジューム情報を読み出して、前記サブルーム選択手段によって選択されているコンテンツ再生装置に送信する再生制御手段とを備える、コンテンツ受信装置。
【請求項2】
請求項1記載のコンテンツ受信装置に接続可能な前記コンテンツ再生装置であって、
前記レジューム登録手段からの要求に応答して、レジューム情報を前記レジューム登録手段に送信するレジューム送信手段と、
前記再生制御手段から前記レジューム情報を受信した際に、前記レジューム情報に基づいてコンテンツを再生する再生手段とを有する、コンテンツ再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−231497(P2012−231497A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−138135(P2012−138135)
【出願日】平成24年6月19日(2012.6.19)
【分割の表示】特願2008−94430(P2008−94430)の分割
【原出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】